説明

ゲート跡切断装置

【課題】ゲート跡を切断する際に切断片が飛散するのを防止することができ、包装容器の生産性を向上させることができるうようにする。
【解決手段】蓋付きケーシング25を保持する保持部材と、移動自在に配設され、切断位置において、蓋体52に形成されたゲート跡61を切断し、かつ、切断されたゲート跡61を収容する収容部を形成し、退避位置において、収容部に収容されたゲート跡61を排出する切断要素とを有する。切断片が包装容器製造装置の周辺に飛散するのを防止することができ、装置の周辺が汚れることがない。切断要素の移動速度を高くすることができるので、包装容器の生産性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲート跡切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流動性食品、例えば、牛乳、乳酸菌飲料、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の液体食品を収容するための包装容器において、包装容器本体の上端に、射出成形によって形成され、頂壁を構成する蓋(ふた)体を備えたものが提供されている。
【0003】
この種の包装容器を製造する包装容器製造装置においては、まず、断面が四角形の形状を有する筒状のケーシングの一端に、蓋体が射出成形によって一体に形成され、頂部に蓋体を備え、底部に開口を有する蓋付きケーシングが形成される。
【0004】
続いて、該蓋付きケーシングは、無端コンベヤのバケット内に挿入され、倒立させられた状態で間欠的に搬送され、前記底部の開口を介して液体食品が充填(てん)された後、底部が折り目に沿って折り畳まれて加熱されるとともにシールされる。このようにして、包装容器が完成される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−278903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の包装容器製造装置においては、蓋体が射出成形によって形成されるので、蓋体の一部に、金型装置のゲートに残留し、固化した樹脂によってゲート跡が形成されてしまう。
【0006】
そこで、該ゲート跡を切断要素としてのカッタで切断し、除去するようにしているが、切断されたゲート跡、すなわち、切断片が包装容器製造装置の周辺に飛散し、装置の周辺を汚してしまう。
【0007】
切断片が飛散するのを抑制するために、カッタの移動速度を低くすることが考えられるが、カッタの移動速度を低くすると、蓋付きケーシングを、無端コンベヤに装填するタイミングがその分遅くなり、包装容器の生産性が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の包装容器製造装置の問題点を解決して、ゲート跡を切断する際に切断片が飛散するのを防止することができ、包装容器の生産性を向上させることができるゲート跡切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明のゲート跡切断装置においては、射出成形によって形成された蓋体を備えた蓋付きケーシングを保持する保持部材と、移動自在に配設され、切断位置において、前記蓋体に形成されたゲート跡を切断し、かつ、切断されたゲート跡を収容する収容部を形成し、退避位置において、収容部に収容されたゲート跡を排出する切断要素とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゲート跡切断装置においては、射出成形によって形成された蓋体を備えた蓋付きケーシングを保持する保持部材と、移動自在に配設され、切断位置において、前記蓋体に形成されたゲート跡を切断し、かつ、切断されたゲート跡を収容する収容部を形成し、退避位置において、収容部に収容されたゲート跡を排出する切断要素とを有する。
【0011】
この場合、切断要素は、切断位置において、前記蓋体に形成されたゲート跡を切断し、かつ、切断されたゲート跡を収容する収容部を形成し、退避位置において、収容部に収容されたゲート跡を排出する。
【0012】
したがって、切断片が包装容器製造装置の周辺に飛散するのを防止することができ、装置の周辺が汚れることがない。
【0013】
また、切断片が飛散するのを防止することができるので、切断要素の移動速度を高くすることができる。したがって、蓋付きケーシングを無端コンベヤに装填するタイミングをその分早くすることができ、包装容器の生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図2は本発明の実施の形態における包装容器の側面図、図3は本発明の実施の形態における包装容器の正面図である。
【0016】
図において、15は包装容器、51は包材によって形成された包装容器本体、52は射出成形によって包装容器本体51と一体に形成された樹脂製の蓋体である。該蓋体52は、上方になるにつれて次第に径が小さくされる傾斜部53、該傾斜部53から上方に向けて延びる首部54、及び円形の形状を有し、前記首部54の上縁を閉鎖する閉鎖部55を備える。
【0017】
前記首部54と閉鎖部55との間には、樹脂を薄くすることによって図示されない破断部が形成され、前記閉鎖部55の所定の箇所に形成された取っ手56を上方に引くと、前記破断部が破断され、注出口が形成される。
【0018】
次に、前記構成の包装容器15を製造するための包装容器製造装置について説明する。
【0019】
図4は本発明の実施の形態における包装容器製造装置の斜視図である。
【0020】
図において、11は包装容器製造装置であり、該包装容器製造装置11は、充填ライン12において、リールRが図示されない繰出機にセットされるようになっていて、セットされた前記リールRから繰り出された包材18によって包装容器15が形成される。前記包材18は、図示されない紙基材、該紙基材に被覆されて最外層を構成する第1の樹脂フィルム、及び前記紙基材に被覆されて最内層を構成する第2の樹脂フィルムから成り、積層構造にされる。そして、前記第1、第2の樹脂フィルムはポリエチレン樹脂等によって形成される。また、必要に応じて、アルミ箔(はく)、ガスバリヤ性樹脂等のガスバリヤ性を有するバリヤ層が前記紙基材に隣接させて配設される。
【0021】
前記包材18は、前記繰出機より下流側に形成された容器成形領域AR1に送られ、該容器成形領域AR1において、包装容器15の寸法に応じた長さごとに切断されて、ブランクス23になる。該ブランクス23には、所定の箇所にあらかじめ折り目が形成され、図示されない成形装置によってブランクス23を前記折り目に沿って折り畳むことにより、断面が四角形の形状を有する筒状のケーシング24が形成される。なお、該ケーシング24は、一対ずつ形成され、その後の工程で一対ずつ処理される。
【0022】
次に、前記各ケーシング24は射出成形領域AR2に送られ、該射出成形領域AR2において、各ケーシング24の一端に、前記蓋体52(図2)が射出成形によって一体に形成され、その結果、底部に開口を有する蓋付きケーシング25が形成される。なお、前記蓋体52は、任意の形状及び構造にすることができる。
【0023】
前記射出成形領域AR2には、マンドレルユニット31、射出成形ユニット32、成形材料供給ユニット33等から成る蓋付きケーシング形成装置が配設される。前記マンドレルユニット31は、等ピッチ角度(本実施の形態においては、90〔°〕)で放射状に配設された複数の、本実施の形態においては、4対のマンドレル35を備え、間欠的に回転させられ、各マンドレル35を、ケーシング24を装填するための装填ステーション、蓋体を形成するための成形ステーション、前記蓋付きケーシング25を排出するための排出ステーション、及び空きステーションに置く。
【0024】
そして、前記射出成形ユニット32は、射出装置37、及び前記成形ステーションに配設された金型装置38を備え、前記射出装置37は、前記成形材料供給ユニット33のホッパ39から供給された樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂のペレットを溶融させ、金型装置38のキャビティ空間に充填する。
【0025】
したがって、該キャビティ空間内の樹脂を冷却することによって、前記蓋付きケーシング25が形成される。
【0026】
続いて、蓋付きケーシング25は、前記排出ステーションにおいて図示されないピックアップ装置によってマンドレル35から取り出され、搬送装置としての無端コンベヤ41に装填され、液体食品を充填するための充填領域AR3に送られる。
【0027】
該充填領域AR3は、図示されない無菌充填室内に形成され、該無菌充填室内において、前記無端コンベヤ41が走行自在に配設され、前記蓋付きケーシング25が倒立させられた状態で無端コンベヤ41によって搬送され、液体食品の充填が行われる。なお、前記無端コンベヤ41においては、一対の蓋付きケーシング25に対して同時に液体食品を充填することができるようになっている。そして、前記蓋付きケーシング25によって被充填包材が構成される。
【0028】
また、前記無菌充填室内には、無菌媒体として滅菌空気が循環させられ、無菌充填室が無菌状態に維持される。
【0029】
前記無端コンベヤ41は、所定の距離を置いて回転自在に配設された一対の図示されないローラ、該各ローラを包囲してトラック状に配設されたレール、前記各ローラによって張設され、かつ、前記レールに沿って走行自在に配設された走行部材としてのコンベヤ、該コンベヤの幅方向に並設され、走行方向において所定のピッチで形成された複数対のバケット43等を備える。なお、前記走行部材としてコンベヤに代えてチェーンを使用することもできる。
【0030】
そして、前記各ローラのうちの一方は、搬送用の駆動部としての図示されない搬送用モータに連結され、該搬送用モータを駆動することによって、前記無端コンベヤ41が、隣接する前記各バケット43間の距離ずつ間欠的に走行させられる。
【0031】
また、前記バケット43の高さは、各包装容器15の高さと実質的に等しくされる。なお、前記蓋付きケーシング25は、底壁を形成するためのボトム折畳み部を備えていて、バケット43内に蓋付きケーシング25を挿入したときにボトム折畳み部がバケット43から突出するように、バケット43は蓋付きケーシング25より低くされる。
【0032】
そして、前記無端コンベヤ41における所定の位置、本実施の形態においては、マンドレルユニット31と対向する側の端部の位置に挿入ステーションが設定され、該挿入ステーションにおいて図示されない挿入装置によって、蓋付きケーシング25が、蓋体52をバケット43の開口と対向させた状態でバケット43内に挿入される。
【0033】
また、前記挿入ステーションに隣接させて滅菌ステーションが設定され、該滅菌ステーションに図示されない噴射ノズルが蓋付きケーシング25と対向させて配設される。前記噴射ノズルは、所定のタイミングで滅菌剤としての低濃度の過酸化水素ガスを蓋付きケーシング25の内周面に向けて噴射し、蓋付きケーシング25内を滅菌する。
【0034】
そして、前記滅菌ステーションに隣接させて紫外線照射ステーションが設定され、該紫外線照射ステーションに図示されない紫外線ライトが蓋付きケーシング25と対向させて配設される。前記紫外線ライトは、所定のタイミングで紫外線を蓋付きケーシング25の内周面に向けて照射し、蓋付きケーシング25内を滅菌する。
【0035】
また、前記紫外線照射ステーションに隣接させて乾燥ステーションが設定され、該乾燥ステーションに図示されない熱風ノズルが蓋付きケーシング25と対向させて配設される。前記熱風ノズルは、所定のタイミングで熱風を蓋付きケーシング25の内周面に向けて噴射し、蓋付きケーシング25内を乾燥させるとともに、前記過酸化水素ガスを除去する。
【0036】
さらに、前記乾燥ステーションに隣接させて充填ステーションが設定され、該充填ステーションに充填ノズル74が蓋付きケーシング25と対向させて配設される。前記バケット43は、蓋付きケーシング25を倒立させた状態に保持し、前記充填ノズル74は、前記無菌充填室外に配設され、液体食品を収容する製品タンク75と接続され、所定のタイミングで、該製品タンク75から供給された液体食品を、倒立させられた状態の蓋付きケーシング25内に所定の量ずつ充填する。
【0037】
本実施の形態においては、液体食品のうちの、牛乳、乳酸菌飲料等のような、冷蔵する必要がある液体食品を収容する包装容器15を製造するようになっていて、該包装容器15に、2〜8〔℃〕の温度で製品タンク75に収容された液体食品が充填される。
【0038】
前記充填ノズル74と製品タンク75とは管路76によって接続され、該管路76にサーボフローメータ77が配設され、該サーボフローメータ77によって液体食品が計量される。そして、前記充填ノズル74、製品タンク75、管路76、サーボフローメータ77等によって充填装置が構成される。
【0039】
また、前記充填ステーションに隣接させてボリュームフラップ作動ステーションが設定され、該ボリュームフラップ作動ステーションにおいて、蓋付きケーシング25が周囲から押さえ込まれ、包装容器15を開封したときに液体食品が漏れるのを防止するために、蓋付きケーシング25の容量が小さくされる。
【0040】
そして、前記ボリュームフラップ作動ステーションに隣接させてシールステーションが設定され、該シールステーションに図示されない折畳装置、及び超音波式のシール装置が配設される。前記折畳装置は、バケット43の上端から突出した蓋付きケーシング25の前記ボトム折畳み部を折り目に沿って折り畳み、前記シール装置は、ボトム折畳み部を折り畳むことによって形成されたシールフィンを超音波でシールする。続いて、前記ボトム折畳み部が更に折り畳まれ、図示されない加熱装置によって加熱されて底壁が形成され、包装容器15が完成される。
【0041】
また、前記シールステーションより下流側に取出ステーションが設定され、該取出ステーションに図示されない取出機が配設される。該取出機は、バケット43内から包装容器15を取り出す。このとき、包装容器15は、蓋体52を上に向けた状態で取り出される。そして、空になったバケット43は、搬送され、再び挿入ステーションに送られる。
【0042】
ところで、前記蓋体52は射出成形によって形成されるので、蓋体52の一部に、金型装置38のゲートに残留し、固化した樹脂によってゲート跡が形成されてしまう。
【0043】
図5は本発明の実施の形態におけるゲート跡が形成された状態の蓋付きケーシングを示す図である。
【0044】
図において、25は蓋付きケーシング、52は蓋体、53は傾斜部、54は首部、55は閉鎖部、61は、該閉鎖部55に突出して形成されたゲート跡である。
【0045】
次に、該ゲート跡61を切断して除去するためのゲート跡切断装置について説明する。
【0046】
図1は本発明の実施の形態におけるゲート跡切断装置の動作を説明する図、図6は本発明の実施の形態におけるゲート跡切断装置の斜視図、図7は本発明の実施の形態における切断刃の軌跡を説明する図である。
【0047】
図において、25は蓋付きケーシングであり、該蓋付きケーシング25は、前記マンドレルユニット31(図4)の排出ステーションにおいて、マンドレル35によって保持され、図1に示されるように、水平に置かれる。この場合、マンドレル35は保持部材として機能する。
【0048】
また、63はマンドレルユニット31と無端コンベヤ41との間において移動自在に配設された切断ユニット、64はアーム、65は該アーム64の所定の箇所に配設されたハウジング、66は前記アーム64から垂下させて配設されたブラケットであり、前記ハウジング65に、前記ゲート跡61の先端を押し付けるための押付部材としての支持板67が取り付けられるとともに、該支持板67を両側で挟む一対の回転体としての、かつ、側壁としてのドラム68、69が回転自在に支持され、該ドラム68、69間に、円周方向において所定の角度、本実施の形態においては、180〔°〕にわたって切断要素としての円弧状のカッタ70が架設され、前記ドラム68、69と共に回転させられる。なお、ドラム68、69のうちの一方のドラム69をハウジング65に取り付けることによってドラム68及びカッタ70を回転自在に支持することができる。
【0049】
なお、前記マンドレルユニット31、切断ユニット63、図示されない制御部等によってゲート跡切断装置が構成される。
【0050】
前記切断ユニット63は、図示されない移動機構によって支持され、移動機構に配設された移動用の駆動部としての移動用モータを駆動することによって移動させられる。
【0051】
前記支持板67は、上下方向に延在させられた支持部71、該支持部71の下端から後方(蓋付きケーシング25側から見て奥側)に向けて水平に延在させられた水平部72、及び該水平部72の後端から下方に向けて延在させられた押当部73を備える。
【0052】
また、前記カッタ70は、前記ドラム68、69の外周縁の近傍に位置させられ、回転方向における下流側に、ゲート跡61を切断するための切断刃70aを備える。なお、前記ドラム68、69の下方に、シュート85が上下方向に移動自在に配設される。
【0053】
そして、前記ドラム68、69を回転させるために、駆動ユニット75が配設される。該駆動ユニット75は、前記ブラケット66によって、上下方向に延在させて支持されたガイドシャフト77、該ガイドシャフト77によって案内され、上下方向に移動させられる移動体としてのシャトル78、該シャトル78の所定の箇所に、上下方向に延在させて取り付けられたラック79、前記ドラム68の外周面に形成され、ラック79と噛(し)合させられるピニオン81、前記シャトル78の下方に配設され、シャトル78を上下方向に移動させるための昇降用の駆動部としてのエアシリンダ82等を備える。
【0054】
前記ラック79及びピニオン81によって、ラック79の直進運動をピニオン81の回転運動に変換する運動方向変換部が構成され、ラック79によって第1の変換要素が、ピニオン81によって第2の変換要素が構成される。なお、本実施の形態においては、駆動ユニット75によって前記ドラム68、69を回転させるようになっているが、例えば、回転用の駆動部としての回転用モータの出力軸に、前記ドラム68を直接、又はギヤ等の回転伝達系を介して連結し、モータを駆動することによってドラム68、69及びカッタ70を回転させることができる。
【0055】
次に、カッタ70を回転させたときのカッタ70及び切断刃70aの位置について説明する。
【0056】
ここで、前記ゲート跡61の根元において閉鎖部55にほぼ当接する円弧Crを想定し、該円弧Cr上において、前記ゲート跡61と交差する点を第1の点としての切断点S1とし、ゲート跡61の延長上の点を第2の点としての対向点S2とし、上下方向における最も上方の点を第3の点としての最上点S3とし、上下方向における最も下方の点を第4の点としての最下点S4とする。本実施の形態においては、前記対向点S2と最下点S4との間の所定の点(例えば、対向点S2から最下点S4側に45〔°〕の点)を初期点Srとする。なお、前記切断刃70aが切断点S1に置かれたときのカッタ70の位置を切断位置とし、前記切断刃70aが初期点Srに置かれたときのカッタ70の位置を退避位置とする。
【0057】
次に、切断ユニット63の動作について説明する。
【0058】
前記マンドレルユニット31が回転させられ、蓋付きケーシング25が排出ステーションに置かれると、前記制御部の移動処理手段は、移動処理を行い、前記移動用モータを駆動し、移動機構を作動させて切断ユニット63を移動させ、マンドレルユニット31と無端コンベヤ41との間に置く。このとき、前記蓋付きケーシング25は、マンドレル35によって支持されているので、支持板67の押当部73がゲート跡61をマンドレル35側に向けて押し付ける。このとき、切断刃70aは前記初期点Srに置かれる。
【0059】
続いて、前記制御部の切断処理手段が、切断処理を行い、エアシリンダ82を正方向に駆動し、シャトル78を介してラック79を上方に移動させると、ピニオン81が矢印A方向に回転させられ、それに伴って、ドラム68、69及びカッタ70が矢印A方向に回転させられ、切断刃70aが前記円弧Crに沿って、最下点S4から切断点S1に向けて移動し、該切断点S1において、ゲート跡61の根元部分を切断する。
【0060】
このとき、カッタ70は、前記切断位置に置かれ、切断刃70aを先頭に後方に向けて、180〔°〕にわたって(切断点S1から対向点S2にかけて)延在させられて、弧状の受けを形成する。また、前記カッタ70が切断位置に置かれるのに伴って、カッタ70、ドラム68、69及び支持板67によって包囲された収容部としての空洞(ポケット)91が形成される。
【0061】
したがって、切断されたゲート跡61は、切断片として前記空洞91に収容される。
【0062】
続いて、前記制御部の回収処理手段が、回収処理を行い、エアシリンダ82を逆方向に駆動し、シャトル78を介してラック79を下方に移動させると、ピニオン81が矢印A方向と反対の方向に回転させられ、それに伴って、ドラム68、69及びカッタ70が矢印A方向に回転と反対の方向に回転させられ、切断刃70aが円弧Crに沿って、切断点S1から初期点Srに向けて移動し、該初期点Srに置かれる。
【0063】
これに伴って、空洞91に収容されたゲート跡61は排出され、落下するが、このとき、上方に移動させられたシュート85によって受けられ、回収される。
【0064】
このように、本実施の形態においては、ゲート跡61をカッタ70によって切断する際に、カッタ70によって空洞91が形成されるので、切断片が包装容器製造装置の周辺に飛散するのを防止することができ、装置の周辺が汚れることがない。
【0065】
そして、切断片が飛散するのを防止することができるので、カッタ70の移動速度を高くすることができる。したがって、蓋付きケーシング25を無端コンベヤ41に装填するタイミングをその分早くすることができ、包装容器15の生産性を向上させることができる。
【0066】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態におけるゲート跡切断装置の動作を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態における包装容器の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態における包装容器の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態における包装容器製造装置の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるゲート跡が形成された状態の蓋付きケーシングを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるゲート跡切断装置の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態における切断刃の軌跡を説明する図である。
【符号の説明】
【0068】
25 蓋付きケーシング
31 マンドレルユニット
35 マンドレル
52 蓋体
61 ゲート跡
63 切断ユニット
68、69 ドラム
70 カッタ
91 空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)射出成形によって形成された蓋体を備えた蓋付きケーシングを保持する保持部材と、
(b)移動自在に配設され、切断位置において、前記蓋体に形成されたゲート跡を切断し、かつ、切断されたゲート跡を収容する収容部を形成し、退避位置において、収容部に収容されたゲート跡を排出する切断要素とを有することを特徴とするゲート跡切断装置。
【請求項2】
(a)前記ゲート跡を保持部材に向けて押し付ける押付部材と、
(b)前記切断要素の両側に配設された側壁とを有するとともに、
(c)前記切断要素は、切断位置において押付部材及び側壁と共に収容部を形成する請求項1に記載のゲート跡切断装置。
【請求項3】
(a)前記側壁は回転自在に配設され、
(b)前記切断要素は側壁に取り付けられる請求項2に記載のゲート跡切断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−120288(P2010−120288A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296583(P2008−296583)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】