説明

ゲートウェイサーバの障害を回復させるためのシステムと方法

ゲートウェイサーバを障害から回復させる方法が開示される。いくつかの実施例では、その方法は、バックアップゲートウェイサーバにおいて、クライアントから送信された、障害が発生した前記ゲートウェイサーバにより前記クライアントに以前に割当てられたネットワークリソースを含むメッセージを受信する工程と、前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断する工程と、前記ネットワークリソースが空きであることを判断したことに応じて、前記バックアップゲートウェイサーバから前記クライアントに、前記クライアントは前記ネットワークリソースを使用し続けるべきではないことを示す確認応答を送信する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1つのアドレッシング領域からのネットワークリソースを別のアドレッシング領域からのクライアントに提供するゲートウェイサーバに関するものである。特に、本発明は、ゲートウェイサーバの障害を回復させるシステムと方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワークアドレス変換(NAT)は複数のアドレッシング領域の分離を可能にする良く知られた機構となってきている。NATルータはネットワークのレイヤを検証し、変更しなければならない。それはおそらく、トランスポートレイヤと、NATルータが接続している複数のアドレッシング領域にまたがる各パケットのヘッダを検証し、変更しなければならない。このことが原因となって、NATの機構はインターネット接続性のエンド−ツウ−エンドの性質を破ってしまい、パケットのエンド−ツウ−エンドの完全性を要求或いは強化するプロトコルを台無しにしてしまう。
【0003】
NATに対する代替策は、領域固有のIP(RSIP)(非特許文献1を参照)である。RSIPは、1つのアドレッシング領域からのクライアントが、そのクライアントに第2のアドレッシング領域からのリソース(例えば、アドレスとポートと他のルーティングパラメータとの内の少なくともいずれか)を使用させることを許すことにより、別のアドレッシング領域に存在することを許可するという概念に基づいている。RSIPサーバはNATルータを置換し、そして、プライベートネットワークでRSIPに気づくクライアントはRSIPクライアントとして言及される。RSIPはそのようなリソースをRSIPクライアントに許可するRSIPサーバの能力を必要とする。
【0004】
RSIPによりアドレス領域の一定の透明性が、2つの異なった範囲、或いは、完全に異なるアドレッシング領域間で成し遂げられる。これにより、アドレッシング領域間でのエンド−ツウ−エンドのパケット透明性を可能にする有用なアーキテクチュアを達成する。RSIPはプライベートでアドレスされたIPv4ネットワークで展開されることが期待されており、パブリックでアドレスされたIPv4ネットワークへのアクセスを許可するために用いられる。しかしながら、プライベートなIPv4ネットワークの代わりに、IPv6ネットワークや非IPネットワークが存在するかもしれない。従って、RSIPによりIPスタックをもつホストでのクライアントとIPアプリケーションへのIP接続は可能になるが、ネイティブなIPアクセスではない。そのようなものとして、RSIPは用いられ、DNSとトンネリングと連動して、デュアルスタックホストがローカルな或いはリモートなIPv4或いはIPv6ホストと通信できるようにIPv4ネットワークとIPv6ネットワークとをブリッジする。
【0005】
さて、図1において、RSIPが展開される典型的なシナリオでは、1つのアドレッシング領域(領域A)をもつネットワーク110aに接続された少なくとも1つのクライアントホスト102と、異なるアドレッシング領域(領域B)をもつネットワーク110bに接続された別のクライアントホスト120と、両方のネットワーク110aと110bとに制御されたゲートウェイ104とがある。図示のように、ホスト102と120とは異なるアドレッシング領域AとBに夫々、属している。ゲートウェイ104は2つのインタフェース、即ち、(1)アドレス領域AでのNaと、(2)アドレス領域BでのNbとを有している。ゲートウェイ104で実行されるのはRSIPサーバ105であり、そのサーバはアドレス領域Bでのアドレスプールをもち、それをクライアントホスト102でのクライアント103とアドレス領域Aでの他のホストでの他のクライアントとに割当て可能であるか貸与可能である。これらのアドレスはNb1、Nb2、Nb3などとして示すことができる。
【0006】
しばしばそのような場合があるが、アドレス領域A内の方法はおそらくプライベートアドレスを用いる一方、ゲートウェイ104は、アドレス領域Bからのパブリックアドレスに加えて、アドレス領域Bからの1つ以上のプライベートアドレスをもつマルチホームである。従って、クライアントホスト102が常駐する領域には“プライベート”として言及し、クライアントホスト102がアドレッシングパラメータを借用する領域には“パブリック”領域として言及する。しかしながら、これら領域は両方ともパブリックであっても良いし、プライベートであっても良い。さらにその上、アドレス領域AはIPv6領域でも、非IPアドレス領域であっても良い。
【0007】
アドレス領域B内にあるクライアントホスト102のクライアントにエンド−ツウ−エンド接続を確立することを望むクライアント103はまずサーバ105からのパブリックリソース(例えば、アドレス領域Bでのアドレスと他のルーティングパラメータ)の割当てをネゴシエートして取得する。これらパブリックリソースの割当て時、サーバ105はクライアント103のプライベートアドレッシング情報と割当てられたリソースとの“バインド(bind)”として言及されるマッピングを創成する。そのようなバインドにより、ゲートウェイ104がクライアントホスト102によりクライアント103のために生成されたインバウントトラフィックを正しく転送することが可能になる。
【0008】
サーバ105により割当てられたパブリックリソースを用いて、クライアント103はネットワーク110aを通ってサーバ105までデータパケットをトンネルする。サーバ105はそのようなトンネルのエンドポイントとして作用し、外部ヘッダを取り去り、内部のパケットをパブリック領域(即ち、図1に示された例ではネットワーク110b)へとルーティングする。上述のように、サーバ105はクライアント103に割当てられたパブリックパラメータをクライアント103により用いられるプライベートアドレスにマップする。パブリック領域からのパケットがゲートウェイ104に到着し、それがバインドと一致するなら、サーバ105はそれを適切なホストへとトンネルする。
【0009】
RSIPのRFCは、RSIPの2つの基本的な特色、即ち、(1)RSA−IPと、(2)RSAP−IPとを定義する。RSA−IPを用いるとき、RSIPサーバは、RSIPクライアントにより借用される利用可能なネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)のプールを維持する。要求があると、RSIPサーバはアドレスをそのクライアントに割当てる。一旦、アドレスが特定のクライアントに割当てられると、そのクライアントだけがそのアドレスをプールに返却するまでは用いることができる。クライアントは自分に具体的に割当てられなかったアドレスを用いるべきではない。クライアントは、割当てられたレイヤ3(即ち、ネットワーク)のアドレスとの組み合わせで何らかのレイヤ4(例えば、TCP/UDP)のアドレスを用いることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Request For Comment (RFC)3102
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
RSAP−IPを用いるとき、RSIPゲートウェイはレイヤ3とレイヤ4のアドレスのプール(例えば、IPアドレスとともにアドレス当たりのポート番号のプール)を保持する。RSIPホストはIPアドレスと1つ以上のポートとを貸し出してそれを使用させる。一旦、アドレス/ポートのチュープル(tuple)が特定のクライアントに割当てられたなら、そのクライアントだけが、そのチュープルがプールに返却されるまではそのチュープルを用いるべきである。具体的に割当てられていないアドレス/ポートの組み合わせを用いるべきではない。
【0012】
サーバ105が障害を起こすこともあり得る。それ故に、望まれることはサーバの障害を検出し、その障害からうまく回復するシステムと方法である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明を1つの側面から見れば、本発明では、第1のアドレッシング領域において第1のホストで実行される第1のクライアントにより第2のアドレッシング領域においてリモートホストで実行されるリモートクライアントとの通信を行う方法を提供する。いくつかの実施例では、そのホストは、第1のゲートウェイサーバに、前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソース(例えば、IPアドレスやポート番号のような)の要求を送信する工程と、前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを、前記第1のゲートウェイサーバから受信する工程と、前記リモートクライアントとの通信を行うために前記受信したネットワークリソースを用いる工程と、前記第1のゲートウェイサーバが機能していないことの示唆を受信する工程と、前記示唆の受信に応じて、第2のゲートウェイサーバに、前記第1のゲートウェイサーバから受信した前記ネットワークリソースを送信する工程とを含む。なお、前記第2のゲートウェイサーバは前記第1のホストで実行されると良い。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1のクライアントが前記示唆を受信する時点で前記ネットワークリソースが依然として前記第1のクライアントに割当てられている場合にのみ、前記示唆の受信に応じて、前記第1のクライアントは、前記ネットワークリソースを前記第2のゲートウェイサーバに送信する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記示唆の受信に応じて、前記第1のクライアントは、前記第1のゲートウェイサーバにより前記第1のクライアントに割当てられた現在保持されている全てのネットワークリソースを前記第2のゲートウェイサーバに送信する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第2のゲートウェイサーバは、前記第1のクライアントから前記ネットワークリソースを受信後の所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットするよう構成されている。
【0017】
いくつかの実施例では、前記方法はまた、前記第2のゲートウェイサーバに前記ネットワークリソースを送信後に、前記第2のゲートウェイサーバから前記第1のクライアントが前記ネットワークリソースを使用し続けるべきではないと示唆するメッセージを受信する工程と、前記メッセージの受信後に、前記第1のクライアントを再起動するか、或いは、前記第1のホストを再ブートする工程とを有する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記ネットワークリソースはネットワークアドレスを含み、前記リモートクライアントとの通信を行うために前記受信したネットワークリソースを用いる工程は、(i)第1のヘッダと、(ii)第2のヘッダと、(iii)ペイロードとを含むパケットを生成する工程と、前記パケットを前記第1のゲートウェイサーバに送信する工程とを含み、前記第1のヘッダは前記第2のアドレッシング領域から前記ネットワークアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含み、前記第2のヘッダは前記第1のホストに割当てられたアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含み、前記第1のゲートウェイサーバは前記第2のヘッダなく前記パケットを前記リモートクライアントに送信するよう構成されている。
【0019】
本発明を別の側面から見れば、本発明は、第1のアドレッシング領域と第2のアドレッシング領域とに属するゲートウェイサーバを障害から回復させる方法を提供する。いくつかの実施例では、その方法は、次の工程、即ち、(a)前記ゲートウェイサーバの障害を検出する工程と、(b)前記ゲートウェイサーバの障害検出に応じて、前記ゲートウェイサーバの障害を示す通知を受信すべきクライアントのセットを決定する工程と、(c)前記決定されたクライアントのセットの各クライアントに対して、前記ゲートウェイサーバに障害が発生したことを示すメッセージを送信する工程と、(d)前記第1のアドレッシング領域と前記第2のアドレッシング領域とに属するバックアップゲートウェイサーバにおいて、前記複数のクライアントの1つから送信された、障害が発生した前記ゲートウェイサーバにより前記クライアントに以前に割当てられた前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを受信する工程と、(e)前記工程(d)の後、前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを前記バックアップゲートウェイサーバにより判断する工程と、(f)前記ネットワークリソースが空きであることを判断したことに応じて、前記クライアントに前記ネットワークリソースを割当てる工程と、(g)前記工程(d)の実行後、所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットする工程(いくつかの実施例では、前記DAタイマは、前記工程(b)において前記ネットワークリソースが空きであると判断された場合にのみセットされる)を有する。
【0020】
その方法はまた、前記バックアップゲートウェイサーバにおいて、第2のクライアントから送信された、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースに対する要求を受信する工程と、前記DAタイマが切れていないなら前記要求を拒絶する工程と、前記バックアップゲートウェイサーバから前記第2のクライアントに対して、もし前記DAタイマが切れており、前記第2のネットワークリソースは前記第2のクライアントに割当てられるために利用可能であるなら、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースを送信する工程とを有すると良い。前記要求を拒絶する工程は、前記第2のクライアントに対して、前記要求を無視したり(例えば、前記要求に対して何の応答も送信しない)、或いは、前記要求が否定されたことを示唆する前記要求に対する応答を前記第2のクライアントに送信することから構成されても良い。
【0021】
いくつかの実施例では、その方法はまた、前記ネットワークリソースが空きではないとの前記工程(e)における判断に応じて、前記クライアントに前記第2のアドレッシング領域からの前記ネットワークリソースを放棄するようにさせる工程を有する。即ち、いくつかの実施例では、その方法はまた、(i)前記ネットワークリソースが現在のところ別のクライアントに割当てられており、(ii)前記別のクライアントが前記バックアップゲートウェイサーバと同じホストで実行されていないとの前記(e)における判断に応じて、前記クライアントに前記第2のアドレッシング領域からの前記ネットワークリソースを放棄するようにさせる工程を有する。前記クライアントに前記ネットワークリソースを放棄するようにさせる工程は、前記クライアントを再起動させるか、或いは、前記クライアントが実行されている前記ホストを再ブートすることから構成されても良い。
【0022】
いくつかの実施例では、前記ネットワークリソースは1つ以上のネットワークアドレスのセットを含み、前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断する工程は、前記ネットワークアドレスのセットに含まれるネットワークアドレスのいずれかが現在のところ別のクライアントに割当てられているかどうかを判断する工程を含む。その方法はさらに、前記ネットワークアドレスのセットに含まれるネットワークアドレスが現在のところ別のクライアントに割当てられているとの判断に応じて、前記別のクライアントが前記バックアップゲートウェイサーバと同じホストで実行されているかどうかを判断する工程と、前記別のクライアントが前記バックアップゲートウェイサーバと同じホストで実行されていると判断された場合には、前記別のクライアントに前記ネットワークアドレスを放棄するようにさせる工程とを含むと良い。
【0023】
いくつかの実施例では、前記通知を受信すべきクライアントのセットを決定する工程は、ゲートウェイサーバモニタに接続されるクライアント全てを決定する工程を有する。
【0024】
本発明を更に別の側面から見れば、本発明は、第1のアドレッシング領域に属する改良型クライアントホスト装置を提供する。いくつかの実施例では、前記クライアントホスト装置は、送信器と、コンピュータソフトウェアを格納するデータ記憶システムと、前記コンピュータソフトウェアを実行するデータ処理システムとを含む。いくつかの実施例では、前記コンピュータソフトウェアは、前記送信器を用いて第1のゲートウェイサーバに、第2のアドレッシング領域からのネットワークリソース要求を送信するコンピュータ命令と、前記第1のゲートウェイサーバから、前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを受信するコンピュータ命令と、前記受信したネットワークリソースを用いてリモートクライアントとの通信を行うコンピュータ命令と、前記第1のゲートウェイサーバが機能していないことの示唆を受信することに応じて、前記送信器を用いて前記第1のゲートウェイサーバから受信した前記ネットワークリソースを第2のゲートウェイサーバに送信するコンピュータ命令とを有する。
【0025】
いくつかの実施例では、前記コンピュータソフトウェアはさらに、前記クライアントホスト装置で実行されるクライアントは前記ネットワークリソースを用い続けるべきではないことを示すメッセージを前記第2のゲートウェイサーバから受信するコンピュータ命令と、前記メッセージの受信に応じて、前記第1のクライアントを再起動するか、或いは、前記第1のホストを再ブートするコンピュータ命令とを含む。
【0026】
前記ネットワークリソースはネットワークアドレスを含むと良く、前記ネットワークリソースを用いて前記リモートクライアントとの通信を行う前記コンピュータ命令は、(i)第1のヘッダと、(ii)第2のヘッダと、(iii)ペイロードとを含むパケットを生成するコンピュータ命令と、前記パケットを前記第1のゲートウェイサーバに送信するコンピュータ命令とを含み、前記第1のヘッダは前記第2のアドレッシング領域から前記ネットワークアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含み、前記第2のヘッダは前記第1のホストに割当てられたアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含むと良い。
【0027】
本発明を更に別の側面から見れば、本発明は、第1のアドレッシング領域と第2のアドレッシング領域とに属する改良型ゲートウェイサーバ装置を提供する。いくつかの実施例では、その改良型ゲートウェイサーバ装置は、送信器と、受信器と、コンピュータソフトウェアを格納するデータ記憶システムと、前記コンピュータソフトウェアを実行するデータ処理システムとを含む。そのコンピュータソフトウェアは、(a)前記第1のアドレッシング領域に属するクライアントから送信された、障害が発生したゲートウェイサーバにより前記クライアントに以前に割当てられた前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを受信するコンピュータ命令と、(b)前記メッセージの受信に応じて、前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断するコンピュータ命令と、(c)前記ネットワークリソースが空きであることを判断したことに応じて、前記クライアントに前記ネットワークリソースを割当てるコンピュータ命令と、(d)前記メッセージの受信後、所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットするコンピュータ命令と、(e)第2のクライアントから送信された、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースに対する要求を受信するコンピュータ命令と、(f)前記要求の受信に応じて、前記DAタイマが切れているかどうかを判断するコンピュータ命令と、(g)前記第2のクライアントに対して、前記DAタイマが切れており、前記第2のネットワークリソースは前記第2のクライアントに割当てられるために利用可能であるとの判断に応じて、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースを送信する工程とを有する。
【0028】
前記側面とさらに別の側面と実施例とは添付図面を参照して以下に説明する。
【0029】
ここで組み込まれ、明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の種々の実施例を例示するものとなり、その説明を合わせて読むことでさらに、本発明の原理を説明し、当業者が本発明をなしたり、本発明を使用することを可能にするための役にたつ。 これらの図面において、以下の説明を通して、同じ参照番号は、同一の或いは機能的に類似の要素を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】通信システムを例示する図である。
【図2】本発明の実施例に従う通信システムを例示する図である。
【図3】本発明の実施例に従う処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例に従う処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明のいくつかの実施例に従うネットワークゲートウェイの機能ブロック図である。
【図6】本発明のいくつかの実施例に従うクライアントホストの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
さて図2を参照すると、図2は本発明の実施例に従うシステム200を示す機能ブロック図である。図2に示されるように、システム200はプライマリゲートウェイサーバ205aとバックアップゲートウェイサーバ205bとを含む。図2に図示されているように、ゲートウェイサーバ205a、205bは両方ともアドレッシング領域Aとアドレッシング領域Bに属している。ゲートウェイサーバ205はアドレッシング領域Bからのネットワークリソースをクライアント203(これはRSIPクライアントかもしれない)に割当てるように構成されている。従って、ゲートウェイサーバ205a、205bはRSIPサーバでも良いし、或いは、RSIPサーバに類似のものでも良い。ネットワークリソースは、単一のネットワークアドレスか、或いは、複数のネットワークアドレスから構成されると良い。いくつかの実施例では、そのネットワークリソースは、1つ以上のネットワークアドレス(例えば、インターネットプロトコルアドレス)のセットと1つ以上のポート番号のセットとから構成される。
【0032】
さらに図2に示されるように、システム200は、ゲートウェイサーバ205aの障害を検出し、ゲートウェイサーバ205aを利用しているクライアント203にアドレッシング領域Bでリモートクライアント(例えば、リモートクライアント220)との通信を行ってバックアップゲートウェイサーバ205bに切り替えてフェイルオーバを行わせるように構成されているゲートウェイサーバモニタ202を含む。好適な実施例では、ゲートウェイサーバ205bはプライマリゲートウェイサーバ205aに対してコールドスタンバイとなっている。
【0033】
ゲートウェイサーバモニタ202が集中型モニタとして図2に示されているが、ゲートウェイサーバモニタ202は分散型モニタでも良いと考えられる。例えば、ゲートウェイサーバモニタ202はクライアント203の構成要素であっても良い。即ち、各クライアント203はゲートウェイサーバ205aの障害を検出するゲートウェイサーバモニタコードを含むことができる。或いは、その代わりに、ゲートウェイサーバモニタ202は、クライアント203が実行される各ホストで実行する別々の処理であっても良い。
【0034】
さて図3を参照すると、図3は本発明のいくつかの実施例に従う処理300を示すフローチャートである。
【0035】
処理300はステップ302で始まり、モニタ202はゲートウェイサーバ205aの障害を検出する。
【0036】
ステップ304では、モニタ202はゲートウェイサーバ205aが障害であることを示す通知を受信すべきクライアントのセットを決定する。いくつかの実施例では、ゲートウェイサーバ205aによりクライアント203に割当てられたリソースを保持する各クライアント203は、モニタ202との接続を維持する。従って、いくつかの実施例では、モニタ202は、ゲートウェイサーバモニタ202に接続されたクライアント203の全てを判断することにより、その通知を受信すべきクライアントのセットを決定する。
【0037】
ステップ306では、モニタ202は、決定されたクライアントのセットにおける各クライアントに、ゲートウェイサーバ205aが障害であることを示す通知を送信する。その通知は、バックアップゲートウェイサーバ205bを識別する情報(例えば、サーバ205bのネットワークアドレス)を含むと良い。ステップ304〜306は、モニタ202が分散型モニタである実施例では必ずしも必要ではないかもしれない。
【0038】
好適な実施例では、その通知を受信する各クライアント203は、バックアップゲートウェイサーバ205bに接続し、バックアップゲートウェイサーバ205bに、そのクライアントにより保持されており、そして、ゲートウェイサーバ205aによりそのクライアントに割当てられたアドレッシング領域Bからのネットワークリソースの全てを提供するように構成される。
【0039】
従って、ステップ308では、バックアップゲートウェイサーバ205bはクライアント203から、ゲートウェイサーバ205aによりクライアント203に割当てられた領域Bからの少なくとも1つのネットワークリソースを含むメッセージを受信する。
【0040】
ステップ310では、バックアップゲートウェイサーバ205bは一定の時間(例えば、1分)で切れる遅延割当て(DA)タイマを構成設定する。
【0041】
ステップ312では、バックアップゲートウェイサーバ205bは、ステップ308において受信したネットワークリソースが空きであるかどうかを判断する。即ち、バックアップゲートウェイサーバ205bは、そのネットワークリソースが別のクライアントに割当てられて、その別のクライアントが依然としてそのネットワークリソースを保持しているかどうかを判断する。どのネットワークリソースが空きであり、どのネットワークリソースがそうでないかを追跡するために、バックアップゲートウェイサーバは、各割当てられたネットワークリソースに関し、その割当てられたネットワークリソースをクライアントにマップするデータベース(例えば、テーブルや他のデータ構造)を維持すると良い。従って、ネットワークリソースがクライアントにマップされていないなら、そのネットワークリソースは空きであるとみなされる。上述のように、いくつかの実施例では、ネットワークリソースは複数のネットワークアドレスを含むことができる。これらの実施例では、ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断するステップは、複数のネットワークアドレス各々が空きであるかどうかを判断するステップを含む。1つのネットワークアドレスが空きでないなら、いくつかの実施例では、そのネットワークリソースは空きではないとみなされる。
【0042】
ステップ312において、ネットワークリソースが空きではないと判断されたなら、処理300はステップ313に進むか、ステップ308に戻っても良く、さもなければ、処理はステップ319に進む。
【0043】
ステップ313では、バックアップゲートウェイサーバ205bはネットワークリソースをクライアントに割当てる。上述のように、ネットワークリソースをクライアントに割当てるステップは、データベースを更新して、ネットワークリソースがクライアントにマップされるようにすることを含む。
【0044】
ステップ314では、バックアップゲートウェイサーバ205bはクライアント203から、アドレッシング領域Bからのネットワークリソース要求を受信する。これに応答して、バックアップゲートウェイサーバ205bはDAタイマが切れたかどうかを判断する(ステップ316)。もしタイマ切れであるなら、バックアップゲートウェイサーバ205bはその要求を拒絶する(ステップ317)。いくつかの実施例では、要求を拒絶するステップは、単にその要求を無視する(即ち、その要求に対して何の応答も要求したクライアントに送信しないこと)から成り立つ。別の実施例では、その要求を拒絶するステップは、その要求が拒絶されたことを示す応答を要求したクライアントに送信することを含む。
【0045】
DAタイマが切れていないとステップ316で判断されたなら、要求されたネットワークリソースは空きであるとを仮定して、バックアップゲートウェイサーバ205bは要求したクライアントに、アドレッシング領域Bからのネットワークリソースを割当てる(ステップ318)。
【0046】
上述のように、バックアップゲートウェイサーバ205bが、ステップ308においてクライアントにより受信されたネットワークリソースが空きではない(即ち、その領域は別のクライアントに割当てられている)と判断したなら、処理はステップ319に到達する。ステップ319では、バックアップゲートウェイサーバ205bは、(i)(例えば、上述したデータベースにアクセスすることにより)ネットワークリソースが割当てられた他のクライアントを、そして、(ii)その他のクライアントはバックアップゲートウェイサーバ205bが実行しているホストで実行しているかどうかを判断する。もし、バックアップゲートウェイサーバ205bが実行しているホストでその他のクライアントが実行しているなら、バックアップゲートウェイサーバ205bはその他のクライアントにネットワークリソースを破棄するようにさせ、さもなければ、バックアップゲートウェイサーバ205bはステップ308においてネットワークリソースを送信したクライアントにそのネットワークリソースを破棄するようにさせる(ステップ320)。いくつかの実施例では、バックアップゲートウェイサーバ205bはクライアントに、そのクライアントを再起動したり、或いは、そのクライアントが実行しているホストを再ブートすることにより、ネットワークリソースを破棄するようにさせる。いくつかの実施例では、バックアップゲートウェイサーバ205bはクライアントを再起動したり、或いは、否定確認応答(NACK)(即ち、バックアップゲートウェイサーバ205bがネットワークリソースが空きではないと判断することを示すあるメッセージ)をクライアントに送信することにより、そのクライアントが実行しているホストを再ブートする。
【0047】
ステップ310に戻ると、そこでは、バックアップゲートウェイサーバ205bがDAタイマを起動し、いくつかの実施例では、バックアップゲートウェイサーバ205bは、ステップ312においてネットワークリソースは空きであると判断されたときにのみ、DAタイマを起動する。従って、いくつかの実施例では、ステップ312の後に、そして、ステップ312においてネットワークリソースが空きであると判断されたときにのみ、ステップ310の処理が発生する。
【0048】
さて図4を参照して説明すると、図4は、本発明のいくつの実施例に従って、クライアント203により実行される処理400を図示するフローチャートである。
【0049】
処理400はステップ402で始まり、そこでは、クライアント203はゲートウェイサーバ205aにアドレッシング領域Bからのネットワークリソース要求を送信する。
【0050】
ステップ404では、クライアント203はゲートウェイサーバ205aから、アドレッシング領域Bからのネットワークリソース(例えば、1つ以上のネットワークアドレスのセット)を受信する。
【0051】
そのとき、クライアント203はネットワークリソースを用いて、ネットワーク110bに接続されたリモートクライアント220との通信を行う。例えば、クライアント203は、ネットワークリソースに含まれる領域Bからのネットワークアドレスの1つを含むヘッダを有するパケットを生成し(ステップ406)、そのパケットをゲートウェイサーバ205aに送信する(ステップ408)。いくつかの実施例では、そのパケットはまた、クライアント203が実行するホストに割当てられたアドレス(例えば、ネットワークアドレス或いは他のアドレス)を含む第2のヘッダを含み、ゲートウェイサーバ205aはパケットから第2のヘッダを取り去り、第2のヘッダなしでパケットをリモートクライアント220に送信するように構成される。
【0052】
ステップ410では、クライアント203はゲートウェイサーバ205aに障害が発生した(例えば、もはやゲートウェイサービスを提供することができない)との指示を受信する。上述のように、クライアント203は集中型ゲートウェイサーバモニタ202からの通知を受信することにより、その指示を受信することができる。他の実施例では、上述のように、クライアント203それ自身が、ゲートウェイサーバ205aに障害が発生したことを検出できるゲートウェイサーバモニタ202のモジュールを含むことができる。
【0053】
ステップ412では、クライアント203は、ネットワークリソースを破棄していないなら、ステップ404で受信したネットワークリソースをバックアップゲートウェイサーバ205bに送信する。好適な実施例では、ステップ412において、クライアント203はバックアップゲートウェイサーバ205bに、また破棄されておらず、障害が発生したゲートウェイサーバによりクライアント203に割当てられた全てのネットワークリソースを送信する。
【0054】
ステップ414では、クライアント203はバックアップゲートウェイサーバ205bからNACKを受信しないなら、クライアント203は引き続きネットワークリソースを用いてリモートクライアント220との通信を行う。即ち、クライアント203はネットワークリソースとバックアップゲートウェイサーバ205bとを用いてリモートクライアント220との通信を行う。ステップ420では、クライアント203はバックアップゲートウェイサーバ205bからNACKを受信するなら、クライアント203は再起動されるか、或いは、クライアント203が実行するホストが再ブートされる。
【0055】
さて図5を参照して説明すると、図5は本発明のいくつかの実施例に従うゲートウェイ555の機能ブロック図である。図示のように、ゲートウェイ555はデータ処理システム502(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ)と、データ記憶システム506(例えば、1つ以上の不揮発性記憶デバイス)と、記憶システム506に格納されるコンピュータソフトウェア508とを有していると良い。構成設定パラメータ510も記憶システム506に格納されると良い。ゲートウェイ555はまた、データをネットワーク110aに送信しデータをネットワーク110aから受信する送信/受信(Tx/Rx)回路504と、データをネットワーク110bに送信しデータをネットワーク110bから受信する送信/受信(Tx/Rx)回路505とを含む。ソフトウェア508は、プロセッサ502がソフトウェア508を実行するとき、ゲートウェイ555が上述のステップ(例えば、図3に示されたフローチャートを参照して上述したステップ)を実行するように構成される。
【0056】
例えば、ソフトウェア508は、(1)アドレッシング領域Aに属するクライアント203から、障害が発生したゲートウェイサーバによりクライアントに以前に割当てられたアドレッシング領域Bからのネットワークリソースを含むメッセージを受信するコンピュータ命令と、(2)そのメッセージの受信に応じて、ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断するコンピュータ命令と、(3)そのネットワークリソースが空きであることを判断したことに応じて、クライアントにネットワークリソースを割当てるコンピュータ命令とを含むと良い。
【0057】
ソフトウェア508はまた、(4)メッセージの受信後、所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットするコンピュータ命令と、(5)第2のクライアントから送信された、アドレッシング領域Bからの第2のネットワークリソースに対する要求を受信するコンピュータ命令と、(6)その要求の受信に応じて、DAタイマが切れているかどうかを判断するコンピュータ命令と、(7)第2のクライアントに対して、DAタイマが切れており、第2のネットワークリソースは第2のクライアントに割当てられるために利用可能であるとの判断に応じて、アドレッシング領域Bからの第2のネットワークリソースを送信するコンピュータ命令とを含むと良い。
【0058】
さて図6を参照すると、図6は本発明のいくつかの実施例に従うホスト667の機能ブロック図である。図示のように、ホスト667は、データ処理システム602(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ)と、データ記憶システム606(例えば、1つ以上の不揮発性記憶デバイス)と、記憶システム606に格納されたコンピュータソフトウェア608とを含むと良い。構成設定パラメータ610もまた記憶システム606に格納されると良い。ホスト667はまた、データをゲートウェイ555に送信し、データをゲートウェイ555から受信する送信/受信(Tx/Rx)回路604を含む。ソフトウェア608は、プロセッサ602がソフトウェア608を実行するときに、ホスト667は上述のステップ(例えば、図4に示されたフローチャートを参照して上述したステップ)を実行するように構成される。例えば、ソフトウェア608は、(1)送信器604を用いてゲートウェイサーバ205aに、アドレッシング領域Bからのネットワークリソース要求を送信するコンピュータ命令と、(2)ゲートウェイサーバから、アドレッシング領域Bからのネットワークリソースを含むメッセージを受信するコンピュータ命令と、(3)受信したネットワークリソースを用いてクライアント220との通信を行うコンピュータ命令と、(4)ゲートウェイサーバ205aが機能していないことの示唆を受信することに応じて、送信器604を用いてゲートウェイサーバ205aから受信したネットワークリソースをバックアップゲートウェイサーバ205bに送信するコンピュータ命令とを含むと良い。
【0059】
本発明の種々の実施例について説明したが、それらは例としてだけ提示されたのであり本発明を限定するためではないことを理解されたい。従って、本発明の幅や上述のいかなる代表的な実施例によって限定されるべきではない。
【0060】
加えて、上述の、そして、図面により例示した処理はステップのシーケンスとして示されているが、これはただ例示のためになされたものである。従って、いくつかのステップが付加されても良いし、いくつかのステップが省略されても良いし、これらステップの順序が再構成されても良いし、いくつかのステップが並列的に実行されてもよいと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアドレッシング領域からの第1のホストで実行される第1のクライアントにより第2のアドレッシング領域からのリモートホストで実行されるリモートクライアントとの通信を行う方法であって、
第1のゲートウェイサーバに、前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソース要求を送信する工程と、
前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを、前記第1のゲートウェイサーバから受信する工程と、
前記リモートクライアントとの通信を行うために前記受信したネットワークリソースを用いる工程と、
前記第1のゲートウェイサーバが機能していないことの示唆を受信する工程と、
前記示唆の受信に応じて、第2のゲートウェイサーバに、前記第1のゲートウェイサーバから受信した前記ネットワークリソースを送信する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のクライアントが前記示唆を受信する時点で前記ネットワークリソースが依然として前記第1のクライアントに割当てられている場合にのみ、前記示唆の受信に応じて、前記第1のクライアントは、前記ネットワークリソースを前記第2のゲートウェイサーバに送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記示唆の受信に応じて、前記第1のクライアントは、前記第1のゲートウェイサーバにより前記第1のクライアントに割当てられた現在保持されている全てのネットワークリソースを前記第2のゲートウェイサーバに送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークリソースは前記第2のアドレッシング領域からの1つ以上のネットワークアドレスのセットを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークアドレスはインターネットプロトコル(IP)アドレスであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワークリソースはさらに、1つ以上のポート番号を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のゲートウェイサーバは前記第1のホストで実行されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のゲートウェイサーバは、前記第1のクライアントから前記ネットワークリソースを受信後の所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットするよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のゲートウェイサーバに前記ネットワークリソースを送信後に、前記第2のゲートウェイサーバから前記第1のクライアントが前記ネットワークリソースを使用し続けるべきではないことを示唆するメッセージを受信する工程と、
前記メッセージの受信後に、前記第1のクライアントを再起動するか、或いは、前記第1のホストを再ブートする工程とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークリソースはネットワークアドレスを含み、
前記リモートクライアントとの通信を行うために前記受信したネットワークリソースを用いる工程は、
(i)第1のヘッダと、(ii)第2のヘッダと、(iii)ペイロードとを含むパケットを生成する工程と、
前記パケットを前記第1のゲートウェイサーバに送信する工程とを含み、
前記第1のヘッダは前記第2のアドレッシング領域から前記ネットワークアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含み、
前記第2のヘッダは前記第1のホストに割当てられたアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含み、
前記第1のゲートウェイサーバは前記第2のヘッダなく前記パケットを前記リモートクライアントに送信するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第1のアドレッシング領域と第2のアドレッシング領域とに属するゲートウェイサーバを障害から回復させる方法であって、
(a)前記第1のアドレッシング領域と前記第2のアドレッシング領域とに属するバックアップゲートウェイサーバにおいて、クライアントから送信された、障害が発生した前記ゲートウェイサーバにより前記クライアントに以前に割当てられた前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを受信する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを前記バックアップゲートウェイサーバにより判断する工程と、
(c)前記ネットワークリソースが空きであることを判断したことに応じて、前記クライアントに前記ネットワークリソースを割当てる工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記工程(a)の実行後、所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットする工程をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記DAタイマは、前記工程(b)において前記ネットワークリソースが空きであると判断された場合にのみセットされることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バックアップゲートウェイサーバにおいて、第2のクライアントから送信された、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースに対する要求を受信する工程と、
前記DAタイマが切れていないなら前記要求を拒絶する工程と、
前記バックアップゲートウェイサーバから前記第2のクライアントに対して、もし前記DAタイマが切れており、前記第2のネットワークリソースは前記第2のクライアントに割当てられるために利用可能であるなら前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースを送信する工程とをさらに有することを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記要求を拒絶する工程は、前記第2のクライアントに対して、前記要求に対する何の応答も送信しない工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記要求を拒絶する工程は、前記要求が否定されたことを示唆する前記要求に対する応答を前記第2のクライアントに送信する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ネットワークリソースが空きではないとの判断に応じて、前記クライアントに前記第2のアドレッシング領域からの前記ネットワークリソースを放棄するようにさせる工程をさらに有することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
(a)前記ネットワークリソースが現在のところ別のクライアントに割当てられており、(b)前記別のクライアントが前記バックアップゲートウェイサーバと同じホストで実行されていないとの判断に応じて、前記クライアントに前記第2のアドレッシング領域からの前記ネットワークリソースを放棄するようにさせる工程をさらに有することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記クライアントに前記ネットワークリソースを放棄するようにさせる工程は、前記クライアントを再起動させるか、或いは、前記クライアントが実行されている前記ホストを再ブートする工程を含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記ネットワークリソースは1つ以上のネットワークアドレスのセットを含み、
前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断する工程は、前記ネットワークアドレスのセットに含まれるネットワークアドレスが現在のところ別のクライアントに割当てられているかどうかを判断する工程を含むことを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ネットワークアドレスのセットに含まれるネットワークアドレスが現在のところ別のクライアントに割当てられているとの判断に応じて、前記別のクライアントが前記バックアップゲートウェイサーバと同じホストで実行されているかどうかを判断する工程と、
前記別のクライアントが前記バックアップゲートウェイサーバと同じホストで実行されていると判断された場合には、前記別のクライアントに前記ネットワークアドレスを放棄するようにさせる工程とをさらに有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記別のクライアントに前記ネットワークアドレスを放棄するようにさせた後、前記ネットワークアドレスを前記第1のクライアントに割当てる工程をさらに有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記工程(a)を実行する前に、前記ゲートウェイサーバの障害を検出する工程と、
前記ゲートウェイサーバの障害の検出に応じて、前記ゲートウェイサーバの障害を示唆する通知を受信すべきクライアントのセットを決定する工程と、
前記決定されたクライアントのセットの各クライアントに対して、前記ゲートウェイサーバに障害が発生したことを示すメッセージを送信する工程とをさらに有することを特徴とする請求項11乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記通知を受信すべきクライアントのセットを決定する工程は、ゲートウェイサーバモニタに接続されるクライアント全てを判断する工程を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ネットワークリソースは、前記第2のアドレッシング領域に属している1つ以上のネットワークアドレスのセットを含むことを特徴とする請求項11乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ネットワークリソースはさらに、1つ以上のポート番号のセットを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1のアドレッシング領域に属するクライアントホスト装置であって、
前記クライアントホスト装置は、
送信器と、
コンピュータソフトウェアを格納するデータ記憶システムと、
前記コンピュータソフトウェアを実行するデータ処理システムとを有し、
前記コンピュータソフトウェアは、
前記送信器を用いて第1のゲートウェイサーバに、第2のアドレッシング領域からのネットワークリソース要求を送信するコンピュータ命令と、
前記第1のゲートウェイサーバから、前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを受信するコンピュータ命令と、
前記受信したネットワークリソースを用いてリモートクライアントとの通信を行うコンピュータ命令と、
前記第1のゲートウェイサーバが機能していないことの示唆を受信することに応じて、前記送信器を用いて前記第1のゲートウェイサーバから受信した前記ネットワークリソースを第2のゲートウェイサーバに送信するコンピュータ命令とを有することを特徴とするクライアントホスト装置。
【請求項28】
前記ネットワークリソースは前記第2のアドレッシング領域からの1つ以上のネットワークアドレスのセットを含むことを特徴とする請求項27に記載のクライアントホスト装置。
【請求項29】
前記ネットワークリソースはさらに、1つ以上のポート番号を含むことを特徴とする請求項28に記載のクライアントホスト装置。
【請求項30】
前記コンピュータソフトウェアはさらに、
前記クライアントホスト装置で実行されるクライアントは前記ネットワークリソースを用い続けるべきではないことを示すメッセージを前記第2のゲートウェイサーバから受信するコンピュータ命令と、
前記メッセージの受信に応じて、前記第1のクライアントを再起動するか、或いは、前記第1のホストを再ブートするコンピュータ命令とを含むことを特徴とする請求項27乃至29のいずれか1項に記載のクライアントホスト装置。
【請求項31】
前記ネットワークリソースはネットワークアドレスを含み、
前記ネットワークリソースを用いて前記リモートクライアントとの通信を行う前記コンピュータ命令は、
(i)第1のヘッダと、(ii)第2のヘッダと、(iii)ペイロードとを含むパケットを生成するコンピュータ命令と、
前記パケットを前記第1のゲートウェイサーバに送信するコンピュータ命令とを含み、
前記第1のヘッダは前記第2のアドレッシング領域から前記ネットワークアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含み、
前記第2のヘッダは前記第1のホストに割当てられたアドレスにセットされるソースアドレスフィールドを含むことを特徴とする請求項27乃至30のいずれか1項に記載のクライアントホスト装置。
【請求項32】
第1のアドレッシング領域と第2のアドレッシング領域とに属するゲートウェイサーバ装置であって、
送信器と、
受信器と、
コンピュータソフトウェアを格納するデータ記憶システムと、
前記コンピュータソフトウェアを実行するデータ処理システムとを有し、
前記コンピュータソフトウェアは、
(a)前記第1のアドレッシング領域に属するクライアントから送信された、障害が発生したゲートウェイサーバにより前記クライアントに以前に割当てられた前記第2のアドレッシング領域からのネットワークリソースを含むメッセージを受信するコンピュータ命令と、
(b)前記メッセージの受信に応じて、前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断するコンピュータ命令と、
(c)前記ネットワークリソースが空きであることを判断したことに応じて、前記クライアントに前記ネットワークリソースを割当てるコンピュータ命令とを有することを特徴とするゲートウェイサーバ装置。
【請求項33】
前記コンピュータソフトウェアはさらに、前記メッセージの受信後、所定時間後に切れる遅延割当て(DA)タイマをセットするコンピュータ命令を有することを特徴とする請求項32に記載のゲートウェイサーバ装置。
【請求項34】
前記DAタイマは、前記ネットワークリソースが空きであると判断された場合にのみセットされることを特徴とする請求項33に記載のゲートウェイサーバ装置。
【請求項35】
前記コンピュータソフトウェアはさらに、
第2のクライアントから送信された、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースに対する要求を受信するコンピュータ命令と、
前記要求の受信に応じて、前記DAタイマが切れているかどうかを判断するコンピュータ命令と、
前記第2のクライアントに対して、もし前記DAタイマが切れており、前記第2のネットワークリソースは前記第2のクライアントに割当てられるために利用可能であるとの判断に応じて、前記第2のアドレッシング領域からの第2のネットワークリソースを送信する工程とを有することを特徴とする請求項33又は34に記載のゲートウェイサーバ装置。
【請求項36】
前記コンピュータソフトウェアはさらに、
前記ネットワークリソースが空きではないとの判断に応じて、前記クライアントに前記第2のアドレッシング領域からの前記ネットワークリソースを放棄するようにさせるコンピュータ命令を有することを特徴とする請求項32乃至35のいずれか1項に記載のゲートウェイサーバ装置。
【請求項37】
前記コンピュータソフトウェアはさらに、
(a)前記ネットワークリソースが現在のところ別のクライアントに割当てられており、(b)前記別のクライアントが前記ゲートウェイサーバ装置で実行されていないとの判断に応じて、前記クライアントに前記第2のアドレッシング領域からの前記ネットワークリソースを放棄するようにさせるコンピュータ命令を有することを特徴とする請求項32乃至35のいずれか1項に記載のゲートウェイサーバ装置。
【請求項38】
前記ネットワークリソースは1つ以上のネットワークアドレスのセットを含み、
前記ネットワークリソースが空きであるかどうかを判断する前記コンピュータ命令は、前記ネットワークアドレスのセットに含まれるネットワークアドレスが現在のところ別のクライアントに割当てられているかどうかを判断するコンピュータ命令を含むことを特徴とする請求項32乃至37のいずれか1項に記載のゲートウェイサーバ装置。
【請求項39】
前記コンピュータソフトウェアはさらに、
前記ネットワークアドレスのセットに含まれるネットワークアドレスが現在のところ前記別のクライアントに割当てられているとの判断に応じて、前記別のクライアントが前記ゲートウェイサーバ装置で実行されているかどうかを判断するコンピュータ命令と、
前記別のクライアントが前記ゲートウェイサーバ装置で実行されていると判断された場合には、前記別のクライアントに前記ネットワークアドレスを放棄するようにさせるコンピュータ命令とを有することを特徴とする請求項38に記載のゲートウェイサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−515490(P2012−515490A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545804(P2011−545804)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/IB2009/000073
【国際公開番号】WO2010/082076
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】