説明

ゲーム機およびプログラム

【課題】
機動的な戦略が必要でありながらシンプルさも兼ね備えたゲーム機およびプログラムを提供する.
【解決手段】
疑似空間に配置した複数の演算子10および数字等作用対象11をディスプレイ装置6上にレイアウト表示し,条件を満たした演算子10または数字等作用対象11を「獲得」としてメモリ2に記憶し,獲得した演算子10および数字等作用対象11からなる数式もしくは論理式を評価した結果もしくは演算規則違反の有無をもとに,点数または仮想燃料またはゲームライフまたはアイテムを増減させることでゲームを実行しゲーム状況4を表示する.地理的ハイスコア,ハイスコアマップを表示してもよい.

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ゲーム機およびプログラムに関するものである.

【背景技術】
【0002】
従来,プロセッサがメモリ内の疑似空間情報を表示用情報にしてディスプレイ装置上にレイアウト表示し,プレイヤの位置変更手段の操作により入力された位置変更用情報をもとに前記疑似空間情報を変更するゲーム機はあまた存在した.
【0003】
たとえば,疑似空間内の自機の位置を移動させながら,あるいはさらに,やってくる砲弾を避けながら,特定のイメージ/キャラクタ/数字といったオブジェクト群に接触(ないしオブジェクトを撃墜,打撃,受け入れ)すればオブジェクトの種類に応じた点数が獲得でき加算されるというゲームが一般的である.これには,たとえば,スペース・インベーダー(登録商標)に代表されるシューティングゲームがある.
【0004】
【非特許文献1】スペース・インベーダーの参考文献として: フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』 「インベーダーゲーム」の項目 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし,従来のように接触するオブジェクトの点数が決まっているようなゲームは,プレイヤのとるべき戦略が単純すぎて,飽きられていた.
プレイヤに新鮮な興味をいだかせるためには,より機動的な戦略が必要でありながらシンプルさも兼ね備えた得点獲得方法を組み込むことが求められていた.
【0006】
本発明は,上記課題に鑑みてなされたものであって,その目的は,より機動的な戦略が必要でありながらシンプルさも兼ね備えた,演算子数字獲得演算ゲーム機およびプログラムを提供することにある.

【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記課題を解決するため,

(イ)前記プロセッサ1は疑似空間に付帯してまたは疑似空間上のオブジェクトに付帯して配置した複数の演算子10および数字等作用対象11をディスプレイ装置6上にレイアウト表示し,

(ロ)プレイヤが前記位置変更手段7を用いて空間内での位置情報を操作することで特定の条件を満たした演算子10または数字等作用対象11を,前記プロセッサ1が「獲得」とみなしてメモリ2の獲得物記憶部12記憶し,

(ハ)前記プロセッサ1は獲得した演算子および数字からなる数式もしくは論理式を評価した結果もしくは演算規則違反の有無をもとに,点数または仮想燃料またはゲームライフまたはアイテムを増減させることでゲームを実行して前記メモリ2内のゲーム状況4を更新する

ことを特徴とする.
【0008】
また,本発明に係るプログラム記録媒体は,
プロセッサによって演算子数字獲得演算ゲームをするためのプログラムを記録した
機械読み取り可能な媒体であって,
該プログラムは;

(イ)プロセッサ1に疑似空間に付帯してまたは疑似空間上のオブジェクトに付帯して配置した複数の演算子10および数字等作用対象11をディスプレイ装置6上にレイアウト表示させ,

(ロ)プレイヤが前記位置変更手段7を用いて空間内での位置情報を操作することで特定の条件を満たした演算子10または数字等作用対象11を,前記プロセッサ1に「獲得」とみなさせてメモリ2の獲得物記憶部12に記憶させ,

(ハ)前記プロセッサ1は獲得した演算子および数字からなる数式もしくは論理式を評価した結果もしくは演算規則違反の有無をもとに,点数または仮想燃料またはゲームライフまたはアイテムを増減させることでゲームを実行させて前記メモリ2内のゲーム状況4を更新させる

ことを特徴とする.
【0009】
本発明によれば,獲得した演算子による演算という新たな仕組みをこの種のゲームに採り入れることになる.
すなわち,数字や小数点やある点数をもったキャラクタなどの数字等作用対象11が仮想空間上に配置されるだけでなく,たとえば加算記号(+),減算記号(−)といった演算子10が仮想空間上に配置される.
プレイヤの操作で条件を満たした数字等作用対象11および演算子10が「獲得」される.
演算に必要な数字等作用対象11および演算子10が揃うとプロセッサ1は演算を行う.
演算結果はゲームの状況を左右する.
したがって,プレイヤは,たとえば大きな数同士に作用する演算子としては「−」より「×」を獲得しようとするが,大きな数そして0に作用するとわかっていれば「−」を獲得しようとするなどなど,揃える順序,値や種類,そして演算結果に機動的な注意を払う必要が出てくる.すなわち,素早く計算して的確な判断をするという頭脳的なプレイが要求されることになる.
このため,知的な楽しさが増し,うまくいったときの達成感も大きくなる.
【0010】
したがって,本発明によれば,より機動的な戦略が必要でありながらシンプルさも兼ね備えた,演算子数字獲得演算ゲーム機およびプログラムを提供することができる.
【0011】
また,本発明の一態様では,ゲームオーバーになった最高到達地点をハイスコアとして表示あるいは比較することを特徴する.
【0012】
また,本発明の一態様では,前記プロセッサ1は前記ディスプレイ装置6に,ハイスコアマップとして,仮想空間の地理的マップの上に重ねて,各点もしくは領域に対応させて,ゲームオーバーになった最高到達地点とするプレイヤの人数もしくは名前もしくはシンボルもしくは点をレイアウトして表示することを特徴する.

【発明の効果】
【0013】
以上説明したように,本発明の請求項1によれば,
演算子の導入でより機動的な戦略が必要でありながら,数学的規則にのっとっているというシンプルさも兼ね備えた,演算子数字獲得演算ゲーム機およびプログラムを提供することができる.このため,プレイヤの知的快感が増し,新鮮な興味を引き出すことができる.
【0014】
本発明の請求項2によれば,
実存するあるいは仮想空間に存在する地名かつ/または距離で,最高到達地点を表現でき,また他人の最高到達地点と比較してすべてのプレイヤーの中での最高到達地点を表現できる.
これにより,ゲームの目標と達成感が具体的になり,興味を引き出すことができる.
【0015】
本発明の請求項3によれば,
プレイヤーは空間を直感的に俯瞰しながら,プレイヤー達の最高到達地点の分布や属性情報を把握することができる.これにより,ゲームの目標と達成感が現実的になり,興味を引き出すことができる.
【0016】
本発明の請求項4によれば,
プログラム提供者が記録媒体に記録したプログラムを,プログラム利用者が,該媒体の入力装置を使って直接ロードすることによって,あるいは該媒体の入力装置をもったコンピュータからネットワークを介して受信することによって,利用することができ,ソフトウェア流通環境が整う.
【0017】
さらに,本ゲーム機またはプログラムを,四則演算や論理演算を学習するための計算トレーニングシステムとして用いれば,学習者をあまり飽きさせずに,計算に習熟させることができる.

【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
疑似空間に演算子および数字を配置し,自機に接触した演算子または数字を「獲得」としてメモリに記憶し,獲得した演算子および数字からなる数式もしくは論理式を評価した結果もしくは演算規則違反の有無をもとに,仮想燃料を増減させることでゲームを実行しゲーム状況4を表示することで,機動的な戦略が必要でありながらシンプルさも兼ね備えたゲーム機を実現する.

【実施例1】
【0019】
以下に,請求項1の実施形態を,図に基づいて説明する.
図1は,本発明の各実施形態に係る演算子数字獲得演算ゲーム機の構成を示す図である.
【0020】
ゲーム機9は,プロセッサ1にバス13を介して接続されるメモリ2,位置変更手段7,表示回路14,ディスプレイ装置6,からなる.
【0021】
ゲーム機9のシステムの形態は,パーソナルコンピュータ,アーケードゲーム機,コンシューマゲーム機,携帯情報端末(PDA),携帯電話のいずれかまたは組合せであってもよく,他の,プロセッサを含む電子システムであってもよい.
【0022】
メモリ2は,RAM(ランダムアクセスメモリ),外部記憶装置,ネットワークを介してアクセスされる記憶装置のいずれかまたは組合せであってもよく,他の記憶手段でもよい.
【0023】
位置変更手段7は,キーボード,キー,マウス,パッド,タブレット,スタイラスペン,ジョイスティック,ゲームコントローラ,ハンドル,ペダル,スイッチのいずれかまたは組合せであってもよく,他の位置変更手段であってもよい.
位置変更手段7からは位置変更用情報8を発生し,バス13に伝達することができる.
【0024】
ディスプレイ装置6は,液晶表示装置,モニタテレビジョンもしくは陰極管(CRT)のいずれかまたは組合せであってもよく,他の表示手段でもよい.また,伝送路を経由して,プロセッサから離れた装置にリモート表示してもよい.
【0025】
表示回路14は,ディスプレイ装置に表示する図形または文字または色をバス13経由でメモリ2から受信し,表示するために加工かつ/または蓄積するものであり,典型的にはVRAM(Video RAM)とその制御回路からなる.
【0026】
メモリ2の内部に,ゲームの論理的な舞台である疑似空間を制御するための疑似空間情報3をもつ.
疑似空間情報3とは,典型的には,空間の幅を決め,空間内におけるオブジェクト群の座標を保持する情報である.あるいはさらに,自機および自機以外のオブジェクト,すなわち,数字,敵機などの,座標,速度,角速度の情報も含むことがある.
【0027】
以下,上述のハードウェア構成により演算子数字獲得演算ゲーム機を実現する技術について具体的に説明する.
ゲーム機9の各部は,次のような流れで有機的に作用する.
【0028】
ゲームの初期化として,プロセッサ1はメモリ2内のゲーム状況4の中の点数カウンタを0にクリアして,仮想空間の中に道路およびオブジェクトを生成してその座標を決め,自機座標レジスタの値はその端で道路進行方向を向いた位置の座標にし,そして自機の速度レジスタを0に初期化する.
【0029】
演算子数字獲得演算ゲームとして生成するオブジェクト(物体)の一種類は,数字等作用対象11である.
数字等作用対象11として,典型的には,平面上の道路あるいは空間上に,ランダムまたは規則にしたがって配置した数字の板といったものを生成する.
あるいは,固有の点数に対応づけられた,自機を射撃してくる敵機や,自機を射撃することのないオブジェクトでもよい.メモリ2に種類ごとの座標を生成する.
【0030】
演算子数字獲得演算ゲームとして生成するオブジェクトのもう一種類は,演算子10である.演算子は数学的意味における四則演算記号(「+」「−」「×」「÷」)のいずれかが,初心者にも分かりやすく好適である.プログラミング言語の記法にしたがって「×」は「*」,「÷」は「/」にしてもよい.
一方,上級者のためには,数字の符号を反転するために直前につける単項演算子としての「−」,両辺が等しければそのときに限って真の値をとる「=」,等しくなければそのときに限って真の値をとる「≠」などの(プログラミングでいう)論理演算子を生成する.論理演算子にはそのほか,「>」「≧」「≦」「<」がある.
そのほか,除算の商「%」ビット論理積の「&」,ビット論理和の「|」,ビット排他的論理和の「^」を使用してもよい.
【0031】
演算子による演算は,誰もが認める数学や論理学に基づいているので,いったん慣れてしまえば分かりやすく,シンプルに感じられる.
【0032】
また,別の例として,数字の代わりに作用対象は,100点と90点の2種類の人,50点と40点と30点の3種類の動物とする.演算子として家と山を定義する.演算子が家なら同時に集めた人または動物の点数の平均値を獲得した総体の値とし,演算子が山なら同時に集めた人形または動物の点数の最大値を獲得した総体の値とする,といった定義にしてもいい.
【0033】
ゲームが開始されると,ゲームの性質上,疑似空間の中における自機とオブジェクトの座標が刻々と変化することになる.
これに合わせて,プロセッサ1はメモリ2内の疑似空間情報3,たとえば3次元座標(x, y, z)を遠近法の変換式で2次元座標(x, y)に変換するなど表示用に加工して,表示用情報5とし,表示回路14に送る.
変化後の座標を定期的に送ってもよい.
表示回路が座標を自動的に変化させる能力をもつ「スプライト」と呼ばれる画像素片機能を備えている場合であれば,速度を表示回路14にセットしてもよい.
【0034】
図2は道路を走る自動車のシミュレーションとして実現するゲーム機例であって,上記のようにして生成された疑似空間情報3,とゲーム状況4とを,ディスプレイ装置6に表示した例である.
【0035】
図中,101は現在位置の表示,102は数字等作用対象の表示,103は演算子の表示,104は位置変更用ハンドルの表示,105は最高到達地点の表示,106は獲得物の表示,107は燃料残量の表示,108は速度の表示である.
【0036】
プレイヤがマウスを動かす,あるいは,プレイヤが「←」「→」などの矢印キーを押したりするような位置変更手段7の操作をすると,位置変更用情報8がバス経由でメモリ2に転送され,プロセッサ1には入力のあったことが認識される.
「↑」は加速,「↓」は減速という意味を決めておいてもよい.
【0037】
プロセッサ1は,入力された位置変更用情報8をもとに,疑似空間情報3のうち自機あるいは相対的な位置をとる敵機その他のオブジェクトの位置,向き,速度,角速度,加速度あるいは角加速度を変更する.
タイマによって,あるいは繰り返し処理の周期によって,自機や他のオブジェクトの位置,向き,速度,角速度,加速度あるいは角加速度を変更してもよい.
【0038】
「←」が1回押されたら104は位置変更用ハンドルの表示を1段階左に回転し,角速度を一定量増やす.増えた角速度と経過時間にしたがった角度を自機が疑似空間の中でとるように制御する.
「↑」が1回押されたら速度を1段階増やす.増えた速度と経過時間にしたがった座標に自機が疑似空間の中で進むように制御する.
【0039】
特定の条件を満たした演算子10または数字等作用対象11を,前記プロセッサ1が「獲得」とみなしてメモリ2の獲得物記憶部12に記憶する.
【0040】
前記図2では,数字等作用対象の表示102,演算子の表示103,獲得物の表示106をそれぞれスプライトとして表示回路14に送り,疑似空間情報3を更新するたびにディスプレイ装置6上の座標においてスプライトの重なりがあるかどうかを調べる.
【0041】
スプライトの重なりがあったとき,プロセッサ1が,あるいはさらに表示回路14が一部を分担して,スプライトの組合せを調べて,条件次第で,獲得あるいはさらに演算を行う.
【0042】
自機のタイプのスプライトと,数字または演算子のタイプのスプライトが,位置的に重なったときに,プロセッサ1が実行する演算子数字獲得処理と,前記演算子数字獲得処理の中で必要と判定されたときに呼ばれる演算処理を,フローチャートに代えて,自然言語を入れた構造化プログラム記述法である疑似コード(pseudo code)方式で下に記述する.
【0043】
以下の記述において,
レジスタ1, 2,3および4はそれぞれ,獲得物の表示106の4個の「座」に表示すべき,メモリ2内の獲得物記憶部12の内部の情報保持機構であり,左から順に番号を与えたものである.
レジスタe2, e4はメモリ2内の獲得物記憶部12の内部の情報保持機構であり,それぞれ,レジスタ2,4のコード値を,二進数値に変換して,演算まで一時保持するためのものである.
「今回点数」は,メモリ2内のゲーム状況4に一時的に保持する情報である.
「燃料残量」は,メモリ2内のゲーム状況4に保持している情報であり,ゲーム開始時の初期化で定数がセットされることで一定量与えられ,走行,加速,アイドリングなどで減少する.衝突により,あるいは敵機を設けて敵機の攻撃により,燃料残量を減少させてもよい.
燃料残量が0になるとプロセッサ1はメモリ2の疑似空間情報3において自機およびオブジェクトの座標の動きを止め,ディスプレイ装置6にゲームオーバーの表示を出して,あるいはさらに,停止したときの座標または地点をゲーム状況4に記憶してそれをディスプレイ装置6の最高到達地点の表示105に表示する.
「単項演算子有効モード」とは,メモリ2内にあって,有効に設定されているときに,「−9」のような表現を自動的に作り,無効に設定されているときに「−9」の「−」にあたる欄には演算子も数字も獲得せず必ず空欄にしておく,というデータである.

【0044】
a. 演算子数字獲得処理 記述開始
a.1 if (自機に数字が衝突した) {
a.2 if (レジスタ2が0なら) {
a.2 レジスタ2に衝突した数字のコードをセットし,獲得音を出し,
a.3 該スプライトを削除して戻る.
a.4 }
a.5 if (レジスタ4が0) {
a.6 レジスタ4に衝突した数字のコードをセットする.
a.7 if (レジスタ4が0以外,すなわち演算子が獲得済みなら) {
a.8 「演算処理」をしてきて,該スプライトを削除して終わる.
a.9 } else {
a.10 獲得音を出し,数字スプライトを削除して戻る.
a.11 }
a.12 }
a.13 該スプライトのタイプ値を,二度と衝突判定にかからないように変更し,
a.14 かすり音を発生する.
a.15 }
a.16 if (自機に演算子+か−が衝突した) {
a.17 if (単項演算子有効モード かつ レジスタ1が0) {
a.18 レジスタ1に衝突した演算子のコードをセットし,獲得音を出し,
a.19 該スプライトを削除して戻る.
a.20 }
a.21 }
a.22 if (自機にいずれかの演算子が衝突した) {
a.23 if (レジスタ3が0) {
a.24 レジスタ3に衝突した演算子のコードをセットする.
a.25 if (レジスタ2とレジスタ4が共に非0) {
a.26 「演算処理」をしてきて,該スプライトを削除する.
a.27 } else {
a.28 獲得音を出し,数字スプライトを削除する.
a.29 }
a.30 } else {
a.31 該スプライトを一定時間点滅する状態にする.
a.32 該スプライトのタイプ値を,二度と衝突判定にかからないように変更し,
a.33 「二重演算子エラー」でゲームオーバーにするフラグをセットする.
a.34 }
a.35 }
a.36 戻る.
a.37 演算子数字獲得処理 記述終了

【0045】
b. 演算処理 記述開始
b.1 レジスタe2に,レジスタ2の数字コードをもとに作った2進数をセットする.
b.2 レジスタe4に,レジスタ4の数字コードをもとに作った2進数をセットする.
b.3 if (単項演算子有効モード) {
b.4 if (レジスタ1が「−」のコード) {
b.5 レジスタe2 = 0 - レジスタe2の値をセット(すなわち符号を反転する).
b.6 }
b.7 }
b.8 0を今回得点にセットする.
b.9 レジスタ3の値により以下の各処理をする {
b.10 +なら,e2 + e4を今回点数にセットする.
b.11 −なら,e2 - e4を今回点数にセットする.
b.12 *なら,e2 * e4を今回点数にセットする.
b.13 /なら,
b.14 if (e4が非0) {
b.15 e2 / e4を今回点数にセットする.
b.16 }
b.17 if (e2もe4も0) {
b.18 一定範囲内の乱数を生成して今回点数にセットする.
b.19 }
b.20 if (e2が非0 かつ e4が0) {
b.21 該スプライトを一定時間点滅する状態にする.
b.22 該スプライトのタイプ値を二度と衝突判定にかからないように変更し,
b.23 「0割り」でゲームオーバーにするフラグをセットする.
b.24 }
b.25 =なら,
b.26 if (e2とe4が等しい) {
b.27 論理値が真のときに与える点数を今回点数にセットする.
b.28 } else {
b.29 論理値が偽のときに剥奪する点数(負値)を今回点数にセットする.
b.30 }
b.31 }
b.32 燃料残量に今回得点を加える.
b.33 if (燃料残量 < 0) {
b.34 燃料残量を0にする.
b.35 戻る(呼出元でも燃料残量の符号を判定し,そこでゲームオーバーにする).
b.36 }
b.37 if (燃料残量 > 燃料許容量) {
b.38 燃料許容量を燃料残量にセットする.
b.39 }
b.40 レジスタ1, 2, 3,4を0クリアする.
b.41 今回得点を一定時間表示する.
b.42 if (今回得点が正なら) {
b.43 得点音を出す.
b.44 } else {
b.45 減点失望音を出す.
b.46 }
b.47 戻る.
b.48 演算処理 記述終了

【0046】
上記では演算規則違反でゲームオーバーとしたが,演算規則違反となるような演算子を無視してもよい.
あるいは,演算規則違反とならないように既に蓄えられた演算子を新しい演算子で置き換えてしまってもよい.
【0047】
上記では演算結果でゲーム状況を変更,表示するだけであったが,さらに演算結果をメダルの払出し数または出球数といったゲーム機特有の報償に反映してもよい.
【0048】
以上のような演算子・数字の獲得および演算の要素を導入したことにより,ゲーム機は,運動神経のみならず頭脳も駆使するものになり,プレイヤの満足を実現する.

【実施例2】
【0049】
本発明の一態様である請求項2記載のゲーム機は,ゲームオーバーになったときの最高到達地点を地理的ハイスコアとして表示あるいは比較するものである.
【0050】
最高到達地点とは,ゲーム開始時から自機が移動した疑似空間内の距離でもよいが,実施例では,地点名と距離の併用である.
【0051】
コース内の「地点群」と各地点の「起点からの距離」の対応表は,ゲーム開始前にメモリ2に外部記憶またはネットワークから与えられ記憶されている.
たとえば,次のようである.
「日本橋, 0.0; 日本橋駅, 0.18; ……; 矢口渡駅入口, 15.6; ……;
箱根峠, 121.5; ……; 大阪市梅田新道, 565.4」.
【0052】
プロセッサ1は,移動距離の累積値を維持し,該累積値以内で最も起点からの距離が大きい地点の地点名を,最大到達地点名として記憶あるいは表示することができる.
たとえば,123.5km地点でゲームオーバーになったプレイヤは,箱根峠が121.5kmと上記メモリから分かるので,「箱根峠+2.0km」と記憶,表示できる.
【0053】
地理的にハイスコアが表現されることによって,プレイヤは到達度をより大きな現実感をもって捉えることができる.特に,現実に存在する道路や駅と同一または類似の地点名が,同一または類似の順序,距離で現れてくる場合には,目標をクリアしたい欲求やクリアした満足度は倍加する.他のプレイヤと競う場合も,何万点というより現実的な感じがして楽しい.
【0054】
ひとりのプレイヤの複数のコースの走破状況の場合の,ディスプレイ装置6への地理的ハイスコアの表示の一例は次のとおりである:
「国道332号(空港通り):沖縄フリーゾーン+1.0km」
「国道1号(東海道):箱根峠+2.0km」.
【0055】
このように,コース名,地点名,該地点からゲームオーバー地点までの相対距離のリストで表示すればよい.
該プレイヤがどのコースはどこまでいったかが非常に分かりやすい.
また,ゲーム画面にも,最高到達地点の表示105のようにそのコースでの地点名,該地点からゲームオーバー地点までの相対距離のリストを表示すると目標がはっきりしてよい.
【0056】
ひとつのコースの複数のプレイヤの走破状況の場合の,ディスプレイ装置6への地理的ハイスコアの表示の一例は次のとおりである:
「Aさん:箱根峠+2.0km」
「Bさん:矢口渡駅入口+0.5km」
このように,プレイヤ名,地点名,該地点からゲームオーバー地点までの相対距離のリストで表示すればよい.
該コースでは誰がどこまでいっているかが非常に分かりやすい.

【実施例3】
【0057】
本発明の一態様である請求項3記載のゲーム機は,ハイスコアマップとして,仮想空間の地理的マップの上に重ねて,各点もしくは領域に対応させて,ゲームオーバーになった最高到達地点とするプレイヤの人数もしくは名前もしくはシンボルもしくは点をレイアウトして表示するものである.
図3に,ハイスコアマップの表示例を示す.
【0058】
具体的には,東海道の地図を表示して箱根峠付近にAの文字,矢口渡駅入口付近にBの文字を重ねて表示することで,全プレイヤの攻略状況を一覧できる.
【0059】
ハイスコアマップを表示するには,あらかじめ作った地図画像か,または,疑似空間を構成するためにメモリ2に保持している,地点の座標や道路のベクトル,カーブの曲率といった地理情報から描いた地図画像を用いる.
プレイヤを示す位置は,たとえば,最高到達地点に近い地点名のついた地点とし,地図画像の上で該地点の位置情報があれば,その位置に字が重ならないだけのずれ量を足してプレイヤ名の文字列を重ねて出力すればよい.プレイヤが複数いるときは改行して下に並べる.多過ぎるときは一定個数だけ出力する.
【0060】
神奈川県10人のように領域や人数をまとめて表示してもよい.この場合は,神奈川県といった予め定義する領域とそれに属する地点と,その領域でプレイヤ名を表示する地図上の座標のリストをメモリ2にもっておく.リストの全領域について,属するプレイヤの数をカウントし,カウンタの値をその領域の座標に出力する.
【0061】
ハイスコアマップにより,プレイヤは他のプレイヤと現実の地理の上で競っているかのような臨場感を味わうことができる.

【実施例4】
【0062】
以下に,請求項4の実施例を説明する.
【0063】
請求項1で記載した演算子数字獲得演算ゲームを,ゲーム機9のプロセッサ1に実行させる処理もしくは処理に付随するデータを記述した演算子数字獲得演算ゲームプログラムを:

(イ) あらかじめ機械読み取り可能な媒体,すなわち,光磁気ディスク(MO),デジタルビデオディスク(DVD)(登録商標),読み取り専用コンパクトディスク(CD−ROM),ハードディスク,半導体ディスク(SSD),フラッシュメモリ,フレキシブルディスク,読み取り専用メモリ(ROM),磁気テープ(MT),カートリッジテープ,ホログラムメモリ,その他機械読み取り可能な媒体,に格納しておいて;

(ロ) 入力装置で該記録媒体から該プログラムを読み取り;

(ハ) 該プログラムを,ゲーム機9に接続された記録装置に直接ロードして;
あるいは,該プログラムを,ゲーム機9に接続された記録装置になんらかの通信網経由で受信して;

(ニ) 該プログラムをゲーム機9によって実行する.

【0064】
この効果として,プログラム提供者がMO,DVD,CD−ROM,ハードディスク,その他の媒体に記録したプログラムを,プログラム利用者が,該媒体の入力装置を使って直接ロードすることによって,あるいは該媒体の入力装置をもったコンピュータからネットワークを介して受信することによって,利用することができ,ソフトウェア流通環境が整う.

【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】演算子数字獲得演算ゲーム機の構成図である.
【図2】演算子数字獲得演算ゲーム機の表示例である.
【図3】ハイスコアマップの表示例である.
【符号の説明】
【0066】
1 プロセッサ
2 メモリ
3 疑似空間情報
4 ゲーム状況
5 表示用情報
6 ディスプレイ装置
7 位置変更手段
8 位置変更用情報
9 ゲーム機
10 演算子
11 数字等作用対象
12 獲得物記憶部
13 バス
14 表示回路
101 現在位置の表示
102 数字等作用対象の表示
103 演算子の表示
104 位置変更用ハンドルの表示
105 最高到達地点の表示
106 獲得物の表示
107 燃料残量の表示
108 速度の表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(1)がメモリ(2)内の疑似空間情報(3)とゲーム状況(4)を表示用情報(5)にしてディスプレイ装置(6)上にレイアウト表示し,プレイヤの位置変更手段(7)の操作により入力された位置変更用情報(8)をもとに前記疑似空間情報(3)を変更するゲーム機(9)であって,

(イ)前記プロセッサ(1)は疑似空間に付帯してまたは疑似空間上のオブジェクトに付帯して配置した複数の演算子(10)および数字等作用対象(11)をディスプレイ装置(6)上にレイアウト表示し,

(ロ)プレイヤが前記位置変更手段(7)を用いて空間内での位置情報を操作することで特定の条件を満たした演算子(10)または数字等作用対象(11)を,前記プロセッサ(1)が「獲得」とみなしてメモリ(2)の獲得物記憶部(12)に記憶し,

(ハ)前記プロセッサ(1)は獲得した演算子および数字からなる数式もしくは論理式を評価した結果もしくは演算規則違反の有無をもとに,点数または仮想燃料またはゲームライフまたはアイテムを増減させることでゲームを実行して前記メモリ(2)内のゲーム状況(4)を更新する

ことを特徴とするゲーム機(9).
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において,
ゲームオーバーになった最高到達地点をハイスコアとして表示あるいは比較する
ことを特徴するゲーム機.
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム機において,
前記プロセッサ(1)は前記ディスプレイ装置(6)に,ハイスコアマップとして,
仮想空間の地理的マップの上に重ねて,各点もしくは領域に対応させて,ゲームオーバーになった最高到達地点とするプレイヤの人数もしくは名前もしくはシンボルもしくは点をレイアウトして表示する
ことを特徴するゲーム機.
【請求項4】
プロセッサによって演算子数字獲得演算ゲームをするためのプログラムを記録した
機械読み取り可能な媒体であって,
該プログラムは;

(イ)プロセッサ(1)に疑似空間に付帯してまたは疑似空間上のオブジェクトに付帯して配置した複数の演算子(10)および数字等作用対象(11)をディスプレイ装置(6)上にレイアウト表示させ,

(ロ)プレイヤが前記位置変更手段(7)を用いて空間内での位置情報を操作することで特定の条件を満たした演算子(10)または数字等作用対象(11)を,前記プロセッサ(1)に「獲得」とみなさせてメモリ(2)の獲得物記憶部(12)に記憶させ,

(ハ)前記プロセッサ(1)は獲得した演算子および数字からなる数式もしくは論理式を評価した結果もしくは演算規則違反の有無をもとに,点数または仮想燃料またはゲームライフまたはアイテムを増減させることでゲームを実行させて前記メモリ(2)内のゲーム状況(4)を更新させる

ことを特徴とする
演算子数字獲得演算ゲームプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体.

【図1】
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【図2】
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【図3】
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