説明

ゲートウェイ装置およびセッション制御方法

【課題】使用可能なセッション数に上限があるネットワークに接続された状態でもセッションの優先制御が可能なゲートウェイ装置を得ること。
【解決手段】本発明は、SIP端末21〜26と、同時に接続可能なセッション数に上限が存在するNGN網40との間で接続するセッションの制御を行うゲートウェイ装置10であって、収容しているSIP端末21〜26とNGN網40との間で接続中の各セッションを管理するセッション管理手段と、NGN網40側から収容中のSIP端末に向けて発生したセッション接続要求に対応するセッションを接続するかどうかを、セッション管理手段で管理されている接続中のセッションの数、接続中の各セッションの優先度、およびセッション接続要求に対応するセッションの優先度に基づいて決定するセッション制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用可能なセッションの数に上限が存在する外部ネットワークに接続され、収容している端末と外部ネットワークとの間で信号を中継するゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークにおいて、使用可能なセッション数に制限がある場合、より重要度の高いセッションを優先的に接続する制御方法が必要とされる。
【0003】
たとえば、下記特許文献1には、IPネットワークにおいて使用可能なセッション数に限りがある場合のセッションの優先制御方法が示されている。この優先制御方法では、使用可能なセッションがすべて使用されている状態で新たなセッションの接続要求を受けた場合、ゲートウェイ装置は、新規接続を要求しているセッションの優先度(重要度)が予め設定した基準値以上であるかどうかを確認し、基準値以上であれば、既存セッションのうち、優先度の最も低いセッションを切断して新たなセッションを接続する。また、新規接続を要求しているセッションの優先度が基準値未満の場合には、新たなセッションの接続要求を拒否する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−049550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえばNGN(Next Generation Network)網では、契約により接続する装置が使用可能なセッション数に上限が存在する。このため優先制御が有効となるが、ゲートウェイ装置が優先制御を行うには、新たな接続要求が生じたことをゲートウェイ装置自身が認識する必要がある。しかしながら、NGN網では、セッションに空きがない状態で新たな着信があった場合、SIP(Session Initiation Protocol)サーバで接続要求を拒否してしまうため、着信側(着信側の装置を収容しているゲートウェイ装置)ではそれを認識することはできない。このため、上記の特許文献1に記載された優先制御技術をNGN網に接続されたネットワークで利用することができない。すなわち、使用しているセッションの数が使用可能なセッション数に達している状態(使用可能なセッションをすべて使用している状態)では、重要度の高い新たな着信があったとしてもゲートウェイ装置がそれを認識できず、優先制御を行うことができない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、使用可能なセッション数に上限があるネットワークに接続された状態でもセッションの優先制御が可能なゲートウェイ装置、およびセッション制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のSIP端末を収容し、当該SIP端末と、同時に接続可能なセッション数に上限が存在する外部ネットワークとの間で接続するセッションの制御を行うゲートウェイ装置であって、収容しているSIP端末と前記外部ネットワークとの間で接続中の各セッションを管理するセッション管理手段と、前記外部ネットワーク側から収容中のSIP端末に向けて発生したセッション接続要求に対応するセッションを接続するかどうかを、前記セッション管理手段で管理されている接続中のセッションの数、当該接続中の各セッションの優先度、および当該セッション接続要求に対応するセッションの優先度に基づいて決定するセッション制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接続中のセッションの数および優先度と、セッション接続要求が示すセッションの優先度とに基づいて、セッション接続要求が示すセッションを接続するかどうかを決定することとしたので、重要度の高いセッションを優先して接続することが可能なセッション制御、すなわち、使用可能なセッション数に上限があるネットワークに接続された状態でもセッションの優先制御を実現できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明にかかるゲートウェイ装置を適用した通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、ゲートウェイ装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、セッション優先度テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、セッション管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1の通信システムにおける制御手順を説明するための図である。
【図6】図6は、実施の形態1の通信システムにおける制御手順を説明するための図である。
【図7】図7は、接続先番号をもとに優先度を決定する場合の優先度テーブルの一例を示す図である。
【図8】図8は、セッションの接続時間の長さをもとに優先度を決定する場合の優先度テーブルの一例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態2のゲートウェイ装置の構成を示す図である。
【図10】図10は、切断番号テーブルの一例を示す図である。
【図11】図11は、着信拒否番号テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかるゲートウェイ装置およびセッション制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるゲートウェイ装置を適用した通信システムの構成例を示す図である。この通信システムは、ユーザ宅内に設置されたゲートウェイ装置(GW)10と、SIP制御によりセッションを確立して通信を行うSIP端末21〜26,31〜36と、NGN網40と、SIP端末間で送受信されるSIPメッセージを中継するSIPサーバ50とを含んでいる。ゲートウェイ装置10は、SIP端末21〜26を収容するとともにNGN網40に接続され、収容しているSIP端末21〜26とNGN網40との間で送受信される信号を中継する。SIP端末31〜36はゲートウェイ装置10に収容されていないSIP端末であり、ゲートウェイ装置10を経由することなくNGN網40に接続されている。SIPサーバ50はNGN網40に接続されている。NGN網40へ同時接続可能なセッション数には上限があり、本実施の形態では、上限が「5」であるものとして説明を行う。
【0012】
図2は、ゲートウェイ装置10の構成例を示す図である。このゲートウェイ装置10は、NGN網40に接続されるWANインタフェース12と、NGN網40上のサービスを利用するSIP端末21〜26を接続するLANインタフェース11と、WAN−LAN間のセッションの接続/切断処理を行うセッション制御部13とを備える。また現状のセッションの状態を記憶するためのセッション管理テーブル14、およびセッションごとの優先度を記憶しておくセッション優先度テーブル15を保持している。セッション管理テーブル14は、たとえばRAM上で保持され、また、セッション優先度テーブル15は、たとえば不揮発メモリ上で保持される。
【0013】
図3は、セッション優先度テーブル15の一例を示す図である。図3に示したセッション優先度テーブルは、SIPセッションのSDP(Session Description Protocol)で指定されるメディアタイプ,レイヤ4、5のプロトコル種別によってセッションの優先度を区別する場合に使用されるものである。図示したように、このテーブルでは、メディアタイプが「audio」または「video」であるセッションを最も優先度の高いものとして扱い、以下、メディアタイプが「application」でかつレイヤ4および5がそれぞれTCPおよびHTTPであるセッションを2番目に優先度が高いもの、メディアタイプが「application」でレイヤ4および5が上記以外のセッションを3番目に優先度が高いものとして扱っている。また、その他の残りのセッションを最も優先度が低いものとして扱っている。
【0014】
図4は、セッション管理テーブル14の一例を示す図である。図4では、全部で4セッションが使用中であり、セッションごとにメディアタイプ、レイヤ4,5のプロトコル種別、セッションの接続時間、接続先番号を記憶する場合の構成例を示している。
【0015】
以上のような構成の通信システムにおいて、ゲートウェイ装置10では、WAN側(NGN網40側)から新たなセッション接続要求が着信した場合、セッション制御部13が、まず、セッション管理テーブル14を参照し、現在の使用セッション数を確認する。確認の結果、使用セッション数が「使用可能セッション数−1」未満である場合(同時接続可能なセッション数の上限と使用セッション数の差が2以上の場合)、セッション制御部13は、新たなセッション接続要求を受け付け、新規セッションの接続処理を継続する。本実施の形態で想定している通信システムの場合、使用セッション数が3本以下であれば、セッションの接続処理を継続する。
【0016】
一方、現在の使用セッション数が「使用可能セッション数−1」未満ではない場合、セッション制御部13は、新規セッションの接続処理を継続するかどうかを以下に示すように判断し、判断結果に応じた処理を実行する。すなわち、セッション制御部13は、現在の使用セッション数が「使用可能セッション数−1」である場合、セッション管理テーブル14に登録されている使用中セッションと新規のセッションから、セッションの優先度判定に必要なパラメータを抽出する。具体的には、メディアタイプ、レイヤ4および5のプロトコル種別を抽出する。さらに、抽出したパラメータ(情報)をセッション優先度テーブルの内容と比較し、最低優先度のセッションを選択する。そして、最低優先度のセッションが新規セッションである場合、セッション制御部13は、新規セッションの接続拒否の処理を行う。これに対して、最低優先度のセッションが新規セッションではない場合、セッション制御部13は、新規セッションの接続処理を行うとともに、最低優先度の使用中セッションの切断処理を行う。
【0017】
以下に、現在の使用セッション数が「使用可能セッション数−1」である場合の制御手順について、シーケンス図を使用して説明する。
【0018】
図5は、本実施の形態の通信システムにおける制御手順を説明するための図であり、4セッション使用中に、最低優先度の新規セッションの着信があった場合のシーケンス図である。なお、SIP端末35がSIP端末25との通信を要求する場合の例について示している。
【0019】
図5に示したシーケンスの場合、SIP端末35は、SIP端末25との接続を要求するメッセージ(INVITEメッセージ)をSIPサーバ50に対して送信し(ステップS1)、SIPサーバ50は、SIP端末35から受信した接続要求メッセージ(INVITEメッセージ)をSIP端末25に向けて転送するとともに(ステップS2)、要求元のSIP端末35に対しては接続要求メッセージを処理したことを示すメッセージ(100 Tryingメッセージ)を送信する(ステップS3)。
【0020】
ゲートウェイ装置10は、上記ステップS2で転送された接続要求メッセージを受信した場合、セッション管理テーブル14を確認し、使用中のセッション数が最大セッション数に達しているかどうか、具体的には、使用中のセッション数が「使用可能セッション数−1」と一致しているかどうかを確認する。図5の例では最大セッション数に達していると判断し(ステップS4)、さらに、新規セッションが最低優先度かどうか、具体的には、使用中の各セッションの優先度のうち最も低い優先度と新規セッションの優先度を比較し、新規セッションの優先度の方が低いかどうかを確認する。図5の例では、新規セッションが最低優先度であると判断し(ステップS5)、上記接続要求メッセージを受け付けられない旨を示す接続拒否メッセージ(486 Busy Hereメッセージ)をSIPサーバ50へ返送する(ステップS6)。
【0021】
SIPサーバ50は、上記ステップS6で送信された接続拒否メッセージを受信した場合、それに対する応答メッセージ(ACKメッセージ)を返送し(ステップS7)、さらに、受信した接続拒否メッセージをSIP端末35へ転送する(ステップS8)。SIP端末35は、上記ステップS1で送信した接続要求メッセージに対する応答メッセージとして接続拒否メッセージをSIPサーバ50から受信した場合、応答メッセージ(ACKメッセージ)を返送する(ステップS9)。
【0022】
また、図6は、本実施の形態の通信システムにおける制御手順を説明するための図であり、4セッション使用中に、最低優先度ではない新規セッションの着信があった場合のシーケンス図である。なお、図5と同様に、SIP端末35がSIP端末25との通信を要求する場合の例について示している。また、図6においては、図5に示した処理と同じ処理に同一のステップ番号を付している。これらの同一ステップ番号を付した処理については説明を省略する。
【0023】
図6に示したシーケンスの場合、ゲートウェイ装置10は、使用中のセッション数が最大セッション数に達していると判断するが(ステップS4)、その後、新規セッションが最低優先度かどうかを確認し、既存セッションが最低優先度である(新規セッションが最低優先度ではない)と判断する(ステップS10)。そして、ステップS2で送信された接続要求メッセージをSIP端末25へ転送することにより、新規セッションの確立処理を継続する(ステップS11)。また、新規セッションの確立処理が終了した後、最低優先度の既存セッション(図6では、SIP端末21とSIP端末31の間で確立していたセッションとなる)を切断する処理を実行する(ステップS12)。ステップS11とS12は順番が入れ替わってもよい。また、同時に実行するようにしてもよい(ステップS11の全ての処理が完了する前にステップS12の処理を開始してもよい)。
【0024】
なお、本実施の形態では、使用中のセッション数が「使用可能セッション数−1」である場合に新規セッション(新たに接続しようとしているセッション)の優先度と既存セッションの優先度を比較する制御手順について示したが、使用中のセッション数と使用可能セッション数の関係はこれに限定されない。たとえば、使用中のセッション数が「使用可能セッション数−2」に達している場合に新規セッションの優先度と既存セッションの優先度を比較するようにしてもよい。
【0025】
このように、本実施の形態のゲートウェイ装置は、確立しているセッションの数(既存セッションの数)とシステムで規定されている接続セッション数の最大値の差が規定値に達した状態においてセッションの接続要求を受けた場合、接続要求が示すセッション(新規セッション)の優先度と各既存セッションの優先度を比較し、新規セッションよりも優先度が低い既存セッションが存在する場合、新規セッションの接続処理を実施するとともに、優先度が最低の既存セッションの切断処理を実施することとした。これにより、NGN網において、使用可能なセッションがすべて使用されているために重要度の高い着信を受けることができないという事態を回避することが可能となり、常に、重要度の高いセッションを優先して接続することが可能なセッション制御を実現できる。また、優先度はメディアタイプや、レイヤ4,5のプロトコル種別によって決定できるので、音声、映像など重要なセッションを優先することが可能となる。
【0026】
なお、ゲートウェイ装置10が保持しているセッション優先度テーブル15は、上で示したメディアタイプや、レイヤ4,5のプロトコル種別だけで決定する必要はない。たとえば、図7や図8に示したような構成のテーブルとしてもよい。図7は、接続先番号をもとに優先度を決定する場合の優先度テーブルの一例を示している。また図8は、セッションの接続時間の長さをもとに優先度を決定する場合の優先度テーブルの一例を示している。またこれらのパラメータは任意に組み合わせて使用することも可能である。
【0027】
図7や図8に示したセッション優先度テーブルを使用した場合においても、重要度の高いセッションを優先して接続することが可能となる。また、優先度の決定はメディアタイプや、レイヤ4,5のプロトコル種別、接続先番号、接続時間の任意の組み合わせで決定できるため、重要度の高い拠点との接続を優先する、特定の相手との長電話(メディアタイプ=audio,特定の接続先番号、接続時間が一定時間以上、となっているセッション)の優先度を下げる等の処理が可能となる。
【0028】
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2のゲートウェイ装置について説明する。実施の形態1では、セッション優先度テーブルの内容が固定されているゲートウェイ装置について説明したが、上記の図7に示したセッション優先度テーブルの内容を固定した状態で使用すると、高優先の接続先番号がセッションを占有してしまった場合、低優先に割り当てられている番号がいつまでたっても接続できない、という状態になってしまうことが考えられる。そこで、本実施の形態では、これを回避するために優先度テーブルを動的に変更する制御を行うゲートウェイ装置について説明する。
【0029】
図9は、実施の形態2のゲートウェイ装置の構成を示す図である。図9に示した本実施の形態のゲートウェイ装置10aは、実施の形態1のゲートウェイ装置10のセッション制御部13をセッション制御部13aに置き換え、さらに、切断番号テーブル16および着信拒否番号テーブル17を保持するように構成したものである。
【0030】
図10は、切断番号テーブル16の一例を示す図である。切断番号テーブル16は、優先制御処理で新規セッションを接続したことに伴って切断された接続先の情報を記録するテーブルであり、切断処理を行ったセッションの接続先番号と、切断を実施した時刻を記録する。セッション制御部13aは定期的に本テーブルの内容を確認し、切断処理を行った後、あらかじめ設定した一定時間が経過するか、または該当接続先番号との接続に成功した場合、該当エントリを削除する。
【0031】
図11は、着信拒否番号テーブル17の一例を示す図である。着信拒否番号テーブル17は、優先制御処理で接続を拒否した新規セッションの接続先の情報を記録するテーブルであり、着信を拒否した番号とその拒否回数、および最後に拒否した時刻を記録する。セッション制御部13aは、定期的に本テーブルの内容を確認し、最後に接続を拒否してからあらかじめ設定した一定時間が経過するか、または該当接続先番号との接続に成功した場合、該当エントリを削除する。
【0032】
セッション制御部13aは、切断番号テーブルおよび着信拒否番号テーブルの内容に応じて、あらかじめ定められたロジックで接続先番号ごとに優先度を上げる計算処理を行う。処理結果は、図7に示したセッション優先度テーブルに反映する。例えば、切断番号テーブルに記録されている番号のうち切断から5分以内のものは優先度を1段階上げる、着信拒否番号テーブルに記録されている番号のうち拒否回数が3回以上のものは優先度を2段階上げる、等の処理が可能である。
【0033】
このように、本実施の形態のゲートウェイ装置は、接続先番号を用いて優先制御を行う場合に、優先制御によって接続を拒否したセッションの接続先ごとの拒否回数、および強制的に切断したセッションの切断時刻を保持しておき、拒否回数や切断してからの経過時間に基づいて、優先制御で使用するセッション優先度テーブルを調整することとした。これにより、実施の形態1のゲートウェイ装置と同様の効果が得られるとともに、低優先に設定された接続先番号の端末がいつまでも接続されない事態を低減することができ、また切断処理された接続先番号は優先して着信させる処理が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明にかかるゲートウェイ装置は、使用可能なセッション数に上限があるネットワークに接続するゲートウェイ装置として有用であり、特に、配下の端末に対するセッションの優先制御を行うゲートウェイ装置に適している。
【符号の説明】
【0035】
10 ゲートウェイ装置(GW)
11 LANインタフェース
12 WANインタフェース
13,13a セッション制御部
14 セッション管理テーブル
15 セッション優先度テーブル
16 切断番号テーブル
17 着信拒否番号テーブル
21〜26,31〜36 SIP端末
40 NGN網
50 SIPサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のSIP端末を収容し、当該SIP端末と、同時に接続可能なセッション数に上限が存在する外部ネットワークとの間で接続するセッションの制御を行うゲートウェイ装置であって、
収容しているSIP端末と前記外部ネットワークとの間で接続中の各セッションを管理するセッション管理手段と、
前記外部ネットワーク側から収容中のSIP端末に向けて発生したセッション接続要求に対応するセッションを接続するかどうかを、前記セッション管理手段で管理されている接続中のセッションの数、当該接続中の各セッションの優先度、および当該セッション接続要求に対応するセッションの優先度に基づいて決定するセッション制御手段と、
を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
前記セッション制御手段は、
前記外部ネットワークにおける同時に接続可能なセッション数の上限と前記接続中のセッションの数の差が規定値よりも大きい場合、前記セッション接続要求に対応するセッションである新規セッションを接続し、
また、前記差が前記規定値と一致する場合、前記新規セッションの優先度と前記接続中の各セッションの優先度とを比較し、新規セッションよりも優先度の低い接続中のセッションが存在していれば、新規セッションを接続するとともに、最も優先度の低い接続中のセッションを切断する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記セッション制御手段は、
前記優先度の比較処理を、セッションのメディアタイプと、レイヤ4およびレイヤ5のプロトコルタイプとに基づいて行う
ことを特徴とする請求項2に記載のゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記セッション制御手段は、
前記優先度の比較処理を、セッションの接続先番号、またはセッションの接続時間に基づいて行う
ことを特徴とする請求項2に記載のゲートウェイ装置。
【請求項5】
前記接続先番号の各々には、所定の優先度が個別に対応付けられ、
前記セッション制御手段は、
前記優先度の比較処理をセッションの接続先番号に基づいて行う場合、
各セッションの切断実行時刻からの経過時間、または新規セッションの接続を拒否した回数に基づいて、前記優先度を適宜調整し、調整後の優先度を対象とした比較処理を行う
ことを特徴とする請求項4に記載のゲートウェイ装置。
【請求項6】
複数のSIP端末を収容し、当該SIP端末と、同時に接続可能なセッション数に上限が存在する外部ネットワークとの間で接続するセッションの制御を行うゲートウェイ装置、が実行するセッション制御方法であって、
前記外部ネットワーク側から収容中のSIP端末に向けて送信されたセッション接続要求を受信するセッション接続要求受信ステップと、
前記セッション接続要求に対応するセッションを接続するかどうかを、収容中のSIP端末と前記外部ネットワークとの間で接続中のセッションの数、当該接続中の各セッションの優先度、および当該セッション接続要求に対応するセッションの優先度に基づいて決定するセッション制御ステップと、
を含むことを特徴とするセッション制御方法。
【請求項7】
前記セッション制御ステップでは、
前記外部ネットワークにおける同時に接続可能なセッション数の上限と前記接続中のセッションの数の差が規定値よりも大きい場合、前記セッション接続要求に対応するセッションである新規セッションを接続し、
また、前記差が前記規定値と一致する場合、前記新規セッションの優先度と前記接続中の各セッションの優先度とを比較し、新規セッションよりも優先度の低い接続中のセッションが存在していれば、新規セッションを接続するとともに、最も優先度の低い接続中のセッションを切断する
ことを特徴とする請求項6に記載のセッション制御方法。
【請求項8】
前記セッション制御ステップでは、
前記優先度の比較処理を、セッションのメディアタイプと、レイヤ4およびレイヤ5のプロトコルタイプとに基づいて行う
ことを特徴とする請求項7に記載のセッション制御方法。
【請求項9】
前記セッション制御ステップでは、
前記優先度の比較処理を、セッションの接続先番号、またはセッションの接続時間に基づいて行う
ことを特徴とする請求項7に記載のセッション制御方法。
【請求項10】
前記接続先番号の各々には、所定の優先度が個別に対応付けられ、
前記セッション制御ステップでは、
前記優先度の比較処理をセッションの接続先番号に基づいて行う場合、
各セッションの切断実行時刻からの経過時間、または新規セッションの接続を拒否した回数に基づいて、前記優先度を適宜調整し、調整後の優先度を対象とした比較処理を行う
ことを特徴とする請求項9に記載のセッション制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−114678(P2011−114678A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270314(P2009−270314)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】