説明

ケーブル敷設用クリップ

ケーブル敷設用クリップは、クリップを構造物に取り付けるベースを備える。少なくとも1つのケーブルクランプが、ベースから延びる。各ケーブルクランプは、ケーブルを挿入するスプリット部を有する弾性材料のリングを備える。複数の締め付け手段が、スプリット部を閉じてケーブルを保持するために、備えられる。複数の締め付け手段のそれぞれは、他方の締め付け手段が損傷した場合にケーブルを独立して保持するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル敷設用クリップに関し、また、このクリップを採用して航空機の構造物にケーブルを固定する方法に関する。特に、本発明は、航空機に使用するケーブル敷設用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のタイプの、航空機に使用されるケーブル敷設用クリップは、所謂「Pクリップ」である。Pクリップは、ほぼケーブルを取り囲むように配置された、リング状のケーブルクランプと、クリップを構造物に取り付けるファスナーを収容するタブと、から成る。タブは、リング状のクランプに対して接線方向に延びるのが一般的であり、従って、クリップは、Pという文字に似た断面を有する。2つの一般的なPクリップの形状を、図1、2に示す。
【0003】
図1のPクリップでは、リング状のクランプ1は、タブ4に隣接するスプリット部2を有する。クランプ1は、一方の端部でタブ4に取り付けられ、自由端部では、締め付け用タブ3を備えている。ケーブルは、スプリット部2を通してクランプ1に挿入することができる。次に、タブ3、4の位置合わせされた孔を通して、ファスナー5が供給され、クリップを構造物に固定し、ケーブルを保持する。
【0004】
図2の別のPクリップでは、リング状のクランプ1’は、タブ4’から離れて配置されたスプリット部2’を有する。この配置では、クランプ1’は、2つの円弧状の要素から形成され、その各々は、自由端部で、締め付け用タブ3’を備えている。図2のPクリップは、タブ4’を通るファスナー5’を使用して、構造物に固定することができる。ケーブルは、スプリット部2’を通して、クランプ1’に挿入することができ、次に、クランプの自由端部の締め付け用タブ3’が、ケーブルを固定するために、相互に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
航空機の構造物にケーブルを固定する場合には、特定の安全要求に従うことが必要である。例えば、機体の特定の領域においては、ケーブル敷設用クリップが損傷しても、構造物の特定の領域の中にケーブルが落ちないことが要求される。このような要求のうちの1つは、単一の損傷では、ケーブルを、燃料の気化領域の構造物に接触させないことである。燃料の気化領域とは、燃料のこぼれや漏れを生じる欠陥のために可燃性混合気が発生すると予想される環境、として定義される。この条件に当てはまる領域の例として、燃料タンク、翼先端、燃料配管インターフェイス、が含まれる。従って、機体の特定領域に取り付けられたケーブル敷設用クリップの数と配置とが安全要求に十分合致することを、確実にすることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の、第1の実施形態により、ケーブル敷設用クリップであって、構造物に取り付けるベースと、ベースから延びる少なくとも1つのケーブルクランプと、を備え、このケーブルクランプ、又は、各ケーブルクランプが、弾性材料のリングを備え、このリングが、ケーブルを挿入することができるスプリット部を有し、更に、このスプリット部を閉じてケーブルを少なくとも1つのケーブルクランプ内に保持する、複数の締め付け手段を備え、複数の締め付け手段の各々が、他の締め付け手段が損傷した場合に、ケーブルを独立して保持するように配置されている、ケーブル敷設用クリップが提供される。このケーブル敷設用クリップは、航空機用のケーブル敷設用クリップとすることができ、言い換えれば、特に航空機での使用に適するものとすることができる。
【0007】
ある実施形態では、ベースは、複数のファスナーを受け入れることができるようにされ、例えば、ファスナーが1つ損傷しても、ケーブルは、同じ位置を保持することができる。
【0008】
本発明の別の実施形態では、航空機の構造物内にケーブルを固定する方法を提供し、この方法は、本発明の実施形態によるケーブル敷設用クリップを少なくとも1つ使用して、ケーブルを航空機の構造物に固定する工程を備える。
【0009】
ある実施形態では、この方法は、1つのケーブル敷設用クリップの損傷が安全を左右するような、航空機構造物の領域に、本発明の実施形態によるケーブル敷設用クリップを複数適用する工程を備える。
【0010】
本発明の更なる実施形態により、本発明の実施形態によるケーブル敷設用クリップと、このクリップを航空機の構造物に固定する複数のファスナーと、を備える、航空機用ケーブル敷設システムが提供される。
【0011】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して、以下に、例示として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のケーブル敷設用クリップの側面図である。
【図2】従来の、別のケーブル敷設用クリップの側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ケーブル敷設用クリップの側面図である。
【図4】ケーブルと、本発明の一実施形態によるケーブル敷設用クリップとの、配置を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態による、ケーブル敷設用クリップの、側面図である。
【図6】図5のケーブル敷設用クリップの、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態による第1のケーブル敷設用クリップを、図3に示す。ケーブル敷設用クリップ10は、ケーブルクランプ11を支持するベース14を備える。
【0014】
ベース14は、ほぼ平坦な、長方形の要素である。ファスナー15a、15bは、ベースを構造物に固定する。ベース14には、ファスナー15a、15bを受け入れる孔が備えられている。ベースには、クランプされるケーブルの両側に延びる、一組のタブ16a、16bが備えられている。クリップの断面形状は、従って、従来のクリップがほぼPの形状をしているのに対して、ほぼギリシャ文字オメガ(Ω)の形状であると言える。タブ16a、16bに、ファスナー15a、15bを受け入れる孔を設けることは、クリップ10の取り付け又は取り外しの間、ケーブルクランプ又はケーブルが、ファスナー15a、15bへの接近を妨げないように、ファスナー15a、15bを、ケーブルクランプ11から離して配置できるようにしている(図4参照)。
【0015】
ケーブルクランプ11は、ベースの平面に対して垂直の平面内において、ベース14から延びている。ケーブルクランプは、図1、2に示すPクリップの公知の形状と類似するが、以下に述べるように、ベースには、一対のケーブルクランプ11a、11bが備えられている。各ケーブルクランプ11は、弾性材料の環状リングとして形成されている。リングには、ケーブルがケーブルクランプ11内に挿入できるように、ベースに隣接してスプリット部12が設けられている。従って、ケーブルクランプ11の弾性リングは、ベースに取り付けられた固定端部17から、ベースに近接した自由端部18まで延びる。ケーブルクランプ11の自由端部18には、ケーブルクランプ11のスプリット部12を閉じる、締め付け手段が備えられている。図3に示す実施形態では、この締め付け手段は、ベースタブ16aのうち1つに隣接して配置され、ファスナー15aを受け入れる孔が備えられている、締め付け用タブ13である。
【0016】
使用時には、各クランプ11は、弾性材料の抵抗力に逆らって変形され、ケーブルを、スプリット部12を通して挿入することができる。ケーブルを、ケーブルクランプ11に入り易くするために、ケーブルクランプの端部17、18は、わずかに離れるように付勢してもよいが、ケーブルの保持をし易くするためには、この隙間は、ケーブルの一般的な直径よりも小さく(例えば5ミリメートルより小さく)選定される。ケーブルが、端部17、18を通過した場合には、ケーブルクランプ11は、もとの位置までスプリングバックし、スプリット部を閉じ、ケーブルを取り囲む。一旦ケーブルクランプ11がスプリングバックすると、閉鎖タブ13が、クリップのベース14のタブ16aに隣接して当接する。ベースタブ16aと閉鎖タブ13とに設けられた孔は、次に、位置を合わされ、ファスナー15aが、クリップ10を通して挿入され、タブ16aと13とを当接させ、これによってタブ16aと13がリングを(弾性材料の付勢に逆らって)閉じ、ケーブルをケーブルクランプ11内に固定し、クリップ10を、構造物に取り付ける。
【0017】
図4に示すように、本発明のケーブル敷設用クリップ10は、第1のケーブルクランプ11aと第2のケーブルクランプ11bとを備える。ケーブルクランプ11a、11bは両方とも、上述の材料の弾性リングで成形されている。第1のケーブルクランプ11aと第2のケーブルクランプ11bとは両方とも、同一のケーブル30を、ケーブル長さに沿った異なる位置でクランプするように、配置されている。言い換えれば、本発明の実施形態のケーブル敷設用クリップは、一対のケーブルクランプによって、1つのブラケットを形成している。第1のケーブルクランプ11aと第2のケーブルクランプ11bとは、それぞれベースから、ほぼ平行な面内で延び、同軸に配置された弾性リングを有している。
【0018】
図5は、異なるケーブルクランプ配置を有する第2の実施形態を示す。第1の実施形態と比べると、ケーブル敷設用クリップ20は、ベース24から延びる、単一のケーブルクランプ21を備えている。ベース24は、第1の実施形態のベースと類似の配置となっており、ケーブルクランプの両側でファスナー25a、25bを受け入れる、一対のタブ26a、26bを備えている。
【0019】
ケーブルクランプ21は、弾性材料の環状リングとして形成されている。このリングは、ベースから離れた円周上(リングの頂上近く)に配置された、スプリット部22を備え、ケーブルクランプ21が、2つの円弧状要素で形成されている。各要素は、ベースに取り付けられた固定端部から、ベースから遠位にある自由端部27、28まで延びている。このケーブルクランプの自由端部27、28は、それぞれわずかに離れるように付勢されており、ケーブルがケーブルクランプに入るのを助ける。しかし、端部27、28の隙間は、標準的なケーブルの巾よりも小さく、クランプ21の円弧状の要素は、ケーブルを挿入するために、材料の弾性に逆らって離され、標準的なケーブルをクランプする。クランプ21の円弧状の要素は、ケーブルが端部27、28を通過したら、次に、スプリングバックして、適正位置に戻る。
【0020】
自由端部27、28には、締め付け手段が取り付けられており、クランプ21のスプリット部22を閉じ、ケーブルを保持する。図5の実施形態では、自由端部27、28のそれぞれが、突出し部23a、23bを備え、突出し部23a、23bは、弾性リングからほぼ半径方向外側に延び、突出し部23に、締め付け手段が取り付けられている。
【0021】
図6に明示するように、この実施形態の締め付け手段は、一対の締め付け手段を備える。特に、締め付け手段は、突出し部23aの2つのスロット29a、29bの形態で設けられている。向かい合う突出し部23bもまた、2つの対応するスロット(図示せず)を備えている。従って、リングは、2つのケーブルタイを使用して閉じることができ、第1のケーブルタイは、スロット29aと、向き合った突出し部の対応するスロットと、を通って延び、第2のケーブルタイは、スロット29bと、向き合った突出し部の対応するスロットと、を通って延びる。
【0022】
ケーブルクランプ21の円弧状の要素が変形させられていない位置にある場合(図5参照)には、突出し部23は、相互に鋭角に口を開いており、向かい合う面23aは、スプリット部22に続くV字型の開口を形成しており、この開口は、ケーブルの、クランプ21への挿入を助ける。一旦ケーブルが挿入されると、突き出し部23a、23bは、弾性材料の付勢に逆らって合わせられ、各スロット29a、29b内のケーブルタイで相互に締め付けられ、ケーブルを保持する。曲げられた(閉じられた)位置では、突出し部23の向かい合う面は、相互に当接し、ほぼ同一面上にある。
【0023】
当業者であれば、いずれの実施形態のケーブルクリップも、手近な材料で形成することができ、材料は、クリップが機能する温度範囲に基づいて選定されることを、理解するであろう。クリップは、例えば、少なくともマイナス55度Cからプラス150度Cの作動温度範囲を有する材料で形成され、又は、マイナス55度Cからプラス260度Cの作動温度範囲を有する材料で形成される。クリップは、エラストマーをコーティングした金属製本体で形成することができる。コーティングに適した材料には、例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、エチレンプロピレンを含む。クリップの金属製本体は、作動温度がマイナス55度Cからプラス80度Cに対しては、AG5(アルミニウム 5056)とすることができ、これより高い作動温度に対しては、CRES(Corrosion Resistant Steel:耐蝕鋼)とすることができる。
【0024】
本発明のいずれの実施形態のクリップを使用する場合においても、例えば締め付け手段のうちの1つ、又はファスナーのうちの1つの損傷のような、単一の損傷では、クリップがケーブルを放すことになってはならない。言い換えれば、本発明の実施形態のケーブルクリップは、締め付け手段において、冗長性を与えるものである。上述の特定の実施形態は、両方とも、2つの締め付け手段を備えているので、上述の実施形態は、二重冗長性の締め付け手段を提供するものである。
【0025】
(安全要求を満たすための)いずれの特定の領域においても、本発明の実施形態のクリップを使用する場合には、必要とされるケーブル敷設用クリップの数を、従来のPクリップと比較して、低減することができ、有利である。例えば、クリップの数を従来より少なくするか、又は、隣接するクリップ間の間隔を従来より大きくしても、単一の損傷の場合における要求を、依然として満たすことができる。クリップが航空機に使用される場合には、クリップの数を低減することは、重量を低減するので、有利である。
【0026】
従って、本発明の実施形態は、航空機の構造物内にケーブルを固定する方法において、利用することができる。この方法は、ケーブル敷設用クリップに単一の損傷が発生しても、安全上の危機に陥る可能性がある、航空機の領域を指定する段階と、この領域に本発明の実施形態によるケーブル敷設用クリップを利用して、この領域のケーブルを全て固定する段階と、を備える。単一の損傷は、例えば、もし単一の損傷が、1Mと1S、又は2Mと2S(ここで、Mは、機械のルートであり、Sは、知覚ルートであり、1と2とは、単一ルートの損傷が、どのシステム部分をも機能不能にしないように、ほぼ平行に延設する、2つの独立したシステムである。)に、同時に作用し、表面の離脱を発生する可能性があるならば、安全上の危機と考えてよい。
【0027】
ある実施形態では、この方法は、単一のケーブル敷設用クリップの損傷が安全上の危機となる可能性がある、航空機構造物の少なくとも1つの領域において、本発明の実施形態によるケーブル敷設用クリップを、複数備える段階を含む。
【0028】
本発明を、実施形態の記載によって説明し、実施形態は、かなり詳細に記載したが、添付する請求項の範囲を、このような詳細にまで制限し、限定することは、出願人の意図するところではない。付加価値や修正は、当業者には、明らかであろう。従って、本発明は、その広範な側面において、図示され説明された装置や方法や例示に代表される、特定の詳細に限定されるものではない。従って、本出願人の発明の精神や範囲から逸脱することなく、このような詳細とは異なるものとすることが可能である。
【0029】
例えば、当業者であれば、ケーブル敷設用クリップが、単一のケーブルでも、ケーブルの束でも、クランプすることができることを、理解するであろう。従って、本明細書において単一のケーブルを参照していても、単一のケーブルに限定するものではなく、ケーブルの束を包含するものである。
【0030】
当業者は、また、ケーブルをケーブルクリップ内に固定する締め付け手段は、いかなる形態もとることができ、上述の配置に限定されないことを、理解するであろう。例えば、締め付け手段は、ケーブルクランプの自由端部に設けられたインターロック要素とすることができる。このようなインターロック要素の一例は、従来のケーブルタイに利用されたラチェット機構である。このラチェット機構は、第1の雄要素が、第2の雌要素の孔内のスプリングアームと係号する一連の鋸歯を備え、第2の雌要素は、雄要素を、雌要素の孔を通過させるが、雄要素が戻ることを妨げるものである。
【0031】
本発明の実施形態による第1のケーブル敷設用クリップを参照して記載された特徴は、本発明の実施形態による第2のケーブル敷設用クリップに、同様に適用することができ、その逆もまた同様に適用することができる。例えば、ある実施形態では、ベースにスプリット部を有するタイプのケーブル敷設用クリップが、単一のケーブルクランプと、2つの締め付け手段とを備える。他の実施形態では、一対のケーブルクランプを有するケーブル敷設用クリップを、各ケーブルクランプがそれぞれ1つの締め付け手段を有し、ベースから離れて配置されたスプリット部と、一対の円弧状要素と、を備えるタイプの、ケーブル敷設用クリップとすることができる。ある実施形態では、各実施形態の異なった特徴を組み合わせることができるということも、理解されよう。
【0032】
記載された実施形態では、弾性リングの形状の、1つ又は2つの分離したケーブルクランプを備えるが、クリップが1つ以上の締め付け手段を備え、単一の損傷ではケーブルを放さないならば、他のクランプ配置もまた、本発明の範囲内にあることを、当業者ならば理解できるであろう。例えば、ある実施形態では、単一のケーブルクランプを、複数の同軸の円弧状要素を有する部分を少なくとも1部分、備えるようにすることができる。言い換えれば、間隔をあけた一対のケーブルクランプを、少なくとも1つの、接続された円周部分を備えるように、構成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル敷設用クリップであって、
前記クリップを構造物に取り付けるベースと、
前記ベースから延びる少なくとも1つのケーブルクランプであって、前記ケーブルクランプが、弾性材料のリングを備え、前記リングが、ケーブルを挿入するスプリット部を有する、ケーブルクランプと、
前記スプリット部を閉じ、ケーブルを、少なくとも1つのケーブルクランプ内に保持する、複数の締め付け手段と、を備え、
前記複数の締め付け手段の各々が、前記締め付け手段の他方が損傷した場合に、独立して1つのケーブルを保持するように配置されている、
ケーブル敷設用クリップ。
【請求項2】
前記ベースが、複数のファスナーを受け入れるようにされた、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのケーブルクランプが、単一のケーブルクランプを備え、前記複数の締め付け手段が、少なくとも2つの締め付け手段を備える、請求項1又は2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのケーブルクランプが、2つのケーブルクランプを備え、前記複数の締め付け手段が、各ケーブルクランプに対して単一の締め付け手段を備える、請求項1又は2又は3に記載のクリップ。
【請求項5】
前記ケーブルクランプが、使用に際しては、ケーブルを、両方のケーブルクランプを通して敷設することによって構造物に固定するように、ベース上に配置されている、請求項4に記載のクリップ。
【請求項6】
前記ケーブルクランプの複数のリングが、ほぼ同軸である、請求項4に記載のクリップ。
【請求項7】
前記ベースが、複数のタブを備え、前記複数のタブが、ファスナーを受け入れるために、少なくとも1つのケーブルクランプの両側に延びる、請求項1から6のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項8】
前記弾性材料のリングが、ベースに取り付けられた固定端部から、前記ベースに近位の自由端部まで延び、前記自由端部が、閉鎖タブの形態の少なくとも1つの締め付け手段を備え、前記閉鎖タブが、前記ベースの一部に隣接し、隣接部分の孔が、少なくとも1つのファスナーを受け入れてリングを閉鎖するように位置合わせされ、前記クリップを構造物に取り付ける、請求項1から7のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項9】
前記弾性材料のリングが、それぞれ2つの円弧状要素を備え、各要素が、前記ベースに取り付けられた固定端部から、前記ベースから遠位の自由端部まで延び、前記自由端部が、少なくとも1つの締め付け手段を備え、前記リングを閉鎖し、前記ケーブルを保持する、請求項1から7のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項10】
前記締め付け手段が、ケーブルタイを受け入れるスロットを備える、請求項9に記載のクリップ。
【請求項11】
前記締め付け手段が、前記各自由端部の端部に取り付けられたインターロック要素を備える、請求項9に記載のクリップ。
【請求項12】
前記円弧状要素が、前記リングの自由端部を広げるように弾性的に付勢し、前記締め付け手段が、前記円弧状要素の付勢に逆らって前記端部を合わせて保持する、請求項9から11のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項13】
前記自由端部の各々が、前記弾性材料のリングから離れて半径方向に延びる突出し部を有する、請求項9から12のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項14】
前記締め付け手段が、前記突出し部に備えられている、請求項13に記載のクリップ。
【請求項15】
少なくともマイナス55度Cからプラス150度Cの作動温度範囲を有する材料で形成された、請求項1から14のいずれか1項に記載のクリップ。
【請求項16】
少なくともマイナス55度Cからプラス260度Cの作動温度範囲を有する材料で形成された、請求項11に記載のクリップ。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載のケーブル敷設用クリップを備える、航空機構造物。
【請求項18】
航空機構造物内にケーブルを固定する方法であって、前記方法が、請求項1から17のいずれか1項に記載のケーブル敷設用クリップを少なくとも1つ利用して、航空機の構造物にケーブルを固定する段階を備える、方法。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載のケーブル敷設用クリップと、前記クリップを航空機構造物に固定する複数のファスナーと、を備える、航空機のケーブル敷設システム。
【請求項20】
図3と図4、又は図5と図6を参照して図示され、記載された、航空機のケーブル敷設用クリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−517499(P2010−517499A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546002(P2009−546002)
【出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050025
【国際公開番号】WO2008/090371
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(508305926)エアバス ユーケー リミティド (38)
【Fターム(参考)】