説明

グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK−3)としての1−(7−(ヘキサヒドロピロロ[3,4−C]ピロール−2(1H)−イル)キノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素誘導体とその関連化合物

本発明は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK−3)を阻害するのに有用な新規の複素環化合物、前記化合物を製造する方法、前記化合物を含む組成物、および前記化合物を用いる治療方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK−3)を阻害するために有用な新規の複素環式化合物、前記化合物を製造する方法、前記化合物を含む組成物、および前記化合物を用いる治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK−3)は、それぞれ分子量が51および47kDaの、2つのアイソフォーム、GSK−3αおよびGSK−3βによりコードされている、セリン/スレオニンキナーゼである。
【0003】
これらは、そのキナーゼ触媒領域において97%の配列類似性を共有する。GSK−3αアイソフォームは、延伸されたグリシンリッチのN−末端テイルを有する。GSK−3βのマイナーなスプライスバリアントは、(全体の約15%までの発現で)キナーゼ領域内に13個のアミノ酸挿入で同定されている。このバリアントは、タウに対する活性が減少していた。GSK−3は、進化の過程で高度に保存されており、キナーゼ領域において高度の相同性を有して、これまでのところすべての哺乳類において見出されている。両者のアイソフォームとも、哺乳類の組織において、脳を含めて、どこにでも発現されている。薬理学的なGSK−3阻害薬は、アイソフォームの1つを選択的に阻害することはできない。
【0004】
GSK−3βは、代謝の制御、分化および生存において重要な役割を演じている。この酵素は、最初、リン酸化およびそれゆえグリコーゲン合成酵素を阻害する能力を有する酵素として同定された。次いで、GSK−3βは、アルツハイマー病においておよびいくつかのタウオパシーにおいて、過剰リン酸化された状態にあることも見出されたエピトープにおけるタウタンパクをリン酸化する酵素である、タウタンパクキナーゼ1(TPK1)と同一であると認識された。
【0005】
興味あることに、GSK−3βをタンパクキナーゼB(AKT)リン酸化すると、キナーゼ活性の消失をもたらし、この阻害作用は、神経栄養因子の効果のいくつかを媒介し得ると提案されてきた。その上、β−カテニン(細胞生存に関与しているタンパク質)のGSK−3βによるリン酸化は、ユビキチン化依存性のプロテオソーム経路によるその分解をもたらす。
【0006】
それゆえ、GSK−3β活性を阻害すると神経栄養活性を引き起こし得るように見える。リチウム、すなわちGSK−3βの不競合的な阻害剤は、あるモデルでは神経突起生成を増進し、Bcl−2などの生存因子の誘発およびP53およびBaxなどのアポトーシス促進性因子の発現を阻害することを通じて、神経生存をも増加させ得るという証拠が存在する。
【0007】
さらなる研究により、β−アミロイドが、GSK−3β活性およびタウタンパクリン酸化を増加させることが示された。その上、この過剰リン酸化ならびにβ−アミロイドの神経毒効果は、塩化リチウムおよびGSK−3βアンチセンスmRNAによりブロックされる。これらの観察を一緒にすると、GSK−3βは、アルツハイマー病における2つの主要な生理学的なプロセス:すなわち、異常なAPP(アミロイド前駆体タンパク質)プロセッシングおよびタウタンパクの過剰リン酸化の間のリンクであり得ることを示唆している。
【0008】
これらの実験に基づく観察は、GSK−3β活性を調節する化合物は、神経病理学的な事象ならびにアルツハイマー病に付随する認識および注意欠陥、ならびに他の急性および慢性の神経変性障害の治療における適用を見出し得ることを示唆する。これらには、パーキンソン病、タウオパシー(例えば、前頭側頭頭頂部型認知症、皮質基底核変性、ピック病、進行性核上性麻痺、好銀性顆粒病)、および血管性認知症を含む他の認知症、急性脳卒中および他の外傷性障害、脳血管発作(例えば、加齢による黄反変性症)、脳および脊髄外傷、末梢神経障害、双極性障害、網膜症、緑内障が含まれるが、これらに限られるわけではない。
【0009】
GSK−3βはさらに、リウマチ性関節炎および変形性関節炎などの炎症性障害の治療においても有用性を有し得る。
【0010】
GSK−3βはまた、インシュリン非依存性糖尿病および肥満、骨粗鬆症、躁うつ病、統合失調症、脱毛症、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB細胞白血病、およびいくつかのウイルス誘発性腫瘍などの癌などの他の疾病の治療においても有用性を有し得る。
【0011】
GSK−3、その作用、その治療上の可能性およびその可能な阻害薬に関する概説は、A.Martinezら(編)による、「Glycogen Synthase Kinase 3(GSK−3)and its inhibitors:Drug Discovery and Developments」、John Wiley and Sons、2006年に与えられている。
【0012】
B.Barthら(Antiviral Chemistry & Chemotherapy、第7(6)巻、1996年、300−312頁)は、HIV−1逆転写酵素の阻害薬として有用な、6−アルキル置換のピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5−オンを記述している。彼らはまた、中間体として窒素の位置で非置換であるいくつかのピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、すなわち、ピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3−クロロピリダジノベンゾ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3−クロロ−8−トリフルオロメチルピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3−クロロ−8−メチルピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3−クロロ−9−メチルピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3−クロロ−8−メトキシピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オンおよび3−クロロ−8,10−ジメチルピリダジノベンゾ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オンを記述している。
【0013】
G.Heinischら(Arch. Pharm. Pharm. Med. Chem.2000年、第333巻、231−240頁)は、対応するN−アルキル誘導体の合成における中間体として窒素の位置で非置換であるピリダジノベンゾ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、すなわち、3−クロロピリダジノベンゾ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3,8−ジクロロピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、3−クロロ−8−メチルピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オンおよび3−クロロ−9−メチルピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オンを記述している。
【0014】
I.Ottら(J.Med.Chem.2004年、第47巻、4627−4630頁)は、腫瘍治療において多剤耐性調節剤として有用な、6−アルキル置換のピリダジノベンゾ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5−オンを記述している。彼らはまた、中間体として窒素の位置で非置換であるいくつかのピリダジノベンゾ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オン、例えば、3−クロロ−9−トリフルオロメチルピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾオキサゼピン−5(6H)−オンを記述している。
【0015】
G.Heinischら(Arch.Pharm.Pharm.Med.Chem.1997年、第330巻、29−34頁およびHeterocycles、1997年、第45巻、673−682頁)は、中でも3−クロロ−8−ニトロ−11−プロピル−ピリダジノ[3,4−b][1,5]ベンゾジアジピン−5−オンを記述している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】A.Martinezraら編、「Glycogen Synthase Kinase 3(GSK−3)and its inhibitors:Drug Discovery and Developments」、John Wiley and Sons、2006年
【非特許文献2】B.Barthら(Antiviral Chemistry & Chemotherapy、第7(6)巻、1996年、300−312頁)
【非特許文献3】G.Heinischら、(Arch.Pharm.Pharm.Med.Chem.2000年、第333巻、231−240頁)
【非特許文献4】I.Ottら(J.Med.Chem.2004年、第47巻、4627−4630頁)
【非特許文献5】G.Heinischら(Arch.Pharm.Pharm.Med.Chem.1997年、第330巻、S.29−34頁およびHeterocycles、1997年、第45巻、673−682頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
(発明の要旨)
本発明の目的は、GSK−3β活性を調節する化合物、特に、GSK−3βに対して阻害活性を有しおよびそのために、異常なGSK−3β活性により引き起こされる疾病、特に、神経変性および/または炎症性障害の予防および/または治療処置のための組成物の活性成分として有用である化合物を提供することである。より特には、目的は、アルツハイマー病などの神経変性障害の予防および/または治療を可能とする組成物の活性成分として有用である新規の化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
驚くべきことに、前記の問題は、一般式Iの複素環式化合物、
【0019】
【化1】

その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩を提供することにより解決されることが見出された。
(式中、
Aは、CRA1A2およびNRからなる群から選択され、ここで、
A1およびRA2は、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、NHおよびOHからなる群より選択され、ならびに
は、水素、C−C−アルキルおよびC−C−ハロアルキルから選択され、
、XおよびXは、互いに独立に、CRおよびNからなる群から選択され、
、X、XおよびXは、互いに独立に、CR、CRおよびNからなる群から選択され、
ただし、X、X、X、X、X、XおよびXの少なくとも1つは、Nであり、X、X、XおよびXの2つ以下はCRであり、
Gは、1個の窒素原子および、場合により、1、2または3個のさらなる窒素原子を環員として含む、5員または6員の複素芳香環であり、前記複素芳香環は、窒素環原子に対してα位にある炭素原子を経由して基NRに結合しており、および前記複素芳香環は、場合により、1、2、3もしくは4個の置換基Rまたは1、2もしくは3個の置換基Rおよび1個の置換基Rを有し、
ただし、X、X、XおよびXのいずれもがCRでないならば、Gは、1個の置換基Rを有し、
それぞれのRは、独立に、1個の窒素原子および、場合により、N,OおよびSから選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、および、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する、6員、7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員または14員の2環式または3環式の、飽和または不飽和の複素環であり、
それぞれのRは、独立に、水素、OH、ハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびNRからなる群から選択されるか、
または、基XおよびXの炭素原子の位置で結合している2個の基Rが、それらが結合している炭素原子とともに、5員または6員の、飽和または不飽和の環を形成しており、前記環は、N、OおよびSからなる群から選択される1または2個のヘテロ原子を環員として含んでもよく、場合により、1、2または3個の置換基Rを有しており、
それぞれのRは、独立に、水素、CN、NR、OH、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、ホルミル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−ハロアルコキシカルボニル、C−C−アルキル−NRおよび芳香族基Arからなる群から選択され、前記Arは、フェニルならびに1個の窒素原子および、場合により、O、SおよびNから独立に選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含む、5員または6員の、N−またはC−で結合されている複素芳香環基からなる群から選択され、前記Arは、非置換である、または1または2個の基Rを有し、および前記Arは、CH基を経由して結合されていてもよく、
は、水素、C−C−アルキルおよびC−C−ハロアルキルからなる群から選択され、
、RおよびRは、それぞれ独立に、およびその出現において独立に、Rに対して与えられた意味の1つを有し、
それぞれのRは、独立に、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、−NR、フェニル基ならびに1個の窒素原子および、場合により、O、SおよびNから独立に選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含む、芳香族の、5員または6員の、Cで結合した複素芳香環基からなる群から選択され、前記フェニル基および前記複素芳香族基は、互いに独立に、非置換である、または、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−ハロアルコキシから選択される1、2、3または4個の基で置換されており、ならびに
およびRは、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニルからなる群から選択される、
または、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、3員、4員、5員、6員または7員の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族のN−複素環を形成し、前記N−複素環は、1個のヘテロ原子またはO、S、SO、SOおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子含有基を、環員としてさらに含んでいてもよい。)
【0020】
したがって、本発明は、本明細書および請求項で規定される式Iの化合物に、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび/または生理学的に忍容される酸付加塩に関する。
【0021】
さらなる態様によれば、本発明は、本明細書に規定される少なくとも1種の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび/または生理学的に忍容される酸付加塩を、場合により、生理学的に許容される担体および/または補助物質の少なくとも1種とともに含む、医薬組成物に関する。
【0022】
さらなる態様によれば、本発明は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を調節する化合物での治療に対して感受性を有する医学的障害の治療のための薬剤組成物を調製するための、本明細書に規定される少なくとも1種の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび/または生理学的に忍容される酸付加塩の使用に関する。
【0023】
さらなる態様によれば、本発明は、本明細書に規定される少なくとも1種の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび/または生理学的に忍容される酸付加塩の有効量を、その必要のある患者に投与するステップを含む、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を調節する化合物での治療に対して感受性を有する医学的障害を治療する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
与えられた構造の式Iの化合物が種々の空間的配置で、例えば、1個以上の不斉中心、多置換の環もしくは二重結合を有するならば、または種々の互変異性体として存在し得る場合、エナンチオマー混合物、特にラセミ体、ジアステレオマー混合物、および互変異性体混合物を使用することができ、しかし好ましくは、式Iの化合物および/またはその塩の、対応する実質的に純粋なエナンチオマー、ジアステレオマーおよび互変異性体を使用することも可能である。
【0025】
式Iの化合物の生理学的に忍容される塩、特に、生理学的に忍容される酸との酸付加塩を用いることも同様に可能である。生理学的に忍容される有機および無機の酸の適切な例としては、塩酸、臭素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸などのC−C−アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸、しゅう酸、マレイン酸、フマール酸、酪酸、酒石酸、アジピン酸および安息香酸が含まれる。他の使用し得る酸は、Fortschritte der Arzneimittelforschung[Advances in drug research]、第10巻、224頁以下、Birkhauser Verlag、BaselおよびStuttgart、1966年に記載されている。
【0026】
本発明の用語において、「プロドラッグ」は、インビボで代謝され、式Iの本発明の化合物を与える化合物である。プロドラッグの典型的な例は、例えば、C.G.Wermeth(編者)「The Practice of Medicinal Chemistry」、Academic Press、San Diego、1996年、671−715頁に記載されている。例は、リン酸塩、カルバミン酸塩、アミノ酸、エステル、アミド、ペプチド、尿素等である。本発明の場合は、適切なプロドラッグは、外部の窒素原子、例えば、複素環基Rの2級の窒素環原子または置換基R、R、R、R、Rおよび/またはRである、1級のもしくは2級のアミノ基の窒素環原子(=R、R、R、R、Rおよび/またはRの少なくとも1個がNRであり、その際、RおよびRの少なくとも1個がHである。)が、アミド/ペプチド結合を形成して、この窒素原子が、C−Cアルキルカルボニル基、例えば、アセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニルもしくはtert−ブチルカルボニル(ピバロイル)により、ベンジルにより、またはCOを経由して結合しているアミノ酸、例えば、COを経由して結合しているグリシン、アラニン、セリン、フェニルアラニン等により、置換された状態になるような、式Iの化合物であり得る。さらに、適切なプロドラッグは、カーバミン酸アルキルカルボニルオキシアルキルであり、前記窒素原子は、−C(=O)−O−CHR−O−C(=O)−R基を有し、ここで、RおよびRは、それぞれ独立にC−Cアルキルである。こうしたカーバーメート化合物は、例えば、J.Alexander、R.Cargill、S.R.Michelson、H.Schwam、J. Medicinal Chem.1988年、第31(2)巻、318−322頁に記載されている。これらの基は、代謝条件下で除かれ、前記窒素原子が代わりに水素原子を有する化合物Iを与える。
【0027】
式Iの化合物はまた、対応する互変異性体の形態で存在し得る。これは、例えば、Rおよび/またはRがOHである化合物Iの場合であり、こうした置換基は窒素環原子に対してα位にある炭素原子に結合している。このことは、例えば、次の互変異性体式を与える。
【0028】
【化2】

変数に関する上記の定義において記述した有機部分は、ハロゲンという用語のように、個々のグループの構成員を個々に列挙するための集合用語である。接頭語C−Cは、それぞれの場合においてその基における炭素原子の可能な数を示す。
【0029】
ハロゲンという用語は、それぞれの場合に、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特には、フッ素、塩素または臭素を表す。
【0030】
−C−アルキルは、メチルまたはエチルであり、C−C−アルキルは、それに加えて、n−プロピルまたはイソプロピルである。
【0031】
−C−アルキルは、1から4個の炭素原子を有する、直鎖または分岐のアルキル基である。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル(sec−ブチル)、イソブチル、およびtert−ブチルである。
【0032】
−C−アルキルは、1から6個の炭素原子を有する、直鎖または分岐のアルキル基である。例としては、C−C−アルキルに対する上記の残基およびペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピルおよび1−エチル−2−メチルプロピルも含まれる。
【0033】
−C−ハロアルキルは、(上記に述べたように)1または2個の炭素原子を有するアルキル基であり、水素原子の少なくとも1個は、例えば、これらの基の1、2、3、4または5個の水素原子が、上記したように、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、 2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチルまたはペンタフルオロエチルのように、ハロゲン原子で置き換えられている。
【0034】
−C−ハロアルキルは、(上記に述べたように)1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、水素原子の少なくとも1個は、例えば、これらの基の1、2、3、4または5個の水素原子が、上記したように、ハロゲン原子で置き換えられている。例は、C−C−ハロアルキルに対して上に挙げたもののほかに、1−クロロプロピル、1−ブロモプロピル、1−フルオロプロピル、2−クロロプロピル、2−ブロモプロピル、2−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、3−フルオロプロピル、1,1−ジクロロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、2,2−ジクロロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、2,3−ジクロロプロピル、2,3−ジフルオロプロピル、1,3−ジクロロプロピル、1,3−ジフルオロプロピル、3,3−ジクロロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、1,1,2−トリクロロプロピル、1,1,2−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリクロロプロピル、1,2,2−トリフルオロプロピル、1,2,3−トリクロロプロピル、1,2,3−トリフルオロプロピル、2,2,3−トリクロロプロピル、2,2,3−トリフルオロプロピル、3,3,3−トリクロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロプ−2−イル、1−クロロブチル、1−ブロモブチル、1−フルオロブチル、2−クロロブチル、2−ブロモブチル、2−フルオロブチル、3−クロロブチル、3−ブロモブチル、3−フルオロブチル、4−クロロブチル、4−ブロモブチル、4−フルオロブチル等である。
【0035】
−C−ハロアルキルは、(上記に述べたように)1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、水素原子の少なくとも1個は、上記したように、ハロゲン原子で置き換えられている。例は、C−C−ハロアルキルに対して上に挙げたもののほかに、クロロペンチル、ブロモペンチル、フルオロペンチル、クロロヘキシル、ブロモヘキシル、フルオロヘキシル等である。
【0036】
−C−フルオロアルキル(=フッ素化C−C−アルキル)は、(上記に述べたように)1または2個の炭素原子を有するアルキル基であり、水素原子の少なくとも1個は、例えば、これらの基の1、2、3、4または5個の水素原子が、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、(R)−1−フルオロエチル、(S)−1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、またはペンタフルオロエチルのように、フッ素原子で置き換えられている。
【0037】
−C−フルオロアルキル(=フッ素化C−C−アルキル)は、(上記に述べたように)1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、水素原子の少なくとも1個は、例えば、これらの基の1、2、3、4または5個の水素原子が、フッ素原子で置き換えられている。例は、C−C−フルオロアルキルに対して上に挙げたもののほかに、1−フルオロプロピル、(R)−1−フルオロプロピル、(S)−1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、(R)−2−フルオロプロピル、(S)−2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、1,2−ジフルオロプロピル、2,3−ジフルオロプロピル、1,3−ジフルオロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、1,1,2−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリフルオロプロピル、1,2,3−トリフルオロプロピル、2,2,3−トリフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロプ−2−イル、2−フルオロ−1−メチルエチル、(R)−2−フルオロ−1−メチルエチル、(S)−2−フルオロ−1−メチルエチル、2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(R)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(S)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(R)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(S)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、(R)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエチル、1−(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル、1−フルオロブチル、(R)−1−フルオロブチル、(S)−1−フルオロブチル、2−フルオロブチル、(R)−2−フルオロブチル、(S)−2−フルオロブチル、3−フルオロブチル、(R)−3−フルオロブチル、(S)−3−フルオロブチル、4−フルオロブチル、1,1−ジフルオロブチル、2,2−ジフルオロブチル、3,3−ジフルオロブチル、4,4−ジフルオロブチル、4,4,4−トリフルオロブチル等である。
【0038】
−C−フルオロアルキル(=フッ素化C−C−アルキル)は、(上記に述べたように)1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、水素原子の少なくとも1個は、例えば、これらの基の1、2、3、4または5個の水素原子が、フッ素原子で置き換えられている。例は、C−C−フルオロアルキルに対して上に挙げたもののほかに、1−フルオロペンチル、(R)−1−フルオロペンチル、(S)−1−フルオロペンチル、2−フルオロペンチル、(R)−2−フルオロペンチル、(S)−2−フルオロペンチル、3−フルオロペンチル、(R)−3−フルオロペンチル、(S)−3−フルオロペンチル、4−フルオロペンチル、(R)−4−フルオロペンチル、(S)−4−フルオロペンチル、5−フルオロペンチル、(R)−5−フルオロペンチル、(S)−5−フルオロペンチル、1−フルオロヘキシル、(R)−1−フルオロヘキシル、(S)−1−フルオロヘキシル、2−フルオロヘキシル、(R)−2−フルオロヘキシル、(S)−2−フルオロヘキシル、3−フルオロヘキシル、(R)−3−フルオロヘキシル、(S)−3−フルオロヘキシル、4−フルオロヘキシル、(R)−4−フルオロヘキシル、(S)−4−フルオロヘキシル、5−フルオロヘキシル、(R)−5−フルオロヘキシル、(S)−5−フルオロヘキシル、65−フルオロヘキシル、(R)−6−フルオロヘキシル、(S)−6−フルオロヘキシル等である。
【0039】
−C−アルコキシは、1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、そしてこれが酸素原子を経由して分子の残りの部分に結合している。例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、2−ブトキシ、イソブトキシおよびtert−ブトキシが含まれる。
【0040】
−C−アルコキシは、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、そしてこれが酸素原子を経由して分子の残りの部分に結合している。例としては、C−C−アルコキシに対して上に挙げたもののほかに、ペンチルオキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、1−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、4−メチルペンチルオキシ、1,1−ジメチルブチルオキシ、1,2−ジメチルブチルオキシ、1,3−ジメチルブチルオキシ、2,2−ジメチルブチルオキシ、2,3−ジメチルブチルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、1−エチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシおよび1−エチル−2−メチルプロポキシが含まれる。
【0041】
ハロゲン化C−C−アルコキシ(C−C−ハロアルコキシとも呼ぶが)、特に、フッ素化C−C−アルコキシ(C−C−フルオロアルコキシとも呼ぶが)は、1から6個、特には、1から4個(フッ素化C−C−アルコキシ)の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルコキシ基であり、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(R)−1−フルオロエトキシ、(S)−1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、1,1−ジフルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、(R)−1−フルオロプロポキシ、(S)−1−フルオロプロポキシ、(R)−2−フルオロプロポキシ、(S)−2−フルオロプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、1,1−ジフルオロプロポキシ、2,2−ジフルオロプロポキシ、3,3−ジフルオロプロポキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、(R)−2−フルオロ−1−メチルエトキシ、(S)−2−フルオロ−1−メチルエトキシ、(R)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエトキシ、(S)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエトキシ、(R)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエトキシ、(S)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエトキシ、(R)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエトキシ、(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエトキシ、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エトキシ、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエトキシ、(R)−1−フルオロブトキシ、(S)−1−フルオロブトキシ、2−フルオロブトキシ、3−フルオロブトキシ、4−フルオロブトキシ、1,1−ジフルオロブトキシ、2,2−ジフルオロブトキシ、3,3−ジフルオロブトキシ、4,4−ジフルオロブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ等におけるように、少なくとも1個の、例えば、1、2、3、4またはすべての水素原子がハロゲン原子で置き換えられており、特にはフッ素原子で置き換えられている。
【0042】
−C−アルキルカルボニルは、1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、そしてこれが、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、およびtert−ブチルカルボニルのように、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0043】
−C−アルキルカルボニルは、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であり、そしてこれがカルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。例としては、C−C−アルキルカルボニルに対して上に挙げたもののほかに、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニルおよびその構造異性体が含まれる。
【0044】
−C−ハロアルキルカルボニルは、上記に規定したように、1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のハロアルキル基であり、そしてこれが、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0045】
−C−ハロアルキルカルボニルは、上記に規定したように、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のハロアルキル基であり、そしてこれが、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0046】
−C−フルオロアルキルカルボニルは、上記に規定したように、1から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、そしてこれが、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0047】
−C−フルオロアルキルカルボニルは、上記に規定したように、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、そしてこれが、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0048】
−C−アルコキシカルボニルは、1から6個、特に、1から4個の炭素原子(C−C−アルコキシカルボニル)、特には、1から3個の炭素原子(C−C−アルコキシカルボニル)を有する直鎖または分岐のアルコキシ基であり、そしてこれが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピロキシカルボニル、およびイソプロピロキシカルボニルのように、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0049】
−C−ハロアルコキシカルボニルは、上記に規定したように、1から6個、特に、1から4個の炭素原子(C−C−ハロアルコキシカルボニル)、特には、1から3個の炭素原子(C−C−ハロアルコキシカルボニル)を有する直鎖または分岐のハロアルコキシ基であり、そしてこれが、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0050】
−C−フルオロアルコキシカルボニルは、上記に規定したように、1から6個、特に、1から4個の炭素原子(C−C−フルオロアルコキシカルボニル)、特には、1から3個の炭素原子(C−C−フルオロアルコキシカルボニル)を有する直鎖または分岐のハロアルコキシ基であり、そしてこれが、カルボニル基(CO)を経由して分子の残りの部分に結合している。
【0051】
−C−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルのように、3から6個の炭素原子を有する脂環基である。シクロアルキル基は、非置換である、または1、2、3または4個のC−C−アルキル基、好ましくは、メチル基を有してもよい。置換されているならば、1個のアルキル基は、1−メチルシクロプロピル、または1−メチルシクロブチルにおけるように、シクロアルキル基の1位に位置するのが好ましい。同様に、C−C−シクロアルキルは、シクロプロピルおよびシクロブチルのように、3から4個の炭素原子を有する脂環基である。
【0052】
−C−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのように、3から7個の炭素原子を有する脂環基である。シクロアルキル基は、非置換である、または1、2、3または4個のC−C−アルキル基、好ましくは、メチル基を有してもよい。置換されているならば、1個のアルキル基は、1−メチルシクロプロピル、または1−メチルシクロブチルにおけるように、シクロアルキル基の1位に位置するのが好ましい。
【0053】
−C−ハロシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルのように、3から6個の炭素原子を有する脂環基であり、1−フルオロシクロプロピル、2−フルオロシクロプロピル、(S)−および(R)−2,2−ジフルオロシクロプロピル、1,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロプロピル、ペンタフルオロシクロプロピル、1−フルオロシクロブチル、2−フルオロシクロブチル、3−フルオロシクロブチル、2,2−ジフルオロシクロブチル、3,3−ジフルオロシクロブチル、1,2−ジフルオロシクロブチル、1,3−ジフルオロシクロブチル、2,3−ジフルオロシクロブチル、2,4−ジフルオロシクロブチル、または1,2,2−トリフルオロシクロブチルにおけるように、少なくとも1個、例えば、1、2、3、4またはすべての水素原子がハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置き換えられている。
【0054】
−C−ハロシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのように、3から7個の炭素原子を有する脂環基であり、少なくとも1個、例えば、1、2、3、4またはすべての水素原子がハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置き換えられている。例としては、C−C−フルオロシクロアルキルに対して上に挙げたもののほかに、1−フルオロシクロヘプチル、2−フルオロシクロヘプチル、3−フルオロシクロヘプチル、4−フルオロシクロヘプチル、1,2−ジフルオロシクロヘプチル、1,3−ジフルオロシクロヘプチル、1,4−ジフルオロシクロヘプチル、2,2−ジフルオロシクロヘプチル、2,3−ジフルオロシクロヘプチル、2,4−ジフルオロシクロヘプチル、2,5−ジフルオロシクロヘプチル、2,6−ジフルオロシクロヘプチル、2,7−ジフルオロシクロヘプチル、3,3−ジフルオロシクロヘプチル、3,4−ジフルオロシクロヘプチル、3,5−ジフルオロシクロヘプチル、3,6−ジフルオロシクロヘプチル、4,4−ジフルオロシクロヘプチル、4,5−ジフルオロシクロヘプチル等が含まれる。
【0055】
−C−アルケニルは、例えば、ビニル、アリール(2−プロペン−1−イル)、1−プロペン−1−イル、2−プロペン−2−イル、メタリール(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)等の2、3または4個の炭素原子を有する不飽和が1個の炭化水素基である。
【0056】
−C−ハロアルケニルは、2、3または4個の炭素原子を有する不飽和が1個の炭化水素基であり、1−フルオロビニル、2−フルオロビニル、2,2−フルオロビニル、3,3,3−フルオロプロペニル、1,1−ジフルオロ−2−プロペニル、1−フルオロ−2−プロペニル等におけるように、少なくとも1個、例えば、1、2、3、4またはすべての水素原子がハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置き換えられている。
【0057】
1個の窒素原子および、場合により、1、2または3個の窒素原子を環員としてさらに含み、複素芳香環が窒素原子のα位の炭素原子を経由して結合している、5員または6員の複素芳香環の例は、ピロール−2−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾール−4−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾール−5−イル、[1,2,3]−2H−トリアゾール−4−イル、[1 ,2,3]−2H−トリアゾール−5−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾール−3−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾール−5−イル、[1,2,4]−4H−トリアゾール−3−イル、[1,2,3,4]−1H−テトラゾール−5−イル、[1,2,3,4]−2H−テトラゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピラジン−2−イルおよびトリアジン−2−イルである。
【0058】
1個の窒素原子および、場合により、1、2または3個の、O、SおよびNから独立に選択されるさらなるヘテロ原子を環員として含む、N−またはC−で結合した、5員または6員の複素芳香環の例は、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾール−1−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾール−4−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾール−5−イル、[1 ,2,3]−2H−トリアゾール−2−イル、[1,2,3]−2H−トリアゾール−4−イル、[1,2,3]−2H−トリアゾール−5−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾール−1−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾール−3−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾール−5−イル、[1,2,4]−4H−トリアゾール−3−イル、[1,2,4]−4H−トリアゾール−4−イル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、[1,2,3,4]−1H−テトラゾール−1−イル、[1,2,3,4]−1H−テトラゾール−5−イル、[1,2,3,4]−2H−テトラゾール−2−イル、[1,2,3,4]−2H−テトラゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イルおよびトリアジン−2−イルである。
【0059】
1個のヘテロ原子またはO、S、SO、SOおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子含有基を環員としてさらに含む、N−で結合した、3員、4員、5員、6員または7員の、飽和または不飽和の芳香族または非芳香族N−複素環に対する例は、アジリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピラゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、チアゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン−1−イル、[1,2,3]−トリアゾリジン−1−イル、[1,2,3]−トリアゾリジン−2−イル、[1 ,2,4]−トリアゾリジン−1−イル、[1 ,2,4]−トリアゾリジン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−1−イル、1−オキソチオモルホリン−1−イル、1,1−ジオキソチオモルホリン−1−イル、アゼパン−1−イル、アジリン−1−イル、アゼチン−1−イル、ピロリン−1−イル、ピラゾリン−1−イル、イミダゾリン−1−イル、オキサゾリン−3−イル、イソオキサゾリン−2−イル、チアゾリン−3−イル、イソチアゾリン−1−イル、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−1−イル、1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、1,2−ジヒドロピリダジン、1,6−ジヒドロピリダジン、1,2,3,4−テトラヒドロピリダジン−1−イル、1,2,5,6−テトラヒドロピリダジン−1−イル、1,2−ジヒドロピリミジン、1,6−ジヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−1−イル、1,2,5,6−テトラヒドロピリミジン−1−イル、1,2−ジヒドロピラジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピラジン−1−イル、1,2,5,6−テトラヒドロピラジン−1−イル、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾール−1−イル、[1,2,3]−2H−トリアゾール−2−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾール−1−イルおよび[1,2,4]−4H−トリアゾール−4−イルである。
【0060】
6員、7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員または14員の2環式または3環式基は、好ましくは、6員、7員、8員、9員、10員、11員または12員の2環式基または8員、9員、10員、11員、12員、13員または14員の3環式基である。
【0061】
1個の窒素原子および、場合により、1、2または3個の、N、OおよびSから選択されるさらなるヘテロ原子を環員として含み、場合により、1、2または3個の置換基Rを含む、6員、7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員または14員の2環式または3環式の、飽和または不飽和の複素環に対する例としては、以下の式を有する基、
【0062】
【化3】








および類似のものならびにそのすべての立体異性体が含まれる。
(式中、
Yは、CH、CH(Yが、二重結合の一部または架橋原子であるならば)、NH、N(Yが、二重結合の一部または架橋原子であるならば)、OまたはS、好ましくは、NHまたはO、さらに好ましくは、NHであり、
ただし、Yが、二重結合の一部または架橋原子であるならば、Yは、OまたはSではなく、
は、上記の一般的な意味の1つまたは以下に挙げる好ましい意味の1つを有し、
aは、0、1、2または3、好ましくは、0、1または2、より好ましくは、0または1であり、および
#は、分子の残りの部分の結合点である。)
【0063】
および/または結合点はまた、水素原子を置換して窒素原子上に位置し得る。Rおよび結合点はまた、同一の環上に位置する、または上式に置き換えられ得る。しかし、これらは、上記に示したように、別の環上に位置するのが好ましい。好ましくは、結合点は、窒素原子上に位置する。もし存在するならば、Rもまた、窒素原子上に位置するのが好ましい。
【0064】
本発明の好ましい態様に関して、例えば、化合物Iの変数X、X、X、X、X、X、X、R、R、R、R、R、R、R、R、R61、R、R、RA1、RA2、R、A、Gの好ましい意味に、好ましい化合物Iにおよび本発明に従う方法または使用の好ましい実施形態に関して、上記および以下に行う記述は、それぞれの場合に、それ自体でまたは特にこれらの組合せで適用される。
【0065】
本発明の化合物は、縮合した複素芳香族系に結合した(より正確には、基X、X、Xおよび/またはXの位置に関して)1または2個の置換基Rおよび/または複素芳香環Gに結合した1個の置換基Rを有することにより特徴付けられる。
【0066】
本発明の好ましい実施形態では、基X、X、XおよびXの1または2個はCRである。この場合、複素芳香環Gは置換基Rを有さないことが好ましい。より好ましくは、基X、X、XおよびXの1個だけがCRである。この場合もまた、複素芳香環Gは置換基Rを有さないことが好ましい。
【0067】
基X、X、XおよびXの1または2個がCRである場合、基X、XおよびXの1または2個がCRであり、XがCRとは異なることが好ましい。より好ましくは、XがCRであり、場合により、XおよびXの1個がまたCRである。基X、X、XおよびXの1個のみがCRである場合、基X、XおよびXの1個が基CRであることが好ましい。より好ましくは、XまたはXのどちらかが基CRである。特に、Xが基CRである。
【0068】
本発明の代替の好ましい実施形態では、複素芳香環Gは置換基Rを有する。この場合、基X、X、XおよびXのいずれもCRではないことが好ましい。
【0069】
本発明の好ましい実施形態では、2環式の複素芳香族部分の必須で存在する窒素環原子は、X、XまたはXの位置にある。したがって、X、XおよびXの少なくとも1個、好ましくは、1または2個は、Nであり、X、X、XおよびXは上記の意味の1つを有する。好ましくは、X、XおよびXの少なくとも1個、好ましくは、1または2個は、Nであり、場合により、X、X、XおよびXの1個もまた、Nである。
【0070】
本発明の1つの好ましい実施形態では、XがNであり、基XおよびXの1個がCRであり、他のものがCRまたはNであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。より好ましくは、XがNであり、XおよびXがCRであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。さらにより好ましくは、XがNであり、XがCR、CRまたはNであり、XおよびXがCRであり、X、XおよびXがCRまたはCRである。XからXのこれらのすべての組合せにおいて、X、X、XおよびXの1または2個、好ましくは、1個がCRであることが好ましい。特に好ましくは、XがCRである。代わりに、X、X、XおよびXのいずれもCRではなく、Gは1個の置換基Rおよび、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する。
【0071】
本発明の代替の好ましい実施形態では、XがNであり、基XおよびXの1個がCRであり、他のものがCRまたはNであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。より好ましくは、XがNであり、XよびXがCRであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。さらにより好ましくは、XがNであり、XがCR、CRまたはNであり、XおよびXがCRであり、X、XおよびXがCRまたはCRである。XからXのすべてのこれらの組合せにおいて、X、X、XおよびXの1または2個、好ましくは、1個が、CRであることが好ましい。特に好ましくは、XがCRである。代わりに、X、X、XおよびXのいずれもCRではなく、Gは1個の置換基Rおよび、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する。
【0072】
本発明の代替の好ましい実施形態では、XがNであり、基XおよびXの1個がCRであり、他のものがCRまたはNであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CR3またはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。より好ましくは、XがNであり、XよびXがCRであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。さらにより好ましくは、XがNであり、XがCR、CRまたはNであり、XおよびXがCRであり、X、XおよびXがCRまたはCRである。XからXのすべてのこれらの組合せにおいて、X、X、XおよびXの1または2個、好ましくは、1個が、CRであることが好ましい。特に好ましくは、XがCRである。代わりに、X、X、XおよびXのいずれもCRではなく、Gは1個の置換基Rおよび、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する。
【0073】
しかし、XがNである第1の実施形態が、より好ましい。したがって、本発明のより好ましい実施形態においては、XがNであり、基XおよびXの1個がCRであり、他のものがCRまたはNであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。さらにより好ましくは、XがNであり、XおよびXがCRであり、基X、X、XおよびXの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個は、CRまたはCRである。特に、XがNであり、XがCR、CRまたはNであり、XおよびXがCRであり、X、XおよびXがCRまたはCRである。XからXのこれらのすべての組合せにおいて、X、X、XおよびXの1または2個、好ましくは、1個が、CRであることが好ましい。特に好ましくは、XまたはXがCRである。代わりに、X、X、XおよびXのいずれもCRではなく、Gは1個の置換基Rおよび、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する。特に、XがNであり、XおよびXがCR、好ましくは、CHであり、XおよびXの1個がCRで他のものがCR、好ましくは、CHであり、XおよびXがCR、好ましくは、CHであり、Gが置換基Rを有さない(および好ましくは、置換基Rも有さない)またはXがNであり、XおよびXがCR、好ましくは、CHであり、X、XおよびXがCR、好ましくは、CHであり、XがCR、好ましくは、C−メトキシであり、Gが1個の置換基Rを有する(および好ましくは、置換基Rを有さない)。
【0074】
縮合複素芳香環系の置換基としてまたはGの置換基(またはその両方)としてのいずれかで必須に存在する、Rは、1個の窒素原子および、場合により、NおよびOから選択され、好ましくは、Nである、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、場合により、上記した一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有する、1、2または3個の置換基Rを含む、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環であることが好ましい。さらに好ましくは、Rは、1個の窒素原子および、場合により、NおよびOから選択され、好ましくは、Nである、1または2個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、場合により、上記した一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有する、1、2または3個の置換基Rを含む、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環である。さらにより好ましくは、Rは、1個の窒素原子および、場合により、NおよびOから選択され、好ましくは、Nである、1個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、場合により、上記した一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有する、1、2または3個の置換基Rを含む、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環である。
【0075】
好ましい基Rの例は、以下の式を有する。
【0076】
【化4】


(式中、
Yは、CH、NHまたはO、好ましくは、NHまたはO、より好ましくは、NHであり、
は、上記した一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有し、
aは、0、1、2または3、好ましくは、0、1、または2、より好ましくは、0または1であり、および
#は、分子の残りの部分の結合点である。)
【0077】
および/または結合点はまた、水素原子を置換して窒素原子上に位置し得る。Rおよび結合点はまた、同一の環上に、または上式に置き換えられ得る。しかし、これらは、上記に示したように、別の環上に位置するのが好ましい。好ましくは、結合点は、窒素原子上に位置する。もし存在するならば、Rもまた、窒素原子上に位置するのが好ましい。
【0078】
より好ましくは、Rは、場合により、NおよびOから選択され、好ましくは、Nである、1個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、および、場合により、上記した一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有する、1、2または3個、好ましくは、1または2個、より好ましくは、1個の、置換基Rを有する、窒素環原子を経由して結合した、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環である。
【0079】
さらにより好ましくは、Rは、以下の式の1つから選択される。
【0080】
【化5】


(式中、
は、CH、OまたはNR61、好ましくは、OまたはNR61、より好ましくは、NR61であり、
61は、Hまたは上記のRの一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有し、および
#は、分子の残りの部分の結合点である。)
【0081】
特に好ましくは、Rは、NおよびOから選択され、好ましくは、Nである、1個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、および、場合により、上記した一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有する、1、2または3個、好ましくは、1または2個、より好ましくは、1個の、置換基Rを有する、窒素環原子を経由して結合した、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環である。
【0082】
特に、Rは、以下の式の1つから選択される。
【0083】
【化6】



(式中、
は、OまたはNR61、好ましくは、NR61であり、
61は、Hまたは上記のRの一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有し、および
#は、分子の残りの部分の結合点である。)
【0084】
特には、Rは、以下の式から選択される。
【0085】
【化7】

(式中、
61は、Hまたは上記のRの一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有し、および
#は、分子の残りの部分の結合点である。)
【0086】
好ましくは、Rは、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−フルオロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−フルオロアルコキシカルボニルおよびベンジルから選択される。より好ましくは、Rは、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−フルオロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから選択される。さらにより好ましくは、Rは、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから、特には、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシカルボニルから選択される。特には、Rは、C−C−アルコキシカルボニルである。
【0087】
したがって、上式中のR61は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−フルオロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−フルオロアルコキシカルボニルおよびベンジルから選択される。より好ましくは、R61は、水素、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−フルオロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから選択される。さらにより好ましくは、R61は、水素、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから、特には、水素、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシカルボニルから選択される。特には、R61は、水素またはC−C−アルコキシカルボニルである。
【0088】
好ましくは、化合物I中に存在するすべての基Rの1つは、上記の一般的な意味の1つまたは以下に述べる好ましい意味の1つを有し、化合物I中に存在する他の基Rは、すべて水素である、すなわち、最大限でも、X、X、XおよびXの1個は、CRであり、Rは水素とは異なるのが好ましい。
【0089】
好ましくは、それぞれのRは、独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−フルオロアルコキシから、特には、水素およびC−C−アルコキシから選択される。最大限でも、X、X、XおよびXの1個は、CRであり、Rは水素とは異なるのが好ましい。X、X、XおよびXの1または2個が、CRであるならば、Rは、特に水素である。
【0090】
、X、XおよびXのいずれもがCRでないならば、1個のRは、水素とは異なることが好ましい。
【0091】
好ましくは、それぞれのRは、独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキルおよびC−C−フルオロアルキルから選択される。最大限でも、X、XおよびXの1個は、CRであり、Rは水素とは異なるのが好ましい。したがって、好ましい実施形態では、基X、XおよびXの1個は、Nであり、基X、XおよびXの1個は、CHであり、基X、XおよびXの1個は、CRであり、Rは上記の意味の1つを有する。特に、すべての基Rは、水素である。
【0092】
複素芳香族基Gは、1、2、または3個、好ましくは、1または2個の窒素環原子を有し、これらの窒素原子の1個とα位で結合している6員の複素芳香環であることが好ましい。好ましくは、Gは、1、2または3個の置換基Rまたは1または2個の置換基Rおよび1個の置換基Rを有してもよい、ピリジン−2−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリダジン−3−イルおよびトリアジン−2−イルから選択され、ここで、それぞれのRは、独立に、上記の一般的な意味の1つまたは以下の好ましい意味の1つを有し、Rは、上記の一般的なまたは好ましい意味の1つを有する。
【0093】
より好ましくは、Gは、1、2または3個の置換基Rまたは1または2個の置換基Rおよび1個の置換基Rを有してもよい、ピリジン−2−イルおよびピラジン−2−イルから選択され、ここで、それぞれのRは、独立に、上記の一般的な意味の1つまたは以下の好ましい意味の1つを有し、Rは、上記の一般的なまたは好ましい意味の1つを有する。特に、Gは、1、2または3個の置換基Rまたは1または2個の置換基Rおよび1個の置換基Rを有してもよい、ピラジン−2−イルであり、ここで、それぞれのRは、独立に、上記の一般的な意味の1つまたは以下の好ましい意味の1つを有し、Rは、上記の一般的なまたは好ましい意味の1つを有する。
【0094】
Gが置換されている場合、RおよびRから選択される置換基をただ1個有するのが好ましい。Gは、X、X、XおよびXのいずれもがCRでない場合に、Rのみで置換されているのが好ましい。
【0095】
好ましい置換基Rは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシおよび基NRから選択され、ここで、RおよびRは、上記の意味の1つを有する。RがNRを表す場合、RおよびRは、アジリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピラゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、[1,2,3]−トリアゾリジン−1−イル、[1,2,3]−トリアゾリジン−2−イル、[1,2,4]−トリアゾリジン−1−イル、[1,2,4]−トリアゾリジン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イルおよびモルホリン−4−イルなどの、それが結合している窒素原子とともに、NおよびOから選択されるヘテロ原子を環員としてさらに含んでもよい、3−、4−、5員または6員の、N−で結合した飽和の複素環を形成する。特に、Rは、C−C−フルオロアルキルであり、より特には、CFである。
【0096】
好ましくは、X、X、XおよびXの1または2個がCRである場合、Gは、非置換であり、X、X、XおよびXのいずれもがCRでない場合、1個の置換基Rを有し、置換基Rを有さない。後者の場合には、Rは、基NRに対するGの結合点が、窒素環原子の1位および2位であるのに比べて、6位で結合しているのが好ましい。
【0097】
基Aにおいて、RA1およびRA2は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、NHおよびOHから、より好ましくは、水素、C−C−アルキルおよびC−C−フルオロアルキルから選択され、特には、両者はHである。
【0098】
基Aにおいて、Rは、好ましくは、水素、メチルおよびエチルから、より好ましくは、水素およびメチルから選択される。特には、Rは、水素である。
【0099】
Aは、好ましくは、CH、NHまたはNCHから、より好ましくは、NHまたはNCHから選択される。特には、Aは、NHである。
【0100】
は、好ましくは、水素、メチルおよびエチルから、より好ましくは、水素およびメチルから選択される。特には、Rは、水素である。
【0101】
特に好ましい化合物は、式Iの化合物、その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩である。
(ここで、
Aは、CH、NHおよびNCHからなる群から選択され、好ましくは、NHであり、
は、Nであり、
およびXは、互いに独立に、CRであり、
は、CRおよびNから選択され、好ましくは、CRであり、
、XおよびXは、互いに独立に、CR、CRからなる群から選択され、
ただし、X、XおよびXのただ1個がCRであり、XがCRでありXおよびXがCRであるまたはXがCRでXでありおよびXがCRであることが好ましく、
Gは、1、2または3個の置換基Rを有してもよい、ピリジン−2−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリダジン−3−イルおよびトリアジン−2−イルから選択される6員環の複素芳香環であり、
は、場合により、NおよびOから選択される1個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、および、場合により、1、2または3個の置換基Rを含む、窒素環原子を経由して結合した、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環であり、
それぞれのRは、独立に、水素、OH、ハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびNRからなる群から選択され、好ましくは、水素であり、
1個のRは、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−フルオロアルコキシからなる群、および好ましくは、水素、C−C−アルコキシおよびC−C−フルオロアルコキシから選択され、他の基Rは水素であり、
は、水素、メチルおよびエチル、好ましくは、水素およびメチルからなる群から選択され、特には、水素であり、
およびRは、互いに独立に、およびそれぞれの出現に独立に、Rに対して与えられた意味の1つを有し、好ましくは、水素でありおよびRはまた好ましくは、CFであり、
は、水素、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから選択され、ならびに
およびRは、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される、
または、RおよびRは、これらが結合している窒素原子とともに、OおよびNからなる群から選択される、1個のさらなるヘテロ原子を環員として含んでもよい、3−、4−、5員または6員の飽和またはN−複素環を形成する。
【0102】
代替として、特に好ましい化合物は、式Iの化合物、その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩である。
ここで、
Aは、CH、NHおよびNCHからなる群から選択され、好ましくは、NHであり、
は、Nであり、
およびXは、互いに独立に、CRであり、
は、CRおよびNから選択され、好ましくは、CRであり、
、XおよびXは、互いに独立にCRであり、
Gは、1個の基Rを有し、さらに、1または2個の置換基Rを有してもよい、ピリジン−2−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリダジン−3−イルおよびトリアジン−2−イルから選択される6員の複素芳香環であり、
は、場合により、NおよびOから選択される1個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、および、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する、窒素環原子を経由して結合した、7員、8員、9員、または10員の2環式飽和複素環であり、
それぞれのRは、独立に、水素、OH、ハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびNRからなる群から選択され、好ましくは、水素であり、
1個のRは、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−フルオロアルコキシからなる群、および好ましくは、水素、C−C−アルコキシおよびC−C−フルオロアルコキシから選択され、他の基Rは水素であり、
は、水素、メチルおよびエチル、好ましくは、水素およびメチルからなる群から選択され、特には、水素であり、
およびRは、互いに独立に、およびそれぞれの出現に独立に、Rに対して与えられた意味の1つを有し、好ましくは、水素であり
は、水素、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから選択され、ならびに
およびRは、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される、
またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子とともに、OおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子1個を環員としてさらに含んでもよい、3−、4−、5員または6員の飽和またはN−複素環を形成する。
【0103】
特に好ましい化合物Iは、式I.1からI.26のもの、その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩であり、ここで、RおよびRは上記に規定した一般的なまたは好ましい意味を有する。式Iの化合物、特に、式I.1からI.26の化合物における、RおよびRの特に好ましい意味は、以下に規定される。
【0104】
【化8】



I.1からI.12の化合物中のピラジンまたはピリジン置換基Gはまた、CF置換基を有してもよい。
【0105】
化合物I、特に式I.1からI.26の化合物における好ましい基Rは、以下の式の基から選択される。
【0106】
【化9】


(式中、R61はHでありまたはRに対して与えられた好ましい意味の1つを有する。近接する基のくさび型または点線の結合を置き換える位置にある「通常の」結合は、可能なすべての立体異性体および対応する立体異性体の混合物を象徴している。
【0107】
式I.1からI.26までにより表される好ましい化合物の例は、以下に続く表1から表17724に列挙されている。表においては、Rの位置は次のように特徴づけられる。
【0108】
【化10】

【0109】
表1
が、式aの基であり、R61が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルから選択される、式I.1の化合物。
表2
が、式bの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表3
が、式cの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表4
が、式dの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表5
が、式eの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表6
が、式fの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表7
が、式gの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表8
が、式hの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表9
が、式iの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表10
が、式jの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表11
が、式kの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表12
が、式lの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表13
が、式mの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表14
が、式nの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表15
が、式oの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表16
が、式pの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表17
が、式qの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表18
が、式rの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表19
が、式sの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表20
が、式tの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表21
が、式uの基であり、R61が、表1で与えられた意味の1つを有する、式I.1の化合物。
表22
が、式aaの基である、式I.1の化合物。
表23
が、式bbの基である、式I.1の化合物。
表24
が、式ccの基である、式I.1の化合物。
表25
が、式ddの基である、式I.1の化合物。
表26
が、式eeの基である、式I.1の化合物。
表27
が、式ffの基である、式I.1の化合物。
表28
が、式ggの基である、式I.1の化合物。
表29
が、式hhの基である、式I.1の化合物。
表30
が、式iiの基である、式I.1の化合物。
表31
が、式jjの基である、式I.1の化合物。
表32
が、式kkの基である、式I.1の化合物。
表33
が、式llの基である、式I.1の化合物。
表34
が、式mmの基である、式I.1の化合物。
表35
が、式nnの基である、式I.1の化合物。
表36
が、式ooの基である、式I.1の化合物。
表37
が、式ppの基である、式I.1の化合物。
表38
が、式qqの基である、式I.1の化合物。
表39
が、式rrの基である、式I.1の化合物。
表40
が、式ssの基である、式I.1の化合物。
表41
が、式ttの基である、式I.1の化合物。
表42
が、式uuの基である、式I.1の化合物。
表43から84
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.2の化合物。
表85から126
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.3の化合物。
表127から168
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.4の化合物。
表169から210
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.5の化合物。
表211から252
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.6の化合物。
表253から294
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.7の化合物。
表295から336
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.8の化合物。
表337から378
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.9の化合物。
表379から420
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.10の化合物。
表421から462
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.11の化合物。
表463から504
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定される式I.12の化合物。
表505から546
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRがHである式I.13の化合物。
表547から588
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが5−メチルである式I.13の化合物。
表589から630
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−メチルである式I.13の化合物。
表631から672
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−メチルである式I.13の化合物。
表673から714
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−メチルである式I.13の化合物。
表715から756
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが5−トリフルオロメチルである式I.13の化合物。
表757から798
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−トリフルオロメチルである式I.13の化合物。
表799から840
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−トリフルオロメチルである式I.13の化合物。
表841から882
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−トリフルオロメチルである式I.13の化合物。
表883から924
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが5−メトキシである式I.13の化合物。
表925から966
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−メトキシである式I.13の化合物。
表967から1008
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−メトキシである式I.13の化合物。
表1009から1050
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−メトキシである式I.13の化合物。
表1051から1092
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが5−トリフルオロメトキシである式I.13の化合物。
表1093から1134
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−トリフルオロメトキシである式I.13の化合物。
表1135から1176
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−トリフルオロメトキシである式I.13の化合物。
表1177から1218
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−トリフルオロメトキシである式I.13の化合物。
表1219から2436
、R61およびRの組合せが表1から1218で規定される式I.14の化合物。
表2437から3654
、R61およびRの組合せが表1から1218で規定される式I.15の化合物。
表3655から4872
、R61およびRの組合せが表1から1218で規定される式I.16の化合物。
表4873から6090
、R61およびRの組合せが表1から1218で規定される式I.17の化合物。
表6091から6132
、R61およびRの組合せが表1から1218で規定される式I.18の化合物。
表6133から7350
、R61およびRの組合せが表1から1218で規定される式I.19の化合物。
表7351から8568
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRがHである式I.20の化合物。
表8569から8610
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−メチルである式I.20の化合物。
表8611から8652
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−メチルである式I.20の化合物。
表8653から8694
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−メチルである式I.20の化合物。
表8695から8736
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−トリフルオロメチルである式I.20の化合物。
表8737から8778
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−トリフルオロメチルである式I.20の化合物。
表8779から8820
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−トリフルオロメチルである式I.20の化合物。
表8821から8862
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−メトキシである式I.20の化合物。
表8863から8904
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−メトキシである式I.20の化合物。
表8905から8946
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−メトキシである式I.20の化合物。
表8947から8988
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが6−トリフルオロメトキシである式I.20の化合物。
表8989から9030
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが7−トリフルオロメトキシである式I.20の化合物。
表9031から9072
およびR61の組合せが表1から21で規定されるまたはRが表22から42で規定され、およびRが8−トリフルオロメトキシである式I.20の化合物。
表9073から10794
、R61およびRの組合せが表7351から9072で規定される式I.21の化合物。
表10795から12516
、R61およびRの組合せが表7351から9072で規定される式I.22の化合物。
表12517から12558
、R61およびRの組合せが表7351から9072で規定される式I.23の化合物。
表12559から14280
、R61およびRの組合せが表7351から9072で規定される式I.24の化合物。
表14281から16002
、R61およびRの組合せが表7351から9072で規定される式I.25の化合物。
表16003から17724
、R61およびRの組合せが表7351から9072で規定される式I.26の化合物。
【0110】
式I.1からI.26の上記の化合物の中で、式I.1、I.2、I.9、I.10、I.13、I.14、I.15、I.17およびI.18の化合物に優位性が与えられる。さらなる優位性は、式I.2、I.10、I.13、I.17およびI.18の化合物に与えられる。特別な優位性が、式I.2、I.10、I.13およびI.17に与えられる。
【0111】
本発明の化合物は、当業者になじみのある通常の手法に対する類似法で調製し得る。特に、式Iの化合物は、次のスキームに従って調製し得るが、その中の変数は、別に記載されない限り、上記に規定したようである。
【0112】
【化11】

(X4’、X5’、X6’およびX7’は、NまたはCRであり、ここで、X4’、X5’、X6’およびX7’の少なくとも1個は、CHであり、R1’は、窒素原子を経由して水素原子に結合している基Rであり、Zはハロゲンである。)
【0113】
AがNRである式Iの化合物の合成のためには、アミン1は、(有機化学の標準の方法により、対応するアシルハライドとアジド金属塩との反応により調製された)アシルアジド2との反応によりアシル化でき、一般式3の二置換尿素を得る。反応は、トルエンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒の存在下で、実行する。反応は、通常20から120℃の温度で実行する。(カーチス転位として公知の)この変換を記述するための他の条件は、次の論文に記載されている。Journal of Organic Chemistry、1986年、第51巻、3007頁および5123頁、Journal of Organic Chemistry、1987年、第52巻、4875頁、Tetrahedron Letters、1984年、第25巻、3515頁およびOrganic Reactions、1947年、第3巻、337頁。
【0114】
次いで、Zの置換は、2−または3−環のアミンR1’−Hでの3の反応により達成でき、一般式Iの置換生成物を与える。ここで、X、X、XおよびXの1または2個がCRである。置換は、塩基(例えば、NaHまたはKCO)を用いて、またはPd(DBA)などの触媒を用いてパラジウム媒介のカップリングを経由して、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどの配位子の存在下で実行し得る。同じ生成物が、適切にモノ保護されたアミンを反応させ、次いで脱保護する(例えば、HClまたはTFAを用いて脱保護されるN−BOC誘導体)2段の手順によっても得ることができる。
【0115】
一般式Iの二置換尿素化合物、すなわち、AがNRである式Iの化合物は、スキーム2に挙げた経路によっても調製し得る。
【0116】
【化12】

(X4’、X5’、X6’およびX7’は、NまたはCRであり、ここで、X4’、X5’、X6’およびX7’の少なくとも1個は、CHであり、R1’は、窒素原子を経由して水素原子に結合している基Rであり、Zはハロゲンである。)
【0117】
アミン1は、イソシアネート4との反応によりアシル化することができ、一般式3の二置換尿素を与える。反応は、トルエンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒の存在下で、実行する。反応は、通常20から120℃の温度で実行する。
【0118】
次いで、Zの置換は、スキーム1に記載のようにして達成できる。
【0119】
一般式Iの二置換尿素化合物、すなわち、AがNRである式Iの化合物は、スキーム3に挙げた経路によっても調製し得る。
【0120】
【化13】

(X4’、X5’、X6’およびX7’は、NまたはCRであり、ここで、X4’、X5’、X6’およびX7’の少なくとも1個は、CHであり、R1’は、窒素原子を経由して水素原子に結合している基Rであり、Zはハロゲンである。)
【0121】
アミン1は、トリクロロアセトアミド5へ塩化トリクロロアセチルとの反応により変換できる。反応は、トルエンまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒の存在下で、実行する。反応は、通常20から120℃の温度で実行する。トリクロロアセトアミド5は、アミン6と反応させることができ、一般式3の二置換尿素を与える。
【0122】
次いで、Zの置換は、スキーム1に記載のようにして達成できる。
【0123】
一般式Iのアミド類縁体、すなわち、AがCHである式Iの化合物は、スキーム4に挙げた経路によっても調製し得る。
【0124】
【化14】

(X4’、X5’、X6’およびX7’は、NまたはCRであり、ここで、X4’、X5’、X6’およびX7’の少なくとも1個は、CHであり、R1’は、窒素原子を経由して水素原子に結合している基Rであり、Zはハロゲンである。)
【0125】
カルボン酸7は、アミド8へ、当業者になじみの標準のアミド形成条件を用いてアミン6との反応により変換できる。反応は、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドまたはTHFなどの適切な溶媒の存在下で、実行する。反応は、通常20から120℃の温度で実行する。HOBTなどのカップリング試薬またはカルボニルジイミダゾールが使用される。
【0126】
次いで、Zの置換は、スキーム1に記載のようにして達成できる。
【0127】
、X、XおよびXのいずれもCRではない化合物Iの合成は、上記反応経路の最終ステップを除くことによりまたはアミン1もしくは基Zを有さず、X、X、XおよびXのいずれもCRではないカルボン酸7を出発物質として用いることにより達成できる。その代わり、化合物2、4および6中の基Gは、基Rを有している。
【0128】
他に示されない限り、上記に記述した反応は、一般に、溶媒中で、室温と使用溶媒の沸点との間の温度で実行される。代わりに、反応に必要とされる活性化エネルギーは、有用であると証明されているものであるが、マイクロ波を用いて、特に、遷移金属で触媒される反応の場合に、反応混合物に与えることができる(マイクロ波を用いる反応に関しては、Tetrahedron、2001年、第57巻、9199頁以後、9225頁以後を参照、また、一般的なものとして、「Microwaves in Organic Synthesis」、Andre Loupy(編)、Wiley−VCH、2002年参照)。
【0129】
化合物Iの酸付加塩は、通常の方法で、適当な場合には、有機溶媒、例えば、メタノール、エタノールまたはプロパノールなどの低級アルコール、メチルtert−ブチルエーテル、またはジプロピルエーテルなどのエーテル、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン、または酢酸エチルなどのエステル中の溶液中で、対応する酸と遊離塩基とを混合することにより調製される。
【0130】
本発明はさらに、少なくとも1種の化合物I、その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩および、場合により、生理学的に許容される担体および/または補助物質の少なくとも1種を含む、薬剤組成物に関する。
【0131】
本発明はまた、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を調節、好ましくは、阻害する化合物での治療に対して感受性を有する障害の治療のための薬物を調製するための、化合物I、その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体または生理学的に忍容される酸付加塩の使用に関する。
【0132】
さらに、本発明は、少なくとも1種の化合物I、またはその立体異性体、プロドラッグ、互変異性体もしくは生理学的に忍容される酸付加塩の、または上記で規定された薬剤組成物の有効量を、その必要のある患者に投与するステップを含む、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を調節する化合物での治療に対して感受性を有する医学的障害を治療する方法に関する。
【0133】
本発明に従う式Iの化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび生理学的に忍容される酸付加塩は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βに対する活性を調節する能力がある。特に、式Iの化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび生理学的に忍容される酸付加塩は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βに対する阻害活性を有する。式Iの化合物の中では、低濃度で有効な阻害を達成するものが好ましい。特に、IC50<1μMolの水準で、より好ましくは、IC50<0.5μMolの水準で、特に好ましくは、IC50<0.2μMolおよび最も好ましくは、IC50<0.1μMolの水準で、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βを阻害する式Iの化合物が好ましい。
【0134】
それゆえ、本発明に従う式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、そのプロドラッグおよび生理学的に忍容されるその酸付加塩は、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を調節する化合物での治療に対して感受性を有する医学的障害の治療のために有用である。上記したように、異常なGSK−3β活性により引き起こされる疾病およびそれゆえ式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグおよび/または生理学的に忍容される酸付加塩を供給することにより治療し得る疾病としては、特に、アルツハイマー病などの神経変性障害が含まれる。さらに、本発明の化合物はまた、パーキンソン病、タウオパシー(例えば、前頭側頭頭頂部型認知症、皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺、好銀粒子性障害)および血管性認知症を含む他の認知症などの他の神経変性障害、急性脳卒中および他の外傷性障害、脳血管発作(例えば、加齢による黄斑変性症)、脳および脊髄外傷、末梢神経障害、双極性障害、網膜症および緑内障の治療のために有用である。さらに、本発明の化合物はまた、統合失調症の治療のために有用である。
【0135】
式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、そのプロドラッグおよび/または生理学的に忍容される酸付加塩を供給することにより治療され得る疾病としては、さらに、リウマチ性関節炎および変形性関節炎などの炎症性障害が含まれる。
【0136】
本発明の意味の範囲内で、治療としてはまた、特に、再発予防または局面予防としての予防的な治療(予防)、ならびに急性または慢性の兆候、症状および/または機能不全の治療が含まれる。治療は、例えば、症状の抑制として症候的に適応させ得る。短期間で効果を表し得る、中程度の期間に渡って適応させ得る、または長期治療、例えば、維持的療法の文脈の範囲内でもあり得る。
【0137】
治療の文脈の範囲内で、式Iの化合物の本発明に従う使用は方法を含む。この方法では、1種以上の化合物I、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは生理学的に忍容される酸付加塩の有効量が、薬学的および獣医学的慣用に従って処方された規則に従い、治療されるべき個人、好ましくは、哺乳類、特に、ヒト、繁殖用動物または家畜に投与される。そのような治療が適用されるかどうか、およびどのような形態で実行されるべきかは、個々のケースに依存し、現存する兆候、症状および/または機能不全、特定の兆候、症状および/または機能不全を引き起こす危険性、および他の要因を考慮する医学的判断(診断)に従う。
【0138】
一般に、治療は、好ましくは、一日の投与量が、経口投与の場合は、約0.1から1000mg/体重kg、または非経口投与の場合は、約0.1から100mg/体重kgで、治療されるべき個人に提供されるように、適当な場合には、他の活性化合物または活性化合物含有の製剤と共にまたは交互に、単回のまたは繰り返しの毎日の投与により行われる。
【0139】
本発明はまた、個人、好ましくは、哺乳類、特には、ヒト、繁殖用動物または家畜を治療するための薬剤組成物に関する。したがって、本発明に従う化合物は、本発明に従う化合物の少なくとも1種および、適当な場合には、他の活性化合物と共に、薬学的に許容される賦形剤を含む薬剤組成物の形態で、慣用に従い投与される。このような組成物は、例えば、経口で、経腸で、経皮で、皮下で、血管内に、筋肉内でまたは経鼻で投与され得る。
【0140】
適切な薬剤製剤の例としては、散剤、顆粒剤、錠剤、特にフィルム状錠剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、糖衣錠、ハードゼラチンカプセル剤およびソフトゼラチンカプセル剤などのカプセル剤、坐剤、または膣用医薬品形態などの固体医薬品形態、軟膏剤、クリーム剤、ヒドロゲル剤、ペースト剤または貼付剤などの半固体の医薬品形態、ならびに溶液剤、乳剤、特に水中油型乳剤、懸濁剤、例えば、ローション剤、注射製剤、および点滴製剤、および点眼剤、および点耳剤などの液体医薬品形態が含まれる。体内埋め込み放出装具もまた、本発明の阻害剤を投与するために用い得る。さらに、リポソームまたはマイクロスフィアを用いることもできる。
【0141】
薬剤組成物を製造する場合、本発明に従う化合物は、場合により、1種または複数の賦形剤と混合または希釈される。賦形剤は、活性化合物のためのビヒクル、担体または媒体として働く固体、半固体または液体材料であり得る。
【0142】
適切な賦形剤は、専門家向け医学モノグラフに挙げられている。さらに、製剤は、薬学的に許容される担体または、流動促進剤、湿潤剤、乳化および分散化剤、保存剤、抗酸化剤、抗刺激剤、キレート剤、コーティング補助剤、乳化安定剤、フィルム形成剤、ゲル形成剤、防臭剤、嬌味薬、樹脂、水性コロイド、溶剤、可溶化剤、中和剤、拡散促進剤、顔料、四級アンモニウム化合物、油性化および過油性化剤、軟膏剤、クリーム剤または油剤のための原料、シリコーン誘導体、展開補助剤、安定化剤、滅菌剤、坐剤用基剤、結合剤、フィラー、流動促進剤、崩壊剤、またはコーティング剤などの錠剤補助剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤、増粘剤、ワックス、可塑剤および白色鉱油などの慣用の補助物質を含み得る。この点に関して製剤は、例えば、Fiedler,H.P.、「Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete[Encyclopedia of auxiliary substances for pharmacy, cosmetics and related fields]」、第4版、Aulendorf: ECV−Editio−Kantor−Verlag、1996年に記述されているように、専門家の知識に基づいている。
【0143】
以下の実施例を、本発明を制限することなく本発明を説明するのに使用する。
【0144】
(実施例)
化合物は、400MHzまたは500MHzのNMR装置(Bruker AVANCE)での、d−ジメチルスホキシドまたはd−クロロホルム中のプロトン−NMRにより、または通常はC18材料を用いる速傾斜でのHPLC−MSにより記録した質量分析(エレクトロスプレイイオン化(ESI)モード)で、または融点のいずれかで分析した。
【0145】
核磁気共鳴(NMR)スペクトル特性は、パーツパーミリオン(PPM)で表したケミカルシフト(δ)を指す。H−NMRスペクトルにおいてシフトの相対面積値は、分子中の特定の官能型に対する水素原子の数に対応する。シフトの特性は、多重性に関して、一重線(s)、幅広い一重線(s.br.)、二重線(d)、幅広い二重線(d.br)、三重線(t)、幅広い三重線(t.br)、四重線(q)、五重線(quint.)および多重線(m)として表す。
【0146】
1.調製実施例
【実施例1】
【0147】
(3aR,6aS)−Tert−ブチル−5−(4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)キノリン−7−イル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸エステル
ナトリウムtert−ブトキシド(98mg、1.017mmol)および(3aR,6aS)−tert−ブチル−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸エステル(95mg、0.436mmol)のTHF(3ml)中の溶液を窒素雰囲気化で攪拌した。これに1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(25mg、0.05mmol)、Pd(DBA)(12mg、0.02mmol)および1−(7−ブロモキノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素(100mg、0.291mmol)を加えた。次いで、CHClと水との間で分配する前に、混合物を12時間、還流下で加熱した。混合物をセライトを通してろ過し、有機層を分離した。水相をCHClで2度抽出し、合一した抽出相を乾燥(NaSO)し、ろ過して減圧下で濃縮して、粗物質を得て、それをフラッシュクロマトグラフィーで精製して表題化合物(127mg、83%)を白色固体として得た。
【0148】
H−NMR(DMSO,400MHz)δ 1.40(s,9H)、3.05(s,2H)、3.23(s,2H)、3.32(m,2H)、3.65(m,4H)、6.86(s,1H)、7.20(d,1H)、7.92(d,1H)、8.00(d,1H)、8.33(s,1H)、8.43(s,1H)、8.56(d,1H)、9.09(s,1H)、10.20(m,2H)。
【0149】
MS(APCI+)m/z 476.3(M+H、100%)
【実施例2】
【0150】
1−(7−((3aR,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)キノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素
塩酸(ジオキサン中4M、0.5ml)中の(3aR,6aS)−tert−ブチル−5−(4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)キノリン−7−イル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸エステル(54mg、0.11mmol)の溶液を0℃で攪拌し、1時間かけて室温に到達させ、さらに16時間攪拌を継続した。濃縮後、生成物を酢酸エチルで洗浄し、減圧下で乾燥して表題化合物(50mg、100%)を黄色固体として得た。生成物は塩酸塩として分析した。
【0151】
MS (APCI+)m/z 376.2(M+H、100%)
【実施例3】
【0152】
(3aR,6aS)−tert−ブチル−5−(6−(3−(7−メトキシキノリン−4−イル)ウレイド)ピラジン−2−イル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸エステル
この化合物は、1−(6−ブロモピラジン−2−イル)−3−(7−メトキシキノリン−4−イル)尿素および(3aR,6aS)−tert−ブチル−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸エステルを出発化合物として用いて、実施例1に対して記載された方法により調製し、白色固体(96mg、65%)として得た。
【0153】
H−NMR(DMSO,400MHz)δ 1.40(s,9H)、3.05(s,2H)、3.18(s,2H)、3.32(m,2H)、3.55(m,2H)、3.70(m,2H)、3.95(s,3H)、7.32(d,1H)、7.38(s,1H)、7.65(s,1H)、8.10(m,2H)、8.41(s,1H)、8.69(d,1H)、9.65(s,1H)、9.75(s,1H)。
【0154】
MS(APCI+)m/z 506.3(M+H、100%)
【実施例4】
【0155】
1−(6−((3aR,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)ピラジン−2−イル)−3−(7−メトキシ−キノリン−4−イル)尿素
この化合物は、(3aR,6aS)−tert−ブチル−5−(6−(3−(7−メトキシキノリン−4−イル)ウレイド)ピラジン−2−イル)−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−カルボン酸エステルを出発化合物として用いて、実施例2に対して記載された方法により調製され、黄色固体(72mg、100%)として得た。生成物は塩酸塩として分析した。
【0156】
H−NMR(DMSO,400MHz)δ 3.15(m,4H)、3.18(s,2H)、3.5−3.7(m,6H)、4.02(s,3H)、7.50(s,1H)、7.61(d,1H)、7.77(s,1H)、8.53(s,1H)、8.61(d,1H)、8.78(d,1H)、8.92(m,2H)、10.40(s,1H)、10.96(s,1H)。
【0157】
MS(APCI+)m/z 406.2(M+H、30%)
【実施例5】
【0158】
(1S,4S)−tert−ブチル−5−(4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)キノリン−7−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−2−カルボン酸エステル
この化合物は、1−(7−ブロモキノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素および(1S,4S)−tert−ブチル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−2−カルボン酸エステルを出発化合物として用いて、実施例1に対して記載された方法により調製された。
【0159】
MS(APCI+)m/z 462.3(M+H、100%)
【実施例6】
【0160】
Tert−ブチル−5−(4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)キノリン−7−イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−カルボン酸エステル
この化合物は、1−(7−ブロモキノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素およびtert−ブチル−ヘキサヒドロピロロ[2,3−c]ピロール−1(2H)−カルボン酸エステルを出発化合物として用いて、実施例1に対して記載された方法により調製された。
【0161】
MS(APCI+)m/z 476.1(M+H)、491.1(M−tBu+H、100%)
【実施例7】
【0162】
1−(7−((1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)キノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素
この化合物は、実施例5からの(1S,4S)−tert−ブチル−5−[4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)−キノリン−7−イル]−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−2−カルボン酸エステルを出発化合物として用いて、実施例2に対して記載された方法により調製された。
【0163】
MS(APCI+)m/z 362.2(M+H
【実施例8】
【0164】
1−(6−(ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピロール−5(3H,6H,6aH)−イル)キノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素
この化合物は、ヘキサヒドロ−フロ[3,4−c]ピロールおよび1−(6−ブロモキノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素を出発化合物として用いて、実施例1に対して記載された方法により調製された。
【0165】
MS(APCI+)m/z 377.2(M+H
【実施例9】
【0166】
1−(6−(ジヒドロ−1H−フロ[3,4−c]ピロール−5(3H,6H,6aH)−イル)ピリジン−2−イル)−3−(7−メトキシキノリン−4−イル)尿素
この化合物は、実施例1に対して記載された方法により調製された。
【0167】
MS(APCI+)m/z 406.1(M+H
【実施例10】
【0168】
1−(6−((1S,4S)−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−イル)−3−(7−メトキシキノリン−4−イル)尿素
この化合物は、実施例1に対して記載された方法により調製された。
【0169】
MS(APCI+)m/z 392.2(M+H
【実施例11】
【0170】
(1S,4S)−Tert−ブチル−5−(4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)キノリン−6−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸エステル
この化合物は、実施例1に対して記載された方法により調製された。
【0171】
MS(APCI+)m/z 462.2(M+H
【実施例12】
【0172】
1−(7−(ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5(1H)−イル)キノリン−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)尿素
この化合物は、実施例6からのtert−ブチル−5−(4−(3−ピラジン−2−イルウレイド)キノリン−7−イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−カルボン酸エステルから出発して、実施例2に対して記載された方法により調製された。
【0173】
MS(APCI+)m/z 376.2(M+H
【0174】
2.生物学的試験
本発明に従う化合物は、GSK−3に対して優れた親和性(<1μM、しばしば、<100nM)を示し、多キナーゼ標的に対して優れた選択性を示した。
【0175】
方法−生化学的hGSK−3β分析
ビオチン−YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQ(pS)EDEEEをリン酸化してヒトグリコーゲン合成酵素−3β(hGSK−3β)を阻害する能力について化合物を試験した。化合物を、0.5μCi 33P−ATP、10μMのATP、0.0125UのhGSK−3(Upstate細胞シグナル伝達溶液)および50mMのHEPES、10mMのMgCl、100mMのNaVO、1mMのDTT、0.0075%のトリトン、2%のDMSO(全容積は50μl)中の1μMの基質(ビオチン−YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQ(pS)EDEEE)とともに30分間、室温でインキュベートした。等容量の100mMのEDTA,4MのNaClを加えてインキュベーションを停止した。この混合物の80μlをストレプトアビジンを塗布したフラッシュプレート(PerkinElmer)に加えた。洗浄ステップに続いて、33Pの組込みを、MicroBetaマイクロプレート液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer)上で定量した。GraphPad Prismで、種々の濃度で得たカウントに対して、投与量−レスポンスのシグモイド曲線にフィッティングしてIC50の値を求めた。
【0176】
方法−β−カテニンレポーター−遺伝子分析
LEF/TCF(T細胞因子)レポーター遺伝子分析において、β−カテニン調節の遺伝子の転写を調節する能力について、化合物を試験した。SY−SY5Yヒト神経芽細胞腫細胞を、チミジンキナーゼ最小プロモーターの上流のTCF結合サイトの3個のコピーの2セットおよびホタルルシフェラーゼのオープンリーディングフレームを含む、80ng/ウェルのTOPFLASHプラスミド(Upstate細胞シグナル伝達溶液)で、またはチミジンキナーゼ最小プロモーターの上流の突然変異TCF結合サイトの3個のコピーおよびホタルルシフェラーゼのオープンリーディングフレームを含む、80ng/ウェルのFOPFLASHプラスミド(Upstate細胞シグナル伝達溶液)で、一時的に形質移入させた。さらに、全部の細胞を、低から中くらいのウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを与えるように、単純ヘルペスウィルスチミジンキナーゼプロモーターを含む、20ng/ウェルのpRL−TKプラスミド(Promega)で一時的に形質移入させた。形質移入媒体を、試験物質を含むが血清を含まない媒体と交換し、24時間、37℃でインキュベートした。インキュベーションを止め、示されているように、デュアルGIoルシフェラーゼアッセイ(Promega)を用いて定量し、Pherastarリーダー(BMG)で定量した。
【0177】
ホタルルシフェラーゼ活性は、ウェル当たりのウミシイタケルシフェラーゼの活性に対して正規化した。続いて、正規化したTOPFLASHレスポンスを正規化したFOPFLASHレスポンスと比較し、このようにして、LEF/TCF特有の信号を得た。最大レスポンス値は、正規化したTOPFLASHとFOPFLASH信号の間の最大比である。Graphpad Prismを用いて投与量−レスポンスのシグモイド曲線にフィッティングを行った。
【0178】
結合試験の結果を、以下の表に挙げた。
【0179】
【表1】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの複素環式化合物、
【化1】

その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩。
(式中、
Aは、CRA1A2およびNRからなる群から選択され、ここで、
A1およびRA2は、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、NHおよびOHからなる群より選択され、ならびに
は、水素、C−C−アルキルおよびC−C−ハロアルキルから選択され、
、XおよびXは、互いに独立に、CRおよびNからなる群から選択され、
、X、XおよびXは、互いに独立に、CR、CRおよびNからなる群から選択され、
ただし、X、X、X、X、X、XおよびXの少なくとも1つは、Nであり、X、X、XおよびXの2つ以下はCRであり、
Gは、1個の窒素原子および、場合により、1、2または3個のさらなる窒素原子を環員として含む、5員または6員の複素芳香環であり、前記複素芳香環は、窒素環原子に対してα位にある炭素原子を経由して基NRに結合しており、および前記複素芳香環は、場合により、1、2、3もしくは4個の置換基Rまたは1、2もしくは3個の置換基Rおよび1個の置換基Rを有し、
ただし、X、X、XおよびXのいずれもがCRでないならば、Gは、1個の置換基Rを有し、
それぞれのRは、独立に、1個の窒素原子および、場合により、N,OおよびSから選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、および、場合により、1、2または3個の置換基Rを有する、6員、7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員または14員の2環式または3環式の、飽和または不飽和の複素環であり、
それぞれのRは、独立に、水素、OH、ハロゲン、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびNRからなる群から選択されるか、
または、基XおよびXの炭素原子の位置で結合している2個の基Rが、それらが結合している炭素原子とともに、5員または6員の、飽和または不飽和の環を形成しており、前記環は、N、OおよびSからなる群から選択される1または2個のヘテロ原子を環員として含んでもよく、場合により、1、2または3個の置換基Rを有しており、
それぞれのRは、独立に、水素、CN、NR、OH、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、ホルミル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−ハロアルコキシカルボニル、C−C−アルキル−NRおよび芳香族基Arからなる群から選択され、前記Arは、フェニルならびに1個の窒素原子および、場合により、O、SおよびNから独立に選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含む、5員または6員の、N−またはC−で結合されている複素芳香環基からなる群から選択され、前記Arは、非置換であるまたは1または2個の基Rを有し、および前記Arは、CH基を経由して結合されていてもよく、
は、水素、C−C−アルキルおよびC−C−ハロアルキルからなる群から選択され、
、RおよびRは、互いに独立に、およびその出現において独立に、Rに対して与えられた意味の1つを有し、
それぞれのRは、独立に、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、−NR、フェニル基ならびに1個の窒素原子および、場合により、O、SおよびNから独立に選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含む、芳香族の、5員または6員の、Cで結合した複素芳香環基からなる群から選択され、前記フェニル基および前記複素芳香族基は、互いに独立に、非置換であるまたは、ハロゲン、シアノ、C−Cアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−ハロアルコキシから選択される1、2、3または4個の基で置換されており、ならびに
およびRは、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニルからなる群から選択される、
または、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、3員、4員、5員、6員または7員の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族のN−複素環を形成し、前記N−複素環は、1個のヘテロ原子またはO、S、SO、SOおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子含有基を、環員としてさらに含んでいてもよい。)
【請求項2】
、X、XおよびXの1または2個が、CRである、請求項1に記載の複素環式化合物。
【請求項3】
、X、XおよびXのいずれもがCRではなく、Gが置換基Rを有する、請求項1に記載の複素環式化合物。
【請求項4】
がNであり、基XおよびXのうちの1個がCRであり、他のものがCRまたはNであり、基X、X、XおよびXのうちの1個が、CR、CRまたはNであり、残りの3個の基がCRまたはCRである、請求項1から3のいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項5】
がNであり、XおよびXがCRであり、基X、X、XおよびXのうちの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個の基がCRまたはCRである、請求項4に記載の複素環式化合物。
【請求項6】
がNであり、XがCR、CRまたはNであり、XおよびXがCRであり、X、XおよびXがCRまたはCRである、請求項5に記載の、複素環式化合物。
【請求項7】
がCRまたはCRである、請求項6に記載の、複素環式化合物。
【請求項8】
がNであり、XおよびXがCRであり、基X、X、XおよびXのうちの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個の基がCRまたはCRである、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項9】
がNであり、XおよびXがCRであり、X、X、XおよびXがCRまたはCRである、請求項8に記載の、複素環式化合物。
【請求項10】
がNであり、XおよびXがCRであり、基X、X、XおよびXのうちの1個がCR、CRまたはNであり、残りの3個の基がCRまたはCRである、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項11】
がNであり、XおよびXがRであり、X、X、XおよびXがCRまたはCRである、請求項10に記載の複素環式化合物。
【請求項12】
が、1個の窒素原子ならびに、場合により、NおよびOから選択される、1、2または3個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、場合により、請求項1において規定されている置換基Rを、1、2、または3個有する、7員、8員、9員または10員の2環式飽和複素環である、請求項1から請求項11までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項13】
が、窒素環原子を経由して結合されており、場合により、NおよびOから選択される、1個のさらなるヘテロ原子を環員として含み、場合により、請求項1において規定されている置換基Rを、1、2、または3個有する、7員、8員、9員または10員の2環式飽和複素環である、請求項12に記載の複素環式化合物。
【請求項14】
が、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−フルオロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルおよびC−C−フルオロアルコキシカルボニルから選択される、請求項1から請求項13までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項15】
が、以下の式
【化2】


およびその立体異性体の1つから選択される、請求項13および請求項14のいずれかに記載の、複素環式化合物。
(式中、
は、OまたはNR61であり、
61は、水素または請求項1または14において与えられたRの意味のうちの1つを有し、および
#は、分子の残りの部分の結合点である。)
【請求項16】
、X、XおよびXのうちの1個がCRである、請求項1から請求項15までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項17】
またはXがCRである、請求項16に記載の、複素環式化合物。
【請求項18】
それぞれのRが、独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−フルオロアルコキシから選択される、請求項1から請求項17までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項19】
それぞれのRが、独立に、水素、ハロゲン、C−CアルキルおよびC−Cフルオロアルキルから選択される、請求項1から請求項18までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項20】
基X、XおよびXのうちの1個がNであり、基X、XおよびXのうちの1個がCHであり、および基X、XおよびXのうちの1個がCRであり、Rは、請求項1または19において与えられた意味の1つを有する、請求項1から請求項19までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項21】
がNであり、XおよびXがCR、好ましくは、CHであり、XおよびXのうちの1つはCRであり、他のものはCR、好ましくは、CHであり、XおよびXは、CR、好ましくは、CHであり、Gは、置換基Rを有さない;または、XがNであり、XおよびXがCR、好ましくは、CHであり、X、XおよびXは、CR、好ましくは、CHであり、XがCR、好ましくは、C−メトキシであり、Gは、1個の置換基Rを有する、請求項1から請求項20までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項22】
Gが、ピリジン−2−イル、ピラジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、およびトリアジン−2−イルから選択される、6員の複素芳香環であり、前記複素芳香環が、請求項1において規定されている置換基Rを1、2、または3個有してもよく、または、請求項1において規定されている置換基Rを1または2個および請求項1または12から15のいずれかにおいて規定されている置換基Rを1個有してもよい、請求項1から請求項21までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項23】
Gが、ピリジン−2−イルおよびピラジン−2−イルから選択される、6員の複素芳香環であり、前記複素芳香環が、請求項1において規定されている置換基Rを1、2、または3個有してもよく、または請求項1において規定されている置換基Rを1または2個および請求項1または12から15のいずれかにおいて規定されている置換基Rを1個有してもよい、請求項22に記載の、複素環式化合物。
【請求項24】
Gが置換基Rを6位に有する、請求項23に記載の、複素環式化合物。
【請求項25】
Aが、CH、NHまたはNCHである、請求項1から請求項24までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項26】
が、HまたはCHである、請求項1から請求項25までのいずれかに記載の、複素環式化合物。
【請求項27】
請求項1から請求項26までのいずれかにおいて規定されている少なくとも1種の複素環式化合物、その立体異性体、プロドラッグ、互変異性体および/または生理学的に忍容される酸付加塩ならびに、場合により、生理学的に許容される担体および/または補助物質の少なくとも1種を含む、医薬組成物。
【請求項28】
グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を、調節、好ましくは、阻害する化合物での治療に対して感受性を有する医学的障害の治療のための薬物を調製するための、請求項1から26のいずれかにおいて規定されている複素環式化合物またはその立体異性体、プロドラッグ、互変異性体もしくは生理学的に忍容される酸付加塩の使用。
【請求項29】
請求項1から26のいずれかにおいて規定されている少なくとも1種の複素環式化合物の、またはその立体異性体、プロドラッグ、互変異性体もしくは生理学的に忍容される酸付加塩の、または請求項27において規定されている薬剤組成物の有効量を、その必要のある患者に投与するステップを含む、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3βの活性を調節する化合物での治療に対して感受性を有する医学的障害を治療する方法。
【請求項30】
医学的障害が、神経変性障害または炎症性障害である、請求項28に記載の使用または請求項29に記載の、方法。
【請求項31】
医学的障害が、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、タウオパシー、血管性認知症、急性脳卒中および他の外傷性障害、脳血管発作、脳および脊髄外傷、末梢神経障害、双極性障害、網膜症、緑内障、リウマチ性関節炎および変形性関節炎から選択される、請求項30に記載の、使用または方法。

【公表番号】特表2011−518809(P2011−518809A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505526(P2011−505526)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054987
【国際公開番号】WO2009/130317
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(502104228)アボット ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (89)
【Fターム(参考)】