説明

ケーブル接続部の処理方法及び構造

【課題】テープのめくれや損傷を防ぎ、拡径保持部材の引き抜き作業を確実に行うことができ、ケーブルの導体同士の接続部分の絶縁不良を防ぐことができるケーブルの接続部の処理方法を提供する。
【解決手段】帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材99を、拡径保持部材99の端部から抜き取り方向Tに沿って引き抜くことで常温収縮チューブ40を縮径させて常温収縮チューブ40により複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部160の絶縁処理を行う際に、拡径保持部材99は、抜き取り方向Tに対して順に引き抜けるように形成されており、接続部160は周囲を覆うように形成されるテープ層100を有し、テープ層100の重なりから生じる凸部199が拡径保持部材99の抜き取り方向Tに対して反対側に位置するようにテープ層100を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの接続部の処理方法に関し、特に拡径保持部材を引き抜き時に、ケーブルの接続部に巻き付けしたテープのめくれや損傷を防止する処理方法とその構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の電力ケーブルの導体と他方の電力ケーブルの導体は、ユニット内の導体の接続スリーブにより接続される。この接続スリーブの外周には、線材が拡径保持部材として巻かれている。拡径保持部材は、その外周部に配置されている常温収縮チューブの内径を保持している。常温収縮チューブ内から拡径保持部材を引き抜くことで、常温収縮チューブ自体が収縮して接続スリーブの外周部分に密着させる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、拡径保持部材を解体しながら絶縁ユニットの絶縁筒を一端部側から他端部側に向けて順次縮径させていく例がある(例えば、特許文献2を参照)。
また、常温収縮チューブを拡径状態に保持するために、帯状部材をスパイラル状に巻いて形成した円筒状の保持スリーブが用いられ、抜き取り方向に対して順に引き抜けるようになっている(例えば、特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開2003−299240号公報
【特許文献2】特開2001−037032号公報
【特許文献3】特開平11−289627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図11に示すように、半導電性のテープ510の巻き方が、拡径保持部材500の引き抜き方向Wに対して逆に巻かれている場合がある。すなわち、外側部分561と内側部分562が重なるようにして、テープ510が巻かれており、外側部分561の端部分565が抜き取り方向Wに対して逆らう方向に向いている。この場合に、外側部分561と内側部分562が重なり合う部分が凸部511になって外側に盛り上がっている。テープ510の巻き始め部分512が抜き取り方向Wとは反対の方向に位置しており、テープ510の巻き終わり部分513が抜き取り方向W側に位置している。
【0005】
このため、紐550を抜き取り方向Wに沿って引いて拡径保持部材500を常温収縮チューブ590内から引き抜いて常温収縮チューブ590を縮径させようとすると、拡径保持部材500がテープ510の凸部511に接触してテープ510にめくれや損傷が生じてしまう。しかも、拡径保持部材500がテープ510の凸部511に引っかかって引き抜き作業が滞ってしまい、拡径保持部材500の開放作業に支障をきたす。
【0006】
このことから、常温収縮チューブ590内から拡径保持部材500を確実に引き抜くことができないおそれがあるので、常温収縮チューブ590自体が完全には収縮できず、常温収縮チューブ590がケーブル521,522の導体531,532同士の接続部540を絶縁被覆できなくなって絶縁不良となるおそれがあった。
そこで、本発明は上記課題を解消するために、拡径保持部材の引き抜き作業を確実に行うことができ、ケーブルの接続部に巻き付けしたテープのめくれや損傷を防止することができるケーブルの接続部の処理方法とその構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解消するために、本発明のケーブルの接続部の処理方法は、帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の処理方法であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、前記テープ層の重なりから生じる凸部が前記拡径保持部材の前記抜き取り方向に対して反対側に位置するように前記テープ層を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明のケーブルの接続部の処理方法は、帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の処理方法であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、
前記帯状部材が前記常温収縮チューブから前記ケーブルの軸に対してスパイラル状にほどける方向と、前記テープ層の少なくとも最外層の巻き方向を同方向とするように前記テープ層を形成することを特徴とする。
【0009】
本発明のケーブルの接続部の処理方法は、好ましくは前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の外径と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の外径が同径である場合に、前記テープ層を形成する際には、
前記第1ケーブルの前記ケーブル絶縁体の肩と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の肩との間における前記テープ層の外径Rは、実測の前記第1ケーブルの前記ケーブル絶縁体の仕上がり外径D1と実測の前記第2ケーブルの前記ケーブル絶縁体の仕上がり外径D2とし、その外径をDとした場合に、
D−6.0mm≦テープ層の外径R≦D−0.2mm
の範囲にあることを特徴とする。
【0010】
本発明のケーブルの接続部の処理方法は、好ましくは前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の外径と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の外径が異なる場合に、前記テープ層を形成する際には、
前記テープ層の外径Fは、前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の肩と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の肩の間の前記テープ層の略中央部での外径であり、前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の仕上がり外径D1と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の仕上がり外径D2の平均値Dに対して、
D−6.0mm≦テープ層の外径F≦D−0.2mm
の範囲にあることを特徴とする。
【0011】
本発明のケーブルの接続部の処理方法は、好ましくは前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル導体の外径と前記第2ケーブルのケーブル導体の外径が同径である場合に、前記テープ層の外径Rが所定の大きさであることを特徴とする。
【0012】
本発明のケーブルの接続部の処理方法は、前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル導体の外径と前記第2ケーブルのケーブル導体の外径が異なる場合に、前記テープ層の外径Rが所定の大きさであることを特徴とする。
【0013】
本発明のケーブルの接続部の構造は、帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の構造であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、前記テープ層の重なりから生じる凸部が前記拡径保持部材の前記抜き取り方向に対して反対側に位置するように前記テープ層が形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のケーブルの接続部の構造は、帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の処理方法であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、
前記帯状部材が前記常温収縮チューブから前記ケーブルの軸に対してスパイラル状にほどける方向と、前記テープ層の少なくとも最外層の巻き方向を同方向とするように前記テープ層を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、テープの捲れや損傷を防ぎ、拡径保持部材の引き抜き作業を確実に行うことができ、接続作業を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
〈第1実施形態〉
図1は、本発明のケーブル接続ユニットの好ましい第1実施形態を示している。
図1に示すケーブル接続ユニット10は、例えば高電圧の電力ケーブルの導体の端部同士を接続するのに用いられており、ケーブル接続ユニット10は第1電力ケーブル(第1ケーブルの一例)11の第1ケーブル導体21と、第2電力ケーブル12(第2ケーブルの一例)の第2ケーブル導体22を接続している。図1の例では、第1電力ケーブル11と第2電力ケーブル12は、同じ径のケーブルである。
【0017】
第1電力ケーブル11は、ケーブル絶縁体18と第1ケーブル導体21を有しており、ケーブル絶縁体18は第1ケーブル導体21を被覆している。第2電力ケーブル12は、ケーブル絶縁体19と第2ケーブル導体22を有しており、ケーブル絶縁体19は第2ケーブル導体22を被覆している。
【0018】
図1に示すケーブル接続ユニット10は、外部電極30と、内部電極32と、常温収縮チューブ40を有している。常温収縮チューブ40は、弾性材である例えばゴムなどにより作られている常温収縮型の絶縁体である。常温収縮チューブ40の内部には、内部電極32が配置されている。この内部電極32は、半電導性を有する弾性体、例えばゴムにより作られている。常温収縮チューブ40の外周面は外部電極30により覆われており、外部電極30は、半電導性を有する弾性体、例えばゴムにより作られている。
【0019】
図2は、導電性の接続スリーブ44と、第1ケーブル導体21と、第2ケーブル導体22と、拡径保持部材99と、テープ層100と、常温収縮チューブ40の付近の構造を示しており、図3は、拡径保持部材99と、テープ層100を示している。
図2に示すように、第1電力ケーブル11の第1ケーブル導体21と第2電力ケーブル12の第2ケーブル導体22は、ケーブル絶縁体18の端部18Bとケーブル絶縁体19の端部19Bの間において、接続スリーブ44により接続されている。
【0020】
図2に示すケーブル絶縁体18の端部18Bとケーブル絶縁体19の端部19Bの間には、半導電性のテープまたはシートまたはパテ等の半導電性部材45により充填されている。この半導電性部材45の外周には、テープ層100が配置されている。
【0021】
このテープ層100は、少なくとも1種の半導電性のテープ状の部材を巻付けるものであって、接続部160の周囲の半導電性部材45の外周面に巻き付け方向Sに沿ってスパイラル状に巻かれて形成されている。なお、テープ層100の半導電性のテープ状の部材の重ね合わせ数は、任意に設定される。さらに、テープ層100は、2種以上半導電性のテープ状の部材、例えば、テープの幅や厚さ、材質等が異なるものを巻付けてよい。
【0022】
図4に示すように、テープ層100は、相互に一部分重ね合わせるように形成されており、巻かれた状態のテープ層100は、重なり合わせの部分の外側部分104と内側部分103を有しており、外側部分104と内側部分103は、巻き付け方向Sに沿って交互に配列されている。外側部分104と内側部分103は凸部199を形成している。外側部分104の端部分161は抜き取り方向Tに向けて位置している。
【0023】
図4において、ある1つの外側部分104は、隣の1つの内側部分103に対して重ね合わされる巻き付け構造になっており、テープ層100の外径Rはほぼ一定になるように巻き付けている。このテープ層100の外径Rは、図2に示すケーブル絶縁体18,19の外径D1に比べて小さく設定されており、テープ層100は、ケーブル絶縁体18,19の外周面から半径方向外側に出ないようにする。
【0024】
図2と図3に示すように、テープ層100は、最初に巻き始め部分101からスパイラル状に巻き始めて、最後に巻き終わり部分102を最後に巻き終わることで筒状に形成されている。巻き始め部分101は、ケーブル絶縁体18の端部18Bに位置し、巻き終わり部102は、ケーブル絶縁体19の端部19Bに位置している。
【0025】
一方、図2に示す拡径保持部材99は紐(帯)状部材をスパイラル状に形成した部材であり、抜き取り方向Tに対して順に引き抜けるように所定の巻き方で巻かれて筒状に形成されている。拡径保持部材99は常温収縮チューブ40を拡径状態に保持して、拡径保持部材99内にはケーブルの接続部160を通すことができる構造である。つまり、ケーブルの接続を行う前にケーブルに挿通させ、ケーブルを接続してテープ巻き付け等の処理した後に常温収縮チューブ40を所定の位置に移動させる。
【0026】
図2の紐部材120は、拡径保持部材99を抜き取る方向Tに沿って常温収縮チューブ40内から引き抜くための部材であり、紐部材120の一端部121は、拡径保持部材99に固定されており、紐部材120の他端部122は、図1の外部電極30の外側に導出される。
【0027】
テープの巻き終わり部分102は、拡径保持部材99を抜き取る方向Tとは反対側の位置で終わらせており、巻き終わり部分102の位置を端部19B側に規定している。テープ層100の重なり部分から生じる凸部199(端部分161)が拡径保持部材99の一端部121に対して反対側に位置するようにテープ層100を形成している。つまり、テープ層100の外側部分104の端部分161が、拡径保持部材99を抜き取る際にめくれ上がらないようにしている。すなわち、接続部160上のテープ層100の少なくとも、最外層のテープ層のケーブルの軸(長手)方向に巻き進める方向が、拡径保持部材99の抜き取り方向Tと逆方向になっている。
【0028】
これにより、紐部材120を抜き取り方向Tに沿って引き抜いて拡径保持部材99を常温収縮チューブ40内から抜き取る場合であっても、テープ層100の凸部199に拡径保持部材99が当接することによるめくれ上がりや損傷を防止でき、テープ層100の外周面を所望の状態とすることができる。さらに、拡径保持部材99がテープ層100の凸部に引っかかってケーブル絶縁体18、19上等の絶縁部分にテープ層100からめくれ上がった又は剥がれた部分が残存することによる電気的な障害の発生を防止でき、拡径保持部材99の引き抜き(除去)作業が確実に容易に行える。このことから、常温収縮チューブ40内から拡径保持部材99を確実に引き抜くことができ、確実な接続作業を行える。
【0029】
ここで、第1ケーブル導体21のケーブル絶縁体18の外径と第2ケーブル導体22のケーブル絶縁体19の外径が同径(D1)である場合に、テープ層100を形成する際には、次のように巻くことが好ましい。
テープ層100では、第1ケーブル21のケーブル絶縁体18の肩(端部18B)と第2ケーブル22導体のケーブル絶縁体19の肩(端部19B)との間におけるテープ層100の外径Rは、実測の第1ケーブル21のケーブル絶縁体18の仕上がり外径D1と実測の第2ケーブル22のケーブル絶縁体19の仕上がり外径D2の平均値Dとした場合に、
D−6.0mm≦テープ層の外径R≦D−0.2mm
の範囲にある。
【0030】
この場合に、テープ層100の外径Rが(D−6.0mm)よりも小さいと、常温収縮チューブ40(内部電極32の部分)が、半導電性のテープ層100と密着せず、ケーブル導体22と接続スリーブ44とテープ層100と内部電極32の電気的な接触不良をなり、放電する可能性があることにより好ましくない。
また、テープ層100の外径Rが(D−0.2mm)を超えると、テープ層100の一部が、製造上の寸法誤差を考えると、ケーブル絶縁体の外径Dよりも接続部の中央部分が大きくなる可能性があり、ケーブル絶縁体18、19の端部では、常温収縮チューブ40がテープ層100から僅かに浮いた状態(空隙)が生じる可能性があることにより好ましくない。
【0031】
次に、図1,図2および図5を参照しながら、第1ケーブル導体21の外径と第2ケーブル導体22の外径が同径(D1)である場合に、拡径保持部材99を抜き取り方向Tに沿って抜く取る動作について説明する。
【0032】
図1に示すように、常温収縮チューブ40の内側には予め拡径保持部材99が配置されて、常温収縮チューブ40は拡径されている。常温収縮チューブ40の拡径保持部材99内には、例えば第1電力ケーブル11の第1ケーブル導体21が通され、第1電力ケーブル11の第1ケーブル導体21と第2電力ケーブル12の第2ケーブル導体22が接続スリーブ44により接続されて接続部160が形成される。接続部160に対してテープ層100が形成された後に、図2に示すように、接続部160とテープ層100がこの拡径保持部材99内に移動されて位置決めされる。そして、図2に示す紐部材120を抜き取り方向Tに沿って引くと、拡径保持部材99が抜き取り方向Tに沿って略らせん状に外部に抜き取られる。
【0033】
このようにして、拡径保持部材99が抜き取り方向Tに沿って外部に抜き取られると、拡径保持部材99による拡幅力が取り除かれるので、常温収縮チューブ40は、常温収縮チューブ40自身の収縮力により縮径して、図5に示すようにケーブル絶縁体18の端部18Bとケーブル絶縁体19の端部19Bの間に入り込んで接続部160を確実に覆うことができる。
【0034】
〈第2実施形態〉
次に、本発明の好ましい第2実施形態を説明する。
図6は、本発明のケーブル接続ユニットの好ましい第2実施形態を示している。
図6に示すケーブル接続ユニット10Aは、例えば高電圧の電力ケーブルの導体の端部同士を接続するのに用いられている。第1電力ケーブル(第1ケーブルの一例)211と、第2電力ケーブル(第2ケーブルの一例)212は、同じ径のケーブルではなく異径であり、第2電力ケーブル212の外径が、第1電力ケーブル211の外径に比べて大きい。
【0035】
第1電力ケーブル211は、ケーブル絶縁体218と第1ケーブル導体221を有しており、ケーブル絶縁体218は第1ケーブル導体221を被覆している。第2電力ケーブル212は、ケーブル絶縁体219と第2ケーブル導体222を有しており、ケーブル絶縁体219は第2ケーブル導体222を被覆している。
【0036】
図6に示すケーブル接続ユニット10Aは、外部電極230と、内部電極232と、常温収縮チューブ240を有している。常温収縮チューブ240は、弾性材である例えばゴムなどにより作られている常温収縮型の絶縁体である。常温収縮チューブ240の内部には、内部電極232が配置されている。この内部電極232は、半電導性を有する弾性体、例えばゴムにより作られている。常温収縮チューブ240の外周面は外部電極230により覆われており、外部電極230は、半電導性を有する弾性体、例えばゴムにより作られている。
【0037】
図7は、導電性の接続スリーブ244と、第1ケーブル導体221と、第2ケーブル導体222と、拡径保持部材99と、テープ層300と、常温収縮チューブ40の付近の構造を示しており、図8は、拡径保持部材99と、テープ層300を示している。
【0038】
図7に示すように、第1電力ケーブル211の第1ケーブル導体221と第2電力ケーブル212の第2ケーブル導体222は、ケーブル絶縁体218の端部218Bとケーブル絶縁体219の端部219Bの間において、接続スリーブ244により接続されており、第1ケーブル導体221と第2ケーブル導体222と接続スリーブ244は、ケーブルの接続部360を構成している。
【0039】
図7のケーブル絶縁体218の端部218Bとケーブル絶縁体219の端部219Bの間には、半導電性のテープまたはシートまたはパテ等の半導電性部材245により充填されている。この半導電性部材245の外周には、テープ層300が配置されている。
【0040】
このテープ層300は、半導電性部材を、接続部360の周囲の半導電性部材245の外周面に巻き付け方向Sに沿ってスパイラル状に巻かれて形成されている。
【0041】
図9に示すように、テープ層300は、相互に一部分重ね合わせるように形成されており、巻かれた状態のテープ層300は、重なり合わせの部分の外側部分304と内側部分303を有しており、外側部分304と内側部分303は、巻き付け方向Sに沿って交互に配列されている。外側部分304と内側部分303は凸部399を形成している。外側部分304の端部分361は抜き取り方向Tに向けて位置している。
【0042】
図9において、ある1つの外側部分304は、隣の1つの内側部分303に対して重ね合わされる巻き付け構造になっている。図7に示すテープ層300は、ケーブル絶縁体218,219の外周面から半径方向外側に出ないようにする。
【0043】
図6と図7に示すように、テープ層300は、最初に巻き始め部分301からスパイラル状に巻き始めて、最後に巻き終わり部分302を最後に巻き終わることで筒状に形成されている。
一方、拡径保持部材99は帯状部材をスパイラル状に形成した部材であり、抜き取り方向Tに対して順に引き抜けるように所定の巻き方で巻かれて筒状に形成されている。拡径保持部材99は常温収縮チューブ240を拡径状態に保持して、拡径保持部材99内にはケーブルの接続部360を通すことができる構造である。つまり、ケーブルの接続を行う前にケーブルに挿通させ、ケーブルを接続してテープ巻き付け等の処理した後に常温収縮チューブ240を所定の位置に移動させる。
【0044】
紐部材120は、拡径保持部材99を抜き取る方向Tに沿って常温収縮チューブ40内から引き抜くための部材であり、紐部材120の一端部121は、拡径保持部材99に固定されており、紐部材120の他端部122は、図6の外部電極230の外側に導出されている。巻き始め部分301は、ケーブル絶縁体218の端部218Bに位置し、巻き終わり部302は、ケーブル絶縁体219の端部219Bに位置している。
【0045】
テープの巻き終わり部分302は、拡径保持部材99を抜き取る方向Tとは反対側の位置で終わらせており、巻き終わり部分302の位置を端部219B側に規定している。テープ層300の重なり部分から生じる凸部399(端部分161)が拡径保持部材99の一端部121に対して反対側に位置するようにテープ層300を形成している。つまり、テープ層300の外側部分304の端部分361が、拡径保持部材99を抜き取る際にめくれ上がらないようにしている。すなわち、接続部360上のテープ層300の少なくとも、最外層のテープ層のケーブルの軸(長手)方向に巻き進める方向が、拡径保持部材99の抜き取り方向Tと逆方向になっている。
【0046】
これにより、紐部材120を抜き取り方向Tに沿って引き抜いて拡径保持部材99を常温収縮チューブ240内から抜き取る場合であっても、テープ層300の凸部399が拡径保持部材99が当接することによるめくれ上がりや損傷を防止でき、テープ層300の外周面を所望の状態とすることができる。さらに、拡径保持部材99がテープ層300の凸部に引っかかってケーブル絶縁体211、212等の絶縁部分にテープ層300からめくれ上がった又は剥がれた部分が残存することによる電気的な障害の発生を防止でき、拡径保持部材99の引き抜き(除去)作業が確実に容易に行える。このことから、常温収縮チューブ240内から拡径保持部材99を確実に引き抜くことができ、確実な接続作業を行える。
【0047】
ここで、第1ケーブル導体221の外径と第2ケーブル導体222の外径が異なる場合に、テープ層300を巻いて形成する際には、次のように巻くことが好ましい。
テープ層300の外径Fは、第1ケーブル211のケーブル絶縁体218の肩(端部218B)と第2ケーブル212のケーブル絶縁体219の肩(端部219B)の間のテープ層300の略中央部で、第1ケーブル211のケーブル絶縁体218の実測の仕上がり外径D1と第2ケーブル212のケーブル絶縁体219の実測の仕上がり外径D2の平均値Dに対して、
D−6.0mm≦テープ層の外径F≦D−0.2mm
の範囲にある。しかも、目視でテープ層300の凸部がケーブル絶縁体218の肩とケーブル絶縁体219も肩を結ぶ線を越えないことを確認する。これにより、テープ層300のテープ巻き部分は、第1ケーブル211のケーブル絶縁体218の外周面と、第2ケーブル212のケーブル絶縁体219の外周面から半径方向外側に出ないようにすることができる。
【0048】
この場合に、テープ層300の外径Fが(D−6.0mm)よりも小さいと、常温収縮チューブ40(内部電極32の部分)が、半導電性のテープ層100と密着せず、ケーブル導体22と接続スリーブ44とテープ層100と内部電極32の電気的な接触不良をなり、放電する可能性があることにより好ましくない。
【0049】
また、テープ層300の外径Fが(D−0.2mm)を超えると、テープ層100の一部が、製造上の寸法誤差を考えると、ケーブル絶縁体の外径Dよりも接続部の中央部分が大きくなる可能性があり、ケーブル絶縁体18、19の端部では、常温収縮チューブ40がテープ層100から僅かに浮いた状態(空隙)が生じる可能性があることにより好ましくない。
【0050】
次に、図6,図7および図10を参照しながら、第1ケーブル導体221の外径と第2ケーブル導体222の外径が異なる場合に、拡径保持部材99を抜き取る方向Tに沿って抜く取る動作について説明する。
【0051】
図6に示すように、常温収縮チューブ240の内側には予め拡径保持部材99が配置されている。常温収縮チューブ240の拡径保持部材99内には、例えば第1電力ケーブル211の第1ケーブル導体221が通され、第1電力ケーブル211の第1ケーブル導体221と第2電力ケーブル212の第2ケーブル導体222が接続スリーブ244により接続されて接続部360が形成される。接続部360に対してテープ層300が形成された後に、図2に示すように、接続部360とテープ層300がこの拡径保持部材99内に移動して位置決めされる。そして、図7に示す紐部材120を抜き取り方向Tに沿って引くと、拡径保持部材99が抜き取り方向Tに沿って略らせん状に外部に抜き取られる。
【0052】
このようにして、拡径保持部材99が抜き取り方向Tに沿って外部に抜き取られると、拡径保持部材99による拡幅力が取り除かれるので、常温収縮チューブ240は、常温収縮チューブ240自身の収縮力により縮径されて、図10に示すようにケーブル絶縁体218の端部218Bとケーブル絶縁体219の端部219Bの間に入り込んで接続部360を確実に覆うことができる。これにより、接続部360が、常温収縮チューブ240により確実に電気絶縁処理される。
【0053】
本発明の実施形態のケーブルの接続部の処理方法では、紐(帯)状部材をスパイラル状に巻形成された拡径保持部材99を、拡径保持部材99の端部から抜き取り方向Tに沿って引き抜くことで常温収縮チューブ40,240を縮径させて常温収縮チューブ40,240により複数のケーブルの導体同士の接続部160,360を絶縁被覆する際に、拡径保持部材99は、抜き取り方向Tに対して順に引き抜けるように形成されており、接続部160,360は周囲を覆うように形成されるテープ層100,300を有し、テープ層100,300の重なりから生じる凸部199,399(端部分161)が拡径保持部材99の一端部121に対して反対側に位置するようにテープ層100,300を形成するようになっている。すなわち、接続部160,360上のテープ層100,300の少なくとも、最外層のテープ層のケーブルの軸(長手)方向に巻き進める方向が、拡径保持部材99の抜き取り方向Tと逆方向になっている。
これにより、テープのめくれ上がりや損傷を防止でき、拡径材の引き抜き作業を確実に行うことができ、ケーブルの導体同士の接続の確実に行うことができる。
【0054】
本発明のケーブルの接続部の処理方法では、図2に示すように、テープ層100では、第1ケーブル21のケーブル絶縁体18の肩(端部18B)と第2ケーブル22のケーブル絶縁体19の肩(端部19B)との間におけるテープ層100の外径Rは、実測の第1ケーブル21のケーブル絶縁体18の仕上がり外径D1と実測の第2ケーブル22のケーブル絶縁体19の仕上がり外径D2の平均値Dとした場合に、
D−6.0mm≦テープ層の外径R≦D−0.2mm
の範囲にある。これにより、テープ層100のテープ巻き部分は、第1ケーブルのケーブル絶縁体の外周面と、第2ケーブルのケーブル絶縁体の外周面から半径方向外側に出ないようにすることができる。
【0055】
また、本発明のケーブルの接続部の処理方法では、図7に示すように、テープ層300の外径Fは、第1ケーブル211のケーブル絶縁体218の肩(端部218B)と第2ケーブル212のケーブル絶縁体219の肩(端部219B)の間のテープ層300の略中央部での外径であり、第1ケーブル211のケーブル絶縁体218の実測の仕上がり外径D1と第2ケーブル212のケーブル絶縁体219の実測の仕上がり外径D2の平均値Dに対して、
D−6.0mm≦テープ層の外径F≦D−0.2mm
の範囲にある。これにより、テープ層300のテープ巻き部分は、第1ケーブルのケーブル絶縁体の外周面と、第2ケーブルのケーブル絶縁体の外周面から半径方向外側に出ないようにすることができる。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、複数のケーブルが第1ケーブルと第2ケーブルであって、第1ケーブルのケーブル導体の外径と第2ケーブルのケーブル導体の外径が同径である場合に、テープ層の外径Rが所定の大きさである。すわなち、第1ケーブルのケーブル導体の外径と第2ケーブルのケーブル導体の外径が同じ場合に、テープ層の仕上げの外径寸法は、同じになるようにケーブル接続部の処理を行うことができる。
【0057】
また、本発明の好ましい実施形態では、複数のケーブルが第1ケーブルと第2ケーブルであって、第1ケーブルのケーブル導体の外径と第2ケーブルのケーブル導体の外径が異なる場合に、テープ層の外径Rが所定の大きさである。すなわち、第1ケーブルのケーブル導体の外径と第2ケーブルのケーブル導体の外径が互いに異なる場合に、テープ層の仕上げの外径寸法は、同じになるようにケーブル接続部の処理を行うことができる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の構造である。この拡径保持部材は、抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、テープ層の重なりから生じる凸部が拡径保持部材の抜き取り方向に対して反対側に位置するようにテープ層が形成されている。
【0059】
また、本発明のケーブルの接続部の処理方法では、図3と図4に示すように、拡径保持部材99が抜き取り方向Tに沿って引き抜かれるとき、ケーブルの軸方向に対して紐部材120が右回り(時計周り)又は左回りに略らせん状に回転する。したがって、拡径保持部材99を引き抜くときの回転方向とどう方向、つまり、紐部材120が右回りになるときはテープ層100、300の最外層を右回りに巻付ける。また、紐部材120が左回りになるときはテープ層100、300の最外層を左回りに巻付ける。このようにすると、端部分161の巻付け方向と紐部材120の回転方向が一致するので、紐部材120が当接したとしても端部分161が損傷しにくくすることができる。
【0060】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
上述した各実施形態において、拡径保持部材のテープの巻き終わり部には、粘着性が強く、接続スリーブ上に巻かれているテープの厚さよりも薄い半導電性テープを巻くようにしても良い。
【0061】
図7と図8に示す例では、テープ層300の外径をその軸方向に沿ってほぼ同じになるようにするために、細い側にはテープ部材を重ね巻きするようにしても良い。
【0062】
また、テープ層100,300の凹部に凸部を無くすように樹脂などの充填材で埋めることにより、テープ層の外周面を略平滑化することで、拡径保持部材を抜き取り方向Tに沿って抜き取る際に、拡径保持部材がテープ層の外周面に引っかかるのを防止することができる。
【0063】
さらに、テープ層100,300の上から更にシートをできるだけシートの重なり部を設けないように覆って、略平滑化することで、拡径保持部材を抜き取り方向Tに沿って抜き取る際に、拡径保持部材がテープ層の外周面に引っかかるのをさらに防止することができる。また、更に、半導電性の収縮チューブを、テープ層の最外層に被せ、拡径保持部材がテープ層の外周面に引っかかるのを防止するようにしてよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のケーブル接続ユニットの好ましい第1実施形態を示す図である。
【図2】図1のユニット内の構造例を示す断面を有する側面図である。
【図3】図1のユニットを示す側面図である。
【図4】テープ層を示す拡大した断面図である。
【図5】拡径保持部材が引き出された後の状態を示す図である。
【図6】本発明のケーブル接続ユニットの好ましい第2実施形態を示す図である。
【図7】図6のユニット内の構造例を示す断面を有する側面図である。
【図8】図6のユニットを示す側面図である。
【図9】テープ層を示す拡大した断面図である。
【図10】拡径保持部材が引き出された後の状態を示す図である。
【図11】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 ケーブル接続ユニット
11 第1電力ケーブル(第1ケーブル)
12 第2電力ケーブル(第2ケーブル)
18 ケーブル絶縁体
19 ケーブル絶縁体
21 第1ケーブル導体
22 第2ケーブル導体
30 外部電極
32 内部電極
40 常温収縮チューブ
44 接続スリーブ
99 拡径保持部材
100 テープ層
101 巻き始め部分
102 巻き終わり部分
10A ケーブル接続ユニット
199 凸部
211 第1電力ケーブル(第1ケーブル)
212 第2電力ケーブル(第2ケーブル)
218 ケーブル絶縁体
219 ケーブル絶縁体
221 第1ケーブル導体
222 第2ケーブル導体
230 外部電極
232 内部電極
240 常温収縮チューブ
244 接続スリーブ
300 テープ層
301 巻き始め部分
302 巻き終わり部分
399 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の処理方法であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、前記テープ層の重なりから生じる凸部が前記拡径保持部材の前記抜き取り方向に対して反対側に位置するように前記テープ層を形成することを特徴とするケーブルの接続部の処理方法。
【請求項2】
帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の処理方法であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、
前記帯状部材が前記常温収縮チューブから前記ケーブルの軸に対してスパイラル状にほどける方向と、前記テープ層の少なくとも最外層の巻き方向を同方向とするように前記テープ層を形成することを特徴とするケーブルの接続部の処理方法。
【請求項3】
前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の外径と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の外径が同径である場合に、前記テープ層を形成する際には、
前記第1ケーブルの前記ケーブル絶縁体の肩と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の肩との間における前記テープ層の外径Rは、前記第1ケーブルの前記ケーブル絶縁体の仕上がり外径D1と前記第2ケーブルの前記ケーブル絶縁体の仕上がり外径D2とし、その外径をDとした場合に、
D−6.0mm≦テープ層の外径R≦D−0.2mm
の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケーブルの接続部の処理方法。
【請求項4】
前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の外径と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の外径が異なる場合に、前記テープ層を形成する際には、
前記テープ層の外径Fは、前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の肩と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の肩の間の前記テープ層の略中央部での外径であり、前記第1ケーブルのケーブル絶縁体の仕上がり外径D1と前記第2ケーブルのケーブル絶縁体の仕上がり外径D2の平均値Dに対して、
D−6.0mm≦テープ層の外径F≦D−0.2mm
の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケーブルの接続部の処理方法。
【請求項5】
前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル導体の外径と前記第2ケーブルのケーブル導体の外径が同径である場合に、前記テープ層の外径Rが所定の大きさであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のケーブルの接続部の処理方法。
【請求項6】
前記複数のケーブルは、第1ケーブルと第2ケーブルであって、
前記第1ケーブルのケーブル導体の外径と前記第2ケーブルのケーブル導体の外径が異なる場合に、前記テープ層の外径Rが所定の大きさであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のケーブルの接続部の処理方法。
【請求項7】
帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の構造であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、前記テープ層の重なりから生じる凸部が前記拡径保持部材の前記抜き取り方向に対して反対側に位置するように前記テープ層が形成されていることを特徴とするケーブルの接続部の構造。
【請求項8】
帯状部材をスパイラル状に巻いて形成された拡径保持部材を、前記拡径保持部材の端部から抜き取り方向に沿って引き抜くことで常温収縮チューブを縮径させて前記常温収縮チューブにより複数のケーブルの導体同士の接続部を絶縁被覆するケーブルの接続部の処理方法であって、
前記拡径保持部材は、前記抜き取り方向に対して順に引き抜けるように形成されており、前記接続部は周囲を覆うように形成されるテープ層を有し、
前記帯状部材が前記常温収縮チューブから前記ケーブルの軸に対してスパイラル状にほどける方向と、前記テープ層の少なくとも最外層の巻き方向を同方向とするように前記テープ層を形成することを特徴とするケーブルの接続部の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−100585(P2009−100585A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270948(P2007−270948)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】