説明

クライオポンプおよび冷凍機

【課題】クライオポンプおよび冷凍機において、各冷却ステージの冷却温度を制御する。
【解決手段】クライオポンプにおいて、冷凍機は、直列に連結された第1シリンダ及び第2シリンダと、第1冷却ステージと、第2冷却ステージと、を含み、周期的に第1シリンダ及び第2シリンダの内部に作動気体を吸入して膨張させて外部に排気することにより第1冷却ステージを第1の冷却温度に冷却し、第2冷却ステージを第2の冷却温度に冷却する。制御部は、第1の冷却温度を目標温度に維持するように冷凍機への作動気体の吸排気周期を制御する。放射シールドは、ポンプ容器の内面に対向する外面を有するシールド基材と、吸排気周期を短くして第2の冷却温度を要求冷却温度よりも低温とするようにシールド基材よりも高い放射率を有する材料でシールド基材の外表面の少なくとも一部を被覆する放射吸収層と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライオポンプおよび冷凍機に関する。
【背景技術】
【0002】
クライオポンプは清浄な高真空環境を実現する真空ポンプであり、例えば半導体回路製造プロセス等において利用される。クライオポンプは、極低温に冷却された低温クライオパネルで気体分子を凝縮または吸着させることにより排気する。一般的に、低温クライオパネル、およびこれを外部からの熱放射から保護するための放射シールドを冷却するために、多段式の、例えばギフォード・マクマホン式冷凍機などの冷凍機が用いられる。
【0003】
ギフォード・マクマホン式冷凍機は、シリンダを備える冷凍機ユニットと、圧縮機ユニットで構成される。シリンダは、その内部に蓄冷式熱交換部および膨張室を含む。冷凍機ユニットは冷却されるべき装置や容器などに取り付けられる。冷媒ガス、すなわち作動気体は圧縮機ユニットで高圧にされ、冷凍機ユニットに送られる。続いて冷凍機ユニットが、作動気体を蓄冷式熱交換部で冷却して膨張室で膨張させることで極低温に冷却し、低圧となった作動気体を蓄冷式熱交換部を通して圧縮機ユニットに戻す。そして圧縮機ユニットが再び圧縮するというサイクルを繰り返す。
【0004】
二段式のギフォード・マクマホン式冷凍機においては、二のシリンダが直列に接続され、それぞれに冷却ステージが取り付けられる。各冷却ステージの冷却温度は、可能な限り目標温度に維持されることが望ましい。しかしながら各冷却ステージの温度は、冷却すべき装置や容器、環境等からの熱伝導や熱放射などの熱負荷の影響を受けて変動する。これに対処するために、例えば特許文献1に開示される冷凍機においては、冷却ステージに取り付けた温度センサからの信号に基づいて、冷凍機の運転周期、すなわち作動気体の吸排気の切替え周期を制御する。これにより、単位時間当たりの作動気体の吸排気量が調整され、冷却ステージの温度を一定の範囲内に保つことができる。
【特許文献1】特開2004−3792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷凍機の冷却温度は例えば、構造、運転周波数、熱負荷、圧縮機の差圧、圧縮機の運転周波数、など様々な要因により定まる。一般的に多段式冷凍機において、各冷却ステージの温度の間には関連がある。例えば二段式冷凍機において、ある条件の下で第1冷却ステージの温度が定まると第2冷却ステージの温度も一意に定まる。
【0006】
クライオポンプにおいて、低温クライオパネルおよび放射シールドの希望冷却温度は、その用途および状況ごとに異なる。すなわち、冷凍機の各ステージに要求される冷却温度も個々の場合によって異なるため、それぞれの場合について各ステージが所望の温度となるように冷凍機を最適化する必要がある。しかしながら、個々の用途や状況に合わせて最適な冷凍機を一から設計することは、コスト面からも現実的ではない。
【0007】
二段式冷凍機において、第1冷却ステージと第2冷却ステージの冷却温度を独立に制御するために、例えば第1冷却ステージにヒータを取り付けることで熱負荷を与える方法がある。ただし、ヒータを用いると消費電力が増加し、また、極低温の真空容器内に電気回路を導入することで不具合が生じやすくなるため信頼性の点で問題が生ずる。
【0008】
そこで本発明は、低温クライオパネルの冷却温度と放射シールドの冷却温度を効果的に制御することのできるクライオポンプ、および、複数の冷却ステージの温度を効果的に制御することのできる冷凍機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のクライオポンプは、直列に連結された第1シリンダ及び第2シリンダと、第1シリンダの第2シリンダに近接する端部に形成された第1冷却ステージと、第2シリンダの第1シリンダから遠い端部に形成された第2冷却ステージと、を含み、周期的に第1シリンダ及び第2シリンダの内部に作動気体を吸入して膨張させて外部に排気することにより第1冷却ステージを第1の冷却温度に冷却するとともに第2冷却ステージを第1の冷却温度よりも低温である第2の冷却温度に冷却する冷凍機と、内部に第1冷却ステージ及び第2冷却ステージを包含するポンプ容器と、第1の冷却温度を目標温度に維持するように冷凍機への作動気体の吸排気周期を制御する制御部と、ポンプ容器の内部において第1冷却ステージに熱的に接続されて第1の冷却温度に冷却される放射シールドと、を備える。放射シールドは、ポンプ容器の内面に対向する外面を有するシールド基材と、吸排気周期を短くして第2の冷却温度を要求冷却温度よりも低温とするようにシールド基材よりも高い放射率を有する材料でシールド基材の外表面の少なくとも一部を被覆する放射吸収層とを含む。
【0010】
この態様によると、放射シールド外面に放射吸収層を形成することにより、例えば、第1の冷却温度を目標温度に維持しつつ、放射吸収層のない場合に比べて第2の冷却温度を低温に保持することのできるクライオポンプが提供される。
【0011】
本発明の別の態様は、冷凍機である。この冷凍機は、直列に連結された第1シリンダ及び第2シリンダと、第1シリンダの第2シリンダに近接する端部に形成された第1冷却ステージと、第2シリンダの第1シリンダから遠い端部に形成された第2冷却ステージと、を備え、周期的に第1シリンダ及び第2シリンダの内部に作動気体を吸入して膨張させて外部に排気することにより第1冷却ステージを第1の冷却温度に冷却するとともに第2冷却ステージを第1の冷却温度よりも低温である第2の冷却温度に冷却する冷凍機であって、さらに、第1の冷却温度を目標温度に維持するように作動気体の吸排気周期を制御する制御部を備える。シールド基材と、吸排気周期を短くして第2の冷却温度を要求冷却温度よりも低温とするようにシールド基材よりも高い放射率を有する材料でシールド基材の外表面の少なくとも一部を被覆する放射吸収層とを含む放射シールドが第1冷却ステージに接続されている。
【0012】
この態様によると、第1冷却ステージに接続した放射シールド外面に放射吸収層を形成することにより、例えば、第1の冷却温度を目標温度に維持しつつ、放射吸収層のない場合に比べて第2の冷却温度を低温に保持することのできる冷凍機が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、クライオポンプである。このクライオポンプは、第1冷却ステージと、第1冷却ステージの温度よりも低い温度に冷却される第2冷却ステージとを含み、作動気体を吸入して膨張させて排気することにより冷却を実現する二段式冷凍機と、冷凍機の作動気体の吸排気周期を制御することで、第1冷却ステージの温度および第1冷却ステージの温度に連動する第2冷却ステージの温度を制御する制御部と、第2冷却ステージを包囲するように配置され、第1冷却ステージに熱的に接続される放射シールドとを備える。放射シールドの外表面は、第1冷却ステージと第2冷却ステージとの温度差が所望の温度差となるような熱負荷を第1冷却ステージに与えるように、放射率が調整されている。
【0014】
ここで制御部は、例えば、周波数変換器、周波数決定部を含んで構成される。制御部はまた、温度センサを含んで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、冷却温度を効果的に制御することのできるクライオポンプおよび冷凍機が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るクライオポンプおよび冷凍機について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るクライオポンプ50を模式的に示す図である。クライオポンプ50は、例えばイオン注入装置やスパッタリング装置等の真空チャンバに取り付けられて、真空チャンバ内部の真空度を所望のプロセスに要求されるレベルまで高めるために使用される。クライオポンプ50は、冷凍機ユニット100と、クライオポンプ容器30と、放射シールド40とを含んで構成される。
【0018】
冷凍機ユニット100と圧縮機ユニット(図示せず)は、例えばギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)などの冷凍機を構成するユニットである。冷凍機ユニット100は、第1シリンダ10、第2シリンダ11、バルブ駆動用モータ16、交流電源20、制御部28、温度センサ26を備える。第1シリンダ10と第2シリンダ11は直列に接続される。第1シリンダ10の第2シリンダ11との結合部側には第1冷却ステージ12が設置され、第2シリンダ11の第1シリンダ10から遠い側の端には第2冷却ステージ14が設置される。図1に示す冷凍機ユニット100は、二段式の冷凍機ユニットであり、シリンダを直列に二段組み合わせてより低い温度を達成している。冷凍機ユニット100は冷媒管18を介して圧縮機ユニットに接続される。
【0019】
圧縮機ユニットは、例えばヘリウム等の冷媒ガス、すなわち作動気体を圧縮して、冷媒管18を介して冷凍機ユニット100に供給する。冷凍機ユニット100は、作動気体を蓄冷式熱交換機を通過させることにより冷却しつつ、まず第1シリンダ10の内部の膨張室で、次いで第2シリンダ11の内部の膨張室で膨張させてさらに冷却する。これにより、第1シリンダ10に設置される第1冷却ステージ12は第1の冷却温度レベルに冷却され、第2シリンダ11に設置される第2冷却ステージ14は第1の冷却温度レベルよりも低温の第2の冷却温度レベルに冷却される。例えば、第1冷却ステージ12は65K〜100K程度に冷却され、第2冷却ステージ14は10K〜20K程度に冷却される。
【0020】
制御部28は、周波数変換器22および周波数決定部24を含む。制御部28はまた、温度センサ26を含んで構成されてもよい。温度センサ26は、冷凍機ユニット100の第1冷却ステージ12に設置され、第1冷却ステージ12の温度を検出し、周波数決定部24に温度情報を送信する。なお、温度センサ26の設置場所は第1冷却ステージ12に限られず、例えば第2冷却ステージ14や第1シリンダ10、第2シリンダ11の任意の箇所など、その温度を制御したい場所でよい。また、複数の温度センサ26を複数の箇所に設置してもよい。これにより、よりきめ細かく各箇所の温度を制御することが可能となる。
【0021】
膨張室で順次膨張することで吸熱し、各冷却ステージを冷却した作動気体は、再び蓄冷式熱交換機を通過し、冷媒管18を経て圧縮機ユニットに戻される。圧縮機ユニットから冷凍機ユニット100へ、また冷凍機ユニット100から圧縮機への作動気体の流れは、冷凍機ユニット100内のロータリバルブ(図示せず)により切り替えられる。バルブ駆動用モータ16は、交流電源20から電力の供給を受けて、ロータリバルブを回転させる。
【0022】
周波数変換器22は、バルブ駆動用モータ16と、交流電源20の間に設けられ、交流電源20から供給された電力の周波数を変換して出力し、バルブ駆動用モータ16に供給する。周波数決定部24は、温度センサ26から得た温度情報に基づいて、周波数変換器22を制御する。
【0023】
クライオポンプ容器30は、一端に開口を有し他端が閉塞されている円筒状の形状に形成された部位(以下、「胴部」と呼ぶ)を有する。開口は、イオン注入装置等の真空チャンバから排気されるべき気体が進入する吸気口として、設けられている。開口はクライオポンプ容器30の胴部の上端部内面により画定される。クライオポンプ容器30の上端部には径方向外側に向けて取付フランジ32が延びている。クライオポンプ50は、イオン注入装置等の真空チャンバに、取付フランジ32を用いて取り付けられる。
【0024】
クライオポンプ容器30は、クライオポンプ50の内部と外部とを隔てるために設けられている。クライオポンプ容器30の外面は、クライオポンプ50の動作中、すなわち冷凍機が作動している間も、クライオポンプ50の外部の環境にさらされるため、放射シールド40よりも高い温度に維持される。典型的にはクライオポンプ容器30の温度は環境温度に維持される。ここで環境温度とは、クライオポンプ50が設置されている場所の温度、またはその温度に近い温度をいい、例えば室温程度である。
【0025】
放射シールド40は、クライオポンプ容器30の内部に配設されている。放射シールド40は、一端に開口を有し他端が閉塞されている円筒状の形状、すなわちカップ状の形状に形成されている。放射シールド40は、図1に示されるような一体の筒状に構成されていてもよく、また、複数のパーツにより全体として筒状の形状をなすように構成されていてもよい。これら複数のパーツは互いに間隙を有して配設されていてもよい。
【0026】
クライオポンプ容器30の胴部及び放射シールド40はともに略円筒状に形成されており、同軸に配設されている。クライオポンプ容器30の胴部の内径が放射シールド40の外径を若干上回っており、放射シールド40はクライオポンプ容器30の胴部の内面との間に若干の間隔をもってクライオポンプ容器30とは非接触の状態で配置される。すなわち、放射シールド40の外面は、クライオポンプ容器30の内面と対向している。なお、クライオポンプ容器30の胴部および放射シールド40の形状は、円筒形状には限られず、角筒形状や楕円筒形状などいかなる断面の筒形状でもよい。典型的には、放射シールド40の形状はクライオポンプ容器30の胴部の内面形状に相似する形状とされる。
【0027】
図1に示されるクライオポンプ50は、いわゆる横型のクライオポンプである。横型のクライオポンプとは一般に、筒状の放射シールドの軸方向に交差する方向(通常は直交方向)に沿って冷凍機の第2冷却ステージが放射シールドの内部に挿入され、配置されているクライオポンプである。なお、本発明はいわゆる縦型のクライオポンプにも同様に適用することができる。縦型のクライオポンプとは、放射シールドの軸方向に沿って冷凍機が挿入され、配置されているクライオポンプである。
【0028】
放射シールド40は、第2冷却ステージ14およびこれに熱的に接続される低温クライオパネル(図示せず)を主にクライオポンプ容器30からの熱放射から保護する放射シールドとして設けられている。冷凍機ユニット100の第2シリンダ11、および第2冷却ステージ14は、放射シールド40の側面の開口から挿入される。第2冷却ステージ14は、放射シールド40の内部空間において、放射シールド40のほぼ中心軸上に配置される。放射シールド40は、第1冷却ステージ12に熱的に接続された状態で固定され、第1冷却ステージ12と同程度の温度に冷却される。
【0029】
放射シールド40の開口には、真空チャンバ等からの熱放射から第2冷却ステージ14およびこれに熱的に接続される低温クライオパネルを保護するために、バッフル42が設けられている。バッフル42は、例えば、ルーバ構造やシェブロン構造に形成される。バッフル42は、放射シールド40の中心軸を中心とする同心円状に形成されていてもよいし、あるいは格子状等他の形状に形成されていてもよい。バッフル42は放射シールド40の開口側の端部に取り付けられており、放射シールド40と同程度の温度に冷却される。
【0030】
放射シールド40は、基材46と放射吸収層44とを含み、基材46の外面、すなわちクライオポンプ容器30に対向する表面は、放射吸収層44によって覆われている。基材46は、例えば、銅からなる基層とその表面を覆うニッケルメッキ層や、アルミニウムなどで構成される。放射吸収層44は、第1冷却ステージ12に熱負荷を与えるために設けられている。
【0031】
一般的に、絶対零度以上の温度の物体はすべて電磁波、例えば赤外線などを放射している。ある温度において、ある物体が放射するエネルギーと黒体が放射するエネルギーとの比を、放射率という。物体の熱放射のエネルギーおよびそのスペクトル分布は、その物体の温度と物体表面の放射率により一義的に決まる。赤外線を含む電磁波は物体の温度が高いほど、また放射率が大きいほど多く放射される。一般的に、ある温度における物体の放射率と吸収率は等しいため、以下、放射率と吸収率を同義で用いる。また、全波長での放射エネルギーの和についての放射率を「放射率」と、赤外線領域における放射エネルギーについての放射率を「赤外線放射率」と呼ぶ。
【0032】
例えば、銅の放射率は表面温度が70Kのとき0.008程度であり、300Kで0.018程度である。また、アルミニウムの放射率は70Kで0.018程度、300Kで0.03程度であり、ステンレスの放射率は70Kで0.048程度、300Kで0.08程度である。放射率は表面処理や表面の状態によっても異なる。例えば、表面にニッケルメッキを施した銅の放射率は、70Kで0.033程度である。
【0033】
クライオポンプ容器30の温度は、典型的には室温程度である環境温度であり、その表面からは主に赤外線が放射される。放射吸収層44は、放射シールド40の基材46よりも放射率、すなわち吸収率の高い材質で形成される。これにより放射吸収層44は、クライオポンプ容器30が放射する赤外線を高い吸収率で吸収し、熱エネルギーを得ることで、熱的に接続する第1冷却ステージ12に熱負荷を与える。
【0034】
第1冷却ステージが受ける熱負荷を最大化するためには、放射吸収層44の放射率が0.9以上であることが望ましい。一方、放射吸収層44の放射率は、要求仕様に基づいて任意の値に調整されてもよい。放射率を調整することにより、第1冷却ステージに与える熱負荷量を調整することができる。放射吸収層44を形成するための素材は、放射率に加えて、例えば、アウトガス、耐久性、密着性、耐食性などを考慮して決定する。
【0035】
放射吸収層44としては、黒色の層が形成されてもよい。一般的に黒色の層、たとえば黒色の塗料、テープ等は赤外線に対する吸収率も高いことが多いため、これにより、クライオポンプ容器30から放射された赤外線を効果的に吸収し、第1冷却ステージに与える熱負荷を増加させることができる。
【0036】
放射吸収層44は黒色の層でなくともよく、赤外線放射率が0.9以上である物質を用いて形成されてもよい。例えば、赤外線吸収剤を含有した塗料を塗布することで放射吸収層44を形成する。これにより、クライオポンプ容器30の内表面から放射される赤外線を効果的に吸収し、第1冷却ステージに与える熱負荷を増加させることができる。もちろん、要求仕様に基づいて、赤外線放射率を任意の値に調整してもよい。この場合、例えば、塗料中の赤外線吸収剤の含有率を変えることにより、赤外線放射率を調整してもよい。
【0037】
また、放射シールド40の基材46の表面が非平坦面となるような加工を施すことにより、放射吸収層44を形成してもよい。非平坦面はたとえば、凹凸面として形成されてもよい。凹凸の形状、深さや細かさなどは、実験または経験により任意に定めてよく、赤外線放射率を所望の値に調整できればよい。例えば、放射シールド40の基材の表面に赤外線の波長と同程度の間隔および高さで水玉状、縞状、格子状などの凸状構造や凹状構造、またはこれらを組み合わせた構造を形成することにより、放射吸収層44を形成してもよい。これにより、クライオポンプ容器30の内表面から放射される赤外線を効果的に吸収し、第1冷却ステージに与える熱負荷を増加させることができる。
【0038】
放射シールド40の外面において、放射吸収層44は全面に形成されてもよく、一部に形成されてもよい。放射吸収層44を形成する部分の面積は、放射シールドの大きさ、目標温度などの仕様を考慮して決定する。面積を決定するにあたっては、計算、シミュレーション、実験などにより決定してもよい。放射吸収層44を形成する部分の面積を調整することにより、第1冷却ステージに与える熱負荷量を調整することができる。
【0039】
放射シールド40の外面の一部のみに放射吸収層44を形成する場合、放射シールド40の外面において放射吸収層44を形成する部分の位置は、任意に定めてよい。例えば、放射シールド40の外面の開口部側半分でもよく、底部側半分でもよい。さらに、特に熱負荷を与えたい側、例えば放射シールド40の、第1冷却ステージ12との接続部側の半分に放射吸収層44を形成してもよい。
【0040】
また、放射吸収層44は、放射シールド40の一部に偏らせることなく、散在させて形成されてもよい。例えば、放射シールド40の外表面において、縞、水玉、格子などの模様が形成されるように、放射吸収層44の形成される領域の形および位置を定めてもよい。また、放射シールド40が複数のパーツで構成されている場合には、放射吸収層44を形成するパーツと、放射吸収層44を形成しないパーツとを交互に配置するなどしてもよい。これにより、放射シールド40の外表面の一部のみに放射吸収層44を形成する場合であっても、放射シールド40の各部が受ける熱負荷をほぼ均一にすることができる。
【0041】
これらの場合において、さらに、放射吸収層44が形成される領域の分布密度を調整することも可能である。例えば、特に熱負荷を与えたい側において縞や水玉状の部分を広くしたり、密に配置したりする。また、放射シールド40が複数のパーツで構成されている場合には、複数のパーツのうち、放射吸収層44を形成するパーツの割合を増やしたりする。これにより、放射シールド40の各部分に与える熱負荷をより細かく調整することができる。
【0042】
放射吸収層44は、放射シールド40の基材46の上に、メッキ、塗装、フィルムやテープの貼付などのいずれの方法によって形成してもよい。メッキの場合、例えば、黒色クロムメッキや、黒色無電解ニッケルメッキを施してもよい。塗装の場合は、例えば合成樹脂塗料を刷毛で塗布してもよく、また、スプレーで吹きつけることにより、放射吸収層44を形成してもよい。いずれの場合にも、既存の型の放射シールド40において、比較的容易に放射吸収層44を形成することが可能である。これにより、一の型のクライオポンプから、対応できる温度設定範囲が異なるクライオポンプのシリーズを制作することも可能となる。また、既設のクライオポンプを、異なる温度設定に対応できるクライオポンプにカスタマイズすることも可能となる。
【0043】
上記の構成のクライオポンプ50による動作を以下に説明する。
【0044】
前述のように多段式冷凍機において、各冷却ステージの温度の間には所定の関係がある。例えば二段式冷凍機において、一定の条件の下で、第1冷却ステージ12と第2冷却ステージ14のうちの一の温度を定めると、他方の温度は一意に定まる。しかしながら、それぞれのステージの温度を、上記の関係によって定まる温度以外の温度に設定したい場合もありえる。本願発明者は、第1冷却ステージ12に接続する放射シールド40の外表面の放射率を調整した上で吸排気のサイクルを制御する方法に想到した。これにより、第1冷却ステージの温度と第2冷却ステージの温度との所定の温度関係を、例えば、第1冷却ステージの温度と第2冷却ステージの温度との温度差が大きくなるように調整することができる。
【0045】
例えば、第1冷却ステージ12を所望の目標温度に保つとき、一定の条件の下で、第2冷却ステージ14の温度が一意に定まる。ここで、一定の条件として、最小負荷状態を仮定する。最小負荷状態とは、クライオポンプ50の稼働中において、各冷却ステージへの負荷が最低となり、第2冷却ステージ14の冷却温度を最も低い温度に維持できる状態である。ここで、第1冷却ステージ12を所望の目標温度に保ちつつ、第2冷却ステージ14をある要求温度以下に冷却したい場合を考える。
【0046】
この要求温度が、最小負荷状態において第1冷却ステージ12を目標温度に維持するときに一意に定まる第2冷却ステージ14の温度よりも低い場合、第1冷却ステージ12を目標温度に保ちつつ第2冷却ステージ14をその要求温度以下に冷却することはできない。この場合、吸排気サイクルを速くすると第2冷却ステージ14の温度を下げることはできるが、第1冷却ステージ12の温度も目標温度よりも低くなってしまう。この問題に対処するため、本発明においては、第1冷却ステージ12に接続する放射シールド40の外表面の放射率を調整した上で、吸排気のサイクルを制御する。これにより、第1冷却ステージ12の温度を所望の目標温度に保ちつつ、第2冷却ステージ14を要求温度以下に冷却することができる。
【0047】
前述のように本発明においては、放射シールド40の外表面に、放射シールド40の基材46より放射率の大きい放射吸収層44を形成する。これにより放射シールド40は、放射吸収層44がない場合に比べて、クライオポンプ容器30が放射した赤外線をより多く吸収し、より多くの熱を得ることができる。この結果、放射シールド40と熱的に接続されている第1冷却ステージ12により多くの熱負荷がかかり、放射吸収層44がない場合に比べて、同一の吸排気周期の下では第1冷却ステージ12の温度が高くなる。
【0048】
温度センサ26は第1冷却ステージ12の温度を測定し、測定結果を周波数決定部24に送信する。周波数決定部24は、温度センサ26から得た温度情報に基づいて、周波数を決定する。例えば、周波数決定部24は、温度センサ26から取得した第1冷却ステージ12の温度が、設定された目標温度より高いときは周波数変換器22の出力周波数を高くすることを決定し、第1冷却ステージ12の温度が目標温度より低いときは周波数変換器22の出力周波数を低くすることを決定する。そして、周波数決定部24は決定結果を周波数変換器22に送信する。
【0049】
放射シールド40の外表面に放射吸収層44が形成されている場合、吸排気周期が変わらない場合には、放射吸収層44がない場合に比べて第1冷却ステージ12の温度が高くなる。第1冷却ステージ12の温度を放射吸収層44がない場合と同じ目標温度に保つために、周波数決定部24は、放射吸収層44がない場合よりも周波数変換器22の出力周波数を高くすることを決定する。
【0050】
周波数変換器22は、周波数決定部24からの信号を受けて、交流電源20の周波数を変換してバルブ駆動用モータ16に電力を供給する。例えば、出力周波数を高くした場合、バルブ駆動用モータ16の回転周波数が大きくなり、ロータリバルブの回転が速くなる。この結果、冷凍機ユニット100における作動気体の吸排気がより速く切り替えられることとなり、単位時間あたりの作動気体の吸排気量が増加し、単位時間あたりの作動気体による吸熱量も増える。したがって、第1冷却ステージ12は設定された目標温度まで冷却され、これに伴って、第2冷却ステージ14の温度もさらに下がる。
【0051】
逆に、第1冷却ステージ12の温度が所望の温度より低いときには、周波数決定部24は、周波数変換器22の出力周波数を低くすることを決定する。そして、周波数変換器22は、周波数決定部24からの信号を受けて、交流電源20から供給される電力を、低い周波数に変換して出力する。これにより、バルブ駆動用モータ16の回転周期が長くなり、冷凍機ユニット100の吸排気のサイクルが遅くなる。そうすると単位時間あたりの作動気体の吸排気量が減少し、単位時間あたりの作動気体の吸熱量も減少する。これにより、第1冷却ステージ12の温度および第1冷却ステージ12の温度と所定の関係を有する第2冷却ステージ14の温度が上がる。
【0052】
このように制御部28が冷凍機の周波数を制御し、第1冷却ステージ12については、目標温度において、クライオポンプ容器30からの放射等による熱負荷と、作動気体の膨張による吸熱が均衡するように調整される。
【0053】
放射吸収層44が形成されている場合には、放射吸収層44のない場合よりも熱負荷が増加する分、第1冷却ステージ12を目標温度に冷却するために、作動気体の吸排気サイクルがより速くなるよう制御される。一方、第2冷却ステージ14においては放射による熱負荷の増加はなく、吸排気サイクルが速くなる分、作動気体による吸熱量が増加するため、放射吸収層44のない場合よりも低い温度に冷却される。
【0054】
このように放射シールド40の外表面に放射吸収層44を設けることで、第1冷却ステージ12を放射吸収層44がない場合と同じ目標温度に保つ設定とした場合、第2冷却ステージの温度を放射吸収層44がない場合に比べて下げることが可能となる。逆に、第2冷却ステージ14を放射吸収層44がない場合と同じ目標温度に保つ設定として、第1冷却ステージの温度を放射吸収層44がない場合に比べて上げることも可能である。
【0055】
また、前述のように、放射吸収層44の放射率や放射吸収層44が放射シールド40を覆う面積を調整することにより、第1冷却ステージ12に与える熱負荷量を調整することも可能である。これにより、放射吸収層44がない場合と比較した、第2冷却ステージの温度低下幅、あるいは第1冷却ステージの温度の上昇幅を調整することができる。すなわち、第1冷却ステージと第2冷却ステージの冷却温度について、冷凍機の構造等により定まる温度設定可能範囲を広げることができる。したがって、例えば、一の型の冷凍機から、簡単な設計変更により、それぞれ異なる温度設定要求にカスタマイズした複数種類の冷凍機を作ることも可能となる。
【0056】
本実施形態に基づき、クライオポンプ容器30の口径が12インチのクライオポンプ50において、放射シールド40の外表面全面に黒色の合成樹脂塗料を塗装した場合と、塗装を施さない場合との比較実験を行った。放射シールド40の温度を100Kに保つように制御部28を設定し、冷凍機の運転周波数と第2冷却ステージ14の冷却温度を測定した。
【0057】
この結果、黒色塗装なしの場合は、冷凍機の運転周波数は38.3rpm、第2冷却ステージ14の温度は12.1Kであったのに対し、放射シールド40の外表面全面に黒色塗装を施した場合は、冷凍機の運転周波数が61.1rpm、第2冷却ステージ14の温度は11.6Kであった。すなわち、黒体処理を施した方では、冷凍機の第1冷却ステージ12への熱負荷が増加し、冷凍機の周波数が大きくなり、その分冷凍機の第2冷却ステージ14の温度が低下することが確認された。
【0058】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0059】
例えば本発明は、2段式の冷凍機に限られず、3段式の冷凍機にも適用することができる。さらに本発明は、ギフォード・マクマホン式冷凍機に限られず、例えばスターリング冷凍機など、他の冷凍機にも適用することができる。いずれの場合にも、冷凍機の一のステージに熱的に接続する放射シールドの外表面の一部または全部に放射吸収層を形成し、そのステージが受ける熱負荷を調整するとともに、制御部が冷凍機の運転周波数を制御することにより、各ステージの冷却温度の設定可能範囲を広げることができる。
【0060】
また、前述の実施形態においては、本発明をクライオポンプおよびクライオポンプ用冷凍機に適用する例について説明したが、本発明の適用はこれに限られない。例えば、MRIやリニアモータカーに用いられる超伝導コイルの放射シールド冷却用冷凍機にも適用可能である。この場合にも、冷凍機の一のステージに熱的に接続する放射シールドの外表面の一部または全部に放射吸収層を形成し、そのステージが受ける熱負荷を調整するとともに、制御部が冷凍機の運転周波数を制御することにより、各ステージの冷却温度の設定可能範囲を広げることができる。
【0061】
また、前述の実施形態においては放射シールド40の外表面に放射吸収層44を形成したが、クライオポンプ容器30の内表面に放射吸収層を形成してもよい。これにより、クライオポンプ容器30の内表面の放射率が高くなり、クライオポンプ容器30の内表面から放射シールド40への放射による熱の移動量が増加し、第1冷却ステージに与える熱負荷を増加させることができる。
【0062】
また、クライオポンプ容器30の外表面に放射吸収層が形成されてもよい。これにより、クライオポンプ容器30の外表面の可視光線および赤外線に対する吸収率が高くなり、外部環境からクライオポンプ容器30への放射による熱の移動量が増加する。この結果、クライオポンプ容器30の外表面に放射吸収層がない場合に比べてクライオポンプ容器30の温度が上昇する。一般的に、物体の温度が上昇すると、その物体からの放射量は増加する。従って、クライオポンプ容器30の温度が上昇すると、クライオポンプ容器30の内表面からの放射量が増加する。そして、クライオポンプ容器30から放射シールド40への放射による熱エネルギーの移動量も増加し、第1冷却ステージに与える熱負荷を増加させることができる。
【0063】
当然ながら、クライオポンプ容器30の内表面の放射吸収層、および外表面の放射吸収層についても、放射シールド40の外表面の放射吸収層44の場合と同様に、クライオポンプ容器30の内表面または外表面の全面に形成されてもよく、一部に形成されてもよい。一部に形成する場合、一の箇所に偏らせて形成されてもよく、散在させて形成されてもよい。
【0064】
また、放射シールド40の外表面の放射吸収層、クライオポンプ容器30の内表面および外表面の放射吸収層については、これらのうち一のみ適用してもよく、任意の組み合わせの二を適用してもよく、全てを適用してもよい。これにより、第1冷却ステージに与える熱負荷をさらに増加させることも可能となり、また、より幅広い範囲で第1冷却ステージに与える熱負荷の量を調整することが可能となる。よって、各ステージの冷却温度の設定可能範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係るクライオポンプを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10 第1シリンダ、 11 第2シリンダ、 12 第1冷却ステージ、 14 第2冷却ステージ、 28 制御部、 30 クライオポンプ容器、 40 放射シールド、 44 放射吸収層、 46 基材、 50 クライオポンプ、 100 冷凍機ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に連結された第1シリンダ及び第2シリンダと、第1シリンダの第2シリンダに近接する端部に形成された第1冷却ステージと、第2シリンダの第1シリンダから遠い端部に形成された第2冷却ステージと、を含み、周期的に前記第1シリンダ及び前記第2シリンダの内部に作動気体を吸入して膨張させて外部に排気することにより前記第1冷却ステージを第1の冷却温度に冷却するとともに前記第2冷却ステージを第1の冷却温度よりも低温である第2の冷却温度に冷却する冷凍機と、
内部に前記第1冷却ステージ及び前記第2冷却ステージを包含するポンプ容器と、
第1の冷却温度を目標温度に維持するように前記冷凍機への作動気体の吸排気周期を制御する制御部と、
ポンプ容器の内面に対向する外面を有するシールド基材と、前記吸排気周期を短くして第2の冷却温度を要求冷却温度よりも低温とするようにシールド基材よりも高い放射率を有する材料でシールド基材の外表面の少なくとも一部を被覆する放射吸収層とを含み、ポンプ容器の内部において第1冷却ステージに熱的に接続されて第1の冷却温度に冷却される放射シールドと、を備えることを特徴とするクライオポンプ。
【請求項2】
前記放射吸収層は黒色であることを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
【請求項3】
前記放射吸収層は、赤外線領域で前記シールド基材より高い放射率を有することを特徴とする請求項1または2に記載のクライオポンプ。
【請求項4】
前記放射吸収層は、前記放射シールド外面の非平坦面として形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクライオポンプ。
【請求項5】
前記シールド基材は、銅からなる基層とその表面を覆うニッケルメッキ層、または、アルミニウムで構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のクライオポンプ。
【請求項6】
直列に連結された第1シリンダ及び第2シリンダと、
第1シリンダの第2シリンダに近接する端部に形成された第1冷却ステージと、
第2シリンダの第1シリンダから遠い端部に形成された第2冷却ステージと、を備え、
周期的に前記第1シリンダ及び前記第2シリンダの内部に作動気体を吸入して膨張させて外部に排気することにより前記第1冷却ステージを第1の冷却温度に冷却するとともに前記第2冷却ステージを第1の冷却温度よりも低温である第2の冷却温度に冷却する冷凍機であって、
さらに、第1の冷却温度を目標温度に維持するように作動気体の吸排気周期を制御する制御部を備え、
シールド基材と、前記吸排気周期を短くして第2の冷却温度を要求冷却温度よりも低温とするようにシールド基材よりも高い放射率を有する材料でシールド基材の外表面の少なくとも一部を被覆する放射吸収層とを含む放射シールドが、前記第1冷却ステージに接続されていることを特徴とする冷凍機。
【請求項7】
第1冷却ステージと、前記第1冷却ステージの温度よりも低い温度に冷却される第2冷却ステージとを含み、作動気体を吸入して膨張させて排気することにより冷却を実現する二段式冷凍機と、
前記冷凍機の作動気体の吸排気周期を制御することで、第1冷却ステージの温度および第1冷却ステージの温度に連動する第2冷却ステージの温度を制御する制御部と、
前記第2冷却ステージを包囲するように配置され、前記第1冷却ステージに熱的に接続される放射シールドとを備え、
前記放射シールドの外表面は、前記第1冷却ステージと前記第2冷却ステージとの温度差が所望の温度差となるような熱負荷を前記第1冷却ステージに与えるように、放射率が調整されていることを特徴とするクライオポンプ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−250148(P2009−250148A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100675(P2008−100675)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】