説明

クロマトグラフによるビタミンE異性体の単離方法

【課題】溶媒の単独使用を避けるか又は排除して、有害でないビタミンE異性体の単離方法を提供する。
【解決手段】ビタミンEを含んでなる化合物からのビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、(a)ビタミンE濃縮物を選択的吸着剤上に導入してビタミンE異性体の吸着を行い、続いて、(b)該吸着されたビタミンE異性体の個々の脱着を行う工程を含み、その際、該ビタミンE異性体の吸着及び/又は脱着が超臨界流体環境下で行われる方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンE異性体、特定的には、粗パーム油、パーム油製品及び/又はパーム油副生物、植物油及び/又はそれらに類したもののようなビタミンEを含んでなる組成物からの、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール及び/又はそれらに類したもののような個々のビタミンE異性体のクロマトグラフによる単離の方法に関する。
【0002】
本発明は、トコール類又はビタミンEを含んでなる諸組成物から、異性体のトコール類又は諸ビタミンE異性体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール;及びα−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール)を生じさせる方法に関する。
【従来の技術】
【0003】
トコール類はビタミンEであり、植物油中に種々の量で見出されもするトコフェロール類(T)及びトコトリエノール類(T3 )からなる(表Aを参照のこと)。殆どの植物油中に存在するトコール類は、トコフェロール類の形態(α−、β−、γ−及び/又はδ−トコフェロール)である。一方、パーム油は、存在するトコール類が主としてトコトリエノール類の形態(α−T3 、γ−T3 及びδ−T3 )であることから独特である。これらトコール類はどちらも興味深い生理学的特性を示している。
【0004】
【表1】

【0005】
トコフェロール類及びトコトリエノール類はどちらも、強力な栄養性抗酸化剤として作用し、身体の正常な酸化的エネルギー代謝又は我々の環境中の有毒な化学薬品及び汚染物質の作用から発生するフリーラジカルによる細胞の損傷を減らす助けをする。フリーラジカルは、老化、慢性成人病及び癌に関係している。
【0006】
また、ビタミンEは天然の抗酸化剤であり、粗パーム油中におよそ600〜1000ppmで存在する。その主成分は、最近、その既知の抗酸化剤活性に加えて抗癌性を有することが分かったγ−トコトリエノールである。トコトリエノール類は、血中コレステロールを低下させることが分かっている。
【0007】
パーム油からのビタミンEの回収に関して数多くの特許が出願されており、それらは:
i )パーム油副生物からのトコフェノール類及びトコトリエノール類の高濃度生産。米国特許第5,190,618号;
ii)油からのカロチノイド類及びトコトリエノール類の回収のための一貫方法。米国特許第USP5,157,132号;及び
iii)エステル化したパーム油からの、カロチノイド類、トコフェロール類、トコトリエノール類及びステロール類の回収。英国特許第2,218,989号である。
【0008】
1番目の特許は、パーム脂肪酸留出物(PFAD)からのビタミンEの抽出を開示しており、それは、PFADをメチルエステル類に転化し、そのメチルエステル類を蒸留し、その後にイオン交換クロマトグラフィー及び分子蒸留を行って、90%より高いビタミンE濃縮物を得ることを包含する。
【0009】
2番目の特許は、CPOをメチルエステル類に転化することによる粗パーム油(CPO)からのビタミンEの抽出を開示している。その後、それらエステル類を分子蒸留により取り出して、カロテンが豊富でビタミンEが豊富な画分を得る。
【0010】
3番目の特許は、粗パーム油をメチルエステル類に転化し、その後にそれらメチルエステル類を溶媒の存在下で吸着剤でのクロマトグラフ分離にかけて、カロテン、ビタミンE及びステロールが豊富な画分を得ることを開示している。
【0011】
上記3つの発明は、パーム油からのビタミンEの単離を記載するだけであり、重要な生理学的性質を示す個々のビタミンE異性体の単離に関するいかなる成果も含んでいない。
現在までのところ、CPO(粗パーム油)、パーム油製品及び/又はパーム油副生物、並びに他の植物性油脂のような植物源からのビタミンE異性体の吸着/脱着クロマトグラフィー単離/分離における超臨界流体の使用を開示する方法は何もない。吸着/脱着クロマトグラフ分離においてこれまで開示された全ての既知の方法は、単に、ビタミンE異性体の混合物の単離及び(高価で有害な)諸溶媒の使用による単離を包含するだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それゆえ、溶媒の単独使用を避けるか又は排除した結果、その過程を“有害でない" ものにするビタミンE異性体の分離方法、特に、単離方法を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ビタミンEを含んでなる化合物からのビタミンE異性体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール及びδ−トコトリエノール)のクロマトグラフ単離の方法であって、
(a)該ビタミンE異性体の供給源を形成する物質を選択的吸着剤上に導入して該ビタミンE異性体の吸着を行い、続いて、
(b)該吸着されたビタミンE異性体の個々の脱着を行う工程を含み、
その際、該ビタミンE異性体の吸着及び/又は脱着が超臨界流体環境下で行われる方法に関する。
【0014】
本発明は、選択的吸着剤が、シリカゲル、逆相C18シリカゲル及び/又はそれらに類したものを含む、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、ビタミンE異性体の吸着及び/又は脱着が、有効量のCO2 を溶媒として含んでなる超臨界流体環境下で行われる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
【0015】
本発明は、ビタミンE異性体の吸着/脱着が、CO2 と共留剤との有効量の組み合わせを含んでなる超臨界流体環境下で行われる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、共留剤がアルコールを含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
【0016】
本発明は、超臨界流体条件が、30〜100℃の操作温度及び50〜600kg/cm2 の操作圧力を含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、超臨界流体環境下での吸着及び脱着段階の前に追加工程を取り入れた請求項1に記載のビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、該追加工程が
(i)ビタミンEを含んでなる化合物のフリー脂肪酸成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル化し;
(ii)該ビタミンEを含んでなる化合物のグリセリド成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル交換し;そして
(iii)該形成されたエステルを取り出すことによって、ビタミンE濃縮物を得る工程を含んでなり、
その際、請求項1に従って選択的吸着剤上に導入されるビタミンE異性体の供給源を形成する物質が、上記の工程(iii)からのビタミンE濃縮物を含んでなる方法に関する。
【0017】
本発明は、選択的吸着剤が、シリカゲル、逆相C18シリカゲル及び/又はそれらに類したものを含む、請求項7記載のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、工程(i)が、固体アルカリ金属硫酸水素及び/又は硫酸強酸性イオン交換樹脂を触媒として使用することによって行われ、そして工程(ii)が、塩基性触媒を使用することによって行われるか;又は、該エステル化及び/又は該エステル交換のいずれか又は両方が酵素を使用することによって行われる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
【0018】
本発明は、エステル化及び/又はエステル交換が1種又はそれより多いC1 〜C8 アルコールの使用を含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、エステル化及び/又はエステル交換がメタノールの使用を含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
【0019】
本発明は、ビタミンE異性体の吸着/脱着が、CO2 と共留剤との有効量の組み合わせを含んでなる超臨界流体環境下で行われる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、共留剤がアルコールを含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
【0020】
本発明は、共留剤がアルキルアルコールを含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
本発明は、超臨界流体条件が、30〜100℃の操作温度及び50〜600kg/cm2 の操作圧力を含んでなる、上記のクロマトグラフ単離の方法に関する。
【0021】
本発明は、最初に記載のビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、ビタミンEを含んでなる化合物が、粗植物油、植物油製品及び/又は植物油副生物を含んでなり、そして該ビタミンEを含んでなる化合物が、選択的吸着剤上に直接に導入される方法に関する。
【0022】
本発明は、最初に記載のビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、超臨界流体環境下での吸着及び脱着段階の前に追加工程を取り入れたものであり、該追加工程が
(i)ビタミンEを含んでなる化合物のフリー脂肪酸成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル化し;そして
(ii)該ビタミンEを含んでなる化合物のグリセリド成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル交換する工程を含んでなり、
その際、請求項1に従って選択的吸着剤上に導入されるビタミンE異性体の供給源を形成する物質が、上記の工程(i)及び(ii)からのエステルの混合物及び非エステル化成分を含んでなる方法に関する。
【0023】
本発明は、最初に記載のビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、超臨界流体環境下での吸着及び脱着段階の前に追加工程を取り入れたものであり、該追加工程が
(i)ビタミンEを含んでなる化合物のフリー脂肪酸成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル化し;
(ii)該ビタミンEを含んでなる化合物のグリセリド成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル交換し;
(iii)該形成されたエステルを取り出し;
(iv)非エステル化成分を含有する画分をけん化し;そして
(v)該けん化生成物を取り出すことによって、非けん化物を含有する画分を得る工程を含んでなり、
その際、最初の方法に従って選択的吸着剤上に導入されるビタミンE異性体の供給源を形成する物質が、上記の工程(v)からの非けん化物を含有する画分を含んでなる方法に関する。
【0024】
本発明は、最初に記載のビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、超臨界流体環境の使用を包含するクロマトグラフィーを含むいずれか又は種々の方法によってビタミンEを含んでなる化合物を濃縮するという追加工程を取り入れたものであり、請求項1に従って選択的吸着剤上に導入されるビタミンE異性体の供給源を形成する物質が、前記追加工程から得られる濃縮されたビタミンEを含んでなる化合物を含んでなる方法に関する。
【0025】
本発明は、最初に記載のビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、超臨界流体環境の使用を包含するクロマトグラフ単離を含むいずれか又は種々の方法によってビタミンEを含んでなる化合物からビタミンE濃縮物を抽出するという追加工程を取り入れたものであり、請求項1に従って選択的吸着剤上に導入されるビタミンE異性体の供給源を形成する物質が、前記追加工程から得られるビタミンE濃縮物を含んでなる方法に関する。
【0026】
本発明に従えば、ビタミンEを含んでなる諸組成物からのビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法が提供される。
特に、本発明は、ビタミンEを含んでなる諸組成物からのビタミンE異性体の吸着及び/又は脱着を行うため、吸着剤(シリカゲル又はC18逆相シリカゲルのようなもの)と組合わせた超臨界流体(SC−CO2 のようなもの)の使用を規定する。
【0027】
最も好ましくは、本発明は、
a)粗植物油エステル類(植物油のアルコールでの触媒的エステル化/エステル交換によるのみ)か、又はそれらエステル類を蒸留することにより若しくはそれらエステル類を蒸留してからけん化することにより得たビタミンE濃縮物、
b)植物性油脂の非けん化物(けん化過程を経たもの)、又は
c)クロマトグラフィー(溶媒及び超臨界)並びに超臨界流体抽出を包含するいずれか/種々の過程を経て得られるビタミンE濃縮物
からビタミンE異性体を単離するために適用される。
【0028】
本発明の主要な利点は、超臨界条件において液化したガスの使用にあるので、有害な溶媒のためのこれまでの要求が避けられるか又は減少できる。
【発明の実施の形態】
【0029】
本発明に従えば、ビタミンE異性体、粗パーム油(CPO)、パーム油製品及び/又はパーム油副生物、植物油のようなビタミンEを含んでなる諸組成物からの、ビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、
(I)それらビタミンEを含んでなる組成物を選択的吸着剤上に導入してビタミンE異性体の吸着を行い;そして
(II)続いて、それら吸着されたビタミンE異性体を脱着すること
を含んでなり、
その際、それらビタミンE異性体の吸着/脱着が超臨界流体環境下で行われる方法が提供される。
【0030】
本発明の方法では、ビタミンE濃縮物を得た後に、それからビタミンE異性体を単離することが可能であるので、ビタミンE濃縮物は、
(i)ビタミンE異性体を含んでなる油のフリー脂肪酸成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステル類にエステル化する、その際、エステル化は、固体アルカリ金属硫酸水素又は硫酸強酸性イオン交換樹脂、もしくはいずれかの酸を触媒として使用することによって行ってもよい;
(ii)ビタミンE異性体を含んでなる油のグリセリド成分を1又はそれより多い一価アルコール類(C1 〜C8 )でモノエステル類にエステル交換する、その際、エステル交換は、塩基性触媒を使用することによって行ってもよい;
[これら工程(i)及び(ii)はどちらも、酵素、例えば、candida rugosa及び/又はそれと同様の有効な触媒を使用して行ってもよい]
(iii)工程(i)〜(ii)において形成されたエステル類を減圧蒸留又は分子蒸留により取り出すことによってビタミンE濃縮物を得る、この際、それらエステル類は、減圧蒸留又は分子蒸留によって取り出してもよい
ことにより誘導されても、
植物油からビタミンE濃縮物を抽出するのに有効な超臨界抽出法及び/又はあらゆるクロマトグラフ法により誘導されてもよい。
【0031】
また、本発明は、植物油のけん化を通じて得られる非けん化物に適用することができる。
吸着剤: ビタミンE異性体の吸着のための選択的吸着剤には、ビタミンEを含んでなるいずれかの組成物からビタミンE異性体を吸着するのに同等に有効であるシリカゲル、C18逆相シリカゲル及び/又はそれらに類したものが含まれる。
【0032】
溶媒: 本方法に使用される溶媒には;
i)超臨界流体、例えば、SC−CO2 (100%)。他の適用可能な溶媒には、プロパン、プロペン、エチレン及び/又はそれらに類したものが含まれ;又は
ii)共留剤(アルコール及び/又はそれに類した有機溶媒のような溶媒)と組み合わせた超臨界流体(例えば、SC−CO2 )が含まれる。
【0033】
操作条件 個々のビタミンE異性体を、圧力を50kg/cm2 から600kg/cm2 まで、及び温度を30℃から100℃まで変動させることにより、実質的に高い純度で(例えば、>50%)、一回の処理で単離することができる。
【0034】
従って、固体吸着剤(シリカゲル及び/又はC18逆相シリカゲル)に適用された超臨界流体が、CPO(粗パーム油)、パーム油製品、植物油のようなビタミンEを含んでなる組成物からビタミンE異性体(α−T、β−T、γ−T、δ−T、並びにα−T3 、β−T3 、γ−T3 及びδ−T3 )を単離するのに非常に満足のゆく手段を提供することが、以下の実施例によって示される。
【0035】
回収されるビタミンE異性体は、医薬組成物、食品及び健康食品配合物、栄養補助食品及び化粧品配合物に有用である。それらは、ファインケミカル及び標準基準物質としても使用することができる。
実施例1: パームビタミンE異性体の単離
粗パーム油(600〜1000ppmのビタミンEを含有する)をメチルエステル類にエステル交換した。それらメチルエステル類を、90〜180℃の温度で分子蒸留により取り出してけん化し、ビタミンE濃縮物を得た(>50%)。
【0036】
ビタミンE濃縮物(0.01g;濃度:〜50%)を、ジクロロメタン又はエタノールのような有機溶媒に溶解し、カラム(シリカゲル、内径20mm及び長さ250mm)に充填した。そのビタミンE濃縮混合物を、超臨界二酸化炭素(5ml、95.2%)と共留剤であるエタノール(0.25ml、4.8%)との混合物を用いて、5.25ml/分の流速で溶離させた。その超臨界流体クロマトグラフィー系の圧力を、処理を通じて正確にP=180kg/cm2 で一定に保持し、温度を70℃で一定に保持した。4種のビタミンE異性体を異なる時間間隔で集めた。それらを表1に示す。ビタミンE異性体の存在及び濃度はHPLCにより確認した。
実施例2
パーム脂肪酸留出物から得たビタミンE濃縮物を使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表2に示す。
実施例3
パーム圧搾繊維油ビタミンE濃縮物を使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表3に示す。
実施例4
大豆油ビタミンE濃縮物を使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表4に示す。
実施例5
トウモロコシ油ビタミンE濃縮物を使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表5に示す。
実施例6
カノーラ(菜種油(rapeseed oil)) 油からのビタミンEを使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表6に示す。
実施例7
オリーブ油からのビタミンEを使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表7に示す。
実施例8
綿実油からのビタミンEを使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表8に示す。
実施例9
アメリカホドイモ油からのビタミンEを使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表9に示す。
実施例10
米ぬか油からのビタミンEを使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表10に示す。
実施例11
ひまわり油からのビタミンEを使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。結果を表11に示す。
実施例12
C18逆相シリカゲルをシリカゲルの代わりに吸着剤として使用したことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。使用した他の条件は:圧力:180kg/cm2 、CO2 :エタノール比 93.75%:6.25%である。4種のビタミンE異性体(α−トコフェロール、α−トコトリエノール、γ−トコトリエノール及びδ−トコトリエノール)を実施例1と同じ溶離順序で溶離させ、実施例1のように高純度で集めた。C18逆相シリカゲルを吸着剤として用いる同じ手順を、他のパーム油製品、パーム油副生物及び実施例2〜11に挙げた他の植物油について繰り返した。使用した吸着剤の両方のタイプで、同様の溶離順序のビタミンE異性体が観察された。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
【表5】

【0041】
【表6】

【0042】
【表7】

【0043】
【表8】

【0044】
【表9】

【0045】
【表10】

【0046】
【表11】

【0047】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンEを含んでなる組成物からのビタミンE異性体のクロマトグラフ単離の方法であって、
(i)前記組成物のフリー脂肪酸成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル化し;
(ii)前記組成物のグリセリド成分を1種又はそれより多い一価アルコール類でエステルにエステル交換し;
(iii)工程(i)及び(ii)の生成物を選択的吸着剤上に導入して該ビタミンE異性体の吸着を行い、続いて、
(iv)該吸着されたビタミンE異性体の個々の脱着を行う工程を含み、
その際、工程(i)及び(ii)で形成されたエステルを除去することによってビタミンE濃縮物が得られ、該ビタミンE濃縮物が工程 (iii)の選択的吸着剤上に導入され、ビタミンE異性体の吸着及び脱着が有効量のCO2 を溶媒として含んでなる超臨界流体環境下で行われ、該ビタミンE異性体の吸着及び脱着が、圧力を50kg/cm2 から600kg/cm2 まで、及び温度を30℃から100℃まで変動させることにより、一回のクロマトグラフ処理で行われ、前記方法が該一回のクロマトグラフ処理のほかに追加のクロマトグラフ処理を含まず、該ビタミンEを含んでなる組成物がパーム油でもパーム油製品でもない方法。

【公開番号】特開2012−140467(P2012−140467A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93229(P2012−93229)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2001−26908(P2001−26908)の分割
【原出願日】平成13年2月2日(2001.2.2)
【出願人】(500511648)マレーシアン・パーム・オイル・ボード (12)
【Fターム(参考)】