説明

グラフ作成装置及びグラフ作成方法

【課題】 X軸とY軸の2軸に、複数の対象物と、この対象物の数値量を示して構成されるグラフの部分省略グラフを自動生成するグラフ作成装置とグラフ作成方法を提案する。
【解決手段】 各種のデータから所定の数値を取得して表示装置25にグラフを作成するものであって、グラフ作成装置の制御装置21は、入力装置24からグラフ作成の指示を受け付けると、グラフ表示領域110と操作領域120とを備えたグラフ表示画面100を表示装置25に表示し、グラフ表示領域110に、複数の対象物111と、この対象物111の数値をX軸とY軸で示したグラフ200aを生成し、入力装置24から部分省略グラフ200bの指示を受け付けると、数値を示すX軸またはY軸の一方の下限側に空白領域201を設定し、上限側に数値の最大値Aと最小値Bとの範囲L1を、数値を示すX軸またはY軸の一方に拡大表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のデータから所定の数値を取得して表示装置にグラフを作成するグラフ作成装置及びグラフ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置に採用される表計算ソフトにおいては、ワークシートと呼ばれる表を作成し、グラフを作成したい範囲のセルを前記表から指定すると、棒グラフや円グラフ等のグラフを簡単に作成することができる。これらグラフは、表に比べて数値で表される状況が視覚を通じて分かりやすいために、各種の資料や講演資料に頻繁に使われている。
【0003】
一方、同種のグラフ作成手法は、複数のセンサから取得したデータを記録しながら監視する監視装置でも状況を把握するために広く利用されている。例えば、工場の生産ラインの稼働状況を監視装置の表示画面にグラフで表示したり、あるいは、ビル空調の監視装置やリーモートコントローラの表示画面に各部屋の消費電力量などのグラフを表示して監視することなどが広く行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−250078号公報
【特許文献2】特開2005−168611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グラフの表現方法は、円グラフや棒グラフ、あるいは折れ線グラフやレーダグラフなど多くの表現がある。最近の情報処理装置におけるグラフの作成装置では、これら多くのグラフの表現を自動生成可能にしているが、部分的に省略されたグラフなどまでは提案されていない。
【0006】
例えば、複数の製造ラインの2つの数値量を比較したい場合に、図9の(a)図のような、横軸Xに複数の製造ラインの2つの数値名を示し、縦軸Yにこの2つの数値名の数値量を示した棒グラフが利用される。しかし、各製造ラインの数値量が総数量に対する差が少ない場合、この(a)図では、差がどのくらいあるのかがよくわからない場合が生じる。そこで、(b)図に示すように、(a)図の下部を省略して上部を大きく表現した部分省略の棒グラフが使われる。
【0007】
しかし、現在提案されているグラフ作成装置では、(a)図の標準的なグラフは作成できるとしても、(b)図のような、一部分を省略したグラフを自動生成するものは提案されていない。 このため、(b)図に示すグラフを作成する場合は、利用者が図形作成ソフトを基に製作しているのが現状である。特に、この部分的に省略されたグラフは、メモリの配分から、配分されたメモリに対する数値を合わせたグラフを作成しなければならないため、作成には多くの時間がかかり、しかも見栄え良く作成できないなどの課題がある。
【0008】
そこで、この発明の目的とするところは、X軸とY軸の2軸に、複数の対象物と、この対象物の数値量を示して構成されるグラフの部分省略グラフを自動生成するグラフ作成装置とグラフ作成方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るグラフ作成装置とグラフ作成方法は、前記目的を達成するために、各種のデータから所定の数値を取得して表示装置にグラフを作成するものであって、グラフ作成装置の制御装置は、入力装置からグラフ作成の指示を受け付けると、グラフ表示領域と操作領域とを備えたグラフ表示画面を前記表示装置に表示し、前記グラフ表示領域に、複数の対象物と、この対象物の数値をX軸とY軸で示したグラフを生成し、前記入力装置から部分省略グラフの指示を受け付けると、前記数値を示すX軸またはY軸の一方の下限側に空白領域を設定し、上限側に前記数値の最大値と最小値との範囲を、数値を示すX軸またはY軸の一方に拡大表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、数値を示すX軸またはY軸の一方の下限側に空白領域を備え、上限側に数値の最大値と最小値の範囲が拡大された部分省略グラフを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る監視システムの概略構成図である。
【図2】本発明に係る監視システムの動作フロー図である。
【図3】本発明に係る監視システムの画面遷移図である。
【図4】本発明に係る監視システムの画面遷移図である。
【図5】本発明に係る監視システムの画面遷移図である。
【図6】本発明に係る監視システムの画面遷移図である。
【図7】本発明に係る監視システムの画面遷移図である。
【図8】本発明に係る監視システムの画面遷移図である。
【図9】従来のグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1から図8を参照して、この発明に係るグラフ作成装置を具体的に説明する。なお、以下の説明では、この発明に係るグラフ作成装置を製造ラインなどの監視システムに適用した事例で説明する。しかし、この発明は、この製造ラインなどの監視システムに限定したものではなく、極一般的なパーソナルコンピュータや携帯端末、あるいはネットワーク上にサイトを開設して各種の情報を提供するネットワークサーバなどにも適用することができる。また、この実施例に係る動作フローのプログラムは、ネットワーク上に開設したサーバからダウンロードしたり、あるいは、これらの動作フローのプログラムを格納した記録媒体から情報処理装置にダウンロードすることができる。
【0013】
ここで、図1は、この発明に係る監視システムの概略構成図である。図2は監視システムの動作フロー図である。図3から図8は画面遷移図である。なお、図1及び図3から図8に示される画面図の右側のA、Bなどの符号や矢印は説明のために示したものであって、実際の表示画面には表示されない。
【0014】
先ず、図1を参照して、この実施例に係る監視システムの概略構成を説明する。図1において、この監視システムは、製造ラインの各所に設置される複数のセンサからデータを収集する製造ラインシステム50と、この製造ラインシステム50とネットワーク10を介して接続され、取得したデータを分析して製造ラインの監視を行う監視装置20とを含んで構成される。
【0015】
製造ラインシステム50は、製造ラインの各所に設置される複数のセンサ51を記憶装置52のデータベースに格納するライン制御部53と、このライン制御部53と監視装置20との送受信をネットワーク10を介して行うライン通信装置54とを含んで構成される。ここで、ライン制御部53は、製造ラインシステム50を統括的に制御する。
【0016】
監視装置20は、極一般的なパーソナルコンピュータシステムで構成することができる。例えば、この実施例では、この監視装置20を統括的に制御する制御装置21と、各種のデータベースを格納する記憶装置22と、マウスやキーボードからなる入力装置23と、プリンタ24と、表示装置25と、通信装置26を含んで構成される。
【0017】
この実施例に係る制御装置21は、ネットワーク10を介して、製造ラインシステム50からデータを取得し、このデータを基に、各種のデータベースを構築して記憶装置に22に格納し、この構築したデータを表示装置25に表示する図示しない監視画面にグラフ形式で表示して、この監視画面を基に製造ラインシステム50を監視することができる。
【0018】
そして、この監視システムの大きな特徴の1つは、部分省略グラフ200bを表示することができるグラフ表示画面100を備えた点にある。
【0019】
即ち、このグラフ表示画面100は、グラフ表示領域110と、このグラフ作成領域110の片側に配置される操作領域120とが左右に並べて配置されている。制御装置21は、図示しないグラフ指定画面において、グラフを作成するデータと、グラフの種類を選択する操作が行われると、グラフ表示画面100を表示装置25に表示する。
【0020】
この実施例では、グラフ表示領域110に指定されたグラフの種類でグラフを作成し、操作領域120にはグラフの種類に対応した各種の操作ボタン群150を表示する。図1では、棒グラフを表示したグラフ表示画面100を示している。
【0021】
そして、この実施例では、X軸またはY軸の一方に複数の対象物111、この対象物111の数値量を他方のX軸またはY軸に示して構成されるグラフ、例えば棒グラフや折れ線グラフを部分省略グラフで生成することができる。
【0022】
即ち、制御装置21はグラフ表示画面100の操作指示を受け付けると、標準グラフ200aを生成して、この標準グラフ200aをグラフ表示領域110に表示したグラフ表示画面100を表示装置25に表示する。グラフ表示画面100には、操作ボタン群150を構成するスクロールバー151を設けられている。制御装置21は、この操作スクロールバー151の操作を受け付けると、表示装置25内に示した標準グラフ200aから吹き出し内に示した部分省略グラフ200bに切り替える。
【0023】
操作スクロールバー151は、操作ボタン152と、この操作ボタン152の移動範囲を示す移動範囲バー153とから構成され、制御装置21は、操作ボタン152が操作されると前記切り替え動作を実行する。
【0024】
部分省略グラフ200bは、対象物111の数値量を示すX軸またはY軸(この実施例ではY軸)の、メモリの下位の所定の範囲L9にグラフを表示しない空白の帯部201が設けられる。利用者は、この帯部201が表示されることにより、部分省略グラフ200bであることを理解することができる。
【0025】
また、この監視システムの大きな特徴の1つは、グラフの注目すべき部分を任意の大きさで拡大操作できるグラフ表示画面100を備えた点にある。
【0026】
即ち、部分省略グラフ200bが必要な場合は、例えば、図1の例のように、各対象物111の数値量が「800」前後に集中して、互いの数値量の差が総数量「800」に対する差が少ない場合である。このような場合、総数量「800」に対して何処まで省略して、どの部分を拡大して作成してよいかが難しい課題となる。
【0027】
そこで、この発明者らは、利用者が部分省略グラフ200bを作成したい目的は、各対象物111の数値量の差を確認したい点であることに着目して、この数値量の最大値Aと最小値Bの範囲L1を拡大する範囲とし、何処まで省略するかは、拡大率を自由に設定する方法を取ることで前記課題を解決した。
【0028】
また、注目される範囲L1を拡大する場合、範囲L1を無造作に拡大すると、利用者に混乱を生じさせたり、あるいは視認性が悪くなる課題がある。更に、拡大操作を複雑にすると、操作に注意がそがれて注目点である範囲L1の確認が疎かになる課題もある。
【0029】
そこで、この発明者らは、2段階で拡大表示を行うことを発想した。つまり、第1段では、利用者が拡大表示しようとしている視線が範囲L1にある点に着目し、数値量の最大値Aを基点に最小値Bを数値量の「0」方向に伸ばして拡大させる。この拡大操作によれば、利用者の目線が大きく移動しないので、利用者に混乱を起こさせたり、視認性がわるくなることを軽減することができる。
【0030】
しかし、数値量の最大値Aを基点に最小値Bを数値量の「0」方向に伸ばして拡大させると、最大値Aの上部に設定されている上部空間L20を拡大する領域として活用することができない。
【0031】
一般に、X軸とY軸を備えたグラフでは、最大値Aの視認性を向上させるために、その上部に上部空間L20を形成するように、目盛が設定されて、グラフを作成する。このため、最大値Aを基点に最小値Bを数値量の「0」方向に伸ばして拡大させると、上部空間L20がデッドスペースとなる。
【0032】
そこで、この発明者らは、第1段で、数値量の最大値Aを基点に最小値Bを数値量の「0」方向に伸ばして所定の大きさに拡大させ、第2段では、範囲L1の中心Cを基点に最大値Aを増加方向、最小値Bを「0」方向に拡大させるようした。
【0033】
具体的には、Y軸方向の帯部201の上部F点とグラフ表示領域110の最上部(目盛の最上部)D点の長さL5を等分した位置にE点を設定する。また、最大値Aと最小値Bの範囲L1を等分した位置にC点を設定する。そして、第1段の拡大動作はC点がE点まで至る範囲とし、図1の吹き出し内に示すように、C点がE点に至ると、今度は、第2段の動作として、C点を中心に最大値Aと最小値Bを上下方向に伸ばして拡大動作させるようにした。
【0034】
これにより、最初にグラフの上方にあった利用者の目線を第1段で中央寄りに移動させ、第2段では、この中央を基点に上下方向に拡大させるので、利用者の目線移動が少なくなるので、利用者に混乱を起こさせたり、視認性がわるくなることを軽減することができる。
【0035】
一方、本発明者らは、範囲L1の拡大動作がY軸方向である点に着目し、このY軸方向に操作ボタン152を移動させるスクロールバー151を採用した。クロールバー151を構成する移動範囲バー153は、拡大方向に向かって徐々に幅が広くなる三角形状とすることで、操作ボタン152を幅広方向に移動させる動作が、拡大操作であることを一目で理解させることができるので、誤操作を軽減することができる。しかも、操作ボタン152にカーソルを合わせて、移動させる操作にともなって、標準グラフ200aから帯部201が出現する部分省略グラフ200bに切り替わり、しかも徐々に範囲L1が拡大されるので、操作が簡単となる。
【0036】
以下、図2の動作フローを基に、図1と図3から図8を参照しながら、更に、この特徴的な部分省略グラフの表示方法を具体的に説明する。
【0037】
先ず、制御装置21は、図示しないグラフ指定画面において、グラフを作成するデータと、グラフの種類を選択する操作が行われると、図3に示すグラフ表示画面100を表示装置25に表示する(ステップ310)。この実施例では棒グラフが指定された状態を示している。そして、制御装置21は、グラフ表示画面100を表示すると、スクロールバー151の操作ボタン152が操作されたか否かを監視している(ステップ310)。
【0038】
ここで、図3から図6において、目盛の横に拡大領域154がバー形式で表示される。この拡大領域154は、範囲L1の領域を示すものであり、範囲L1の拡大や縮小に伴って、拡大領域154も拡大や縮小する。
【0039】
また、この実施例では、操作ボタン152が、図3に示すように、移動範囲バー153の一端(下端)P1に位置する時は、グラフ表示領域110に標準グラフ200aを表示し、操作ボタン152が、図5に示すように、移動範囲バー153の他端(上端)P3に位置する時は、グラフ表示領域110に、範囲L1を最大に拡大した部分省略グラフ200bを表示する。
【0040】
そして、範囲L1は、図4に示すように、C点がE点に到達したか否かで、範囲L1の拡大、縮小方向を変化させる。つまり、図4に示す、操作ボタン152の位置であるP2点を基点に、下段が第1段の拡張と縮小、上段が第2段の拡張と縮小を行うように設定している。更に、範囲L1の倍率は、移動範囲バー153上の操作ボタン152の位置で設定される。したがって、操作ボタン152の位置が早く移動すれば、範囲L1の拡大、縮小を早く行うことができる。
【0041】
そこで、制御装置21は、移動範囲バー153上の操作ボタン152の位置で範囲L1の拡大、縮小動作を制御する。
【0042】
つまり、制御装置21は、操作ボタン152がP2点を越えたか否かを判定する(ステップ320)。操作ボタン152がP2点を超えていなければ、操作ボタン152の移動範囲バー153の位置を判定し、この位置に割り当てられる倍率で範囲L1を拡大し、この拡大した図形を、最大値Aを基点として部分省略グラフ200bを生成する(ステップ325)。
【0043】
一方、操作ボタン152がP2点を超えていれば、操作ボタン152の移動範囲バー153の位置を判定し、この位置に割り当てられる倍率で範囲L1を拡大し、この拡大した図形を、E点を基点として部分省略グラフ200bを生成し(ステップ335)、ステップ315に移行する。
【0044】
また、ステップ325で、第1段階のグラフを生成して表示している状態から、操作ボタン152がP1の位置、つまり、標準グラフ200aの位置であるかを判定する(ステップ330)。このステップ330で、操作ボタン152がP1の位置でなければステップ315に移行させ、操作ボタン152がP1の位置であれば、部分省略グラフ200bを標準グラフ200aに切り替えて(ステップ335)、処理を終了する。
【0045】
このように、この実施例では、スクロールバー151を操作することにより、グラフ表示領域110の標準グラフ200aを部分省略グラフ200bに切り替えることができる。しかも、部分省略グラフ200bで拡大する範囲Lの倍率を、操作ボタン152を移動させるだけで、簡単に拡大と縮小を行うことができる。また、現在、拡大されている範囲は、拡大領域154で示される。
【0046】
次に、図6と図7を参照して、この実施例の第2モードの部分省略グラフ200cを説明する。
【0047】
図6において、前記図1から図5の標準グラフ200aでは、対象物111の全ての値が「800」前後で、その差が小さい例で説明した。しかし、良くある例として、例えば図6に示すように、1つの対象物111だけ特異な値Qが小さく、他の対象物111の値は、殆ど差がない事例が起こる。このような事例の場合、最大値Aと特異な値Qを拡大する範囲に設定すると、拡大幅が小さくなるため、その効果が出にくくなる。
【0048】
そこで、この実施例では、特異な値Qだけ切り離して、残った対象物111の値の最大値Aと最小値Bで前記図1から図5で説明した第1のモードと同様な手法で拡大を行うことができる第2モードを備えている。この実施例では、操作ボタン群150を構成するモード切替ボタン155を操作することで、グラフ表示領域110に第2モードの部分省略グラフ200cを表示することができる。
【0049】
以下の説明では、第1モードと異なる点を中心に説明する。
【0050】
先ず、制御装置21は、特異な値Qを含む最大値と最小値を示す拡大範囲154bと、特異な値Qを除いた最大値Aと最小値Bを示す拡大範囲154aとを表示する。この拡大領域154は選択ボタンを兼用しており、拡大領域154aを選択すれば、以下に説明する図7の部分省略グラフ200cを表示し、拡大領域154bを操作すれば、最大値Aと特異な値Qの範囲を拡大領域として図1から図5で説明した部分省略グラフ200bを表示する。
【0051】
拡大範囲154aを選択すると、グラフ表示領域110の下部に2本の第1帯部201a、第2帯部201bで挟まれた特異点表示領域202が表示される。つまり、縦軸(Y軸)の最下部に第1モードと同様な第1帯部201aを設定するG2点が設定され、このG2点の上に特異な値Qを表示する特異点表示領域202を設定するF2点が設定され、このF2点の上に、第2帯部201aを設定するF点が設定される。
【0052】
この第2モードの部分省略グラフ200cは、F点から上部に設定されるD点、E点及び最大値Aと最小値Bなどは第1モードと同じ設定となる。
【0053】
この第2モードでは、図7に示すように、グラフ表示領域110の下部に、2本の帯部(第1帯部201a、第2帯部201b)の間に特異な値Qを示す以外は、F点からD点の間の変化は、第1モードと同様に表示される。
【0054】
ここで、Y軸の「0」の値を示すG点とG2点の間の長さL9と、G2点とF2点の間の長さL30と、F2点とF点との間の長さL40表示装置25のドット数にもよるが、それぞれG点からD点の1/10程度の長さを備えるように設定する。
【0055】
次に、図8を参照して、この実施例の第3モードの部分省略グラフ200dを説明する。この第3モードの特徴は、例えば、図8に示すように、目標値「1000」を残した状態で、注目部分を拡大表示したい場合に利用するものである。
【0056】
この第3モードでは、第3モードボタン156を操作領域120に設け、この第3モードボタン156を操作することにより、(b)図に示すように、グラフ表示領域110の上部に目標値「1000」を残して第3帯部201cが表示される。
【0057】
具体的には、グラフ表示領域110の最上部の目盛の位置にD1点が設定され、このD1点の下に第3帯部201cを表示するための長さL10を規定するD点が設定される。そして、Dから下のG点までは、第1モードと、第2モードの設定と同じとなる。したがって、この第3モードは、部分省略グラフ200bと部分省略グラフ200cの何れでも適用できる。
【符号の説明】
【0058】
10…ネットワーク、20…監視装置、21…制御装置、22…記憶装置、23…入力装置、24…プリンタ、25…表示装置、26…通信装置、50…製造ラインシステム、51…センサ、52…記憶装置、53…ライン制御部、54…ライン通信装置、100…グラフ表示画面、111…対象物、110…グラフ表示領域、120…操作領域、150…操作ボタン群、151…スクロールバー、152…操作ボタン、153…移動範囲バー、154、154a、154b…拡大領域、155…モード切替ボタン、156…第3モードボタン、200a…標準グラフ、200b…部分省略グラフ、200c…部分省略グラフ、200d…部分省略グラフ、201…帯部、201a…第1帯部、201b…第2帯部、201c…第2帯部、A…最大値、B…最小値、Q…特異な値、L1…範囲、L20…上部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種のデータから所定の数値を取得して表示装置にグラフを作成するグラフ作成装置であって、
前記グラフ作成装置の制御装置は、入力装置からグラフ作成の指示を受け付けると、
グラフ表示領域と操作領域とを備えたグラフ表示画面を前記表示装置に表示し、
前記グラフ表示領域に、複数の対象物と、この対象物の数値をX軸とY軸で示したグラフを生成し、
前記入力装置から部分省略グラフの指示を受け付けると、
前記数値を示すX軸またはY軸の一方の下限側に空白領域を設定し、上限側に前記数値の最大値と最小値との範囲を、数値を示すX軸またはY軸の一方に拡大表示する
ことを特徴とするグラフ作成装置。
【請求項2】
前記請求項1記載のグラフ作成装置において、
前記操作領域に拡大率を設定するスクロールバーを備え、
前記スクロールバーは、数値を示すX軸またはY軸の一方と平行に配置される移動範囲バーと、この移動範囲バー上を移動する操作ボタンとから成り、
前記移動範囲バーには、数値を示すX軸またはY軸の方向に対して拡大率が設定されており、
前記制御装置は、前記移動範囲バー上の操作ボタンの位置に対応して拡大率を設定する
ことを特徴とするグラフ作成装置。
【請求項3】
前記請求項2記載のグラフ作成装置において、
前記最大値と最小値の範囲の拡大は、2段階によって行われ、
前記制御装置は、第1段階として、前記最大値を基点とする拡大を行い、前記最大値と最小値の拡大中間位置が、前記下限側の空白領域の上部と、数値を示すX軸またはY軸の方向の目盛の最高位置との間のグラフ中間位置に至った以降は、このグラフ中間位置を中心に前記最大値と最小値を拡大する
ことを特徴とするグラフ作成装置。
【請求項4】
各種のデータから所定の数値を取得して表示装置にグラフを作成するグラフ作成方法であって、
入力装置からグラフ作成の指示を受け付けて、グラフ表示領域と操作領域とを備えたグラフ表示画面を前記表示装置に表示するステップと、
前記グラフ表示領域に、複数の対象物と、この対象物の数値をX軸とY軸で示したグラフを生成するステップと、
前記入力装置から部分省略グラフの指示を受け付けると、前記数値を示すX軸またはY軸の一方の下限側に空白領域を設定し、上限側に前記数値の最大値と最小値との範囲を、数値を示すX軸またはY軸の一方に拡大表示するステップを備えている、
ことを特徴とするグラフ作成方法。
【請求項5】
前記請求項4記載のグラフ作成方法において、
前記操作領域に拡大率を設定するスクロールバーを備え、
前記スクロールバーは、数値を示すX軸またはY軸の一方と平行に配置される移動範囲バーと、この移動範囲バー上を移動する操作ボタンとから成り、
前記移動範囲バーには、数値を示すX軸またはY軸の方向に対して拡大率が設定されており、
前記移動範囲バー上の操作ボタンの位置に対応して拡大率を設定する
ことを特徴とするグラフ作成方法。
【請求項6】
前記請求項5記載のグラフ作成方法において、
前記最大値と最小値の範囲の拡大は、2段階によって行われ、
第1段階として、前記最大値を基点とする拡大を行い、前記最大値と最小値の拡大中間位置が、前記下限側の空白領域の上部と、数値を示すX軸またはY軸の方向の目盛の最高位置との間のグラフ中間位置に至った以降は、このグラフ中間位置を中心に前記最大値と最小値を拡大する
ことを特徴とするグラフ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−203605(P2012−203605A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66958(P2011−66958)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】