説明

キリンサイ含有食品及びその製造方法

【課題】特有のねばりのある食感を確実に得ることができ、また食品の保存性を確実に向上させることのできるキリンサイ粉末入り練り食品を提供する。
【解決手段】練り食品の原料粉末(穀物粉末、コンニャク製粉、豆類粉末を含む)又は魚肉のすり身のいずれかと、キリンサイの乾燥粉末とを混合させたものを練りこんで練り食品形状に成形し、加熱調理してなる練り食品であって、前記キリンサイ粉末の混合割合が、混合後の穀物粉末又はすり身の総原料に対し0.5〜2.5重量%である。前記キリンサイの乾燥粉末は、収穫したキリンサイを−20℃〜−40℃の雰囲気下で一旦急速冷凍したのちに解凍したものを乾燥させて粉砕加工したものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紅藻綱スギノリ目ミリン科であるキリンサイ(学名Eucheuma muricatum)を含有したキリンサイ含有食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海藻由来の食品として従来、食品として利用する緑藻類のうちヒトエグサ属、アオノリ属、およびアオサ属の藻類で、一般にアオノリと総称しているものから選ばれる少なくとも1種を20〜60℃で乾燥し、粉砕することにより、ジメチルスルフォニオプロピオネイトを高濃度に含有する食品が開示される(例えば、特許文献1参照)。この食品は、そのまま粉末として、あるいは造粒又は打錠成形して、更には水等で抽出することにより、飲食品や、調味料等の食品原料として利用することができ、成長促進、活力増強等の生理活性を有するジメチルスルフォニオプロピオネイトを高濃度で含有する、とされる。
【0003】
しかしながら上記食品はジメチルスルフォニオプロピオネイトの含有による生理活性効果を目的とするものであり、藻類の含有によって食感や食品の保存性自体が変わるわけではなかった。
【0004】
ここで、紅藻類の海藻として、加工食品にすると適度な硬さと食感を得られるキリンサイ(スギノリ目 ミリン科)が知られる。
【0005】
このキリンサイの加工食品に関し、従来、生キリンサイを1重量に対して水4.5〜5.5重量を加えて攪拌しながら加熱し、溶解させた後、冷却して固めてなるものが開示される(例えば、特許文献2参照)。この溶解工程においては、キリンサイを少量ずつ加えて溶解させ、溶解温度を55℃〜65℃の範囲に維持しながら溶解させ、さらにまた、前記の溶解工程において、キリンサイの繊維質が5〜10%程度残るように溶解させる。このようにすることで、添加物を一切使用せずに、生キリンサイを適度に溶解し、凝固させることができ、冷蔵保存において長期保存が可能なキリンサイの加工食品を提供し、かつ、キリンサイの本来持つ色彩と風味を損ねることなく、適度な硬さと食感を残した加工食品を提供することができる、とされる。
【0006】
しかしながら上記キリンサイ加工食品は型容器に流し込んで成型するコンニャク様の独自の加工食品であり、練り食品としての食感や保存性が変化したものではなかった。また、特に麺類やパン類、コンニャク、及びちくわ、さつま揚げ類といった練り食品の含有材としてキリンサイを使用する場合、上記従来の加工食品の製造方法をそのまま行うと、食感が固くなりすぎたり、元来の練り食品の風味を損なったりする場合がある。
【0007】
そこで本発明では、キリンサイを含有した食品に関し、特有のねばりのある食感を確実に得ることができ、また食品の保存性を確実に向上させることのできるキリンサイ粉末入り練り食品を提供することを課題とする。
特有のねばりのある食感と保存性を確実に得ることのできるキリンサイ粉末入り練り食品を提供することを課題とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−236851号公報
【特許文献2】特開2002−000240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
キリンサイ(紅藻綱スギノリ目ミリン科:学名Eucheuma muricatum)を含有した食品に関し、特有のねばりのある食感を確実に得ることができ、また食品の保存性を確実に向上させることのできるキリンサイ含有食品及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、キリンサイ(スギノリ目 ミリン科)を含有した食品に関し、下記(1)ないし(4)の手段を採用するものとしている。
【0011】
(1)本発明のキリンサイ含有食品は、練り食品の原料粉末(穀物粉末、コンニャク製粉、豆類粉末を含む)又は魚肉のすり身のいずれかと、キリンサイの乾燥粉末とを混合させたものを練りこんで練り食品形状に成形し、加熱調理してなる練り食品であって、前記キリンサイ粉末の混合割合が、混合後の穀物粉末又はすり身の総原料に対し0.5〜2.5重量%であることを特徴とする。
【0012】
(2)前記キリンサイの乾燥粉末は、収穫したキリンサイを−20℃〜−40℃の雰囲気下で一旦急速冷凍したのちに解凍したものを乾燥させて粉砕加工したものであることが好ましい。
【0013】
(3)前記キリンサイ含有食品は、練り食品の原料となるコンニャク製粉とキリンサイの乾燥粉末とを混合させた混合粉末を練りこんで混練状態とし、炭酸ナトリウム及び水を加えたのちに成形して加熱調理してなるコンニャクであって、前記キリンサイ粉末の混合割合が、混合後の混合粉末全体に対し0.8〜2.5体積%であることを特徴とする。
【0014】
(4)本発明のキリンサイ含有食品の製造方法は、練り食品の原料粉末を成形及び加熱して麺類、こんにゃく、ちくわ、さつま揚げ、餅菓子、又は豆腐のいずれか一種類を製造する方法であって、
・養殖栽培による熱帯キリンサイを脱塩洗浄したのちに天日および機械乾燥したものを裁断し、さらに複数回の粉砕によってキリンサイ乾燥粉末を得るキリンサイ粉末化工程と、
・前記キリンサイ乾燥粉末を、練り食品の原料粉末に対して混合して混合粉末を得る混合工程と、
・前記混合粉末を加水して練り込むことで混練状態とした混練体を加熱処理する加熱工程とを順に具備してなり、
前記混合工程では、キリンサイ乾燥粉末を、混合粉末全体に対して0.5重量%〜2.5重量%部未満の混合割合で混合することを特徴とする。
【0015】
上記のように一旦乾燥粉末にしてから練り食品の原料となる粉末又はすり身に所定の混合率で混合し、混合粉末全体として練り食品として練り成形したのちに加熱調理することで、キリンサイによる粘りや食感の変化を均等にかつ確実に得ることができる。特に、乾燥粉化によってキリンサイ粉の吸水率を向上させることができ、キリンサイの抽出液や溶解液を使用した場合よりも保水性や保水量の維持率が向上することとなる。また養殖による熱帯キリンサイを使用することで、栄養価や食品の保存性にばらつきのない食品となる。
【0016】
特にコンニャク製粉に対してキリンサイ乾燥粉末を適量(例えば製粉1kgに対して粉末5〜25g)混合すると、成形後、保存中の水分の分離(保存脱水)を抑える効果があり、混合しないものに対して賞味期限、消費期限とも8〜10倍に増加する。また練り天ぷらに対してキリンサイ乾燥粉末を適量(例えばすり身100gに対して粉末0.4〜1.2g)混合すると、加熱成形後の食感に大きな弾力が生じ、混合しないものに対して賞味期限、消費期限とも4〜6倍に増加する。また米粉パンの原料粉(小麦粉と米粉の混合粉)や菓子パンの原料粉(小麦粉)に対してキリンサイ乾燥粉末を適量(例えば混合粉又は小麦粉100gに対して粉末0.8〜1.2g)混合すると、加熱成形後のパンの保湿性が向上して保存による老化が抑えられ、混合しないものに対して賞味期限、消費期限とも2〜3倍に増加する。
【0017】
また上記キリンサイ含有食品は、キリンサイを一旦乾燥粉末にパウダードライ加工したキリンサイ乾燥粉末を、練り食品の食感増粘剤、あるいは天然保存剤として混合粉末に混合させている。これは本発明のキリンサイ乾燥粉末が食品の添加剤としてなることを意味している。食品の添加剤としてのキリンサイ乾燥粉末の微粉成分は、溶液中に加熱溶解させることなく練り原料として粉化混合され、食品の加熱成形工程において共に加熱されるため、キリンサイ粉末による保湿効果や食感への加粘効果が確実に得られる。これは例えば、キリンサイのエキス抽出による食品やキリンサイ自体を固化成形したものと比べて増粘効果、保湿効果に優れており、また栄養価の変化も伴うことがない。
【発明の効果】
【0018】
上記手段を講じることで、キリンサイ特有のねばりのある食感をムラなく均等にかつ確実に得ることができ、また食品の保存性を確実に向上させることのできるキリンサイ含有食品及びその製造方法を提供できることとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のキリンサイ含有食品は、練り食品の原料粉末(穀物粉末、コンニャク製粉、豆類粉末を含む)又は魚肉のすり身を原料体としたものにキリンサイ乾燥粉末を混合させて練り状態とし、加熱調理したものをいう。具体例として、狭義のねり製品である竹輪、練り天ぷら(さつま揚げ、じゃこ天(小魚入り練り天ぷら)、蒲鉾、竹輪)のほか、麺類(うどん、そうめん、和そば、中華そば等)、パン(食パン、米粉パン、菓子パン等)、コンニャク、餅菓子(わらびもち、団子等)、饅頭(中華まん)の皮、餃子の皮、豆腐を含む。
本発明に言う練り食品とは、前記竹輪、練り天ぷら(さつま揚げ)のほか、麺類(うどん、そうめん、和そば、中華そば等)、パン、コンニャク、豆腐の内一種類の各原料体にキリンサイ乾燥粉末を所定の割合で混合して混合粉末を得て、この混合粉末に加水して練り状態とし、成形したものを加熱処理して得られる食品全てのことである。
(製造方法)
上記キリンサイ含有食品は、下記の各工程を順に具備する製造方法によって得られる。
・養殖栽培による熱帯キリンサイを脱塩洗浄したのちに天日および機械乾燥したものを裁断し、さらに複数回の粉砕によってキリンサイ乾燥粉末を得るキリンサイ粉末化工程と、
・前記キリンサイ乾燥粉末を、練り食品の原料粉末に対して混合して混合粉末を得る混合工程と、
・前記混合粉末を加水して練り込むことで混練状態とした混練体を加熱処理する加熱工程。
(キリンサイ粉末化工程)
キリンサイ粉末化工程は、収穫した熱帯キリンサイを−20℃〜−40℃の雰囲気化で急速冷凍する急速冷凍ステップと、前記冷凍した熱帯キリンサイを常温の流水で解凍する解凍ステップと、前記解凍した熱帯キリンサイを水または温水に所定時間浸漬して塩抜き及び洗浄を行う浸漬ステップと、洗浄した熱帯キリンサイを天日及び/又は機械加熱によって乾燥させる乾燥ステップと、乾燥後のキリンサイを裁断及び粉砕する粉砕ステップとを順に経て行われる。
急速冷凍ステップを先に行うことで、熱帯キリンサイに付着したホヤ、アオサ等の生物を死滅させ、その後の解凍ステップによってゴミやこれらの付着生物を容易に取り除くことができる。回答ステップにより、キリンサイの塩分が10%程度抜け出る。
前記浸漬ステップは、無味のキリンサイ粉末を得る場合には、30℃〜60℃の温水に5分〜15分浸漬させることでキリンサイの塩分を99%抜くことが好ましい。但し、食品の種類や調味料の量によって温水の温度や浸漬時間を調整することで、塩分濃度を適度に残すこともでき、キリンサイ付着塩分が全塩分のうち3%以上であれば、キリンサイ由来の辛味と食品の保水効果(耐脱水効果)が得られる。
前記乾燥ステップは、天日乾燥のみ、あるいは機械乾燥のみでもよいが、天日で1〜2日間乾燥させる天日乾燥の後に、70℃の雰囲気下で殺菌処理を兼ねて1時間機械乾燥するという多種類の乾燥処理を組み合わせて順に行うことが好ましい。
前記粉砕ステップは例えば、先ず30mm〜50mmの長さに粗裁断し、次いで50メッシュのフィルターをセットした製粉機で一次粉砕し、次いで150メッシュのフィルターをセットした製粉機で二次粉砕するという三段階以上の多段階粉砕処理を行うことが好ましい。
(混合工程)混合工程では、キリンサイ乾燥粉末を、混合粉末全体に対して0.5重量%〜2.5重量%部未満の混合割合で混合する。
(加熱工程)
加熱工程は、そして前記原料粉末又はすり身のいずれかと、キリンサイの乾燥粉末とを混合させたものを練りこんで混練体を得て、これを所定の練り食品形状に成形する混練ステップと、
前記成形した混練体を加熱調理する加熱ステップとを有する。
(キリンサイ含有食品の含有率、性質について)
コンニャク、パン、じゃこ天(小魚入り練り天ぷら)のそれぞれについて、キリンサイ乾燥粉末の含有率を可変させたときの性質の変化を比較評価した結果を表に示す。
【0020】
比較サンプルとして、キリンサイ乾燥粉末の混合率を0.1,0.5,0.8,1.0,1.5,2.0%のように徐々に増加させた各サンプルを製造した。但しコンニャクについては、2.5%、2.5%、3.0%、4.5%のものも比較サンプルに加えた。
【0021】
食感(弾力)については、簡易レオメーター装置として、台測りの上に試験片を載置し、試験片上に直径1mmの円柱の試験棒を立てて上端から掌で圧力を加え、試験片が破断して試験棒が試験片内に突き刺さった時の破断時増加重量を測定した。また味覚の五大要素(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)について、20名の試食による5段階評価の官能試験を行った。
【0022】
【表1】

【0023】
(コンニャクの比較試験結果)測定の結果、表に示すようにコンニャクにおいては、混合率0.8〜2.5%のもので破断時増加重量が2g〜6gであり、混入比率に従って適度な弾力が増加する一方、混合率3.0%以上のものでは20gと、コンニャクとして硬すぎるものとなった。また混合率0.8〜2.5%のものは保存による脱水症状が起こりにくく、混合率0.1又は0.5%のものと比べて賞味期限が30日〜90日延長されるものとなった。また混合率0.8〜2.5%のものは前記弾力(破断時増加重量)の増加に伴う食感に伴い、うま味が増したと評価された。
【0024】
特に混合率3.0重量%以上となると、粘性が急激に上昇するため糊化までの時間が短くなり、通常の製法によっては固くなりすぎてしまうことが分かった。また逆に1.0重量%未満のものは、弾性(食感)、保存性、味覚のいずれも変化が見られなかった。また特にコンニャクに味付けを行った場合、1.0重量%以上2.0%未満の低混合率では味のしみ方がよくなり、3.0%付近或いはそれ以上の高混合率では硬くなると共に味のしみ方も悪くなった。コンニャクは一般的に保存による水抜けで形状が変化する(痩せる)傾向がみられるが、混合率1.0%〜2.5%のものは10日〜4か月の形状保持日数の増加がみられた。
【0025】
【表2】

【0026】
(米粉パンの比較試験結果)測定の結果、表に示すように米粉パンにおいては、混合率0.5〜1.0%のもので食感に粘りが現れ、混入比率に従ってこの粘りが増加する一方、混合率1.5%以上のものでは米粉パンとして硬すぎるものとなった。また混合率0.5〜1.0%のものは保存による乾燥、老化が起こりにくく、混合率0.1%のものと比べて賞味期限が3日延長されるものとなった。また混合率0.5〜1.0%のものは前記弾力(破断時増加重量)の増加に伴う食感に伴い、うま味が増したと評価され、また甘味がやや増加したと評価された。
特に食感について、混合率0.5〜1.0%のものは粘りのあるモチモチとした食感が持続することが明確に確認された。又老化の進行について、混合率0.1%または0%の場合には製造翌日よりパサツキが感じられる一方、混合率0.5〜1.0%のものは翌日にはパサツキが感じられず3日後から老化を感じるものであった。また混合率1.0%以上になると、粘りが強く出すぎるため、通常の攪拌機では混練に時間がかかり、作業工程の遅れが発生した。また食感も粘りがやや強く出すぎると評価される。一方で0.5重量%以下の場合は混合率0%(未添加)のものとの違いが分かりにくくなる。よって米粉パンにおいては混合率の下限を0.5%、上限を1.0%に設定することが最も好ましいと考えられる。
【0027】
【表3】

【0028】
(じゃこ天の比較試験結果)測定の結果、表に示すようにじゃこ天(小魚入り練り天ぷら)においては、混合率0.5〜1.5%のもので破断時増加重量が2g、2g、5g、および6gとなり、、中でも混入率1.0%以上ではこの粘りが急激に増加する一方、混合率2.0%以上のものではじゃこ天として硬すぎる程度まで固まってしまった。また混合率0.5〜1.5%のものは混合率0.1%のものと比べて賞味期限が4〜6日延長されるものとなった。また混合率0.5〜1.5%のものは前記弾力(破断時増加重量)の増加に伴う食感に伴い、うま味が増したと評価された。
【0029】
(外観比較試験結果)
他に、従来品とキリンサイ乾燥粉末入りのものについて、1週間保存した時の外観比較試験を行った。こんにゃくは従来品の表面がやや乾燥しはじめた
ちくわは従来品の弾力が失われ自重で変形し、じゃこ天は従来品の厚さが変わった(薄くなった)。菓子パン(ぼうしパン(クッキー製のつば成形部を有する菓子パン))従来品のつば部分が硬く、もろくなった。また中華めんの従来品は硬く、ぱさぱさになる手延べ平うどんの従来品は断面が小さくなりもろくなった。そしてわらびもちの従来品は表面が乾燥し白濁した。
これらに対して、わらびもち以外はいずれもキリンサイ入りは変化なしであった。またわらびもちのキリンサイ入りは粘りが保持され白濁が少ないものであった。
【0030】
(比較試験結果による混合率の考察)
比較試験により、原料粉末に対して少なくとも1.0重量%以上のキリンサイ乾燥粉末を混合させたものであれば、混合率の増加に応じた弾性の増加によって食感が増し、これに伴ってうま味もやや高評価されることが分かった。ただし混合率3.0重量%以上となると通常の製法によっては固くなりすぎてしまうことが分かった。また逆に1.0重量%未満のものは、弾性(食感)、保存性、味覚のいずれも変化が見られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
練り食品の原料粉末又は魚肉のすり身のいずれかと、キリンサイの乾燥粉末とを混合させたものを練りこんで練り食品形状に成形し、加熱調理してなる練り食品であって、前記キリンサイ粉末の混合割合が、混合後の穀物粉末又はすり身の総原料に対し0.5〜2.5重量%であることを特徴とするキリンサイ含有食品。
【請求項2】
キリンサイの乾燥粉末は、収穫したキリンサイを−20℃〜−40℃の雰囲気下で一旦急速冷凍したのちに解凍したものを乾燥させて粉砕加工した請求項1に記載のキリンサイ含有食品。
【請求項3】
練り食品の原料となるコンニャク製粉とキリンサイの乾燥粉末とを混合させた混合粉末を練りこんで混練状態とし、炭酸ナトリウム及び水を加えたのちに成形して加熱調理してなるコンニャクであって、前記キリンサイ粉末の混合割合が、混合後の混合粉末全体に対し0.8〜2.5体積%である請求項1又は2に記載のキリンサイ含有食品。
【請求項4】
練り食品の原料粉末を成形及び加熱して麺類、こんにゃく、ちくわ、さつま揚げ、又は豆腐のいずれか一種類を製造する方法であって、養殖栽培による熱帯キリンサイを脱塩洗浄したのちに天日および機械乾燥したものを裁断し、さらに複数回の粉砕によってキリンサイ乾燥粉末を得るキリンサイ粉末化工程と、前記キリンサイ乾燥粉末を、練り食品の原料粉末に対して混合して混合粉末を得る混合工程と、前記混合粉末を加水して練り込むことで混練状態とした混練体を加熱処理する加熱工程とを順に具備してなり、前記混合工程では、キリンサイ乾燥粉末を、混合粉末全体に対して0.5重量%〜2.5重量%部未満の混合割合で混合することを特徴とするキリンサイ含有食品の製造方法。


【公開番号】特開2011−177097(P2011−177097A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43651(P2010−43651)
【出願日】平成22年2月28日(2010.2.28)
【出願人】(508303553)株式会社オーシャンラック (1)
【Fターム(参考)】