説明

キーモジュール、電子機器

【課題】入力キーの押圧時に、良好なクリック感を実現することができると共に、入力キーの照光輝度(特に入力キー中央部の照光輝度)を向上させることができ、薄型化が可能なキーモジュール及び該キーモジュールを備えた電子機器の提供を課題とする。
【解決手段】入力キー10と、導光板20と、光源40と、前記導光板20の下方に位置し、前記入力キー10の動作に従動してスイッチオン、スイッチオフするドーム状のスイッチ動作子31を有する可動接点シート30を備えた回路基板50と、を含むキーモジュール2であって、前記導光板20には、前記入力キー10に対応する位置に貫通孔22を設け、前記可動接点シート30には、前記スイッチ動作子31に対応する位置から前記貫通孔22の上方へ突出させる形で、前記入力キー10の押圧を受ける受圧突起32を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーモジュール及び該キーモジュールを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機をはじめとする電子機器において、その一様な照光には導光板が用いられている。導光板にはポリカーボネートやポリウレタンが用いられることが多く、その厚みは一般的に0.1mm〜0.2mmである。導光板による照光輝度は、導光板の厚みが厚肉なものほど光の取り込み量が増し、照光輝度が高まる傾向にある。
一方、入力キーとドームスイッチとの間に導光板を配置する携帯電話機等においては、入力キーの押圧時に、導光板を介してドームスイッチが押圧される構造のため、導光板が厚肉なものほど、入力時の感触(以下、クリック感とする。)が低下し、誤入力(未入力等)を生じ易いと共に、電子機器の薄型化(小型化)が困難となる。
よって照光輝度を向上させると共に、クリック感を満たし、薄型化を可能とする技術の開発が課題となっていた。
照光輝度及びクリック感の向上や、薄型化を可能とする従来技術として、例えば下記特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−356028号公報
【特許文献2】特開2008−235013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、押釦スイッチ装置に関する発明で、小型化された押釦スイッチ装置の光輝構造に関する技術が開示されている。
しかしながら、放光部7Cから出射される光のうち、キーパッド1の中央部に到達する光が少ないと共に、空洞7Dの中央部付近では、略球状に形成されたドーム状金属バネ接点2が、導光部材7と平行となっていることから、キーパッド1方向への反射角を得ることができず、キーパッド1の中央部の照光が困難であった。よってキーパッド1の中央部と周辺部とで照光輝度に不均一が生じるという問題があった。
また上記特許文献2は、入力モジュールおよび携帯機器に関する発明で、入力ボタンの十分なクリック感および均一な発光を確保しつつ、薄型化を可能とする技術が開示されている。
しかしながら、入力キー7の導光板16に対向する面に、入力キー7の平面形状よりも小さい平面形状を有する凸部18を形成する構成であることから、入力キー7を押圧しない時に光が受けられるような詳細な設計が必要となり、簡便な設計が困難であるという問題があった。また携帯機器の筐体を介しての位置決めが必要となる入力キー7側においては、導光板16の穴16Bに凸部18を合わせて組み上げる際、位置合わせが困難なことから、製造効率が悪いという問題があった。
更に近年においては、携帯機器のデザインが多様化し、入力キー側に凸部を形成するようなデザインに対応できない入力キーも存在し、入力キーに自由度を持たせることができず、汎用性に乏しいという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、入力キーの押圧時に、良好なクリック感を実現することができると共に、入力キーの照光輝度(特に入力キー中央部の照光輝度)を向上させることができ、薄型化が可能なキーモジュール及び該キーモジュールを備えた電子機器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキーモジュールは、所定の指令を入力するための入力キーと、該入力キーの下方に位置し、光源から肉厚内に入射した光を導光しながら前記入力キーに対応する位置で散乱させて照光を行う導光板と、該導光板に光を入射させる光源と、前記導光板の下方に位置し、前記入力キーの動作に従動してスイッチオン、スイッチオフするドーム状のスイッチ動作子を有する可動接点シートを備えた回路基板と、を含むキーモジュールであって、前記導光板には、前記入力キーに対応する位置に貫通孔を設け、前記可動接点シートには、前記スイッチ動作子に対応する位置から前記貫通孔の上方へ突出させる形で、前記入力キーの押圧を受ける受圧突起を設けてあることを第1の特徴としている。
【0007】
上記本発明の第1の特徴によれば、キーモジュールは、所定の指令を入力するための入力キーと、該入力キーの下方に位置し、光源から肉厚内に入射した光を導光しながら前記入力キーに対応する位置で散乱させて照光を行う導光板と、該導光板に光を入射させる光源と、前記導光板の下方に位置し、前記入力キーの動作に従動してスイッチオン、スイッチオフするドーム状のスイッチ動作子を有する可動接点シートを備えた回路基板と、を含むキーモジュールであって、前記導光板には、前記入力キーに対応する位置に貫通孔を設け、前記可動接点シートには、前記スイッチ動作子に対応する位置から前記貫通孔の上方へ突出させる形で、前記入力キーの押圧を受ける受圧突起を設けてあることから、導光板を介することなく、入力キーの押圧力を可動接点シートに設けてある受圧突起を介してスイッチ動作子に伝達することができる。よって入力キーの押圧時に、スイッチ動作子の変形をより直接的に感じることができる。従って良好なクリック感を実現することができると共に、入力キーの誤入力を防止することができる。また可動接点シートに受圧突起を設ける構成とすることで、入力キーのデザインに自由度を持たせることができ、汎用性の高いキーモジュールとすることができる。
【0008】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1の特徴に加えて、前記スイッチ動作子を、前記貫通孔内に臨むように配置してあることを第2の特徴としている。
【0009】
上記本発明の第2の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、前記スイッチ動作子を、前記貫通孔内に臨むように配置してあることから、導光板の厚肉化とキーモジュールの薄肉化とを同時に実現することができる。また導光板の厚肉化を実現できることで、入力キーの照光輝度を向上させることができる。
【0010】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1又は第2の特徴に加えて、前記受圧突起は、水平断面が略円形若しくは多角形で、且つ外形が上方へ向かって先細に膨出する略半楕円球状からなることを第3の特徴としている。
【0011】
上記本発明の第3の特徴によれば、上記本発明の第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、前記受圧突起は、水平断面が略円形若しくは多角形で、且つ外形が上方へ向かって先細に膨出する略半楕円球状からなることから、導光板における貫通孔の側面部分から出射される光を、受圧突起の表面で、入力キー方向(特に入力キー中央部方向)へ効率良く反射・散乱させることができる。よって入力キー(特に入力キー中央部方向)の照光輝度を一段と向上させることができる。
また入力キーの押圧力を、スイッチ動作子に効率的に伝達できると共に、強度の高い受圧突起とすることができる。
【0012】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、前記受圧突起は、前記光源から入射させた光を散乱させる散乱材を含有する透明の樹脂からなることを第4の特徴としている。
【0013】
上記本発明の第4の特徴によれば、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、前記受圧突起は、前記光源から入射させた光を散乱させる散乱材を含有する透明の樹脂からなることから、導光板における貫通孔の側面部分から出射される光のうち、受圧突起の表面で入力キー方向へ反射・散乱されなかった光を、受圧突起の内部に進入させ、入力キー方向へ反射・散乱させることができる。よって入力キーの照光輝度を更に一段と向上させることができる。
【0014】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1〜第4の何れか1つの特徴に加えて、前記導光板は、上面若しくは下面に、前記光源から入射させた光を外部へ出射させる光出射構造部を備えていることを第5の特徴としている。
【0015】
上記本発明の第5の特徴によれば、上記本発明の第1〜第4の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、前記導光板は、上面若しくは下面に、前記光源から入射させた光を外部へ出射させる光出射構造部を備えていることから、導光板による入力キーの照光輝度を効率良く向上させることができる。
【0016】
また本発明の電子機器は、第1〜第5の何れか1つの特徴に記載のキーモジュールを備えることを第6の特徴としている。
【0017】
上記本発明の第6の特徴によれば、電子機器は、第1〜第5の何れか1つの特徴に記載のキーモジュールを備えることから、入力キーの押圧時に、良好なクリック感を実現することができると共に、誤入力を防止することができ、また入力キーの照光輝度を向上させることができると共に、薄型化が可能な電子機器とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のキーモジュール及び該キーモジュールを備えた電子機器によれば、入力キーの押圧時に、良好なクリック感を実現することができると共に、入力キーの照光輝度(特に入力キー中央部の照光輝度)を向上させることができ、薄型化が可能なキーモジュールを提供することができる。またそのようなキーモジュールを備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機のキーモジュールの平面図である。
【図3】図2に示すキーモジュールにおける要部の断面図である。
【図4】携帯電話機に使用される従来のキーモジュールを示す要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図4を参照して、本発明に係る電子機器の例として、携帯電話機1をあげて説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。
【0021】
まず図1に示すように、携帯電話機1は、入力部1aと、表示部1bとを備える。表示部1bは、ヒンジ部1cを介して入力部1aに開閉自在とされている。
【0022】
図2、図3も参照して、前記入力部1aには、ケース1d内に入力モジュールとしてのキーモジュール2を備えている。キーモジュール2は、入力キー10、導光板20、可動接点シート30、光源40、回路基板50を備えている。
【0023】
前記入力キー10は、所定の指令を入力するためのキーで、前記入力部1aに露出した入力キー11〜13で構成されている。なお、ここで入力キー11〜13は、図2に示すように、碁盤の目状に配置してある入力キー10において、光源40に最も近い側に配置するものを入力キー11とし、最も遠い側に配置するものを入力キー13とする。
【0024】
入力キー10は、透明性の硬質樹脂で形成され、数字、アルファベット、記号等の特定の形状が視認可能に設けられている。数字、アルファベット、記号等の特定の形状の形成方法は、特定の形状を遮光性材料でマークするものや、特定の形状以外を遮光性材料でマークするものの何れであってもよい。
【0025】
前記導光板20は、図3に示すように、回路基板50と入力キー10との間に配置され、光源40から肉厚内に入射させた光を導光しながら所定位置で外部へ出射させ、照光を行うためのものである。
より具体的には、図3に示すように、導光板20は、光源40の照光端面41から放たれた光を導光板20の光入射端面21から入射させて、導光板20の厚み内で全反射させながら入射側とは反対側まで導光すると共に、入力キー10方向へ出射し、これにより入力キー10の照光を行う。
また図3に示すように、導光板20において、所定位置となる、入力キー10に対応する位置には、厚み方向に貫通する貫通孔22を設けている。
なお貫通孔22は、打ち抜き加工等で形成することができる。
【0026】
また図3に示すように、導光板20の下面23における照光領域には、導光板20を通過してきた光を入力キー10方向へ散乱、回折させて出射させる凸状のドットからなる光出射構造部24を複数備える構成としてある。
なお、ここで及び以下の説明において「照光領域」とは、導光板20において、入力キー10方向へ照光を行う領域を指すものとする。
このような構成とすることで、導光板20を通過してきた光を物理的な凸形状のパターンの位置で確実に散乱させて入力キー10方向へ出射させることができる。よって入力キー10の照光輝度を効率良く向上させることができる。
この凸状のドットからなる光出射構造部24は、例えば光散乱剤の含有されたインクによる印刷パターンで形成することができる。
【0027】
なお光出射構造部24は、必ずしも凸状のドットで形成する構成に限るものではなく凹状のドットで形成する構成でもよいし、ホットスタンピング、射出成形、マイクロブラスト、その他の方法で成形することが可能である。
また光出射構造部24の配置位置は、導光板20の下面23の照光領域に限るものではなく、上面25の照光領域であってもよい。また光出射構造部24の形状、大きさ、数、隣接する光出射構造部24の距離等も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
また光出射構造部24を設けない構成であってもよい。
【0028】
また導光板20は、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル樹脂等、可視光域の光を十分透過させることができる樹脂で形成することができる。
なお導光板20の厚みは、20μm〜300μmとすることが望ましい。
【0029】
前記可動接点シート30は、いわゆるドームスイッチの層を形成するものである。この可動接点シート30は、図3に示すように、メタルドームと称する導電性金属からなるドーム状のスイッチ動作子31を入力キー10の下方に有し、回路基板50の上面部を被覆するように配設されている。ドーム状のスイッチ動作子31が、入力キー10の動作に従動し、回路基板50と接触、非接触されることで、キーモジュール2のスイッチオン、スイッチオフが行われる。
また図3に詳しく図示していないが、可動接点シート30における導光板20側の表面は、白色に着色されている。このような構成とすることで、導光板20から下方へ漏れ出た光を上方へ効率良く反射させることができる。
【0030】
また図3に示すように、可動接点シート30には、スイッチ動作子31に対応する位置から貫通孔22の上方へ突出させる形で、入力キー10の押圧を受ける受圧突起32を設けてある。
このような構成とすることで、導光板20を介することなく、入力キー10の押圧力を受圧突起32を介してスイッチ動作子31に伝達することができる。よって入力キー10の押圧時に、スイッチ動作子31の変形をより直接的に感じることができる。従って良好なクリック感を実現することができると共に、入力キー10の誤入力を防止することができる。また可動接点シート30に受圧突起32を設ける構成とすることで、入力キーのデザインに自由度を持たせることができ、汎用性の高いキーモジュール2とすることができる。
【0031】
また図3に示すように、スイッチ動作子31を、貫通孔22内に臨むように配置してある。このような構成とすることで、ドーム状のスイッチ動作子31及びスイッチ動作子31部分を被覆する可動接点シート30の大部分を、貫通孔22内に入り込ませて配置させることができる。よってキーモジュール2の薄肉化と導光板20の厚肉化を同時に実現することができる。また導光板20の厚肉化を実現できることで、光源40から導光板20内に入射する光の取り込み量を増加させることができ、導光板20の照光輝度を向上させることができる。
【0032】
つまり図4に示すように、入力キー10とスイッチ動作子31との間に導光板20を配置する従来のキーモジュール3においては、入力キー10の押圧時に、導光板20を介してスイッチ動作子31が押圧される構造である。よって照光輝度を高めるべく、導光板20を厚肉なものとした場合、入力時のクリック感が低下し、誤入力(未入力等)を生じ易いと共に、キーモジュール3は厚肉化する。よって良好なクリック感及び導光板20の厚肉化とキーモジュール3の薄肉化とを同時に実現することはできなかった。
なお図4におけるキーモジュール3において、キーモジュール2と同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付している。
【0033】
また図2、図3に示すように、受圧突起32は、水平断面を円形とし、且つ外形を上方となる入力キー10方向へ向かって先細に膨出する略半楕円球状としてある。このような構成とすることで、受圧突起32の表面32aを、入力キー10の中心に向かう曲面とすることができる。よって導光板20における貫通孔22の側面部分から出射される光を、入力キー10方向へ多様な反射角で反射・散乱させることができる。従って一段と効率良く入力キー10の照光輝度を向上させることができる。更に入力キー10の中央部を十分に照光することができ、入力キー10の中央部と周辺部とで照光輝度に不均一が生じることを防止することができる。よって入力キー10の輝度均一化を図ることができる。
なお図2においては、複数個設ける受圧突起32のうち、1個のみを示すものとする。
【0034】
また受圧突起32を、入力キー10方向へ向かって先細に膨出する略半楕円球状とすることで、受圧突起32において、上面となる入力キー10に対向する面の面積を小さく、下面となる可動接点シート30との接着面の面積を大きくすることができる。よって小さな押圧力であっても、入力キー10の押圧力を効率的にスイッチ動作子31に伝達することができる。従って高齢者や女性にとっても操作性が高く、誤入力を防止することができるキーモジュール2とすることができる。更に受圧突起32の強度を向上させることができる。
【0035】
また図3には詳しく図示していないが、受圧突起32は、光源40から入射させた光(特に白色光)を散乱させる散乱材を含有する透明の樹脂で形成してある。このような構成とすることで、導光板20における貫通孔22の側面部分から出射してくる光のうち、受圧突起32の表面32aで入力キー10方向へ反射・散乱されなかった光を、受圧突起32の内部に進入させ、入力キー10方向へ反射・散乱させることができる。よって入力キー10の照光輝度を更に一段と向上させることができる。
【0036】
なお可動接点シート30は、ポリエチレンテレフタレート等の軟質の樹脂シートで形成することができる。また可動接点シート30の厚みは、20μm〜300μmとすることが望ましい。
また可動接点シート30における導光板20側の表面を白色に着色する着色剤としては、酸化チタンを含有する着色剤等、樹脂シートを着色する着色剤として通常用いられるものであれば如何なるものであってもよい。
【0037】
また受圧突起32は、熱硬化性樹脂又はUV硬化性樹脂で形成することができるが、UV硬化性樹脂を用いることが望ましい。
なお熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂等を用いることができるが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂を用いることが望ましい。
またUV硬化性樹脂としては、UV硬化性エポキシ樹脂を用いることができる。
【0038】
また散乱材としては、無機材料、樹脂製ビーズ、気泡を用いることができる。
なお無機材料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化ケイ素、水酸化バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を用いることができるが、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化ケイ素を用いることが望ましい。更に好適には、酸化チタン、硫酸バリウムを用いることが望ましい。
また樹脂製ビーズとしては、スチレン系樹脂を用いることができる。
【0039】
また受圧突起32の形状は、本実施形態においては、水平断面を円形とし、且つ外形を、上方となる入力キー10方向へ向かって先細に膨出する略半楕円球状とする構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。
但し受圧突起32において、上面となる入力キー10に対向する面の面積が、下面となる可動接点シート30に対する接着面の面積よりも小さいものであること、また水平断面が導光板20の貫通孔22の水平断面と略相似形状であることが必要である。
更に受圧突起32の表面32aを曲面で構成する場合は、入力キー10方向から、可動接点シート30方向へ向けて外側に膨らむような曲面であることが必要である。
【0040】
例えば受圧突起32の表面32aにおいて、上面を平坦とし、側面を入力キー10方向から可動接点シート30方向へ向けて幅広となる直線とする構成としてもよい。但しこの場合、平坦とする上面の面積は小さくすることが望ましい。
また受圧突起32を、中央部が剛性を有する円柱で構成され、その周囲が弾性を有する透明の樹脂で構成されるものとしてもよい。このような構成とすることで、剛性を有する円柱が芯材となり、一段と良好なクリック感を実現することができると共に、入力キーの照光輝度を向上させることができる。
また受圧突起32の水平断面を多角形とする構成であってもよいが、円形であることが望ましい。
【0041】
前記光源40は、導光板20に対して光を入射させるためのものであり、例えばLEDで構成することができる。この光源40は、図3に示すように、回路基板50上における導光板20の光導入端面21と対向する位置に設備される。
なお本実施形態においては、図2に示すように、光源40を導光板20の側面に配置し、入力キー11〜13を一体的に照光する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば複数の光源40で、入力キー11、入力キー12、入力キー13を別個に照光する構成とすることができる。このような構成とすることで、導光板20全体の照光輝度の均一性を向上させることができる。
【0042】
前記回路基板50は、図3に示すように、プリント配線層51と、樹脂層52とから構成される。
【0043】
前記プリント配線層51は、スイッチ接点となる導電層たる回路部を備えるものであり、銅箔によるパターンを樹脂層52上に形成することで構成される。
【0044】
なお本発明の実施形態においては、キーモジュール2を携帯電話機1に適用する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、他の電子機器に適用する構成であってもよい。例えばPDA、モバイルタイプPC(パーソナルコンピュータ)、携帯型ゲーム機等に適用することができる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0046】
下面の照光領域に凸状のドットからなる光出射構造部24が形成され、更に照光領域の中央位置に直径4mmの貫通孔22を開けた、厚み0.2mmのポリカーボネート製導光板20を用意する。
表面が白色に着色され、直径3mmの金属製スイッチ動作子31を、回路基板50(光源40となるLED等、電子部品実装済み)との間に挟みこんだ可動接点シート30を用意する。
この可動接点シート30のスイッチ動作子31の位置に、白色顔料を含有したUV硬化性エポキシ樹脂を用いて直径2mm、高さ0.4mmの略半楕円球状の受圧突起32を形成する。
回路基板50の上に、受圧突起32が貫通孔22の位置に合うように、導光板20を配置する。
更に入力キー10を組み込んだ筐体でカバーする。
以上により、キーモジュール2が形成される。
このようなキーモジュール2においては、入力キー10の押圧時に、良好なクリック感を実現することができると共に、誤入力を防止することができ、また入力キー10の照光輝度(特に入力キー中央部の照光輝度)を向上させることができると共に、薄型化が可能で、汎用性の高いキーモジュールとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は携帯電話機等の電子機器、それに用いられるキーモジュールとして利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 携帯電話機
1a 入力部
1b 表示部
1c ヒンジ部
1d ケース
2 キーモジュール
3 キーモジュール
10 入力キー
11 入力キー
12 入力キー
13 入力キー
20 導光板
21 光入射端面
22 貫通孔
23 下面
24 光出射構造部
25 上面
30 可動接点シート
31 スイッチ動作子
32 受圧突起
32a 表面
40 光源
41 照光端面
50 回路基板
51 プリント配線層
52 樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の指令を入力するための入力キーと、該入力キーの下方に位置し、光源から肉厚内に入射した光を導光しながら前記入力キーに対応する位置で散乱させて照光を行う導光板と、該導光板に光を入射させる光源と、前記導光板の下方に位置し、前記入力キーの動作に従動してスイッチオン、スイッチオフするドーム状のスイッチ動作子を有する可動接点シートを備えた回路基板と、を含むキーモジュールであって、前記導光板には、前記入力キーに対応する位置に貫通孔を設け、前記可動接点シートには、前記スイッチ動作子に対応する位置から前記貫通孔の上方へ突出させる形で、前記入力キーの押圧を受ける受圧突起を設けてあることを特徴とするキーモジュール。
【請求項2】
前記スイッチ動作子を、前記貫通孔内に臨むように配置してあることを特徴とする請求項1に記載のキーモジュール。
【請求項3】
前記受圧突起は、水平断面が略円形若しくは多角形で、且つ外形が上方へ向かって先細に膨出する略半楕円球状からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のキーモジュール。
【請求項4】
前記受圧突起は、前記光源から入射させた光を散乱させる散乱材を含有する透明の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のキーモジュール。
【請求項5】
前記導光板は、上面若しくは下面に、前記光源から入射させた光を外部へ出射させる光出射構造部を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のキーモジュール。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のキーモジュールを備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−150804(P2011−150804A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8904(P2010−8904)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】