説明

クリップ

【課題】留め付け対象物にガタなく留め付きながら、その留め付け力を経時的にも変化させることのないクリップを提供する。
【解決手段】頭部1を構成する第一パーツFと、脚部7と第一パーツF内にあってこの第一パーツFの回動中心となる基部8とを一体に備えた第二パーツMとからなる。第二パーツMの脚部7は留め付け対象物Pに形成された取付穴Paを軸受とした回動を生じない形状となっていると共に、第一パーツFと第二パーツMの基部8とには、取付穴Paに脚部7を挿入した状態からの第一パーツFの回動操作により、頭部1と弾性係合部71との間の距離を狭める向きに第二パーツMを移動させる締め込み手段が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、留め付け対象物に形成された取付穴に入り込まない大きさの頭部と、この取付穴に挿入可能な脚部とを有し、この脚部の側部に形成された弾性係合部の前記挿入が所定位置までなされたときの弾性復帰により前記頭部とこの弾性係合部との間に留め付け対象物を挟んでこれに留め付くクリップの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
板状部材の取付孔に入り込まない大きさのフランジを備えた本体と、この本体の胴部に薄肉部をもって連接された栓体とを有し、本体の胴部と栓体とを取付孔に挿通した後に、本体のフランジ側から胴部内を通じて栓体にねじをネジつけることで、栓体を本体の胴部内に引き込みこれにより胴部を拡開させて前記フランジと拡開された胴部とで板状部材を挟み付けるようにしたグロメットがある(特許文献1参照)かかるグロメットにあっては、重ね合わせたパネルの厚さに応じて前記本体の胴部の拡開量が変わるため前記板状部材にガタなく留め付く反面、板状部材の厚さが変わるとそれに作用させる留め付け力にも変化を生じさせてしまうものであった。また、かかるグロメットにあっては、使用状態においては前記本体の胴部は拡開され続けられる、つまり、弾性変形され続けることから、クリープ現象により、長期に亘り前記留め付け力を一定に保ち難いところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平4−72082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、留め付け対象物にガタなく留め付きながら、その留め付け力を経時的にも変化させることのないクリップを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、クリップを、留め付け対象物に形成された取付穴に入り込まない大きさの頭部と、この取付穴に挿入可能な脚部とを有し、この脚部の側部に形成された弾性係合部の前記挿入が所定位置までなされたときの弾性復帰により前記頭部とこの弾性係合部との間に留め付け対象物を挟んでこれに留め付くクリップであって、
前記頭部を構成する第一パーツと、
前記脚部と前記第一パーツ内にあってこの第一パーツの回動中心となる基部とを一体に備えた第二パーツとからなり、
この第二パーツの脚部は前記取付穴を軸受とした回動を生じない形状となっていると共に、
第一パーツと第二パーツの基部とには、前記取付穴に前記脚部を挿入した状態からの第一パーツの回動操作により、頭部と弾性係合部との間の距離を狭める向きに第二パーツを移動させる締め込み手段が備えられているものとした。
【0006】
かかるクリップにあっては、留め付け対象物を前記頭部と前記弾性係合部との間に挟んだ状態から第一パーツの工具などを必要としない単純な回動操作を契機として、前記締め込み手段によってかかる頭部と弾性係合部とにより留め付け対象物をガタつきなく挟み付けることができる。典型的には、クリップを介して、二以上の留め付け対象物を相互に密着させるようにして留め付け合わせることができる。この挟み付け状態は第二パーツの前記移動によりなされ、前記弾性係合部には弾性変形を生じさせないことから、挟み付け力は一定であり、また、前記挟み付け状態は長期に亘り安定的に維持される。
【0007】
前記締め込み手段を、第一パーツにおける留め付け対象物への当接側と反対の側にカム面を向けると共にこの第一パーツの回動中心を巡る螺旋に沿うようにその内部に形成された階段状をなすカム部と、第二パーツの基部に形成されてこのカム部に載置案内される被案内部とから構成させるようにすることが、好ましい態様の一つとされる。このようにしておけば、前記のように留め付け対象物を頭部と弾性係合部との間に挟んだ状態から、被案内部が階段状のカム部を昇る向きに第一パーツを回動させると、第二パーツは第一パーツ内に引き込まれる向きに移動され、頭部と弾性係合部との間の距離が狭められて両者の間で留め付け対象物が挟み付けられる。
【0008】
かかる階段状をなすカム部における各段を、第一パーツの内壁から回動中心側に続く溝状をなすと共に、溝断面形状を凹球面状とする凹部により形成させるようにしておけば、隣り合う段間に前記戻り止め部となる凸所を形成させることがでできる。それと共に、前記被案内部を、前記凹部に納まる太さの断面円形のピン状をなすように構成させておけば、第一パーツの回動操作により、被案内部は戻り止め部を乗り越えながらカム部を昇ることができるようになると共に、前記回動を停止した状態においては被案内部をいずれかの前記段の凹部に納めて、頭部と弾性係合部との間の距離を変える第二パーツの移動を生じさせないようにすることができる。
【0009】
また、前記第一パーツにおける前記取付穴への脚部の挿入時にこの留め付け対象物に向き合う面部にその回動中心を巡る突状部を形成させ、第一パーツが留め付け対象物に対しこの突状部によって当接されるようにしておけば、前記回動操作がスムースになされるようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明にかかるクリップにあっては、留め付け対象物にガタなく留め付きながら、その留め付け力を経時的にも変化させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は実施の形態にかかるクリップの斜視図である。
【図2】図2は実施の形態にかかるクリップの斜視図であり、図1の下側からかかるクリップを見て示している。
【図3】図3は実施の形態にかかるクリップの分解斜視図であり、これを構成する第一パーツの一部を破断して示している。
【図4】図4は実施の形態にかかるクリップの側面図である。
【図5】図5は図4におけるA−A線位置での断面図である。
【図6】図6は実施の形態にかかるクリップの側面図であり、図4と90度異なる向きからクリップを見て示している。
【図7】図7は図6におけるB−B線位置での断面図である。
【図8】図8は実施の形態にかかるクリップの平面図である。
【図9】図9は実施の形態にかかるクリップの底面図である。
【図10】図10は第一パーツのカム部に第二パーツの被案内部を載置させたセット状態において脚部を留め付け対象物の取付穴に挿通した状態を示した断面図であり、これらを図8におけるC−C線位置で断面にして示している。
【図11】図11は図10の状態から頭部と弾性係合部との間の距離を狭める向きに第一パーツを回動操作した状態を示した断面図である。
【図12】図12は図1〜図11に示される例の構成の一部を変更させた他の構成例を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図12に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかるクリップは、留め付け対象物Pに形成された取付穴Paに入り込まない大きさの頭部1と、この取付穴Paに挿入可能な脚部7とを有し、この脚部7の側部70に形成された弾性係合部71の前記挿入が所定位置までなされたときの弾性復帰により前記頭部1とこの弾性係合部71との間に留め付け対象物Pを挟んでこれに留め付くものである。この実施の形態にかかるクリップはさらに、前記所定位置までの挿入の後にさらに前記頭部1を構成する第一パーツFを回動操作することにより、前記頭部1と弾性係合部71との間の距離を狭めて、これらによって留め付け対象物Pをガタなく挟持するようになっている。
【0013】
かかるクリップは、典型的には、二以上の留め付け対象物Pを、かかるクリップを介して留め合わせるために用いられる。図示の例では、かかるクリップによって、留め付け対象物Pとしての二枚のパネルを留め合わせている。二枚のパネルにはそれぞれ、前記取付穴Paが貫通状態に設けられている。二枚のパネルを互いの取付穴Paを連通させるようにして重ね合わせるようにした状態から、かかる連通された取付穴Paに前記脚部7を前記所定位置まで挿入し、(図10)この後に前記頭部1を構成する第一パーツFを回動操作することにより、前記頭部1と弾性係合部71との間の距離を狭めて、これらによって二枚のパネル同士をクリップを介して密着状態に留め合わせるようになっている。(図11)
【0014】
この実施の形態にあっては、前記脚部7は、その軸中心線に直交する向きの断面外郭形状を、長さ側と幅側とを持った扁平な円状とするように構成されている。これにより、かかる脚部7の断面外郭形状に倣うと共に、この脚部7を隙間少な受け入れる穴形状を備えた前記取付穴Paに対し、かかる脚部7はその長さ側を取付穴Paの長さ側に沿わせた向きでのみ挿入でき、また、この取付穴Paに前記所定位置まで挿入された状態において、この取付穴Paを軸受とした回動をしないようになっている。
【0015】
かかるクリップは、前記頭部1を構成する第一パーツFと、前記脚部7と前記第一パーツF内にあってこの第一パーツFの回動中心となる基部8とを一体に備えた第二パーツMとから構成されている。第二パーツMを合成樹脂の成形品にすれば、この第二パーツMにおける弾性変形特性を備えるべき部分、つまり、前記弾性係合部71に、容易にこの特性を付与することができる。
【0016】
図示の例では、第一パーツFは、筒両端を共に開放させた、短寸の円筒状を呈している。第一パーツFの直径方向両側には、第一パーツFを内外に貫通する窓穴2が形成されている。第一パーツFの筒軸方向において、この窓穴2を挟んだ両側にはそれぞれ、開放縁から第一パーツFの内方に向けて突き出す板状をなす抜け止め片3が形成されている。この抜け止め片3はその板面を第一パーツFの筒軸に直交させるように配し、また、この抜け止め片3の幅は窓穴2の幅と略等しくなっている。また、第一パーツFの中心を挟んだ対向位置にある一対の抜け止め片3、3の突きだし端間の距離は、後述の第二パーツMの基部8の外径よりも小さく、かつ、脚部7の外径より大きくなっている。また、第一パーツFの内側であって、一対の窓穴2、2の間にはそれぞれ、内鍔状部4が形成されている。この内鍔状部4の一面は第一パーツFにおける留め付け対象物Pに対して当接される筒端及びこの筒端側の抜け止め片3の一面と同面上に位置されている。この内鍔状部4の他面に後述の締め込み手段を構成する階段状をなすカム面90が形成されており、このカム面90によって内鍔状部4はその一端40側から他端41側に向かうに連れて厚くなるように構成されている。二箇所の内鍔状部4、4の一方の一端40と他方の一端40、及び、二箇所の内鍔状部4、4の一方の他端41と他方の他端41とはそれぞれ、第一パーツFの中心を挟んだ対向位置に位置されている。二箇所の内鍔状部4、4の一方の一端40と二箇所の抜け止め片3、3の一方との間、及び、二箇所の内鍔状部4、4の他方の一端40と二箇所の抜け止め片3、3の他方との間には、間隔5が形成されている。
【0017】
一方、図示の例では、第二パーツMは、円盤状をなす前記基部8と、この基部8の一面の略中央から突き出す脚部7とを備えている。脚部7は、脚端を閉塞させた中空の筒状をなしている。基部8には、この脚部7の内部に連通する貫通孔80が形成されている。脚部7の長さ側の側部にそれぞれ、弾性係合部71が形成されている。弾性係合部71は、脚部7の側部70をその脚端側を残して割り欠くスロット72内に形成されている。弾性係合部71はかかるスロット72の脚端側の端部から第二パーツMの基部8側に向けて突き出す弾性板片71aの外側に隆起部71bを形成させてなる。隆起部71bは基部8に向いた係合面71cを有すると共に、この係合面71cと反対の側を前記脚端に向かうに連れて隆起部71bの突きだし寸法を減じさせる傾斜面71dとしている。基部8における隆起部71bの直上位置には、この基部8の側から隆起部71bをのぞき込める大きさの前記貫通孔80に連通する補助貫通孔81が形成されている。また、基部8にはその直径方向両側に、この基部8の外縁部から側方に突き出すピン状をなす後述の締め込み手段を構成する被案内部10が形成されている。
【0018】
第二パーツMの基部8は、第一パーツFの内側に形成された一対の内鍔状部4、4間に納まる大きさで、かつ、その外径は一対の抜け止め片3、3の突きだし端間の距離よりも大きくなっている。また、第二パーツMの基部8の厚さは、第一パーツFの筒軸方向の寸法よりも小さくなっている。
【0019】
図示の例では、第一パーツF内に第二パーツMの基部8を納めた状態で、両パーツF、Mを同時に樹脂成形できるようになっている。すなわち、図示の例では、第一パーツFの抜け止め片3と内鍔状部4との間に形成された前記間隔5を利用して第二パーツMの被案内部10を成形でき、また、前記補助貫通孔81を利用して第二パーツMの弾性係合部71を成形でき、さらに、第一パーツFの窓穴2を利用して第二パーツMの基部8における抜け止め片3と第一パーツFの筒軸方向においてオーバーラップ(図8及び図9)される箇所82を成形できるようになっている。
【0020】
また、前記第一パーツFと第二パーツMの基部8とには、前記留め付け対象物Pの取付穴Paに前記脚部7を挿入した状態からの第一パーツFの回動操作により、頭部1と弾性係合部71との間の距離を狭める向きに第二パーツMを移動させる締め込み手段が備えられている。
【0021】
第二パーツMの脚部7における一対の弾性係合部71、71の隆起部71b間の距離は、取付穴Paの長さ側の穴縁間の距離よりもやや大きく、取付穴Paに脚部7を挿入すると前記傾斜面71dが取付穴Paの穴縁に摺接して前記弾性片71aは脚部7の内側へ撓み込み、この撓み込みにより前記所定位置までの脚部7の挿入が許容される。この所定位置まで取付穴Paに脚部7が挿入されると前記弾性片71aは撓み戻し前記頭部1と前記弾性係合部71の係合面71cとの間で留め付け対象物Pを挟む状態となる。(図10)
【0022】
この実施の形態にかかるクリップにあっては、留め付け対象物Pを前記頭部1と前記弾性係合部71との間に挟んだ状態から第一パーツFの工具などを必要としない単純な回動操作を契機として、前記締め込み手段によってかかる頭部1と弾性係合部71とにより留め付け対象物Pをガタつきなく挟み付けることができる。典型的には、クリップを介して、二以上の留め付け対象物Pを相互に密着させるようにして留め付け合わせることができる。(図11)この挟み付け状態は第二パーツMの前記移動によりなされ、前記弾性係合部71には弾性変形を生じさせないことから、挟み付け力は一定であり、また、前記挟み付け状態は長期に亘り安定的に維持される。
【0023】
この実施の形態にあっては、締め込み手段は、第一パーツFにおける留め付け対象物Pへの当接側と反対の側にカム面90を向けると共にこの第一パーツFの回動中心を巡る螺旋に沿うようにその内部に形成された階段状をなすカム部9と、第二パーツMの基部8に形成されてこのカム部9に載置案内される被案内部10とから構成されている。前記のように留め付け対象物Pを頭部1と弾性係合部71との間に挟んだ状態から、被案内部10が階段状のカム部9を昇る向きに第一パーツFを回動させると、第二パーツMは第一パーツF内に引き込まれる向きに移動され、頭部1と弾性係合部71との間の距離が狭められて両者の間で留め付け対象物Pが挟み付けられる。この実施の形態にあっては、第一パーツFと第二パーツMとを前記のように同時に樹脂成形した状態から、第二パーツMの基部8を第一パーツF内で回動又は相対的に回動させることで前記内鍔状部4のカム部9に被案内部10を載置できるようになっている。
【0024】
また、前記階段状をなすカム部9における隣り合う段91、91間にはある段91に載置された被案内部10のその段91よりも一つ下の段91への移動を妨げる戻り止め部92が形成されている。これにより、この実施の形態にあっては、前記のように留め付け対象物Pを挟み付けた状態を安定的に維持できるようになっている。
【0025】
この実施の形態にあっては、階段状をなすカム部9における各段91は、第一パーツFの内壁から回動中心側に続く溝状をなすと共に、溝断面形状を凹球面状とする凹部により形成されている。これにより、隣り合う段91、91間に前記戻り止め部92となる凸所が形成されている。より具体的には、前記内鍔状部4の他面に、第一パーツFの内壁からこの内鍔状部4の突きだし端に亘り、かつ、この突きだし端において開放された複数の前記凹部が、この内鍔状部4の延長方向において隣り合う凹部との間に稜状の凸所を形成させながら、並設されている。それと共に、前記被案内部10は、前記凹部に納まる太さの断面円形のピン状をなすように構成されている。これにより、第一パーツFの回動操作により、被案内部10は戻り止め部92を乗り越えながらカム部9を昇ることができるようになっていると共に、前記回動を停止した状態においてはいずれかの前記段91の凹部に納まり、頭部1と弾性係合部71との間の距離を変える第二パーツMの移動を生じさせないようになっている。
【0026】
図12に示されるように、第一パーツFにおける前記取付穴Paへの脚部7の挿入時にこの留め付け対象物Pに向き合う面部にその回動中心を巡る突状部6を形成させ、第一パーツFが留め付け対象物Pに対しこの突状部によって当接されるようにしておけば、前記回動操作がスムースになされるようにすることができる。
【符号の説明】
【0027】
P 留め付け対象物
Pa 取付穴
F 第一パーツ
M 第二パーツ
1 頭部
7 脚部
8 基部
71 弾性係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
留め付け対象物に形成された取付穴に入り込まない大きさの頭部と、この取付穴に挿入可能な脚部とを有し、この脚部の側部に形成された弾性係合部の前記挿入が所定位置までなされたときの弾性復帰により前記頭部とこの弾性係合部との間に留め付け対象物を挟んでこれに留め付くクリップであって、
前記頭部を構成する第一パーツと、
前記脚部と前記第一パーツ内にあってこの第一パーツの回動中心となる基部とを一体に備えた第二パーツとからなり、
この第二パーツの脚部は前記取付穴を軸受とした回動を生じない形状となっていると共に、
第一パーツと第二パーツの基部とには、前記取付穴に前記脚部を挿入した状態からの第一パーツの回動操作により、頭部と弾性係合部との間の距離を狭める向きに第二パーツを移動させる締め込み手段が備えられていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
締め込み手段は、第一パーツにおける留め付け対象物への当接側と反対の側にカム面を向けると共にこの第一パーツの回動中心を巡る螺旋に沿うようにその内部に形成された階段状をなすカム部と、第二パーツの基部に形成されてこのカム部に載置案内される被案内部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
階段状をなすカム部における隣り合う段間にはある段に載置された被案内部のその段よりも一つ下の段への移動を妨げる戻り止め部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のクリップ。
【請求項4】
階段状をなすカム部における各段は、第一パーツの内壁から回動中心側に続く溝状をなすと共に、溝断面形状を凹球面状とする凹部により形成されていると共に、
被案内部は、前記凹部に納まる太さの断面円形のピン状をなすように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のクリップ。
【請求項5】
第一パーツは留め付け対象物に対し、取付穴への脚部の挿入時にこの留め付け対象物に向き合う面部に形成されたその回動中心を巡る突状部によって当接されるようになっていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−193760(P2012−193760A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56431(P2011−56431)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】