クラスタ構成作成支援システム
【課題】複数の装置から構成されるクラスタ構成システムを構成(設計)するにあたり、高いハードウェア知識が要求される接続可能な組合せの選択をシステム面で支援する。
【解決手段】装置接続支援機能12−2を有するクラスタ構成作成支援システム12を提供する。ここで、装置接続支援機能は、装置とポートの対応関係を定義する装置情報マスタ12−5と、ポートに関する情報を定義するポート情報定義マスタ12−6と、接続可能な組合せを定義する接続組合せ定義マスタ12−7と、装置間の接続指定を行う装置接続指定画面を有しており、見積られた構成情報、及び装置接続指定画面において指定される”接続種別”、”接続元ポート”、”接続元装置”の4つの情報を元に、上述した3つのマスタから、接続可能な接続先ポートを取得し、取得した接続可能な接続先ポートを装置接続指定画面へ強調色で表示する。さらに、見積作成支援機能12−1を加えてもよい。
【解決手段】装置接続支援機能12−2を有するクラスタ構成作成支援システム12を提供する。ここで、装置接続支援機能は、装置とポートの対応関係を定義する装置情報マスタ12−5と、ポートに関する情報を定義するポート情報定義マスタ12−6と、接続可能な組合せを定義する接続組合せ定義マスタ12−7と、装置間の接続指定を行う装置接続指定画面を有しており、見積られた構成情報、及び装置接続指定画面において指定される”接続種別”、”接続元ポート”、”接続元装置”の4つの情報を元に、上述した3つのマスタから、接続可能な接続先ポートを取得し、取得した接続可能な接続先ポートを装置接続指定画面へ強調色で表示する。さらに、見積作成支援機能12−1を加えてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介したコンピュータシステムの構成作成を支援するシステムに関し、特にクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成時における好適な操作方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの構成は複雑化しており、オペレーティングシステム/プロセッサ種別/メモリ/PCIカードなどのコンピュータ装置単体の構成に加えて、コンピュータ装置間の接続装置も合わせて考慮する必要がある。
このために、例えば特開2004−139368号公報(特許文献1)に示されるように、利用者が選択した接続先、及び接続元装置情報を元に、接続用のハードウェアをシステム側で判定し、利用者の端末機器の表示部に表示させることで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を支援する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−139368公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、利用者が接続可能な接続先、及び接続元装置を選択した場合に初めて機能するものであるため、利用者が接続可能な装置を選択できない場合、上記従来記述が提供する利益を享受することができない。
【0005】
その一方で、装置の接続可否は、接続種別、ポートタイプ、接続装置の組合せ等の様々な要素の組合せで決定されるため、接続可能な装置の組み合わせを選択するためには、利用者は高いハードウェア知識を有している必要があった。この為、接続可能な装置の組み合わせの選択を構成作成者に行わせる上記従来技術では、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成時に、依然として構成作成者に高いハードウェア知識が要求されるという問題があった。
【0006】
上述した問題を解決するため、高いハードウェア知識が要求される接続可能な組合せの選択をシステム面で支援することが本発明の目的である。
【0007】
尚、上記の説明で述べたポートとは、装置間での接続時に利用される装置の接続口であり、ポートタイプとは、ポートの形状のことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決する為に本発明では、装置接続支援機能を有する。
【0009】
装置接続支援機能は、装置とポートの対応関係を定義する装置情報マスタと、ポートに関する情報を定義するポート情報定義マスタと、接続可能な組合せを定義する接続組合せ定義マスタと、装置間の接続指定を行う装置接続指定画面を有しており、見積られた構成情報、及び装置接続指定画面において指定される”接続種別”、”接続元ポート”、”接続元装置”の4つの情報を元に、上述した3つのマスタから、接続可能な接続先ポートを取得し、取得した接続可能な接続先ポートを装置接続指定画面へ強調色で表示する。本発明では、上記従来技術でも利用されている見積作成支援機能を、加えてもよい。
【0010】
上述した処理により、高いハードウェア知識が要求される接続可能な組合せの選択をシステム面で支援する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を実施する上で必須となる “接続装置組合せチェック”、”接続装置間の電圧チェック”などの高いハードウェア知識が要求されるチェックが、システムによって自動的に実施されるため、構成作成者がクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成時に実施していた上述のチェックは不要となる。その結果、高いハードウェア知識を有していない構成作成者でもクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成が可能となる。また、構成作成者が時間をかけることなく正確な接続先装置の選択が可能となることで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成にかかる工数が大幅に削減される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の概略システム構成図
【図2】装置接続支援機能12−2の処理フロー
【図3】装置接続指定画面(初期表示時)を示す図
【図4】装置接続指定画面(ポート情報選定処理(1)(1)後)を示す図
【図5】装置接続指定画面(ポート情報選定処理(2)(2)後)を示す図
【図6】装置情報マスタ12−5を示す図
【図7】ポート情報定義マスタ12−6を示す図
【図8】接続組合せ定義マスタ12−7を示す図
【図9】ポート情報202を示す図
【図10】ポート情報204(ポート情報選定処理(1)(1)後)を示す図
【図11】ポート情報213(ポート情報選定処理(2)(2)後)を示す図
【図12】製品情報マスタ12−3を示す図
【図13】見積結果テーブル12−4を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。まず、本実施形態で用いる装置について、その概略システム構成図を図1に示す。図1に示すように本システムは、構成作成者が利用する端末装置11が、ネットワーク13を介してクラスタ作成支援システム12と接続されている。ここで、端末装置11とクラスタ作成支援システム12は、いわゆるコンピュータで実現されるものであり、プログラムに従ってCPUの如き演算装置が後述する処理を実行する。特に、クラスタ構成作成支援システム12は、プログラムで実現可能な見積作成支援機能12−1、装置接続支援機能12−2を有し、以下の各データ(ベース)にアクセス可能ないし保持するものである。そのデータの詳細は後述するが、製品情報マスタ12−3、見積結果テーブル12−4、装置情報マスタ12−5、ポート情報定義マスタ12−6、接続組合せ定義マスタ12−7である。
【0014】
クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を行う際、構成作成者は顧客が要求するシステム規模や要件を元に、構成作成支援システムの見積作成支援機能が提供する装置選択画面を通じて装置を選択する。見積作成支援機能は、構成作成者が選択した装置の識別子である装置IDをキーに、製品情報マスタから製品名や価格などの見積装置情報を取得し、取得した結果を見積結果テーブルへ格納する。
【0015】
装置選択後、構成作成者は、クラスタ構成のコンピュータシステムを構築するため、クラスタ構成作成支援システム12が有する見積作成支援機能12−1にて選択した装置に対して接続指定を実施する。この接続指定を支援する装置接続支援機能12−2が従来技術との差分になるので、本機能が処理する内容の詳細について以下に示す。なお、この内容については、フローチャート図2に従うものである。
【0016】
装置接続支援機能12−2では、始めにポート情報生成処理100を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、見積作成支援機能12−1で構成作成者が選択した(端末装置10を介して)装置ID200をキーに、図6に示す装置情報マスタ12−5から対象装置が有するポートの識別子であるポートID201を取得する。ここで、装置情報マスタ12−5とは、装置を識別する装置IDとその装置IDが識別する装置が有するポートを識別するポートIDを対応付けて記録したものである。続いて、取得したポートID201をキーに、図7に示すポート情報定義マスタ12−6からポート情報を取得する。ここで、ポートマスタ情報定義マスタ12−6は、ポートを識別するポートID毎に、そのポートの内容、特性を示すポート情報が記録されたものである。続いて、このポート情報定義マスタ12−6から取得したポート情報と、ポートの接続状態を表すポート状態を合わせたポート情報202を生成する。例えば、装置ID200がServer-A、Server-B、Console-Cの場合、生成されるポート情報202は図9に示すとおりとなる。
【0017】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート情報描画処理(1)101を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、生成したポート情報202を元に、装置接続指定画面にポートを描画する。本処理により、構成作成者は、装置接続指定画面を通じて、見積装置が有する各ポートを視覚的に認識する事が可能となる。尚、本処理実施後の装置接続指定画面の表示内容は図3となる。
【0018】
構成作成者が接続種別203を選択後、装置接続支援機能12−2は、ポート情報選定処理(1)102を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、生成したポート情報202の接続種別が接続種別203と一致するポート情報204を抽出する。例えば、接続種別203がPowerの場合、生成されるポート情報204は図10に示すとおりとなる。
【0019】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート情報描画処理(2)103を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、抽出したポート情報204を元に、装置接続指定画面にポートを描画する。本処理により、構成作成者は、装置接続指定画面を通じて、指定した接続種別に対応するポートを視覚的に認識する事が可能となる。尚、本処理実施後の装置接続指定画面の表示内容は図4となる。
【0020】
構成作成者が接続元ポートを選択後、装置接続支援機能12−2は、ポート情報選定処理(2)104を行う。尚、ポート情報選定処理(2)104は、接続可能装置組合せ判定処理105と電圧チェック処理106とポート速度チェック処理107と接続状態チェック処理108の4つの処理によって実現される。以下、ポート情報選定処理(2)104に実現に際し、装置接続支援機能12−2が実施する処理内容の詳細について説明する。
【0021】
始めに装置接続支援機能12−2は、接続可能装置組合せ判定処理105を行う。接続可能装置組合せ判定処理105は、装置情報、接続種別、及びポートタイプの3項目を考慮した上で、接続可能と判断される接続先のポート情報を取得する処理である。本処理において、装置接続支援機能12−2は、装置接続指定画面において構成作成者が選択した接続元ポート情報205から装置ID206とポートタイプ207を取得する。続いて、装置接続支援機能12−2は、取得した装置ID206とポートタイプ207をキーに、図8に示す接続組合せ定義マスタ12−7の接続先装置IDのカラムから装置ID208、接続先ポートタイプからポートタイプ209を取得する。ここで、接続組合せ定義マスタ12−7とは、接続元と先の装置がどのように接続されるかを示すもので、本実施形態では、その接続の種別、接続元の装置を識別する接続元装置ID、当該接続元の装置が有するポートのタイプを示す接続元ポートタイプ、接続先の装置を識別する接続先装置ID、当該接続先の装置が有するポートのタイプを示す接続先ポートタイプ、そして、接続に用いられるケーブルを識別するケーブルIDで構成される。続いて、装置接続支援機能12−2は、ポート情報205の中から装置ID208、ポートタイプ209が一致するポート情報210を抽出する。尚、本処理で取得したポート情報210は、装置情報、接続種別、及びポートタイプの3項目を考慮した上で、接続可能と判断される接続先のポート情報である。
【0022】
続いて装置接続支援機能12−2は、電圧チェック処理106を行う。電圧チェック処理106は、ポート情報210の中から、接続元ポートの電圧と一致するポート情報を取得する処理である。本処理において装置接続支援機能12−2は、ポート情報210の中から電圧が接続元ポート情報205の電圧と一致するポート情報211を抽出する。
【0023】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート速度チェック処理107を行う。ポート速度チェック処理107は、ポート情報211の中から、接続元ポートのポート速度と一致するポート情報を取得する処理である。本処理において装置接続支援機能12−2は、ポート情報211の中から電圧が接続元ポート情報205のポート速度と一致するポート情報212を抽出する。
【0024】
続いて装置接続支援機能12−2は、接続状態チェック処理108を行う。接続状態チェック処理108は、ポート情報212の中から、接続が可能なポート情報を取得する処理である。本処理において装置接続支援機能12−2は、ポート情報212の中からポート状態が未接続中のポート情報213を抽出する。尚、本処理で取得したポート情報213は、接続時の判定で必要となる装置情報、接続種別、ポートタイプ、電圧、ポート速度、及び接続状態の6項目を考慮した上で、接続可能と判断される接続先のポート情報である。例えば、接続元ポート情報205のポートIDがP1−A1の場合、生成されるポート情報213は図11に示すとおりとなる。
【0025】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート情報描画処理(3)109を行う。本処理において装置接続支援機能12−2は、装置接続指定画面へポート情報213に該当するポートを強調色で表示する。本処理により、構成作成者は、装置接続指定画面を通じて、指定した接続種別、接続元のポートと接続可能なポートを視覚的に認識する事が可能となる。尚、本処理実施後の装置接続指定画面の表示内容は図5となる。
【0026】
構成作成者が接続先ポートを選択後、装置接続支援機能12−2は、見積作成支援機能と連携して見積情報追加処理110を行う。見積情報追加処理110は、構成作成者が実施した接続指定に対応する接続装置を見積結果へ追加する処理である。本処理において、装置接続支援機能12−2は、装置接続指定画面において構成作成者が選択した接続先ポート情報から接続先装置ID214と接続先ポートタイプ215を取得する。続いて、装置接続支援機能12−2は、前処理によって取得した接続種別203と装置ID206とポートタイプ207と接続先装置ID214と接続先ポートタイプ215をキーに、接続組合せ定義マスタ12−7のケーブルIDのカラムからケーブルID216を取得する。続いて、見積作成支援機能は、図12に示す製品情報マスタ12−3の装置IDのカラムにおいてケーブルID216と一致するレコード、つまり成作成者が実施した接続指定に対応する接続装置の見積情報を取得する。続いて、装置接続支援機能12−2は、取得したレコードに含まれる製品種別、製品名称、価格の情報を作成中の見積IDで保存する。例えば、接続先装置ID214がServer−Bで接続先ポートタイプ215がP2の場合、見積結果テーブルに追加される見積情報は図13に示すとおりとなる。
【0027】
上述したポート情報生成処理100〜見積情報追加処理110を装置接続支援機能12−2が実施することで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を実施する上で必須となる “接続装置組合せチェック”、”接続装置間の電圧チェック”などの高いハードウェア知識が要求されるチェックが不要となる。その結果、高いハードウェア知識を有していない構成作成者でもクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成が可能となるとともに、構成作成者が時間をかけることなく正確な接続先装置の選択が可能となることで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成にかかる工数が大幅に削減される。
【符号の説明】
【0028】
11…端末装置、12…クラスタ構成作成支援システム、12−1…見積作成支援機能、12−2…装置接続支援機能、12−3…製品情報マスタ、12−4…見積結果テーブル、12−5…装置情報マスタ、12−6…ポート情報定義マスタ、12−7…接続組合せ定義マスタ、13…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介したコンピュータシステムの構成作成を支援するシステムに関し、特にクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成時における好適な操作方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの構成は複雑化しており、オペレーティングシステム/プロセッサ種別/メモリ/PCIカードなどのコンピュータ装置単体の構成に加えて、コンピュータ装置間の接続装置も合わせて考慮する必要がある。
このために、例えば特開2004−139368号公報(特許文献1)に示されるように、利用者が選択した接続先、及び接続元装置情報を元に、接続用のハードウェアをシステム側で判定し、利用者の端末機器の表示部に表示させることで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を支援する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−139368公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、利用者が接続可能な接続先、及び接続元装置を選択した場合に初めて機能するものであるため、利用者が接続可能な装置を選択できない場合、上記従来記述が提供する利益を享受することができない。
【0005】
その一方で、装置の接続可否は、接続種別、ポートタイプ、接続装置の組合せ等の様々な要素の組合せで決定されるため、接続可能な装置の組み合わせを選択するためには、利用者は高いハードウェア知識を有している必要があった。この為、接続可能な装置の組み合わせの選択を構成作成者に行わせる上記従来技術では、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成時に、依然として構成作成者に高いハードウェア知識が要求されるという問題があった。
【0006】
上述した問題を解決するため、高いハードウェア知識が要求される接続可能な組合せの選択をシステム面で支援することが本発明の目的である。
【0007】
尚、上記の説明で述べたポートとは、装置間での接続時に利用される装置の接続口であり、ポートタイプとは、ポートの形状のことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決する為に本発明では、装置接続支援機能を有する。
【0009】
装置接続支援機能は、装置とポートの対応関係を定義する装置情報マスタと、ポートに関する情報を定義するポート情報定義マスタと、接続可能な組合せを定義する接続組合せ定義マスタと、装置間の接続指定を行う装置接続指定画面を有しており、見積られた構成情報、及び装置接続指定画面において指定される”接続種別”、”接続元ポート”、”接続元装置”の4つの情報を元に、上述した3つのマスタから、接続可能な接続先ポートを取得し、取得した接続可能な接続先ポートを装置接続指定画面へ強調色で表示する。本発明では、上記従来技術でも利用されている見積作成支援機能を、加えてもよい。
【0010】
上述した処理により、高いハードウェア知識が要求される接続可能な組合せの選択をシステム面で支援する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を実施する上で必須となる “接続装置組合せチェック”、”接続装置間の電圧チェック”などの高いハードウェア知識が要求されるチェックが、システムによって自動的に実施されるため、構成作成者がクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成時に実施していた上述のチェックは不要となる。その結果、高いハードウェア知識を有していない構成作成者でもクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成が可能となる。また、構成作成者が時間をかけることなく正確な接続先装置の選択が可能となることで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成にかかる工数が大幅に削減される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の概略システム構成図
【図2】装置接続支援機能12−2の処理フロー
【図3】装置接続指定画面(初期表示時)を示す図
【図4】装置接続指定画面(ポート情報選定処理(1)(1)後)を示す図
【図5】装置接続指定画面(ポート情報選定処理(2)(2)後)を示す図
【図6】装置情報マスタ12−5を示す図
【図7】ポート情報定義マスタ12−6を示す図
【図8】接続組合せ定義マスタ12−7を示す図
【図9】ポート情報202を示す図
【図10】ポート情報204(ポート情報選定処理(1)(1)後)を示す図
【図11】ポート情報213(ポート情報選定処理(2)(2)後)を示す図
【図12】製品情報マスタ12−3を示す図
【図13】見積結果テーブル12−4を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。まず、本実施形態で用いる装置について、その概略システム構成図を図1に示す。図1に示すように本システムは、構成作成者が利用する端末装置11が、ネットワーク13を介してクラスタ作成支援システム12と接続されている。ここで、端末装置11とクラスタ作成支援システム12は、いわゆるコンピュータで実現されるものであり、プログラムに従ってCPUの如き演算装置が後述する処理を実行する。特に、クラスタ構成作成支援システム12は、プログラムで実現可能な見積作成支援機能12−1、装置接続支援機能12−2を有し、以下の各データ(ベース)にアクセス可能ないし保持するものである。そのデータの詳細は後述するが、製品情報マスタ12−3、見積結果テーブル12−4、装置情報マスタ12−5、ポート情報定義マスタ12−6、接続組合せ定義マスタ12−7である。
【0014】
クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を行う際、構成作成者は顧客が要求するシステム規模や要件を元に、構成作成支援システムの見積作成支援機能が提供する装置選択画面を通じて装置を選択する。見積作成支援機能は、構成作成者が選択した装置の識別子である装置IDをキーに、製品情報マスタから製品名や価格などの見積装置情報を取得し、取得した結果を見積結果テーブルへ格納する。
【0015】
装置選択後、構成作成者は、クラスタ構成のコンピュータシステムを構築するため、クラスタ構成作成支援システム12が有する見積作成支援機能12−1にて選択した装置に対して接続指定を実施する。この接続指定を支援する装置接続支援機能12−2が従来技術との差分になるので、本機能が処理する内容の詳細について以下に示す。なお、この内容については、フローチャート図2に従うものである。
【0016】
装置接続支援機能12−2では、始めにポート情報生成処理100を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、見積作成支援機能12−1で構成作成者が選択した(端末装置10を介して)装置ID200をキーに、図6に示す装置情報マスタ12−5から対象装置が有するポートの識別子であるポートID201を取得する。ここで、装置情報マスタ12−5とは、装置を識別する装置IDとその装置IDが識別する装置が有するポートを識別するポートIDを対応付けて記録したものである。続いて、取得したポートID201をキーに、図7に示すポート情報定義マスタ12−6からポート情報を取得する。ここで、ポートマスタ情報定義マスタ12−6は、ポートを識別するポートID毎に、そのポートの内容、特性を示すポート情報が記録されたものである。続いて、このポート情報定義マスタ12−6から取得したポート情報と、ポートの接続状態を表すポート状態を合わせたポート情報202を生成する。例えば、装置ID200がServer-A、Server-B、Console-Cの場合、生成されるポート情報202は図9に示すとおりとなる。
【0017】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート情報描画処理(1)101を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、生成したポート情報202を元に、装置接続指定画面にポートを描画する。本処理により、構成作成者は、装置接続指定画面を通じて、見積装置が有する各ポートを視覚的に認識する事が可能となる。尚、本処理実施後の装置接続指定画面の表示内容は図3となる。
【0018】
構成作成者が接続種別203を選択後、装置接続支援機能12−2は、ポート情報選定処理(1)102を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、生成したポート情報202の接続種別が接続種別203と一致するポート情報204を抽出する。例えば、接続種別203がPowerの場合、生成されるポート情報204は図10に示すとおりとなる。
【0019】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート情報描画処理(2)103を行う。本処理において、装置接続支援機能12−2は、抽出したポート情報204を元に、装置接続指定画面にポートを描画する。本処理により、構成作成者は、装置接続指定画面を通じて、指定した接続種別に対応するポートを視覚的に認識する事が可能となる。尚、本処理実施後の装置接続指定画面の表示内容は図4となる。
【0020】
構成作成者が接続元ポートを選択後、装置接続支援機能12−2は、ポート情報選定処理(2)104を行う。尚、ポート情報選定処理(2)104は、接続可能装置組合せ判定処理105と電圧チェック処理106とポート速度チェック処理107と接続状態チェック処理108の4つの処理によって実現される。以下、ポート情報選定処理(2)104に実現に際し、装置接続支援機能12−2が実施する処理内容の詳細について説明する。
【0021】
始めに装置接続支援機能12−2は、接続可能装置組合せ判定処理105を行う。接続可能装置組合せ判定処理105は、装置情報、接続種別、及びポートタイプの3項目を考慮した上で、接続可能と判断される接続先のポート情報を取得する処理である。本処理において、装置接続支援機能12−2は、装置接続指定画面において構成作成者が選択した接続元ポート情報205から装置ID206とポートタイプ207を取得する。続いて、装置接続支援機能12−2は、取得した装置ID206とポートタイプ207をキーに、図8に示す接続組合せ定義マスタ12−7の接続先装置IDのカラムから装置ID208、接続先ポートタイプからポートタイプ209を取得する。ここで、接続組合せ定義マスタ12−7とは、接続元と先の装置がどのように接続されるかを示すもので、本実施形態では、その接続の種別、接続元の装置を識別する接続元装置ID、当該接続元の装置が有するポートのタイプを示す接続元ポートタイプ、接続先の装置を識別する接続先装置ID、当該接続先の装置が有するポートのタイプを示す接続先ポートタイプ、そして、接続に用いられるケーブルを識別するケーブルIDで構成される。続いて、装置接続支援機能12−2は、ポート情報205の中から装置ID208、ポートタイプ209が一致するポート情報210を抽出する。尚、本処理で取得したポート情報210は、装置情報、接続種別、及びポートタイプの3項目を考慮した上で、接続可能と判断される接続先のポート情報である。
【0022】
続いて装置接続支援機能12−2は、電圧チェック処理106を行う。電圧チェック処理106は、ポート情報210の中から、接続元ポートの電圧と一致するポート情報を取得する処理である。本処理において装置接続支援機能12−2は、ポート情報210の中から電圧が接続元ポート情報205の電圧と一致するポート情報211を抽出する。
【0023】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート速度チェック処理107を行う。ポート速度チェック処理107は、ポート情報211の中から、接続元ポートのポート速度と一致するポート情報を取得する処理である。本処理において装置接続支援機能12−2は、ポート情報211の中から電圧が接続元ポート情報205のポート速度と一致するポート情報212を抽出する。
【0024】
続いて装置接続支援機能12−2は、接続状態チェック処理108を行う。接続状態チェック処理108は、ポート情報212の中から、接続が可能なポート情報を取得する処理である。本処理において装置接続支援機能12−2は、ポート情報212の中からポート状態が未接続中のポート情報213を抽出する。尚、本処理で取得したポート情報213は、接続時の判定で必要となる装置情報、接続種別、ポートタイプ、電圧、ポート速度、及び接続状態の6項目を考慮した上で、接続可能と判断される接続先のポート情報である。例えば、接続元ポート情報205のポートIDがP1−A1の場合、生成されるポート情報213は図11に示すとおりとなる。
【0025】
続いて装置接続支援機能12−2は、ポート情報描画処理(3)109を行う。本処理において装置接続支援機能12−2は、装置接続指定画面へポート情報213に該当するポートを強調色で表示する。本処理により、構成作成者は、装置接続指定画面を通じて、指定した接続種別、接続元のポートと接続可能なポートを視覚的に認識する事が可能となる。尚、本処理実施後の装置接続指定画面の表示内容は図5となる。
【0026】
構成作成者が接続先ポートを選択後、装置接続支援機能12−2は、見積作成支援機能と連携して見積情報追加処理110を行う。見積情報追加処理110は、構成作成者が実施した接続指定に対応する接続装置を見積結果へ追加する処理である。本処理において、装置接続支援機能12−2は、装置接続指定画面において構成作成者が選択した接続先ポート情報から接続先装置ID214と接続先ポートタイプ215を取得する。続いて、装置接続支援機能12−2は、前処理によって取得した接続種別203と装置ID206とポートタイプ207と接続先装置ID214と接続先ポートタイプ215をキーに、接続組合せ定義マスタ12−7のケーブルIDのカラムからケーブルID216を取得する。続いて、見積作成支援機能は、図12に示す製品情報マスタ12−3の装置IDのカラムにおいてケーブルID216と一致するレコード、つまり成作成者が実施した接続指定に対応する接続装置の見積情報を取得する。続いて、装置接続支援機能12−2は、取得したレコードに含まれる製品種別、製品名称、価格の情報を作成中の見積IDで保存する。例えば、接続先装置ID214がServer−Bで接続先ポートタイプ215がP2の場合、見積結果テーブルに追加される見積情報は図13に示すとおりとなる。
【0027】
上述したポート情報生成処理100〜見積情報追加処理110を装置接続支援機能12−2が実施することで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成を実施する上で必須となる “接続装置組合せチェック”、”接続装置間の電圧チェック”などの高いハードウェア知識が要求されるチェックが不要となる。その結果、高いハードウェア知識を有していない構成作成者でもクラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成が可能となるとともに、構成作成者が時間をかけることなく正確な接続先装置の選択が可能となることで、クラスタ構成のコンピュータシステムの構成作成にかかる工数が大幅に削減される。
【符号の説明】
【0028】
11…端末装置、12…クラスタ構成作成支援システム、12−1…見積作成支援機能、12−2…装置接続支援機能、12−3…製品情報マスタ、12−4…見積結果テーブル、12−5…装置情報マスタ、12−6…ポート情報定義マスタ、12−7…接続組合せ定義マスタ、13…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラスタ構成システム向けに構成作成を支援するクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記クラスタ構成支援システムを構成する各装置について、当該装置の有するポートとの対応関係を示す装置情報マスタと、前記ポートに関する情であるポート情報を示すポート情報定義マスタと、接続元と先の装置がどのように接続されるかを示す接続組合せ定義マスタを記憶する記憶手段と、
前記構成作成を行う利用者から、構成作成対象であるクラスタ構成システムを構成する装置に関する指定を受付ける手段と、
前記受付けられた装置に関する情報に基づいて、当該装置に接続可能なポートを特定する手段と、
特定された前記ポートを、前記利用者が利用する端末装置であって、当該クラスタ構成作成支援システムとネットワークを介して接続された端末装置に表示させる手段とを有することを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
さらに、前記構成作成対象のクラスタを構成する装置の候補を見積もる見積作成支援手段を有することを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記受付ける手段は、接続種別、接続元ポートおよび接続元装置を、前記装置に関する情報として受付け、
前記特定する手段は、前記見積作成支援手段で見積もられた装置の構成情報および受付けられた前記接続種別、接続元ポートおよび接続元装置を用いて、当該接続元装置に接続可能なポートを特定することを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記表示される手段は、前記接続可能なポートを他のポートと区別して表示させることを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記表示させる手段は、前記接続可能なポートを、強調色で表示させることを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項1】
クラスタ構成システム向けに構成作成を支援するクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記クラスタ構成支援システムを構成する各装置について、当該装置の有するポートとの対応関係を示す装置情報マスタと、前記ポートに関する情であるポート情報を示すポート情報定義マスタと、接続元と先の装置がどのように接続されるかを示す接続組合せ定義マスタを記憶する記憶手段と、
前記構成作成を行う利用者から、構成作成対象であるクラスタ構成システムを構成する装置に関する指定を受付ける手段と、
前記受付けられた装置に関する情報に基づいて、当該装置に接続可能なポートを特定する手段と、
特定された前記ポートを、前記利用者が利用する端末装置であって、当該クラスタ構成作成支援システムとネットワークを介して接続された端末装置に表示させる手段とを有することを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
さらに、前記構成作成対象のクラスタを構成する装置の候補を見積もる見積作成支援手段を有することを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記受付ける手段は、接続種別、接続元ポートおよび接続元装置を、前記装置に関する情報として受付け、
前記特定する手段は、前記見積作成支援手段で見積もられた装置の構成情報および受付けられた前記接続種別、接続元ポートおよび接続元装置を用いて、当該接続元装置に接続可能なポートを特定することを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記表示される手段は、前記接続可能なポートを他のポートと区別して表示させることを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載のクラスタ構成作成支援システムにおいて、
前記表示させる手段は、前記接続可能なポートを、強調色で表示させることを特徴とするクラスタ構成作成支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−29947(P2013−29947A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164927(P2011−164927)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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