説明

クリップカッター

【課題】 スナック菓子の袋等を力を入れて切断できること。
【解決手段】 このクリップカッター100は、下部片3及び上部片4とからなり切断対象物を挟むクリップ部1と、その上面に設けたカッター部2とから構成される。クリップ部1は、楕円形の挟み部5とつまみ部6とを備える。上部片4の上面には、カッター片12が設けられている。カッター片12の後端にはつまみ部15が形成される。カッター片12の先端側の下部には、刃16が設けられている。カッター片12を開いて切断対象物を挿入し、スライドさせることで袋等の切断対象物を切断でき、切断対象物をクリップ部1で挟んで固定できる。また、カッター片12を押さえ、切断対象物の袋等の端を持って力を入れてスライドできるため、多少厚いものであっても綺麗に切断できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スナック菓子等の袋や手紙等の切断対象物を切断し、切断部分をクリップでとめるクリップカッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に記載のようなカッター兼クリップが知られている。このカッター兼クリップは、平板状のクリップ本体からカッター部が飛び出し、カッター部には、指が入らないような切り込みが設けられ、この切り込みの奥に刃が設けられた構成である。また、クリップ本体にはキャラクター部材が設けられ、このキャラクター部材がクリップとして機能する。
【0003】
このカッター兼クリップは、使用時にクリップ本体からカッター部を突出させ、スナック菓子等の収納袋を切断し、切断した収納袋をクリップにより閉じる構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3069888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のカッター兼クリップは、切り込みの奥に刃を設け、切り込みに袋の端を通して奥の刃で切断するため、力を入れて切断することが難しかった。また、袋の端から切断する他なかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るクリップカッターは、下部片及び上部片が軸を中心に回動状態で連結され後方につまみ部が形成されたクリップ部と、前記上部片の上面に軸を中心に回動状態で連結され且つ後端につまみ部が設けられ、先端側の下部に刃が設けられたカッター片を有するカッター部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明に係るクリップカッターは、上記発明において、前記刃が両刃であることを特徴とする。
【0008】
第3の発明に係るクリップカッターは、上記発明において、前記上部片の上面には、前記刃の先端が入る窪みが設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態に係るクリップカッターを示す平面図である。
【図2】図1に示したクリップカッターを示す右側面図である。
【図3】図1に示したクリップカッターの底面図である。
【図4】図1に示したクリップカッターの正面図である。
【図5】図1に示したクリップカッターの背面図である。
【図6】図1に示したクリップカッターを示す断面図である。
【図7】このクリップカッターの使用方法を示す説明図である。
【図8】このクリップカッターの使用方法を示す説明図である。
【図9】このクリップカッターの切断時の使用状態を示す右側面図である。
【図10】図1に示したクリップカッターの切断時の使用状態を示す正面図である。
【図11】図1に示したクリップカッターの切断時の使用状態を示す断面図である。
【図12】このクリップカッターのクリップ部の使用状態を示す平面図である。
【図13】クリップカッターのクリップ部の使用状態を示す右側面図である。
【図14】図1に示したクリップカッターのクリップ部の使用状態を示す底面図である。
【図15】図1に示したクリップカッターのクリップ部の使用状態を示す正面図である。
【図16】図1に示したクリップカッターのクリップ部の使用状態を示す背面図である。
【図17】クリップカッターのクリップ部の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明の実施の形態に係るクリップカッターを示す平面図である。図2は、図1に示したクリップカッターを示す右側面図である。左側面図は右側面図と同様に現れる。図3は、図1に示したクリップカッターの底面図、図4は正面図、図5は背面図である。図6は、図1に示したクリップカッターを示す断面図であり、(a)は全体図、(b)は刃の周囲の拡大図である。
【0011】
このクリップカッター100は、全体がプラスチック製であり、切断対象物Sを挟むクリップ部1と、クリップ部1の上面に設けたカッター部2とから構成される。クリップ部1は、下部片3及び上部片4とからなる。下部片3及び上部片4は、楕円形の挟み部5と、当該挟み部5から突出したつまみ部6とそれぞれを備える。つまみ部6の根元部分には、下部片3及び上部片4を軸7で連結して相対的に回動可能としている。この軸7は、コイルスプリング8の中央を貫通しており、当該コイルスプリング8の足は、上部片4のつまみ部6と下部片3のつまみ部6とに当接している。
【0012】
下部片3及び上部片4の対向面には、多数の凸リブ9からなる狭持部10が設けられている。この狭持部10の構造は、凸リブ9の他、円柱状や三角錐等でも良い。この凸リブ9は下部片3及び上部片4において交互に配置され、先端が互いに隙間をもって噛み合うような形となる。また、当該凸リブ9は、挟んだ時に抜けないようにクリップ部1の横方向に形成している。前記つまみ部6は、クリップ部1を閉じた状態で後方に向けて広がるように設けられる。
【0013】
カッター部2は、上部片4の上面に略長方形のカッター片12を取り付けた構成である。当該カッター片12は上部片4より小さく、上部片4の上に載るような格好で配置されている。カッター片12の上面は指で押しやすいように平面的に形成されている。カッター片12の後方端近傍には軸13が設けられ、この軸13にコイルスプリング14が配置される。カッター片12の後端にはつまみ部15が形成される。つまみ部15の下側(上部片4の表面との間)には所定の空間が確保され、つまみ部15が動く余地が形成される。軸13は、前記軸7よりも前方に位置する。これは、カッター片12を押さえるときに軸7より後方(つまみ部6側)にあると、クリップ部1が開くように動作するので、使い勝手が良くないためである。同様の観点で、つまみ部15は、軸7よりも前方に位置するようにするのがより好ましい。
【0014】
また、カッター片12の先端側の下部には、刃16が設けられている。刃16は、ネジ17によりカッター片12に対して固定されており、当該刃16は、クリップ部1の横方向に向いている。刃16の方向は、後述するが切断対象である袋や紙等がカッター片12と上部片4との間を通ることができれば、いずれの方向でも良い。同図の例では、クリップ部1が楕円形をしており、長手方向である横方向に向けて刃16が設けられている。
【0015】
刃16は、ネジ17を外すことで交換可能としても良い。また、カッター片12に対する固定方法はネジ17に限定されず、溝に嵌め込んで接着する等の公知の技術を採用できる。刃16には所謂両刃を用いる。これにより、いずれの方向にもカット可能になる。また、カッター部2の前記上部片4の上面の前記刃16の対向する位置には、窪み18が形成されており、カッター片12が閉じている状態で前記窪み18に刃16の先端が入る。これにより、刃16が切断対象物Sを完全に貫通するように突き刺さるようになる。
【0016】
下部片3のクリップ部1の内部であって外側表面が平らになっている部分に相当する位置には、ネオジウム磁石が設けられている(図示省略)。磁力は下部片3の面を通って外部に及ぶため、金属面にくっつけることができる。
【0017】
図7及び図8は、このクリップカッターの使用方法を示す説明図である。図9は、このクリップカッターの切断時の使用状態を示す右側面図である。図10は、図1に示したクリップカッターの切断時の使用状態を示す正面図、図11は断面図であり、(a)は全体図、(b)は刃の周囲の拡大図である。
【0018】
このクリップカッター100では、カッター片12のつまみ部15を押して、図9〜図11に示すように、カッター片12の先端を開く。これにより、カッター片12と上部片4との間に隙間ができるので、この隙間に切断対象物Sを挿入する。例えば、袋菓子の袋の端部を挿入する。この状態で、刃16は、カッター片12の下部から出ている。次に、カッター片12のつまみ部15を離し、カッター片12を指で押して刃16の先端を切断対象物Sに押し付ける。これにより、刃16が切断対象物Sに刺さり、刃16の先は窪み18に入る。このまま、図8に示すように、クリップカッター100を横方向にスライドさせると、前記刃16により切断対象物Sが切断される。刃16は両刃のためいずれの方向でも切断できる。即ち、右利きのユーザも左利きのユーザも不便なく使うことができる。
【0019】
また、刃16はカッター片12の下部にあるため指に触れることがないし、カッター片12の先端のひらく量は3mm〜7mm程度であるため、安全に切断対象物Sを切断できる。そして、必要な切断を終えたら、カッター片12のつまみ部15を押さえて刃16を切断対象物Sから離脱させ、クリップカッター100を離す。そのままつまみ部15を離せば、刃16は、カッター片12と共に閉じて前記窪み18に収納される。
【0020】
図12は、このクリップカッターのクリップ部の使用状態を示す平面図である。図13は、クリップカッターのクリップ部の使用状態を示す右側面図である。左側面図は右側面図と同様に現れる。図14は、図1に示したクリップカッターのクリップ部の使用状態を示す底面図、図15は正面図、図16は背面図である。図17は、クリップカッターのクリップ部の使用状態を示す断面図である。
【0021】
次に、袋菓子等の切断対象物Sの中にお菓子を入れたまま保存するときは、例えば袋の入口を丸めたり或いは折ったりして袋を閉じる。そして、つまみ部6を指でつまんでクリップ部1を開き、袋の丸めた部分を挟んで留める。これにより袋を閉じることができる。クリップ部1の狭持部10は、多数の凸リブ9からなるので、袋をリブ同士で噛むように固定できる。
【0022】
以上、この発明のクリップカッター100によれば、カッター片12を開いて切断対象物Sを挿入し、スライドさせることで袋等の切断対象物Sを簡単かつ安全に切断でき、切断対象物Sをクリップ部1で挟んで固定できる。また、カッター片12を押さえ、切断対象物Sの袋等の端を持って力を入れてスライドできるため、多少厚いものであっても綺麗に切断できる。また、カッターとクリップが一体になっているので持ち運びやすい。更に、カッター片12を開いて切断対象物Sを挿入し、刃16を差し込んでからスライドさせることで切断するので、袋の中間位置からでも切断できる。このため、袋の端を少しだけ切断したいとき等に有用である。
【0023】
なお、上記クリップ部1の形状は同図に示すようなものに限定されない。平面図において長方形でもよいし、円形でも良い。また、カッター部2のカッター片12の形状も同図に示すようなものに限定されない。また、カッター部2を下部片4の上面に追加して設けても良い。クリップ部1の開閉方向とカッター部2の開閉方向は同じでなくても良い。
【符号の説明】
【0024】
100 クリップカッター
1 クリップ部
2 カッター部
3 下部片
4 上部片
5 挟み部
6 つまみ部
12 カッター片
15 つまみ部
16 刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部片及び上部片が軸を中心に回動状態で連結され後方につまみ部が形成されたクリップ部と、
前記上部片の上面に軸を中心に回動状態で連結され且つ後端につまみ部が設けられ、先端側の下部に刃が設けられたカッター片を有するカッター部と、
を備えたことを特徴とするクリップカッター。
【請求項2】
前記刃は、両刃であることを特徴とする請求項1に記載のクリップカッター。
【請求項3】
前記カッター部の前記上部片の上面には、前記刃の先端が入る窪みが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリップカッター。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−52107(P2013−52107A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192187(P2011−192187)
【出願日】平成23年9月3日(2011.9.3)
【出願人】(509146517)有限会社アンリミット・ジャパン (3)
【Fターム(参考)】