説明

ケラチン繊維の漂白と着色を同時に行うための毛髪染色剤

本発明の対象は、ケラチン繊維(特に頭髪)の漂白と着色を同時に行うための薬剤であって、当該薬剤は、(a)酸化剤、並びに(b)下記の式(I)で表されるチアゾリウムアゾ染料:



の少なくとも1種を含有し、(c)塩基性のpH値を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、チアゾリウムアゾ染料の少なくとも1種を含有した、ケラチン繊維(例えば羊毛、絹又は毛髪、特に人間の頭髪)の着色と漂白を同時に行うための薬剤である。
【背景技術】
【0002】
ケラチン繊維の色を変える処理については、一般的に2つの染色方法が用いられている。第1の方法では、いわゆる酸化またはパーマネント染色剤を用いて、種々の顕色剤物質とカップラー物質から成る混合物と酸化剤を使用して色が生じる。必要な場合には、染色結果を完全なものとするために、あるいは特殊な染色効果を生じさせるために、いわゆる直接(非酸化)染料を添加することができる。第2の方法は、もっぱら直接染料を使用するものであり、この染料は、適当なキャリヤー物質の中に入った状態で、上記繊維上に塗布される。このような方法は、簡単に使用され、非常に温和であり、ケラチン繊維の損傷がほとんどない点で優れている。この際に使用される直接染料については、多くの必要条件が定められている。即ち、この染料は、毒物学的にも皮膚化学的にも危険でないものでなければならず、しかも、所望の濃度で発色が起こるものでなければならず、これは、とりわけ、充分な水溶解性であることが前提となる。更に、得られる色については、良好な光堅牢度、酸堅牢度及び摩擦堅牢度が必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、酸化染色に比べて非酸化染色は、一般的に持続性が劣り、色調整が良くない。その上、直接染料は、一般的に毛髪を「明るい色に着色」された状態とはしない。というのは、多くの直接染料は、漂白するのに必要とされる酸化剤及び/又は9以上の必要とされるpH値に耐えられないからである。
【0004】
それゆえ、本発明の課題は、塩基性のpH値と酸化剤に対して耐性のある直接染料(特に青色の色範囲のもの)を主剤とする染色剤を提供することである。
【0005】
今ここに、特定のチアゾリウムアゾ染料の添加によって上記の課題が解決できることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それゆえ、本発明の対象は、ケラチン繊維、特に頭髪を漂白と同時に着色するための薬剤であって、当該薬剤が、(a)酸化剤、並びに(b)下記の式(I)で表されるチアゾリウムアゾ染料:
【0007】
【化1】

【0008】
〔上式にて、
R1は、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)によって置換された(C‐C12)‐アルキル基、ヒドロキシ‐(C−C12)‐アルキル基、(C−C)アルコキシ‐(C−C12)‐アルキル基、アミノ‐(C−C12)‐アルキル基、(C−C)アルキルアミノ‐(C−C12)‐アルキル基、ジ‐(C−C)‐アルキルアミノ‐(C−C12)‐アルキル基、シアノ‐(C−C12)‐アルキル基、置換された又は置換されていないフェニル基又は、置換された又は置換されていないベンジル基を示し、
R2及びR3は同じものであっても異なるものであっても良く、独立して互いに水素、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、(C−C12)‐アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、(C−C12)‐アルキルアミノ基、ジ(C−C12)‐アルキルアミノ基、(C−C12)‐ヒドロキシアルキルアミノ基、ジ(C−C12)‐ヒドロキシアルキルアミノ基、置換された又は置換されていないフェニル基又は、置換された又は置換されていないヘテロアリール基を示し、
R4は、水素、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)によって置換された(C‐C12)‐アルキル基、ヒドロキシ‐(C−C12)‐アルキル基、アミノ‐(C−C12)‐アルキル基又はベンジル基を示し、
R5及びR6は同じものであっても異なるものであっても良く、独立して互いに水素、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、ヒドロキシル基、(C−C12)‐アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、(C−C12)‐アルキルアミノ基又は、ジ(C−C12)‐アルキルアミノ基を示し、しかも
は、有機酸又は無機酸のアニオンである〕
の少なくとも1種を含有し、しかも(c)塩基性のpH値を有していることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記式(I)の化合物の中で好ましいものは、R1が、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基であるものであり、前記式(I)の化合物において、R1が、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基で、しかも、R4が、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基であるものが特に好ましい。
は、クロリド、ブロミド、ヨージド、ハイドロゲンスルフェート、スルフェート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、モノメチルスルフェート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート、フォルミエート、アセテート又はプロピオネートであることが好ましく、この際、クロリドイオン、ブロミドイオン、モノメチルスルフェートイオン及びアセテートイオンが特に好ましい。
【0010】
前記一般式(I)の適した化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐アセテート、3‐メチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3‐メチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3‐メチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3‐メチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、及び2‐[[4‐[ビス(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐アセテート。
【0011】
前記式(I)の特に好ましい化合物は、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、及び2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐アセテートである。
【0012】
前記式(I)の化合物は、本発明の染色剤中に0.01〜10重量%の量にて含有されることが好ましく、特に0.1〜8重量%の量が好ましい。
【0013】
本発明の前記染色剤は、前記式(I)の染料の他に、更に別の公知の、酸化剤に対して安定な直接染色性の染料を含有することができ、このような染料は例えば、3‐(2’,6’‐ジアミノピリジル‐3’‐アゾ)‐ピリジン(=2,6‐ジアミノ‐3‐((ピリジン‐3‐イル)アゾ)ピリジン)、N,N‐ジ(2‐ヒドロキシエチル)‐3‐メチル‐4‐((4‐ニトロフェニル)‐アゾ)‐アニリン(ディスパースレッド17、CI11210)、3‐ジエチルアミノ‐7‐(4‐ジメチルアミノフェニルアゾ)‐5‐フェニル‐フェナジニウムクロリド(CI11050)、4‐(2‐チアゾリルアゾ)‐レゾルシン、4‐((4‐フェニルアミノ)アゾ)ベンゾスルホン酸‐ナトリウム塩(オレンジIV)、1‐((3‐アミノプロピル)アミノ)‐9,10‐アントラセンジオン(HCレッドNo.8)、3’,3”,4,5,5’,5”,6,7‐オクタブロモフェノールスルホンフタレイン(テトラブロモフェノールブルー)、1‐((4‐アミノ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐(2,6‐ジクロロフェニル)‐メチレン)‐3,5‐ジメチル‐4‐イミノ‐2,5‐シクロ‐ヘキサジエン‐リン酸(1:1)(ベーシックブルー77)、3’,3”,5’,5”‐テトラブロモ‐m‐クレゾールスルホンフタレイン、2,4‐ジニトロ‐1‐ナフトール‐7‐スルホン酸‐二ナトリウム塩(アシッドイエロー1、CI10316)、4‐[2’‐ヒドロキシ‐1’‐ナフチル)アゾ]‐ベンゾスルホン酸‐ナトリウム塩(アシッドオレンジ7、CI15510)、3’,6’‐ジヒドロキシ‐2’,4’,5’,7’‐テトラヨードスピロ‐[イソベンゾ‐フラン‐1(3H),9’(9H)‐キサンテン]‐3‐オン‐二ナトリウム塩(アシッドレッド51、CI45430)、6‐ヒドロキシ‐5‐((2‐メトキシ‐5‐メチル‐4‐スルホフェニル)アゾ)‐2‐ナフタリン‐スルホン酸‐二ナトリウム塩(FD&Cレッド40、CI16035)、2,4‐ジニトロ‐1‐ナフトール‐ナトリウム塩(アシッドイエロー24、CI10315)、2’,4’,5’,7’‐テトラブロモ‐4,5,6,7‐テトラクロロ‐3’,6’‐ジヒドロキシ‐スピロ(イソベンゾフラン‐1(3H),9’[9H]キサンテン]‐3‐オン‐二ナトリウム塩(アシッドレッド92、CI45410)、4‐(2‐ヒドロキシ‐1‐ナフチルアゾ)‐3‐メチル‐ベンゼンスルホン酸‐ナトリウム塩(アシッドオレンジ8、CI15575)、2‐アミノ‐1,4‐ナフタリンジオン、ジチゾン(1,5‐ジフェニルチオカルバゾン)、N‐(2‐ヒドロキシエチル))‐2‐ニトロ‐4‐トリフルオロメチル)アニリン(HCイエロー13)、N‐(2‐ヒドロキシエチル))‐4‐ニトロ‐アニリン及び4‐クロロ‐N‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)‐2‐ニトロ‐アニリン、1‐メチル‐4‐((メチルフェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウム‐メチルスルフェート(ベーシックイエローNo.87)、3‐((4,5‐ジヒドロ‐3‐メチル‐5‐オキソ‐1‐フェニル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)アゾ)‐N,N,N‐トリメチル‐ベンゼンアミニウム‐クロリド、3‐[(3‐メチル‐5‐ヒドロキシ‐1‐フェニル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)アゾ]‐トリメチルアンモニオ‐ベンゼン‐クロリド(ベーシックイエローNo.57)、2‐((4‐アミノフェニル)アゾ)‐1,3‐ジメチル‐1H‐イミダゾール‐3‐イウム‐クロリド(ベーシックオレンジNo.31)、1,4‐ジメチル‐5‐[(4‐(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ]‐1,2,4‐トリアゾリウム‐クロリド(ベーシックレッドNo.22、CI11055)、2‐((4‐ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)‐1,3‐ジメチル‐1H‐イミダゾリウム‐クロリド(ベーシックレッドNo.51)、1,4‐ジメチル‐5‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐1,2,4‐トリアゾリウム‐ブロミド(ベーシックレッドNo.46)、N,N,N‐トリメチル‐3‐{[4‐(メチルアミノ)‐9,10‐ジオキソ‐9,10‐ジヒドロ‐1‐アントラセニル]‐アミノ}‐1‐プロパンアミニウム‐メチルスルフェート、N,N‐ジメチル‐3‐{[4‐(メチルアミノ)‐9,10‐ジオキソ‐9,10‐ジヒドロ‐1‐アントラセニル]アミノ}‐N‐プロピル‐1‐プロパンアミニウム‐クロリド及び、N,N‐ジメチル‐3‐{[4‐(メチルアミノ)‐9,10‐ジオキソ‐9,10‐ジヒドロ‐1‐アントラセニル]アミノ}‐N‐プロピル‐1‐プロパンアミニウム‐ブロミドが挙げられる。
【0014】
前記式(I)の染料と直接染料の総含有量は、本発明の染色剤中に約0.01〜15重量%であり、特に約0.1〜12重量%であることが好ましい。
【0015】
もちろん、本発明の染色剤には、酸化染料前駆体、例えばo,p,m‐フェニレンジアミン、o,p,m‐アミノフェノール、ジフェノール又は4,5‐ジアミノピラゾールが添加されても良い。
【0016】
このようにして添加される顕色物質及びカップラー物質は、前記染色剤中にそれぞれ、約0.01〜20重量%の総量で含有させることができ、好ましくは約0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の総量で含有させることができる。
【0017】
本発明の染色剤の調合形態は、例えば溶液(特に水性又は水‐アルコール性溶液)、クリーム、ゲル、界面活性剤を含有する泡状溶液(シャンプー、アエロゾル)、エマルジョン又は、毛髪に適用するのに適した他の水含有キャリヤーであって良い。同様に、本発明の染色剤は、ペレット、粒状物又は粉末の形態であっても良く、これらは、使用する前に水性調合物(例えば水又は水性の酸化剤調合物)に溶解される。
【0018】
このような薬剤の調合とは、このような調合において一般的な添加剤と上記染料成分との混合を意味している。
【0019】
溶液、クリーム、エマルジョン又はゲルにおける一般的な添加剤としては、例えば下記の溶剤であり、例えば水、低級脂肪族性の1価又は多価アルコール、そのエステル及びエーテル、例えば特に1〜4個の炭素原子を有するアルカノール(例えばエタノール、プロパノール又はイソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなど)、2価及び3価のアルコールで、特に2〜6個の炭素原子を有するもの(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、1,2,6‐ヘキサントリオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリアルキレングリコール(例えばトリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、多価アルコールの低級アルキルエーテル(例えばエチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル又はエチレングリコールモノプロピルエーテル又はエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、ケトン及びケトアルコールで、特に3〜7個の炭素原子を有するもの(例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルフェニルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びジアセトンアルコールなど)、エーテル(例えばジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなど)、エステル(例えば蟻酸エチル、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び酢酸ヒドロキシエチルエステルなど)、アミド(例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドなど)、N‐メチルピロリドン、並びに尿素、テトラメチル尿素及びチオグリコールなどである。
【0020】
更に、本発明の毛髪染色剤中には、アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性又は混種イオン性(zwitterionischen)界面活性物質の種族からの湿潤剤または乳化剤(例えば脂肪アルコールスルフェート、オキシエチル化脂肪アルコールスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、α‐オレフィンスルホネート、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、オキシエチル化脂肪アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステル、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルキルポリグルコシドなど)、増粘剤(例えば高級脂肪アルコール、澱粉、セルロース誘導体、ワセリン、パラフィンオイル、脂肪酸、及び乳化形態である他の脂肪成分など)、水溶性のポリマー増粘剤(例えば天然ゴム、グアガム、キサンタンガム、いなごまめの最上の麦粉(Johannisbrotkernmehl)、ペクチン、デキストラン、寒天、アミローゼ、アミロペクチン、デキストリン、粘土又は完全合成ヒドロコロイド(ポリビニルアルコールなど))、並びに、この他の手入れ物質(例えばラノリン誘導体、コレステリン、パントテンサン酸、水溶性のカチオン性ポリマー、プロテイン誘導体、プロビタミン、ビタミン、植物抽出物、糖及びベタインなど)、助剤(例えば湿潤維持剤(Feuchthaltemittel) 、電解質、酸化防止剤、脂肪アミド、金属イオン封鎖剤、膜形成性試薬及び防腐剤など)が含有されても良い。水の他に、水溶性の有機溶剤又はこれら溶剤の混合物、並びに水/溶剤混合物を使用することもできる。
ここに挙げられている成分は、その目的において一般的な量で使用され、例えば、湿潤剤および乳化剤は約0.1〜30重量%の濃度で、増粘剤は約0.1〜30重量%の量で、手入れ物質(Pflegestoffe)は約0.1〜5重量%の量で使用される。
【0021】
使用の準備ができた本発明の前記染色剤は、使用する直前に、前記染料を含有する染色キャリヤー物質と酸化剤を混合することによって製造される。
【0022】
酸化剤としては、主に、過酸化水素又はその尿素、メラミン、ホウ酸ナトリウム又は炭酸ナトリウム付加化合物が挙げられ、1〜12%、好ましくは3〜9%水溶液の形態のものが挙げられる。この場合において、染色キャリヤー物質と酸化剤との間の重量比率は、好ましくは約5:1〜1:3、特に1:1〜1:2である。とりわけ染色剤中の酸化染料前駆体の濃度が高い場合、又は、ケラチン繊維(特に頭髪)を同時に強く漂白することを意図する場合には、大量の酸化剤が使用される。6つまでの色調段階でケラチン繊維を漂白することを意図する場合、使用される前記(I)の染料が過硫酸塩に対して安定である限り、過硫酸塩、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム又は過硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物を添加することができる。
【0023】
使用の準備ができた本発明の染色剤のpH値は、染色キャリヤー物質と酸化剤とを混合する際に、染色キャリヤー物質、酸化剤のpH値によって、並びにこの混合比率によって決定されるpH値に調整される。使用の準備ができた上記薬剤は、7よりも大きな塩基性のpH値、好ましくは約8〜11のpH値を有する。この際、アルカリ性への調整は、アンモニアを用いて行うことが好ましいが、有機アミン、例えば2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミン、又は、有機アミンとアンモニアとの混合物、並びに無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、硼砂(Na×10HO)、リン酸水素二ナトリウムも使用することができる。pH値が高すぎる場合には、無機又は有機酸、例えばリン酸、酢酸、乳酸、アスコルビン酸、クエン酸又は酒石酸を用いて修正することができる。
【0024】
引き続いて、染色処理を行うのに充分な量(一般的には約30〜120g)の上記混合物をケラチン繊維上に塗布し、この混合物を約15〜50℃、好ましくは30〜40℃で、約1〜60分間、好ましくは5〜30分間、ケラチン繊維上で作用させ、その後、このケラチン繊維を水で充分に濯ぎ、乾燥させる。場合によっては、シャンプーを用いて洗浄を行った後に、同様に弱い有機酸、例えばクエン酸又は酒石酸を用いて後濯ぎを行う。引き続いて、このケラチン繊維を乾燥させる。
【0025】
その上、異なる程度に激しく損傷した毛髪(例えば後染色で既に酸化染色された毛髪部分)を染色する際には、予め損傷を受けた毛髪部分(例えば毛髪の先端)に、酸化剤を含まない染色キャリヤー物質(純粋であるか、あるいは、更に別の酸性、中性又は塩基性水性成分を用いて希釈されただけのもの)を塗布することができ、一方、損傷の少ない又は全く損傷のない毛髪部分(例えば毛髪の根元及び毛髪の長く伸びた部分)には、酸化剤と混合された染色キャリヤー物質を塗布することができる。希釈を行うのに使用される水性成分は、溶液、クリーム、エマルジョン又はゲルにおける通常の前記添加物を含有しても良い。このような方法は、毛髪状態に合った染色を可能とし、この染色は、通常の毛髪染色剤を使用した場合には達成できない毛髪の根元と先端との保護比較において特に優れている。というのは、カップリングのためには、前記染料前駆体は、常に酸化剤を必要とするからである。
【0026】
本発明の染色剤は、特別な色濃度と輝き、損傷を受けた毛髪と損傷を受けていない毛髪との間(例えば毛髪先端と、毛髪の後から生えてくる部分との間)の良好な色調整の点、並びに特に良好な光堅牢度及び汗耐久性の点で優れた染色を可能とする。
【0027】
前記の染料は、公知のものである。前記式(I)の染料の製造は、公知の製造方法(例えば、2‐アミノチアゾール誘導体とN‐ベンジルアミノフェニル誘導体とのアゾカップリングと、その後に行われる第四級化を経る方法、又は、チアゾロン‐ヒドラゾン類とN‐ベンジルアミノフェニル誘導体との酸化縮合を経る方法)と同様にして行うことができる。
【0028】
以下の実施例は、本発明の対象を更に詳しく説明するためのものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
染色例1〜8:比較実験
前記式(I)の染料 0.53g
エタノール 5.00g
デシルグルコシド 4.00g
エチレンジアミノテトラ酢酸‐二ナトリウム塩 0.20g
添加して100.00gとなる水、充分に脱塩したもの
【0030】
A)本発明品
上記の染色溶液5gを、9%過酸化水素溶液5gと混合する。この染色溶液を、アンモニアを添加することによって所望のpH値に調整する。このようにして得られた調合済みの毛髪染色剤を80%白くなった毛髪上に塗布し、刷毛を用いて均一に分配する。40℃にて30分間の作用時間の後、この毛髪を生ぬるい水で洗い流し、シャンプーを用いて洗浄し、生ぬるい水で洗い流し、その後、乾燥させる。
【0031】
B)本発明品でないもの(過酸化水素なし)
上記の染色溶液5gを、5gの水と混合する。この染色溶液を、アンモニアを添加することによって所望のpH値に調整する。このようにして得られた調合済みの毛髪染色剤を80%白くなった毛髪上に塗布し、刷毛を用いて均一に分配する。40℃にて30分間の作用時間の後、この毛髪を生ぬるい水で洗い流し、シャンプーを用いて洗浄し、生ぬるい水で洗い流し、その後、乾燥させる。
【0032】
この染色結果が以下の表1に要約されている。
【0033】
【表1】

【0034】
染色例9〜13:強い漂白効果のある染色剤
漂白効果のある粉末主剤
過硫酸カリウム 20.0g
過硫酸アンモニウム 30.0g
珪酸ナトリウム 24.0g
酸化マグネシウム 12.5g
ヒドロキシセルロース 5.0g
石鹸泡(Seifenperlen) 6.0g
分散性珪酸 2.0g
二ナトリウム‐EDTA 0.5g
【0035】
表2に記載される前記式(I)の染料0.1gを、前記の漂白効果のある粉末主剤9.9g中に混合する。引き続いて、このようにして得られた染色粉末を、12%過酸化水溶液20gと混合し、混合容器中で均一に攪拌を行い、その後、乾燥させた濃いブロンド色の天然毛髪上に塗布する。40℃にて30分間の作用時間の後、この毛髪を生ぬるい水で洗い流し、シャンプーを用いて洗浄し、生ぬるい水で洗い流し、その後、乾燥させる。
【0036】
使用した染料並びに染色結果が以下の表2に要約されている。
【0037】
【表2】

【0038】
本願明細書中において示されている百分率はいずれも、特に述べられていない限り、重量パーセントを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維の漂白と着色を同時に行うための薬剤であって、当該薬剤が、(a)酸化剤、並びに(b)下記の式(I)で表されるチアゾリウムアゾ染料:
【化1】

〔上式にて、
R1は、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、ハロゲン原子によって置換された(C‐C12)‐アルキル基、ヒドロキシ‐(C−C12)‐アルキル基、(C−C)アルコキシ‐(C−C12)‐アルキル基、アミノ‐(C−C12)‐アルキル基、(C−C)アルキルアミノ‐(C−C12)‐アルキル基、ジ‐(C−C)‐アルキルアミノ‐(C−C12)‐アルキル基、シアノ‐(C−C12)‐アルキル基、置換された又は置換されていないフェニル基又は、置換された又は置換されていないベンジル基を示し、
R2及びR3は同じものであっても異なるものであっても良く、独立して互いに水素、ハロゲン原子、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、(C−C12)‐アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、(C−C12)‐アルキルアミノ基、ジ(C−C12)‐アルキルアミノ基、(C−C12)‐ヒドロキシアルキルアミノ基、ジ(C−C12)‐ヒドロキシアルキルアミノ基、置換された又は置換されていないフェニル基又は、置換された又は置換されていないヘテロアリール基を示し、
R4は、水素、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、ハロゲン原子によって置換された(C‐C12)‐アルキル基、ヒドロキシ‐(C−C12)‐アルキル基、アミノ‐(C−C12)‐アルキル基又はベンジル基を示し、
R5及びR6は同じものであっても異なるものであっても良く、独立して互いに水素、ハロゲン原子、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基、ヒドロキシ基、(C−C12)‐アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、(C−C12)‐アルキルアミノ基又は、ジ(C−C12)‐アルキルアミノ基を示し、しかも
は、有機酸又は無機酸のアニオンである〕
の少なくとも1種を含有し、しかも(c)塩基性のpH値を有していることを特徴とするケラチン繊維の同時漂白及び着色用薬剤。
【請求項2】
R1が、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
R4が、飽和又は不飽和の(C−C12)‐アルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の薬剤。
【請求項4】
が、クロリド‐、ブロミド‐、ヨージド‐、ハイドロゲンスルフェート‐、スルフェート‐、トルエンスルホネート‐、ベンゼンスルホネート‐、モノメチルスルフェート‐、ヘキサフルオロホスフェート‐、ヘキサフルオロアンチモネート‐、テトラフルオロボレート‐、テトラフェニルボレート‐、フォルミエート‐、アセテート‐又はプロピオネート‐アニオンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項5】
前記式(I)の化合物が、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3‐メチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,5‐ジメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐クロリド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐ブロミド、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、3,4,5‐トリメチル‐2‐[[4‐[メチル(フェニルメチル)アミノ]フェニル]アゾ]‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチル‐フェニル]アゾ]‐3‐メチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,5‐ジメチル‐チアゾリウム‐アセテート、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐クロリド、2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐ブロミド、及び2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐モノメチルスルフェート、及び2‐[[4‐[エチル(フェニルメチル)アミノ]2‐メチルフェニル]アゾ]‐3,4,5‐トリメチル‐チアゾリウム‐アセテートから選ばれたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項6】
前記式(I)の化合物が、0.01〜10重量%の量にて含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項7】
前記薬剤が、更に追加して少なくとも1種の別の酸化安定性直接染料及び/又は酸化染料前駆体を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項8】
前記の使用の準備ができた染色剤が、8〜11のpH値を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項9】
前記酸化剤が、過酸化水素又は、その尿素、メラミン、ホウ酸ナトリウム又は炭酸ナトリウムとの付加化合物から選ばれたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項10】
前記薬剤が、更に過硫酸塩を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項11】
前記薬剤が、前記式(I)で表されるチアゾリウムアゾ染料の少なくとも1種を含有する染色キャリヤー物質(A)と、酸化剤を含有する成分(B)とから成る2成分薬剤の形態であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項12】
前記薬剤が毛髪染色剤であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の薬剤。

【公表番号】特表2007−523100(P2007−523100A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553452(P2006−553452)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012982
【国際公開番号】WO2005/079732
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】