説明

グローブボックスの蓋部開閉アシスト機構

【課題】蓋部を開けるときは勿論、閉めるときも良好な操作性を得ることのできるグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構を提供する。
【解決手段】グローブボックス側面に設けられ、グローブボックスの蓋部の開閉操作をアシストする開閉アシスト機構であって、ゼンマイ10Aが巻き取られた巻取りローラ10と、巻取りローラ10側方に回動自在に配置され、巻取りローラ10からゼンマイ10Aを引き出し外周面に巻き付ける巻付けローラ11と、前記両ローラ10,11近傍に回動自在に配置され小径部13Aおよび大径部13Bからなる輪軸13と、一端側が輪軸13の大径部13B外周面に固定され、他端側が蓋部に固定された引き側ワイヤ20と、一端側が巻付けローラ11外周面に固定され、他端側が輪軸13の小径部13A外周面に固定された引かれ側ワイヤ19とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローブボックスの蓋部を開閉する際、その開閉操作をアシストするグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車には、インストルメントパネルのうち助手席側前方にグローブボックスが設けられている。このようなグローブボックスは、車室内側が開口された箱形のグローブボックス容器本体と、グローブボックス容器本体の開口端に、該開口端下方のヒンジを介して取り付けられた蓋部とを備えている。
【0003】
上記グローブボックスにおいては、通常、蓋部はグローブボックス容器本体の開口端にロックされているが、このロックを解除すると、蓋部はその自重で前記ヒンジを中心にして回動することにより、グローブボックス容器本体は開けられた状態となり、また、蓋部をヒンジを中心にして前記とは逆方向に回動させて、蓋部をグローブボックス容器本体の開口端に密着させることにより、グローブボックス容器本体は閉められた状態となる。
【0004】
ところで、蓋部の回動動作が速すぎると、蓋部を開け閉めする際に操作音が発生して耳障りである。そこで、従来のグローブボックスにおいては、蓋部にダンパユニットを接続し、蓋部を開け閉めする際の回動動作をダンパユニットの抵抗力によって緩やかにして、操作音の発生を防ぐようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−175151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、蓋部を開けるときはよいが、蓋部を閉めるときはダンパユニットの抵抗力に対して、蓋部をグローブボックス容器本体の開口端に強く押し付けなければならず、良好な操作性が得られないという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、蓋部を開けるときは勿論、閉めるときも良好な操作性を得ることのできるグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、グローブボックス容器本体の側面に設けられ、該グローブボックス容器本体の開口端下方のヒンジを介して設けられた蓋部の開閉操作をアシストするグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構であって、ゼンマイが巻き取られたゼンマイ巻取り部と、前記ゼンマイ巻取り部の側方に回動自在に配置され、該ゼンマイ巻取り部からゼンマイを引き出して外周面に巻き付けるゼンマイ巻付け部と、前記ゼンマイ巻取り部及び前記ゼンマイ巻付け部の近傍に回動自在に配置され、径の小さい小径部および径の大きい大径部からなる輪軸と、一端側が前記輪軸の大径部の外周面に固定され、他端側が前記蓋部に固定された引き側ワイヤと、一端側が前記ゼンマイ巻付け部の外周面に固定され、他端側が前記輪軸の小径部の外周面に固定された引かれ側ワイヤとを備えたことを特徴としている。
【0008】
蓋部が閉められているとき、蓋部はグローブボックス容器本体の開口端にロックされている。蓋部を開ける際、このロックを解除すると、蓋部は、その自重によってグローブボックス容器本体の開口端下方のヒンジを中心に回動し、蓋部が開いた状態となる。このとき、蓋部によって引き側ワイヤが引っ張られて、輪軸が一方向に回動するとともに、この輪軸の回動によって引かれ側ワイヤが引っ張られる。引き側ワイヤは輪軸の大径部の外周面に、引かれ側ワイヤは輪軸の小径部の外周面にそれぞれ固定されているので、引かれ側ワイヤが引っ張られ輪軸が回動したとき、輪軸が有する梃子の作用により、輪軸は引かれ側ワイヤを大きな力で引っ張ることになる。そして、引かれ側ワイヤが引っ張られると、ゼンマイ巻付け部が所定方向に回動し、その結果、ゼンマイ巻取り部からゼンマイが引き出され、その引き出されたゼンマイがゼンマイ巻付け部の外周面に巻き付けられていく。
【0009】
また、蓋部を閉める際には乗員が蓋部を手で押して、蓋部をヒンジを中心に前記とは逆方向に回動させ、蓋部をグローブボックス容器本体の開口端に密着させることにより、蓋部が閉じた状態となる。このとき、ゼンマイ巻取り部に巻き付けられたゼンマイはその復元力によって元の状態に戻ろうとし、その結果、ゼンマイはゼンマイ巻取り部に巻き取られる。ゼンマイがゼンマイ巻取り部に巻き取られると、ゼンマイ巻付け部が前記とは逆方向に回動し、引かれ側ワイヤが引っ張られて、輪軸が前記一方向とは逆方向に回動する。これにより、引き側ワイヤが引っ張られて、蓋部をスムーズに閉じることができる。
【0010】
このように、上記構成においては、蓋部がその自重によって開く際の力を利用してゼンマイ巻付け部が回動駆動され、そのゼンマイ巻付け部の外周面にゼンマイが巻き付けられるので、巻き付けられたゼンマイには蓋部を開ける際に生じたエネルギ(復元力)が蓄えられており、蓋部を閉める際にゼンマイに蓄えられた前記エネルギを使用して、蓋部の閉じ動作をスムーズに、つまり良好な操作性を持って行うことが可能となっている。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ゼンマイ巻取り部には、前記ゼンマイとして定トルクバネ定数を有するゼンマイが設けられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記ゼンマイ巻付け部の回動に連動して車両前後方向に移動する移動プレートが設けられ、前記蓋部が閉じられるときは、前記移動プレートは前記蓋部のアームに押されて車両前部側に移動して、前記ゼンマイ巻付け部に巻き付けられたゼンマイが前記ゼンマイ巻取り部側に戻るのを許容し、前記蓋部が開けられるときは、前記移動プレートは車両後部側に移動するとともに、その先端部から前記蓋部のアームが離脱することを特徴としている。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記移動プレートの先端部にはピンが設けられ、該ピンは、上に凸の円弧状に形成された係合溝に係合していることを特徴としている。
【0014】
さらに、請求項5に記載の発明はグローブボックスの発明であり、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓋部開閉アシスト機構を搭載したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋部を開けるときは勿論、閉めるときも良好な操作性を得ることが可能なグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例】
【0017】
図1及び図2は本発明に係る蓋部開閉アシスト機構の構成を示しており、図1は蓋部開閉アシスト機構が搭載されたグローブボックスの右側面図、図2は蓋部開閉アシスト機構の斜視図である。
【0018】
グローブボックス1は、図1に示すように、車室側に開口端(開口端は図において右側に設けられている)を有する箱形のグローブボックス容器本体2と、グローブボックス容器本体2の開口端に当該開口端下方のヒンジ3を介して設けられた蓋部4とを備えている。また、蓋部4は、蓋本体4Aと、蓋本体4Aの裏面左右に設けられグローブボックス容器本体2の左右両側面の外側に沿って突出したアーム4Bとを備えている。
【0019】
アーム4Bの先端は分岐し、下方に向かってアーム先端下部4Cが、車両前部に向かってアーム先端前部4Dがそれぞれ形成されている。アーム先端前部4Dの下部には移動プレート15と係合する係合部4Eが設けられている。なお、移動プレート15については後述する。
【0020】
また、グローブボックス容器本体2の左右両側面の周囲には車両幅方向外側に向かって突出した突条2Aが設けられており、この突条2Aのうち、グローブボックス容器本体2の開口端側(図の右側)には切欠き部2Bが形成され、蓋部4のアーム4Bは切欠き部2Bに挿通されている。
【0021】
本発明に係る蓋部開閉アシスト機構5は平板状のモジュールベース6上に設けられ、このモジュールベース6はビス7A〜7Dによってグローブボックス容器本体2の右側面に取り付けられている。
【0022】
モジュールベース6には、図1及び図2に示すように、支軸8及び支軸9が固定され、支軸8にはゼンマイ巻取りローラ(ゼンマイ巻取り部)10が、支軸9にはゼンマイ巻付けローラ(ゼンマイ巻付け部)11がそれぞれ設けられている。ゼンマイ巻取りローラ10は支軸8周りに回動自在に、また、ゼンマイ巻付けローラ11は支軸9周りに回動自在にそれぞれ取り付けられている。ゼンマイ巻取りローラ10にはゼンマイ10Aが装着されており、このゼンマイ10Aの先端はゼンマイ巻取りローラ10から引き出されてゼンマイ巻付けローラ11の外周面に固定されている。
【0023】
また、モジュールベース6には、ゼンマイ巻取りローラ10及びゼンマイ巻付けローラ11よりも車両前後方向に沿って前方側(図1及び図2において左側)に支軸12が設けられ、この支軸12に輪軸13が回動自在に取り付けられている。輪軸13は、直径が小さい小径部13Aと、小径部13Aよりも直径が大きい大径部13Bとを有している。そして、輪軸13は、小径部13Aが車幅方向外側に、大径部13Bが車幅方向内側に位置するように配置されている。
【0024】
さらに、ゼンマイ巻付けローラ11の外周面には、図2に示すように、車幅方向に沿って2箇所にブラケット11Aが設けられ、これらブラケット11Aにはピン14によって移動プレート15の基部側(車両前部側)が取り付けられている(図3も参照)。移動プレート15はピン14周りに回動自在となっている。また、ゼンマイ巻付けローラ11の外周面にはその周方向に沿ってスリット穴11Bが形成されている。このスリット穴11Bは、ゼンマイ巻付けローラ11が回動したとき、移動プレート15に接触しない大きさ及び形状に形成されている。
【0025】
移動プレート15の先端側(車両後部側)は、上方に大きく突出した大凸部15Aと、大凸部15Aよりも上方に小さく突出した小凸部15Bとが設けられ、これら大凸部15Aと小凸部15Bとの間に凹部15Cが形成されている。また、移動プレート15の先端部には、大凸部15Aの下部付近に、車幅方向内側に向かって突出したピン16が設けられている。
【0026】
一方、モジュールベース6には上に凸の円弧状の係合溝6A(図3も参照)が形成され、この係合溝6Aには移動プレート15のピン16が係合している。ピン16は、移動プレート15が車両前後方向に移動したとき、係合溝6Aに沿って移動できるようになっている。なお、図1においては、係合溝6Aは省略されている。
【0027】
また、図1に示すように、グローブボックス容器本体2の上面にはプッシュボタン17が設置され、このプッシュボタン17はコイルスプリング18によって車室内側(図1において右側)に付勢されている。蓋部4を閉じたとき、蓋部4は、図示していないロック機構によってロックされ、プッシュボタン17を押すと前記ロック機構が解除され、蓋部4を開くことができる。
【0028】
さらに、図1乃至図3に示すように、ゼンマイ巻付けローラ11の外周面には引かれ側ワイヤ19の一端が固定され、この引かれ側ワイヤ19の他端は輪軸13の小径部13Aの外周面に固定されている。また、一端が輪軸13の大径部13Bの外周面に固定された引き側ワイヤ20が設けられ、この引き側ワイヤ20の他端は蓋部4のアーム先端下部4C(図1参照)に固定されている。
【0029】
次に、本実施例における蓋部開閉アシスト機構の動作について説明する。
【0030】
蓋部4が閉められているとき、図1に示すように、蓋部4はグローブボックス容器本体2の開口端に、図示していないロック機構によってロックされている。また、このとき、移動プレート15は車両前部側に位置し、基部側(ピン14側)が高く、先端部側(ピン16側)が低い、傾斜した状態となっており、蓋部4のアーム先端前部4Dに設けられた係合部4Eは移動プレート15の凹部15Cから外れた状態となっている。
【0031】
蓋部4を開ける際に、図4に示すように、乗員が指で解除ボタン30を矢印A1方向に押すと、プッシュボタン17全体が同方向へ移動して、上記ロック機構による蓋部4に対するロック状態が解除される。すると、蓋部4はその自重によりヒンジ3を中心に矢印B1方向に回動する。
【0032】
蓋部4が矢印B1方向に回動すると、図3に示すように、蓋部4によって引き側ワイヤ20が矢印C1方向に引っ張られ、輪軸13がD1方向に回動するとともに、この輪軸13の回動によって、引かれ側ワイヤ19が引っ張られてゼンマイ巻付けローラ11が矢印E1方向に回動する。この場合、引き側ワイヤ20は輪軸13の大径部13Bの外周面に、引かれ側ワイヤ19は輪軸13の小径部13Aの外周面にそれぞれ固定されているので、引き側ワイヤ20に引っ張られて輪軸13が回動したとき、輪軸13が有する梃子の作用により、輪軸13は引かれ側ワイヤ19を大きな力で引っ張ることになる。
【0033】
そして、ゼンマイ巻付けローラ11が矢印E1方向に回動すると、ゼンマイ巻取りローラ10からゼンマイ10Aが引き出され、その引き出されたゼンマイ10Aがゼンマイ巻付けローラ11の外周面に巻き付けられていく。このとき、ゼンマイ巻取りローラ10はゼンマイ10Aが引き出されるため、矢印F1方向に回動する。
【0034】
また、ゼンマイ巻付けローラ11が矢印E1方向に回動すると、ブラケット11A及びピン14を介して移動プレート15に力が伝達され、移動プレート15が矢印G1方向に押し出される。移動プレート15の先端部側(車両後部側)にはピン16が設けられ、このピン16はモジュールベース6の係合溝6Aに係合しているので、矢印G1方向に押し出された移動プレート15の先端部側は、上に凸の円弧状の係合溝6Aに倣って、半円を描くように一旦上昇した後に下降する(図3参照)。移動プレート15全体が矢印G1方向に完全に押し出されたとき、ピン16は係合溝6Aの車両後部側端部(図3において右側端部)に位置している。
【0035】
そして、蓋部4は、図5に示すように、アーム4Bのアーム先端下部4Cがグローブボックス容器本体2の切欠き部2Bに引っ掛かるまで矢印B1方向に回動して、開状態となる。蓋部4が開状態のとき、ゼンマイ巻付けローラ11の外周面に巻き付けられたゼンマイ10Aは復元力により元の状態に、つまりゼンマイ巻取りローラ10側へ巻き付こうとするが、移動プレート15のピン16が係合溝6Aの車両後部側端部に位置して固定されているので、ゼンマイ10Aのゼンマイ巻取りローラ10側への巻き付きが阻止される。
【0036】
なお、乗員がプッシュボタン17から指を離すと、プッシュボタン17はコイルスプリング18の付勢力によって矢印A2方向に移動して元の位置に戻る。
【0037】
また、蓋部4を閉める際には、図6に示すように、乗員が手で蓋本体4Aを矢印B2方向へ押して、蓋部4をヒンジ3を中心に同方向に回動させる。すると、蓋部4は、そのアーム4B先端の係合部4Eが移動プレート15の凹部15C内に入り込み、図3に示すように、移動プレート15を押して矢印G2方向に移動させる。
【0038】
移動プレート15が矢印G2方向に移動すると、ゼンマイ巻付けローラ11は矢印E2方向への回動が許容され、ゼンマイ10Aの復元力(ゼンマイ巻取りローラ10側に戻ろうとする力)によって実際にゼンマイ巻付けローラ11は矢印E2方向へ回動する。このとき、ゼンマイ巻取りローラ10は矢印F2方向に回動する。
【0039】
なお、移動プレート15が矢印G2方向に移動するとき、移動プレート15の先端部側(車両後部側)は、ピン16がモジュールベース6の係合溝6Aに倣って移動するので、半円を描くように一旦上昇した後に下降する。そして、このような動作により、ゼンマイ巻付けローラ11のブラケット11Aと移動プレート15の基部側(車両前部側)とを連結するピン14の部分に、移動プレート15からゼンマイ巻付けローラ11へは円周方向の力が作用するようになり、ゼンマイ巻付けローラ11の矢印E2方向への回動をスムーズに行わせることができる。
【0040】
ゼンマイ巻付けローラ11が矢印E2方向へ回動すると、引かれ側ワイヤ19が引っ張られ、輪軸13は矢印D2方向に回動する。そして、輪軸13の矢印D2方向への回動によって引き側ワイヤ20が引っ張られ、引き側ワイヤ20は蓋部4のアーム先端下部4Cとの連結点を矢印C2方向に移動させ、蓋部4を引っ張って蓋本体4Aをグローブボックス容器本体2の開口端に密着させる。
【0041】
このように、本実施例によれば、蓋部4がその自重によって開く際の力を利用してゼンマイ巻付けローラ11が回動駆動され、そのゼンマイ巻付けローラ11の周囲にゼンマイ10Aが巻き付けられるので、巻き付けられたゼンマイ10Aには蓋部4を開ける際に生じたエネルギが蓄えられており、蓋部4を閉める際にゼンマイ10Aに蓄えられた前記エネルギを使用して、蓋部4をスムーズに閉めることが可能となる。
【0042】
本実施例によれば、輪軸13を用いているので、蓋部4を開閉する際に、引き側ワイヤ20と蓋部4のアーム先端下部4Cとの連結点においては、輪軸13を用いない場合に比べて、移動距離は半分となり、力は2倍となる(大径部13Bの半径が小径部13Aの半径の2倍のとき)。
【0043】
また、ゼンマイ10Aとして、定トルクゼンマイバネ定数を有するゼンマイを使用しているので、巻き始めから巻き終わりまで一定のトルクが得られる。
【0044】
また、ゼンマイ10Aとして、蓋部4の重量に合ったバネ定数を有するゼンマイを選択するだけでよく、蓋部4の設計変更に容易に対応できる。
【0045】
さらに、本実施例の蓋部開閉アシスト機構はモジュール化できるので、各製品毎に設計し直すという手間が省ける。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0047】
例えば、輪軸13は、車両前後方向に沿ってゼンマイ巻付けローラ11よりも前方側に限らず、ゼンマイ巻付けローラ11の下方に配置することもできる。
【0048】
また、本発明の蓋部開閉アシスト機構は、垂直状態であったものを、使用するときだけ倒して水平状態とするカップホルダやアームレスト等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る蓋部開閉アシスト機構が搭載されたグローブボックスの右側面図である。
【図2】蓋部開閉アシスト機構の斜視図である。
【図3】蓋部開閉アシスト機構の要部構成図である。
【図4】グローブボックスの蓋部を開け始めたとき様子を示す図である。
【図5】グローブボックスの蓋部が全開したときの様子を示す図である。
【図6】グローブボックスの蓋部を閉めている途中の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 グローブボックス
2 グローブボックス容器本体
3 ヒンジ
4 蓋部
6 モジュールベース
6A 係合溝
10 ゼンマイ巻取りローラ(ゼンマイ巻取り部)
10A ゼンマイ
11 ゼンマイ巻付けローラ(ゼンマイ巻付け部)
13 輪軸
13A 小径部
13B 大径部
14,16 ピン
15 移動プレート
17 プッシュボタン
19 引かれ側ワイヤ
20 引き側ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローブボックス容器本体の側面に設けられ、該グローブボックス容器本体の開口端下方のヒンジを介して設けられた蓋部の開閉操作をアシストするグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構であって、
ゼンマイが巻き取られたゼンマイ巻取り部と、
前記ゼンマイ巻取り部の側方に回動自在に配置され、該ゼンマイ巻取り部からゼンマイを引き出して外周面に巻き付けるゼンマイ巻付け部と、
前記ゼンマイ巻取り部及び前記ゼンマイ巻付け部の近傍に回動自在に配置され、径の小さい小径部および径の大きい大径部からなる輪軸と、
一端側が前記輪軸の大径部の外周面に固定され、他端側が前記蓋部に固定された引き側ワイヤと、
一端側が前記ゼンマイ巻付け部の外周面に固定され、他端側が前記輪軸の小径部の外周面に固定された引かれ側ワイヤとを備えたことを特徴とするグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構。
【請求項2】
前記ゼンマイ巻取り部には、前記ゼンマイとして定トルクバネ定数を有するゼンマイが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構。
【請求項3】
前記ゼンマイ巻付け部の回動に連動して車両前後方向に移動する移動プレートが設けられ、
前記蓋部が閉じられるときは、前記移動プレートは前記蓋部のアームに押されて車両前部側に移動して、前記ゼンマイ巻付け部に巻き付けられたゼンマイが前記ゼンマイ巻取り部側に戻るのを許容し、
前記蓋部が開けられるときは、前記移動プレートは車両後部側に移動するとともに、その先端部から前記蓋部のアームが離脱することを特徴とする請求項1に記載のグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構。
【請求項4】
前記移動プレートの先端部にはピンが設けられ、該ピンは、上に凸の円弧状に形成された係合溝に係合していることを特徴とする請求項3に記載のグローブボックスの蓋部開閉アシスト機構。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓋部開閉アシスト機構を搭載したことを特徴とするグローブボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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