説明

クイックコネクタ及び配管接続構造

【課題】接続確認機能を併せ持ったリテーナを有するクイックコネクタを提供する。
【解決手段】リテーナ5を、連結部97と、この連結部97の両端部にそれぞれ形成した一対の弾性脚部99と、から形成する。連結部97の内面の幅方向中間部かつ長さ方向他方側から、確認抜け止め部101を径方向内側に延びるように設けておく。また、確認抜け止め部101の内端部に、パイプ体33の外周面を挟み付けることができるように、一対のクランプアーム105を設ける。弾性脚部99の先端部に内側に突出する係合部111を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の燃料配管に用いられるクイックコネクタ及びこのクイックコネクタを用いた配管接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の燃料配管には、軽くて取り扱い性に優れ、高い耐燃料透過性を有する樹脂チューブが用いられているが、この樹脂チューブを燃料タンクなどの自動車機器に連結するには、樹脂チューブの長さ方向端部にクイックコネクタを取り付けて配管用接続体を構成し、燃料タンク等に突設形成したパイプ体にこのクイックコネクタを嵌め付けることにより、配管用接続体をパイプ体に接続している。クイックコネクタは、長さ方向一方側にチューブ接続部を有し、長さ方向他方側にリテーナ保持部が設けられ、内周面に環状シール部材を備えたシール部が形成されているコネクタハウジングと、このコネクタハウジングのリテーナ保持部に取り付けられたリテーナと、を具備していて、樹脂チューブは、長さ方向端部の嵌め付け部がチューブ接続部の外周にきつく嵌め付けられることにより、クイックコネクタに接続される。チューブ接続部の外周面には、環状の抜け止め突部が形成されていて、抜け止め突部が樹脂チューブの嵌め付け部に食い込むように係合することにより、樹脂チューブはチューブ接続部に抜け止め状態で強固に接続されることとなる。
【0003】
クイックコネクタが接続されるパイプ体は、外周面に環状係合突部を有していて、この環状係合突部がリテーナと係合することにより、クイックコネクタとパイプ体とが接続される。環状係合突部がリテーナと係合するためには、環状係合突部が所定位置に到達するようにパイプ体がクイックコネクタに相対的に挿入されなければならない。環状係合突部が所定位置に到達する前に、パイプ体のクイックコネクタへの相対的な挿入作業を終了してしまうと、クイックコネクタがパイプ体に正常に接続されていないので、車両の振動などにより、クイックコネクタがパイプ体から抜ける方向にずれて、燃料などの内部流体が漏れ出てしまうおそれがある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、係合爪部を有する接続確認用のチェッカーを、リテーナ保持部に形成した係合窓にこの係合爪部が引き抜き方向に係合するように、リテーナ保持部に取り付けておくといったことが行われている。チェッカーの係合爪部は、パイプ体の環状係合突部が所定位置に到達し、リテーナと正常にスナップ係合したときに、この環状係合突部に押されて、係合窓への係合が解除されるように形成されている。したがって、環状係合突部が所定位置に達してパイプ体とクイックコネクタとが正常に接続されているときには、チェッカーの引っ張りリングを引っ張れば、チェッカーがリテーナ保持部から外れることとなる。反対に、環状係合突部が所定位置の手前までしか到達していないため、パイプ体とクイックコネクタとが正常に接続されていない場合には、チェッカーの引っ張りリングを引っ張っても、チェッカーはリテーナ保持部から外れない。このようにして、クイックコネクタとパイプ体との接続状態を正しく確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−344182号公報
【特許文献2】特開2003−254484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1や特許文献2に記載されたパイプ体の接続確認構造では、リテーナとチェッカーとを別部品として有しているので、部品点数が多くなっている。また、特許文献1や特許文献2のクイックコネクタでは、接続確認後にチェッカーが廃棄されるので、クイックコネクタをパイプ体から外し、再びパイプ体に接続する場合に、接続確認を行うことができない。さらに、特許文献1や特許文献2のクイックコネクタでは、接続確認時に、チェッカーをコネクタハウジングから引き抜くので、周辺機器との関係で、迅速な接続確認作業ができない場合がある。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点の少なくとも1つを解決するためのクイックコネクタ及び配管接続構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明のクイックコネクタは、長さ方向一方側にチューブ接続部を有し、長さ方向他方側にリテーナ保持部が設けられ、内周面に環状シール部材を備えたシール部が形成されているコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの前記リテーナ保持部に軸直角方向に差し込まれて取り付け位置に保持されたリテーナと、を具備し、外周面に環状係合突部が形成されたパイプ体が、前記コネクタハウジングのパイプ挿入孔内に相対的に又は所定位置まで相対的に挿入され、前記環状係合突部と前記リテーナとの係合により抜け止め状態で接続される、といったクイックコネクタであって、前記リテーナ保持部には、前記パイプ挿入孔に開口する係合窓が形成され、前記リテーナは、前記環状係合突部と抜け止め状態で係合するように形成された抜け止め部と、前記係合窓と係合して、前記リテーナの差し込み方向の移動を阻止し、前記リテーナを前記取り付け位置に保持する係合部と、を有し、前記係合部は、前記係合窓から前記パイプ挿入孔に入り込み、前記パイプ挿入孔内を相対的に進行する前記環状係合突部と当接する位置まで突出していて、前記リテーナの前記係合部は、前記環状係合突部が抜け止め係合位置又は所定位置に達したときに、前記環状係合突部に押されて、例えば変形し、前記係合窓との係合が解除されるように形成され、前記係合部と前記係合窓との係合が解除されてから、前記リテーナを軸直角方向に押し込むと、前記リテーナは確認固定位置まで移動し、前記抜け止め部が前記環状係合突部と抜け止め状態で係合するものである。リテーナは、係合部の係合窓との係合により、差し込み方向の移動が阻止されるので、リテーナを押し込もうとしても押し込むことができない。しかしながら、パイプ体がコネクタハウジング内に正規に挿入され、パイプ体の環状係合突部が抜け止め係合位置(抜け止め部と係合する位置)又は所定位置に達すると、パイプ体の環状係合突部に押されて係合部は例えば外側に変形移動し、係合部の係合窓との係合が解除される。そうすると、リテーナを軸直角方向にさらに押し込んで確認固定位置まで移動させることができる。そして、リテーナを確認固定位置まで移動させ、同時に、パイプ体が正常にクイックコネクタに接続されていることを確認する。リテーナを確認固定位置まで移動できなければ、パイプ体が正常にクイックコネクタに挿入されていないこととなる。リテーナが取り付け位置に保持されているとき、リテーナの径方向一方側は、リテーナ保持部の外周から突出している。なお、「長さ方向」及び「径方向」とは、コネクタハウジング又はリテーナ保持部の長さ方向・径方向を意味する。
【0009】
係合部を弾性脚部の先端部に形成しておけば、係合部の係合窓との係合及び係合の解除をスムーズに行うことができる。
【0010】
リテーナの抜け止め部は、リテーナが確認固定位置まで移動したときに、環状係合突部の長さ方向他方側でこの環状係合突部に隣接して、パイプ体にスナップ的に嵌る一対のクランプアーム又はC形クランプとすることができる。ここでは、簡単な構成で効果的な抜け止め部を構成できる。あるいは、リテーナの抜け止め部は、リテーナが確認固定位置まで移動したときに、環状係合突部の長さ方向他方側でこの環状係合突部に隣接して、パイプ体の外周に内端面が接触する確認抜け止め部とすることができる。確認抜け止め部は、所定の位置に達していない環状係合突部と干渉し、リテーナが確認固定位置に押し込まれるのを阻止する。
【0011】
リテーナが、確認固定位置では、リテーナ保持部の外周から突出しないように形成されていれば、接続確認がしやすいし、周辺機器との干渉も避けることができる。また、確認固定位置では、例えば、係合部がハウジング側と係合し、リテーナが確認固定位置から容易にずれないように構成されるが、弾性脚部を覆うカバー部を有していれば、弾性脚部に外力が作用し、その結果、係合部とハウジング側との係合が解除されるといったことが防止される。
【0012】
また、本発明の配管接続構造は、流体移送用の配管接続構造であって、請求項1乃至6のいずれかに記載のクイックコネクタと、前記クイックコネクタの前記チューブ接続部に嵌め付けられたチューブと、前記クイックコネクタに接続されたパイプ体と、を備え、前記リテーナは、前記リテーナ保持部に、確認固定位置で保持されていて、前記パイプ体は、前記環状係合突部が前記リテーナの前記抜け止め部と係合して前記クイックコネクタに接続されている、といったものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、接続確認機能を併せ持ったリテーナを有するクイックコネクタ及びこのようなクイックコネクタを用いた流体移送用の配管接続構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1のクイックコネクタの分解斜視図である。
【図2】第1のクイックコネクタのコネクタハウジングの断面図である。
【図3】第1のクイックコネクタのリテーナの斜視図である。
【図4】リテーナが取り付けられた第1のクイックコネクタの斜視図である。
【図5】リテーナが取り付けられた第1のクイックコネクタの断面図である。
【図6】リテーナが取り付けられた第1のクイックコネクタの別の断面図である。
【図7】第1のクイックコネクタをパイプ体に接続して本発明に係る第1の配管接続構造を構成する場合を説明するための図であり、パイプ体をコネクタハウジング内に正しく相対的に挿入した状態を示す図である。
【図8】第1のクイックコネクタをパイプ体に接続して本発明に係る第1の配管接続構造を構成する場合を説明するための図であり、リテーナとパイプ体の環状係合突部とが係合した状態(第1の配管接続構造)を示す図である。
【図9】第1の配管接続構造を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る第2のクイックコネクタの分解斜視図である。
【図11】第2のクイックコネクタのコネクタハウジングの断面図である。
【図12】第2のクイックコネクタのリテーナの斜視図である。
【図13】リテーナが取り付けられた第2のクイックコネクタの斜視図である。
【図14】リテーナが取り付けられた第2のクイックコネクタの断面図である。
【図15】リテーナが取り付けられた第2のクイックコネクタの別の断面図である。
【図16】第2のクイックコネクタをパイプ体に接続して本発明に係る第2の配管接続構造を構成する場合を説明するための図であり、パイプ体をコネクタハウジング内に正しく相対的に挿入した状態を示す図である。
【図17】第2のクイックコネクタをパイプ体に接続して本発明に係る第2の配管接続構造を構成する場合を説明するための図であり、リテーナとパイプ体の環状係合突部とが係合した状態(第2の配管接続構造)を示す図である。
【図18】第2の配管接続構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1乃至図6を参照して本発明に係る第1のクイックコネクタを説明する。
【0017】
第1のクイックコネクタ1は、例えばガラス繊維強化ポリアミド製である筒状のコネクタハウジング3と、コネクタハウジング3の長さ方向他端部に径方向外側から差し込まれた、例えばポリアミド製であるリテーナ5と、を備えていて、自動車のガソリン燃料配管を構成するために用いられるものである。コネクタハウジング3は、長さ方向一方側がチューブ接続部7、そして長さ方向他方側がパイプ挿入部9として形成され、パイプ挿入部9の外径は、長さ方向一方側から長さ方向中間、そして長さ方向他方側まで順次段階的に大径となっている。すなわち、パイプ挿入部9は、長さ方向一方側から長さ方向中間、そして長さ方向他方側まで順次段階的に太くなっている。
【0018】
チューブ接続部7は、長さ方向一端側から順に、長さ方向他方側に向かって拡径する第1の断面台形状部11、この第1の断面台形状部11の長さ方向他方側の第1の小径部13、この第1の小径部13の長さ方向他方側のフランジ状部15、このフランジ状部15の長さ方向他方側の第2の小径部17、この第2の小径部17の長さ方向他方側の第2の断面台形状部19及びこの第2の断面台形状部19の長さ方向他方側の円筒状部21を一体的に備えて形成され、内部をガソリン燃料流路(軸孔)23が貫通していて、このガソリン燃料流路23は、パイプ挿入部9の貫通孔(軸孔)25に連通している。また、第1の小径部13内にはゴム製の環状シール部材27が嵌められている。そして、このような構成のチューブ接続部7の外周に、樹脂チューブ29の長さ方向端部がきつく嵌め付けられて接続される(図9参照)。チューブ接続部7のフランジ状部15の長さ方向他端外周縁及び第2の断面台形状部19の長さ方向他端外周縁は、樹脂チューブ29に食い込んで樹脂チューブ29に対する抜け止めとして機能する。樹脂チューブ29は、例えば、燃料不透過性のバリア層を備えた積層構造体として形成されていて、長さ方向端縁部を拡径しやすくするために、長さ方向端縁部の外層は切り取られている(図9の符号31の個所参照)。
【0019】
パイプ挿入部9の長さ方向一方側は、パイプ体33の外径とほぼ等しい内径を有するように形成されていて、パイプ挿入部9の貫通孔25の長さ方向一方側は、パイプ挿入部9内に挿入されたパイプ体33の先端部を受け入れてガタがないように支持するパイプ支持部35を構成している。また、パイプ挿入部9の長さ方向中間は、パイプ体33よりも大径の内径を有するように形成され、例えばフッ素ゴム製の一対の環状シールリング37を収容していて、パイプ挿入部9の貫通孔25の長さ方向中間は、環状シールリング37を備えてシール部39を構成している。一対の環状シールリング37の間には、樹脂製のカラー41が配置されている。そして、パイプ挿入部9の内側の長さ方向中間と長さ方向他方側との境界位置、すなわち、パイプ挿入部9の貫通孔25の長さ方向中間と長さ方向他方側との境界位置には、樹脂製のブッシュ43が嵌め付けられていて、このブッシュ43の内径は、貫通孔25のパイプ支持部35の径と同一又はほぼ同一に設定されているが、ブッシュ43の内周の長さ方向他端部は、パイプ体33を挿入しやすくするために、長さ方向他方側に向かって拡径するように形成されている。
【0020】
パイプ挿入部9の長さ方向他方側はリテーナ保持部45を構成している。リテーナ保持部45は、長方形の径方向一方側の辺を径方向一方側に向けて円弧状に膨らむように湾曲させたような断面形状を有していて、長さ方向他端開口47から、コネクタハウジング3又はパイプ挿入部9の内側の貫通孔25内にパイプ体33を挿入できるように形成されている。リテーナ保持部45の貫通孔25は、パイプ体33の環状係合突部49よりも大径又は若干大径に形成されてパイプ抜け止め孔51を構成しているが、パイプ抜け止め孔51の長さ方向一方側にはブッシュ43が嵌め付けられていて、リテーナ保持部45のこのブッシュ43よりも長さ方向他方側には、リテーナ5を差し込むためのリテーナ取り付け部53が形成されている。
【0021】
リテーナ取り付け部53では、径方向一方側に、円弧状に湾曲したリテーナ保持部45の径方向一方側の外面(円弧状外面)55に沿って円弧状に湾曲する嵌め込み凹部57が形成され、この嵌め込み凹部57の両側からはそれぞれ、径方向他方側に開口する脚部収容孔59が延びていて、嵌め込み凹部57の幅方向中間部からは、パイプ抜け止め孔51に開口する第1の通過孔61が延びている。また、リテーナ保持部45(リテーナ取り付け部53)の円弧状外面55からは、嵌め込み凹部57の長さ方向他方側で、この嵌め込み凹部57及び第1の通過孔61に連続するように、長方形状の第2の通過孔63がパイプ抜け止め孔51に開口するように延びていて、この第2の通過孔63の幅は、第1の通過孔61の幅よりも狭く又は若干狭く形成されている。
【0022】
リテーナ取り付け部53では、嵌め込み凹部57及び脚部収容孔59の内側で、ガイド−固定構造が形成されている。ガイド−固定構造は、嵌め込み凹部57及び脚部収容孔59の境界位置に形成された、一対のガイド−ストッパ部65と、一対のガイド−ストッパ部65の径方向他方側に形成されたストッパ−固定部67と、を有している。それぞれのガイド−ストッパ部65とストッパ−固定部67との間には、パイプ抜け止め孔51内に臨む係合窓69が設けられている。ガイド−ストッパ部65は、内面71がパイプ抜け止め孔51の一部を構成し、外面73が内面71と同心的に形成されて湾曲するとともに、内側の側面75及び外側の側面77が、リテーナ5の差込方向に延びるように形成されていて、外面73及び外側の側面77がガイド面を構成し、外側の側面77と内面71との断面鋭角の尖った境界部分が引き抜き防止部(係合窓)79を構成している。
【0023】
ストッパ−固定部67は、連結支持部81と、この連結支持部81の径方向一方側に設けられた係合部分83と、を一体的に備えていて、係合部分83は、連結支持部81の両側に突出する突出部85を有している。係合部分83の内面87は、パイプ抜け止め孔51の一部を構成し、突出部85の外面89はそれぞれ、内面87と同心的に形成されて湾曲するが、外面89の外側部(幅方向外側部)では大径に、外面89の内側部(幅方向内側部)では小径に形成されて、内側部と外側部との間に固定段部91を有していて、突出部85の側面93は、リテーナ5の差込方向に延びるように形成されている。突出部85の側面93はガイド面を構成し、側面93と内面87との断面鋭角の尖った境界部分は、係合窓69を形成するように、ガイド−ストッパ部65の抜け止め部79と間隔を有して向かい合い、ストッパ部(係合窓)95を構成している。
【0024】
リテーナ5は、連結部97と、この連結部97の両端部にそれぞれ設けられた一対の弾性脚部99と、を備え、連結部97の内面の幅方向中間部かつ長さ方向他方側からは、確認抜け止め部101が径方向内側(径方向他方側)に延びていて、この確認抜け止め部101の内端面103は、パイプ体33の外周面と同一の曲率半径で湾曲している。確認抜け止め部101の内端部では、両側面にそれぞれ、パイプ体33の外周面を挟み付けることができるように、一対のクランプアーム105が設けられている。なお、連結部97の長さ方向他方側には、外面が連結部97の外面と同一の曲率半径で湾曲してこの連結部97の外面と連なり、確認抜け止め部101と同一の幅で径方向内側に延び、確認抜け止め部101と一体化される確認突出部107が形成されていて、確認突出部107の内端面108は、パイプ体33の外周面と同一の曲率半径で湾曲して確認抜け止め部101の内端面103を長さ方向他方側に延長している。
【0025】
リテーナ5の弾性脚部99は、連結部97の両端部から互いに平行に延びる本体部109と、この本体部109の先端部に、内側に突出するように設けられた係合部111と、から一体的に形成されている。本体部109の内面は、本体部109の延びる方向(リテーナ5の差込方向)に延びているが、係合部111の内面は、径方向他方側に向かって内側に傾斜して延びる傾斜面113と、この傾斜面113の内端から、幅方向内側に向かって突出する係合面115と、を有している。係合部111の底面117は、内側に向かって径方向一方側に湾曲して延びる湾曲面となっているが、係合部111の底面117と外面118との境界位置には係合凹部119が形成されている。なお、係合部111の長さ方向他方側面は、内側に向かって長さ方向一方側に傾斜している。
【0026】
このような形状のリテーナ5を、リテーナ取り付け部53に取り付けるには、係合部111側から、リテーナ5を嵌め込み凹部57内に差し込む。そうすると、係合部111の底面117が、ガイド−ストッパ部65の外面73にそれぞれ当接する。この状態で、さらにリテーナ5を押し込むと、係合部111がガイド−ストッパ部65の外面73上を、弾性脚部99を開くように変形させながら、外側にスライドする。そして、係合部111は、ガイド−ストッパ部65の外面73から外れ、ガイド−ストッパ部65の外側の側面77に沿って径方向他方側にスライドする。係合部111がガイド−ストッパ部65の外側の側面77から外れると、弾性脚部99の弾性復帰力により弾性脚部99が平行状態に戻って、係合部111は係合窓69内に入り込む(図6参照)。平行状態である弾性脚部99の本体部109の内面同士の間隔は、ガイド−ストッパ部65の外側の側面77同士の間隔とほぼ同一であり、本体部109は、例えば、ガイド−ストッパ部65を弱く挟み付ける。また、ここでは、クランプアーム105は第1の通過孔61内に入り込んでいる。第1の通過孔61は、一対のクランプアーム105の幅(最も広い幅)とほぼ等しい幅を有している。図6に示すリテーナ5の取り付け位置での取り付け状態(取り付け位置では、リテーナ5の連結部97側がリテーナ保持部45から突出している)では、係合部111の係合凹部119がストッパ−固定部67のストッパ部95に係合し、それ以上、リテーナ5を押し込めないようになっている。係合凹部119は幅方向外側にずれないようにストッパ部95と係合している。また、リテーナ5を引っ張っても、係合部111の係合面115がガイド−ストッパ部65の抜け止め部79に係合するので、リテーナ5を引き抜くことはできない。ここでは、係合部111の内端は、パイプ体33を通過させることができるように位置しているが、係合部111の間隔は、パイプ体33の環状係合突部49の外径よりも狭い。また、係合部111の内端面120は、係合窓69の長さ方向一端部に位置しているので、確認抜け止め部101よりも長さ方向一方側に位置している。
【0027】
図7及び図8はリテーナ5の操作態様を説明するための図である。
【0028】
パイプ体33は、環状係合突部49が確認抜け止め部101を通過するまで、すなわち、環状係合突部49が確認抜け止め部101とブッシュ43との間に位置するまで(この位置が抜け止め係合位置又は所定の位置)、リテーナ5が取り付けられたコネクタハウジング3内に挿入される(図5の仮想線で示すパイプ体33参照)。パイプ体33の環状係合突部49は、リテーナ取り付け部53に差し掛かると、リテーナ5の係合部111の長さ方向他方側面に当接し、係合部111を外側に押圧する。そして、環状係合突部49が確認抜け止め部101を通過し、抜け止め係合位置に達すると、係合部111は、係合凹部119がストッパ−固定部67のストッパ部95から外れるように、外側に移動する(図7参照)。ここでは、係合部111は、内端面120が環状係合突部49に載るように当接し、突出部85の側面93と同一又はほぼ同一の幅方向位置となるように、幅方向外側にずれた状態となる。そうすると、リテーナ5をさらに押し込むことができるが、リテーナ5をさらに押し込むと、リテーナ5の係合部111は、ストッパ−固定部67の突出部85の側面93に案内されて径方向他方側に移動する。そして、連結部97の内面が、ガイド−ストッパ部65の外面73に当接するまで、リテーナ45を押し込むことができるが、係合部111は、突出部85の側面93から外れると、弾性脚部99の弾性復帰力により、係合面115が突出部85の固定段部91と係合するまで、幅方向内側に移動する(図8)。なお、突出部85の側面93は、ガイド−ストッパ部65の外側の側面77よりも若干内側に位置しているが、側面93と側面77を同一の幅方向位置としておくこともできる。この確認固定状態では、リテーナ5の連結部97及び確認突出部107は、嵌め込み凹部57及び第2の通過孔63内に入り込みに、連結部97及び確認突出部107の外面が、リテーナ保持部45の外面55に沿って位置することとなる。また、係合部111の係合面115が突出部85の固定段部91と係合しているので、リテーナ5の抜き取り方向への移動が規制される。そして、確認抜け止め部101が、第1の通過孔61を通過し、内端面103をパイプ体33の外周面に接触させた状態で、環状係合突部49の長さ方向他方側に位置し、環状係合突部49と係合しているので、かつ、クランプアーム105が、環状係合突部49の長さ方向他方側に位置し、パイプ体33の外周を挟み付け、環状係合突部49と係合しているので、第1のクイックコネクタ1はパイプ体33に抜け止め状態で接続されて第1の配管接続構造を構成することとなる(図9参照)。
【0029】
ここで、パイプ体33が正常に第1のクイックコネクタ1に挿入されていないと、係合部111の係合凹部119がストッパ−固定部67のストッパ部95から外れない。また、確認抜け止め部101又は確認突出部107がパイプ体33の環状係合突部49と干渉する。したがって、リテーナ5を確認固定状態となるように押し込むことはできない。
【0030】
図10乃至図15を参照して本発明に係る第2のクイックコネクタを説明する
【0031】
第2のクイックコネクタ121は、第1のクイックコネクタ1のリテーナ保持部45及びリテーナ5の形状を変更したものであり、その他の構成は第1のクイックコネクタ1と同一であるので、概略的には、同一である部分は第1のクイックコネクタ1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
パイプ挿入部123(パイプ挿入部9とリテーナ保持部の形状が異なる)の長さ方向他方側のリテーナ保持部125は、長方形又は正方形の径方向一方側の辺を径方向一方側に向けて膨らむように円弧状に湾曲させ、径方向他端部の両側に長方形状の突出部を形成したような断面形状を有していて、長さ方向他端開口127から、コネクタハウジング3又はパイプ挿入部123の内側の貫通孔129(貫通孔25とリテーナ保持部個所の形状が異なる)内にパイプ体33を挿入できるように形成されている。リテーナ保持部125の貫通孔129は、パイプ体33の環状係合突部49よりも大径又は若干大径に形成されてパイプ抜け止め孔131を構成しているが、パイプ抜け止め孔131の長さ方向一方側にはブッシュ43が嵌め付けられていて、リテーナ保持部125のこのブッシュ43よりも長さ方向他方側には、リテーナ133を差し込むためのリテーナ取り付け部135が形成されている。
【0033】
リテーナ取り付け部135では、径方向一方側に、円弧状に湾曲したリテーナ保持部125の径方向一方側の外面(円弧状外面)137に沿って円弧状に湾曲する嵌め込み凹部139が形成され、この嵌め込み凹部139の両側からはそれぞれ、脚部収容凹部141が延びていて、この脚部収容凹部141の径方向他端からは、リテーナ保持部125の径方向他端部を貫通する脚部収容孔143が延びている。脚部収容凹部141と脚部収容孔143とは脚部収容部を形成する。嵌め込み凹部139の幅方向中間部からは、パイプ抜け止め孔131に開口する第1の通過孔145が延びている。また、リテーナ保持部125(リテーナ取り付け部135)の円弧状外面137からは、嵌め込み凹部139の長さ方向他方側で、この嵌め込み凹部139及び第1の通過孔145に連続するように、長方形状の第2の通過孔147がパイプ抜け止め孔131に開口するように延びていて、この第2の通過孔147の幅は、第1の通過孔145の幅よりも狭く又は若干狭く形成されている。
【0034】
リテーナ取り付け部135では、嵌め込み凹部139及び脚部収容部の内側で、ガイド−固定構造が形成されている。ガイド−固定構造は、嵌め込み凹部139及び脚部収容凹部141の境界位置に形成された、一対のガイド−ストッパ部149と、一対のガイド−ストッパ部149の径方向他方側に形成されたストッパ−固定部151と、を有している。それぞれのガイド−ストッパ部149とストッパ−固定部151との間には、パイプ抜け止め孔131内に臨む係合窓153が設けられている。ガイド−ストッパ部149は、内面155がパイプ抜け止め孔131の一部を構成し、外面157が内面155と同心的に形成されて湾曲するとともに、内側の側面159及び外側の側面161が、リテーナ133の差込方向に延びるように形成されていて、外面157及び外側の側面161がガイド面を構成し、外側の側面161と内面155との断面鋭角の尖った境界部分が引き抜き防止部163を構成している。
【0035】
ストッパ−固定部151は、連結支持部165と、この連結支持部165の径方向一方側に設けられた係合部分167と、を一体的に備えていて、係合部分167は、連結支持部165の両側に突出する突出部169を有している。係合部分167の内面171は、パイプ抜け止め孔131の一部を構成し、突出部169の外面173はそれぞれ、幅方向外側に、幅方向外側に向かって径方向他方側に若干傾斜する固定部175を有していて、突出部169の側面177は、リテーナ133の差込方向に延びるように形成されている。突出部169の側面177はガイド面を構成し、側面177と内面171との断面鋭角の尖った境界部分は、係合窓153を形成するように、ガイド−ストッパ部149の抜け止め部163と間隔を有して向かい合い、ストッパ部(係合窓)179を構成している。
【0036】
リテーナ133は、カバー部183と、このカバー部183の内面の幅方向中間から径方向他方側に突出して延びる確認抜け止め部185と、この確認抜け止め部185の両側で、カバー部183の内面から径方向他方側に延びる一対の弾性脚部187と、を備え、カバー部183は、リテーナ保持部125の円弧状に湾曲する外面137に被さるように湾曲した湾曲部188と、リテーナ保持部125の径方向一方側の側面に被さるように、この湾曲部188の両端部から径方向他方側に延びる側部189と、を一体的に有している。弾性脚部187は、長さ方向一端がカバー部183の長さ方向一端とほぼ一致するようにして(長さ方向一端がカバー部83の長さ方向一端よりも若干長さ方向他方側に位置するようにして)形成されているが、確認抜け止め部185は、長さ方向一端がカバー部183の長さ方向一端よりも長さ方向他方側に位置するように形成されている。また、カバー部183の内面には、それぞれの弾性脚部187の付け根部と確認抜け止め部185との間で、嵌め込み突条191が設けられている(嵌め込み突条191は、確認抜け止め部85の長さ方向一方側では、弾性脚部187の一方の付け根部から他方の付け根部に至るまで形成されている)。確認抜け止め部185の内端面193は、パイプ体33の外周面と同一の曲率半径で湾曲し、また、確認抜け止め部185の内端部では、両側面にそれぞれ、パイプ体33の外周面を挟み付けることができるように、長さ方向一端部で、一対のクランプアーム195が設けられている。
【0037】
リテーナ133の弾性脚部187は、確認抜け止め部185とカバー部183の側部189との間で、カバー部183の湾曲部188の内面から互いに平行に延びる本体部197と、この本体部197の先端部に、内側に突出するように設けられた係合部199と、から一体的に形成されている。本体部197の内面は、弾性脚部187の延びる方向(リテーナ133の差込方向)に延びているが、係合部199側が付け根側よりも内側に位置していて(本体部197は係合部199側が付け根側よりも内側に厚く形成されている)、係合部199側と付け根側との間に係合段部201を有している。係合部199の内面(径方向一方側面)は、内側に向かって径方向一方側に傾斜して突出する係合面203となっている。また、係合部199の底面(径方向他方側面)205は、幅方向に延びるフラットな面であり、内側の側面206は、内側に向かって径方向一方側に湾曲して延びる湾曲面となっているが、底面205と側面206との境界位置には、係合段部207が形成されている。係合部199の長さ方向他方側面は、内側に向かって長さ方向一方側に傾斜している。
【0038】
このような形状のリテーナ133を、リテーナ取り付け部135に取り付けるには、係合部199側から、リテーナ133を嵌め込み凹部139内に差し込む。そうすると、係合部199の内側の側面206が、ガイド−ストッパ部149の外面157にそれぞれ当接する。この状態で、さらにリテーナ133を押し込むと、係合部199がガイド−ストッパ部149の外面157上を、弾性脚部187を開くように変形させながら、外側にスライドする。そして、係合部199は、ガイド−ストッパ部149の外面157から外れ、ガイド−ストッパ部149の外側の側面161に沿って径方向他方側にスライドする。係合部199がガイド−ストッパ部149の外側の側面161から外れると、弾性脚部187の弾性復帰力により弾性脚部187が平行状態に戻って、係合部199は係合窓153内に入り込む(図15参照)。平行状態である弾性脚部187の本体部197の内面同士の間隔は、ガイド−ストッパ部149の外側の側面161同士の間隔とほぼ同一であり、本体部197は、例えば、ガイド−ストッパ部149を弱く挟み付ける。また、ここでは、クランプアーム195は第1の通過孔145内に入り込んでいる。第1の通過孔145は、一対のクランプアーム195の幅(最も広い幅)とほぼ等しい幅を有している。図15に示すリテーナ133の取り付け位置での取り付け状態(リテーナ133のカバー部183がリテーナ保持部125の外面137から浮き上がっている状態)では、係合部199の係合段部207がストッパ−固定部151のストッパ部179に係合し、それ以上、リテーナ133を押し込めないようになっている。係合段部207は幅方向外側にずれないようにストッパ部179と係合している。また、リテーナ133を引っ張っても、弾性脚部187の係合段部201が、ガイド−ストッパ部149の引き抜き防止部163に係合しているので、リテーナ133の引き抜きは規制される。ここでは、係合部199の内端は、パイプ体33を通過させることができるように位置しているが、係合部199の間隔は、パイプ体33の環状係合突部49の外径よりも狭い。また、係合部199の内端面208は、係合窓153の長さ方向一端部に位置しているので、確認抜け止め部185よりも長さ方向一方側に位置している。
【0039】
図16及び図17はリテーナ133の操作態様を説明するための図である。
【0040】
パイプ体33は、環状係合突部49が確認抜け止め部185を通過するまで、すなわち、環状係合突部49が確認抜け止め部185とブッシュ43との間に位置するまで(この位置が抜け止め係合位置又は所定の位置)、リテーナ133が取り付けられたコネクタハウジング3内に挿入される(図14の仮想線で示すパイプ体33参照)。パイプ体33の環状係合突部49は、リテーナ取り付け部135に差し掛かると、リテーナ133の係合部199の長さ方向他方側面に当接し、係合部199を外側に押圧する。そして、環状係合突部49が確認抜け止め部185を通過すると、係合部199は、係合段部207がストッパ−固定部151のストッパ部179から外れるように、外側に移動する(図16)。ここでは、係合部199は、内端面208が環状係合突部49に載るように当接し、突出部169の側面177と同一又はほぼ同一の幅方向位置となるように、幅方向外側にずれた状態となる。そうすると、リテーナ133をさらに押し込むことができるが、リテーナ133をさらに押し込むと、リテーナ133の係合部199は、ストッパ−固定部151の突出部169の側面177に案内されて径方向他方側に移動する。そして、嵌め込み突条91の内面が、ガイド−ストッパ部149の外面157に当接するまで、リテーナ133を押し込むことができるが、係合部199は、突出部169の側面177から外れると、弾性脚部187の弾性復帰力により、係合面203が突出部169の固定部175と係合するまで、幅方向内側に移動する(図17)。この確認固定状態では、リテーナ133の確認抜け止め部185が、第1の通過孔145及び第2の通過孔147内に入り込みに、かつ、嵌め込み突条191が嵌め込み凹部139内に嵌まり込み、リテーナ133のカバー部183が、リテーナ保持部125の外面に沿って位置することとなる。また、係合部199の係合面203が突出部169の固定部175と係合しているので、リテーナ133の抜き取り方向への移動が規制される。そして、確認抜け止め部185が、内端面193をパイプ体33の外周面に接触させた状態で、環状係合突部49の長さ方向他方側に位置し、環状係合突部49と係合しているので、かつ、クランプアーム195が、環状係合突部49の長さ方向他方側に位置し、パイプ体33の外周を挟み付け、環状係合突部49と係合しているので、第2のクイックコネクタ121はパイプ体33に抜け止め状態で接続されて第2の配管接続構造を構成している(図18参照)。
【0041】
ここで、パイプ体33が正常にクイックコネクタ121に挿入されていないと、係合部199の係合段部207がストッパ−固定部151のストッパ部179から外れない。また、確認抜け止め部185がパイプ体33の環状係合突部49と干渉する。したがって、リテーナ133を確認固定状態となるように押し込むことはできない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のクイックコネクタ及び配管接続構造は、自動車配管などに利用して、パイプ体とクイックコネクタとの接続不良の発生を効果的に防止できる。
【符号の説明】
【0043】
1、121 クイックコネクタ
3 コネクタハウジング
5、133 リテーナ
9 チューブ接続部
33 パイプ体
45、125 リテーナ保持部
49 環状係合突部
69、153 係合窓
111、199 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向一方側にチューブ接続部を有し、長さ方向他方側にリテーナ保持部が設けられ、内周面に環状シール部材を備えたシール部が形成されているコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの前記リテーナ保持部に軸直角方向に差し込まれて取り付け位置に保持されたリテーナと、を具備し、外周面に環状係合突部が形成されたパイプ体が、前記コネクタハウジングのパイプ挿入孔内に相対的に挿入され、前記環状係合突部と前記リテーナとの係合により抜け止め状態で接続される、といったクイックコネクタであって、
前記リテーナ保持部には、前記パイプ挿入孔に開口する係合窓が形成され、
前記リテーナは、前記環状係合突部と抜け止め状態で係合するように形成された抜け止め部と、前記係合窓と係合して、前記リテーナの差し込み方向の移動を阻止し、前記リテーナを前記取り付け位置に保持する係合部と、を有し、前記係合部は、前記係合窓から前記パイプ挿入孔に入り込み、前記パイプ挿入孔内を相対的に進行する前記環状係合突部と当接する位置まで突出していて、
前記リテーナの前記係合部は、前記環状係合突部が抜け止め係合位置に達したときに、前記環状係合突部に押されて前記係合窓との係合が解除されるように形成され、
前記係合部と前記係合窓との係合が解除されてから、前記リテーナを軸直角方向に押し込むと、前記リテーナは確認固定位置まで移動し、前記抜け止め部が前記環状係合突部と抜け止め状態で係合する、ことを特徴とするクイックコネクタ。
【請求項2】
前記係合部は弾性脚部の先端部に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載のクイックコネクタ。
【請求項3】
前記リテーナの前記抜け止め部は、前記リテーナが確認固定位置まで移動したときに、前記環状係合突部の長さ方向他方側でこの環状係合突部に隣接して、前記パイプ体にスナップ的に嵌る一対のクランプアーム又はC形クランプである、ことを特徴とする請求項1又は2記載のクイックコネクタ。
【請求項4】
前記リテーナの前記抜け止め部は、前記リテーナが確認固定位置まで移動したときに、前記環状係合突部の長さ方向他方側でこの環状係合突部に隣接して、前記パイプ体の外周に内端面が接触する確認抜け止め部である、ことを特徴とする請求項1又は2記載のクイックコネクタ。
【請求項5】
前記リテーナは、前記確認固定位置では、前記リテーナ保持部の外周から突出しないように形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のクイックコネクタ。
【請求項6】
前記リテーナは、前記弾性脚部を覆うカバー部を有している、ことを特徴とする請求項2記載のクイックコネクタ。
【請求項7】
流体移送用の配管接続構造であって、
請求項1乃至6のいずれかに記載のクイックコネクタと、
前記クイックコネクタの前記チューブ接続部に嵌め付けられたチューブと、
前記クイックコネクタに接続されたパイプ体と、を備え、
前記リテーナは、前記リテーナ保持部に、確認固定位置で保持されていて、
前記パイプ体は、前記環状係合突部が前記リテーナの前記抜け止め部と係合して前記クイックコネクタに接続されている、ことを特徴とする配管接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−270867(P2010−270867A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124648(P2009−124648)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】