説明

ゲーム制御プログラム、ゲーム制御方法、ゲーム装置

【課題】娯楽性の高いゲーム装置を表現する。
【解決手段】ゲーム端末10は、複数のゲーム端末10の間でオブジェクトを飛ばし合うゲームを実現する。管理データ取得部41が、オブジェクトが自装置に飛んできたことを示す管理データを取得した場合、オブジェクト制御部42がオブジェクトを画面に表示させ、入力部30からユーザの操作指示を受け付ける。オブジェクト制御部42は、ユーザの操作指示に応じてオブジェクトを飛ばすことの成否を判定し、飛び先選択部43がオブジェクトの飛び先のゲーム端末10を選択する。管理データ送信部45は、管理データを他のゲーム端末10へ送信し、オブジェクト制御部42は、管理データ記憶部60を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関し、特に、キャラクタなどのオブジェクトを飛ばし合うゲームを制御するゲーム制御プログラム、ゲーム制御方法、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信やインターネットなどのインフラの整備が進み、ゲーム装置間をネットワークで結んで、複数のゲーム装置間でゲームを楽しむネットワークゲームが盛んに開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ネットワークゲームが流行し始めた当初は、既存の対戦ゲームやロールプレイングゲームなどをネットワークゲームに移植したゲームも人気を集めたが、市場が円熟しつつある今日、斬新で幅広いユーザが楽しめるようなネットワークゲームの登場が待ち望まれる。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より娯楽性の高いゲーム装置を実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、ゲーム制御プログラムに関する。このゲーム制御プログラムは、他のゲーム装置との間でオブジェクトを飛ばし合うゲームを制御するゲーム制御プログラムであって、他のゲーム装置との間でデータの送受信を制御する機能と、他のゲーム装置から自装置へオブジェクトが飛ばされたことを示すデータを受信すると、前記オブジェクトを表示する機能と、ユーザから前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばす指示を受け付ける機能と、前記オブジェクトを飛ばす先のゲーム装置を選択する機能と、少なくとも選択されたゲーム装置へ、前記オブジェクトを飛ばしたことを示すデータを送信する機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より娯楽性の高いゲーム装置を実現する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本実施の形態のゲーム装置は、ネットワークを介して互いに通信可能なゲーム装置間で、キャラクタなどのオブジェクトを飛ばし合い、羽根つきや蹴鞠(けまり)などのように、オブジェクトを落とさないように打ち合うゲームを提供する。
【0009】
図1は、実施の形態に係るゲームシステムの構成を示す。ゲームシステム1において、複数のゲーム端末10a、10b、10c、10d(以下、これらを総称して「ゲーム端末10」という)は、有線又は無線のネットワークを介して互いに通信可能に接続されており、互いにデータを送受信しつつゲームを行う。ゲームシステム1において実現されるゲームには、各ゲーム端末10のユーザ間で対戦するゲームモード(以下、「対戦モード」という)と、ユーザ同士が協力してオブジェクトを落とさずに何回打ち続けられるかに挑戦するゲームモード(以下、「協力モード」という)とが設けられる。対戦モードにおいては、オブジェクトを飛ばすことに失敗したユーザがゲームから脱落し、最後まで残ったユーザが優勝となる。協力モードにおいては、オブジェクトを飛ばすことに成功した回数をカウントし、全員が協力して最高記録に挑戦する。
【0010】
図2は、ゲーム端末10の外観とゲーム画面の例を示す。それぞれのゲーム端末10は、自身にオブジェクトが飛んできたことを示すデータを他のゲーム端末10から受信すると、オブジェクト90が表示装置68の画面外から飛んできて、トランポリン92に向かって落下する様子を表示装置68に表示し、ユーザからオブジェクト90を飛ばす操作指示を受け付ける。ユーザは、オブジェクト90を打つ、蹴る、弾く、投げるなどして、別のゲーム端末10へ飛ばす。本実施の形態では、ユーザは、ゲーム端末10に設けられた入力ボタン22を押すことによりトランポリン92を操作し、オブジェクト90をトランポリン92で跳ね飛ばすことにより別のゲーム端末10へ飛ばす。ユーザの操作の内容が誤っていたり、操作のタイミングが悪いと、オブジェクト90を飛ばすことに失敗し、ゲームオーバーとなる。
【0011】
表示装置68には、他のユーザがトランポリン92でオブジェクト90を飛ばしている様子は表示されず、自身が操作するトランポリン92のみが表示される。そのため、各ユーザは、オブジェクト90が飛び交う全容を把握できず、オブジェクト90がいつ自装置に飛んでくるかを予測できない。これにより、シンプルではあるが、程よい難易度で緊張感のあるゲームを実現することができ、従来の球技ゲームなどにはない斬新な楽しさを提供することができる。
【0012】
図3は、実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す。ゲーム端末10は、コントローラ20、入力部30、制御部40、管理データ記憶部60、画像処理部66、及び表示装置68を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0013】
入力部30は、ユーザが操作するコントローラ20から入力される制御信号を受け付ける。制御部40は、入力部30が受け付けたユーザからの指示に基づいてゲームプログラムを実行し、ゲームを進行させる。管理データ記憶部60は、ゲームの進行を管理するための管理データを記憶する。ゲーム端末10間で送受信される管理データには、例えば、ゲームに参加している各ゲーム端末10のID、ユーザ名、ステータス、オブジェクトの現在位置、オブジェクトの飛び先、オブジェクトの飛び方、などのデータが含まれるが、管理データ記憶部60には、それらのうち、各ゲーム端末10のIDやユーザ名などの固有情報とステータス情報を記憶する。オブジェクトの飛び先や飛び方などの情報は、全てのゲーム端末10が記憶しておかなくても、少なくともオブジェクトの飛び先のゲーム端末10に通知されればゲームを進行させることができるが、後述するように、ゲームに参加しているゲーム端末10のステータスは、全てのゲーム端末10が把握していないと、通信不能なゲーム端末10や既に失敗してゲームオーバーとなっているゲーム端末10をオブジェクトの飛び先として選択してしまう可能性がある。したがって、各ゲーム端末10が他の全てのゲーム端末10のステータスを管理データ記憶部60に記憶しておく。いずれかのゲーム端末10が、ゲーム全体を統括的に管理する場合は、そのゲーム端末10がゲームに参加している全てのゲーム端末10のステータスを記憶して管理してもよい。画像処理部66は、制御部40により制御されるゲームの画面を生成し、表示装置68に表示させる。
【0014】
図4は、管理データ記憶部60の内部データの例を示す。管理データ記憶部60には、ゲームに参加しているゲーム端末10の端末IDを格納する端末ID欄80、各ゲーム端末10のユーザ名を格納するユーザ名欄81、及び各ゲーム端末10の状態を示す情報を格納する状態欄82が設けられている。状態欄82には、例えば、ゲームに参加していてオブジェクト90の飛び先として選択可能な状態である場合には「0」が、通信不能な状態である場合には「−1」が、対戦モードにおいて既に失敗して順位が確定している場合にはその順位を示す数値が格納される。
【0015】
管理データ記憶部60は、自装置の状況を示すマスターデータと、他装置の状況を示すレプリカデータとを保持してもよい。自装置の状況を示すマスターデータは、オブジェクト制御部42により更新され、管理データ送信部45により他装置へ通知される。他装置の状況を示すレプリカデータは、管理データ取得部41により取得された他装置のマスターデータで上書きされて更新される。すなわち、レプリカデータは、過去のいずれかのタイミングにおける他のゲーム端末10のマスターデータと同じであり、過去のゲーム端末10の状況を示す。各ゲーム端末10が、他の全てのゲーム端末10のステータスを正しく把握するために、各ゲーム端末10は、ゲーム中、他の全てのゲーム端末10のマスターデータを定期的に受信してレプリカデータを更新し、できるだけ最新の状態を把握する。
【0016】
図4の例では、端末IDが「02」のゲーム端末10の管理データ記憶部60の内部データが示されており、自装置である端末ID「02」のゲーム端末10のマスターデータと、ゲームに参加している端末ID「01」、「03」、「04」のゲーム端末10のレプリカデータが格納されている。端末ID「04」のゲーム端末10は、対戦モードにおいて既に失敗しており、最下位である「4」位に終わったことが状態欄82に格納されている。他のゲーム端末10は、状態欄82に「0」が格納されており、まだ失敗しておらずゲーム中であることが分かる。
【0017】
図3に戻り、各構成の説明を続ける。制御部40は、管理データ取得部41、オブジェクト制御部42、飛び先選択部43、状態表示部44、管理データ送信部45、及びゲーム管理部46を含む。
【0018】
管理データ取得部41は、通信部32を介して他のゲーム端末10からゲームの進行に必要なパラメータなどを含む管理データを取得する。管理データ取得部41は、取得した管理データのうち、他装置のマスターデータを管理データ記憶部60のレプリカデータに上書きする。
【0019】
オブジェクト制御部42は、管理データ取得部41が取得した管理データに、オブジェクトが自装置へ飛んできたことを示すデータが含まれていたときに、図2に示したようにオブジェクト90を表示装置68に表示させ、ユーザからトランポリン92の操作指示を受け付ける。オブジェクト制御部42は、オブジェクト90がトランポリン92に落下して、トランポリン92の弾性により跳ね返る様子を、オブジェクト90の質量、飛んできた速度、高さ、トランポリン92の弾性、などに基づいて力学的に計算し、表示装置68に表示させる。オブジェクト制御部42は、ユーザからトランポリン92の操作指示を受け付けると、操作の内容やタイミングなどに基づいて、オブジェクト90を飛ばすことの成否と、オブジェクト90の飛び方を判定する。
【0020】
図5から図7に、オブジェクト90がトランポリン92に落下する様子と、オブジェクト90がトランポリン92により跳ね飛ばされる様子を示す。図5(a)に示すように、トランポリン92がほとんど沈んでいない状態でトランポリン92を操作すると、オブジェクト90をほとんど飛ばすことができず、図5(b)に示すように失敗となる。図6(a)に示すように、トランポリン92が少し沈んだ状態でトランポリン92を操作すると、オブジェクト90をあまり飛ばすことができず、図6(b)に示すように、低く不安定な飛び方となる。図7(a)に示すように、トランポリン92が最も沈んだ状態でトランポリン92を操作すると、オブジェクト90をきちんと飛ばすことができ、図7(b)に示すように、高く安定した飛び方となる。
【0021】
オブジェクト制御部42により判定されたオブジェクト90の飛び方は、オブジェクト90の飛び先として選択されたゲーム端末10へ通知される。飛び先のゲーム端末10では、オブジェクト90が図7(b)に示すような高く安定した飛び方で飛んでくると、表示装置68の画面の上方の位置からオブジェクト90が落下してくる様子を表示し、図6(b)に示すような低く不安定な飛び方で飛んでくると、図7(b)の場合よりも低い位置から落下してくる様子を表示する。したがって、低く不安定な飛び方でオブジェクト90が飛んでくると、オブジェクト90が表示されてからトランポリン92に落下するまでの時間が短いので、素早い反応が必要となり難易度が高くなる。協力モードにおいては、オブジェクト90の飛び先のゲーム端末10のユーザが、より確実にオブジェクト90を飛ばすことができるように、各ユーザは、できるだけ図7(b)のような飛び方になるように、正しくトランポリン92を操作するのが好ましいが、対戦モードにおいては、次のユーザの失敗を誘起するために、故意に図6(b)のような飛び方になるようタイミングを外してオブジェクト90を飛ばすという作戦をとることができる。しかし、図5(b)に示すように失敗してしまう危険性を孕んでいるので、より高度なテクニックが要求される。
【0022】
飛び先選択部43は、ユーザがトランポリン92によりオブジェクト90を飛ばすことに成功すると、オブジェクト90の飛び先となるゲーム端末10を決定する。飛び先選択部43は、管理データ記憶部60を参照して、現在ゲームに参加しているゲーム端末10の一覧を取得し、いずれのゲーム端末10にオブジェクト90を飛ばすかを選択する。飛び先選択部43は、管理データ記憶部60の状態欄82に、通信不能である旨のステータスが格納されているゲーム端末10は、飛び先として選択しない。また、対戦モードにおいては、管理データ記憶部60の状態欄82に、既にオブジェクトを飛ばすことに失敗してゲームオーバーとなっている旨のステータスが格納されているゲーム端末10は、飛び先として選択しない。飛び先選択部43は、乱数を発生し、発生した乱数に基づいて飛び先となるゲーム端末10をランダムに選択してもよい。飛び先選択部43は、ユーザからの指示に基づいて飛び先となるゲーム端末10を決定してもよい。例えば、ユーザが図2に示した○ボタンを押すと飛び先をランダムに選択し、×ボタンを押すとゲームに参加しているゲーム端末10のうちIDが一つ小さいゲーム端末10を選択し、△ボタンを押すとIDが一つ大きいゲーム端末10を選択し、□ボタンを押すとオブジェクト90を自身に飛ばした元のゲーム端末10を選択してオブジェクト90を打ち返すようにしてもよい。また、方向キーなどにより飛び先のゲーム端末10をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0023】
状態表示部44は、ゲームに参加している他のゲーム端末10の状況を表示装置68に表示させる。前述したように、本実施の形態では、自装置がオブジェクト90を他のゲーム端末10へ飛ばす様子のみを表示装置68に表示し、他のゲーム端末10がオブジェクト90を飛ばす様子を表示しないことで、突然オブジェクト90が飛んでくるという面白さを実現しているが、他のゲーム端末10の状況を全く知ることができないと、しばらくの間オブジェクト90が自装置に飛んでこなかったときに、単に自装置が飛び先として選択されていないのか、通信障害など何らかのトラブルが生じて自装置が正しく動作していないのかが分からず、ユーザにストレスを感じさせる可能性がある。そのため、状態表示部44は、他装置から取得した管理データを参照して、他のゲーム端末10とオブジェクト90の状態を簡易的に表示装置68に表示させる。
【0024】
図8は、状態表示部44により各ゲーム端末10の状況が表示された様子を示す。表示装置68の画面上部に、ゲームに参加しているゲーム端末10の一覧が表示されている。ゲームに参加しているゲーム端末10が立方体のアイコン94で示されており、それぞれのアイコン94の右下にユーザ名などゲーム端末10を識別するための識別情報95が表示されている。「player2」のアイコン94は塗り潰されており、自装置であることを識別可能に示している。アイコン94の上部には、現在オブジェクト90が飛んでいるゲーム端末10がいずれであるかを示すアイコン96が表示されている。「player4」のアイコン94及び識別情報95はグレイアウトされており、既に失敗して脱落しているか、通信不可能な状態にあることを示すアイコン97が合わせて表示されている。このとき、既に失敗している場合は、そのゲーム端末10の順位を表示してもよい。
【0025】
飛び先選択部43が、ユーザから飛び先の選択指示を受け付けるときに、状態表示部44による表示を利用してもよい。例えば、ユーザがトランポリン92でオブジェクト90を跳ね返した後、オブジェクト90が飛び上がっていくときに、アイコン94を四角形で囲むカーソルなどを表示し、飛び先となるゲーム端末10の選択を受け付けてもよい。このとき、ユーザが方向キーなどを用いてカーソルを移動させて飛び先となるゲーム端末10を選択し、決定ボタンを押すと、飛び先選択部43が選択されたゲーム端末10を飛び先として確定する。
【0026】
ゲーム管理部46は、ゲームに参加しているゲーム端末10から、オブジェクト90を飛ばすことに成功又は失敗したことを示す管理データを取得して、対戦モード及び協力モードにおけるゲームの進行を管理する。ゲーム管理部46は、対戦モードにおいては、いずれかのゲーム端末10から、オブジェクトを飛ばすことに失敗したことを示す管理データを受信したとき、又は、オブジェクト制御部42により自装置が失敗したと判定されたときに、失敗したゲーム端末10の順位を判定し、管理データ記憶部60の状態欄82に格納する。ゲーム管理部46は、管理データ記憶部60の状態欄82を参照し、既に失敗して順位が確定しているゲーム端末10がなければ、ゲームに参加しているゲーム端末10の数を、そのゲーム端末10の順位とし、既に順位が確定しているゲーム端末10があれば、それらの中で最も上位の順位から1を引いた順位とする。失敗して順位が確定したゲーム端末10は、それ以降、飛び先選択部43によりオブジェクトの飛び先として選択されない。
【0027】
ゲーム管理部46は、協力モードにおいては、いずれかのゲーム端末10から、オブジェクトを飛ばすことに成功したことを示す管理データを受信したとき、成功した回数をカウントする。ゲーム管理部46は、いずれかのゲーム端末10から、オブジェクトを飛ばすことに失敗したことを示す管理データを受信すると、その時点でゲームを終了し、カウントされていた成功回数を今回の成績として表示する。また、過去の成績を不揮発性のメモリに記録し、今回の成績が過去の成績を上回っていた場合は、今回の成績を新記録として更新する。
【0028】
ゲーム管理部46の機能は、ゲームに参加している全てのゲーム端末10において実現されてもよいし、いずれか一つのゲーム端末10のみが統括的にゲームを管理し、他のゲーム端末10へ管理データを送信して制御してもよい。また、ゲーム端末10とは別にゲームを管理するための管理サーバを設けてもよい。この場合、ゲーム端末10にゲーム管理部46を設けなくてもよい。
【0029】
管理データ送信部45は、通信部32を介して、管理データを他のゲーム端末10へ送信する。管理データ送信部45は、オブジェクトを他のゲーム端末10へ飛ばすときに、飛び先として選択されたゲーム端末10のみに、オブジェクトの飛び先や飛び方を示す管理データを送信してもよい。この場合、現実の世界で羽根つきなどを行っているのと同じように、管理データがオブジェクト90そのものとしてゲーム端末10間を飛び回ることになる。対戦モードにおいては、オブジェクトを飛ばすことに失敗したゲーム端末10がオブジェクトの飛び先として選択されないようにするために、失敗したゲーム端末10は、ゲームに参加している全てのゲーム端末10に対して、自身が失敗したことを示す管理データをブロードキャストしてもよい。
【0030】
管理データ送信部45は、自装置にオブジェクトが飛んできた後、オブジェクトを飛ばすことに成功した場合も失敗した場合も、それを示す管理データを他のゲーム端末10にブロードキャストしてもよい。この場合、全てのゲーム端末10において、ゲームの進行を把握することが可能となるが、何らかの原因で不整合が生じるおそれがあるので、いずれかのゲーム端末10がマスターとしてゲームの進行を統括的に管理してもよい。
【0031】
管理データ送信部45は、ゲーム端末10が通信可能な状態であることを確認するために、例えば60フレーム(1秒)ごとに、他のゲーム端末10に何らかのデータ、例えば、管理データ記憶部60に格納された自装置の状況を示すマスターデータを送信してもよい。管理データ送信部45は、ゲームに参加している全てのゲーム端末10に対して、自装置の状況を示すマスターデータを送信してもよいし、ゲームを統括的に管理するゲーム端末10又はサーバのみに、自装置の状況を示すマスターデータを送信してもよい。管理データ取得部41は、他のゲーム端末10から、その装置の状況を示すマスターデータを受信すると、管理データ記憶部60の、そのゲーム端末10のレプリカデータを、受信したマスターデータで上書きする。管理データ取得部41は、ゲームに参加しているゲーム端末10から所定の時間以上マスターデータを受信しなかった場合、そのゲーム端末10が通信不能であると判定して、管理データ記憶部60の、そのゲーム端末10の状態欄82に、通信不能であることを示す「−1」を格納する。通信不能になったゲーム端末10は、それ以降、飛び先選択部43によりオブジェクトの飛び先として選択されない。
【0032】
対戦モードにおいては、管理データ取得部41は、ゲームに参加しているゲーム端末10のうちいずれかが通信不能になったと判定したとき、そのゲーム端末10がゲームに初めから参加していなかったとみなしてもよい。すなわち、管理データ記憶部60の状態欄82に、既に失敗して順位が確定しているゲーム端末10が存在する場合は、その順位を、通信不能になったゲーム端末10の数だけ繰り上げてもよい。
【0033】
図9は、本実施の形態に係るゲーム制御方法の手順を示すフローチャートである。図9は、対戦モードにおけるゲーム制御方法の手順を示す。ゲームの管理者となるゲーム端末10が、通信可能な他のゲーム端末10からゲームへの参加を募集し、参加者から管理データを取得する(S10)。参加者が集まると、管理者のゲーム端末10が参加者のゲーム端末10に、全ゲーム端末10の管理データを送信し、ゲームを開始する(S12)。このとき、参加者のゲーム端末10の管理データ取得部41は、取得した管理データを管理データ記憶部60に格納する。
【0034】
まず、管理者のゲーム端末10がオブジェクト90を他のゲーム端末10に飛ばし、管理データを送信する。各ゲーム端末10は、管理データを取得し(S14)、取得した管理データに応じて必要な処理を実行してゲームを進行させる。まず、いずれかのゲーム端末10が通信不能になったことを示す管理データを取得した場合、又は、いずれかのゲーム端末10から所定の時間以上管理データを受信しなかった場合(S16のY)、管理データ取得部41は、管理データ記憶部60の該当するゲーム端末10の状態欄82を更新し(S32)、状態表示部44は、そのゲーム端末10のアイコン94を通信不能であることを示す表示態様に更新する(S34)。通信状態の監視処理が終了すると、再びS12へ戻る。
【0035】
いずれかのゲーム端末10がオブジェクト90を飛ばすことに失敗したことを示す管理データを取得した場合(S18のY)、ゲーム管理部46は、そのゲーム端末10の順位を判定し(S36)、管理データ記憶部60の該当するゲーム端末10の状態欄82に順位を格納する(S38)。状態表示部44は、そのゲーム端末10のアイコン94を既に失敗したことを示す表示態様に更新する(S40)。失敗せずに残っているゲーム端末10が1台のみである場合は(S42のY)、ゲームに参加している全てのゲーム端末10の順位が確定し、ゲームが終了される。2台以上のゲーム端末10が残っている場合は(S42のN)、S12に戻り、再びゲームが開始される。新たにゲームを開始する際に、管理者のゲーム端末10からオブジェクト90が飛ばされてもよいし、失敗したゲーム端末10がオブジェクト90の飛び先として選択していたゲーム端末10からオブジェクト90が飛ばされてもよい。また、ゲームを一時中断してから再開するのではなく、いずれかのゲーム端末10がオブジェクト90を飛ばすことに失敗したとしても、次の飛び先として選択されたゲーム端末10は、オブジェクト90が正しく飛んできたものとしてゲームを続行してもよい。
【0036】
オブジェクト90が自装置に飛んできたことを示す管理データを取得した場合(S20のY)、オブジェクト制御部42がオブジェクト90を画面に表示させ(S22)、入力部30からユーザの操作指示を受け付ける(S24)。オブジェクト制御部42は、ユーザの操作指示に応じてオブジェクト90を飛ばすことの成否を判定し(S26)、飛び先選択部43がオブジェクト90の飛び先を選択する(S28)。管理データ送信部45は、管理データを他のゲーム端末10へ送信し(S30)、オブジェクト制御部42は、管理データ記憶部60のマスターデータを更新し(S32)、状態表示部44は、オブジェクト90のアイコン96を飛び先のゲーム端末10へ移動させる(S34)。オブジェクト90を他のゲーム端末10へ飛ばす処理が終了すると、再びS14へ戻る。
【0037】
取得した管理データが、他装置のマスターデータである場合は(S20のN)、管理データ取得部41は、管理データ記憶部60のレプリカデータを取得したマスターデータで更新し(S32)、状態表示部44は、必要であれば各ゲーム端末10のアイコン94の表示を更新する(S34)。例えば、オブジェクト90があるゲーム端末10から別のゲーム端末10へ飛ばされて現在位置が変わった場合は、オブジェクト90のアイコン96を飛び先のゲーム端末10のアイコン94の上へ移動させる。管理データの更新処理が終了すると、再びS14へ戻る。
【0038】
図10は、本実施の形態に係るゲーム制御方法の手順を示すフローチャートである。図10は、協力モードにおけるゲーム制御方法の手順を示す。ゲームの管理者となるゲーム端末10が、通信可能な他のゲーム端末10からゲームへの参加を募集し、参加者から管理データを取得する(S50)。参加者が集まると、管理者のゲーム端末10が参加者のゲーム端末10に、全ゲーム端末10の管理データを送信し、ゲームを開始する(S52)。このとき、参加者のゲーム端末10の管理データ取得部41は、取得した管理データを管理データ記憶部60に格納する。
【0039】
まず、管理者のゲーム端末10がオブジェクト90を他のゲーム端末10に飛ばし、管理データを送信する。各ゲーム端末10は、管理データを取得し(S54)、取得した管理データに応じて必要な処理を実行してゲームを進行させる。まず、いずれかのゲーム端末10が通信不能になったことを示す管理データを取得した場合、又は、いずれかのゲーム端末10から所定の時間以上管理データを受信しなかった場合(S56のY)、管理データ取得部41は、管理データ記憶部60の該当するゲーム端末10の状態欄82を更新し(S72)、状態表示部44は、そのゲーム端末10のアイコン94を通信不能であることを示す表示態様に更新する(S74)。通信状態の監視処理が終了すると、再びS54へ戻る。
【0040】
いずれかのゲーム端末10がオブジェクト90を飛ばすことに失敗したことを示す管理データを取得した場合(S58のY)、ゲーム管理部46は、そのときまでの成功回数を提示して成績発表を行い(S68)、ゲームを終了させる。このとき、過去の記録を更新した場合は、記録を書き換える。
【0041】
いずれかのゲーム端末10がオブジェクト90を飛ばすことに成功したことを示す管理データを取得した場合(S59のY)、ゲーム管理部46は、成功回数のカウント値をインクリメントする(S66)。管理データ取得部41は、管理データ記憶部60のレプリカデータを取得したマスターデータで更新し(S72)、状態表示部44は、オブジェクト90のアイコン96を飛び先のゲーム端末10のアイコン94の上へ移動させる。管理データの更新処理が終了すると、再びS54へ戻る。
【0042】
オブジェクト90が自装置に飛んできたことを示す管理データを取得した場合(S60のY)、飛んできたオブジェクト90を制御する処理、具体的には、図9のS22からS30の処理が実行される(S62)。オブジェクト90を飛ばすことに失敗した場合は(S64のN)、ゲーム管理部46は、成績発表を行い(S68)、ゲームを終了させる。成功した場合は(S64のY)、ゲーム管理部46は、成功回数のカウント値をインクリメントし(S66)、オブジェクト制御部42は、管理データ記憶部60のマスターデータを更新し(S72)、状態表示部44は、オブジェクト90のアイコン96を飛び先のゲーム端末10へ移動させる(S74)。管理データの更新処理が終了すると、再びS54へ戻る。
【0043】
取得した管理データが、他装置のマスターデータである場合は(S60のN)、管理データ取得部41は、管理データ記憶部60のレプリカデータを取得したマスターデータで更新し(S72)、状態表示部44は、必要であれば各ゲーム端末10のアイコン94の表示を更新する(S74)。管理データの更新処理が終了すると、再びS54へ戻る。
【0044】
このように、オブジェクトを落とさないように飛ばし合うというシンプルで分かりやすいルールを採用しているため、幅広い層に受け入れられる親しみやすいゲームを実現することができる。
【0045】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
ゲームの難易度を調整するために、オブジェクト90の大きさを可変としてもよい。一般に、オブジェクト90が小さいほど、オブジェクト90を打ったり、蹴ったり、弾いたりする操作が難しくなる。オブジェクト制御部42は、ユーザのレベルに応じて表示するオブジェクト90の大きさを変え、ユーザにハンディキャップをつけてもよい。また、複数のオブジェクト90が同時に飛び交うようにしてもよい。オブジェクト90の数は、参加するゲーム端末10の数やユーザのレベルに応じて、管理者のゲーム端末10が決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施の形態に係るゲームシステムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観とゲーム画面の例を示す図である。
【図3】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図4】管理データ記憶部の内部データの例を示す図である。
【図5】図5(a)はオブジェクトがトランポリンに落下する様子を示す図であり、図5(b)はオブジェクトがトランポリンにより跳ね飛ばされる様子を示す図である。
【図6】図6(a)はオブジェクトがトランポリンに落下する様子を示す図であり、図6(b)はオブジェクトがトランポリンにより跳ね飛ばされる様子を示す図である。
【図7】図7(a)はオブジェクトがトランポリンに落下する様子を示す図であり、図7(b)はオブジェクトがトランポリンにより跳ね飛ばされる様子を示す図である。
【図8】状態表示部により各ゲーム端末の状況が表示された様子を示す図である。
【図9】実施の形態に係るゲーム制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係るゲーム制御方法の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 ゲームシステム、10 ゲーム端末、20 コントローラ、22 入力ボタン、30 入力部、32 通信部、40 制御部、41 管理データ取得部、42 オブジェクト制御部、43 飛び先選択部、44 状態表示部、45 管理データ送信部、46 ゲーム管理部、60 管理データ記憶部、66 画像処理部、68 表示装置、90 オブジェクト、92 トランポリン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のゲーム装置との間でオブジェクトを飛ばし合うゲームを制御するゲーム制御プログラムであって、
他のゲーム装置との間でデータの送受信を制御する機能と、
他のゲーム装置から自装置へ前記オブジェクトが飛ばされたことを示すデータを受信すると、前記オブジェクトを表示する機能と、
ユーザから前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばす指示を受け付ける機能と、
前記オブジェクトを飛ばす先のゲーム装置を選択する機能と、
少なくとも選択されたゲーム装置へ、前記オブジェクトを飛ばしたことを示すデータを送信する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記指示を受け付ける機能が受け付けたユーザの指示の内容又はタイミングに応じて、前記オブジェクトの飛び方を決定する機能を更にコンピュータに実現させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記送信する機能は、前記オブジェクトの飛び先のゲーム装置を識別するためのデータと、前記オブジェクトの飛び方を示すデータとを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記選択する機能は、前記オブジェクトの飛び先として選択可能なゲーム装置の情報を取得し、それらのゲーム装置の中からランダムに前記オブジェクトを飛ばす先のゲーム装置を選択することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記選択する機能は、前記オブジェクトの飛び先として選択可能なゲーム装置の情報を取得し、それらのゲーム装置のうちいずれのゲーム装置に前記オブジェクトを飛ばすかの選択指示をユーザから受け付けることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項6】
前記オブジェクトの飛び先として選択可能なゲーム装置の一覧を表示するとともに、他のゲーム装置から前記オブジェクトの飛び先のゲーム装置を識別するためのデータを受信したときに、前記オブジェクトの飛び先が自装置ではない場合は、前記一覧の中で前記オブジェクトの飛び先のゲーム装置を識別可能に表示することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項7】
前記決定する機能は、前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばすことの成否を決定し、
前記送信する機能は、前記決定する機能が前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばすことに失敗したと決定したときに、自装置が失敗したことを示すデータを他のゲーム装置へ送信することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項8】
ゲーム中に、ゲームに参加しているゲーム装置が通信可能であるか否かを確認する機能を更にコンピュータに実現させ、
前記選択する機能は、通信不能となったゲーム装置を前記オブジェクトの飛び先として選択しないことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項9】
ゲームに参加しているゲーム装置から、前記オブジェクトを飛ばすことに成功又は失敗したことを示すデータを受信して、ゲームの進行を管理する機能を更にコンピュータに実現させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項10】
前記管理する機能は、ゲームに参加しているゲーム装置から、前記オブジェクトを飛ばすことに失敗したことを示すデータを受信したときに、そのゲーム装置の順位を判定し、それ以降そのゲーム装置を前記オブジェクトの飛び先として選択させないことを特徴とする請求項9に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項11】
前記管理する機能は、ゲームに参加しているゲーム装置から、前記オブジェクトを飛ばすことに成功したことを示すデータを受信し、成功した回数をカウントすることを特徴とする請求項9に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項12】
他のゲーム装置との間でデータの送受信を制御する通信部と、
前記通信部を介して、他のゲーム装置から自装置へオブジェクトが飛ばされたことを示すデータを受信すると、前記オブジェクトを表示する表示部と、
ユーザから前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばす指示を受け付ける受付部と、
前記オブジェクトを飛ばす先のゲーム装置を選択する選択部と、
少なくとも選択されたゲーム装置へ、前記オブジェクトを飛ばしたことを示すデータを送信する送信部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項13】
他のゲーム装置から自装置へオブジェクトが飛ばされたことを示すデータを受信すると、前記オブジェクトを表示するステップと、
ユーザから前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばす指示を受け付けるステップと、
前記オブジェクトを飛ばす先のゲーム装置を選択するステップと、
少なくとも選択されたゲーム装置へ、前記オブジェクトを飛ばしたことを示すデータを送信するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項14】
他のゲーム装置との間でデータの送受信を制御する機能と、
他のゲーム装置から自装置へオブジェクトが飛ばされたことを示すデータを受信すると、前記オブジェクトを表示する機能と、
ユーザから前記オブジェクトを他のゲーム装置へ飛ばす指示を受け付ける機能と、
前記オブジェクトを飛ばす先のゲーム装置を選択する機能と、
少なくとも選択されたゲーム装置へ、前記オブジェクトを飛ばしたことを示すデータを送信する機能と、
をコンピュータに実現させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−301270(P2007−301270A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134773(P2006−134773)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】