説明

クッションクリップ

【課題】クッション部とねじきり部とを一体的に備え、ねじきり部の強度を向上させて撓み難くし、ストッパーの役割を満たすことのできるクッションクリップを提供する。
【解決手段】クッションクリップ10は、衝撃を吸収するクッション部12と取付孔の周縁部に螺合する雄ネジ22が形成されたねじきり部20とを備え、クッション部12は衝撃を吸収することができる撓みやすい材料で形成され、ねじきり部20はクッション部12よりも剛性が高く撓み難い材料で形成され、クッション部12とねじきり部20は一体化された構造とされている。そして、ねじきり部20の取付孔の周縁部に対する螺合回転により、クッション部12の取付孔に対する相対高さ変位が可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はクッションクリップに関する。具体的には、車体等の固定部材とエンジンフード等の開閉蓋のうち少なくとも一方に設けられている取付孔に対して取付けられ、固定部材と開閉蓋との間に位置して、開閉蓋を閉めた際の衝撃を吸収するクッションクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンフード等の開閉蓋を閉めた際の衝撃を吸収するクッションクリップには、衝撃を吸収するクッション部とクッションクリップを車体に設けられた取付孔に係止させる取付け部を備えたものがある。
特開2001−233250号公報(特許文献1)には、ゴム等の弾性材料により略円柱状に形成されたクッション材の外周に対して、取付孔の周縁部に螺合する螺旋溝が形成されたクッション材が記載されている。
【0003】
図7に特許文献1に記載されたクッション材とほぼ同一の構成のクッション材113とその取付孔112が設けられた車体105の外観斜視図を示す。取付孔112は車体105の板状部111に形成されており、クッション材113は天然ゴムまたは合成樹脂製ゴムで構成された略円柱状の部材であって、周囲に取付孔112の周縁部114と螺合状態にはまり合う螺合溝115が形成されている。そして、クッション材113の螺合溝115を取付孔112の周縁部114に螺合させて、クッション材113が車体105に取付けられる。
クッション材113は螺合回転により取付孔112からの相対高さ変位が可能であるため、車体105とエンジンフード等の開閉蓋との距離にばらつきがあっても容易に対応させることができる。そして、クッション材113によってエンジンフード等が閉じられた時の衝撃を吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−233250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のクッション材113のような天然ゴムや合成樹脂製ゴム等による単色成形品に螺合溝を形成してねじきり部としたクッションクリップでは、ねじきり部の剛性が低く、ねじきり部が必要以上に撓んでしまうため、所定の反発力を得られず、ストッパーとしての役割を満たさないことがある。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、クッション部とねじきり部とを一体的に備え、ねじきり部の強度を向上させて撓み難くし、ストッパーの役割を満たすことのできるクッションクリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明にかかるクッションクリップは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、車体等の固定部材とエンジンフード等の開閉蓋のうち少なくとも一方に設けられている取付孔に対して取付けられ、前記固定部材と前記開閉蓋との間に位置して、前記開閉蓋を閉めた際の衝撃を吸収するクッションクリップであって、
衝撃を吸収するクッション部と前記取付孔の周縁部に螺合する雄ネジが形成されたねじきり部とを備え、前記クッション部は衝撃を吸収することができる撓みやすい材料で形成され、前記ねじきり部は該クッション部よりも剛性が高く撓み難い材料で形成され、該クッション部と該ねじきり部は一体化された構造とされており、
前記ねじきり部の前記取付孔の周縁部に対する螺合回転により、前記クッション部の該取付孔に対する相対高さ変位が可能とされている。
【0008】
この第1の発明によれば、クッションクリップは衝撃を吸収するクッション部と取付孔の周辺部に螺合する雄ネジが形成されたねじきり部とを備え、クッション部は衝撃を吸収することができる撓みやすい材料で形成され、ねじきり部はクッション部よりも剛性が高く撓み難い材料で形成され、クッション部とねじきり部は一体化された構成とされている。そのため、クッション部では所定の反発力を得ることができ、ねじきり部はほとんど変形することがない。
よって、この第1の発明によれば、クッション部とねじきり部とを一体的に備え、ねじきり部の強度を向上させて撓み難くし、ストッパーの役割を満たすことのできるクッションクリップを提供することができる。
【0009】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係るクッションクリップであって、
前記クッション部は軟質材で形成され、前記ねじきり部は硬質樹脂材で形成され、該クッション部と該ねじきり部が2色成形により一体化されている。
この第2の発明によれば、クッション部はエラストマ等の軟質材で形成されているため撓みやすく、所定の反発力を得ることができ、ねじきり部はポロプロピレン(PP)等の硬質樹脂材で形成されているため剛性が高く、ほとんど撓むことがない。そして、クッションクリップ全体をエラストマ等の軟質材で形成する場合に比べて、ねじきり部にPP等の硬質樹脂材を使用することで、材料費のコストダウンをはかることができる。また、クッション部とねじきり部が2色成形により一体化されているため、クッション部とねじきり部の結合が強固であって一体化の構造が安定しており、取り扱いが容易である。
【0010】
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係るクッションクリップであって、前記ねじきり部のねじ山は該ねじ山の側面に前記取付孔の周縁部の先端が干渉する寸法形状とされている。
この第3の発明によれば、クッションクリップを取付孔が形成された相手物に組み付ける時、ねじきり部のねじ山の側面に取付孔の周縁部の先端が干渉する。そのため、組み付けに適度の抵抗があり、組み付け荷重が高すぎず、またガタツキが生じない状態で組み付けることができるので、組み付け時のフィーリングを向上させることができる。そして、組付け後はクッションクリップのねじきり部が取付孔に対して接触した状態となるため、車両の振動により、クッションクリップががたついて異音が発生したり、クッションクリップが回転して高さが変わってしまうことがない。
【0011】
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明ないし第3の発明のいずれかの発明に係るクッションクリップであって、前記ねじきり部の隣接するネジ山の間のネジ溝に、ねじ切ることのできる板状の基準面が形成されている。
この第4の発明によれば、クッションクリップのねじきり部を取付孔の周縁部に螺合させて取付孔にねじ込んでいく途中で、取付孔の周縁部にねじきり部の基準面が当たった所でねじ込みの抵抗が急に変わるため、ねじ込み作業が基準面の位置まで進んだことを認識できるので、クッションクリップの取付孔からの相対高さを揃えることが容易である。
【0012】
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明ないし第4の発明のいずれかの発明に係るクッションクリップであって、前記クッション部に径方向外方に突き出したリップが形成されている。
この第5の発明によれば、取付孔が設けられた部材を他の部材が覆う構成で、他の部材に孔を空けてクッションクリップのクリップ部を露出させるときに、リップにより、他の部材の穴の回りを目隠しすることができる。
【発明の効果】
【0013】
上述の本発明の各発明によれば、次の効果が得られる。
まず、上述の第1の発明によれば、クッション部では所定の反発力を得ることができ、ねじきり部はほとんど変形することがない。よって、この第1の発明によれば、ねじきり部の強度を向上させて撓み難くし、ストッパーの役割を果たすことのできるクッションクリップを提供することができる。
次に上述の第2の発明によれば、クッション部はエラストマ等の軟質材で形成されているため所定の反発力を得ることができ、ねじきり部はPP等の硬質樹脂材で形成されているためほとんど撓むことがない。そして、クッションクリップ全体をエラストマ等の軟質材で形成する場合に比べて、ねじきり部にPP等の硬質樹脂材を使用することで、材料費のコストダウンをはかることができる。
次に上述の第3の発明によれば、組み付けに適度の抵抗があり、組み付け荷重が高すぎず、またガタツキが生じない状態で組み付けることができるので、組み付け時のフィーリングを向上させることができる。そして、組付け後は、車両の振動により、クッションクリップががたついて異音が発生したり、クッションクリップが回転して高さが変わってしまうことがない。
次に上述の第4の発明によれば、取付孔の周縁部にねじきり部の基準面が当たった所でねじ込みの抵抗が急に変わるため、ねじ込み作業が基準面の位置まで進んだことを認識できるので、クッションクリップの取付孔からの相対高さを揃えることが容易である。
次に上述の第5の発明によれば、取付孔が設けられた部材を他の部材が覆う構成で、他の部材に孔を空けてクッションクリップのクリップ部を露出させるときに、リップにより、他の部材の穴の回りを目隠しすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施例におけるクッションクリップの外観斜視図である。
【図2】一実施例における取付孔の外観斜視図である。
【図3】一実施例においてクッションクリップを取付孔に取付けた状態の外観斜視図である。
【図4】図3のA−A位置における断面図である。
【図5】一実施例におけるクッションクリップのクッション部のリップの役割を説明する図である。
【図6】変形実施例におけるクッションクリップと対応する取付け治具の外観斜視図である。
【図7】従来技術によるクッションクリップとその取付孔が設けられた車体の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例にしたがって説明する。
【0016】
図1に、本発明の一実施例におけるクッションクリップ10の外観斜視図を示す。そして、図2に、クッションクリップ10を取付ける取付孔32が設けられた固定部材30の取付孔32の部分の外観斜視図を示す。
クッションクリップ10は、車体等の固定部材30設けられた取付孔32に対して取付けられ、固定部材30とエンジンフード等の開閉蓋の間に位置して、開閉蓋を閉めた際の衝撃を吸収するクリップである。クッションクリップ10は、固定部材30に取付孔32を設けて固定部材30に取付けることができるとともに、開閉蓋に取付孔を設けて開閉蓋に取り付けることもできる。また、固定部材30と開閉蓋の双方の異なる位置にそれぞれ取付孔を設けて、クッションクリップ10を固定部材30と開閉蓋の双方に取付けることもできる。そして、車体等の固定部材30と開閉蓋の間に位置するクッションクリップ10により、開閉蓋を閉めた際の衝撃を吸収することができるものである。
一実施例では、クッションクリップ10を車体の固定部材30に設けられた取付孔32に取付ける場合について説明する。なお、固定部材30は金属製である。
【0017】
まず、クッションクリップ10の構成について説明する。図1に示すとおり、クッションクリップ10は、衝撃を吸収するクッション部12と固定部材30(図2参照)に形成された取付孔32(図2参照)の周縁部34(図2参照)に螺合する雄ネジ22が形成されたねじきり部20とを備えている。そして、クッションクリップ10のクッション部12は衝撃を吸収することのできる撓みやすい材料であるエラストマで形成され、ねじきり部20はクッション部12よりも剛性が高くたわみ難い材料であるポリプロピレン(以下単にPPと称す)で形成されている。そして、クッションクリップ10はクッション部12とねじきり部20が2色成形により一体化されて形成されている。
【0018】
そして、図2に示すとおり、取付孔32の周縁部34には一箇所に切り欠き部36が形成され、切り欠き部36により周縁部34が分断されている。そして、分断された周縁部34の周方向の端部35A、35Bは、固定部材30の上下方向に開いた構成とされており、上方の端部35Aから下方の端部35Bに向かって、周縁部34の高さが取付孔32の周に沿って徐々に低くなる構成とされている。すなわち、取付孔32の周縁部34が雌ネジのネジ山の一ピッチ分に相当する構成とされ、取付孔32の周縁部34の上下の空間が雌ネジのネジ溝に相当する構成とされている。
【0019】
ここで、図1に戻って、クッションクリップ10の詳細な構造について説明する。図1に示すとおり、クッションクリップ10のねじきり部20には約2ピッチ分の雄ネジ22が形成されており、ネジ山23の周方向の始点25ではネジ山23の上側が面取りされている。そして、ネジ溝24の終端にはネジ溝24を塞ぐ態様でストッパ29が形成されている。そして、ストッパ29が形成された位置から3分の1ピッチ手前のネジ溝24には、ネジ溝24を遮る態様で板状の基準面28が形成されている。
そして、ねじきり部20の雄ネジ22はネジ山23の外径側の幅が狭く内径側の幅が広い台形状とされており、ネジ溝24はその逆の形状となっている。そして、ネジ山23の頂上部におけるネジ溝24の間隔は、図2に示した固定部材30の取付孔32の周縁部34の板厚よりも大きく設定されており、取付孔32の孔径に相当する径方向位置におけるネジ溝24の間隔は取付孔32の周縁部34の板厚よりも少し小さく設定されている。
そして、クッションクリップ10のクッション部12の下方の端には径方向外方に突き出した円板状のリップ14が形成されている。
【0020】
次に、図1及び図2を参照しながら、クッションクリップ10を固定部材30の取付孔32に取付ける手順について説明する。まず、クッションクリップ10のねじきり部20のネジ山23の始点25を固定部材30の取付孔32の周縁部34に形成された切り欠き部36に合わせて配置する。そして、ネジ山23の始点25が取付孔32の周縁部34の端部35Aの下側に送り込まれるようにクッションクリップ10を回転させて取付孔32の周縁部34とねじきり部20のネジ山23を螺合させる。そして、クッションクリップ10をさらに回転させてねじきり部20を取付孔32にねじ込んでいく。
【0021】
そして、クッションクリップ10のねじきり部20のネジ山23を取付孔32の周縁部34に螺合させてねじ込んでいく途中で、取付孔32の周縁部34の端部35Aにねじきり部20の基準面28が当たるとねじ込みの抵抗が急に変わるため、ねじ込み作業が基準面28の位置まで進んだことを認識できる。図3に、クッションクリップ10のねじきり部20を固定部材30の取付孔32の周縁部34に螺合させて、周縁部34の周方向の端部35Aがねじきり部20の基準面28に当たるまでねじ込んだ状態の外観斜視図を示す。
【0022】
図4(A)に、図3のA−A位置における軸方向断面図を、図4(B)に、図4(A)のBで示した部分の拡大図を示す。図4(B)に示すとおり、ネジ山23の頂上部におけるネジ溝24の間隔は取付孔32の周縁部34の板厚よりも大きく、取付孔32の孔径に相当する径方向位置におけるネジ溝24の間隔は取付孔32の周縁部34の板厚よりも少し小さく設定されている。そのため、取付孔32の周縁部34の先端38がネジ山23の側面26に対して線接触の干渉状態となる。
【0023】
上述の一実施例によれば、クッションクリップ10のクッション部12はエラストマで形成されているので撓みやすいので、所定の反発力を得ることができる。そして、ねじきり部20はPPで形成されているため剛性が高いので、クッション部12と取付孔32の高さ調整によりねじきり部20が取付孔32の上方に出ている場合であっても、ねじきり部20はほとんど変形することがない。よって、上述の一実施例によれば、クッション部とねじきり部を一体的に備え、ねじきり部の強度を向上させて撓み難くし、ストッパーの役割満たすことのできるクッションクリップを提供することができる。
【0024】
そして、クッションクリップ10全体をエラストマで形成する場合に比べて、ねじきり部20にPPを使用することで、材料費のコストダウンをはかることができる。また、クッション部12とねじきり部20が2色成形により一体化されているため、クッション部12とねじきり部20の結合が強固であって一体化の構造が安定しており、クッションクリップ10の取り扱いが容易である。
【0025】
そして、取付孔32の周縁部34にねじきり部20の雄ネジ22を螺合させた状態では、取付孔32の周縁部34の先端38がネジ山23の側面26に線接触の干渉状態となるため、クッションクリップ10の組み付けに適度の抵抗があり、組み付け荷重が高すぎず、またガタツキが生じない状態で組み付けることができるので、組み付け時のフィーリングを向上させることができる。そして、組付け後はクッションクリップ10のねじきり部20のネジ山23の側面26が取付孔32の周縁部34の両側に対して接触した状態となるため、車両の振動により、クッションクリップ10ががたついて異音が発生したり、クッションクリップ10が回転して高さが変わってしまうことがない。
【0026】
そして、基準面28を設けたことにより、取付孔32の周縁部34の端部35Aにねじきり部20の基準面28が当たるとねじ込みの抵抗が急に変わるため、クッションクリップ10の取付孔32からの相対高さを所定の高さに揃えることが容易である。そして、開閉蓋と固定部材30の間隔が所定の間隔よりも広い場合はクッションクリップ10をネジ戻し、開閉蓋と固定部材30の間隔が所定の間隔よりも狭い場合は基準面28をねじ切ってクッションクリップ10をさらに取付孔32にねじ込んで、クッションクリップ10の取付孔32からの相対高さを調整することができる。
【0027】
上述の一実施例では、車体等の固定部材と開閉蓋の間で衝撃を吸収するクッションクリップについて説明したが、車体等の部位によっては、固定部材と開閉蓋との間に、固定部材の表面を覆う態様の別部材が介在することがある。図5に、固定部材30と開閉蓋の間に固定部材30の表面を覆う態様の覆い部材40が介在する場合のクッションクリップ10の取付け例を示す。
クッションクリップ10は覆い部材40に形成された穴42に挿入され、クッションクリップ10を覆い部材40の下部にある固定部材30に形成された取付孔32に取付られる。そして、図5に示すように、クッションクリップ10のリップ14は覆い部材40の穴42と固定部材30の間に位置し、クッションクリップ10のクッション部12が覆い部材40の穴42から突き出した状態となる。このとき、クッション部12に形成されたリップ14は、覆い部材40の穴42の回りから固定部材30側の車体等の内部が見えてしまうのを目隠しする役割を果たす。
【0028】
なお、上述の一実施例では、クッション部12はエラストマで形成したが、クッション部12を形成する材料はエラストマに限られない。クッション部12には、常温で弾性を有する各種の合成樹脂やゴム類を用いることができる。また、ねじきり部20はPPで形成したが、ねじきり部20を形成する材料はPPに限られない。ねじきり部20は剛性が高く変形しにくい各種の合成樹脂、例えばポリアセタールを用いることができる。
また、上述の一実施例ではクッション部12とねじきり部20を2色成形により一体化しているが、インサート成形により一体化しても良い。
【0029】
上述の実施例では、クッションクリップ10の取付孔32への取付けは手作業によって行っているが、クッション部12を変形して、治具を使用して取付けを行うこともできる。図6(A)に、クッション部12Aに治具50に形成された突起部52を係合させる溝16を設けたクッションクリップ10Aと治具50の外観斜視図を示す。そして、図6(B)に、クッション部12Bに六角レンチ60の棒状部62を挿入する六角穴18を設けたクッションクリップ10Bと六角レンチ60の外観斜視図を示す。
その他、本発明に係るクッションクリップはその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
【符号の説明】
【0030】
10、10A、10B クッションクリップ
12、12A、12B クッション部
14 リップ
16 溝
18 六角穴
20 ねじきり部
22 雄ネジ
23 ネジ山
24 ネジ溝
25 始点
26 側面
28 基準面
29 ストッパ
30 固定部材
32 取付孔
34 周縁部
35A、35B 端部
36 切り欠き部
38 先端
40 覆い部材
42 穴
50 治具
52 突起部
60 六角レンチ
62 棒状部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体等の固定部材とエンジンフード等の開閉蓋のうち少なくとも一方に設けられている取付孔に対して取付けられ、前記固定部材と前記開閉蓋との間に位置して、前記開閉蓋を閉めた際の衝撃を吸収するクッションクリップであって、
衝撃を吸収するクッション部と前記取付孔の周縁部に螺合する雄ネジが形成されたねじきり部とを備え、前記クッション部は衝撃を吸収することができる撓みやすい材料で形成され、前記ねじきり部は該クッション部よりも剛性が高く撓み難い材料で形成され、該クッション部と該ねじきり部が一体化された構造とされており、
前記ねじきり部の前記取付孔の周縁部に対する螺合回転により、前記クッション部の該取付孔に対する相対高さ変位が可能とされているクッションクリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のクッションクリップであって、
前記クッション部は軟質材で形成され、前記ねじきり部は硬質樹脂材で形成され、該クッション部と該ねじきり部が2色成形により一体化されているクッションクリップ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のクッションクリップであって、
前記ねじきり部のねじ山は該ねじ山の側面に前記取付孔の周縁部の先端が干渉する寸法形状とされているクッションクリップ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載のクッションクリップであって、
前記ねじきり部のネジ溝に、ねじ切ることのできる板状の基準面が形成されているクッションクリップ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載のクッションクリップであって、
前記クッション部に径方向外方に突き出したリップが形成されているクッションクリップ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−63157(P2011−63157A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216830(P2009−216830)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(308011351)大和化成工業株式会社 (66)
【Fターム(参考)】