説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、投手キャラクタPから投球されたボールの最終通過位置H3における最終威力状態を示す最終威力状態データFが、ボールの初期威力状態データSとボールの威力変化量データA〜D,Mとに基づいて算出される。そして、ボールの初期威力状態データSとボールの最終威力状態データFとに基づいて、予想通過位置におけるボールの中間威力状態データIが算出される。そして、初期威力状態データS、中間威力状態データI、および最終威力状態データFそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置H1、予想通過位置H2、および最終通過位置H3それぞれの位置に、ボールの威力状態が連続的に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、画像表示部に表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムにより実現されるゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムにより実現されるゲームをコンピュータにより制御可能なビデオゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。このようなゲーム装置においては、入力釦を操作することにより、モニタに表示されたキャラクタを動作させることができるようになっている。
【0003】
このようなゲーム装置において、対戦ゲームたとえば野球ゲームが実行される場合を考える(非特許文献1を参照)。この野球ゲームにおいて、投手キャラクタからボールが投球される場合、ボールの投球先が制御部に認識され、投球動作の開始命令が制御部から発行されると、投手キャラクタから捕手キャラクタに向けてボールが投球される。投手キャラクタからボールが投球されるときの投手キャラクタの球威は、ボールを投手キャラクタからリリースさせるタイミングに応じて決定される。そして、ボールが投手キャラクタからリリースされると、打者キャラクタがボールを捉える面であるヒッティング面のボールの予想通過位置にボールキャラクタが表示される。このボールキャラクタは、投手キャラクタの球威の大小すなわちリリースタイミングの良し悪しに応じて、異なる大きさで表示される。たとえば、投手キャラクタのリリースタイミングが良ければ、大きなボールキャラクタがモニタに表示され、投手キャラクタのリリースタイミングが悪ければ、小さなボールキャラクタがモニタに表示される。
【非特許文献1】プロ野球スピリッツ2 コナミ株式会社 2005年4月7日 PlayStation2版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の野球ゲームでは、投手キャラクタからボールが投球されるときの投手キャラクタの球威が、ボールを投手キャラクタからリリースさせるタイミングに応じて決定されるようになっていた。このような野球ゲームでは、ボールのリリース時において、投手キャラクタの球威が決定されると、決定された球威に対応する所定の大きさのボールキャラクタがモニタに表示される。そして、ボールが投手キャラクタから捕手キャラクタへと近接するにつれて、所定の大きさのボールキャラクタがヒッティング面を徐々に移動していく状態がモニタに表示される。
【0005】
このような野球ゲームにおいて、プレイヤが打者キャラクタを操作する場合、投手キャラクタから投球されたボールが大きなボールキャラクタで表示されれば打者キャラクタはボールを捉えやすく、投手キャラクタから投球されたボールが小さなボールキャラクタで表示されれば打者キャラクタがボールを捉えにくくなる。すなわち、球威の大小に応じて、打者キャラクタはボールを捉えやすくなったりボールを捉えにくくなったりする。
【0006】
ここで、実際の野球における打者の立場で考えると、投手からリリースされた球威の大小は、打者がボールを捉えられるか否かを左右する要因の1つである。しかしながら、実際の野球では、投手の投球コースによっては、球威のあるボールであってもボールを捉えられたり、球威のないボールであってもボールを捉えられなかったりする。しかしながら、このような投球コースによる影響は従来の野球ゲームでは反映されておらず、実際の野球における打者の感覚を従来の野球ゲームでは十分に再現できていなかった。
【0007】
本発明の目的は、キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係るゲームプログラムは、画像表示部に表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させる。
(1)キャラクタから送出された移動体の予想通過領域を制御部に認識させる予想通過領域認識機能。
(2)移動体がキャラクタから送出されるときの移動体の初期威力状態を示す移動体の初期威力状態データを制御部に認識させる初期威力状態データ認識機能。
(3)移動体がキャラクタから送出されたときの予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置を制御部に認識させる初期予想通過位置認識機能。
(4)移動体がキャラクタから送出されてから移動体が予想通過領域に到達するまでの予想通過表示領域における移動体の予想通過位置を制御部に認識させる予想通過位置認識機能。
(5)キャラクタから送出された移動体が予想通過領域に到達したときの予想通過表示領域における移動体の最終通過位置を制御部に認識させる最終通過位置認識機能。
(6)最終通過位置における、初期予想通過位置における初期威力状態および最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データを制御部に認識させる威力変化量データ認識機能。
(7)最終通過位置における移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データを、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいて制御部に算出させ、最終威力状態データを制御部に認識させる最終威力状態データ認識機能。
(8)初期威力状態データと最終威力状態データとに基づいて、予想通過位置における移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データを制御部に算出させ、中間威力状態データを制御部に認識させる中間威力状態データ認識機能。
(9)初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、移動体の威力状態を連続的に表示する威力状態表示機能。
【0009】
このゲームプログラムでは、予想通過領域認識機能において、キャラクタから送出された移動体の予想通過領域が制御部に認識される。初期威力状態データ認識機能においては、移動体がキャラクタから送出されるときの移動体の初期威力状態を示す移動体の初期威力状態データが制御部に認識される。初期予想通過位置認識機能においては、移動体がキャラクタから送出されたときの予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置が制御部に認識される。予想通過位置認識機能においては、移動体がキャラクタから送出されてから移動体が予想通過領域に到達するまでの予想通過表示領域における移動体の予想通過位置が制御部に認識される。最終通過位置認識機能においては、キャラクタから送出された移動体が予想通過領域に到達したときの予想通過表示領域における移動体の最終通過位置が制御部に認識される。威力変化量データ認識機能においては、最終通過位置における、初期予想通過位置における初期威力状態および最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データが制御部に認識される。最終威力状態データ認識機能においては、最終通過位置における移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データが、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいて制御部により算出され、この最終威力状態データを制御部に認識される。中間威力状態データ認識機能においては、初期威力状態データと最終威力状態データとに基づいて、予想通過位置における移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データが制御部により算出され、この中間威力状態データが制御部に認識される。威力状態表示機能においては、初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、移動体の威力状態が連続的に表示される。
【0010】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームを実現した場合、最終威力状態データ認識機能において、投手キャラクタから投球されたボールの最終通過位置における最終威力状態を示す最終威力状態データを、ボールの初期威力状態データとボールの威力変化量データとに基づいて算出することができる。そして、中間威力状態データ認識機能において、ボールの初期威力状態データとボールの最終威力状態データとに基づいて、予想通過位置におけるボールの中間威力状態を示す中間威力状態データを算出することができる。そして、威力状態表示機能において、初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、ボールの威力状態を連続的に表示することができる。このようにして、投手キャラクタから投球されたボールの威力状態を、ボールの到達位置に応じて変更することができる。すなわち、キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができる。
【0011】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)予想通過領域の所定の内部領域を制御部に認識させる内部領域認識機能。
(11)移動体の最終通過位置が内部領域の範囲内に位置するか否かを制御部に判断させる位置判断機能。
【0012】
このゲームプログラムでは、内部領域認識機能において、予想通過領域の所定の内部領域が制御部に認識される。位置判断機能においては、移動体の最終通過位置が内部領域の範囲内に位置するか否かが制御部により判断される。最終威力状態データ認識機能においては、移動体の最終通過位置が内部領域の範囲内に位置すると制御部に判断された場合に、最終通過位置における移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データが、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいて制御部により算出され、この最終威力状態データが制御部に認識される。
【0013】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームを実現した場合、最終威力状態データ認識機能において、ボールの最終通過位置がストライクゾーンの四隅等に位置すると判断された場合に、ボールの最終通過位置におけるボールの最終威力状態データを、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいて算出することができる。たとえば、初期威力状態データに威力変化量データを加算することによって、最終威力状態データを算出することができる。すると、威力状態表示機能において、初期威力状態データ、中間威力状態データ、およびこの最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、ボールの威力状態を連続的に表示することができる。このようにして、ボールの最終通過位置がストライクゾーンの四隅等に位置する場合に、投手キャラクタから投球されたボールの威力状態を、ボールの到達位置に応じて変更することができる。すなわち、移動体の最終通過位置が内部領域の範囲内に位置する場合に、キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができる。
【0014】
請求項3に係るゲームプログラムでは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、初期威力状態データと最終威力状態データとを初期条件とした補間計算を制御部に実行させることにより中間威力状態データが制御部により算出され、この中間威力状態データが制御部に認識される。この機能は、中間威力状態データ認識機能において実現される。
【0015】
このゲームプログラムでは、中間威力状態データ認識機能において、初期威力状態データと最終威力状態データとを初期条件とした補間計算を制御部に実行させることにより中間威力状態データが制御部により算出され、この中間威力状態データが制御部に認識される。
【0016】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームを実現した場合、中間威力状態データ認識機能において、初期威力状態データと最終威力状態データとを初期条件とした補間計算を実行することにより中間威力状態データを算出することができる。すると、威力状態表示機能において、初期威力状態データ、この中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、ボールの威力状態を連続的に表示することができる。このようにして、投手キャラクタから投球されたボールの威力状態を、ボールの到達位置に応じて変更することができる。すなわち、キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができる。
【0017】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(12)キャラクタの移動体送出能力を示す移動体送出能力データを制御部に認識させる移動体送出能力データ認識機能。
【0018】
このゲームプログラムでは、移動体送出能力データ認識機能において、キャラクタの移動体送出能力を示す移動体送出能力データが制御部に認識される。初期威力状態データ認識機能においては、移動体送出能力に対応する移動体の初期威力状態を示す移動体の初期威力状態データが、移動体送出能力データに基づいて制御部に認識される。
【0019】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームを実現した場合、初期威力状態データ認識機能において、投手キャラクタの投球能力に対応するボールの初期威力状態を示すボールの初期威力状態データを、ボール送出能力データに基づいて設定することができる。これにより、投手キャラクタの投球能力に応じてボールの初期威力状態データを設定することができる。すなわち、キャラクタの移動体送出能力に応じて移動体の初期威力状態データを設定することができる。
【0020】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(13)移動体をキャラクタから送出させるための命令を制御部に認識させる命令認識機能。
(14)命令が制御部に認識されたときの時間を送出時機データとして制御部に認識させる時機データ認識機能。
【0021】
このゲームプログラムでは、命令認識機能において、移動体をキャラクタから送出させるための命令が制御部に認識される。時機データ認識機能においては、命令が制御部に認識されたときの時間が送出時機データとして制御部に認識される。初期威力状態データ認識機能においては、移動体送出能力に対応する移動体の初期威力状態を示す移動体の初期威力状態データが、送出時機データに基づいて制御部に認識される。
【0022】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームを実現した場合、プレイヤがコントローラを操作して投手キャラクタにボールをリリースさせると、初期威力状態データ認識機能において、投手キャラクタの投球能力に対応するボールの初期威力状態データを、投手キャラクタからボールがリリースされたタイミングを示すリリース時機データに基づいて設定することができる。これにより、投手キャラクタのリリースタイミングに応じてボールの初期威力状態データを設定することができる。すなわち、キャラクタの送出時機に応じて移動体の初期威力状態データを設定することができる。
【0023】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(15)キャラクタの送出形態を示す送出形態データおよびキャラクタから送出される移動体の回転状態を示す回転状態データの少なくともいずれか一方のデータを制御部に認識させる形態回転データ認識機能。
【0024】
このゲームプログラムでは、形態回転データ認識機能において、キャラクタの送出形態を示す送出形態データおよびキャラクタから送出される移動体の回転状態を示す回転状態データの少なくともいずれか一方のデータが制御部に認識される。威力変化量データ認識機能においては、最終通過位置における威力変化量データが、送出形態データおよび回転状態データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて制御部に認識される。
【0025】
たとえば、このゲームプログラムによって野球ゲームを実現した場合、威力変化量データ認識機能において、投手キャラクタの投球フォームを示す投球フォームデータおよび投手キャラクタから送出されるボールの球種を示す球種データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、最終通過位置における威力変化量データを設定することができる。すると、最終威力状態データ認識機能において、最終威力状態データを、初期威力状態データとこの威力変化量データとに基づいて設定することができる。すなわち、投球フォームデータや球種データに基づいて、最終通過位置における威力変化量データを設定することにより、最終通過位置における最終威力状態データを決定することができる。すなわち、送出形態データや回転状態データに基づいて、最終通過位置における最終威力状態データを設定することができる。
【0026】
請求項7に係るゲーム装置は、キャラクタから送出される移動体を画像表示部に表示するゲームを実行可能なゲーム装置であって、キャラクタから送出された移動体の予想通過領域を制御部に認識させる予想通過領域認識手段と、移動体がキャラクタから送出されるときの移動体の初期威力状態を示す移動体の初期威力状態データを制御部に認識させる初期威力状態データ認識手段と、移動体がキャラクタから送出されたときの予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置を制御部に認識させる初期予想通過位置認識手段と、移動体がキャラクタから送出されてから移動体が予想通過領域に到達するまでの予想通過表示領域における移動体の予想通過位置を制御部に認識させる予想通過位置認識手段と、キャラクタから送出された移動体が予想通過領域に到達したときの予想通過表示領域における移動体の最終通過位置を制御部に認識させる最終通過位置認識手段と、最終通過位置における、初期予想通過位置における初期威力状態および最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データを制御部に認識させる威力変化量データ認識手段と、最終通過位置における移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データを、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいて制御部に算出させ、最終威力状態データを制御部に認識させる最終威力状態データ認識手段と、初期威力状態データと最終威力状態データとに基づいて、予想通過位置における移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データを制御部に算出させ、中間威力状態データを制御部に認識させる中間威力状態データ認識手段と、初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、移動体の威力状態を連続的に表示する威力状態表示手段と、を備えている。
【0027】
請求項8に係るゲーム制御方法は、キャラクタから送出される移動体を画像表示部に表示するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、キャラクタから送出された移動体の予想通過領域を制御部に認識させる予想通過領域認識ステップと、移動体がキャラクタから送出されるときの移動体の初期威力状態を示す移動体の初期威力状態データを制御部に認識させる初期威力状態データ認識ステップと、移動体がキャラクタから送出されたときの予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置を制御部に認識させる初期予想通過位置認識ステップと、移動体がキャラクタから送出されてから移動体が予想通過領域に到達するまでの予想通過表示領域における移動体の予想通過位置を制御部に認識させる予想通過位置認識ステップと、キャラクタから送出された移動体が予想通過領域に到達したときの予想通過表示領域における移動体の最終通過位置を制御部に認識させる最終通過位置認識ステップと、最終通過位置における、初期予想通過位置における初期威力状態および最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データを制御部に認識させる威力変化量データ認識ステップと、最終通過位置における移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データを、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいて制御部に算出させ、最終威力状態データを制御部に認識させる最終威力状態データ認識ステップと、初期威力状態データと最終威力状態データとに基づいて、予想通過位置における移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データを制御部に算出させ、中間威力状態データを制御部に認識させる中間威力状態データ認識ステップと、初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、移動体の威力状態を連続的に表示する威力状態表示ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができる。また、移動体の最終通過位置が内部領域の範囲内に位置する場合に、キャラクタから送出された移動体の威力状態を、移動体の到達位置に応じて変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0030】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0031】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0032】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0033】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0034】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0035】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
【0036】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0037】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0038】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rからなる十字ボタン17Bは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0039】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0040】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0041】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0042】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0043】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0044】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0045】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0046】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
【0047】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機1は、画像表示部たとえばテレビジョンモニタ20に表示された投手キャラクタから投球されたボールの威力状態をテレビジョンモニタ20に表示するゲームを実行可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0048】
予想通過領域認識手段50は、投手キャラクタから投球されたボールの予想通過領域を制御部たとえばCPU7に認識させる機能を備えている。
【0049】
この手段では、投手キャラクタから投球されたボールの予想通過領域内の座標を示す座標データが制御部に認識される。予想通過領域内の座標データはゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納された予想通過領域内の座標データがCPU7に認識される。ボールの予想通過領域は、矩形状のストライクゾーンとストライクゾーンを取り囲むボールゾーンとからなっており、RAM12に格納された予想通過領域内の座標データがCPU7に認識されたときに、ストライクゾーン内の座標データおよびボールゾーン内の座標データがCPU7に認識される。
【0050】
内部領域認識手段51は、予想通過領域の所定の内部領域をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0051】
この手段では、予想通過領域の所定の内部領域内の座標を示す座標データがCPU7に認識される。所定の内部領域内の座標データはゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納された所定の内部領域内の座標データがCPU7に認識される。ここでは、所定の内部領域が、ストライクゾーンの四隅の領域と、ストライクゾーンの四隅に隣接するボールゾーンの領域と、ストライクゾーンの中央部の領域(ど真ん中の領域)とからなっている。ここでは、ストライクゾーンの四隅の領域内の座標を示す座標データと、ストライクゾーンの四隅に隣接するボールゾーンの領域内の座標を示す座標データと、ど真ん中の領域内の座標を示す座標データがCPU7に認識される。
【0052】
ボール投球能力データ認識手段52は、投手キャラクタのボール送出能力を示すボール投球能力データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0053】
この手段では、対戦相手が自動制御されるゲームプログラムたとえばAI(Artificial Intelligence)用プログラムである場合、AI用プログラムに基づいて投手キャラクタを選択する命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタのボール送出能力を示すボール投球能力データがCPU7に認識される。AIプログラムは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に格納されCPU7に認識されている。一方で、対戦相手がコントローラ17により投手キャラクタを選択する場合、コントローラ17を操作することにより投手キャラクタを選択するための命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタのボール送出能力を示すボール投球能力データがCPU7に認識される。なお、各投手キャラクタに対応するボール投球能力データはゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されたボール投球能力データがCPU7に認識されている。
【0054】
投手対打者関連データ認識手段53は、投手キャラクタの動作形態と打者キャラクタの動作形態との関係を示す動作形態関係データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0055】
この手段では、投手キャラクタの利き腕と打者キャラクタの利き腕との関係を示す動作形態関係データがCPU7に認識される。たとえば、対戦相手がAI用プログラムである場合、AI用プログラムに基づいて投手キャラクタを選択する命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタの動作形態データたとえば投手キャラクタの利き腕データがCPU7に認識される。また、AI用プログラムに基づいて、選択された投手キャラクタと対戦する打者キャラクタの選択命令がCPU7に受け付けられたときに、打者キャラクタの動作形態データたとえば打者キャラクタの利き腕データがCPU7に認識される。そして、投手キャラクタの利き腕データと打者キャラクタの利き腕データとの複数の組み合わせからなる組み合わせデータが、動作形態関係データとしてCPU7に認識される。なお、各投手キャラクタに対応する利き腕データおよび各打者キャラクタに対応する利き腕データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されたフォームデータおよび球種データがCPU7に認識されている。一方で、対戦相手がコントローラ17により投手キャラクタを選択する場合、コントローラ17を操作することにより投手キャラクタを選択するための命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタの利き腕データおよび打者キャラクタの利き腕データがCPU7に認識され、組み合わせデータが動作形態関係データとしてCPU7に認識される
形態回転データ認識手段54は、投手キャラクタのフォーム形態を示すフォームデータおよび投手キャラクタから送出されるボールの球種を示す球種データの少なくともいずれか一方のデータをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0056】
この手段では、対戦相手がAI用プログラムである場合、AI用プログラムに基づいて投手キャラクタの選択命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタのフォーム形態を示すフォームデータがCPU7に認識される。また、AI用プログラムに基づいて投手キャラクタから送出されるボールの球種指示命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタから送出されるボールの球種を示す球種データがCPU7に認識される。一方で、対戦相手がコントローラ17により投手キャラクタを選択する場合、コントローラ17を操作することにより投手キャラクタを選択するための命令がCPU7に受け付けられたときに、投手キャラクタのフォーム形態を示すフォームデータがCPU7に認識される。また、投手キャラクタに送出させるボールの球種を指示するための命令がコントローラ17から指示されたときに、投手キャラクタから送出されるボールの球種指示命令がCPU7に受け付けられ、投手キャラクタから送出されるボールの球種を示す球種データがCPU7に認識される。なお、各投手キャラクタに対応するフォームデータおよび球種データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されたフォームデータおよび球種データがCPU7に認識されている。
【0057】
初期威力状態データ認識手段55は、ボールが投手キャラクタから投球されるときのボールの初期威力状態を示すボールの初期威力状態データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、初期威力状態データ認識手段55は、ボール送出能力に対応するボールの初期威力状態を示すボールの初期威力状態データをボール投球能力データに基づいてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0058】
この手段では、ボール送出能力に対応するボールの初期威力状態を示すボールの初期威力状態データが、ボール投球能力データに基づいてCPU7に認識される。ボール投球能力データに対応するボールの初期威力状態データは、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されたボールの初期威力状態データがCPU7に認識される。
【0059】
初期予想通過位置認識手段56は、ボールが投手キャラクタから投球されたときの予想通過表示領域におけるボールの初期予想通過位置をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0060】
この手段では、ボールが投手キャラクタから投球されたときの予想通過表示領域におけるボールの初期予想通過位置の座標を示す座標データがCPU7に認識される。たとえば、AI用プログラムに基づいて、投手キャラクタをテレビジョンモニタ20において動作させるための各種の命令がCPU7に受け付けられたときに、ボールを投手キャラクタにリリースさせるための命令がCPU7から発行され、予想通過表示領域におけるボールの初期予想通過位置の座標データがCPU7に認識される。なお、AIプログラムは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に格納されCPU7に認識されている。一方で、投手キャラクタをテレビジョンモニタ20において動作させるための各種の命令がコントローラ17から指示される場合、ボールを投手キャラクタにリリースさせるためのコントローラ17から入力信号がCPU7に認識されたときに、ボールを投手キャラクタにリリースさせる命令がCPU7から発行され、予想通過表示領域におけるボールの初期予想通過位置の座標データがCPU7に認識される。
【0061】
具体的には、ボールを投手キャラクタにリリースさせる命令がCPU7から発行されたときに、投手キャラクタからボールがリリースされたときのボールの位置を示す座標データがCPU7に認識される。そして、このリリース時のボールの座標データおよび予想通過領域の座標データに基づいて、リリース時のボールの位置を予想通過領域の面に投影する計算がCPU7により実行される。これにより、予想通過表示領域におけるボールの初期予想通過位置の座標データが算出されCPU7に認識される。
【0062】
最終通過位置認識手段57は、投手キャラクタから投球されたボールが予想通過領域に到達したときの予想通過表示領域におけるボールの最終通過位置をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0063】
この手段では、投手キャラクタから投球されたボールが予想通過領域に到達したときの予想通過表示領域におけるボールの最終通過位置がCPU7に認識される。たとえば、対戦相手がAIプログラムである場合、まず、ボールの目標通過位置の座標がCPU7に認識される。次に、リリース後のボールの位置座標を求めるための、時間およびボールの3軸方向の速度等をパラメータとするボールの軌道基礎方程式Fo(=Xo+dX)がCPU7に認識される。ここで、Xoはリリース時のボールの位置座標であり、dXはリリース後のボールの位置座標の変動量である。このdXは、ボールの初速度および空気抵抗等が考慮された、時間およびボールの3軸方向の速度等からなる関数である。なお、空気抵抗はリリースされたボールの速度を減速する減速率として用いられる。ここでは、初速度および減速率はゲームプログラムにおいて予め規定された値が用いられる。このような軌道基礎方程式Foにリリース時のボールの位置座標を代入する計算をCPU7に実行させることにより、Fo=Xoとなるような軌道基礎方程式Foの係数がCPU7により算出される。これにより、リリース時のボールの位置を示す座標を通るボールの軌道方程式が算出される。続いて、この軌道方程式と予想通過領域との交点すなわちボールの最終通過位置の座標がCPU7により算出される。このときに、ボールの最終通過位置の座標がCPU7に認識される。なお、ボールの目標通過位置の座標は、ボールの球種がストレートのときの軌道方程式の拘束条件として用いられており、ボールの球種がストレートの場合には、軌道方程式がボールの目標通過位置の座標に一致するようになっている。
【0064】
一方で、投手キャラクタをテレビジョンモニタ20において動作させるための各種の命令がコントローラ17から指示される場合、まず、コントローラ17の左スティック17SLが操作されると、左スティック17SLの傾倒方向に予想通過領域においてボールの目標通過位置がCPU7からの移動命令に基づいて移動させられる。次に、上記のボールの軌道基礎方程式Fo(=Xo+dX)がCPU7に認識される。そして、ボールを投手キャラクタにリリースさせるためにコントローラ17の第3ボタン17cが操作されると、ボールを投手キャラクタにリリースさせるための入力信号がCPU7に認識される。すると、ボールを投手キャラクタにリリースさせるための命令がCPU7から発行される。このときに、ボールの目標通過位置の座標がCPU7に認識される。すると、このような軌道基礎方程式Foにリリース時のボールの位置座標を代入する計算をCPU7に実行させることにより、Fo=Xoとなるような軌道基礎方程式Foの係数がCPU7により算出される。これにより、リリース時のボールの位置を示す座標を通るボールの軌道方程式が算出される。続いて、この軌道方程式と予想通過領域との交点すなわちボールの最終通過位置の座標がCPU7により算出される。このときに、ボールの最終通過位置の座標がCPU7に認識される。
【0065】
なお、ボールの軌道基礎方程式は、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。また、3軸方向の速度の各速度は、たとえば、1単位時間たとえば1/60sec前の速度に球種ごとのボールの回転速度による変動速度を合成する計算をCPU7に実行させ、合成された速度に減速率を乗じる計算をCPU7に実行させることにより算出される。
【0066】
予想通過位置認識手段58は、ボールが投手キャラクタから投球されてからボールが予想通過領域に到達するまでの予想通過表示領域におけるボールの予想通過位置をCPU7に認識させる機能を備えている。
【0067】
この手段では、ボールが投手キャラクタから投球されてからボールが予想通過領域に到達するまでの予想通過表示領域におけるボールの予想通過位置がCPU7に認識される。たとえば、まず、リリース時のボールの位置を示す座標とボールの最終通過位置の座標とを通る軌道方程式に基づいて、リリース時のボールの位置とボールの最終通過位置との間のボールの位置すなわち軌道方程式により規定される中間座標データがCPU7に認識される。次に、この中間座標データおよび予想通過領域の座標データに基づいて、リリース時のボールの位置とボールの最終通過位置との間のボールの位置を予想通過領域の面に投影する計算がCPU7により実行される。これにより、予想通過表示領域におけるボールの予想通過位置の座標データが算出されCPU7に認識される。
【0068】
威力変化量データ認識手段59は、初期予想通過位置における初期威力状態および最終通過位置における最終威力状態の差異を示す、最終通過位置における威力変化量データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、威力変化量データ認識手段59は、最終通過位置における威力変化量データを、最終通過位置、フォームデータ、および球種データの少なくともいずれか1つのデータに基づいてCPU7に認識させる機能を備えている。より詳細には、威力変化量データ認識手段59は、最終通過位置における威力変化量データを、最終通過位置、フォームデータ、球種データ、および動作形態関係データの少なくともいずれか1つのデータに基づいてCPU7に認識させる機能を備えている。
【0069】
この手段では、最終通過位置における威力変化量データが、フォームデータ、球種データ、および動作形態関係データに基づいてCPU7に認識される。たとえば、フォームデータ、球種データ、および動作形態関係データに対応する威力変化量データが、ボールの最終通過位置に応じてCPU7に認識される。ここでは、フォームデータ、球種データ、および動作形態関係データそれぞれと、威力変化量データとの対応を示す対応テーブルに基づいて、威力変化量データがボールの最終通過位置に応じてCPU7に認識される。このようなフォームデータ、球種データ、および動作形態関係データそれぞれと、威力変化量データとは、フォームデータ、球種データ、および動作形態関係データがCPU7に認識されたときに、これらデータに対する威力変化量データがCPU7により対応づけられる。なお、威力変化量データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に格納されCPU7に認識されている。
【0070】
位置判断手段60は、ボールの最終通過位置が内部領域の範囲内に位置するか否かをCPU7に判断させる機能を備えている。
【0071】
この手段では、ボールの最終通過位置が内部領域の範囲内に位置するか否かがCPU7により判断される。具体的には、ボールの最終通過位置の座標データにより規定される座標が所定の内部領域内の座標データにより規定される座標のいずれか1つに一致するか否かがCPU7により判断される。たとえば、ボールの最終通過位置の座標が、ストライクゾーンの四隅の領域の座標、ボールゾーンの領域の座標、ど真ん中の領域の座標のいずれか1つに一致するか否かがCPU7により判断される。
【0072】
最終威力状態データ認識手段61は、最終通過位置におけるボールの最終威力状態を示す最終威力状態データを、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいてCPU7に算出させ、最終威力状態データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、最終威力状態データ認識手段61は、ボールの最終通過位置が内部領域の範囲内に位置するとCPU7に判断された場合に、最終通過位置におけるボールの最終威力状態を示す最終威力状態データを、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいてCPU7に算出させ、最終威力状態データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0073】
この手段では、ボールの最終通過位置が内部領域の範囲内に位置するとCPU7に判断された場合に、最終通過位置におけるボールの最終威力状態を示す最終威力状態データが、初期威力状態データと威力変化量データとに基づいてCPU7により算出され、この最終威力状態データがCPU7に認識される。たとえば、ボールの最終通過位置の座標がストライクゾーンの四隅の領域の座標、ボールゾーンの領域の座標、およびど真ん中の領域の座標のいずれか1つに一致するとCPU7により判断された場合に、初期威力状態データに威力変化量データを加算する処理をCPU7に実行させることにより最終威力状態データが算出され、この最終威力状態データがCPU7に認識される。
【0074】
中間威力状態データ認識手段62は、初期威力状態データと最終威力状態データとに基づいて、予想通過位置におけるボールの中間威力状態を示す中間威力状態データをCPU7に算出させ、中間威力状態データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、中間威力状態データ認識手段62は、初期威力状態データと最終威力状態データとを初期条件とした補間計算をCPU7に実行させることにより中間威力状態データをCPU7に算出させ、中間威力状態データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0075】
この手段では、初期威力状態データと最終威力状態データとを初期条件とした補間計算をCPU7に実行させることにより中間威力状態データがCPU7により算出され、中間威力状態データがCPU7に認識される。たとえば、初期威力状態データと最終威力状態データとを初期条件とした線形補間計算をCPU7に実行させることにより中間威力状態データがCPU7により算出され、この中間威力状態データがCPU7に認識される。
【0076】
威力状態表示手段63は、初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、ボールの威力状態を連続的に表示する機能を備えている。
【0077】
この手段では、初期威力状態データ、中間威力状態データ、および最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、初期予想通過位置、予想通過位置、および最終通過位置それぞれの位置に、ボールの威力状態が連続的に表示される。たとえば、初期威力状態データに対応する第1画像データ、中間威力状態データに対応する第2画像データ、および最終威力状態データに対応する第3画像データがCPU7により選択され認識される。すると、初期予想通過位置に第1画像データを表示する命令がCPU7から発行され、予想通過位置に第2画像データを表示する命令がCPU7から発行され、最終通過位置に第3画像データを表示する命令がCPU7から発行される。すると、第1から第3画像データが予想通過領域の所定の位置に連続的に表示される。ここでは、第1画像データ、第2画像データ、および第3画像データそれぞれは、画像データが互いに異なる大きさを有しており、この画像データの大きさの違いによって、ボールの威力状態が表現される。なお、第1から第3画像データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に格納されCPU7に認識されている。ここでは、第1から第3画像データそれぞれが個別に用意されている場合の例を示すが、第1画像データおよび第3画像データの少なくともいずれか一方の画像データのみを用意しておき、第1画像データおよび第2画像データを拡大又は縮小する処理をCPU7に実行させることにより、第2画像データが生成されるようにしても良い。
【0078】
〔野球ゲームにおける威力状態表示システムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおける威力状態表示システムの具体的な内容について説明する。また、図13に示す威力状態表示システムの処理フローについても同時に説明する。
【0079】
本野球ゲームでは、テレビジョンモニタ20に表示された投手キャラクタPから投球されたボールの威力状態をテレビジョンモニタ20に表示可能になっている。なお、以下では、投手キャラクタPに関する各種の命令が、AIプログラムに基づいてCPU7に受け付けられCPU7から発行される場合を例として、威力状態表示システムの説明を行うものとする。一方で、打者キャラクタQに関する各種の命令は、コントローラ17から指示されるものとして、威力状態表示システムの説明を行うものとする。すなわち、プレイヤが打者キャラクタQを操作するときの例を示す。
【0080】
野球ゲームプログラムがゲーム機本体にロードされると、図3および図4に示すように、矩形状のストライクゾーン80aとストライクゾーン80aを取り囲むボールゾーン80bとからなる予想通過領域80の内部の座標データが、記録媒体10からRAM12に供給され格納される。このときに、予想通過領域80内の座標データがCPU7に認識される(S1)。また、予想通過領域80の所定の内部領域180a,180bの内部の座標を示す座標データがCPU7に認識される(S2)。すると、予想通過領域80内の座標データに基づいて、予想通過領域80を取り囲むストライクゾーン80aを示す矩形状の枠画像が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0081】
続いて、AI用プログラムに基づいて先発投手キャラクタ又はリリーフ投手キャラクタPが選択されると、選択された投手キャラクタPをテレビジョンモニタ20に表示するための表示命令がCPU7から発行される。すると、図3に示すように、選択された投手キャラクタPが、投手キャラクタ用画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S3)。また、AI用プログラムに基づいて先発投手キャラクタ又はリリーフ投手キャラクタPが選択されたときには、選択された投手キャラクタPに対応するボール投球能力データNがCPU7に認識される(S4)。すると、このボール投球能力データNに対応するボールの初期威力状態データSがCPU7に認識される(S5)。また、選択された投手キャラクタPに対応する利き腕データK11およびフォームデータK12がCPU7に認識される(S6)。
【0082】
ここでは、図5に示すように、ボール投球能力データNには、投手キャラクタPの投球能力に応じた「1」から「3」の数値がCPU7により割り当てられている。たとえば、ボール投球能力データNには、投手キャラクタPの投球能力が高い順に「1」から「3」の数値がCPU7により割り当てられる。ここでは、投手キャラクタP2が最も投球能力が高く、投手キャラクタP3が最も投球能力が低く、投手キャラクタP1が中程度の投球能力である場合の例を示す。この場合、投手キャラクタP1のボール投球能力データNには、「2」という数値がCPU7により割り当てられ、投手キャラクタP2のボール投球能力データNには、「1」という数値がCPU7により割り当てられ、投手キャラクタP3のボール投球能力データNには、「3」という数値がCPU7により割り当てられる。すると、ボール投球能力データNの各数値には、ボールの初期威力状態データSの数値がCPU7により対応づけられる。たとえば、投球能力が最も高い投手キャラクタP2のボール投球能力データNには、「1.0」という数値を有するボールの初期威力状態データSがCPU7により対応づけられ、投球能力が最も低い投手キャラクタP3のボール投球能力データNには、「0.6」という数値を有するボールの初期威力状態データSがCPU7により対応づけられ、投球能力が中程度の投手キャラクタP1のボール投球能力データNには、「0.8」という数値を有するボールの初期威力状態データSがCPU7により対応づけられる。
【0083】
また、図6に示すように、投手キャラクタPの利き腕データK11には、投手キャラクタPの利き腕が右であるか左であるかによって、「1」又は「2」の数値がCPU7により割り当てられる。たとえば、投手キャラクタPの利き腕が右である場合は、投手キャラクタPの利き腕データK11には「1」という数値がCPU7により割り当てられ、投手キャラクタPの利き腕が左である場合は、利き腕データK11には「2」という数値がCPU7により割り当てられる。ここでは、投手キャラクタP1,P3の利き腕が右であり、投手キャラクタP2の利き腕が左である場合の例を示している。この場合、投手キャラクタP1,P3の利き腕データK11には「1」という数値が割り当てられ、投手キャラクタP2の利き腕データK11には「2」という数値が割り当てられる。
【0084】
さらに、投手キャラクタPのフォームがオーバースローである場合は、フォームデータK12には「1」という数値がCPU7により割り当てられ、投手キャラクタPのフォームがサイドスローである場合は、フォームデータK12には「2」という数値がCPU7により割り当てられ、投手キャラクタPのフォームがアンダースローである場合は、フォームデータK12には「3」という数値がCPU7により割り当てられる。ここでは、投手キャラクタP1の投球フォームがサイドスローであり、投手キャラクタP2の投球フォームがオーパースローであり、投手キャラクタP3の投球フォームがアンダースローである場合の例を示している。この場合、投手キャラクタP1のフォームデータK12には「2」という数値が割り当てられ、投手キャラクタP2のフォームデータK12には「1」という数値が割り当てられ、投手キャラクタP3のフォームデータK12には「3」という数値が割り当てられる。
【0085】
上記の内容から、たとえば、投手キャラクタP1が選択された場合、数値「2」を有するボール投球能力データN、数値「0.8」を有するボールの初期威力状態データS、数値「1」を有する利き腕データK11、および数値「2」を有するフォームデータK12がCPU7に認識される。また、投手キャラクタP2が選択された場合、数値「1」を有するボール投球能力データN、数値「1.0」を有するボールの初期威力状態データS、数値「2」を有する利き腕データK11、および数値「1」を有するフォームデータK12がCPU7に認識される。さらに、投手キャラクタP3が選択された場合、数値「3」を有するボール投球能力データN、数値「0.6」を有するボールの初期威力状態データS、数値「1」を有する利き腕データK11、および数値「3」を有するフォームデータK12がCPU7に認識される。このようにして、選択された投手キャラクタPに関するデータをCPU7に認識させることができる。
【0086】
続いて、選択された投手キャラクタPと対戦する打者キャラクタQがCPU7に認識されると、この打者キャラクタQをテレビジョンモニタ20に表示するための表示命令がCPU7から発行される。すると、図3に示すように、この打者キャラクタQが打者キャラクタ用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される(S7)。そして、打者キャラクタQの利き腕データK21がCPU7に認識される(S8)。たとえば、図7に示すように、打者キャラクタQの利き腕データK21には、打者キャラクタQの打席が右であるか左であるかによって、「1」又は「2」の数値がCPU7により割り当てられる。たとえば、打者キャラクタQの打席が右である場合は、打者キャラクタQの利き腕データK21には「1」という数値がCPU7により割り当てられ、打者キャラクタQの打席が左である場合は、利き腕データK21には「2」という数値がCPU7により割り当てられる。この打者キャラクタQの利き腕データK21は、打席に入る打者キャラクタQがCPU7に認識されたときにCPU7に認識される。なお、ここでは、右打者キャラクタを打者キャラクタQ1とし、左打者キャラクタを打者キャラクタQ2としている。
【0087】
すると、投手キャラクタPの利き腕データK11と打者キャラクタQの利き腕データK21との組み合わせを規定するための組み合わせデータが、動作形態関係データK'としてCPU7に認識される(S9)。たとえば、図8に示すように、投手キャラクタPが右投手であり打者キャラクタが右打者である場合(K11=1,K21=1)、および投手キャラクタPが左投手であり打者キャラクタが左打者である場合(K11=2,K21=2)、動作形態関係データK'には「1」という数値がCPU7により割り当てられる。具体的には、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が同じである場合、すなわち投手キャラクタPの利き腕データK11と打者キャラクタQの利き腕データK21との値が同じであるとCPU7に判断された場合には、動作形態関係データK'には「1」という数値がCPU7により割り当てられる。また、投手キャラクタPが右投手であり打者キャラクタが左打者である場合(K11=1,K21=2)、および投手キャラクタPが左投手であり打者キャラクタが右打者である場合(K11=2,K21=1)、動作形態関係データK'には「2」という数値がCPU7により割り当てられる。具体的には、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が反対である場合、すなわち投手キャラクタPの利き腕データK11と打者キャラクタQの利き腕データK21との値が異なるとCPU7に判断された場合には、動作形態関係データK'には「2」という数値がCPU7により割り当てられる。このように、動作形態関係データK'が、選択された投手キャラクタPの利き腕データK12および打者キャラクタQの利き腕データK21との組み合わせに応じてCPU7に認識される。
【0088】
続いて、AI用プログラムに基づいて投手キャラクタPから送出されるボールの球種指示命令がCPU7に受け付けられると、選択された投手キャラクタPの投球可能な複数の球種のうちからAI用プログラムにより指示された所定の球種がCPU7により選択され、選択されたボールの球種を示す球種データK13がCPU7に認識される(S10)。たとえば、図9に示すように、球種データK13には、ボールの球種に対応した数値がCPU7により割り当てられる。図9では、球種がストレート、スライダー、およびフォークである場合の例が示されている。たとえば、球種としてストレートが選択された場合は、球種データK13には「1」という数値が割り当てられ、球種としてスライダーが選択された場合は、球種データK13には「2」という数値が割り当てられ、球種としてフォークが選択された場合は、球種データK13には「3」という数値が割り当てられる。
【0089】
続いて、AI用プログラムに基づいて、投手キャラクタPの投球動作を開始させるための命令がCPU7に受け付けられ、投手キャラクタPの投球動作を開始させるための命令がCPU7から発行されると、投手キャラクタPが投球動作する状態が、投手キャラクタ用画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S11)。そして、ボールを投手キャラクタPにリリースさせるための命令がCPU7に受け付けられたときに(S12)、図10(a)に示すように、投手キャラクタPからボールがリリースされたときのボールの位置Jを示す座標データがCPU7に認識される(S13)。そして、リリース時のボールの位置Jを予想通過領域80の面に投影する計算がCPU7により実行される(S14)。これにより、リリース時のボールの位置Jに対応する予想通過表示領域におけるボールの初期予想通過位置H1の座標データがCPU7により算出されCPU7に認識される(S15)。
【0090】
続いて、AIプログラムに基づいて、予想通過表示領域におけるボールの目標通過位置Lが自動設定される。このときに、予想通過表示領域におけるボールの目標通過位置Lの座標を示す座標データがCPU7に認識される(S16)。すると、リリース後のボールの位置座標を求めるための、時間およびボールの3軸方向の速度等をパラメータとするボールの軌道基礎方程式FoがCPU7に認識される(S17)。このボールの軌道基礎方程式Foは、ゲームプログラムにおいて予め規定されたものであり、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に格納されている。そして、このような軌道基礎方程式Foにリリース時のボールの位置座標を代入する計算をCPU7に実行させることにより、Fo=Xoとなるような軌道基礎方程式Foの係数がCPU7により算出される。これにより、リリース時のボールの位置を示す座標を通るボールの軌道方程式が算出される(S18)。すると、図10(a)および図10(b)に示すように、この軌道方程式Fと予想通過領域80との交点すなわちボールの最終通過位置H3の座標がCPU7により算出される。このときに、ボールの最終通過位置H3の座標がCPU7に認識される(S19)。
【0091】
すると、図11に示すように、フォームデータK12、球種データK13、および動作形態関係データK'の組み合わせに応じて、フォームデータK12、球種データK13、および動作形態関係データK'に対応する威力変化量データA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E,M(以下、A〜E,Mと示す)がCPU7に認識される(S20)。図11に示された、フォームデータK12、球種データK13、および動作形態関係データK'と、威力変化量データA〜E,Mとの対応関係は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。ここでは、威力変化量データA〜E,MがRAM12に格納されており、この威力変化量データA〜D,Mが、ストライクゾーン80aの四隅の領域180a、ストライクゾーン80aの四隅に隣接するボールゾーン80bの領域180b、およびど真ん中の領域180cそれぞれの領域に対応するデータになっている(図4を参照)。なお、上記の領域180a,180c,180cを除く領域180dに対応する威力変化量データEには、「0」という数値がCPU7により割り当てられている。
【0092】
図11に示された威力変化量データA〜Dの数値は、以下のように設定されている。たとえば、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が同じであり球種がストレートである場合、打者に対してアウトローへの球が有効になるように威力変化量データA〜Dの数値は設定されている。そして、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が反対であり球種がストレートである場合、投手キャラクタPから投球されたボールは打者にとってはクロスボールとなるため、打者に対してアウトローよりもインハイへの球の威力が大きくなるように威力変化量データA〜Dの数値は設定されている。また、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が同じであり球種がスライダーである場合、ストレートの場合と異なり、打者に対してインコースから真ん中までの球の威力が小さくアウトコースへの球の威力が大きくなるように威力変化量データA〜Dの数値は設定されている。そして、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が反対であり球種がスライダーである場合、投手キャラクタPから投球されたボールはクロスボールとなるため、インコースの球以外は打者に対する威力が小さくなるように威力変化量データA〜Dの数値は設定されている。さらに、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が同じであり球種がフォークである場合、打者に対して高めの球は威力が小さくなり低めの球は威力が大きくなるように威力変化量データA〜Dの数値は設定されている。そして、投手キャラクタPと打者キャラクタQとの利き腕が反対であり球種がフォークである場合、打者に対してクロスボールの影響は小さく低めの球の威力が大きくなるように威力変化量データA〜Dの数値は設定されている。
【0093】
続いて、図10(a)に示した、リリース時のボールの位置Jを示す座標とボールの最終通過位置H3の座標とを通る軌道方程式Fに基づいて、リリース時のボールの位置Jとボールの最終通過位置H3との間のボールの位置すなわち軌道上の中間座標を示す中間座標データGがCPU7により算出され認識される(S21)。ここでは、軌道方程式Fに基づいて軌道の所定の間隔ごとの複数の中間座標データGがCPU7により算出され認識される。たとえば、軌道方程式Fに所定の時間および各所定の時間における速度を順次代入する計算をCPU7に実行させることにより、複数の中間座標データGがCPU7により算出され、この中間座標データGがCPU7に認識される。たとえば、ボールがリリースされてからボールが予想通過領域に到達するまでの時間を1secとすると、ここでは、所定の時間がn/60(n=1〜59)secになっており、n/60secごとの複数の中間座標データGがCPU7により算出される。なお、図10(a)には、複数の中間座標データGを簡略化して、6つの中間座標データGが示されている。すると、リリース時のボールの位置Jとボールの最終通過位置H3との間の軌道上の中間座標データGを予想通過領域80の面に投影する計算がCPU7により実行される(S22)。これにより、図10(b)に示したように、予想通過表示領域における複数の予想通過位置H2の座標データが算出されCPU7に認識される(S23)。
【0094】
続いて、ボールの最終通過位置H3の座標が、ストライクゾーン80aの四隅の領域180aの座標、ストライクゾーン80aの四隅に隣接するボールゾーン80bの領域180b、およびど真ん中の領域180cの内部の座標のいずれか1つに一致するか否かがCPU7により判断される(S24)。そして、ボールの最終通過位置H3の座標が、ストライクゾーン80aの四隅の領域180aの座標、ストライクゾーン80aの四隅に隣接するボールゾーン80bの領域180b、およびど真ん中の領域180cの内部の座標のいずれか1つに一致するとCPU7により判断された場合(S24でYes)、ボールの最終通過位置H3の座標が一致した座標を有する領域に割り当てられた威力変化量データA〜D,Mを初期威力状態データSに加算する処理がCPU7により実行される(S25)。たとえば、図10(b)に示すように、ボールの最終通過位置H3の座標が、ストライクゾーン80aの外角低めの領域180aの座標に一致するとCPU7により判断された場合、威力変化量データC1を初期威力状態データSに加算する処理がCPU7により実行される。このようにして最終威力状態データFが算出され、この最終威力状態データFがCPU7に認識される(S26)。たとえば、右投手キャラクタP1が右打者キャラクタQ1に対してスライダーを投球したときに、ボールの最終通過位置H3の座標が、ストライクゾーン80aの外角低めの領域180aの座標に一致するとCPU7により判断された場合、威力変化量データC1(=0.48)が初期威力状態データS(=1.0)に加算され、最終威力状態データF(=1.48)が算出される。
【0095】
すると、初期威力状態データSと最終威力状態データFとを初期条件とした線形補間計算がCPU7により実行され、各ボールの予想通過位置H2に対応する中間威力状態データIが算出される(S27)。たとえば、最終威力状態データF(=1.48)と初期威力状態データS(=1.0)との差をとる計算をCPU7に実行させ、この差分値(=0.48)を所定の分割数(ボールの予想通過位置H2の数+1)たとえば7で除算する計算をCPU7に実行させる。この除算した値(≒0.07)を初期威力状態データS(=1.0)に順次加算する計算をCPU7に実行させることにより、各ボールの予想通過位置H2に対応する中間威力状態データI(=1.07,1.14,1.21,1.28,1.35,1.42)が算出される。
【0096】
一方で、ボールの最終通過位置H3の座標が、ストライクゾーン80aの四隅の領域180aの座標、ストライクゾーン80aの四隅に隣接するボールゾーン80bの領域180b、およびど真ん中の領域180cの内部の座標のいずれか1つに一致しないとCPU7により判断された場合(S24でNo)、初期威力状態データSが最終威力状態データFおよび中間威力状態データIとしてCPU7に認識される(S27)。ここでは、ストライクゾーン80aの四隅の領域180aおよびストライクゾーン80aの四隅に隣接するボールゾーン80bの領域180bを除く領域に、数値「0」を有する威力変化量データEが割り当てられているため、初期威力状態データSを最終威力状態データFおよび中間威力状態データIとしてCPU7に認識させるようにしている。なお、ストライクゾーン80aの四隅の領域180aおよびストライクゾーン80aの四隅に隣接するボールゾーン80bの領域180bを除く領域に、数値「0」以外の数値を有する威力変化量データEが割り当てられる場合もある。この場合は、上記と同様の計算(S25,S26)をCPU7に実行させることにより、中間威力状態データIが算出される。
【0097】
続いて、初期威力状態データSに対応するボール用第1画像データBP1、中間威力状態データIに対応する複数のボール用第2画像データBP2、および最終威力状態データFに対応するボール用第3画像データBP3がCPU7により選択され認識される(S28)。たとえば、各位置H1,H2,H3における威力状態データS,I,Fの数値が大きくなるにつれて画像が小さくなるような第1から第3画像データBP1,BP2,BP3がCPU7により選択され認識される。すると、第1から第3画像データBP1,BP2,BP3をテレビジョンモニタ20に表示するための表示命令がCPU7から発行される。すると、初期予想通過位置H1において第1画像データがテレビジョンモニタ20に表示され、複数の予想通過位置H2において第2画像データがテレビジョンモニタ20に表示され、最終通過位置H3において第3画像データがテレビジョンモニタ20に表示される(S39)。たとえば、S27に示した、初期威力状態データSが「1.0」、中間威力状態データIが「1.07,1.14,1.21,1.28,1.35,1.42」、および最終威力状態データFが「1.48」である場合は、図12に示すように、ボールが初期予想通過位置H1から最終通過位置H3へと移動するにつれてボールの大きさが徐々に小さくなっていく状態が、テレビジョンモニタ20に表示される。一方で、初期威力状態データSの値よりも最終威力状態データFの値が小さい場合は、ボールが初期予想通過位置から最終通過位置へと移動するにつれてボールの大きさが徐々に大きくなっていく状態が、テレビジョンモニタ20に表示される(図示しない)。このように、各位置において、大きさの異なる第1から第3画像データBP1,BP2,BP3を連続的にテレビジョンモニタ20に表示することにより、プレイヤはボールの威力状態をボールの画像の大きさによって判断することができる。すなわち、予想通過領域80において、初期予想通過位置H1から最終通過位置H3へと移動するボールの威力状態を、プレイヤはボールの画像の大きさによって判断することができる。
【0098】
なお、ここでは、投手キャラクタPから投球されたボールの威力が大きいときにはボール画像が小さく表示され、ボールの威力が小さいときにはボール画像が大きく表示されるようになっている。これにより、打者キャラクタQを操作するプレイヤは、投手キャラクタPから投球されたボールの威力が大きいときはボールを捉えにくくなり、投手キャラクタPから投球されたボールの威力が小さいときはボールを捉えやすくなる。
【0099】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0100】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【0101】
(c) 前記実施形態では、リリース時のボールの位置Jを示す座標とボールの最終通過位置H3の座標とを通る軌道方程式Fに基づいて、予想通過表示領域におけるボールの予想通過位置H2の座標データが算出される場合の例を示したが、予想通過表示領域におけるボールの予想通過位置H2の座標データを算出する手段は、前記実施形態に限定されず、他の手段を用いても良い。たとえば、初期予想通過位置H1の座標と最終通過位置H3の座標とを初期条件とした線形補間計算を制御部たとえばCPU7に実行させることにより、予想通過表示領域におけるボールの予想通過位置H2の座標を算出するようにしても良い。
【0102】
(d) 前記実施形態では、ボールの初期威力状態データSが、ボール投球能力データNに基づいて設定される場合の例を示したが、ボールの初期威力状態データSの設定手段は、前記実施形態に限定されず、他の手段を用いても良い。たとえば、ボールを投手キャラクタPからリリースさせるための命令が制御部たとえばCPU7に認識されたときの時間をリリース時機データとしてCPU7に認識させ、このリリース時機データの値に応じてボールの初期威力状態データSを設定するようにしても良い。たとえば、投手キャラクタPのリリース時機すなわちリリースタイミングが所定の時間の範囲内であるとCPU7に判断された場合には、ボール投球能力データNに対応するボールの初期威力状態データSの値をCPU7に認識させ、リリースタイミングが所定の時間の範囲内でないとCPU7に判断された場合には、ボール投球能力データNに対応するボールの初期威力状態データSを所定の割合で低減した値をCPU7に認識させる。具体的には、最適なリリースタイミングで投手キャラクタPにボールをリリースさせたときには、ボール投球能力データNに対応するボールの初期威力状態データSの値が用いられ、最適なリリースタイミングで投手キャラクタPにボールをリリースさせなかったときには、低減されたボールの初期威力状態データSの値が用いられる。すなわち、最適なリリースタイミングで投手キャラクタPにボールをリリースさせたときには、投手キャラクタは威力のあるボールをリリースし、最適なリリースタイミングで投手キャラクタPにボールをリリースさせられなかったときには、投手キャラクタは威力のないボールをリリースすることになる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置において実行される手段を説明するための機能ブロック図。
【図3】打撃時に表示される各キャラクタを説明するための図。
【図4】予想通過領域および威力変化量データの対応する領域を示す図。
【図5】ボール投球能力データと初期威力状態データとの対応を示す図。
【図6】投手キャラクタと利き腕データおよびフォームデータとの対応を示す図。
【図7】打者キャラクタと利き腕データとの対応を示す図。
【図8】動作形態関係データを説明するための図。
【図9】球種データを説明するための図。
【図10】リリースされたボールの軌道と予想通過領域におけるボールの通過位置との関係を説明するための図。
【図11】各データと威力変化量データとの対応を示す図。
【図12】モニタに表示されたボールの威力が変化する状態を説明するための図。
【図13】威力状態表示システムを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0104】
1 制御部
3 画像表示部
5 操作入力部
7 CPU
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 予想通過領域認識手段
51 内部領域認識手段
52 ボール投球能力データ認識手段
53 投手対打者関連データ認識手段
54 形態回転データ認識手段
55 初期威力状態データ認識手段
56 初期予想通過位置認識手段
57 最終通過位置認識手段
58 予想通過位置認識手段
59 威力変化量データ認識手段
60 位置判断手段
61 最終威力状態データ認識手段
62 中間威力状態データ認識手段
63 威力状態表示手段
80 予想通過領域
180a,180b 内部領域
P(P1,P2,P3) 投手キャラクタ
Q(Q1,Q2) 打者キャラクタ
S 初期威力状態データ
H1 初期予想通過位置
H2 予想通過位置
H3 最終通過位置
A〜E,M 威力変化量データ
F 最終威力状態データ
I 中間威力状態データ
N 投球能力データ(移動体送出能力データ)
K11 投手キャラクタの利き腕データ(動作形態データ)
K12 フォームデータ(送出形態データ)
K13 球種データ(回転状態データ)
K21 打者キャラクタの利き腕データ
K' 動作形態関係データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部に表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なコンピュータに、
前記キャラクタから送出された前記移動体の予想通過領域を制御部に認識させる予想通過領域認識機能と、
前記移動体が前記キャラクタから送出されるときの前記移動体の初期威力状態を示す前記移動体の初期威力状態データを制御部に認識させる初期威力状態データ認識機能と、
前記移動体が前記キャラクタから送出されたときの前記予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置を制御部に認識させる初期予想通過位置認識機能と、
前記移動体が前記キャラクタから送出されてから前記移動体が前記予想通過領域に到達するまでの前記予想通過表示領域における前記移動体の予想通過位置を制御部に認識させる予想通過位置認識機能と、
前記キャラクタから送出された前記移動体が前記予想通過領域に到達したときの前記予想通過表示領域における前記移動体の最終通過位置を制御部に認識させる最終通過位置認識機能と、
前記最終通過位置における、前記初期予想通過位置における前記初期威力状態および前記最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データを制御部に認識させる威力変化量データ認識機能と、
前記最終通過位置における前記移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データを、前記初期威力状態データと前記威力変化量データとに基づいて制御部に算出させ、前記最終威力状態データを制御部に認識させる最終威力状態データ認識機能と、
前記初期威力状態データと前記最終威力状態データとに基づいて、前記予想通過位置における前記移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データを制御部に算出させ、前記中間威力状態データを制御部に認識させる中間威力状態データ認識機能と、
前記初期威力状態データ、前記中間威力状態データ、および前記最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、前記初期予想通過位置、前記予想通過位置、および前記最終通過位置それぞれの位置に、前記移動体の威力状態を連続的に表示する威力状態表示機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記予想通過領域の所定の内部領域を制御部に認識させる内部領域認識機能と、
前記移動体の最終通過位置が前記内部領域の範囲内に位置するか否かを制御部に判断させる位置判断機能と、
をさらに実現させ、
前記最終威力状態データ認識機能においては、前記移動体の最終通過位置が前記内部領域の範囲内に位置すると制御部に判断された場合に、前記最終通過位置における前記移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データが、前記初期威力状態データと前記威力変化量データとに基づいて制御部により算出され、前記最終威力状態データが制御部に認識される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記中間威力状態データ認識機能においては、前記初期威力状態データと前記最終威力状態データとを初期条件とした補間計算を制御部に実行させることにより前記中間威力状態データが制御部により算出され、前記中間威力状態データが制御部に認識される、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記キャラクタの移動体送出能力を示す移動体送出能力データを制御部に認識させる移動体送出能力データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記初期威力状態データ認識機能においては、前記移動体送出能力に対応する前記移動体の前記初期威力状態を示す前記移動体の初期威力状態データが前記移動体送出能力データに基づいて制御部に認識される、
請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記移動体を前記キャラクタから送出させるための命令を制御部に認識させる命令認識機能と、
前記命令が制御部に認識されたときの時間を送出時機データとして制御部に認識させる時機データ認識機能と、
をさらに実現させ、
前記初期威力状態データ認識機能においては、前記移動体送出能力に対応する前記移動体の前記初期威力状態を示す前記移動体の初期威力状態データが前記送出時機データに基づいて制御部に認識される、
請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記キャラクタの送出形態を示す送出形態データおよび前記キャラクタから送出される前記移動体の回転状態を示す回転状態データの少なくともいずれか一方のデータを制御部に認識させる形態回転データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記威力変化量データ認識機能においては、前記最終通過位置における前記威力変化量データが、前記送出形態データおよび前記回転状態データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて制御部に認識される、
請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
キャラクタから送出される移動体を画像表示部に表示するゲームを実行可能なゲーム装置であって、
前記キャラクタから送出された前記移動体の予想通過領域を制御部に認識させる予想通過領域認識手段と、
前記移動体が前記キャラクタから送出されるときの前記移動体の初期威力状態を示す前記移動体の初期威力状態データを制御部に認識させる初期威力状態データ認識手段と、
前記移動体が前記キャラクタから送出されたときの前記予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置を制御部に認識させる初期予想通過位置認識手段と、
前記移動体が前記キャラクタから送出されてから前記移動体が前記予想通過領域に到達するまでの前記予想通過表示領域における前記移動体の予想通過位置を制御部に認識させる予想通過位置認識手段と、
前記キャラクタから送出された前記移動体が前記予想通過領域に到達したときの前記予想通過表示領域における前記移動体の最終通過位置を制御部に認識させる最終通過位置認識手段と、
前記最終通過位置における、前記初期予想通過位置における前記初期威力状態および前記最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データを制御部に認識させる威力変化量データ認識手段と、
前記最終通過位置における前記移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データを、前記初期威力状態データと前記威力変化量データとに基づいて制御部に算出させ、前記最終威力状態データを制御部に認識させる最終威力状態データ認識手段と、
前記初期威力状態データと前記最終威力状態データとに基づいて、前記予想通過位置における前記移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データを制御部に算出させ、前記中間威力状態データを制御部に認識させる中間威力状態データ認識手段と、
前記初期威力状態データ、前記中間威力状態データ、および前記最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、前記初期予想通過位置、前記予想通過位置、および前記最終通過位置それぞれの位置に、前記移動体の威力状態を連続的に表示する威力状態表示手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項8】
キャラクタから送出される移動体を画像表示部に表示するゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
前記キャラクタから送出された前記移動体の予想通過領域を制御部に認識させる予想通過領域認識ステップと、
前記移動体が前記キャラクタから送出されるときの前記移動体の初期威力状態を示す前記移動体の初期威力状態データを制御部に認識させる初期威力状態データ認識ステップと、
前記移動体が前記キャラクタから送出されたときの前記予想通過表示領域における移動体の初期予想通過位置を制御部に認識させる初期予想通過位置認識ステップと、
前記移動体が前記キャラクタから送出されてから前記移動体が前記予想通過領域に到達するまでの前記予想通過表示領域における前記移動体の予想通過位置を制御部に認識させる予想通過位置認識ステップと、
前記キャラクタから送出された前記移動体が前記予想通過領域に到達したときの前記予想通過表示領域における前記移動体の最終通過位置を制御部に認識させる最終通過位置認識ステップと、
前記最終通過位置における、前記初期予想通過位置における前記初期威力状態および前記最終通過位置における最終威力状態の差異を示す威力変化量データを制御部に認識させる威力変化量データ認識ステップと、
前記最終通過位置における前記移動体の最終威力状態を示す最終威力状態データを、前記初期威力状態データと前記威力変化量データとに基づいて制御部に算出させ、前記最終威力状態データを制御部に認識させる最終威力状態データ認識ステップと、
前記初期威力状態データと前記最終威力状態データとに基づいて、前記予想通過位置における前記移動体の中間威力状態を示す中間威力状態データを制御部に算出させ、前記中間威力状態データを制御部に認識させる中間威力状態データ認識ステップと、
前記初期威力状態データ、前記中間威力状態データ、および前記最終威力状態データそれぞれのデータに対応する画像データを用いて、前記初期予想通過位置、前記予想通過位置、および前記最終通過位置それぞれの位置に、前記移動体の威力状態を連続的に表示する威力状態表示ステップと、
を備えるゲーム制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2007−222398(P2007−222398A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46975(P2006−46975)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【特許番号】特許第3924584号(P3924584)
【特許公報発行日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】