説明

クロマン誘導体及びCNS障害の処置におけるその使用

式(I)の化合物又は薬学的に許容しうるその塩(式中、m、p、q、Ar、R1、R2、R3及びR4は、本明細書に記載のとおりである)。同じく、式(I)の化合物の製造方法、それを含む組成物、及びそれを使用する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の、式Iの置換クロマン化合物、ならびに関連組成物、治療剤として有用な医薬の製造のためのその使用、及びその製造方法:
【0002】
【化6】

【0003】
又はその薬学的に許容しうる塩
(式中、
mは、0〜3であり;
pは、1〜3であり;
qは、0、1又は2であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されている5員若しくは6員のヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
2は、
【0004】
【化7】

【0005】
であり;
Xは、−O−又は−NR9−であり;
nは、2又は3であり;
3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素又はC1-12アルキルであり;
7及びR8は、各々独立に、水素又はC1-12アルキルであるか、あるいはR7及びR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、O、N及びSより選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4員〜6員の環を形成するか、あるいはR7及びR8の一方とR5及びR6の一方は、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSより選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4員〜6員の環を形成し;
9は、水素又はC1-12アルキルであるか、あるいはR7が水素又はメチルである場合、R9は、R8及びそれらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する)
に関する。
【0006】
本発明の化合物は、5−HT6、5−HT2Aレセプター又は双方を包含する5−HTレセプターに対する選択的親和性を有し、したがって、ある種のCNS疾患、例えばパーキンソン病、ハンチントン病、不安症、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の亢進)、睡眠障害、摂食障害、例えば食欲不振、過食症、及び肥満、パニック発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピンなどの薬物乱用からの退薬、統合失調症、さらに脊髄外傷及び/又は頭部損傷に関連する障害、例えば水頭症の処置に有用であることが期待される。このような化合物は、ある種の胃腸(GI)障害、例えば機能性腸障害及び過敏性腸症候群の処置においても有用であることが期待される。
【0007】
脳における主要な調節性神経伝達物質としての5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)の作用は、5−HT1、5−HT2、5−HT3、5−HT4、5−HT5、5−HT6、及び5−HT7と呼ばれる多数のレセプターファミリーを通して仲介される。脳において5−HT6レセプターmRNAが高レベルであることに基づいて、中枢神経系障害の病理及び処置において5−HT6レセプターが役割を果たす可能性があることが指摘されている。特に5−HT2選択的リガンド及び5−HT6選択的リガンドは、ある種のCNS疾患、例えばパーキンソン病、ハンチントン病、不安症、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の亢進)、睡眠障害、摂食障害、例えば食欲不振、過食症、及び肥満、パニック発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピンなどの薬物乱用からの退薬、統合失調症、さらに脊髄外傷及び/又は頭部損傷に関連する障害、例えば水頭症の処置に潜在的に有用であるとして確認されている。このような化合物は、ある種の胃腸(GI)障害、例えば機能性腸障害の処置に有用であることも期待されている。例えばB.L. Rothら、J. Pharmacol. Exp. Ther., 1994, 268, 1403-14120頁、D.R. Sibleyら、Mol. Pharmacol., 1993, 43, 320-327, A.J. Sleightら、Neurotransmission, 1995, 11, 1-5、及びA.J. Sleightら、Serotonin ID Research Alert, 1997, 2(3), 115-8を参照。
【0008】
いくつかの5−HT6、5−HT2Aモジュレーターが開示されているが、5−HT6、5−HT2Aレセプター又は双方を調節するのに有用である化合物が引き続き必要とされている。
【0009】
本発明は、置換キノリノン化合物、関連組成物、治療剤としてのその使用に有用な医薬の製造におけるその使用、及びその製造方法を提供する。特定の実施態様において、本発明は、ピペラジニル置換キノリノン化合物及び関連医薬組成物、ならびに中枢神経系(CNS)疾患及び胃腸管障害の処置に有用な医薬の製造におけるその使用を提供する。
【0010】
この開示中に記載のすべての刊行物は、それらの全体が参照して本明細書に組み入れられる。
【0011】
特記しない限り、明細書及び特許請求の範囲を含む本出願で使用する以下の用語は、以下に与える定義を有する。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に別途規定しない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数形の指示対象を含むことに注意する必要がある。
【0012】
「アゴニスト」は、別の化合物又はレセプター部位の活性を増強する化合物を指す。
【0013】
「アルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子を有する1価の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子(つまり、C1-6アルキル)のアルキル基を指す。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシル、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和2価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和2価炭化水素基、例えばメチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基を意味する。
【0015】
「アルケニレン」は、2〜6個の炭素原子の直鎖状不飽和2価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和2価炭化水素基、例えばエテニレン(−CH=CH−)、2,2−ジメチルエテニレン、プロペニレン、2−メチルプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基を意味する。
【0016】
「アルコキシ」は、基−OR(式中、Rは、本明細書で定義されたとおりのアルキルである)を意味する。アルコキシ部分の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられるが、これらに限定されない。
各々のRは、独立に、本明細書で定義されたとおりの水素又はアルキルである。
【0017】
「アミノアルキル」は、基−R−R’(ここで、R’は、アミノであり、Rは、本明細書で定義されたとおりのアルキレンである)を意味する。「アミノアルキル」としては、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどが挙げられる。「アミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで1回又は2回置換されて、それぞれ「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」となっていてもよい。「アルキルアミノアルキル」としては、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどが挙げられる。「ジアルキルアミノアルキル」としては、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチル、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられる。
【0018】
「アンタゴニスト」は、別の化合物又はレセプター部位の作用を低減又は妨げる化合物を指す。
【0019】
「アリール」は、単環式、二環式、又は三環式芳香環からなる1価の環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は場合により、本明細書で定義されるように置換されていてもよい。アリール部分の例としては、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が、その部分的に水素化された誘導体を含めて挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
「アリーレン」は、2価のアリール基(ここでアリール基は本明細書で定義されたとおりである)を意味する。「アリーレン」としては、例えば、オルト−、メタ−及びパラ−フェニレン(それぞれ、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン及び1,4−フェニレン)が挙げられ、それらは、場合により、本明細書で定義されたとおりに置換されていてもよい。
【0021】
互換的に使用しうる「アリールアルキル」及び「アラルキル」は、基−R−R’(ここで、Rは、本明細書で定義されたとおりのアルキレン基であり、R’は、本明細書で定義されたとおりのアリール基である)を意味し;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチル、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が、アリールアルキルの例である。
【0022】
「シクロアルキル」は、単環式又は二環式環からなる飽和炭素環部分を意味する。シクロアルキルは、別に特記しない限り、場合により1つ以上の置換基で置換されていることができ、ここで、各々の置換基は、独立に、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが、シクロヘキセニル、シクロペンテニル等の部分的に不飽和のその誘導体を含んで挙げられ、さらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
「シクロアルキルアルキル」は、基−R−R’(ここで、Rは、本明細書で定義されたとおりのアルキレンであり、R’は、本明細書で定義されたとおりのシクロアルキルである)を意味する。
【0024】
「ヘテロアルキル」は、1、2、又は3個の水素原子が、−OR、−NR、及び−S(O)(ここで、nは0〜2の整数である)から独立に選択される置換基で置き換えられた、本明細書で定義されたようなアルキル基を意味し、ヘテロアルキル基の結合点は炭素原子を介してであると理解される(式中、Rは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;R及びRは、各々独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;nが0である場合、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、nが1又は2である場合、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである)。代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシメチルブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
「ヘテロアリール」は、N、O、又はSから選択される1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである、少なくとも1つの芳香環を有する、5〜12個の環原子の単環式又は二環式基を意味し、ヘテロアリール基の結合点は芳香環上にあると理解される。ヘテロアリール環は場合により、本明細書で定義されるように置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例としては、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピリジニル、ピリダジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなどが、その部分的に水素化された誘導体を含めて挙げられるが、これらに限定されない。前記のヘテロアリール部分は、部分的に飽和されていてもよい。したがって、「ヘテロアリール」として、「イミダゾリニル」、「テトラヒドロピリミジニル」及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられる。
【0026】
「ヘテロアリーレン」は、2価のヘテロアリール基(ここで、ヘテロアリールは本明細書で定義されたとおりである)を意味する。「ヘテロアリーレン」は、場合により、本明細書で定義されたとおりに置換されていてもよい。「ヘテロアリーレン」としては、例えば、インドリレン、ピリミジニレン、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられる。
【0027】
「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、互換的に使用しうるが、置換基のフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを指す。
【0028】
「ハロアルキル」は、1つ以上の水素が、同じ又は異なるハロゲンで置き換えられた本明細書で定義されたとおりのアルキルを意味する。例示的なハロアルキルとしては、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば−CF)、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられる。
【0029】
「ヘテロシクロアミノ」は、飽和環(ここで、少なくとも1つの環原子は、N、NH又はN−アルキルであり、残りの環原子はアルキレン基を形成する)を意味する。
【0030】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3個又は4個のヘテロ原子(窒素、酸素又は硫黄から選択される)を含む、1〜3個の環からなる1価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、場合により、本明細書で定義されるように置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びさらに、部分的に不飽和のその誘導体を含む、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
「場合により置換された」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、シクロアルキル又は「ヘテロシクリル」に関連して使用される場合、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR(ここで、Rは、水素、アルキル、フェニル、又はフェニルアルキルである)、−(CR’R”)−COOR(ここで、nは0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、又はフェニルアルキルである)、又は−(CR’R”)−CONR(ここで、nは0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、R及びRは、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、又はフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1個又は2個の置換基で独立に、場合により置換されているアリール、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを意味する。
【0032】
「脱離基」は、合成有機化学において従来それと関連する意味を持つ基、すなわち置換反応条件下で置換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例としては、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用としては、本明細書で定義されるように、アゴニスト、アンタゴニストなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「場合による」又は「場合により」は、続いて述べられる現象又は状況が発生してもよいが、ただしその必要はないこと、及びその記述が現象又は状況が発生する例及び発生しない例を含むことを意味する。
【0035】
「疾患状態」は、いずれかの疾患、病状、症状、又は兆候を意味する。
【0036】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、溶媒がそれと共に述べられている反応の条件下で不活性であることを意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、又はジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジン及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられる。反対に規定しない限り、本発明の反応で使用される溶媒は不活性溶媒である。
【0037】
「薬学的に許容しうる」は、一般に安全で、非毒性であり、生物学的にもその他においても望ましくないものではない医薬組成物の調製に有用であることを意味し、ヒトへの医薬的使用と同様に動物にも許容しうるものを含む。
【0038】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書で定義されたように医薬的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩としては:
無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成される;又は有機酸、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフト酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などと形成される、酸付加塩、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基;あるいは
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアルミニウムイオンで置換された場合か;又は有機若しくは無機塩基で配位された場合に形成される塩が挙げられる。許容しうる有機塩基としては、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、及びさらに、以下の本発明の化合物の例において示されるそれらの基が挙げられる。許容しうる無機塩基としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0039】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。
【0040】
薬学的に許容しうる塩への言及はすべて、本明細書で定義されるように、同じ酸付加塩の溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形体)を包含することが理解されるべきである。
【0041】
「プロ−ドラッグ」及び「プロドラッグ」という用語は、本明細書で互換的に使用され、このようなプロドラッグが哺乳類対象に投与されたときに、式Iに係る活性な親薬剤をインビボで放出する任意の化合物を指す。式Iの化合物のプロドラッグは、修飾物がインビボで開裂して親化合物を放出するように、式Iの化合物中に存在する1つ以上の官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグとしては、式Iの化合物のヒドロキシ、アミノ、又はスルフヒドリル基が、インビボで開裂して、遊離ヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基をそれぞれ再生成する基と結合している式Iの化合物が挙げられる。プロドラッグの例として、式Iの化合物中のヒドロキシ官能基のエステル(例えばアセテート、ホルメート、及びベンゾエート誘導体)、カルバメート(例えばN,N−ジメチルアミノカルボニル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えばN−アセチル)、N−マンニッヒ(Mannich)塩基、シッフ(Schiff)塩基、及びエナミノン、式Iの化合物中のケトン及びアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタール、及びエノールエステルなどが挙げられ、Bundegaard, H. "Design of Prodrugs" 1-92頁、Elesevier, New York-Oxford (1985)などを参照されたい。
【0042】
「保護基(Protective group)」又は「保護基(protecting group)」は、合成化学において従来それと関連する意味において、化学反応が別の非保護反応部位にて選択的に実施できるように、多官能性化合物の1つの反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。本発明のあるプロセスは、反応物中に存在する反応性の窒素及び/又は酸素原子をブロックする保護基に依存している。例えば「アミノ保護基」及び「窒素保護基」という用語は、本明細書で互換的に使用され、合成手順中の望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とする有機基を指す。例示的な窒素保護基としては、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、除去の容易さについてそして以下の反応に耐える能力について、基を選択する方法を知っている。
【0043】
「溶媒和物」は、溶媒の化学量論量又は非化学量論量のいずれかを含有する溶媒付加物形態を意味する。一部の化合物は、結晶性固体状態において定まったモル比の溶媒分子を捕捉する傾向を有し、したがって、溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合は、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、水の1つ以上の分子と水がHOとしてその分子状態を維持する物質の1つとの組合せによって形成され、このような組合せは1つ以上の水和物を形成することができる。
【0044】
「対象」は、哺乳類及び非哺乳類を意味する。哺乳類は、これに限定されるわけではないが、ヒト;非ヒト霊長類、例えばチンパンジー及び他の類人猿及びサル種;農場動物、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタ;家畜、例えばウサギ、イヌ、及びネコ;げっ歯類を含む実験動物、例えばラット、マウス、及びモルモット;などを含む、哺乳類の任意のものを意味する。非哺乳類の例としては、鳥類などが挙げられるが、これらに限定されない。「対象」という用語は、特定の年齢又は性を表さない。
【0045】
「治療的有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与されたときに、疾患状態に対してこのような処置を行うのに十分である化合物の量を意味する。「治療的有効量」は、化合物、処置される疾患状態、処置される疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康状態、投与の経路及び形式、担当の医師又は獣医の判断、その他の因子によって変化する。
【0046】
「上で定義されたもの」及び「本明細書で定義されたもの」という用語には、可変物を参照する場合、可変物の広い定義ならびに、存在する場合には、好ましい、より好ましい、及び最も好ましい定義が含まれる。
【0047】
疾患状態を「処置する」又は疾患状態の「処置」は下記を含む:
(i)疾患状態の予防、すなわち疾患状態に暴露されている又は罹患しやすくなっているが、まだ疾患状態の症状を経験又は示していない対象において、疾患状態の臨床症状を進展させないこと、
(ii)疾患状態の阻害、すなわち疾患状態又はその臨床症状の進展を制止すること、あるいは
(iii)疾患状態の緩和、すなわち疾患状態又はその臨床症状を一時的に又は永久的に後退させること。
【0048】
化学反応を指す場合、「処理する」、「接触させる」及び「反応させる」という用語は、2つ以上の試薬を、適切な条件下で加えるか又は混合して、指示された及び/又は所望の目的生成物を製造することを意味する。指示された及び/又は所望の生成物を製造する反応が、最初に加えられた2つの試薬を組み合わせた直接の結果である必要はないこと、すなわち混合物中に製造された1つ以上の中間体が存在してよく、最終的に指示された及び/又は所望の生成物の形成につながることを理解すべきである。
【0049】
一般に、本出願で使用する命名法は、IUPAC系統的命名法を生み出すBeilstein InstituteコンピュータシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づく。
【0050】
本明細書中に示される化学構造は、ISIS(登録商標)v.2.2を使用して作成した。本明細書中の化学構造における炭素、酸素又は窒素原子でのあらゆる空原子価(open valency)は、水素の存在を示す。
【0051】
本発明の範囲は、存在しうる種々の異性体のみならず、形成されうる異性体の種々の混合物をも包含することが理解されるべきである。さらに本発明の範囲は、また、式I:
【0052】
【化8】

【0053】
又はその薬学的に許容しうる塩、
(式中、
mは、0〜3であり;
pは、1〜3であり;
qは、0、1又は2であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
2は、
【0054】
【化9】

【0055】
であり;
Xは、−O−又は−NR9−であり;
nは、2又は3であり;
3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素又はC1-12アルキルであり;
7及びR8は、各々独立に、水素又はC1-12アルキルであるか、あるいはR7及びR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、O、N及びSより選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4員〜6員の環を形成するか、あるいはR7及びR8の一方とR5及びR6の一方は、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSより選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4員〜6員の環を形成し;
9は、水素又はC1-12アルキルであるか、あるいはR7が水素又はメチルである場合、R9は、R8及びそれらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する)
の化合物の溶媒和物及び塩をも包含する。
【0056】
式Iの特定の実施態様において、pは2である。多くのそのような実施態様において、qは2である。
式Iの特定の実施態様において、Arは、場合により置換されているフェニルである。
好ましくは、式Iの実施態様において、mは0又は1である。
式Iの多くの実施態様において、Xは−NR9−である。
特定の実施態様において、R3及びR4は双方とも水素である。他のそのような実施態様において、双方のR3及びR4は、アルキル、好ましくはメチルである。
式Iの特定の実施態様において、nは2である。
式Iの特定の実施態様において、nは3である。
式Iの特定の実施態様において、R5及びR6は双方とも水素である。他の実施態様において、R7及びR8は水素であり、他方はC1-12アルキル、好ましくはメチルである。さらに他の実施態様において、R7及びR8は、双方とも、C1-12アルキル、好ましくはメチルである。
式Iの特定の実施態様において、R7及びR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、6員環を形成する。
式Iの特定の実施態様において、R9は水素である。
式Iの特定の実施態様において、R7は水素又はメチルであり、R8及びR9は、それらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する。
本発明の多くの実施態様において、対象化合物は、式II:
【0057】
【化10】

【0058】
(式中、m、q、Ar、R1、R2、R3及びR4は、本明細書で定義されたとおりである)
のものである。
【0059】
式IIの特定の実施態様において、qは2である。
式IIの特定の実施態様において、Arは、場合により置換されているフェニルである。
好ましくは、式Iの実施態様において、mは0又は1である。
式IIの多くの実施態様において、Xは−NR9−である。
式IIの特定の実施態様において、R3及びR4は双方とも水素である。他のそのような実施態様において、双方のR3及びR4は、C1-12アルキル、好ましくはメチルである。
式IIの特定の実施態様において、nは2である。
式IIの特定の実施態様において、nは3である。
式IIの特定の実施態様において、R5及びR6は双方とも水素である。他の実施態様において、R7及びR8は水素であり、他方はC1-12アルキル、好ましくはメチルである。さらに他の実施態様において、R7及びR8は、双方とも、C1-12アルキル、好ましくはメチルである。
式Iの特定の実施態様において、R7及びR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、6員環を形成する。
式IIの特定の実施態様において、R9は水素である。
式IIの特定の実施態様において、R7は水素又はメチルであり、R8及びR9は、それらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する。
本発明の特定の実施態様において、対象化合物は、より特定的には、式III:
【0060】
【化11】

【0061】
(式中、
sは、0〜4であり;
各々のR10は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
X、R7及びR8は、本明細書で定義されたとおりである)
のものである。
【0062】
好ましくは、sは、0〜2であり、R10は、ハロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はC1-12ハロアルキルである。より好ましくは、sは0又は1であり、R10はフルオロ又はクロロである。
式IIIの多くの実施態様において、Xは−NR9−である。
式IIIの特定の実施態様において、nは2である。
式IIIの特定の実施態様において、nは3である。
式IIIの特定の実施態様において、R5及びR6は双方とも水素である。他の実施態様において、R7及びR8は水素であり、他方はC1-12アルキル、好ましくはメチルである。さらに他の実施態様において、R7及びR8は、双方とも、C1-12アルキル、好ましくはメチルである。
式IIIの特定の実施態様において、R7及びR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、6員環を形成する。
式IIIの特定の実施態様において、R9は水素である。
式IIIの特定の実施態様において、R7は水素又はメチルであり、R8及びR9は、それらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する。
本発明の特定の実施態様において、対象化合物は、より特定的には、式IV:
【0063】
【化12】

【0064】
(式中、
sは、0〜4であり;
各々のR10は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
7は、水素又はメチルである)
のものである。
【0065】
好ましくは、sは、0〜2であり、R10は、ハロ、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はC1-12ハロアルキルである。より好ましくは、sは0又は1であり、R10はフルオロ又はクロロである。
【0066】
本明細書中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、Ra、Rb、Rc、Rd及びReのいずれかがアルキルであるか、又はアルキル部分を含む場合、そのC1-12アルキルは、好ましくは低級アルキル、すなわち、C1-6アルキル、より好ましくはC1-4アルキルである。
【0067】
本発明に係る代表的な化合物を、下記の表1に示す。
【0068】
【表1】





【0069】
本発明の他の態様は、少なくとも1つの式(I)の化合物の治療有効量と、薬学的に許容しうる担体とを含む組成物を提供する。
【0070】
本発明のまた他の態様は、対象における中枢神経系(CNS)疾患状態の処置に有用な医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。疾患状態は、精神病、統合失調症、躁うつ病、神経障害、記憶障害、注意欠陥障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病又はハンチントン病を含む。
【0071】
本発明のさらに他の態様は、式(I)の化合物の治療有効量を対象に投与することを含む、対象の胃腸管障害の処置に有用な医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0072】
本発明の他の態様は、式(I)の化合物を製造する方法を提供する。
【0073】
上記のように、本発明は、また、上記の化合物を製造する方法、それを使用する方法、及びそれを含む医薬組成物を提供する。1つのそのような方法は、式
【0074】
【化13】

【0075】
(式中、m、p、q、Ar、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、本明細書で定義されたとおりである)
の化合物を製造する方法であって:

【0076】
【化14】

【0077】
の化合物を、式
【0078】
【化15】

【0079】
のアルキル化剤と反応させ、式eの化合物とすることを含む方法である。
【0080】
本発明の化合物は、また、下に示し、かつ記載した例示の合成反応スキームに記述されている種々の方法によって調製することができる。
【0081】
これらの化合物の調製に使用される出発物質及び試薬は、一般的に、Aldrich Chemical Co.のような商業供給者から入手可能であるか、又はFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals、及びOrganic Reactions. Wiley & Sons: New York, 2004, Volumes 1-56のような参考文献に記載の手順に従って当業者に公知の方法により調製されるかのいずれかである。下記の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができる幾つかの方法を例示しているに過ぎず、これらの反応スキームに対して種々の変更を行うことができ、本出願に含まれる開示内容を参考として当業者に示唆されることになる。
【0082】
合成反応スキームの出発材料及び中間体を、所望であれば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等を含むが、それらには限定されない従来の技術を使用して、単離及び精製することができる。そのような材料を、物理定数やスペクトルデータを含む従来の手段を使用して特徴付けすることができる。
【0083】
別に特記しない限り、本明細書に記載される反応は、好ましくは不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃の温度範囲、最も好ましく、かつ好都合には約室温(周囲温度)、例えば約20℃で実施される。
【0084】
下記のスキームAは、本発明の化合物(式中、X、Ar、m、p、q、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、本明細書で定義されたとおりである)の製造に使用しうる1つの合成手法を例示する。インダン及びテトラリンへの数多くの合成経路が公知であり、対象化合物の製造に使用することができ、スキームAの手順は、単なる例示である。スキームAの手順の具体例が、以下の実験項に示されている。
【0085】
【化16】

【0086】
スキームAの工程1において、ケトン化合物を還元すると、アルコール化合物を与える。ケトン化合物は、例えば、本発明に係るアリールスルホニルジヒドロベンゾフラノン(ここで、qは2であり、pは1である)、アリールスルホニルクロマン(ここで、qは2であり、pは2である)、又は同様のケトンを包含しうる。対応するアリールスルファニル(q=0)及びアリールスルフィニル(q=1)ケトン化合物を、この工程で使用しうる。ケトン化合物は、当技術分野で公知の多くの技術により製造することができ、そのような化合物の製造の具体例は、この開示の実験項に下記されている。工程1の還元反応は、ケトン化合物を、温和なプロトン性溶媒条件下に、水素化ホウ素ナトリウムで処理することにより達成しうる。
【0087】
工程2において、アルコール化合物を、塩素化に付すと、ニトリルクロロ化合物を与える。この反応は、非極性溶媒条件下に、塩化チオニルを用いて達成しうる。
【0088】
アルキル化反応は、工程3において、化合物を塩素化合物と反応させて、本発明に係る式Iの化合物である化合物eを得ることにより達成される。化合物において、Xは、−O−又は−NR9−(ここで、R9は上で定義されたとおりである)である。R7及びR8の一方又は双方が水素である場合には、適切な保護及び脱保護方法をこの工程で使用しうる。
【0089】
スキームAの手順において多くの変形が可能であり、当業者に容易に明らかである。XがOである特定の実施態様において、工程2及び3は、化合物bを適切なハロゲン化アミノアルキル又は、その後に変性してアミン官能性を導入しうるハロゲン化ヘテロアルキルで処理することによるO−アルキル化反応で置き換えてもよい。特定の例においては、ケトンを、還元条件下に二級アミンで直接処理して、化合物を直接得ることができる。
【0090】
式Iの化合物を製造する具体的に詳細な記述が、下の実施例部分に記載されている。
【0091】
本発明の化合物は、5−HT6、5−HT2Aレセプター又は双方を包含する5−HTレセプターに対する選択的親和性を有し、したがって、ある種のCNS疾患、例えばパーキンソン病、ハンチントン病、不安症、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の亢進)、睡眠障害、摂食障害、例えば食欲不振、過食症、及び肥満、パニック発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピンなどの薬物乱用からの退薬、統合失調症、さらに脊髄外傷及び/又は頭部損傷に関連する障害、例えば水頭症の処置に有用であることが期待される。このような化合物は、ある種のGI(胃腸)障害、例えば機能性腸障害及び過敏性腸症候群の処置においても有用であることが期待される。
【0092】
本発明の化合物の薬理学は、当業界で認識された手順によって決定した。放射性リガンド結合中の5−HT6レセプター及び5−HT2Aレセプターにおける試験化合物の親和性を決定するインビトロ技法、FLIPR及び機能アッセイは、以下に記載されている。
【0093】
本発明は、本発明の少なくとも1つの化合物、あるいは個々の異性体、異性体のラセミ又は非ラセミ混合物あるいはその薬学的に許容しうる塩又は溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、ならびに場合により他の治療的及び/又は予防的成分と共に含む医薬組成物を包含する。
【0094】
一般に、本発明の化合物は、同様の効用を果たす薬剤の投与の許容される方式のいずれかによって、治療的有効量で投与される。適切な投薬量範囲は、多数の因子、例えば処置される疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康、使用した化合物の効能、投与の経路及び形式、投与が行われる適応症、及び関与する医師の好み及び経験によって、通例1日当たり1〜500mg、好ましくは1日当たり1〜100mg、及び最も好ましくは1日当たり1〜30mgである。このような疾患の処置の当業者は、必要以上の実験をせずに、そして個人的知識及び本出願の開示に依拠して、所与の疾患のための、本発明の化合物の治療的有効量を確定できる。
【0095】
一般に、本発明の化合物は、経口(頬側及び舌下を含む)、直腸、経鼻、局所、経肺、経膣、又は非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下、及び経静脈を含む)投与に適切なものを含む医薬調合物として、あるいは吸入又は吹入れによる投与に適切な形で投与される。投与の好ましい方法は一般に、苦痛の程度に従って調節できる好都合な1日投薬量計画を使用する経口である。
【0096】
本発明の化合物又は複数の化合物は、1つ以上の従来の補助剤、担体、又は希釈剤と共に、医薬組成物及び単位投薬の剤形にすることができる。医薬組成物及び単位投薬剤形は、追加の活性化合物又は成分を含んで又は含まずに、慣用の比の従来の成分からなり、単位投薬剤形は、採用される目的の1日投薬範囲に相応の活性成分の適切な有効量を含有しうる。医薬組成物は、固体、例えば錠剤又は充填カプセル、半固体、粉末、持続放出調合物、あるいは液剤、例えば溶液、懸濁剤、エマルジョン、エリキシル、あるいは経口投与用充填カプセルとして;あるいは直腸又は経膣投与用の座薬の形で;あるいは非経口用途のための滅菌注射用溶液の形で利用できる。したがって、錠剤当たり約1ミリグラム、さらに広範には約0.01〜約100ミリグラムの活性成分を含有する調合物が、適切な代表的単位投薬剤形である。
【0097】
本発明の化合物は、多種多様の経口投与投薬剤形で調合しうる。医薬組成物及び投薬剤形は、本発明の化合物又は複数の化合物あるいはその薬学的に許容しうる塩を活性成分として含むことができる。薬学的に許容しうる担体は、固体でも液体でもよい。固形製剤として、粉末剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、カシェ剤、座薬、及び分散性顆粒が挙げられる。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑剤、懸濁化剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料としても作用する1種以上の物質でありうる。粉末剤において、担体は、一般に、細かく粉砕された活性成分との混合物である、細かく粉砕された固体である。錠剤において、活性成分は一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な比で混合されて、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉末剤及び錠剤は、好ましくは、約1〜約70パーセントの活性化合物を含有する。適切な担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどが挙げられるが、これらに限定されない。「製剤」という用語は、担体としてのカプセル化材料を用いた活性化合物の処方を含むものとし、活性成分が担体の存在下また非存在下で、活性成分と共に担体に包囲されたカプセルが提供される。同様にカシェ剤及び口内錠も包含される。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸薬、カシェ剤、及び口内錠は、経口投与に適切な固体剤形である。
【0098】
経口投与に適切な他の剤形は、エマルジョン、シロップ、エリキシル、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体形態製剤、又は使用直前に液体形態製剤に変換されるものとする固体形態製剤を含む。エマルジョンは、溶液、例えばプロピレングリコール水溶液で調製されるか、又は乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、又はアカシアゴムを含有できる。水性液剤は、活性成分を水に溶解させ、適切な着色料、香料、安定剤、及び増粘剤を添加することによって調製できる。水性懸濁剤は、細かく粉砕された活性成分を、粘性材料、例えば天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁化剤などと水に分散することによって調製できる。固体形態製剤は、液剤、懸濁剤、及びエマルジョンを含み、活性成分に加えて、着色料、香料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有しうる。
【0099】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば注射、例えばボーラス注射又は連続注入による)用に調合でき、アンプル、事前充填シリンジ、少量輸液での単位用量剤形で、又は添加保存料を含む複数回用量容器で与えられる。組成物は、懸濁剤、液剤、又は油性若しくは水性ビヒクル中のエマルジョン、例えば水性ポリエチレングリコール中の溶液などの剤形を取る。油性若しくは非水性担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられ、保存料、湿潤剤、乳化剤、又は懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤などの調合剤を含有しうる。あるいは、活性成分は、適切なビヒクル、例えば滅菌された、発熱物質を含まない水によって使用前に構成するための、滅菌固体の無菌単離によって、又は溶液からの凍結乾燥によって得られた粉末形態であってもよい。
【0100】
本発明の化合物は、軟膏、クリーム又はローションなどの表皮への局所投与用に、あるいは経皮パッチとして調合しうる。軟膏及びクリームは例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加して、水性又は油性基剤を用いて調合できる。ローションは、水性又は油性基剤を用いて調合でき、一般に1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色料をも含有する。口内の局所投与に適切な調合物は、活性剤を香料を加えた基剤、通常はスクロース及びアラビアゴム又はトラガカント中に含む、口内錠;活性成分を、不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴム中に含む香錠;及び活性成分を適切な液体担体中に含むマウスウォッシュを含む。
【0101】
本発明の化合物は、座薬としての投与のために調合できる。低融点ワックス、例えば脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物を最初に溶融させ、活性成分を例えば攪拌によって均一に分散させる。次に、溶融した均質混合物を適当なサイズの型に注入し、放冷して、固化させる。
【0102】
本発明の化合物は、経膣投与用に調合できる。活性成分に加えて当業界で公知の担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーが適切である。
【0103】
本発明の化合物は、経鼻投与用に調合できる。液剤又は懸濁剤は、慣用の手段、例えばドロッパー、ピペット又はスプレーによって鼻腔に直接使用される。調合物は、単回又は複数回用量剤形で提供しうる。ドロッパー又はピペットの後者の場合、これは適切な所定量の液剤又は懸濁剤を患者が投与することにより実現できる。スプレーの場合、これは例えば計量噴霧式スプレーポンプによって実現できる。
【0104】
本発明の化合物は、鼻内投与を含む、特に呼吸管へのエアゾール投与用に調合できる。化合物は一般に、例えば5ミクロン以下のオーダーの小さい粒径を有する。このような粒径は、当業界で公知の手段によって、例えば微粉化によって得られる。活性成分は、適切な噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素又は他の適切なガスと共に加圧パックで提供される。エアゾールは、好都合には、界面活性剤、例えばレシチンをも含有しうる。薬剤の用量は、計量弁によって制御できる。あるいは、活性成分は、適切な粉末基剤、例えばラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)中の化合物の乾燥粉末、例えば粉末ミックスの剤形で提供できる。粉末担体は鼻腔中でゲルを形成する。粉末組成物は単位用量剤形で、例えばゼラチンのカプセル若しくはカートリッジ又はブリスターパックで与えられ、粉末はそこから吸入器によって投与できる。
【0105】
所望の場合、調合物は、活性成分の持続又は制御放出投与に適した腸溶コーティングを用いて調製できる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下ドラッグデリバリーデバイスとして調合できる。これらのデリバリーシステムは、化合物の持続放出が必要な場合に、そして治療計画への患者の服薬順守が重要である場合に有利である。経皮デリバリーシステムの化合物は、皮膚接着固体支持体にしばしば付着される。当該化合物は、浸透促進剤、例えばAzone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組合せることもできる。持続放出デリバリーシステムは、手術又は注射によって皮下層に皮下挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム、又は生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に、化合物を封入する。
【0106】
医薬製剤は、好ましくは、単位投薬剤形である。このような剤形では、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に再分割される。単位投薬剤形は、包装製剤でもよく、包装は個々量の製剤、例えば小包にした錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル内の粉末を含有する。また、単位投薬剤形は、カプセル、錠剤、カシェ剤、又は口内錠自体でもよく、又は包装形態のこれらのいずれかの適切な数であることもできる。
【0107】
他の適切な医薬的担体及びその調合物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, E.W. Martin編、Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvania に記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な医薬調合物は、以下の実施例に記載されている。
【0108】
実施例
下記の調製例及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。これらは、本発明の範囲を制限すると考えられるべきではなく、本発明の例示及び代表例としてのみ考えられるべきである。
【0109】
調製例1
7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オン
この調製例に記載した合成手順を、スキ−ムDに示す方法に従って実施した。
【0110】
【化17】

【0111】
工程1
3−(3−フルオロ−フェノキシ)−プロピオン酸
【0112】
【化18】

【0113】
3−フルオロフェノ−ル(8.9g、79.5mmol)及び3−ブロモプロピオン酸(12.24g、80.0mmol)をフラスコ内に置いた。水20mL中のNaOH(6.7g、167mmol)の溶液をゆっくりとフラスコに加えた。反応混合物を2時間加熱還流し、次に室温まで冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発して、3−(3−フルオロ−フェノキシ)−プロピオン酸4.57g(25mmol、31.4%)を得た。MS:185(M+H)
【0114】
工程2
7−フルオロ−クロマン−4−オン
【0115】
【化19】

【0116】
3−(3−フルオロ−フェノキシ)−プロピオン酸(3.37g、18.3mmol)をトリフルオロ酢酸25mL及びメタンスルホン酸9mLの混合物に溶解した。反応混合物を90℃まで加熱し、90℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発した。残渣を、シリカゲル(ヘキサン中、15%EtOAc)で溶離し、溶媒を減圧下で除去して、7−フルオロ−クロマン−4−オン1.24g(7.5mmol、41%)を得た(MS:167(M+H)
【0117】
工程3
7−フェニルスルファニル−クロマン−4−オン
【0118】
【化20】

【0119】
7−フルオロ−クロマン−4−オン(1.87g、11.27mmol)及びKCO(9.28g、67.12mmol)の溶液を、ジメチルホルムアミド(DMF)20mLに加えた。ベンゼンチオ−ル(1.37mL、13.52mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に酢酸エチルと水に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発して、油状物を得て、それを、ヘキサン/EtOAc(9:1)を使用するシリカゲルで溶離した。溶媒を減圧下で除去して、7−フェニルスルファニル−クロマン−4−オン2.21g(8.62mmol、77%)を得た。MS:257(M+H)
【0120】
工程4
7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オン
【0121】
【化21】

【0122】
MeOH20mL及び水2mL中の7−フェニルスルファニル−クロマン−4−オン(2.21g、8.62mmol)の溶液を室温で撹拌した。OXONE(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム、6.35g、10.35mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発した。得られた残渣を、ヘキサン中の35%EtOAcを用いるシリカゲルで溶離した。溶媒を減圧下で除去して、7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オン1.56g(5.41mmol、63%)を得た。MS:289(M+H)
【0123】
工程3のベンゼンチオ−ルを3−フルオロベンゼンチオールに代えることを除いては同じ手順を使用して、7−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−クロマン−4−オンを調製した。
【0124】
調製例2
7−ベンゼンスルホニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン
この調製例に記載した合成手順を、スキ−ムEに示す方法に従って実施した。
【0125】
【化22】

【0126】
工程1
7−フルオロ−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン
【0127】
【化23】

【0128】
1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(5.0g、32.44mmol)、アセトン(11.92mL、162.2mmol)及びピロリジン(2.7mL、32.44mmol)をベンゼン20mLに溶解し、反応混合物を4時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと1N HClに分配した。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発した。得られた残渣を、クロマトグラフィー(ヘキサン中の15%酢酸エチル、シリカを介して溶離)に付し、溶媒を除去して、7−フルオロ−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン3.33g(17.16mg、53%)を油状物として得た。MS:195(M+H)
【0129】
工程2
7−ベンゼンスルファニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン
【0130】
【化24】

【0131】
調製例1の工程3の手順を使用して、7−ベンゼンスルファニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン1.49gを得た。MS:285(M+H)
【0132】
工程3
7−ベンゼンスルホニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン
【0133】
【化25】

【0134】
調製例1の工程4の手順を使用して、7−ベンゼンスルホニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オン1.10gを得た。MS:317(M+H)
【0135】
工程3のベンゼンチオ−ルを3−フルオロベンゼンチオールに代えることを除いては調製例2の手順を使用して、7−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−クロマン−4−オンを調製した。
【0136】
実施例1
1−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジン
この実施例に記載した合成手順を、スキ−ムDに示す方法に従って実施した。
【0137】
【化26】

【0138】
工程1
7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オ−ル
【0139】
【化27】

【0140】
7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オン(500mg、1.73mmol)をMeOH 15mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(72mg、1.9mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に水と酢酸エチルに分配した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、粗7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オ−ル483mgを得た。MS:291(M+H)
【0141】
工程2
7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−クロマン
【0142】
【化28】

【0143】
7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オ−ル(483mg、1.66mmol)をトルエン10mLに溶解し、塩化チオニル182uL(02.49mmol)を加えた。反応物を2時間還流し、次に室温まで冷却した。溶媒を減圧下で除去して、7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−クロマン(512mg)を粗油状物として得た。MS:308(M+H)
【0144】
工程3
4−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0145】
【化29】

【0146】
7−ベンゼンスルホニル−4−クロロ−クロマン(512mg、1.65mmol)、Boc−ピペラジン(ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、371mg、1.92mmol)、ヨウ化ナトリウム(50mg)及び炭酸カリウム(275mg)をDMF5mLに加え、反応混合物を70℃に一晩加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルと水に分配し、合わせた有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中の30%酢酸エチルを使用)に付して、4−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル400mgを得た。
【0147】
工程4
1−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジン
【0148】
【化30】

【0149】
[4−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(400mg)を2N HCl/EtOH 5mLに溶解した。反応混合物を1時間還流し、室温まで冷却し、EtOを加えた。1−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジン塩酸塩(152mg)を濾過により回収した。融点:243.0〜249.0℃、MS:357(M+H)
【0150】
7−ベンゼンスルホニル−ジメチル−クロマン−4−オン又は7−ベンゼンスルホニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オンを適切なアミンと共に使用し、実施例1の手順により調製した更なる化合物を、表1に示す。
【0151】
実施例2
(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−アミン
この実施例に記載した合成手順を、スキ−ムEに示す方法に従って実施した。
【0152】
【化31】

【0153】
7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−オン(100mg、0.347mmol)及び2−ピペリジン−1−イル−エチルアミン(45mg、0.347mg)を塩化メチレン5mLに溶解し、反応混合物を2時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、NaBH(OAc) 110mg(0.52mmol)を加えた。反応混合物を1時間還流し、室温まで冷却し、水と酢酸エチルに分配した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−アミン60mgを得た。MS:402(M+H)。この粗生成物を2N HCl/EtOH 2mLに溶解し、EtOを加えて再結晶化して、7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−アミン塩酸塩40mgを得た。融点:151.4〜153.2℃。
【0154】
7−ベンゼンスルホニル−ジメチル−クロマン−4−オン又は7−ベンゼンスルホニル−2,2−ジメチル−クロマン−4−オンを適切なアミンと共に使用して調製し、表1に示す。
【0155】
実施例3
処方
種々の経路で送達される医薬製剤は下記の表で示されるように処方される。表中で使用される「活性成分」又は「活性化合物」は、1つ以上の式Iの化合物を意味する。
【0156】
【表2】

【0157】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに調剤する。1カプセルが1日用量のほぼ全てとなる。
【0158】
【表3】

【0159】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して顆粒状にする。次に配合物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0160】
【表4】

【0161】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0162】
【表5】

【0163】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用水の残りで溶液の重量にして、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0164】
【表6】

【0165】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
【0166】
【表7】

【0167】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、約100gにするのに十分な量の水を加える。
【0168】
鼻腔用スプレー調合物
約0.025〜0.5パーセントの活性化合物を含有するいくつかの水性懸濁物を、鼻腔用スプレー調合物として調製した。調合物には場合により、不活性成分、例えば微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどを含有させた。pHを調整するために塩酸を添加してもよい。鼻腔用スプレー調合物は、通例1回の動作につき調合物約50〜100マイクロリットルを送達する、鼻腔用スプレー計量ポンプによって送達できる。代表的な投薬スケジュールは、4〜12時間ごとに、スプレー2〜4回である。
【0169】
実施例4
放射性リガンド結合試験
本実施例は、式Iの化合物のインビトロ放射性リガンド結合試験について説明する。
【0170】
本発明の化合物のインビトロでの結合活性を次のように決定した。組換えヒト5−HTレセプターを安定して発現するHEK293細胞に由来する細胞膜における[H]LSDの結合について競合させることにより、5−HTリガンド親和性の二重測定を行った。組換えヒト5−HT2Aレセプターを安定して発現するCHO−K1細胞に由来する細胞膜における[H]ケタンセリン(Ketanserin)(3−(2−(4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジノール)エチル)−2,4(1H,3H)−キナゾリンジオン)の結合について競合させることにより、5−HT2Aリガンド親和性の二重測定を行った。膜は、Monsmaら、Molecular Pharmacology, Vol. 43 pp. 320-327 (1993)により記載された方法によりHEK293細胞系より、また、Bonhausら、Br. J Pharmacol. Jun; 115(4): 622-8 (1995)により記載されたように、CHO−K1細胞系より、調製された。
【0171】
5−HTレセプターでの親和性を推定するために、すべての測定は、250マイクロリットル反応容量中に50mM Tris−HCl、10mM MgSO、0.5mM EDTA、1mMアスコルビン酸を含有するpH7.4、37℃のアッセイ緩衝液中で行った。5−HT2Aレセプターでの親和性を推定するために、すべての測定は、250マイクロリットル反応容量中に50mM Tris−HCl、5mMアスコルビン酸、4mM CaCl2を含有するpH7.4、32℃のアッセイ緩衝液中で行った。
【0172】
H]LSD又は[H]ケタンセリン(5nM)、競合リガンド、及び膜を含有するアッセイ管を振とう水浴中、37℃で75分間(5−HTについて)又は32℃で60分間(5−HT2Aについて)インキュベートし、Packard 96ウェル細胞採取機を使用してPackard GF−Bプレート(0.3%PEIで予備浸漬)で濾過し、氷冷50mM Tris−HClで3回洗浄した。結合[H]LSD又は[H]ケタンセリンを、Packard TopCountを使用して、1分間あたりの放射性活性カウントとして測定した。
【0173】
結合部位からの[H]LSD又は[H]ケタンセリンの置換は、濃度−結合データを4−パラメータロジスティック式に当てはめることによって定量した:
【0174】
【数1】

【0175】
式中、Hillはヒル勾配であり、[リガンド]は競合放射性リガンドの濃度であり、IC50は放射性リガンドの半値特異的結合を生じる放射性リガンドの濃度である。特異的結合ウィンドウは、Bmaxと基底値パラメータとの差である。
【0176】
本実施例の手順を使用して、式Iの化合物を試験し、選択的5−HT6アンタゴニスト、選択的5−HT2Aアンタゴニスト、又はその両方であることが見出された。例えば、化合物1−(7−ベンゼンスルホニル−クロマン−4−イル)−ピペラジンは、5−HT6に対して約9.38のpKi、また5−HT2Aに対して約7.33のpKiを示した。
【0177】
実施例5
認知向上
本発明の化合物の認知向上特性は、動物認知モデル:物体認識タスクモデルにおいてである。4月齢の雄性ウィスターラット(Charles River、オランダ)を使用した。化合物を毎日調製し、生理食塩水に溶解し、3種の用量で試験を行った。投与は常に、T1の60分前に腹腔内(注射量1ml/kg)に与えた。スコポラミン臭化水素酸塩は、化合物注射の30分後に注射した。2つの等しい試験グループは24匹のラットで構成され、2回の実験により試験を行った。用量の試験順序はランダムに決定した。実験は二重盲検プロトコルを使用して実施した。ラットはすべて各用量条件で1回処置した。物体認識試験は、Ennaceur, A., Delacour, J., 1988, A new one-trial test for neurobiological studies of memory in rats. 1: Behavioral data. Behav. Brain Res. 31, 47-59に記載されているように実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


の化合物又はその薬学的に許容しうる塩
(式中、
mは、0〜3であり;
pは、1〜3であり;
qは、0、1又は2であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されている5員若しくは6員のヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
2は、
【化2】


であり;
Xは、−O−又は−NR9−であり;
nは、2又は3であり;
3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素又はC1-12アルキルであり;
7及びR8は、各々独立に、水素又はC1-12アルキルであるか、あるいはR7及びR8は、それらが結合している窒素と一緒になって、O、N及びSより選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4員〜6員の環を形成するか、あるいはR7及びR8の一方とR5及びR6の一方は、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSより選択されるさらなるヘテロ原子を場合により含む4員〜6員の環を形成し;
9は、水素又はC1-12アルキルであるか、あるいはR7が水素又はメチルである場合、R9は、R8及びそれらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する)。
【請求項2】
pが2である、請求項1の化合物。
【請求項3】
qが2である、請求項2の化合物。
【請求項4】
Arが、場合により置換されているフェニルである、請求項3の化合物。
【請求項5】
mが0又は1である、請求項4の化合物。
【請求項6】
Xが−NR9−である、請求項5の化合物。
【請求項7】
3及びR4が水素である、請求項5の化合物。
【請求項8】
nが2である、請求項6の化合物。
【請求項9】
5及びR6が水素である、請求項8の化合物。
【請求項10】
7及びR8が水素である、請求項9の化合物。
【請求項11】
7及びR8の一方が水素であり、他方がC1-12アルキルである、請求項9の化合物。
【請求項12】
7及びR8がC1-12アルキルである、請求項9の化合物。
【請求項13】
7及びR8が、それらが結合している窒素と一緒になって、6員環を形成する、請求項9の化合物。
【請求項14】
9が水素である、請求項9の化合物。
【請求項15】
7が水素又はメチルであり、R8及びR9が、それらが結合している原子と一緒になって、6員環を形成する、請求項9の化合物。
【請求項16】
nが3である、請求項6の化合物。
【請求項17】
5及びR6が水素である、請求項16の化合物。
【請求項18】
7及びR8が水素である、請求項17の化合物。
【請求項19】
7及びR8の一方が水素であり、他方がC1-12アルキルである、請求項17の化合物。
【請求項20】
7及びR8がC1-12アルキルである、請求項17の化合物。
【請求項21】
7及びR8が、それらが結合している窒素と一緒になって、6員環を形成する、請求項17の化合物。
【請求項22】
9が水素である、請求項17の化合物。
【請求項23】
化合物が、式II:
【化3】


(式中、m、q、Ar、R1、R2、R3及びR4は、請求項1に記載のとおりである)
のものである、請求項1の化合物。
【請求項24】
化合物が、式III:
【化4】


(式中、
sは、0〜4であり;
各々のR10は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
X、R7及びR8は、請求項1に記載のとおりである)
のものである、請求項1の化合物。
【請求項25】
化合物が、式IV:
【化5】


(式中、
sは、0〜4であり;
各々のR10は、独立に、ハロ、C1-12アルキル、C1-12ハロアルキル、C1-12ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、−C(=O)N(Rd)−又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素、C1-12アルキル、C1-12アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
7は、水素又はメチルである)
のものである、請求項1の化合物。
【請求項26】
薬学的に許容しうる担体と混合した請求項1の化合物の有効量を含む、医薬組成物。
【請求項27】
精神病、統合失調症、躁うつ病、神経障害、記憶障害、注意欠陥障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、摂食障害、及びハンチントン病から選択される、中枢神経系疾患状態の処置に有用な医薬の製造における、請求項1〜25のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項28】
胃腸管障害の処置に有用な医薬の製造における、請求項1〜25のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項29】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2008−524278(P2008−524278A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547264(P2007−547264)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013361
【国際公開番号】WO2006/066756
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】