説明

ケイ素溶出炭酸カルシウム、およびその製造方法

【課題】 水溶液中にケイ素を溶出させることができるケイ素溶出炭酸カルシウム、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るケイ素溶出炭酸カルシウムは0.1wt%以上のケイ素を含有するバテライト相からなり、メタノール、消石灰、ケイ素源として有機ケイ素化合物を混合させた懸濁液中に炭酸ガスを吹き込むことで得られる。炭酸カルシウムは、新しく骨が生成されるにつれて生体内に吸収されるか分解して体外に排出され、最終的には自己骨によって欠損部が修復される有用な骨修復用生体材料であるが、これに早く新しい骨の生成を促進させるケイ素を含有させることにより、さらに骨修復機能を高めることが期待できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨修復材料として有用な生体活性材料に関し、特に生体吸収性高分子用の機能性フィラーおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の生体関連材料の研究技術動向を見ると、材料と骨とを結合させるという材料設計から、本物の骨を再生させるための材料設計に研究内容がシフトしており、骨形成に及ぼすケイ素の役割が注目され、ケイ素含有を特徴とした材料設計が数多く見られる(非特許文献1)。例えば、ケイ素の徐放により細胞への遺伝子的働きかけが行なわれ、骨生成が促進されることが報告されている(非特許文献2)。また、3種の炭酸カルシウム(カルサイト、アラゴナイト、バテライト)とポリ乳酸の複合体を擬似体液に浸漬させると、最も短時間で骨似アパタイトがその表面に生成したものはバテライトとポリ乳酸の複合体であることが示されている(非特許文献3)。これらのことから、ケイ素を徐放するバテライトが骨生成を促進する機能を有する骨修復材料用フィラーとして要望されている。
【0003】
バテライトを生成させる方法は、従来から数多く報告されている(非特許文献4、特許文献1,2,3)。また、ケイ素と炭酸カルシウムの関係では、シリカ−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法(特許文献4,5)、沈降炭酸カルシウムとケイ素化合物との複合顔料の製法(特許文献6)、安価で簡便な製法によって樹脂補強用として最適なカップリング剤処理済炭酸カルシウム(特許文献7)が提供されている。しかしながら、ケイ素の含量がコントロールされ、その水溶液中への溶出量が確認された骨修復材料用に適したケイ素含有バテライト、およびその製造方法は提案されていない。
【0004】
【非特許文献1】都留寛治、小川哲朗、大串始、「生体関連材料の研究技術および標準化の動向」、セラミックス、41、549-553 (2006)
【非特許文献2】H.Maeda, T.Kasuga, and L.L.Hench, “Preparation of Poly(L-lactic acid)-Polysiloxane-Calcium Carbonate Hybrid Membranes for Guided Bone Regeneration”, Biomaterials, 27, 1216-1222 (2006)
【非特許文献3】H.Maeda, T.Kasuga, M.Nogami, and Y.Ota, “Preparation of Calcium Carbonate Composites and Their Apatite-Forming Ability in Simulated Body Fluid”, J.Ceram.Soc.Japan, Supplement 112-1, S804-808 (2004)
【非特許文献4】中前勝彦、西山総治、山城二郎、藤村保夫、浦野彰良、戸崎裕、松本恒隆、「メタノール系における炭酸カルシウムの合成とその表面特性」日本接着協会誌、21, 10 414-420(1985)
【特許文献1】特開昭61-77622
【特許文献2】特開昭63-103824
【特許文献3】特開平4-31315
【特許文献4】特開2003-63821
【特許文献5】特開2005-272215
【特許文献6】特表2003-535184
【特許文献7】特開2006-137781
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって本発明の目的は、水溶液中にケイ素を溶出させることができるケイ素溶出炭酸カルシウム、およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケイ素溶出炭酸カルシウムは0.1wt%以上のケイ素を含有するバテライト相からなり、メタノール、消石灰、及びケイ素源として有機ケイ素化合物を混合させた懸濁液中に炭酸ガスを吹き込むことで得られる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るケイ素溶出炭酸カルシウムはケイ素を溶出させることで新規な機能を有する粒子となり、生体材料などの分野で様々な応用が期待される。炭酸カルシウムは、新しく骨が生成されるにつれて生体内に吸収されるか分解して体外に排出され、最終的には自己骨によって欠損部が修復される有用な骨修復用生体材料であるが、これに早く新しい骨の生成を促進させるケイ素を含有させ、さらに骨修復機能を高める。本発明に係るケイ素溶出炭酸カルシウムの製造方法によれば、上記のような可能性を持ったケイ素溶出炭酸カルシウムを容易かつ効率よく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態によれば、以下の工程を経ることにより、本発明に係るケイ素溶出炭酸カルシウムを製造することできる。
【0009】
まずメタノール、消石灰及び有機ケイ素化合物を配合した懸濁液を用意する。好ましくはメタノール:1.0Lに対して消石灰:35〜150gの比率で配合する。この範囲から消石灰の量を減量すると生産効率が下がり、増量すると炭酸化中に高粘度となり操業性が悪化する。メタノール:1.0Lに対して消石灰:75〜100gとすることがさらに望ましい。懸濁液には、ゲル化促進のために、メタノール:1Lに対し水が0.1Lまで含まれていてもよいが(好ましくは0.05L以下)、これ以上水が多いとカルサイトが析出しやすなる。
【0010】
次に、メタノール、消石灰、有機ケイ素化合物を混合、撹拌されている40℃以下の懸濁液:約1Lに対して、好ましくは流量0.5〜1.5L/min、さらに望ましくは1〜1.5L/minで炭酸ガスを吹き込む。懸濁液がゲル化するのに伴い、撹拌と炭酸ガスの吹き込みを停止する。ゲル化前に炭酸ガスの吹き込みを停止すると後工程でゲル化が生じるので、ゲル化後そのまま静置し、崩壊を待って生成物を回収するのが適切である。ゲル化の生じたことは、懸濁液の粘度が徐々に高まり、流動性が失われ、寒天状に固化するので外観上明確であるが、工業的には吹き込み炭酸ガス圧の変化や攪拌負荷の変化によっても検知することができる。
【0011】
有機ケイ素化合物の種類と添加量に応じて、ケイ素溶出炭酸カルシウム中のケイ素含有量を調整することができる。たとえば、テトラエトキシシランを消石灰に対してそれぞれ6.0,19,37wt%添加すると、各ケイ素溶出炭酸カルシウム中のケイ素含量はそれぞれ0.5,1.6,2.8wt%(蛍光X線分析装置での測定値)となり、有機ケイ素化合物の添加量を多くするほどケイ素溶出炭酸カルシウム中のケイ素含量が多くなることが分かっている。テトラエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをそれぞれ消石灰に対して約20wt%添加すると、各ケイ素溶出炭酸カルシウム中のケイ素含量はそれぞれ1.6,1.2,0.1,0.1wt% (蛍光X線分析装置での測定値)となり、テトラエトキシシランを使用すると最もケイ素含量が多くなり、次にγ−アミノプロピルトリエトキシシランが多く、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは少なくなることが判明している。
【0012】
炭酸化工程を40℃を越える温度で行なうとメタノールの蒸発、カルサイトの析出などが生じるので、通常の室温(20〜30℃)程度で行うことが好ましい。
【0013】
ゲル崩壊後、生成物を吸引ろ過して回収し乾燥、もしくは有機溶媒用スプレードライヤーを用いて回収することで粉末状のケイ素溶出炭酸カルシウムが得られる。
【0014】
本発明に係る炭酸カルシウムを蒸留水(DW)やリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に浸漬すると、有機ケイ素化合物の種類と含有量に応じて、液中にケイ素が溶出される。なお本明細書において「ケイ素溶出」とは、骨修復に有用な程度のケイ素を供給可能な「100倍のPBS懸濁液中(37℃)の1日経過後のSi濃度が10ppm以上になるもの」と定義される。
【実施例】
【0015】
以下、本発明に係るケイ素溶出炭酸カルシウム及びその製造方法の実施例について説明する。以下の実施例についての説明は本発明をより深く理解するためのものであって、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0016】
各実施例、比較例では以下に示す原料を使用した。
・メタノール:特級メタノール(試薬)純度99.8%以上 キシダ化学株式会社
・消石灰:ミクロスターT 純度96%以上 矢橋工業株式会社
・テトラエトキシシラン: TSL8124 純度97%以上 GE東芝シリコーン株式会社
・γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン: TSL8331 純度98%以上 GE東芝シリコーン株式会社
・γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン: TSL8350 純度98%以上 GE東芝シリコーン株式会社
・けい素、粉末:純度99.9% キシダ化学株式会社
・ケイ酸ナトリウム溶液(3号): SiO2 28〜30% キシダ化学株式会社
・炭酸ガス:高純度液化炭酸ガス 純度99.9% 大洋化学工業株式会社
【0017】
形態は走査型電子顕微鏡(SEM)S-570(日立製作所)により観察した。結晶相の同定にはX線回折装置(XRD)XRD-6100(島津製作所)で得られたX線回折パターンを用いた。炭酸カルシウムのSi含有量は蛍光X線分析装置(FX)RIX3000(理学電機工業)により、溶出液中のSiとCa濃度は高周波プラズマ発光分析装置(ICP)ICPS-7510(島津製作所)により測定した。
【0018】
(実施例1)
メタノール:2.0L、蒸留水:0.1L、消石灰:150g、テトラエトキシシラン:60ml(対消石灰37wt%)を混合した懸濁液(20℃)にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を75分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き53μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料1を得た。SEM写真を図1に、XRDパターンを図7に示す。Si含有量は2.8wt%で、試料1はケイ素含有球状バテライトであることが確認された。試料1:2.0gとDWまたはPBS:198gを混合した懸濁液を37℃に保持された恒温器に静置した。所定時間浸漬させた後、懸濁液を固液分離して液中のSiとCa濃度をICPにて測定した。1日経過後のDW、PBS中のSi濃度はそれぞれ71ppm、70ppmで、Ca濃度はそれぞれ37ppm、21ppmであった。図9にPBSへのSi溶出特性を示す。
【0019】
(実施例2)
メタノール:2.0L、蒸留水:0.1L、消石灰:150g、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン:60ml(対消石灰38wt%)を混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を55分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き25μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料2を得た。SEM写真を図2に、XRDパターンを図7に示す。Si含有量は2.9wt%で、試料2はケイ素含有球状バテライトであることが確認された。試料2:2.0gとDWまたはPBS:198gを混合した懸濁液を37℃に保持された恒温器に静置した。所定時間浸漬させた後、懸濁液を固液分離して液中のSiとCa濃度をICPにて測定した。1日経過後のDW、PBS中のSi濃度はそれぞれ269ppm、279ppmで、Ca濃度は2ppm、7ppmあった。図9と図10にPBSへのSiとCaの溶出特性をそれぞれ示す。図8にPBS浸漬1日経過後の固形分:試料2PBS1のXRDパターンを示す。1日でバテライトからカルサイトへの転移が進行していた。
【0020】
(実施例3)
実施例2で得られた試料2:40gを300℃で1時間熱処理して試料2Tを得た。SEM写真を図3に、XRDパターンを図7に示す。熱処理後もSi含有量は3.0wt%で、形態、結晶相に変化は認められなかった。試料2T:2.0gとPBS:198gを混合した懸濁液を37℃に保持された恒温器に静置した。所定時間浸漬させた後、懸濁液を固液分離して液中のSiとCa濃度をICPにて測定した。1日経過後のPBS中のSi濃度は61ppmで、Ca濃度は88ppmであった。図9と図10にPBSへのSiとCaの溶出特性をそれぞれ示す。熱処理することによってSiの溶出は減少し、Caの溶出は増加した。図8にPBS浸漬8日経過後の固形分:試料2TPBS8のXRDパターンを示す。8日経過してもバテライトのカルサイトへの転移はみられなかった。
【0021】
(実施例4)
メタノール:2.0L、消石灰:150g、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン:30ml(対消石灰19wt%)を混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を160分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き25μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料3を得た。SEM写真を図4に、XRDパターンを図7に示す。Si含有量は1.4wt%で、試料3はケイ素含有球状バテライトであることが確認された。試料3:2.0gとPBS:198gを混合した懸濁液を37℃に保持された恒温器に静置した。所定時間浸漬させた後、懸濁液を固液分離して液中のSiとCa濃度をICPにて測定した。1日経過後のPBS中のSi濃度は142ppmで、Ca濃度は9ppmであった。図9にPBSへのSi溶出特性を示す。
【0022】
(実施例5)
メタノール:2.0L、蒸留水:0.1L、消石灰:150g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:29ml(対消石灰20wt%)を混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を80分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き25μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料4を得た。SEM写真を図5に、XRDパターンを図7に示す。Si含有量は0.1wt%で、試料4はケイ素含有球状バテライトであることが確認された。試料4:2.0gとPBS:198gを混合した懸濁液を37℃に保持された恒温器に静置した。所定時間浸漬させた後、懸濁液を固液分離して液中のSiとCa濃度をICPにて測定した。1日経過後のPBS中のSi濃度は10ppmで、Ca濃度は26ppmであった。図9にPBSへのSi溶出特性を示す。
【0023】
(比較例1)
メタノール:2.0L、水:0.1L、消石灰:150gを混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を100分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き25μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料5を得た。SEM写真を図6に、XRDパターンを図7に示す。Si含有量は0.005wt%で、試料5はケイ素をほとんど含まない球状バテライトであることが確認された。試料5:2.0gとDWあるいはPBS:198gを混合した懸濁液を37℃に保持された恒温器に静置した。所定時間浸漬させた後、懸濁液を固液分離して液中のSiとCa濃度をICPにて測定した。DW、PBS中にSiはほとんど検出されなかった。1日経過後のDW、PBS中のCa濃度は20ppm、25ppmであった。図9と図10にPBSへのSiとCaの溶出特性をそれぞれ示す。図8にPBS浸漬1日経過後の固形分:試料5PBS1のXRDパターンを示す。1日でバテライトからカルサイトへの転移が進行していた。
【0024】
(比較例2)
メタノール:2.0L、蒸留水:0.1L、消石灰:150g、ケイ酸ナトリウム溶液(3号):55g(対消石灰37wt%)を混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を85分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き25μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料6を得た。XRDパターンを図7に示す。Si含有量は0.006wt%で、試料6はケイ素をほとんど含まないバテライトであることが確認された。
【0025】
(比較例3)
メタノール:2.0L、蒸留水:0.1L、消石灰:150g、けい素:7g(対消石灰5wt%)を混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を85分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き25μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料7を得た。XRDパターンを図7に示す。Si含有量は0.013wt%で、試料7はケイ素をほとんど含まないバテライトであることが確認された。
【0026】
(比較例4)
メタノール:2.0L、蒸留水:0.3L、消石灰:150g、テトラエトキシシラン:60ml(対消石灰37wt%)を混合した懸濁液20℃にタービン羽根で撹拌(周速度約1.4m/s)しながら炭酸ガス(2L/min)を45分間吹き込んでゲル化させた。ゲル化に伴い炭酸ガスの吹き込みと撹拌を停止した。ゲル崩壊後の懸濁液を目開き53μmのふるいを通過させてから、生成物をろ過して回収し、約110℃で乾燥させて試料8を得た。XRDパターンを図7に示す。試料8はカルサイトが析出していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の実施例1により得られた試料1の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の実施例2により得られた試料2の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の実施例3により得られた試料2Tの走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の実施例4により得られた試料3の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の実施例5により得られた試料4の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】図6は、本発明に係る炭酸カルシウムの製造方法の比較例1により得られた試料5の走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】図7は、試料1,2,2T,3,4,5,6,7,8のX線回折パターンを示した図である。
【図8】図8は、試料2PBS1,2TPBS8,5PBS1のX線回折パターンを示した図である。
【図9】図9は、試料1,2,2T,3,4,5のリン酸緩衝生理食塩水へのケイ素溶出特性を示した図である。
【図10】図10は、試料2,2T,5のリン酸緩衝生理食塩水へのカルシウム素溶出特性を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1wt%以上のケイ素を含有するバテライト相からなるケイ素溶出炭酸カルシウム。
【請求項2】
メタノール、消石灰及び有機ケイ素化合物を混合させた懸濁液中に炭酸ガスを吹き込むことを特徴とするケイ素溶出炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項3】
有機ケイ素化合物はγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、及びビニルトリエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である請求項2に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−100878(P2008−100878A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285429(P2006−285429)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、経済産業省中部経済産業局、中小企業地域新生コンソーシアム研究開発事業(機能性炭酸カルシウム微粒子を用いた骨再生誘導膜製造技術の開発)委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(591039643)矢橋工業株式会社 (10)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【出願人】(592081645)山八歯材工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】