説明

ケラチン含有素材の美容処理のための製剤の使用

本発明の対象は、下記式の化合物(これの塩類を含む)を、ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷に対する修復、補強、再構築のためおよび保護のための製剤にて使用することに関する。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン含有素材、とくにケラチン含有皮膚付属物、好ましくはヒト毛髪などのケラチン性繊維を修復、補強、再構築および機械的および化学的な損傷から保護するための、式(I)および/または(II)の化合物を含有する製剤の使用を対象とするものである。
【0002】
【化1】

【背景技術】
【0003】
ケラチン含有素材、とくにケラチン性繊維の損傷は、環境影響(たとえばエネルギー的放射)や、生理学的な状態(たとえば各人の加齢や健康状態)または機械的および化学的な作用に起因することが知られている。このことは対象となる素材の不都合な機械的特性として表れることとなる。ケラチン性繊維の内部構造のこのような損傷は、たとえば堅さ、強度、最大応力、耐裂性、または束引っ張り強度の喪失として表される。
【0004】
一般的にヒト毛髪は、太陽光、熱、塩素水、海水や、くし、ブラシ、巻き毛の逆毛立て、タオル摩擦、洗髪による機械的負荷、ならびに場合によってはパーマネントウエーブ処理およびブリーチまたは染色用の化粧品製剤の使用などの多数の損傷的な影響にさらされている。ここで機械的な負荷が主にキューティクルを損傷する一方で、熱、発光、アルカリ性、還元性および酸化性処理は毛髪の化学的構造内に直接働きかけて、その構成、影響の種類、濃度および作用時間に応じて毛髪に異なった損傷を強く与える。毛髪は初期損傷の程度が大きいほど、個々の高負担な影響に対してより敏感に反応することが不都合なこととして浮かび上がる。したがって、たとえばパーマネントウエーブ処理が損傷を受けた毛髪に適正に使用された場合でも、毛髪が度重なるブリーチにより初めからひどく損傷していた場合、パーマネントウエーブ処理が明確に顕著な損傷をもたらし、遂に個々の毛髪の断裂が引き起こされる。
【0005】
とりわけケラチン繊維、とくにヒトの毛髪において、とくに減少した引裂強度(Reisskraft)および悪化した櫛通り性によりこのような影響が顕在化する。これらのことは、生理学的なあらゆることが引き起こされる加齢プロセスを通して引き起こされ、あるいは物理的(濡れ)、機械的(くし通し、ブラシ通し)および化学的(染色、変形)な影響により引き起こされる。より長髪の場合にはこれらの影響がとくにその毛先において明確に表れる。化学的な影響には、とくに毛髪のブリーチ、酸化染色およびパーマネントウエーブが含まれ、この際に強い酸化剤または還元剤が、さらに好んで強アルカリ性環境にて用いられ、ここで十分な作用が発揮される。しかしまた別の化学的な影響、たとえば塩素または塩の豊富な水もケラチン含有素材に対して損傷的な作用をもたらす。
【0006】
前述の影響から毛髪を徹底的に保護することは可能でもなく好ましくもない。しかも今日の技術水準では、処置部位に一定の損傷をもたらさずにその作用効果を発揮するような毛髪変形方法または染色方法は知られていない。毛髪はその誕生以降に生物学的な再生過程を経過することがないため、もっぱら外的な影響を免れない。それゆえ、製品の性能を制限無く維持しつつ、毛髪の美容処理に伴う望ましくない現象を抑制できる効果的な方法を獲得することは望ましいことでもあろう。
【0007】
市販の洗浄剤およびケア剤は活性物質として主にカチオン性界面活性剤もしくはポリマー、ワックスおよび/または油類を含有する。毛髪の損傷が大きいほど、その表面にアニオン性の基が存在する。このカチオン性化合物は対立的に荷電した表面に静電気的に引き寄せられる一方で、油類およびワックス類はケラチンの疎水性基と相互作用を起こす。したがってこのような保護製品によっては、毛髪内部における構造改善は十分に達成できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述の不都合な問題を取り除いて毛髪状態を改善するために使用される製剤、とくに化粧品的な毛髪処理剤の提供を課題の基礎としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記の課題が以下の式(I)および/または(II)の化合物(それの塩類を含む)を、ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷に対する修復、補強、再構築および保護のための製剤にて使用することにより解消される。
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、XもしくはYは、任意の無機性または有機性の、一価または多価の、生理学的に危険性のないアニオンもしくはカチオンを表す]
【0012】
には、対イオンとして考えられるあらゆる有機性の酸残基(塩基)があてられる。とくにXは、ホルマート、タルトラート、オキサラート、アスパルタート、グルタマート、アセタート、シトラートから成る群から選択され得て、あるいはクロリド、ブロミド、ヨージド、スルファート、ヒドロゲンスルファート、ホスファート、モノヒドロゲンホスファート、ジヒドロゲンホスファート、ヒドロキシド、カルボナートおよびニトラートなどの無機の残基から選択され得る。
【0013】
好適な実施態様において、Xはヒドロクロリド、アセタート、またはシトラートを意味する。Yには、プロトン、アルカリ金属(好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(好ましくはカルシウムおよびマグネシウム)、近隣群金属(好ましくはアルミニウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、銀)、アンモニウム基または1級、2級、3級もしくは4級アミン、ヒドラジドまたはヒドロキシルアンモニウム基からの群から選択されるカチオンが挙げられる。
【0014】
本発明の別の実施態様は、以降の記述にて表されている。
【0015】
前記式(I)および(II)の化合物において、公知で文献に記載されているアルカロイドのトリゴネリン(1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラート)であって、3‐カルボキシ‐1‐メチルピリジニウム‐ヒドロキシド、ニコチン酸‐N‐メチルベタインまたはカフェアリンの名称でも記載されるものが挙げられる。それゆえに、本発明に記載された化合物(I)および(II)は、1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラート、トリゴネリン、カフェアリン、3‐カルボキシ‐1‐メチルピリジニウムヒドロキシド、ニコチン酸‐N‐メチルベタインの名称を同義として含む。
【0016】
前記式(I)および(II)の化合物は、合成方法で製造されてもよいし、あるいは異なる植物抽出物−例えば、コーヒー豆(Coffea arabica)またはコロハ種子(Trigonella foenum graecum)からの抽出物−より、よく知られた工程を経て産出されてもよい。後者の場合、本発明に記載の使用は、式(I)および(II)に記載の化合物が天然由来の植物抽出物の構成成分として存在することに基づく。
式(I)または(II)に記載の化合物の作用物質の産出もしくは天然起源からのアルカロイドトリゴネリンには、非焙焼のコーヒー豆(Coffea arabica)またはコロハ種子(Trigonella foenum-graecum)を用いることが好ましい。
【0017】
本発明の式(I)および(II)の化合物の効果に関して、合成的に生成された純粋物質として、天然由来の精製分離物として、または粗抽出物として用いられるかは重要なことではない。重要なのは、活性物質もしくは作用物質の含有量だけである。ここで作用物質は、式(I)に記載の純粋なベタイン形態にて用いられてもよいし、または前述したように式(II)に記載の塩として存在していてもよい。
【0018】
式(I)および/または式(II)の化合物の作用に関する試験において、このベタイン的構造にもかかわらず、毛髪に対する古典的な保護作用は認められなかった。
【0019】
このことは、この物質の属の他の代表−例えばベタイン(トリメチルアンモニオアセタート)またはカルニチン(3‐ヒドロキシ‐4‐(トリメチルアンモニオ)‐酪酸)−のよく知られた保護性能と際だって対照的である。上述のうち最後の二つの化合物は、適当な組成物において優れた櫛通りの改善をもたらし、さらに毛髪の光沢を明確に向上させられるが、前記式(I)および(II)の化合物の補助によってはこれらの効果を認めることはできなかった。また、毛髪ボリュームの向上、感触またはスタイリング性の改善などの他の保護基準は確認されなかった。
【0020】
しかし驚くべきことに、毛髪化粧品製品への前記式(I)および/または(II)の化合物の添加が、機械的および化学的な(とくに酸化性およびアルカリ性の)攻撃に対する毛髪の抵抗性を顕著に改善することが見いだされた。
【0021】
機械的な酷使に対する耐性の程度を示す摩耗破断の測定において、式(I)および/または(II)の化合物で処理された毛髪の寿命が顕著に延びることが確認された(図1)。さらに、摩擦電気的特性の測定のための試験において、毛髪の静電的な荷電性が式(I)および(II)の化合物の添加濃度に依存して低下することが示された。さらに、人工的な毛髪染色の機械的な摩耗が明確に低減され、したがって式(I)および(II)の化合物により毛髪調色の耐久性が著しく改善できたことが見いだされた。このことは、式(I)および(II)の化合物に関する各作用物質を含有する処方が、対照試験において機械的な摩擦係数の低下を示さなかったという点において特に驚くべきことである。上述のような毛髪の櫛通り性も絡みほどき性も顕著な改善は認められなかった。したがって、保護機能は典型的な保護基準に依存せずに発揮され、単に毛髪損傷的な影響の作用の軽減に対して及ぶ。
【0022】
したがって、式(I)および/または(II)の化合物またはこの塩類の使用により、ケラチン含有素材、とくにケラチン性繊維(毛髪)の構造がこのように改変され、ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷に対する修復、補強、再構築および保護のために好都合に使用され得ることは、まったく驚くべきことであった。
【0023】
機械的な影響からの保護の他に、式(I)および/または(II)の化合物を含有する調合物は、化学的、とくに酸化性の負荷に対する顕著な保護効果も示した。したがってパーマネントウエーブ製品中に1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートを含有することが、含有せずに同様に処理された毛髪に比べて顕著な引裂強度の向上をもたらした。引裂強度は毛髪損傷の評価のためのパラメータとして考慮され、毛髪を引き裂くのに必要な力が大きいほど、毛髪性質が高いことになる。あるケースでのこの保護効果は、引裂強度がパーマネントウエーブ非処理の対照試験と同等またはそれに幾分か勝る程度に高くに達し得るほどであった。このことは、一般的な保護機能を顕著に超越する修復メカニズムを示唆する。
【0024】
さらにアルカリ性処理により不可避的に並行して進行する、ある種の毛先切れや光沢喪失など最も見つかりやすい毛髪損傷も、式(I)および/または(II)の化合物を含有する製品の使用によって明らかに低減され得る。それゆえに、式(I)および/または(II)の化合物を含有する製品と共にアルカリ性の調色剤で処理された後で測定された光沢値は、あらゆる場合において従来製品で処理された毛髪の値と比べて顕著に高かった。
【0025】
確かに式(I)および/または(II)の化合物に関する作用物質は、損傷またはストレスを受けていない毛髪に対して、古典的な保護作用の基準(櫛通り性、ボリューム、感触または毛髪光沢の改善)を示さない。しかしその代わりに、上述の影響に対する際だった保護機能を発揮し、より過激な処理方法のネガティブな影響を緩和し、予防し、または部分的に消滅させることさえできる。とりわけパーマネントウエーブ剤において修復作用を示す。したがって式(I)および/または(II)の化合物は保護物質および再構築の効果を奏する。
【0026】
それと同時に、損傷を受けたケラチン性繊維の再構築(修復)を単に可能とするだけでなく、しかるべき害毒物への曝露の前、または曝露中に素材の損傷を妨ぎ、損傷を予防または軽減可能とする保護的効果ももたらされる。
【0027】
外因性の害毒物により引き起こされる不都合な変動の他に、本発明に関する使用は、生理学的な過程に起因する状態またはケラチン性繊維の構造の変動の際にも好都合な作用を発揮することができる。たとえば、生まれつきまたは年齢依存して獲得され得る、加齢に起因して脆くなった毛髪または細い毛髪(赤ちゃんの毛髪、高齢者の毛髪)などに対してである。
【0028】
本発明の使用は、ケラチン含有素材、とくにケラチン性皮膚付属物、とりわけケラチン性繊維、さらに特に毛髪に対して、前記式(I)および/または(II)の化合物に関する作用物質を含有する製剤を用いて接触させ、そこでの適用後に残留させる、または適当な作用時間後に水性の製剤によってすすがれるか洗浄されることにより実行される。
【0029】
式(I)および/または(II)に関する作用物質が、製剤の総量に対してそのつど0.0005〜30.0重量%、好ましくは0.001〜20.0重量%、とくに好ましくは0.001〜10.0重量%の量にて製剤中に含有されていることが好ましい。
【0030】
作用物質の使用されうる量は、どのような作用か、たとえば毛髪のどのような損傷程度に働きかけうるかということに大きく依存する。したがって例えば、ベタイン形態での式(I)の作用物質の0.001重量%の量にて、本発明の意図する修復効果および/または保護効果が実現され得る。例えばヒドロクロリドの形態での作用物質20.0重量%という非常に高い添加濃度において、非常に大きな修復効果および/または保護効果を得ることができる。このことは、とくに極端に損傷を受けたケラチン含有素材(例えば毛髪)について達成され得るし、または異常な損傷を与える処理(例えばブリーチの繰り返しが考えられる)を使用する前に行った際、好都合に発揮され得る。
【0031】
したがって本発明は、ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷に対する修復、補強、再構築および保護のための方法であって、当該方法は式(I)および/または(II)の化合物を(植物抽出物の形態の場合も含めて)含有する製剤をケラチン含有素材と一緒に接触させて1〜60分の時間、10〜70℃の範囲の温度にて使用し、必要に応じてその後にすすぎ洗われることを特徴とする。
【0032】
【化3】

【0033】
式中、すでに上述したように、XもしくはYは、任意の無機性または有機性の、一価または多価のアニオンもしくはカチオンを表す。
【0034】
本発明の使用のために記載された製剤は、化粧品業界または製薬業界に知られているあらゆる適当な処方にて存在することができる。
とくに、この製剤は水性もしくは水‐アルコール性溶液、ジェル、クリーム、エマルションまたは泡として存在することができるし、この際に製剤は単一成分調合剤の形態にて、または多成分調合物の形態にて製造されたものでもよい。単一成分調合物の場合、この製剤は式(I)および/または(II)の作用物質と、当業者に知られた適当な補助物質およびキャリア物質(例えば増粘剤、酸、香料物質、溶剤、塩類、湿潤剤および/または有機的・無機的なUVフィルターなど)とを、個々にまたは混合物として一緒に含有する。
【0035】
製剤が多成分調合物の形態である場合、使用前まで互いに空間的に隔離された少なくとも2つの異なった成分から構成されてもよい。第1成分は本発明に基づき利用可能な式(I)および/または(II)の化合物を作用物質として単独で含有してもよいし、あるいは作用物質が補助物質(例えば増粘剤など)と混合されて第1成分中に存在してもよい。第2成分または別の成分が、単に補助物質およびキャリア物質を含有する。
【0036】
多成分調合物において、異なった成分が、本発明に係る異なった作用物質を個々にもしくは混合物として含有することができるし、或いはそれ自身単独で或いは上記の補助物質と混合されていてもよく、また、その他の成分は、補助物質及びキャリア物質のみを含有してもよい。
【0037】
本発明には、単一成分調合物の場合または多成分調合物として存在することにより特徴づけられる組成物の使用が包含される。多成分調合物として使用される製剤である場合、第1成分は式(I)および/または(II)の作用物質を補助物質およびキャリア物質と共にまたはこれらを伴わずに含み、第2成分は残りの成分を含む。さらに使用される製剤は、少なくとも3つの異なった成分を伴う多成分調合物として存在しても構わないし、この際に成分の少なくとも1つは式(I)および/または(II)の作用物質を含有し、残りの成分は残りの構成要素を含有する。
【0038】
使用準備のできた製剤の調製のために、空間的に隔離されて存在する多成分調合物の個々の成分が、本発明の使用の直前に混合される必要があるのは当然のことである。
【0039】
このことに関連して、適当な多成分系が記載されたWO 99/11222が参照されるであろう。
【0040】
本発明に使用される製剤は、キャリア物質および補助物質、例えば水、低級脂肪アルコール(例えばエタノール、n‐プロパノール及びイソプロパノール)、グリコールエーテル又はグリコール(例えばグリセリン及び特に1,2‐プロパンジオール)などの溶剤、更には、アニオン性、カチオン性、両親媒性又は非イオン性の界面活性物質の属からの溶解補助剤、湿潤剤又は乳化剤(例えば脂肪アルコールスルフェート、オキシエチル化脂肪アルコールスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、オキシエチル化脂肪アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステルなど)、さらに増粘剤(例えば、高級脂肪アルコール、澱粉又はセルロース誘導体など)、NaClなどの塩類、アンモニウムヒドロゲンカルボナートなどのバッファー物質、チオール、ケトカルボン酸(オクソカルボン酸)、特にα‐ケトカルボン酸、もしくはその生理学的に温和な塩類、UV吸収剤、香料、染料、コンディショナー、毛髪用柔軟剤、保存剤、ワセリン、パラフィンオイル及び脂肪酸、並びに他の保護物質(例えば、カチオン性樹脂、ラノリン誘導体、コレステリン、パントテン酸及びベタイン)、発泡剤(プロパン、ブタン、ジメチルエーテル、NO、空気、および二酸化炭素など)および上記の混合物を追加的に含有することができる。
【0041】
上記の成分はこのような目的において通常の量にて使用され、例えば、水は0.1〜95重量%の量にて、湿潤剤及び乳化剤は総じて0.2〜30重量%の濃度で、アルコールは総じて0.1〜50重量%の量にて、乳濁剤、香料油、保存物質および染料は各0.01〜5重量%の量にて、バッファー物質は総じて0.1〜10重量%の量にて、溶解補助剤、安定化剤ならびに毛髪コンディショニング成分および毛髪保護成分は各0.1〜5重量%の量にて、さらに増粘剤および溶解補助剤は総じて0.5〜20重量%の量にてこの製剤中に含有されることができる。
【0042】
製剤のpH値は2.0〜14.0を示し、好ましくは3.0〜9.0である。必要に応じて、例えば乳酸、酒石酸、クエン酸またはリンゴ酸などのα‐ヒドロキシカルボン酸、リン酸、酢酸、グリコール酸、サリチル酸、またはグルコン酸ラクトンなどの酸、あるいはアンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン、水酸化アルカリ、水酸化アンモニウム、炭酸アルカリ、炭酸アンモニウム、またはリン酸アルカリなどのアルカリ化剤を添加することで所望のpH値が調整され得る。
【0043】
ケラチン性繊維の処理の際に、式(I)および/または(II)の化合物を含有する製剤は処理ポイント(例えば毛髪)で残留してもよいし、または使用後にすすぎ洗われてもよい。後者の場合、製剤の作用時間は温度(約20〜60℃、好ましくは30〜50℃)に依存し、1〜60分間、とくに5〜20分間であり、この際に温熱供給により補修効果(再構築)が促進され得ることから、温かい状態での使用が好ましい。作用時間が経過したのち、毛髪を水ですすいでもよいし、必要に応じてシャンプーで洗浄してもよい。
【0044】
本発明に係る使用のために適当な製剤の製造には、好ましくはシャンプー、リンス、ケア剤、フォーム剤、堅め剤、ヘアジェル、ヘアスプレー、毛髪染色剤、毛髪調色剤、パーマネントウエーブ剤、固定化剤、ストレートパーマ剤、またはポマードが挙げられる。
【0045】
製剤は、ケラチン性繊維の化学的および/または物理学的処理、とくに毛髪染色、毛髪調色、ブリーチの前、あるいはパーマネント剤の前に前処理剤として用いられることもでき、上記の酸化性、還元性、酸性またはアルカリ性の処理による毛髪損傷を防止することができる。
【0046】
本発明の式(I)および/または(II)の化合物を含有する製剤の本発明に係る使用は、損傷を受けたケラチン性繊維の顕著な構造改善を可能とすることが確認され、既に説明された証明方法の他に引裂強度の統計学的に顕著な上昇でも証明することができた。
【0047】
異なった測定により得られた結果は、式(I)および(II)に関する作用物質を、ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷からの修復、補強、再構築、および保護に対して有利に使用され得る物質として明確に認定する。
【0048】
摩耗破断の測定により、機械的負荷に対する毛髪の耐久力に関する表現が可能となる。測定原理は、毛髪繊維一本づつが反復する(小さな)機械的負荷におかれ、素材の破損までの反復サイクルの数を測定することからなる。負荷サイクルの数が大きいほど、機械的負荷による毛髪破断に対する抵抗性が高いことを示す。まずは毛髪一本づつについての毛髪破断までの負荷サイクルの数が把握されることからなる毛髪破断結果の評価は、ワイブル(Weibull)によるいわゆる信頼性分析法を用いて行われる。ワイブルによれば、破損頻度(本件の場合は毛髪破断)は以下の方程式により説明され得る。
【0049】
【数1】

【0050】
H:破損頻度(=累積された毛髪破断)、1に規準化(1=100%)
X:寿命変数(毛髪破断までのサイクル)
θ:特性寿命(サイクル数、毛髪の63.2%が破断するまで)
b:いわゆる形パラメータ、補正直線の勾配
【0051】
それゆえデータのワイブル分析に関して、lnln(1/(1-H))はlnxに対して求められねばならない。直線回帰にもとづき軸切片b(lnθ)が明らかになり、さらに勾配bが明らかになる。そして特性寿命θはexp(-(軸切片/勾配))から算出される。特性寿命が大きいほど、毛髪破断に対する毛髪の抵抗性が高くなる。
【0052】
以下の実施例は本発明の対象をより詳細に説明するものである。ここに挙げられている作用物質、補助物質およびキャリア物質の添加量はいずれも、特にことわりのない限り、最終産物についての重量パーセントを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
実施例1: 毛髪の摩耗破断の測定
毛髪状態もしくは毛髪の損傷程度の性状を測定するためのさらに重要なパラメータとして、機械的な酷使に対する毛髪の耐性の大きさとしての摩耗破断の測定が挙げられる(図1の凡例参照のこと)。
【0054】
この目的のために、ヒトの毛束(コーカサス由来)はあらかじめ行われた標準的なブリーチの後に、標準的な方法によるパーマネントウエーブプロセスもしくは毛髪調色の過酷な条件下におかれた。つづいて、1サンプルにつき20本の毛髪、すなわち1束につき10本の毛髪が、それぞれの端で容器に固定され、引裂強度が測定された。
【0055】
純粋な毛髪調色剤(1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラート含まず)は、ブリーチ以外の処理は行われていない毛髪と比較して、特性寿命を僅かなだけ向上させただけである。0.1%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの添加は毛髪の特性寿命を向上させ、1%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの添加は、さらなる向上をもたらす。1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートを1%濃度で含有する毛髪調色剤で処理された毛髪の値は、化学的に未処理な(ブリーチなし、天然)毛髪よりもむしろ高い(図1)。
【0056】
パーマネントウエーブプロセスは毛髪の特性寿命を短縮させ、ゆえに機械的負荷に対する耐久力も低下させる。0.5%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートのパーマネントウエーブ剤への添加は、毛髪の特性寿命の上昇をもたらした。得られた値はブリーチ以外の処理は行われていない毛髪よりもむしろ高い(図2)。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
実施例2: 毛髪での摩擦電気的特性の測定
摩擦電気的特性の測定についても、また静電気的な荷電性についても、本発明の意図における修復効果または保護効果の程度として考慮に入れることができる。ここで、摩擦学的プロセスにおける電子移動により荷電が生じ、これが電気化学系列に関して対象となる物体での正または負の荷電もしくは接触電圧をもたらすという特性が好都合に利用され得る。
【0060】
静電防止測定では、プラスチック製くしを用いて生じさせた毛髪束のボリュームの静電的な荷電が測定されるが、画像解析により評価される。
【0061】
1サンプルにつき3個のボリューム毛束、ヨーロッパ人頭髪、長さ22cm、幅2.5cm、重さ3.0gがそれぞれ用いられた。
毛髪性質の平均値を算出するために、計数毛束およびボリューム毛束は最初にブリーチ粉体(2.5g/毛髪1g)および9%のWlloxon(登録商標)(7.5ml/毛髪1g)を用いて30分間ブリーチされ、次に流水下(35℃)で2分間洗い流され、その後に2gの毛髪につき0.5mlの標準的シャンプーで1分間の洗浄を2回行われ、1分間すすぎ洗いされ、少なくとも一晩かけて20℃・相対湿度65%の空気調整室にて乾燥された。このように前処理された毛束は、ここで1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラート(0.5%)含有の毛髪ケア剤で処理された。毛髪を5分間作用させ、洗い流し、乾燥させて、ここで毛束は測定の前に市販のプラスチック櫛の粗い側で10回逆毛立てられた。対照として3個の未処理の毛束が用いられた。
【0062】
このように処理された毛束は、プラスチック櫛による逆毛立ての後で未処理の対照毛髪と比べて明らかに小さいボリュームであった。このことはケア剤が毛髪の静電的な荷電を低下させ、さらにこれにより毛髪ボリュームを低下させたこと意味する。静電的に推定される静電防止的効果は、ヒドロクロリドとしての1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラート1%を含有する処方に関して確認されることができた。
【0063】
実施例3: 毛髪での人工染料の機械的摩擦の測定
湿った又は乾燥した染色された毛髪の接触による布地への色付きによって、染色の摩損を推定することができる。実際上にこの特性は、服を被せる際に染色された毛髪によって衣服の一部が色付きされ得ることなどにより体験される。したがって染色の摩損を測定することが、この効果を評価することになる。
【0064】
毛髪染色の摩損は、純粋物理学的な行程である。乾いた毛髪についての摩損の場合、物質の色付きは、毛髪からの染色粒子の剥離およびその粒子の布地への移動を基礎として原理的に生じる。湿った毛髪についての摩損の場合、機械的な移動の効果は、毛髪束の染料にじみ及びこれに起因する布地の色付きが重なって生じる。
【0065】
染色された毛髪束の染色摩損の測定は、湿った毛髪束の上に一定の圧力にて木綿テープを毛髪束に対して擦りつけて行われた。毛髪での染色摩損の量的評価は、よく知られたLab‐色測定(ミノルタスペクトロフォトメータCM-508iによる反射測定)を用いて行われた。本方法により測定された色差のΔE‐値(白地バンドとの差異)は、毛髪からの染料の放出の程度を表す。ΔE‐値が大きいほど、毛髪束の染色摩損が大きくなる。
【0066】
このために、3本の乾燥した梳毛束それぞれについて、少なくとも30gの市販の毛髪調色組成物(Wella、Color Fresh Liquid)を塗布した。室温での30分間の作用時間の後に、毛髪を流水下(35℃)で2分間すすぎ洗いし、50%の余剰湿度のもとに調整した。
【0067】
次に、白い木綿バンドを一定の圧力にて、染色された束の上からそれぞれ300サイクル摩擦した。染色摩損の測定のために、翌日にLab‐色測定を行った(図3)。
【0068】
【表3】

【0069】
実施例4: 毛髪の引裂強度の測定
毛髪コルテックスの構造的な無傷度の指標であり、すなわち毛髪損傷度の程度でもある毛髪の引裂強度の測定は、この目的に一般的な引っ張り‐伸長‐測定により行われる。それぞれの毛髪束から20本の毛髪を選び出し、それぞれの毛髪の径を、コンピュータ制御レーダーマイクロメーターを用いて測定する。次いで引張り−伸張−測定装置(MTT160/600シリーズ小型引張り試験器、シリアルNo.600.95.05.001、ダイア‐ストロン社、英国)を用いて、個々の毛髪の引き裂きに要する力を測定する。
【0070】
それぞれの値は毛髪の径の相違に基づいて相互に異なるが、これらの引裂強度の測定値から、いわゆる結束引張り強度(BZF)が求められる。すなわち個々の値から、それぞれの毛髪径を考慮に入れて、0.08mmの毛髪径(平均直径)に対する引裂強度が算出される。毛髪の比重を算入することによって、最終的に結束引張り強度の単位(cN/tex)に換算する。結束引張り強度の数値が大きい程、毛髪の損傷が小さい。
【0071】
1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートを含有するもの、および1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートを含有しない市販のシャンプーで処理された毛髪での測定は、以下の結果を表した。
【0072】
損傷した毛髪(ブロンド処理された毛髪)は、実施例2のシャンプーでヒドロクロリドとして1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートを含まないもので処理された。1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの量は水で置き換えた。この場合、以下の結果となった。BZF=12.0 +/− 0.4 cN/tex(シャンプー処理された束からの17本の毛髪の測定)。
【0073】
以下の実施例6のシャンプーおよび2.0重量%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートで処理された損傷した毛髪(ブロンド処理された毛髪)は、BZF=12.64 +/− 0.4 cN/tex(シャンプー処理された束からの20本の毛髪の測定)を示した。
【0074】
上記の平均値間の差異は、統計学上有意である(t‐検定によって算出した有意水準:99.9%)。
結束引張り強度は、2.0重量%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの含有により、12.0cN/texから12.64cN/texまで上昇した。このように、1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの添加が顕著な毛髪強化もしくは修復作用をもたらした。
【0075】
【表4】

【0076】
【表5】

【0077】
【表6】

【0078】
【表7】

【0079】
【表8】

【0080】
【表9】

【0081】
【表10】

【0082】
【表11】

【0083】
【表12】

【0084】
【表13】

【0085】
【表14】

【0086】
【表15】

【0087】
【表16】

【0088】
粉砕されたコロハ種子の1キログラムを、5リットルのエタノール/水(60%エタノール)と一緒に還流下で2時間加熱した。引き続き分離濾過し、濾過残留物を3リットルの60%エタノールで2回抽出した。一つにまとめた濾過物からエタノール部を分留した。残った水相をギ酸を用いてpH2〜3に酸性化させ、脂肪の除去のために1リットルの酢酸エチルエステルにて3回振出分離した。この段階で水相は約10gに濃縮され、その1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの正確な含有量をHPLCを用いて決定した。引き続き、追加の濃縮または水の添加によって作用物質含有量を10%に調整した。この方法により8〜15gの抽出物が得られた。残った余剰のギ酸は、同時に保存的に作用した。
【0089】
【表17】

【0090】
【表18】

【0091】
【表19】

【0092】
【表20】

【0093】
1キログラムの未粉砕・未焙焼のコーヒー豆を5リットルのエタノール/水(60%エタノール)と一緒に還流下で2時間加熱した。引き続き分離濾過し、濾過残留物を3リットルの60%エタノールで2回抽出した。一つにまとめた濾過物からエタノール部を分留した。残った水相をギ酸を用いてpH2〜3に酸性化させ、脂肪の除去のために1リットルの酢酸エチルエステルにて3回振出分離した。この段階で水相は約100gに濃縮され、その1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートの正確な含有量をHPLCを用いて決定した。引き続き、追加の濃縮または水の添加によって作用物質含有量を10%に調整した。この方法により60〜150gの抽出物が得られた。残った余剰のギ酸は、同時に保存的に作用した。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、調色された毛髪の摩耗破断の測定結果を表す。 1=天然毛髪 2=ブリーチされた毛髪 3=ブリーチされて調色された毛髪 4=3を0.1%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートで処理 5=3を1%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートで処理
【図2】図2は、パーマネントウエーブ処理された毛髪の摩耗破断の測定結果を表す。 1=天然毛髪 2=ブリーチされた毛髪 3=ブリーチされてパーマネントウエーブ処理された毛髪 4=3を0.5%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートで処理
【図3】図3は、染色摩損の測定結果を示す。 1=ブリーチされた毛髪に調色処理 2=1を5%の1‐メチルピリジニウム‐3‐カルボキシラートで処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷に対する修復、補強、再構築のためおよび保護のための製剤における、下記式(I)および/または(II)の化合物、これの塩類の使用。
【化1】


[式中、XもしくはYは、任意の無機性または有機性の、一価または多価の、生理学的に危険性のないアニオンもしくはカチオンを表す]
【請求項2】
前記式(I)および/または(II)の化合物が、合成由来または天然由来であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記式(I)および/または(II)の化合物が、天然の植物抽出物の成分として存在することを特徴とする請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
作用物質が、純粋なベタイン形態にて、または式(II)の化合物としての塩として存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
が、ホルマート、タルトラート、オキサラート、アスパルタート、グルタマート、アセタート、シトラートから成る群、あるいはクロリド、ブロミド、ヨージド、スルファート、ヒドロゲンスルファート、ホスファート、モノヒドロゲンホスファート、ジヒドロゲンホスファート、ヒドロキシド、カルボナート、ニトラートなどの無機の残基から選択され、Yが、プロトン、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウムおよびマグネシウム、近隣群金属、好ましくはアルミニウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、銀、アンモニウム基または1級、2級、3級もしくは4級アミン、ヒドラジドまたはヒドロキシルアンモニウム基からの群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
消耗した、および/または損傷を受けたケラチン含有素材における請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記製剤を、前記ケラチン含有素材が化学的および/または物理的害毒物へ曝露される前、曝露中または曝露後に、該ケラチン含有素材と接触させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
ケラチン含有素材の化学的および/または物理的処理の前に用いる前処理剤における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
ケラチン含有素材内部構造の損傷の防止または軽減、あるいはケラチン含有素材の修復(再構築)のための請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
化学的処理に染色、調色、ブリーチまたはパーマネント変形が含まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
ケラチン含有素材が皮膚付属物からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
皮膚付属物がケラチン性繊維であることを特徴とする請求項11に記載の使用。
【請求項13】
痛みやすく、脆く、および/または細いケラチン性繊維の美容処理のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
ケラチン性繊維がヒトの頭髪であることを特徴とする請求項12および13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
前記式(I)および/または(II)の化合物が、総量に対して0.001〜30.0重量%の量にて製剤中に含まれることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
前記式(I)および(II)の化合物が、総量に対して0.05〜10.0重量%の量にて製剤中に含まれることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
製剤が水性もしくは水‐アルコール性溶液、エマルジョン、泡、クリームまたはジェルとして存在することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
下記式(I)および/または(II)の化合物、これの塩類、
【化2】


[式中、XもしくはYは、任意の無機性または有機性の、一価または多価の、生理学的に危険性のないアニオンもしくはカチオンを表す]
または植物抽出物の形態にて含有する製剤を1〜60分の時間、10〜70℃の温度にてケラチン含有素材と接触させて、必要に応じてその後にすすぎ洗われることを特徴とする、ケラチン含有素材の機械的および化学的損傷に対する修復、補強、再構築のためおよび保護のための使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−529438(P2007−529438A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503210(P2007−503210)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001442
【国際公開番号】WO2005/097047
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】