説明

ケーブル長測定器

【課題】ケーブルの長さを容易かつ正確に計測できるケーブル長測定器を提供する。
【解決手段】ケーブル100を挿通する第1筒体10及び第2筒体14と、第1筒体10と第2筒体14とを連結する伸縮部材20、22と、第1筒体10、第2筒体14に設けられ、第1筒体10、第2筒体14にケーブル100を挿通した状態において、第1筒体10、第2筒体14の第2方向への移動をする規制とともに第1方向への移動を許容する第1ストッパ、第2ストッパとを備え、第1筒体10を第2筒体14から遠ざけて伸縮部材20、22を最大に延伸させ、第2筒体14を第1筒体10に近づけて伸縮部材20、22を縮小させることにより、ケーブル100上において第1筒体10及び第2筒体14を一方向に移動させ、この動作を繰り返し行い、この繰り返し回数に基づいてケーブル100の長さを測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電線として使用するケーブルをケーブルドラムから必要な長さだけ持ち出す際に使用する、ケーブル長測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ケーブルの取付作業、あるいは交換作業を行う場合には、作業場所にケーブルドラムを持ち込み、このケーブルドラムからケーブルを必要な長さだけ引き出し、切断してから作業を行っている。ここで、ケーブルを必要なだけ持ち出す際,ケーブル自体にレングスマークが付いているものであれば、レングスマークにしたがって必要な長さだけ切り取ることができる。ケーブルにレングスマークが付いていない場合には、メジャー等で図りながらケーブルの引出しを行う。
【0003】
また、従来における、ケーブルの長さを測定する技術としては、特許文献1又は特許文献2に記載された技術がある。特許文献1には、ケーブルドラムに巻き線するケーブルの長さを計測する装置であって、ケーブルの移動に連動して回転するローラの回転量に基づいて、ケーブルの長さを計測するものが提案されている。特許文献2にはケーブルの繰出し量に応じたパルス情報のパルスを計数し、このパルスの計数値によってケーブル長を計測するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−62141号公報
【特許文献2】特開平5−10706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ケーブルの長さをメジャー等で計測することは、手間がかかり、多くの時間を要する割には誤差が大きい。ここで、ケーブルの長さを計測するために、前述した特許文献1又は特許文献2に記載された技術を用いることが考えられるが、これらは大掛かりな装置であるため、作業場所に容易に持ち込めるものではなく、ユーザーが簡単に入手できるようなものではない。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決し、ケーブルの長さを容易かつ正確に計測できるケーブル長測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、次に記載する構成を備えている。
【0008】
(1) ケーブルを挿通するための中空部を有する第1筒体と、当該第1筒体の長手方向における第1方向側に配置され、ケーブルを挿通するための中空部を有する第2筒体と、前記第1筒体と前記第2筒体とを連結する伸縮可能な連結部材と、前記第1筒体に設けられ、前記第1筒体に前記ケーブルを挿通した状態において、前記第1筒体の第1方向への移動を規制するとともに第2方向への移動を許容する第1ストッパと、前記第2筒体に設けられ、前記第2筒体に前記ケーブルを挿通した状態において、前記第2筒体の第1方向への移動を規制するとともに第2方向への移動を許容する第2ストッパとを備え、前記第1筒体及び前記第2筒体を、当該第2筒体及び前記第1筒体の順でケーブルに挿通した状態で、前記第1筒体を第1方向に移動させて前記連結部材を延伸させてから、前記第2筒体を第1方向に移動させて前記連結部材を縮小させる測定動作を繰り返し、この繰り返し回数に基づいて前記ケーブルの長さを測定することを特徴とするケーブル長測定器。
【0009】
(1)によれば、第1筒体及び第2筒体は、ケーブル上において一方向にのみ移動可能であり、第1筒体を第2筒体から遠ざけて連結部材を最大に延伸させ、第2筒体を第1筒体に近づけて連結部材を縮小させる。この測定動作を繰り返すことによって、ケーブルが、連結部材を最大に延伸させた長さの分だけ第2筒体から送り出される。これにより、第1筒体と第2筒体とを遠ざけて近づけるという簡単な測定動作を繰り返した回数に基づいて、第2筒体から送り出したケーブルの長さを正確に計測することが可能になる。
【0010】
(2) (1)において、前記第1ストッパは、前記第1筒体の中心軸の延びる方向に直交して延びる回転軸と、前記回転軸に固定され、前記ケーブルに外周面が当接しかつ前記第1筒体に対する前記ケーブルの相対移動に伴って初期位置から第1方向側又は第2方向側に所定角度回動する偏心カムとを有し、前記偏心カムは、前記外周面において、前記偏心カムを第1方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に粗面部を有し、かつ前記偏心カムを第2方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に滑面部を有し、前記第1筒体を第2方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第2方向側に回動し、前記ケーブルが前記滑面部に当接して前記第1筒体の第2方向への移動を許容し、前記第1筒体を第1方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第1方向側に回動し、前記ケーブルに粗面部が当接して前記第1筒体の第1方向への移動を規制し、前記第2ストッパは、前記第2筒体の中心軸の延びる方向に直交して延びる回転軸と、前記回転軸に固定され、前記ケーブルに外周面が当接しかつ前記第2筒体に対する前記ケーブルの相対移動に伴って初期位置から第1方向側又は第2方向側に所定角度回動する偏心カムとを有し、前記偏心カムは、前記外周面において、前記偏心カムを第1方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に粗面部を有し、かつ前記偏心カムを第2方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に滑面部を有し、前記第2筒体を第2方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第2方向側に回動し、前記ケーブルが前記滑面部に当接して前記第2筒体の第2方向への移動を許容し、前記第2筒体を第1方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第1方向側に回動し、前記ケーブルに粗面部が当接して前記第2筒体の第1方向への移動を規制することを特徴とするケーブル長測定器。
【0011】
(2)によれば、第1ストッパの偏心カム及び第2ストッパの偏心カムは、粗面部と滑面部とを有しており、第1筒体及び第2筒体が第2方向に移動した場合には、偏心カムが初期位置から第2方向側に所定角度回動して、滑面部がケーブルに当接する。これにより、第1ストッパ及び第2ストッパは、第1筒体及び第2筒体の第2方向への移動を許容する。また、第1筒体及び第2筒体が第1方向に移動した場合には、偏心カムが初期位置から第1方向側に所定角度回動して、粗面部がケーブルに当接する。これにより、第1ストッパ及び第2ストッパは、第1筒体及び第2筒体の第1方向への移動を規制する。具体的には、右側を第1方向とし、左側を第2方向とした場合に、第1筒体を右手に、第2筒体を左手に持って両手を広げると、第1ストッパの滑面部がケーブルに当接するため、第1筒体がケーブル上を右側(第1方向)に移動するようになり、第2ストッパの粗面部がケーブルに当接するため、第2筒体はケーブル上に固定されるようになる。このため、第1筒体のみが移動して第2筒体から遠ざかる。さらに、両手を閉じると、第2ストッパの滑面部がケーブルに当接するため、第2筒体がケーブル上を右側(第1方向)に移動するようになり、第1ストッパの粗面部がケーブルに当接するため、第1筒体はケーブル上に固定されるようになる。このため、第2筒体のみが移動して第1筒体に近づくようになる。これにより、第1筒体と第2筒体とを、一方向(右側(第1方向))のみに移動させることが可能になる。
【0012】
(3) (1)又は(2)において、前記連結部材は、第1連結部材と第2連結部材とを有し、前記第1連結部材と第2連結部材は、前記第1筒体及び前記第2筒体の中心軸に対して線対称位置に配置されることを特徴とするケーブル長測定器。
【0013】
(3)によれば、第1筒体と第2筒体とが対向した状態を維持することができるため、連結部材の伸縮を安定させることが可能になる。
【0014】
(4) (1)〜(3)において、前記連結部材は、径が異なる複数の筒体からなり、最大径の筒体内に、径が小さくなる順に同軸に収納されてなる多段式の部材であることを特徴とするケーブル長測定器。
【0015】
(4)によれば、連結部材を最大に延伸させた時の長さを安定させることが可能になる。
【0016】
(5) (1)〜(4)において、前記連結部材の内部に挿通され、前記第1筒体と前記第2筒体とに接続されるワイヤと、前記第1筒体及び前記第2筒体のいずれか一方に設けられ、前記ワイヤを引き出し及び巻き取り可能であり、前記ワイヤを巻き取る方向に回転するように付勢され、前記連結部材を延伸させた場合に逆回転して前記ワイヤが引き出される巻取部材と、前記巻取部材における前記ワイヤの巻き取り方向への回転を規制する規制部材と、前記連結部材を延伸させて一定の長さに到達した場合に、前記規制部材による規制を解除にするラチェット手段とを有することを特徴とするケーブル長測定器。
【0017】
(5)によれば、連結部材を最大に延伸させた際に、巻取部材に対する規制が解除されるために、連結部材を縮小させやすくなる。
【0018】
(6) (1)〜(5)において、前記繰り返し回数を表示するカウンタ表示手段を備えたことを特徴とするケーブル長測定器。
【0019】
(6)によれば、カウンタ表示手段の表示内容を視認することにより、第2筒体から送り出したケーブルの長さを把握することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1筒体と第2筒体とを遠ざけて近づけるという簡単な動作の繰り返し、この繰り返した回数に基づいて、引き出したケーブルの長さを正確に計測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態におけるケーブル長測定器1の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る第1ストッパ50及び第2ストッパ52の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る第1ストッパ50及び第2ストッパ52の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るラチェット部30の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るラチェット部30の動作を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるケーブル長測定器1を用いたケーブルの長さの測定方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるケーブル長測定器1の外観を示す斜視図である。ケーブル長測定器1は、第1筒体10、第2筒体14、第1伸縮部材20、第2伸縮部材22、ラチェット部30及びカウンタ表示部40とを備えている。
【0023】
第1筒体10は、円筒部材からなり、中央部には、ケーブル100が挿通できる程度の大きさの円柱状の中空部10aが形成されている。また、第1筒体10の側面にはラチェット部30が設けられており、第1筒体10の側面における第1筒体10の中心軸に対してラチェット部30の反対側の部位に支持部12が立設している。
【0024】
第2筒体14は、円筒部材からなり、中央部には、ケーブル100が挿通できる程度の大きさの中空部14aが形成されている。また、第2筒体14の側面には支持部16及び支持部18が立設している。
【0025】
第1伸縮部材20は、円筒体20a、円筒体20b、円筒体20c、円筒体20d及び円筒体20eによって構成されている。円筒体20a〜20eは全て同じ長さであり、円筒体20a、円筒体20b、円筒体20c、円筒体20d、円筒体20eの順で径が大きくなる。そして、最も径が大きい円筒体20eの内部に、円筒体20d、円筒体20c、円筒体20b、円筒体20aが、径の大きいものから小さくなる順に収納される。これにより、円筒体20eから円筒体20a〜20dを引き出すことによって、第1伸縮部材20が4段に延伸する。逆に、円筒体20a〜20dを円筒体20e側に押し込むことによって第1伸縮部材20が縮小する。第1伸縮部材20を最大に延伸させた長さは、本実施形態においては1mに設定されている。
【0026】
第2伸縮部材22は、円筒体22a、円筒体22b、円筒体22c、円筒体22d及び円筒体22eによって構成されている。第1伸縮部材20と第2伸縮部材22は同一構成であり、円筒体20aと円筒体22a、円筒体20bと円筒体22b、円筒体20cと円筒体22c、円筒体20dと円筒体22d、円筒体20eと円筒体22eは同一の部材である。これにより、円筒体22eから円筒体22a〜22dを引き出すことによって、第2伸縮部材22が4段に延伸する。逆に、円筒体22a〜22dを円筒体22e側に押し込むことによって第2伸縮部材22が縮小する。第2伸縮部材22を最大に延伸させた長さも、第1伸縮部材20と同様に1mに設定されている。このように、第1伸縮部材20及び第2伸縮部材22は、連結部材に相当する。
【0027】
第1伸縮部材20の一端部、すなわち円筒体20eの後端部は、ラチェット部30に固定され、第1伸縮部材20の他端部、すなわち円筒体20aの先端部は、支持部16に固定される。また、第2伸縮部材22の一端部、すなわち円筒体22eの後端部は、支持部12に固定され、第2伸縮部材22の他端部、すなわち円筒体22aの先端部は、支持部18に固定される。これにより、第1筒体10と第2筒体14とは、一対の連結部材、すなわち第1連結部材に相当する第1伸縮部材20と第2連結部材に相当する第2伸縮部材22とによって、互いに接近、離間自在に連結される。また、第1筒体10と第2筒体14とを、第1伸縮部材20と第2伸縮部材22とによって連結した際、第1筒体10の中心軸と第2筒体14の中心軸とが一致する。このため、第1伸縮部材20と第2伸縮部材22とは、第1筒体10の中心軸及び第2筒体14の中心軸に対して互いに線対称位置に配置される。
【0028】
第1伸縮部材20の内部には、ワイヤ24が張設されている。ワイヤ24の一端は、第2筒体14の支持部16に固定されており、ワイヤ24の他端は、ラチェット部30に設けられたワイヤドラム(図4参照)に固定されている。
【0029】
ラチェット部30は、第1筒体10に形成された外装30aと、この外装30a内に設けられ、第1伸縮部材20が延伸途中の場合には、第1伸縮部材20が縮小することを規制し、第1伸縮部材20が最大に延伸した場合に第1伸縮部材20が縮小できるようにする機構とによって構成されている。第1伸縮部材20の一端部、すなわち円筒体20eの後端部は外装30aに固定されている。
【0030】
第1筒体10には、ケーブル100上における第1筒体10の移動の規制及び規制解除を行う第1ストッパ50(図2、図3参照)が設けられている。また、第2筒体14には、ケーブル100上における第2筒体14の移動の規制及び規制解除を行う第2ストッパ52(図2、図3参照)が設けられている。
【0031】
カウンタ表示部40は、第1筒体10の表面に設けられ、第1伸縮部材20を最大に延伸させた回数を表示するものである。本実施形態においては液晶表示を用いている。
【0032】
図2は、第1ストッパ50及び第2ストッパ52の構成を示す説明図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は正面図である。第1ストッパ50は、回転軸50aと、偏心カム50bと、コイルばね50cと、フレーム50dとによって構成されている。
【0033】
偏心カム50bは、図2(a)に示すように、一端部側が円弧状に形成され、他端部側が略等脚台形状に延出した紡錘形状をなしており、偏心カム50bの一端部側が回転軸50aに固定されている。また、偏心カム50bの外周面において、偏心カム50bを、回転軸50aを含む平面によって二分割した場合における一方の外周面に滑面部51aが形成され、他方の外周面に粗面部51bが形成されている。
【0034】
フレーム50dは、底面部と、この底面部の両側部に曲げ加工を施してなる側面部とからなる、正面視した場合にU字状に形成された部材であり、両側面部に回転軸50aを回転自在に軸支する軸受(図示せず)を備えている。そして、フレーム50dに回転軸50aを取り付けることにより、フレーム50d内に偏心カム50bが配置される。
【0035】
さらに、フレーム50dの両側面部から延出した回転軸50aの両端部は、第1筒体10内に形成した軸受部50e、50eによって支持される。また、軸受部50e、50eは、第1筒体10の中心軸に対して放射方向に延びる長孔である。そして、回転軸50aの両端部を軸受部50e、50eに取り付けた時、回転軸50aの軸方向は、第1筒体10の中心軸が延びる方向に対して直交し、偏心カム50bは、第1筒体10の中心軸の軸方向に沿って揺動する。また、偏心カム50bは、第1筒体10の中心軸に対して放射方向に往復動可能となる。
【0036】
また、フレーム50dと第1筒体10との内面との間にコイルばね50cが設けられ、このコイルばね50cによってフレーム50dの底面部が第1筒体10の中心軸方向に付勢される。
【0037】
偏心カム50bは、第1筒体10内において、ケーブル100の挿通方向に沿って揺動可能である。また、偏心カム50bは、ケーブル100を挿通した場合、コイルばね50cによって付勢力を受けた状態でケーブル100に当接する。このため、第1筒体10に対してケーブル100が相対移動することにより、ケーブル100の移動に伴って偏心カム50bが回動する。具体的には、図2(a)において、ケーブル100上において第1筒体10を、第1方向に相当するA方向に移動させた場合(ケーブル100が第2方向に相当するB方向に相対移動した場合)には、偏心カム50bもA方向側に回動して、滑面部51aがケーブル100に当接するようになる。また、ケーブル100上において第1筒体10を第1方向に相当するA方向の反対方向である第2方向に相当するB方向に移動させた場合(ケーブル100がA方向に相対移動した場合)には、偏心カム50bもB方向側に回動して、粗面部51bがケーブル100に当接するようになる。
【0038】
なお、第2ストッパ52は、第1ストッパ50と同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。特に、第1ストッパ50における回転軸50a、偏心カム50b、コイルばね50c、フレーム50d及び軸受部50eは、第2ストッパ52においては回転軸52a、偏心カム52b、コイルばね52c、フレーム52d及び軸受部52eに相当する。また、第1ストッパ50の偏心カム50bにおける滑面部51a及び粗面部51bは、第2ストッパ52の偏心カム52bにおいて滑面部53a及び粗面部53bに相当する。
【0039】
図3は、第1ストッパ50及び第2ストッパ52の動作を示す説明図である。初期状態においては、図3(a)に示すように、第1伸縮部材20、第2伸縮部材22(図1参照)が縮小状態にあって、第1筒体10と第2筒体14とが最も近づいている。この時、第1ストッパ50の偏心カム50b、及び第2ストッパ52の偏心カム52bにおける、回転軸50a、52a近傍の円弧部分がケーブル100に当接し、偏心カム52bの延出部分が下方を向いている。以下、図3(a)に示す偏心カム50b、52bの位置を初期位置と称する。
【0040】
図3(a)に示す状態で、第1筒体10は第1方向に相当するA方向に、第2筒体14は第2方向に相当するB方向に移動させる。この時、図3(b)に示すように、第1筒体10及び第2筒体14の移動に伴って、偏心カム50bはA方向に、偏心カム52bはB方向に初期位置から所定角度(例えば90度)回動する。これにより、偏心カム50bの滑面部51aがケーブル100に当接し、偏心カム52bの粗面部53bがケーブル100に当接する。ここで、ケーブル100と滑面部51aとの間の摩擦力は小さいため、第1筒体10は、ケーブル100に沿ってA方向に移動する。また、ケーブル100と粗面部53bとの間の摩擦力は大きいため、第2筒体14のB方向への移動は規制される。これにより、第2筒体14の位置は固定され、第1筒体10のみがA方向に移動する。
【0041】
さらに、図3(b)に示す状態において、第1筒体10を第2方向に相当するB方向に、第2筒体14を第1方向に相当するA方向に移動させる動作、すなわち、第1筒体10と第2筒体14とを近づける動作を行った場合には、図3(c)に示すように、第1筒体10及び第2筒体14の移動に伴って、偏心カム50bはB方向に、偏心カム52bはA方向に回動する。そして、偏心カム50b、52bは初期位置を通り、偏心カム50bの粗面部51bがケーブル100に当接し、偏心カム52bの滑面部53aがケーブル100に当接する。ここで、ケーブル100と粗面部51bとの間の摩擦力は大きいため、第1筒体10のB方向への移動は規制される。また、ケーブル100と滑面部53aとの間の摩擦力は小さいため、第2筒体14は、ケーブル100に沿ってA方向に移動する。これにより、第1筒体10の位置は固定され、第2筒体14のみがA方向に移動する。
【0042】
このように、第1筒体10及び第2筒体14は、ケーブル100上において一方向(A方向)のみに移動可能であり、第1筒体10を第2筒体14から遠ざけ、第2筒体14が第1筒体10に近づけるという測定動作を繰り返すことによって、第1筒体10及び第2筒体14がケーブル100上を移動する。言い換えると、ケーブル100は第2筒体14に対してB方向に相対移動する。
【0043】
図4は、ラチェット部30の構成を示す斜視図である。ラチェット部30は、第1回転軸60、第2回転軸62及び第3回転軸64を有しており、第1回転軸60には、巻取部材に相当するワイヤドラム66、ラチェット歯車68及び第1ギア70が固定されている。第2回転軸62には、ラチェット爪72が固定されている。第3回転軸64には、第2ギア74及び回転板76が固定されている。
【0044】
第1回転軸60、第2回転軸62及び第3回転軸64は、外装30a(図1参照)内に、それぞれ平行でかつ第1筒体10の中心軸に対して垂直方向に延びており、回動可能に設けられている。
【0045】
ワイヤドラム66は、ワイヤ24を巻き返すものであり、第1伸縮部材20が延伸してワイヤ24が引き出された場合には、図中矢印に示すC方向に回転する。また、ワイヤドラム66は、図中矢印に示すD方向に回転(逆回転)するように構成されている。このため、ワイヤ24が引き出されている場合には、ワイヤ24が張設された状態で維持され、第1伸縮部材20を縮小した場合には、ワイヤ24がワイヤドラム66によって巻き取られる。
【0046】
ラチェット歯車68は、外周に歯が形成されており、この歯は、円弧状の斜面と、放射方向に沿った垂直面とを備えている。ラチェット歯車68には、ラチェット爪72が係合しており、図中矢印に示すC方向に回転する場合には、ラチェット爪72が歯の円弧状の斜面を乗り越えることによって、ラチェット歯車68の回転が許容され、図中矢印に示すD方向に回転する場合には、垂直面にラチェット爪72が当接して、ラチェット歯車68の回転が規制される。このように、ラチェット爪72及びラチェット歯車68が規制部材に相当する。
【0047】
第1ギア70と第2ギア74とは、内側面に歯が形成されたベルト80が架設されている。また、回転板76には突起78が形成されている。
【0048】
ラチェット爪72は第2回転軸62を軸として回動可能であり、一端部はラチェット歯車68に係合し、他端部は、突起78の周回軌道上に配置されている。また、ラチェット爪72は、磁性を有する金属部材によって構成されており、ラチェット爪72における第2回転軸62に対して他端側に、マグネット82、84が配置されている。マグネット82、84は、ラチェット爪72の回動方向両側部に設置されており、このマグネット82、84によって一定角度以上のラチェット爪72の回動が規制される。
【0049】
第1伸縮部材20が延伸してワイヤ24が引き出された場合には、ワイヤドラム66が、図中矢印に示すC方向に回転し、この回転に連動して、第1ギア70が回転する。第1ギア70の回転は、ベルト80によって第2ギア74に伝達され、第2ギア74が回転する。第2ギア74の回転に連動して回転板76が回転する。ここで、第1ギア70と第2ギア74とのギア比は、第1伸縮部材20が最小に縮小されている状態から、ワイヤ24が完全に引き出されて第1伸縮部材20の延伸が最大になった場合に、回転板76が一回転する程度に設定されている。そして、回転板76が回転すると、突起78がラチェット爪72に当接し、ラチェット爪72を押圧することにより、ラチェット爪72が回動して、ラチェット爪72がラチェット歯車68から離間して係合状態が解除される。これにより、ラチェット部30のラチェット機能が解除され、ワイヤドラム66の図中矢印に示すD方向への回転が許容される。
【0050】
第1伸縮部材20の延伸が最大になった後に、第1伸縮部材20を縮小させると、ワイヤドラム66が、図中矢印に示すD方向に回転(逆回転)し、この回転に連動して、第1ギア70が逆回転する。第1ギア70が逆回転すると、この逆回転が、ベルト80を介して第2ギア74に伝達され、回転板76が逆回転する。そして、回転板76が逆回転すると、突起78が逆方向に周回してラチェット爪72に当接し、ラチェット爪72を押圧することにより、ラチェット爪72が回動して、ラチェット歯車68に係合する。これにより、ラチェット部30のラチェット機能が作動する。
【0051】
次に、図5を参照しながら、ラチェット部30の動作について詳細に説明する。
第1伸縮部材20が最小に縮小された状態においては、図5(a)に示すように、ラチェット爪72の一端部がラチェット歯車68に係合した状態にある。また、ラチェット爪72の他端部におけるマグネット82側の近傍に突起78が位置付けられている。この状態で、第1伸縮部材20が延伸すると、ワイヤ24が引き出されて、ワイヤドラム66が回転し、この回転に連動して、ラチェット歯車68及び回転板76が図中C方向(時計回り)に回転する。回転板76の回転によって、突起78もC方向に移動する。また、ラチェット歯車68がC方向に回転する場合には、ラチェット爪72がラチェット歯車68の歯を乗り越えることによって、ラチェット歯車68の回転が許容される。また、第1伸縮部材20の延伸途中の状態においては、ワイヤドラム66が逆回転方向に回転することにより、ラチェット歯車68の一端部は垂直面に当接し、この垂直面がラチェット爪72を押圧することによってラチェット爪72が回動する。そして、ラチェット歯車68の一端部が垂直面に当接した状態でラチェット爪72の他端部がマグネット84に当接することにより、ラチェット爪72の回動が規制される。その結果、ラチェット爪72とラチェット歯車68との係合状態が維持される。したがって、第1伸縮部材20の延伸が途中の状態においては、ワイヤドラム66がワイヤ24を巻き取る方向に回転(逆回転)することが規制される規制状態となる。
【0052】
第1伸縮部材20が延伸すると突起78はC方向に周回し、第1伸縮部材20の延伸が最大になる時においては、図5(b)に示すように、突起78がラチェット爪72の他端部に当接して、ラチェット爪72を時計回り方向に押圧する。これにより、ラチェット爪72が回動してマグネット82に吸着され、ラチェット爪72がラチェット歯車68から離間した規制解除状態が維持される。
【0053】
ラチェット部30のラチェット機能が解除されると、ラチェット歯車68は図中D方向(反時計回り)の回転可能になり、ワイヤドラム66の逆回転が可能になる。このため、第1伸縮部材20を縮小する際にワイヤドラム66は逆回転してワイヤ24を巻き取る。ワイヤドラム66の逆回転は、回転板76に伝達されて、回転板76がD方向に回転する。そして、図5(c)に示すように、ラチェット爪72の他端が、D方向に周回した突起78によって押圧される。これにより、ラチェット爪72が回動してマグネット84に吸着され、ラチェット爪72がラチェット歯車68に係合するようになる。このように、回転板76及び突起78が切換部材に相当する。
【0054】
また、マグネット82の近傍には、電気的にオンオフするスイッチ90が設けられており、このスイッチ90は、図5(b)に示すように、ラチェット爪72がマグネット82に吸着している場合にオンになり、ラチェット爪72がマグネット82から離間している場合にオフになる。また、スイッチ90は、図示しない制御回路に接続されており、この制御回路は、スイッチ90がオフからオンになるごとに、カウンタ表示部40の表示を1ずつ加算するようにカウンタ表示を切り換える制御を行う。なお、第1筒体10には図示しないリセットボタンが設けられており、このリセットボタンを操作することによって、カウンタ表示部40のカウンタ表示が「0」にリセットされる。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態を用いたケーブルの長さの測定方法を示す説明図である。
まず、ケーブルドラム200からケーブル100を引き出して、ケーブル100の端部を第1筒体10に挿入し、さらに、第2筒体14にケーブル100を挿入する。このとき、第1ストッパ50の偏心カム50b及び第2ストッパ52の偏心カム52bが回動して、第1ストッパ50の滑面部51a及び第2ストッパ52の滑面部53aがケーブル100に当接する。このため、第1筒体10及び第2筒体14にケーブル100を挿通することが可能である。ここで、ケーブル100の先端と、第2筒体14におけるケーブル100の送り出し口となる中空部14aの開口部とを一致させておくか、あるいはこの中空部14aの開口部に位置するケーブル100の部位にマーキングを施しておくことにより、ケーブル100における計測開始位置が判別可能になる。
【0056】
次に、図6(a)に示すように、第1筒体10を右手に第2筒体14を左手に持って、図6(b)に示すように、両手を開く動作をすることにより、図3を用いて前述したように、第2筒体14は、第2ストッパ52によってケーブル100上の移動が規制され、第1筒体10はケーブル100上を右側に移動する。このとき、第1伸縮部材20、第2伸縮部材22が延伸する。この第1伸縮部材20が最大に延伸すると、図5に示すスイッチ90がオンになり、カウンタ表示部40に表示されるカウント数が「1」増加する。
【0057】
そして、第1伸縮部材20、第2伸縮部材22を最大に延伸させてから、図6(c)に示すように、両手を閉じる動作をすることにより、第1筒体10は、第1ストッパ50によってケーブル100上の移動が規制され、第2筒体14は、第2ストッパ52によってケーブル100上の移動の規制が解除されて、ケーブル100上を右側に移動する。これにより、第2筒体14からケーブル100が1m送り出される。このように、第1筒体10を第2筒体14から遠ざけ、第2筒体14を第1筒体10に近づけるという測定動作を繰り返すことによって、ケーブル100が第2筒体14から繰り返し回数分だけ1mずつ送り出される。例えば、100回繰り返した場合には、100m引き出したことになる。
【0058】
以上、説明した本実施形態によれば、第1筒体10及び第2筒体14は、ケーブル100上において一方向にのみ移動可能であり、第1筒体10を第2筒体14から遠ざけて第1伸縮部材20を最大に延伸させ、第2筒体14を第1筒体10に近づけて第1伸縮部材20を縮小させる。この動作を繰り返すことによって、ケーブル100が、第1伸縮部材20を最大に延伸させた長さの分(例えば、1m)だけ第2筒体14から送り出される。これにより、第1筒体10と第2筒体14とを遠ざけて近づけるという簡単な動作を繰り返した回数に基づいて、第2筒体14から送り出したケーブル10の長さを正確に計測することが可能になる。
【0059】
また本実施形態によれば、第1筒体10を右手に、第2筒体14を左手に持って両手を広げると、第1ストッパ50の滑面部51aがケーブル100に当接するため、第1筒体10がケーブル100上を右側に移動するようになり、第2ストッパ52の粗面部53bがケーブル100に当接するため、第2筒体14はケーブル100上に固定されるようになる。このため、第1筒体10のみが右側に移動して第2筒体14から遠ざかる。さらに、両手を閉じると、第2ストッパ52の滑面部53aがケーブル100に当接するため、第2筒体14がケーブル100上を右側に移動するようになり、第1ストッパ50の粗面部51bがケーブル100に当接するため、第1筒体10はケーブル100上に固定されるようになる。このため、第2筒体14のみが右側に移動して第1筒体10に近づくようになる。これにより、第1筒体10と第2筒体14とを、一方向のみに移動させることが可能になる。
【0060】
また本実施形態によれば、一対の連結部材として、第1伸縮部材20と第2伸縮部材22とを、第1筒体10と第2筒体との間に設けたことにより、第1筒体10と第2筒体14とが対向した状態を維持することができるため、第1伸縮部材20及び第2伸縮部材22の伸縮を安定させることが可能になる。
【0061】
また本実施形態によれば、第1伸縮部材20及び第2伸縮部材22が、径が異なる複数の筒体を最大径の筒体内に径が小さくなる順に同軸に収納されてなる多段式であるため、第1伸縮部材20及び第2伸縮部材22を最大に延伸させた時の長さを安定させることが可能になる。
【0062】
また本実施形態によれば、ラチェット部30を有することにより、第1伸縮部材20を最大に延伸させた際に、ワイヤドラム66に対する回転規制が解除されるために、第1伸縮部材20を縮小させやすくなる。
【0063】
また本実施形態によれば、カウンタ表示部40の表示内容を視認することにより、第2筒体14から送り出したケーブル100の長さを把握することが可能になる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、カウンタ表示部40における表示内容は、第1伸縮部材20の延伸回数に限らず、例えば、100回繰り返した場合には100mというように実測値を表示してもよい。また、第1筒体10に操作パネルを設け、この操作パネルを介してケーブルの引出し長さを予め入力し、カウンタ表示部40に残りの回数、あるいは残りの長さを表示するようにしてもよい。カウンタ表示部40として液晶表示を用いているが、機械的に表示させてもよい。
【0065】
また、第1筒体10又は第2筒体14のいずれかに、ケーブル100にマーキングを施すマーキング部を設けてもよい。例えば、第2筒体14において、左手親指による操作が可能な範囲に、マーカー(図示せず)を設け、このマーカーを左手親指で押圧することにより、マーカーのインクによってケーブル100に着色するようにしてもよい。これにより、ケーブル100に着色した部分がレングスマークとなり、このレングスマークを指標として、ケーブル100の切断作業を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0066】
1 ケーブル長測定器
10 第1筒体
10a 中空部
12 支持部
14 第2筒体
14a 中空部
16、18 支持部
20 第1伸縮部材
20a、20b、20c、20d、20e 円筒体
22 第2伸縮部材
22a、22b、22c、22d、22e 円筒体
24 ワイヤ
30 ラチェット部
40 カウンタ表示部
50 第1ストッパ
50a 回転軸
50b 偏心カム
50c コイルばね
50d フレーム
50e、52e 軸受部
51a 滑面部
51b 粗面部
52 第2ストッパ
52a 回転軸
52b 偏心カム
52c コイルばね
52d フレーム
53a 滑面部
53b 粗面部
60 第1回転軸
62 第3回転軸
64 第3回転軸
66 ワイヤドラム
68 ラチェット歯車
70 第1ギア
72 ラチェット爪
74 第2ギア
76 回転板
78 突起
80 ベルト
82、84 マグネット
90 スイッチ
100 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを挿通するための中空部を有する第1筒体と、
当該第1筒体の長手方向における第1方向側に配置され、ケーブルを挿通するための中空部を有する第2筒体と、
前記第1筒体と前記第2筒体とを連結する伸縮可能な連結部材と、
前記第1筒体に設けられ、前記第1筒体に前記ケーブルを挿通した状態において、前記第1筒体の第1方向への移動を規制するとともに第2方向への移動を許容する第1ストッパと、
前記第2筒体に設けられ、前記第2筒体に前記ケーブルを挿通した状態において、前記第2筒体の第1方向への移動を規制するとともに第2方向への移動を許容する第2ストッパとを備え、
前記第1筒体及び前記第2筒体を、当該第2筒体及び前記第1筒体の順でケーブルに挿通した状態で、前記第1筒体を第1方向に移動させて前記連結部材を延伸させてから、前記第2筒体を第1方向に移動させて前記連結部材を縮小させる測定動作を繰り返し、この繰り返し回数に基づいて前記ケーブルの長さを測定することを特徴とするケーブル長測定器。
【請求項2】
前記第1ストッパは、
前記第1筒体の中心軸の延びる方向に直交して延びる回転軸と、
前記回転軸に固定され、前記ケーブルに外周面が当接しかつ前記第1筒体に対する前記ケーブルの相対移動に伴って初期位置から第1方向側又は第2方向側に所定角度回動する偏心カムとを有し、
前記偏心カムは、前記外周面において、前記偏心カムを前記初期位置から第2方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に粗面部を有し、かつ前記偏心カムを前記初期位置から第1方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に滑面部を有し、
前記第1筒体を第1方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第1方向側に回動し、前記ケーブルが前記滑面部に当接して前記第1筒体の第1方向への移動を許容し、前記第1筒体を第2方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第2方向側に回動し、前記ケーブルに粗面部が当接して前記第1筒体の第2方向への移動を規制し、
前記第2ストッパは、
前記第2筒体の中心軸の延びる方向に直交して延びる回転軸と、
前記回転軸に固定され、前記ケーブルに外周面が当接しかつ前記第2筒体に対する前記ケーブルの相対移動に伴って初期位置から第1方向側又は第2方向側に所定角度回動する偏心カムとを有し、
前記偏心カムは、前記外周面において、前記偏心カムを前記初期位置から第2方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に粗面部を有し、かつ前記偏心カムを前記初期位置から第1方向側に回動させた場合に前記ケーブルに当接する領域に滑面部を有し、
前記第2筒体を第1方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第1方向側に回動し、前記ケーブルが前記滑面部に当接して前記第2筒体の第1方向への移動を許容し、前記第2筒体を第2方向に移動させた場合に、前記偏心カムが第2方向側に回動し、前記ケーブルに粗面部が当接して前記第2筒体の第2方向への移動を規制することを特徴とする請求項1記載のケーブル長測定器。
【請求項3】
前記連結部材は、第1連結部材と第2連結部材とを有し、
前記第1連結部材と第2連結部材は、前記第1筒体及び前記第2筒体の中心軸に対して線対称位置に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載のケーブル長測定器。
【請求項4】
前記連結部材は、径が異なる複数の筒体からなり、最大径の筒体内に、径が小さくなる順に同軸に収納されてなる多段式の部材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のケーブル長測定器。
【請求項5】
前記連結部材の内部に挿通され、前記第1筒体と前記第2筒体とに接続されるワイヤと、
前記第1筒体及び前記第2筒体のいずれか一方に設けられ、前記連結部材を縮小させた場合に回転して前記ワイヤを巻き取り、前記連結部材を延伸させた場合に逆回転して前記ワイヤが引き出される巻取部材と、
前記巻取部材における前記ワイヤの巻き取り方向への回転を規制する規制部材と、
当該規制部材を規制状態又は規制解除状態に切り換え、前記連結部材を延伸させて一定の長さに到達した場合に、前記規制部材による規制を解除する切換部材とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のケーブル長測定器。
【請求項6】
前記繰り返し回数を表示するカウンタ表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のケーブル長測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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