説明

ゲート信号線駆動回路及び表示装置

【課題】ゲート信号におけるノイズを抑制するゲート信号線駆動回路、及び、それを用いた表示装置の提供。
【解決手段】2n相のクロック信号が、順方向走査においては順番と正順に、逆方向走査においては順番と逆順に、それぞれ入力される2n本のクロック信号線を備えるとともに、2n本のクロック信号線が接続され、ゲート信号を出力端子より出力する基本回路を、複数備える、ゲート信号線駆動回路において、各基本回路は、いずれかのクロック信号線が入力側に接続されるとともに、該クロック信号線に印加される電圧を前記出力端子に印加する、ハイ電圧印加スイッチング回路と、ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオフ電圧を印加するオフ信号印加スイッチング回路と、を備え、オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、逆相となるクロック信号が入力されるクロック信号線が接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲート信号線駆動回路及びそれを用いた表示装置に関する。特に、入力されるクロック信号により、正順又は逆順のいずれかを選択して、ゲート信号線を走査する双方向駆動に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、液晶表示装置などの表示装置において、ゲート信号線駆動回路が、双方向のいずれの方向にも、ゲート信号を走査することを可能とすることにより、表示する画像の向きを変えるなど、高機能な画像表示が可能となっている。
【0003】
ゲート信号線を走査するゲート信号線駆動回路に備えられるシフトレジスタ回路が双方向にシフトする技術について、特許文献1及び特許文献2に記載がある。特許文献1に記載のシフトレジスタ回路は、位相の異なる3相以上のクロック信号とシフト方向を決める設定信号によって、シフト方向を制御している。シフト方向を制御するスイッチング素子が多数配置されるとともに、シフト方向を決める設定信号はDC電圧であり、回路に配置される特定のスイッチング素子のスイッチにDC電圧が印加されることとなり、これら素子の劣化が生じ、シフトレジスタ回路の特性が劣化するという問題がある。
【0004】
これに対して、特許文献2に記載のシフトレジスタ回路は、シフト方向をクロック信号の位相によって制御しているので、特許文献1に記載のシフトレジスタ回路と異なり、DCストレスによる素子の劣化は抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−134845号公報
【特許文献2】特表2001−506044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献2に記載のシフトレジスタ回路の所定の段(n)において、第4段(n+2)の出力パルスOUTn+2又は第5段(n−2)の出力パルスOUTn−2のいずれかによって、出力パルスOUTを出力する第1の出力トランジスタ(16)をオフし、出力信号をロー電圧に維持する第2の出力トランジスタ(17)をオンしている(リセット状態)。第2の出力トランジスタ(17)は、出力パルスOUTを出力後、次の出力パルスOUTを出力するまで、コンデンサーによってのみオン状態が維持されているに過ぎない。所定の段(n)のリセットに、他の段の出力パルスを用いていると、双方向のシフトに対応するために、2つの段の出力パルスが必要である。
【0007】
双方向走査が可能なシフトレジスタ回路が、それぞれ所定のゲート信号を出力する複数の基本回路を有し、シフト方向をクロック信号の位相によって制御する場合に、各基本回路において、他の基本回路のゲート信号によってリセット動作を行うと、以下の問題が生じる。リセット動作を順方向、逆方向それぞれに対応するために、2個のゲート信号が必要である。2個のゲート信号それぞれにおいてリセット動作を行うために、各基本回路に、対応するゲート信号によってそれぞれリセット動作をする回路を2個設ける必要があり、回路増大を招く。また、2個のゲート信号によってのみ、リセット動作をする場合、ゲート信号がロー電圧となっている期間に安定してロー電圧に維持できず、シフトレジスタ回路にノイズが発生する原因となる。
【0008】
本発明は、このような課題を鑑みて、回路規模の増大を抑制しつつ、ゲート信号におけるノイズが抑制されるゲート信号線駆動回路、及び、それを用いた表示装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係るゲート信号線駆動回路は、所定の周期でありかつ互いに位相が異なるとともに順番にハイ電圧になる2n相(nは2以上の自然数)のクロック信号が、順方向走査においては前記順番と正順に、逆方向走査においては前記順番と逆順に、それぞれ入力される2n本のクロック信号線を備えるとともに、前記2n本のクロック信号線の少なくとも一部が接続されるとともに、信号ハイ期間にハイ電圧になり、前記信号ハイ期間以外の期間である信号ロー期間にロー電圧になるゲート信号を、出力端子より出力する、基本回路を、複数備える、ゲート信号線駆動回路において、各前記基本回路は、前記2n本のクロック信号線のいずれかのクロック信号線が入力側に接続されるとともに、オン状態にあっては、該クロック信号線に印加される電圧を前記出力端子に印加する、ハイ電圧印加スイッチング回路と、前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオフ電圧を印加するオフ信号印加スイッチング回路と、を備え、前記オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、該クロック信号線に入力されるクロック信号に対して逆相となるクロック信号が入力されるクロック信号線が接続される、ことを特徴とする。
【0010】
(2)上記(1)に記載のゲート信号線駆動回路であって、前記複数の基本回路は、各前記基本回路の前記ハイ電圧印加スイッチング回路に、前記2n本のクロック信号線のうち1本のクロック信号線が前記順番に繰り返して接続されており、各前記基本回路は、前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオン電圧を印加するオン信号印加回路を、さらに備え、前記オン信号印加回路は、該基本回路より前記順番を逆順に遡って(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号と、該基本回路より前記順番を正順に先行して(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号と、が入力され、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングで、それぞれオンされていてもよい。
【0011】
(3)上記(1)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、前記ロー電圧印加スイッチング回路は、前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を複数備え、各前記ロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、前記ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線のいずれかが、接続されていてもよい。
【0012】
(4)上記(2)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、前記ロー電圧印加スイッチング回路は、前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を複数備え、1の前記ロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、前記信号ロー期間に応じてオン電圧になるとともに、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングに応じてオフ電圧となる、制御信号が印加されてもよい。
【0013】
(5)上記(4)に記載のゲート信号線駆動回路であって、該基本回路より前記順番の逆順に遡って(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号と、該基本回路より前記順番の正順に先行して(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号とのいずれかによって、前記制御信号はオフ電圧となってもよい。
【0014】
(6)上記(4)又は(5)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、前記ハイ電圧印加スイッチ回路のスイッチに対して、前記オフ信号印加スイッチング回路と並列に接続される第2オフ信号印加スイッチング回路を、さらに備え、前記第2オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、前記制御信号が印加されてもよい。
【0015】
(7)本発明に係るゲート信号線駆動回路は、所定の周期でありかつ互いに位相が異なるとともに順番にハイ電圧になる4相のクロック信号が、順方向走査においては前記順番と正順に、逆方向走査においては前記順番と逆順に、それぞれ入力される4本のクロック信号線を備えるとともに、前記4本のクロック信号線が接続されるとともに、信号ハイ期間にハイ電圧になり、前記信号ハイ期間以外の期間である信号ロー期間にロー電圧になるゲート信号を、出力端子より出力する、基本回路を、複数備える、ゲート信号線駆動回路において、各前記基本回路は、前記4本のクロック信号線のいずれかのクロック信号線が入力側に接続されるとともに、オン状態にあっては、該クロック信号線に印加される電圧を前記出力端子に印加する、ハイ電圧印加スイッチング回路と、前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオフ電圧を印加するオフ信号印加スイッチング回路と、を備え、前記オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、該クロック信号線に入力されるクロック信号に対して逆相となるクロック信号が入力されるクロック信号線が接続される、ことを特徴としてもよい。
【0016】
(8)上記(7)に記載のゲート信号線駆動回路であって、前記複数の基本回路は、各前記基本回路の前記ハイ電圧印加スイッチング回路に、前記4本のクロック信号線のうち1本のクロック信号線が前記順番に繰り返して接続されており、各前記基本回路は、前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオン電圧を印加するオン信号印加回路を、さらに備え、前記オン信号印加回路は、該基本回路の前段の基本回路のゲート信号と、該基本回路の後段の基本回路のゲート信号と、が入力され、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングで、それぞれオンされてもよい。
【0017】
(9)上記(7)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、前記ロー電圧印加スイッチング回路は、前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を3つ備え、各前記ロー電圧印加回路素子のスイッチに、前記ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線のいずれかが、接続されてもよい。
【0018】
(10)上記(8)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、前記ロー電圧印加スイッチング回路は、前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を複数備え、1の前記ロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、前記信号ロー期間に応じてオン電圧になるとともに、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングに応じてオフ電圧となる、制御信号が印加されてもよい。
【0019】
(11)上記(10)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路の前記オン信号印加回路は、該基本回路の前記前段の基本回路のゲート信号と、該基本回路の後段の基本回路のゲート信号とのいずれかによって、前記制御信号はオフ電圧となってもよい。
【0020】
(12)上記(10)又は(11)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、前記ハイ電圧印加スイッチ回路のスイッチに対して、前記オフ信号印加スイッチング回路と並列に接続される第2オフ信号印加スイッチング回路を、さらに備え、前記第2オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、前記制御信号が印加されてもよい。
【0021】
(13)上記(10)又は(11)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、前記ハイ電圧印加スイッチ回路のスイッチに対して、前記オフ信号印加スイッチング回路と並列に接続されるとともに、直列に接続される第1及び第2のスイッチング素子を備える、第2オフ信号印加スイッチング回路を、さらに備え、前記第1のスイッチング素子のスイッチに、該基本回路の前段の基本回路の前記制御信号が、前記第2のスイッチング素子のスイッチに、該基本回路の後段の基本回路の前記制御信号が、印加されてもよい。
【0022】
(14)上記(10)又は(11)に記載のゲート信号線駆動回路であって、各前記基本回路は、前記ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線と接続されるとともに、前記制御信号の電圧を昇圧する、チャージポンプ回路を、さらに備えていてもよい。
【0023】
(15)本発明に係る表示装置は、上記(1)乃至(14)のいずれかに記載のゲート信号線駆動回路を備える表示装置であってもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、回路規模の増大を抑制しつつ、ゲート信号におけるノイズが抑制されるゲート信号線駆動回路、及び、それを用いた表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るTFT基板の等価回路の概念図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るシフトレジスタ回路のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るシフトレジスタ回路のブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るシフトレジスタ回路のm番目の基本回路の回路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るシフトレジスタ回路が、順方向走査をする際の駆動を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るシフトレジスタ回路が、逆方向走査をする際の駆動を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るシフトレジスタ回路のm番目の基本回路の回路図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るシフトレジスタ回路が、順方向走査をする際の駆動を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るシフトレジスタ回路のブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るシフトレジスタ回路のm番目の基本回路の回路図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るシフトレジスタ回路が、順方向走査をする際の駆動を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るシフトレジスタ回路のm番目の基本回路の回路図である。
【図15】本発明の実施形態に係る他の一例を示す液晶表示装置に備えられるTFT基板の等価回路の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る表示装置は、たとえば、IPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であって、図1に示す液晶表示装置の全体斜視図の通り、TFT(Thin Film Transistor)基板102と、当該TFT基板102に対向し、カラーフィルタが設けられたフィルタ基板101と、当該両基板に挟まれた領域に封入された液晶材料と、TFT基板102のフィルタ基板101側と反対側に接して位置するバックライト103と、を含んで構成されている。ここで、TFT基板102には、後述する通り、ゲート信号線105、映像信号線107、画素電極110、コモン電極111、及び、TFT109などが配置される(図3参照)。
【0027】
図2は、当該実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック構成図である。TFT基板102に、FPC136(フレキシブルプリント基板)が圧着により接続されており、FPC136を介して、外部より制御信号がTFT基板102に入力される。
【0028】
TFT基板102に、表示部120、ドライバIC134、RGBスイッチ回路106、ゲート信号線駆動回路104が、備えられている。ゲート信号線駆動回路104は、表示部120の両側それぞれに、配置されている。ゲート信号線駆動回路104は、ドライバIC134より制御信号が入力される。
【0029】
図3は、当該実施形態に係るTFT基板102の等価回路の概念図である。図3において、TFT基板102には、ゲート信号線駆動回路104に接続された多数のゲート信号線105が、互いに等間隔をおいて図中横方向に延びている。
【0030】
ゲート信号線駆動回路104には、シフトレジスタ制御回路114と、シフトレジスタ回路112が備えられており、シフトレジスタ制御回路114は、シフトレジスタ回路112に対して、後述する制御信号115を出力している。なお、シフトレジスタ制御回路114は、ドライバIC134に内蔵されていてもよく、その場合、ドライバIC134より、制御信号115がゲート信号線駆動回路104に入力される。
【0031】
シフトレジスタ回路112には、複数のゲート信号線105それぞれに対応して、基本回路SRが複数備えられている。例えば、ゲート信号線105が800本存在しているとき、同じく、基本回路SRが800個、シフトレジスタ回路112に備えられる。シフトレジスタ制御回路114から入力される制御信号115により、各基本回路SRは、1フレーム期間のうち、対応するゲート走査期間(信号ハイ期間)にはハイ電圧となり、それ以外の期間(信号ロー期間)にはロー電圧となるゲート信号を、対応するゲート信号線105に出力している。
【0032】
また、RGBスイッチ回路106に接続された多数の映像信号線107が互いに等間隔をおいて図中縦方向に延びている。そして、これらゲート信号線105及び映像信号線107により碁盤状に並ぶ画素領域がそれぞれ区画されている。また、各ゲート信号線105と平行にコモン信号線108が図中横方向に延びている。
【0033】
ゲート信号線105及び映像信号線107により区画される各画素領域の隅には、TFT109が形成されており、映像信号線107と画素電極110に接続されている。また、TFT109のゲート電極は、ゲート信号線105と接続されている。各画素領域には、画素電極110に対向してコモン電極111が形成されている。
【0034】
以上の回路構成において、各画素回路のコモン電極111にコモン信号線108を介して基準電圧が印加される。また、ゲート信号線105によりTFT109のゲートにゲート電圧が選択的に印加されることにより、TFT109を流れる電流が制御される。ゲートに選択的にゲート電圧が印加されたTFT109を通じて、映像信号線107に供給された映像信号の電圧が選択的に、画素電極110に印加される。これにより、画素電極110とコモン電極111との間に電位差が生じ、液晶分子の配向などを制御し、それにより、バックライト103からの光を遮蔽の度合を制御し、画像を表示することとなる。
【0035】
図3では、簡単の説明のために、シフトレジスタ回路112は、図3において、左片側にのみ図示されているが、前述の通り、実際には、シフトレジスタ回路112の基本回路SRは、表示領域の左右両側に配置され、例えば、ゲート信号線105が800本あるとすると、両側にそれぞれ複数配置された基本回路SRによって、例えば、左側の基本回路SRは奇数番目の信号線に、右側の基本回路SRは偶数番目の信号線に、それぞれゲート信号を供給している。
【0036】
図4は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のブロック図である。前述の通り、シフトレジスタ回路112の基本回路SRは表示部120の両側に配置され、奇数番目の基本回路SRが図4の左側に、偶数番目の基本回路SRが図4の右側に配置される。基本回路SRは、それぞれ、表示部120へゲート信号を出力している。シフトレジスタ回路112に入力される制御信号115は、4相のクロック信号VCKと、ロー電圧電源線VGLと、補助信号VSTである。
【0037】
ここで、一般に、n相のクロック信号VCKについて説明する。n相のクロック信号VCKは、ともに、所定の周期Tで、互いに位相が異なるクロック信号である。クロック信号の周期をTとして、n相のクロック信号VCKの場合、1周期Tは、T/nの期間に細分化することが出来る。T/nの期間を1クロックと呼ぶこととすると、1周期Tは、nクロックからなっている。
【0038】
n相のクロック信号VCKは、順番にハイ電圧になるよう、並んでいる。あるクロックを第1クロックとして、第1クロックにハイ電圧となるクロック信号を、クロック信号VCKとする。すると、ある1周期Tの期間において、クロック信号VCK,VCK,VCK,・・・VCKは、第1クロック、第2クロック、第3クロック、・・・、第nクロックに、順にハイ電圧になっており、この順番に並ぶn相のクロック信号を考える。
【0039】
4相のクロック信号VCKが、4本のクロック信号線CLに、それぞれ入力される。各基本回路SRに、4本のクロック信号線CLと、ロー電圧電源線VGLとが、接続されている。また、補助信号VSTが、1番目の基本回路SR1の入力端子IN1に入力される。
【0040】
ここで、m番目の基本回路をSR(m)と記すと、m番目の基本回路SR(m)より出力されるゲート信号Gが、m−1番目の基本回路SR(m−1)の入力端子IN2と、m+1番目の基本回路SR(m+1)の入力端子IN1とに、入力される。
【0041】
図5は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のブロック図であるが、説明を簡単とするために、シフトレジスタ回路112が、1列に並ぶ8個の基本回路SRによって構成されている場合について表している。
【0042】
m番目の基本回路SR(m)について説明する。m番目の基本回路SR(m)の出力端子OUTよりゲート信号をGが出力される。m番目の基本回路SR(m)の入力端子IN1には、前段であるm−1番目の基本回路SR(m−1)のゲート信号Gm−1が、入力端子IN2には、後段であるm+1番目の基本回路SR(m+1)のゲート信号Gm+1が、それぞれ入力される。なお、1番目の基本回路SR1の入力端子IN1と、8番目の基本回路SR8の入力端子IN2とに、補助信号VSTが入力される。
【0043】
mを4で割った余りをkとすると(ただし、割り切れる場合には4)、すなわち、k={(m−1)mod4}+1、とすると、4本のクロック信号線CLのうち、接続されるクロック信号線CLから入力されるクロック信号をCK(m)と記す。同様に、クロック信号線CLk+1,CLk+2,CLk+3から入力されるクロック信号が、それぞれ、CK(m+1),CK(m+2),CK(m+3)と記す。なお、CLのnの値が1から4以外の整数である場合については、CLn−4=CL=CLn+4の関係により、1以上4以下の整数となるよう換算すればよい。
【0044】
ゲート信号線駆動回路104は、双方向の走査が可能であり、順方向走査を行うのか、逆方向走査を行うのかは、4本のクロック信号線CLに入力される4相のクロック信号VCKによって制御される。順方向走査を行う場合には、時間経過とともに順番にハイ電圧になる4相のクロック信号VCK,VCK,VCK,VCKが、この順番と正順に、4本のクロック信号線CL,CL,CL,CLに入力される。図5には、4本のクロック信号線CLに、4相のクロック信号VCKが、クロック信号の順番と正順に入力される場合について、すなわち、順方向走査を行う場合について、示している。逆方向走査を行う場合には、4相のクロック信号VCK,VCK,VCK,VCKが、この順番と逆順に、4本のクロック信号線CL,CL,CL,CLに入力される。すなわち、クロック信号線CLにクロック信号VCKが、クロック信号線CLにクロック信号VCKが、クロック信号線CLにクロック信号VCKが、クロック信号線CLにクロック信号VCKが、それぞれ入力される。
【0045】
図6は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のm番目の基本回路SR(m)の回路図である。
【0046】
本発明の特徴は、ハイ電圧印加スイッチング回路(トランジスタT4)のスイッチ(ゲート)に印加されるノードNを、クロック信号CK(m+2)によって制御されるオフ信号印加スイッチング回路(トランジスタT3)が、オフ電圧にするところにある。クロック信号CK(m+2)は、クロック信号CK(m)の逆相となるクロック信号である。ゲート信号線駆動回路104が、順方向走査する場合であっても、逆方向走査する場合であっても、クロック信号CK(m)がハイ電圧となり、出力するゲート信号Gがハイ電圧となってから、クロック信号の半周期(T/2)、すなわち、2クロック後に、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるので、どちらの方向に走査する場合であっても、クロック信号CK(m+2)によって、オフ信号印加スイッチング回路を制御することができる。
【0047】
接続されるクロック信号線に印加されるクロック信号の電圧を、出力端子OUTに印加するハイ電圧印加スイッチング回路とは、トランジスタT4であり、ハイ電圧印加スイッチング回路(トランジスタT4)のスイッチ(ゲート)に印加される電圧がノードNである。ノードNがハイ電圧のとき、トランジスタT4はオン状態である。トランジスタT4の入力側に、クロック信号CK(m)が入力されるので、オン状態となっているトランジスタT4は、クロック信号CK(m)の電圧を、出力端子OUTに印加する。
【0048】
オフ電圧であるロー電圧をノードNに印加するオフ信号印加スイッチング回路とは、トランジスタT3であり、トランジスタT3のゲートに、クロック信号CK(m+2)が入力される。トランジスタT3の入力側は、ロー電圧電源線VGLが接続され、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるとき、トランジスタT3はオン状態となり、オン状態のトランジスタT3は、ロー電圧電源線VGLのロー電圧をノードNに印加する。
【0049】
オン電圧であるハイ電圧をノードNに印加するオン信号印加回路12とは、ノードNに対して並列に接続される2個のトランジスタT1,T2である。トランジスタT1,T2は、ともに、ダイオード接続されており、それぞれに入力されるゲート信号Gm−1,Gm+1がハイ電圧となるとき、トランジスタT1,T2は、それぞれ、ハイ電圧をノードNに印加する。
【0050】
ロー電圧を出力端子OUTに印加するロー電圧印加スイッチング回路11とは、出力端子OUTに対して並列に接続される3個のロー電圧印加スイッチング素子(トランジスタT5,T6,T7)である。トランジスタT5,T6,T7のゲートに、それぞれ、クロック信号CK(m+1),CK(m+2),CK(m+3)が入力される。すなわち、3個のトランジスタT5,T6、T7のゲートには、ハイ電圧印加スイッチング回路に入力されるクロック信号CK(m)以外のクロック信号のいずれかが入力される。トランジスタT5,T6,T7の入力側は、ともに、ロー電圧電源線VGLが接続され、クロック信号CK(m+1),CK(m+2),CK(m+3)がそれぞれハイ電圧となるとき、トランジスタT5,T6,T7はそれぞれオン状態となり、オン状態のトランジスタT5,T6,T7はそれぞれ、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を、出力端子OUTに印加する。
【0051】
図7は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112が、順方向走査をする際の駆動を示す図である。図7には、順方向走査をする際に、基本回路SRに入力される入力信号と、基本回路SRのノードNと、基本回路SRからの出力信号であるゲート信号Gが、時間経過とともに示されている。図に矢印で示す期間(クロック)を、それぞれP,P,P,P,Pとする。
【0052】
ここで、入力信号は、補助信号VSTと、4相のクロック信号VCKである。前述の通り、1番目の基本回路SR1の入力端子IN1と、8番目の基本回路SR8の入力端子IN2とに、補助信号VSTが入力される。また、図7には、4本のクロック信号線CLに印加される電圧が示されている。
【0053】
図7は順方向走査をする場合について示してあり、4本のクロック信号線CLに、4相のクロック信号VCKが、4相に並ぶ順番と正順に、それぞれ入力されている。例えば、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間P経過後も、これを繰り返している。
【0054】
m番目の基本回路SR(m)に入力される4相のクロック信号CK(m)は、前述の通り、クロック信号CK(m)はクロック信号線CLより入力されるクロック信号であり、クロック信号CK(m+1)はクロック信号線CLk+1より入力されるクロック信号であり、クロック信号CK(m+2)はクロック信号線CLk+2より入力されるクロック信号であり、クロック信号CK(m+3)はクロック信号線CLk+3より入力されるクロック信号である。ここで、前述の通り、k={(m−1)mod4}+1,CLk−4=CL=CLk+4である。すなわち、クロック信号線CLの電圧は、1番目及び5番目の基本回路SRのクロック信号CK(m)を、クロック信号線CLの電圧は、2番目及び6番目の基本回路SRのクロック信号CK(m)を、クロック信号線CLの電圧は、3番目及び7番目の基本回路SRのクロック信号CK(m)を、クロック信号線CLの電圧は、4番目及び8番目の基本回路SRのクロック信号CK(m)を、それぞれ示している。
【0055】
ここで、8個の基本回路SRのハイ電圧印加スイッチング回路(トランジスタT4)の入力側に接続されるクロック信号線CLについて、説明する。一般に、m番目の基本回路SR(m)のトランジスタT4に入力されるクロック信号は、クロック信号CK(m)であり、クロック信号CK(m)が入力されるクロック信号線はクロック信号線CLである。すなわち、1番目から8番目までの8個の基本回路SRのトランジスタT4の入力側に接続されるクロック信号線CLは、順に、クロック信号線CL,CL,CL,CL,CL,CL,CL,CLである。すなわち、クロック信号VCK,VCK,VCK,VCK,と、順番にハイ電圧になる4相のクロック信号VCKがあり、順方向走査においてはこの順番と正順に(この順番に従って)、それぞれ入力される、クロック信号線CL,CL,CL,CLという4本のクロック信号線CLがある。8個の基本回路SRのハイ電圧印加スイッチング回路に、この順番に従って、順に、4本のクロック信号線CLが接続されており、この順番に従って、8個の基本回路SRを、1番目から8番目まで番号付けすることが出来る。一度、このように番号付けを行うと、m番目の基本回路SR(m)にとって、前段の基本回路SRとは、番号の1つ小さい、m−1番目の基本回路SR(m−1)を指しているし、後段の基本回路SRとは、番号の1つ大きい、m+1番目の基本回路SR(m+1)を指すこととなる。
【0056】
以下、図7に示す各信号の時間変化とともに、順方向走査がされる際の、8個の基本回路SRの動作について説明する。
【0057】
期間Pより前の期間において、8個の基本回路SRそれぞれのノードNは、ロー電圧に維持されている。すなわち、期間Pの始まりの時刻において、8個の基本回路SRそれぞれのノードNは、ロー電圧である。
【0058】
期間Pに、クロック信号線CLがハイ電圧となっており、他のクロック信号線CLはロー電圧である。そして、期間Pの途中にある時刻で、補助信号VSTが、ロー電圧からハイ電圧に変化している。この時刻において、1番目の基本回路SR1の入力端子IN1と8番目の基本回路SR8の入力端子IN2が、ロー電圧からハイ電圧に変化し、1番目の基本回路SR1において、トランジスタT1がオンされ、オン状態のトランジスタT1は、ノードNにハイ電圧を印加する。同様に、8番目の基本回路SR8において、トランジスタT2がオンされ、オン状態のトランジスタT2は、ノードNにハイ電圧を印加する。よって、図7には、1番目の基本回路SR1と8番目の基本回路SR8のノードNは、ともに、この時刻にロー電圧からハイ電圧に変化する状態が示されている。
【0059】
期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、これに対応するクロック信号は、1番目の基本回路SR1において、クロック信号CK(m+3)であり、8番目の基本回路SR8において、クロック信号CK(m)である。すなわち、期間Pに、1番目の基本回路SRにおいて、トランジスタT7がオン状態となっており、オン状態のトランジスタT7は、出力端子OUTに、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を印加している。また、期間Pに、8番目の基本回路SRにおいて、トランジスタT4に入力されるクロック信号CK(m)がハイ電圧になっている。しかし、期間Pの始まりの時刻において、ノードNはロー電圧となっており、トランジスタT4はオフ状態となっており、オフ状態のトランジスタT4は、クロック信号CK(m)のハイ電圧を出力端子OUTに印加しない。その後、期間Pの途中の時刻で、ノードNはロー電圧からハイ電圧に変化する。その際、トランジスタT4の入力側はクロック信号CK(m)のハイ電圧であり、トランジスタT4のゲートが、ロー電圧からハイ電圧に変化しても、トランジスタT4がオン状態になるまでには有限の時間がかかり、トランジスタT4が出力端子OUTにクロック信号CK(m)のハイ電圧を十分に印加するには至らない。よって、8個の基本回路SRが出力するゲート信号Gは、期間Pにおいて、すべてロー電圧である。
【0060】
期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、これに対応するクロック信号は、1番目の基本回路SR1において、クロック信号CK(m)であり、8番目の基本回路SR8において、クロック信号CK(m+1)である。そして、期間Pに、補助信号VSTがロー電圧となっており、1番目の基本回路SR1のトランジスタT1と8番目の基本回路SR8のトランジスタT2は、ともにオフ状態である。しかし、1番目の基本回路SR1及び8番目の基本回路SR8のノードNは、その後も、ともにハイ電圧で維持される。
【0061】
1番目の基本回路SR1において、期間Pに、クロック信号CK(m)がハイ電圧となり、オン状態のトランジスタT4は、クロック信号CK(m)のハイ電圧を出力端子OUTに印加する。よって、1番目の基本回路SR1が出力端子OUTより出力するゲート信号Gは、期間Pにハイ電圧となる。
【0062】
また、期間Pに、他のクロック信号CK(m+1),CK(m+2),CK(m+3)はともに、ロー電圧となっており、ロー電圧印加スイッチング回路11の3個のトランジスタT5,T6,T7はともにオフ状態となっており、オフ状態の3個のトランジスタT5,T6,T7は、ともに、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を出力端子OUTに印加していない。
【0063】
ここで、実際には、トランジスタT1,T2に、閾値電圧Vthが存在するために、期間Pにおいて、ノードNは、入力される補助信号VSTの電圧から、トランジスタT1の閾値電圧Vthを減じた電圧となってしまう。この電圧では、期間Pにおいて、トランジスタT4を十分にオンすることが出来ない場合もあり得るので、トランジスタT4のゲートと出力側の間には、寄生容量C(図示せず)が発生するように、基本回路SRのトランジスタT4は形成されている。期間Pに、ノードNの電圧はハイ電圧となっており、この電圧が寄生容量Cに充電されている。期間Pの始まりの時刻において、ノードNはハイ電圧に維持され、トランジスタT4はオン状態で維持される。オン状態のトランジスタT4の入力側に、ハイ電圧となるクロック信号CK(m)が入力され、トランジスタT4はハイ電圧を出力側に印加する。その際、寄生容量Cの容量カップリングにより、出力側の電圧に寄生容量Cの電圧を加えた電圧に、ノードNは昇圧される。これは、ブートストラップ電圧と呼ばれている。これにより、トランジスタT4は十分にオン状態となり、出力端子OUTより出力されるゲート信号Gは、入力されるクロック信号CK(m)のハイ電圧とほぼ同電圧に昇圧される。図7には、例えば期間Pに、1番目の基本回路SR1のノードNが、クロック信号線CLがハイ電圧となっている期間に、さらにハイ電圧となっている状態が示されている。なお、トランジスタT4において、ゲートと出力側の間に生じる寄生容量が大きく、ゲートと入力側の間に生じる寄生容量が小さくなるよう、トランジスタT4が形成されるのが望ましい。また、ゲートと出力側の間に存在する寄生容量が十分に大きくない場合は、ゲートと出力側の間に、容量を配置してやればよい。
【0064】
一方、8番目の基本回路SR8において、期間Pに、クロック信号CK(m)はロー電圧となっており、クロック信号CK(m+1)がハイ電圧となっている。このとき、オン状態のトランジスタT4は、クロック信号CK(m)のロー電圧を出力端子OUTに印加する。さらに、クロック信号CK(m+1)がハイ電圧となっており、トランジスタT5はオン状態となり、オン状態のトランジスタT5は、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を出力端子OUTに印加する。すなわち、2個のトランジスタT4,T5が、ロー電圧を出力端子OUTに印加しており、出力端子OUTより出力されるゲート信号Gはロー電圧である。
【0065】
以上により、期間Pにおいて、1番目の基本回路SR1より出力されるゲート信号Gのみがハイ電圧となっており、他の基本回路SRより出力されるゲート信号Gは、ロー電圧に維持されている。さらに、1番目の基本回路SR1より出力されるゲート信号Gは、2番目の基本回路SR2の入力端子IN1に入力されており、期間Pに、2番目の基本回路SR2において、トランジスタT1はオン状態となっており、オン状態のトランジスタT1は、ハイ電圧をノードNに印加する。
【0066】
期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、これに対応するクロック信号は、1番目の基本回路SR1において、クロック信号CK(m+1)であり、2番目の基本回路SR2において、クロック信号CK(m)であり、8番目の基本回路SR8において、クロック信号CK(m+2)である。
【0067】
2番目の基本回路SR2において、期間Pに、入力端子IN1より入力されるゲート信号Gがハイ電圧となっており、トランジスタT1がオン状態となっており、オン状態のトランジスタT1がノードNにハイ電圧を印加する。ノードNがハイ電圧になっており、トランジスタT4はオン状態となっている。よって、期間Pにおける1番目の基本回路SR1の動作と同様に、2番目の基本回路SR2において、期間Pに、オン状態のトランジスタT4は、クロック信号CK(m)のハイ電圧を出力端子OUTに印加し、2番目の基本回路SR2が出力端子OUTより出力するゲート信号Gは、期間Pにハイ電圧となる。同様に、2番目の基本回路SR2において、期間Pに、他のクロック信号CK(m+1),CK(m+2),CK(m+3)はともに、ロー電圧となっており、ロー電圧印加スイッチング回路11の3個のトランジスタT5,T6,T7はともにオフ状態となっており、オフ状態の3個のトランジスタT5,T6,T7は、ともに、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を出力端子OUTに印加していない。
【0068】
1番目の基本回路SR1において、期間Pに、入力端子IN2より入力されるゲート信号Gがハイ電圧となっており、トランジスタT2がオン状態となっており、オン状態のトランジスタT2がノードNにハイ電圧を印加し、ノードNはハイ電圧で維持される。ノードNがハイ電圧に維持され、トランジスタT4がオン状態に維持されているが、トランジスタT4に入力されるクロック信号CK(m)は期間Pにロー電圧となっており、オン状態のトランジスタT4は、クロック信号CK(m)のロー電圧を出力端子OUTに印加する。また、1番目の基本回路SR1において、期間Pに、クロック信号CK(m+1)がハイ電圧となっており、トランジスタT5がオン状態となっており、オン状態のトランジスタT5は、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を出力端子OUTに印加する。すなわち、1番目の基本回路SR1は、期間Pにハイ電圧となるゲート信号Gを出力する。そして、期間Pに、入力端子IN2に入力されるゲート信号Gはハイ電圧となっているにもかかわらず、ゲート信号Gは期間Pにロー電圧となっている。それゆえ、1番目の基本回路SR1は、期間Pを信号ハイ期間とし、それ以外の期間を信号ロー期間とするゲート信号Gを、出力端子OUTより出力している。
【0069】
期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、1番目の基本回路SR1において、これに対応するクロック信号はクロック信号CK(m+2)である。前述の通り、クロック信号VCKは、クロック信号VCKの逆相となるクロック信号であり、同様に、クロック信号CK(m+2)は、クロック信号CK(m)の逆相となるクロック信号である。
【0070】
1番目の基本回路SR1において、オフ信号印加スイッチング回路であるトランジスタT3のゲートに印加されるクロック信号CK(m+2)が、期間Pの始まりの時刻に、ロー電圧からハイ電圧に変化し、トランジスタT3はオンされ、オン状態のトランジスタT3はロー電圧をノードNに印加する。その結果、ノードNは、期間Pの始まりの時刻に、ハイ電圧からロー電圧に変化する。ノードNがロー電圧となっているとき、トランジスタT4はオフ状態となっている。図7には、1番目の基本回路SR1のノードNが、期間Pの始まりの時刻に、ハイ電圧からロー電圧に変化している状態が示されている。なお、同様に、8番目の基本回路SR8においても、クロック信号CK(m+2)が、期間Pの始まりの時刻に、ロー電圧からハイ電圧に変化するので、ノードNは、期間Pの始まりの時刻に、ハイ電圧からロー電圧に変化する。
【0071】
また、1番目の基本回路SR1において、期間Pに、ゲートにクロック信号CK(m+2)が入力されるトランジスタT6がオン状態となっており、オン状態のトランジスタT6はロー電圧を出力端子OUTに印加する。
【0072】
同様に、1番目の基本回路SR1において、期間Pに、ゲートにクロック信号CK(m+3)が入力されるトランジスタT7がオン状態となっており、オン状態のトランジスタT7はロー電圧を出力端子OUTに印加する。
【0073】
さらに、期間P経過後も、4相のクロック信号CK(m),CK(m+1),CK(m+2),CK(m+3)は、この順番の正順に、ハイ電圧となるのを繰り返す。クロック信号CK(m+1)がハイ電圧となっているとき、トランジスタT5はオン状態になっており、オン状態のトランジスタT5はロー電圧を出力端子OUTに印加する。クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となっているとき、トランジスタT6はオン状態になっており、オン状態のトランジスタT6は、ロー電圧を出力端子OUTに印加する。クロック信号CK(m+3)がハイ電圧となっているとき、トランジスタT7はオン状態になっており、オン状態のトランジスタT7は、ロー電圧を出力端子OUTに印加する。これを繰り返すことにより、信号ロー期間において、ゲート信号Gが安定的にロー電圧に維持される。
【0074】
また、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となっているとき、トランジスタT3はオン状態になっており、オン状態のトランジスタT3は、ロー電圧をノードNに印加する。ノードNは、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となる毎に、ロー電圧電源線VGLと接続されるので、信号ロー期間に応じて、ノードNが安定的にロー電圧に維持され、トランジスタT4が安定的にオフ状態に維持される。その結果、信号ロー期間に、トランジスタT4が、クロック信号CK(m)のハイ電圧を出力端子OUTに印加するのが抑制され、信号ロー期間におけるゲート信号Gのノイズが軽減される。
【0075】
ここで、例えば特許文献2に記載のシフトレジスタ回路のように、m番目の基本回路SR(m)において、オフ信号印加スイッチング回路であるトランジスタT3を、m−2番目の基本回路SR(m−2)が出力するゲート信号Gm−2及びm+2番目の基本回路SR(m+2)が出力するゲート信号Gm+2によってオンし、オン状態となるトランジスタT3がノードNにロー電圧を印加する場合を、図6に示す基本回路SRと比較する。ゲート信号Gは、一般に、1フレーム期間において、1期間(クロック)のみハイ電圧となっており、この場合、信号ロー期間を通じて、トランジスタT3をオン状態に維持するために、保持容量が必要となる。2個のゲート信号Gm−2,Gm+2のうち、いずれか後にハイ電圧となるゲート信号のハイ電圧によって、保持容量はハイ電圧に充電される。一度、保持容量に充電されるハイ電圧が、信号ロー期間を通じて、トランジスタT3のゲートに印加され、トランジスタT3がオン状態に維持される。しかし、時間経過とともに、保持容量に充電される電圧が低下すると、トランジスタT3が安定的にオン状態に維持されず、これに伴い、ノードNが十分にロー電圧に維持されない。その結果、信号ロー期間におけるゲート信号Gのノイズが増大してしまう。
【0076】
また、2個のゲート信号Gm−2,Gm+2によって、トランジスタT3をオンすることにより、2個のゲート信号Gm−2,Gm+2のいずれかによってもトランジスタT3をオンすることが出来るよう、スイッチング素子が2個必要となるところ、図6に示す基本回路SRにおいて、オフ信号印加スイッチング回路は、1個のトランジスタT3のみで構成されており、1個のトランジスタT3によってノードNの電圧をロー電圧に低下させることが出来る。
【0077】
なお、m番目の基本回路SR(m)においても、同様の動作をする。1番目の基本回路SR1の入力端子IN1に補助信号VSTが入力されているが、他のm番目の基本回路SR(m)においては、入力端子IN1に、m−1番目の基本回路SR(m−1)が出力するゲート信号Gm−1が入力される。この点を除いて、m番目の基本回路SR(m)の動作は、1番目の基本回路SR1の動作と基本的に同じである。
【0078】
すなわち、ゲート信号Gm−1がハイ電圧となることにより、ノードNがハイ電圧となり、トランジスタT4がオンされる。次の期間(クロック)に、m番目の基本回路SR(m)のゲート信号Gは、ハイ電圧となる。さらに次の期間(クロック)に、ゲート信号Gm+1が入力されるが、ノードNはハイ電圧に維持され、ゲート信号Gはロー電圧となる。さらに次の期間に、クロック信号CK(m+2)によって、ノードNはロー電圧となり、トランジスタT4はオフされる。その後、信号ロー期間に対応して、ノードNはロー電圧に維持される。
【0079】
これら動作を、mの値が大きくなる順番で、m番目の基本回路SR(m)が出力するゲート信号Gが順にハイ電圧となり、ゲート信号線駆動回路104は、順方向走査が可能となる。
【0080】
図8は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112が、逆方向走査をする際の駆動を示す図である。図8には、逆方向走査をする際に、基本回路SRに入力される入力信号と、基本回路SRのノードNと、基本回路SRからの出力信号であるゲート信号Gが、時間経過とともに示されている。図7と同様に、図に矢印で示す期間(クロック)を、それぞれP,P,P,P,Pとする。
【0081】
図8は逆方向走査する場合について示してあり、図7に示す場合と比べて、4本のクロック信号線CLに入力される4相のクロック信号VCKが異なっている。例えば、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間Pにクロック信号線CLがハイ電圧になり、期間P経過後も、これを繰り返している。
【0082】
以下、図8に示す各信号の時間変化とともに、逆方向走査がされる際の、8個の基本回路SRの動作について説明する。
【0083】
期間Pより前の期間における、8個の基本回路SRのノードNは、図7に示す場合と同じであり、すべてロー電圧に維持されている。すなわち、期間Pの始まりの時刻において、8個の基本回路SRのノードNは、すべてロー電圧である。
【0084】
期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、これに対応するクロック信号は、8番目の基本回路SR8において、クロック信号CK(m+3)であり、1番目の基本回路SR1において、クロック信号CK(m)である。すなわち、図7に示す場合において、1番目の基本回路SR1及び8番目の基本回路SR8の状態は、図8に示す場合において、8番目の基本回路SR8及び1番目の基本回路SR1の状態と、それぞれ基本的に同じである。
【0085】
期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、これに対応するクロック信号は、8番目の基本回路SR8において、クロック信号CK(m)であり、1番目の基本回路SR1において、クロック信号CK(m+1)である。
【0086】
よって、図7に示す場合は、期間Pに、1番目の基本回路SR1において、クロック信号CK(m)がハイ電圧となり、期間Pにハイ電圧となるゲート信号Gが出力されるのに対して、図8に示す場合は、期間Pに、8番目の基本回路SR8において、クロック信号CK(m)がハイ電圧となり、期間Pにハイ電圧となるゲート信号Gが出力される。これにより、順方向走査において、期間Pに、1番目の基本回路SR1より、最初のゲート信号Gが出力されるのに対して、逆方向走査において、期間Pに、8番目の基本回路SR8より、最初のゲート信号Gが出力される。
【0087】
期間Pに、ゲート信号Gがハイ電圧となっており、7番目の基本回路SR7において、トランジスタT2はオン状態となっており、オン状態のトランジスタT2は、ハイ電圧をノードNに印加する。期間Pに、クロック信号線CLに入力されるクロック信号VCKがハイ電圧となっており、これに対応するクロック信号線は、7番目の基本回路SR7において、クロック信号CK(m)である。期間Pに、オン状態のトランジスタT4は、クロック信号CK(m)のハイ電圧を出力端子OUTに印加し、期間Pに、ゲート信号Gがハイ電圧になり、以下、図8に示す通り、ゲート信号線駆動回路104は、逆方向走査が可能となる。
【0088】
以上、ゲート信号線駆動回路104が、順方向走査する場合及び及び逆方向走査する場合の動作について、それぞれ説明した。本発明により、順番にハイ電圧になる4相のクロック信号を、該順番と正順に4本のクロック信号線に入力することにより、順方向走査が、該順番と逆順に4本のクロック信号線に入力することにより、逆方向走査がそれぞれ可能となっている。
【0089】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る表示装置は、第1の実施形態に係る表示装置と、基本的には同じ構成をしている。第1の実施形態に係る表示装置との主な違いは、シフトレジスタ回路112の基本回路SRの構成にある。
【0090】
図9は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のm番目の基本回路SR(m)の回路図である。図6に示す第1の実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)との主な相違点は、ロー電圧印加スイッチング回路11の構成が異なる点と、第2オフ信号印加スイッチング回路(トランジスタT8)をさらに備える点にある。
【0091】
ロー電圧印加スイッチング回路11とは、出力端子OUTに対して並列に接続される3個のロー電圧印加スイッチング素子(トランジスタT5,T7,T10)である。図5に示す第1の実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)には、ゲートにクロック信号CK(m+2)が入力されるトランジスタT6を備えていたところ、図9に示す当該実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)には、トランジスタT10が備えられており、トランジスタT10の入力側はロー電圧電源線VGLに接続される。トランジスタT10のゲートに印加される電圧をノードNとすると、ノードNの電圧が、トランジスタT10の駆動を制御する制御信号となる。
【0092】
m番目の基本回路SR(m)には、ノードNに対して、並列に接続される、保持容量C,及び3個のトランジスタT11,T12,T13が、備えられている。トランジスタT13は、ダイオード接続されており、トランジスタT13に入力されるクロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるとき、トランジスタT13は、ハイ電圧をノードNに印加する。すなわち、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるとき、ノードNはハイ電圧となり、トランジスタT10はオン状態となる。オン状態のトランジスタT10はロー電圧を出力端子OUTに印加する。トランジスタT10のゲートに、トランジスタT13を介して、クロック信号CK(m+2)が入力されており、図6に示す第1の実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)のトランジスタT6と同じ役割を担っている。
【0093】
2個のトランジスタT11,T12のゲートは、それぞれ、入力端子IN1,IN2に接続される。トランジスタT11,T12の入力側は、ともに、ロー電圧電源線VGLが接続される。入力端子IN1に入力されるゲート信号Gm−1又は入力端子IN2に入力されるゲート信号Gm+1のいずれかがハイ電圧となるとき、2個のトランジスタT11,T12のいずれかがオン状態となり、2個のトランジスタT11,T12のうちオン状態となるトランジスタがロー電圧をノードNに印加する。
【0094】
保持容量Cは、ノードNとロー電圧電源線VGLの間に配置され、ノードNがハイ電圧となるとき、保持容量Cはハイ電圧に充電される。クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるとき、トランジスタT13は、ハイ電圧をノードNに印加する。その際に、保持容量Cはハイ電圧に充電される。クロック信号CK(m+2)がロー電圧となるとき、トランジスタT13はオフ状態にあるが、ハイ電圧に充電された保持容量Cにより、ノードNはハイ電圧に維持され、トランジスタT10はオン状態に維持され、オン状態のトランジスタT10はロー電圧を出力端子OUTに印加する。信号ロー期間に応じて、クロック信号CK(m+2)は、周期的にハイ電圧となるので、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となる毎に、保持容量Cはハイ電圧に充電されるので、信号ロー期間を通じて、ノードNはハイ電圧に安定的に維持され、ロー電圧印加スイッチング回路11は、信号ロー期間に応じて、ロー電圧電源線VGLのロー電圧を出力端子OUTに安定的に印加することが出来る。
【0095】
信号ハイ期間に応じて、ゲート信号Gm−1又はゲート信号Gm+1のいずれかがハイ電圧となるので、2個のトランジスタT11,T12のいずれかがオン状態となり、2個のトランジスタT11,T12のうちオン状態となるトランジスタによって、ハイ電圧となっているノードNがロー電圧へ変化される。ノードNがロー電圧となるとき、トランジスタT10はオフ状態となる。
【0096】
すなわち、ノードNは、信号ロー期間に応じて、オン電圧となるハイ電圧で維持され、信号ハイ期間に応じて、オフ電圧となるロー電圧となる。ここでは、ゲート信号Gm−1又はゲート信号Gm+1のいずれかがハイ電圧になるタイミングで、ノードNは、ハイ電圧からロー電圧へ変化する。
【0097】
第2オフ信号印加スイッチング回路とは、トランジスタT8であって、ノードNに対して、オフ信号印加スイッチング回路(T3)と並列に接続される。トランジスタT8のゲートには、ノードNが接続され、トランジスタT8の入力側はロー電圧電源線VGLに接続される。
【0098】
前述の通り、ノードNは、信号ロー期間に応じて、ハイ電圧で維持され、トランジスタT8はオン状態となっており、オン状態のトランジスタT8はロー電圧をノードNに印加するので、信号ロー期間に応じて、ノードNはロー電圧で安定的に維持され、トランジスタT4はオフ状態に安定的に維持される。これにより、信号ロー期間を通じて、クロック信号CK(m)の電圧が、トランジスタT4を介して、出力端子OUTに印加されるのが抑制され、ゲート信号線駆動回路104が出力するゲート信号のノイズが軽減される。さらに、ノードNは、信号ハイ期間に応じて、ロー電圧となり、トランジスタT8はオフ状態となる。
【0099】
図10は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112が、順方向走査をする際の駆動を示す図である。図10には、順方向走査をする際に、基本回路SRに入力される入力信号と、基本回路SRのノードN及びノードNが、時間経過とともに示されている。図7と同様に、図に矢印で示す期間(クロック)を、それぞれP,P,P,P,Pとする。図7に示す第1の実施形態に係る基本回路SRの動作に加えて、図10には、基本回路SRのノードNの電圧が表されている。
【0100】
信号ロー期間に応じて、基本回路SRのノードNはハイ電圧に、それぞれ維持されている。2番目の基本回路SR2を例に説明すると、2番目の基本回路SR2が出力するゲート信号Gは、期間Pにハイ電圧となる。2番目の基本回路SR2において、ゲート信号Gがハイ電圧となるタイミングでトランジスタT1がオンされ、期間Pの始まりの時刻に、ノードNはロー電圧からハイ電圧に変化する。そして、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるタイミングでトランジスタT3がオンされ、期間Pの始まりの時刻に、ノードNはハイ電圧からロー電圧に変化する。すなわち、2番目の基本回路SR2において、ノードNがハイ電圧となっているのは、期間P,P,Pの期間である。
【0101】
これに対して、信号ロー期間に応じて、基本回路SRのノードNはハイ電圧に、それぞれ維持されている。2番目の基本回路SR2において、ゲート信号Gがハイ電圧となるタイミングでトランジスタT11がオンされ、期間Pの始まりの時刻に、ノードNはハイ電圧からロー電圧に変化する。そして、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるタイミングでT13がオンされ、期間Pの始まりの時刻に、ノードNはロー電圧からハイ電圧に変化する。すなわち、2番目の基本回路SR2において、ノードNがロー電圧となっているのは、期間P,P,Pの期間であり、ノードNがハイ電圧となっているのは、期間P,P,P以外の期間である。
【0102】
当該実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)において、ノードNがロー電圧からハイ電圧に変化するタイミングで、ノードNがハイ電圧からロー電圧に変化する。同様に、ノードNがロー電圧からハイ電圧に変化するタイミングで、ノードNがハイ電圧からロー電圧に変化する。
【0103】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る表示装置は、第2の実施形態に係る表示装置と、基本的には同じ構成をしている。第2の実施形態に係る表示装置との主な違いは、シフトレジスタ回路112の基本回路SRの構成にある。
【0104】
図11は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のブロック図である。図5と同様に、説明を簡単とするために、シフトレジスタ回路112が、1列に並ぶ8個の基本回路SRによって構成されている場合について表している。
【0105】
基本回路SRには、4個の入力端子IN1,IN2,IN3,IN4と、2個の出力端子OUT1,OUT2とが備えられている。図5に示す基本回路SRと同様に、m番目の基本回路SR(m)は、出力端子OUT1より、ゲート信号Gを出力し、2個の入力端子IN1,IN2に、ゲート信号Gm−1及びゲート信号Gm+1が、それぞれ入力される。さらに、当該実施形態の特徴として、m番目の基本回路SR(m)は、出力端子OUT2より、ノードNの電圧N(m)を出力し、入力端子IN3に、m−1番目の基本回路SR(m−1)より出力されるノードNの電圧N(m−1)が、入力端子IN4に、m+1番目の基本回路SR(m+1)より出力されるノードNの電圧N(m+1)が、それぞれ入力される。なお、1番目の基本回路SR1の入力端子IN3には、1番目の基本回路SR1のノードNの電圧N(1)が、8番目の基本回路SR8の入力端子IN4には、8番目の基本回路SR8のノードNの電圧N(8)が、それぞれ入力される。
【0106】
図12は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のm番目の基本回路SR(m)の回路図である。図9に示す第2の実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)との主な相違点は、前述の通り、第2オフ信号印加スイッチング回路の構成と、第2オフ信号印加スイッチング回路の制御に、他の基本回路SRのノードNの電圧が用いられている点にある。
【0107】
第2オフ信号印加スイッチング回路13は、第2の実施形態と同様に、ノードNに対して、オフ信号印加スイッチング回路(T3)と並列に接続される。そして、当該実施形態の特徴として、第2オフ信号印加スイッチング回路13は、ノードNとロー電圧電源線VGLの間に、第1のスイッチング素子(T9)及び第2のスイッチング素子(T8)が直列に接続するよう配置されている。
【0108】
そして、前述の通り、m番目の基本回路SR(m)は、出力端子OUT2より、ノードNの電圧N(m)を出力する。さらに、m番目の基本回路SR(m)において、入力端子IN3に、m−1番目の基本回路SR(m−1)より出力されるノードNの電圧N(m−1)が、入力端子IN4に、m+1番目の基本回路SR(m+1)より出力されるノードNの電圧N(m+1)が、それぞれ入力される。
【0109】
第2オフ信号印加スイッチング回路13の2個のトランジスタT9,T8のゲートは、入力端子IN3,IN4にそれぞれ接続される。図9に示す第2の実施形態に係る第2オフ信号印加スイッチング回路であるトランジスタT8が、ノードNがハイ電圧となるときに、オン状態となっている。これに対して、図12に示す当該実施形態に係る第2オフ信号印加スイッチング回路13は、m−1番目の基本回路SR(m−1)のノードNの電圧N(m−1)と、m+1番目の基本回路SR(m+1)のノードNの電圧N(m+1)がともにハイ電圧となるときに、オン状態となっている。すなわち、直列に接続される2個のトランジスタT8,T9がともにオン状態となっているときのみ、第2オフ信号印加スイッチング回路13は、ロー電圧電源線VGLのロー電圧をノードNに印加する。
【0110】
図13は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112が、順方向走査をする際の駆動を示す図である。図13には、順方向走査をする際に、基本回路SRに入力される入力信号と、基本回路SRのノードNと、入力端子IN3とIN4の論理積が、時間経過とともに示されている。図に矢印で示す期間(クロック)を、それぞれP,P,P,P,P,Pとする。図7に示す第1の実施形態に係る基本回路SRの動作と比べて、図13には、基本回路SRの入力端子IN3と入力端子IN4の論理積が表されている。ここで、入力端子IN3,IN4の電圧がそれぞれ、ハイ電圧のときを1、ロー電圧のときを0として、入力端子IN3と入力端子IN4の論理積は、入力端子IN3,IN4がともに1であるときのみ1となり、それ以外の場合は0となる。
【0111】
m番目の基本回路SR(m)のノードNの電圧N(m)は、図10に示す通り、m番目の基本回路SR(m)のノードNがハイ電圧となっている期間に、ロー電圧となっており、それ以外の期間にハイ電圧となっている。
【0112】
例えば、電圧N(1)は、期間P,P,Pの期間にロー電圧に、それ以外の期間にハイ電圧となっている。同様に、電圧N(2)は、期間P,P,Pの期間にロー電圧に、それ以外の期間にハイ電圧と、N(3)は、期間P,P,P5-の期間にロー電圧に、それ以外の期間にハイ電圧と、なっている。
【0113】
2番目の基本回路SR2を例に考えると、2番目の基本回路SR2の入力端子IN3,IN4に、N(1)及びN(3)が、それぞれ入力される。よって、第2オフ信号印加スイッチング回路13の2個のトランジスタT8,T9がともにオン状態となるのは、前述の通り、入力端子IN3と入力端子IN4の論理積が1となるとき、すなわち、N(1)とN(3)の論理積が1となるときである。
【0114】
図13に示す通り、N(1)とN(3)の論理積は、期間P乃至期間Pの期間に0となり、それ以外の期間で1となる。期間Pの途中の時刻に、補助信号VSTがロー電圧からハイ電圧に変化し、この時刻に、N(1)がハイ電圧からロー電圧に変化し、N(1)とN(3)の論理積も1から0へ変化する。N(1)とN(3)の論理積が1であるときは、第2オフ信号印加スイッチング回路13はオン状態にあり、第2オフ信号印加スイッチング回路13はロー電圧をノードNに印加しているところ、この時刻に、トランジスタT9がオフされ、第2オフ信号印加スイッチング回路13はオフされる。これに対して、期間Pに、トランジスタT1に入力されるゲート信号Gがハイ電圧となっている。すなわち、第2オフ信号印加スイッチング回路13がオフされてから、次の期間(クロック)である期間Pの始まりの時刻に、トランジスタT1は、ゲート信号Gのハイ電圧をノードNに印加する。
【0115】
また、期間Pの始まりの時刻に、ゲート信号Gはハイ電圧からロー電圧に変化し、トランジスタT2はオフされる。これに対して、次の期間(クロック)である期間Pの始まりの時刻に、N(1)とN(3)の論理積が0から1へ変化して、第2オフ信号印加スイッチング回路13はオンされ、ロー電圧をノードNに印加する。
【0116】
図13に示す通り、一般に、基本回路SRにおいて、N(1)とN(3)の論理積が1から0へ変化して、1期間(クロック)後に、ノードNがロー電圧からハイ電圧に変化する。同様に、ノードNがハイ電圧からロー電圧に変化して、1期間(クロック)後に、N(1)とN(3)の論理積が0から1へ変化する。
【0117】
一般に、スイッチング素子がオフされてから、十分にオフ状態となるまでに有限の時間を必要とする。同様に、スイッチング素子がオンされてから、十分にオン状態となるまでに有限の時間を必要とする。
【0118】
第2オフ信号印加スイッチング回路13がオフされてから、オン信号印加回路12がオンされるまでに、期間を設けることにより、第2オフ信号印加スイッチング回路13が十分なオフ状態により近づいてから、オン信号印加回路12がオンされることが可能となり、第2オフ信号印加スイッチング回路13が十分にオフ状態となっていない場合に生じる貫通電流を抑制することが出来る。
【0119】
なお、図13に示す通り、1番目の基本回路SR1において、入力端子IN3と入力端子IN4の論理積は、N(1)とN(2)の論理積であり、8番目の基本回路SR8において、入力端子IN3と入力端子IN4の論理積は、N(7)とN(8)の論理積であり、他の基本回路SRと異なる時間変化を示している。
【0120】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る表示装置は、第3の実施形態に係る表示装置と、基本的には同じ構成をしている。第3の実施形態に係る表示装置との主な違いは、シフトレジスタ回路112の基本回路SRの構成にある。
【0121】
図14は、当該実施形態に係るシフトレジスタ回路112のm番目の基本回路SR(m)の回路図である。図12に示す第3の実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)との主な相違点は、チャージポンプ回路14を備えている点と、ノードNとハイ電圧印加スイッチング回路(T4)のスイッチとの間に、スイッチング素子(T18)を備えている点である。m番目の基本回路SR(m)に、ロー電圧電源線VGLに加えて、ハイ電圧電源線VGHが接続されている。ハイ電圧電源線VGHの電圧は、クロック信号CK(m)のハイ電圧より、さらに高い電圧である。
【0122】
図12に示すm番目の基本回路SR(m)に備えられるトランジスタT13の代わりに、図14に示す通り、当該実施形態に係るm番目の基本回路SR(m)は、チャージポンプ回路14を備えている。チャージポンプ回路14は、4個のトランジスタT14,T15,T16,T17と、昇圧容量Cとを、備えている。2個のトランジスタT16,T17は、ともに、ダイオード接続されており、それぞれに入力されるクロック信号CK(m+1)、CK(m+3)がハイ電圧となるとき、トランジスタT16,T17は、それぞれ、ハイ電圧をトランジスタT15の入力側に印加する。
【0123】
トランジスタT15のゲートには、ハイ電圧電源線VGHが接続されており、ゲート接地されている。トランジスタT15の出力側に、トランジスタT14の入力側が接続されている。トランジスタT14のゲートは、クロック信号CK(m+2)に接続され、トランジスタT14の出力側は、ノードNに接続されている。トランジスタT14のゲートと入力側に並列に、昇圧容量Cが配置される。
【0124】
これらの構成により、クロック信号CK(m+1),CK(m+3)がハイ電圧となるとき、昇圧容量C2に充電がされ、クロック信号CK(m+2)がハイ電圧となるとき、昇圧容量Cの容量カップリングにより、ノードNを、クロック信号CK(m)のハイ電圧よりさらに高い電圧に昇圧することが出来る。なお、チャージポンプ回路14に接続されるクロック信号線は、ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線である。
【0125】
また、ノードNとハイ電圧印加スイッチング回路(T4)のスイッチとの間に、トランジスタT18(スイッチング素子)が配置され、トランジスタT18のゲートには、ハイ電圧電源線VGHが接続されて、ゲート接地されている。トランジスタT18を配置することにより、ブートストラップ電圧によって、トランジスタT4のゲートの電圧が上昇したときであっても、トランジスタT18を介することにより、ノードNの急激な電圧上昇を抑制することが出来る。
【0126】
[第5の実施形態]
以上、本発明の実施形態に係るゲート信号線駆動回路104に備えられるシフトレジスタ回路112の基本回路SRに、4相のクロック信号が入力される場合について説明した。しかし、4相のクロック信号に限定されることはない。
【0127】
本発明の特徴は、ゲート信号Gにハイ電圧を供給するハイ電圧印加スイッチング回路(トランジスタT4)の入力側に入力されるクロック信号に対して、逆相となるクロック信号を用いて、ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチに印加されるノードNに、オフ電圧を印加するオフ信号印加スイッチング回路(トランジスタT3)のスイッチ(ゲート)を制御する、というものである。
【0128】
逆相となるクロック信号がハイ電圧となる毎に、オフ信号印加スイッチング回路のスイッチをオン状態として、オフ信号印加スイッチング回路がノードNにオフ電圧を印加する(リセット状態)。出力するゲート信号Gが信号ハイ期間でハイ電圧とするために、逆相となるクロック信号がハイ電圧となってから、再びハイ電圧となる間に、オン信号印加回路がノードNにオン信号を印加する必要がある。
【0129】
ゲート信号Gの信号ハイ期間を第mクロックとすると、第mクロックでは、ノードNがオン電圧となっている必要がある。4相のクロック信号を用いる場合、逆相となるクロック信号は、第mクロックの近傍では、第m−2クロックと第m+2クロックでハイ電圧となる。オン信号印加回路がノードNにオン信号を印加する動作を、順方向走査をする場合と、逆方向走査をする場合とに対応するためには、第m−1クロックと第m+1クロックに、行う必要がある。第1乃至第4の実施形態に係るゲート信号線駆動回路104は、4相のクロック信号を用いて、オン信号印加回路は、前段のゲート信号Gm−1及び後段のゲート信号Gm+1によって、第m−1クロックと第m+1クロックで、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングで、ノードNにオン信号を印加している。
【0130】
しかし、2n相のクロック信号(nは2以上の自然数)を用いることにより、さらに、自由度が高まる回路設計が可能である。例えば、n=3のとき、すなわち、6相のクロック信号を用いる場合、ゲート信号Gの信号ハイ期間が第mクロックであり、第mクロックの近傍で、逆相のクロック信号がハイ電圧となるのが、第m−3クロック及び第m+3クロックであるから、第mクロックの前であれば、第m−1クロック又は第m−2クロックのいずれかで、オン信号印加回路がノードNにオン信号を印加すればよい。第mクロックの後についても、同様である。
【0131】
一般に、ゲート信号Gの信号ハイ期間が第mクロックであり、逆相のクロック信号がハイ電圧となるのは、第m−nクロックと、第m+nクロックになる。オン信号印加回路がノードNにオン信号を印加する動作を、第m−(n−1)クロックから第m−1クロックまでの間に、少なくとも1期間(クロック)、行う必要がある。同様に、双方向スキャンの対称性を考慮して、第m+1クロックから第m+(n−1)クロックまでの間に、少なくとも1期間(クロック)、行う必要がある。
【0132】
ここで、複数の基本回路SRのハイ電圧印加スイッチング回路(トランジスタT4)の入力側に接続されるクロック信号線CL2nについて、説明する。複数の基本回路SRのハイ電圧印加スイッチング回路の入力側に接続されるクロック信号線CL2nには、順番にハイ電圧になる2n相のクロック信号が、順方向走査においてはこの順番と正順にそれぞれ入力される。複数の基本回路SRのハイ電圧印加スイッチング回路に、この順番に従って、順に、2n本のクロック信号線が接続されており、この順番に従って、複数の基本回路SRを順に順番付けすることが出来る。
【0133】
オン信号印加回路がノードNにオン信号を印加する動作を、第m−(n−1)クロックから第m−1クロックまでの間から、例えば、第m−iクロックに行うためには、ゲート信号Gm−iが、オン信号印加回路に入力されているとよい。同様に、第m+1クロックから第m+(n−1)クロックまでの間から、例えば、第m+iクロックに行うためには、ゲート信号Gm+iが、オン信号印加回路に入力されているとよい。ここで、iは1以上n−1以下の自然数である。すなわち、該基本回路SRから、順番付けした順番を逆順に遡って、第i番目の基本回路SRのゲート信号と、該基本回路SRから、順番付けした順番を正順に先行して、第i番目の基本回路SRのゲート信号とが、オン信号印加回路に入力されているとよい。
【0134】
例えば、図6に示すオン信号印加回路12において、ゲート信号Gm−1が入力されるトランジスタT1と、ゲート信号Gm+1が入力されるトランジスタT2が、ノードNに対して並列に接続されているが、2個のトランジスタの並列に限定されることはなく、オン信号印加回路に、さらに大きい数のトランジスタを並列に接続されていてもよい。その際は、対称性を鑑みて、mを中心として、ゲート信号Gm+i,Gm−iと対称的になるよう選択するのが望ましい。また、1クロックの期間で、オン信号印加回路が、ノードNにオン電圧を印加する動作が可能であれば、ゲート信号Gm−1,Gm+1がオン信号印加回路に入力されているのが望ましい。
【0135】
また、信号ロー期間に応じて、出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング回路は、図6に示すロー電圧印加スイッチング回路11と同様のものであってよい。2n相のクロック信号を用いる場合、ハイ電圧印加スイッチング回路に入力されるクロック信号と、オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに入力される、該クロック信号に逆相のクロック信号の2つのクロック信号以外の2(n−1)個のクロック信号のうち、必要に応じて、すべて又は一部のいずれかが、並列に接続される複数のロー電圧印加スイッチング素子のスイッチそれぞれに、接続されていればよい。
【0136】
さらに、ロー電圧印加スイッチング回路は、図9に示すロー電圧印加スイッチング回路11と同様のものであってもよい。複数のロー電圧印加スイッチング素子の少なくとも1のロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、制御信号となるノードNが接続されていてもよい。ここで、ノードNは、信号ロー期間に応じて、オン電圧となり、信号ハイ期間に応じて、オフ電圧となる制御信号である。ノードNを、信号ハイ期間に応じて、オフ電圧と変化させるのに、ゲート信号Gm−i,Gm+iを用いてもよい。
【0137】
さらに、ノードNに対してオフ信号印加スイッチング回路と並列に接続される第2オフ信号印加スイッチング回路が、図9に示す第2オフ信号印加スイッチング回路と同様のものであってもよい。第2オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、ノードNが接続されればよい。
【0138】
また、本実施形態に係るシフトレジスタ回路112は、図4に示す通り、表示部120の両側にそれぞれ複数の基本回路SRが配置される場合について説明した。ゲート信号線駆動回路104に備えられる基本回路SRを、表示部120の両側に配置することにより、狭額縁化が可能となる。しかし、例えば、表示部120の片側に配置されていてもよい。また、表示部120の片側に、4相のクロック信号VCKが入力される本実施形態に係るシフトレジスタ回路112を配置し、表示部120のもう片側に、該4相のクロック信号VCKnの半クロック分ずれた他の4相のクロック信号が入力されるシフトレジスタ回路を配置し、左右のシフトレジスタ回路により、半クロックずつ重なりのあるゲート信号を出力してもよい。また、その他の場合であっても、本発明が適用されることは言うまでもない。
【0139】
さらに、本発明の実施形態に係る表示装置において、上記では、図3に示す通り、IPS方式の液晶表示装置について説明しているが、本発明に係る表示装置は、VA(Vertically Aligned)方式やTN(Twisted Nematic)方式等、その他の駆動方式の液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置など、他の表示装置であってもよい。図15は、VA方式及びTN方式の液晶表示装置に備えられるTFT基板102の等価回路の概念図である。VA方式及びTN方式の場合には、コモン電極111がTFT基板102と対向するフィルタ基板101に設けられている。
【符号の説明】
【0140】
11 ロー電圧印加スイッチング回路、12 オン信号印加回路、13 オフ信号印加スイッチング回路、14 チャージポンプ回路、101 フィルタ基板、102 TFT基板、103 バックライト、104 ゲート信号線駆動回路、105 ゲート信号線、106 RGBスイッチ回路、107 映像信号線、108 コモン信号線、109 TFT、110 画素電極、111 コモン電極、112 シフトレジスタ回路、114 シフトレジスタ制御回路、115 制御信号、120 表示部、134 ドライバIC、136 FPC、C 寄生容量、C 昇圧容量、CK(m) クロック信号、G ゲート信号、IN1,IN2,IN3,IN4 入力端子、N,N ノード、OUT,OUT1,OUT2 出力端子、SR 基本回路、T1,T2,T3,T4,T5 トランジスタ、VCK クロック信号、VGH ハイ電圧電源線、VGL ロー電圧電源線、VST 補助信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周期でありかつ互いに位相が異なるとともに順番にハイ電圧になる2n相(nは2以上の自然数)のクロック信号が、順方向走査においては前記順番と正順に、逆方向走査においては前記順番と逆順に、それぞれ入力される2n本のクロック信号線を備えるとともに、
前記2n本のクロック信号線の少なくとも一部が接続されるとともに、信号ハイ期間にハイ電圧になり、前記信号ハイ期間以外の期間である信号ロー期間にロー電圧になるゲート信号を、出力端子より出力する、基本回路を、複数備える、
ゲート信号線駆動回路において、
各前記基本回路は、
前記2n本のクロック信号線のいずれかのクロック信号線が入力側に接続されるとともに、オン状態にあっては、該クロック信号線に印加される電圧を前記出力端子に印加する、ハイ電圧印加スイッチング回路と、
前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオフ電圧を印加するオフ信号印加スイッチング回路と、を備え、
前記オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、該クロック信号線に入力されるクロック信号に対して逆相となるクロック信号が入力されるクロック信号線が接続される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載のゲート信号線駆動回路であって、
前記複数の基本回路は、各前記基本回路の前記ハイ電圧印加スイッチング回路に、前記2n本のクロック信号線のうち1本のクロック信号線が前記順番に繰り返して接続されており、
各前記基本回路は、
前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオン電圧を印加するオン信号印加回路を、さらに備え、
前記オン信号印加回路は、該基本回路より前記順番を逆順に遡って(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号と、該基本回路より前記順番を正順に先行して(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号と、が入力され、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングで、それぞれオンされる、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項3】
請求項1に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記ロー電圧印加スイッチング回路は、
前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を複数備え、
各前記ロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、前記ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線のいずれかが、接続される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項4】
請求項2に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記ロー電圧印加スイッチング回路は、
前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を複数備え、
1の前記ロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、前記信号ロー期間に応じてオン電圧になるとともに、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングに応じてオフ電圧となる、制御信号が印加される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項5】
請求項4に記載のゲート信号線駆動回路であって、
該基本回路より前記順番の逆順に遡って(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号と、該基本回路より前記順番の正順に先行して(n−1)番目までのうち1の基本回路のゲート信号とのいずれかによって、前記制御信号はオフ電圧となる、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
前記ハイ電圧印加スイッチ回路のスイッチに対して、前記オフ信号印加スイッチング回路と並列に接続される第2オフ信号印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記第2オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、前記制御信号が印加される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項7】
所定の周期でありかつ互いに位相が異なるとともに順番にハイ電圧になる4相のクロック信号が、順方向走査においては前記順番と正順に、逆方向走査においては前記順番と逆順に、それぞれ入力される4本のクロック信号線を備えるとともに、
前記4本のクロック信号線が接続されるとともに、信号ハイ期間にハイ電圧になり、前記信号ハイ期間以外の期間である信号ロー期間にロー電圧になるゲート信号を、出力端子より出力する、基本回路を、複数備える、
ゲート信号線駆動回路において、
各前記基本回路は、
前記4本のクロック信号線のいずれかのクロック信号線が入力側に接続されるとともに、オン状態にあっては、該クロック信号線に印加される電圧を前記出力端子に印加する、ハイ電圧印加スイッチング回路と、
前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオフ電圧を印加するオフ信号印加スイッチング回路と、を備え、
前記オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、該クロック信号線に入力されるクロック信号に対して逆相となるクロック信号が入力されるクロック信号線が接続される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項8】
請求項7に記載のゲート信号線駆動回路であって、
前記複数の基本回路は、各前記基本回路の前記ハイ電圧印加スイッチング回路に、前記4本のクロック信号線のうち1本のクロック信号線が前記順番に繰り返して接続されており、
各前記基本回路は、
前記ハイ電圧印加スイッチング回路のスイッチにオン電圧を印加するオン信号印加回路を、さらに備え、
前記オン信号印加回路は、該基本回路の前段の基本回路のゲート信号と、該基本回路の後段の基本回路のゲート信号と、が入力され、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングで、それぞれオンされる、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項9】
請求項7に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記ロー電圧印加スイッチング回路は、
前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を3つ備え、
各前記ロー電圧印加回路素子のスイッチに、前記ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線のいずれかが、接続される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項10】
請求項8に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
ロー電圧を前記出力端子に印加するロー電圧印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記ロー電圧印加スイッチング回路は、
前記出力端子に対して並列に接続されるとともにそれぞれが前記出力端子にロー電圧を印加するロー電圧印加スイッチング素子を複数備え、
1の前記ロー電圧印加スイッチング素子のスイッチに、前記信号ロー期間に応じてオン電圧になるとともに、該ゲート信号のいずれかがハイ電圧になるタイミングに応じてオフ電圧となる、制御信号が印加される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項11】
請求項10に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路の前記オン信号印加回路は、該基本回路の前記前段の基本回路のゲート信号と、該基本回路の後段の基本回路のゲート信号とのいずれかによって、前記制御信号はオフ電圧となる、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
前記ハイ電圧印加スイッチ回路のスイッチに対して、前記オフ信号印加スイッチング回路と並列に接続される第2オフ信号印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記第2オフ信号印加スイッチング回路のスイッチに、前記制御信号が印加される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項13】
請求項10又は請求項11に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
前記ハイ電圧印加スイッチ回路のスイッチに対して、前記オフ信号印加スイッチング回路と並列に接続されるとともに、直列に接続される第1及び第2のスイッチング素子を備える、第2オフ信号印加スイッチング回路を、さらに備え、
前記第1のスイッチング素子のスイッチに、該基本回路の前段の基本回路の前記制御信号が、前記第2のスイッチング素子のスイッチに、該基本回路の後段の基本回路の前記制御信号が、印加される、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項14】
請求項10又は請求項11に記載のゲート信号線駆動回路であって、
各前記基本回路は、
前記ハイ電圧印加スイッチング回路に接続されるクロック信号線ではない他のクロック信号線と接続されるとともに、前記制御信号の電圧を昇圧する、チャージポンプ回路を、さらに備える、
ことを特徴とする、ゲート信号線駆動回路。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のゲート信号線駆動回路を備える表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−83478(P2012−83478A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228672(P2010−228672)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】