説明

クロマティックポイントセンサの動作方法、及び、クロマティックポイントセンサ

【課題】クロマティックポイントセンサに改良された精度とロバスト性を与える。
【解決手段】距離測定はプロファイルデータの決定されたピーク位置指標座標ppicと共に変化する方法で選択された強度プロファイルデータの距離を示す下位セットに基づく。ppicはプロファイルデータピークの位置を指示する。特定のppicを持つプロファイルデータに対して、その距離を示す下位セットが同じ特定のppicによって指示される特定の指標に固有なデータ限定パラメータに基づいて選択される。特定のppicによって指示された指標に固有なデータ限定パラメータの各セットが、そのppicを持つプロファイルデータに対応する距離校正動作に際して使われる距離を示すデータの下位セットを特徴付ける。データの距離を示す下位セットが全体的な強度の変動及び検出器バイアス信号レベルの変動に係わらず校正動作の間に使われる対応する距離を示すデータの下位セットと同様に補償される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密測定装置に係り、特に、スペクトルの強度プロファイルを解析するときに、データ選択のダイナミックな補償が行なわれるクロマティックポイントセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
光学式の高さセンサにおいて、クロマティック共焦点技術を用いることが知られている。ここで全体を取り込む特許文献1に記載されているように、軸上色収差(軸上の又は縦の色分散とも称する)を持つ光学素子が、焦点までの軸方向距離が波長によって変化するように、波長域の広い光源の焦点を結ぶのに用いられる。従って、表面上で唯一の波長のみが正確に焦点を結び、焦点を結ぶ要素に対する表面高さ又は位置が、どの波長が最も良く焦点を結ぶかを決定する。表面からの反射に際して、光は、ピンホール又は光ファイバ端のような小さな検出器開口上に再び焦点を結ぶ。表面から反射され、光学系を通って入力/出力ファイバに戻る際に、表面上で焦点を良く結んだ波長のみが、ファイバ上で焦点を良く結ぶ。他の波長は全て、ファイバ上で焦点を結ばず、ファイバ中に多くの出力を結合しない。従って、ファイバを通して戻る光において、表面高さ又は表面の位置に対応する波長の信号レベルが最大となる。分光計タイプの検出器が、表面高さを決定するために、各波長の信号レベルを測定する。
【0003】
ある製造者達は、上記のように動作し、工業的な設定においてクロマティックコンフォーカル測距に適した実用的な小型のシステムを、クロマティックポイントセンサ(CPS)と呼んでいる。そのようなシステムと共に用いられる小型の色分散光アセンブリは、「光学ペン」と呼ばれている。光学ペンは、光ファイバを通してCPSの電子回路部に接続され、これは、光学ペンから出力された光をファイバを通して伝達し、反射光を検出して分析する分光計に与える。公知の例において、分光計の検出器アレイによって受光された波長分散強度プロファイルに対応する画素データは、強度プロファイルに対して「優勢な波長位置座標」を決定するよう分析され、その結果の位置座標が、ルックアップテーブルと共に表面位置を決定するのに使用される。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第US2006/0109483号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際の適用に際しては、公知の例は、ある望ましくない測定変動を呈している。そのような測定変動を低減し又は除去することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この要約は、以下の詳細な説明において更に説明したものの単純化された形で概念の選択を導入するために与えられる。この要約は、権利主張された主題の鍵となる様相を特定することを意図するものではなく、権利主張された主題の範囲を決定する助けとなるのに用いられることを意図するものでもない。
【0007】
明瞭にするため、この明細書を通して用いられる多くの文言の定義を導入するのが便利である。一般的に、これらの文言は、ここで定義された意味で用いられる。しかしながら、いくつかの場合において、文脈に従って、異なる意味及び/又は追加の説明が、これらの文言に与えられる。
【0008】
「分光強度プロファイル」は、分光計の検出器アレイ画素によって受光される波長分散強度プロファイルを意味する。時々、単に「強度プロファイル」とも称する。
【0009】
「分光ピーク」は、画素間に入ることもある、最大強度を持つ空間的な強度プロファイルに沿う点を意味する。
【0010】
「プロファイル信号」又は「プロファイルデータ」は、スペクトルの強度プロファイルに対応する、分光計によって与えられる測定信号を意味する。プロファイル信号又はデータは、いくつかの実施形態において、以下に更に説明するエラー補正を含む。様々な実施形態において、各プロファイル信号Sは、分光計の検出器アレイの画素p(例えば1024画素検出器アレイではp=1〜1024)に関係付けられ、S(p)と表わされる。プロファイル信号又はデータの様々な特性は、基礎とする分光強度プロファイルの特性としても引用される。
【0011】
「検出器測定軸」は、検出器画素が分布され、分光波長が分布される軸を意味する。時々、単に「測定軸」とも称する。各画素pは、測定軸に沿って画素座標pを持つと考えられる。
【0012】
「ピーク信号レベル」は、最高のプロファイル信号を意味する。
【0013】
「ピーク画素」は、ピーク信号レベルを持つ検出器画素を意味する。ピーク画素座標はppcと表わされる。
【0014】
「ピーク位置指標座標ppic」は、プロファイル信号に基づいて決定される(測定軸に沿う)指標座標であって、ピーク画素座標に近い(又は等しい)ものを意味する。時々、単に「インデックス座標」とも称する。本発明の一側面によれば、指標座標は、ある指標に固有なデータ限定パラメータを指示するのに用いられ、特定のピーク位置指標座標ppicを持つプロファイルデータの測定動作を実行するときに、測定動作は、同じピーク位置指標座標ppic 持つ指標に固有なデータ限定パラメータに基づく。
【0015】
「距離指示座標(DIC)」は、プロファイルデータに基づいて決定された、(例えばルックアップテーブルの使用により)ワーク表面までの測定距離を指示する、検出器測定軸に沿う画素以下分解能座標を意味する。本発明の1つの側面に従えば、距離指示座標は、データの距離指示下位セットに基づく。
【0016】
「データの距離指示下位セット」は、距離指示座標を決定するために用いられるプロファイルデータの限定された下位セットを意味する。本発明の1つの側面に従えば、データの距離指示下位セットは、プロファイルデータの決定されたピーク位置指標座標と共に変化する方法で限定される。本発明の1つの側面に従えば、測定動作の際に、データの距離指示下位セットは、プロファイルデータのピーク位置指標座標に対応する指標座標を持つ、ある指標に固有なデータ限定パラメータに基づいて限定される。
【0017】
「測定時」は、CPSの通常動作に際して、ワーク表面までの距離を測定するのにCPSが使われる時である。測定時動作は、測定動作とも称する。
【0018】
「校正時」は、CPSに距離校正データを確立する校正動作の際に、表面までの既知の校正距離に対応する距離指示座標を決定するのにCPSが使われる時である。校正時動作は、校正動作とも称する。
【0019】
本発明は、より確かで正確な測定を与えるために、従来システムの問題点を克服するクロマティックポイントセンサ(CPS)を与えることを目指している。従来のクロマティックポイントセンサの誤差の1つの源は、与えられた測定距離に対して、距離指示座標の決定の再現性が、信号強度全体及び/又は検出器電圧ドリフト(例えばバイアス電圧ドリフト)の変動と共に変化することである。様々な表面タイプが測定されるので、強度の変動は不可避である。同様に、周囲の室温及び/又は電子回路によって発生される熱等による温度変化に関係する電圧ドリフトも不可避である。更に、CPS波長応答は一様でないので、そのような変動の効果は、異なる測定距離で異なり、従って、そのような変動によって影響されるプロファイル信号の比率は、異なる測定距離によって生じる異なる波長で異なる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の1つの側面によれば、各距離指示座標は、プロファイルデータの距離指示下位セットに基づき、このプロファイルデータの距離指示下位セットは、プロファイルデータの決定されたピーク位置指標座標ppicと共に変化する方法で選択又は限定される。そのようなアプローチは、一様でないCPS波長応答を考慮する。
【0021】
本発明の他の側面によれば、指標に固有なデータ限定パラメータのセットが、CPS中の校正パラメータとして保存され、対応するピーク位置指標座標によって指示され、特定のピーク位置指標座標ppicを持つプロファイルデータの測定動作を行なう時に、データの距離指示下位セットが、同じ特定のピーク位置指標座標ppicによって指示される指標に固有なデータ限定パラメータのセットに基づいて選択又は限定される。
【0022】
本発明の更なる側面によれば、測定動作を行なう時に、特定のピーク位置指標座標ppicに依存する方法でデータの距離指示下位セットが限定され、更に、信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧ドリフトの変動に対してダイナミックに補償される。
【0023】
本発明の更なる側面に従えば、距離校正動作に際して、校正時プロファイルデータのセットに対する距離指示座標が、プロファイルデータの特定のピーク位置指標座標と共に変化するプロファイルデータの特定の距離指示下位セットに基づいて決定される。CPS中に校正パラメータとして保存された指標に特有なデータ限定パラメータのセット中で、同じ特定ピーク位置指標座標ppicによって指示された指標に固有なデータ限定パラメータのセットは、データの同じ特定の校正時距離指示下位セットの定義様相に基づき、反映する。結果として、同じ特定のピーク位置指標座標ppicを持つ測定時プロファイルデータの測定動作を行なう時に、データの距離指示下位セットが指標に固有なデータ限定パラメータの特定のセットに基づいて選択又は限定され、結果として生じるデータの測定時距離指示下位セットは、データの校正時距離指示下位セットに対して改良された類似性(例えば類似のピーク形状及び非対称性)を持つ。従って、結果として生じる測定時距離指示座標は、CPS距離校正データに、より適切に同等である。
【0024】
本発明の更なる側面によれば、指標に固有なデータ限定パラメータの各特定のセットは、データの測定時距離指示下位セットが、校正時に存在する信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧と比較して信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧ドリフトの変動をダイナミックに補償される情報を含む。従って、結果として生じる測定時距離指示座標は、信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧ドリフトの変動に係わらず、CPS距離校正データに、より適切に同等である。
【0025】
本発明の更なる側面によれば、様々な実施形態において、指標に固有なデータ限定パラメータの各特定のセットは、特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータのピーク高さに比例する特定のピーク位置指標座標ppicに対応する、データの校正時距離指示下位セットの限定された閾値を特徴付ける情報を含む。いくつかの実施形態において、ピーク高さは、ピーク信号レベルと校正時間プロファイルデータのバイアス信号レベルの差である相対ピーク高さで表現され、限定された閾値は、バイアス信号レベルを上回る相対ピーク高さの比例値として特徴付けられる。
【0026】
本発明の更なる側面によれば、特定のピーク位置指標座標ppicに対応する測定動作を行なう時に、データの距離指示下位セットが、同じ特定ピーク位置指標座標ppicを持つ指標に固有なデータ限定パラメータのセットに基づく限定された閾値によって限定され、その結果限定された閾値と測定時プロファイルデータのピーク高さの間の測定時比率は、限定された閾値と、同じ特定ピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータのピーク高さの間の校正時比率とほぼ同じである。いくつかの実施形態において、ピーク高さは、ピーク信号レベルと校正時プロファイルデータのバイアス信号レベルの差である相対ピーク高さとして表わされる。その結果、データの測定時距離指示下位セットは、校正時に存在する信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧ドリフトの変動に比較して、信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧ドリフトの変動がダイナミックに補償される。従って、信号強度全体及び/又は検出器バイアス電圧ドリフトの変動に拘わらず、結果として生じる測定時距離指示座標は、CPS距離校正データに、より適切に同等となる。
【0027】
以下で詳細に開示された特定の実施形態は、特に、5−75KHzのオーダーの速い測定速度をサポートするのに十分適切であるが、同時に、意味のあるロバスト性及び正確性の利益を与えるために、上記で概説したような独特にダイナミックに補償される測定データに基づいている。サブミクロン領域の正確性及びロバスト性の改良は、達成するのが非常に困難であり、本発明の方法によって取り除かれた、いくつかのCPS誤差成分は、これまで認識されていなかったことに注意されたい。1つの実施形態において、ここに開示した新しい様相の組合せは、公知の方法から離れて、300μmの測定範囲にわたって、ナノメーターの10倍のオーダーのCPS再現性及び精度を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、クロマティックポイントセンサ100の実施形態のブロック図である。図1に示されるように、クロマティックポイントセンサ100は、光学ペン120と電子回路部160を含む。光学ペン120は、入力/出力光ファイバ・サブアセンブリ105と、ハウジング130と、光学系部150を含む。入力/出力光ファイバ・サブアセンブリ105は、取付ねじ110を用いてハウジング130の端部に取付けられる取付要素180を含む。入力/出力光ファイバ・サブアセンブリ105は、入力/出力光ファイバ(図示省略)を収容する光ファイバケーブル112と光ファイバコネクタ108を通して、入力/出力光ファイバを受入れる。入力/出力光ファイバは、開口195を通して出力ビームを出力し、開口195を通して、反射された測定信号光を受光する。
【0029】
動作に際して、開口195を通してファイバ端部から出射された光は、クロマティック共焦点センサシステムで公知のように、光軸OAに沿う焦点が光の波長によって異なる距離となるように軸上の色分散を与えるレンズを含む光学系部150によって焦点を結ぶ。光は、ワーク表面190上で焦点を結ぶ。ワーク表面190からの反射により、反射光は限定光線LR1及びLR2で示されるように、開口195上に光学系部150によって再び焦点を結ぶ。軸上の色分散のため、唯一の波長のみが、光学ペン120から表面190までの測定距離に合致する焦点距離FDを持つ。表面190上で最も良く焦点を結ぶ波長は、開口195で最も良く焦点を結ぶ反射光の波長でもある。開口195は、最も良く焦点を結ぶ波長が優勢に開口195を通過し、光ファイバケーブル112のコア中に入射するよう反射光を空間的にフィルタする。以下に、より詳細に説明するように、光ファイバケーブル112は、反射された信号光を、ワーク表面190までの測定距離に対応する優勢な強度を持つ波長を決定するために使用される波長検出器162に導く。
【0030】
電子回路部160は、ファイバカプラ161と、波長検出器162と、光源164と、信号プロセッサ166と、メモリ部168とを含む。様々な実施形態において、波長検出器162は、分散素子(例えば回析格子)が光ファイバケーブル112を通して反射光を受光し、結果として生じる分光強度プロファイルを検出器アレイ163に伝達する分光計配置を含む。波長検出器162は、更に、プロファイルデータから、ある検出器関連の誤差成分を除去又は補償する関連信号処理(例えば、いくつかの実施形態において信号プロセッサ166によって与えられる)を含むことができる。従って、波長検出器162及び信号プロセッサ166のある側面は、いくつかの実施形態では、合体され及び/又は区別できない。
【0031】
信号プロセッサ166によって制御される白色光源164は、光カプラ161(例えば2×1光カプラ)を通して光ファイバケーブル112に結合される。上記のように、光は、焦点距離が光の波長によって変化するように縦方向色分散を発生する光学ペン120を通して伝搬する。ファイバを通して最も効率良く逆伝搬する波長の光は、表面190上で合焦した波長である。反射された波長に依存する光の強度は、ファイバカプラ161を再び通過し、この光の約50%が、検出器アレイ163の測定軸に沿う画素アレイにわたって分布する分光強度プロファイルを受光して、対応するプロファイルデータを与えるよう動作する波長検出器162に向けられる。プロファイルデータの例が、図4と図7に関して、以下に、より詳細に説明される。プロファイルデータの画素以下分解能の距離指示座標が、信号プロセッサ166によって計算され、以下に図2と5を参照して、より詳細に説明されるように、メモリ部168に保存された距離校正ルックアップテーブルを介して表面までの測定距離が決定される。距離指示座標は、以下に更に説明する様々な方法により(例えばプロファイルデータのピーク領域に含まれるプロファイルデータの重心の決定により)決定される。距離指示座標が校正動作で決定される時、それは校正距離指示座標と称され、ワーク表面測定動作で決定される時、それは測定距離指示座標と称される。
【0032】
図2は、既知の測定距離Z(μm単位)をクロマティックポイントセンサの距離指示座標(画素単位)と相関させる距離校正データ210の図200である。縦軸は、CPS光学ペン120に対して所望の基準距離にある基準又は「ゼロ」Z距離を設定するオフセット距離(図示省略)を含む。図2の例において、CPS光学ペン120は、ほぼ150−490画素の範囲の校正距離指示座標に対応する、300μmの特有の測定範囲を持つ。従って、特定の光学ペン120の測定範囲は、検出器アレイ163の画素の下位セットに対応する。しかしながら、必要であれば、CPSは検出器アレイ163のより広い画素範囲にわたって校正され得る。例えば、図2は、500−800画素の範囲を越え、又、150以下の画素の範囲にわたる(「ゼロ」又はオフセット距離以下の距離に対応する)追加の距離校正データを示す。
【0033】
1つの実施形態において、距離校正データ210は、以下のようにして発生される。CPS光学ペンの光軸OAに沿って、ミラーが校正面(例えば図1の表面190)を与える。このミラーの変位は、校正測定距離を、ほぼ0.1又は0.2μmステップでステップさせるステップモータによって制御される。各ステップに対して、実際のミラー位置又は変位が、干渉計のような参照標準を用いて取得される。各位置に対して、結果として生じるプロファイルデータの校正距離指示座標が、以下に概説するように決定され、校正距離指示座標及び干渉計によって指示される対応する実際の位置が、校正データ210を与えるよう記録される。
【0034】
後に、ワーク表面(例えば図1の表面190)までの測定距離を与えるための測定動作に際して、ワーク表面はCPS光学ペンの光軸OAに沿って位置される。結果として生じるプロファイルデータの測定距離指示座標が決定される。次いで、特定の測定距離指示座標を、対応する測定距離Zに相関させるために距離校正データ210が用いられる。
【0035】
本発明によれば、測定距離指示座標は、プロファイルデータの距離指示下位セットに基づいて決定され、データの距離指示下位セットは、既に概説し、以下に更に詳細に説明するように、プロファイルデータの決定されたピーク位置指標座標と共に変化する方法で選択又は限定される。図2において、校正データ210は滑らかな曲線を形成するように見えるが、実際は短い範囲(例えば2−3又は数画素)にわたって発生するμm又はμm以下のレベルのふらつきを含む。従って、様々な実施形態において、指標に固有なデータ限定パラメータ(例えば、更に説明する指標に固有なデータ限定パラメータCSthresh(ppic))が、特定のピーク位置指標座標に対応する測定時動作にダイナミックに適用され、その結果、同じ(又は非常に近い)特定のピーク位置指標座標に対応する校正距離指示座標を決定するのに用いられる校正時動作に特に対応するように用いられる。結果として生じるワーク表面の距離測定は、公知のCPS方法からの結果に比べて、よりロバストに正確で、安定である。
【0036】
図3は、測定表面が存在せず(例えば図1の表面190が存在せず)、意図的な反射光や結果として生じる強度プロファイル中に意味のある優勢な波長ピークが存在しない時の検出器アレイ163の画素に対する電圧オフセット信号レベルVoffset(p)を示す、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータの図300である。図3に示されるように、電圧オフセット信号Voffset(p)は、1024画素のそれぞれに対して、正規化電圧でプロットされている。「正規化電圧」は、検出器アレイ163の飽和電圧に対して1.0の値を割り当てたものである。電圧オフセット信号Voffset(b)は、アレイに渡って変化しないバイアス信号レベルVbiasと、アレイに渡って画素座標pに依存するものとして示される背景信号成分Vback(p)を含む。変化する背景信号Vback(p)は、CPS中の波長に依存する擬似反射等からの背景光のような信号や、様々な画素pの暗電流による信号を表わす。様々な実施形態において、検出器アレイ163の画素アレイの校正又は補償のために、信号成分Vback(p)(又は電圧オフセット信号Voffset(p)のように、同じ変動を示す信号)が保存され、進行中の基礎上で、各画素pからの全ての続くプロファイルデータ信号を(例えば減算によって)補償するのに用いられることが有利である。従って、背景信号成分Vback(p)は、公知の方法で補償されたと仮定し、以下に開示する様々な方法に関して、これ以上説明されず、図4及び7を参照して以下に示される強度プロファイル中に含まれていない。
【0037】
長時間にわたって比較的安定な背景信号成分Vback(p)に対して、座標に依存しないバイアス信号レベルVbiasは、温度変化のような因子によって影響される。換言すると、信号レベルVbiasは、周囲温度の変化に関係する電圧ドリフト及び動作中の電子回路部160によって発生する熱の結果変化する。従って、本発明による様々な実施形態において、距離指示座標を決定する測定動作は、同時発生バイアス信号レベルVbiasの変化を補償するために、ダイナミックに用いられるプロファイルデータの距離指示下位セットに基づき、その結果、以下に詳細に説明するように、より再現性のある距離測定をもたらす。
【0038】
図4は、校正動作中に形成された、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータ410の図400である。このプロファイルデータ410は、各画素pと関係付けられた信号レベル(正規化電圧で示される)である校正プロファイル信号CS(p)とも称される。図4のグラフ400は、校正表面が光学ペン120の光軸OAに沿って既知の距離に位置され、図4中に示されるように優勢な波長ピーク領域を持つ関連プロファイルデータ410を発生する点を除き、図3のグラフ300と類似している。
【0039】
図4は、(正規化電圧で)同時発生校正バイアス信号レベルCVbiasを示す。本明細書の大部分を通して、「C」の接頭語を持つ変数名及び値は、校正時データ及び動作に対応すると理解されたい。図3を参照して上記で概説したように、信号成分Vback(p)(又は同じ変動を示す信号)は、プロファイルデータ410から先に除かれていると仮定されている。従って、いくつかの実施形態において、校正バイアス信号レベルCVbiasは、同時発生バイアス信号レベルと先に除かれたバイアス信号レベルの差を表わす。図4は、又、ピーク画素座標ppc及び関係するピーク信号レベルCVpeak(ppc)、ピーク位置指標座標ppic、及び、相対ピーク信号レベルCVrps(ppic)、及び、ピーク領域中のデータの距離指示下位セットの下限を定義する閾値CVthreshold(ppic)を示し、ここで、全ての「CV」値は、正規化電圧である。図4は、又、校正分光ピーク領域中のデータの距離指示下位セットに基づいて決定された校正距離指示座標(校正DIC)を示す。CSthresh(ppic)は、特に比例閾値パラメータと称する、以下に詳細に説明する、指標に固有なデータ限定パラメータである。
【0040】
短く説明すると、本発明による1つの実施形態において、校正距離指示座標(校正DIC)を決定し、プロファイルデータ410に対応する校正データの関係するセットを保存するための校正動作は、次の手順を含む。
【0041】
・プロファイルデータ410に対応するピーク位置指標座標ppicの決定。
【0042】
・同時発生校正バイアス信号レベルCVbiasの決定。
【0043】
・校正距離指示座標を決定するのに用いられるデータの距離指示下位セットを定義する閾値CVthreshold(ppic)の決定。様々な実施形態において、閾値CVthreshold(ppic)は、同時発生バイアス信号レベルCVbiasに対して定義される。
【0044】
・校正ピーク領域中のデータの距離指示下位セットに基づく、画素以下の分解能の校正距離指示座標(校正DIC)の決定。
【0045】
・比例閾値パラメータCSthresh(ppic)の決定。
【0046】
・校正DIC及び対応する既知の距離の保存。
【0047】
・ピーク位置指標座標ppic、及び、対応する指標に固有なデータ限定パラメータCSthresh(ppic)の保存。
【0048】
これらの要素の全て、及び、互いの関係の決定が、以下に詳細に説明される。
【0049】
プロファイルデータ410の最高値データ点CS(p)の画素座標は、ピーク画素座標ppcであり、これは、整数値の画素座標(例えば図4でppc=540)である。関係するピーク信号レベルはCVpeak(ppc)である。例えば、図4において
CVpeak(ppc)=CVpeak(540)=(約)0.92Vである。
【0050】
概して、様々な実施形態において、ピーク位置指標座標ppicは、本発明によりCPSによって分析されたプロファイルデータのセットに対して決定される。各場合において、ピーク位置指標座標ppicは、プロファイルデータに基づいて決定され、ピーク画素座標ppcに近い。一般的に、様々な実施形態において、ピーク位置指標座標ppicは、それをプロファイルデータのセットのピーク領域の位置又は座標と一致する方法で(例えば頂上の3又は5ピーク画素等の座標の平均として)表わすよう任意の便利な方法で決定される。図4に示される実施形態において、ピーク画素座標ppcは、ピーク位置指標座標ppicとして用いられ、ppicは、特定のプロファイルデータ410に基づいて、特定の値540に等しく設定される。
【0051】
1つの実施形態において、同時発生校正バイアス信号レベルCVbiasを決定するために、プロファイルデータ410は、(値域AからHに対してグラフ200の頂上に垂直線で定義される)128画素の8値域に分割される。各値域A−Hにおいて強度値が平均され、8つの平均値の最小値が同時発生校正バイアス信号レベルCVbiasとされる。図4において、CVbias=(約)0.05Vである。
【0052】
図4に示される実施形態において、校正動作に際して、閾値CVthresholdは、校正DICを決定するのに用いられるデータの距離指示下位セット中に含まれる信号CS(p)の下限を定義する。指示CVthreshold(ppic)は、CVthresholdがプロファイルデータの異なるセットで変化してもよく、プロファイルデータの特定のセットと共に用いられるCVthresholdの特定の値は、近い指標座標ppicと共に指示される。CVthreshold(ppic)は、数多くの異なる方法の1つに従って決定され得る。概して、最初の目的は、CVthreshold(ppic)が雑音の多い及び/又は適切でないデータ(例えばCVbiasのオーダーのデータ値)を除外するようにCVthreshold(ppic)を設定することである。第2の目的は、データの距離指示下位セット中に、できるだけ多くの有効な(雑音でない)データを保持することである。例えば、図4に示されるように、典型的な分光ピークは、ピーク画素座標ppcの周りにいくらか非対称であり、この非対称性が一般的に、様々な実施形態において校正DICを決定する時に考慮されるべき有効なデータの様相である。従って、多量の非対称データが校正DICの決定から取り除かれるように、CVthreshold(ppic)をCVbiasよりもはるかに上に設定することは望ましくない。
【0053】
1つの実施形態において、CVthreshold(ppic)は、CVbiasに対して一定の予め決定されたオフセットとして設定され、ここで予め決められたオフセットは、予期される任意の雑音レベルを確実に超えるようにされる(例えば飽和した画素信号レベルの5%、又は、予期される最大ピーク信号レベルの10%等)。他の実施形態において、CVthreshold(ppic)は、プロファイルデータ中のピークの高さに依存するCVbiasに対するオフセット(例えばCVpeak(ppc)とCVbiasの差の8%)として設定される。他の実施形態において、CVbiasに対するピーク位置指標に固有なオフセットは、CPSの測定範囲にわたる様々な距離での様々な表面からの典型的な雑音レベル、典型的な信号レベル、典型的な非対称性等についての経験に基づいて発見的に決定される。図4において、CVthreshold(ppic)=(約)0.10Vであり、この例ではCVbiasより約0.05V高い。校正時のCVthreshold(ppic)の設定方法に拘わらず、校正時データの全セットに対する関係(又は結果として生じる校正時プロファイルデータの距離指示下位セットの関係)は、指標に固有なデータ限定パラメータ中に特徴付けられ及び/又は埋め込まれ、これは、本発明の原理に従って、同じピーク位置指標ppicに対応する測定時動作の間、データの同様な閾値及び/又は距離指示下位セットを確立するのに用いられる。
【0054】
図4の実施形態において、校正DICを決定するのに用いられるデータの距離指示下位セットは、CVthreshold(ppic)よりも大きな信号値を持つ強度プロファイルデータ410の全てのデータ点でなるように決定される。校正DICは、次いで、データの距離指示下位セットに基づいて、画素以下の分解能で決定される。校正DICは、多数の異なる方法の1つにより決定され得る。1つの実施形態において、校正DICは、データの距離指示下位セットに対して(例えばCauchy又はVoigeの線形関数の最小二乗適合によって)適合された関数のピークの画素以下の分解能の座標として決定される。他の実施形態において、校正DICは、データの距離指示下位セットの重心Xcの画素以下の分解能の座標として決定される。例えば、1024画素の検出器に対して、重心Xcは、次式によって決定される。
【0055】
【数1】

【0056】
ここで、
【数2】

【0057】
ある特定の実施例において、(1)中のn=2である。(2)式は、データの距離指示下位セットに対する重心計算に用いられるデータを制限することに注意されたい。
【0058】
既に示したように、比例閾値パラメータCSthresh(ppic)に関して、距離校正動作の間、校正時プロファイルデータのセットに対する校正DICは、プロファイルデータの特定のピーク位置指標座標と共に変化するプロファイルデータの特定の距離指示下位セットに基づいて決定される。次いで、CPS中に校正パラメータとして保存された指標に固有なデータ限定パラメータのセットにおいて、特定のピーク位置指標座標ppicによって指示された指標に固有なデータ限定パラメータのセットは、その特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正DICを決定するのに使用されたデータの特定の校正時距離指示下位セットの定義様相に基づき、且つ、反映する。その結果、同じ特定のピーク位置指標座標ppicを持つ測定時プロファイルデータのための測定動作を実行する時に、データの距離指示下位セットは、その指標に固有なデータ限定パラメータのその特定のセットに基づいて選択又は限定され、結果として生じるデータの測定時距離指示下位セットは、データの校正時距離指示下位セットに対して、改良された類似性(例えば同様のピーク形状及び非対称性)を持つ。従って、結果として生じる測定時距離指示座標は、CPS距離校正データに対して、より適切に同等である。比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は、これらの原理に従って用いられる指標に固有なデータ限定パラメータの1つの実施例である。
【0059】
1つの実施形態において、比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は、CVthreshold(ppic)、CVbias、及び、次式により定義される相対ピーク信号レベルCVrps(ppic)に基づいて決定される。
【0060】
CVrps(ppic)=CVpeak(ppc)−CVbias …(3)
【0061】
相対ピーク信号レベルCVrps(ppic)は、相対ピーク高さとも称される。
【0062】
比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は、次のように定義される。
【0063】
CSthresh(ppic)=[CVthreshold(ppic)−CVbias]]/CVrps(ppc)
…(4)
【0064】
比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は、位置指標座標ppicに対応する、CVbiasに対するデータの距離指示下位セットの閾値CVthreshold(ppic)と、CVbiasに対するピーク信号レベルCVpeak(ppc)の間の校正時比を定義する。この指標に固有な比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は、後で、同じピーク位置指標座標ppicを持つワーク測定プロファイルデータと共に、データの測定時距離指示下位セットを定義するのに用いられ、校正DICを決定するのに用いられたデータの距離指示下位セットに対して高い同一性を有する。結果として生じる測定DICは、以下に詳細に説明するように、測定バイアス信号レベルMVbias及び測定ピーク信号レベルMVpeak(ppc)中の可能性のある変動に拘わらず、対応する距離校正データと、より適切に同等である。
【0065】
上に概説したように、校正プロファイルデータの特定のセットに対して、結果として生じる校正DIC及び対応する既知の距離が保存され、対応する指標に固有な比例閾値パラメータCSthresh(ppic)も、その特定のピーク位置指標座標ppicと関連して保存される。
【0066】
図5は、基準距離指示座標の測定距離に対するCPS距離校正ルックアップテーブルの図500である。図5に示されるように、左欄で、校正DIC入力は、画素座標1から1024までを0.1画素刻みでカバーし、右欄で、対応する測定距離(μm単位)が入力される。ワーク測定動作に際して、クロマティックポイントセンサによって計算された測定DICは、測定DICに対応する測定距離を決定するための、保存された校正ルックアップテーブルを参照する。測定DICが、近接する校正DIC値の間にある場合には、測定DICに対応する測定距離は、補間によって決定される。
【0067】
0.1又は0.2μmの増分で既知の測定距離に対応する校正DICを発生するためのデータ発生ルーチンは、図2を参照して先に概説した。各既知の測定距離に対して、対応する校正DICは、図4を参照して上に概説したように決定され保存される。そのデータは、0.1画素の画素座標増分で、図500中に示される入力を与えるよう(必要であれば)補間される。同時に、適切な指標に固有なデータ限定パラメータ(例えば比例閾値パラメータCSthresh(ppic))は、図4を参照して上で概説したように、対応するピーク位置指標座標(ppic)に関連して保存される。
【0068】
図6は、特定のピーク位置指標座標ppicを、本例では比例閾値パラメータCSthresh(ppic)である、指標に固有なデータ限定パラメータと参照させるためのCPS校正ルックアップテーブルの図600である。図6に示されるように、左欄で、ピーク位置指標座標入力は、波長検出器アレイ163の1から1024の画素座標をカバーし、右欄で、対応する指標に固有なデータ限定パラメータCSthresh(ppic)が入力される。指標に固有な比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は図4を参照して既に概説した。以下に図7を参照して、その使用を詳細に説明する。図6中に示される比例閾値パラメータCSthresh(ppic)は、実際に、比較的一定な「ノイズマージン」と、変動する相対ピーク高さCVrps(ppic)の比であってもよいことに注意されたい。相対ピーク高さCVrps(ppic)は、一般的に、対応する波長によって大きく変化する。従って、図6は、比例閾値パラメータCVthresh(ppic)の値が、検出器アレイ163のある部分の画素に対して、他の部分に比べて大きく変化することを示している。
【0069】
図6のテーブル中の1つのピーク位置指標座標ppic入力は、図5のテーブル中のいくつかの校正DIC入力(例えば特定の位置指標座標ppicのほぼ±1.5画素内の距離指示座標)に対応し、校正動作に際して決定された対応する比例閾値パラメータCSthresh(ppic)と若干異なる。しかしながら、そのような小さな範囲(例えば±1.5画素)にわたって、図6のテーブル中の比例閾値パラメータCSthresh(ppic)入力は、同じピーク位置指標座標ppicに対応するCSthresh(ppic)のいくつかの値の平均値又は中央値等として決定することができる。
【0070】
図7は、測定動作に際して形成されたクロマティックポイントセンサからのプロファイルデータ710の図700である。プロファイルデータ710は、測定プロファイル信号MS(p)とも呼ばれ、MS(p)は、各画素pに関連付けられた信号レベル(正規化電圧)である。この明細書を通して多くの場合、「M」の接頭語を伴う変数名及び値は、測定時動作に対応するものと理解されたい。図7のグラフ700は、ワーク表面が、光学ペン120の光軸OAに沿って未知の距離に置かれ、図7中に示される優勢な波長ピーク領域を持つ関係するプロファイルデータ710を発生する点を除き、図4のグラフ400と同様である。同じ特定ピーク位置指標座標ppicに対応する図4からの校正プロファイルデータ410は、説明のため、図7中のプロファイルデータ710上に符号を付けて重ねられている。測定信号MS(p)のみがワーク測定動作に際して与えられることを理解されたい。
【0071】
図7は、同じピーク位置指標座標ppicに対応する校正時ピーク領域に比べてほぼ半分の高さの測定時ピーク領域を含む。このような全体的な強度の違いは、変動する照明電力、ワーク反射率、検出器積分時間等によって生じる。図7は、更に、同時発生測定バイアス信号レベルMVbiasを示し、ここでは、信号成分Vback(p)(又は同じ変動を示す信号)が先にプロファイルデータ710から除去されていると仮定されている。MVbiasは、対応する校正測定バイアスCVbiasとは異なる。そのような差は、既に概説したように、温度変化等による電圧ドリフトによって生じる。図7は、更に、ピーク画素座標ppc及び関係するピーク信号レベルMVpeak(ppc)、ピーク位置指標座標ppic、相対ピーク信号レベルMVrps(ppic)、及び、ピーク領域のデータの測定時距離指示下位セットの下限を定義する閾値MVthreshold(ppic)を示している。全ての「MV」値は正規化電圧である。図7は、更に、データの距離指示下位セットに基づいて決定された測定距離指示座標(測定DIC)も示す。
【0072】
短く説明すると、一つの実施形態において、測定距離指示座標を決定し、プロファイルデータ710に対して、結果として生じる距離測定のための測定動作に、次の手順が含まれる。
【0073】
・プロファイルデータ710に対応するピーク位置指標座標ppicの決定。
【0074】
・同時発生測定バイアス信号レベルMVbiasの決定。
【0075】
・保存された校正データ中の決定されたピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータ(例えばCSthresh(ppic))の決定。
【0076】
・(例えばMVbias、MVpeak(ppc)、及び、指標に固有なデータ限定パラメータCSthresh(ppic)に基づいて)測定DICを決定するのに用いられるデータの測定時距離指示下位セットを定義するデータ限定閾値MVthreshold(ppic)の決定。
【0077】
・測定ピーク領域中のデータの距離指示下位セットに基づく、画素以下の分解能の特定DICの決定。
【0078】
・測定DICを保存された距離校正データ中で対応する距離と相関させることによる測定距離の決定。
【0079】
これらの要素の全て、及び、それらの互いの関係の決定は、対応する校正要素についての先の説明との類似、及び、更に以下の説明に基づいて、理解される。
【0080】
プロファイルデータ710の最高値データ点MS(p)の画素座標は、ピーク画素座標ppc(例えば図7のppc=540)である。関係するピーク信号レベルはMVpeak(ppc)である。例えば、図7において、
MVpeak(ppc)=MVpeak(540)=(約)0.46Vである。
【0081】
既に概説したように、ピーク位置指標座標ppicは、本発明に従ってCPSにより分析されるプロファイルデータのセットに対して決定された指標座標である。ピーク位置指標座標ppicは、プロファイルデータに基づいて決定され、ピーク画素座標ppcに近く、校正時と測定時でほぼ同じ方法で決定される。図4に示される実施形態において、ピーク画素座標ppcは、ピーク位置指標座標ppicとして使われ、ppicは、特定のプロファイルデータ710に基づいて、特定の値540に等しく設定される。
【0082】
プロファイルデータ710の特定のピーク位置指標座標ppicが決定されると、指標に固有なデータ限定パラメータCSthresh(ppic)が、保存された校正データ中のピーク位置指標座標ppicに対応する(例えば図6中に示されるテーブル中の入力ppic=540に対応する)CSthresh(ppic)の値として決定される。
【0083】
1つの実施形態において、同時発生測定バイアス信号レベルMVbiasは、校正バイアス信号レベルCVbiasが決定される(例えば、各値域A−H中の信号値MS(p)が平均され、8つの平均の最小値が同時発生測定バイアス信号レベルMVbiasとされる)と同じ方法で決定される。図7において、MVbias=(約)0.01Vである。
【0084】
既に示したように、本発明による様々な実施形態において、ピーク位置指標座標ppicに対応する測定DICを決定するために用いられるデータの距離指示下位セットが、同じピーク位置指標座標ppicに対応する校正DIC(複数)を決定するために用いられるデータの距離指示下位セットと高度の類似性を持つことが望ましい。ここに記載した実施形態において、この原理は、指標に固有なデータ限定パラメータCSthresh(ppic)を、測定DICを決定するのに使用されるデータの距離指示下位セットを定義するデータ限定閾値MVthreshold(ppic)を確立するのに用いることによって満足される。便利のため、次式によって定義される相対ピーク信号レベルMVrps(ppic)を定義する。
【0085】
MVrps(ppic)=MVpeak(ppc)−MVbias …(5)
【0086】
相対ピーク信号レベルMVrps(ppic)は、相対ピーク高さとも称する。
【0087】
1つの実施形態において、閾値MVthreshold(ppic)は、次式によって設定される。
【0088】
MVthreshold(ppic)=CSthresh(ppic)*MVrps(ppic) …(6)
【0089】
測定DICを決定するのに用いられるデータの距離指示下位セットが、次いで、MVthreshold(ppic)よりも大きな信号値を持つ強度プロファイルデータ710の全てのデータ点でなるように決定される。(3)−(6)式の点検で、上で概説した動作が、測定DICが、校正動作の際に同じピーク位置指標座標に対する校正DICを決定するのに用いられたデータの距離指示下位セットによって表わされるように、測定時相対ピーク高さ(MVrps(ppic))の同じ比率であるデータの距離指示下位セットに基づくようにすることが示される。この比率は、バイアス信号レベルの変動に拘わらず、相対ピーク高さの変動に拘わらず、同じままである。従って、上で概説した手続は、測定DIC及び校正DICに用いられるデータが、望まれるように、反射された測定光の全体強度の変動に拘わらず、バイアス信号レベルの変動に拘わらず、同じピーク位置指標座標ppicで高度の類似性(例えば、理想的には、非対称性の同一度合及びデータの距離指示下位セットの形状の線形な比例)を持つようにさせる。
【0090】
測定DICは、次いで、データの距離指示下位セットに基づいて、画素以下の分解能で決定される。様々な実施形態において、測定DICは、校正DICが決定されたと同じ方法で決定される。例えば、もし校正DICが、(1)式及び(2)式により決定された重心の座標であれば、測定DICは、次式により、データの距離指示下位セットの重心Xの画素以下の座標として同様に決定される。
【数3】

【0091】
ここで、校正動作時に用いられた指数nの同じ値を用いて、
【数4】

【0092】
(8)式は、重心計算に用いられるデータを、データの距離指示下位セットに制限することに注意されたい。強度全体の差が、プロファイルデータ710の距離指示下位セットを、(各バイアス信号レベルに対して)プロファイルデータ410の距離指示下位セットの実質的に線形な比例とする理想的な場合、上で概説した動作は、測定DICと校正DICに実質的に同じ値を生み出すであろう。
【0093】
測定距離は、(例えば図5中に示されるテーブル中に)保存された校正データの測定DICの値に対応する測定距離として決定される。様々な実施形態において、保存された距離校正データは、測定DICに正確に対応する測定距離を与えるために補間される。
【0094】
上記の実施形態は、単に説明のためのものであって、限定するものではないことに注意されたい。他の実施形態において、他の指標に固有なデータ限定パラメータが、同じ効果をもたらすために、比例閾値パラメータCSthresh(ppic)の代わりに用いられる。例えば、(4)式の点検は、CSthresh(ppic)が、CVthreshold(ppic)、CVbias、及び、相対ピーク信号レベルCVrps(ppic)に基づいて決定されることを示している。従って、パラメータCVbias(ppic)、CVthreshold(ppic)及びCVrps(ppic)のセットが、同様な校正情報を組み入れるために、図6中に示されると同様の校正テーブル中に、ppicに関連して保存され得る。測定時プロファイルデータの距離指示下位セットを決定するMVthreshold(ppic)は、次いで、校正データのそのようなセットから導き出される。同様に、CVrps(ppic)は、CVpeak(ppic)及びCVbias(ppic)に基づいて決定され、従って、CVbias(ppic)、CVthreshold(ppic)及びCVpeak(ppic)を含むパラメータのセットが、同様な効果で保存され得る。同様に、CVthreshold(ppic)がCVbias(ppic)からの一定のオフセットに基づいて決定される実施形態において、そのようなパラメータのセットは、代わりに、一定のオフセット等に基づいて、CVthreshold(ppic)及び対応する計算された情報を取り除くであろう。
【0095】
1つの実施形態において、ワーク表面の特定のタイプが、いつも使われる時、又は、プロファイルデータピーク領域の形状が、特定のピーク位置指標座標に対応して、他の方法で予想可能で再現される場合、指標に固有なデータ限定パラメータの異なるタイプが、データの測定時距離指示下位セットに、同じピーク位置指標座標ppicのデータの校正時距離指示下位セットに高度の類似性を持たせるように使用することができる。例えば、図7は、上で概説した動作が、理想的には、(例えば、プロファイルデータ710のピーク領域形状がプロファイルデータ410のピーク領域形状と実質的に線形に比例するものとして行動する時)結果として測定DICと校正DICに用いられたデータの距離指示下位セットに対して同じ下限座標LL(ppic)と上限座標UL(ppic)を生じる。従って、いくつかの実施形態において、特定のppicの値に対応する校正動作時に観測された下限座標LL(ppic)及び上限座標UL(ppic)が、図6中に示されたと同様の校正テーブル中にppicに関連して保存される。そのような指標に固有なデータ限定パラメータは、次いで、同じピーク位置指標座標ppicに対応するワーク測定プロファイルデータの同様の距離指示下位セットを直接定義するのに使われる。他のタイプの指標に固有なデータ限定パラメータが、前の開示に基づいて、考えられ、同じ効果のために用いられることに注意されたい。
【0096】
図8は、本発明による方法を用いたクロマティックポイントセンサの精度の向上を示す図800である。図8中にプロットされた測定偏差(誤差)は、干渉計によって与えられた測定距離に対するものである。曲線820は、CPS強度データプロファイルを分析する時に本発明によるダイナミックなデータ選択補償方法を用いて得られた測定結果を示す。特に、曲線820において、各測定DICは、上に概説した指標に固有なデータ限定パラメータに基づく、同じピーク位置指標座標に対応するプロファイルデータの校正時距離指示下位セットと同様に選択され、補償されたプロファイルデータの測定時距離指示下位セットを用いて決定された。これらの測定DIC(複数)に相関する測定距離が、次いで、決定され、曲線820中にプロットされた。図8中に示されるように、曲線820は、ほぼ300μmの測定範囲にわたり、ピーク−ピーク誤差が50−100nmのオーダーの理想的な精度に近づいている。
【0097】
これに対して、曲線820と同じ基礎とする測定データを用いて、曲線810は、従来の方法で測定DIC(複数)を決定する従来のピーク発見技術を用いて得られた測定結果を示す。図8中に示されるように、曲線810は1.5μmまでの誤差を示し、曲線820中に含まれる最大誤差よりも、ほぼ15倍大きい。
【0098】
曲線810は、更に、測定距離中での小さな変化にわたる大きな誤差のうねりを示しており、曲線820はそうでないことに注意されたい。測定距離の小さな変化は、基礎とする測定データのピーク位置指標座標中の小さな変化に対応することに注意されたい。従って、曲線820中に小さな範囲のうねりが存在しないことは、データの測定時距離指示下位セットのダイナミックな選択及び補償への指標に固有なデータ限定パラメータを用いることの価値及び効果を示している。
【0099】
図9は、本発明に従ってクロマティックポイントセンサを動作するためのルーチン900の例を示す流れ図である。ブロック905で、クロマティックポイントセンサは、光の複数の各波長を、対応する複数の各焦点距離に焦点を結ばせるように動作する。1つの実施形態において、これは、クロマティックポイントセンサ光学ペンを通して白色光を出力することに対応し、これは、その焦点距離が光の波長によって変化するような縦方向色分散を生じる。ブロック910で、ワーク表面はCPSに対する測定距離に配置され、光はワーク表面からCPSに反射され、CPS波長検出器測定軸に沿って複数の画素にわたり分布する強度プロファイルを形成する。1つの実施形態において、強度パターンの形成は、図7に関して上で説明したように、検出器アレイに沿って分布する空間的な強度プロファイルを形成するCPS分光計に対応する。
【0100】
ブロック915で、CPS電子回路は、波長検出器アレイ測定軸に沿う複数の画素に対応する測定プロファイル信号のセットを与えるように動作する。1つの実施形態において、測定プロファイル信号のセットを与えることは、分光計の検出器アレイの画素が、強度プロファイルに対応する生信号を出力し、これらの生信号を、既に説明したように電圧オフセット誤差を除去するように補償し、結果として生じる信号を測定信号のセットとして与えることに対応する。
【0101】
ブロック920で、検出器測定軸に沿うピーク位置指標座標(例えばピーク位置指標座標ppic)が、測定プロファイル信号のセットに基づいて、強度プロファイルのために決定される。ブロック925で、ピーク位置指標座標に対応する指標に固有なデータ限定パラメータ(複数)が、クロマティックポイントセンサのメモリ部から選択される。1つの実施形態において、指標に固有なデータ限定パラメータ(複数)は、対応するピーク位置指標座標ppicと関係して保存された、図6の校正ルックアップテーブル中に示されるCSthresh(ppic)の値のような保存された値(複数)に対応する。しかしながら、他の実施形態において、任意の便利で作用が類似する形(例えばppicに関する関数等)として与えることができる。
【0102】
ブロック930で、信号プロセッサは、測定プロファイル信号のセット及び選択された指標に固有なデータ限定パラメータ(複数)に基づいて、測定プロファイル信号のセットの距離決定下位セットを決定するように動作する。様々な実施形態において、測定プロファイル信号の距離指示下位セットの決定は、同じピーク位置指標座標に対応して、CPSからの距離校正データを決定するために使用された信号の距離指示下位セットと特に高度の類似性を持つ距離プロファイル信号のダイナミックに選択され補償された下位セットを与える。これらの原理に従う動作の例が先に概説された(例えば、指標に固有なデータ限定パラメータ(複数)を用いて比例閾値を与え、この比例閾値を超える測定プロファイル信号の距離決定下位セットを決定する)。
【0103】
ブロック935で、信号プロセッサは、測定プロファイル信号の距離決定下位セットに基づいて、ワーク表面までの測定距離に対応する画素以下の分解能の距離指示指標を決定するように動作する。1つの実施形態において、画素以下の分解能の距離指示座標は、測定プロファイル信号の距離指示下位セットの重心座標として、画素以下の分解能及び精度を持つように決定される。
【0104】
ブロック940で、距離校正データが信号プロセッサに入力され、ここで、距離校正データが既知の距離測定値をCPSから結果として生じる距離指示座標と相関される。1つの実施形態において、測定距離校正データは、図5の校正ルックアップテーブルに対応する。しかしながら、他の実施形態において、任意の便利で作用が類似する形式で(例えば相関の関数等として)与えられる。ブロック945で、信号プロセッサは、決定された画素以下の分解能の距離指示座標と距離校正データに基づいて、ワーク表面までの測定距離を決定するよう動作する。1つの実施形態において、ワーク表面までの測定距離の決定は、画素以下の分解能の距離指示座標を対応する保存された距離値に(例えば図5の校正ルックアップテーブルから)相関させることに対応する。
【0105】
前記の開示に従って、本発明による方法は、CPSに大幅に改良された精度とロバスト性を与える。図8中に示されるサブミクロン領域の精度及びロバスト性の向上は、達成するのが非常に難しく、本発明の方法に従って除去されたいくつかのCPS誤差成分は、これまで認識されていなかった。従って、ここで開示した本発明の原理及び特定の実施形態は、公知の方法から導き出される様相の新規な組合せを与え、これまで未知で予期されなかった利益の組合せを生じる。これは、CPSシステムに、例えば測定速度5−75KHzという高い測定速度を生じさせるという更なる目的を考慮すると特に真実である。上で概説した様々な実施形態は、そのような測定速度をサポートするのに十分であるが、同時に、測定は、図8中に示されるロバスト性と精度の利点を与えるために、独自にダイナミックに選択され補償された。
【0106】
本発明の好適な実施形態が示され説明されたが、この開示に基づいて、様相が示され説明された配列や、動作の流れの数多くの変形が当業者にとって明らかである。従って、本発明の精神及び範囲から離れることなく、様々な変更がなされることに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】クロマティックポイントセンサの実施形態のブロック図
【図2】既知の測定距離をクロマティックポイントセンサの距離指示座標と相関させるCPS距離校正データの図
【図3】検出器アレイ中の画素に対する電圧オフセット信号レベルを示すクロマティックポイントセンサからのプロファイルデータの図
【図4】校正動作中に形成された、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータの図
【図5】距離指示座標を測定距離に対して参照するためのCPS距離校正ルックアップテーブルの図
【図6】ピーク位置指標座標から指標に特有なデータ限定パラメータに対して参照するためのCPS校正ルックアップテーブルの図
【図7】測定動作中に形成された、クロマティックポイントセンサからのプロファイルデータの図
【図8】本発明による方法を利用したクロマティックポイントセンサの精度の向上を示す図
【図9】本発明に従ってクロマティックポイントセンサを動作させるためのルーチンの例を示す流れ図
【符号の説明】
【0108】
100…クロマティックポイントセンサ
112…光ファイバケーブル
120…光学ペン
150…光学系部
160…電子回路部
162…波長検出器
163…検出器アレイ
164…(白色)光源
166…信号プロセッサ
168…メモリ部
190…ワーク表面
195…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク表面までの距離を測定するために、色分散光学系及び空間フィルタ開口を有する光学ペンと、波長検出器、指標に固有なデータ限定パラメータのセットに対応するデータを含む校正メモリ部及び信号プロセッサを有する電子回路部を含むクロマティックポイントセンサを動作させるための方法であって、
クロマティックポイントセンサから光学ペンを通して多波長光を出力し、複数の各波長光の焦点を、光軸に沿って対応する複数の各焦点距離に結ばせ、
光学ペンに対する測定距離に光軸に沿ってワーク表面を配置し、
光学ペンを通してワーク表面からの各波長光を反射して波長検出器に入射し、その結果、波長検出器の検出器アレイの測定軸に沿い複数の画素にわたって分布する分光強度プロファイルを形成し、
前記電子回路部を、
前記波長検出器測定軸に沿って複数の画素に対応する測定時プロファイルデータのセットを与え、
該測定時プロファイルデータのセットに基づいて、検出器アレイ測定軸に沿う分光強度プロファイルの分光ピークの位置に略対応するピーク位置指標座標ppicを決定し、
前記校正メモリ部からピーク位置指標座標ppicに対応する、少なくとも1つの指標に固有なデータ限定パラメータを有する、指標に固有なデータ限定パラメータのセットを選択し、
測定時間プロファイルデータのセット、及び、指標に固有なデータ限定パラメータの選択したセットに基づいて、測定時プロファイルデータのセットの距離を示す下位セットを決定し、
該測定時プロファイルデータのセットの距離を示す下位セットに基づいて、ワーク表面までの測定距離に対応する座標を示す画素以下の分解能の距離を決定し、
決定された、座標を示す画素以下の分解能の距離と、既知の測定距離をクロマティックポイントセンサからの座標を示す結果としての距離を相関させる距離校正データに基づいて、ワーク表面までの測定距離を決定するように動作させることを特徴とするクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、
前記校正メモリ部が、各ピーク位置指標座標ppicに関連させて、指標に固有なデータ限定パラメータの各セットを保存し、
前記ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータのセットを選択するステップが、各ピーク位置指標座標ppicと関連させて保存された、決定されたピーク位置指標座標ppicに最も値が近いセットを選択することを特徴とするクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項3】
請求項2の方法において、
前記ピーク位置指標座標ppicが、検出器アレイの測定軸に沿う測定時プロファイルデータ中のピーク信号レベルに対応する、決定されたピーク画素座標ppcの値として決定され、
前記校正メモリ部が、整数値を持つ各ピーク位置指標座標ppicと関連させて指標に固有なデータ限定パラメータの各セットを保存し、
前記ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータのセットを選択するステップが、各ピーク位置指標座標ppicと関連させて保存された、決定されたピーク位置指標座標ppicと同じセットを選択することを特徴とするクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項4】
請求項1の方法において、前記画素以下の分解能の距離を示す座標を決定するステップが、
a)測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットの重心に対する、画素以下の分解能の座標を決定、及び、
b)測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットに適合する関数のピークに対する座標を決定、
の少なくとも1つを有するクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項5】
請求項1の方法において、
既知の測定距離をクロマティックポイントセンサからの結果として生ずる距離を示す座標と相関させる距離校正データが、校正時プロファイルデータの各セットに対する距離を示す座標が、各ピーク位置指標座標ppicと共に変動する値を有する、少なくとも1つの下位セット定義様相によって特徴付けられる、校正時プロファイルデータの各距離を示す下位セットに基づいて決定される校正動作によって与えられる距離校正データを有し、
前記校正メモリ部中に保存されたデータが、各ピーク位置指標座標ppicと関係付けられた指標に固有なデータ限定パラメータの各セットに対応するデータであって、特定のピーク位置指標座標ppicによって示される指標に固有なデータ限定パラメータの特定の各セットが、前記特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータの特定の距離を示す下位セットに基づき、校正時プロファイルデータの特定の距離を示す下位セットを特徴付ける、少なくとも1つの下位セット定義様相の値を示すものを有し、
測定時プロファイルデータのセットの距離を示す下位セットを決定するステップが、もし同じピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータの対応する距離を示す下位セットと同じ方法で、少なくとも1つの下位セット定義様相によって特徴付けられるならば、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットと校正プロファイルデータの距離を示す下位セットが、少なくとも1つの下位セット定義様相に対して実質的に同じ値となるように、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットを決定するものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項6】
請求項5の方法において、
ピーク位置指標座標ppicを持つ同時発生プロファイルデータ、及び、バイアス信号レベルVbiasを上回る相対ピーク高さVrpsに対して、少なくとも1つの下位セット定義様相が、バイアス信号レベルVbiasを上回る相対ピーク高さVrpsの比Sthresh(ppic)としての同時発生プロファイルデータの距離を示す下位セットのデータ制限閾値Vthresholdを特徴づけ、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セット及び校正時プロファイルデータの距離を示す下位セットが、前記比Sthresh(ppic)と実質的に同じ値となるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項7】
請求項6の方法において、
前記同時発生プロファイルデータのセットがピーク信号レベルVpeakを有し、相対ピーク高さVrpsがVrps=[Vpeak−Vbias]によって定義され、比Sthresh(ppic)が、
Sthresh(ppic)=[Vthreshold−Vbias]/[Vpeak−Vbias]によって定義され、
ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータのセットの選択が、
a)Vpeak、Vbias及びVthresholdに対する校正時値に基づく、比[(Vpeak−Vbias)/(Vthreshold−Vbias)]を示すパラメータ、
b)Vpeak、Vbias及びVthresholdに対する校正時値に基づく、比[(Vpeak−Vbias)/(Vpeak−Vthreshold)]を示すパラメータ、
c)Vpeak、Vbias及びVthresholdに対する校正時値を有するパラメータのセット、及び、
d)Vpeak、Vbias及びVthresholdに対する校正時値に基づく比Sthresh(ppic)
の少なくとも1つを有するセットを選択するものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項8】
請求項5の方法において、
ピーク位置指標座標ppic、検出器測定軸に沿うピーク位置指標座標ppicの一方の側に対して、距離を示す下位セット中で最も遠い、同時発生プロファイルデータ中の距離を示す下位セットに含まれる信号を与える下限画素LL(ppic)、検出器測定軸に沿うピーク位置指標座標ppicの他方の側に対して、距離を示す下位セット中で最も遠い画素である、同時発生プロファイルデータの距離を示す下位セット中に含まれる信号を与える上限画素UL(ppic)を有する同時発生プロファイルデータのセットに対して、
前記少なくとも1つの下位セット定義様相が、
a)下限画素LL(ppic)の画素座標値、
b)上限画素UL(ppic)の画素座標値、
c)ピーク位置指標座標ppicと上限画素UL(ppic)の画素座標値の差、
d)ピーク位置指標座標ppicと下限画素LL(ppic)の画素座標値の差、
、及び
e)下限画素LL(ppic)の画素座標値と上限画素UL(ppic)の画素座標値の差
の少なくとも2つを有する少なくとも2つの値によって特徴付けられるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項9】
請求項8の方法において、
ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータのセットの選択が、
a)下限画素LL(ppic)の画素座標値、
b)上限画素UL(ppic)の画素座標値、
c)ピーク位置指標座標ppicと上限画素UL(ppic)の画素座標値の差、
d)ピーク位置指標座標ppicと下限画素LL(ppic)の画素座標値の差、
、及び
e)下限画素LL(ppic)の画素座標値と上限画素UL(ppic)の画素座標値の差
の少なくとも2つを有するセットを選択するものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項10】
請求項1の方法において、
測定時プロファイルデータのセットと指標に固有なデータ限定パラメータの選択されたセットに基づいて、測定時プロファイルのセットの距離を示す下位セットの決定が、
測定時プロファイルデータのセットに基づいてピーク信号レベルMVpeakとバイアス信号レベルMVbiasを決定し、
MVpeak、MVbias、及び、ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータの選択されたセットに基づいて、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットのためのデータ制限信号レベルMVthresholdを決定し、
各プロファイル信号レベルが、少なくともデータ制限信号レベルMVthresholdと同じ大きさである最大の下位セットとして測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットを決定するものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項11】
請求項10において、
校正メモリ部に保存されたデータが、各ピーク位置指標座標ppicに関係付けられた指標に固有なデータ限定パラメータの各セットに対応するデータを有し、
特定のピーク位置指標座標ppicによって指示される指標に固有なデータ限定パラメータの各特定のセットが、その特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータの特定の距離を示す下位セットに基づき、校正時プロファイルデータが、ピーク信号レベルCVpeak、バイアス信号レベルCVbias及び校正時データ制限信号レベルCVthresholdを有し、校正時プロファイルデータの特定の距離を示す下位セットが、各プロファイル信号レベルが、少なくとも校正時データ制限信号レベルCVthresholdと同じ大きさである校正時プロファイルデータの最大の下位セットでなり、
特定のピーク位置指標座標ppicによって指示される指標に固有なデータ限定パラメータの各特定のセットが、特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータに基づいて、
CSthresh(ppic)=[(CVpeak−CVbias)/(CVthreshold−CVbias)]として定義された比例閾比CSthresh(ppic)を示し、
MVpeak、MVbias、及び、ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータの選択されたセットに基づく測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットのためのデータ制限信号レベルMVthresholdの決定が、
[(MVpeak−MVbias)/(MVthreshold−MVbias)]=CSthresh(ppic)であるようにMVthresholdを決定するものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項12】
請求項11の方法において、
ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータのセットの選択が、
a)比[(CVpeak−CVbias)/(CVthreshold−CVbias)]を示すパラメータ、
b)比[(CVpeak−CVbias)/(CVpeak−CVthreshold)]を示すパラメータ、
c)CVpeak、CVbias、及び、CVthresholdを有するパラメータのセット、及び、
d)比例閾比CSthresh(ppic)
の少なくとも1つを有するセットを選択するものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項13】
請求項1の方法において、
測定時プロファイルデータのセットを与える手順が、ワーク表面からの反射光に関係しない背景信号成分に対して補償された測定時プロファイルデータを与えるものであるクロマティックポイントセンサの動作方法。
【請求項14】
ワーク表面までの距離を測定するためのクロマティックポイントセンサであって、
色分散光学系及び空間フィルタ開口を有する光学ペンと、
検出器アレイの測定軸に沿って配列された複数の画素を有する検出器アレイを含む波長検出器、
指標に固有なデータ限定パラメータのセットに対応する第1のタイプの保存データ、
既知の測定距離をクロマティックポイントセンサからの結果として距離を示す座標と相関させる距離校正データを有する第2のタイプの保存データを含む校正メモリ部、
及び、信号プロセッサを含む電子回路部を含み、
前記電子回路部が、結果として検出器アレイ測定軸に沿う複数の画素にわたって分布する分光強度プロファイルを形成する、ワーク表面までの距離を測定するときに測定動作のセットを実行するようにされ、
前記測定動作のセットが、
波長検出器測定軸に沿って複数の画素に対応する測定時プロファイルデータのセットを与え、
該測定時プロファイルデータのセットに基づいて、検出器アレイ測定軸に沿う分光強度プロファイルの分光ピークの位置に略対応するピーク位置指標座標ppicを決定し、
校正メモリ部に含まれる第1のタイプの保存データからピーク位置指標座標ppicに対応する、少なくとも1つの指標に固有なデータ限定パラメータを有する、指標に固有なデータ限定パラメータのセットを選択し、
測定時プロファイルデータのセット、及び、指標に固有なデータ限定パラメータの選択したセットに基づいて、測定時プロファイルデータのセットの距離を示す下位セットを決定し、
該測定時プロファイルデータのセットの距離を示す下位セットに基づいて、ワーク表面までの測定距離に対応する座標を示す画素以下の分解能の距離を示す座標を決定し、
決定された、画素以下の分解能の距離を示す座標と、既知の測定距離をクロマティックポイントセンサからの結果として距離を示す座標を相関させる距離校正データを有する校正メモリ部中に含まれる第2のタイプの保存データに基づいて、ワーク表面までの測定距離を決定するように動作させるものであるクロマティックポイントセンサ。
【請求項15】
請求項14のクロマティックポイントセンサにおいて、
測定時プロファイルデータのセット、及び、指標に固有なデータ限定パラメータの選択されたセットに基づく、測定時プロファイルデータのセットの距離を示す下位セットの決定が、
測定時プロファイルデータのセットの下位セットに基づいて、ピーク信号レベルMVpeakとバイアス信号レベルMVbiasを決定し、
MVpeak、MVbias、及び、ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータの選択されたセットに基づいて、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットのためのデータ制限信号レベルMVthresholdを決定し、
各プロファイル信号レベルが、少なくともデータ制限信号レベルMVthresholdと同じ大きさの最大の下位セットとして、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットを決定するものであるクロマティックポイントセンサ。
【請求項16】
請求項15のクロマティックポイントセンサにおいて、
校正メモリ部に保存された第1のタイプのデータが、各ピーク位置指標座標ppicと関係付けられた指標に固有なデータ限定パラメータの各セットに対応するデータを有し、
特定のピーク位置指標座標ppicに指示された指標に固有なデータ限定パラメータの各特定のセットが、特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータの特定の距離を示す下位セットに基づき、校正時プロファイルデータが、ピーク信号レベルCVpeak、バイアス信号レベルCVbias、及び、校正時データ制限信号レベルCVthresholdを有し、校正時プロファイルデータの特定の距離を示す下位セットが、各プロファイル信号レベルが校正時データ限定信号レベルCVthresholdと少なくとも同じ大きさであり、
特定のピーク位置指標座標ppicによって指示される指標に固有の制限パラメータの各特定のセットが、特定のピーク位置指標座標ppicに対応する校正時プロファイルデータに基づく、
CSthresh(ppic)=[(CVpeak−CVbias)/(CVthreshold−CVbias)]として定義される比例閾比CSthresh(ppic)を示し、
MVpeak、MVbias、及び、ピーク位置指標座標ppicに対応する指標に固有なデータ限定パラメータの選択されたセットに基づいて、測定時プロファイルデータの距離を示す下位セットのためのデータ制限信号レベルMVthresholdの決定が、MVthresholdを、
[(MVpeak−MVbias)/(MVthreshold−MVbias)]=CSthresh(ppic)となるように決定するものであるクロマティックポイントセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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