説明

ゲル化剤、白玉または餅用改質剤、白玉、餅、練り製品用ゲル化剤、練り製品およびフィリング

【課題】より低い糖濃度でもゲルを形成することができ、柔らかく弾力性に富む食感を与えることができるゲル化剤、白玉または餅用改質剤、白玉、餅、練り製品用ゲル化剤、練り製品およびフィリングを提供する。
【解決手段】ゲル化剤がタマリンドシードガムとマンナンとを含み、タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、マンナンを0.15乃至1.5質量部含んでいる。特に、タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、マンナンを0.8乃至1.5質量部含むことが好ましい。また、タマリンドシードガムとローカストビーンガムとを含み、タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、ローカストビーンガムを0.5乃至1.5質量部含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル化剤、白玉または餅用改質剤、白玉、餅、練り製品用ゲル化剤、練り製品およびフィリングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の白玉や餅として、餅粉や白玉粉などの澱粉質原料にタマリンドシードガムを添加してゲル状に製造したものがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、レトルト殺菌しても、冷蔵保存後加熱しても煮崩れや溶けだしがなく、長期保存時の食感の変化が少ないという効果が得られている。また、餅粉や白玉粉などの澱粉質原料にジェランガムを添加してゲル状に製造したものもある(例えば、特許文献2参照)。この場合、加圧加熱処理によって、さらにはその後の長期保存によっても、成分の溶け出しや食感の低下を生じないという効果が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−252032号公報
【特許文献2】特開平5−236892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の白玉や餅では、糖濃度が低下するとゲルが溶解してしまうという課題があった。また、特許文献2に記載の白玉や餅では、一般の白玉や餅に比べて、製造時の食感がやや固くてもろいという課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、より低い糖濃度でもゲルを形成することができ、柔らかく弾力性に富む食感を与えることができるゲル化剤、白玉または餅用改質剤、白玉、餅、練り製品用ゲル化剤、練り製品およびフィリングを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るゲル化剤は、タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムとを、含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るゲル化剤は、タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムとを含むことにより、タマリンドシードガムのみの場合に比べて、低い糖濃度でゲルを形成することができる。また、ジェランガムによりゲルを形成する場合に比べて、柔らかく弾力性に富む食感を与えることができる。本発明に係るゲル化剤は、タマリンドシードガムとマンナンとを含む場合に、タマリンドシードガムのみの場合やタマリンドシードガムとローカストビーンガムとを含む場合に比べて、優れた耐熱性を示す。
【0008】
本発明に係るゲル化剤は、前記タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、前記マンナンを0.15乃至1.5質量部含むことが好ましい。また、本発明に係るゲル化剤は、前記タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、前記ローカストビーンガムを0.5乃至1.5質量部含むことが好ましい。これらの場合、より低い糖濃度でゲルを形成することができる。
【0009】
本発明に係るゲル化剤は、前記タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、前記マンナンを0.8乃至1.5質量部含んでいてもよい。この場合、特に優れた耐熱性を示す。
【0010】
本発明に係るゲル化剤は、タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムと、糖質とを、含むことが好ましい。
本発明において、糖質は、例えば、グルコース、マルトース、ラクトース、フラクトースなどの還元糖であっても、砂糖(スクロース)、トレハロース、ラフィノースなどの非還元糖であっても、さらには、マンニット、ラクチトール、マルチトールなどの糖アルコールであってもよい。しかしながら、本発明で使用する糖質としては、トレハロースが特に好ましい。トレハロースは、α,α体、α,β体およびβ,β体のいずれであってもよい。
【0011】
本発明に係るゲル化剤は、食品改質剤、食感改質剤、食品耐熱性改質剤または食品弾力性改質剤として用いることができ、特に、白玉または餅の改質剤として適している。
本発明に係る白玉または餅用改質剤は、タマリンドシードガムとマンナンとを、含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る白玉または餅は、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.15乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が28乃至60質量%であることを、特徴とする。
【0013】
本発明に係る白玉は、45乃至55質量%の白玉粉と、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含むことを特徴とする。本発明に係る餅は、55乃至65質量%の餅粉と、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る白玉または餅は、タマリンドシードガムのみを含む場合に比べて、より低い糖濃度でもゲル状を維持することができる。また、ジェランガムによりゲル状に形成される場合に比べて、柔らかく弾力性に富む食感を与えることができる。本発明に係るゲル化剤は、タマリンドシードガムとマンナンとを含む場合、タマリンドシードガムのみを含む場合やタマリンドシードガムとローカストビーンガムとを含む場合に比べて、優れた耐熱性を示す。
本発明に係る白玉または餅は、着色剤、香料等の添加剤を含んでもよい。本発明に係る白玉または餅の残部質量%は、水から成る。
【0015】
本発明に係る白玉または餅は、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が42乃至60質量%であることが好ましい。この場合、特に優れた耐熱性を示す。
【0016】
本発明に係る白玉は、25乃至35質量%の白玉粉と、30乃至40質量%のトレハロースと、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含んでいてもよい。本発明に係る餅は、30乃至40質量%の餅粉と、30乃至40質量%のトレハロースと、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含んでいてもよい。この場合、加熱によるレトルト殺菌後、長期保存したときの、食感の変化やゲルの溶け出しを抑える効果に優れている。
【0017】
本発明に係る練り製品用ゲル化剤は、0.5乃至49.85質量%のタマリンドシードガムと、0.15乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が50乃至85質量%であることを、特徴とする。
【0018】
本発明に係る練り製品用ゲル化剤は、200度以上で加熱しても溶解しない、優れた耐熱性を有している。また、糖濃度が60質量%以上のときには、細かいゲルが形成されたピューレ状を成している。このため、練り製品の原料に練り込みやすい。形成されるゲルは、弾力性が強く、モチモチしている。
【0019】
また、本発明に係る練り製品は、本発明に係る練り製品用ゲル化剤と練り製品原料とを混合して成ることを、特徴とする。
本発明に係る練り製品は、加熱されない製品でもよいが、加熱殺菌した後、冷凍などにより保存し、食べる前にレンジ等で再加熱して調理されるのが好ましい。この場合、加熱方法は、焼成(焙焼)のほか、蒸煮、湯煮、油ちょう、それらの2以上の組み合わせのいずれであってもよい。加熱殺菌する場合は、中心温度70℃以上の加熱が好ましい。本発明に係る練り製品は、魚肉練り製品でも、鳥肉練り製品、畜肉練り製品でもよく、例えば、シュウマイ、魚肉ソーセージ、ハンバーグなどが挙げられる。
【0020】
本発明に係る練り製品は、本発明に係る練り製品用ゲル化剤と練り製品原料とを混合した後、加熱殺菌しても、耐熱性の練り製品用ゲルは、練り製品中にゲルのまま残るが、後に徐々に糖濃度が低下することにより、残ったゲルの耐熱性が低下する。これにより、食べる前に再加熱したとき、ゲルが溶解してゾルに近い状態になり、ジューシー感、しっとり感が付与される。また、ゲルが溶解することにより、練り製品の組織中に空洞ができるため、柔らかくジューシー感のあるふっくらとした食感が得られる。なお、糖濃度の低下は、30質量%以下まで低下させることが好ましい。再加熱の温度は、ゲルがゾル化する温度であれば何度でもよいが、例えば、レンジ等であれば中心温度70℃以上、焼成の場合、120℃以上が好ましい。
【0021】
本発明に係るフィリングは、0.5乃至49.85質量%のタマリンドシードガムと、0.15乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が50乃至85質量%であることを、特徴とする。
【0022】
本発明に係るフィリングは、加熱する食品に使用されるのが好ましく、例えばジャムなどに混合して使用される。本発明に係るフィリングは、200度以上で加熱しても溶解しない、優れた耐熱性を有している。このため、食品に使用後、加熱することにより、ゼリー状になり、弾力性のあるモチモチした柔らかい食感が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、より低い糖濃度でもゲルを形成することができ、柔らかく弾力性に富む食感を与えることができるゲル化剤、白玉または餅用改質剤、白玉、餅、練り製品用ゲル化剤、練り製品およびフィリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態のゲル化剤の、レトルト殺菌における耐熱性試験の試験試料の作製方法を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の白玉の、「コントロール」試料の破断強度解析結果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態の白玉の、「添加区1」試料の破断強度解析結果を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態の白玉の、「添加区2」試料の破断強度解析結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態の餅の、「コントロール」試料の破断強度解析結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態の餅の、「添加区1」試料の破断強度解析結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態の餅の、「添加区2」試料の破断強度解析結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態のフィリングおよび市販の耐熱フィリングの破断強度解析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態のゲル化剤は、タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムとを含んでいる。本発明の実施の形態のゲル化剤の特徴や、各成文の配合量などを検討するために、以下の試験を行った。
【0026】
[タマリンドシードガムと各種増粘多糖類との相乗効果の検討]
タマリンドシードガムに各種増粘多糖類を混合したときの糖濃度やアルコール添加量に対するゲル形成に与える相乗効果を検討するため、以下の試験を行った。試験試料に添加する各種増粘多糖類として、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、キサンタンガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、マンナン、HMペクチンを使用した。また、比較試料として、増粘多糖類を添加しないタマリンドシードガムのみの試料も作成した。各種増粘多糖類の試料につき、試験区1〜5を以下のようにして作成した。
【0027】
試験区1〜3の試料は、まず、タマリンドシードガム1質量%と各種増粘多糖類0.2質量%と砂糖とを粉体混合する。このとき、砂糖の添加量を、試験区1は0質量%、試験区2は30質量%、試験区3は50質量%とした。混合後、水に分散させ、90℃以上で5分間加熱溶解を行った。加熱溶解後、水で100質量%に調整し、ゼリーカップ(直径7.1cm)に充填し、ヒートシールして冷却した後、4℃で一晩静置しゲル形成を行った。
【0028】
試験区4および5の試料は、まず、タマリンドシードガム1質量%と各種増粘多糖類0.2質量%と砂糖3質量%とを粉体混合し、水に分散させた後、90℃以上で5分間加熱溶解を行った。加熱溶解後、アルコールとしてエタノールを水で希釈して加え、100質量%に調整した後、ゼリーカップ(直径7.1cm)に充填し、ヒートシールして冷却した後、4℃で一晩静置しゲル形成を行った。このとき、エタノールの添加量を、試験区4は15質量%、試験区5は20質量%とした。
【0029】
作成された試験区1〜5の試料を開封し、スプーンですくったときにまとまりがあるか、また、ゼリーカップから出したときに形が崩れないかを目視で観察した。試験の結果を、表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
表1に示すように、試験区1の砂糖濃度が0質量%の場合、どの増粘多糖類を添加してもゲルを形成せず、スプーンですくったときに流動性があった。試験区2の砂糖濃度が30質量%の場合、ローカストビーンガム、またはマンナンを添加したときに弱いゲルを形成した。この場合、スプーンですくったときに流動性はないが、ゼリーカップから取り出すと崩れた。また、他の増粘多糖類の添加ではゲルを形成せず、スプーンですくったときに流動性があった。試験区3の砂糖濃度が50質量%の場合、どの増粘多糖類を添加してもゲルを形成し、ゼリーカップから取り出しても形が崩れなかった。試験区4のエタノール添加量が15質量%の場合、ローカストビーンガム、またはマンナンを添加したときに弱いゲルを形成した。この場合、スプーンですくったときに流動性はないが、ゼリーカップから取り出すと崩れた。他の増粘多糖類の添加ではゲルを形成せず、スプーンですくったときに流動性があった。試験区5のエタノール添加量が50質量%の場合、どの増粘多糖類を添加してもゲルを形成し、ゼリーカップから取り出しても形が崩れなかった。
【0032】
この試験結果から、タマリンドシードガムにローカストビーンガム、またはマンナンを混合することで、タマリンドシードガムのみの場合に比べて、砂糖濃度またはエタノール添加量が少ないときでも、相乗効果によりゲル形成することが確認された。これは、ローカストビーンガムおよびマンナンは枝分かれのない直鎖のスムース領域を持つことが共通していることから、この領域がタマリンドシードガムとの相乗効果に関与しているためであると推測される。なお、他の増粘多糖類を加えても、タマリンドシードガムのゲル形成は阻害されないことも確認された。
【0033】
このように、本発明の実施の形態のゲル化剤は、タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムとを含むことにより、タマリンドシードガムのみの場合に比べて、低い糖濃度でゲルを形成することができる。
【0034】
[タマリンドシードガムおよびマンナンの添加量ならびに糖濃度の検討]
タマリンドシードガムおよびマンナンの添加量ならびに糖濃度がゲル形成に及ぼす影響について検討を行うため、以下の試験を行った。試験試料は、以下のようにして作成した。まず、タマリンドシードガム1質量%とマンナンと砂糖とを粉体混合した。このとき、マンナンの添加量を0.0質量%〜0.5質量%の範囲で調整し、さらに砂糖濃度を0質量%〜50質量%の範囲で調整した。混合後、水に分散させ、90℃以上で10分間加熱溶解を行った。水で100質量%に調整し、ゼリーカップ(直径7.1cm)に充填し、ヒートシールして冷却した後、4℃で一晩静置してゲル形成を行った。翌日、各試料のサンプルを開封し、スプーンですくったときの感触、また、ゼリーカップから出したときに形が崩れないかを目視で観察し、ゲルの強さを評価した。試験の結果を、表2に示す。
【0035】
【表2】

【0036】
表2に示すように、タマリンドシードガムは、マンナンの添加なしでは砂糖濃度40%までゲルを形成せず、砂糖濃度50質量%のとき強いゲルを形成した。これに対し、マンナン添加量0.1%のとき砂糖濃度40%、マンナン添加量0.2〜0.4%のとき砂糖濃度35%、マンナン添加量0.5%のとき砂糖濃度30%で弱いゲルを形成し、マンナン添加量および砂糖濃度を上げるにつれて強いゲルを形成した。マンナンの添加量0.4%、砂糖濃度40%以上、また、マンナンの添加量0.5%、砂糖濃度35%以上のときにタマリンドシードガム単体と同等の強いゲルを形成した。このように、タマリンドシードガムにマンナンを混合することにより、タマリンドシードガムのみの場合に比べて、より低い糖濃度でゲルを形成することが確認された。
【0037】
[タマリンドシードガムおよびローカストビーンガムの添加量ならびに糖濃度の検討]
タマリンドシードガムおよびローカストビーンガムの添加量ならびに糖濃度がゲル形成に及ぼす影響について検討を行うため、以下の試験を行った。試験試料は、以下のようにして作成した。まず、タマリンドシードガム1質量%とローカストビーンガムと砂糖とを粉体混合した。このとき、ローカストビーンガムの添加量を0.0質量%〜1.0質量%の範囲で調整し、さらに砂糖濃度を0質量%〜50質量%の範囲で調整した。混合後、水に分散させ、90℃以上で5分間加熱溶解を行った。水で100質量%に調整し、ゼリーカップ(直径7.1cm)に充填し、ヒートシールして冷却した後、4℃で一晩静置してゲル形成を行った。翌日、各試料のサンプルを開封し、スプーンですくったときの感触、また、ゼリーカップから出したときに形が崩れないかを目視で観察し、ゲルの強さを評価した。試験の結果を、表3に示す。
【0038】
【表3】

【0039】
表3に示すように、タマリンドシードガムは、ローカストビーンガムの添加なしでは砂糖濃度40%までゲルを形成せず、砂糖濃度50質量%のとき強いゲルを形成した。これに対し、ローカストビーンガム添加量0.6%のとき砂糖濃度35%、ローカストビーンガム添加量0.8〜1.0%のとき砂糖濃度25%で弱いゲルを形成し、ローカストビーンガム添加量および砂糖濃度を上げるにつれて強いゲルを形成した。ローカストビーンガムの添加量0.8%、砂糖濃度40%以上、また、ローカストビーンガムの添加量1.0%、砂糖濃度35%以上のときにタマリンドシードガム単体と同等の強いゲルを形成した。このように、タマリンドシードガムにローカストビーンガムを混合することにより、タマリンドシードガムのみの場合に比べて、より低い糖濃度でゲルを形成することが確認された。
【0040】
[糖濃度および熱によるゲルへの影響の検討]
タマリンドシードガムとローカストビーンガムとを含むゲル化剤により形成されたゲル、およびタマリンドシードガムとマンナンとを含むゲル化剤により形成されたゲルについて、糖濃度を下げたとき、および、加熱したときの影響について検討を行うため、以下の試験を行った。試験試料は、以下のようにして作成した。
【0041】
試験区1の試料として、タマリンドシードガム1質量%と砂糖50質量%とを粉体混合し、試験区2の試料として、タマリンドシードガム1質量%とローカストビーンガム1質量%と砂糖35質量%とを粉体混合し、試験区3の試料として、タマリンドシードガム1質量%とマンナン0.5質量%と砂糖35質量%とを粉体混合する。混合した各試料を水に分散させ、90℃以上で5分間加熱溶解を行った。水で100重量%に調整した後、球状の型(直径2.5cm)に流し込み、4℃で一晩静置してゲル形成を行った。ゲル形成後、型から球状のゲルを取り出し、10倍の質量の水または砂糖50質量%に調整したシロップに混合した。その後、各試験区ごとに、4℃で一晩静置、85℃で30分のボイル殺菌、121℃で30分のレトルト殺菌を行い、それぞれ球状のゲルが残っているかを目視で観察した。試験の結果を、表4に示す。
【0042】
【表4】

【0043】
表4に示すように、ゲルを水に加えて4℃で一晩置いた場合、試験区1のタマリンドシードガム単体のゲルは溶解したが、試験区2のローカストビーンガム、または試験区3のマンナンを混合したときのゲルは溶解しなかった。85℃で30分のボイル殺菌後、試験区3のマンナンを混合したゲルのみが球状のゲルを保った。121℃で30分のレトルト殺菌では、試験区1〜3の全てのゲルが溶解した。ゲルをシロップに加えた場合、4℃で一晩置いたところ、試験区1〜3のいずれのゲルも球状のゲルを保った。85℃で30分のボイル殺菌では、試験区3のマンナンを混合したゲルのみ溶解しなかった。121℃で30分のレトルト殺菌では、試験区1〜3の全てのゲルが溶解した。
【0044】
この試験結果から、タマリンドシードガムとローカストビーンガムとを含むゲル化剤により形成されたゲル、およびタマリンドシードガムとマンナンとを含むゲル化剤により形成されたゲルは、タマリンドシードガム単体のゲルのようにゲルの糖濃度を下げることで溶解せず、熱可逆的に溶解することが確認された。これは、タマリンドシードガムとローカストビーンガムまたはマンナンとの間に形成される結合は直接的なもので、糖を仲介した結合ではないためであると考えられる。また、タマリンドシードガムとマンナンとを含むゲル化剤により形成されたゲルは、タマリンドシードガムとローカストビーンガムとを含むゲル化剤により形成されたゲルやタマリンドシードガム単体のゲルよりも、優れた耐熱性を示すことが確認された。
【0045】
[120℃のレトルト殺菌における耐熱性試験]
120℃のレトルト殺菌(F値14)における、タマリンドシードガム、マンナン、ローカストビーンガムを併用したゲルの耐熱性について、タマリンドシードガム、マンナン、ローカストビーンガムの各配合量および糖濃度が及ぼす影響について検討を行うため、以下の試験を行った。試験試料は、以下のようにして作成した。
【0046】
まず、各配合量のタマリンドシードガム、マンナンおよびローカストビーンガム、ならびに砂糖40質量%を粉体混合して水に分散させた後、90℃以上で10分間加熱溶解を行った。色素を0.05質量%加え、水で100質量%に調整した後、ステンレス管(直径10.5cm)に充填して流水で冷却し、4℃で一晩静置しゲル形成を行った。翌日、図1に示すように、円柱状に固めた各試験区のゲルを、厚さ1.5cmにスライスし、さらに扇形に12等分して、一片が約20gになるように試料を調整した。ゼリーカップに各試料20gと砂糖溶液(3〜63質量%)を40g加えてシールした後、4℃で一晩置いて、ゲルと砂糖溶液との糖濃度を平衡化させた。120℃の加熱殺菌を1時間行った後、各試料が溶解しているかを目視で観察した。試験の結果を、表5〜7に示す。
【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
表5に示すように、タマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲルでは、タマリンドシードガム0.5質量%以上、マンナン1%以上、糖濃度45質量%以上で、F値14のレトルト殺菌でゲルが溶解しなかった。表6に示すように、タマリンドシードガムとローカストビーンガムとを併用したゲルでは、それぞれの添加量、糖濃度によらず、F値14のレトルト殺菌でゲルが溶解した。表7に示すように、タマリンドシードガムとマンナンとローカストビーンガムとを併用したゲルでは、ローカストビーンガムの添加量に関わらず、糖濃度50質量%以上でF値14のレトルト殺菌でゲルが溶解しなかった。この試験結果から、マンナンは耐熱性に寄与するが、ローカストビーンガムは耐熱性に寄与しないことが確認された。なお、タマリンドシードガムおよびマンナンは、添加量2質量%以上では粘度高く、ゲルの作製が困難であった。
【0051】
[タマリンドシードガム・マンナン併用のゲルとジェランガム主体のゲルとの比較]
タマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲル、および、ジェランガムを主体とするゲルについて、耐熱性および食感の比較、検討を行うため、以下の試験を行った。試験試料は、以下のようにして作成した。
【0052】
試験区1の試料として、タマリンドシードガム1.0質量%、マンナン0.5質量%、砂糖35質量%を粉体混合して水に分散させた後、90℃以上で5分間加熱溶解を行った。水で100質量%に調整し、球状の型(直径約2cm)、及びゼリーカップ(直径7.1cm)に充填し、ヒートシールして冷却後、4℃で一晩静置してゲル形成を行った。試験区2の試料として、試験区1の試料と同様にしてゲル形成を行った後、そのゲルを乾燥機で重量が2分の1になるまで乾燥させた。これにより、試験区2の試料は、タマリンドシードガム2.0質量%、マンナン1.0質量%、砂糖70質量%になっている。
【0053】
試験区3の試料として、ジェランガム0.3質量%、マンナン0.5質量%、カラギナン0.5質量%、砂糖35質量%を粉体混合して水に分散させた後、90℃以上で5分間加熱溶解を行った。乳酸カルシウム0.2質量%をお湯溶きして加えた後、水で100質量%に調整し、球状の型(直径約2.5cm)、及びゼリーカップ(直径7.1cm)に充填し、ヒートシールして冷却後、4℃で一晩静置しゲル形成を行った。
【0054】
各試験区について、耐熱性試験を行った。各試験区の球状のゲルを、砂糖35質量%に調整したシロップに、質量1:1の割合で混合し、85℃で30分間のボイル殺菌を行い、各試験区のゲルが球状を維持しているかを目視で観察した。また、各試験区の球状のゲルを、砂糖35質量%に調整したシロップに、質量1:1の割合で混合し、121℃で30分間のレトルト殺菌を行い、各試験区のゲルが球状を維持しているかを目視で観察した。試験結果を、表8に示す。
【0055】
【表8】

【0056】
表8に示すように、試験区1のタマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲルは、85℃のボイル殺菌では溶解せず、121℃のレトルト殺菌で溶解した。試験区2の乾燥させたゲルは、121℃の殺菌でも溶解しなかった。これに対し、ジェランガムを主体とするゲルは、85℃のボイル殺菌および121℃のレトルト殺菌で溶解しなかった。この試験結果から、タマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲルは、ジェランガム主体のゲルと同等の耐熱性を有することが確認された。
【0057】
次に、各試験区について、官能評価およびレオメータによる破断強度解析により、食感の評価を行った。官能評価では、試験区1および試験区3は、ゼリーカップに充填したゲルを口にして食感を評価した。試験区2は、乾燥後のゲルを口にして食感を評価した。レオメータによる破断強度解析では、試験区1および試験区3は、ゼリーカップに充填したゲルを対象として測定を行った。試験区2は、乾燥後のゲルを対象として測定を行った。破断強度解析の測定は、直径5.6mmの円柱状の治具を使用し、1mm/sの速度で行った。試験結果を、表9に示す。
【0058】
【表9】

【0059】
表9に示すように、試験区1のタマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲル、および試験区2の乾燥させたゲルは、破断強度解析の結果、破断歪率が比較的高く、弾力性が高いことが示された。また、食感は柔らかく弾力性に富んでいた。これに対し、ジェランガムを主体とするゲルは、破断歪率が比較的低く、弾力性が低いことが示された。また、食感は固く脆かった。
【0060】
[タマリンドシードガム・マンナン併用のゲルへの水分移行による耐熱性への影響]
表5に示すように、タマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲルは、糖濃度により耐熱性が変化する。そこで、糖濃度50質量%のゲルを、それよりも低い糖濃度の溶液に浸して水分移行によりゲルの糖濃度を下げたときの、耐熱性の変化を調べた。
【0061】
試験試料として、タマリンドシードガム1質量%、マンナン0.5質量%、砂糖50質量%を粉体混合して水に分散させた後、90℃以上で加熱溶解を行った。水で100質量%に調整し、ステンレス管に充填して流水で冷却した後、4℃で一晩静置しゲル形成を行った。翌日、ゲルを5mm角にダイスカットし、砂糖15質量%の溶液に、ゲルと溶液とを重量比1:4で混合し、1時間静置した。砂糖溶液からゲルを回収し、糖度計でゲルの糖濃度を確認した後、120℃に熱したオーブンで10分間焼成し、ゲルが溶解しているかを目視で確認した。
【0062】
その結果、砂糖溶液浸漬前のゲルは、120℃で焼成しても溶解しなかった。ゲルを、それより低い糖濃度の溶液に浸漬すると、ゲルの糖度は50%から30%まで下がり、120℃で焼成したところゲルは溶解した。このことから、タマリンドシードガムとマンナンとを併用したゲルは、糖濃度50%以上で形成した耐熱性の強いゲルであっても、ゲル形成後に水分移行によりゲルの糖濃度を下げると、耐熱性が弱くなることが確認された。これを応用すれば、系全体の水分含量と温度とを調節することによって、ゲルの耐熱性および物性を調節することができると考えられる。
【実施例1】
【0063】
タマリンドシードガムとマンナンとを含む、本発明の実施の形態のゲル化剤を使用して、白玉(白玉団子)を作製した。白玉は、以下のようにして作製した。まず、白玉粉、タマリンドシードガム、マンナン、トレハロースを、表10に示す割合で混合し、水を加えて均一になるまで練り、10gずつ取り分けて団子状に丸めた。団子を100℃で10分間煮沸し、水冷して水切りし、白玉を作製した。
【0064】
【表10】

【0065】
作製した白玉について、レトルト殺菌(F値14)後の老化や溶け出しを調べた。作製した白玉と砂糖50質量%のシロップとを、重量比約1:1で混合し、120℃で40分のレトルト殺菌(F値14)を行った。レトルト殺菌後、35℃で保存した。レトルト直後、保存1日後、保存7日後、保存30日後の、溶け出しおよび固さの官能評価、ならびに破断強度解析を行い、経時変化を観察した。試験の結果を、表11、図2、図3および図4に示す。
【0066】
【表11】

【0067】
表11に示すように、「コントロール2」、「添加区3」、「添加区4」の白玉は、生地が緩いペースト状で、団子状に成形できなかった。表11および図2に示すように、「コントロール」の白玉は、経時的に固くなって伸びがなくなり、液と接触している表面のほうから溶けていく傾向にあった。表11および図3に示すように、「添加区1」の白玉は、経時的に固くなったが、表面の溶けはあまりなかった。表11および図4に示すように、「添加区2」の白玉は、保存1日後にやや柔らかくなったが、その後あまり変化せず、30日後も表面がやや溶けている程度であった。
【0068】
この試験結果から、白玉粉を減らし、その分をタマリンドシードガムとマンナンとを含む耐熱性のゲル化剤で補うことにより、白玉をレトルト殺菌して長期保存しても固くならず、溶け出しも抑えることができることが確認された。また、さらにトレハロースを適量添加することにより、レトルト殺菌後に長期保存したときの、食感の変化やゲルの溶け出しを抑える効果を高めることができることも確認された。
【実施例2】
【0069】
タマリンドシードガムとマンナンとを含む、本発明の実施の形態のゲル化剤を使用して、餅粉を使用した餅を作製した。餅は、以下のようにして作製した。まず、餅粉、タマリンドシードガム、マンナン、トレハロースを、表12に示す割合で混合し、水を加えて均一になるまで練り、10gずつ取り分けて団子状に丸めた。団子を100℃で10分間煮沸し、水冷して水切りし、餅を作製した。
【0070】
【表12】

【0071】
作製した餅について、レトルト殺菌(F値14)後の老化や溶け出しを調べた。作製した餅と砂糖50質量%のシロップとを、重量比約1:1で混合し、120℃で40分のレトルト殺菌(F値14)を行った。レトルト殺菌後、35℃で保存した。レトルト直後、保存1日後、保存7日後の、溶け出しおよび固さの官能評価、ならびに破断強度解析を行い、経時変化を観察した。試験の結果を、表13、図5、図6および図7に示す。
【0072】
【表13】

【0073】
表13に示すように、「コントロール2」、「添加区3」、「添加区4」の餅は、餅生地が緩いペースト状で、団子状に成形できなかった。表13および図5に示すように、「コントロール」の餅は、経時的に固くなって伸びがなくなり、液と接触している表面のほうから溶けていく傾向にあった。表13および図6に示すように、「添加区1」の餅は、経時的に固くなったが、表面の溶けはあまりなかった。表13および図7に示すように、「添加区2」の餅は、経時的に柔らかくなったが、7日後も餅の食感は残っており、表面の溶けはあまりなかった。
【0074】
この試験結果から、餅粉を減らし、その分をタマリンドシードガムとマンナンとを含む耐熱性のゲル化剤で補うことにより、餅をレトルト殺菌して長期保存しても固くならず、溶け出しも抑えることができることが確認された。また、さらにトレハロースを適量添加することにより、レトルト殺菌後に長期保存したときの、食感の変化やゲルの溶け出しを抑える効果を高めることができることも確認された。
【実施例3】
【0075】
タマリンドシードガムとマンナンとを併用した練り製品用ゲル化剤を作成し、この練り製品用ゲル化剤を使用してハンバーグを作成した。まず、表14に示す配合で練り製品用ゲル化剤を作成し、表15に示す配合で、練り製品用ゲル化剤を使用せずに豚脂を使用したハンバーグ(表15中の「コントロール」)、および、豚脂の代わりに練り製品用ゲル化剤を使用したハンバーグ(表15中の「ゲル添加区」)を作成した。各ハンバーグは、縦型ミキサーを用いてひき肉、たまねぎ、植物性蛋白質、豚脂を5分間混捏し、残りの材料を加えてさらに2分間混捏した後、60gずつに分けて成形し、200℃に熱したオーブンで10分間焼成して作成した。
【0076】
【表14】

【0077】
【表15】

【0078】
各ハンバーグの焼成前および焼成後の重量を測定して歩留まりを確認し、焼成後の各ハンバーグを冷凍、解凍して官能評価を行った。これらの結果を、表16に示す。表16に示すように、練り製品用ゲル化剤を使用していないコントロールのハンバーグは、パサつき、密になってふっくら感が欠けているように感じられた。これに対し、練り製品用ゲル化剤を使用したハンバーグは、柔らかくジューシー感があってしっとりしており、ふっくら感も感じられた。また、歩留まりも、コントロールより5%向上していた。
【0079】
【表16】

【0080】
このように、タマリンドシードガムとマンナンとを併用した耐熱ゲルをハンバーグに応用した場合、食感改良効果があることが確認された。また、加熱により流れ出やすい豚脂を耐熱ゲルに置き換えることで、歩留まり向上効果があることも確認された。これらの効果は、耐熱ゲルがハンバーグ中に分散して細かい隙間を作ること、また、焼成中に肉から出る水分を耐熱ゲルが吸収、保持すると同時にゾルに近い物性に変化することに起因すると考えられる。
【0081】
練り製品用ゲル化剤を使用したハンバーグは、練り製品用ゲル化剤と練り製品原料とを混合した後、焼成しても、耐熱性の練り製品用ゲルは練り製品中にゲルのまま残るが、後に徐々に糖濃度が低下することにより、残ったゲルの耐熱性が低下すると考えられる。このため、これを再加熱したとき、ゲルが溶解してゾルに近い状態になり、ジューシー感、しっとり感が付与されるものと考えられる。
【0082】
なお、練り製品用ゲル化剤は、200度以上で加熱しても溶解しない、優れた耐熱性を有していることが確認された。練り製品用ゲル化剤は、糖濃度(Brix)が62であり、弾力性が強くモチモチして細かいゲルが形成されたピューレ状を成しており、ハンバークの原料に練り込みやすいことも確認された。
【実施例4】
【0083】
タマリンドシードガムとマンナンとを併用した耐熱ゲルに果汁等を加えてフィリングを作成し、市販の耐熱フィリングとの比較を行った。フィリングは、表17に示す配合で作成した。
【0084】
【表17】

【0085】
作成したフィリングと市販の耐熱フィリングとをそれぞれ20gずつとり、210℃に加熱したオーブンで15分間焼成し、目視により溶解しているかを確認した。また、作成したフィリングの食感および市販の耐熱フィリングの食感を、官能および破断強度解析で評価した。破断強度解析は、レオメーターを使用し、試料をそれぞれ4cmφ、高さ1.5cmの容器にとり、2cmφの円柱状プランジャーを用いて、速度1mm/sで測定を行った。破断強度解析の測定結果を、図8に示す。
【0086】
その結果、210℃で焼成したところ、作成したフィリングおよび市販の耐熱フィリングは、両者とも溶解しなかった。食感は、作成したフィリングは、モチモチとした弾力のあるゼリー様の食感であったのに対し、市販の耐熱フィリングは、弾力がなく、ベトつきがあって重い澱粉様の食感であった。また、図8に示すように、破断強度解析の結果、作成したフィリングには明確な破断点があったのに対し、市販のフィリングには明確な破断点がなかった。
【0087】
タマリンドシードガムとマンナンとを併用した耐熱ゲルを応用したフィリングは、市販の耐熱フィリングと同等の、200度以上で加熱しても溶解しない優れた耐熱性を有することが確認された。また、作成したフィリングは、市販のフィリングとは食感が異なり、耐熱性フィリングとしてはもちもちとして特徴的な食感であることが確認された。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムとを、含むことを特徴とするゲル化剤。
【請求項2】
前記タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、前記マンナンを0.15乃至1.5質量部含むことを、特徴とする請求項1記載のゲル化剤。
【請求項3】
前記タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、前記マンナンを0.8乃至1.5質量部含むことを、特徴とする請求項2記載のゲル化剤。
【請求項4】
前記タマリンドシードガム0.5乃至1.5質量部に対して、前記ローカストビーンガムを0.5乃至1.5質量部含むことを、特徴とする請求項1記載のゲル化剤。
【請求項5】
タマリンドシードガムと、マンナンまたはローカストビーンガムと、糖質とを、含むことを特徴とするゲル化剤。
【請求項6】
タマリンドシードガムとマンナンとを、含むことを特徴とする白玉または餅用改質剤。
【請求項7】
0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.15乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が28乃至60質量%であることを、特徴とする白玉または餅。
【請求項8】
0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が42乃至60質量%であることを、特徴とする白玉または餅。
【請求項9】
45乃至55質量%の白玉粉と、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含むことを特徴とする白玉。
【請求項10】
25乃至35質量%の白玉粉と、30乃至40質量%のトレハロースと、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含むことを特徴とする白玉。
【請求項11】
55乃至65質量%の餅粉と、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含むことを特徴とする餅。
【請求項12】
30乃至40質量%の餅粉と、30乃至40質量%のトレハロースと、0.5乃至1.5質量%のタマリンドシードガムと、0.8乃至1.5質量%のマンナンとを、含むことを特徴とする餅。
【請求項13】
0.5乃至49.85質量%のタマリンドシードガムと、0.15乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が50乃至85質量%であることを、特徴とする練り製品用ゲル化剤。
【請求項14】
請求項13記載の練り製品用ゲル化剤と練り製品原料とを混合して成ることを、特徴とする練り製品。
【請求項15】
0.5乃至49.85質量%のタマリンドシードガムと、0.15乃至1.5質量%のマンナンとを含み、糖濃度が50乃至85質量%であることを、特徴とするフィリング。


【図1】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−213471(P2009−213471A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30576(P2009−30576)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(591219566)青葉化成株式会社 (21)
【Fターム(参考)】