説明

グルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体、該化合物を含有する薬剤、それらの使用及びそれらの製造方法

一般式(I)のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体(式中、基R1〜R6及びR7a、R7b、R7cは請求項1に定義されるものである)、互変体、それらの立体異性体、それらの混合物及びそれらの塩。本発明による化合物は、代謝性疾患の治療に適切である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、以下の一般式Iのグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体、互変体、立体異性体、それらの混合物、及びそれらの塩に関する:
【化1】

【0002】
(式中、基R1〜R6及びR7a、R7b、R7cは、下文で定義される)。本発明は、更に、本発明による式Iの化合物を含有する医薬組成物及び代謝性疾患の治療のための医薬組成物を製造するための、本発明による化合物の使用に関する。また、本発明は、本発明による、医薬組成物及び化合物を製造する方法に関する。
文献においては、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT2に抑制効果を有する化合物は、疾患、特には、糖尿病の治療が提案されている。
グルコピラノシルオキシ−及びグルコピラノシル−置換芳香族基及びそれらの製造及びSGLT2抑制剤としてのそれらのみこまれる活性は、発行された国際出願WO 98/31697、WO 01/27128、WO 02/083066、WO 03/099836、WO 2004/063209、WO 2004/080990、WO 2004/013118、WO 2004/052902、WO 2004/052903及び米国出願US 2003/0114390号より知られている。
【0003】
発明の目的
本発明の目的は、新規ピラノシル−置換ベンゼン誘導体、特には、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT、特には、SGLT2に関して活性であるものを見出すことである。本発明の更なる目的は、インビトロ及び/又はインビボでナトリウム−依存グルコース共輸体SGLT2に、非常に良好な抑制効果を有し及び/又は良好から非常に良好な薬理学的及び/又は薬物動態学的及び/又は生理化学的特性を有するピラノシル−置換ベンゼン誘導体を発見することである。
本発明の更なる目的は、代謝性疾患、特には、糖尿病の予防及び/又は治療に適切である新規医薬組成物を提供することである。
本発明は、また、本発明による化合物を製造する方法を提供することに着手する。
本発明の他の目的は、上述及び以下の見解から直接に当業者に明白になるであろう。
【0004】
発明の目的
第一態様において、本発明は、以下の一般式Iのグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体、それらの互変体、立体異性体、それらの混合物及びそれらの塩に関する:
【化2】

【0005】
(式中、R1は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-4アルキル、C2-6アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニル−C1-4アルコキシ、C2-4アルキニル−C1-4アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル、1〜5個のフッ素原子により置換されたエチル、1〜3個のフッ素原子により置換されたメトキシ、1〜5個のフッ素原子により置換されたエトキシ、ヒドロキシ又はC1-3アルコキシ基により置換されたC1-4アルキル、ヒドロキシ又はC1-3アルコキシ基により置換されたC2-4アルコキシ、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル−C1-3アルキル、C3-7シクロアルキルオキシ、C3-7シクロアルキル−C1-3アルコキシ、C5-7シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ又はシアノを示すが、C5-6シクロアルキル基において、メチレン基は、Oにより置換されていてもよく;
2は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ又はニトロを示すが、アルキル又はアルコキシ基は、フッ素により一又は多置換されていてもよく、
及び
3は、1〜4個の置換基L2により置換されたC3-7シクロアルキル、又は
1〜4個の置換基L2により置換されていてもよいテトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを示し、及び
4、R5は、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又は1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル−又はメトキシ−基を示し、
L1は、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C1-3アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、C1-3アルキル−アミノ及びジ(C1-3アルキル)−アミノより選択され;
及び
【0006】
L2は、互いに独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル、シアノ、C1-4アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、C1-4アルキル−カルボニルアミノ、C1-3アルキル−アミノ及びジ(C1-3アルキル)−アミノより選択され;及び
6、R7a、R7b、R7cは、互いに独立して、水素、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルより選択されるが、アリール基は、互いに独立して、同一又は異なる基L1により一又は二置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、定義されるように置換されていてもよいフェニル又はナフチル基を意味し;及び
一方、他に記載のない限り、上記アルキル基は、直鎖又は分枝であってもよい)。
【0007】
本発明による一般式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容可能な塩は、価値ある薬理学的特性、特には、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT,特には、SGLT2に抑制効果を有する。更に、本発明による化合物は、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT1に抑制効果を有し得る。SGLT1においてみこまれる抑制効果と比較して、本発明による化合物は、好ましくは、SGLT2を選択的に抑制する。
本発明は、また、無機又は有機酸を有する、本発明による化合物の生理学的に許容可能な塩に関する。
本発明は、また、本発明による少なくとも1つの化合物又は本発明による生理学的に許容可能な塩を、場合により、1又はそれより多くの不活性キャリヤ及び/又は希釈剤と一緒に含有する医薬組成物に関する。
本発明は、また、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT、特には、SGLT2を抑制することにより影響され得る疾患又は状態の治療又は予防に適切である医薬組成物を製造するための、本発明による少なくとも1つの化合物又はそれらの生理学的に許容可能な塩の1つに使用に関する。
本発明は、また、代謝性疾患の治療に適切である医薬組成物を製造するための、本発明による少なくとも1つの化合物又はそれらの生理学的に許容可能な塩の1つの使用に関する。
【0008】
本発明は、また、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT、特には、SGLT2を抑制するための医薬組成物を製造するための、本発明による少なくとも1つの化合物又はそれらの生理学的に許容可能な塩の1つの使用に関する。
本発明は、更に、本発明による化合物又はそれらの生理学的に許容可能な塩の1つが、非−化学的方法により、1又はそれより多くの不活性キャリヤ及び/又は希釈剤に導入される、本発明による医薬組成物を製造するための方法に関する。
本発明は、また、以下において特徴付けられる、本発明による一般式Iの化合物を製造する方法に関する:
a)先に又は後に定義される一般式Iの化合物を製造するために、
以下の一般式IIの化合物:
【化3】

【0009】
(式中、R’は、H、C1-4アルキル、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルを示し、その中において、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
8a、R8b、R8c、R8dは、互いに独立して、基R6、R7a、R7b、R7cについて先に及び後に記載された意味の1つであり、又はアリル基、ベンジル基又はRabcSi基又はケタール又はアセタール基、特には、アルキリデン又はアリールアルキリデンケタール又はアセタール基を示すが、各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、環状ケタール又はアセタール基、又は1,2−ジ(C1-3アルコキシ)−1,2−ジ(C1-3アルキル)−エチレンブリッジを形成し得、上記のエチレンブリッジは、ピラノース環の2つの酸素原子及び2つの関連炭素原子と一緒に、置換ジオキサン環、特には、2,3−ジメチル−2,3−ジ(C1-3アルコキシ)−1,4−ジオキサン環を形成し、及びアルキル、アリール及び/又はベンジル基は、ハロゲン又はC1-3アルコキシにより一又は多置換されていてもよく、及びベンジル基は、また、ジ−(C1-3アルキル)アミノ基により置換されていてもよく;及び
【0010】
a、Rb、Rcは、互いに独立して、C1-4アルキル、アリール又はアリール−C1-3アルキルを示し、その中において、アリール又はアルキル基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を意味し;
及び基R1〜R5及びR6、R7a、R7b、R7cは、先に及び後に定義される)
をルイス又はブロンステッド酸(Bronsted acid)の存在下で還元剤と反応させるが、存在する保護基は、同時に又はその後開裂され;又は
b)R6、R7a、R7b及びR7cが水素を示す一般式Iの化合物を製造するために、
以下の一般式IIIの化合物:
【化4】

【0011】
(式中、R8a、R8b、R8c、R8d及びR1〜R5は、先に及び後に定義されるが、基R8a、R8b、R8c、R8dの少なくとも1つは、水素を示さない)
において、
8a、R8b、R8c、R8dより選択される保護基(即ち、Hを示さない、R8a、R8b、R8c、R8dより選択されるそれらの基)は、除去され、特には、加水分解(hydrolised)され、及び
所望なら、そのようにして得られた一般式Iの化合物(式中、R6は、水素原子を示す)が、アシル化により一般式Iの対応アシル化合物に転化され、及び/又は
必要なら、上記の反応において使用される保護基が開裂され及び/又は
所望なら、そのようにして得られた一般式Iの化合物が、その立体異性体に分解され及び/又は
所望なら、そのようにして得られた一般式Iの化合物が、それらの塩に、特には、医薬的使用のためにそれらの生理学的に許容可能な塩に転化される。
本発明は、更に、以下の一般式IIの化合物を製造する方法に関する:
【化5】

【0012】
(式中、R’は、H、C1-4アルキル、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルを示し、その中において、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
8a、R8b、R8c、R8dは、互いに独立して、基R6、R7a、R7b、R7cについて記載された意味の1つであり、又はアリル基、ベンジル基又はRabcSi基又はケタール又はアセタール基を示すが、各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、環状ケタール又はアセタール基を形成し得又はピラノース環の2つの酸素原子と一緒に、置換2,3−オキシジオキサン環、特には、2,3−ジメチル−2,3−ジ(C1-3アルコキシ)−1,4−ジオキサン環を形成し得、アルキル、アリール及び/又はベンジル基は、ハロゲン又はC1-3アルコキシにより一又は多置換されていてもよく、及びベンジル基は、また、ジ−(C1-3アルキル)アミノ基により置換されていてもよく;及び
a、Rb、Rcは、互いに独立して、C1-4アルキル、アリール又はアリール−C1-3アルキルを示すが、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
【0013】
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を意味し;
及びR1〜R5、R6、R7a、R7b、R7cは、先に及び後に定義されるものであり、 その中において、場合によりトランスメタレーションが続く、以下の一般式IVのハロゲンベンジルベンゼン化合物:
【化6】

【0014】
(式中、Halは、Cl、Br及びIを示し及びR1〜R5は、先に及び後に定義されるものである)
の炭素−ハロゲン結合における金属の挿入により又はハロゲン−金属交換により得られ得る有機金属化合物(V)が、以下の一般式VIのグルコノラクトン:
【化7】

【0015】
(式中、R8a、R8b、R8c、R8dは、先に及び後に定義されるものである)
に添加され、及び
次いで、得られた付加化合物が、好ましくは、現場で、水又はアルコールR’−OH (R’は、場合により置換されていてもよいC1-4アルキルを示す)と、酸、例えば、メタンスルホン酸、スルホン酸、塩酸、酢酸又は塩化アンモニウムの存在下において反応し及び場合により、水との反応において得られた生成物(R’は、Hを示す)は、その後の反応においてアシル化剤、例えば、酸塩化物又は無水物を用いて、式IIの生成物(式中、R’は、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル又はアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルを示す)に転化され、それは、特定されるように置換されていてもよい。
挙げられる中間体生成物、特には、式IV、式II及び式IIIのものは、また、本発明の対象である。
【0016】
発明の詳細な記載
他に記載のない限り、基、残基及び置換基、特には、R1〜R5、L1、L2、R6、R7a、R7b、R7c、R8a、R8b、R8c、R8dは、先に及び後に定義されるものである。
残基、置換基又は基は、数回、化合物において、例えば、L1及びL2として発生し、それらは、同一又は異なる意味を有していてもよい。
本発明による化合物の個々の基及び置換基のいくつかの好ましい意味は、後に記載されるであろう。
基−C=C−R3は、以下の式I.1及びI.2、特には、式I.2による化合物が好ましいように、好ましくは、−CH2−ブリッジに関連するフェニル環のメタ−又はパラ−位において存在する:
【0017】
【化8】

【0018】
基R1は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル、1〜3個のフッ素原子により置換されたメトキシ、シアノ、C3-7シクロアルキルオキシ又はC3-7シクロアルキル−C1-3アルコキシを示すが、C5-6シクロアルキル基において、メチレン基は、Oにより置換されていてもよい。
1の特に好ましい意味は、水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラン−3−イルオキシ及びテトラヒドロピラン−4−イル−オキシ;特には、メチル、塩素及びシアノである。
基R2の好ましい意味は、水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、エトキシ及び1〜3個のフッ素原子により置換されたメチルである。
基R2の特に好ましい意味は、水素、フッ素、メトキシ、エトキシ及びメチル、特には、水素である。
基R3の特に好ましい意味は、1〜4つの置換基L2で置換される、C3-7シクロアルキル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルである。
また、基R3の追加の好ましい意味は、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニル;特には、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル及びテトラヒドロピラン−4−イルである。
【0019】
基R3の特に好ましい意味は、C3-7シクロアルキル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニル、特には、1又は2つの置換基L2で置換される、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル及びテトラヒドロピラン−4−イル;特には、1つの置換基L2で置換される、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
基R3の特に好ましい意味の例は、追加の置換基L2で置換され得る、1−ヒドロキシ−シクロプロピル、1−ヒドロキシ−シクロブチル、1−ヒドロキシ−シクロペンチル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、4−ヒドロキシ−テトラヒドロピラン−4−イル、1−メトキシ−シクロプロピル、1−メトキシ−シクロブチル、1−メトキシ−シクロペンチル、1−メトキシ−シクロヘキシル、4−メトキシ−テトラヒドロピラン−4−イル、1−ヒドロキシメチル−シクロプロピル、1−ヒドロキシメチル−シクロブチル、1−ヒドロキシメチル−シクロペンチル、1−ヒドロキシメチル−シクロヘキシル、4−ヒドロキシメチル−テトラヒドロピラン−4−イルである。
【0020】
基L1の好ましい意味は、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C1-3アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びジ(C1-3−アルキル)−アミノより選択される。
基L1の特に好ましい意味は、フッ素、塩素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、エチル、メトキシ、エトキシ及びジメチルアミノ、特には、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ及びジメチルアミノより選択される。
基L2の好ましい意味は、互いに独立して、フッ素、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル、C1-4アルキル、トリフルオロメチル、及びC1-4アルキル−カルボニルアミノより選択される。
基L2の特に好ましい意味は、フッ素、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル、C1-4アルキル、特には、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ及びメチルより選択される。
基R4の好ましい意味は、水素及びフッ素、特には、水素である。
基R5の好ましい意味は、水素及びフッ素、特には、水素である。
【0021】
基R6は、好ましくは、本発明に従って、水素、(C1-8アルキル)オキシカルボニル、C1-8アルキルカルボニル又はベンゾイル、特には、水素又は(C1-6アルキル)オキシカルボニル又はC1-6アルキルカルボニル、特に好ましくは、水素、メチルカルボニル、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル、最も特に好ましくは、水素を示す。
置換基R7a、R7b、R7cは、好ましくは、互いに独立して、水素、(C1-8アルキル)オキシカルボニル、(C1-18アルキル)カルボニル又はベンゾイル、特には、水素、(C1-6アルキル)オキシカルボニル又は(C1-8アルキル)カルボニル、特には好ましくは、水素、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メチルカルボニル又はエチルカルボニルを表す。最も好ましくは、R7a、R7b及びR7cは、水素を表す。
式Iの化合物(式中、本発明によるR6、R7a、R7b及びR7cは、水素以外の意味であり、例えば、C1-8アルキルカルボニルである)は、好ましくは、式Iの化合物(式中、R6、R7a、R7b及びR7cは、水素を示す)の合成のための中間体生成物として適切である。
一般式Iの特に好ましい化合物は、互変体、立体異性体、それらの混合物及びそれらの塩を含み、以下の、式1.2a〜1.2d、特には、1.2cより選択される:
【0022】
【化9】

【0023】
(基R1〜R6及びR7a、R7b、R7cは、先に記載した意味の1つを有するが、特には、好ましいとして特定される意味の1つを有し;及び特には、
1は、水素、フッ素、塩素、臭素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル、1〜3個のフッ素原子により置換されたメトキシ、シアノ、C3-7シクロアルキルオキシ又はC3-7シクロアルキル−C1-3アルコキシを示すが、C5-6シクロアルキル基において、メチレン基は、Oにより置換されていてもよく;R1は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、メチル、シアノ、メトキシ、エトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラン−3−イルオキシ又はテトラヒドロピラン−4−イル−オキシを示し;及び
2は、水素、フッ素、メトキシ、エトキシ又はメチル、特には、水素を示し;及び
3は、1〜4つの置換基L2で置換される、C3-7シクロアルキル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニル、特には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル及びテトラヒドロピラン−4−イル;又はテトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニル;特には、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル又はテトラヒドロピラン−4−イルを示し;及び
4は、水素又はフッ素、特には、水素を示し;及び
5は、水素又はフッ素、特には、水素を示し;及び
【0024】
L1は、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシ、C1-3アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C1-3アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びジ(C1-3アルキル)−アミノより選択され;特には、フッ素、塩素、ヒドロキシ、メチル、トリフルオロメチル、エチル、メトキシ、エトキシ及びジメチルアミノより選択され;最も好ましくは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ及びジメチルアミノより選択され;及び
L2は、互いに独立して、フッ素、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル、C1-4アルキル、トリフルオロメチル、及びC1-4アルキル−カルボニルアミノ;特には、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ及びメチルより選択され;及び
6は、水素、(C1-6アルキル)オキシカルボニル、(C1-6アルキル)カルボニル又はベンゾイル、特には、水素、メチルカルボニル、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル、最も好ましくは、水素を示し;及び
7a、R7b、R7cは、互いに独立して、水素、(C1-6アルキル)オキシカルボニル、(C1-8アルキル)カルボニル又はベンゾイル、特には、水素、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メチルカルボニル又はエチルカルボニル、特に好ましくは、水素を表す)。
【0025】
先に記載した実施態様の変形に従って、他の好ましい化合物は、置換基−C=C−R3を有するフェニル基が、水素と異なる、少なくとも1つの他の置換基R4及び/又はR5を有するものである。この変形に従って、特に好ましい化合物は、フッ素を表す置換基R4を有するものである。
互変体、それらの立体異性体及びそれらの混合物を含む、以下の実験セクションにおいて特定される一般式Iの化合物、及びそれらの誘導体(式中、R6は、水素以外の本発明による意味を有し、特には、式中、R6は、アセチル、エトキシカルボニル又はメトキシカルボニルを示す)は、本発明の別の変形に従って好ましい。
本発明による方法において、基R1、R2、R3、R4及びR5は、好ましくは、好ましいとして先で特定された意味を有する。更に、R’は、好ましくは、H、C1-3アルキル又はベンジル、特には、H、エチル又はメチルを示す。基R8a、R8b、R8c及びR8dは、互いに独立して、好ましくは、H、C1-4アルキルカルボニル又はベンジル、特には、H、メチルカルボニル、エチルカルボニル又はベンジルを示す。
本発明は、また、一般式IV、特には、以下の一般式IV’の化合物に関する:
【化10】

【0026】
(式中、Halは、塩素、臭素又はヨウ素を示し及び基R1、R2、R3、R4及びR5は、本発明による化合物の合成における中間体生成物又は出発物質として先に定義されたものである)。特に好ましくは、基R1、R2、R3、R4及びR5は、以下の式1.2a〜1.2dに記載される意味を有する。
本発明は、また、一般式IIの、特には、以下の一般式II’の化合物に関する:
【化11】

【0027】
(式中、R’、R8a、R8b、R8c、R8d、R1、R2、R3、R4及びR5は、先に及び後に定義され;特には、式中、R’は、H、C1-3アルキル又はベンジル、特には、H、エチル又はメチルを示し;及び基R8a、R8b、R8c及びR8dは、互いに独立して、H、C1-4アルキルカルボニル又はベンジル、特には、H、メチルカルボニル、エチルカルボニル又はベンジルを表し及び基R1、R2、R3、R4及びR5は、本発明による化合物の合成における中間体生成物又は出発物質として先に定義されたものである)。特に好ましくは、基R1、R2、R3、R4及びR5は、以下の式1.2a〜1.2dに記載された意味を有する。
本発明による化合物を記載するための先及び後で使用されるいくつかの用語をより詳しく定義する。
用語ハロゲンは、F、Cl、Br及びI、特には、F、Cl及びBrからなる群より選択される原子を示す。
用語C1-n−アルキル(式中、nは、1〜18の値であってもよい)は、1〜n個のC原子を有する飽和、分枝又は非分枝炭化水素基を示す。そのような基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ネオ−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシルなどが挙げられる。
【0028】
用語C2-n−アルキニル(式中、nは、3〜6の値である)は、2〜n個のC原子及びC≡C三重結合を有する、分枝又は非分枝炭化水素基を示す。そのような基の例として、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。他に記載のない限り、アルキニル基は、1位においてC原子を介して分子の残基に結合される。従って、用語、例えば、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニルなどは、用語1−プロピン−1−イル、2−プロピン−1−イル、1−ブチン−1−イルなどに相当する。これは、また、C2-n−アルケニル基に同じように適用する。
用語C1-nアルコキシは、C1-nアルキル−O基(式中、C1-nアルキルは、先に定義したものである)を示す。そのような基の例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソープロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、イソ−ペントキシ、ネオ−ペントキシ、t−ペントキシ、n−ヘクソキシ(hexoxy)、イソ−ヘクソキシなどが挙げられる。
【0029】
用語C1-n−アルキルカルボニルは、C1-nアルキル−C(=O)基(式中、C1-nアルキルは、先に定義したものである)を示す。そのような基の例として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソ−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソ−ブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、イソ−ペンチルカルボニル、ネオ−ペンチルカルボニル、t−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、イソ−ヘキシルカルボニルなどが挙げられる。
用語C3-n−シクロアルキルは、3〜n個のC原子を有する、飽和モノ−、ビ−、トリ−又はスピロ複素環基を示す。そのような基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロドデシル、デカリニル(decalinyl)、ビシクロ[3.2.1.]オクチル、スピロ[4.5]デシル、ノルピニル(norpinyl)、ノルボニル(norbonyl)、ノルカリル、アダマンチルなどが挙げられる。好ましくは、用語C3-7シクロアルキルは、飽和単環基を示す。
用語C5-nシクロアルケニルは、先で定義したC5-nシクロアルキル基を示し及びまた、少なくとも1つの不飽和C=C二重結合を有する。
【0030】
用語C3-nシクロアルキルカルボニルは、C3-nシクロアルキル−C(=O)基(式中、C3-nシクロアルキルは先に定義されたものである)を示す。
用語トリ−(C1-4アルキル)シリルは、同一又は2又は3つの異なるアルキル基を有するシリル基を含む。
用語ジ−(C1-3アルキル)アミノは、同一又は2つの異なるアルキル基を有するアミノ基を含む。
用語アリール基は、好ましくは、ナフチル又はフェニル、より好ましくは、フェニルを示す。
先で及び後で使用される構造式における命名法(その中において、例えば、フェニル環のような環状基の置換の結合は、環状基の中央の方へ示される)は、他に記載のない限り、この置換基がH原子を有する環状基の自由な位置に結合され得ることを示す。
本発明による化合物は、原則上知られる合成方法を用いて得ることができる。好ましくは、化合物は、後でより詳細に記載される本発明による以下の方法により得られる。
本発明による式IIのグルコース誘導体は、有機金属化合物の形成において所望なベンジルベンゼン化合物を添加することにより、D−グルコノラクトン又はそれらの誘導体から合成され得る(スキーム1)。
スキーム1:グルコノラクトンへの有機金属化合物の添加
【0031】
【化12】

【0032】
スキーム1による反応を、好ましくは、一般式IVのハロゲン化ベンジルベンゼン化合物(その中において、Halは、塩素、臭素又はヨウ素を示す)から出発して行う。ハロ芳香族化合物VIから出発して、対応有機金属化合物(V)は、いわゆるハロゲン−金属交換反応の手段により又は炭素ハロゲン結合内に金属を挿入することによりいずれかで製造され得る。臭素又はヨウ素−置換芳香族基でのハロゲン−金属交換は、例えば、有機リチウム化合物、例えば、n−、sec−又はt−ブチルリチウムを用いて行われ得及びそれにより、対応リチオ化芳香族基を生じる。類似するマグネシウム化合物は、また、適切なグリニャール試薬、例えば、イソプロピルマグネシウム臭化物又はジイソプロピルマグネシウムを用いるハロゲン−金属交換により生じ得る。反応を、好ましくは、0〜−100℃の間、特に好ましくは、−10〜−80℃の間で、不活性溶剤又はそれらの混合物、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、又は塩化メチレンにおいて行う。そのようにして得られるマグネシウム又はリチウム化合物は、場合により、金属塩、例えば、三塩化セリウムでトランス金属化(transmetallated)されて、添加に適切である代替の有機金属化合物(V)を形成することができる。あるいはまた、有機金属化合物(V)は、また、ハロ芳香族化合物IVの炭素−ハロゲン結合内に金属を挿入することにより製造され得る。金属、例えば、リチウム又はマグネシウムは、これに適切である。式VIのグルコノラクトン又はそれらの誘導体に対する有機金属化合物Vの添加を、好ましくは、0〜−100℃の間の温度、特に好ましくは、−30〜−80℃で、不活性溶剤又はそれらの混合物において行って、式IIの化合物を得る。リチオ化及び/又はカップリング反応を、また、低温度を避けるためにマイクロリアクター及び/又はマイクロミキサーにおいて行うことができる;例えば、WO 2004/076470において記載される方法と同じように行うことができる。適切な保護グルコノラクトンに対する金属化フェニル基の添加に適切な溶剤は、例えば、ジエチルエーテル、トルエン、塩化メチレン、ヘキサン、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物である。添加反応を、更なるアジュバントなしで又はルイス酸、例えば、BF3*OEt2又はMe3SiClの存在下で、カップリングパートナーを緩慢に反応させるケースにおいて行うことができる(M. Schlosser, Organometallics in Synthesis, John Wiley & Sons, Chichester/New York/Brisbane/Toronto/Singapore, 1994参照) 。基R8a、R8b、R8c及びR8dの好ましい定義は、ベンジル、置換ベンジル、トリアルキルシリル、特に好ましくは、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、4−メトキシベンジル及びベンジルである。R8a、R8b、R8c及びR8dからなる群の2つの隣接基が、一緒に結合される場合、これらの2つの基は、好ましくは、ベンジリデンアセタール、4−メトキシベンジルデンアセタール、イソプロピルケタールの部分であり又はピラノース環の隣接酸素原子を有するブタンの2及び3位を介して結合される2,3−ジメトキシ−ブチレン基を構成する。基R'は、好ましくは、水素又はC1-4アルキル、特に好ましくは、水素、メチル又はエチルを示す。基R'は、グルコノラクトンVIに対する有機金属化合物V又はそれらの誘導体の添加後、挿入される。この目的のために、反応溶液は、アルコール、例えばメタノール又はエタノール又は水を用いて、酸、例えば、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホン酸、又は塩酸の存在下で処理される。
【0033】
式IVのハロ芳香族化合物の合成を、有機化学における標準転位又は少なくとも、有機合成における専門家の文献より知られる方法を用いて行うことができる(inter alia J. March, Advanced Organic Reactions, Reactions, Mechanisms及びStructure, 4th Edition, John Wiley & Sons, Chichester/New York/Brisbane/Toronto/Singapore, 1992及びその中において挙げられた文献参照)。より特には、芳香族化合物の合成のための遷移金属及び有機金属化合物の使用が、異なるモノグラフにおいて詳述されている(例えば、L. Brandsma, S. F. Vasilevsky, H. D. Verkruijsse, Application of Transition Metal Catalysts in Organic Synthesis, Springer-Verlag, Berlin/Heidelberg, 1998; M. Schlosser, Organometallics in Synthesis, John Wiley & Sons, Chichester/New York/Brisbane/Totonto/Singapore, 1994; P. J. Stang, F. Diederich, Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Wiley-VCH, Weinheim, 1997及びその中で引用された文献参照)。以下において記載される合成策略(strategy)は、実施例により、これの説明を提供する。
スキーム2:ジアリールケトンの合成
【化13】

【0034】
スキーム2は、フリーデル−クラフツアシル化条件又はそれらのバリエーションを適用して、ベンゾイルクロライド及び第二芳香族基から出発して、式IV及びIVa各々のハロ芳香族化合物の合成に役立ち得る先駆物質化合物の製造を示す。第二芳香族化合物は、ハロゲン、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、又はその後、ハロゲン原子又は疑似ハロゲン基、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、又はアルキン単位に転化され得る基より選択される置換基Uを有する。この従来の反応は、幅広い基質範囲(a wide substrate scope)を有し及び通常、触媒又は化学量論量において使用される触媒、例えば、AlCl3、FeCl3、ヨウ素、鉄、ZnCl2、スルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で行う。ベンゾイルクロライドの代わりに、対応カルボン酸、無水物、エステル又はベンゾニトリルが、よく使用され得る。反応は、優先的に、塩素化炭化水素、例えば、ジクロロメタン及び1,2−ジクロロエタンにおいて、−30〜120℃の温度で、好ましくは、30〜100℃で行う。しかしながら、溶剤のない反応又は電子レンジにおける反応もまた可能である。
スキーム3:ジアリールメタン及びそれらの可能性のある先駆体化合物の合成
【0035】
【化14】

【0036】
スキーム3において、用語“Alk”は、C1-3アルキルを示し及び各々の置換基Rは、独立して、互いに、H、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシからなる群より選択されるが、残基R1〜R5は、先に定義されている。スキーム3は、アルキニル残基、ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、疑似ハロゲン基、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、又は残基、例えば、シリル基又はマスクされた又は保護されたフロミル基(fromyl group)(その後、ハロゲン原子、疑似ハロゲン基、又はアルキン単位に転化可能である)からなる群より選択される残基Uを有するメタル化(metalated)フェニル基から出発して、ジアリールメタン及びそれらの可能性のある先駆物質化合物の合成を描写する。リチウム又はマグメシウム置換芳香族化合物は、ハロゲン−炭素結合内への元素金属の挿入により又は、例えば、ブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムハロゲン化物、又はジイソプロピルマグネシウムとのハロゲン−金属交換反応により塩素化された、臭素化された、又はヨウ化されたアロマット(aromat)から合成され得る。対応ホウ素置換化合物、例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル、又はジアルキルアリールボランは、ホウ素求電子剤、例えば、ボロン酸エステル又はそれらの誘導体との反応によりこれらのメタル化フェニル基から入手しやすい。また、ボリレートされた(borylated)芳香族化合物は、また、対応ハロゲン化又は疑似ハロゲン化先駆物質及びジボロン又はボラン化合物から、遷移金属、例えば、パラジウム、触媒反応を介して製造され得る(例えば、Tetrahedron Lett. 2003, p.4895-4898及びそれらの中で引用された文献参照)。リチウム又はマグネシウム置換フェニル化合物は、ベンズアルデヒド(工程3)及び安息香酸又はそれらの誘導体(工程4)、例えば、安息香酸エステル、例えば、ワインレブタイプのベンズアミド、ベンゾニトリル、又はベンゾイルクロライドに添加する。これらの反応は、主に、追加の遷移金属触媒又はトランス金属化なしで、別の金属、例えば、セリウム又は亜鉛に対して行われ得;時々、後者の代替の1つの使用が有利である。アリールボロン酸を、各々のジアリールメタノールを提供するロジウム触媒によりベンズアルデヒドに添加することができる(例えば、Adv. Synth. Catal. 2001, p.343-350及びそれらの中で引用された文献参照)。更に、アリールボロン酸、それらのエステル、ジアルキルアリールボラン、又はアリールトリフルオロボレエートは、遷移金属、例えば、パラジウム、錯体又はそれらの塩(ジアリールケトンを供給する)により媒介されるベンゾイルクロライドと結合され得る。金属化フェニル基は、ベンジル求電子剤、例えば、ベンジルクライド、臭化物、又はヨウ化物(ジアリールメタンを提供する)と反応され得る。リチウム又はマグネシウム誘導フェニル化合物は、好都合だが、必ずしも、遷移金属、例えば、銅、鉄、又はパラジウムの存在下とは限らないで反応する(例えば、Org. Lett. 2001, 3,2871-2874及びそれらの中で引用された文献参照)。リチウム又はマグネシウムからの、例えば、ボロン、錫、ケイ素又は亜鉛へのトランス金属化は、ベンジル求電子剤、例えば、ベンジルハロゲン化物、ホスフェート、スルフェート、又はカルボン酸エステルとの結合を受け得る、対応芳香族ボロン酸、スタンナン、シラン又は亜鉛化合物、各々を提供する。反応は、遷移金属、例えば、パラジウム、ニッケル、ロジウム、銅、又は鉄の存在下で行われる(Tetrahedron Lett. 2004, p.8225-8228及びそれらの中で引用された文献参照)。
スキーム4:ジアリールメタンへのジアリールケトン及びジアリールメタノールの還元
【0037】
【化15】

【0038】
スキーム4において、置換基Rは、C1-3アルキル又はアリールを示すが、残りの置換基R1〜R5は、先に定義したものである。ジアリールケトン又はジアリールメタノールから出発して、ジアリールメタンは、1又は2つの反応工程において入手しやすい(Uは、アルキニル残基、ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、疑似ハロゲン基、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、又は残基、例えば、シリル基又はマスクされた又は保護されたホルミル基(その後、ハロゲン原子、疑似ハロゲン基、又はアルキン単位に転化可能である)を含む群より選択される)。ジアリールケトンは、ジアリールメタンに、2つの工程において、対応ジフェニルメタノールを介して又は1つの工程において還元され得る。2つの工程の変形において、ケトンは、還元剤、例えば、金属水素化物、例えば、NaBH4、LiAlH4又はiBu2AlHで還元されて、アルコールを形成する。得られたアルコールは、ルイス酸、例えば、BF3*OEt2、トリフルオロ酢酸、lnCl3又はAICl3の存在下で、還元剤、例えば、Et3SiH、NaBH4又はPh2SiClHで、所望なジフェニルメタンに転化され得る。ジフェニルメタンを得るためのケトンから出発する1工程方法は、例えば、シラン、例えば、Et3SiH、ホウ化水素、例えば、NaBH4又はアルミニウム水素化物、例えば、LiAlH4で、ルイス酸、例えば、BF3*OEt2、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフルオロ酢酸、アルミニウムクロライド又はlnCl3の存在下で行われ得る。反応は、好ましくは、溶剤、例えば、ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、トルエン、又はアセトニトリルにおいて、−30〜150℃、好ましくは、20〜100℃の温度で行われる。遷移金属触媒、例えば、木炭上のPdの存在下における水素での還元は、他の可能性のある合成方法である。ウォルフ・キッシュナーによる還元又はそれらの変形は、また、可能である。ケトンは、まず第一に、ヒドラジン又はそれらの誘導体、例えば、1,2−ビス(t−ブチルジメチルシリル)ヒドラジンを用いて、強力な塩基反応条件及び加熱の下、分解してジフェニルメタン及び窒素を形成するヒドラゾンに転化される。反応を、1つの反応工程において又は2つの別の反応工程におけるヒドラゾン又はそれらの誘導体の単離後行うことができる。適切な塩基として、例えば、溶剤、例えば、エチレングリコール、トルエン、DMSO、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール又はt−ブタノールにおけるKOH、NaOH又はKOtBuが挙げられ;溶剤のない反応もまた、可能である。反応は、20〜250℃の間、好ましくは、80〜200℃間の温度で行われ得る。ウォルフ・キッシュナー還元の塩基条件に対する代替は、酸性条件下起こるクレメンセン還元であり、それはまた、本件明細書で用いられ得る。ジアリールメタノールにおけるアルコール機能は、また、最初に、離脱基、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、ホスフェート、又はスルフェートに転換され得;ジアリールメタンを形成するためのその後の還元工程は、有機化学文献において幅広く記載されている。
スキーム5:アルキン部のイントロダクション
【0039】
【化16】

【0040】
スキーム5は、ターゲット分子の合成の種々の段階で周辺(peripheral)フェニル基にアルキン残基を結合するための可能性のある経路を表示する。アルキンは、ハロゲン化又は疑似ハロゲン化フェニル基との末端アルキンの遷移金属媒介カップリング反応を介して優先的に導入される。この転移を達成するための最もよく知られるカップリングプロトコールの1つは、いわゆるソノガシラ(sonogashira)カップリング反応である。反応は、不活性ガス条件下での銅及びパラジウム触媒の使用を含む。金属アセチリド、例えば、亜鉛アセチリド、アルキニルスタンナン又はアルキニルシランのエンプロイメント(employment)を含み、カップリングパートナーの添加より前に末端アルキンから製造され得る多くの代替方法が知られる(P. J. Stang, F. Diederich, Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Wiley-VCT, Weinheim, 1997; Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 1566-1568及びそれらの中で引用された文献参照)。ハロゲン化又は疑似ハロゲン化芳香族化合物は、知られる手順により入手しやすい。ハロゲン求電子剤を用いる求電子芳香族置換は、ハロゲンでベンゼン環上の水素原子又はシリル基を置換する。塩素、臭素、又はヨウ素でのシリル基の置換は、アルキン付加物についてのハロゲンの後の段階に魅力的なこの種の誘導体化ベンゼンを製造する非常に緩和な条件下で行い得る。フェノールから出発して、対応疑似ハロゲン化ベンゼン化合物は、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いる、例えば、スルホニル化により入手しやすい。すべてのこれらの合成は、有機化学の文献において広範に詳述される。
スキーム6:アルデヒドからのアルキン部分の導入
【0041】
【化17】

【0042】
アルキン基の代替の導入は、アルデヒドから出発する合成である(スキーム6)。アルデヒドそれ自身を、それ自体、導入し、保護し又はマスクし得る。アルデヒド機能のためのよく知られる保護基は、アセタールだが、他の保護基を、よく使用し得る(T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc, New York,1999参照)。アルデヒド機能に適切なマスクは、例えば、オレフィン及びチアゾールである。アルデヒドを、1又は2−工程の手順を介してアルキンに転化し得る。最も高い頻度で使用される方法は、コーリ−フックス、ウィッティヒ−ホーマー−エモンズ、及びギルバート−セイファースの反応及びそれらの改良されたものを含む(J. Org. Chem. 2000, p. 1889-1891; J. Am. Chem. Soc. 2002, p. 11600-11601; Synlett 1996, p.521-522及びそれらの中において引用される文献参照)。基R3を、末端アルキンに、ケトン又は(ヘテロ)シクロアルキルハロゲン化物であり得るカップリングパートナーの前に又は現場での脱保護によりアルキンから生成し得るアセチリドの添加を介して最終的に付着する。ハロゲン化物とのカップリング反応は、ニッケル、鉄又はパラジウム塩又はそれらの錯体により触媒されいてもよい。
一般式Iの化合物を製造するために、本発明による工程a)において、先に記載されるように得られ得る以下の一般式IIの化合物を、ルイス又はブロンステッド酸の存在下で還元剤と反応させる:
【化18】

【0043】
(式中、R'、R1〜R5は、先に定義したものであり及び
8a、R8b、R8c、R8dは、先に定義したものであり及び互いに独立して、例えば、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、トリアルキルシリル、ベンジル又は置換ベンジルを表し又は各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、ベンジリデンアセタール又はイソプロピリデンケタール又は2,3−ジメトキシ−ブチレン基(ブチレン基の2及び3位を介して、ピラノース環の酸素原子に結合され及びそれらを用いて置換ジオキサンを形成する)を形成する)。
【0044】
反応に適切な還元剤として、例えば、シラン、例えば、トリエチル−、トリプロピル−、トリイソプロピル−又はジフェニルシラン、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、ボラン、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム又はヨウ化サマリウムが挙げられる。還元を、適切なブロンステッド酸、例えば、塩酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸又は酢酸、又はルイス酸、例えば、三フッ化ホウ素エーテル、トリメチルシリルトリフラート、四塩化チタン、四塩化スズ、スカンジウムトリフラート又はヨウ化亜鉛の存在下で又はそれらなしで行う。還元剤及び酸に依存して、反応は、溶剤、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、水又はそれらの混合物において、−60℃〜120℃の間の温度で行い得る。ある特に適切な試薬の組み合わせは、例えば、トリエチルシラン及び三フッ化ホウ素エーテルからなり、それは、アセトニトリル又はジクロロメタンにおいて、−60℃〜60℃の温度で好都合に使用される。更に、水素は、遷移金属触媒、例えば、炭上のパラジウム又はラネーニッケルの存在下で、溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水又は酢酸において記載される変形のために使用し得る。
あるいはまた、本発明による方法b)による一般式Iの化合物を製造するために、
以下の一般式IIIの化合物において、保護基を開裂する:
【化19】

【0045】
(式中、R1〜R5は、先に定義したものであり及び
8a〜R8bは、先に定義した保護基の1つ、例えば、アシル、アリールメチル、アセタール、ケタール又はシリル基を示し、及びそれは、例えば、還元により先に記載される式IIの化合物から得ることができる)。
使用されるアシル保護基を、例えば、加水分解的に、水性溶剤、例えば、水、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水又はジオキサン/水において、酸、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸又はスルホン酸の存在下で又はアルカリ金属塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在下で又は非プロトン的に、例えば、ヨードトリメチルシランの存在下で、0〜120℃の温度、好ましくは、10〜100℃の温度で開裂する。トリフルオロアセチル基を、好ましくは、酸、例えば、塩酸で、場合により、溶剤、例えば、酢酸の存在下で50〜120℃の温度で処理することにより又は水酸化ナトリウム溶液で、場合により、溶剤、例えば、テトラヒドロフラン又はメタノールの存在下で、0〜50℃の温度で処理することにより開裂する。
【0046】
使用されるアセタール又はケタール保護基を、例えば、加水分解的に、水性溶剤、例えば、水、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水又はジオキサン/水において、酸、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸又はスルホン酸の存在下で又は非プロトン的に、例えば、ヨードトリメチルシランの存在下で、0〜120℃の温度、好ましくは、10〜100℃の間の温度で開裂する。
トリメチルシリル基を、例えば、水、水性溶剤混合物又は低級アルコール、例えば、メタノール又はエタノールにおいて、塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム又はナトリウムメトキシドの存在下で開裂する。
水性又はアルコール溶剤において、酸、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸又は酢酸が、また、適切である。有機溶剤、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンにおける開裂のために、フッ化物試薬、例えば、フッ化テトラブチルアンモニウムを使用するのが、また、適切である。
【0047】
ベンジル、メトキシベンジル又はベンジルオキシカルボニル基を、有利には、水素化分解的に(hydrogenolytically)、例えば、水素で、触媒、例えば、パラジウム/木炭の存在下で、適切な溶剤、例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル又は氷酢酸において、場合により、酸、例えば、塩酸の添加を伴い、0〜100℃の温度で、好ましくは、20〜60℃の周囲温度で、及び1〜7バール、好ましくは、3〜5バールの水素ガス圧力で開裂する。2,4−ジメトキシベンジル基を、しかしながら、好ましくは、アニソールの存在下でトリフルオロ酢酸において開裂する。
t−ブチル又はt−ブチルオキシカルボニル基を、好ましくは、酸、例えば、トリフルオロ酢酸又は塩酸で処理することにより又はヨードトリメチルシランで処理すること(場合により、溶剤、例えば、塩化メチレン、ジオキサン、メタノール又はジエチルエーテルを用いる)により開裂する。
先に記載した反応において、存在するいずれかの反応基、例えば、エチニル、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ又はイミノ基は、反応の間、反応後再び開裂される従来の保護基により保護され得る。
例えば、エチニル基のための保護基は、トリメチルシリル又はトリイソプロピル基であってもよい。2−ヒドロキシイソプロプ(hydroxisoprop)−2−イル基を、また、保護基として使用し得る。
【0048】
例えば、ヒドロキシ基のための保護基は、トリメチルシリル、アセチル、トリチル、ベンジル又はテトラヒドロピラニル基であってもよい。
アミノ、アルキルアミノ又はイミノ基のための保護基は、例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンジル、メトキシベンジル又は2,4−ジメトキシベンジル基であってもよい。
更に、得られた一般式Iの化合物を、先に言及したように、それらの光学異性体及び/又はジアステレオマーに分解し得る。従って、例えば、シス/トランス混合物を、それらのシス及びトランス異性体に分解し得、及び少なくとも1つの光学活性炭素原子を有する化合物を、それらの光学異性体に分離し得る。
従って、例えば、シス/トランス混合物を、クロマトグラフィにより、それらのシス及びトランス異性体に分解し得、ラセミ化合物として発生する得られた一般式Iの化合物を、それ自体が知られる方法(Allinger N. L. 及びEliel E. L. in “'Topics in Stereochemistry”, Vol.6, Wiley Interscience, 1971参照)により、それらの光学対掌体に分解し得、及び少なくとも2個の非対称炭素原子を有する一般式Iの化合物を、それらのジアステレオマーに、それらの物理化学的差違に基づいて、それ自体が知られる方法を用いて、例えば、クロマトグラフィ及び/又は分別結晶化により分解し得、及び、これらの化合物が、ラセミ化合物形態において得られる場合、それらを、その後、先に言及した光学異性体に分解し得る。
【0049】
光学異性体を、好ましくは、キラル相におけるカラム分離により又は光学活性溶剤からの再結晶化により又はラセミ化合物、特には、酸及び活性化誘導体又はそれらのアルコールを用いて塩又は誘導体、例えば、エステル又はアミドを形成する光学活性物質と反応させ、及び例えば、溶解度におけるそれらの差違に基づいて、そのようにして得られた塩又は誘導体のジアステレオマー混合物を分離することにより分離するが、遊離対掌体を、純ジアステレオマー塩又は誘導体から、適切な薬剤の作用により放出し得る。一般的使用における光学活性酸は、例えば、D−及びL−形態の酒石酸又はジベンゾイル酒石酸、ジ−o−トリル酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、カンファールスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸又はキナ酸である。光学活性アルコールは、例えば、(+)又は(−)−メタノールであってもよく及びアミドにおける光学活性アシル基は、例えば、(+)−又は(−)−メンチルオキシカルボニルであってもよい。
更に、式Iの化合物を、それらの塩に、特には、医薬的使用のために、無機又は有機酸を有する生理学的に許容可能な塩に転化し得る。この目的のために使用され得る酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸が挙げられる。
更に、得られた化合物を、混合物、例えば、アミノ酸、特には、α−アミノ酸、例えば、プロリン又はフェニルアラニンとの1:1又は1:2の混合物に転化し得、それは、特に好ましい特性、例えば、高結晶化度を有していてもよい。
【0050】
本発明による化合物は、また、有利には、以下の実施例において記載される方法を用いて入手でき、それは、また、この目的のために、文献より当業者に知られる方法、例えば、WO 98/31697、WO 01/27128、WO 02/083066、WO 03/099836及びWO 2004/063209において記載される方法と組み合わせることができる。
すでに言及したように、本発明による一般式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容可能な塩は、価値ある薬理学的特性、特には、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT、好ましくは、SGLT2に抑制効果を有する。
新規化合物の生物学的特性は、以下のように研究することができる:
SGLT−2活性を抑制するための物質の能力を、CHO−K1細胞株(ATCC No.CCL 61)又はあるいは、HEK293細胞株(ATCC No.CRL−1573)、それが、発現ベクターpZeoSV(インビトロゲン、EMBL受入番号L36849)で安定的に導入され、それが、ヒトナトリウムグルコース共輸送体2のコード配列のためのcDNA(Genbank Acc.No.NM 003041)(CHO−hSGLT2又はHEK−hSGLT2)を含有する試験セット−アップ(test set-up)において証明され得る。これらの細胞株は、ナトリウム−依存方法において細胞の内部に14C−ラベル化α−メチル−グルコピラノシド(14C−AMG、Amersham)を輸送する。
【0051】
SGLT−2アッセイは、以下のように行われる:
CHO−hSGLT2細胞を、10%胎児子牛血清及び250μg/mlゼオシン(zeocin)(インビトロゲン)を有するHam’sF12媒体(BioWhittaker)において培養し、及びHEK293−hSGLT2細胞を、10%胎児子牛血清及び250μg/mlゼオシン(インビトロゲン)を有するDMEM媒体において培養する。細胞を、PBSで2回洗浄し及びその後、トリプシン/EDTAで処理することにより、培養フラスコから取り出す。細胞培養媒体の添加後、細胞を、遠心分離機にかけ、培地において再懸濁し、及びカシーセルカウンター(Casy cell counter)においてカウントした。ついで、ウェルあたり40,000個の細胞を、ポリ−D−リシンでコーティングされた白色の96−ウェルプレート内に播種し、及び一晩37℃、5%CO2でインキュベートする。細胞を、250μlのアッセイ緩衝剤で2回洗浄する(ハンクス液、137mM NaCl、5.4mM KCl、2.8mM CaCl2、1.2mM MgSO4及び10mM HEPES(pH7.4)、50μg/mlのゲンタマイシン)。250μlのアッセイ緩衝剤及び5μlの試験化合物を、次いで、各々のウェルに添加し及びプレートを、更なる15分間インキュベーターにおいてインキュベートする。5μlの10%DMSOを、負の抑制として使用する。反応は、5μlの14C−AMG(0.05μCi)を各々のウェルに添加することにより始める。37℃、5%CO2での2時間のインキュベーション後、細胞を、250μlのPBSで再び洗浄し(20℃)及び次いで、25μlの0.1N NaOHの添加により溶解する(5分、37℃)。200μlのMicroScint20(パッカード)を、各々のウェルに添加し、及びインキュベーションを、更なる20分間37℃で続ける。このインキュベーション後、吸収される14C−AMGの放射能を、Topcount(パッカード)において、14Cシンチレーションプログラムを用いて測定する。
【0052】
ヒトSGLT1に関する選択性を測定するために、hSGLT2 cDNAの代わりのhSGLT1のためのcDNA(Genbank Acc.No.NM000343)が、CHO−K1又はHEK293細胞において発現されるアナログ試験を設ける。
本発明による一般式Iの化合物は、例えば、1000nMより下の、特には、200nMより下の、最も好ましくは、50nMより下のEC50値を有していてもよい。
SGLT活性を抑制するためのそれらの能力の観点から、本発明による一般式Iの化合物及びそれらの対応する医薬的に許容可能な塩は、理論上は、SGLT活性、特には、SGLT2−活性の抑制により影響され得る、すべてのこれらの状態又は疾患の治療及び/又は予防的治療に適切である。従って、本発明による化合物は、特には、疾患、特には、代謝性疾患、又は状態、例えば、1型及び2型の糖尿病、糖尿病の合併症(例えば、網膜症、腎症、糖尿病足、潰瘍、マクロ血管症(macroangiopathy))、代謝性アシドーシス又はケトーシス、反応性低血糖、高インスリン血、グルコース代謝性疾患、インスリン耐性、メタボリックシンドローム、異なる源の脂質異常症、アテローム性動脈硬化及び関連疾患、肥満、高血圧、慢性心不全、浮腫及び高尿酸血の予防又は治療に適切である。これらの物質は、また、β−細胞変性、例えば、膵臓β細胞のアポトーシス又は壊死を予防するのに適切である。物質は、また、膵臓細胞、機能を改良又は復元するのに及び、また、膵臓細胞の数及びサイズを増加するのに適切である。本発明による化合物は、利尿薬又は降圧剤として使用することができ及び慢性腎不全の予防及び治療に適切である。
【0053】
特には、それらの生理学的に許容可能な塩を含む本発明の化合物は、糖尿病、特には、1型及び2型糖尿病、及び/又は糖尿病の合併症の予防又は治療に適切である。
治療又は予防のための対応活性を達成するために必要とする用量は、通常、投与されるべき化合物、患者、病気又は状態の性質及び重大さ及び投与の方法及び頻度に依存し及び患者の医師が決定する。便宜上、用量は、1日1〜4回投与される各々のケースにおいて、静脈内ルートにより、1〜100mg、好ましくは、1〜30mg、及び経口ルートにより1〜1000mg、好ましくは、1〜100mgであってもよい。この目的のために、本発明に従って製造される式Iの化合物を、場合により、他の活性物質と一緒に、1又はそれより多くの従来の不活性キャリヤ及び/又は希釈剤、例えば、コーンスターチ、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪又はそれらの適切な混合物と一緒に配合して、従来の生薬の製剤、例えば、プレーンの又はコーティングされたタブレット、カプセル、粉末、サスペンション又は座薬を製造し得る。
【0054】
本発明による化合物は、また、他の活性物質と併せて、特には、上記の疾患及び状態の治療及び/又は予防のために使用され得る。そのような組み合わせに適切である他の活性物質として、例えば、上記の兆候の1つに関して本発明によるSGLTアンタゴニストの治療効果を高め及び/又は本発明によるSGLTアンタゴニストの用量を低減することを可能にするものが挙げられる。そのような組み合わせに適切である治療薬として、例えば、抗糖尿病薬、例えば、メトホルミン、スルホニルウレアス(例えば、グリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド)、ナテグリニド、レパグリニド、チアゾリジンジノン(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、PPAR−γ−アゴニスト(例えば、GI 262570)及びアンタゴニスト、PPAR−γ/αモジュレータ(例えば、KRP 297)、α−グルコシダーゼ抑制剤(例えば、アカルボース、ボグリボース)、DPPIV抑制剤(例えば、LAF237、MK−431)、α2−アンタゴニスト、インスリン及びインスリン類似体、GLP−1及びGLP−1類似体(例えば、エキセンジン−4)又はアミリンが挙げられる。そのリストとして、また、タンパク質チロシンホスファターゼ1の抑制剤、肝臓における無秩序なグルコース生成に影響する物質、例えば、グルコース−6−ホスファターゼ、又はフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ、グリコーゲンホスホリラーゼ、グルカゴン受容体アンタゴニストの抑制剤、及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ、グリコーゲンシンターゼキナーゼ又はピルビン酸デヒドロキナーゼの抑制剤、脂質異常症治療薬、例えば、HMG−CoA−レグクターゼ抑制剤(例えば、シンバスタチン、アトルバスタチン)、フィブラート(例えば、ベンザフィブラート(benzafibrate)、フェノフィブラート(fenofibrate)、ニコチン酸及びそれらの誘導体、PPAR−αアゴニスト、PPAR−δアゴニスト,ACAT抑制剤(例えば、アバシミブ(avasimibe)又はコレステロール吸収抑制剤、例えば、エゼチミブ、胆汁酸−結合物質、例えば、コレスチラミン、回腸胆汁酸輸送体の抑制剤、HDL−上昇化合物(HDL-raising compound)、例えば、CETP抑制剤又はABC1レギュレータ又は肥満を治療するための活性物質、例えば、シブトラミン又はテトラヒドロリポスタチン(tetrahydrolipostatin)、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)、アクソキン(axokine)、カンナビノイド1受容体のアンタゴニスト、MCH−1受容体アンタゴニスト、MC4受容体アゴニスト、NPY5又はNPY2アンタゴニスト又はβ3−アゴニスト、例えば、SB−418790又はAD−9677及び5HT2c受容体のアゴニストが挙げられる。
【0055】
更に、高血圧、慢性心不全又はアテローム性動脈硬化に影響する薬剤、例えば、A−IIアンタゴニスト又はACE抑制剤、ECE抑制剤、利尿薬、β−阻害剤、Ca−アンタゴニスト、中枢作用性降圧剤、α−2−アドレナリン受容体のアンタゴニスト、中枢エンドペプチダーゼの抑制剤、血小板凝集抑制剤及び他のもの又はそれらの組み合わせとの組み合わせが、適切である。アンギオテンシンII受容体アンタゴニストの例は、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、エプロサルタンメシレート(eprosartan mesylate)、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、EXP−3174、L−158809、EXP−3312、オルメサルタン、メドキソミル、タソサルタン、KT−3−671、GA−0113、RU−64276、EMD−90423、BR−9701などである。アンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、好ましくは、高血圧及び糖尿病の合併症の治療又は予防のために使用され、利尿薬、例えば、ヒドロクロロチアジドと組み合わせることが多い。
尿酸合成抑制剤又は尿酸排泄剤との組み合わせは、痛風の治療又は予防に適切である。
GABA−受容体アンタゴニスト、Na−チャンネル阻害剤、トピラマット(topiramat)、タンパク質−キナーゼC抑制剤、糖化最終産物抑制剤又はアルドースレダクターゼ抑制剤との組み合わせは、糖尿病の合併症の治療又は予防のために使用され得る。
上記の組み合わせパートナーのための用量は、役立つように、通常推奨される用量の1/1までの通常推奨される最も低い用量の1/5である。
【0056】
従って、別の態様において、本発明は、ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLTを抑制することにより影響され得る疾患又は状態の治療又は予防に適切である医薬組成物を製造するための、組み合わせパートナーとして上に記載される活性物質の少なくとも1つ組み合わされる、本発明による化合物又はそのような化合物の生理学的に許容可能な塩の使用に関する。これらは、好ましくは、代謝性疾患、特には、上に挙げられた疾患又は状態の1つ、最も特には、糖尿病又は糖尿病の合併症である。
別の活性物質との組み合わせでの、本発明による化合物、又はそれらの生理学的に許容可能な塩の使用は、同時に又は時間をずらして、しかし、特には、短期間内で行うことができる。それらが、同時に投与される場合、2つの活性物質は、患者に一緒に与えられ;一方、それらが、ずらした時間で使用される場合、2つの活性物質は、患者に12時間に等しいか又はそれ未満の期間、特には、6時間に等しいか又はそれ未満内に与えられる。
その結果として、別の態様において、本発明は、本発明による化合物又はそのような化合物の生理学的に許容可能な塩及び組み合わせパートナーとしての上記の活性物質の少なくともも1つを、場合により、1又はそれより多くの不活性キャリヤ及び/又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物に関する。
【0057】
従って、例えば、本発明による医薬組成物は、本発明による式Iの化合物又はそのような化合物の生理学的に許容可能な塩及び少なくとも1つのアンギオテンシンII受容体アンタゴニストの組み合わせを、場合により、1又はそれより多くの不活性キャリヤ及び/又は希釈剤と一緒に含む。
本発明による化合物又はそれらの生理学的に許容可能な塩及びそれらと組み合わせられるべき追加の活性物質は、1つの配合物、例えば、タブレット又はカプセセルにおいて一緒に、又は2つの同一であっても異なっていてもよい配合物、例えば、いわゆるキット−オブ−パート(kit-of-parts)において別々に存在し得る。
先の及び後の文章において、ヒドロキシ基のH原子は、構造配合物において、あらゆる場合において、明確には示されない。以下の実施例は、本発明を制限することなく説明することを意図する。
出発化合物の製造:
実施例1
【化20】

【0058】
(5−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−(4−メトキシ−フェニル)−メタノン
38.3mlの塩化オキサリル及び0.8mlのジメチルホルムアミドを、500mlのジクロロメタン中の100gの5−ブロモ−2−クロロ−安息香酸の混合物に添加した。反応混合物を、14時間攪拌し、次いで、ろ過し及び回転蒸発器においてすべての揮発性構成物質から分離した。残留物を、150mlのジクロロメタンにおいて溶解し、溶液を−5℃に冷却し、及び46.5gのアニソールを添加した。次いで、51.5gの三塩化アルミニウムを、温度が5℃を超えないように回分式に添加した。溶液を、更に1時間1−5℃で攪拌し及び次いで、氷上に注いだ。有機相を、分離し及び水性相を、ジクロロメタンで更に3回抽出した。組み合わされた有機相を、水性1M塩酸で、1M水酸化ナトリウム溶液で2回及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。次いで、有機相を乾燥し、溶剤を除去し及び残留物をエタノールから再結晶化した。
収量:86.3g(理論の64%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=325/327/329(Br+Cl)[M+H] +
実施例II
【化21】

【0059】
(4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼン
75mlのジクロロメタン及び150mlのアセトニトリル中の86.2g(5−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−(4−メトキシ−フェニル)−メタノン及び101.5mlのトリエチルシランの溶液を、10℃に冷却した。次いで、攪拌を伴い、50.8mlの三フッ化ホウ素エーテルを、温度が20℃を超えないように添加した。溶液を14時間周囲温度で攪拌し、更なる9mlのトリエチルシラン及び4.4mlの三フッ化ホウ素エーテルを添加した。溶液を、更に3時間45〜50℃で攪拌し及び次いで、周囲温度に冷却した。70mlの水中の28gの水酸化カリウムウの溶液を添加し及びその混合物を2時間攪拌した。次いで、有機相を、分離し及び水性相を、ジイソプロピルエーテルで更に3回抽出した。組み合わされた有機相を、2M水酸化カリウム溶液で2回及び水性塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し及び次いで、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を蒸発した後、残留物をエタノールで洗浄し及び60℃で乾燥した。
収量:50.0g(理論の61%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=310/312/314(Br+Cl)[M+H] +
実施例III
【化22】

【0060】
4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェノール
150mlのジクロロメタン中の14.8gの4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−メトキシ−ベンジル)−ベンゼンの溶液を、氷浴において冷却した。次いで、ジクロロメタン中の50mlの三臭化ホウ素1M溶液を添加し及び溶液を2時間周囲温度で攪拌した。溶液を、次いで、再び氷浴において冷却し、及び飽和炭酸カリウム溶液を滴下した。周囲温度で、混合物を、水性1M塩酸でpH1に調節し、有機相を分離し及び水性相を、酢酸エチルで更に3回抽出した。組み合わされた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し及び溶剤を完全に除去した。
収量:13.9g(理論の98%)
質量スペクトル(ESI-):m/z=295/297/299(Br+Cl)[M−H] -
実施例IV
【化23】

【0061】
[4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェノキシ]−t−ブチル−ジメチル−シラン
140mlのジクロロメタン中の13.9gの4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェノールの溶液を、氷浴において冷却した。次いで、20mlのジクロロメタン中の7.54gのt−ブチルジメチルシリルクロライドを、次いで、9.8mlのトリエチルアミン及び0.5gの4−ジメチルアミノピリジンに添加した。溶液を、16時間周囲温度で攪拌し及び次いで、100mlのジクロロメタンで希釈した。有機相を、水性1M塩酸で2回及び水性炭酸水素ナトリウム溶液で1回洗浄し及び次いで、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を、除去した後、残留物を、シリカゲルを通してろ過した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:1)。
収量:16.8g(理論の87%)
質量スペクトル(EI):m/z=410/412/414(Br+Cl)[M]+
以下の化合物は、実施例IVと同じように得ることができる。
(1)[4−(5−ブロモ−2−メチル−ベンジル)−フェノキシ]−t−ブチル−ジメチル−シラン
【化24】

【0062】
質量スペクトル(EI):m/z=390/392(Br)[M]+
実施例V
【化25】

【0063】
1−ブロモ−4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンゼン
アルゴン下で、11.6mlのトリイソプロピルアセチレン及び14.4mlのトリエチルアミン、次いで、0.2gのヨウ化銅及び0.73gのビス−(トリフェニルホスフィン)−二塩化パラジウムを、150mlの乾燥テトラヒドロフラン中の15.0gの1−ブロモ−4−ヨード−ベンゼンの酸素のない溶液に添加した。その溶液を、16時間周囲温度で攪拌し及び次いで、セリットを通してろ過し及び蒸発した。残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン)でのクロマトグラフィにかけた。
収量:17.4g(理論の100%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=336/338(Br)[M]+
以下の化合物は、実施例Vと同じように得ることができる:
(1)[4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シラン
4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−ヨード−ベンジル)−ベンゼンを、出発物質として使用した。
【化26】

【0064】
この化合物は、また、実施例Xに従って得ることができる。
実施例VI
【化27】

【0065】
(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−{4−[(トリイソプロピルシリル)−エチニル]−フェニル}−メタノール
ヘキサン中の33.8mlのn−ブチルリチウムの1.6M溶液を、アルゴン下で、−78℃に冷却された120mlの乾燥テトラヒドロフラン中の17.4gの1−ブロモ−4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンゼンの溶液に滴下した。溶液を、1時間−70℃で攪拌した。次いで、30mlのテトラヒドロフランにおいて溶解された10.8gの5−ブロモ−2−フルオロ−ベンズアルデヒドを、15分かけて滴下した。得られた溶液を、冷却槽に置いて、一晩温めて周囲温度にした。次いで、水を添加し及び混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わされた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し及び溶剤を除去した。残留物を、シリカゲルで精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)。
収量:14.3g(理論の60%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=461/463(Br)[M+H]+
【0066】
以下の化合物は、実施例VIと同じように得ることができる:
(1)(3−ブロモ−フェニル)−{4−[(トリイソプロピルシリル)−エチニル]−フェニル}−メタノール
【化28】

【0067】
質量スペクトル(ESI-):m/z=487/489(Br)[M+HCOO]-
(2)(5−ブロモ−2−メトキシ−フェニル)−{4−[(トリイソプロピルシリル)−エチニル]−フェニル}−メタノール
【化29】

【0068】
質量スペクトル(ESI+):m/z=473/475(Br)[M+H]+
(3)(5−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−(4−トリメチルシリル−フェニル)−メタノール
【化30】

【0069】
(4)(3−ブロモ−4−メトキシ−フェニル)−{4−[(トリイソプロピルシリル)−エチニル]−フェニル}−メタノール
【化31】

【0070】
質量スペクトル(ESI-):m/z=517/519(Br)[M+HCOO]-
実施例VII
【化32】

【0071】
[4−(5−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シラン
50mlのジクロロメタン中の5.6gの(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−{4−[(トリイソプロピルシリル)−エチニル]−フェニル}−メタノール及び4.1mlのトリエチルシランの溶液を、氷浴において冷却した。次いで、4.7mlのトリフルオロ酢酸を、ゆっくりと滴下し、及び溶液を、4時間周囲温度で攪拌した。溶液をジクロロメタンで希釈し及び水性炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶剤を除去し及び残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン)を用いて精製した。
収量:2.6g(理論の48%)
質量スペクトル(EI):m/z=445/447(Br)[M]+
以下の化合物を、実施例VIIと同じように得ることができる:
(1)[4−(3−ブロモ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シラン
【化33】

【0072】
質量スペクトル(ESI+):m/z=427/429(Br)[M+H]+
(2)[4−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シラン
先に記載した方法から逸脱して、反応溶液を、反応が完成するまで周囲温度の代わりに氷浴において攪拌した。
【化34】

【0073】
質量スペクトル(ESI+):m/z=457/459(Br)[M+H]+
(3)[4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェニル]−トリメチル−シラン
【化35】

【0074】
(4)[4−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シラン
先に記載した方法から逸脱して、反応溶液を、反応が完成するまで周囲温度の代わりに氷浴において攪拌した。
【化36】

【0075】
質量スペクトル(ESI+):m/z=457/459(Br)[M+H]+
実施例VIII
【化37】

【0076】
4−ブロモ−2−ブロムメチル(brommethyl)−1−クロロ−ベンゼン
4.0gのN−ブロモスクシンイミドを、5℃に冷却した50mlのテトラヒドロフラン中の5.0gの4−ブロモ−1−クロロ−2−ヒドロキシメチル−ベンゼン及び5.9gのトリフェニルホスフィンの溶液に、ゆっくりと添加した。周囲温度で1時間攪拌した後、沈殿物をろ過除去し及び溶剤を真空で除去した。残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル50:1)で精製した。
収量:4.9g(理論の76%)
質量スペクトル(EI):m/z=282/284/286(Br+Cl)[M]+
実施例IX
【化38】

【0077】
(4−ヨード−フェニルエチニル)−トリイソプロピル−シラン
アルゴン下で、18.0gのヨウ化ナトリウム(乾燥)、0.6gのヨウ化銅及び0.8gのN,N’−ジメチル−シクロヘキサン−1,2−ジアミンを、20.0gの(4−ブロモ−フェニルエチニル)−トリイソプロピル−シランの溶液に添加した。溶液を、24時間攪拌を伴い還流し及び次いで、周囲温度に冷却した。1%アンモニア溶液(100ml)を添加し及び混合物を酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶剤を除去し及び残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン)を用いて精製した。
収量:21.0g(理論の92%)
質量スペクトル(EI):m/z=384[M]+
実施例X
【化39】

【0078】
[4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シラン
アルゴン下で、テトラヒドロフラン中の0.66mlの塩化イソプロピルマグネシウムの2M溶液を、−25℃に冷却された2.2mlの乾燥テトラヒドロフラン中の0.50gの(4−ヨード−フェニルエチニル)−トリイソプロピル−シランの溶液に滴下した。溶液を、30分間−25℃で攪拌し及び次いで、テトラヒドロフラン中の0.26mlのCuCN*2LiClの1M溶液(1:2の比でCuCN及びLiClを溶解することにより製造された)と組み合わせた。その後間もなく、0.35gの4−ブロモ−2−ブロモメチル−1−クロロベンゼンを添加し及び反応混合物を、冷却槽において−5℃にした。−5℃で6時間攪拌した後、溶液を、周囲温度に加熱し及び一晩攪拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液及び25%アンモニア溶液の混合物(9:1)を添加し及び得られた混合物を水に添加した。有機相を、分離除去し及び水性相を、酢酸エチルで抽出し、組み合わされた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、及び溶剤を除去した。残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン)で精製した。
収量:0.28g(理論の50%)
質量スペクトル(EI):m/z=461/463/465(Br+Cl)[M+H]+
【0079】
実施例XI
【化40】

【0080】
2,3,4,6−テトラキス−O−(トリメチルシリル)−D−グルコピラノン
200mlのテトラヒドロフラン中の20gのD−グルコノ−1,5−ラクトン及び98.5mlのN−メチルモルホリンの溶液を、−5℃に冷却した。次いで85mlのトリメチルシリルクロライドを、温度が5℃を超えないように滴下した。溶液を、次いで、1時間周囲温度で、5時間35℃で、及び再び14時間周囲温度で攪拌した。300mlのトルエンの添加後、溶液を氷浴において冷却し、及び500mlの水を温度が10℃を超えないように添加した。有機相を、次いで、分離除去し及び各々のケースにおいて1回、水性リン酸二水素ナトリウム溶液、水及び飽和水性塩化ナトリウム溶液で洗浄した。溶剤を除去し及び残留物をトルエンで共沸的に乾燥した。
収量:52.5g(約90%純粋)
質量スペクトル(ESI+):m/z=467[M+H]+
実施例XII
【化41】

【0081】
1−フルオロ−4−(1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
30mlの乾燥ジエチルエーテル中の4.46gの[4−(5−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シランの溶液を、−80℃にアルゴン下で冷却した。ペンタン中の11.8mlのt−ブチルリチウムの1.7M溶液を、冷却された溶液にゆっくりと滴下し及び次いで、溶液を45分間−80℃で攪拌した。次いで、−80℃に冷却された50mlのジエチルエーテル中の5.19gの2,3,4,6−テトラキス−O−(トリメチルシリル)−D−グルコピラノンの溶液を、トランスファーニードル(transfer needle)を通してこの溶液に滴下した。得られた溶液を、3時間−78℃で攪拌した。次いで、50mlのメタノール中の1.7mlのメタンスルホン酸の溶液を添加し、冷却槽を除去し及び溶液を16時間周囲温度で攪拌した。溶液を、次いで、エチルジイソプロピルアミンで中和し及び乾燥するまで蒸発した。残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/メタノール50:1−>4:1)で精製した。
収量:2.8g(理論の50%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=576[M+NH4]+
【0082】
以下の化合物は、実施例XIIと同じように得ることができる:
(1)1−メトキシ−4−(1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
有利には、反応混合物を、メタンスルホン酸の代わりに酢酸で急冷した。
【化42】

【0083】
質量スペクトル(ESI+):m/z=588[M+NH4]+
(2)1−クロロ−4−(1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化43】

【0084】
質量スペクトル(ESI+):m/z=592/594(Cl)[M+NH4]+
(3)1−メチル−4−(1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(t−ブチル−ジメチル−シリルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン
【化44】

【0085】
質量スペクトル(ESI+):m/z=522[M+NH4]+
(4)1−メトキシ−2−(1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−4−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
有利には、反応混合物を、メタンスルホン酸の代わりに酢酸で急冷した。
【化45】

【0086】
質量スペクトル(ESI+):m/z=588[M+NH4]+
実施例XIII
【化46】

【0087】
1−フルオロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
6mlのジクロロメタン及び10mlのアセトニトリル中の0.8gの1−フルオロ−4−(1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン及び0.5mlのトリエチルシランの溶液を、−10℃に冷却した。0.27 mlの三フッ化ホウ素エーテルを、冷却された溶液に滴下した。溶液を、次いで、3時間氷浴において攪拌した。水性炭酸水素ナトリウム溶液を、その溶液に添加し及び次いで、混合物を、酢酸エチルで抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を除去し及び残留物を、6mlのジクロロメタンに取り込んだ。次いで、1.2mlのピリジン、1.3mlの無水酢酸及び8mgの4−ジメチルアミノピリジンを添加した。溶液を、1時間周囲温度で攪拌し及び次いで、水と組み合わせた。混合物を、ジクロロメタンで抽出し、有機相を、1M塩酸で洗浄し及び硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を除去した後、残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル4:1−>1:1)でのクロマトグラフィにかけた。
収量:0.23g(理論の23%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=714[M+NH4]+
【0088】
以下の化合物は、実施例XIIIと同じように得ることができる:
(1)1−メトキシ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化47】

【0089】
質量スペクトル(ESI+):m/z=726[M+NH4]+
(2)1−クロロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化48】

【0090】
質量スペクトル(ESI+):m/z=730/732(Cl)[M+NH4]+
(3)1−メチル−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(t−ブチル−ジメチル−シリルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン
【化49】

【0091】
質量スペクトル(ESI+):m/z=660[M+NH4]+
(4)1−メトキシ−2−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−4−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化50】

【0092】
質量スペクトル(ESI+):m/z=726[M+NH4]+
実施例XIV
【化51】

【0093】
1−メチル−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−ベンゼン
テトラヒドロフラン中の2.02mlのテトラブチルアンモニウムフッ化物の1M溶液を、10mlのテトラヒドロフラン中の1.3gの1−メチル−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(t−ブチル−ジメチル−シリルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン及び0.12mlの酢酸の溶液に添加した。溶液を、30分間周囲温度で攪拌し及び次いで、50mlの酢酸エチル及び10mlの水を添加した。有機層を分離し、水性NaHCO3溶液で洗浄し、及びMgSO4で乾燥した。溶剤の除去後、残留物を酢酸エチル及び石油エーテルで再結晶化した。
収量:0.90g(理論の84%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=546[M+NH4]+
実施例XV
【化52】

【0094】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−トリイロプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
20mlの乾燥ジエチルエーテル中の2.6gの[4−(3−ブロモ−ベンジル)−フェニルエチニル]−トリイソプロピル−シランの溶液を、−80℃にアルゴン下で冷却した。ペンタン中の7.9mlのt−ブチルリチウムの1.7M溶液を、冷却された溶液にゆっくりと滴下し、及び次いで、溶液を30分間−80℃で攪拌した。−80℃に冷却された30mlのジエチルエーテル中の3.2gの2,3,4,6−テトラキス−O−(トリメチルシリル)−D−グルコピラノンの溶液を、次いで、この溶液にトランスファーニードルを通して滴下した。得られた溶液を、2時間−78℃で攪拌し及び次いで、−80℃に冷却された10mlのジエチルエーテル中の1.0gの2,3,4,6−テトラキス−O−(トリメチルシリル)−D−グルコピラノンの別の溶液を滴下した。−78℃で更に1時間攪拌した後、20mlのメタノール中の2mlのメタンスルホン酸の溶液を添加し、冷却槽を除去し及び溶液を、16時間周囲温度で攪拌した。溶液を、次いで、エチルジイソプロピルアミンで中和し、溶剤を完全に除去し及び残留物を、50mlのトルエンに取り込んだ。8.5mlのエチルジイソプロピルアミンを添加し、及び溶液を氷浴において冷却した。次いで、4.3mlの無水酢酸及び0.15gの4−ジメチルアミノピリジンを添加した。溶液を2時間周囲温度で攪拌し及び次いで、水性炭酸水素ナトリウム溶液と組み合わせた。酢酸エチルでの抽出後、組み合わされた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、及び溶剤を除去した。残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル4:1−>1:3)でのクロマトグラフィにかけた。
収量:2.0g(理論の46%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=726[M+NH4]+
実施例XVI
【化53】

【0095】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−トリイロプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン
1.2mlのトリエチルシラン及び0.36mlの三フッ化ホウ素エーテルを、10mlのアセトニトリル中の1.0gの1−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−メトキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼン及び25μlの水の氷冷された溶液に滴下した。溶液を、次いで、3時間氷浴において及び1時間周囲温度で攪拌した。次いで、溶液を、再び、氷浴において冷却し、及び別の1.2mlのトリエチルシラン及び0.36mlの三フッ化ホウ素エーテルを添加した。溶液を、更なる0.5時間氷浴において及び2時間周囲温度で攪拌した。水性炭酸水素ナトリウム溶液を、次いで、反応溶液に添加し、及び得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し及び溶剤を除去した。
収量:0.78g(理論の81%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=696[M+NH4]+
実施例XVII
【化54】

【0096】
1−フルオロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−エチニル−ベンジル)−ベンゼン
テトラヒドロフラン中の0.33mlのテトラブチルアンモニウムフッ化物の1M溶液を、1.5mlのテトラヒドロフラン中の0.23gの1−フルオロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(トリイソプロピルシリルエチニル−ベンジル)−ベンゼンの溶液に添加した。溶液を、1時間周囲温度で攪拌した。次いで、1mlのメタノール及び1.5mlの4M水酸化カリウムを添加し及び溶液を、更なる1時間周囲温度で攪拌した。溶液を、1M塩酸で中和し及び次いで、メタノールを蒸発除去した。残留物を、水性塩化ナトリウム溶液と組み合わせ及び酢酸エチルで抽出した。収集された有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、及び溶剤を除去した。残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/メタノール19:1−>2:1)でのクロマトグラフィにかけた。
収量:0.060g(理論の49%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=390[M+NH4]+
【0097】
以下の化合物は、実施例XVIIと同じように得ることができる:
(1)1−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−エチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化55】

【0098】
質量スペクトル(ESI+):m/z=372[M+NH4]+
(2)1−メトキシ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−エチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化56】

【0099】
質量スペクトル(ESI+):m/z=402[M+NH4]+
(3)1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−エチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化57】

【0100】
質量スペクトル(ESI+):m/z=406/408(Cl)[M+NH4]+
以下の化合物は、また、実施例XXIと同じように合成され得る。
(4)2−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−1−メトキシ−4−(4−エチニル−ベンジル)−ベンゼン
【化58】

【0101】
質量スペクトル(ESI+):m/z=402[M+NH4]+
(5)1−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−エチニル−ベンジル)−4−メチル−ベンゼン
【化59】

【0102】
質量スペクトル(ESI+):m/z=386[M+NH4]+
実施例XVIII
【化60】

【0103】
1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−ヒドロキシベンジル−ベンゼン
42mlの乾燥ジエチルエーテル中の4.0gの[4−(5−ブロモ−2−クロロ−ベンジル)−フェノキシ]−t−ブチル−ジメチル−シランの溶液を、−80℃にアルゴン下で冷却した。ペンタン中の11.6mlのt−ブチルリチウムの1.7M溶液を、冷却された溶液にゆっくりと滴下し及び次いで、溶液を、30分間−80℃で攪拌した。この溶液を、次いで、ドライアイスで冷却したトランスファーニードルを通して、−80℃に冷却された38mlのジエチルエーテル中の4.78gの2,3,4,6−テトラキス−O−(トリメチルシリル)−D−グルコピラノンの溶液に滴下した。得られた溶液を、3時間−78℃で攪拌した。次いで、35mlのメタノール中の1.1mlのメタンスルホン酸の溶液を添加し及び溶液を16時間周囲温度で攪拌した。溶液を、次いで、固形炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルを添加し及びメタノールを、エーテルと一緒に除去した。水性炭酸水素ナトリウム溶液を、酢酸エチルで4回抽出された残りの溶液に添加した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し及び蒸発した。残留物を、30mlのアセトニトリル及び30mlのジクロロメタンにおいて溶解し及び得られた溶液を、−10℃に冷却した。4.4mlのトリエチルシランの添加後、2.6mlの三フッ化ホウ素エーテルを、温度が−5℃を超えないように滴下した。添加が終了した後、溶液を更なる5時間−5〜−10℃で攪拌し及び次いで、水性炭酸水素ナトリウム溶液の添加により急冷した。有機相を、分離除去し及び水性相を、酢酸エチルで4回抽出した。組み合わされた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を除去し及び残留物を、シリカゲルを用いて精製した。そのようにして得られた生成物は、ジクロロメタン中の無水酢酸及びピリジンでのヒドロキシ基の完全なアシル化及びエタノール中での生成物の再結晶化により純粋なβ−アノマーに転化され得る、β/aの約6:1の混合物であった。そのようにして得られた生成物を、メタノールにおいて4M水酸化カリウム溶液と反応させることにより表題化合物に転化した。
収量:1.6g(理論の46%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=398/400(Cl)[M+H]+
実施例XIX
【化61】

【0104】
1−クロロ−2−(4−アセトキシ−ベンジル)−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−ベンゼン
200mLのジクロロメタン中の14.6gの1−クロロ−2−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−ベンゼンの溶液に、連続して、36mLのピリジン、40mLの無水酢酸及び400mgの4−ジメチルアミノピリジンを添加した。反応溶液を、周囲温度で4時間攪拌した。溶液を、100mLのジクロロメタンで希釈し、300mLの1M塩酸で2回及び水性炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶剤を蒸発し及び残留物を、エタノールで再結晶化した。
収量:18.5g(理論の82%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=608/610(Cl)[M+NH4]+
実施例XX
【化62】

【0105】
1−シアノ−2−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−ベンゼン
0.5mLのN−メチル−2−ピロリジノン中の200mgの1−クロロ−2−(4−アセトキシ−ベンジル)−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル−1−イル)−ベンゼン、35mgのシアン化ナトリウム及び75mgの臭化ニッケルの混合物を、電子オーブンにおいて220℃で15分間加熱した。室温に冷却後、水を添加し及び得られた混合物を、酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶剤の蒸発後、残留物を3mLのメタノールに溶解した。3mLの4M水性水酸化カリウム溶液を添加し及び反応溶液を、周囲温度で3時間攪拌した。溶液を、1M塩酸で中和し及びメタノールを蒸発した。残留物を、酢酸エチルで抽出し、組み合わされた抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥し及び溶剤を、減圧下で除去した。残留物を、逆相のHPLC(YMC C18;水/アセトニトリル95:5−>1:99)により精製した。
収量:35mg(理論の27%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=389[M+NH4]+
実施例XXI
【化63】

【0106】
1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン
10mgの4−ジメチルアミノピリジンを、10mlの乾燥ジクロロメタン中の0.38gの1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、0.21mlのトリエチルアミン及び0.39gのN,N−ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)−アニリンの溶液に添加した。溶液を4時間周囲温度で攪拌し及び次いで水性塩化ナトリウム溶液と組み合せた。それを酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、及び溶剤を除去した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール1:0−>4:1)にかけた。
収量:0.33g(理論の64%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=530/532(Cl)[M+NH4]+
以下の化合物は実施例XXIと同じようにして得ることができる。
(1)1−シアノ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン
【化64】

【0107】
実施例XXII
【化65】

【0108】
1−クロロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン
75mLのジクロロメタン中の5.6gの1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンゼンの溶液に、連続して、7mLのピリジン、7.8mLの無水酢酸及び0.12gの4−ジメチルアミノピリジンを添加した。溶液を、周囲温度で1時間攪拌した。50mLの水を添加した後、得られた混合物を、更に5分間攪拌した。有機相を、分離し及び水性1M塩酸及び水性炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムでの乾燥及び有機溶剤の蒸発後、生成物を白色固体として得た。
収量:7.0g(理論の94%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=698/700(Cl)[M+NH4]+
以下の混合物を、実施例XXIIと同じように得ることができる:
(1)1−シアノ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンゼン
【化66】

【0109】
実施例XXIII
【化67】

【0110】
1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−(4−エチニル−ベンジル)−ベンゼン
25mgのヨウ化銅、44mgのビス−(トリフェニルホスフィン)−二塩化パラジウム、0.30mlのトリエチルアミン及び最終的に0.14mlのトリメチルシリルアセチレンを、アルゴン下で、3mlのジメチルホルムアミド中の0.32gの
1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンゼンの溶液に添加した。フラスコを、きつくシールし及び8時間90℃で攪拌した。次いで、別の25mgのビス−(トリフェニルホスフィン)−二塩化パラジウム及び0.1mlのトリメチルシリルアセチレンを添加し、及び溶液を更に10時間90℃で攪拌した。次いで、水性炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出し、及び組み合わされた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を除去した後、残留物を5mlのメタノールに溶解し及び0.12gの炭酸カリウムと組み合わせた。混合物を、1時間周囲温度で攪拌し及び次いで1M塩酸で中和した。次いで、メタノールを蒸発除去し、残留物を水性製塩化ナトリウム溶液と組み合わせ及び酢酸エチルで抽出した。収集した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、及び溶剤を除去した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール1:0−>5:1)にかけた。
収量:0.095g(理論の40%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=406/408(Cl)[M+NH4]+
この化合物を、また、実施例XVIIと同じように得ることができる。
実施例XXIV
【化68】

【0111】
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルーD−グルコピラノン
4gの新鮮な活性化分子篩4Å及び3.3gのN−メチルモルホリン−N−オキシドを、140mlのジクロロメタン中の10.0gの2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−a−D−グルコピラノースの溶液に添加した。0.3gの過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを添加する前に、溶液を20分間周囲温度で攪拌した。周囲温度で2時間攪拌した後、溶液をジクロロメタンで希釈し及びセリットを通してろ過した。ろ液を、水性チオ硫酸ナトリウム溶液及び水で洗浄し及び次いで、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を除去した後、残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィ(シクロヘキサン/酢酸エチル4:1)にかけた。
収量:8.2g(理論の82%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=539[M+H]+
実施例XXV
【化69】

【0112】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−ヒドロキシ−D−グルコピラノース−1−イル)−3−[4−(t−ブチル−ジメチル−シリルオキシ)−ベンジル]
−4−メチル−ベンゼン
3mlの乾燥テトラヒドロフラン中の0.34gの[4−(5−ブロモ−2−メチル−ベンジル)−フェノキシ]−t−ブチル−ジメチル−シランの溶液を、−80℃にアルゴン下で冷却した。ヘキサン中の0.54mlのn−ブチルリチウムの1.6M溶液を、冷却された溶液に滴下し、及び溶液を1.5時間−78℃で攪拌した。−80℃に冷却された2.5mlのテトラヒドロフラン中の0.43gの2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノンの溶液を、この溶液にトランスファーニードルにより滴下した。得られた溶液を、5時間−78℃で攪拌した。反応物を1mlのテトラヒドロフラン中の0.1mlの酢酸の溶液で急冷し及び周囲温度に加熱した。次いで、水性炭酸水素ナトリウム溶液を添加し及び混合物を4回、酢酸エチルで抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し及び蒸発した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィ(シクロヘキサン/酢酸エチル15:1−>4:1)により精製した。
収量:0.48g(約88%純粋)
質量スペクトル(ESI+):m/z=868[M+H]+
実施例XXVI
【化70】

【0113】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−4−メチル−ベンゼン
3.5mlの乾燥アセトニトリル中の0.48g(約88%純粋)の1−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−ヒドロキシ−D−グルコピラノシル)−3−[4−(t−ブチル−ジメチル−シリルオキシ)−ベンジル]−4−メチル−ベンゼンの溶液を、−40℃にアルゴン下で冷却した。0.13mlのトリイソプロピルシラン及び0.08mlの三フッ化ホウ素エーテルを、冷却された溶液に滴下した。別の0.02mlのトリイソプロピルシラン及び0.01mlの三フッ化ホウ素エーテルを添加する前に、溶液を、3時間−35℃で攪拌した。−40℃で更なる2時間後、水性炭酸カリウムを添加し及び溶液を1時間周囲温度で攪拌した。次いで、それを水で希釈し及び酢酸エチルで4回抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し及びシリカゲルでのクロマトグラフィ(シクロヘキサン/酢酸エチル10:1−>4:1)にかけた。
収量:0.24g(理論の68%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=738[M+NH4]+
実施例XXVII
【化71】

【0114】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−4−メチル−ベンゼン
4.5mlの乾燥ジクロロメタン中の0.62gの1−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−4−メチル−ベンゼンの溶液を、−10℃にアルゴン下で冷却した。0.14mlのピリジン及び0.3gのトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.5mlのジクロロメタン中)の溶液を、冷却された溶液に添加した。溶液を、水性炭酸水素ナトリウム溶液が添加される前に、0.5時間−5〜−10℃で攪拌した。混合物を、3回ジクロロメタンで抽出し、組み合わされた有機相を、水性1M塩酸で洗浄し及び硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を除去した後、残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィ(シクロヘキサン/酢酸エチル15:1−>7:1)にかけた。
収量:0.62g(理論の84%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=853[M+H]+
【0115】
以下の化合物を、実施例XXVIIと同じように得ることができる:
(1)1−メチル−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−ベンセン
【化72】

【0116】
質量スペクトル(ESI+):m/z=678[M+NH4]+
実施例XXVIII
【化73】

【0117】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−[4−(トリメチルシリルエチニル)−ベンジル]−4−メチル−ベンゼン
アルゴン下、17.3mgのヨウ化銅、31.9mgのビス−(トリフェニルホスフィン)−二塩化パラジウム、0.22mlのトリエチルアミン及び最終的に0.19mlのトリメチルシリルアセチレンを、1.5mlのジメチルホルムアミド中の0.30gの1−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−3−[4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンジル]−4−メチル−ベンゼンの溶液に添加した。フラスコを、きつくシールし及び90℃で一晩攪拌した。4時間後、追加の20mgのビス−(トリフェニルホスフィン)−二塩化パラジウム及び0.2mlのトリメチルシリルアセチレンを添加し、及び混合物を90℃で4時間更に攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、溶剤を除去し及び残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィ(シクロヘキサン/酢酸エチル4:1−>1:2)より精製した。
収量:200mg(理論の72%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=626[M+H]+
以下の化合物を、実施例XXVIIIと同じように得ることができる:
(1)1−クロロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−{4−[(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)−エチニル]−ベンジル}−ベンゼン
【化74】

【0118】
質量スペクトル(ESI+):m/z=658/660(Cl)[M+NH4]+
(2)1−クロロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−{4−[(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−エチニル]−ベンジル}−ベンゼン
【化75】

【0119】
質量スペクトル(ESI+):m/z=644/646(Cl)[M+NH4]+
最終化合物の製造:
実施例1
【化76】

【0120】
1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−{4−[(1−ヒドロキシ−シクロペンチル)エチニル]−ベンジル}−ベンゼン
4mLのメタノール及び2mLのテトラヒドロフラン中の0.73gの1−クロロ−4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−[4−(1−ヒドロキシ−シクロペンチル−エチニル)−ベンジル]−ベンゼンの溶液に、水中の5.1mLの水酸化ナトリウムの1M溶液を添加した。反応溶液を、周囲温度で1時間攪拌し及び次いで、1M塩酸で中和した。溶剤を除去し及び塩水を残留物に添加した。得られた混合物を、酢酸エチルで抽出し及び組み合わされた有機抽出物を、水及び塩水で洗浄し及び硫酸ナトリウムで乾燥した。真空での溶剤の除去後、生成物を得た。
収量:540mg(理論の100%)
質量スペクトル(ESI+):m/z=490/492[M+NH4]+
以下の化合物を、実施例1と同じように得ることができる:
(1)1−クロロ−4−(β−D−グルコピラノース−1−イル)−2−{4−[(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−エチニル]−ベンジル}−ベンゼン
【化77】

【0121】
質量スペクトル(ESI+):m/z=476/478(Cl)[M+NH4]+
以下の化合物を、また、上記の実施例及び文献より知られる他の方法と同じように製造することができる:
【化78】

【0122】
【化79】

【0123】
【化80】

【0124】
配合物のいくつかの例を記載するが、その中において、用語“活性物質”は、本発明のよる1又はそれより多くの化合物(それらの塩を含む)を示す。先に記載されるような1又は追加の活性物質との1つの組み合わせのケースにおいて、用語“活性物質”は、また、追加の活性物質を含む。
実施例A
100mgの活性物質を含有するタブレット
組成:
1つのタブレットは、以下を含有する:

【0125】
製造の方法:
活性物質、ラクトース及びデンプンを、一緒に混合し及びポリビニルピロリドンの水性溶液で均一に湿らせた。湿潤組成物をスクリーンにかけ(2.0mmのメッシュサイズ)及びラック−タイプのドライヤーにより50℃で乾燥した後、それを、再びスクリーンにかけ(1.5mmのメッシュサイズ)及び潤滑剤を添加した。最終混合物を、圧縮して、タブレットを形成した。
タブレットの質量:220mg
直径:10mm、両面がファセット(facet)され及び片面がノッチされた2平面。
【0126】
実施例B
150mgの活性物質を含有するタブレット
組成:
1つのタブレットは、以下を含有する:

製造:
ラクトース、コーンスターチ及びシリカと混合された活性物質を、20%水性ポリビニルピロリドン溶液で湿潤し及び1.5mmのメッシュサイズを有するスクリーンに通過させた。45℃で乾燥した顆粒を、再び同一のスクリーンに通過させ及び特定量のステアリン酸マグネシウムと混合した。タブレットを、混合物から圧縮した。
タブレットの質量:300mg
ダイ:10mm、平面
【0127】
実施例C
150mgの活性物質を含有する硬質ゼラチンカプセル
組成:
1つのカプセルは、以下を含有する:

製造:
活性物質を、賦形剤と混合し、0.75mmのメッシュサイズを有するスクリーンに通過させ及び適切な装置を用いて均質に混合した。最終混合物を、サイズ1の硬質ゼラチンカプセルにパックした。
カプセル充填;約320mg
カプセル殻:サイズ1の硬質ゼラチンカプセル
【0128】
実施例D
150mgの活性物質を含有する座薬
組成:
1つの座薬は、以下を含有する:

製造:
座薬の塊を溶融した後、活性物質をその中に均質に分配し及び溶融物を、冷却された金型に注いだ。
【0129】
実施例E
10mgの活性物質を含有するアンプル
組成:

製造:
活性物質を、必要量の0.01 N HClにおいて溶解し、食塩で等張にし、無菌ろ過し及び2mlのアンプル内に移送した。
【0130】
実施例F
50mgの活性物質を含有するアンプル
組成:

製造:
活性物質を、必要量の0.01 N HClにおいて溶解し、食塩で等張にし、無菌ろ過し及び10mlのアンプル内に移送した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式Iのグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体、それらの互変体、立体異性体、それらの混合物又はそれらの塩:
【化1】

(式中、R1は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-4アルキル、C2-6アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニル−C1-4アルコキシ、C2-4アルキニル−C1-4アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル、1〜5個のフッ素原子により置換されたエチル、1〜3個のフッ素原子により置換されたメトキシ、1〜5個のフッ素原子により置換されたエトキシ、ヒドロキシ又はC1-3アルコキシ基により置換されたC1-4アルキル、ヒドロキシ又はC1-3アルコキシ基により置換されたC2-4アルコキシ、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル−C1-3アルキル、C3-7シクロアルキルオキシ、C3-7シクロアルキル−C1-3アルコキシ、C5-7シクロアルケニルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ又はシアノを示すが、C5-6シクロアルキル基において、メチレン基は、Oにより置換されていてもよく;
2は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ又はニトロを示すが、アルキル又はアルコキシ基は、フッ素により一又は多置換されていてもよく、
及び
3は、1〜4個の置換基L2により置換されたC3-7シクロアルキル、又は
1〜4個の置換基L2により置換されていてもよいテトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルを示し、及び
4、R5は、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又は1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル−又はメトキシ−基を示し、
L1は、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、シアノ、C1-3アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C1-3アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、C1-3アルキル−アミノ及びジ(C1-3アルキル)−アミノより選択され;
及び
L2は、互いに独立して、フッ素、塩素、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル、シアノ、C1-4アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、C1-4アルキル−カルボニルアミノ、C1-3アルキル−アミノ及びジ(C1-3アルキル)−アミノより選択され;及び
6、R7a、R7b、R7cは、互いに独立して、水素、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルより選択されるが、アリール基は、互いに独立して、同一又は異なる基L1により一又は二置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、定義されるように置換されていてもよいフェニル又はナフチル基を意味し;及び
一方、他に記載のない限り、上記アルキル基は、直鎖又は分枝であってもよい)。
【請求項2】
以下の一般式1.2のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体:
【化2】

(式中、基R1〜R6及びR7a、R7b及びR7cは、請求項1において定義されるものである)。
【請求項3】
基R3が、請求項1において記載される、1又は2個の置換基L2で置換される、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル又はテトラヒドロピラン−4−イルを示し;又は、R3が、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イル又はテトラヒドロピラン−4−イルを示す、請求項1又は2に記載のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体。
【請求項4】
基R1が、水素、フッ素、塩素、臭素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル、1〜3固のフッ素原子により置換されたメトキシ、シアノ、C3-7シクロアルキルオキシ又はC3-7シクロアルキル−C1-3アルコキシを示すが、C5-6シクロアルキル基において、メチレン基がOにより置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか1項に記載のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体。
【請求項5】
基R2が、水素、フッ素、塩素、メチル、メトキシ、エトキシ及び1〜3個のフッ素原子により置換されたメチルを示す、請求項1〜4のいずれか1項に記載のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体。
【請求項6】
基R4及び/又はR5が、互いに独立して、水素又はフッ素を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体。
【請求項7】
基R6が、水素、(C1-8アルキル)オキシカルボニル、C1-8アルキルカルボニル又はベンゾイル、好ましくは、水素を示す、請求項1〜6のいずれか1項に記載のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体。
【請求項8】
7a、R7b、R7cが、水素を表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載のグルコピラノシル−置換((ヘテロ)シクロアルキルエチニル−ベンジル)−ベンゼン誘導体。
【請求項9】
無機又は有機酸を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の生理学的に許容可能な塩。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩を、場合により、1又はそれより多くの不活性キャリヤ及び/又は希釈剤と一緒に含有する医薬組成物。
【請求項11】
ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLTを抑制することにより影響され得る疾患又は状態の治療又は予防に適切である医薬組成物を製造するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩の使用。
【請求項12】
代謝性疾患の治療又は予防に適切である医薬組成物を製造するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩の使用。
【請求項13】
代謝性疾患が、1型及び2型糖尿病、糖尿病の合併症、代謝性アシドーシス又はケトーシス、反応性低血糖、高インスリン血、グルコース代謝性疾患、インスリン耐性、メタボリックシンドローム、異なる源の脂質異常症、アテローム性動脈硬化及び関連疾患、肥満、高血圧、慢性心不全、浮腫及び高尿酸血からなる群より選択される請求項12に記載の使用。
【請求項14】
ナトリウム−依存グルコース共輸送体SGLT2を抑制するための医薬組成物を製造するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩の使用。
【請求項15】
膵臓β細胞の変性を予防するための及び/又は膵臓β細胞の機能を改良し及び/又は復元するための医薬組成物を製造するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩の使用。
【請求項16】
利尿薬及び/又は降圧剤を製造するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩の使用。
【請求項17】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又は請求項9に記載の生理学的に許容可能な塩が、非−化学的方法により1又はそれより多くの不活性キャリヤ及び/又は希釈剤に導入される、請求項10に記載の医薬組成物を製造するための方法。
【請求項18】
以下の一般式IIの化合物を、ルイス又はブロンステッド酸の存在下で還元剤と反応させるが、存在する保護基が同時に又はその後開裂され、
所望なら、そのようにして得られた一般式Iの化合物(式中、R6は、水素原子を示す)が、一般式Iの対応アシル化合物にアシル化することにより転化され、及び/又は
必要なら、上記の反応において使用される保護基が、開裂され及び/又は
所望なら、そのようにして得られた一般式Iの化合物が、その立体異性体に分解され及び/又は
所望なら、そのようにして得られた一般式Iの化合物が、それらの塩に、特には、医薬的使用のために、それらの生理学的に許容可能な塩に転化される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の一般式Iの化合物を製造する方法:
【化3】

(式中、R1は、H、C1-4アルキル、(C1-18アルキル)カルボニル、C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルを示し、その中において、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
8a、R8b、R8c、R8dは、互いに独立して、基R6、R7a、R7b、R7cについて記載された意味の1つであり、又はアリル基、ベンジル基又はRabcSi基又はケタール又はアセタール基を示すが、各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、環状ケタール又はアセタール基又は1,2−ジ(C1-3アルコキシ)−1,2−ジ(C1-3アルキル)−エチレンブリッジを形成し得るが、上記のエチレンブリッジは、ピラノース環の2つの酸素原子及び2つの関連炭素原子と一緒に、置換ジオキサン環を形成するが、及びアルキル、アリール及び/又はベンジル基は、ハロゲン又はC1-3アルコキシにより一又は多置換されていてもよく、及びベンジル基は、また、ジ−(C1-3アルキル)アミノ基により置換されていてもよく;及び
a、Rb、Rcは、互いに独立して、C1-4アルキル、アリール又はアリール−C1-3アルキルを示し、その中において、アリール又はアルキル基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を意味し;
及びR1〜R5及びR6、R7a、R7b、R7cは、請求項1〜8に記載の意味を有する)。
【請求項19】
一般式IIの化合物が、請求項20又は21に記載の方法により得られる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
以下の一般式IIの化合物を製造する方法であって、
【化4】

(式中、R’は、H、C1-4アルキル、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルを示し、その中において、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
8a、R8b、R8c、R8dは、互いに独立して、基R6、R7a、R7b、R7cについて記載された意味の1つであり、又はアリル基、ベンジル基又はRabcSi基又はケタール又はアセタール基を示すが、各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、環状ケタール又はアセタール基又は1,2−ジ(C1-3アルコキシ)−1,2−ジ(C1-3アルキル)−エチレンブリッジを形成し得、上記のエチレンブリッジは、ピラノース環の2つの酸素原子及び2つの関連炭素原子と一緒に、置換ジオキサン環を形成し、及びアルキル、アリール及び/又はベンジル基は、ハロゲン又はC1-3アルコキシにより一又は多置換されていてもよく、及びベンジル基は、また、ジ−(C1-3アルキル)アミノ基により置換されていてもよく;及び
a、Rb、Rcは、互いに独立して、C1-4アルキル、アリール又はアリール−C1-3アルキルを示し、その中において、アリール又はアルキル基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を意味し;
及びR1〜R5及びR6、R7a、R7b、R7cは、請求項1〜8に記載された意味である)
ハロゲン−金属交換により又は以下の一般式IVのハロゲンベンジルベンゼン化合物の炭素−ハロゲン結合における金属の挿入及び場合により、その後のトランス金属化により得ることができる有機金属化合物(V)を、以下の一般式VIのグルコノラクトンに添加し、
【化5】

(式中、Halは、Cl、Br及びIを示し及びR1〜R5は、先に定義されたものである)
【化6】

(式中、R8a、R8b、R8c、R8dは、先に定義されたものである)
及び
次いで、得られた付加化合物を、水又はアルコールR’−OHと(ここで、R’は、場合により置換されていてもよいC1-4アルキルを示す)、酸の存在下で反応させ及び場合により、水との反応において得られる生成物(その中において、R’は、Hを示す)を、アシル化剤とのその後の反応において、式II(その中において、R’は、(C1-18アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル又はアリール−(C1-3アルキル)−カルボニル(特定されるように置換されていてもよい)を示す)の生成物に転化する方法。
【請求項21】
有機金属化合物(V)が、リチウム又はマグネシウム化合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
以下の一般式IIIの化合物:
【化7】

(式中、R8a、R8b、R8c、R8dは、互いに独立して、基R6、R7a、R7b及びR7cについて記載された意味の1つであり、しかし、基R8a、R8b、R8c、R8dの少なくとも1つは、水素を示さず、又はアリル基、ベンジル基又はRabcSi基又はケタール又はアセタール基を示すが、各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、環状ケタール又はアセタール基又は1,2−ジ(C1-3アルコキシ)−1,2−ジ(C1-3アルキル)−エチレンブリッジを形成し得、上記エチレンブリッジは、置換ジオキサン環を、ピラノース環の2つの酸素原子及び2つの関連炭素原子と一緒に形成し、及びアルキル、アリール及び/又はベンジル基は、ハロゲン又はC1-3アルコキシにより一又は多置換されていてもよく、及びベンジル基は、また、ジ−(C1-3アルキル)アミノ基により置換されていてもよく;及び
a、Rb、Rcは、互いに独立して、C1-4−アルキル、アリール又はアリール−C1-3−アルキルを表すが、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を意味し;
及びR1〜R5、R6、R7a、R7b、R7cは、請求項1〜8に記載された意味である)において、
8a、R8b、R8c、R8dより選択される保護基を除去し、
所望なら、そのようにして得られる一般式Iの化合物(式中、R6は、水素原子を示す)をアシル化により一般式Iの対応アシル化合物に転化し、及び/又は
必要なら、上記反応において使用されるいすれかの保護基を開裂し及び/又は
所望なら、そのようにして得られる一般式Iの化合物を、その立体異性体に分解し及び/又は
所望なら、そのようにして得られる一般式Iの化合物を、それらの塩に、特には、医薬的使用のためにそれらの生理学的に許容可能な塩に転化する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の一般式Iの化合物を製造する方法。
【請求項23】
式IIIの化合物を、請求項18又は19に記載の方法により得る、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
以下の一般式IV化合物:
【化8】

(式中、Halは、塩素、臭素又はヨウ素を示し及び基R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1〜6のいずれか1項において定義されるものである)。
【請求項25】
以下の一般式IIの化合物:
【化9】

(式中、R’は、H、C1-4アルキル、(C1-18アルキル)カルボニル、C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール−(C1-3アルキル)−カルボニルを示し、その中において、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
8a、R8b、R8c、R8dは、互いに独立して、基R6、R7a、R7b、R7cについて記載した意味の1つであり、又はアリル基、ベンジル基又はRabcSi基又はケタール又はアセタール基を示すが、各々のケースにおいて、2つの隣接基R8a、R8b、R8c、R8dは、環状ケタール又はアセタール基又は1,2−ジ(C1-3アルコキシ)−1,2−ジ(C1-3アルキル)−エチレンブリッジを形成し得、上記エチレンブリッジは、ピラノース環の2つの酸素原子及び2つの関連炭素原子と一緒に、置換ジオキサン環を形成し、及びアルキル、アリール及び/又はベンジル基は、ハロゲン又はC1-3アルコキシにより一又は多置換されていてもよく、及びベンジル基は、また、ジ−(C1-3アルキル)アミノ基により置換されていてもよく;及び
a、Rb、Rcは、互いに独立して、C1-4アルキル、アリール又はアリール−C1-3アルキルを示すが、アルキル又はアリール基は、ハロゲンにより一又は多置換されていてもよく;
一方、上の基の定義において言及されるアリール基は、フェニル又はナフチル基、好ましくは、フェニル基を意味し;
及びR1〜R5は、請求項1〜6のいずれか1項において定義されたものである)。

【公表番号】特表2009−502873(P2009−502873A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523360(P2008−523360)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064702
【国際公開番号】WO2007/014894
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】