ケーブル分岐ケース
【課題】外力を受けやすい場所であっても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるケーブル分岐ケースの提供を目的とする。
【解決手段】芯線部21と該芯線部21の外周を覆う被覆部22とを有し車載バッテリに接続される電源ケーブル20の中間部23を車体側に支持するとともに、車載バッテリからの供給電力を中間部23で分岐させるケーブル分岐ケースであって、絶縁性のベース体40と、絶縁性のカバー体と、スタットボルト45と、を備える。ベース体40は、車体側に支持される。カバー体は、ベース体40に取り付けられて該ベース体40との間に収容空間を区画する。スタットボルト45は、ベース体40に固定されて収容空間に突出し、電源ケーブル20の中間部23に固定されて芯線部21と通電する電源接続端子36と分岐ケーブル25とが締結固定される。
【解決手段】芯線部21と該芯線部21の外周を覆う被覆部22とを有し車載バッテリに接続される電源ケーブル20の中間部23を車体側に支持するとともに、車載バッテリからの供給電力を中間部23で分岐させるケーブル分岐ケースであって、絶縁性のベース体40と、絶縁性のカバー体と、スタットボルト45と、を備える。ベース体40は、車体側に支持される。カバー体は、ベース体40に取り付けられて該ベース体40との間に収容空間を区画する。スタットボルト45は、ベース体40に固定されて収容空間に突出し、電源ケーブル20の中間部23に固定されて芯線部21と通電する電源接続端子36と分岐ケーブル25とが締結固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル分岐ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の中間部の被覆部を剥いた芯線部を切断して分けて分岐ボックスに固定された端子台に固定し、該端子台に分岐用の電線を固定して電力を分岐させ、該分岐部分を分岐ボックスで覆った配線分岐装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−333356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載バッテリとスタータとを繋ぐ電源ケーブルを備えた車両において、架装物等電気機器の電源を電源ケーブルの中間部から取り出すために、上記従来の構成を採用した場合、車体側に支持される分岐ボックスはエンジンからの振動を受けることとなる。その結果、分岐ボックス内部の分けられた芯線部に外力が加わることとなり、分岐ボックスの内部において芯線部が断線あるいはショートしてしまう可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、外力を受けやすい場所であっても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるケーブル分岐ケースの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、芯線部とこの芯線部の外周を覆う被覆部とを有し車載バッテリに接続される電源ケーブルの中間部を車体側に支持するとともに、車載バッテリからの供給電力を中間部で分岐させるケーブル分岐ケースであって、絶縁性のベース体と、絶縁性のカバー体と、スタットボルトと、第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部と、分岐ケーブル挿通開口部と、を備える。絶縁性のベース体は、車体側に支持される。絶縁性のカバー体は、ベース体に取り付けられて該ベース体との間に収容空間を区画する。スタットボルトは、ベース体に固定されて収容空間に突出し、電源ケーブルの中間部に固定されて芯線部と通電する電源接続端子が締結固定される。第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部は、収容空間と外部とを連通し、電源ケーブルのうち電源接続端子の両側をそれぞれ挿通する。分岐ケーブル挿通開口部は、収容空間と外部とを連通し、スタットボルトに締結固定されて電源ケーブルと通電する分岐ケーブルを挿通する。
【0007】
上記構成では、車載バッテリに接続される電源ケーブルの中間部に固定されて芯線部と通電する電源接続端子が、ケーブル分岐ケースのベース体に固定されて収容空間に突出するスタットボルトに締結固定される。すなわち、電源ケーブルの中間部が電源接続端子を介してケーブル分岐ケースに強固に固定され、ケーブル分岐ケースの収容空間での電源ケーブルの移動が確実に防止される。このため、エンジンの振動によってケーブル分岐ケースの収容空間の電源ケーブルが断線やショートする可能性を低減させることができる。また、車体側に支持されるケーブル分岐ケースのスタットボルトに分岐ケーブルを締結固定することで車載バッテリからの供給電力が分岐される。従って、エンジンから振動を受ける場所においても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができる。さらに、スタットボルトに分岐ケーブルを締結固定するだけで車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるため、作業性が良好である。また、ケーブル分岐ケースへの電源ケーブルの固定と車載バッテリからの供給電力の分岐とをスタットボルトによって行うことができるため、構造を簡略化することができる。
【0008】
また、カバー体は、スタットボルトに電源接続端子が締結固定された状態で、ベース体に取り付けられて電源ケーブルの中間部を覆う第1ケースと、ベース体に取り付けられてスタットボルトを覆う第2ケースと、を有してもよい。
【0009】
上記構成では、カバー体は、電源ケーブルの中間部を覆う第1ケースと、スタットボルトを覆う第2ケースとを有する。従って、スタットボルトに分岐ケーブルを締結するためにカバー体を取り外す場合、第1ケースを取り付けたまま第2ケースを取り外すだけでよく、通電部分の露出範囲を少なくすることができ、ショートする可能性を低減できる。
【0010】
さらに、ベース体及び第1ケースの一方と第2ケースとを連結するヒンジ部を備え、第2ケースは、カバー体がベース体に取り付けられた状態で、ヒンジ部を中心に回転移動して収容空間を開閉し、ベース体及び第1ケースの前記一方と第2ケースとは、第2ケースが収容空間を開放した状態で相互に係合して該第2ケースを仮保持する係合部と被係合部とをそれぞれ有してもよい。
【0011】
上記構成では、第2ケースが、ベース体及び第1ケースの一方にヒンジ部を介して連結され、ヒンジ部を中心に回転移動して収容空間を開閉する。第2ケースは、ヒンジ部による回転によってベース体の取り付け位置に容易に移動可能であるため、第2ケースをベース体に取り付ける際の組み付け作業が容易となる。また、ベース体及び第1ケースの前記一方と第2ケースとは、第2ケースが収容空間を開放した状態で相互に係合して該第2ケースを仮保持する係合部と被係合部とをそれぞれ有する。従って、収容空間を開放させたときに第2ケースを仮保持させることができるため、スタットボルトに分岐ケーブルを締結する際の作業性が良好となる。
【0012】
また、ベース体及びカバー体の少なくとも一方は、カバー体をベース体に取り付けた状態で電源ケーブルのうち電源接続端子の両側で被覆部をそれぞれ押圧して支持する複数の突起部を有してもよい。
【0013】
上記構成では、複数の突起部が電源接続端子の両側で被覆部をそれぞれ押圧して支持する。すなわち、エンジンの振動をケーブル分岐ケースの収容空間の電源ケーブルに伝わりにくくすることができる。従って、ケーブル分岐ケースの収容空間の電源ケーブルの断線の可能性や電源接続端子の固定の緩みを防ぐことができる。
【0014】
さらに、ベース体は、車体側に固定されたブラケットに揺動自在に支持されてもよい。
【0015】
上記構成では、ベース体が車体側に固定されたブラケットに揺動自在に支持されるため、ケーブル分岐ケースの第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部の電源ケーブルに伝わるエンジンの振動を低減でき、電源ケーブルが断線する可能性を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のケーブル分岐ケースによれば、外力を受けやすい場所であっても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るケーブル分岐ケースの概略斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3はケーブル分岐ケースのカバー体を外した概略図、図4はブラケットを示す概略斜視図、図5はベース体を示す概略図、図6はカバー体を示す概略図、図7はベース体を示す側面図、図8はカバー体を示す側面図をそれぞれ示したものである。
【0018】
図1〜図8に示すように、車体のクロスメンバ1に取り付けられたケーブルブラケット2には、ブラケット10が設けられている。
【0019】
ブラケット10は、略矩形板形状を有し、ケーブルブラケット2と接合する接合部11と、接合部11の一端から略垂直に延びる支持部12と、支持部12に形成される支持穴13と、接合部11と支持部12の側端から垂直に延びるフランジ部14と、から構成される。
【0020】
ブラケット10の支持穴13には、ケーブル分岐ケース30が取り付けられる。ケーブル分岐ケース30は、絶縁性部材から構成され、ベース体40とカバー体50とを有する。
【0021】
ベース体40は、電源ケーブル20を配置可能な第1ベース41と分岐ケーブル25を配置可能な第2ベース42とを有する。第1ベース41は、長手方向の一端側と他端側とに半円筒形状を有する突起部43が形成され、突起部43を挟む短手方向の両端側に複数の第1係止部44が形成されている。第2ベース42は、略中央に導電性のスタットボルト45が埋設され、短手方向の一端側に複数の第2係止部46が形成されている。第1ベース41の短手方向の一端側には支持爪47が形成され、支持爪47がブラケット10の支持穴13に係合することによって、ケーブル分岐ケース30はブラケット10に揺動自在に支持される。
【0022】
カバー体50は、第1ベース41に取り付けられる第1ケース51と第2ベース42に取り付けられる第2ケース52とを有する。第1ケース51は、長手方向の一端側と他端側とに半円筒形状を有する突起部54が形成され、突起部54を挟む短手方向の両端側に複数の第1係止爪55が形成されている。第2ケース52は、短手方向の一端側に複数の第2係止爪56が形成されている。第1ケース51と第2ケース52とは、回転軸と軸穴とから構成されるヒンジ部53によって連結される。
【0023】
カバー体50は、ベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とが対向した状態で第1係止部44及び第2係止部46が第1係止爪55及び第2係止爪56と係合することによってベース体40に取り付けられる。カバー体50とベース体40との間には収容空間31が区画形成され、第1ベース41及び第1ケース51の長手方向の一端側と他端側とに第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33が形成され、第2ベース42及び第2ケース52の長手方向の一端側と他端側とに第1の分岐ケーブル挿通開口部34及び第2の分岐ケーブル挿通開口部35が形成される。カバー体50がベース体40に取り付けられた状態において、第1ケース51と第2ケース52との外側面には係合部57と被係合部58とがそれぞれ形成されている。第2ケース52は、ヒンジ部53を中心として収容空間31を閉鎖した状態と開放した状態とに変換可能であり、係合部57と被係合部58とが相互に係合することによって収容空間31を開放した状態で仮保持可能である。
【0024】
次に、車載バッテリ(図示せず)に接続されてエンジン(図示せず)付近のスタータ(図示せず)まで延びる電源ケーブル20の中間部23をケーブル分岐ケース30に支持させる構成を説明する。
【0025】
電源ケーブル20は、芯線部21と該芯線部21の外周を覆う被覆部22とによって構成される。車載バッテリとスタータとを繋ぐ電源ケーブル20の中間部23の被覆部22を剥いて芯線部21を露出させ、該芯線部21に導電性の板状部材から構成される電源接続端子36のかしめ部36aをかしめて固定する。電源ケーブル20の中間部23をベース体40の突起部43がある面に配置して電源接続端子36をスタットボルト45に接続する。さらに、架装物等の電気機器と接続される分岐ケーブル25をスタットボルト45に接続してナット37で固定する。この状態では、電源ケーブル20は電源接続端子36を介してベース体40のスタットボルト45に固定され、分岐ケーブル25もスタットボルト45に固定され、電源ケーブル20と分岐ケーブル25とは通電する。電源ケーブル20と分岐ケーブル25とが固定されたベース体40にカバー体50を取り付けると、第1ケース51は第1ベース41に対向して電源ケーブル20を覆い、第2ケース52は第2ベース42に対向してスタットボルト45を覆う。また、電源ケーブル20は第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33を挿通し、分岐ケーブル25は第1の分岐ケーブル挿通開口部34又は第2の分岐ケーブル挿通開口部35を挿通する。そして、電源ケーブル20のうち電源接続端子36のかしめ部36aの両側の被覆部22は、ベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とによって押圧支持される。この状態のケーブル分岐ケース30の支持部47をブラケット10の支持穴13に係合することによって、ケーブル分岐ケース30はブラケット10に揺動自在に支持される。なお、分岐ケーブル25の接続作業を行う場合には、第2ケース52をヒンジ部53を介して移動させて収容空間31を開放する状態にし、第2ケース52の被係合部58を第1ケース51の係合部57に係合させることによって第2ケース52を仮保持させる。
【0026】
このように本実施形態によれば、車載バッテリに接続される電源ケーブル20の中間部23に固定されて芯線部21と通電する電源接続端子36が、ケーブル分岐ケース30のベース体40に固定されて収容空間31に突出するスタットボルト45に締結固定される。すなわち、電源ケーブル20の中間部23が電源接続端子36を介してケーブル分岐ケース30に強固に固定され、ケーブル分岐ケース30の収容空間31での電源ケーブル20の移動が確実に防止される。このため、エンジンの振動によってケーブル分岐ケース30の収容空間31の電源ケーブル20が断線やショートする可能性を低減させることができる。また、車体側に支持されるケーブル分岐ケース30のスタットボルト45に分岐ケーブル25を締結固定することで車載バッテリからの供給電力が分岐される。従って、エンジンから振動を受ける場所においても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができる。さらに、スタットボルト45に分岐ケーブル25を締結固定するだけで車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるため、作業性が良好である。また、ケーブル分岐ケース30への電源ケーブル20の固定と車載バッテリからの供給電力の分岐とをスタットボルト45によって行うことができるため、構造を簡略化することができる。
【0027】
また、カバー体50は、電源ケーブル20の中間部23を覆う第1ケース51と、スタットボルト45を覆う第2ケース52とを有する。従って、スタットボルト45に分岐ケーブル25を締結するためにカバー体50を取り外す場合、第1ケース51を取り付けたまま第2ケース52を取り外すだけでよく、通電部分の露出範囲を少なくすることができ、ショートする可能性を低減できる。
【0028】
さらに、第2ケース52が、第1ケース51にヒンジ部53を介して連結され、ヒンジ部53を中心に回転移動して収容空間31を開閉する。第2ケース52は、ヒンジ部53による回転によってベース体40の取り付け位置に容易に移動可能であるため、第2ケース52をベース体40に取り付ける際の組み付け作業が容易となる。また、第1ケース51と第2ケース52とは、係合部57と被係合部58とを有し、第2ケース52が収容空間31を開放した状態で相互に係合して該第2ケース52を仮保持する。従って、収容空間31を開放させたときに、第2ケース52を仮保持させることができるため、スタットボルト45に分岐ケーブル25を締結する際の作業性が良好となる。
【0029】
また、ベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とが電源接続端子36のかしめ部36aの両側で被覆部22をそれぞれ押圧して支持する。すなわち、エンジンの振動をケーブル分岐ケース30の収容空間31の電源ケーブル20に伝わりにくくすることができる。従って、ケーブル分岐ケース30の収容空間31の電源ケーブル20の断線の可能性や電源接続端子36の固定の緩みを防ぐことができる。
【0030】
さらに、ケーブル分岐ケース30のベース体40の支持部47が車体側に固定されたブラケット10の支持穴13に係合して揺動自在に支持されるため、ケーブル分岐ケース30の第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33の電源ケーブル20に伝わるエンジンの振動を低減でき、電源ケーブル20が断線する可能性を低減できる。
【0031】
なお、上記実施形態では、第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33は、ベース体40とカバー体50とによって形成されていたが、ベース体40又はカバー体50の何れか一方のみによって形成されてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、第2ケース52と第1ケース51とを連結して収容空間31の開放時に第2ケース52を第1ケース51の係合部57に仮保持可能にしていたが、第2ケース52とベース体40とを連結してベース体40に係合部57を設け、収容空間31の開放時に第2ケース52をベース体40の係合部57に仮保持可能にしてもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態では、電源ケーブル20のうち電源接続端子36のかしめ部36aの両側の被覆部22をベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とによって押圧して支持するようにしたが、ベース体40の突起部43又はカバー体50の突起部54のみによって押圧して支持するようにしてもよい。
【0034】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係るケーブル分岐ケースの概略斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】ケーブル分岐ケースのカバー体を外した概略図である。
【図4】ブラケットを示す概略斜視図である。
【図5】ベース体を示す概略図である。
【図6】カバー体を示す概略図である。
【図7】ベース体を示す側面図である。
【図8】カバー体を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…クロスメンバ、2…ケーブルブラケット、10…ブラケット、11…接合部、12…支持部、13…支持穴、14…フランジ部、20…電源ケーブル、21…芯線部、22…被覆部、23…中間部、25…分岐ケーブル、30…ケーブル分岐ケース、31…収容空間、32…第1の電源ケーブル挿通開口部、33…第2の電源ケーブル挿通開口部、34…第1の分岐ケーブル挿通開口部、35…第2の分岐ケーブル挿通開口部、36…電源接続端子、36a…かしめ部、37…ナット、40…ベース体、41…第1ベース、42…第2ベース、43…突起部、44…第1係止部、45…スタットボルト、46…第2係止部、47…支持爪、50…カバー体、51…第1ケース、52…第2ケース、53…ヒンジ部、54…突起部、55…第1係止爪、56…第2係止爪、57…係合部、58…被係合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル分岐ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の中間部の被覆部を剥いた芯線部を切断して分けて分岐ボックスに固定された端子台に固定し、該端子台に分岐用の電線を固定して電力を分岐させ、該分岐部分を分岐ボックスで覆った配線分岐装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−333356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載バッテリとスタータとを繋ぐ電源ケーブルを備えた車両において、架装物等電気機器の電源を電源ケーブルの中間部から取り出すために、上記従来の構成を採用した場合、車体側に支持される分岐ボックスはエンジンからの振動を受けることとなる。その結果、分岐ボックス内部の分けられた芯線部に外力が加わることとなり、分岐ボックスの内部において芯線部が断線あるいはショートしてしまう可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、外力を受けやすい場所であっても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるケーブル分岐ケースの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、芯線部とこの芯線部の外周を覆う被覆部とを有し車載バッテリに接続される電源ケーブルの中間部を車体側に支持するとともに、車載バッテリからの供給電力を中間部で分岐させるケーブル分岐ケースであって、絶縁性のベース体と、絶縁性のカバー体と、スタットボルトと、第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部と、分岐ケーブル挿通開口部と、を備える。絶縁性のベース体は、車体側に支持される。絶縁性のカバー体は、ベース体に取り付けられて該ベース体との間に収容空間を区画する。スタットボルトは、ベース体に固定されて収容空間に突出し、電源ケーブルの中間部に固定されて芯線部と通電する電源接続端子が締結固定される。第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部は、収容空間と外部とを連通し、電源ケーブルのうち電源接続端子の両側をそれぞれ挿通する。分岐ケーブル挿通開口部は、収容空間と外部とを連通し、スタットボルトに締結固定されて電源ケーブルと通電する分岐ケーブルを挿通する。
【0007】
上記構成では、車載バッテリに接続される電源ケーブルの中間部に固定されて芯線部と通電する電源接続端子が、ケーブル分岐ケースのベース体に固定されて収容空間に突出するスタットボルトに締結固定される。すなわち、電源ケーブルの中間部が電源接続端子を介してケーブル分岐ケースに強固に固定され、ケーブル分岐ケースの収容空間での電源ケーブルの移動が確実に防止される。このため、エンジンの振動によってケーブル分岐ケースの収容空間の電源ケーブルが断線やショートする可能性を低減させることができる。また、車体側に支持されるケーブル分岐ケースのスタットボルトに分岐ケーブルを締結固定することで車載バッテリからの供給電力が分岐される。従って、エンジンから振動を受ける場所においても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができる。さらに、スタットボルトに分岐ケーブルを締結固定するだけで車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるため、作業性が良好である。また、ケーブル分岐ケースへの電源ケーブルの固定と車載バッテリからの供給電力の分岐とをスタットボルトによって行うことができるため、構造を簡略化することができる。
【0008】
また、カバー体は、スタットボルトに電源接続端子が締結固定された状態で、ベース体に取り付けられて電源ケーブルの中間部を覆う第1ケースと、ベース体に取り付けられてスタットボルトを覆う第2ケースと、を有してもよい。
【0009】
上記構成では、カバー体は、電源ケーブルの中間部を覆う第1ケースと、スタットボルトを覆う第2ケースとを有する。従って、スタットボルトに分岐ケーブルを締結するためにカバー体を取り外す場合、第1ケースを取り付けたまま第2ケースを取り外すだけでよく、通電部分の露出範囲を少なくすることができ、ショートする可能性を低減できる。
【0010】
さらに、ベース体及び第1ケースの一方と第2ケースとを連結するヒンジ部を備え、第2ケースは、カバー体がベース体に取り付けられた状態で、ヒンジ部を中心に回転移動して収容空間を開閉し、ベース体及び第1ケースの前記一方と第2ケースとは、第2ケースが収容空間を開放した状態で相互に係合して該第2ケースを仮保持する係合部と被係合部とをそれぞれ有してもよい。
【0011】
上記構成では、第2ケースが、ベース体及び第1ケースの一方にヒンジ部を介して連結され、ヒンジ部を中心に回転移動して収容空間を開閉する。第2ケースは、ヒンジ部による回転によってベース体の取り付け位置に容易に移動可能であるため、第2ケースをベース体に取り付ける際の組み付け作業が容易となる。また、ベース体及び第1ケースの前記一方と第2ケースとは、第2ケースが収容空間を開放した状態で相互に係合して該第2ケースを仮保持する係合部と被係合部とをそれぞれ有する。従って、収容空間を開放させたときに第2ケースを仮保持させることができるため、スタットボルトに分岐ケーブルを締結する際の作業性が良好となる。
【0012】
また、ベース体及びカバー体の少なくとも一方は、カバー体をベース体に取り付けた状態で電源ケーブルのうち電源接続端子の両側で被覆部をそれぞれ押圧して支持する複数の突起部を有してもよい。
【0013】
上記構成では、複数の突起部が電源接続端子の両側で被覆部をそれぞれ押圧して支持する。すなわち、エンジンの振動をケーブル分岐ケースの収容空間の電源ケーブルに伝わりにくくすることができる。従って、ケーブル分岐ケースの収容空間の電源ケーブルの断線の可能性や電源接続端子の固定の緩みを防ぐことができる。
【0014】
さらに、ベース体は、車体側に固定されたブラケットに揺動自在に支持されてもよい。
【0015】
上記構成では、ベース体が車体側に固定されたブラケットに揺動自在に支持されるため、ケーブル分岐ケースの第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部の電源ケーブルに伝わるエンジンの振動を低減でき、電源ケーブルが断線する可能性を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のケーブル分岐ケースによれば、外力を受けやすい場所であっても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るケーブル分岐ケースの概略斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3はケーブル分岐ケースのカバー体を外した概略図、図4はブラケットを示す概略斜視図、図5はベース体を示す概略図、図6はカバー体を示す概略図、図7はベース体を示す側面図、図8はカバー体を示す側面図をそれぞれ示したものである。
【0018】
図1〜図8に示すように、車体のクロスメンバ1に取り付けられたケーブルブラケット2には、ブラケット10が設けられている。
【0019】
ブラケット10は、略矩形板形状を有し、ケーブルブラケット2と接合する接合部11と、接合部11の一端から略垂直に延びる支持部12と、支持部12に形成される支持穴13と、接合部11と支持部12の側端から垂直に延びるフランジ部14と、から構成される。
【0020】
ブラケット10の支持穴13には、ケーブル分岐ケース30が取り付けられる。ケーブル分岐ケース30は、絶縁性部材から構成され、ベース体40とカバー体50とを有する。
【0021】
ベース体40は、電源ケーブル20を配置可能な第1ベース41と分岐ケーブル25を配置可能な第2ベース42とを有する。第1ベース41は、長手方向の一端側と他端側とに半円筒形状を有する突起部43が形成され、突起部43を挟む短手方向の両端側に複数の第1係止部44が形成されている。第2ベース42は、略中央に導電性のスタットボルト45が埋設され、短手方向の一端側に複数の第2係止部46が形成されている。第1ベース41の短手方向の一端側には支持爪47が形成され、支持爪47がブラケット10の支持穴13に係合することによって、ケーブル分岐ケース30はブラケット10に揺動自在に支持される。
【0022】
カバー体50は、第1ベース41に取り付けられる第1ケース51と第2ベース42に取り付けられる第2ケース52とを有する。第1ケース51は、長手方向の一端側と他端側とに半円筒形状を有する突起部54が形成され、突起部54を挟む短手方向の両端側に複数の第1係止爪55が形成されている。第2ケース52は、短手方向の一端側に複数の第2係止爪56が形成されている。第1ケース51と第2ケース52とは、回転軸と軸穴とから構成されるヒンジ部53によって連結される。
【0023】
カバー体50は、ベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とが対向した状態で第1係止部44及び第2係止部46が第1係止爪55及び第2係止爪56と係合することによってベース体40に取り付けられる。カバー体50とベース体40との間には収容空間31が区画形成され、第1ベース41及び第1ケース51の長手方向の一端側と他端側とに第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33が形成され、第2ベース42及び第2ケース52の長手方向の一端側と他端側とに第1の分岐ケーブル挿通開口部34及び第2の分岐ケーブル挿通開口部35が形成される。カバー体50がベース体40に取り付けられた状態において、第1ケース51と第2ケース52との外側面には係合部57と被係合部58とがそれぞれ形成されている。第2ケース52は、ヒンジ部53を中心として収容空間31を閉鎖した状態と開放した状態とに変換可能であり、係合部57と被係合部58とが相互に係合することによって収容空間31を開放した状態で仮保持可能である。
【0024】
次に、車載バッテリ(図示せず)に接続されてエンジン(図示せず)付近のスタータ(図示せず)まで延びる電源ケーブル20の中間部23をケーブル分岐ケース30に支持させる構成を説明する。
【0025】
電源ケーブル20は、芯線部21と該芯線部21の外周を覆う被覆部22とによって構成される。車載バッテリとスタータとを繋ぐ電源ケーブル20の中間部23の被覆部22を剥いて芯線部21を露出させ、該芯線部21に導電性の板状部材から構成される電源接続端子36のかしめ部36aをかしめて固定する。電源ケーブル20の中間部23をベース体40の突起部43がある面に配置して電源接続端子36をスタットボルト45に接続する。さらに、架装物等の電気機器と接続される分岐ケーブル25をスタットボルト45に接続してナット37で固定する。この状態では、電源ケーブル20は電源接続端子36を介してベース体40のスタットボルト45に固定され、分岐ケーブル25もスタットボルト45に固定され、電源ケーブル20と分岐ケーブル25とは通電する。電源ケーブル20と分岐ケーブル25とが固定されたベース体40にカバー体50を取り付けると、第1ケース51は第1ベース41に対向して電源ケーブル20を覆い、第2ケース52は第2ベース42に対向してスタットボルト45を覆う。また、電源ケーブル20は第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33を挿通し、分岐ケーブル25は第1の分岐ケーブル挿通開口部34又は第2の分岐ケーブル挿通開口部35を挿通する。そして、電源ケーブル20のうち電源接続端子36のかしめ部36aの両側の被覆部22は、ベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とによって押圧支持される。この状態のケーブル分岐ケース30の支持部47をブラケット10の支持穴13に係合することによって、ケーブル分岐ケース30はブラケット10に揺動自在に支持される。なお、分岐ケーブル25の接続作業を行う場合には、第2ケース52をヒンジ部53を介して移動させて収容空間31を開放する状態にし、第2ケース52の被係合部58を第1ケース51の係合部57に係合させることによって第2ケース52を仮保持させる。
【0026】
このように本実施形態によれば、車載バッテリに接続される電源ケーブル20の中間部23に固定されて芯線部21と通電する電源接続端子36が、ケーブル分岐ケース30のベース体40に固定されて収容空間31に突出するスタットボルト45に締結固定される。すなわち、電源ケーブル20の中間部23が電源接続端子36を介してケーブル分岐ケース30に強固に固定され、ケーブル分岐ケース30の収容空間31での電源ケーブル20の移動が確実に防止される。このため、エンジンの振動によってケーブル分岐ケース30の収容空間31の電源ケーブル20が断線やショートする可能性を低減させることができる。また、車体側に支持されるケーブル分岐ケース30のスタットボルト45に分岐ケーブル25を締結固定することで車載バッテリからの供給電力が分岐される。従って、エンジンから振動を受ける場所においても車載バッテリからの供給電力を分岐させることができる。さらに、スタットボルト45に分岐ケーブル25を締結固定するだけで車載バッテリからの供給電力を分岐させることができるため、作業性が良好である。また、ケーブル分岐ケース30への電源ケーブル20の固定と車載バッテリからの供給電力の分岐とをスタットボルト45によって行うことができるため、構造を簡略化することができる。
【0027】
また、カバー体50は、電源ケーブル20の中間部23を覆う第1ケース51と、スタットボルト45を覆う第2ケース52とを有する。従って、スタットボルト45に分岐ケーブル25を締結するためにカバー体50を取り外す場合、第1ケース51を取り付けたまま第2ケース52を取り外すだけでよく、通電部分の露出範囲を少なくすることができ、ショートする可能性を低減できる。
【0028】
さらに、第2ケース52が、第1ケース51にヒンジ部53を介して連結され、ヒンジ部53を中心に回転移動して収容空間31を開閉する。第2ケース52は、ヒンジ部53による回転によってベース体40の取り付け位置に容易に移動可能であるため、第2ケース52をベース体40に取り付ける際の組み付け作業が容易となる。また、第1ケース51と第2ケース52とは、係合部57と被係合部58とを有し、第2ケース52が収容空間31を開放した状態で相互に係合して該第2ケース52を仮保持する。従って、収容空間31を開放させたときに、第2ケース52を仮保持させることができるため、スタットボルト45に分岐ケーブル25を締結する際の作業性が良好となる。
【0029】
また、ベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とが電源接続端子36のかしめ部36aの両側で被覆部22をそれぞれ押圧して支持する。すなわち、エンジンの振動をケーブル分岐ケース30の収容空間31の電源ケーブル20に伝わりにくくすることができる。従って、ケーブル分岐ケース30の収容空間31の電源ケーブル20の断線の可能性や電源接続端子36の固定の緩みを防ぐことができる。
【0030】
さらに、ケーブル分岐ケース30のベース体40の支持部47が車体側に固定されたブラケット10の支持穴13に係合して揺動自在に支持されるため、ケーブル分岐ケース30の第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33の電源ケーブル20に伝わるエンジンの振動を低減でき、電源ケーブル20が断線する可能性を低減できる。
【0031】
なお、上記実施形態では、第1の電源ケーブル挿通開口部32及び第2の電源ケーブル挿通開口部33は、ベース体40とカバー体50とによって形成されていたが、ベース体40又はカバー体50の何れか一方のみによって形成されてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、第2ケース52と第1ケース51とを連結して収容空間31の開放時に第2ケース52を第1ケース51の係合部57に仮保持可能にしていたが、第2ケース52とベース体40とを連結してベース体40に係合部57を設け、収容空間31の開放時に第2ケース52をベース体40の係合部57に仮保持可能にしてもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態では、電源ケーブル20のうち電源接続端子36のかしめ部36aの両側の被覆部22をベース体40の突起部43とカバー体50の突起部54とによって押圧して支持するようにしたが、ベース体40の突起部43又はカバー体50の突起部54のみによって押圧して支持するようにしてもよい。
【0034】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態に係るケーブル分岐ケースの概略斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】ケーブル分岐ケースのカバー体を外した概略図である。
【図4】ブラケットを示す概略斜視図である。
【図5】ベース体を示す概略図である。
【図6】カバー体を示す概略図である。
【図7】ベース体を示す側面図である。
【図8】カバー体を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…クロスメンバ、2…ケーブルブラケット、10…ブラケット、11…接合部、12…支持部、13…支持穴、14…フランジ部、20…電源ケーブル、21…芯線部、22…被覆部、23…中間部、25…分岐ケーブル、30…ケーブル分岐ケース、31…収容空間、32…第1の電源ケーブル挿通開口部、33…第2の電源ケーブル挿通開口部、34…第1の分岐ケーブル挿通開口部、35…第2の分岐ケーブル挿通開口部、36…電源接続端子、36a…かしめ部、37…ナット、40…ベース体、41…第1ベース、42…第2ベース、43…突起部、44…第1係止部、45…スタットボルト、46…第2係止部、47…支持爪、50…カバー体、51…第1ケース、52…第2ケース、53…ヒンジ部、54…突起部、55…第1係止爪、56…第2係止爪、57…係合部、58…被係合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線部と該芯線部の外周を覆う被覆部とを有し車載バッテリに接続される電源ケーブルの中間部を車体側に支持するとともに、前記車載バッテリからの供給電力を前記中間部で分岐させるケーブル分岐ケースであって、
車体側に支持される絶縁性のベース体と、
前記ベース体に取り付けられて該ベース体との間に収容空間を区画する絶縁性のカバー体と、
前記ベース体に固定されて前記収容空間に突出し、前記電源ケーブルの中間部に固定されて前記芯線部と通電する電源接続端子が締結固定されるスタットボルトと、
前記収容空間と外部とを連通し、前記電源ケーブルのうち前記電源接続端子の両側をそれぞれ挿通する第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部と、
前記収容空間と外部とを連通し、前記スタットボルトに締結固定されて前記電源ケーブルと通電する分岐ケーブルを挿通する分岐ケーブル挿通開口部と、を備えた
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル分岐ケースであって、
前記カバー体は、前記スタットボルトに前記電源接続端子が締結固定された状態で、前記ベース体に取り付けられて前記電源ケーブルの中間部を覆う第1ケースと、前記ベース体に取り付けられて前記スタットボルトを覆う第2ケースと、を有する
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項3】
請求項2に記載のケーブル分岐ケースであって、
前記ベース体及び前記第1ケースの一方と前記第2ケースとを連結するヒンジ部を備え、
前記第2ケースは、前記カバー体が前記ベース体に取り付けられた状態で、前記ヒンジ部を中心に回転移動して前記収容空間を開閉し、
前記ベース体及び前記第1ケースの前記一方と前記第2ケースとは、前記第2ケースが前記収容空間を開放した状態で相互に係合して該第2ケースを仮保持する係合部と被係合部とをそれぞれ有する
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載のケーブル分岐ケースであって、
前記ベース体及び前記カバー体の少なくとも一方は、前記カバー体を前記ベース体に取り付けた状態で前記電源ケーブルのうち前記電源接続端子の両側で前記被覆部をそれぞれ押圧して支持する複数の突起部を有する
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のケーブル分岐ケースであって、
前記ベース体は、車体側に固定されたブラケットに揺動自在に支持される
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項1】
芯線部と該芯線部の外周を覆う被覆部とを有し車載バッテリに接続される電源ケーブルの中間部を車体側に支持するとともに、前記車載バッテリからの供給電力を前記中間部で分岐させるケーブル分岐ケースであって、
車体側に支持される絶縁性のベース体と、
前記ベース体に取り付けられて該ベース体との間に収容空間を区画する絶縁性のカバー体と、
前記ベース体に固定されて前記収容空間に突出し、前記電源ケーブルの中間部に固定されて前記芯線部と通電する電源接続端子が締結固定されるスタットボルトと、
前記収容空間と外部とを連通し、前記電源ケーブルのうち前記電源接続端子の両側をそれぞれ挿通する第1及び第2の電源ケーブル挿通開口部と、
前記収容空間と外部とを連通し、前記スタットボルトに締結固定されて前記電源ケーブルと通電する分岐ケーブルを挿通する分岐ケーブル挿通開口部と、を備えた
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル分岐ケースであって、
前記カバー体は、前記スタットボルトに前記電源接続端子が締結固定された状態で、前記ベース体に取り付けられて前記電源ケーブルの中間部を覆う第1ケースと、前記ベース体に取り付けられて前記スタットボルトを覆う第2ケースと、を有する
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項3】
請求項2に記載のケーブル分岐ケースであって、
前記ベース体及び前記第1ケースの一方と前記第2ケースとを連結するヒンジ部を備え、
前記第2ケースは、前記カバー体が前記ベース体に取り付けられた状態で、前記ヒンジ部を中心に回転移動して前記収容空間を開閉し、
前記ベース体及び前記第1ケースの前記一方と前記第2ケースとは、前記第2ケースが前記収容空間を開放した状態で相互に係合して該第2ケースを仮保持する係合部と被係合部とをそれぞれ有する
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載のケーブル分岐ケースであって、
前記ベース体及び前記カバー体の少なくとも一方は、前記カバー体を前記ベース体に取り付けた状態で前記電源ケーブルのうち前記電源接続端子の両側で前記被覆部をそれぞれ押圧して支持する複数の突起部を有する
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のケーブル分岐ケースであって、
前記ベース体は、車体側に固定されたブラケットに揺動自在に支持される
ことを特徴とするケーブル分岐ケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−132815(P2008−132815A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318652(P2006−318652)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】
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