説明

グラビア印刷版スリーブ及び当該グラビア印刷版スリーブの製造方法

容易に作製可能であり、特に判型が可変であることに関して非常に適切な新しいグラビア印刷版を開発するために、スチール担持シースをマスタースリーブの形において使用することを提案し、このマスタースリーブの元の形状は、長方形で厚みが0.1mm〜0.4mmの板片であり、この板片を曲げて所望の中空円筒形にし、板片の重なり合った縁部を互いに固定して結合、特に溶接し、その板片の外側の外被面上に彫込み用銅層を貼り付け、その際、彫込み用銅層内に、レーザ彫刻によって基本格子を組み込み、かつグラビア印刷版を形成するために、基本格子を液化可能な物質によって均一に満たし、画像に従って充填材料を基本格子の凹部から取り除いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア印刷版スリーブ及び当該グラビア印刷版スリーブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グラビア印刷法は特に簡単な方法であり、この方法は、オフセットインキングシステムの場合にそうであるように、まずインキングの平衡状態に達しなければならないのではなく、事実上ただちに正しいインク量が被印刷物に供給されることを特色とする。グラビア印刷により、非常に高い印刷品質が達成され、かつ最も様々な被印刷物に印刷することができる。この利点にはかなりの費用がかかり、その費用はグラビア印刷版の作製に必要である。特に、印刷画像の書き換えの際、嵩高で重い胴を、リフト装置を使って印刷機から取り外さなければならない。その後このグラビア印刷胴(Tiefdruckzylinder)を保管し、または再度グラビア印刷版用の作製プロセスに供さなければならない。その際、グラビア印刷版の作製が、印刷機がある場所とは全く異なる場所で行われる可能性もある。つまり、グラビア印刷版の作製費用に加えてかなりの輸送費用が更にかかる可能性があり、かつグラビア印刷版の作製が、刷版を印刷に使用するのと同じ場所で行われる場合でさえ、グラビア印刷版の作製に必要な幾つかのプロセスステップの間中、グラビア印刷胴の重い重量が、グラビア印刷胴の運搬を著しく困難にする。
【0003】
重量の問題を解決するために、既に、従来のグラビア印刷版が彫り込まれるような彫込み用銅層(Gravurkupferschicht)を備えた肉薄のニッケルスリーブが提案されている。ただしこのようなニッケルスリーブの製造には1つの胴が必要であり、この胴の上に、まずニッケルを0.2mm〜0.4mmのスリーブの所望の厚みまで堆積させ、続いて彫込み用銅(Gravierkupfer)を堆積させる。胴本体とニッケル層の間の分離層により、電解的に成長させたニッケルを、最終的には薄く継目のない管として胴から外すことができる。この製造法は、異なる周長のスリーブが非常に頻繁に必要になる場合には問題がある。
【0004】
つまり新しい未だ存在していない周長のグラビア印刷版を作製しなければならない場合、グラビア印刷版スリーブの製造は、印刷準備のできたグラビア印刷版スリーブを受け、印刷機内で使用され、この上でならい削り、研磨、及び彫込みのような加工ステップを行うことができる第1の胴を製造するステップと、第2の胴上で、電気めっきによりニッケルスリーブを製造し続いて彫込み用銅を電気めっきにより堆積させるステップとを含んでいる。
【0005】
更に、例えば特許文献1からは、消去可能な、つまり再利用可能なグラビア印刷版の簡略化された作製方法、及びそれに必要な装置も知られている。
【0006】
この場合、少なくとも転写すべきインクの最大量に基づいて設計された基本格子(Grundraster)を備える予め構造化されたグラビア生版が、第1のステップで塗布機構により充填物質で満たされる。充填用の物質としては、反応系とも呼ばれ、極めて高い耐磨耗性を特色とする例えば熱可塑性プラスチック、またはロウ、ラッカー、または架橋可能なポリマー融成物もしくはポリマー溶液を使用することができる。こうしてグラビア印刷版の表面がほぼ平滑になる。その後、画素転写機構の熱エネルギー作用により、充填された物質を画像に従って凹部から取り除く。これでグラビア印刷版をインキングシステムによってインキングすることができ、それによりグラビア印刷で被印刷物上に印刷することができる。印刷工程の後、表面のインクの残りを洗浄し、予め構造化された凹部から充填物質を好ましくは完全に剥がし、凹部を再び充填物質で均一に満たすことにより、グラビア印刷版の表面が再び再生される。予め構造化された凹部からの充填物質の剥がしは、熱源及び/または吹飛し機構もしくは吸引機構によって行うことができる。
【0007】
原理的には、画像に応じたアブレーションによって、グラビア生版の基本格子の面要素より小さい面(画像ピクセル)に対処することができ、それどころか特に、画像に従ったアブレーションを基本的に基本格子とは無関係に実施することができる。ただし画像に従ったアブレーションが基本格子に適合するものでも、つまり基本格子と特定の幾何的関係にあってもよい。理想的な場合、画像に従ったアブレーションは、プロセス的に必要な、基本格子の凹部の構造化をもたらす。
【0008】
その他に特許文献2からは、刷版及び転写版用の担持シースを金属材料から製造することが知られており、この担持シースの元の形状は長方形の肉薄の板片であり、この板片を曲げて所望の中空円筒形にし、板片の重なり合った縁部を互いに固定して結合、好ましくは溶接する。溶接された担持シースの外側の表面を加工し、それによって、均質で連続的な外被面が生じる。溶接及び加工された精密なシースの製造コストは、電気めっきによるニッケルシースの製造コストの何分の一かである。
【特許文献1】欧州特許第0730953号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4432814号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これに基づき本発明の課題は、容易に作製可能であり、特に判型が可変であることに関して現況技術に比べ著しい利点を有する、一実施形態においては消去可能で再利用可能でもあり得る新規なグラビア印刷版を開発することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1のグラビア印刷版及び請求項10に記載のグラビア印刷版の製造方法により解決される。
【0011】
本発明によれば、電気めっきにより堆積させたニッケルスリーブの代わりに、先ほどの、特許文献2に記載されているような、溶接したスチールスリーブを使用することにより、ニッケルスリーブを電気めっきによって製造するための前述の第2の胴が、この溶接したスチールスリーブの使用によって節減される。
【0012】
典型的な壁厚が0.1mm〜0.4mmのこのようなスチールスリーブは、所望の厚みの肉薄な板金から、所望の周長で製造及び溶接され、グラビア印刷版の作製の際に、電気めっきによって製造されたニッケルスリーブの代わりを務めることができる。溶接したスリーブの材料選択が適切な場合、または溶接したスチールシース上に直に適切な中間層を使用する場合、グラビア印刷版に必要な彫込み用銅層を貼ることができる。
【0013】
更に、彫込み用銅層が溶接継目をも覆い隠し、やはりエンドレス印刷に適したグラビア印刷版がもたらされる。
【0014】
彫込み用銅層を堆積させるには、溶接したスチールスリーブ断面の正確な円形状は必要ではないが、例えば円形のキャップ、またはその末端が円の上にあるスポーク状の棒のような円を定義する別の幾何形状によって、変形し易いスチールスリーブの円形状を保証することができ、これは、冒頭に挙げた第2の胴の使用に比べてかなり容易に実現できる。そのうえ少ない質量により、銅めっきの際のスリーブの取扱いが楽になる。
【0015】
既に詳述したように、特許文献1には消去可能で再利用可能なグラビア印刷版が記載されており、このグラビア印刷版はスリーブとしても実施できる。グラビア印刷胴に比べて、このようなグラビア印刷版の重量は約1kg〜2kg減少しているが、一方、グラビア印刷胴は、大きさに応じて容易に100kgの重さになり得る。
【0016】
つまり本発明によれば、グラビア印刷版は、スリーブの形のスチール担持シースによって構成され、このスリーブの元の形状は厚みが0.1mm〜0.4mmの長方形の板片であり、この板片を曲げて所望の中空円筒形にし、板片の重なり合った縁部を互いに固定して結合、特に溶接し、その板片の外側の外被面上に彫込み用胴層を貼り付け、その際、彫込み用銅層内には、画像網点(Bildraster)または基本格子も組み込まれる。消去可能で再利用可能なグラビア印刷版を形成するために、基本格子を充填物質で均一に満たし、この充填材料を基本格子の凹部から取り除く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明によれば、このようなグラビア印刷版は、肉薄のスチール板金をローラによって0.1mm〜0.4mmの厚みに引き伸ばし、平らな状態で、使用する受け胴の周長及び幅に対応する寸法に担持板を裁断し、この担持板を曲げて所望の中空円筒形にし、担持板の重なり合った縁部を互いに固定して結合、特に溶接し、このスチール担持シースの外側の外被面上に彫込み用銅層を電気めっきにより堆積させて作製される。彫込み用銅層は、ならい削りされ、研磨される。グラビア印刷版を形成するために、彫込み用銅層内に、例えば機械的彫刻またはレーザエッチング彫刻のような既知の彫刻技術によって、印刷する画像を彫り込む。消去可能で再利用可能なグラビア印刷版を作製するために、好ましくはレーザエッチング彫刻によって基本格子を彫り込み、塗布機構により基本格子の凹部を充填物質で均一に満たす。次にこの充填材料を、画素転写機構により凹部から取り除く。
【0018】
管状のグラビア印刷版スリーブを製造するために用いる金属板金が既に、強度特性を提供するスチール板金と彫込みを可能にする彫込み用銅層から成る結合体として存在することもできる。しかしながら、電気めっきプロセスにおいて管状の担持シース上に彫込み用銅層を貼り付けることが好ましい。
【0019】
貼り付けられた彫込み用銅層が、担持シースの溶接継目を完全に覆い隠し、その結果、本発明に従って形成されたグラビア印刷版が、例えばパッケージ印刷及びデコル印刷で通常であるような360°の印刷画像の付設(エンドレス印刷)が可能になることが好ましい。
【0020】
担持シース上に彫込み用銅層を貼り付ける前に、担持シース上に前もって、彫込み用銅の付着及び堆積プロセスを支援する中間層を貼り付けてもよい。そのためには、
一方では
a)銅層の電気めっきによる貼り付け、
b)銅層のならい削り、
c)銅層の研磨、
d)基本格子の付設、及び
e)クロムめっきの電気めっきによる貼り付け
のような、従来のグラビア印刷版または消去可能で再利用可能なグラビア印刷版用のマスタースリーブの作製のための、
他方では、
f)充填材料の除去(初回使用時なし)、
g)新しい充填材料の塗布、
h)充填材料の硬化、
i)再利用可能なグラビア印刷版スリーブの研磨、
j)画像彫込み(Bebilderung)、及び
k)印刷
のような、再利用可能なグラビア印刷版の作製/再調製のための更なるプロセスステップのために、担持シースを受けるための装置もなければならない。
【0021】
この装置には、それぞれのプロセスステップから異なる要件が課される。
【0022】
グラビア印刷版スリーブ断面の円形の安定性に対する特別な要件を有するプロセスステップ用の装置:
ならい削りb)と研磨プロセスc)及びi)のため、並びに印刷k)のために、また場合によっては、実施に応じて、充填プロセスg)及び基本格子の付設d)のためにも、グラビア印刷版スリーブの特に形状安定性のある受け部が必要である。なぜならこれらのプロセスの際には、スリーブ断面の円形状から望ましくない変形を引き起こす可能性のある力が、スリーブに働くからである。これらのプロセスステップに関しては、単純な、特定の直径用に特に作製された、従って直径が固定したシースによって、あるいは特定の限界内で直径が可変のシースによって、グラビア印刷版スリーブを受けることができ、このどちらのシースも標準化された内部形状を有しており、その内部形状は、全ての判型に対して同一の万能のチャック装置によって受けられる(図1参照)。シース及び受け装置から成るこの同じ組合せが、印刷機内で、印刷胴の形のスリーブを受けるためにも相応に使用することができる。これにより、印刷する製品にグラビア印刷版の周長を適合させるために、異なる周長のグラビア印刷版スリーブを製造しなければならない場合の費用が著しく減少する。この場合、様々な胴の周長、従って様々な判型用に、それぞれの印刷機に特に適合させた1つの受け装置、つまり印刷胴しか必要なくなり、この受け装置は、様々な判型のシースを受けることができる。
【0023】
グラビア印刷版スリーブ断面の円形の安定性に対する特別な要件がないプロセスステップ用の受け装置:
プロセスステップa)銅層の電気めっきによる貼り付け、d)基本格子の付設、e)クロムめっきの電気めっきによる貼り付け、及びf)古い充填材料の除去、並びに場合によってはg)新しい充填材料の塗布、h)充填材料の硬化、及びj)グラビア印刷版の画像彫込みのために、頑丈な胴または形状安定性のあるシースでグラビア印刷版スリーブを受ける必要はない。なぜならこれらのプロセスは、スリーブ上に機械的な力を全くまたは少ししか伝達しないからである。
【0024】
これらのプロセスには、既知の液圧式の、または圧縮空気により動作する機械的なチャックシステム(Spannsystem)が使用可能であり、このチャックシステムが、グラビア印刷版スリーブを直接受けることができる。容易に十分な精度で作製可能な円形の嵌め込み部材を、スリーブの両端に嵌め込むことも可能であり、この嵌め込み部材を更に、例えば回転機または研磨機内にあるようなチャックシステムで受けることもできる(図2参照)。この円形の嵌め込み部材は、必要に応じて、グラビア印刷版スリーブを取り扱う際に嵌め込み部材が外れるのを防止するクランプ締めまたは固定のための補助手段を含むことができる。更なる可能性は、弾性のあるまたは膨張可能な充填体を使用することであり、この充填体は、スリーブ断面の周面全体にわたって等しい力をスリーブに加え、それによってスリーブの円形状を形成または維持する(図3参照)。このような充填体はかなり少ない重量で作製でき、従って1つのプロセスから別のプロセスへと引渡す際に、充填体を含めたスリーブの取扱いが非常に便利なままであり、同時にスリーブ断面の円形状を十分な程度に維持し続ける。
【0025】
特に、印刷のプロセスステップの際、スリーブと直径可変シースの間、並びにシースと全ての判型に対して同一の万能の装置の間で、その隙間にインクが入る可能性があり、このインクが、グラビア印刷版スリーブをシースから、及び全ての判型に対して同一の万能のチャック装置から、簡単に分離させることを困難にする。これを防止するために、いくつかの措置を講じることができる:
グラビア印刷版スリーブと直径可変シースの間の隙間を封止し、あるいは直径可変シースと全ての判型に対して同一の万能のチャック装置の間の隙間を封止し、あるいは直径可変シース及び全ての判型に対して同一の万能のチャック装置を、このシースとチャック装置の間の隙間が印刷機のインクパン内のインクの高さより上にくるように設計する。
【0026】
本発明によるグラビア印刷版は前述のように0.1mm〜0.5mmの厚みを有しており、形状安定性のある厚み>5mmの受け管上に、滑らせて被せられ、その際、受け管の外径は、スリーブ状のグラビア印刷版の内径より0.1mm〜0.5mmだけ小さい。受け管の周面には、圧縮空気による衝撃を与えることのできる開口部があり、従って受け管とグラビア印刷版の間にエアクッションを形成することにより、グラビア印刷版スリーブを滑らせて被せる際の助けとなる。
【0027】
受け管上でグラビア印刷版スリーブを受ける更なる可能性においては、受け管とスリーブの間に確実結合(kraftschlussig)が成立するように、受け管の外径を、グラビア印刷版スリーブの内径に適合させる。これは液圧または空気圧により周面の一部を動かすことによって、あるいは液圧または空気圧または熱膨張によって引き起こされる受け管周面の弾性的な材料変形によって達成される。その際、受け管の内径は万能のチャック装置に合うように設計される。万能のチャック装置は、グラビア印刷機内でグラビア印刷胴を受けるための軸受けの要件も同時に満たし、従って、担持シースまたはグラビア印刷版スリーブの受け管、並びにグラビア印刷版スリーブ自体と一緒に、完全なグラビア印刷版胴として印刷機内で使用することができる。万能のチャック装置と受け管の間の隙間を印刷インクの侵入に対して封止することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】グラビア印刷版スリーブ、受け胴、及びチャック装置から成るグラビア印刷機用の版胴を示す図である。
【図2】グラビア印刷版スリーブ用の円形の嵌め込み部材を示す図である。
【図3】弾性充填体を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチール担持シースを含むグラビア印刷版スリーブであって、元の形状は厚みが0.1mm〜0.4mmの長方形の板片であり、該板片を曲げて所望の中空円筒形にし、前記板片の重なり合った縁部を互いに固定して結合、特に溶接し、前記板片の外側の外被面上に彫込み用銅層を貼り付けたグラビア印刷版スリーブ。
【請求項2】
前記彫込み用銅層が、前記スチール担持シースの溶接継目を含めて、前記スチール担持シースの外側の外被面を完全に覆い隠すことを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項3】
外径が可変で、厚みが5mmより大きく、従って、受け胴とスチール担持シースの間に確実結合を作ることができるように受け胴の外径を前記スチール担持シースの内径に適合させることができる、受け胴上で使用することを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項4】
厚みが5mmより大きく、外径が、前記グラビア印刷版スリーブの内径より10分の数mmだけ小さく、周面に、圧縮空気による衝撃を与えることのできる開口部がある、受け胴上で使用することを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項5】
受け胴とグラビア印刷版スリーブの間の隙間が、印刷インクの侵入に対して封止されていることを特徴とする請求項4に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項6】
前記受け胴の内径が、チャック装置上で受けるようになされており、該チャック装置が、前記受け胴と一緒にグラビア印刷版胴として、グラビア印刷機内で使用可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項7】
前記グラビア印刷版スリーブの内径が、1つまたは複数の円形の嵌め込み部材上で受けるようになされており、該嵌め込み部材が、グラビア印刷版スリーブを製造するために使用される装置で受けるのに適したアタッチメント付きでまたはそれ無しで実施されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項8】
前記グラビア印刷版スリーブの内径が、弾性充填体上で受けるようになされており、該充填体が、グラビア印刷版スリーブを製造するために使用される装置で受けるのに適したアタッチメント付きでまたはそれ無しで実施されており、前記充填体が、前記グラビア印刷版スリーブの断面形状を強制的に円形にすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項9】
前記弾性充填体が、空気圧で張っていることを特徴とする請求項8に記載のグラビア印刷版スリーブ。
【請求項10】
ローラによって引き伸ばされた、厚みが0.1mm〜0.4mmの肉薄のスチール板金から、平らな状態で、使用する受け胴の周長及び幅に応じた寸法に担持板を裁断し、該担持板を曲げて所望の中空円筒形にし、前記担持板の重なり合った縁部を互いに固定して結合、特に溶接し、前記スチール担持シースの外側の外被面上に彫込み用銅層を電気めっきにより堆積させる、請求項1に記載のグラビア印刷版スリーブを製造する方法。
【請求項11】
前記グラビア印刷版スリーブを作製する際に、プロセスステップa)彫込み用銅層の電気めっきによる貼り付けに加え、更なるプロセスステップb)銅層のならい削り、c)銅層の研磨、d)彫込み用銅層への基本格子または印刷する刷版内容に対応する画像網点の組み込み、及びe)基本格子または印刷する刷版内容に対応する画像網点上へのクロムめっきの電気めっきによる貼り付けも実施されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記グラビア印刷版スリーブに、プロセスステップf)充填材料の除去(初回使用時なし)、g)基本格子の充填、h)充填材料の硬化、i)グラビア印刷版スリーブの研磨、j)画像彫込み、及びk)印刷が適用されることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも前記プロセスステップb)銅層のならい削り、前記研磨プロセスc)及びi)、並びにk)印刷が、例えば印刷胴のような形状安定性のある受け胴上で行われることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセスステップg)基本格子の充填が、形状安定性のある受け胴上で行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセスステップa)銅層の電気めっきによる貼り付け、d)基本格子の付設、e)クロムめっきの電気めっきによる貼り付け、f)古い充填材料の除去、g)新しい充填材料の塗布、h)充填材料の硬化、及びj)画像彫込みのうちの少なくとも1つが、前記スチール担持シース断面の円形の安定性に対して低い要件を課す受け装置上で行われることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項16】
前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブが、該形状安定性のないグラビア印刷版スリーブの端部に円形の閉鎖部材を嵌め込むことによって断面形状を強制的に円形にされ、前記嵌め込み部材が、前記グラビア印刷版スリーブを更に加工するために通常のチャック装置内で受けることができるように形成されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブの端部における前記円形の閉鎖部材が、前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブを取り扱う際に前記円形の閉鎖部材が外れることを防止するために、クランプ締めまたは固定のための補助手段を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブが、弾性充填体の嵌め込みによって、該弾性充填体が、前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブの周面全体にわたって等しい径方向の力を前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブに加え、それにより前記形状安定性のないグラビア印刷版スリーブの断面形状が強制的に円形にされることを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−514697(P2009−514697A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538292(P2008−538292)
【出願日】平成18年10月28日(2006.10.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010396
【国際公開番号】WO2007/051573
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(599011584)マンローラント・アーゲー (257)
【Fターム(参考)】