キャリア・アグリゲーションを使用する通信システムのための送信電力制御シグナリング
本発明は、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局からグループの移動端末装置への送信電力制御コマンドを送受信するための方法に関する。さらに、本発明は、ハードウェアおよびソフトウェアにおけるこれらの方法の実装形態にも関する。本発明は、送信電力制御コマンドをシグナリングするための効率的な方式を示唆する。1つのシグナリング・フォーマットにおいて、1つのTPCメッセージ内で移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する複数のTPCコマンドが送信される。別のシグナリング・フォーマットにおいて、移動端末装置に関するTPCコマンドは、それぞれのTPCメッセージ内でシグナリングされる。本発明のさらなる態様は、グループのコンポーネント・キャリアの送信電力を制御するキャリア・グループTPCコマンドをシグナリングすることによって、シグナリング・オーバーヘッドを小さくすることである。同様に、全キャリアTPCコマンドが、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の送信電力を制御するように与えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて、基地局からグループの移動端末装置への送信電力制御コマンドを送受信するための方法に関する。さらに、本発明は、ハードウェアおよびソフトウェアにおけるこれらの方法の実施に関する。
【背景技術】
【0002】
<LTE(ロングターム・エボリューション)>
3G(第3世代移動システム)ベースのWCDMA無線アクセス技術が、世界中で大規模に展開されている。この技術を強化する、または発展させる第1のステップは、高い競争力のある無線アクセス技術をもたらす、HSDPA(高速ダウンリンク・パケット・アクセス)、および、HSUPA(高速アップリンク・パケット・アクセス)とも呼ばれる拡張アップリンクを導入することを必要とする。
【0003】
さらに高まるユーザ要求に備えるために、さらに新たな無線アクセス技術に対する競争力を持つために、3GPPは、LTE(ロングターム・エボリューション)と呼ばれる新たな移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間、高速のデータおよびメディアのトランスポート、ならびに大容量音声サポートを求める通信事業者ニーズを満たすように設計されている。高ビットレートを提供可能であることは、LTEにとって重要な評価基準である。
【0004】
発展型UTRA(UMTS地上無線アクセス)およびUTRAN(UMTS地上無線アクセス・ネットワーク)と呼ばれるLTE(ロングターム・エボリューション)に関するWI(作業項目)規格が、リリース8(LTE)としてまとめられることになっている。LTEシステムは、待ち時間が短く費用が安いフルIPベースの機能を提供する、効率的なパケット・ベースの無線アクセスおよび無線アクセス・ネットワークを代表する。詳細なシステム要件が挙げられている。LTEでは、所与のスペクトルを使用して柔軟性のあるシステム展開を実現するために、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、20.0MHzなどのスケーラブルな複数の伝送帯域幅が指定されている。ダウンリンクでは、シンボル・レートが低いためMPI(マルチパス干渉)に本来的に耐性があること、CP(サイクリック・プレフィックス)を使用すること、および様々な伝送帯域幅構成と相性が良いことから、OFMD(直交周波数分割多重化)ベースの無線アクセスが採用された。アップリンクでは、UE(ユーザ機器)の限られた送信電力を考慮して、ピーク・データレートの向上よりも広域カバレッジのプロビジョニングが優先されたことから、SC−FDMA(シングル・キャリア周波数分割多元接続)ベースの無線アクセスが採用された。LTE(リリース8)において、MIMO(多入力多出力)チャネル伝送技術を含め、多くの重要なパケット無線アクセス技術が使用されており、さらに非常に効率的な制御シグナリング構造が用いられている。
【0005】
<LTE構成>
全体的な構成を、図1に示し、E−UTRAN構成のより詳細な図を、図2に示す。E−UTRANは、UE(ユーザ機器)に向けてE−UTRAユーザ・プレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコル終端および制御プレーン(RRC)プロトコル終端をもたらすeノードBからなる。eNB(eノードB)は、PHY(物理)レイヤ、MAC(媒体アクセス制御)レイヤ、RLC(無線リンク制御)レイヤ、および、ユーザ・プレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含むPDCP(パケット・データ制御プロトコル)レイヤをホストする。また、eNBは、制御プレーンに対応するRRC(無線リソース制御)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理、受付制御、スケジューリング、ネゴシエートされたアップリンクQoS(サービス品質)の実施、セル情報ブロードキャスト、ユーザ・プレーン・データおよび制御プレーン・データの暗号化/解読、およびダウンリンク/アップリンク・ユーザ・プレーン・パケット・ヘッダの圧縮/伸張を含む、多くの機能を実行する。それらのeノードBは、X2インターフェースによって互いに接続される。
【0006】
また、eノードBは、S1インターフェースによってEPC(発展型パケット・コア)にも接続され、より具体的には、S1−MMEによってMME(移動管理エンティティ)に、さらにS1−UによってSGW(サービング・ゲートウェイ)に、接続される。S1インターフェースは、MME/サービング・ゲートウェイとeノードBの間の多対多関係をサポートする。SGWは、eノードB間ハンドオーバ中にユーザ・プレーンに関するモビリティアンカの役割をし、さらにLTE技術と他の3GPP技術(S4インターフェースを終端させ、さらに2G/3GシステムとPDN GWの間でトラフィックを中継する)の間のモビリティアンカの役割もしながら、ユーザ・データ・パケットをルーティングし、さらに転送する。アイドル状態のユーザ機器に関して、SGWは、ダウンリンク・データ・パスを終端させ、さらにユーザ機器のためにダウンリンク・データが着信すると、ページングをトリガする。SGWは、ユーザ機器コンテキスト、例えば、IPベアラ・サービスのパラメータやネットワーク内部ルーティング情報を管理し、さらに格納する。また、SGWは、合法的傍受の場合にユーザ・トラフィックのレプリケートを実行する。
【0007】
MMEは、LTEアクセス・ネットワークに関する重要な制御ノードである。MMEは、再送を含む、アイドル・モードユーザ機器追跡およびページング手順を担う。MMEは、ベアラ活性化/不活性化プロセスに関与し、初期アタッチ時、およびCN(コア・ネットワーク)ノード移転がかかわるLTE内ハンドオーバの時点で、ユーザ機器のためにSGWを選択することも担う。MMEは、ユーザを認証することを(HSSと対話することによって)担う。NAS(非アクセス・レイヤ)シグナリングが、MMEに終端し、さらにNASは、ユーザ機器に一時識別子を生成して、割り当てることも担う。NASは、ユーザ機器がサービス・プロバイダのPLMN(公共陸線移動体ネットワーク)にキャンプオンする許可を調べ、ユーザ機器ローミング制限を実施する。MMEは、NASシグナリングに関する暗号化/完全性保護のためのネットワークにおける終端ポイントであり、さらにセキュリティ鍵管理を扱う。シグナリングの合法的傍受も、MMEによってサポートされる。また、MMEは、S3インターフェースがSGSNからMMEに終端して、LTEアクセス・ネットワークと2G/3Gアクセス・ネットワークの間の移動に関する制御プレーン機能も提供する。また、MMEは、ローミング・ユーザ機器に関するホームHSSに向けてのS6aインターフェースを終端させる。
【0008】
<LTE(リリース8)におけるコンポーネント・キャリア構造>
3GPP LTE(リリース8)のダウンリンク・コンポーネント・キャリアは、時間周波数領域で、いわゆるサブフレームに細分される。3GPP LTE(リリース8)において、各サブフレームは、2つのダウンリンク・スロットに分割され、第1のダウンリンク・スロットは、第1のOFDMシンボル内の制御チャネル領域(PDCCH領域)を備える。各サブフレームは、時間領域における所与の数のOFDMシンボル(3GPP LTE(リリース8)において12または14のOFDMシンボル)からなり、OFDMシンボルのそれぞれは、コンポーネント・キャリアの帯域幅全体にわたる。このため、OFDMシンボルはそれぞれ、図4にも示すとおり、それぞれの
【数1】
個のサブキャリア上で伝送されるいくつかの変調シンボルからなる。
【0009】
例として、3GPPの「ロングターム・エボリューション」作業項目において説明される、例えば、OFDMを使用するマルチキャリア通信システムを想定すると、スケジューラによって割り当てられることが可能なリソースの最小単位は、1「リソース・ブロック」である。物理的リソース・ブロックは、図4に例示するとおり、時間領域における
【数2】
個の連続するOFDMシンボル、および周波数領域における
【数3】
個の連続するサブキャリアとして定義される。このため、3GPP LTE(リリース8)では、物理的リソース・ブロックは、時間領域における1スロット、および周波数領域における180kHzに相当する、
【数4】
個のリソース要素からなる(ダウンリンク・リソース・グリッドに関するさらなる詳細については、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、さらに参照により本明細書に組み込まれている、3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、セクション6.2を参照されたい)。
【0010】
<ダウンリンク物理チャネルの全体的な構造>
3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、2009年3月、セクション6.3(http://www.3gpp.orgで利用可能であり、さらに参照により本明細書に組み込まれている)による一般的なダウンリンクLTEベースバンド信号処理を、図6に例示する。LTEダウンリンクに関するさらなる詳細は、3GPP TS36.211、セクション6で見ることができる。符号化されたビットのブロックが、最初にスクランブルされる。2つまでの符号語が、1つのサブフレーム内で伝送され得る。
【0011】
一般に、符号化されたビットをスクランブルすることは、受信側の復号が、チャネル符号によってもたらされる処理利得を完全に利用することができることを確実にするのに役立つ。各符号語に関して、隣接セルに関して異なるスクランブル系列を適用することによって、干渉する信号がランダム化されて、チャネル符号によってもたらされる処理利得の完全な利用が確実になる。スクランブルされたビットは、各符号語に関するデータ変調器を使用して、複素変調シンボルのブロックに変換される。LTEダウンリンクによってサポートされる変調方式のセットには、1つの変調シンボル当り2ビット、4ビット、および6ビットに対応する、QPSK、16QAM、および64QAMが含まれる。
【0012】
レイヤ・マッピングおよびプリコーディングが、MIMOアプリケーションと関係する。伝送されるべき符号語の各符号語に関する複素値の変調シンボルが、1つのレイヤ、またはいくつかのレイヤにマップされる。LTEは、4つまでの送信アンテナをサポートする。アンテナ・マッピングは、送信ダイバーシティ、ビーム形成、および空間多重化を含め、マルチアンテナ方式をもたらす様々な方法で構成され得る。さらに、リソース・ブロック・マッパが、各アンテナ上で送信されるべきシンボルを、送信のためにスケジューラによって割り当てられたリソース・ブロックのセット上のリソース要素にマップする。リソース・ブロックの選択は、チャネル品質情報に依存する。
【0013】
ダウンリンク制御シグナリングが、以下の3つの物理チャネルによって実行される。すなわち、
− サブフレーム内で制御シグナリングのために使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御チャネル領域のサイズ)を示すPCFICH
− ULデータ伝送に関連するダウンリンクACK/NACKを伝送するPHICH
− ダウンリンク・スケジューリング割当て、およびアップリンク・スケジューリング割当てを伝送するPDCCH。
【0014】
<3GPP LTEにおけるダウンリンク受信>
アップリンクおよびダウンリンクで1回だけのコンポーネント・キャリアが存在する3GPP LTE(リリース8)において、PCFICHが、既知の変調−符号化方式を使用して、ダウンリンク・サブフレームの制御シグナリング領域内の既知の位置で送信される。ユーザ機器に割り当てられるダウンリンク・リソースの決定は、サブフレームの制御シグナリング領域のサイズ、すなわち、所与のサブフレーム内で制御シグナリングのために使用されるOFDMシンボルの数に依存するので、ユーザ機器は、シグナリングされたPCFICH値、すなわち、サブフレーム内で制御シグナリングのために使用されたOFDMシンボルの実際の数を獲得するために、PCFICHを復号する必要がある。
【0015】
ユーザ機器が、PCFICHを復号することができない、または誤ったPCFICH値を獲得した場合、このPCFICH検出誤りは、ユーザ機器が、制御シグナリング領域内に含まれるL1/L2制御シグナリング(PDCCH)を正しく復号することができないことをもたらし、したがって、制御シグナリング領域内に含まれるすべてのリソース割当てが失われる。
【0016】
<PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)割当て>
PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)は、ダウンリンク・データ伝送またはアップリンク・データ伝送にリソースを割り当てるためのスケジューリング許可を担持する。各スケジューリング許可は、CCE(制御チャネル要素)に基づいて定義される。各CCEは、RE(リソース要素)のセットに対応する。3GPP LTEにおいて、1つのCCEは、9個のREG(リソース要素グループ)からなり、ただし、1つのREGは、4つのREからなる。
【0017】
PDCCHは、サブフレーム内の最初の1つから3つのOFDMシンボル上で伝送される。PDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル)上のダウンリンク許可に関して、PDCCHは、同一のサブフレーム内の(ユーザ)データにPDSCHリソースを割り当てる。サブフレーム内のPDCCH制御チャネル領域は、CCEのセットからなり、ただし、サブフレームの制御領域内の総数のCCEは、時間および周波数の制御リソース全体にわたって分布する。複数のCCEが、制御チャネルの符号化レートを効果的に低減するように組み合わされることが可能である。CCEは、ツリー構造を使用して、所定の方法で組み合わされて、異なる符号化レートが実現される。
【0018】
3GPP LTEにおいて、PDCCHが、1つ、2つ、4つ、または8つのCCEを集約することが可能である。制御チャネル割当てに利用可能なCCEの数は、キャリア帯域幅、送信アンテナの数、制御のために使用されるOFDMシンボルの数、およびCCEサイズなどを含め、いくつかの要因に依存する。複数のPDCCHが、サブフレーム内で伝送され得る。
【0019】
トランスポート・チャネル・レベルで、PDCCHを介して伝送される情報は、L1/L2制御シグナリングとも呼ばれる。L1/L2制御シグナリングは、各UE(ユーザ機器)に関してダウンリンクで伝送される。この制御シグナリングは、通常、(ユーザ割当てがサブフレームごとに変わり得るものと想定して)サブフレーム内でダウンリンク(ユーザ)データと多重化される。一般に、ユーザ割当ては、TTI長(時間領域における)が1つまたは複数のサブフレームと均等であるTTI(伝送時間間隔)をベースとして実行されることも可能であることに留意されたい。TTI長は、すべてのユーザに関してサービスエリア内で固定であってもよく、異なるユーザに関して異なってもよく、さらには各ユーザに関して動的であってもよい。一般に、L1/L2制御シグナリングは、1つのTTIにつき1回、伝送されるだけでよい。
【0020】
さらに、L1/L2制御シグナリング上で送信されるPDCCH情報は、SCI(共有制御情報)とDCI(個別制御情報)に分離されることが可能である。DCIという頭字語は、ダウンリンク制御情報も指すこともあることに留意されたい。
【0021】
DCIは、ダウンリンクもしくはアップリンクのスケジューリング情報、または1つのRNTI(無線ネットワーク端末装置識別子)に関するアップリンク電力制御コマンドをトランスポートする。RNTIは、データまたは情報を特定のユーザ機器に宛てるためにLTEにおいて一般的に使用される、一意の識別子である。RNTIは、RNTIでDCIの符号化されたペイロード・データのCRCをマスクすることによって、DCIに暗黙に含められる。ユーザ機器側で、データのペイロード・サイズの復号が成功した場合、ユーザ機器は、「アンマスクされた」(すなわち、RNTIを使用するマスクが取り除かれた後の)CRCを使用する復号されたペイロード・データに対するCRCが成功したかどうかを調べることによって、DCIがそのユーザ機器を宛先とすることを検出する。CRC符号のマスクは、CRCをRNTIでスクランブルすることによって実行されることに留意されたい。
【0022】
3GPP LTE(リリース8)において、以下の異なるDCIフォーマットが定義される。すなわち、
− アップリンクDCIフォーマット
・ UL SCH割当ての伝送のために使用されるフォーマット0
・ フォーマット3が、2ビット電力調整を有するPUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用される(複数のUEがアドレス指定される)
・ フォーマット3Aが、単一ビット電力調整を有するPUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用される(複数のUEがアドレス指定される)
− ダウンリンクDCIフォーマット
・ SIMO動作に関するDL SCH割当ての伝送のために使用されるフォーマット1
・ SIMO動作に関するDL SCH割当てのコンパクト伝送のために使用されるフォーマット1A
・場合により、隣接するリソース割当てで閉ループ単一ランク伝送をサポートするのに使用されるフォーマット1B
・ フォーマット1Cは、ページング、RACH応答、および動的BCCHスケジューリングのダウンリンク伝送を目的とする
・ フォーマット1Dは、プリコーディングおよび電力オフセット情報を用いた1つのPDSCH符号語のコンパクト・スケジューリングのために使用される
・ フォーマット2は、閉ループMIMO動作に関するDL−SCH割当ての伝送のために使用される
・ フォーマット2Aは、開ループMIMO動作に関するDL−SCH割当ての伝送のために使用される
【0023】
ダウンリンクにおけるLTE物理チャネル構造、およびPDSCHフォーマットおよびPDCCHフォーマットに関するさらなる詳細については、Stefania Sesiaら、「LTE−The UMTS Long Term Evolution」、Wiley & Sons Ltd.、ISBN978−0−47069716−0、2009年4月、セクション6および9を参照されたい。
【0024】
<ユーザ機器におけるPDCCHのブラインド復号>
3GPP LTE(リリース8)において、ユーザ機器が、いわゆる「ブラインド復号」を使用してPDCCH内のDCIを検出しようと試みる。このことは、ダウンリンクでシグナリングされるPDCCHに関して、CCE集約サイズまたは変調−符号化方式を示す関連する制御シグナリングは存在しないことを意味するが、ユーザ機器は、CCE集約サイズおよび変調−符号化方式の可能なすべての組合せに関して試験し、さらに前述したRNTIに基づくPDCCHの復号の成功を確認する。さらに複雑さを制限するのに、LTEコンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内で、ユーザ機器がPDCCHを探索する共通の探索空間、および個別の探索空間が定義される。
【0025】
3GPP LTE(リリース8)において、PDCCHペイロード・サイズは、1回のブラインド復号の試行で検出される。ユーザ機器は、以下の表1で強調されるとおり、任意の構成された伝送モードに関して異なる2つのペイロード・サイズを復号しようと試みる。表1は、DCIフォーマット0、1A、3、および3Aのペイロード・サイズXが、伝送モード構成にかかわらず同一であることを示す。その他のDCIフォーマットのペイロード・サイズは、伝送モードに依存する。
【表1】
【0026】
したがって、ユーザ機器は、第1のブラインド復号の試行において、DCIのペイロード・サイズを調べることができる。さらに、ユーザ機器は、高過ぎる処理要求を回避するために、DCIフォーマットの所与のサブセットだけを探索するようにさらに構成される。
【0027】
<3GPP LTEにおけるアップリンク電力制御>
アップリンク電力制御が、様々なアップリンク物理チャネルの送信電力を制御する。サブフレームi内のPUSCH(物理アップリンク共有チャネル)伝送に関するユーザ機器の送信電力PPUSCH(dBで測定される)の設定は、以下の式によって定義される。すなわち、
【数5】
【0028】
同様に、PUCCH(物理アップリンク制御チャネル)伝送に関して、送信電力制御は、
【数6】
によって与えられる。ただし、TPC(送信電力制御)コマンドとも呼ばれるUEごとの補正値であるδPUSCH(/δPUCCH)が、DCIフォーマット0(/ダウンリンクDCIフォーマット)でPDCCHの中に含められる、または、CRCパリティ・ビットがTPC−PUSCH(/PUCCH)−RNTIでスクランブルされたDCIフォーマット3/3Aで、PDCCH内に他のTPCコマンドと一緒に符号化される。現在のPUSCH(/PUCCH)電力制御調整状態は、より上位のレイヤによって与えられるUEごとのパラメータ、Accumulation−enabledに基づいて、蓄積が可能にされる場合、以下によって定義されるf(i)によって与えられる。すなわち、PUSCHに関して、
【数7】
であり、PUCCHに関して、
【数8】
である。
【0029】
<3GPP LTEにおけるDCIフォーマット3/3A>
<DCIフォーマット3>
DCIフォーマット3は、PUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用され、さらに2ビットのサイズを有するTPCフィールド(送信電力制御フィールド)を含み、すなわち、2ビット電力調整を可能にする。DCIフォーマット3は、所与の数N個のTPCフィールドからなり、各TPCフィールドは、異なるUEに関するTPCコマンドを含む。UEには、DCIフォーマット3のPDCCH内で1つのTPCフィールドだけが割り当てられる。DCIフォーマット3の複数のPDCCHがサブフレーム内で伝送される場合、それでも、UEに割り当てられた1つのPDCCH内に1つだけのTPCフィールドが存在する。DCIフォーマット3におけるTPCフィールドの数は、
【数9】
によって与えられ、ただし、Lformat0は、フォーマット0に付加されるパディング・ビットを含め、CRC付加の前のフォーマット0(アップリンク割当てのスケジューリング)のペイロード・サイズと等しい。より上位のレイヤによって与えられるパラメータ、tpc−indexは、所与のユーザ機器に関するTPCフィールド/コマンドに対するインデックスを決定する。もし、
【数10】
である場合、値0のビットが、フォーマット3に付加される。サブフレーム内で伝送されるフォーマット3のDCIを有する複数のPDCCHは、電力制御シグナリングのためにシステムにおいて特別に定義された(いわゆるTPC−RNTIである)それぞれのRNTIでCRCをマスクすることによって、UEのグループにアドレス指定される。各ユーザ機器には、フォーマット3のDCIを伝送するPDCCHのブラインド検出の際に使用されるTPC−RNTIのうちの1つが割り当てられる。
【0030】
以下の表2は、3GPP LTE(リリース8)において指定されるPUSCHに関するDCIフォーマット3におけるTPCコマンド値のマッピングを示す。http://www.3gpp.orgで利用可能な、3GPP TS36.212、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Multiplexing and channel coding」、バージョン8.8.0、および3GPP TS36.213、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical layer procedures」、バージョン8.8.0を参照されたい。
【表2】
【0031】
同様なTPC値が、PUCCHに関しても定義される。
【0032】
<フォーマット3A>
DCIフォーマット3Aは、単一ビット電力調整を有するPUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用される。構造に関して、SCIフォーマット3Aは、DCIフォーマット3の2倍の数のTPCフィールドを含むが、TPCフィールド・サイズは、DCIフォーマット3に関するTPCフィールド・サイズの1/2、すなわち、1ビットだけである。このため、DCIフォーマット3Aは、所与の数、M=Lformat0個のTPCフィールドからなり、各TPCフィールドは、異なるUEに関するTPCコマンドを含み、ただし、Lformat0は、この場合も、フォーマット0に付加されたパディング・ビットを含め、CRC付加の前のフォーマット0のペイロード・サイズと等しい。さらに、やはりDCIフォーマット3Aに関して、より上位のレイヤのシグナリングは、UEにパラメータtpc−indexを与え、より上位のレイヤによって与えられるtpc−indexは、所与のユーザ機器に関するTPCフィールド/コマンドに対するインデックス、およびブラインド検出のために使用すべきTPC−RNTIを決定する。
【0033】
以下の表3は、3GPP LTE(リリース8)において指定されるPUCCHとPUSCHの両方に関する、DCIフォーマット3AにおけるTPCコマンド値のマッピングを示す。
【表3】
【0034】
<LTEに関するさらなる進展−拡張LTE(3GPP LTE−A)>
拡張IMTに関する周波数スペクトルは、2008年11月のWRC−07(World Radio communication Conference 2007)において決定された。拡張IMTに関する全体的な周波数スペクトルは決定されたものの、実際の利用可能な周波数帯域は、各地域または各国により異なる。しかし、利用可能な周波数スペクトルの概要の決定の後に、無線インターフェースの標準化が、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)において開始した。3GPP TSG RAN#39会議で、「拡張LTE(E−UTRAに関するさらなる進展)」に関する、「リリース10」とも呼ばれる研究項目記述が承認された。この研究項目は、例えば、拡張IMTの要件を満たすのに、E−UTRAの発展のために考慮されるべき技術構成要素を、対象として含む。LTE−Aに関して現在、考慮されている2つの主要な技術構成要素を、以下に説明する。
【0035】
全体的なシステム帯域幅を拡張するために、LTE−A(リリース10)は、キャリア・アグリゲーションを使用する。ただし、LTE(リリース8)のために定義された2つ以上のコンポーネント・キャリア(前述の図3および図4を参照されたい)が、例えば、100MHzまでのより広い伝送帯域幅をサポートするために、さらにスペクトル集約のために、集約される。単一のコンポーネント・キャリアは、20MHzの帯域幅を超えないものと一般に想定される。
【0036】
端末装置は、端末装置の能力に応じて、1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上で同時に受信し、さらに/または送信することが可能である。
− キャリア・アグリゲーションのための受信能力および/または送信能力を有する拡張LTE(リリース10)対応の移動端末装置は、複数のコンポーネント・キャリア上で同時に受信し、さらに/または送信することができる。1つのコンポーネント・キャリア当り1つのトランスポート・ブロック(空間多重化が存在しない状況で)、および1つのHARQエンティティが存在する。
− LTE(リリース8)対応の移動端末装置は、コンポーネント・キャリアの構造がリリース8規格に準拠するという条件付きで、単一のコンポーネント・キャリア上だけで受信および送信を行うことができる。
【0037】
また、少なくとも、アップリンクとダウンリンクでコンポーネント・キャリアの集約された数が同一である場合に、すべてのコンポーネント・キャリアをLTE(リリース8)対応に構成することも構想される。LTE−A(リリース10)コンポーネント・キャリアの後方互換性のない構成の考慮は、排除されない。したがって、アップリンクとダウンリンクで場合により異なる帯域幅の異なる数のコンポーネント・キャリアを集約するようユーザ機器を構成することが可能である。
【0038】
<3GPP LTE−AにおけるPDCCH構造およびクロス・キャリア・スケジューリング>
前述したとおり、3GPP LTE−A(リリース10)において、キャリア・アグリゲーション、すなわち、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、複数のコンポーネント・キャリアがそれぞれ用いられる。クロス・キャリア・スケジューリングを利用することが現在、3GPPによって構想されており、このことは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのうちの1つのキャリア上の(単一の)PDCCHが、複数のコンポーネント・キャリア上にダウンリンク・リソース(物理ダウンリンク共有チャネル−PDSCH)またはアップリンク・リソース(物理アップリンク共有チャネル−PUSCH上の)を割り当てることができることを意味する(http://www.3gpp.orgで利用可能であり、さらに参照により本明細書に組み込まれている、3GPP RAN1会議no.58において合意された3GPP Tdoc.R1−094959、「TP for TR36.814 on downlink control signalling for carrier aggregation」を参照されたい)。クロス・キャリア・スケジューリングの使用の動機は、異種のネットワーク動作、サポート拡張キャリア動作、PDCCH CCEブロックが生じる可能性がある場合の効率的なスケジューリングなどである。
【0039】
3GPPにおいて、(ダウンリンク)コンポーネント・キャリア上のPDCCHが、同一のコンポーネント・キャリア上のPDSCHリソースを割り当てること、および単一のリンクされたULコンポーネント・キャリア上にPUSCHリソースを割り当てることができることが合意されている。Rel−8のPDCCH構造(同一の符号化、同一のCCEベースのリソース・マッピング)、およびDCIフォーマットが、各コンポーネント・キャリア上で使用される。さらに、コンポーネント・キャリア上のPDCCHは、CIF(キャリア・インジケータ・フィールド)を使用して複数のコンポーネント・キャリアのうちの1つのキャリアにおけるPDSCHリソースまたはPUSCHリソースを割り当てるのに使用されることが可能である。ただし、3GPP LTE(リリース8)DCIフォーマットは、固定の3ビット・キャリア・インジケータ・フィールドで拡張され、さらに3GPP LTE(リリース8)PDCCH構造(同一の符号化、同一のCCEベースのリソース・マッピング)が再使用される。キャリア・インジケータ・フィールドの存在は、半静的に構成され得る。
【0040】
送信電力制御に関して、3GPP LTE(リリース8)に関して提案される機構は、3GPP LTE−A(リリース10)における使用のためにいくらかの適合および最適化を必要とする可能性がある。3GPP LTE−A(リリース10)においては、3GPP LTE(リリース8)とは異なり、アップリンクおよびダウンリンクで複数のコンポーネント・キャリアのキャリア・アグリゲーションが使用され、このことは、電力制御のための強化されたシグナリング機構を必要とする。後段で明白となるとおり、3GPP LTE(リリース8)送信電力制御の単純な再使用、すなわち、各アップリンク・コンポーネント・キャリアに関して再使用を単に実行することは、非対称的なアップリンク/ダウンリンク・キャリア・アグリゲーション、ユーザ機器によるブラインド復号の試みに対するより高い要求、および処理リソースおよび(バッテリ)電力の関係する使用、制御シグナリング・オーバーヘッドなどの点で、効率的でない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0041】
【非特許文献1】3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、セクション6.2
【非特許文献2】3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、2009年3月、セクション6.3
【非特許文献3】Stefania Sesiaら、「LTE−The UMTS Long Term Evolution」、Wiley & Sons Ltd.、ISBN978−0−47069716−0、2009年4月、セクション6および9
【非特許文献4】3GPP TS36.212、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Multiplexing and channel coding」、バージョン8.8.0
【非特許文献5】3GPP TS36.213、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical layer procedures」、バージョン8.8.0
【非特許文献6】3GPP Tdoc.R1−094959、「TP for TR36.814 on downlink control signalling for carrier aggregation」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
本発明の目的の1つは、アップリンクでキャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて送信電力制御コマンドをシグナリングするための、効率的な方式を示唆することである。すなわち、アップリンクでキャリア・アグリゲーションを使用する移動通信システムに3GPP LTE(リリース8)送信電力制御を拡張することの、前述した潜在的な欠点の1つに関して、少なくともより効率的である送信電力制御シグナリング方式を見出すことは、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0043】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0044】
本発明の第1の態様によれば、移動端末装置(3GPP用語でユーザ機器と呼ばれる)のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する(複数の)送信電力制御コマンドが、1つの送信電力制御メッセージ内で移動端末装置に与えられる。3GPPベースのシステムにおいてこの態様を実施する際、電力制御メッセージは、例えば、3GPP LTE(リリース8)に関するDCIフォーマット3/3Aに基づくフォーマットのDCIを伝送するPDCCHであることが可能であるが、各DCIが、所与の移動端末装置に関する複数のTPCコマンドを備えることが可能である。さらに、送信電力制御メッセージは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域(すなわち、制御情報を伝送するのに個別のサブフレーム内の所与の数のOFDMシンボル)内でシグナリングされる。基地局によるサービスを受けるグループの移動端末装置に、送信電力制御メッセージ内でそれぞれの複数の送信電力制御フィールドが割り当てられる。
【0045】
この第1の態様に沿って、本発明の一実施形態は、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局からグループの移動端末装置への送信電力制御コマンドを送信するための方法を提供することである。基地局は、複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成する。送信電力制御メッセージのこれらの送信電力制御フィールドの複数が、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、さらに各移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドが、それぞれの移動端末装置によって集約されるそれぞれのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングするために使用される。基地局は、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域に送信電力制御メッセージをマップし、さらに、サブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内に含まれる送信電力制御メッセージを移動端末装置にさらに送信する。
【0046】
このようにして、所与のグループの移動端末装置のうちのそれぞれの移動端末装置の異なるアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御が可能である。このことは、1つの移動端末装置に割り当てられる送信電力制御フィールドの数が、その移動端末装置のために構成されるアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下でなければならないことを意味する。
【0047】
前述したとおり、グループの移動端末装置のうちの異なる移動端末装置に、メッセージ内のそれぞれの複数の送信電力制御フィールドが割り当てられる。本発明のさらなる実施形態によれば、基地局は、グループの移動端末装置のうちの移動端末装置に割当てメッセージを送信している。それぞれの割当てメッセージは、このグループのそれぞれの移動端末装置に送信され得ることに留意されたい。各割当てメッセージは、それぞれの移動端末装置を、送信電力制御メッセージの複数の送信電力制御フィールドのそれぞれの複数のフィールドに割り当て、さらに/または複数の一時識別子のうちの1つを移動端末装置に割り当てる、割当て情報を含む。例えば、割当てメッセージは、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRC(無線リソース制御)レイヤ/プロトコルのメッセージである。割当てメッセージは、送信電力制御フィールドの割当ての構成および再構成のために使用され得ることにさらに留意されたい。
【0048】
それぞれの移動端末装置に対する送信電力制御フィールドの割当てを円滑にするのに、それぞれのフィールドが、例えば、インデックスによって識別されることも可能である。本発明のさらなる実施形態において、割当てメッセージは、(それぞれの)移動端末装置に割り当てられた送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドのインデックスを示す。
【0049】
前述したとおり、所与の移動端末装置に割り当てられる送信電力制御フィールドの数は、移動端末装置のための構成されるアップリンク・コンポーネント・キャリアの数より少ないことが可能である。本発明の別の実施形態では、(送信電力制御メッセージが関係する所与のグループの移動端末装置の)移動端末装置によって集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアは、キャリアのグループ(サブセット)にグループ化される。後段で概説するとおり、キャリアのこのグループ化は、移動端末装置に電力制御コマンドを与えるためのシグナリング・フォーマットとは独立である、本発明の(第3の)別の態様である。この実施形態において、基地局は、それぞれ移動端末装置のキャリアの各グループに関して、それぞれの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定する。各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、それぞれの移動端末装置によって、キャリアのそれぞれのグループに属するアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドである。基地局は、移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドのうちの1つに対するそれぞれの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御を、送信電力制御メッセージ内に含める。
【0050】
移動端末装置のキャリアのグループに関するそのようなキャリア・グループ送信電力制御コマンドの使用は、例えば、単一の送信電力制御コマンドによる同様の電力制御を経験すべき(例えば、同一のレベルの干渉を経験することにより)移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアを電力制御することによって、制御シグナリング・オーバーヘッドを小さくするという点で、有利であり得る。所与の端末装置のために構成されるコンポーネント・キャリアのグループ化は、例えば、以下のパラメータのうちの少なくとも1つに依存することも可能である。すなわち、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
− アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
− 基地局において利用可能な移動端末装置に関する送信電力制御フィールドの数、
− 基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、例えば、アップリンク・アンカ・キャリア、および
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上で移動端末装置によってシグナリングされるべきダウンリンク・データ伝送に対応するACK/NACKの数。
【0051】
さらに、別の実施形態において、1つの送信電力制御コマンドが、アップリンクでユーザ機器のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアの送信電力を一緒に制御するのに使用されることが構想される。送信電力制御メッセージ内の残りの送信電力制御フィールドは、例えば、移動端末装置の選択されたアップリンク・コンポーネント・キャリア(またはそのようなコンポーネント・キャリアのグループ)の送信電力を微調整するのに使用され得る。この実施形態の1つの例示的な実装形態において、キャリア・グループ送信制御電力コマンドのうちの1つが、移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、その1つの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドであることも可能である。
【0052】
さらに詳細には、1つの移動端末装置に割り当てられた送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドのうちの1つが、例えば、移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して送信電力制御コマンドをシグナリングしていることが可能であり、さらに送信電力制御メッセージのその他の1つまたは複数の送信電力制御フィールドが、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関する送信電力制御コマンドをシグナリングしている。全キャリア送信電力制御コマンドは、基地局によって、例えば、送信電力制御メッセージ内のそれぞれ1つの移動端末装置に割り当てられた第1の送信電力制御フィールド内に含められることが可能である。このことは、例えば、それぞれのタイプの送信電力制御コマンドに関する送信電力制御メッセージ内の電力制御フィールドの使用が、移動端末装置にシグナリングされなくてもよく、移動端末装置および基地局に知られているので、有利であり得る。
【0053】
本発明のさらなる実施形態において、基地局が、送信電力制御メッセージの送信電力制御フィールドのためのCRC符号を生成している。このCRC符号は、その後、送信電力制御のために定義された移動端末装置のグループに共通する複数の一時識別子のうちの1つで、基地局によってマスクされて、マスクされたCRC符号が獲得される。このマスクされたCRC符号は、次に、基地局によって、送信電力制御メッセージが伝送のためにダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップされるのに先立って、送信電力制御メッセージのCRCフィールドに含められる。
【0054】
サービスを受け、さらに電力制御されるべき移動端末装置の総数に依存して、このことは、基地局(3GPP用語でeノードBと呼ばれる)が、ダウンリンクでそれぞれのグループの移動端末装置に関する複数の送信電力制御メッセージをシグナリングする必要がある可能性があることを暗示し得る。したがって、やはり本発明の第1の態様に沿った本発明のさらなる実施形態において、基地局は、所与のサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の様々なグループの移動端末装置のための複数の送信電力制御メッセージを生成し、送信する。これらの送信電力制御メッセージのそれぞれは、送信電力制御のために定義された移動端末装置のグループに共通である複数の一時識別子のうちの異なる1つでマスクされた、マスクされたCRCを含む。
【0055】
この実施形態のより詳細な実装形態において、基地局は、例えば、RRCシグナリングなどの、より上位のレイヤのシグナリングによって移動端末装置の様々な共通の探索空間、および/または個別の探索空間をさらに構成する。移動端末装置の探索空間は、移動端末装置が、制御情報(送信電力制御メッセージを含む)のブラインド検出を実行すべきサブフレーム内の制御シグナリング領域の一部分を定義する。基地局は、各送信電力制御メッセージを、それぞれの送信電力制御メッセージ内で送信電力制御フィールドを割り当てられた移動端末装置の探索空間内に含まれるダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域の一部分にマップする。
【0056】
前述の様々な実施形態による様々な実施例は、基地局の動作を参照したが、やはり本発明の第1の態様に沿った本発明の他の実施形態は、移動端末装置の動作と関係する。したがって、本発明の1つのさらなる実施形態は、OFDMベースの移動通信システム内の移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法を提供する。この方法において、移動端末装置は、基地局からサブフレームを受信し、さらに、受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行する。送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有する。送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドが、移動端末装置に割り当てられ、さらに移動端末装置によって集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含む。移動端末装置は、送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドから移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定し、さらにそれらの送信電力制御コマンドを、移動端末装置に関して集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用する。
【0057】
本発明のさらなる実施形態において、移動端末装置は、送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールド、および/またはその移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つを、その移動端末装置に割り当てる基地局から、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージを受信する。
【0058】
本発明の別の実施形態において、移動端末装置は、送信電力制御メッセージのCRCフィールドからマスクされたCRC符号を獲得しており、その移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つで、マスクされたCRC符号をマスク解除して、その結果、CRC符号を獲得している。さらに、移動端末装置は、そのCRC符号に基づいて、送信電力制御メッセージのブラインド検出の成功を検証する。
【0059】
さらなる実施形態において、移動端末装置は、基地局から、移動端末装置が、送信電力制御メッセージを含む制御情報のブラインド復号を実行すべきサブフレーム内の制御シグナリング領域の一部分を定義する共通の探索空間、および/または個別の探索空間を示す、RRCメッセージなどの、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージを受信する。
【0060】
本発明の第2の態様は、移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドの別のシグナリング・フォーマットと関係する。この第2の態様によれば、所与の移動端末装置に伝送されるべき送信電力コマンドは、様々な送信電力制御メッセージの中にそれぞれ含められ、したがって、1つの送信電力制御コマンドが、それぞれの1つの送信電力制御メッセージの中で送信される。したがって、各送信電力制御メッセージの中のそれぞれの送信電力制御フィールドが、それぞれの単一の移動端末装置に割り当てられる。さらに、移動端末装置に関する送信電力制御フィールドは、それらの送信電力制御メッセージの各メッセージ内の所与のロケーション(1つのインデックス/複数のインデックス)に配置されることが可能である。このことは、送信電力制御フィールドをそれぞれの移動端末装置に割り当てることに関するシグナリング・オーバーヘッドを単純化することを可能にする。本発明の第1の態様と同様に、複数の送信電力制御メッセージが、単一のダウンリンク・コンポーネント・キャリア上で移動端末装置に送信されることが可能である。
【0061】
本発明のこの第2の態様に沿って、別の実施形態が、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法を提供し、基地局は、移動端末装置のために複数の送信電力制御メッセージを生成している。各送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを備え、さらに各送信電力制御メッセージの送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたそれぞれのアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、それらの移動端末装置のうちのそれぞれ1つの移動端末装置に割り当てられる。さらに、基地局が、送信電力制御メッセージを、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップし、さらにサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内に含まれる送信電力制御メッセージを移動端末装置に送信する。
【0062】
本発明のさらなる実施形態による方法のより詳細な実装形態において、基地局が、各送信電力制御メッセージに関してCRC系列を生成し、送信電力制御メッセージに関するCRC系列を、送信電力制御のために定義された様々な一時識別子でマスクする。次に、基地局は、それぞれのマスクされたCRC系列を対応する送信電力制御メッセージに追加してから、それらの送信電力制御メッセージを、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップする。
【0063】
やはり、本発明の第2の態様による実施形態において、移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化が、使用され得る。したがって、本発明の別の実施形態において、移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアが、グループ化されてキャリアのグループにされ、さらに基地局が、移動端末装置のうちのそれぞれの1つの移動端末装置のキャリアの各グループに関して、その1つの移動端末装置のためのキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定する。前述したとおり、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、その1つの移動端末装置によって、キャリアのそれぞれのグループに属するアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドである。基地局は、移動端末装置のためのキャリア・グループ送信電力制御コマンドを、様々な送信電力制御メッセージ内の移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドに含める。
【0064】
本明細書で前述したとおり、1つの移動端末装置に関する送信電力制御メッセージの数は、その1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下であり得る。1つの移動端末装置に関する送信電力制御メッセージの数が、その1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数より少ない場合、移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化が用いられることが可能である。移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化は、様々なパラメータに基づくこと、例えば、以下のパラメータのうちの少なくとも1つに基づくことが可能である。すなわち、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
− アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
− 基地局において利用可能な移動端末装置に関する送信電力制御フィールドの数、
− 基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、例えば、アップリンク・アンカ・キャリア、および
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上で移動端末装置によってシグナリングされるべきダウンリンク・データ伝送に対応するACK/NACKの数。
【0065】
本発明の第1の態様と同様に、本発明の第2の態様と関係する実施形態においても、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する電力制御コマンドが存在することが可能である。したがって、本発明の別の実施形態において、キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つが、移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、その1つの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドである。
【0066】
移動端末装置に関する全キャリア送信電力制御コマンドは、例えば、基地局によって、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップされた第1の送信電力制御メッセージ内で移動端末装置に割り当てられた送信電力制御フィールド内に含められることが可能である。
【0067】
1つの例示的な実装形態において、全キャリア送信電力制御コマンドは、移動端末装置に関する他の送信電力制御コマンドを伝送する送信電力制御メッセージとは異なる送信電力制御メッセージにマップされる。このことは、例えば、個々の/複数のアップリンク・コンポーネント・キャリアに対応する送信電力制御コマンドが使用されない可能性がある場合、さらに/またはダウンリンク・シグナリング/オーバーヘッドを節約するのに有益であり得る。代替として、全キャリア送信電力制御コマンドに加えて、移動端末装置のために構成された1つ/複数のコンポーネント・キャリアに関するその他の送信電力制御コマンドが、コンポーネント・キャリアのうちの個々のコンポーネント・キャリア/グループに関する全キャリア送信電力制御コマンドを微調整するために送信されることが可能である。
【0068】
本発明の第2の態様によるさらなる実施形態は、移動端末装置の動作にも関係する。したがって、本発明の別の態様は、OFDMベースの移動通信システム内で移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法を提供し、移動端末装置は、基地局からサブフレームを受信し、さらに、受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行する。送信電力制御メッセージのそれぞれは、移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを1つが備える複数の送信電力制御フィールドを備える。移動端末装置は、送信電力制御メッセージ内のそれぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定し、さらに移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送にそれらの送信電力制御コマンドを適用する。
【0069】
本発明のさらなる実施形態において、各送信電力制御メッセージの1つの送信電力制御フィールドは、送信電力制御メッセージ内のそのフィールドの位置を識別する共通のインデックスを有する。移動端末装置は、基地局から、移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを備える送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドのインデックスについて移動端末装置に知らせる、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージをさらに受信する。
【0070】
異なる送信電力制御メッセージの中で、異なる送信電力制御フィールド・インデックスが移動端末装置に割り当てられることが可能であり、または送信電力制御メッセージのサブグループが、共通の送信電力制御フィールド・インデックスを有することが可能であることに留意されたい。しかし、この、より柔軟性のあるシグナリング・フォーマットは、RRCシグナリング・オーバーヘッドを増大させる可能性がある。
【0071】
さらに、本発明のさらに別の実施形態において、移動端末装置は、基地局から、移動端末装置が制御情報(送信電力制御メッセージを含む)のブラインド復号を実行すべきサブフレームの制御シグナリング領域内の共通の探索空間および/または個別の探索空間を示す、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージを受信する。
【0072】
さらに、本発明の第2の態様のさらなる実施形態によれば、送信電力制御メッセージ内の移動端末装置に関する複数の送信電力制御フィールドのうちの少なくとも1つが、移動端末装置によって、移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアのサブセット上のすべての伝送に適用されるべき、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドをシグナリングすることが可能である。移動端末装置は、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドを、そのグループのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に適用する。
【0073】
全キャリア送信電力制御コマンドの使用と関係する本発明のさらなる実施形態において、移動端末装置に関する複数の送信電力制御フィールドのうちの1つが、移動端末装置によって、移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用されるべき全キャリア送信電力コマンドをシグナリングしている。移動端末装置が送信電力制御コマンドを適用することは、移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送に全キャリア送信電力制御コマンドを適用することを備える。さらに、より具体的な例示的な実装形態において、移動端末装置は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセット上の伝送に、移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する全キャリア送信電力制御コマンドに加えて、アップリンク・コンポーネント・キャリアのそのサブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを適用する。
【0074】
既に前述したとおり、本発明の第1の態様、および第2の態様とは独立である本発明の第3の態様は、複数のコンポーネント・キャリア上、例えば、移動端末装置のすべてのコンポーネント・キャリア上、またはグループ(サブセット)のコンポーネント・キャリア上の送信電力を制御するために単独のコマンドを送信するという考え方である。この第3の態様は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアより少ない数の送信電力制御コマンドを送信することを可能にするので、送信電力制御コマンドによる制御シグナリング・オーバーヘッドを小さくすることを可能にする。このため、移動端末装置のいくつかのコンポーネント・キャリア上の送信電力が、一緒に制御されることが可能である。異なるキャリア・グループ送信電力制御コマンドは、同一の送信電力制御メッセージ内で送信されても、異なる送信電力制御メッセージ内で送信されてもよい。
【0075】
本発明のこの第3の態様に沿って、本発明の別の実施形態が、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法を提供し、基地局は、各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアをグループ化して、キャリアの少なくとも2つのグループにしている。さらに、基地局は、各移動端末装置に関して、それぞれの移動端末装置のキャリアの各グループに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成し、さらに、移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージをさらに生成し、キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、複数の送信電力制御フィールドの中に含められる。基地局は、送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にさらにマップし、さらに、サブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の電力制御メッセージを移動端末装置に送信する。
【0076】
本発明の第1の態様、および第3の態様に沿って、さらなる実施形態によれば、移動端末装置のうちの1つの移動端末装置のキャリア・グループ送信電力制御コマンドが、例えば、1つの送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドにマップされることが可能である。さらに、キャリア・グループ送信電力制御コマンドの1つが、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、それぞれの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドであることが可能である。全キャリア送信電力制御コマンドは、例えば、その1つの送信電力制御メッセージの中で現れる移動端末装置に割り当てられた最初の送信電力制御フィールドに含められることが可能である。
【0077】
本発明の第2の態様、および第3の態様に沿って、さらなる実施形態によれば、移動端末装置のうちのそれぞれの1つの移動端末装置の各キャリア・グループ送信電力制御コマンドが、異なる送信電力制御メッセージ内の1つの送信電力制御フィールドにマップされる。この場合も、キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つが、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、それぞれの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドであることが可能である。さらに、全キャリア送信電力制御コマンドは、サブフレームの制御シグナリング領域内の最初の送信電力制御メッセージに含められることが可能である。送信電力制御メッセージが、全キャリア送信電力制御コマンドを伝送する場合、その他のグループ/個々のコマンドは、例えば、異なる1つまたは複数の送信電力制御メッセージにマップされることも可能である。
【0078】
本発明のさらなる態様によれば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで本発明の様々な実施形態を実施することも示唆される。このため、本発明は、本明細書で使用される方法の様々な実施および実施形態を実行するように特に適合された基地局および移動端末装置も提供する。これに関して、基地局および移動端末装置は、様々な機能を実行する個別のハードウェア回路または集積回路をそれぞれ備えることが可能であることに留意されたい。基地局および移動端末装置は、例えば、本明細書で概説する送信電力制御方式を実行するように様々な種類の情報を受信するための受信機を備えることが可能である。同様に、基地局および移動端末装置は、本明細書で概説する送信電力制御方式を実行するように様々な種類の情報を送信するための送信機を備えることも可能である。さらに、基地局および移動端末装置は、本明細書で概説する送信電力制御方式を実行するように基地局および移動端末装置によって受信される、または送信される様々な種類の情報を処理するための、例えば、CPUまたはDSPなどのプロセッサを含むことも可能である。
【0079】
以下に、本発明を、添付の図および図面を参照して、より詳細に説明する。図における類似した、または対応する詳細には、同一の参照符号で印を付ける。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】3GPP LTEシステムの例示的な構成図である。
【図2】3GPP LTEの全体的なE−UTRAN構成を示す例示的な概略図である。
【図3】3GPP LTE(リリース8)に関して定義されたダウンリンク・コンポーネント・キャリア上の例示的なサブフレーム構造の図である。
【図4】3GPP LTE(リリース8)に関して定義されたダウンリンク・スロットの例示的なダウンリンク・リソース・グリッドの図である。
【図5】本発明の或る実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによる例示的なTPCメッセージの図である。
【図6】本発明の或る実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによる複数のTPCメッセージの伝送の図である。
【図7】本発明の異なる実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによるTPCメッセージのTPCフィールドの異なる例示的な用法の図である。
【図8】本発明の異なる実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによるTPCメッセージのTPCフィールドの異なる例示的な使用の図である。
【図9】本発明の異なる実施形態による、第2のシグナリング・フォーマットによりTPCコマンドをシグナリングするためのTPCメッセージの使用の図である。
【図10】本発明の異なる実施形態による、第2のシグナリング・フォーマットによりTPCコマンドをシグナリングするためのTPCメッセージの使用の図である。
【図11】本発明の異なる実施形態による、移動端末装置にTPCフィールドを割り当てるための異なる2つのRRCメッセージの図である。
【図12】本発明の異なる実施形態による、移動端末装置にTPCフィールドを割り当てるための異なる2つのRRCメッセージの図である。
【図13】本発明の別の実施形態による、TPCコマンドを提供するための第1のシグナリング・フォーマットと第2のシグナリング・フォーマットの混合を使用するTPCコマンドの例示的なシグナリングの図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態による、基地局による様々な個別の探索空間の構成、または共通の探索空間の構成の、例示の図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
以下の段落は、本発明の様々な実施形態を説明する。単に例示の目的で、これらの実施形態のほとんどは、前段の背景技術セクションで説明した、3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)移動通信システムに準拠する、直交シングル・キャリア・アップリンク無線アクセス方式と関係して概説される。本発明は、例えば、前述した3GPP LTE(リリース8)通信システム、および3GPP LTE−A(リリース10)通信システムなどの移動通信システムに関連して有利に使用され得るが、本発明は、この特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されないことに留意されたい。
【0082】
前段の背景技術セクションで与えられた説明は、本明細書で説明する大部分が3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)に固有の例示的な実施形態をよりよく理解することを意図しており、説明する移動通信ネットワークにおけるプロセスおよび機能の特定の実施形態に本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0083】
本書の前段の前置き部分で既に述べたとおり、送信電力制御に関して3GPP LTE(リリース8)向けに提案される機構は、3GPP LTE−A(リリース10)における使用のためには、いくらかの適合および最適化を必要とする可能性がある。例えば、3GPP LTE−A(リリース10)におけるDCIフォーマット3/3Aの「再使用」を考慮すると、構想され得る1つのソリューションは、3GPP LTE(リリース8)に準拠するDCIフォーマット3/3Aを有する複数のPDCCHが、各ダウンリンク・コンポーネント・キャリア上でユーザ機器にシグナリングされて、それぞれのリンクされたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する電力制御コマンドを供給することである。「リンクされたアップリンク・コンポーネント・キャリア」とは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのそれぞれが、そのキャリアにリンクされたアップリンク・コンポーネント・キャリアを有すること、すなわち、それぞれのダウンリンク・コンポーネント・キャリア上でアップリンクPDCCHが関係するアップリンク・コンポーネント・キャリアを識別するのに、アップリンク・コンポーネント・キャリアの識別が全く必要とされないことを意味する。このことは、各アップリンク・コンポーネント・キャリアに関して3GPP LTE(リリース8)送信電力制御を実行すること、すなわち、3GPP LTE(リリース8)送信電力制御を複数回、並行に実行することと均等である。しかし、本発明者らによって当初考慮された、この潜在的なソリューションは、複数のアップリンク・コンポーネント・キャリアを制御することができないので、非対称ダウンリンク/アップリンク・キャリア・アグリゲーション(例えば、2つのダウンリンク・コンポーネント・キャリアと、4つのアップリンク・コンポーネント・キャリア)の場合に十分に効率的でない可能性がある。さらに、ブラインド復号の試行の直線的に増大する回数を必要とすることによる処理能力およびバッテリ使用量に関するユーザ機器の要件、ならびにシグナリング・オーバーヘッドが、最適でないように思われる。
【0084】
本発明者らによって考慮された別の可能なソリューションは、それぞれのユーザ機器の、構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して送信電力を制御するための、3GPP LTE(リリース8)機構を使用することである。このため、各ユーザ機器は、3GPP LTE DCIフォーマット3/3Aをやはり使用して、1つの送信電力制御コマンドを受信する、すなわち、(前述したソリューションにおけるコンポーネント・キャリアごとの制御とは異なり)ユーザ機器ごとのアップリンクTPCコマンドが送信される。このことは、実際、ブラインド復号として最適であり得るものの、処理要件およびシグナリング・オーバーヘッドは3GPP LTE(リリース8)と比較して変わらず、このことは、コンポーネント・キャリアがもはや個別に制御され得ないためにTPCコマンドの細分性が相当に制限されることを意味する。
【0085】
本発明者らによって考慮されてきたさらなる可能なソリューションは、CIF(キャリア・インジケータ・フィールド)を使用して、3GPP LTE DCIフォーマット3/3Aの送信電力制御コマンドを送信することである。CIFの使用は、クロス・キャリア・スケジューリングをサポートするのに、ユーザ機器ごとのアップリンクDCIフォーマットおよびダウンリンクDCIフォーマットに関して、既に合意されている。また、このフィールドは、クロス・スケジュールされたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する電力制御コマンドの暗黙の/明示的な指示によって拡張されて、3GPP LTEのDCIフォーマット3/3Aにおいて提供されるTPCコマンドと同様の送信電力制御を可能にすることもできる。しかし、特定のコンポーネント・キャリアに関するアップリンクTPCコマンドは、CIFによってアドレス指定されるユーザ機器と同一のコンポーネント・キャリア・インデックスをすべてのユーザ機器が有する場合に限って、すなわち、コンポーネント・キャリア・インデックスのラベル付けがシステムの見地から行われる場合に限って、可能である。コンポーネント・キャリア・インデックスのラベル付けがユーザ機器の見地から行われる場合、このソリューションは、TPCコマンドを含むCIFを使用してグループ化され、アドレス指定される異なるユーザ機器が異なるコンポーネント・キャリア・インデックスを有し得るので、効率的にならない可能性がある。
【0086】
<TPCコマンドに関するシグナリング・フォーマット−タイプ1>
本発明の第1の態様によれば、移動端末装置(3GPP用語でユーザ機器またはUEと呼ばれる)のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリア(UL CC)に関する(複数の)送信電力制御(TPC)コマンドが、1つの送信電力制御メッセージ内で移動端末装置に与えられる。3GPPベースのシステムにおけるこの態様を実施する際に、電力制御メッセージは、例えば、3GPP LTE(リリース8)に関するDCIフォーマット3/3Aに基づくフォーマットのDCIを伝送するPDCCHであることが可能である。しかし、各DCIは、所与の移動端末装置に関する複数のTPCコマンドを備えることが可能である。
【0087】
本発明の1つの例示的な実施形態による例示的なTPCメッセージ(送信電力制御メッセージ)を、図5に示す。例示的なTPCメッセージ501は、3GPP LTE(リリース8)のDCIフォーマット3あるいはDCIフォーマット3Aに基づいており、それぞれ、個別のTPCコマンドを伝送するためのN個のTPCフィールドを含む。TPCフィールドのサイズは、例えば、1ビットまたは2ビットである。図5に示すとおり、TPCメッセージ内のTPCフィールド(K(UEi)個のTPCフィールド)のうちの複数が、複数の移動端末装置のそれぞれに割り当てられる。例えば、TPCフィールド1から4が、移動端末装置UE1に割り当てられ、移動端末装置UE1に関するそれぞれのTPCコマンドを伝送する。このため、図5に示すとおり、グループの移動端末装置(移動端末装置UE1からUE M)に、TPCメッセージ501内の複数のTPCフィールドがそれぞれ割り当てられる。TPCフィールド1からNは、後段でさらに詳細に概説するとおり、様々なタイプのTPCコマンドを伝送することが可能である。
【0088】
1つの例示的な実装形態において、移動端末装置には、アップリンクでそれぞれの移動端末装置のために構成された各コンポーネント・キャリアに関して、1つのTPCフィールドがそれぞれ割り当てられる。このため、この事例では、K(UEi)は、アップリンクで移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアの数と等しい。この絡みで、移動端末装置/ユーザ機器は、1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上でデータを送信するように構成され得ることに留意されたい。このため、「移動端末装置/ユーザ機器のために構成されたコンポーネント・キャリア」または「移動端末装置/ユーザ機器によって集約されたコンポーネント・キャリア」のような表現は、移動端末装置/ユーザ機器によって使用されるように構成されたコンポーネント・キャリアを表す。これらの「構成されたコンポーネント・キャリア」は、移動端末装置/ユーザ機器が使用することができる(例えば、ハードウェア制限により)コンポーネント・キャリア、または移動端末装置/ユーザ機器にサービスを提供する基地局/eノードBによって受信され得る、すなわち、「利用可能」であるアップリンク・キャリアの1つまたは複数(例えば、サブセット(グループ))であることが可能である。ネットワーク、例えば、基地局/eノードBは、制御シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を使用して、それぞれの移動端末装置/ユーザ機器にアップリンク伝送のためのリソースが割り当てられることが可能なコンポーネント・キャリアのサブセット(グループ)を構成し、その結果、「移動端末装置/ユーザ機器のために構成されたコンポーネント・キャリア」を定義することが可能であることに留意されたい。
【0089】
さらに、TPCメッセージ501が、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域(すなわち、制御情報の伝送用のサブフレーム内の、所与の数のOFDMシンボル)内でシグナリングされる。基地局によるサービスを受けるグループの移動端末装置に、前述したとおり、送信電力制御メッセージ内のそれぞれの複数の送信電力制御フィールドが割り当てられる。基地局のカバレッジ内のすべての移動端末装置に、単一のTPCメッセージ内でTPCフィールドが割り当てられることが可能でない場合、基地局は、移動端末装置のそれぞれのグループに関して、これらのメッセージの複数を生成する。さらに、各移動端末装置/ユーザ機器には、TPCフィールドの割当てのためのシグナリングを簡単にするように、および/またはシグナリング・オーバーヘッドを小さくするように、連続するTPCフィールド(インデックス)が割り当てられてもよいことに留意されたい。代替として、これらのフィールドは、移動端末装置/ユーザ機器に割り当てられた最初のTPCフィールドの「ベース・インデックス」に基づき、所与のパターンに従って、割り当てられてもよい(例えば、移動端末装置は、メッセージ内のK(UEi)個のフィールドが割り当てられ、最初のTPCフィールドが、ベース・インデックスiを有し、さらにその他のK(UEi)−1個のTPCフィールドが、ベース・インデックスに対する事前定義されたオフセットで与えられる(例えば、ベース・インデックスiに対してn番目のフィールドごとに移動端末装置に割り当てられる))。
【0090】
図6は、本発明の例示的な実施形態によるダウンリンク・コンポーネント・キャリア上の単一のサブフレーム内の、図5に示す複数のTPCメッセージの伝送を強調している。このようなサブフレームは、基地局の利用可能なすべてのダウンリンク・コンポーネント・キャリアに及ぶが、周波数領域におけるそれぞれのコンポーネント・キャリア(AおよびB)上で、時間領域における複数のOFDMシンボルに論理的に分割される。コンポーネント・キャリアAおよびBは、それぞれのコンポーネント・キャリアの帯域幅を規定する或る範囲のサブバンドに及ぶ。各コンポーネント・キャリア上のサブフレーム内のOFDMシンボルのいくつかは、制御シグナリング用である。例えば、コンポーネント・キャリアA上に、制御シグナリング領域602を形成する3つのOFDMシンボルが存在し、さらにコンポーネント・キャリアBの制御シグナリング領域602を形成する2つのOFDMシンボルが存在する。
【0091】
例示の目的で、基地局/eノードBは、移動端末装置のそれぞれのグループに関して異なる3つのTPC制御メッセージ603、604、605を生成するものと想定する。TPC制御メッセージのそれぞれは、図5に示すフォーマットを有する。TPC制御メッセージは、図6で「PDCCH(DCIフォーマット3/3A)」と表され、このようなTPCメッセージは、ダウンリンクでPDCCHとして送信されるDCI(ダウンリンク制御情報)の特別なフォーマットであることを示す。
【0092】
移動端末装置の異なるグループに属する移動端末装置/ユーザ機器に、異なるTPCメッセージ603、604、605をアドレス指定することができるように、各TPCメッセージ603、604、605は、TPCフィールドに加えて、送信電力制御シグナリングのためにシステムにおいて確保された複数の一時識別子のうちの1つでマスクされた、CRCを備える。LTE−Aなどの3GPP無線ネットワークにおいて、一時識別子は、TPC(送信電力制御)のために特別に備えられるRNTI(無線ネットワーク一時識別子)、すなわち、いわゆるTPC RNTIである。このため、それらのTPCメッセージの各TPCメッセージのCRCは、TPC RNTIのうちのそれぞれの1つのTPC RNTIでスクランブル/マスクされてから、TPCメッセージに含められる。移動端末装置の異なるグループの移動端末装置/ユーザ機器が、TPCメッセージのペイロード・サイズをブラインド復号し、TPC RNTIのうちのそれぞれの1つを使用して、所与のTPC RNTIでCRCを逆スクランブルする。TPCメッセージの中に含まれる逆スクランブルされたCRC情報に基づいて、移動端末装置は、メッセージ・ペイロード(すなわち、TPCフィールド)が正常に復号されており、さらに移動端末装置を宛先としているかどうかを判定する。正常に復号されており、さらに移動端末装置を宛先としている場合、グループのそれぞれの移動端末装置は、そのTPCメッセージがこれらの移動端末装置にアドレス指定されているものと想定し、それ以外の場合、CRC検査は、CRC情報を逆スクランブルするために誤ったTPC RNTIを使用していることにより、失敗する。
【0093】
このようにして、異なるTPCメッセージが、異なる移動端末装置/ユーザ機器にアドレス指定されることが可能である。個々の移動端末装置/ユーザ機器は、使用されるべきTPC RNTIを示すRRCメッセージが、基地局からそれぞれの移動端末装置に送信されることによって、それらの移動端末装置/ユーザ機器を宛先とするTPCメッセージの検出のために使用されるべきTPC RNTIについて知らされることが可能である。さらに、TPCメッセージ内のいずれのTPCフィールドが所与の移動端末装置/ユーザ機器に関するTPCコマンドを含むかをそれぞれの移動端末装置/ユーザ機器に示すのに、基地局によって同一のRRCシグナリング・メッセージが使用されてもよいし、異なるRRCシグナリング・メッセージが使用されてもよい。
【0094】
図6から見てとることができるとおり、移動端末装置に関するTPCコマンドは、単一のTPCメッセージ内で与えられる。つまり、この移動端末装置に関するTPCコマンドは、単一のPDCCH DCIフォーマット3/3A内に設定されることが可能である。この例示的な実装形態は、それでも、単一のサブフレーム内で複数のTPCコマンドを同時に提供する完全な柔軟性を有する。
【0095】
例示的な目的で、前述したTPCコマンド・シグナリング方式のRRCシグナリング・オーバーヘッドに関して、ユーザ機器のために構成された5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアが存在するものと想定する。このため、1つのTPCメッセージ内でユーザ機器のために5つの(連続する)TPCフィールドが確保されるものと想定され得る。前述したとおり、TPCフィールドが、TPCメッセージ内で連続して、または既知のパターンで割り当てられる場合、1つのTPCフィールドのインデックス、およびTPCメッセージのTPC−RNTIをシグナリングするだけで十分である。このTPCフィールドは、例えば、移動端末装置に関する開始TPCフィールド・インデックスであり得る。移動端末装置は、通常、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数を認識している。このため、eノードBが、開始TPCフィールド・インデックスをTPCフィールド1としてシグナリングし、さらに、ユーザ機器が5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して構成される場合、移動端末装置は、TPCフィールド1からTPCフィールド5が移動端末装置に割り当てられているものと想定する。このため、この場合、TPCコマンドは、ユーザ機器のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアに関して与えられるものの、シグナリング・オーバーヘッドは、3GPP LTE(リリース8)のシグナリング・オーバーヘッドと同様である。このため、この例示的な実装形態において、ユーザ機器にTPCフィールドを割り当てることに関するRRCシグナリング・オーバーヘッドは、それぞれ、TPC−RNTIの場合、6ビット、TPCフィールド・インデックスの場合、4ビットあるいは5ビットである(LTE(リリース8)のDCIフォーマット3、あるいは3Aを再使用する場合)。TPCフィールド割当てのためのRRCシグナリング・メッセージは、図11に示すとおり、20ビットまたは21ビットである。
【0096】
図11におけるRRCメッセージに関するASN(抽象シンタックス表記)を、以下に示す。すなわち、
【0097】
所与のパターンに従うことなしに連続しないフィールドが割り当てられる場合、eノードBは、さらなるビットを使用して、割り当てられたフィールドを個々に示す必要がある。この事例では、ユーザ機器に割り当てられたTPCインデックスを構成するのに、シグナリング・オーバーヘッドは、CC(コンポーネント・キャリア)の数NCCに比例して増大し、このオーバーヘッドはそれでも、TPCフィールドが、eノードBによって送信される任意のTPCメッセージ内で割り当てられることが可能である場合、TPC−RNTIおよびTPCインデックスをNCC回シグナリングする際のオーバーヘッドより小さい。ユーザ機器に任意の方法でNCC個のTPCフィールドが割り当てられ得るTPCフィールド割当てに関する例示的なシグナリング・メッセージを、図12に示す。図12におけるRRCメッセージのASN表現を、以下に示す。すなわち、
【0098】
さらに、メッセージ内で連続するTPCフィールドを割り当てること/所与のパターンに従ってTPCフィールドを割り当てることと、これとは対極に、単一のTPCメッセージのTPCフィールド、例えば、連続するTPCインデックスを有するユーザ機器のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの異なるサブセットを割り当てることに極端に完全な柔軟性を持たせるということとの間に、何らかの中間ソリューションが存在することも可能であることに留意されたい。
【0099】
前述したとおり、移動端末装置は、例えば、ブラインド復号によってTPCメッセージを検出することが可能である。各移動端末装置は、すべてのTPCコマンドを単一のTPCメッセージ内で受信するので、TPC RNTIが調べられるだけでよい。このため、ブラインド検出複雑度は、3GPP LTE(リリース8)と同様である。
【0100】
<TPCコマンドに関するシグナリング・フォーマット−タイプ2>
図5、図6、図11、および図12に関連して前述した例において、移動端末装置に関するすべてのTPCコマンドは、基地局によって送信される1つのTPCメッセージ(場合により、複数のTPCメッセージのうちの)の中に含められるものと想定した。本発明のさらなる第2の態様は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関するTPCコマンドの別のシグナリング・フォーマットと関係する。すなわち、所与の移動端末装置に送信されるべき送信電力コマンドは、それぞれ、異なるTPCメッセージの中に含められ、したがって、それぞれの(1つの)TPCメッセージの中で1つの送信電力制御コマンドが送信される。したがって、各送信電力制御メッセージ内の1つのTPCフィールドが、それぞれの単一の移動端末装置に割り当てられる。
【0101】
移動端末装置にTPCコマンドをシグナリングするための、このフォーマットを、図9に例示する。TPCメッセージ901、902、903、904が、例えば、3GPP LTE(リリース8)の場合と同様に構成されることが可能であり、例えば、背景技術セクションで概説したフォーマット3または3Aを有する。しかし、基地局は、送信電力コマンドがシグナリングされる必要がある移動端末装置のそれぞれに、異なるTPCフィールドにおけるそれぞれの単一のTPCフィールドが割り当てられることを確実にする。例えば、それぞれの移動端末装置に、複数のTPCメッセージにおいて同一のインデックスを有するTPCフィールドが割り当てられる。このことを、図9に例示しており、図9では、移動端末装置UE1に、TPCメッセージ901、902、903、904におけるTPCフィールド1が割り当てられ、移動端末装置UE2に、TPCメッセージ901、902、903、904におけるTPCフィールド2が割り当てられるといった具合である。もちろん、図5、図6、図10、および図11に関連して前述したTPCシグナリングと同様に、代替として、それぞれの移動端末装置に割り当てられるTPCフィールドのインデックスは、何らかの既知のパターンまたは方式に従って、例えば、最初のTPCメッセージ901内で移動端末装置に割り当てられたTPCフィールドに関して定義されたベース・インデックスに対する或るオフセットを使用することによって、TPCメッセージごとに異なってもよい。
【0102】
さらに、単一の移動端末装置に、必ずしも、それらのTPCメッセージの各TPCメッセージ内の或るTPCフィールドが割り当てられるわけではない可能性があることに留意されたい。既に前述したとおり、TPCフィールドの数は、所与の移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアの数に主に依存する。図10の例を考慮すると、移動端末装置UE2に、最初の2つのTPCメッセージ901、902内の2つのTPCフィールドだけが割り当てられる一方で、別の移動端末装置UE3には、同一のインデックス位置におけるTPCメッセージ902、903内の残りのTPCフィールドが割り当てられるシナリオが、示されている。
【0103】
移動端末装置が、K(UEi)個のアップリンク・コンポーネント・キャリアを有して構成されるものと想定すると、それぞれの移動端末装置に、K(UEi)個のTPC−RNTIが割り当てられる。(各TPC−RNTIに関する)各TPCメッセージ内のTPCフィールド・インデックスは、同一であることが可能であり、または「ベース・インデックス」が、前述したとおりシグナリングされる。さらに、タイプ2シグナリング・フォーマットは、特定のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して複数の移動端末装置を同時に制御する際、RRCシグナリングの点でより小さいオーバーヘッドをもたらす。例示的なシナリオは、アップリンク・コンポーネント・キャリア干渉シナリオ全体が変化する事例であり得る。この事例では、基地局は、このアップリンク・コンポーネント・キャリアを構成しているすべての移動端末装置のためにTPCコマンドを送信することが可能である。タイプ2シグナリング・フォーマットを使用すると、単一のTPCメッセージ内でアドレス指定される移動端末装置の数は、タイプ1シグナリング・フォーマットを使用する場合より多い。このため、単一のTPCメッセージで、アップリンク・コンポーネント・キャリアに接続された、より多くの移動端末装置がアドレス指定されることが可能である。
【0104】
5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアを有して構成された移動端末装置をやはり想定して、移動端末装置に、5つのTPC−RNTIを使用して5つのTPCメッセージ内の5つのTPCフィールドが割り当てられる。連続するいくつかのTPCメッセージ内のTPCフィールドを割り当てるのに1つだけのTPCフィールド・インデックスがシグナリングされることが可能であるので、1つだけのTPCフィールド・インデックス、および最初のTPCメッセージのTPC−RNTIをシグナリングするだけで十分であり得る。移動端末装置は、構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数K(UEi)を認識しているので、移動端末装置は、その他のTPCメッセージに関するさらなるTPC−RNTIについて決定することができる。例えば、利用可能なTPC RNTIは、移動端末装置に与えられている、または知られているとともに、或る順序を有することが可能である。第1のTPCメッセージの「開始」TPC RNTIを示すことによって、移動端末装置は、移動端末装置が次のK(UEi)−1個のTPC RNTIに割り当てられていることを結論付けることも可能である。例えば、基地局が、TPC RNTI 1を示す開始TPC−RNTIインデックスをシグナリングすることが可能である。移動端末装置は、移動端末装置が、5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して構成されていることを認識しており、したがって、移動端末装置は、TPC−RNTI 1からTPC−RNTI 5が移動端末装置に割り当てられているものと想定する。
【0105】
このため、複数のTPCメッセージ内で移動端末装置のTPCコマンドをシグナリングする、この代替のタイプにおいて、3GPP LTE(リリース8)と比較して、それらの異なるTPCメッセージ内のTPCフィールドを移動端末装置に割り当てることに関するシグナリング・オーバーヘッドは、やはり存在しない。さらに、図11に示すRRCシグナリング・フォーマットが使用されることも可能である。さらに、移動端末装置に、連続しないTPCメッセージ内のTPCフィールドが割り当てられる場合、TPCフィールド割当てに関するRRCシグナリング・メッセージは、例えば、移動端末装置によって使用されるべき、TPCフィールドのTPCフィールド(ベース)インデックス、および各TPC RNTIを示すことが可能である。図11におけるRRCメッセージ・フォーマットのASN表現を、以下に示す。すなわち、
【0106】
図9および図10に関連して概説する例において、移動端末装置は、複数のTPCコマンドをシグナリングする複数のTPCメッセージ(複数のPDCCH)を受信し、複数のTPC−RNTIを使用する。このため、ブラインド検出の複雑度は、それぞれ、割り当てられたTPCフィールドの数とともに増加し、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数につれて直線的に増加している。
【0107】
前述の図5、図6、図9、図10、図11、および図12の説明は、1つの移動端末装置当り複数のTPCコマンドをシグナリングする、異なる2つのタイプに主に焦点を当ててきた。この2つのシグナリング・フォーマットは、互いに容易に組み合わされることも可能であることに留意されたい。例えば、移動端末装置に、それぞれの複数のTPCメッセージ内の複数のTPCフィールドが割り当てられることが可能である。代替として、基地局は、基地局のセル内の移動端末装置の大半に適用される何らかの使用シナリオに依存して、2つのTPCシグナリング・フォーマットの間で切り換えることを決定してもよい。例えば、移動端末装置が、小さい集約サイズを主に使用する(例えば、1つ、2つ、または3つのアップリンク・コンポーネント・キャリアを有して構成される)場合、タイプ1シグナリング・フォーマットが使用されることが可能であるのに対して、他の集約サイズの場合も、タイプ1シグナリング・フォーマットが使用されることが可能である。
【0108】
別の例において、数GおよびHが移動端末装置に知られているものとして、移動端末装置に、連続するH個のTPCメッセージ内の所与のインデックス位置における連続するG個のTPCフィールドが割り当てられることも可能であり、やはり、図11に示すフォーマットが、TPCフィールドの割当てをシグナリングするのに使用されることも可能である。数GおよびHが知られていない場合、基地局が、開始TPC RNTI、および各メッセージ内のTPCフィールドを示す、図12に示すシグナリング・フォーマットが使用されることが可能である一方で、移動端末装置は、例えば、
【数11】
を計算することによって、移動端末装置の構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数、および各TPCメッセージ内のTPCフィールドの数Gに基づいて、使用すべきTPC RNTIの数を決定することが可能である。なお、関数
【数12】
は、xの次に大きい整数を与える。それらのTPCメッセージにわたるTPCフィールドの割当てがより柔軟であり、不規則であるほど、割当てのシグナリング・オーバーヘッドは大きくなることを理解されたい。
【0109】
<コンポーネント・キャリア・グループ化>
前述の例において、所与の移動端末装置のために構成された1つのコンポーネント・キャリア当り、1つのTPCコマンドが存在した。以下に、本発明の別の第3の態様を説明する。この第3の態様は、移動端末装置の複数のコンポーネント・キャリア上、例えば、すべてのコンポーネント・キャリア上、またはグループ(サブセット)のコンポーネント・キャリア上の送信電力を制御するために、単一のコマンドを送信するという考え方に基づく。このため、移動端末装置のいくつかのコンポーネント・キャリア上の送信電力が一緒に制御されることが可能である。この本発明の第3の態様は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアより少ない数の送信電力制御コマンドを送信することを可能にするため、TPCフィールドの割当てが単純化されることが可能であり、さらにより少ない情報しかシグナリングされなくてもよいので(TPCフィールドの割当て方式に依存して)、制御シグナリング・オーバーヘッドを小さくすることを可能にする。
【0110】
キャリアのグループ化の使用、およびそれぞれのキャリア・グループTPCコマンドを与えることは、制御シグナリング・オーバーヘッドと関係なく、特に有益である。タイプ1およびタイプ2のシグナリング・フォーマットにおいて、すべてのTPCコマンド/TPCメッセージが、単一のダウンリンク・コンポーネント・キャリア上で送信され得る。基地局が、多数のアップリンク・コンポーネント・キャリア(例えば、利用可能なすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア)を、すべてが集約している多数の移動端末装置にサービスを提供している場合、TPCコマンドの数は多く、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのPDCCH領域内でシグナリングされるべきTPCメッセージの数も多く、さらにPDCCH領域内の他の制御情報の、例えば、ブロードキャスト情報のシグナリングの何らかの制限を暗示する可能性がある。したがって、基地局によるサービスを受ける移動端末装置に関してシグナリングされるべきTPCコマンドの数を減らすことが望ましい可能性がある。
【0111】
この第3の態様の基礎をなす考え方は、移動端末装置に複数のアップリンク・キャリアに関するTPCコマンドを与えるための任意のシグナリング・フォーマットに適用されることが可能である。特に、この第3の態様の基礎をなす考え方は、本明細書で説明するTPCコマンドに関する様々なシグナリング・フォーマットのうちの1つで、直ちに使用され得る。簡明のため、前述の図5および図6に関連して例示してきたTPCコマンドに関するシグナリング・フォーマットは、以降、「タイプ1シグナリング・フォーマット」と呼ぶ一方で、図9および図10に関連して例示してきたTPCコマンドに関するシグナリング・フォーマットは、以降、「タイプ2シグナリング・フォーマット」と呼ぶ。
【0112】
本発明の第3の態様に沿った1つの例示的な実施形態は、「全キャリア」TPCコマンド、すなわち、移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアに適用される、単一のTPCコマンドの導入である。前述したタイプ1シグナリング・フォーマット、またはタイプ2シグナリング・フォーマットの移動端末装置に割り当てられた複数のTPCフィールドのうちの1つが、この全キャリアTPCコマンドを伝送している。全キャリアTPCコマンドは、例えば、高速で移動する移動端末装置に特に適用可能であり得る。それらの端末装置の場合、すべてのコンポーネント・キャリア上のチャネル品質が、同様のフェージングを経験する可能性が高く、したがって、単一のTPCコマンドがすべてのコンポーネント・キャリアに適用され得る。しかし、全キャリアTPCコマンド(および、後段で説明するキャリア・グループTPCコマンド)は、後段でさらに詳細に概要を説明するとおり、単に、シグナリング・オーバーヘッドおよび/または移動端末装置のブラインド復号作業を減らす手段として使用されることも可能である。
【0113】
全キャリアTPCコマンドに加えて、または代替として、移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアのサブセットに関する送信電力を制御する、1つまたは複数のTPCコマンドが存在することも可能である。このタイプのコマンドは、本明細書でキャリア・グループTPCコマンドと呼び、特に、全キャリアTPCコマンドは、特別なキャリア・グループTPCコマンドと考えることが可能である。
【0114】
例えば、アップリンクで構成された5つのコンポーネント・キャリアを有する移動端末装置を考慮し、さらに移動端末装置に割り当てられた4つのTPCフィールドも存在することを考慮されたい。このことは、移動端末装置が、同一のTPCメッセージ内、または異なるTPCメッセージ内に複数のTPCフィールドを有することを意味する。この事例では、TPCフィールドは、異なるタイプのコマンドをシグナリングするのに使用され得る。例えば、図5に示すタイプ1シグナリング・フォーマットを使用して、TPCフィールド1が、移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア(コンポーネント・キャリア1から5)に関するTPCコマンドを伝送することが可能であり、TPCフィールド2が、コンポーネント・キャリア1だけに関するTPCコマンドを伝送することが可能であり、TPCフィールド3が、コンポーネント・キャリア2および3に関するキャリア・グループTPCコマンドを伝送し、さらに、TPCフィールド4は、移動端末装置のコンポーネント・キャリア4に関するTPCコマンドを与える。
【0115】
全キャリアTPCコマンドが移動端末装置によってどのように使用されるかについて、様々な可能性が存在する。第1の例において、全キャリアTPCコマンドは、移動端末装置によって、個々のTPCコマンド、またはキャリア・グループTPCコマンドが全く受信されないすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送の送信電力を制御するように、適用される。前段で与えられる例において、このことは、コンポーネント・キャリア5の送信電力「だけ」が、全キャリアTPCコマンドによって制御されるのに対して、移動端末装置の他のコンポーネント・キャリア1から4上のそれぞれの送信電力は、TPCフィールド1内、およびTPCフィールド4内のそれぞれの個々のTPCコマンド、およびTPCメッセージのTPCフィールド2内のキャリア・グループTPCコマンドによって制御されることを意味する。
【0116】
別の例において、全キャリアTPCコマンドは、移動端末装置によって、すべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送の送信電力を制御するように適用され、さらなる個々のTPCコマンドおよび/またはキャリア・グループTPCコマンドは、移動端末装置によって、それぞれ、個々のコンポーネント・キャリア、グループのコンポーネント・キャリアに関する送信電力に適用されるべき全キャリアTPCコマンドを基準とした、さらなるオフセットを与える。
【0117】
1つの移動端末装置当りのTPCコマンドの数をさらに減らすのに、例えば、基地局によって送信されるTPCメッセージ内で、1つの移動端末装置に割り当てられる2つ、または3つだけのTPCフィールドが存在することが可能である。本発明の一実施形態において、すべてのTPCコマンドは、キャリア・グループTPCコマンドである。さらなる実施形態において、1つのTPCコマンドは、全キャリアTPCコマンドであり、さらに残りのTPCコマンドは、キャリア・グループTPCコマンドである。
【0118】
図7は、移動端末装置UE1に、TPCメッセージ501内で3つのTPCフィールドが割り当てられ、さらに移動端末装置UE1に割り当てられた各TPCフィールドが、所与のキャリア・グループ#i(TPC CG#i)に関するCG(キャリア・グループ)TPCコマンドを伝送している、タイプ1シグナリング・フォーマットによる1つの例示的なTPCメッセージを強調する。図8は、移動端末装置UE1に割り当てられた最初のTPCフィールドが、TPC All CC(全キャリアTPCコマンド)を伝送している一方で、TPCメッセージ内の移動端末装置UE1のその他のTPCフィールドは、キャリア・グループ・コマンド(TPC CG#i)である、タイプ1シグナリング・フォーマットによる別の例示的なTPCメッセージを示す。
【0119】
図13に例示する本発明の一実施形態において、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の最初の(第1のTPC RNTIに関連付けられた)TPCメッセージ1301は、移動端末装置UE1に関する1つのTPCフィールドを備え、それぞれの移動端末装置に関する全キャリアTPCコマンドを与える。さらなる第2のTPCメッセージ1302は、移動端末装置UE1に割り当てられた1つまたは複数のTPCフィールド(図13の例では、2つのTPCフィールド、TPCフィールド1および2)を備え、さらにキャリア・グループTPCコマンドおよび/または移動端末装置のために構成された個々のコンポーネント・キャリアに関するTPCコマンドを与える。
【0120】
基地局における、移動端末装置によって構成されたコンポーネント・キャリアのグループ化は、いくつかのパラメータに基づくことが可能である。移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化は、様々なパラメータに基づくこと、例えば、以下のパラメータのうちの少なくとも1つに基づくことが可能である。すなわち、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅および/または周波数帯域、
− アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
− 基地局において利用可能な移動端末装置に関する送信電力制御フィールドの数、
− 基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア、例えば、アップリンク・アンカ・キャリアのタイプ、および
− 移動端末装置によるアップリンク・コンポーネント・キャリア上のダウンリンク・データ伝送に関するACK/NACKシグナリング。
【0121】
例えば、高速で移動する移動端末装置の場合に(例えば、列車内、または自動車内に位置する場合)、移動端末装置のために構成された様々なアップリンク・コンポーネント・キャリアが、関係するフェージングを経験する可能性が高い。このため、構成された複数のコンポーネント・キャリア上の干渉状況や、そのようなキャリア上のチャネル品質は、緊密に関係する可能性があり、したがって、全キャリアTPCコマンドの使用が、移動端末装置において構成されたすべてのコンポーネント・キャリアを同時に制御し、さらに残りのTPCフィールド内で個々のTPCコマンドを送信することによって、個々のコンポーネント・キャリアを微調整するのに適切であり得る。
【0122】
また、集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅および/または周波数帯域が、考慮され得る。例えば、小さい帯域幅(例えば、5MHz)を有し、さらに周波数帯域が近いコンポーネント・キャリアが、グループ化されて、キャリア・グループ・コマンドによって一緒に電力制御されることが可能である。
【0123】
関係があり得る別のパラメータは、基地局において利用可能な移動端末装置(または複数の移動端末装置)に関する送信電力制御フィールドの数である。例えば、所与のダウンリンク・コンポーネント・キャリア上の各サブフレーム内で基地局が送信することができるTPCコマンドの最大数に対するシステム制限が、存在する可能性があり、このことは、基地局によるサービスを受けるすべての移動端末装置の送信電力制御を可能にするための各移動端末装置に割り当てられ得るTPCフィールドの数の制限を暗示する可能性がある。
【0124】
多少類似した制限が、基地局が1つのサブフレーム内でシグナリングすることができるTPCメッセージの数を基本的に規定する、基地局において利用可能なTPC RNTIによって、暗示され得る。この場合も、このことは、各移動端末装置が1サブフレーム当り少なくとも1つのTPCコマンドを受信することを確実にする際に、1つの移動端末装置当りのTPCフィールドの数に関する含意を有し得る。
【0125】
コンポーネント・キャリアのグループ化に関する別のパラメータは、割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプであり得る。例えば、アップリンク・コンポーネント・キャリアの1つまたは複数が、個々に電力制御されなければならないアンカ・アップリンク・コンポーネント・キャリアである可能性がある。このため、アップリンクにおける移動端末装置のアンカ・コンポーネント・キャリアが、個々のTPCコマンドによって制御されることが可能である一方で、その他のコンポーネント・キャリアが、他のパラメータに基づいてさらにグループ化されること、またはキャリア・グループTPCコマンドが送信される単一のキャリア・グループの中で組み合わされることが可能であると、有利である。
【0126】
さらなるパラメータは、移動端末装置によるアップリンク・コンポーネント・キャリア上のダウンリンク・データ伝送に関するACK/NACKシグナリングであり得る。例えば、ダウンリンク・データに関するACK/NACKシグナリングは、移動端末装置の1つまたは複数のアップリンク・コンポーネント・キャリア上で与えられることが可能である。前述したとおり、TPCメッセージに関するDCIフォーマット3/3Aを再使用している場合、PUCCH上でACK/NACKシグナリングのリソースを許可するDCIフォーマットが、DCIフォーマット3/3A TPCメッセージによって与えられる所与のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関するTPCコマンドに上書きされる可能性があるものと想定され得る。このため、それらのアップリンク・コンポーネント・キャリアが、別個のキャリア・グループの中にグループ化され得る一方で、移動端末装置に割り当てられ得るTPCフィールドの数が十分である場合、その他のコンポーネント・キャリアは、個々のTPCコマンドによって個別に電力制御されることが可能である。
【0127】
<さらなるシグナリング態様>
前段の説明において、1つまたは複数のTPCメッセージの中で移動端末装置にいくつかのTPCフィールドを割り当てるために、基地局によってシグナリングされるRRCメッセージがどのような情報を備える必要があるかの例を挙げた。基本的に、この情報は、1つまたは複数のTPCメッセージ内で移動端末装置にTPCフィールドを割り当てるために、移動端末装置によって使用されるべき1つまたは複数のTPCフィールド・インデックス、および1つまたは複数のTPC RNTIをシグナリングすることによる、割り当てられたTPCフィールドの指示であった。
【0128】
コンポーネント・キャリアのグループ化が全く使用されない場合、つまり、TPCメッセージが、移動端末装置のために構成された各コンポーネント・キャリアに関するそれぞれのTPCコマンドを備える場合、移動端末装置内のTPCコマンドが関係するアップリンク・コンポーネント・キャリアに対するTPCコマンドのマッピングは、例えば、基地局と移動端末装置がともに同一の順序のアップリンク・コンポーネント・キャリアに到達するように、構成されたコンポーネント・キャリアに関する何らかの1つまたは複数の相互ソート基準を使用して、基地局および移動端末装置によって実現されることが可能である。次に、TPCコマンドは、TPCコマンドがTPCメッセージ内で出現するとおりの所与の順序で、コンポーネント・キャリアにマップされ得る。コンポーネント・キャリアのソートは、例えば、コンポーネント・キャリアの帯域幅、チャネル品質(CQI)、キャリア周波数に基づくこと、または単にUEごともしくはシステムごとのコンポーネント・キャリア・インデックス・ラベル付けに基づくことなどが可能である。このため、コンポーネント・キャリアに対するTPCコマンドのマッピングを定義するのに、別個の制御シグナリングは、全く必要とされない。
【0129】
やはり、キャリアのグループ化が使用される場合に、さらなる制御シグナリングを必要としない可能性があるいくつかの構成が存在し得る。例えば、基地局によって送信される2つのTPCコマンドが存在し、TPCメッセージ内で出現する最初のTPCコマンドが、移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアに関係する全TPCコマンドであり、さらにTPCメッセージ内で出現する2番目のTPCコマンドが、アップリンクで移動端末装置のすべてのアンカ・キャリアに関係する個々の/キャリア・グループTPCコマンドであることが合意され得る。
【0130】
代替として、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの順序、および/またはコンポーネント・キャリアのグループ化を規定する、基地局から移動端末装置への何らかのさらなるRRCシグナリングが、存在してもよい。その場合、移動端末装置は、TPCコマンドを、TPCメッセージ内でTPCコマンドが現れるとおり、所与の順序でコンポーネント・キャリア/グループのコンポーネント・キャリアに適用することが可能である。
【0131】
<探索空間の構成>
さらに、本発明の別の実施形態において、TPCメッセージのブラインド復号動作と関係するさらなる潜在的な問題が考慮される。移動端末装置にTPCコマンドを送信するのに、いくつかのTPCメッセージが要求される場合、それらのTPCメッセージは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の異なる位置に配置され得る。したがって、基地局は、それらのメッセージが、移動端末装置の個別の探索空間内、または共通の探索空間内で、それでもやはり与えられることを確実にする必要がある可能性があり、さらにそれらのメッセージを、それに相応して、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップする必要がある可能性がある。さらなる柔軟性のために、基地局が、異なる個別、または共通の探索空間を有するようにそれらの移動端末装置を構成して、ダウンリンクでコンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にTPCメッセージをマッピングすることにより大きい自由を得るようにすることが、有益であり得る。
【0132】
例えば、タイプ1シグナリング・フォーマットを考慮している場合、各TPCメッセージは、所与の移動端末装置に関するすべてのTPCコマンドを含む。このため、第1のグループの端末装置は、それらの端末装置のTPCコマンドを、制御シグナリング領域にマップされた最初のTPCメッセージ内で受信しており、第2のグループの端末装置は、それらの端末装置のTPCコマンドを、制御シグナリング領域にマップされた2番目のTPCメッセージ内で受信しているといった具合である。このため、図14に示すとおり、それらの移動端末装置に異なる探索空間を割り当てることが有益であり得る。図14で見てとることができるとおり、第1のグループおよび第2のグループの移動端末装置1から移動端末装置Lが、第1の個別または共通の探索空間1401を有して構成される一方で、第3のグループの端末装置L+1から端末装置Jが、第2の個別または共通の探索空間1402を有して構成される。これらの個別または共通の探索空間は、異なるグループの端末装置に関して別々であっても、重なり合ってもよいことに留意されたい。
【0133】
本発明の別の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを使用する前述した様々な実施形態の実施と関係する。本発明の様々な実施形態は、コンピューティング・デバイス(プロセッサ)を使用して実施される、または実行されることが可能であることが認識される。コンピューティング・デバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、または他のプログラマブル論理デバイスなどであり得る。また、本発明の様々な実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行または実施されることも可能である。
【0134】
さらに、本発明の様々な実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって、またはハードウェアにおいて直接に実施されることも可能である。また、ソフトウェア・モジュールとハードウェア実装形態の組合せも可能であり得る。これらのソフトウェア・モジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体上に、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどの上に格納され得る。
【0135】
本発明の様々な実施形態の個々の特徴は、個別に、または任意の組合せで、別の発明の主題であり得ることにさらに留意されたい。
【0136】
広く説明される本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、特定の実施形態において示される本発明に多数の変更および/または変形が行われ得ることが、当業者には認識されよう。したがって、これらの実施形態は、すべての点で例示的であり、制限的ではないものとされる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて、基地局からグループの移動端末装置への送信電力制御コマンドを送受信するための方法に関する。さらに、本発明は、ハードウェアおよびソフトウェアにおけるこれらの方法の実施に関する。
【背景技術】
【0002】
<LTE(ロングターム・エボリューション)>
3G(第3世代移動システム)ベースのWCDMA無線アクセス技術が、世界中で大規模に展開されている。この技術を強化する、または発展させる第1のステップは、高い競争力のある無線アクセス技術をもたらす、HSDPA(高速ダウンリンク・パケット・アクセス)、および、HSUPA(高速アップリンク・パケット・アクセス)とも呼ばれる拡張アップリンクを導入することを必要とする。
【0003】
さらに高まるユーザ要求に備えるために、さらに新たな無線アクセス技術に対する競争力を持つために、3GPPは、LTE(ロングターム・エボリューション)と呼ばれる新たな移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間、高速のデータおよびメディアのトランスポート、ならびに大容量音声サポートを求める通信事業者ニーズを満たすように設計されている。高ビットレートを提供可能であることは、LTEにとって重要な評価基準である。
【0004】
発展型UTRA(UMTS地上無線アクセス)およびUTRAN(UMTS地上無線アクセス・ネットワーク)と呼ばれるLTE(ロングターム・エボリューション)に関するWI(作業項目)規格が、リリース8(LTE)としてまとめられることになっている。LTEシステムは、待ち時間が短く費用が安いフルIPベースの機能を提供する、効率的なパケット・ベースの無線アクセスおよび無線アクセス・ネットワークを代表する。詳細なシステム要件が挙げられている。LTEでは、所与のスペクトルを使用して柔軟性のあるシステム展開を実現するために、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、20.0MHzなどのスケーラブルな複数の伝送帯域幅が指定されている。ダウンリンクでは、シンボル・レートが低いためMPI(マルチパス干渉)に本来的に耐性があること、CP(サイクリック・プレフィックス)を使用すること、および様々な伝送帯域幅構成と相性が良いことから、OFMD(直交周波数分割多重化)ベースの無線アクセスが採用された。アップリンクでは、UE(ユーザ機器)の限られた送信電力を考慮して、ピーク・データレートの向上よりも広域カバレッジのプロビジョニングが優先されたことから、SC−FDMA(シングル・キャリア周波数分割多元接続)ベースの無線アクセスが採用された。LTE(リリース8)において、MIMO(多入力多出力)チャネル伝送技術を含め、多くの重要なパケット無線アクセス技術が使用されており、さらに非常に効率的な制御シグナリング構造が用いられている。
【0005】
<LTE構成>
全体的な構成を、図1に示し、E−UTRAN構成のより詳細な図を、図2に示す。E−UTRANは、UE(ユーザ機器)に向けてE−UTRAユーザ・プレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコル終端および制御プレーン(RRC)プロトコル終端をもたらすeノードBからなる。eNB(eノードB)は、PHY(物理)レイヤ、MAC(媒体アクセス制御)レイヤ、RLC(無線リンク制御)レイヤ、および、ユーザ・プレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含むPDCP(パケット・データ制御プロトコル)レイヤをホストする。また、eNBは、制御プレーンに対応するRRC(無線リソース制御)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理、受付制御、スケジューリング、ネゴシエートされたアップリンクQoS(サービス品質)の実施、セル情報ブロードキャスト、ユーザ・プレーン・データおよび制御プレーン・データの暗号化/解読、およびダウンリンク/アップリンク・ユーザ・プレーン・パケット・ヘッダの圧縮/伸張を含む、多くの機能を実行する。それらのeノードBは、X2インターフェースによって互いに接続される。
【0006】
また、eノードBは、S1インターフェースによってEPC(発展型パケット・コア)にも接続され、より具体的には、S1−MMEによってMME(移動管理エンティティ)に、さらにS1−UによってSGW(サービング・ゲートウェイ)に、接続される。S1インターフェースは、MME/サービング・ゲートウェイとeノードBの間の多対多関係をサポートする。SGWは、eノードB間ハンドオーバ中にユーザ・プレーンに関するモビリティアンカの役割をし、さらにLTE技術と他の3GPP技術(S4インターフェースを終端させ、さらに2G/3GシステムとPDN GWの間でトラフィックを中継する)の間のモビリティアンカの役割もしながら、ユーザ・データ・パケットをルーティングし、さらに転送する。アイドル状態のユーザ機器に関して、SGWは、ダウンリンク・データ・パスを終端させ、さらにユーザ機器のためにダウンリンク・データが着信すると、ページングをトリガする。SGWは、ユーザ機器コンテキスト、例えば、IPベアラ・サービスのパラメータやネットワーク内部ルーティング情報を管理し、さらに格納する。また、SGWは、合法的傍受の場合にユーザ・トラフィックのレプリケートを実行する。
【0007】
MMEは、LTEアクセス・ネットワークに関する重要な制御ノードである。MMEは、再送を含む、アイドル・モードユーザ機器追跡およびページング手順を担う。MMEは、ベアラ活性化/不活性化プロセスに関与し、初期アタッチ時、およびCN(コア・ネットワーク)ノード移転がかかわるLTE内ハンドオーバの時点で、ユーザ機器のためにSGWを選択することも担う。MMEは、ユーザを認証することを(HSSと対話することによって)担う。NAS(非アクセス・レイヤ)シグナリングが、MMEに終端し、さらにNASは、ユーザ機器に一時識別子を生成して、割り当てることも担う。NASは、ユーザ機器がサービス・プロバイダのPLMN(公共陸線移動体ネットワーク)にキャンプオンする許可を調べ、ユーザ機器ローミング制限を実施する。MMEは、NASシグナリングに関する暗号化/完全性保護のためのネットワークにおける終端ポイントであり、さらにセキュリティ鍵管理を扱う。シグナリングの合法的傍受も、MMEによってサポートされる。また、MMEは、S3インターフェースがSGSNからMMEに終端して、LTEアクセス・ネットワークと2G/3Gアクセス・ネットワークの間の移動に関する制御プレーン機能も提供する。また、MMEは、ローミング・ユーザ機器に関するホームHSSに向けてのS6aインターフェースを終端させる。
【0008】
<LTE(リリース8)におけるコンポーネント・キャリア構造>
3GPP LTE(リリース8)のダウンリンク・コンポーネント・キャリアは、時間周波数領域で、いわゆるサブフレームに細分される。3GPP LTE(リリース8)において、各サブフレームは、2つのダウンリンク・スロットに分割され、第1のダウンリンク・スロットは、第1のOFDMシンボル内の制御チャネル領域(PDCCH領域)を備える。各サブフレームは、時間領域における所与の数のOFDMシンボル(3GPP LTE(リリース8)において12または14のOFDMシンボル)からなり、OFDMシンボルのそれぞれは、コンポーネント・キャリアの帯域幅全体にわたる。このため、OFDMシンボルはそれぞれ、図4にも示すとおり、それぞれの
【数1】
個のサブキャリア上で伝送されるいくつかの変調シンボルからなる。
【0009】
例として、3GPPの「ロングターム・エボリューション」作業項目において説明される、例えば、OFDMを使用するマルチキャリア通信システムを想定すると、スケジューラによって割り当てられることが可能なリソースの最小単位は、1「リソース・ブロック」である。物理的リソース・ブロックは、図4に例示するとおり、時間領域における
【数2】
個の連続するOFDMシンボル、および周波数領域における
【数3】
個の連続するサブキャリアとして定義される。このため、3GPP LTE(リリース8)では、物理的リソース・ブロックは、時間領域における1スロット、および周波数領域における180kHzに相当する、
【数4】
個のリソース要素からなる(ダウンリンク・リソース・グリッドに関するさらなる詳細については、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、さらに参照により本明細書に組み込まれている、3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、セクション6.2を参照されたい)。
【0010】
<ダウンリンク物理チャネルの全体的な構造>
3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、2009年3月、セクション6.3(http://www.3gpp.orgで利用可能であり、さらに参照により本明細書に組み込まれている)による一般的なダウンリンクLTEベースバンド信号処理を、図6に例示する。LTEダウンリンクに関するさらなる詳細は、3GPP TS36.211、セクション6で見ることができる。符号化されたビットのブロックが、最初にスクランブルされる。2つまでの符号語が、1つのサブフレーム内で伝送され得る。
【0011】
一般に、符号化されたビットをスクランブルすることは、受信側の復号が、チャネル符号によってもたらされる処理利得を完全に利用することができることを確実にするのに役立つ。各符号語に関して、隣接セルに関して異なるスクランブル系列を適用することによって、干渉する信号がランダム化されて、チャネル符号によってもたらされる処理利得の完全な利用が確実になる。スクランブルされたビットは、各符号語に関するデータ変調器を使用して、複素変調シンボルのブロックに変換される。LTEダウンリンクによってサポートされる変調方式のセットには、1つの変調シンボル当り2ビット、4ビット、および6ビットに対応する、QPSK、16QAM、および64QAMが含まれる。
【0012】
レイヤ・マッピングおよびプリコーディングが、MIMOアプリケーションと関係する。伝送されるべき符号語の各符号語に関する複素値の変調シンボルが、1つのレイヤ、またはいくつかのレイヤにマップされる。LTEは、4つまでの送信アンテナをサポートする。アンテナ・マッピングは、送信ダイバーシティ、ビーム形成、および空間多重化を含め、マルチアンテナ方式をもたらす様々な方法で構成され得る。さらに、リソース・ブロック・マッパが、各アンテナ上で送信されるべきシンボルを、送信のためにスケジューラによって割り当てられたリソース・ブロックのセット上のリソース要素にマップする。リソース・ブロックの選択は、チャネル品質情報に依存する。
【0013】
ダウンリンク制御シグナリングが、以下の3つの物理チャネルによって実行される。すなわち、
− サブフレーム内で制御シグナリングのために使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御チャネル領域のサイズ)を示すPCFICH
− ULデータ伝送に関連するダウンリンクACK/NACKを伝送するPHICH
− ダウンリンク・スケジューリング割当て、およびアップリンク・スケジューリング割当てを伝送するPDCCH。
【0014】
<3GPP LTEにおけるダウンリンク受信>
アップリンクおよびダウンリンクで1回だけのコンポーネント・キャリアが存在する3GPP LTE(リリース8)において、PCFICHが、既知の変調−符号化方式を使用して、ダウンリンク・サブフレームの制御シグナリング領域内の既知の位置で送信される。ユーザ機器に割り当てられるダウンリンク・リソースの決定は、サブフレームの制御シグナリング領域のサイズ、すなわち、所与のサブフレーム内で制御シグナリングのために使用されるOFDMシンボルの数に依存するので、ユーザ機器は、シグナリングされたPCFICH値、すなわち、サブフレーム内で制御シグナリングのために使用されたOFDMシンボルの実際の数を獲得するために、PCFICHを復号する必要がある。
【0015】
ユーザ機器が、PCFICHを復号することができない、または誤ったPCFICH値を獲得した場合、このPCFICH検出誤りは、ユーザ機器が、制御シグナリング領域内に含まれるL1/L2制御シグナリング(PDCCH)を正しく復号することができないことをもたらし、したがって、制御シグナリング領域内に含まれるすべてのリソース割当てが失われる。
【0016】
<PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)割当て>
PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)は、ダウンリンク・データ伝送またはアップリンク・データ伝送にリソースを割り当てるためのスケジューリング許可を担持する。各スケジューリング許可は、CCE(制御チャネル要素)に基づいて定義される。各CCEは、RE(リソース要素)のセットに対応する。3GPP LTEにおいて、1つのCCEは、9個のREG(リソース要素グループ)からなり、ただし、1つのREGは、4つのREからなる。
【0017】
PDCCHは、サブフレーム内の最初の1つから3つのOFDMシンボル上で伝送される。PDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル)上のダウンリンク許可に関して、PDCCHは、同一のサブフレーム内の(ユーザ)データにPDSCHリソースを割り当てる。サブフレーム内のPDCCH制御チャネル領域は、CCEのセットからなり、ただし、サブフレームの制御領域内の総数のCCEは、時間および周波数の制御リソース全体にわたって分布する。複数のCCEが、制御チャネルの符号化レートを効果的に低減するように組み合わされることが可能である。CCEは、ツリー構造を使用して、所定の方法で組み合わされて、異なる符号化レートが実現される。
【0018】
3GPP LTEにおいて、PDCCHが、1つ、2つ、4つ、または8つのCCEを集約することが可能である。制御チャネル割当てに利用可能なCCEの数は、キャリア帯域幅、送信アンテナの数、制御のために使用されるOFDMシンボルの数、およびCCEサイズなどを含め、いくつかの要因に依存する。複数のPDCCHが、サブフレーム内で伝送され得る。
【0019】
トランスポート・チャネル・レベルで、PDCCHを介して伝送される情報は、L1/L2制御シグナリングとも呼ばれる。L1/L2制御シグナリングは、各UE(ユーザ機器)に関してダウンリンクで伝送される。この制御シグナリングは、通常、(ユーザ割当てがサブフレームごとに変わり得るものと想定して)サブフレーム内でダウンリンク(ユーザ)データと多重化される。一般に、ユーザ割当ては、TTI長(時間領域における)が1つまたは複数のサブフレームと均等であるTTI(伝送時間間隔)をベースとして実行されることも可能であることに留意されたい。TTI長は、すべてのユーザに関してサービスエリア内で固定であってもよく、異なるユーザに関して異なってもよく、さらには各ユーザに関して動的であってもよい。一般に、L1/L2制御シグナリングは、1つのTTIにつき1回、伝送されるだけでよい。
【0020】
さらに、L1/L2制御シグナリング上で送信されるPDCCH情報は、SCI(共有制御情報)とDCI(個別制御情報)に分離されることが可能である。DCIという頭字語は、ダウンリンク制御情報も指すこともあることに留意されたい。
【0021】
DCIは、ダウンリンクもしくはアップリンクのスケジューリング情報、または1つのRNTI(無線ネットワーク端末装置識別子)に関するアップリンク電力制御コマンドをトランスポートする。RNTIは、データまたは情報を特定のユーザ機器に宛てるためにLTEにおいて一般的に使用される、一意の識別子である。RNTIは、RNTIでDCIの符号化されたペイロード・データのCRCをマスクすることによって、DCIに暗黙に含められる。ユーザ機器側で、データのペイロード・サイズの復号が成功した場合、ユーザ機器は、「アンマスクされた」(すなわち、RNTIを使用するマスクが取り除かれた後の)CRCを使用する復号されたペイロード・データに対するCRCが成功したかどうかを調べることによって、DCIがそのユーザ機器を宛先とすることを検出する。CRC符号のマスクは、CRCをRNTIでスクランブルすることによって実行されることに留意されたい。
【0022】
3GPP LTE(リリース8)において、以下の異なるDCIフォーマットが定義される。すなわち、
− アップリンクDCIフォーマット
・ UL SCH割当ての伝送のために使用されるフォーマット0
・ フォーマット3が、2ビット電力調整を有するPUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用される(複数のUEがアドレス指定される)
・ フォーマット3Aが、単一ビット電力調整を有するPUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用される(複数のUEがアドレス指定される)
− ダウンリンクDCIフォーマット
・ SIMO動作に関するDL SCH割当ての伝送のために使用されるフォーマット1
・ SIMO動作に関するDL SCH割当てのコンパクト伝送のために使用されるフォーマット1A
・場合により、隣接するリソース割当てで閉ループ単一ランク伝送をサポートするのに使用されるフォーマット1B
・ フォーマット1Cは、ページング、RACH応答、および動的BCCHスケジューリングのダウンリンク伝送を目的とする
・ フォーマット1Dは、プリコーディングおよび電力オフセット情報を用いた1つのPDSCH符号語のコンパクト・スケジューリングのために使用される
・ フォーマット2は、閉ループMIMO動作に関するDL−SCH割当ての伝送のために使用される
・ フォーマット2Aは、開ループMIMO動作に関するDL−SCH割当ての伝送のために使用される
【0023】
ダウンリンクにおけるLTE物理チャネル構造、およびPDSCHフォーマットおよびPDCCHフォーマットに関するさらなる詳細については、Stefania Sesiaら、「LTE−The UMTS Long Term Evolution」、Wiley & Sons Ltd.、ISBN978−0−47069716−0、2009年4月、セクション6および9を参照されたい。
【0024】
<ユーザ機器におけるPDCCHのブラインド復号>
3GPP LTE(リリース8)において、ユーザ機器が、いわゆる「ブラインド復号」を使用してPDCCH内のDCIを検出しようと試みる。このことは、ダウンリンクでシグナリングされるPDCCHに関して、CCE集約サイズまたは変調−符号化方式を示す関連する制御シグナリングは存在しないことを意味するが、ユーザ機器は、CCE集約サイズおよび変調−符号化方式の可能なすべての組合せに関して試験し、さらに前述したRNTIに基づくPDCCHの復号の成功を確認する。さらに複雑さを制限するのに、LTEコンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内で、ユーザ機器がPDCCHを探索する共通の探索空間、および個別の探索空間が定義される。
【0025】
3GPP LTE(リリース8)において、PDCCHペイロード・サイズは、1回のブラインド復号の試行で検出される。ユーザ機器は、以下の表1で強調されるとおり、任意の構成された伝送モードに関して異なる2つのペイロード・サイズを復号しようと試みる。表1は、DCIフォーマット0、1A、3、および3Aのペイロード・サイズXが、伝送モード構成にかかわらず同一であることを示す。その他のDCIフォーマットのペイロード・サイズは、伝送モードに依存する。
【表1】
【0026】
したがって、ユーザ機器は、第1のブラインド復号の試行において、DCIのペイロード・サイズを調べることができる。さらに、ユーザ機器は、高過ぎる処理要求を回避するために、DCIフォーマットの所与のサブセットだけを探索するようにさらに構成される。
【0027】
<3GPP LTEにおけるアップリンク電力制御>
アップリンク電力制御が、様々なアップリンク物理チャネルの送信電力を制御する。サブフレームi内のPUSCH(物理アップリンク共有チャネル)伝送に関するユーザ機器の送信電力PPUSCH(dBで測定される)の設定は、以下の式によって定義される。すなわち、
【数5】
【0028】
同様に、PUCCH(物理アップリンク制御チャネル)伝送に関して、送信電力制御は、
【数6】
によって与えられる。ただし、TPC(送信電力制御)コマンドとも呼ばれるUEごとの補正値であるδPUSCH(/δPUCCH)が、DCIフォーマット0(/ダウンリンクDCIフォーマット)でPDCCHの中に含められる、または、CRCパリティ・ビットがTPC−PUSCH(/PUCCH)−RNTIでスクランブルされたDCIフォーマット3/3Aで、PDCCH内に他のTPCコマンドと一緒に符号化される。現在のPUSCH(/PUCCH)電力制御調整状態は、より上位のレイヤによって与えられるUEごとのパラメータ、Accumulation−enabledに基づいて、蓄積が可能にされる場合、以下によって定義されるf(i)によって与えられる。すなわち、PUSCHに関して、
【数7】
であり、PUCCHに関して、
【数8】
である。
【0029】
<3GPP LTEにおけるDCIフォーマット3/3A>
<DCIフォーマット3>
DCIフォーマット3は、PUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用され、さらに2ビットのサイズを有するTPCフィールド(送信電力制御フィールド)を含み、すなわち、2ビット電力調整を可能にする。DCIフォーマット3は、所与の数N個のTPCフィールドからなり、各TPCフィールドは、異なるUEに関するTPCコマンドを含む。UEには、DCIフォーマット3のPDCCH内で1つのTPCフィールドだけが割り当てられる。DCIフォーマット3の複数のPDCCHがサブフレーム内で伝送される場合、それでも、UEに割り当てられた1つのPDCCH内に1つだけのTPCフィールドが存在する。DCIフォーマット3におけるTPCフィールドの数は、
【数9】
によって与えられ、ただし、Lformat0は、フォーマット0に付加されるパディング・ビットを含め、CRC付加の前のフォーマット0(アップリンク割当てのスケジューリング)のペイロード・サイズと等しい。より上位のレイヤによって与えられるパラメータ、tpc−indexは、所与のユーザ機器に関するTPCフィールド/コマンドに対するインデックスを決定する。もし、
【数10】
である場合、値0のビットが、フォーマット3に付加される。サブフレーム内で伝送されるフォーマット3のDCIを有する複数のPDCCHは、電力制御シグナリングのためにシステムにおいて特別に定義された(いわゆるTPC−RNTIである)それぞれのRNTIでCRCをマスクすることによって、UEのグループにアドレス指定される。各ユーザ機器には、フォーマット3のDCIを伝送するPDCCHのブラインド検出の際に使用されるTPC−RNTIのうちの1つが割り当てられる。
【0030】
以下の表2は、3GPP LTE(リリース8)において指定されるPUSCHに関するDCIフォーマット3におけるTPCコマンド値のマッピングを示す。http://www.3gpp.orgで利用可能な、3GPP TS36.212、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Multiplexing and channel coding」、バージョン8.8.0、および3GPP TS36.213、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical layer procedures」、バージョン8.8.0を参照されたい。
【表2】
【0031】
同様なTPC値が、PUCCHに関しても定義される。
【0032】
<フォーマット3A>
DCIフォーマット3Aは、単一ビット電力調整を有するPUCCHおよびPUSCHに関するTPCコマンドの伝送のために使用される。構造に関して、SCIフォーマット3Aは、DCIフォーマット3の2倍の数のTPCフィールドを含むが、TPCフィールド・サイズは、DCIフォーマット3に関するTPCフィールド・サイズの1/2、すなわち、1ビットだけである。このため、DCIフォーマット3Aは、所与の数、M=Lformat0個のTPCフィールドからなり、各TPCフィールドは、異なるUEに関するTPCコマンドを含み、ただし、Lformat0は、この場合も、フォーマット0に付加されたパディング・ビットを含め、CRC付加の前のフォーマット0のペイロード・サイズと等しい。さらに、やはりDCIフォーマット3Aに関して、より上位のレイヤのシグナリングは、UEにパラメータtpc−indexを与え、より上位のレイヤによって与えられるtpc−indexは、所与のユーザ機器に関するTPCフィールド/コマンドに対するインデックス、およびブラインド検出のために使用すべきTPC−RNTIを決定する。
【0033】
以下の表3は、3GPP LTE(リリース8)において指定されるPUCCHとPUSCHの両方に関する、DCIフォーマット3AにおけるTPCコマンド値のマッピングを示す。
【表3】
【0034】
<LTEに関するさらなる進展−拡張LTE(3GPP LTE−A)>
拡張IMTに関する周波数スペクトルは、2008年11月のWRC−07(World Radio communication Conference 2007)において決定された。拡張IMTに関する全体的な周波数スペクトルは決定されたものの、実際の利用可能な周波数帯域は、各地域または各国により異なる。しかし、利用可能な周波数スペクトルの概要の決定の後に、無線インターフェースの標準化が、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)において開始した。3GPP TSG RAN#39会議で、「拡張LTE(E−UTRAに関するさらなる進展)」に関する、「リリース10」とも呼ばれる研究項目記述が承認された。この研究項目は、例えば、拡張IMTの要件を満たすのに、E−UTRAの発展のために考慮されるべき技術構成要素を、対象として含む。LTE−Aに関して現在、考慮されている2つの主要な技術構成要素を、以下に説明する。
【0035】
全体的なシステム帯域幅を拡張するために、LTE−A(リリース10)は、キャリア・アグリゲーションを使用する。ただし、LTE(リリース8)のために定義された2つ以上のコンポーネント・キャリア(前述の図3および図4を参照されたい)が、例えば、100MHzまでのより広い伝送帯域幅をサポートするために、さらにスペクトル集約のために、集約される。単一のコンポーネント・キャリアは、20MHzの帯域幅を超えないものと一般に想定される。
【0036】
端末装置は、端末装置の能力に応じて、1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上で同時に受信し、さらに/または送信することが可能である。
− キャリア・アグリゲーションのための受信能力および/または送信能力を有する拡張LTE(リリース10)対応の移動端末装置は、複数のコンポーネント・キャリア上で同時に受信し、さらに/または送信することができる。1つのコンポーネント・キャリア当り1つのトランスポート・ブロック(空間多重化が存在しない状況で)、および1つのHARQエンティティが存在する。
− LTE(リリース8)対応の移動端末装置は、コンポーネント・キャリアの構造がリリース8規格に準拠するという条件付きで、単一のコンポーネント・キャリア上だけで受信および送信を行うことができる。
【0037】
また、少なくとも、アップリンクとダウンリンクでコンポーネント・キャリアの集約された数が同一である場合に、すべてのコンポーネント・キャリアをLTE(リリース8)対応に構成することも構想される。LTE−A(リリース10)コンポーネント・キャリアの後方互換性のない構成の考慮は、排除されない。したがって、アップリンクとダウンリンクで場合により異なる帯域幅の異なる数のコンポーネント・キャリアを集約するようユーザ機器を構成することが可能である。
【0038】
<3GPP LTE−AにおけるPDCCH構造およびクロス・キャリア・スケジューリング>
前述したとおり、3GPP LTE−A(リリース10)において、キャリア・アグリゲーション、すなわち、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、複数のコンポーネント・キャリアがそれぞれ用いられる。クロス・キャリア・スケジューリングを利用することが現在、3GPPによって構想されており、このことは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのうちの1つのキャリア上の(単一の)PDCCHが、複数のコンポーネント・キャリア上にダウンリンク・リソース(物理ダウンリンク共有チャネル−PDSCH)またはアップリンク・リソース(物理アップリンク共有チャネル−PUSCH上の)を割り当てることができることを意味する(http://www.3gpp.orgで利用可能であり、さらに参照により本明細書に組み込まれている、3GPP RAN1会議no.58において合意された3GPP Tdoc.R1−094959、「TP for TR36.814 on downlink control signalling for carrier aggregation」を参照されたい)。クロス・キャリア・スケジューリングの使用の動機は、異種のネットワーク動作、サポート拡張キャリア動作、PDCCH CCEブロックが生じる可能性がある場合の効率的なスケジューリングなどである。
【0039】
3GPPにおいて、(ダウンリンク)コンポーネント・キャリア上のPDCCHが、同一のコンポーネント・キャリア上のPDSCHリソースを割り当てること、および単一のリンクされたULコンポーネント・キャリア上にPUSCHリソースを割り当てることができることが合意されている。Rel−8のPDCCH構造(同一の符号化、同一のCCEベースのリソース・マッピング)、およびDCIフォーマットが、各コンポーネント・キャリア上で使用される。さらに、コンポーネント・キャリア上のPDCCHは、CIF(キャリア・インジケータ・フィールド)を使用して複数のコンポーネント・キャリアのうちの1つのキャリアにおけるPDSCHリソースまたはPUSCHリソースを割り当てるのに使用されることが可能である。ただし、3GPP LTE(リリース8)DCIフォーマットは、固定の3ビット・キャリア・インジケータ・フィールドで拡張され、さらに3GPP LTE(リリース8)PDCCH構造(同一の符号化、同一のCCEベースのリソース・マッピング)が再使用される。キャリア・インジケータ・フィールドの存在は、半静的に構成され得る。
【0040】
送信電力制御に関して、3GPP LTE(リリース8)に関して提案される機構は、3GPP LTE−A(リリース10)における使用のためにいくらかの適合および最適化を必要とする可能性がある。3GPP LTE−A(リリース10)においては、3GPP LTE(リリース8)とは異なり、アップリンクおよびダウンリンクで複数のコンポーネント・キャリアのキャリア・アグリゲーションが使用され、このことは、電力制御のための強化されたシグナリング機構を必要とする。後段で明白となるとおり、3GPP LTE(リリース8)送信電力制御の単純な再使用、すなわち、各アップリンク・コンポーネント・キャリアに関して再使用を単に実行することは、非対称的なアップリンク/ダウンリンク・キャリア・アグリゲーション、ユーザ機器によるブラインド復号の試みに対するより高い要求、および処理リソースおよび(バッテリ)電力の関係する使用、制御シグナリング・オーバーヘッドなどの点で、効率的でない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0041】
【非特許文献1】3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、セクション6.2
【非特許文献2】3GPP TS36.211、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical Channels and Modulation(Release 8)」、バージョン8.7.0、2009年3月、セクション6.3
【非特許文献3】Stefania Sesiaら、「LTE−The UMTS Long Term Evolution」、Wiley & Sons Ltd.、ISBN978−0−47069716−0、2009年4月、セクション6および9
【非特許文献4】3GPP TS36.212、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Multiplexing and channel coding」、バージョン8.8.0
【非特許文献5】3GPP TS36.213、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical layer procedures」、バージョン8.8.0
【非特許文献6】3GPP Tdoc.R1−094959、「TP for TR36.814 on downlink control signalling for carrier aggregation」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
本発明の目的の1つは、アップリンクでキャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて送信電力制御コマンドをシグナリングするための、効率的な方式を示唆することである。すなわち、アップリンクでキャリア・アグリゲーションを使用する移動通信システムに3GPP LTE(リリース8)送信電力制御を拡張することの、前述した潜在的な欠点の1つに関して、少なくともより効率的である送信電力制御シグナリング方式を見出すことは、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0043】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0044】
本発明の第1の態様によれば、移動端末装置(3GPP用語でユーザ機器と呼ばれる)のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する(複数の)送信電力制御コマンドが、1つの送信電力制御メッセージ内で移動端末装置に与えられる。3GPPベースのシステムにおいてこの態様を実施する際、電力制御メッセージは、例えば、3GPP LTE(リリース8)に関するDCIフォーマット3/3Aに基づくフォーマットのDCIを伝送するPDCCHであることが可能であるが、各DCIが、所与の移動端末装置に関する複数のTPCコマンドを備えることが可能である。さらに、送信電力制御メッセージは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域(すなわち、制御情報を伝送するのに個別のサブフレーム内の所与の数のOFDMシンボル)内でシグナリングされる。基地局によるサービスを受けるグループの移動端末装置に、送信電力制御メッセージ内でそれぞれの複数の送信電力制御フィールドが割り当てられる。
【0045】
この第1の態様に沿って、本発明の一実施形態は、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局からグループの移動端末装置への送信電力制御コマンドを送信するための方法を提供することである。基地局は、複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成する。送信電力制御メッセージのこれらの送信電力制御フィールドの複数が、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、さらに各移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドが、それぞれの移動端末装置によって集約されるそれぞれのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングするために使用される。基地局は、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域に送信電力制御メッセージをマップし、さらに、サブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内に含まれる送信電力制御メッセージを移動端末装置にさらに送信する。
【0046】
このようにして、所与のグループの移動端末装置のうちのそれぞれの移動端末装置の異なるアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御が可能である。このことは、1つの移動端末装置に割り当てられる送信電力制御フィールドの数が、その移動端末装置のために構成されるアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下でなければならないことを意味する。
【0047】
前述したとおり、グループの移動端末装置のうちの異なる移動端末装置に、メッセージ内のそれぞれの複数の送信電力制御フィールドが割り当てられる。本発明のさらなる実施形態によれば、基地局は、グループの移動端末装置のうちの移動端末装置に割当てメッセージを送信している。それぞれの割当てメッセージは、このグループのそれぞれの移動端末装置に送信され得ることに留意されたい。各割当てメッセージは、それぞれの移動端末装置を、送信電力制御メッセージの複数の送信電力制御フィールドのそれぞれの複数のフィールドに割り当て、さらに/または複数の一時識別子のうちの1つを移動端末装置に割り当てる、割当て情報を含む。例えば、割当てメッセージは、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRC(無線リソース制御)レイヤ/プロトコルのメッセージである。割当てメッセージは、送信電力制御フィールドの割当ての構成および再構成のために使用され得ることにさらに留意されたい。
【0048】
それぞれの移動端末装置に対する送信電力制御フィールドの割当てを円滑にするのに、それぞれのフィールドが、例えば、インデックスによって識別されることも可能である。本発明のさらなる実施形態において、割当てメッセージは、(それぞれの)移動端末装置に割り当てられた送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドのインデックスを示す。
【0049】
前述したとおり、所与の移動端末装置に割り当てられる送信電力制御フィールドの数は、移動端末装置のための構成されるアップリンク・コンポーネント・キャリアの数より少ないことが可能である。本発明の別の実施形態では、(送信電力制御メッセージが関係する所与のグループの移動端末装置の)移動端末装置によって集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアは、キャリアのグループ(サブセット)にグループ化される。後段で概説するとおり、キャリアのこのグループ化は、移動端末装置に電力制御コマンドを与えるためのシグナリング・フォーマットとは独立である、本発明の(第3の)別の態様である。この実施形態において、基地局は、それぞれ移動端末装置のキャリアの各グループに関して、それぞれの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定する。各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、それぞれの移動端末装置によって、キャリアのそれぞれのグループに属するアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドである。基地局は、移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドのうちの1つに対するそれぞれの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御を、送信電力制御メッセージ内に含める。
【0050】
移動端末装置のキャリアのグループに関するそのようなキャリア・グループ送信電力制御コマンドの使用は、例えば、単一の送信電力制御コマンドによる同様の電力制御を経験すべき(例えば、同一のレベルの干渉を経験することにより)移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアを電力制御することによって、制御シグナリング・オーバーヘッドを小さくするという点で、有利であり得る。所与の端末装置のために構成されるコンポーネント・キャリアのグループ化は、例えば、以下のパラメータのうちの少なくとも1つに依存することも可能である。すなわち、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
− アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
− 基地局において利用可能な移動端末装置に関する送信電力制御フィールドの数、
− 基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、例えば、アップリンク・アンカ・キャリア、および
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上で移動端末装置によってシグナリングされるべきダウンリンク・データ伝送に対応するACK/NACKの数。
【0051】
さらに、別の実施形態において、1つの送信電力制御コマンドが、アップリンクでユーザ機器のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアの送信電力を一緒に制御するのに使用されることが構想される。送信電力制御メッセージ内の残りの送信電力制御フィールドは、例えば、移動端末装置の選択されたアップリンク・コンポーネント・キャリア(またはそのようなコンポーネント・キャリアのグループ)の送信電力を微調整するのに使用され得る。この実施形態の1つの例示的な実装形態において、キャリア・グループ送信制御電力コマンドのうちの1つが、移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、その1つの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドであることも可能である。
【0052】
さらに詳細には、1つの移動端末装置に割り当てられた送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドのうちの1つが、例えば、移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して送信電力制御コマンドをシグナリングしていることが可能であり、さらに送信電力制御メッセージのその他の1つまたは複数の送信電力制御フィールドが、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関する送信電力制御コマンドをシグナリングしている。全キャリア送信電力制御コマンドは、基地局によって、例えば、送信電力制御メッセージ内のそれぞれ1つの移動端末装置に割り当てられた第1の送信電力制御フィールド内に含められることが可能である。このことは、例えば、それぞれのタイプの送信電力制御コマンドに関する送信電力制御メッセージ内の電力制御フィールドの使用が、移動端末装置にシグナリングされなくてもよく、移動端末装置および基地局に知られているので、有利であり得る。
【0053】
本発明のさらなる実施形態において、基地局が、送信電力制御メッセージの送信電力制御フィールドのためのCRC符号を生成している。このCRC符号は、その後、送信電力制御のために定義された移動端末装置のグループに共通する複数の一時識別子のうちの1つで、基地局によってマスクされて、マスクされたCRC符号が獲得される。このマスクされたCRC符号は、次に、基地局によって、送信電力制御メッセージが伝送のためにダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップされるのに先立って、送信電力制御メッセージのCRCフィールドに含められる。
【0054】
サービスを受け、さらに電力制御されるべき移動端末装置の総数に依存して、このことは、基地局(3GPP用語でeノードBと呼ばれる)が、ダウンリンクでそれぞれのグループの移動端末装置に関する複数の送信電力制御メッセージをシグナリングする必要がある可能性があることを暗示し得る。したがって、やはり本発明の第1の態様に沿った本発明のさらなる実施形態において、基地局は、所与のサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の様々なグループの移動端末装置のための複数の送信電力制御メッセージを生成し、送信する。これらの送信電力制御メッセージのそれぞれは、送信電力制御のために定義された移動端末装置のグループに共通である複数の一時識別子のうちの異なる1つでマスクされた、マスクされたCRCを含む。
【0055】
この実施形態のより詳細な実装形態において、基地局は、例えば、RRCシグナリングなどの、より上位のレイヤのシグナリングによって移動端末装置の様々な共通の探索空間、および/または個別の探索空間をさらに構成する。移動端末装置の探索空間は、移動端末装置が、制御情報(送信電力制御メッセージを含む)のブラインド検出を実行すべきサブフレーム内の制御シグナリング領域の一部分を定義する。基地局は、各送信電力制御メッセージを、それぞれの送信電力制御メッセージ内で送信電力制御フィールドを割り当てられた移動端末装置の探索空間内に含まれるダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域の一部分にマップする。
【0056】
前述の様々な実施形態による様々な実施例は、基地局の動作を参照したが、やはり本発明の第1の態様に沿った本発明の他の実施形態は、移動端末装置の動作と関係する。したがって、本発明の1つのさらなる実施形態は、OFDMベースの移動通信システム内の移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法を提供する。この方法において、移動端末装置は、基地局からサブフレームを受信し、さらに、受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行する。送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有する。送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドが、移動端末装置に割り当てられ、さらに移動端末装置によって集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含む。移動端末装置は、送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドから移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定し、さらにそれらの送信電力制御コマンドを、移動端末装置に関して集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用する。
【0057】
本発明のさらなる実施形態において、移動端末装置は、送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールド、および/またはその移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つを、その移動端末装置に割り当てる基地局から、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージを受信する。
【0058】
本発明の別の実施形態において、移動端末装置は、送信電力制御メッセージのCRCフィールドからマスクされたCRC符号を獲得しており、その移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つで、マスクされたCRC符号をマスク解除して、その結果、CRC符号を獲得している。さらに、移動端末装置は、そのCRC符号に基づいて、送信電力制御メッセージのブラインド検出の成功を検証する。
【0059】
さらなる実施形態において、移動端末装置は、基地局から、移動端末装置が、送信電力制御メッセージを含む制御情報のブラインド復号を実行すべきサブフレーム内の制御シグナリング領域の一部分を定義する共通の探索空間、および/または個別の探索空間を示す、RRCメッセージなどの、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージを受信する。
【0060】
本発明の第2の態様は、移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドの別のシグナリング・フォーマットと関係する。この第2の態様によれば、所与の移動端末装置に伝送されるべき送信電力コマンドは、様々な送信電力制御メッセージの中にそれぞれ含められ、したがって、1つの送信電力制御コマンドが、それぞれの1つの送信電力制御メッセージの中で送信される。したがって、各送信電力制御メッセージの中のそれぞれの送信電力制御フィールドが、それぞれの単一の移動端末装置に割り当てられる。さらに、移動端末装置に関する送信電力制御フィールドは、それらの送信電力制御メッセージの各メッセージ内の所与のロケーション(1つのインデックス/複数のインデックス)に配置されることが可能である。このことは、送信電力制御フィールドをそれぞれの移動端末装置に割り当てることに関するシグナリング・オーバーヘッドを単純化することを可能にする。本発明の第1の態様と同様に、複数の送信電力制御メッセージが、単一のダウンリンク・コンポーネント・キャリア上で移動端末装置に送信されることが可能である。
【0061】
本発明のこの第2の態様に沿って、別の実施形態が、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法を提供し、基地局は、移動端末装置のために複数の送信電力制御メッセージを生成している。各送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを備え、さらに各送信電力制御メッセージの送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたそれぞれのアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、それらの移動端末装置のうちのそれぞれ1つの移動端末装置に割り当てられる。さらに、基地局が、送信電力制御メッセージを、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップし、さらにサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内に含まれる送信電力制御メッセージを移動端末装置に送信する。
【0062】
本発明のさらなる実施形態による方法のより詳細な実装形態において、基地局が、各送信電力制御メッセージに関してCRC系列を生成し、送信電力制御メッセージに関するCRC系列を、送信電力制御のために定義された様々な一時識別子でマスクする。次に、基地局は、それぞれのマスクされたCRC系列を対応する送信電力制御メッセージに追加してから、それらの送信電力制御メッセージを、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップする。
【0063】
やはり、本発明の第2の態様による実施形態において、移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化が、使用され得る。したがって、本発明の別の実施形態において、移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアが、グループ化されてキャリアのグループにされ、さらに基地局が、移動端末装置のうちのそれぞれの1つの移動端末装置のキャリアの各グループに関して、その1つの移動端末装置のためのキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定する。前述したとおり、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、その1つの移動端末装置によって、キャリアのそれぞれのグループに属するアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドである。基地局は、移動端末装置のためのキャリア・グループ送信電力制御コマンドを、様々な送信電力制御メッセージ内の移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドに含める。
【0064】
本明細書で前述したとおり、1つの移動端末装置に関する送信電力制御メッセージの数は、その1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下であり得る。1つの移動端末装置に関する送信電力制御メッセージの数が、その1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数より少ない場合、移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化が用いられることが可能である。移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化は、様々なパラメータに基づくこと、例えば、以下のパラメータのうちの少なくとも1つに基づくことが可能である。すなわち、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
− アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
− 基地局において利用可能な移動端末装置に関する送信電力制御フィールドの数、
− 基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、例えば、アップリンク・アンカ・キャリア、および
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上で移動端末装置によってシグナリングされるべきダウンリンク・データ伝送に対応するACK/NACKの数。
【0065】
本発明の第1の態様と同様に、本発明の第2の態様と関係する実施形態においても、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する電力制御コマンドが存在することが可能である。したがって、本発明の別の実施形態において、キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つが、移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、その1つの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドである。
【0066】
移動端末装置に関する全キャリア送信電力制御コマンドは、例えば、基地局によって、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップされた第1の送信電力制御メッセージ内で移動端末装置に割り当てられた送信電力制御フィールド内に含められることが可能である。
【0067】
1つの例示的な実装形態において、全キャリア送信電力制御コマンドは、移動端末装置に関する他の送信電力制御コマンドを伝送する送信電力制御メッセージとは異なる送信電力制御メッセージにマップされる。このことは、例えば、個々の/複数のアップリンク・コンポーネント・キャリアに対応する送信電力制御コマンドが使用されない可能性がある場合、さらに/またはダウンリンク・シグナリング/オーバーヘッドを節約するのに有益であり得る。代替として、全キャリア送信電力制御コマンドに加えて、移動端末装置のために構成された1つ/複数のコンポーネント・キャリアに関するその他の送信電力制御コマンドが、コンポーネント・キャリアのうちの個々のコンポーネント・キャリア/グループに関する全キャリア送信電力制御コマンドを微調整するために送信されることが可能である。
【0068】
本発明の第2の態様によるさらなる実施形態は、移動端末装置の動作にも関係する。したがって、本発明の別の態様は、OFDMベースの移動通信システム内で移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法を提供し、移動端末装置は、基地局からサブフレームを受信し、さらに、受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行する。送信電力制御メッセージのそれぞれは、移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを1つが備える複数の送信電力制御フィールドを備える。移動端末装置は、送信電力制御メッセージ内のそれぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定し、さらに移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送にそれらの送信電力制御コマンドを適用する。
【0069】
本発明のさらなる実施形態において、各送信電力制御メッセージの1つの送信電力制御フィールドは、送信電力制御メッセージ内のそのフィールドの位置を識別する共通のインデックスを有する。移動端末装置は、基地局から、移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを備える送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドのインデックスについて移動端末装置に知らせる、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージをさらに受信する。
【0070】
異なる送信電力制御メッセージの中で、異なる送信電力制御フィールド・インデックスが移動端末装置に割り当てられることが可能であり、または送信電力制御メッセージのサブグループが、共通の送信電力制御フィールド・インデックスを有することが可能であることに留意されたい。しかし、この、より柔軟性のあるシグナリング・フォーマットは、RRCシグナリング・オーバーヘッドを増大させる可能性がある。
【0071】
さらに、本発明のさらに別の実施形態において、移動端末装置は、基地局から、移動端末装置が制御情報(送信電力制御メッセージを含む)のブラインド復号を実行すべきサブフレームの制御シグナリング領域内の共通の探索空間および/または個別の探索空間を示す、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージを受信する。
【0072】
さらに、本発明の第2の態様のさらなる実施形態によれば、送信電力制御メッセージ内の移動端末装置に関する複数の送信電力制御フィールドのうちの少なくとも1つが、移動端末装置によって、移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアのサブセット上のすべての伝送に適用されるべき、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドをシグナリングすることが可能である。移動端末装置は、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドを、そのグループのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に適用する。
【0073】
全キャリア送信電力制御コマンドの使用と関係する本発明のさらなる実施形態において、移動端末装置に関する複数の送信電力制御フィールドのうちの1つが、移動端末装置によって、移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用されるべき全キャリア送信電力コマンドをシグナリングしている。移動端末装置が送信電力制御コマンドを適用することは、移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送に全キャリア送信電力制御コマンドを適用することを備える。さらに、より具体的な例示的な実装形態において、移動端末装置は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセット上の伝送に、移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する全キャリア送信電力制御コマンドに加えて、アップリンク・コンポーネント・キャリアのそのサブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを適用する。
【0074】
既に前述したとおり、本発明の第1の態様、および第2の態様とは独立である本発明の第3の態様は、複数のコンポーネント・キャリア上、例えば、移動端末装置のすべてのコンポーネント・キャリア上、またはグループ(サブセット)のコンポーネント・キャリア上の送信電力を制御するために単独のコマンドを送信するという考え方である。この第3の態様は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアより少ない数の送信電力制御コマンドを送信することを可能にするので、送信電力制御コマンドによる制御シグナリング・オーバーヘッドを小さくすることを可能にする。このため、移動端末装置のいくつかのコンポーネント・キャリア上の送信電力が、一緒に制御されることが可能である。異なるキャリア・グループ送信電力制御コマンドは、同一の送信電力制御メッセージ内で送信されても、異なる送信電力制御メッセージ内で送信されてもよい。
【0075】
本発明のこの第3の態様に沿って、本発明の別の実施形態が、複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法を提供し、基地局は、各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアをグループ化して、キャリアの少なくとも2つのグループにしている。さらに、基地局は、各移動端末装置に関して、それぞれの移動端末装置のキャリアの各グループに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成し、さらに、移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージをさらに生成し、キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、複数の送信電力制御フィールドの中に含められる。基地局は、送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にさらにマップし、さらに、サブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の電力制御メッセージを移動端末装置に送信する。
【0076】
本発明の第1の態様、および第3の態様に沿って、さらなる実施形態によれば、移動端末装置のうちの1つの移動端末装置のキャリア・グループ送信電力制御コマンドが、例えば、1つの送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドにマップされることが可能である。さらに、キャリア・グループ送信電力制御コマンドの1つが、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、それぞれの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドであることが可能である。全キャリア送信電力制御コマンドは、例えば、その1つの送信電力制御メッセージの中で現れる移動端末装置に割り当てられた最初の送信電力制御フィールドに含められることが可能である。
【0077】
本発明の第2の態様、および第3の態様に沿って、さらなる実施形態によれば、移動端末装置のうちのそれぞれの1つの移動端末装置の各キャリア・グループ送信電力制御コマンドが、異なる送信電力制御メッセージ内の1つの送信電力制御フィールドにマップされる。この場合も、キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つが、移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して、それぞれの移動端末装置によって使用される送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドであることが可能である。さらに、全キャリア送信電力制御コマンドは、サブフレームの制御シグナリング領域内の最初の送信電力制御メッセージに含められることが可能である。送信電力制御メッセージが、全キャリア送信電力制御コマンドを伝送する場合、その他のグループ/個々のコマンドは、例えば、異なる1つまたは複数の送信電力制御メッセージにマップされることも可能である。
【0078】
本発明のさらなる態様によれば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで本発明の様々な実施形態を実施することも示唆される。このため、本発明は、本明細書で使用される方法の様々な実施および実施形態を実行するように特に適合された基地局および移動端末装置も提供する。これに関して、基地局および移動端末装置は、様々な機能を実行する個別のハードウェア回路または集積回路をそれぞれ備えることが可能であることに留意されたい。基地局および移動端末装置は、例えば、本明細書で概説する送信電力制御方式を実行するように様々な種類の情報を受信するための受信機を備えることが可能である。同様に、基地局および移動端末装置は、本明細書で概説する送信電力制御方式を実行するように様々な種類の情報を送信するための送信機を備えることも可能である。さらに、基地局および移動端末装置は、本明細書で概説する送信電力制御方式を実行するように基地局および移動端末装置によって受信される、または送信される様々な種類の情報を処理するための、例えば、CPUまたはDSPなどのプロセッサを含むことも可能である。
【0079】
以下に、本発明を、添付の図および図面を参照して、より詳細に説明する。図における類似した、または対応する詳細には、同一の参照符号で印を付ける。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】3GPP LTEシステムの例示的な構成図である。
【図2】3GPP LTEの全体的なE−UTRAN構成を示す例示的な概略図である。
【図3】3GPP LTE(リリース8)に関して定義されたダウンリンク・コンポーネント・キャリア上の例示的なサブフレーム構造の図である。
【図4】3GPP LTE(リリース8)に関して定義されたダウンリンク・スロットの例示的なダウンリンク・リソース・グリッドの図である。
【図5】本発明の或る実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによる例示的なTPCメッセージの図である。
【図6】本発明の或る実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによる複数のTPCメッセージの伝送の図である。
【図7】本発明の異なる実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによるTPCメッセージのTPCフィールドの異なる例示的な用法の図である。
【図8】本発明の異なる実施形態による、第1のシグナリング・フォーマットによるTPCメッセージのTPCフィールドの異なる例示的な使用の図である。
【図9】本発明の異なる実施形態による、第2のシグナリング・フォーマットによりTPCコマンドをシグナリングするためのTPCメッセージの使用の図である。
【図10】本発明の異なる実施形態による、第2のシグナリング・フォーマットによりTPCコマンドをシグナリングするためのTPCメッセージの使用の図である。
【図11】本発明の異なる実施形態による、移動端末装置にTPCフィールドを割り当てるための異なる2つのRRCメッセージの図である。
【図12】本発明の異なる実施形態による、移動端末装置にTPCフィールドを割り当てるための異なる2つのRRCメッセージの図である。
【図13】本発明の別の実施形態による、TPCコマンドを提供するための第1のシグナリング・フォーマットと第2のシグナリング・フォーマットの混合を使用するTPCコマンドの例示的なシグナリングの図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態による、基地局による様々な個別の探索空間の構成、または共通の探索空間の構成の、例示の図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
以下の段落は、本発明の様々な実施形態を説明する。単に例示の目的で、これらの実施形態のほとんどは、前段の背景技術セクションで説明した、3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)移動通信システムに準拠する、直交シングル・キャリア・アップリンク無線アクセス方式と関係して概説される。本発明は、例えば、前述した3GPP LTE(リリース8)通信システム、および3GPP LTE−A(リリース10)通信システムなどの移動通信システムに関連して有利に使用され得るが、本発明は、この特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されないことに留意されたい。
【0082】
前段の背景技術セクションで与えられた説明は、本明細書で説明する大部分が3GPP LTE(リリース8)およびLTE−A(リリース10)に固有の例示的な実施形態をよりよく理解することを意図しており、説明する移動通信ネットワークにおけるプロセスおよび機能の特定の実施形態に本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0083】
本書の前段の前置き部分で既に述べたとおり、送信電力制御に関して3GPP LTE(リリース8)向けに提案される機構は、3GPP LTE−A(リリース10)における使用のためには、いくらかの適合および最適化を必要とする可能性がある。例えば、3GPP LTE−A(リリース10)におけるDCIフォーマット3/3Aの「再使用」を考慮すると、構想され得る1つのソリューションは、3GPP LTE(リリース8)に準拠するDCIフォーマット3/3Aを有する複数のPDCCHが、各ダウンリンク・コンポーネント・キャリア上でユーザ機器にシグナリングされて、それぞれのリンクされたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する電力制御コマンドを供給することである。「リンクされたアップリンク・コンポーネント・キャリア」とは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのそれぞれが、そのキャリアにリンクされたアップリンク・コンポーネント・キャリアを有すること、すなわち、それぞれのダウンリンク・コンポーネント・キャリア上でアップリンクPDCCHが関係するアップリンク・コンポーネント・キャリアを識別するのに、アップリンク・コンポーネント・キャリアの識別が全く必要とされないことを意味する。このことは、各アップリンク・コンポーネント・キャリアに関して3GPP LTE(リリース8)送信電力制御を実行すること、すなわち、3GPP LTE(リリース8)送信電力制御を複数回、並行に実行することと均等である。しかし、本発明者らによって当初考慮された、この潜在的なソリューションは、複数のアップリンク・コンポーネント・キャリアを制御することができないので、非対称ダウンリンク/アップリンク・キャリア・アグリゲーション(例えば、2つのダウンリンク・コンポーネント・キャリアと、4つのアップリンク・コンポーネント・キャリア)の場合に十分に効率的でない可能性がある。さらに、ブラインド復号の試行の直線的に増大する回数を必要とすることによる処理能力およびバッテリ使用量に関するユーザ機器の要件、ならびにシグナリング・オーバーヘッドが、最適でないように思われる。
【0084】
本発明者らによって考慮された別の可能なソリューションは、それぞれのユーザ機器の、構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して送信電力を制御するための、3GPP LTE(リリース8)機構を使用することである。このため、各ユーザ機器は、3GPP LTE DCIフォーマット3/3Aをやはり使用して、1つの送信電力制御コマンドを受信する、すなわち、(前述したソリューションにおけるコンポーネント・キャリアごとの制御とは異なり)ユーザ機器ごとのアップリンクTPCコマンドが送信される。このことは、実際、ブラインド復号として最適であり得るものの、処理要件およびシグナリング・オーバーヘッドは3GPP LTE(リリース8)と比較して変わらず、このことは、コンポーネント・キャリアがもはや個別に制御され得ないためにTPCコマンドの細分性が相当に制限されることを意味する。
【0085】
本発明者らによって考慮されてきたさらなる可能なソリューションは、CIF(キャリア・インジケータ・フィールド)を使用して、3GPP LTE DCIフォーマット3/3Aの送信電力制御コマンドを送信することである。CIFの使用は、クロス・キャリア・スケジューリングをサポートするのに、ユーザ機器ごとのアップリンクDCIフォーマットおよびダウンリンクDCIフォーマットに関して、既に合意されている。また、このフィールドは、クロス・スケジュールされたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する電力制御コマンドの暗黙の/明示的な指示によって拡張されて、3GPP LTEのDCIフォーマット3/3Aにおいて提供されるTPCコマンドと同様の送信電力制御を可能にすることもできる。しかし、特定のコンポーネント・キャリアに関するアップリンクTPCコマンドは、CIFによってアドレス指定されるユーザ機器と同一のコンポーネント・キャリア・インデックスをすべてのユーザ機器が有する場合に限って、すなわち、コンポーネント・キャリア・インデックスのラベル付けがシステムの見地から行われる場合に限って、可能である。コンポーネント・キャリア・インデックスのラベル付けがユーザ機器の見地から行われる場合、このソリューションは、TPCコマンドを含むCIFを使用してグループ化され、アドレス指定される異なるユーザ機器が異なるコンポーネント・キャリア・インデックスを有し得るので、効率的にならない可能性がある。
【0086】
<TPCコマンドに関するシグナリング・フォーマット−タイプ1>
本発明の第1の態様によれば、移動端末装置(3GPP用語でユーザ機器またはUEと呼ばれる)のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリア(UL CC)に関する(複数の)送信電力制御(TPC)コマンドが、1つの送信電力制御メッセージ内で移動端末装置に与えられる。3GPPベースのシステムにおけるこの態様を実施する際に、電力制御メッセージは、例えば、3GPP LTE(リリース8)に関するDCIフォーマット3/3Aに基づくフォーマットのDCIを伝送するPDCCHであることが可能である。しかし、各DCIは、所与の移動端末装置に関する複数のTPCコマンドを備えることが可能である。
【0087】
本発明の1つの例示的な実施形態による例示的なTPCメッセージ(送信電力制御メッセージ)を、図5に示す。例示的なTPCメッセージ501は、3GPP LTE(リリース8)のDCIフォーマット3あるいはDCIフォーマット3Aに基づいており、それぞれ、個別のTPCコマンドを伝送するためのN個のTPCフィールドを含む。TPCフィールドのサイズは、例えば、1ビットまたは2ビットである。図5に示すとおり、TPCメッセージ内のTPCフィールド(K(UEi)個のTPCフィールド)のうちの複数が、複数の移動端末装置のそれぞれに割り当てられる。例えば、TPCフィールド1から4が、移動端末装置UE1に割り当てられ、移動端末装置UE1に関するそれぞれのTPCコマンドを伝送する。このため、図5に示すとおり、グループの移動端末装置(移動端末装置UE1からUE M)に、TPCメッセージ501内の複数のTPCフィールドがそれぞれ割り当てられる。TPCフィールド1からNは、後段でさらに詳細に概説するとおり、様々なタイプのTPCコマンドを伝送することが可能である。
【0088】
1つの例示的な実装形態において、移動端末装置には、アップリンクでそれぞれの移動端末装置のために構成された各コンポーネント・キャリアに関して、1つのTPCフィールドがそれぞれ割り当てられる。このため、この事例では、K(UEi)は、アップリンクで移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアの数と等しい。この絡みで、移動端末装置/ユーザ機器は、1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上でデータを送信するように構成され得ることに留意されたい。このため、「移動端末装置/ユーザ機器のために構成されたコンポーネント・キャリア」または「移動端末装置/ユーザ機器によって集約されたコンポーネント・キャリア」のような表現は、移動端末装置/ユーザ機器によって使用されるように構成されたコンポーネント・キャリアを表す。これらの「構成されたコンポーネント・キャリア」は、移動端末装置/ユーザ機器が使用することができる(例えば、ハードウェア制限により)コンポーネント・キャリア、または移動端末装置/ユーザ機器にサービスを提供する基地局/eノードBによって受信され得る、すなわち、「利用可能」であるアップリンク・キャリアの1つまたは複数(例えば、サブセット(グループ))であることが可能である。ネットワーク、例えば、基地局/eノードBは、制御シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を使用して、それぞれの移動端末装置/ユーザ機器にアップリンク伝送のためのリソースが割り当てられることが可能なコンポーネント・キャリアのサブセット(グループ)を構成し、その結果、「移動端末装置/ユーザ機器のために構成されたコンポーネント・キャリア」を定義することが可能であることに留意されたい。
【0089】
さらに、TPCメッセージ501が、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域(すなわち、制御情報の伝送用のサブフレーム内の、所与の数のOFDMシンボル)内でシグナリングされる。基地局によるサービスを受けるグループの移動端末装置に、前述したとおり、送信電力制御メッセージ内のそれぞれの複数の送信電力制御フィールドが割り当てられる。基地局のカバレッジ内のすべての移動端末装置に、単一のTPCメッセージ内でTPCフィールドが割り当てられることが可能でない場合、基地局は、移動端末装置のそれぞれのグループに関して、これらのメッセージの複数を生成する。さらに、各移動端末装置/ユーザ機器には、TPCフィールドの割当てのためのシグナリングを簡単にするように、および/またはシグナリング・オーバーヘッドを小さくするように、連続するTPCフィールド(インデックス)が割り当てられてもよいことに留意されたい。代替として、これらのフィールドは、移動端末装置/ユーザ機器に割り当てられた最初のTPCフィールドの「ベース・インデックス」に基づき、所与のパターンに従って、割り当てられてもよい(例えば、移動端末装置は、メッセージ内のK(UEi)個のフィールドが割り当てられ、最初のTPCフィールドが、ベース・インデックスiを有し、さらにその他のK(UEi)−1個のTPCフィールドが、ベース・インデックスに対する事前定義されたオフセットで与えられる(例えば、ベース・インデックスiに対してn番目のフィールドごとに移動端末装置に割り当てられる))。
【0090】
図6は、本発明の例示的な実施形態によるダウンリンク・コンポーネント・キャリア上の単一のサブフレーム内の、図5に示す複数のTPCメッセージの伝送を強調している。このようなサブフレームは、基地局の利用可能なすべてのダウンリンク・コンポーネント・キャリアに及ぶが、周波数領域におけるそれぞれのコンポーネント・キャリア(AおよびB)上で、時間領域における複数のOFDMシンボルに論理的に分割される。コンポーネント・キャリアAおよびBは、それぞれのコンポーネント・キャリアの帯域幅を規定する或る範囲のサブバンドに及ぶ。各コンポーネント・キャリア上のサブフレーム内のOFDMシンボルのいくつかは、制御シグナリング用である。例えば、コンポーネント・キャリアA上に、制御シグナリング領域602を形成する3つのOFDMシンボルが存在し、さらにコンポーネント・キャリアBの制御シグナリング領域602を形成する2つのOFDMシンボルが存在する。
【0091】
例示の目的で、基地局/eノードBは、移動端末装置のそれぞれのグループに関して異なる3つのTPC制御メッセージ603、604、605を生成するものと想定する。TPC制御メッセージのそれぞれは、図5に示すフォーマットを有する。TPC制御メッセージは、図6で「PDCCH(DCIフォーマット3/3A)」と表され、このようなTPCメッセージは、ダウンリンクでPDCCHとして送信されるDCI(ダウンリンク制御情報)の特別なフォーマットであることを示す。
【0092】
移動端末装置の異なるグループに属する移動端末装置/ユーザ機器に、異なるTPCメッセージ603、604、605をアドレス指定することができるように、各TPCメッセージ603、604、605は、TPCフィールドに加えて、送信電力制御シグナリングのためにシステムにおいて確保された複数の一時識別子のうちの1つでマスクされた、CRCを備える。LTE−Aなどの3GPP無線ネットワークにおいて、一時識別子は、TPC(送信電力制御)のために特別に備えられるRNTI(無線ネットワーク一時識別子)、すなわち、いわゆるTPC RNTIである。このため、それらのTPCメッセージの各TPCメッセージのCRCは、TPC RNTIのうちのそれぞれの1つのTPC RNTIでスクランブル/マスクされてから、TPCメッセージに含められる。移動端末装置の異なるグループの移動端末装置/ユーザ機器が、TPCメッセージのペイロード・サイズをブラインド復号し、TPC RNTIのうちのそれぞれの1つを使用して、所与のTPC RNTIでCRCを逆スクランブルする。TPCメッセージの中に含まれる逆スクランブルされたCRC情報に基づいて、移動端末装置は、メッセージ・ペイロード(すなわち、TPCフィールド)が正常に復号されており、さらに移動端末装置を宛先としているかどうかを判定する。正常に復号されており、さらに移動端末装置を宛先としている場合、グループのそれぞれの移動端末装置は、そのTPCメッセージがこれらの移動端末装置にアドレス指定されているものと想定し、それ以外の場合、CRC検査は、CRC情報を逆スクランブルするために誤ったTPC RNTIを使用していることにより、失敗する。
【0093】
このようにして、異なるTPCメッセージが、異なる移動端末装置/ユーザ機器にアドレス指定されることが可能である。個々の移動端末装置/ユーザ機器は、使用されるべきTPC RNTIを示すRRCメッセージが、基地局からそれぞれの移動端末装置に送信されることによって、それらの移動端末装置/ユーザ機器を宛先とするTPCメッセージの検出のために使用されるべきTPC RNTIについて知らされることが可能である。さらに、TPCメッセージ内のいずれのTPCフィールドが所与の移動端末装置/ユーザ機器に関するTPCコマンドを含むかをそれぞれの移動端末装置/ユーザ機器に示すのに、基地局によって同一のRRCシグナリング・メッセージが使用されてもよいし、異なるRRCシグナリング・メッセージが使用されてもよい。
【0094】
図6から見てとることができるとおり、移動端末装置に関するTPCコマンドは、単一のTPCメッセージ内で与えられる。つまり、この移動端末装置に関するTPCコマンドは、単一のPDCCH DCIフォーマット3/3A内に設定されることが可能である。この例示的な実装形態は、それでも、単一のサブフレーム内で複数のTPCコマンドを同時に提供する完全な柔軟性を有する。
【0095】
例示的な目的で、前述したTPCコマンド・シグナリング方式のRRCシグナリング・オーバーヘッドに関して、ユーザ機器のために構成された5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアが存在するものと想定する。このため、1つのTPCメッセージ内でユーザ機器のために5つの(連続する)TPCフィールドが確保されるものと想定され得る。前述したとおり、TPCフィールドが、TPCメッセージ内で連続して、または既知のパターンで割り当てられる場合、1つのTPCフィールドのインデックス、およびTPCメッセージのTPC−RNTIをシグナリングするだけで十分である。このTPCフィールドは、例えば、移動端末装置に関する開始TPCフィールド・インデックスであり得る。移動端末装置は、通常、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数を認識している。このため、eノードBが、開始TPCフィールド・インデックスをTPCフィールド1としてシグナリングし、さらに、ユーザ機器が5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して構成される場合、移動端末装置は、TPCフィールド1からTPCフィールド5が移動端末装置に割り当てられているものと想定する。このため、この場合、TPCコマンドは、ユーザ機器のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアに関して与えられるものの、シグナリング・オーバーヘッドは、3GPP LTE(リリース8)のシグナリング・オーバーヘッドと同様である。このため、この例示的な実装形態において、ユーザ機器にTPCフィールドを割り当てることに関するRRCシグナリング・オーバーヘッドは、それぞれ、TPC−RNTIの場合、6ビット、TPCフィールド・インデックスの場合、4ビットあるいは5ビットである(LTE(リリース8)のDCIフォーマット3、あるいは3Aを再使用する場合)。TPCフィールド割当てのためのRRCシグナリング・メッセージは、図11に示すとおり、20ビットまたは21ビットである。
【0096】
図11におけるRRCメッセージに関するASN(抽象シンタックス表記)を、以下に示す。すなわち、
【0097】
所与のパターンに従うことなしに連続しないフィールドが割り当てられる場合、eノードBは、さらなるビットを使用して、割り当てられたフィールドを個々に示す必要がある。この事例では、ユーザ機器に割り当てられたTPCインデックスを構成するのに、シグナリング・オーバーヘッドは、CC(コンポーネント・キャリア)の数NCCに比例して増大し、このオーバーヘッドはそれでも、TPCフィールドが、eノードBによって送信される任意のTPCメッセージ内で割り当てられることが可能である場合、TPC−RNTIおよびTPCインデックスをNCC回シグナリングする際のオーバーヘッドより小さい。ユーザ機器に任意の方法でNCC個のTPCフィールドが割り当てられ得るTPCフィールド割当てに関する例示的なシグナリング・メッセージを、図12に示す。図12におけるRRCメッセージのASN表現を、以下に示す。すなわち、
【0098】
さらに、メッセージ内で連続するTPCフィールドを割り当てること/所与のパターンに従ってTPCフィールドを割り当てることと、これとは対極に、単一のTPCメッセージのTPCフィールド、例えば、連続するTPCインデックスを有するユーザ機器のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの異なるサブセットを割り当てることに極端に完全な柔軟性を持たせるということとの間に、何らかの中間ソリューションが存在することも可能であることに留意されたい。
【0099】
前述したとおり、移動端末装置は、例えば、ブラインド復号によってTPCメッセージを検出することが可能である。各移動端末装置は、すべてのTPCコマンドを単一のTPCメッセージ内で受信するので、TPC RNTIが調べられるだけでよい。このため、ブラインド検出複雑度は、3GPP LTE(リリース8)と同様である。
【0100】
<TPCコマンドに関するシグナリング・フォーマット−タイプ2>
図5、図6、図11、および図12に関連して前述した例において、移動端末装置に関するすべてのTPCコマンドは、基地局によって送信される1つのTPCメッセージ(場合により、複数のTPCメッセージのうちの)の中に含められるものと想定した。本発明のさらなる第2の態様は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関するTPCコマンドの別のシグナリング・フォーマットと関係する。すなわち、所与の移動端末装置に送信されるべき送信電力コマンドは、それぞれ、異なるTPCメッセージの中に含められ、したがって、それぞれの(1つの)TPCメッセージの中で1つの送信電力制御コマンドが送信される。したがって、各送信電力制御メッセージ内の1つのTPCフィールドが、それぞれの単一の移動端末装置に割り当てられる。
【0101】
移動端末装置にTPCコマンドをシグナリングするための、このフォーマットを、図9に例示する。TPCメッセージ901、902、903、904が、例えば、3GPP LTE(リリース8)の場合と同様に構成されることが可能であり、例えば、背景技術セクションで概説したフォーマット3または3Aを有する。しかし、基地局は、送信電力コマンドがシグナリングされる必要がある移動端末装置のそれぞれに、異なるTPCフィールドにおけるそれぞれの単一のTPCフィールドが割り当てられることを確実にする。例えば、それぞれの移動端末装置に、複数のTPCメッセージにおいて同一のインデックスを有するTPCフィールドが割り当てられる。このことを、図9に例示しており、図9では、移動端末装置UE1に、TPCメッセージ901、902、903、904におけるTPCフィールド1が割り当てられ、移動端末装置UE2に、TPCメッセージ901、902、903、904におけるTPCフィールド2が割り当てられるといった具合である。もちろん、図5、図6、図10、および図11に関連して前述したTPCシグナリングと同様に、代替として、それぞれの移動端末装置に割り当てられるTPCフィールドのインデックスは、何らかの既知のパターンまたは方式に従って、例えば、最初のTPCメッセージ901内で移動端末装置に割り当てられたTPCフィールドに関して定義されたベース・インデックスに対する或るオフセットを使用することによって、TPCメッセージごとに異なってもよい。
【0102】
さらに、単一の移動端末装置に、必ずしも、それらのTPCメッセージの各TPCメッセージ内の或るTPCフィールドが割り当てられるわけではない可能性があることに留意されたい。既に前述したとおり、TPCフィールドの数は、所与の移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアの数に主に依存する。図10の例を考慮すると、移動端末装置UE2に、最初の2つのTPCメッセージ901、902内の2つのTPCフィールドだけが割り当てられる一方で、別の移動端末装置UE3には、同一のインデックス位置におけるTPCメッセージ902、903内の残りのTPCフィールドが割り当てられるシナリオが、示されている。
【0103】
移動端末装置が、K(UEi)個のアップリンク・コンポーネント・キャリアを有して構成されるものと想定すると、それぞれの移動端末装置に、K(UEi)個のTPC−RNTIが割り当てられる。(各TPC−RNTIに関する)各TPCメッセージ内のTPCフィールド・インデックスは、同一であることが可能であり、または「ベース・インデックス」が、前述したとおりシグナリングされる。さらに、タイプ2シグナリング・フォーマットは、特定のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して複数の移動端末装置を同時に制御する際、RRCシグナリングの点でより小さいオーバーヘッドをもたらす。例示的なシナリオは、アップリンク・コンポーネント・キャリア干渉シナリオ全体が変化する事例であり得る。この事例では、基地局は、このアップリンク・コンポーネント・キャリアを構成しているすべての移動端末装置のためにTPCコマンドを送信することが可能である。タイプ2シグナリング・フォーマットを使用すると、単一のTPCメッセージ内でアドレス指定される移動端末装置の数は、タイプ1シグナリング・フォーマットを使用する場合より多い。このため、単一のTPCメッセージで、アップリンク・コンポーネント・キャリアに接続された、より多くの移動端末装置がアドレス指定されることが可能である。
【0104】
5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアを有して構成された移動端末装置をやはり想定して、移動端末装置に、5つのTPC−RNTIを使用して5つのTPCメッセージ内の5つのTPCフィールドが割り当てられる。連続するいくつかのTPCメッセージ内のTPCフィールドを割り当てるのに1つだけのTPCフィールド・インデックスがシグナリングされることが可能であるので、1つだけのTPCフィールド・インデックス、および最初のTPCメッセージのTPC−RNTIをシグナリングするだけで十分であり得る。移動端末装置は、構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数K(UEi)を認識しているので、移動端末装置は、その他のTPCメッセージに関するさらなるTPC−RNTIについて決定することができる。例えば、利用可能なTPC RNTIは、移動端末装置に与えられている、または知られているとともに、或る順序を有することが可能である。第1のTPCメッセージの「開始」TPC RNTIを示すことによって、移動端末装置は、移動端末装置が次のK(UEi)−1個のTPC RNTIに割り当てられていることを結論付けることも可能である。例えば、基地局が、TPC RNTI 1を示す開始TPC−RNTIインデックスをシグナリングすることが可能である。移動端末装置は、移動端末装置が、5つのアップリンク・コンポーネント・キャリアに関して構成されていることを認識しており、したがって、移動端末装置は、TPC−RNTI 1からTPC−RNTI 5が移動端末装置に割り当てられているものと想定する。
【0105】
このため、複数のTPCメッセージ内で移動端末装置のTPCコマンドをシグナリングする、この代替のタイプにおいて、3GPP LTE(リリース8)と比較して、それらの異なるTPCメッセージ内のTPCフィールドを移動端末装置に割り当てることに関するシグナリング・オーバーヘッドは、やはり存在しない。さらに、図11に示すRRCシグナリング・フォーマットが使用されることも可能である。さらに、移動端末装置に、連続しないTPCメッセージ内のTPCフィールドが割り当てられる場合、TPCフィールド割当てに関するRRCシグナリング・メッセージは、例えば、移動端末装置によって使用されるべき、TPCフィールドのTPCフィールド(ベース)インデックス、および各TPC RNTIを示すことが可能である。図11におけるRRCメッセージ・フォーマットのASN表現を、以下に示す。すなわち、
【0106】
図9および図10に関連して概説する例において、移動端末装置は、複数のTPCコマンドをシグナリングする複数のTPCメッセージ(複数のPDCCH)を受信し、複数のTPC−RNTIを使用する。このため、ブラインド検出の複雑度は、それぞれ、割り当てられたTPCフィールドの数とともに増加し、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数につれて直線的に増加している。
【0107】
前述の図5、図6、図9、図10、図11、および図12の説明は、1つの移動端末装置当り複数のTPCコマンドをシグナリングする、異なる2つのタイプに主に焦点を当ててきた。この2つのシグナリング・フォーマットは、互いに容易に組み合わされることも可能であることに留意されたい。例えば、移動端末装置に、それぞれの複数のTPCメッセージ内の複数のTPCフィールドが割り当てられることが可能である。代替として、基地局は、基地局のセル内の移動端末装置の大半に適用される何らかの使用シナリオに依存して、2つのTPCシグナリング・フォーマットの間で切り換えることを決定してもよい。例えば、移動端末装置が、小さい集約サイズを主に使用する(例えば、1つ、2つ、または3つのアップリンク・コンポーネント・キャリアを有して構成される)場合、タイプ1シグナリング・フォーマットが使用されることが可能であるのに対して、他の集約サイズの場合も、タイプ1シグナリング・フォーマットが使用されることが可能である。
【0108】
別の例において、数GおよびHが移動端末装置に知られているものとして、移動端末装置に、連続するH個のTPCメッセージ内の所与のインデックス位置における連続するG個のTPCフィールドが割り当てられることも可能であり、やはり、図11に示すフォーマットが、TPCフィールドの割当てをシグナリングするのに使用されることも可能である。数GおよびHが知られていない場合、基地局が、開始TPC RNTI、および各メッセージ内のTPCフィールドを示す、図12に示すシグナリング・フォーマットが使用されることが可能である一方で、移動端末装置は、例えば、
【数11】
を計算することによって、移動端末装置の構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数、および各TPCメッセージ内のTPCフィールドの数Gに基づいて、使用すべきTPC RNTIの数を決定することが可能である。なお、関数
【数12】
は、xの次に大きい整数を与える。それらのTPCメッセージにわたるTPCフィールドの割当てがより柔軟であり、不規則であるほど、割当てのシグナリング・オーバーヘッドは大きくなることを理解されたい。
【0109】
<コンポーネント・キャリア・グループ化>
前述の例において、所与の移動端末装置のために構成された1つのコンポーネント・キャリア当り、1つのTPCコマンドが存在した。以下に、本発明の別の第3の態様を説明する。この第3の態様は、移動端末装置の複数のコンポーネント・キャリア上、例えば、すべてのコンポーネント・キャリア上、またはグループ(サブセット)のコンポーネント・キャリア上の送信電力を制御するために、単一のコマンドを送信するという考え方に基づく。このため、移動端末装置のいくつかのコンポーネント・キャリア上の送信電力が一緒に制御されることが可能である。この本発明の第3の態様は、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアより少ない数の送信電力制御コマンドを送信することを可能にするため、TPCフィールドの割当てが単純化されることが可能であり、さらにより少ない情報しかシグナリングされなくてもよいので(TPCフィールドの割当て方式に依存して)、制御シグナリング・オーバーヘッドを小さくすることを可能にする。
【0110】
キャリアのグループ化の使用、およびそれぞれのキャリア・グループTPCコマンドを与えることは、制御シグナリング・オーバーヘッドと関係なく、特に有益である。タイプ1およびタイプ2のシグナリング・フォーマットにおいて、すべてのTPCコマンド/TPCメッセージが、単一のダウンリンク・コンポーネント・キャリア上で送信され得る。基地局が、多数のアップリンク・コンポーネント・キャリア(例えば、利用可能なすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア)を、すべてが集約している多数の移動端末装置にサービスを提供している場合、TPCコマンドの数は多く、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのPDCCH領域内でシグナリングされるべきTPCメッセージの数も多く、さらにPDCCH領域内の他の制御情報の、例えば、ブロードキャスト情報のシグナリングの何らかの制限を暗示する可能性がある。したがって、基地局によるサービスを受ける移動端末装置に関してシグナリングされるべきTPCコマンドの数を減らすことが望ましい可能性がある。
【0111】
この第3の態様の基礎をなす考え方は、移動端末装置に複数のアップリンク・キャリアに関するTPCコマンドを与えるための任意のシグナリング・フォーマットに適用されることが可能である。特に、この第3の態様の基礎をなす考え方は、本明細書で説明するTPCコマンドに関する様々なシグナリング・フォーマットのうちの1つで、直ちに使用され得る。簡明のため、前述の図5および図6に関連して例示してきたTPCコマンドに関するシグナリング・フォーマットは、以降、「タイプ1シグナリング・フォーマット」と呼ぶ一方で、図9および図10に関連して例示してきたTPCコマンドに関するシグナリング・フォーマットは、以降、「タイプ2シグナリング・フォーマット」と呼ぶ。
【0112】
本発明の第3の態様に沿った1つの例示的な実施形態は、「全キャリア」TPCコマンド、すなわち、移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアに適用される、単一のTPCコマンドの導入である。前述したタイプ1シグナリング・フォーマット、またはタイプ2シグナリング・フォーマットの移動端末装置に割り当てられた複数のTPCフィールドのうちの1つが、この全キャリアTPCコマンドを伝送している。全キャリアTPCコマンドは、例えば、高速で移動する移動端末装置に特に適用可能であり得る。それらの端末装置の場合、すべてのコンポーネント・キャリア上のチャネル品質が、同様のフェージングを経験する可能性が高く、したがって、単一のTPCコマンドがすべてのコンポーネント・キャリアに適用され得る。しかし、全キャリアTPCコマンド(および、後段で説明するキャリア・グループTPCコマンド)は、後段でさらに詳細に概要を説明するとおり、単に、シグナリング・オーバーヘッドおよび/または移動端末装置のブラインド復号作業を減らす手段として使用されることも可能である。
【0113】
全キャリアTPCコマンドに加えて、または代替として、移動端末装置のために構成されたコンポーネント・キャリアのサブセットに関する送信電力を制御する、1つまたは複数のTPCコマンドが存在することも可能である。このタイプのコマンドは、本明細書でキャリア・グループTPCコマンドと呼び、特に、全キャリアTPCコマンドは、特別なキャリア・グループTPCコマンドと考えることが可能である。
【0114】
例えば、アップリンクで構成された5つのコンポーネント・キャリアを有する移動端末装置を考慮し、さらに移動端末装置に割り当てられた4つのTPCフィールドも存在することを考慮されたい。このことは、移動端末装置が、同一のTPCメッセージ内、または異なるTPCメッセージ内に複数のTPCフィールドを有することを意味する。この事例では、TPCフィールドは、異なるタイプのコマンドをシグナリングするのに使用され得る。例えば、図5に示すタイプ1シグナリング・フォーマットを使用して、TPCフィールド1が、移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア(コンポーネント・キャリア1から5)に関するTPCコマンドを伝送することが可能であり、TPCフィールド2が、コンポーネント・キャリア1だけに関するTPCコマンドを伝送することが可能であり、TPCフィールド3が、コンポーネント・キャリア2および3に関するキャリア・グループTPCコマンドを伝送し、さらに、TPCフィールド4は、移動端末装置のコンポーネント・キャリア4に関するTPCコマンドを与える。
【0115】
全キャリアTPCコマンドが移動端末装置によってどのように使用されるかについて、様々な可能性が存在する。第1の例において、全キャリアTPCコマンドは、移動端末装置によって、個々のTPCコマンド、またはキャリア・グループTPCコマンドが全く受信されないすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送の送信電力を制御するように、適用される。前段で与えられる例において、このことは、コンポーネント・キャリア5の送信電力「だけ」が、全キャリアTPCコマンドによって制御されるのに対して、移動端末装置の他のコンポーネント・キャリア1から4上のそれぞれの送信電力は、TPCフィールド1内、およびTPCフィールド4内のそれぞれの個々のTPCコマンド、およびTPCメッセージのTPCフィールド2内のキャリア・グループTPCコマンドによって制御されることを意味する。
【0116】
別の例において、全キャリアTPCコマンドは、移動端末装置によって、すべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送の送信電力を制御するように適用され、さらなる個々のTPCコマンドおよび/またはキャリア・グループTPCコマンドは、移動端末装置によって、それぞれ、個々のコンポーネント・キャリア、グループのコンポーネント・キャリアに関する送信電力に適用されるべき全キャリアTPCコマンドを基準とした、さらなるオフセットを与える。
【0117】
1つの移動端末装置当りのTPCコマンドの数をさらに減らすのに、例えば、基地局によって送信されるTPCメッセージ内で、1つの移動端末装置に割り当てられる2つ、または3つだけのTPCフィールドが存在することが可能である。本発明の一実施形態において、すべてのTPCコマンドは、キャリア・グループTPCコマンドである。さらなる実施形態において、1つのTPCコマンドは、全キャリアTPCコマンドであり、さらに残りのTPCコマンドは、キャリア・グループTPCコマンドである。
【0118】
図7は、移動端末装置UE1に、TPCメッセージ501内で3つのTPCフィールドが割り当てられ、さらに移動端末装置UE1に割り当てられた各TPCフィールドが、所与のキャリア・グループ#i(TPC CG#i)に関するCG(キャリア・グループ)TPCコマンドを伝送している、タイプ1シグナリング・フォーマットによる1つの例示的なTPCメッセージを強調する。図8は、移動端末装置UE1に割り当てられた最初のTPCフィールドが、TPC All CC(全キャリアTPCコマンド)を伝送している一方で、TPCメッセージ内の移動端末装置UE1のその他のTPCフィールドは、キャリア・グループ・コマンド(TPC CG#i)である、タイプ1シグナリング・フォーマットによる別の例示的なTPCメッセージを示す。
【0119】
図13に例示する本発明の一実施形態において、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の最初の(第1のTPC RNTIに関連付けられた)TPCメッセージ1301は、移動端末装置UE1に関する1つのTPCフィールドを備え、それぞれの移動端末装置に関する全キャリアTPCコマンドを与える。さらなる第2のTPCメッセージ1302は、移動端末装置UE1に割り当てられた1つまたは複数のTPCフィールド(図13の例では、2つのTPCフィールド、TPCフィールド1および2)を備え、さらにキャリア・グループTPCコマンドおよび/または移動端末装置のために構成された個々のコンポーネント・キャリアに関するTPCコマンドを与える。
【0120】
基地局における、移動端末装置によって構成されたコンポーネント・キャリアのグループ化は、いくつかのパラメータに基づくことが可能である。移動端末装置のコンポーネント・キャリアのグループ化は、様々なパラメータに基づくこと、例えば、以下のパラメータのうちの少なくとも1つに基づくことが可能である。すなわち、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅および/または周波数帯域、
− アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
− 基地局において利用可能な移動端末装置に関する送信電力制御フィールドの数、
− 基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
− 割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア、例えば、アップリンク・アンカ・キャリアのタイプ、および
− 移動端末装置によるアップリンク・コンポーネント・キャリア上のダウンリンク・データ伝送に関するACK/NACKシグナリング。
【0121】
例えば、高速で移動する移動端末装置の場合に(例えば、列車内、または自動車内に位置する場合)、移動端末装置のために構成された様々なアップリンク・コンポーネント・キャリアが、関係するフェージングを経験する可能性が高い。このため、構成された複数のコンポーネント・キャリア上の干渉状況や、そのようなキャリア上のチャネル品質は、緊密に関係する可能性があり、したがって、全キャリアTPCコマンドの使用が、移動端末装置において構成されたすべてのコンポーネント・キャリアを同時に制御し、さらに残りのTPCフィールド内で個々のTPCコマンドを送信することによって、個々のコンポーネント・キャリアを微調整するのに適切であり得る。
【0122】
また、集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅および/または周波数帯域が、考慮され得る。例えば、小さい帯域幅(例えば、5MHz)を有し、さらに周波数帯域が近いコンポーネント・キャリアが、グループ化されて、キャリア・グループ・コマンドによって一緒に電力制御されることが可能である。
【0123】
関係があり得る別のパラメータは、基地局において利用可能な移動端末装置(または複数の移動端末装置)に関する送信電力制御フィールドの数である。例えば、所与のダウンリンク・コンポーネント・キャリア上の各サブフレーム内で基地局が送信することができるTPCコマンドの最大数に対するシステム制限が、存在する可能性があり、このことは、基地局によるサービスを受けるすべての移動端末装置の送信電力制御を可能にするための各移動端末装置に割り当てられ得るTPCフィールドの数の制限を暗示する可能性がある。
【0124】
多少類似した制限が、基地局が1つのサブフレーム内でシグナリングすることができるTPCメッセージの数を基本的に規定する、基地局において利用可能なTPC RNTIによって、暗示され得る。この場合も、このことは、各移動端末装置が1サブフレーム当り少なくとも1つのTPCコマンドを受信することを確実にする際に、1つの移動端末装置当りのTPCフィールドの数に関する含意を有し得る。
【0125】
コンポーネント・キャリアのグループ化に関する別のパラメータは、割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプであり得る。例えば、アップリンク・コンポーネント・キャリアの1つまたは複数が、個々に電力制御されなければならないアンカ・アップリンク・コンポーネント・キャリアである可能性がある。このため、アップリンクにおける移動端末装置のアンカ・コンポーネント・キャリアが、個々のTPCコマンドによって制御されることが可能である一方で、その他のコンポーネント・キャリアが、他のパラメータに基づいてさらにグループ化されること、またはキャリア・グループTPCコマンドが送信される単一のキャリア・グループの中で組み合わされることが可能であると、有利である。
【0126】
さらなるパラメータは、移動端末装置によるアップリンク・コンポーネント・キャリア上のダウンリンク・データ伝送に関するACK/NACKシグナリングであり得る。例えば、ダウンリンク・データに関するACK/NACKシグナリングは、移動端末装置の1つまたは複数のアップリンク・コンポーネント・キャリア上で与えられることが可能である。前述したとおり、TPCメッセージに関するDCIフォーマット3/3Aを再使用している場合、PUCCH上でACK/NACKシグナリングのリソースを許可するDCIフォーマットが、DCIフォーマット3/3A TPCメッセージによって与えられる所与のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関するTPCコマンドに上書きされる可能性があるものと想定され得る。このため、それらのアップリンク・コンポーネント・キャリアが、別個のキャリア・グループの中にグループ化され得る一方で、移動端末装置に割り当てられ得るTPCフィールドの数が十分である場合、その他のコンポーネント・キャリアは、個々のTPCコマンドによって個別に電力制御されることが可能である。
【0127】
<さらなるシグナリング態様>
前段の説明において、1つまたは複数のTPCメッセージの中で移動端末装置にいくつかのTPCフィールドを割り当てるために、基地局によってシグナリングされるRRCメッセージがどのような情報を備える必要があるかの例を挙げた。基本的に、この情報は、1つまたは複数のTPCメッセージ内で移動端末装置にTPCフィールドを割り当てるために、移動端末装置によって使用されるべき1つまたは複数のTPCフィールド・インデックス、および1つまたは複数のTPC RNTIをシグナリングすることによる、割り当てられたTPCフィールドの指示であった。
【0128】
コンポーネント・キャリアのグループ化が全く使用されない場合、つまり、TPCメッセージが、移動端末装置のために構成された各コンポーネント・キャリアに関するそれぞれのTPCコマンドを備える場合、移動端末装置内のTPCコマンドが関係するアップリンク・コンポーネント・キャリアに対するTPCコマンドのマッピングは、例えば、基地局と移動端末装置がともに同一の順序のアップリンク・コンポーネント・キャリアに到達するように、構成されたコンポーネント・キャリアに関する何らかの1つまたは複数の相互ソート基準を使用して、基地局および移動端末装置によって実現されることが可能である。次に、TPCコマンドは、TPCコマンドがTPCメッセージ内で出現するとおりの所与の順序で、コンポーネント・キャリアにマップされ得る。コンポーネント・キャリアのソートは、例えば、コンポーネント・キャリアの帯域幅、チャネル品質(CQI)、キャリア周波数に基づくこと、または単にUEごともしくはシステムごとのコンポーネント・キャリア・インデックス・ラベル付けに基づくことなどが可能である。このため、コンポーネント・キャリアに対するTPCコマンドのマッピングを定義するのに、別個の制御シグナリングは、全く必要とされない。
【0129】
やはり、キャリアのグループ化が使用される場合に、さらなる制御シグナリングを必要としない可能性があるいくつかの構成が存在し得る。例えば、基地局によって送信される2つのTPCコマンドが存在し、TPCメッセージ内で出現する最初のTPCコマンドが、移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリアに関係する全TPCコマンドであり、さらにTPCメッセージ内で出現する2番目のTPCコマンドが、アップリンクで移動端末装置のすべてのアンカ・キャリアに関係する個々の/キャリア・グループTPCコマンドであることが合意され得る。
【0130】
代替として、移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの順序、および/またはコンポーネント・キャリアのグループ化を規定する、基地局から移動端末装置への何らかのさらなるRRCシグナリングが、存在してもよい。その場合、移動端末装置は、TPCコマンドを、TPCメッセージ内でTPCコマンドが現れるとおり、所与の順序でコンポーネント・キャリア/グループのコンポーネント・キャリアに適用することが可能である。
【0131】
<探索空間の構成>
さらに、本発明の別の実施形態において、TPCメッセージのブラインド復号動作と関係するさらなる潜在的な問題が考慮される。移動端末装置にTPCコマンドを送信するのに、いくつかのTPCメッセージが要求される場合、それらのTPCメッセージは、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の異なる位置に配置され得る。したがって、基地局は、それらのメッセージが、移動端末装置の個別の探索空間内、または共通の探索空間内で、それでもやはり与えられることを確実にする必要がある可能性があり、さらにそれらのメッセージを、それに相応して、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップする必要がある可能性がある。さらなる柔軟性のために、基地局が、異なる個別、または共通の探索空間を有するようにそれらの移動端末装置を構成して、ダウンリンクでコンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にTPCメッセージをマッピングすることにより大きい自由を得るようにすることが、有益であり得る。
【0132】
例えば、タイプ1シグナリング・フォーマットを考慮している場合、各TPCメッセージは、所与の移動端末装置に関するすべてのTPCコマンドを含む。このため、第1のグループの端末装置は、それらの端末装置のTPCコマンドを、制御シグナリング領域にマップされた最初のTPCメッセージ内で受信しており、第2のグループの端末装置は、それらの端末装置のTPCコマンドを、制御シグナリング領域にマップされた2番目のTPCメッセージ内で受信しているといった具合である。このため、図14に示すとおり、それらの移動端末装置に異なる探索空間を割り当てることが有益であり得る。図14で見てとることができるとおり、第1のグループおよび第2のグループの移動端末装置1から移動端末装置Lが、第1の個別または共通の探索空間1401を有して構成される一方で、第3のグループの端末装置L+1から端末装置Jが、第2の個別または共通の探索空間1402を有して構成される。これらの個別または共通の探索空間は、異なるグループの端末装置に関して別々であっても、重なり合ってもよいことに留意されたい。
【0133】
本発明の別の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを使用する前述した様々な実施形態の実施と関係する。本発明の様々な実施形態は、コンピューティング・デバイス(プロセッサ)を使用して実施される、または実行されることが可能であることが認識される。コンピューティング・デバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、または他のプログラマブル論理デバイスなどであり得る。また、本発明の様々な実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行または実施されることも可能である。
【0134】
さらに、本発明の様々な実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって、またはハードウェアにおいて直接に実施されることも可能である。また、ソフトウェア・モジュールとハードウェア実装形態の組合せも可能であり得る。これらのソフトウェア・モジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体上に、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどの上に格納され得る。
【0135】
本発明の様々な実施形態の個々の特徴は、個別に、または任意の組合せで、別の発明の主題であり得ることにさらに留意されたい。
【0136】
広く説明される本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、特定の実施形態において示される本発明に多数の変更および/または変形が行われ得ることが、当業者には認識されよう。したがって、これらの実施形態は、すべての点で例示的であり、制限的ではないものとされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局からグループの移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法であって、
基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成し、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドの複数が、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、各移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドが、前記それぞれの移動端末装置によって集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングするステップと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするステップと、
前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域に含まれる前記送信電力制御メッセージをサブフレーム内で前記移動端末装置に送信するステップとを備える方法。
【請求項2】
1つの移動端末装置に割り当てられる送信電力制御フィールドの数は、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グループの移動端末装置のうちの移動端末装置に割当てメッセージを送信するステップをさらに備え、前記割当てメッセージは、前記移動端末装置を、前記送信電力制御メッセージの前記複数の送信電力制御フィールドのうちのそれぞれの複数に割り当て、および/または前記複数の一時識別子のうちの1つを前記移動端末装置に割り当てる割当て情報を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記割当てメッセージは、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各送信電力制御メッセージ内の前記送信電力制御フィールドは、それぞれインデックスによって識別され、さらに前記割当てメッセージは、前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の前記送信電力制御フィールドの前記インデックスを示す請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記移動端末装置によって集約される前記アップリンク・コンポーネント・キャリアが、キャリアのグループにグループ化される方法であって、
前記移動端末装置のうちの1つの移動端末装置の各グループのキャリアに関して、前記1つの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定し、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記1つの移動端末装置によって、前記それぞれのグループのキャリアに属する前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドであるステップと、
前記1つの移動端末装置に関する前記キャリア・グループ送信電力制御を、前記送信電力制御メッセージ内の前記1つの移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドのうちの1つに含めるステップとをさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つの移動端末装置のために構成された前記コンポーネント・キャリアをグループ化するステップをさらに備える方法であって、
前記グループ化するステップは、以下のパラメータ、すなわち、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
前記基地局において利用可能な移動端末装置に関する前記送信電力制御フィールドの数、
前記基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、例えば、アップリンク・アンカ・キャリア、および
前記移動端末装置によって前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上でシグナリングされるべき前記ダウンリンク・データ伝送に対応するACK/NACKの数、のうちの1つに少なくとも依存する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記1つの移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される、前記送信電力を制御する全送信電力制御コマンドである請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記送信電力制御メッセージ内で1つの移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドのうちの1つは、前記移動端末装置のために構成された全アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドをシグナリングしており、さらに前記送信電力制御メッセージのその他の送信電力制御フィールドは、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関する送信電力制御コマンドをシグナリングしている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記全キャリア送信電力制御コマンドは、前記基地局によって、前記送信電力制御メッセージ内で前記1つの移動端末装置に割り当てられた第1の送信電力制御フィールド内に含められる請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドに関するCRC符号を生成するステップと、
前記CRC符号を、送信電力制御のために定義されたグループの移動端末装置に共通である、複数の一時識別子のうちの1つでマスクして、マスクされたCRC符号を獲得するステップと、
前記送信電力制御メッセージを前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域にマップするのに先立って、前記マスクされたCRC符号を前記送信電力制御メッセージのCRCフィールドに含めるステップとをさらに備える請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局は、異なるグループの移動端末装置に関する複数の送信電力制御メッセージを生成して、前記サブフレーム内で送信し、前記送信電力制御メッセージのそれぞれは、送信電力制御のために定義されたグループの移動端末装置に共通である前記複数の一時識別子のうちの異なる1つの一時識別子でマスクされた、マスクされたCRCを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
RRCシグナリングによって前記移動端末装置の異なる個別の探索空間および/または共通の探索空間を構成し、移動端末装置の探索空間は、前記移動端末装置が、前記送信電力制御メッセージを含む前記制御情報のブラインド検出を実行すべき各サブフレーム内の前記制御シグナリング領域の一部分を定義するステップをさらに備える方法であって、
前記マップするステップは、前記各送信電力制御メッセージを、前記それぞれの送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドが割り当てられた前記移動端末装置の前記探索空間に含まれる前記サブフレーム内の前記制御シグナリング領域の一部分にマップするステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
OFDMベースの移動通信システム内の移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法であって、
前記移動端末装置によって実行される以下のステップ、すなわち、
基地局からサブフレームを受信するステップと、
受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行し、前記送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有し、前記複数の送信電力制御フィールドのうちの複数の送信電力制御フィールドが、前記移動端末装置に割り当てられ、さらに前記移動端末装置によって集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含むステップと、
前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定するステップと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置に関して集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するステップとを備える方法。
【請求項15】
前記基地局から、前記送信電力制御メッセージ内の前記複数の送信電力制御フィールドを割り当てる少なくとも1つのRRCメッセージ、および/または前記移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに前記移動端末装置に対する送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つを受信するステップをさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記送信電力制御メッセージのCRCフィールドからマスクされたCRC符号を獲得するステップと、
前記マスクされたCRC符号を、前記移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つを使用してマスク解除して、CRC符号を獲得するステップと、
前記CRC符号に基づいて前記送信電力制御メッセージのブラインド検出の成功を検証するステップとをさらに備える請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局から、前記移動端末装置が前記送信電力制御メッセージを含む制御情報のブラインド復号を実行すべき前記サブフレーム内の前記制御シグナリング領域の一部分を定義する共通の探索空間および/または個別の探索空間を示すRRCメッセージを受信するステップをさらに備える請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法であって、
前記基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
前記移動端末装置に関して、複数の送信電力制御フィールドをそれぞれ備える複数の送信電力制御メッセージを生成し、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つに、前記それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、割り当てられるステップと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするステップと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するステップとを備える方法。
【請求項19】
各送信電力制御メッセージに関するCRC系列を生成するステップと、
前記送信電力制御メッセージに関する前記CRC系列を、送信電力制御のために定義された異なる一時識別子でマスクするステップと、
前記マッピングするステップに先立って、各マスクされたCRC系列をそのCRC系列に対応する送信電力制御メッセージに追加するステップとをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記移動端末装置によって集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアが、グループのキャリアにグループ化される方法であって、
前記移動端末装置のうちの1つの移動端末装置の各グループのキャリアに関して、前記1つの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定し、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記1つの移動端末装置によって、前記それぞれのグループのキャリアに属する前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドであるステップと、
前記1つの移動端末装置に関する前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドを、前記送信電力制御メッセージ内で前記1つの移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドに含めるステップとをさらに備える請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つの移動端末装置のために構成された前記コンポーネント・キャリアをグループ化するステップをさらに備える方法であって、
前記グループ化するステップは、以下のパラメータ、すなわち、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、
割り当てられた1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上でダウンリンクACK/NACKがシグナリングされるか否か、および
前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの周波数帯域、のうちの少なくとも1つに依存する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記1つの移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される送信電力を制御するための全キャリア送信電力制御コマンドである請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
移動端末装置に関する前記全キャリア送信電力制御コマンドは、前記基地局によって、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域にマップされた第1の送信電力制御メッセージ内の前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御フィールド内に含められる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
1つの移動端末装置に関する送信電力制御メッセージの数は、前記1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下である請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
OFDMベースの移動通信システム内の移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法であって、
前記移動端末装置によって実行される以下のステップ、すなわち、
基地局からサブフレームを受信するステップと、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行し、各送信電力制御メッセージは、前記移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを1つが備える複数の送信電力制御フィールドを備えるステップと、
前記送信電力制御メッセージ内の前記それぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する前記送信電力制御コマンドを決定するステップと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するステップと、を備える方法。
【請求項26】
各送信電力制御メッセージの前記1つの送信電力制御フィールドは、前記送信電力制御メッセージ内でそのフィールドの位置を識別する共通のインデックスを有する方法であって、
前記基地局から、前記移動端末装置に関する前記それぞれの送信電力制御コマンドを備える前記送信電力制御メッセージ内の前記送信電力制御フィールドの前記インデックスについて前記移動端末装置に知らせるRRCメッセージを受信するステップをさらに備える請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記基地局から、前記移動端末装置が前記送信電力制御メッセージを含む制御情報のブラインド復号を実行すべき前記サブフレームの前記制御シグナリング領域内で共通の探索空間および/または個別の探索空間を示すRRCメッセージを受信するステップをさらに備える請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記送信電力制御メッセージ内の前記移動端末装置に関する前記複数の送信電力制御フィールドのうちの少なくとも1つは、前記移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成された前記グループのコンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用されるべき前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドをシグナリングしており、さらに
前記送信電力制御コマンドを前記適用するステップは、前記グループのキャリアの前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に各キャリア・グループ送信電力制御コマンドを適用するステップを備える請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記移動端末装置に関する前記複数の送信電力制御フィールドのうちの1つは、前記移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用されるべき全キャリア送信電力コマンドをシグナリングしており、
前記送信電力制御コマンドを前記適用するステップは、前記全キャリア送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用するステップを備える請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記送信電力制御コマンドを前記適用するステップは、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセット上の伝送に、前記移動端末装置によって構成された全アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する全キャリア送信電力制御コマンドに加えて、前記アップリンク・コンポーネント・キャリアの前記サブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを適用するステップを備える請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法であって、
前記基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアを少なくとも2つのグループのキャリアにグループ化するステップと、
各移動端末装置に関して、前記それぞれの移動端末装置の各グループのキャリアに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成するステップと、
前記移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージを生成し、前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記複数の送信電力制御フィールドの中に含められるステップと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするステップと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の前記電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するステップと、を備える方法。
【請求項32】
それぞれの移動端末装置のキャリアのグループの数は、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数より少ない請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記移動端末装置のうちの1つの移動端末装置の前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、1つの送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドにマップされる請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記それぞれの移動端末装置によって、前記移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される前記送信電力を制御する全キャリア送信電力コマンドである請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記全キャリア送信電力制御コマンドは、前記1つの送信電力制御メッセージ内で現れる前記移動端末装置に割り当てられた前記第1の送信電力制御フィールドに含められる請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つの移動端末装置の各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、異なる送信電力制御メッセージ内の1つの送信電力制御フィールドにマップされる請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記それぞれの移動端末装置によって、前記移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される前記送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記キャリア送信電力制御コマンドは、前記サブフレームの前記制御シグナリング領域内の前記第1の送信電力制御メッセージに含められる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて使用するための基地局であって、
複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成するように適合され、各送信電力制御メッセージの前記複数の送信電力制御フィールドは、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、さらに各移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドは、前記それぞれの移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングする処理ユニットと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするように適合されたマッピング・ユニットと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するように適合された送信ユニットとを備える基地局。
【請求項40】
請求項2から13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項39に記載の基地局。
【請求項41】
OFDMベースの移動通信システム内で使用するための移動端末装置であって、
基地局からサブフレームを受信するように適合された受信ユニットと、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行するように適合され、前記送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有し、前記複数の送信電力制御フィールドのうちの複数の送信電力制御フィールドが、前記移動端末装置に割り当てられ、さらに前記移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含み、前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の複数の電力制御フィールドから前記移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定するようにさらに適合された処理ユニットと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置に関して集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するように適合された送信電力制御ユニットと、を備える移動端末装置。
【請求項42】
請求項14から17のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項41に記載の移動端末装置。
【請求項43】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて使用するための基地局であって、
前記移動端末装置に関して、複数の送信電力制御フィールドをそれぞれ備える複数の送信電力制御メッセージを生成するように適合され、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つに、前記それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、割り当てられる処理ユニットと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするように適合されたマッピング・ユニットと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するように適合された送信ユニットとを備える基地局。
【請求項44】
請求項19から24のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項43に記載の基地局。
【請求項45】
OFDMベースの移動通信システム内で使用するための移動端末装置であって、
基地局からサブフレームを受信するように適合された受信ユニットと、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行するように適合され、各送信電力制御メッセージは、1つが、前記移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを備える複数の送信電力制御フィールドを有し、さらに前記送信電力制御メッセージ内の前記それぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する前記送信電力制御コマンドを決定するようにさらに適合された処理ユニットと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するように適合された送信電力制御ユニットとを備える移動端末装置。
【請求項46】
請求項25から30のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項45に記載の移動端末装置。
【請求項47】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて使用するための基地局であって、
各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアを少なくとも2つのグループのキャリアにグループ化するように適合されたグループ化ユニットと、
各移動端末装置に関して、前記それぞれの移動端末装置の各グループのキャリアに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成するように適合され、前記移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージを生成するようにさらに適合され、前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記複数の送信電力制御フィールド内に含められる処理ユニットと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするように適合されたマッピング・ユニットと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の前記電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するように適合された送信ユニットとを備える基地局。
【請求項48】
請求項32から38のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項47に記載の基地局。
【請求項49】
基地局の処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、
複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成させ、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのうちの複数が、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、さらに各移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドは、前記それぞれの移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングし、
前記送信電力制御メッセージを、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップさせ、さらに
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項50】
前記基地局の前記処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項49に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項51】
移動端末装置の処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に、
基地局からサブフレームを受信させ、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行させ、前記送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有し、前記複数の送信電力制御フィールドのうちの複数の送信電力制御フィールドが、前記移動端末装置に割り当てられ、さらに前記移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含み、
前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドから前記移動端末装置の前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定させ、さらに
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置に関して集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項52】
前記移動端末装置の前記処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項53】
基地局の処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、
前記移動端末装置に関して、複数の送信電力制御フィールドをそれぞれ備える複数の送信電力制御メッセージを生成させ、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つに、前記それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、割り当てられ、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップさせ、さらに
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項54】
前記基地局の前記処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項53に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項55】
移動端末装置の処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に
基地局からサブフレームを受信させ、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行させ、各送信電力制御メッセージは、1つが、前記移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを備える複数の送信電力制御フィールドを有し、
前記送信電力制御メッセージ内の前記それぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する前記送信電力制御コマンドを決定させ、さらに
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項56】
前記移動端末装置の前記処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に、請求項25から30のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項55に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項57】
基地局の処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、
各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアを少なくとも2つのグループのキャリアにグループ化させ、
各移動端末装置に関して、前記それぞれの移動端末装置の各グループのキャリアに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成させ、
前記移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージを生成させ、前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記複数の送信電力制御フィールド内に含められ、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップさせ、さらに
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の前記電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項58】
前記基地局の前記処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令を格納する請求項57に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項1】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局からグループの移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法であって、
基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成し、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドの複数が、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、各移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドが、前記それぞれの移動端末装置によって集約されるアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングするステップと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするステップと、
前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域に含まれる前記送信電力制御メッセージをサブフレーム内で前記移動端末装置に送信するステップとを備える方法。
【請求項2】
1つの移動端末装置に割り当てられる送信電力制御フィールドの数は、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グループの移動端末装置のうちの移動端末装置に割当てメッセージを送信するステップをさらに備え、前記割当てメッセージは、前記移動端末装置を、前記送信電力制御メッセージの前記複数の送信電力制御フィールドのうちのそれぞれの複数に割り当て、および/または前記複数の一時識別子のうちの1つを前記移動端末装置に割り当てる割当て情報を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記割当てメッセージは、より上位のレイヤのシグナリング・メッセージ、例えば、RRCメッセージである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各送信電力制御メッセージ内の前記送信電力制御フィールドは、それぞれインデックスによって識別され、さらに前記割当てメッセージは、前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の前記送信電力制御フィールドの前記インデックスを示す請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記移動端末装置によって集約される前記アップリンク・コンポーネント・キャリアが、キャリアのグループにグループ化される方法であって、
前記移動端末装置のうちの1つの移動端末装置の各グループのキャリアに関して、前記1つの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定し、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記1つの移動端末装置によって、前記それぞれのグループのキャリアに属する前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドであるステップと、
前記1つの移動端末装置に関する前記キャリア・グループ送信電力制御を、前記送信電力制御メッセージ内の前記1つの移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドのうちの1つに含めるステップとをさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つの移動端末装置のために構成された前記コンポーネント・キャリアをグループ化するステップをさらに備える方法であって、
前記グループ化するステップは、以下のパラメータ、すなわち、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
前記基地局において利用可能な移動端末装置に関する前記送信電力制御フィールドの数、
前記基地局において利用可能なTPC RNTIの数、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、例えば、アップリンク・アンカ・キャリア、および
前記移動端末装置によって前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上でシグナリングされるべき前記ダウンリンク・データ伝送に対応するACK/NACKの数、のうちの1つに少なくとも依存する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記1つの移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される、前記送信電力を制御する全送信電力制御コマンドである請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記送信電力制御メッセージ内で1つの移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドのうちの1つは、前記移動端末装置のために構成された全アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドをシグナリングしており、さらに前記送信電力制御メッセージのその他の送信電力制御フィールドは、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関する送信電力制御コマンドをシグナリングしている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記全キャリア送信電力制御コマンドは、前記基地局によって、前記送信電力制御メッセージ内で前記1つの移動端末装置に割り当てられた第1の送信電力制御フィールド内に含められる請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドに関するCRC符号を生成するステップと、
前記CRC符号を、送信電力制御のために定義されたグループの移動端末装置に共通である、複数の一時識別子のうちの1つでマスクして、マスクされたCRC符号を獲得するステップと、
前記送信電力制御メッセージを前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域にマップするのに先立って、前記マスクされたCRC符号を前記送信電力制御メッセージのCRCフィールドに含めるステップとをさらに備える請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局は、異なるグループの移動端末装置に関する複数の送信電力制御メッセージを生成して、前記サブフレーム内で送信し、前記送信電力制御メッセージのそれぞれは、送信電力制御のために定義されたグループの移動端末装置に共通である前記複数の一時識別子のうちの異なる1つの一時識別子でマスクされた、マスクされたCRCを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
RRCシグナリングによって前記移動端末装置の異なる個別の探索空間および/または共通の探索空間を構成し、移動端末装置の探索空間は、前記移動端末装置が、前記送信電力制御メッセージを含む前記制御情報のブラインド検出を実行すべき各サブフレーム内の前記制御シグナリング領域の一部分を定義するステップをさらに備える方法であって、
前記マップするステップは、前記各送信電力制御メッセージを、前記それぞれの送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドが割り当てられた前記移動端末装置の前記探索空間に含まれる前記サブフレーム内の前記制御シグナリング領域の一部分にマップするステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
OFDMベースの移動通信システム内の移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法であって、
前記移動端末装置によって実行される以下のステップ、すなわち、
基地局からサブフレームを受信するステップと、
受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行し、前記送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有し、前記複数の送信電力制御フィールドのうちの複数の送信電力制御フィールドが、前記移動端末装置に割り当てられ、さらに前記移動端末装置によって集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含むステップと、
前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定するステップと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置に関して集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するステップとを備える方法。
【請求項15】
前記基地局から、前記送信電力制御メッセージ内の前記複数の送信電力制御フィールドを割り当てる少なくとも1つのRRCメッセージ、および/または前記移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに前記移動端末装置に対する送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つを受信するステップをさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記送信電力制御メッセージのCRCフィールドからマスクされたCRC符号を獲得するステップと、
前記マスクされたCRC符号を、前記移動端末装置を含む複数の移動端末装置に共通であり、さらに送信電力制御のために定義された複数の一時識別子のうちの1つを使用してマスク解除して、CRC符号を獲得するステップと、
前記CRC符号に基づいて前記送信電力制御メッセージのブラインド検出の成功を検証するステップとをさらに備える請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局から、前記移動端末装置が前記送信電力制御メッセージを含む制御情報のブラインド復号を実行すべき前記サブフレーム内の前記制御シグナリング領域の一部分を定義する共通の探索空間および/または個別の探索空間を示すRRCメッセージを受信するステップをさらに備える請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法であって、
前記基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
前記移動端末装置に関して、複数の送信電力制御フィールドをそれぞれ備える複数の送信電力制御メッセージを生成し、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つに、前記それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、割り当てられるステップと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするステップと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するステップとを備える方法。
【請求項19】
各送信電力制御メッセージに関するCRC系列を生成するステップと、
前記送信電力制御メッセージに関する前記CRC系列を、送信電力制御のために定義された異なる一時識別子でマスクするステップと、
前記マッピングするステップに先立って、各マスクされたCRC系列をそのCRC系列に対応する送信電力制御メッセージに追加するステップとをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記移動端末装置によって集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアが、グループのキャリアにグループ化される方法であって、
前記移動端末装置のうちの1つの移動端末装置の各グループのキャリアに関して、前記1つの移動端末装置に関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを決定し、各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記1つの移動端末装置によって、前記それぞれのグループのキャリアに属する前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用されるべき送信電力コマンドであるステップと、
前記1つの移動端末装置に関する前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドを、前記送信電力制御メッセージ内で前記1つの移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドに含めるステップとをさらに備える請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つの移動端末装置のために構成された前記コンポーネント・キャリアをグループ化するステップをさらに備える方法であって、
前記グループ化するステップは、以下のパラメータ、すなわち、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上の干渉条件および電力レベル、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリア上のチャネル品質、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアの帯域幅、
前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する負荷分散機能のステータス、
前記割り当てられたアップリンク・コンポーネント・キャリアのタイプ、
割り当てられた1つまたは複数のコンポーネント・キャリア上でダウンリンクACK/NACKがシグナリングされるか否か、および
前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの周波数帯域、のうちの少なくとも1つに依存する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記1つの移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される送信電力を制御するための全キャリア送信電力制御コマンドである請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
移動端末装置に関する前記全キャリア送信電力制御コマンドは、前記基地局によって、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域にマップされた第1の送信電力制御メッセージ内の前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御フィールド内に含められる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
1つの移動端末装置に関する送信電力制御メッセージの数は、前記1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数以下である請求項18から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
OFDMベースの移動通信システム内の移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアの送信電力制御のための方法であって、
前記移動端末装置によって実行される以下のステップ、すなわち、
基地局からサブフレームを受信するステップと、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行し、各送信電力制御メッセージは、前記移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを1つが備える複数の送信電力制御フィールドを備えるステップと、
前記送信電力制御メッセージ内の前記それぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する前記送信電力制御コマンドを決定するステップと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するステップと、を備える方法。
【請求項26】
各送信電力制御メッセージの前記1つの送信電力制御フィールドは、前記送信電力制御メッセージ内でそのフィールドの位置を識別する共通のインデックスを有する方法であって、
前記基地局から、前記移動端末装置に関する前記それぞれの送信電力制御コマンドを備える前記送信電力制御メッセージ内の前記送信電力制御フィールドの前記インデックスについて前記移動端末装置に知らせるRRCメッセージを受信するステップをさらに備える請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記基地局から、前記移動端末装置が前記送信電力制御メッセージを含む制御情報のブラインド復号を実行すべき前記サブフレームの前記制御シグナリング領域内で共通の探索空間および/または個別の探索空間を示すRRCメッセージを受信するステップをさらに備える請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記送信電力制御メッセージ内の前記移動端末装置に関する前記複数の送信電力制御フィールドのうちの少なくとも1つは、前記移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成された前記グループのコンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用されるべき前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドをシグナリングしており、さらに
前記送信電力制御コマンドを前記適用するステップは、前記グループのキャリアの前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に各キャリア・グループ送信電力制御コマンドを適用するステップを備える請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記移動端末装置に関する前記複数の送信電力制御フィールドのうちの1つは、前記移動端末装置によって、前記移動端末装置のために構成されたすべてのコンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用されるべき全キャリア送信電力コマンドをシグナリングしており、
前記送信電力制御コマンドを前記適用するステップは、前記全キャリア送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置によって構成されたすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上のすべての伝送に適用するステップを備える請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記送信電力制御コマンドを前記適用するステップは、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのサブセット上の伝送に、前記移動端末装置によって構成された全アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する全キャリア送信電力制御コマンドに加えて、前記アップリンク・コンポーネント・キャリアの前記サブセットに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを適用するステップを備える請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて基地局から移動端末装置に送信電力制御コマンドを送信するための方法であって、
前記基地局によって実行される以下のステップ、すなわち、
各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアを少なくとも2つのグループのキャリアにグループ化するステップと、
各移動端末装置に関して、前記それぞれの移動端末装置の各グループのキャリアに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成するステップと、
前記移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージを生成し、前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記複数の送信電力制御フィールドの中に含められるステップと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするステップと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の前記電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するステップと、を備える方法。
【請求項32】
それぞれの移動端末装置のキャリアのグループの数は、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアの数より少ない請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記移動端末装置のうちの1つの移動端末装置の前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、1つの送信電力制御メッセージ内の送信電力制御フィールドにマップされる請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記それぞれの移動端末装置によって、前記移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される前記送信電力を制御する全キャリア送信電力コマンドである請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記全キャリア送信電力制御コマンドは、前記1つの送信電力制御メッセージ内で現れる前記移動端末装置に割り当てられた前記第1の送信電力制御フィールドに含められる請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つの移動端末装置の各キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、異なる送信電力制御メッセージ内の1つの送信電力制御フィールドにマップされる請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドのうちの1つは、前記それぞれの移動端末装置によって、前記移動端末装置のすべてのアップリンク・コンポーネント・キャリア上の伝送に関して使用される前記送信電力を制御する全キャリア送信電力制御コマンドである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記キャリア送信電力制御コマンドは、前記サブフレームの前記制御シグナリング領域内の前記第1の送信電力制御メッセージに含められる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて使用するための基地局であって、
複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成するように適合され、各送信電力制御メッセージの前記複数の送信電力制御フィールドは、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、さらに各移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドは、前記それぞれの移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングする処理ユニットと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするように適合されたマッピング・ユニットと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するように適合された送信ユニットとを備える基地局。
【請求項40】
請求項2から13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項39に記載の基地局。
【請求項41】
OFDMベースの移動通信システム内で使用するための移動端末装置であって、
基地局からサブフレームを受信するように適合された受信ユニットと、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行するように適合され、前記送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有し、前記複数の送信電力制御フィールドのうちの複数の送信電力制御フィールドが、前記移動端末装置に割り当てられ、さらに前記移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含み、前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の複数の電力制御フィールドから前記移動端末装置のアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定するようにさらに適合された処理ユニットと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置に関して集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するように適合された送信電力制御ユニットと、を備える移動端末装置。
【請求項42】
請求項14から17のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項41に記載の移動端末装置。
【請求項43】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて使用するための基地局であって、
前記移動端末装置に関して、複数の送信電力制御フィールドをそれぞれ備える複数の送信電力制御メッセージを生成するように適合され、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つに、前記それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、割り当てられる処理ユニットと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするように適合されたマッピング・ユニットと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するように適合された送信ユニットとを備える基地局。
【請求項44】
請求項19から24のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項43に記載の基地局。
【請求項45】
OFDMベースの移動通信システム内で使用するための移動端末装置であって、
基地局からサブフレームを受信するように適合された受信ユニットと、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行するように適合され、各送信電力制御メッセージは、1つが、前記移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを備える複数の送信電力制御フィールドを有し、さらに前記送信電力制御メッセージ内の前記それぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する前記送信電力制御コマンドを決定するようにさらに適合された処理ユニットと、
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用するように適合された送信電力制御ユニットとを備える移動端末装置。
【請求項46】
請求項25から30のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項45に記載の移動端末装置。
【請求項47】
複数のコンポーネント・キャリアのコンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するOFDMベースの移動通信システムにおいて使用するための基地局であって、
各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアを少なくとも2つのグループのキャリアにグループ化するように適合されたグループ化ユニットと、
各移動端末装置に関して、前記それぞれの移動端末装置の各グループのキャリアに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成するように適合され、前記移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージを生成するようにさらに適合され、前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記複数の送信電力制御フィールド内に含められる処理ユニットと、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップするように適合されたマッピング・ユニットと、
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の前記電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信するように適合された送信ユニットとを備える基地局。
【請求項48】
請求項32から38のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように適合された手段をさらに備える請求項47に記載の基地局。
【請求項49】
基地局の処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、
複数の送信電力制御フィールドを有する送信電力制御メッセージを生成させ、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのうちの複数が、異なる移動端末装置にそれぞれ割り当てられ、さらに各移動端末装置に割り当てられた前記複数の送信電力制御フィールドは、前記それぞれの移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドをシグナリングし、
前記送信電力制御メッセージを、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップさせ、さらに
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項50】
前記基地局の前記処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項49に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項51】
移動端末装置の処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に、
基地局からサブフレームを受信させ、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行させ、前記送信電力制御メッセージは、複数の送信電力制御フィールドを有し、前記複数の送信電力制御フィールドのうちの複数の送信電力制御フィールドが、前記移動端末装置に割り当てられ、さらに前記移動端末装置によって集約されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力コマンドを含み、
前記移動端末装置に割り当てられた前記送信電力制御メッセージ内の複数の送信電力制御フィールドから前記移動端末装置の前記アップリンク・コンポーネント・キャリアに関する送信電力制御コマンドを決定させ、さらに
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置に関して集約された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項52】
前記移動端末装置の前記処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項53】
基地局の処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、
前記移動端末装置に関して、複数の送信電力制御フィールドをそれぞれ備える複数の送信電力制御メッセージを生成させ、各送信電力制御メッセージの前記送信電力制御フィールドのそれぞれの1つが、前記移動端末装置のうちのそれぞれの1つに、前記それぞれの1つの移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアのうちの少なくとも1つに関する送信電力コマンドをシグナリングするために、割り当てられ、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップさせ、さらに
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの前記制御シグナリング領域内に含まれる前記送信電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項54】
前記基地局の前記処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項53に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項55】
移動端末装置の処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に
基地局からサブフレームを受信させ、
前記受信されたサブフレーム内で、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の複数の送信電力制御メッセージのブラインド検出を実行させ、各送信電力制御メッセージは、1つが、前記移動端末装置に関するそれぞれの送信電力制御コマンドを備える複数の送信電力制御フィールドを有し、
前記送信電力制御メッセージ内の前記それぞれの1つの割り当てられた送信電力制御フィールドから、前記移動端末装置のために構成されたアップリンク・コンポーネント・キャリアに関する前記送信電力制御コマンドを決定させ、さらに
前記送信電力制御コマンドを、前記移動端末装置のために構成された前記アップリンク・コンポーネント・キャリア上のアップリンク伝送に適用させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項56】
前記移動端末装置の前記処理ユニットによって実行されると、前記移動端末装置に、請求項25から30のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令をさらに格納する請求項55に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項57】
基地局の処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、
各移動端末装置に関して、その移動端末装置の複数の構成されたコンポーネント・キャリアを少なくとも2つのグループのキャリアにグループ化させ、
各移動端末装置に関して、前記それぞれの移動端末装置の各グループのキャリアに関するキャリア・グループ送信電力制御コマンドを生成させ、
前記移動端末装置に割り当てられた複数の送信電力制御フィールドをそれぞれが有する複数の送信電力制御メッセージを生成させ、前記キャリア・グループ送信電力制御コマンドは、前記複数の送信電力制御フィールド内に含められ、
前記送信電力制御メッセージをダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域にマップさせ、さらに
サブフレーム内で、前記ダウンリンク・コンポーネント・キャリアの制御シグナリング領域内の前記電力制御メッセージを前記移動端末装置に送信させる命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項58】
前記基地局の前記処理ユニットによって実行されると、前記基地局に、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令を格納する請求項57に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−516871(P2013−516871A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547450(P2012−547450)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007260
【国際公開番号】WO2011/082744
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007260
【国際公開番号】WO2011/082744
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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