説明

ゲームシステム、ゲーム装置及びゲームプログラム

【課題】複数のゲーム装置で時刻に応じたイベントを発生させることができ、しかもゲーム装置間で時刻のズレが発生するのを防止でき、さらにゲーム装置間で通信を常に行うことなくゲームを進行させることのできるゲームシステムを提供すること。
【解決手段】複数のゲーム装置を通信ケーブルを介して接続し、イベント設定登録手続きを行う。このとき、各ゲーム装置に設けられたRTCの時刻を一致させる。各ゲーム装置のプレイヤ名からイベント名が決定され、予め用意された複数のイベントテーブルの中からイベント名に基づいて一つのイベントテーブルが選択され、各ゲーム機では、このイベントテーブルにしたがって、RTCの時刻に応じてゲーム中でイベントが発生する。このイベントが実行されている間はプレイヤによるRTCの時刻の再設定が禁止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲームプログラムに関し、特に、通信機能を備えた複数のゲーム装置において時刻に関連したイベントをゲーム世界に発生させるゲームシステム、ゲーム装置およびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
時計を利用することによってビデオゲームに実時間の概念を導入しているゲーム装置が従来から存在する。例えば、特許文献1には、時計機能を備え、実時間にそってストーリーが展開されるゲーム装置が開示されている。
【0003】
一方、複数のゲーム装置で統一したゲーム進行をするために、複数のゲーム装置を常時接続して、ゲーム実行中同期をとり続ける方法が従来から存在する(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−173636号公報
【特許文献2】特開2000−295206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1においては、複数のゲーム装置を用いる場合のことが全く考慮されていない。すなわち、複数のゲーム装置で時間の概念のあるゲームを実行する場合に、ゲームの進行を各ゲーム装置において統一させることが全く考えられていない。さらに、各ゲーム装置の時計の時刻にズレがある場合には、ゲームの進行が各ゲーム装置において統一しないこととなる。
【0005】
また、ゲーム装置の時計の時刻が狂ったときのために、時計の時刻値(カウント値)をプレイヤが再設定できるようにすることが望ましいが、この場合、プレイヤが故意に実際とは異なる時刻に設定することによって、ゲームの進行が本来のものとは異なるものになることがあった。
【0006】
一方、上記特許文献2の方法では、各ゲーム装置間で常に通信をしておく必要があるため処理負担が大きい。また、常に通信ができる環境でしかゲームプレイできないため、例えば通信ケーブル等を用いて携帯型のゲーム装置間で通信しながらゲームをプレイする場合、ゲームをプレイする場所に制約が生じ、携帯型のゲーム装置に特有の利点である、どこでも自由にゲームをプレイすることができるという利点が失われてしまう。
【0007】
それゆえに本発明は、複数のゲーム装置で時刻に応じたイベントを発生させることができ、しかもゲーム装置間で時刻のズレが発生するのを防止でき、さらにゲーム装置間で通信を常に行うことなくゲーム進行を統一させることのできるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0009】
本発明のゲームシステムは、通信機能を備えた複数のゲーム装置を有している。各ゲーム装置は、計時手段(13)と、同期手段(S201、S302を実行するCPUコア24)と、再設定禁止手段(S401とS402を実行するCPUコア24)と、イベント発生手段(S506を実行するCPUコア24)とを備える。計時手段は、プレイヤによる再設定が可能である。同期手段は、少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群(第1〜第4ゲーム装置)間で通信することによってこのゲーム装置群間で計時手段の時刻を一致させる。再設定禁止手段は、同期手段による処理が行われてから所定の同期期間(イベント期間)において、プレイヤによる計時手段の再設定を禁止する。イベント発生手段は、同期期間において、各ゲーム装置の計時手段の時刻に基づいてこのゲーム装置が出力する仮想的なゲーム世界に所定のイベントを発生させる(例えば、イベントを表す画像を画面に表示したり、イベントを表す音声を出力したりする)。
なお、同期期間とは、同期手段によってゲーム装置群の計時手段の時刻が統一された後の所定期間であって、計時手段の再設定が禁止されるために各ゲーム装置でほぼ同期がとれている状態の期間のことである。
【0010】
なお、上記ゲームシステムにおいて、各ゲーム装置は、プレイヤによる計時手段の再設定の可否を示すフラグ(イベント発生中フラグ)を記憶するフラグ記憶手段(12)と、同期手段による処理が行われたときにフラグをオンにし、同期期間が終了したときにオフにするフラグ設定手段(S208、S308、S511を実行するCPUコア24)とをさらに備え、再設定禁止手段は、フラグがオンのときに再設定を禁止してもよい。
【0011】
また、上記ゲームシステムにおいて、各ゲーム装置は、同期期間の終了条件(終了時刻)を設定する終了条件設定手段(S209、S309を実行するCPUコア24)をさらに備え、終了条件設定手段は、ゲーム装置群間で通信することによってこのゲーム装置群間で共通の終了条件を設定してもよい。
【0012】
また、上記ゲームシステムにおいて、各ゲーム装置は、イベント発生手段が発生させるべきイベントを設定するイベント設定手段(S207、S307を実行するCPUコア24)をさらに備え、イベント設定手段は、ゲーム装置群間で通信することによってこのゲーム装置群間で共通のイベントを設定してもよい。
【0013】
また、上記ゲームシステムにおいて、イベント設定手段は、ゲーム装置群を構成する各ゲーム装置において個別に設定されている情報(プレイヤ名)の組み合わせ(タロウ、ジロウ、サブロウ、シロウの組み合わせ)に基づいて、このゲーム装置群を構成するゲーム装置(第1〜第4ゲーム装置)の組み合わせに対応した共通のイベントを設定(つまり、イベントを発生させるためのデータを生成または選択する)してもよい。
【0014】
また、上記ゲームシステムにおいて、ゲーム装置群のうち、1つのゲーム装置が親機として、残りのゲーム装置が子機としてそれぞれ動作し、イベント設定手段は、第1データ("タジサシ")を起源データとして所定の規則(アスキーコードの和の下1桁)に基づいてイベントを設定するものであり、親機のイベント設定手段は、第1データを決定して、子機にこの第1データを通信手段を用いて送信し(S205)、かつ、この第1データを起源データとし、子機のイベント設定手段は、通信手段を用いて第1データを受信して(S305)、受信したこの第1データを起源データとしてもよい。
【0015】
また、上記ゲームシステムにおいて、親機は、子機から第2データ(プレイヤ名)を受信して(S203)、受信したこの第2データに基づいて第1データを生成してもよい。
【0016】
また、上記ゲームシステムにおいて、ゲーム装置は、第1データに基づいてゲームデータ(モンスターやアイテムの属性値)を生成するゲームデータ生成手段をさらに備えてもよい。
【0017】
また、上記ゲームシステムにおいて、ゲーム装置は、イベントを発生させるために用いられるゲームデータ(モンスターやアイテムの属性値、モンスターやアイテムやマップの画像)を記憶するゲームデータ記憶手段と、第1データに基づいて、ゲームデータを変更するゲームデータ変更手段とをさらに備えてもよい。
【0018】
また、上記ゲームシステムにおいて、ゲーム装置は複数のイベントを発生させるためのデータ(イベントテーブル)を記憶するイベント記憶手段(ROM11)をさらに備え、イベント設定手段は、第1データに基づいて複数のイベントから少なくとも1つのイベントを選択してもよい。
【0019】
また、上記ゲームシステムにおいて、イベント記憶手段には、1つのイベントを構成する複数の単位イベント(選択イベント)を発生させるためのデータが記憶され、イベント設定手段は、第1データに基づいて複数の単位イベントから少なくとも1つの単位イベントを選択してもよい。
【0020】
また、本発明のゲーム装置(100、110)は、通信機能を備えており、計時手段(13)と、同期手段(S201、S302を実行するCPUコア24)と、再設定禁止手段(S402を実行するCPUコア24)と、イベント発生手段(S506を実行するCPUコア24)とを備える。計時手段は、プレイヤによる再設定が可能である。同期手段は、少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群(第1〜第4ゲーム装置)間で通信することによってこのゲーム装置群間で計時手段の時刻を一致させる。再設定禁止手段は、同期手段による処理が行われてから所定の同期期間(イベント期間)において、プレイヤによる計時手段の再設定を禁止する。イベント発生手段は、同期期間において、計時手段の時刻に基づいてゲーム世界に所定のイベントを発生させる。
【0021】
また、本発明のゲームプログラムは、通信機能を備えた複数のゲーム装置(第1〜第4ゲーム装置)を有するゲームシステムにおいて、各ゲーム装置のコンピュータを、同期手段(S201、S302を実行するCPUコア24)、再設定禁止手段(S402を実行するCPUコア24)、イベント発生手段(S506を実行するCPUコア24)として機能させるためのものである。同期手段は、少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群(第1〜第4ゲーム装置)間で通信することによって、各ゲーム装置に個別に設けられたプレイヤによる再設定が可能な計時手段(13)の時刻をこのゲーム装置群間で一致させる。再設定禁止手段は、同期手段による処理が行われてから所定の同期期間(イベント期間)において、プレイヤによる計時手段の再設定を禁止する。イベント発生手段は、同期期間において、計時手段の時刻に基づいてゲーム世界に所定のイベントを発生させる。
【0022】
また、本発明のゲームカートリッジ(110)は、通信機能を備えたゲーム装置本体部(100)に着脱可能であり、ゲームプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(11)およびプレイヤによる再設定が可能な計時手段(13)を備えている。そして、記録媒体に記録されたゲームプログラムは、ゲーム装置のコンピュータ(24)を、同期手段(S201、S302を実行するCPUコア24)、再設定禁止手段(S402を実行するCPUコア24)、およびイベント発生手段(S506を実行するCPUコア24)として機能させる。同期手段は、少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群(第1〜第4ゲーム装置)間で通信することによって、計時手段の時刻をこのゲーム装置群間で一致させる。再設定禁止手段は、同期手段による処理が行われてから所定の同期期間(イベント期間)において、プレイヤによる計時手段の再設定を禁止する。イベント発生手段は、同期期間において、計時手段の時刻に基づいてゲーム世界に所定のイベントを発生させる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、複数のゲーム装置で時刻に応じたイベントを発生させることができる。また、同期期間(イベント期間)の開始に先立って各ゲーム装置の計時手段の時刻が一致されるので、同期期間中に時刻に基づいてイベントを発生させるときに、ゲーム装置間の時刻のずれによる不具合の発生を防止することができる。すなわち、各ゲーム装置でほぼ同じタイミングで同じイベントを発生させることとなって、各ゲーム装置のプレイヤが共通の世界でゲームをしている感覚が得られる。また、ゲーム装置にはプレイヤによる再設定が可能な計時手段が設けられているが、同期期間においてはその再設定が禁止されるので、同期期間におけるプレイヤによる不正な再設定を防止することができる。さらに、同期期間以外においては再設定を許容するようにして時刻のずれが発生したときに修正することができる。さらに、各ゲーム装置において個別に設けられた計時手段によってイベントを発生させるので、ゲーム装置間で通信を常に行うことなくゲームを進行させることができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、フラグを用いることで同期期間における時刻の再設定を簡単に禁止することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、同期期間の終了条件を各ゲーム装置で共通とすることができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、同期期間において各ゲーム装置で同じ内容のゲームを進行させることができる。特に、各ゲーム装置でほぼ同じタイミングで同じイベントが発生するので、複数のプレイヤが同じゲーム世界にいるかのような感覚を与えることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、ゲーム装置の組み合わせに応じてイベントが変化するため、常に同じ仲間でゲームをプレイするのではなく、メンバーを入れ替えてゲームをプレイすることによる新たな楽しさを各プレイヤに味わわせることができる。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、親機において決定された第1データを起源データとして、各ゲーム装置がこの起源データに基づいてイベントを設定することにより、各ゲーム装置で簡単に共通のイベントを設定することができる。この場合、親機から子機への通信が必要なのは起源データのみであるので、通信量を減らすことができる。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、親機は子機から送信された第2データに基づいて第1データを決定するため、子機から送信される第2データに基づいてイベントを設定することができる。これによって、子機に応じたイベントが発生されることになる(子機が変わればイベントが変わる)。
【0030】
請求項8に記載の発明によれば、起源データによってゲームデータが変化するのでイベント内容に変化を与えることができる。
【0031】
請求項9に記載の発明によれば、イベントを発生させるために用いられるゲームデータを、子機から送信される第2データに基づいて変更することができる。
【0032】
請求項10に記載の発明によれば、各ゲーム装置は、複数のイベントの中から第1データに応じたイベントを選択することによって、各ゲーム装置で共通のイベントを設定することができる。
【0033】
請求項11に記載の発明によれば、1つのイベントを構成している複数の単位イベントの中から第1データに応じた単位イベントを選択することによって、各ゲーム装置で共通のイベントを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムについて図面を参照して説明する。
図1に、本発明のゲームシステムの外観を示す。本ゲームシステムでは、通信ケーブル500を介して4台のゲーム装置(以下、それぞれ第1ゲーム装置〜第4ゲーム装置と称す)が接続される。各ゲーム装置は、ゲームカートリッジと本体部とで構成される。つまり第1ゲーム装置はゲームカートリッジ110および本体部100より構成され、第2ゲーム装置はゲームカートリッジ210および本体部200より構成され、第3ゲーム装置はゲームカートリッジ310および本体部300より構成され、第4ゲーム装置はゲームカートリッジ410および本体部400より構成される。なお、本実施形態において、第1ゲーム装置〜第4ゲーム装置の構成は同一であるため、以下では第1ゲーム装置の構成についてのみ説明する。第1ゲーム装置の本体部100には、LCD(液晶表示部)21や、スピーカ29や、操作スイッチ(例えば操作スイッチ30a〜30d)が設けられている。
【0035】
次に、図2を参照して第1ゲーム装置の内部構成について説明する。ゲームカートリッジ110には、ゲームプログラムや後述するイベントに関するデータが記録されたROM11や、後述するイベント情報等を記憶するためのフラッシュROM12や、時刻をカウントするRTC(Real Time Clock)13が設けられている。なおフラッシュROM12の代わりに他の書き換え可能な記憶装置を用いても構わない。RTC13にはゲームカートリッジ110内部に設けられたバッテリー(図示せず)等によって常に電力が供給されており、RTC13は、ゲームカートリッジ110が本体部100に接続されているか否かに関わらず時刻をカウントし続けることができる。
【0036】
一方、本体部100には、ゲーム画像を表示するためのLCD(液晶表示装置)21や、ゲームカートリッジ110を接続するためのコネクタ22や、ゲームカートリッジ110から供給されたゲームプログラムに基づいてゲーム処理を実行する制御回路23や、サウンドデータに基づいてスピーカを駆動するサウンド回路28や、スピーカ29や、操作スイッチ30や、通信ケーブル500を接続するためのコネクタ31が設けられている。制御回路23は、プログラムに基づいて各種処理を実行するCPUコア24や、LCD21を駆動するためのLCDコントローラ25や、CPUコア24のワークメモリとしてのRAM26や、DMAやIO等の周辺回路27から構成される。なお、本体部100の構成は一般的なゲーム装置の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0037】
次に、本ゲームシステムの動作の概要を説明する。本ゲームシステムは、複数のプレイヤがそれぞれ操作する複数のゲーム装置において、時刻に応じて共通のイベントを発生させるものである。そのイベントを発生させるためには、データ通信によって予め複数のゲーム装置間で種々の設定を行う必要がある。これらの設定を行うことによって、これらのゲーム装置間において共通のイベントが発生することになる。以下、その流れについて図3を参照して説明する。
【0038】
図3は、第1〜第4ゲーム装置のプレイヤ(タロウ、ジロウ、サブロウ、シロウ)が共通のイベントをプレイする場合のゲームの流れを示している。各ゲーム装置のプレイヤは、まず各自のゲーム装置を通信ケーブル500に接続する。すると、これら4台のゲーム装置の間で、イベント設定手続きが行われる。この手続きによって4台のゲーム装置で共通のイベントが設定され、さらにイベントの終了条件として、例えばここではイベント終了時刻が4日後に設定される。このイベント設定手続きが完了すると、ゲーム装置間での通信は不要となるので、各ゲーム装置から通信ケーブル500を取り外し、各プレイヤは任意の場所でゲームをプレイすることができる。
【0039】
各ゲーム装置において、プレイヤがゲームをプレイしていると、各ゲーム装置に共通のイベント指令が発せられる。指令の内容は、例えば『4日以内に"タジサシ"島の"タジサシ"ドラゴンを倒せ!倒した者には「"タジサシ"ソード0123」を与える』というものである。ここで、"タジサシ"とは、第1〜第4ゲーム装置においてそれぞれ設定されているプレイヤ名(タロウ、ジロウ、サブロウ、シロウ)の頭文字を並べることによって生成される文字列であり、つまり、この文字列はゲーム装置の組み合わせに応じて生成される。各ゲーム装置では、この文字列"タジサシ"に基づいて各種イベントが発生する。これらイベントの発生タイミングは、各ゲーム装置に設けられたRTC13の時刻に基づいて決定される。例えば、上記のイベント指令が発せられてから3日後の0:00に、"タジサシ"島に"タジサシ"ドラゴンが出現する。
【0040】
各プレイヤは、上記のイベント指令が発せられてから4日以内にこの"タジサシ"ドラゴンを倒すことを目的としてゲームをプレイする。そして、4日以内に"タジサシ"ドラゴンを倒したプレイヤのみが「"タジサシ"ソード0123」という名のアイテムをゲーム中で得ることができる。例えば、タロウは、ゲームをプレイした結果、4日以内に"タジサシ"ドラゴンを倒し、「"タジサシ"ソード0123」を入手した。また、ジロウは、ゲームをプレイした結果、4日以内に"タジサシ"ドラゴンを倒すことができなかった。また、サブロウは、ゲームをプレイした結果、ゲームの途中で(例えば指令が発せられてから2日後に)モンスターにやられてゲームオーバとなった。また、シロウは、ゲームをプレイしなかった。こうして、指令が発せられてから4日が経過した時点で各ゲーム装置ではイベントが終了することになる。
【0041】
なお、上記のようなイベントは、イベント設定登録手続きを経て発生するものであり、例えばこの登録手続きに参加していなかったゴロウが所有する第5ゲーム装置ではこのようなイベントは発生しない。
【0042】
このように、複数のプレイヤ間でイベント設定登録手続きを行うことによって、一人でゲームをプレイしているだけでは発生しないようなイベントを楽しむことができる。また、そのイベントでしか得られないようなアイテムを入手することもできる。これにより、飽きのこないゲームを実現することができる。
【0043】
以下、本ゲームシステムの動作を詳細に説明する。ゲームカートリッジ110のROM11にはゲームプログラムが記憶されており、本体部100のCPUコア24は、このゲームプログラムに基づいてゲーム処理を行う。
【0044】
図4に、CPUコア24の処理の流れを示す。まず、CPUコア24は、LCD21にメニューを表示する(S101)。ここで表示されるメニューには、プレイヤが選択可能な項目として、「親機としてイベント設定」、「子機としてイベント設定」、「時刻設定」、「プレイヤ名設定」、「1人用ゲーム開始」、「イベントゲーム開始」の6項目が含まれる。プレイヤが選択した項目に応じて、それぞれ所定の処理が実行される。以下、各項目毎の処理について順番に説明する。
【0045】
(プレイヤ名設定処理)
図4のステップS101で表示されるメニューの中から「プレイヤ名設定」の項目が選択された場合(S102でYES)には、操作スイッチ30を通じてプレイヤに名前を入力させ、この入力された名前をプレイヤ名として設定する(S103)。より具体的には、プレイヤによって入力された名前を、フラッシュROM12に設けられている、プレイヤ名を記憶するための領域に格納する。なお図5に示すように、フラッシュROM12には、プレイヤ名の他に、イベント情報(イベント発生中フラグ、発生中イベント番号、イベント開始時刻、イベント終了時刻、イベント名)やその他のゲームデータ(キャラクタの属性値データや所有アイテムデータ等)を記憶するための領域が設けられる。プレイヤ名の設定が完了すると、ステップS101のメニュー表示に処理は戻る。
【0046】
(親機側設定処理および子機側設定処理)
一方、図4のステップS101で表示されるメニューの中から「親機としてイベント設定」の項目が選択された場合(S104でYES)には、親機側設定処理が行われる(S105)。また、ステップS101で表示されるメニューの中から「子機としてイベント設定」の項目が選択された場合(S106でYES)には、子機側設定処理が行われる(S107)。本実施形態のゲームシステムでは、通信ケーブル500を介して接続された複数台のゲーム装置のうち、いずれか一つのゲーム装置が親機として動作し、残りのゲーム装置は子機として動作する。親機として動作するゲーム装置のプレイヤは、ステップS101で表示されるメニューの中から「親機としてイベント設定」の項目を選択し、一方、子機として動作するゲーム装置のプレイヤは、ステップS101で表示されるメニューの中から「子機としてイベント設定」の項目を選択する。以下、第1ゲーム装置が親機として動作し、第2〜第4ゲーム装置が子機として動作する場合を例として、親機側設定処理と子機側設定処理について図6を参照して説明する。
【0047】
図6において、親機側設定処理を実行する第1ゲーム装置のCPUコア24は、まず親機のRTC13の時刻(ここでは1月23日11:00と仮定する。)を各子機(第2〜第4ゲーム装置)に送信する(S201)。そして、送信した時刻をイベント開始時刻として設定する(S202)。具体的には、ステップS201で送信された時刻(1月23日11:00)を、ゲームカートリッジ110のフラッシュROM12にイベント開始時刻として記憶する。一方、各子機のCPUコア24は、ステップS201で親機が送信した時刻を受信し(S301)、この受信した時刻に基づいて子機のRTC13の時刻を修正する(S302)。これにより、各子機のRTC13の時刻は、親機のRTC13の時刻である1月23日11:00に合わせられる。これにより第1〜第4ゲーム装置において時刻が統一される。さらに各子機のCPUコア24は、この時刻を、各ゲームカートリッジ210、310、410のフラッシュROM12にイベント開始時刻として記憶する。これにより、第1〜第4ゲーム装置において共通のイベント開始時刻が記憶される。
なお、RTC13が秒もカウントしてもよく、その場合に秒の情報を含めて上述の処理をするようにしてもよい。
【0048】
続いて各子機のCPUコア24は、フラッシュROM12に記憶されているプレイヤ名を親機に送信する(S304)。具体的には、例えば第2ゲーム装置からはプレイヤ名「ジロウ」が送信され、第3ゲーム装置からはプレイヤ名「サブロウ」が送信され、第4ゲーム装置からはプレイヤ名「シロウ」が送信される。親機である第1ゲーム装置のCPUコア24は、ステップS304において各子機から送信されたプレイヤ名を受信し(S203)、受信したプレイヤ名と、親機のフラッシュROM12に記憶されているプレイヤ名(ここでは「タロウ」とする)とに基づいてイベント名を決定し、このイベント名をフラッシュROMに記憶する(S204)。イベント名の決定の方法は任意であるが、ここでは一例として、各ゲーム装置のプレイヤ名の頭文字を並べることによって得られる文字列"タジサシ"をイベント名とする。
【0049】
親機のCPUコア24は、ステップS204で決定したイベント名"タジサシ"を各子機に送信する(S205)。そして、このイベント名"タジサシ"から所定の規則に基づいてイベント番号を決定する(S206)。ここでは、一例として、イベント名の各文字に対応するアスキーコードをもとにして所定の計算をし(例えば加算し)、その計算結果として得られる数字の所定の桁(例えば1桁目)の数字をイベント番号として決定する。ここでは仮にイベント番号が「1」と決定されたものとする。イベント名からイベント番号を決定するときの規則は、各ゲーム装置で共通でありさえすれば、他の任意の規則を用いてもよい。
【0050】
なお、イベント番号とは、ゲームカートリッジ110のROM11に記憶されている複数のイベントデータを識別するための番号である。ROM11には、ゲームプログラムの他に、図7に示すように複数のイベントデータ(ここではイベント1〜イベント10)が記憶されており、各イベントデータには、イベント番号と、イベント時間と、イベント固有モンスターのデータと、イベント固有アイテムのデータと、イベント固有マップのデータと、イベントテーブル601とが含まれている。イベントテーブル601には、図8に示すように、イベントの発生時刻と、場所と、イベントの内容が規定されている。
【0051】
ステップS206でイベント番号「1」が決定されると、続いてCPUコア24は、このイベント番号を発生中イベント番号としてフラッシュROM12に記憶し(S207)、さらにフラッシュROM12のイベント発生中フラグをオンにする(S208)。このイベント発生中フラグは、後述するプレイヤによる時計の再設定を許可するか否かを判断するために用いられる。そして、図5に示すイベント開始時刻と、図7に示すイベント時間とからイベントの終了時刻を計算し、図5に示すイベント終了時刻としてフラッシュROM12に記憶する(S209)。例えば、イベント開始時刻が1月23日11:00であって、イベント時間が4日間と規定されている場合には、イベント終了時刻は1月27日11:00となる。親機のCPUコア24は、イベント終了時刻の設定が完了すると、親機側設定処理を終了し、図4のステップS101に戻る。
【0052】
親機がステップS205で各子機にイベント名"タジサジ"を送信すると、子機のCPUコア24はこれを受信し、フラッシュROM12に記憶する(S305)。その後、このイベント名から各ゲーム装置で共通の規則を用いてイベント番号を決定する(S306)。その結果、イベント番号は親機と同じく「1」と決定される。子機のCPUコア24は、こうして決定されたイベント番号を発生中イベント番号としてフラッシュROM12に記憶し(S307)、さらにフラッシュROM12のイベント発生中フラグをオンにする(S308)。さらに、イベント開始時刻とイベント時間とからイベントの終了時刻を計算し、図5に示すイベント終了時刻としてフラッシュROM12に記憶する(S309)。ここで、イベント開始時刻とイベント時間は各ゲーム装置で共通であるので、いずれのゲーム装置においてもイベント終了時刻は共通(1月27日11:00)となる。子機のCPUコア24は、イベント終了時刻の設定が完了すると、子機側設定処理を終了し、図4のステップS101に戻る。
【0053】
(時刻設定処理)
一方、図4のステップS101で表示されるメニューの中から「時刻設定」の項目が選択された場合(S108でYES)には、時刻設定処理が行われる(S109)。時刻設定処理の流れを図9に示す。時刻設定処理では、CPUコア24は、イベントが現在発生中か否かを判断する(S401)。具体的には、CPUコア24は、図5に示すようにフラッシュROM12に記憶されているイベント発生中フラグを参照し、このフラグがオンになっているときはイベントが現在発生中であると判断し、オフになっているときは現在はイベントが発生していないと判断する。そして、イベントが発生中であると判断した場合には、LCD21にRTC13の時刻の再設定が禁止されている旨を表示して(S402)、時刻設定処理を終了する。一方、現在はイベントが発生していないと判断した場合には、操作スイッチ30からのプレイヤの入力に基づいてRTC13の時刻の再設定を行い(S403)、時刻設定処理を終了する。このように、イベント発生中においてRTC13の時刻の再設定を禁止することで、プレイヤによる不正な時刻の再設定(例えば、RTC13の時刻を1日分だけ過去に戻すことによって実質的にイベント時間を延長すること)を防止することができる。
【0054】
(1人用ゲーム処理)
一方、図4のステップS101で表示されるメニューの中から「1人用ゲーム開始」の項目が選択された場合(S110でYES)には、1人用ゲーム処理が行われる(S111)。この処理は、他のプレイヤと共通のイベントが発生せずに1人でプレイするようなゲーム処理(例えば図3に示すゴロウのゲーム装置において実行されるゲーム処理)に相当する。
【0055】
(イベントゲーム処理)
一方、図4のステップS101で表示されるメニューの中から「イベントゲーム開始」の項目が選択された場合(S112でYES)には、CPUコア24は、フラッシュROM12に記憶されているイベント発生中フラグを参照して、イベントが現在発生中か否かを判断する(S113)。そして、イベントが発生中であると判断した場合には、イベントゲーム処理を実行する(S114)。一方、現在はイベントが発生していないと判断した場合には、LCD21にその旨を表示して(S115)、ステップS101に戻る。以下、図10を参照してステップS114のイベントゲーム処理の流れを説明する。
【0056】
イベントゲーム処理では、プレイヤは、操作スイッチ30を操作することによって、キャラクタを移動させたり、モンスターとの戦闘時にコマンドを選択したりする。CPUコア24は、このような操作スイッチ30に対するプレイヤの操作を入力する(S501)。そして、この入力された操作に応じた処理を実行し、LCD21に処理結果に基づいて生成されるゲーム画像を表示する(S502)。図11に、このときのLCD21の画面表示の一例を示す。なお、図11に示すように、イベントが終了するまでの残り時間やイベント終了時刻をプレイヤに提示する(例えばLCD21に表示する)ことによって、ゲームをプレイしているプレイヤに対して緊迫感を与えることができる。
【0057】
つづいてCPUコア24は、フラッシュROM12に記憶されている発生中イベント番号に対応するイベントテーブルを参照する(S503)。例えば、フラッシュROM12に記憶されている発生中イベント番号が「1」である場合には、図7に示す複数のイベントデータ(イベント1〜10)の中から、イベント番号が「1」であるものを見つけ出し、そのイベントデータに含まれているイベントテーブル(ここでは仮にイベントテーブル601とする)を参照する。そして、このイベントテーブル601に規定されているイベント発生時刻と、現在時刻(すなわちRTC13の時刻)とを比較する(S504)。そして、RTC13の時刻がイベントテーブルに規定されているイベント発生時刻のいずれかに一致するか否かを判断し(S505)、イベント発生時刻に一致していた場合には、そのイベントを発生させる(S506)。例えば、図8に示すイベントテーブルを参照しており、かつRTC13の時刻が1月23日12:00であって、かつイベント開始時刻が1月23日11:00であった場合には、ゲーム世界において、『おかしの木に「パイ」の実がなる』イベントと、『イベント固有マップ行きの渡し舟が出る』イベントを発生させる。イベントを発生させるための処理を終えると、ステップS507に進む。一方、一方、いずれのイベント発生時刻にも一致していなかった場合には、イベントを発生させることなくステップS507に進む。
【0058】
ステップS507において、CPUコア24は、イベントが終了したか否かを判断する(S507)。具体的には、RTC13の時刻がフラッシュROM12に記憶されているイベント終了時刻と一致しているか過ぎている場合に、イベントが終了したと判断する。イベントが終了したと判断した場合には、LCD21に、イベントが終了した旨を表示し(S509)、さらにフラッシュROM12の発生中イベント番号をクリア(S510)、およびイベント発生中フラグをオフにし(S511)、イベントゲーム処理を終了する。一方、ステップS507において、イベントが継続中であると判断した場合(S507でNO)には、つづいてゲームオーバとなったか否かを判断し(S508)、ゲームオーバとなった場合にはイベントゲーム処理を終了し、ゲームオーバでない場合にはステップS501に戻ってイベントゲーム処理が続行される。
【0059】
なお、上記のイベントゲーム処理においては、イベント固有のモンスター(例えば前述の「"タジサシ"ドラゴン」)や、イベント固有のアイテム(例えば前述の「"タジサシ"ソード0123」)や、イベント固有のマップ(例えば前述の「"タジサシ"島」)がゲーム中に登場する。これらに関するデータは、図7に示すようにROM11に予め格納されている。例えば、イベント固有モンスターのデータとして、モンスターの名称と、属性値(例えばモンスターの体力などの能力値)と、モンスターの画像に関するデータが格納されている。また、イベント固有アイテムのデータとして、アイテムの名称と、属性値(例えばアイテムの攻撃力)と、アイテムの画像に関するデータが格納されている。また、イベント固有マップのデータとして、マップの名称と、マップの位置や地形情報と、マップの画像に関するデータが格納されている。なお、本実施形態では、モンスターやアイテムやマップの名称は、フラッシュROM12に記憶されているイベント名やイベント終了月日等のデータを用いて動的に生成される。これにより、ゲーム中に使われるモンスターやアイテム等の名称がそのイベント固有の名称となるので、プレイヤは、ゲームをプレイしているメンバーの組み合わせに固有のストーリーが進行していることをより実感することができる。また、アイテムの希少価値も高まる。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、各ゲーム装置において時刻に応じたイベントを発生させることができる。また、イベント期間の開始に先立って各ゲーム装置のRTC13の時刻が一致されるので、イベント期間中に時刻に基づいてイベントを発生させるときに、ゲーム装置間の時刻のずれによる不具合の発生を防止することができる(すなわち、ほぼ同じタイミングで同じイベントを発生させることができる。)。また、ゲーム装置にはプレイヤによる再設定が可能なRTC13が設けられているが、イベント期間においてはその再設定が禁止されるので、イベント期間におけるプレイヤによる不正な再設定を防止することができる。さらに、各ゲーム装置では、各ゲーム装置に個別に設けられたRTC13に基づいてイベントを発生させるので、ゲーム装置間で通信を常に行う必要がない。
【0061】
なお、本実施形態では、イベント期間の終了タイミングを、イベント終了時刻になったか否かに基づいて判断しているが、本発明はこれに限らず、他の任意の終了条件を規定してもよい。例えば、図7に示すイベント時間の替わりに、「所定の数のモンスターを倒すまで」という条件を規定してもよい。この場合、フラッシュROM12にモンスターを倒した数を記憶しておき、図10のステップS507において、今までに倒したモンスターの数が所定の数に等しいか上回った場合に、イベントが終了したと判断すればよい。
【0062】
また、本実施形態では、各ゲーム装置(第1〜第4ゲーム装置)のプレイヤ名(タロウ、ジロウ、サブロウ、シロウ)に基づいて生成されたイベント名"タジサシ"に基づいて(つまり、イベント名"タジサシ"を起源データとして)イベントを選択するとしたが、本発明はこれに限らない。つまり各ゲーム装置に固有の情報であれば、例えばゲーム装置に個別に割り当てられた識別子などから起源データを作成し、この起源データに基づいてイベントを選択するようにしてもよい。
【0063】
本実施例においては、イベントに登場するモンスターの属性値は、ROM11に予め格納されているとしたが、イベント名に応じて数値を決定し、その数値をモンスターの属性値(生命力等)にするようにしてもよい。例えば、上述の実施例において「タジサシ」をアスキーコードに変換し、そのアスキーコード値(「タジサシ」の場合は5つの値)を所定の数式に代入して算出される値をモンスターの生命力にするようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、イベント固有モンスター等の名称をイベント名に基づいて動的に作成するとしたが、名称に限らず、モンスターの属性値や、画像や、マップの位置や地形情報を、イベント名に応じて動的に変更することも同様に可能である。例えば、イベント名に応じてモンスターの基本色を赤や青に変更したりすることができる。また、イベントに参加するプレイヤの数が増えるにしたがってイベント固有アイテムの攻撃力が大きくなるようにすることもできる。これにより、プレイヤは、より強力なアイテムを入手すべく、イベントにより多くのプレイヤを参加させようと考えるので、プレイヤ同士の交流が広まり、また商品の販売も促進される。
【0065】
また、本実施形態では、イベント名の各文字に対応するアスキーコードを加算し、その加算結果として得られる数字の1桁目の数字をイベント番号として決定するとしたが、このような方法でイベントを選択すると、決まったメンバーがイベントに参加する場合には毎回同じイベントが選択されることになる。すると、何度かプレイするうちにプレイヤは共通イベントに飽きてしまうという問題がある。そこで、このような問題を解決するために、例えば、イベント名の各文字に対応するアスキーコードを加算したものに、さらに、RTCの値から出力される時刻値をもとにした所定の計算をし(例えば、イベント開始時刻の秒にあたる数字を加算し)、その結果の1桁目の数字をイベント番号として決定する方法も有効である。これにより、共通イベントを設定するたびに、選択されるイベントが変化する可能性が高く、プレイヤは毎回新鮮な気持ちで共通イベントをプレイすることができる。なお、この場合にも、イベント開始時刻は各ゲーム装置で共通しているため、各ゲーム装置において共通のイベントが選択されることになる。
【0066】
また、本実施形態では、イベント名に基づいて、予め用意された複数のイベントデータ(イベント1〜イベント10)の中から一つのイベントデータを選択して、選択したイベントデータに含まれているイベントテーブルにしたがってイベントを発生させるとしたが、本発明はこれに限らず、例えばイベントテーブルの内容を、イベント名に関係なく必ず発生する必須イベントと、イベント名に応じて選択される選択イベントとに分けて規定されていてもよい。その場合、ROM11には図12に示すように、必須イベントに関するイベントデータと、選択イベントに関するイベントデータとを格納しておく。そして選択イベントにはそれぞれ選択イベント番号が付され、イベント名に応じて選択イベントの中から所定のイベントが選択される。例えば、イベント名の各文字に対応するアスキーコードが加算され、その加算結果として得られる数字の1桁目の数字が選択イベント番号として決定される。そして、イベントゲーム処理において、CPUコア24は、例えば図10に示すステップS503において、必須イベントと、選択イベント番号により特定される選択イベントとを両方参照し、RTC13の時刻が必須イベントまたは選択イベントのイベント発生時刻に一致した場合に、そのイベントをゲーム中で発生させる。このように、各イベントテーブルに共通に含まれているイベントを必須イベントとしてまとめることにより、ROM11に格納すべきイベントデータのデータ量を低減することができる。
【0067】
また、本実施形態において、RTC13はゲームカートリッジ110に内蔵されるとしたが、本発明はこれに限らず、例えば本体部に設けられても構わない。ただし、RTCを本体部に設けた場合には、本実施形態のようにゲームカートリッジを適宜交換していろいろなゲームをプレイすることができるゲーム装置においては、他の種類のカートリッジが本体部に装着されて、そのゲームがプレイされているときに、RTCの再設定が自由に可能となって、RTCの時刻の設定が行われる可能性がある。この場合、図9に示したような処理によってRTC13の時刻の再設定を禁止することは困難である。しかしながら、本実施形態のように、RTC13がゲームカートリッジ110に内蔵される構成を採用することにより、他のゲームのがプレイされているときにRTC13の時刻の設定が行われてしまう問題を効果的に防ぐことができる。
【0068】
また、本実施形態では、ゲームプログラムはゲームカートリッジ110のROM11より本体部100に供給されるとしたが、本発明はこれに限らず、CD−ROMやDVDやメモリカードなど、他の任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を通じて本体部100に供給されても構わない。さらには、インターネットや通信ケーブルなどの伝送媒体を通じて本体部100に供給されても構わない。さらには、本体部100内の記憶手段に予め格納されていても構わない。
【0069】
また、本実施形態では、本体部100とゲームカートリッジ110とから成るゲーム装置について説明したが、本発明はこれに限らず、本体部100とゲームカートリッジ110とが一体化されたゲーム装置にも本発明を適用することができる。
【0070】
また、本実施形態では、ゲーム装置間のデータ通信は、通信ケーブルを用いて行うとしたが、本発明はこれに限らず、ゲーム装置間の通信は、例えばインターネットなどのネットワークを介したデータ通信や、無線データ通信であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの外観図である。
【図2】ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ゲームシステムの動作の概略を説明するための図である。
【図4】CPUコア24の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】フラッシュROM12のメモリマップである。
【図6】親機側設定処理および子機側設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ROM11のメモリマップのイベントデータに関する部分を示す図である。
【図8】イベントテーブルを示す図である。
【図9】時刻設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】イベントゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】ゲーム画像の一例を示す図である。
【図12】イベントテーブルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
11 ROM
12 フラッシュROM
13 RTC
21 LCD
22 コネクタ
23 制御回路
24 CPUコア
25 LCDコントローラ
26 RAM
27 周辺回路
28 サウンド回路
29 スピーカ
30、30a〜30d 操作スイッチ
31 コネクタ
100 本体部
110 ゲームカートリッジ
200 本体部
210 ゲームカートリッジ
300 本体部
310 ゲームカートリッジ
400 本体部
410 ゲームカートリッジ
500 通信ケーブル
601 イベントテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を備えた複数のゲーム装置を有するゲームシステムであって、
各ゲーム装置は、
プレイヤによる再設定が可能な計時手段と、
少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群間で通信することによって該ゲーム装置群間で前記計時手段の時刻を一致させる同期手段と、
前記同期手段による処理が行われてから所定の同期期間において、プレイヤによる前記計時手段の再設定を禁止する再設定禁止手段と、
前記同期期間において、各ゲーム装置の前記計時手段の時刻に基づいて該ゲーム装置が出力する仮想的なゲーム世界に所定のイベントを発生させるイベント発生手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項2】
各ゲーム装置は、
プレイヤによる前記計時手段の再設定の可否を示すフラグを記憶するフラグ記憶手段と、
前記同期手段による処理が行われたときに前記フラグをオンにし、前記同期期間が終了したときにオフにするフラグ設定手段とをさらに備え、
前記再設定禁止手段は、前記フラグがオンのときに再設定を禁止することを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
各ゲーム装置は、前記同期期間の終了条件を設定する終了条件設定手段をさらに備え、
前記終了条件設定手段は、前記ゲーム装置群間で通信することによって該ゲーム装置群間で共通の終了条件を設定することを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
各ゲーム装置は、前記イベント発生手段が発生させるべきイベントを設定するイベント設定手段をさらに備え、
前記イベント設定手段は、前記ゲーム装置群間で通信することによって該ゲーム装置群間で共通のイベントを設定することを特徴とする、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記イベント設定手段は、前記ゲーム装置群を構成する各ゲーム装置において個別に設定されている情報の組み合わせに基づいて、該ゲーム装置群を構成するゲーム装置の組み合わせに対応した共通のイベントを設定することを特徴とする、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム装置群のうち、1つのゲーム装置が親機として、残りのゲーム装置が子機としてそれぞれ動作し、
前記イベント設定手段は、第1データを起源データとして所定の規則に基づいてイベントを設定するものであり、
前記親機のイベント設定手段は、第1データを決定して、前記子機に該第1データを前記通信手段を用いて送信し、かつ、該第1データを前記起源データとし、
前記子機のイベント設定手段は、前記通信手段を用いて前記第1データを受信して、受信した該第1データを前記起源データとすることを特徴とする、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記親機は、前記子機から第2データを受信して、受信した該第2データに基づいて前記第1データを生成することを特徴とする、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記ゲーム装置は、前記第1データに基づいてゲームデータを生成するゲームデータ生成手段をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲーム装置は、
イベントを発生させるために用いられるゲームデータを記憶するゲームデータ記憶手段と、
前記第1データに基づいて、前記ゲームデータを変更するゲームデータ変更手段とをさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム装置は複数のイベントを発生させるためのデータを記憶するイベント記憶手段をさらに備え、
前記イベント設定手段は、前記第1データに基づいて前記複数のイベントから少なくとも1つのイベントを選択することを特徴とする、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記イベント記憶手段には、1つのイベントを構成する複数の単位イベントを発生させるためのデータが記憶され、
前記イベント設定手段は、前記第1データに基づいて前記複数の単位イベントから少なくとも1つの単位イベントを選択することを特徴とする、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項12】
通信機能を備えたゲーム装置であって、
プレイヤによる再設定が可能な計時手段と、
少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群間で通信することによって該ゲーム装置群間で前記計時手段の時刻を一致させる同期手段と、
前記同期手段による処理が行われてから所定の同期期間において、プレイヤによる前記計時手段の再設定を禁止する再設定禁止手段と、
前記同期期間において、前記計時手段の時刻に基づいてゲーム世界に所定のイベントを発生させるイベント発生手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項13】
前記イベント発生手段が発生させるべきイベントを設定するイベント設定手段をさらに備え、
前記イベント設定手段は、前記ゲーム装置群間で通信することによって該ゲーム装置群間で共通のイベントを設定することを特徴とする、請求項12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記イベント設定手段は、前記ゲーム装置群を構成する各ゲーム装置において個別に設定されている情報の組み合わせに基づいて、該ゲーム装置群を構成するゲーム装置の組み合わせに対応した共通のイベントを設定することを特徴とする、請求項13に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記ゲーム装置群において、1つのゲーム装置が親機として、残りのゲーム装置が子機としてそれぞれ動作し、
前記イベント設定手段は、第1データを起源データとして所定の規則に基づいてイベントを設定するものであり、
前記イベント設定手段は、
a)該ゲーム装置が親機として動作しているときには、第1データを決定して、前記子機に該第1データを前記通信手段を用いて送信し、かつ、該第1データを前記起源データとし、
b)該ゲーム装置が子機として動作しているときには、前記通信手段を用いて前記第1データを受信して、受信した該第1データを前記起源データとすることを特徴とする、請求項13に記載のゲーム装置。
【請求項16】
通信機能を備えた複数のゲーム装置を有するゲームシステムにおいて、各ゲーム装置のコンピュータを、
少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群間で通信することによって、各ゲーム装置に個別に設けられたプレイヤによる再設定が可能な計時手段の時刻を該ゲーム装置群間で一致させる同期手段、
前記同期手段による処理が行われてから所定の同期期間において、プレイヤによる前記計時手段の再設定を禁止する再設定禁止手段、
前記同期期間において、前記計時手段の時刻に基づいてゲーム世界に所定のイベントを発生させるイベント発生手段として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項17】
さらに各ゲーム装置のコンピュータを、前記イベント発生手段が発生させるべきイベントを設定するイベント設定手段として機能させ、
前記イベント設定手段は、前記ゲーム装置群間で通信することによって該ゲーム装置群間で共通のイベントを設定することを特徴とする、請求項16に記載のゲームプログラム。
【請求項18】
前記イベント設定手段は、前記ゲーム装置群を構成する各ゲーム装置において個別に設定されている情報の組み合わせに基づいて、該ゲーム装置群を構成するゲーム装置の組み合わせに対応した共通のイベントを設定することを特徴とする、請求項16に記載のゲームプログラム。
【請求項19】
前記ゲーム装置群のうち、1つのゲーム装置が親機として、残りのゲーム装置が子機としてそれぞれ動作し、
前記イベント設定手段は、第1データを起源データとして所定の規則に基づいてイベントを設定するものであり、
前記親機のイベント設定手段は、第1データを決定して、前記子機に該第1データを前記通信手段を用いて送信し、かつ、該第1データを前記起源データとし、
前記子機のイベント設定手段は、前記通信手段を用いて前記第1データを受信して、受信した該第1データを前記起源データとすることを特徴とする、請求項17に記載のゲームプログラム。
【請求項20】
通信機能を備えたゲーム装置本体部に着脱可能であり、ゲームプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体およびプレイヤによる再設定が可能な計時手段とを備えたゲームカートリッジであって、
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置本体部のコンピュータを、
少なくとも2台のゲーム装置を含む任意のゲーム装置群間で通信することによって、前記計時手段の時刻を該ゲーム装置群間で一致させる同期手段、
前記同期手段による処理が行われてから所定の同期期間において、プレイヤによる前記計時手段の再設定を禁止する再設定禁止手段、および、
前記同期期間において、前記計時手段の時刻に基づいてゲーム世界に所定のイベントを発生させるイベント発生手段として機能させることを特徴とする、ゲームカートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−105540(P2007−105540A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20030(P2007−20030)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【分割の表示】特願2003−41315(P2003−41315)の分割
【原出願日】平成15年2月19日(2003.2.19)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】