ゲーム機
【課題】 プレイヤに高額配当獲得の可能性を与えながら、ペイアウト率をコントロールすることも可能なゲーム機を提供する。
【解決手段】 遊技者が遊技価値を賭けて遊技を行い、遊技に勝利した場合には賭けた遊技価値に応じた配当を払い出すゲーム機において、遊技に賭ける遊技価値の値を指定する入力を受け付けるCPUと、前記配当を決定するためのベット倍率であって、通常ベット倍率とこの通常ベット倍率より高い増加ベット倍率とを記憶するROMと、CPUが受け付けた遊技価値の値に基づいて、前記通常ベット倍率と増加ベット倍率とのいずれかを選択するCPUとを有し、このCPUは、受け付けた遊技価値の値が所定値以上である場合に、増加ベット倍率を選択する。
【解決手段】 遊技者が遊技価値を賭けて遊技を行い、遊技に勝利した場合には賭けた遊技価値に応じた配当を払い出すゲーム機において、遊技に賭ける遊技価値の値を指定する入力を受け付けるCPUと、前記配当を決定するためのベット倍率であって、通常ベット倍率とこの通常ベット倍率より高い増加ベット倍率とを記憶するROMと、CPUが受け付けた遊技価値の値に基づいて、前記通常ベット倍率と増加ベット倍率とのいずれかを選択するCPUとを有し、このCPUは、受け付けた遊技価値の値が所定値以上である場合に、増加ベット倍率を選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ゲーム機に関し、より詳しくは遊技価値を賭けてゲームを行い、ゲームに勝利した場合は賭けた遊技価値に応じた量の遊技価値を獲得できるゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
カジノ(Casino)で行われるゲームを、より簡便に行えるようにしたゲーム機が市場に普及してきている。かかるゲーム機の一例として、バカラを行えるゲーム機も実現されている(例えば、特許文献1)。このゲーム機においては、ゲーム参加者に対してゲームテーブルの過去の出目傾向を図表化して分かり易く提示する機能が採用されている。
【特許文献1】特開2003−220169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のゲーム機は、遊技方法(「Tie」「Player」「Banker」のようなベット対象、及び各ベット対象についてのベット倍率(当たった場合の配当を決めるため、ベット額に乗じられる係数))は従来のカジノゲームをそのまま踏襲している。そのため、ベット対象が3つと少なく、それぞれに定められたベット倍率もさほど高倍率にならないので、かかるゲーム機のプレイヤは高額配当を期待することができない。
【0004】
そこで、遊技者の遊技意欲を高めるために、ベット倍率を高く設定する方法も考えられるが、常に高いベット倍率を提供すると、遊技者への払い出し額が遊技者からの投入額を超過する問題、すなわちペイアウト率の上昇という問題が生じてしまう。
【0005】
本発明の目的は、バカラのような伝統的なゲームをプレイヤに遊技させる場合にあっても、プレイヤに高額配当獲得の可能性を与えながら、ペイアウト率をコントロールも可能なゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有する。
本発明は、遊技者が遊技価値を賭けて遊技を行い、遊技に勝利した場合には賭けた遊技価値に応じた配当を払い出すゲーム機として提案される。このゲーム機は、遊技に賭ける遊技価値の値を指定する入力を受け付ける受付手段(例えば、マイクロコンピュータ、CPU又はベット受付部)と、配当を決定するための倍率(ベット倍率ともいう)であって、通常の倍率とこの通常の倍率より高い倍率とを記憶する倍率記憶手段(例えば、マイクロコンピュータ、ROM又はベット倍率テーブル記憶部)と、受付手段が受け付けた遊技価値の値に基づいて、通常の倍率と高い倍率とのいずれかを選択する倍率決定手段(例えば、マイクロコンピュータ、CPU又はベット受付部)とを有し、倍率決定手段は、受付手段が受け付けた遊技価値の値が所定値である場合に、高い倍率を選択することを特徴とする。
【0007】
かかるゲーム機によれば、賭ける遊技価値を決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるため、遊技者により興奮度の高い遊技を提供することが可能となる。
【0008】
また、ゲーム機において、遊技価値をかける複数の対象から少なくとも一つを遊技者に選択させるための対象指定受付手段(例えば、マイクロコンピュータ、CPU又はベット受付部)をさらに有し、倍率決定手段は、複数の対象のうち所定の対象が選択された場合に、高い倍率を選択することをさらなる特徴として備えるようにしても良い。
【0009】
かかるゲーム機によれば、賭ける対象を決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるため、遊技者にさらに興奮度の高い遊技を提供することが可能となる。
【0010】
また、上記のゲーム機において、倍率決定手段は、受付手段が遊技価値の受付を開始してから遊技価値の値の入力までの時間が所定時間である場合に、高い倍率を選択することをさらなる特徴として備えるようにしても良い。
【0011】
かかるゲーム機によれば、ベットを実行するタイミングを決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるため、遊技者にさらに興奮度の高い遊技を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレイヤに高額配当獲得の可能性を与えながら、ペイアウト率をコントロールも可能なゲーム機であって、ベットする行為に基づいてベット倍率が増加するという、賭ける対象を決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるゲーム機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[1.ゲーム機の外観]
図1に、本実施の形態にかかるゲーム機の外観図を示す。図に示すように、ゲーム機100は、サテライトと呼ばれるプレイヤ端末101が略扇状に配置されたテーブル部102と、テーブル部102後方に載置されたパネル部103を有している。この図に示す例では、5つのプレイヤ端末101がパネル部103に向かって扇状に配置されている。
【0014】
パネル部103は、液晶ディスプレイ装置のような表示装置である正面ディスプレイ104と、スピーカ105、ランプ106、LED107を有している。正面ディスプレイ104は、プレイヤ端末101を操作するプレイヤが参加したゲーム全般に関する情報を、各プレイヤに共通に通知する。ベット可能時間開始の通知、ベット終了の通知、ゲームの勝敗の通知、などをディーラー108のアニメーションによって表示するようになっている。
【0015】
図2にプレイヤ端末101の拡大図を示す。以下、図2を参照しながらプレイヤ端末101を説明する。プレイヤ端末101は、プレイヤにゲームに関する情報を提供するための液晶ディスプレイ201を上面に有している。液晶ディスプレイ201は、透明タッチパネル202でカバーされており、液晶ディスプレイ201が表示する入力インターフェイス画面と相まって、プレイヤ用の液晶ディスプレイ201の手前側には、PAYOUTボタン、BETボタンなどの、プレイヤがゲームにおいて使用する複数のボタンであるボタン群203が配置されている。また、ボタン群203の右側には、プレイヤがコイン、メダル、チップなどの遊技価値媒体(以下、単に「コイン」という)を投入するためのコイン投入部204が設けられている。コイン投入部204の下側には、プレイヤが紙幣を投入するための紙幣投入部205が設けられている。コイン投入部204にはコインセンサ(図略)が配置されており、コイン投入部204にコインが投入されると、コインセンサを介してコイン検出信号がプレイヤ端末101に出力される。また、紙幣投入部205には、紙幣センサ(図略)が配置されており、紙幣投入部205に紙幣が投入されると、紙幣センサを介して紙幣検出信号がプレイヤ端末101に出力される。
【0016】
プレイヤ端末101の正面下部には、コイン払出口206が設けられており、プレイヤがボタン群203の内の一つのボタンであるPAYOUTボタンを押下すると、プレイヤ端末101に記憶されているプレイヤ所持クレジット値の全部又は一部に対応した枚数のコインがコイン払出口206から排出され、プレイヤが手に出来るようになっている。
【0017】
液晶ディスプレイ201から前方(パネル部103に向かう側)には、透明アクリルパネル207がコの字型に設けられており、透明アクリルパネル207によって囲われた領域には、立体模型チップ提示部208が設けられている。立体模型チップ提示部208は、立体模型チップ209と、立体模型チップ209がプレイヤ端末101内部から外部へ突出し、或いは突出した立体模型チップ209をプレイヤ端末101内部に収納するための開口210が設けられた提示部プレート211と、立体模型チップ209を昇降させるための昇降機構(後述する)で構成される。
【0018】
立体模型チップ209は、チップの山の模型であって、樹脂などを成形して作られる。一つの立体模型チップ提示部208は、異なる単位の立体模型チップ209を複数有していてよい。例えば、一枚当たり1クレジット分のチップの山を模した立体模型チップ、一枚当たり10クレジットチップの山を模した立体模型チップ、一枚当たり100クレジットチップの山を模した立体模型チップ、等が用意されるようになっていてよい。
【0019】
これら立体模型チップ209は、その立体模型チップ提示部208が設けられたプレイヤ端末101を操作するプレイヤがゲーム機100にクレジットしているチップ数、すなわち所持クレジット値に応じて昇降機構により上下させられる。例えば、今プレイヤの所持クレジット値が「251」であるとすると、1クレジット分のチップの山を模した立体模型チップがチップ一枚分の厚みに相当する高さだけ提示部プレート211から突出するように、この立体模型チップを昇降させ、且つ、10クレジット分のチップの山を模した立体模型チップがチップ五枚分の高さだけ提示部プレート211から突出するようにこの立体模型チップの昇降動作を行い、100クレジット分のチップの山を模した立体模型チップがチップ二枚分の高さだけ提示部プレート211から突出するようにこの立体模型チップの昇降動作を行う。
【0020】
すべてのプレイヤは、この立体模型チップ209が提示部プレート211から突出している高さを見ることにより、そのプレイヤの所持クレジット値を迅速且つ直感的に把握することが出来ると共に、あたかも実際のチップの増減が目の前で行われているような臨場感を奏することも出来る。
【0021】
図3に、ゲーム機100の内部構造の例を示す概略ブロック図を掲げる。ゲーム機100には、主制御部301が格納されている。主制御部301は、ゲームプログラムを実行する情報処理装置及び周辺装置で構成される。主制御部301は、各プレイヤ端末101と双方向通信可能に接続されており、各プレイヤ端末101からベット枚数、ベット対象等のプレイヤの選択の通知を受け、所定の条件が満たされた場合ゲームの実行を開始し、ゲームの勝敗を決定し、結果を各プレイヤ端末101に通知する。各プレイヤ端末101は主制御部301からの通知に従って、当該プレイヤの所持クレジット値の増減を行うこととなる。例えば、プレイヤがゲームに勝利した場合は、各プレイヤ端末101は主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値に獲得枚数分のクレジット値を加算して記憶し直し、一方、プレイヤがゲームに負けた場合は、各プレイヤ端末101は主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値からベット枚数分のクレジット値を減算して記憶し直す。
【0022】
また、主制御部301は、正面ディスプレイ104に表示させる画像信号の出力、ランプ106、LED107の駆動制御、スピーカ105の駆動制御も行う。
【0023】
プレイヤ端末101には、昇降機構302と光源部303が接続されている。
昇降機構302は、立体模型チップ209を昇降させるための手段であって、本実施の形態では昇降用動力としてステッピングモータを用いるが、位置制御機構と組み合わせた通常モータであっても構わない。
【0024】
昇降機構302の具体的構成について、図4を参照しながら説明する。
図4に示す昇降機構302は、ステッピングモータ401に取り付けられた回転駆動軸402と、回転駆動軸402に固定され、回転駆動軸402の回転に伴って回転する当接部材4031〜4035と、当接部材4031〜4035の有する当接面4031P〜4035Pに一端が当接する位置に、支持軸404によって回動可能に取り付けられたアーム部4051〜4055と、アーム部4051〜4055の他端に取り付けられたテーブル部4061〜4065とを有している。テーブル部4061〜4065の上面には、立体模型チップ209が固定されて載せられている。またテーブル部4061〜4065は、摺動レール407によって案内され、立体模型チップ209が正しく開口210を通過するように規制されている。
【0025】
なお、図4に示す例では、5種類の立体模型チップ209を昇降させる構成となっており、当接部材4031〜4035、当接面4031P〜4035P、アーム部4051〜4055、テーブル部4061〜4065は各々5コずつ用意されており、これを区別するため枝番を付して記述したが、以降区別する必要のない場合には枝番を付さずに、単に当接部材403、当接面403P、アーム部405、テーブル部406と表記するものとする。
【0026】
次に、図4に示す昇降機構302の動作について説明する。
プレイヤ端末101によって駆動されたステッピングモータ401が、回転駆動軸402を回転させると、当接部材403が回転する。この回転が進むと、当接面403が、アーム部405の一端に当接する。なお、この実施の形態では、当接面4035Pが最も早くアーム部4055の一端に当接し、以下、当接面4034P、当接面4033P、当接面4032P、当接面4031Pの順に対応するアーム部4051〜4054の一端に当接するようになっている。
【0027】
当接面403Pがアーム部405の一端に当接した後、さらに当接部材403が回転すると、当接面403Pはアーム部405の一端を押し下げる。
一端を押し下げられたアーム部405は、支持軸404を中心として回動し、他端は上方向に押し上げられる。その結果他端に固定されているテーブル部406も上方に押し上げられ、テーブル部406上に載置されている立体模型チップ209もともに上昇する。その結果、ステッピングモータ401による回転駆動軸402の回転量に応じて、立体模型チップ209の一部又は全部を開口210を通過させて提示部プレート211から突出させ、露出させることが可能となる。
【0028】
また、ステッピングモータ401を逆方向に回転させることにより、一端提示部プレート211から突出させ、露出させた立体模型チップ209の一部又は全部を提示部プレート211下方に収容することも可能である。
【0029】
図4に示す構成例では、当接面4031P〜4035Pが対応するアーム部4051〜4055の一端に当接するタイミングが異なるように、当接部材4031〜4035の形状を定めているため、図中右端の立体模型チップ209が最も早く上昇を開始し、以下順に、右側の立体模型チップ209から左側の立体模型チップ209が上昇を開始する。この性質を利用して、最も右端の立体模型チップ209の一枚当たりの価値を低く(例えば、1枚当たり1クレジット)、以下左に行くに従って一枚当たりの価値を高く(例えば、1枚当たり5クレジット、10クレジット、100クレジット、1000クレジット)するよう、立体模型チップの色や模様を区別しておけば、1〜100000クレジットのような幅広いレンジの所持クレジット値を立体模型チップ209の突出量によって表現できるようになる。
【0030】
次に、昇降機構302の別の構成例を、図5、6に示す。図5は、昇降機構302の別の構成例の基本ユニットの斜視図である。この基本ユニットを複数集めて一つの昇降機構302が構成される。
この昇降機構302の基本ユニットは、ステッピングモータ501によって回転駆動される回転駆動軸502に、テーブル部503が取り付けられている。
【0031】
テーブル部503上面には、前述の例と同様に、立体模型チップ209が載置されるようになっている。なお、図5においては、立体模型チップ209は中空の半円筒を左右に貼り合わせて一つの立体模型チップ209を形成するものであり、図では貼り合わせ前の片側の中空の半円筒を図示している。図示していないが提示部プレート211の開口210から立体模型チップ209が突出若しくは退避するように昇降するのであり、前述の例と同様である。
【0032】
テーブル部503底部には、ナット504が固着されている。前記回転駆動軸502に外周面には螺子山・螺子溝が形成されており(図略)、ナット504と回転駆動軸502は螺合されている。
【0033】
テーブル部503は回転駆動軸502の回転に伴って回転しないように規制される。例えば、上述の例のように案内レールを設けて、テーブル部503の回転を規制する(上下方向の動きは規制しない)ようにしてもよいし、或いは、ゲーム機100の内壁などに摺動可能に当接させて、テーブル部503の回転を規制する(上下方向の動きは規制しない)ようにしてもよいだろう。
【0034】
回転駆動軸502を回転させることにより、テーブル部503は螺進若しくは螺退する。すなわち、ステッピングモータ501の回転駆動を制御することにより、テーブル部503、すなわちその上に載置された立体模型チップ209の昇降をコントロールすることが出来る。
【0035】
図6は、上記の基本ユニットを複数用いて昇降機構302を構成した場合の例を示す斜視図である。この昇降機構302の例では、1つの立体模型チップ209を載置した基本ユニット5個一列と、1つの立体模型チップ209を載置した別の基本ユニット5個一列とから構成されている。基本ユニットごとにステッピングモータ501を有するため、基本ユニットごとに独立して立体模型チップ209の昇降制御を行うことが可能となる。
【0036】
そのため、この様な構成の昇降機構302を用いた場合には、立体模型チップ209の昇降を所持クレジット値の表示に使うのみでなく、その他の表示、例えば、そのプレイヤ端末のプレイヤが大きな勝利を得た場合に、立体模型チップ209を右から左へ、或いは左から右へ、波のうねりのごとく昇降させる、といったような演出するための動作をさせることも可能となる。
【0037】
図3に戻り、ゲーム機100の概略構成の説明を続ける。
プレイヤ端末101は、光源部303に接続されており、光源部303の発光動作を制御する。光源部303は、複数のLEDなどの発光源を有する回路であって、異なる色(例えば、赤、青、緑、白など)及び、輝度を変更できる光源として機能する。光源部303から射出された光は、アクリルパネル207により導光され、ゲーム機100の外部、とりわけプレイヤに視認される方向に射出される。
【0038】
[2.主制御部の構成例]
次に、主制御部301の構成例について図7を参照しながら説明する。図7は、主制御部301を中心としたゲーム機100のブロック図である。
【0039】
主制御部301は、基本的に、CPU701、RAM702、ROM703、これら相互間のデータ転送を行うためのバス704で構成されるマイクロコンピュータ705を核として構成されており、CPU701にはROM703及びRAM702がバス704を介して接続されている。ROM703は、ゲーム機100の制御上必要な処理をおこなうための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM703は、CPU701で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0040】
マイクロコンピュータ705、より詳しくはCPU701は、I/Oインターフェイス706を介して画像処理回路707に接続されており、画像処理回路707は、正面ディスプレイ104に接続され正面ディスプレイの駆動を制御する。
【0041】
画像処理回路707は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。プログラムROMには、正面ディスプレイ104での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、正面ディスプレイ104で画像を形成するためのドットデータなど、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、CPU701で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から正面ディスプレイ104に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像データを生成し、正面ディスプレイ104に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0042】
更に、マイクロコンピュータ705、より詳しくはCPU701は、音声回路708を介してスピーカ105が接続されており、スピーカ105は、音声回路708からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音、BGMなどを発生するものである。
【0043】
また、マイクロコンピュータ705、より詳しくは、CPU701は、ランプ駆動回路709を介して、ランプ106、LED107が接続されている。ランプ106、LED107は、ゲーム機100の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU701からの駆動信号に基づきランプ駆動回路により点灯制御されるものである。
【0044】
また、マイクロコンピュータ705、より詳しくはCPU701は、通信インターフェイス710を介して各プレイヤ端末101が接続されており、CPU701、プレイヤ端末101間出の双方向通信が行えるようになっている。CPU701は通信インターフェイス710により、各プレイヤ端末101との間で命令の送受信、要求の送受信等が行え、主制御部301とプレイヤ端末101が共同してゲームの進行制御を行う。
【0045】
[3.プレイヤ端末の構成例]
次に、プレイヤ端末101の構成例について、図8を参照しながら説明する。図8は、プレイヤ端末101の制御系を示す機能ブロック図である。
プレイヤ端末101は、基本的に、CPU801、RAM802、ROM803、これら相互間のデータ転送を行うためのバス804で構成されるマイクロコンピュータ805を核として構成されており、CPU801にはROM803及びRAM802がバス804を介して接続されている。ROM803は、プレイヤ端末101の制御上必要な処理、例えば、昇降機構302の動作制御、光源部の点灯・消灯制御などをおこなうための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM803は、CPU801で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0046】
本発明の受付手段、倍率記憶手段、倍率決定手段、対象指定受付手段として機能するマイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、I/Oインターフェイス806を介して液晶パネル駆動回路807に接続されており、液晶パネル駆動回路807は、液晶ディスプレイ201に接続され、液晶ディスプレイ201の駆動を制御する。
【0047】
また、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、I/Oインターフェイス806を介してタッチパネル駆動回路808に接続されており、タッチパネル駆動回路808はタッチパネル202上の接触位置の座標データを出力する。
【0048】
マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801には、ホッパー駆動回路809を介してホッパー814が接続されている。CPU801から駆動信号がホッパー駆動回路809に出力されると、ホッパー814は、所定枚数のコインをコイン払出口206から払い出す。また、CPU801には、払出完了信号回路810を介してコイン検出部815が接続されている。コイン検出部815はコイン払出口206の内部に配置されており、コイン払出口206から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部815からコイン払出検出信号が払出完了信号回路810に出力され、これに基づき払出完了信号回路810は、CPU801に対して払出完了信号を出力する。
【0049】
また、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、昇降機構302を駆動させるためのステッピングモータ401(又は501)を回転駆動させるモータ駆動回路811に接続されている。CPU801からモータ駆動信号がモータ駆動回路811に出力されると、ステッピングモータ401(又は501)はモータ駆動回路811により回転駆動される。これにより昇降機構302が動作し、立体模型チップ209の昇降動作が行われる。
【0050】
さらに、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、光源部303を駆動させるためのLED駆動回路812に接続されている。この実施の形態においては、光源部303は複数のLEDで構成されており、LED駆動回路812は、CPU801からのLED駆動命令に応じて、全LEDのうち駆動命令の対象となったLEDに対して駆動電力を供給する。これにより、CPU801に制御下において所望の態様でLEDの点灯・消灯制御を行うことが出来る。
【0051】
本実施の形態においては、光源部303は5個の赤色LEDと、5個の青色LEDと、5個の白色LEDとで構成されており、LED駆動回路812は、これら5個の赤色LEDと、5個の青色LEDと、5個の白色LEDをそれぞれ別個独立して点灯・消灯させるように電力を選択的に供給できる回路である。
【0052】
またさらに、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、通信インターフェイス813を介して主制御部301に接続されており、CPU801、主制御部301間での双方向通信が行えるようになっている。CPU801は主制御部301との間で命令、要求、データなどの送受信等が行え、主制御部301とプレイヤ端末101が協働してゲームの進行制御を行う。
【0053】
図9は、プレイヤ端末101のマイクロコンピュータ805の機能を説明するためのブロック図であって、主に表示処理に関する機能ブロック図である。
マイクロコンピュータ805は、クレジット管理部901と、ベット受付部902と、クレジット値記憶部903と、ベット値記憶部904と、ベット対象記憶部905と、ベット倍率記憶部906と、ベット倍率テーブル記憶部907とを有している。
【0054】
クレジット管理部901、及びベット受付部902は、主にCPU801によって構成され、クレジット値記憶部903、ベット値記憶部904、ベット対象記憶部905、及びベット倍率記憶部906は、主にRAM802によって構成され、ベット倍率テーブル記憶部907は主にROM803によって構成される。
【0055】
クレジット管理部901は、遊技の進行に応じてクレジット値記憶部903に記憶されているクレジット値を増減させる機能を有する。すなわち、クレジット管理部901は、コインセンサ、紙幣センサからの検出信号に応じて、クレジット値記憶部903が記憶するクレジット値を増加させ、プレイヤがベットに用いたベット値分をクレジット値記憶部903が記憶するクレジット値から減少させ、プレイヤがゲームに勝利して配当を得た場合には、主制御部301から通知される配当分をクレジット値記憶部903に記憶されているクレジット値に加算する。
【0056】
ベット受付部902は、プレイヤによるベットに関する入力を受け付け、この入力に基づいて、ベットの内容を主制御部301に通知するためのベット情報を生成し、このベット情報を主制御部301に送信する機能を有する。
【0057】
ベットに関する入力は、ボタン群203及び/又はタッチパネル202を操作することにより行われる。入力内容は、ベット対象(この例では、「Tie」「Player」「Banker」)を指定する入力と、ベット値(上記のベット対象に賭けるクレジットの値)を指定する入力である。上記のベット情報には、ベット対象を特定する情報及びベット値を特定する情報が含まれる。
【0058】
ベット受付部902はさらに、以下の機能を有している。すなわち、ベット受付部902は、ベット値の大きさに応じてベット倍率を決定する機能を有する。ベット倍率とは、ベット対象についてゲームの勝利が成立した場合に、プレイヤに支払う配当を決定する倍率である。プレイヤに支払う配当は、ベット値に当該ベット倍率を乗じて得られた値となる。
【0059】
クレジット値記憶部903は、クレジット値を記憶保持する機能を有する。前述のクレジット管理部901により、常に最新の遊技状況に対応するように、クレジット値が増減され、クレジット値記憶部903によって記憶されるようになっている。
【0060】
ベット値記憶部904は、プレイヤの入力により指定されたベット値を記憶保持する。ベット受付部902は、プレイヤからのベット値を指定する入力を受け付けると、そのベット値をベット値記憶部904に記憶させる。なお、ゲームが終了すると、ベット値記憶部904に記憶されていたベット値はクリアされ、新たなゲームにおいて入力されるベット値が書き込まれるのを待つ。
【0061】
ベット対象記憶部905は、プレイヤの入力により指定されたベット対象を特定する情報(例えば、ID,コードなど)を記憶保持する。ベット受付部902は、プレイヤからのベット対象を指定する入力を受け付けると、そのベット対象を特定する情報をベット値記憶部904に記憶させる。なお、ゲームが終了すると、ベット対象記憶部905に記憶されていたベット対象を特定する情報はクリアされ、新たなゲームにおいて入力されるベット対象を特定する情報が書き込まれるのを待つ。
【0062】
ベット倍率記憶部906は、ベット受付部902がベット値記憶部903,及び後述のベット倍率テーブル記憶部907を参照して決定したベット倍率を記憶保持する。なお、ゲームが終了すると、ベット倍率記憶部906に記憶されていたベット倍率はクリアされ、新たなゲームにおいて、ベット受付部902により決定されたベット倍率が書き込まれるのを待つ。
【0063】
ベット倍率テーブル記憶部907は、ベット受付部902がベット値に応じたベット倍率を決定するための情報であるベット倍率テーブルを記憶保持する機能を有する。図10は、ベット倍率テーブル記憶部907が記憶するベット倍率テーブルのデータ構成例を示す図である。ベット倍率テーブル1000は、ベット対象ごとにベット倍率を記憶しており、通常の場合に適用される通常ベット倍率と、ベット値が所定値に一致する場合に適用される増加ベット倍率とを格納している。
【0064】
ここで、所定値を100とすると、例えば、ベット対象が「Tie」である場合に、ベット値が90である場合には、ベット受付部902はこのベット倍率テーブル1000を参照して、通常ベット倍率「9」を取得する。同じくベット対象が「Tie」である場合に、ベット値が所定値である100である場合には、ベット受付部902はこのベット倍率テーブル1000を参照して、増加ベット倍率「18」を取得する。
【0065】
このように、ベット倍率テーブル記憶部907は、ベット受付部902がベット倍率を決定する場合に参照され、利用される。
【0066】
[4.動作例]
つぎに、本ゲーム機100の動作例について図11を参照しながら説明する。図11は、本ゲーム機の動作例を示す、シーケンス図である。なお、図11には一つのプレイヤ端末101のみ代表として図示している。他のプレイヤ端末101についても、同様の動作が行われるため、図11においてこれらの処理の表示は省略している。また、図11のシーケンス図は、ゲームが開始し、そのゲームの勝敗が決定して配当の支払いが行われるまでのゲーム機100内の動作を示している。すなわち一つのゲームが行われるごとに図11に示す動作が繰り返されることになる。
【0067】
まず、主制御部301は、ゲーム開始を決定すると、プレイヤ端末101にベット受付開始通知を送信する(ステップS1101)。
このベット受付開始通知を受信したプレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット値指定入力受付処理を実行する(ステップS1102)。この処理は、プレイヤにベット値を指定する入力を促し、かかる入力が行われた場合には、この入力によって指定されたベット値はベット値記憶部904に記憶される。
【0068】
次に、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット対象指定入力受付処理を実行する(ステップS1103)。この処理は、プレイヤにベット対象を指定する入力を促し、かかる入力が行われた場合には、この入力によって指定されたベット対象を特定する情報はベット対象記憶部903に記憶される。
【0069】
次に、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率決定処理を実行する(ステップS1104)。この処理は、先のベット値指定受付処理において指定されたベット値に応じて、ベット倍率を決定する処理である。図12に、ベット倍率決定処理の一例のフローチャートを示す。ベット倍率決定処理を開始すると、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット値記憶部904よりベット値を取得する(ステップS1201)。次に、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、取得したベット値と所定値とを比較し、ベット値が所定値に等しいか否かを判定する(ステップS1202)。ベット値が所定値に等しくないと判定した場合(ステップS1202,No)、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率を増加させることなく、言い換えれば通常ベット倍率を選択して、ベット倍率決定処理を終了する。一方、ベット値が所定値に等しいと判定した場合(ステップS1202,Yes)、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率増加処理を行う(ステップS1203)。この例では、ベット倍率増加処理として、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率テーブル1000から対応する増加ベット倍率を取得する。このベット倍率は前述の通常ベット倍率より大きい値となるように、ベット倍率テーブル1000において設定されている。ベット倍率増加処理終了後、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率決定処理を終了する。
【0070】
図11に戻り、ゲーム機100の動作例の説明を続ける。
ベット倍率決定処理(ステップS1104)終了後、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット情報を生成し、これを主制御部301に送信する(ステップS1105)。このベット情報には、ベット額指定入力受付処理(ステップS1102)で指定されたベット値、ベット対象指定入力受付処理(ステップS1103)で指定されたベット対象を特定する情報、及びベット倍率決定処理(ステップS1104)で決定されたベット倍率を含んでいる。なお、プレイヤ端末101が複数ある場合には、送信先であるプレイヤ端末101を特定する情報をさらにベット情報に含めても良い。
【0071】
ベット情報を受信した主制御部301は、勝敗決定処理を実行する(ステップS1106)。勝敗決定処理は、ゲームの進行をおこなうとともに、ゲームに参加した各プレイヤの勝敗を決定する処理である。
【0072】
勝敗決定処理において勝敗が決定すると、主制御部301は、プレイヤ端末101に勝敗を通知する。この通知には、当該プレイヤ端末のプレイヤについての勝敗と、ゲームに勝っている場合には配当の情報が含まれる。配当は、ベット情報に含まれているベット値とベット倍率により主制御部301が算出した値である。
【0073】
勝敗通知を受信したプレイヤ端末101は、結果表示処理を実行する(ステップS1108)。この表示結果処理は、プレイヤ端末101の液晶ディスプレイ201に「Win」「Lose」等の勝敗を示すメッセージなどを表示する処理である。
【0074】
次に、プレイヤ端末101は、支払処理を実行する(ステップS1109)。支払処理は、先の勝敗通知(ステップS1107)において配当が通知されている場合に、当該配当をクレジット値に加算する処理である。これにより、プレイヤはベット値に応じたベット倍率に基づいた配当を受け取ることになる。
【0075】
[5.画面例]
次に、本ゲーム機100の画面例について説明する。
図13は、プレイヤ端末101の液晶ディスプレイ201に表示されるベット画面の例を示す。ベット画面は、先に述べたベット対象指定入力受付処理(ステップS1102)、ベット値指定入力受付処理(ステップS1103)のための、プレイヤにベットを促すベット入力インターフェイスとして機能する。図13に示すベット画面は、各プレイヤはこの画面を入力インターフェイスとして用い、液晶ディスプレイ201前面に設けられたタッチパネル202にタッチすることでゲームを進めるための諸操作を行う。
【0076】
画面上部には、出目表領域1101が生成されている。この出目表領域1101は、過去のゲームに於いて、どの出目が出たか(ゲーム結果が「Tie」、「Banker」、「Player」のいずれとなったか)を表示する領域である。プレイヤはこの領域1101に示された内容を見て次のゲームの出目を予想することが可能となる。
【0077】
出目表領域1101の下方左側には、3種のベット対象である「Tie」、「Banker」、「Player」に対応するエリアボタン1102が表示されている。プレイヤはこの3つのエリアボタン1102の内いずれか一つにタッチすることにより、ベット対象の選択入力を行うことができる。
【0078】
エリアボタン1102の右隣にはベット倍率が表示される。ゲーム結果がプレイヤの選択したベット対象と一致した場合、すなわち、プレイヤがゲームに勝利した場合は、プレイヤがベットした遊技価値(コイン枚数)にこのベット倍率を乗じた値に相当する獲得クレジット値を当該プレイヤが獲得する。
【0079】
ベット倍率の右側には、チップ表示エリア1103が設けられている。チップ表示エリア1103は、プレイヤがベットした遊技価値(コイン枚数)に相当するチップの画像が表示され、臨場感を盛り上げる演出を行う。
【0080】
チップ表示エリア1103の下方には、複数のベットボタン1104が表示されている。プレイヤはこのベットボタン1104に適宜タッチすることにより、所望の値のベット値を入力することができる。なお、図示の例では、それぞれのベットボタン1104に「1」「5」「10」「25」「100」の値が設定されており、一回のタッチで設定された値に応じた遊技価値(コイン枚数)がベット値に加算される。
【0081】
ベットボタン1104の下方には、獲得クレジット値表示領域1105及び所持クレジット値表示領域1106が設けられている。
【0082】
ベットボタン1104の左方には、ベットモードをスコアベットモードに切り換えるためのスコアベットボタン1107が表示される。プレイヤがスコアベットボタン1107にタッチすると、ベット画面はスコアベットモードに対応した画面に切り替わる。
【0083】
スコアベットボタン1107の左斜め下には、当該ベットモードにおけるベット額下限値表示領域1108、ベット額上限値表示領域1109が有り、ベット額下限値、ベット額上限値を表示してプレイヤにこれらが示す範囲内でベット額を決定するよう促している。
【0084】
次に、図14,図15を参照しながらベット入力方法の例について説明する。
図14(A)は、図13に示すベット画面が表示された後、プレイヤがベット額を決定するためベットボタン1104にタッチしている状態を示す。
【0085】
図14(B)は、図14(A)の画面から遷移して表示されるベット画面例を示す。プレイヤがタッチしたベットボタン1104に対応したベット額に応じたチップ画像1201がチップ表示エリア1103内に表示され、プレイヤにベット額を認識させるようになる。
【0086】
図15(A)は、図14(B)に示すベット画面が表示された後、プレイヤがベット対象を決定するためエリアボタン1102にタッチしている状態を示す。
【0087】
図15(B)は、図15(A)の画面から遷移して表示されるベット画面例を示す。この画面では、プレイヤがタッチしたエリアボタン1102にチップ画像1201がチップ表示エリア1103内から移動したように表示され、プレイヤにベット対象を認識させるようになる。
【0088】
以上で、ベット入力は完了し、この後主制御部301がゲーム結果を決定して、ゲーム結果が通知されると、ゲーム結果通知画面(図略)に切り替わり、プレイヤに配当若しくはベット額の徴収が通知される。
【0089】
次に、ベット倍率決定処理において、ベット倍率増加が行われる場合の画面例について、図16,図17を参照しながら説明する。図16は、プレイヤがベット値を100として入力を終えた状態の画面例である。ベット値が所定値である100以上であるため、プレイヤ端末101は、ベット倍率変更処理を実行することにより、ベット倍率を通常の倍率から増加した倍率の変更を行うが、この例では、ベット対象が定まるまで画面上に表示しない。そのため、液晶ディスプレイ201に表示されるベット倍率表示画像1601は、通常の倍率のままとなっている。
【0090】
図17(A)は、図16に示すベット画面が表示された後、プレイヤがベット対象を決定するためエリアボタン1102にタッチしている状態を示す。この例では、プレイヤはベット対象として「BANKER」を選択している。このとき、ベット対象「BANKEER」に対応するベット倍率表示1601は、先の「1.95」から「3.9」の増加された倍率に変更されている。これにより、プレイヤはベット倍率が増加されたことを知る。
【0091】
図17(B)は、図17(A)の画面から遷移して表示されるベット画面例を示す。この画面では、プレイヤがタッチしたエリアボタン1102にチップ画像1201がチップ表示エリア1103内から移動したように表示され、プレイヤにベット対象を認識させるようになる。その結果、プレイヤは「BANKER」に100クレジットのベットを行い、そのベット倍率は増加された倍率である「3.9」であることを認識できる。
【0092】
[6.その他]
本実施の形態は、以下のように変形しても成立する。
(1) 上記ベット倍率の変更(ベット倍率決定処理)は、予め定めたベット対象についてのみ行うようにしても良い。例えば、ゲーム開始時に抽選によりベット倍率変更可能なベット対象を一又は複数定め、プレイヤがそのベット対象を指定した場合にのみ、ベット倍率決定処理を行う構成としても良い。
(2) 上記ベット倍率の変更(ベット倍率決定処理)は所定の時間的条件が成立した場合にのみ、実行されるようにしても良い。たとえば、所定の条件としてベットが所定の時点に行われた場合のみ、ベット倍率決定処理を行うようにしても良い。所定の時点としては例えば、ベット受付開始から所定時刻経過時に、ベット値入力が行われたことなどである。
(3)ベット倍率決定処理における所定値は、各ベット対象ごとに定められていてもよい。また、所定値は、必ずしも一つでなくともよく、複数の所定値が予め定められており、このうちのいずれかとベット値とが等しい場合に高額ベット値を選択するようにしても良い。また、所定値として、所定の値の範囲を指定するようにしても良い。また、所定値は常に不変でなくともよく、適宜変更されるようにしても良い。たとえば、ゲーム開始ごとに乱数などを用いて所定値をランダムに決定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】ゲーム機の外観斜視図
【図2】プレイヤ端末の斜視図
【図3】ゲーム機の制御系を示すブロック図
【図4】昇降機構の一例を示す斜視図
【図5】昇降機構の別の例を示す斜視図
【図6】昇降機構の別の例を示す斜視図
【図7】主制御部の構成例を示す機能ブロック図
【図8】プレイヤ端末の構成例を示す機能ブロック図
【図9】プレイヤ端末のマイクロコンピュータの機能ブロック図
【図10】ベット倍率テーブルのデータ構成例を示す図
【図11】ゲーム機の動作例を示すシーケンス図
【図12】ベット倍率決定処理の一例を示すフローチャート
【図13】プレイヤ端末の液晶ディスプレイに表示されるベット画面の例を示す図
【図14】(A)は、プレイヤ端末の液晶ディスプレイに表示されるベット画面の例を示す図、(B)は(A)に続いて表示されるベット画面の例を示す図
【図15】(A)は、図14(B)に続いて表示されるベット画面の例を示す図、(B)は(A)に続いて表示されるベット画面の例を示す図
【図16】ベット倍率が増加される場合の、プレイヤ端末の液晶ディスプレイに表示されるベット画面の例を示す図
【図17】(A)は、図16表示されるベット画面に続いて表示される画面の例を示す図、(B)は(A)に続いて表示されるベット画面の例を示す図
【符号の説明】
【0094】
100 … ゲーム機
101 … プレイヤ端末
902 … ベット受付部
904 … ベット値記憶部
905 … ベット対象記憶部
906 … ベット倍率記憶部
907 … ベット倍率テーブル記憶部
【技術分野】
【0001】
ゲーム機に関し、より詳しくは遊技価値を賭けてゲームを行い、ゲームに勝利した場合は賭けた遊技価値に応じた量の遊技価値を獲得できるゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
カジノ(Casino)で行われるゲームを、より簡便に行えるようにしたゲーム機が市場に普及してきている。かかるゲーム機の一例として、バカラを行えるゲーム機も実現されている(例えば、特許文献1)。このゲーム機においては、ゲーム参加者に対してゲームテーブルの過去の出目傾向を図表化して分かり易く提示する機能が採用されている。
【特許文献1】特開2003−220169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のゲーム機は、遊技方法(「Tie」「Player」「Banker」のようなベット対象、及び各ベット対象についてのベット倍率(当たった場合の配当を決めるため、ベット額に乗じられる係数))は従来のカジノゲームをそのまま踏襲している。そのため、ベット対象が3つと少なく、それぞれに定められたベット倍率もさほど高倍率にならないので、かかるゲーム機のプレイヤは高額配当を期待することができない。
【0004】
そこで、遊技者の遊技意欲を高めるために、ベット倍率を高く設定する方法も考えられるが、常に高いベット倍率を提供すると、遊技者への払い出し額が遊技者からの投入額を超過する問題、すなわちペイアウト率の上昇という問題が生じてしまう。
【0005】
本発明の目的は、バカラのような伝統的なゲームをプレイヤに遊技させる場合にあっても、プレイヤに高額配当獲得の可能性を与えながら、ペイアウト率をコントロールも可能なゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有する。
本発明は、遊技者が遊技価値を賭けて遊技を行い、遊技に勝利した場合には賭けた遊技価値に応じた配当を払い出すゲーム機として提案される。このゲーム機は、遊技に賭ける遊技価値の値を指定する入力を受け付ける受付手段(例えば、マイクロコンピュータ、CPU又はベット受付部)と、配当を決定するための倍率(ベット倍率ともいう)であって、通常の倍率とこの通常の倍率より高い倍率とを記憶する倍率記憶手段(例えば、マイクロコンピュータ、ROM又はベット倍率テーブル記憶部)と、受付手段が受け付けた遊技価値の値に基づいて、通常の倍率と高い倍率とのいずれかを選択する倍率決定手段(例えば、マイクロコンピュータ、CPU又はベット受付部)とを有し、倍率決定手段は、受付手段が受け付けた遊技価値の値が所定値である場合に、高い倍率を選択することを特徴とする。
【0007】
かかるゲーム機によれば、賭ける遊技価値を決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるため、遊技者により興奮度の高い遊技を提供することが可能となる。
【0008】
また、ゲーム機において、遊技価値をかける複数の対象から少なくとも一つを遊技者に選択させるための対象指定受付手段(例えば、マイクロコンピュータ、CPU又はベット受付部)をさらに有し、倍率決定手段は、複数の対象のうち所定の対象が選択された場合に、高い倍率を選択することをさらなる特徴として備えるようにしても良い。
【0009】
かかるゲーム機によれば、賭ける対象を決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるため、遊技者にさらに興奮度の高い遊技を提供することが可能となる。
【0010】
また、上記のゲーム機において、倍率決定手段は、受付手段が遊技価値の受付を開始してから遊技価値の値の入力までの時間が所定時間である場合に、高い倍率を選択することをさらなる特徴として備えるようにしても良い。
【0011】
かかるゲーム機によれば、ベットを実行するタイミングを決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるため、遊技者にさらに興奮度の高い遊技を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレイヤに高額配当獲得の可能性を与えながら、ペイアウト率をコントロールも可能なゲーム機であって、ベットする行為に基づいてベット倍率が増加するという、賭ける対象を決定すること自体にゲーム性若しくはギャンブル性を与えられるゲーム機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[1.ゲーム機の外観]
図1に、本実施の形態にかかるゲーム機の外観図を示す。図に示すように、ゲーム機100は、サテライトと呼ばれるプレイヤ端末101が略扇状に配置されたテーブル部102と、テーブル部102後方に載置されたパネル部103を有している。この図に示す例では、5つのプレイヤ端末101がパネル部103に向かって扇状に配置されている。
【0014】
パネル部103は、液晶ディスプレイ装置のような表示装置である正面ディスプレイ104と、スピーカ105、ランプ106、LED107を有している。正面ディスプレイ104は、プレイヤ端末101を操作するプレイヤが参加したゲーム全般に関する情報を、各プレイヤに共通に通知する。ベット可能時間開始の通知、ベット終了の通知、ゲームの勝敗の通知、などをディーラー108のアニメーションによって表示するようになっている。
【0015】
図2にプレイヤ端末101の拡大図を示す。以下、図2を参照しながらプレイヤ端末101を説明する。プレイヤ端末101は、プレイヤにゲームに関する情報を提供するための液晶ディスプレイ201を上面に有している。液晶ディスプレイ201は、透明タッチパネル202でカバーされており、液晶ディスプレイ201が表示する入力インターフェイス画面と相まって、プレイヤ用の液晶ディスプレイ201の手前側には、PAYOUTボタン、BETボタンなどの、プレイヤがゲームにおいて使用する複数のボタンであるボタン群203が配置されている。また、ボタン群203の右側には、プレイヤがコイン、メダル、チップなどの遊技価値媒体(以下、単に「コイン」という)を投入するためのコイン投入部204が設けられている。コイン投入部204の下側には、プレイヤが紙幣を投入するための紙幣投入部205が設けられている。コイン投入部204にはコインセンサ(図略)が配置されており、コイン投入部204にコインが投入されると、コインセンサを介してコイン検出信号がプレイヤ端末101に出力される。また、紙幣投入部205には、紙幣センサ(図略)が配置されており、紙幣投入部205に紙幣が投入されると、紙幣センサを介して紙幣検出信号がプレイヤ端末101に出力される。
【0016】
プレイヤ端末101の正面下部には、コイン払出口206が設けられており、プレイヤがボタン群203の内の一つのボタンであるPAYOUTボタンを押下すると、プレイヤ端末101に記憶されているプレイヤ所持クレジット値の全部又は一部に対応した枚数のコインがコイン払出口206から排出され、プレイヤが手に出来るようになっている。
【0017】
液晶ディスプレイ201から前方(パネル部103に向かう側)には、透明アクリルパネル207がコの字型に設けられており、透明アクリルパネル207によって囲われた領域には、立体模型チップ提示部208が設けられている。立体模型チップ提示部208は、立体模型チップ209と、立体模型チップ209がプレイヤ端末101内部から外部へ突出し、或いは突出した立体模型チップ209をプレイヤ端末101内部に収納するための開口210が設けられた提示部プレート211と、立体模型チップ209を昇降させるための昇降機構(後述する)で構成される。
【0018】
立体模型チップ209は、チップの山の模型であって、樹脂などを成形して作られる。一つの立体模型チップ提示部208は、異なる単位の立体模型チップ209を複数有していてよい。例えば、一枚当たり1クレジット分のチップの山を模した立体模型チップ、一枚当たり10クレジットチップの山を模した立体模型チップ、一枚当たり100クレジットチップの山を模した立体模型チップ、等が用意されるようになっていてよい。
【0019】
これら立体模型チップ209は、その立体模型チップ提示部208が設けられたプレイヤ端末101を操作するプレイヤがゲーム機100にクレジットしているチップ数、すなわち所持クレジット値に応じて昇降機構により上下させられる。例えば、今プレイヤの所持クレジット値が「251」であるとすると、1クレジット分のチップの山を模した立体模型チップがチップ一枚分の厚みに相当する高さだけ提示部プレート211から突出するように、この立体模型チップを昇降させ、且つ、10クレジット分のチップの山を模した立体模型チップがチップ五枚分の高さだけ提示部プレート211から突出するようにこの立体模型チップの昇降動作を行い、100クレジット分のチップの山を模した立体模型チップがチップ二枚分の高さだけ提示部プレート211から突出するようにこの立体模型チップの昇降動作を行う。
【0020】
すべてのプレイヤは、この立体模型チップ209が提示部プレート211から突出している高さを見ることにより、そのプレイヤの所持クレジット値を迅速且つ直感的に把握することが出来ると共に、あたかも実際のチップの増減が目の前で行われているような臨場感を奏することも出来る。
【0021】
図3に、ゲーム機100の内部構造の例を示す概略ブロック図を掲げる。ゲーム機100には、主制御部301が格納されている。主制御部301は、ゲームプログラムを実行する情報処理装置及び周辺装置で構成される。主制御部301は、各プレイヤ端末101と双方向通信可能に接続されており、各プレイヤ端末101からベット枚数、ベット対象等のプレイヤの選択の通知を受け、所定の条件が満たされた場合ゲームの実行を開始し、ゲームの勝敗を決定し、結果を各プレイヤ端末101に通知する。各プレイヤ端末101は主制御部301からの通知に従って、当該プレイヤの所持クレジット値の増減を行うこととなる。例えば、プレイヤがゲームに勝利した場合は、各プレイヤ端末101は主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値に獲得枚数分のクレジット値を加算して記憶し直し、一方、プレイヤがゲームに負けた場合は、各プレイヤ端末101は主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値からベット枚数分のクレジット値を減算して記憶し直す。
【0022】
また、主制御部301は、正面ディスプレイ104に表示させる画像信号の出力、ランプ106、LED107の駆動制御、スピーカ105の駆動制御も行う。
【0023】
プレイヤ端末101には、昇降機構302と光源部303が接続されている。
昇降機構302は、立体模型チップ209を昇降させるための手段であって、本実施の形態では昇降用動力としてステッピングモータを用いるが、位置制御機構と組み合わせた通常モータであっても構わない。
【0024】
昇降機構302の具体的構成について、図4を参照しながら説明する。
図4に示す昇降機構302は、ステッピングモータ401に取り付けられた回転駆動軸402と、回転駆動軸402に固定され、回転駆動軸402の回転に伴って回転する当接部材4031〜4035と、当接部材4031〜4035の有する当接面4031P〜4035Pに一端が当接する位置に、支持軸404によって回動可能に取り付けられたアーム部4051〜4055と、アーム部4051〜4055の他端に取り付けられたテーブル部4061〜4065とを有している。テーブル部4061〜4065の上面には、立体模型チップ209が固定されて載せられている。またテーブル部4061〜4065は、摺動レール407によって案内され、立体模型チップ209が正しく開口210を通過するように規制されている。
【0025】
なお、図4に示す例では、5種類の立体模型チップ209を昇降させる構成となっており、当接部材4031〜4035、当接面4031P〜4035P、アーム部4051〜4055、テーブル部4061〜4065は各々5コずつ用意されており、これを区別するため枝番を付して記述したが、以降区別する必要のない場合には枝番を付さずに、単に当接部材403、当接面403P、アーム部405、テーブル部406と表記するものとする。
【0026】
次に、図4に示す昇降機構302の動作について説明する。
プレイヤ端末101によって駆動されたステッピングモータ401が、回転駆動軸402を回転させると、当接部材403が回転する。この回転が進むと、当接面403が、アーム部405の一端に当接する。なお、この実施の形態では、当接面4035Pが最も早くアーム部4055の一端に当接し、以下、当接面4034P、当接面4033P、当接面4032P、当接面4031Pの順に対応するアーム部4051〜4054の一端に当接するようになっている。
【0027】
当接面403Pがアーム部405の一端に当接した後、さらに当接部材403が回転すると、当接面403Pはアーム部405の一端を押し下げる。
一端を押し下げられたアーム部405は、支持軸404を中心として回動し、他端は上方向に押し上げられる。その結果他端に固定されているテーブル部406も上方に押し上げられ、テーブル部406上に載置されている立体模型チップ209もともに上昇する。その結果、ステッピングモータ401による回転駆動軸402の回転量に応じて、立体模型チップ209の一部又は全部を開口210を通過させて提示部プレート211から突出させ、露出させることが可能となる。
【0028】
また、ステッピングモータ401を逆方向に回転させることにより、一端提示部プレート211から突出させ、露出させた立体模型チップ209の一部又は全部を提示部プレート211下方に収容することも可能である。
【0029】
図4に示す構成例では、当接面4031P〜4035Pが対応するアーム部4051〜4055の一端に当接するタイミングが異なるように、当接部材4031〜4035の形状を定めているため、図中右端の立体模型チップ209が最も早く上昇を開始し、以下順に、右側の立体模型チップ209から左側の立体模型チップ209が上昇を開始する。この性質を利用して、最も右端の立体模型チップ209の一枚当たりの価値を低く(例えば、1枚当たり1クレジット)、以下左に行くに従って一枚当たりの価値を高く(例えば、1枚当たり5クレジット、10クレジット、100クレジット、1000クレジット)するよう、立体模型チップの色や模様を区別しておけば、1〜100000クレジットのような幅広いレンジの所持クレジット値を立体模型チップ209の突出量によって表現できるようになる。
【0030】
次に、昇降機構302の別の構成例を、図5、6に示す。図5は、昇降機構302の別の構成例の基本ユニットの斜視図である。この基本ユニットを複数集めて一つの昇降機構302が構成される。
この昇降機構302の基本ユニットは、ステッピングモータ501によって回転駆動される回転駆動軸502に、テーブル部503が取り付けられている。
【0031】
テーブル部503上面には、前述の例と同様に、立体模型チップ209が載置されるようになっている。なお、図5においては、立体模型チップ209は中空の半円筒を左右に貼り合わせて一つの立体模型チップ209を形成するものであり、図では貼り合わせ前の片側の中空の半円筒を図示している。図示していないが提示部プレート211の開口210から立体模型チップ209が突出若しくは退避するように昇降するのであり、前述の例と同様である。
【0032】
テーブル部503底部には、ナット504が固着されている。前記回転駆動軸502に外周面には螺子山・螺子溝が形成されており(図略)、ナット504と回転駆動軸502は螺合されている。
【0033】
テーブル部503は回転駆動軸502の回転に伴って回転しないように規制される。例えば、上述の例のように案内レールを設けて、テーブル部503の回転を規制する(上下方向の動きは規制しない)ようにしてもよいし、或いは、ゲーム機100の内壁などに摺動可能に当接させて、テーブル部503の回転を規制する(上下方向の動きは規制しない)ようにしてもよいだろう。
【0034】
回転駆動軸502を回転させることにより、テーブル部503は螺進若しくは螺退する。すなわち、ステッピングモータ501の回転駆動を制御することにより、テーブル部503、すなわちその上に載置された立体模型チップ209の昇降をコントロールすることが出来る。
【0035】
図6は、上記の基本ユニットを複数用いて昇降機構302を構成した場合の例を示す斜視図である。この昇降機構302の例では、1つの立体模型チップ209を載置した基本ユニット5個一列と、1つの立体模型チップ209を載置した別の基本ユニット5個一列とから構成されている。基本ユニットごとにステッピングモータ501を有するため、基本ユニットごとに独立して立体模型チップ209の昇降制御を行うことが可能となる。
【0036】
そのため、この様な構成の昇降機構302を用いた場合には、立体模型チップ209の昇降を所持クレジット値の表示に使うのみでなく、その他の表示、例えば、そのプレイヤ端末のプレイヤが大きな勝利を得た場合に、立体模型チップ209を右から左へ、或いは左から右へ、波のうねりのごとく昇降させる、といったような演出するための動作をさせることも可能となる。
【0037】
図3に戻り、ゲーム機100の概略構成の説明を続ける。
プレイヤ端末101は、光源部303に接続されており、光源部303の発光動作を制御する。光源部303は、複数のLEDなどの発光源を有する回路であって、異なる色(例えば、赤、青、緑、白など)及び、輝度を変更できる光源として機能する。光源部303から射出された光は、アクリルパネル207により導光され、ゲーム機100の外部、とりわけプレイヤに視認される方向に射出される。
【0038】
[2.主制御部の構成例]
次に、主制御部301の構成例について図7を参照しながら説明する。図7は、主制御部301を中心としたゲーム機100のブロック図である。
【0039】
主制御部301は、基本的に、CPU701、RAM702、ROM703、これら相互間のデータ転送を行うためのバス704で構成されるマイクロコンピュータ705を核として構成されており、CPU701にはROM703及びRAM702がバス704を介して接続されている。ROM703は、ゲーム機100の制御上必要な処理をおこなうための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM703は、CPU701で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0040】
マイクロコンピュータ705、より詳しくはCPU701は、I/Oインターフェイス706を介して画像処理回路707に接続されており、画像処理回路707は、正面ディスプレイ104に接続され正面ディスプレイの駆動を制御する。
【0041】
画像処理回路707は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。プログラムROMには、正面ディスプレイ104での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、正面ディスプレイ104で画像を形成するためのドットデータなど、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、CPU701で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から正面ディスプレイ104に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像データを生成し、正面ディスプレイ104に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0042】
更に、マイクロコンピュータ705、より詳しくはCPU701は、音声回路708を介してスピーカ105が接続されており、スピーカ105は、音声回路708からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音、BGMなどを発生するものである。
【0043】
また、マイクロコンピュータ705、より詳しくは、CPU701は、ランプ駆動回路709を介して、ランプ106、LED107が接続されている。ランプ106、LED107は、ゲーム機100の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU701からの駆動信号に基づきランプ駆動回路により点灯制御されるものである。
【0044】
また、マイクロコンピュータ705、より詳しくはCPU701は、通信インターフェイス710を介して各プレイヤ端末101が接続されており、CPU701、プレイヤ端末101間出の双方向通信が行えるようになっている。CPU701は通信インターフェイス710により、各プレイヤ端末101との間で命令の送受信、要求の送受信等が行え、主制御部301とプレイヤ端末101が共同してゲームの進行制御を行う。
【0045】
[3.プレイヤ端末の構成例]
次に、プレイヤ端末101の構成例について、図8を参照しながら説明する。図8は、プレイヤ端末101の制御系を示す機能ブロック図である。
プレイヤ端末101は、基本的に、CPU801、RAM802、ROM803、これら相互間のデータ転送を行うためのバス804で構成されるマイクロコンピュータ805を核として構成されており、CPU801にはROM803及びRAM802がバス804を介して接続されている。ROM803は、プレイヤ端末101の制御上必要な処理、例えば、昇降機構302の動作制御、光源部の点灯・消灯制御などをおこなうための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM803は、CPU801で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0046】
本発明の受付手段、倍率記憶手段、倍率決定手段、対象指定受付手段として機能するマイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、I/Oインターフェイス806を介して液晶パネル駆動回路807に接続されており、液晶パネル駆動回路807は、液晶ディスプレイ201に接続され、液晶ディスプレイ201の駆動を制御する。
【0047】
また、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、I/Oインターフェイス806を介してタッチパネル駆動回路808に接続されており、タッチパネル駆動回路808はタッチパネル202上の接触位置の座標データを出力する。
【0048】
マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801には、ホッパー駆動回路809を介してホッパー814が接続されている。CPU801から駆動信号がホッパー駆動回路809に出力されると、ホッパー814は、所定枚数のコインをコイン払出口206から払い出す。また、CPU801には、払出完了信号回路810を介してコイン検出部815が接続されている。コイン検出部815はコイン払出口206の内部に配置されており、コイン払出口206から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部815からコイン払出検出信号が払出完了信号回路810に出力され、これに基づき払出完了信号回路810は、CPU801に対して払出完了信号を出力する。
【0049】
また、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、昇降機構302を駆動させるためのステッピングモータ401(又は501)を回転駆動させるモータ駆動回路811に接続されている。CPU801からモータ駆動信号がモータ駆動回路811に出力されると、ステッピングモータ401(又は501)はモータ駆動回路811により回転駆動される。これにより昇降機構302が動作し、立体模型チップ209の昇降動作が行われる。
【0050】
さらに、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、光源部303を駆動させるためのLED駆動回路812に接続されている。この実施の形態においては、光源部303は複数のLEDで構成されており、LED駆動回路812は、CPU801からのLED駆動命令に応じて、全LEDのうち駆動命令の対象となったLEDに対して駆動電力を供給する。これにより、CPU801に制御下において所望の態様でLEDの点灯・消灯制御を行うことが出来る。
【0051】
本実施の形態においては、光源部303は5個の赤色LEDと、5個の青色LEDと、5個の白色LEDとで構成されており、LED駆動回路812は、これら5個の赤色LEDと、5個の青色LEDと、5個の白色LEDをそれぞれ別個独立して点灯・消灯させるように電力を選択的に供給できる回路である。
【0052】
またさらに、マイクロコンピュータ805、より詳しくはCPU801は、通信インターフェイス813を介して主制御部301に接続されており、CPU801、主制御部301間での双方向通信が行えるようになっている。CPU801は主制御部301との間で命令、要求、データなどの送受信等が行え、主制御部301とプレイヤ端末101が協働してゲームの進行制御を行う。
【0053】
図9は、プレイヤ端末101のマイクロコンピュータ805の機能を説明するためのブロック図であって、主に表示処理に関する機能ブロック図である。
マイクロコンピュータ805は、クレジット管理部901と、ベット受付部902と、クレジット値記憶部903と、ベット値記憶部904と、ベット対象記憶部905と、ベット倍率記憶部906と、ベット倍率テーブル記憶部907とを有している。
【0054】
クレジット管理部901、及びベット受付部902は、主にCPU801によって構成され、クレジット値記憶部903、ベット値記憶部904、ベット対象記憶部905、及びベット倍率記憶部906は、主にRAM802によって構成され、ベット倍率テーブル記憶部907は主にROM803によって構成される。
【0055】
クレジット管理部901は、遊技の進行に応じてクレジット値記憶部903に記憶されているクレジット値を増減させる機能を有する。すなわち、クレジット管理部901は、コインセンサ、紙幣センサからの検出信号に応じて、クレジット値記憶部903が記憶するクレジット値を増加させ、プレイヤがベットに用いたベット値分をクレジット値記憶部903が記憶するクレジット値から減少させ、プレイヤがゲームに勝利して配当を得た場合には、主制御部301から通知される配当分をクレジット値記憶部903に記憶されているクレジット値に加算する。
【0056】
ベット受付部902は、プレイヤによるベットに関する入力を受け付け、この入力に基づいて、ベットの内容を主制御部301に通知するためのベット情報を生成し、このベット情報を主制御部301に送信する機能を有する。
【0057】
ベットに関する入力は、ボタン群203及び/又はタッチパネル202を操作することにより行われる。入力内容は、ベット対象(この例では、「Tie」「Player」「Banker」)を指定する入力と、ベット値(上記のベット対象に賭けるクレジットの値)を指定する入力である。上記のベット情報には、ベット対象を特定する情報及びベット値を特定する情報が含まれる。
【0058】
ベット受付部902はさらに、以下の機能を有している。すなわち、ベット受付部902は、ベット値の大きさに応じてベット倍率を決定する機能を有する。ベット倍率とは、ベット対象についてゲームの勝利が成立した場合に、プレイヤに支払う配当を決定する倍率である。プレイヤに支払う配当は、ベット値に当該ベット倍率を乗じて得られた値となる。
【0059】
クレジット値記憶部903は、クレジット値を記憶保持する機能を有する。前述のクレジット管理部901により、常に最新の遊技状況に対応するように、クレジット値が増減され、クレジット値記憶部903によって記憶されるようになっている。
【0060】
ベット値記憶部904は、プレイヤの入力により指定されたベット値を記憶保持する。ベット受付部902は、プレイヤからのベット値を指定する入力を受け付けると、そのベット値をベット値記憶部904に記憶させる。なお、ゲームが終了すると、ベット値記憶部904に記憶されていたベット値はクリアされ、新たなゲームにおいて入力されるベット値が書き込まれるのを待つ。
【0061】
ベット対象記憶部905は、プレイヤの入力により指定されたベット対象を特定する情報(例えば、ID,コードなど)を記憶保持する。ベット受付部902は、プレイヤからのベット対象を指定する入力を受け付けると、そのベット対象を特定する情報をベット値記憶部904に記憶させる。なお、ゲームが終了すると、ベット対象記憶部905に記憶されていたベット対象を特定する情報はクリアされ、新たなゲームにおいて入力されるベット対象を特定する情報が書き込まれるのを待つ。
【0062】
ベット倍率記憶部906は、ベット受付部902がベット値記憶部903,及び後述のベット倍率テーブル記憶部907を参照して決定したベット倍率を記憶保持する。なお、ゲームが終了すると、ベット倍率記憶部906に記憶されていたベット倍率はクリアされ、新たなゲームにおいて、ベット受付部902により決定されたベット倍率が書き込まれるのを待つ。
【0063】
ベット倍率テーブル記憶部907は、ベット受付部902がベット値に応じたベット倍率を決定するための情報であるベット倍率テーブルを記憶保持する機能を有する。図10は、ベット倍率テーブル記憶部907が記憶するベット倍率テーブルのデータ構成例を示す図である。ベット倍率テーブル1000は、ベット対象ごとにベット倍率を記憶しており、通常の場合に適用される通常ベット倍率と、ベット値が所定値に一致する場合に適用される増加ベット倍率とを格納している。
【0064】
ここで、所定値を100とすると、例えば、ベット対象が「Tie」である場合に、ベット値が90である場合には、ベット受付部902はこのベット倍率テーブル1000を参照して、通常ベット倍率「9」を取得する。同じくベット対象が「Tie」である場合に、ベット値が所定値である100である場合には、ベット受付部902はこのベット倍率テーブル1000を参照して、増加ベット倍率「18」を取得する。
【0065】
このように、ベット倍率テーブル記憶部907は、ベット受付部902がベット倍率を決定する場合に参照され、利用される。
【0066】
[4.動作例]
つぎに、本ゲーム機100の動作例について図11を参照しながら説明する。図11は、本ゲーム機の動作例を示す、シーケンス図である。なお、図11には一つのプレイヤ端末101のみ代表として図示している。他のプレイヤ端末101についても、同様の動作が行われるため、図11においてこれらの処理の表示は省略している。また、図11のシーケンス図は、ゲームが開始し、そのゲームの勝敗が決定して配当の支払いが行われるまでのゲーム機100内の動作を示している。すなわち一つのゲームが行われるごとに図11に示す動作が繰り返されることになる。
【0067】
まず、主制御部301は、ゲーム開始を決定すると、プレイヤ端末101にベット受付開始通知を送信する(ステップS1101)。
このベット受付開始通知を受信したプレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット値指定入力受付処理を実行する(ステップS1102)。この処理は、プレイヤにベット値を指定する入力を促し、かかる入力が行われた場合には、この入力によって指定されたベット値はベット値記憶部904に記憶される。
【0068】
次に、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット対象指定入力受付処理を実行する(ステップS1103)。この処理は、プレイヤにベット対象を指定する入力を促し、かかる入力が行われた場合には、この入力によって指定されたベット対象を特定する情報はベット対象記憶部903に記憶される。
【0069】
次に、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率決定処理を実行する(ステップS1104)。この処理は、先のベット値指定受付処理において指定されたベット値に応じて、ベット倍率を決定する処理である。図12に、ベット倍率決定処理の一例のフローチャートを示す。ベット倍率決定処理を開始すると、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット値記憶部904よりベット値を取得する(ステップS1201)。次に、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、取得したベット値と所定値とを比較し、ベット値が所定値に等しいか否かを判定する(ステップS1202)。ベット値が所定値に等しくないと判定した場合(ステップS1202,No)、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率を増加させることなく、言い換えれば通常ベット倍率を選択して、ベット倍率決定処理を終了する。一方、ベット値が所定値に等しいと判定した場合(ステップS1202,Yes)、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率増加処理を行う(ステップS1203)。この例では、ベット倍率増加処理として、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率テーブル1000から対応する増加ベット倍率を取得する。このベット倍率は前述の通常ベット倍率より大きい値となるように、ベット倍率テーブル1000において設定されている。ベット倍率増加処理終了後、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット倍率決定処理を終了する。
【0070】
図11に戻り、ゲーム機100の動作例の説明を続ける。
ベット倍率決定処理(ステップS1104)終了後、プレイヤ端末101、より詳しくはCPU801又はベット受付部902は、ベット情報を生成し、これを主制御部301に送信する(ステップS1105)。このベット情報には、ベット額指定入力受付処理(ステップS1102)で指定されたベット値、ベット対象指定入力受付処理(ステップS1103)で指定されたベット対象を特定する情報、及びベット倍率決定処理(ステップS1104)で決定されたベット倍率を含んでいる。なお、プレイヤ端末101が複数ある場合には、送信先であるプレイヤ端末101を特定する情報をさらにベット情報に含めても良い。
【0071】
ベット情報を受信した主制御部301は、勝敗決定処理を実行する(ステップS1106)。勝敗決定処理は、ゲームの進行をおこなうとともに、ゲームに参加した各プレイヤの勝敗を決定する処理である。
【0072】
勝敗決定処理において勝敗が決定すると、主制御部301は、プレイヤ端末101に勝敗を通知する。この通知には、当該プレイヤ端末のプレイヤについての勝敗と、ゲームに勝っている場合には配当の情報が含まれる。配当は、ベット情報に含まれているベット値とベット倍率により主制御部301が算出した値である。
【0073】
勝敗通知を受信したプレイヤ端末101は、結果表示処理を実行する(ステップS1108)。この表示結果処理は、プレイヤ端末101の液晶ディスプレイ201に「Win」「Lose」等の勝敗を示すメッセージなどを表示する処理である。
【0074】
次に、プレイヤ端末101は、支払処理を実行する(ステップS1109)。支払処理は、先の勝敗通知(ステップS1107)において配当が通知されている場合に、当該配当をクレジット値に加算する処理である。これにより、プレイヤはベット値に応じたベット倍率に基づいた配当を受け取ることになる。
【0075】
[5.画面例]
次に、本ゲーム機100の画面例について説明する。
図13は、プレイヤ端末101の液晶ディスプレイ201に表示されるベット画面の例を示す。ベット画面は、先に述べたベット対象指定入力受付処理(ステップS1102)、ベット値指定入力受付処理(ステップS1103)のための、プレイヤにベットを促すベット入力インターフェイスとして機能する。図13に示すベット画面は、各プレイヤはこの画面を入力インターフェイスとして用い、液晶ディスプレイ201前面に設けられたタッチパネル202にタッチすることでゲームを進めるための諸操作を行う。
【0076】
画面上部には、出目表領域1101が生成されている。この出目表領域1101は、過去のゲームに於いて、どの出目が出たか(ゲーム結果が「Tie」、「Banker」、「Player」のいずれとなったか)を表示する領域である。プレイヤはこの領域1101に示された内容を見て次のゲームの出目を予想することが可能となる。
【0077】
出目表領域1101の下方左側には、3種のベット対象である「Tie」、「Banker」、「Player」に対応するエリアボタン1102が表示されている。プレイヤはこの3つのエリアボタン1102の内いずれか一つにタッチすることにより、ベット対象の選択入力を行うことができる。
【0078】
エリアボタン1102の右隣にはベット倍率が表示される。ゲーム結果がプレイヤの選択したベット対象と一致した場合、すなわち、プレイヤがゲームに勝利した場合は、プレイヤがベットした遊技価値(コイン枚数)にこのベット倍率を乗じた値に相当する獲得クレジット値を当該プレイヤが獲得する。
【0079】
ベット倍率の右側には、チップ表示エリア1103が設けられている。チップ表示エリア1103は、プレイヤがベットした遊技価値(コイン枚数)に相当するチップの画像が表示され、臨場感を盛り上げる演出を行う。
【0080】
チップ表示エリア1103の下方には、複数のベットボタン1104が表示されている。プレイヤはこのベットボタン1104に適宜タッチすることにより、所望の値のベット値を入力することができる。なお、図示の例では、それぞれのベットボタン1104に「1」「5」「10」「25」「100」の値が設定されており、一回のタッチで設定された値に応じた遊技価値(コイン枚数)がベット値に加算される。
【0081】
ベットボタン1104の下方には、獲得クレジット値表示領域1105及び所持クレジット値表示領域1106が設けられている。
【0082】
ベットボタン1104の左方には、ベットモードをスコアベットモードに切り換えるためのスコアベットボタン1107が表示される。プレイヤがスコアベットボタン1107にタッチすると、ベット画面はスコアベットモードに対応した画面に切り替わる。
【0083】
スコアベットボタン1107の左斜め下には、当該ベットモードにおけるベット額下限値表示領域1108、ベット額上限値表示領域1109が有り、ベット額下限値、ベット額上限値を表示してプレイヤにこれらが示す範囲内でベット額を決定するよう促している。
【0084】
次に、図14,図15を参照しながらベット入力方法の例について説明する。
図14(A)は、図13に示すベット画面が表示された後、プレイヤがベット額を決定するためベットボタン1104にタッチしている状態を示す。
【0085】
図14(B)は、図14(A)の画面から遷移して表示されるベット画面例を示す。プレイヤがタッチしたベットボタン1104に対応したベット額に応じたチップ画像1201がチップ表示エリア1103内に表示され、プレイヤにベット額を認識させるようになる。
【0086】
図15(A)は、図14(B)に示すベット画面が表示された後、プレイヤがベット対象を決定するためエリアボタン1102にタッチしている状態を示す。
【0087】
図15(B)は、図15(A)の画面から遷移して表示されるベット画面例を示す。この画面では、プレイヤがタッチしたエリアボタン1102にチップ画像1201がチップ表示エリア1103内から移動したように表示され、プレイヤにベット対象を認識させるようになる。
【0088】
以上で、ベット入力は完了し、この後主制御部301がゲーム結果を決定して、ゲーム結果が通知されると、ゲーム結果通知画面(図略)に切り替わり、プレイヤに配当若しくはベット額の徴収が通知される。
【0089】
次に、ベット倍率決定処理において、ベット倍率増加が行われる場合の画面例について、図16,図17を参照しながら説明する。図16は、プレイヤがベット値を100として入力を終えた状態の画面例である。ベット値が所定値である100以上であるため、プレイヤ端末101は、ベット倍率変更処理を実行することにより、ベット倍率を通常の倍率から増加した倍率の変更を行うが、この例では、ベット対象が定まるまで画面上に表示しない。そのため、液晶ディスプレイ201に表示されるベット倍率表示画像1601は、通常の倍率のままとなっている。
【0090】
図17(A)は、図16に示すベット画面が表示された後、プレイヤがベット対象を決定するためエリアボタン1102にタッチしている状態を示す。この例では、プレイヤはベット対象として「BANKER」を選択している。このとき、ベット対象「BANKEER」に対応するベット倍率表示1601は、先の「1.95」から「3.9」の増加された倍率に変更されている。これにより、プレイヤはベット倍率が増加されたことを知る。
【0091】
図17(B)は、図17(A)の画面から遷移して表示されるベット画面例を示す。この画面では、プレイヤがタッチしたエリアボタン1102にチップ画像1201がチップ表示エリア1103内から移動したように表示され、プレイヤにベット対象を認識させるようになる。その結果、プレイヤは「BANKER」に100クレジットのベットを行い、そのベット倍率は増加された倍率である「3.9」であることを認識できる。
【0092】
[6.その他]
本実施の形態は、以下のように変形しても成立する。
(1) 上記ベット倍率の変更(ベット倍率決定処理)は、予め定めたベット対象についてのみ行うようにしても良い。例えば、ゲーム開始時に抽選によりベット倍率変更可能なベット対象を一又は複数定め、プレイヤがそのベット対象を指定した場合にのみ、ベット倍率決定処理を行う構成としても良い。
(2) 上記ベット倍率の変更(ベット倍率決定処理)は所定の時間的条件が成立した場合にのみ、実行されるようにしても良い。たとえば、所定の条件としてベットが所定の時点に行われた場合のみ、ベット倍率決定処理を行うようにしても良い。所定の時点としては例えば、ベット受付開始から所定時刻経過時に、ベット値入力が行われたことなどである。
(3)ベット倍率決定処理における所定値は、各ベット対象ごとに定められていてもよい。また、所定値は、必ずしも一つでなくともよく、複数の所定値が予め定められており、このうちのいずれかとベット値とが等しい場合に高額ベット値を選択するようにしても良い。また、所定値として、所定の値の範囲を指定するようにしても良い。また、所定値は常に不変でなくともよく、適宜変更されるようにしても良い。たとえば、ゲーム開始ごとに乱数などを用いて所定値をランダムに決定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】ゲーム機の外観斜視図
【図2】プレイヤ端末の斜視図
【図3】ゲーム機の制御系を示すブロック図
【図4】昇降機構の一例を示す斜視図
【図5】昇降機構の別の例を示す斜視図
【図6】昇降機構の別の例を示す斜視図
【図7】主制御部の構成例を示す機能ブロック図
【図8】プレイヤ端末の構成例を示す機能ブロック図
【図9】プレイヤ端末のマイクロコンピュータの機能ブロック図
【図10】ベット倍率テーブルのデータ構成例を示す図
【図11】ゲーム機の動作例を示すシーケンス図
【図12】ベット倍率決定処理の一例を示すフローチャート
【図13】プレイヤ端末の液晶ディスプレイに表示されるベット画面の例を示す図
【図14】(A)は、プレイヤ端末の液晶ディスプレイに表示されるベット画面の例を示す図、(B)は(A)に続いて表示されるベット画面の例を示す図
【図15】(A)は、図14(B)に続いて表示されるベット画面の例を示す図、(B)は(A)に続いて表示されるベット画面の例を示す図
【図16】ベット倍率が増加される場合の、プレイヤ端末の液晶ディスプレイに表示されるベット画面の例を示す図
【図17】(A)は、図16表示されるベット画面に続いて表示される画面の例を示す図、(B)は(A)に続いて表示されるベット画面の例を示す図
【符号の説明】
【0094】
100 … ゲーム機
101 … プレイヤ端末
902 … ベット受付部
904 … ベット値記憶部
905 … ベット対象記憶部
906 … ベット倍率記憶部
907 … ベット倍率テーブル記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技価値を賭けて遊技を行い、遊技に勝利した場合には賭けた遊技価値に応じた配当を払い出すゲーム機において、
遊技に賭ける遊技価値の値を指定する入力を受け付ける受付手段と、
前記配当を決定するための倍率であって、通常の倍率とこの通常の倍率より高い倍率とを記憶する倍率記憶手段と、
前記受付手段が受け付けた遊技価値の値に基づいて、前記通常の倍率と高い倍率とのいずれかを選択する倍率決定手段と
を有し、
前記倍率決定手段は、受付手段が受け付けた遊技価値の値が所定値以上である場合に、前記高い倍率を選択することを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記ゲーム機は、遊技価値をかける複数の対象から少なくとも一つを遊技者に選択させるための対象指定受付手段をさらに有し、
前記倍率決定手段は、前記複数の対象のうち所定の対象が選択された場合に、前記高い倍率を選択することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記倍率決定手段は、前記受付手段が遊技価値の受付を開始してから遊技価値の値の入力までの時間が所定時間である場合に、前記高い倍率を選択することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項1】
遊技者が遊技価値を賭けて遊技を行い、遊技に勝利した場合には賭けた遊技価値に応じた配当を払い出すゲーム機において、
遊技に賭ける遊技価値の値を指定する入力を受け付ける受付手段と、
前記配当を決定するための倍率であって、通常の倍率とこの通常の倍率より高い倍率とを記憶する倍率記憶手段と、
前記受付手段が受け付けた遊技価値の値に基づいて、前記通常の倍率と高い倍率とのいずれかを選択する倍率決定手段と
を有し、
前記倍率決定手段は、受付手段が受け付けた遊技価値の値が所定値以上である場合に、前記高い倍率を選択することを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記ゲーム機は、遊技価値をかける複数の対象から少なくとも一つを遊技者に選択させるための対象指定受付手段をさらに有し、
前記倍率決定手段は、前記複数の対象のうち所定の対象が選択された場合に、前記高い倍率を選択することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記倍率決定手段は、前記受付手段が遊技価値の受付を開始してから遊技価値の値の入力までの時間が所定時間である場合に、前記高い倍率を選択することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−54175(P2007−54175A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241384(P2005−241384)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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