説明

ゲーム装置、ゲームの進行方法、並びにプログラム及び記録媒体

【課題】プレイヤから入力された指示に従ってプレイヤキャラクタが所定の移動経路を通過してフィールド間を越境移動するものとしたゲームにおいて、プレイヤの無駄な操作をなくしてゲームを迅速に進行する。
【解決手段】プレイヤキャラクタ100がドア201付近の第1エリア202に移動すると「!」が表示され、さらに第2エリア203に移動すると「!!」が表示される。第2エリア203では、ドア201の解錠条件を満たしていれば、ドア201を開放するための開放操作が表示される。満たしていなければ、ドア201を開けるヒントとなるコメントを表示する操作が表示される。ドア201が解錠条件を満たしているときに、プレイヤより開放操作がされると、プレイヤキャラクタ100がドアを開ける動作を表示し、移動先のルームのマップデータをCD−ROMからRAMにロードした後、プレイヤキャラクタ100がドア201の反対側のルームに移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームにおいて、実行されているゲームの状態を予告する情報を示す画面を表示するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールプレイングゲームにおいては、一般に、プレイヤが仮想世界のプレイヤキャラクタに成り代わって、プレイヤキャラクタを仮想空間内のマップ上で移動させながら、課題を解決してゆくことでゲームが進行して行く。マップ上に建物がある場合には、プレイヤキャラクタは、建物内外を往来することができるようになっており、建物の出入口には扉が設定されている場合がある。また、建物内が複数の部屋に仕切られている場合には、各部屋の間に扉が設定されている場合がある。
【0003】
このような扉を通ってプレイヤキャラクタが建物の内外を出入りしたり、異なる部屋に出入りしたりするものとしたゲームにおいて、例えば、扉付近の所定範囲にプレイヤキャラクタが移動することで自動的に扉が開くものがある。こうして扉が開くと、プレイヤキャラクタが扉を越えた位置に移動する。さらに、プレイヤが所定の操作をして扉付近の所定範囲においてプレイヤキャラクタに所定の動作を行わせることで扉が開くものもある。
【0004】
このようにプレイヤキャラクタが所定範囲に移動することで自動的に扉が開くものであるか、それともプレイヤの操作によって扉が開くものであるかに関わらず、例えば、プレイヤキャラクタが扉の鍵を取得することを条件とする場合など、ゲームにおいて定められた所定の課題を達成した後でなければ、開かない扉があるゲームも多い。ここで、扉を開けるために所定の操作を必要としたゲームでは、扉が開く状態となっているかどうかは、実際にプレイヤが所定の操作を行って、その操作の結果を見るしかなかった。
【0005】
これに対して、ゲームに慣れていないプレイヤでも、特定のアクションを実行しやすくしたゲームとして、プレイヤに特定のアクションを実行可能な場合において、ヒントとなるナビゲーションを画面に表示するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2002−200351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1に記載のゲームは、プレイヤキャラクタが特別アクション可能な状態にいることを示すアイコン表示、実行可能な特別アクションの選択メニューの表示、実行できない特別アクションの対処法を示すヒントメッセージの表示によって、特別アクションが実行し易くなり、ゲームに慣れていないプレイヤでも、ゲーム中に用意された種々の仕掛けやイベントを堪能できるようにすることを目的とするものである。特許文献1のゲームにおけるナビゲーションの表示は、ゲームに慣れたプレイヤにとっては、不要な表示であった。また、ゲームに不慣れなプレイヤにとっても、特定アクションを実行するための操作を試してみればよいだけの時になされる表示であった。
【0008】
これに対して、建物の内外または部屋同士を仕切る扉の存在は、ゲームの画面を見れば、プレイヤにとって簡単に分かることである。また、プレイヤが所定の操作を行うことで開くものとなっている扉でも、そのための操作は、一つのゲームの中では同じ操作で、しかも非常に単純な操作であることが一般的である。このため、ゲームに不慣れなプレイヤだからといって、扉を開くための操作をわざわざ表示する必要もない。もっとも、プレイヤにとって分かり易い操作だからといって、開くはずのない扉を開くための操作をするのが煩雑なことであることには変わりない。
【0009】
一方、ゲームの画面をリアリティのあるものとするため、プレイヤキャラクタが扉を通過する際には、まず、扉の開く様子を示す画面が表示され、その後、プレイヤキャラクタが扉を越えた画面が表示される。ここで、プレイヤが扉が開くかどうかを試すだけのために所定の操作を行うと、扉が開いてプレイヤキャラクタの移動が完了するまで、プレイヤは、ゲームのための操作を行えなくなる。元の位置に戻ろうとすれば、再び同じ表示が行われる。
【0010】
また、ゲームの仮想空間におけるマップデータが建物の内外で別々に、或いは異なる部屋で別々に用意され、プレイヤキャラクタの存在する位置に応じたマップデータのみが、ゲーム装置のメインメモリにロードされる場合もある。ここで、プレイヤが仮に扉が開くかどうかを試すだけのために所定の操作を行うと、さらに移動先のマップデータがメインメモリにロードされるのを待たなければならない。元の位置に戻ろうとすれば、再びマップデータのロードが必要となる。このように扉の向こう側へ移動する必要性が特にないにも関わらず、プレイヤが単に扉が開くかどうかを試す操作を行ってしまうと、ゲームの迅速な進行が大きく妨げられるという問題が生じてしまう。
【0011】
本発明は、プレイヤから入力された指示に従ってプレイヤキャラクタが扉などの所定の移動経路を通過してフィールド間を越境移動するものとしたゲームにおいて、プレイヤの無駄な操作をなくしてゲームを迅速に進行できるようにしたゲーム装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるゲーム装置は、第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームを実行し、該実行されているゲームの状態を示す画面を表示装置に表示させるゲーム装置であって、プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力手段と、プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力手段と、前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動させる通常移動手段と、ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替える移動規制切替手段と、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定する越境可否判定手段と、前記越境可否判定手段の判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を前記表示装置に表示させる越境可否表示手段と、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる越境移動手段と、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる越境禁止手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記ゲーム装置では、第1フィールドから第2フィールドへの越境移動は、ゲームの進行において成立した条件に応じて、越境不能状態になっているときと越境可能状態になっているときがある。越境不能状態か越境可能状態かが表示装置に表示されたゲームの画面だけで判断できないものとすると、第1フィールドから第2フィールドに越境移動できるかどうかは、越境移動入力手段から越境移動させるための指示を入力するしかない。結果として越境不能状態にあったものとすると、越境移動入力手段から指示の入力は無駄であり、プレイヤにとっては煩雑な操作を強いられたことになる。
【0014】
これに対して、上記ゲーム装置では、プレイヤキャラクタが第1フィールドのうちの移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動すると、越境可能状態か越境不能状態のいずれに切り替えられているかが判断され、その判断結果に応じた越境可否情報が表示装置に表示されることとなる。プレイヤは、越境移動入力手段から指示を入力しなくても、越境不能状態にあることは表示装置に表示された越境可否情報から分かるので、無駄な操作をしなくても済むことになる。
【0015】
また、プレイヤは、ゲームの進行上プレイヤキャラクタを第2フィールドに移動させる必要性がないものの第1フィールドから第2フィールドに越境移動できるかどうかだけを知りたい場合も、表示装置に表示された越境可否情報から知ることができる。このため、プレイヤは、プレイヤキャラクタを第1フィールドから第2フィールドに越境移動できるかどうかだけを知りたい場合にも、無駄な操作をしなくて済むことになる。このようにプレイヤは、プレイヤキャラクタを第1フィールドから第2フィールドに越境移動させることに関して無駄な操作を行う必要がなくなるので、ゲームを円滑に進行させることができるようになる。
【0016】
上記ゲーム装置において、前記越境可否表示手段は、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されたときに、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能な旨を示す越境可能情報を前記越境可否情報として前記表示装置に表示させる越境可能表示手段を含むものとしてもよい。
【0017】
前記越境可否表示手段は、また、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されたときに、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが不能な旨を示す越境不能情報を前記越境可否情報として前記表示装置に表示させる越境不能表示手段を含むものとしてもよい。
【0018】
ここで、前記越境可否表示手段は、前記越境可能表示手段と前記越境不能表示手段の両方を含むものとしてもよく、この場合、前記越境可能情報と前記越境不能情報とが互いに異なる内容の情報となり、これによって、プレイヤは、越境可能状態か越境不能状態かを判断することができる。また、前記越境可否表示手段は、前記越境可能表示手段と前記越境不能表示手段の一方のみを含むものとしてもよい。この場合、例えば、前記越境可否表示手段が前記越境可能表示手段のみを含むものとすれば、プレイヤは、前記越境可能情報が表示されることで越境可能状態にあることが、前記越境可否情報として何も表示されないことで越境不能状態にあることが判断できる。
【0019】
前記越境可否表示手段が前記越境不能表示手段を備える場合において、前記越境不能表示手段は、前記移動規制切替手段により前記越境不能状態から前記越境可能状態に切り替えるために成立させるべき条件を示す情報を前記越境不能情報として前記表示装置に表示させる越境可能化表示手段を含むものとすることができる。
【0020】
上記ゲーム装置は、また、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記移動規制切替手段により前記越境不能状態から前記越境可能状態に切り替えるために成立させるべき条件を示す情報を前記表示装置に表示させる越境可能化表示手段をさらに備えるものとすることもできる。
【0021】
このように越境可能化表示手段により第1フィールドから第2フィールドへの越境移動を可能とするために成立させなければならない条件を示す情報が表示されることで、プレイヤは、ゲームの進行上の問題として先に何を行わなければならないかを明確に判断することができるようになり、ゲームを円滑に進行することができるようになる。
【0022】
上記ゲーム装置において、前記通常移動手段は、前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記プレイヤキャラクタの方向を切り替える方向切替手段を含むものとしてもよい。この場合において、上記ゲーム装置は、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記特定範囲内に移動したときに、前記プレイヤキャラクタの方向が前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間の移動経路の位置に対して所定の方向を向いているかどうかを判定する方向判定手段をさらに備えることができ、前記越境可否表示手段は、さらに前記方向判定手段により前記プレイヤキャラクタが所定の方向を向いていると判定されたときに、前記越境可否情報を前記表示装置に表示させ、前記越境移動手段は、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記方向判定手段により前記所定の方向を向いていると判定されていることを条件として、前記前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させ、前記越境禁止手段は、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときであっても、前記方向判定手段により前記所定の方向を向いていないと判定されているときには、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせるものとすることができる。
【0023】
このようにプレイヤキャラクタが所定の方向を向いていなければ、いずれにしても第1フィールドから第2フィールドに越境移動できないのであれば、越境不能状態にあるのか越境可能状態にあるのかということは、プレイヤにとって不要な情報である。ここでは、このような不要な情報を極力表示装置に表示させないものとするので、ゲームの進行に不要な情報にプレイヤが煩わされないで済むようになる。
【0024】
上記ゲーム装置は、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として前記特定範囲よりも広い範囲に定められた第2特定範囲内に移動したときに、前記第1フィールドから前記第2フィールドに通じる移動経路の存在を示す移動経路情報を前記表示装置に表示させる移動経路表示手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0025】
プレイヤキャラクタが第1フィールドと第2フィールドとの間の移動経路の付近(例えば、特定範囲)に移動したときには、その間の移動経路がゲームの状態として表示装置に表示されてくることとなるため、プレイヤは、第1フィールドとは異なる第2フィールドが仮想空間に形成されていることを容易に認識できるものとなる。もっとも、移動経路が十分に表示されていないうちは、プレイヤが第2フィールドの存在を見逃したままゲームを進めてしまい、ゲームを十分に堪能できなくなってしまう可能性もある。これに対して、上記ゲーム装置では、特定範囲よりも広い第2特定範囲にプレイヤキャラクタが移動したときに移動経路情報を表示装置に表示させるものとしたことで、この時点ではゲームの状態として移動経路が十分に表示されていなかったとしても、プレイヤは、第2フィールドを見逃さずにゲームを進めることができるようになり、ゲームを十分に堪能することができるようになる。
【0026】
ここで、前記越境可否判定手段は、前記プレイヤキャラクタが前記第2特定範囲内に移動したときにも、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定するものとし、前記移動経路表示手段は、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されていることを条件として、前記移動経路情報を前記表示装置に表示させるものとしてもよい。
【0027】
第1フィールドから第2フィールドへの移動経路まである程度近い第2特定範囲にプレイヤキャラクタが移動したときであっても、そもそも第2フィールドへの越境移動が不能な越境不能状態となっているならば、プレイヤキャラクタをその移動経路まで近づける必要性もない。このようにプレイヤキャラクタを第1フィールドから第2フィールドへの移動経路に近づける必要性に応じて移動経路情報を表示することで、越境移動できないことになっている第2フィールドへの移動経路を探すべくプレイヤがゲームを進めるという無駄がなくなり、さらに迅速にゲームを進めることができるようになる。
【0028】
上記ゲーム装置は、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第2フィールド内を移動したかどうかを示すフィールド移動情報を記憶する移動情報記憶手段と、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記移動情報記憶手段に記憶されているフィールド移動情報が前記第2フィールド内を移動した旨を示すかどうかを判定する移動情報判定手段と、前記移動情報判定手段の判定結果に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第2フィールド内を移動したかどうかを示す移動履歴情報を前記表示装置に表示させる移動履歴表示手段とをさらに備えるものとすることができる。
【0029】
上記ゲーム装置で実行されるゲームのように複数のフィールドが仮想空間に形成されているゲームでは、一のフィールドにおいて設定されたイベントを完了した後は、当該フィールドにプレイヤキャラクタを移動させることは無駄なことになってしまう場合も多い。ここでは、第2フィールド内をプレイヤキャラクタが移動したかどうかを示すフィールド移動情報を記憶しておき、既に第2フィールド内を移動しているときであって且つ第1フィールドから第2フィールドにプレイヤキャラクタが越境移動できるときには、その旨を示す移動履歴情報も表示装置に表示される。このため、特にプレイヤがプレイヤキャラクタを第2フィールドで移動させたことを忘れてしまっているような場合でも、プレイヤキャラクタを第2フィールドまで無駄に移動させることを防ぐことができ、ゲームを迅速且つ円滑に進めることができるようになる。
【0030】
なお、前記移動情報記憶手段に記憶される移動情報は、前記プレイヤキャラクタが単に前記第2フィールドに入ったことがあるだけで、該第2フィールド内を移動した旨を示す情報に変えられるものとしてもよい。また、前記移動情報は、前記プレイヤキャラクタが前記第2フィールドにおいて前記特定範囲(または前記第2特定範囲)の範囲外に移動したことを条件として、該第2フィールド内を移動した旨を示す情報に変えられるものとしてもよい。また、前記移動情報は、前記第2フィールドに設定された所定のイベントを完了したことを条件として、該第2フィールドを移動した旨を示す情報に変えられるものとしてもよい。また、前記移動情報は、前記第2フィールドに置かれた全てのアイテムをプレイヤキャラクタが取得したことを条件として、該第2フィールドを移動した旨を示す情報に変えられるものとしてもよい。さらに、前記移動情報は、前記第2フィールドのうちの前記特定範囲(及び前記第2特定範囲)の外側に設定された所定範囲にプレイヤキャラクタが入ったことを条件として、該第2フィールドを移動した旨を示す情報に変えられるものとしてもよい。
【0031】
上記ゲーム装置において、前記仮想空間は、前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間の移動経路に設置され、前記越境可能状態にあるときに前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動可能とする開放状態と該プレイヤキャラクタを越境移動不能とする閉鎖状態との2つの状態を有するとともに、前記越境不能状態にあるときに前記閉鎖状態のみの状態を有する移動規制オブジェクトがさらに形成されているものであってもよい。この場合において、上記ゲーム装置は、前記越境移動手段により前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる前に前記越境移動規制オブジェクトを閉鎖状態から開放状態に切り替え、該プレイヤキャラクタが該第2フィールドに移動した後に該越境移動規制オブジェクトを再び閉鎖状態に切り替えるオブジェクト状態切替手段をさらに備えるものとすることができる。
【0032】
例えば、プレイヤは、プレイヤキャラクタを第1フィールドから第2フィールドに越境移動させることができるかどうかを知りたいだけであったにも関わらず、これを調べるために越境移動入力手段を操作してしまうと、越境可能状態に切り替えられていた場合には、移動規制オブジェクトが閉鎖状態から開放状態に切り替えられてから第2フィールドにプレイヤキャラクタが移動するまでの期間、ゲームの進行を待たなければならない。第2フィールドから第1フィールドに戻るときにも同様に移動規制オブジェクトを閉鎖状態から開放状態に切り替えるものとすると、さらにプレイヤがゲームの進行を待たなければならない期間が長くなる。
【0033】
これに対して、上記ゲーム装置では、プレイヤキャラクタが第1フィールドのうちの移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動すると、越境可能状態か越境不能状態のいずれに切り替えられているかに応じて越境可否情報が表示装置に表示される。越境可否情報が表示されることによって、プレイヤは、越境移動入力手段から無駄な指示を入力しなくても済むようになり、越境移動入力手段からの指示の入力がなければ、このような移動規制オブジェクトの状態切替のためにプレイヤがゲームの進行を待たなければならない期間がなくなる。これにより、プレイヤは、ゲームを迅速且つ円滑に進めることができるようになる。
【0034】
上記ゲーム装置は、前記移動経路を含む前記第1フィールドのグラフィックデータから構成される第1マップデータと、前記移動経路を含む前記第2フィールドのグラフィックデータから構成される第2マップデータとを、それぞれ記憶したマップデータ固定記憶手段と、前記マップデータ固定記憶手段よりもデータの読み出し速度が速く、前記プレイヤキャラクタのグラフィックデータから構成されるキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ領域と、前記第1、第2マップデータのうちで前記プレイヤキャラクタが移動した位置を含むフィールドに対応したマップデータを記憶するマップデータ領域とを有する高速記憶手段と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間を越境移動するときに、移動先のフィールドに対応したマップデータを前記マップデータ固定記憶手段から読み出し、該読み出したマップデータをこれまで記憶されていた移動元のフィールドに対応したマップデータに代えて前記マップデータ領域に記憶させるマップデータロード手段とをさらに備えるものとすることができる。
【0035】
例えば、プレイヤは、プレイヤキャラクタを第1フィールドから第2フィールドに越境移動させることができるかどうかを知りたいだけであったにも関わらず、これを調べるために越境移動入力手段を操作してしまうと、越境可能状態に切り替えられていた場合には、第2フィールドのマップデータが高速記憶手段にロードされるまでの期間、ゲームの進行を待たなければならない。第2フィールドから第1フィールドに戻るときにも同様に第1フィールドのマップデータを高速記憶手段にロードするものとすると、さらにプレイヤがゲームの進行を待たなければならない期間が長くなる。
【0036】
これに対して、上記ゲーム装置では、プレイヤキャラクタが第1フィールドのうちの移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動すると、越境可能状態か越境不能状態のいずれに切り替えられているかに応じて越境可否情報が表示装置に表示される。越境可否情報が表示されることによって、プレイヤは、越境移動入力手段から無駄な指示を入力しなくても済むようになり、越境移動入力手段からの指示の入力がなければ、このようなマップデータを高速記憶手段にロードするためにプレイヤがゲームの進行を待たなければならない期間がなくなる。これにより、プレイヤは、ゲームを迅速且つ円滑に進めることができるようになる。
【0037】
上記ゲーム装置において、前記仮想空間は、前記第1フィールド及び前記第2フィールを含む3以上のフィールドが形成され、各フィールドは、それぞれ所定の移動経路を介して他の1以上のフィールドに通じているものであってもよい。この場合において、前記越境移動入力手段は、移動経路に移動規制オブジェクトが形成された前記第1フィールド以外の任意の1のフィールドから該任意の1のフィールドと該移動規制オブジェクトが形成された移動経路を介して通じている他の1のフィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を、前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力するための操作と同じプレイヤの操作に従って入力するものとすることができる。
【0038】
このように第1フィールドと第2フィールドの間以外にも異なるフィールド間の越境移動でも同じ操作(越境移動入力手段からの指示の入力)が必要になるのであれば、特に第1フィールドから第2フィールドの越境移動に限ってプレイヤキャラクタを越境移動させるための操作を表示する必要もない。フィールド間にある移動経路が表示装置に表示されることによって、越境移動入力手段から指示を入力する必要があるかどうかがプレイヤにとって分かり切ったものとなるからである。そのような分かり切った操作が表示されるのは、プレイヤにとって却って煩わしいものとなる。
【0039】
もっとも、プレイヤが越境不能状態から越境可能状態へ切り替えるための条件が十分に分かっていなければ、第1フィールドから第2フィールドへ越境移動できるかどうかまでは判断がつかない。従って、越境不能状態か越境可能状態かに応じた越境可否情報を表示装置に表示することで、プレイヤは、越境移動入力手段から指示を入力する必要があるかどうか分かり切ったものであったとしても、そのような操作が有効なものとなるかどうかを容易に判断できるようになる。また、第1フィールドと第2フィールドの間の越境移動以外にも越境移動入力手段からの入力を行う機会が多くなれば、第1フィールドから第2フィールドへの越境移動が可能であるかどうかを示すゲーム画面が表示されていたとしても、そのことをプレイヤが忘れてしまう場合も多い。このため、越境可否情報を表示することによる効果が、より顕著に発揮されることとなる。
【0040】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるゲームの進行方法は、第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームを、前記プレイヤキャラクタの前記仮想空間における位置を記憶するキャラクタ位置記憶領域を含む記憶装置と、プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力装置と、プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力装置と、進行しているゲームの状態を示すゲーム画像を生成し、該生成したゲーム画像を表示させる表示装置とを備えるコンピュータ装置において実行するゲームの進行方法であって、前記ゲームの進行方法は、前記通常移動入力装置から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動して、該移動後の位置を前記キャラクタ位置記憶領域に記憶させ、ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替え、前記越境不能状態と前記越境可能状態のいずれに切り替えられているかを示す情報を前記記憶装置に含まれる越境可否記憶領域に記憶させ、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記越境可否記憶領域を参照して、前記越境可能状態と前記越境不能状態のいずれに切り替えられているかを判定し、前記越境可能状態と前記越境不能状態のいずれに切り替えられているかの判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を、前記ゲーム画像とともに前記表示装置に表示させ、前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力装置から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動して、該移動後の位置を前記キャラクタ位置記憶領域に記憶させ、前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力装置から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動せずに、前記キャラクタ位置領域に記憶される位置を前記第1フィールド内の位置にとどめておくことを特徴とする。
【0041】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行し、該進行しているゲームの状態を示す画面を表示させる表示装置に接続されたコンピュータ装置において実行されるプログラムであって、プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力手段、プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力手段、前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動させる通常移動手段、ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替える移動規制切替手段、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定する越境可否判定手段、前記越境可否判定手段の判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を前記表示装置に表示させる越境可否表示手段、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる越境移動手段、及び、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる越境禁止手段として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とする。
【0042】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行し、該進行しているゲームの状態を示す画面を表示させる表示装置に接続されたコンピュータ装置において実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力手段、プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力手段、前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動させる通常移動手段、ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替える移動規制切替手段、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定する越境可否判定手段、前記越境可否判定手段の判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を前記表示装置に表示させる越境可否表示手段、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる越境移動手段、及び、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる越境禁止手段として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0044】
図1は、この実施の形態にかかる3次元ビデオゲームを実行するためのビデオゲーム装置1の構成を示すブロック図である。図示するように、ビデオゲーム装置1は、装置本体101を中心として構築される。この装置本体101は、その内部バス119に接続された制御部103、RAM(Random Access Memory)105、ハードディスク・ドライブ(HDD)107、サウンド処理部109、グラフィック処理部111、DVD/CD−ROMドライブ113、通信インターフェイス115、及びインターフェイス部117を含む。
【0045】
この装置本体101のサウンド処理部109は、スピーカーであるサウンド出力装置125に、グラフィック処理部111は、表示画面122を有する表示装置121に接続されている。DVD/CD−ROMドライブ113には、記録媒体(本実施の形態では、DVD−ROMまたはCD−ROM)131を装着し得る。通信インターフェイス115は、ネットワーク151に接続される。インターフェイス部117には、入力部(コントローラ)161とメモリカード162とが接続されている。
【0046】
制御部103は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)などを含み、HDD107や記録媒体131上に格納されたプログラムを実行し、装置本体101の制御を行う。制御部103は、内部タイマを備えている。また、制御部103は、入力受付禁止機能を有し、入力受付禁止中においては、入力部161からの入力の受付を行わない状態で処理を行う。
【0047】
RAM105は、制御部103のワークエリアである。HDD107は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。サウンド処理部109は、制御部103により実行されているプログラムがサウンド出力を行うよう指示している場合に、その指示を解釈して、サウンド出力装置125にサウンド信号を出力する。
【0048】
グラフィック処理部111は、制御部103から出力される描画命令に従って、フレームメモリ(フレームバッファ)112(図では、グラフィック処理部111の外側に描かれているが、グラフィック処理部111を構成するチップに含まれるRAM内に設けられる)に画像を展開し、表示装置121の表示画面122上に画像を表示するビデオ信号を出力する。グラフィック処理部111から出力されるビデオ信号に含まれる画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒であり、グラフィック処理部111は、ここでは、フレーム単位(すなわち、30分の1秒単位)で1枚の画像を描画する。
【0049】
DVD/CD−ROMドライブ113は、記録媒体131に対しプログラム及びデータの読み出しを行う。通信インターフェイス115は、ネットワーク151に接続され、他のコンピュータとの通信を行う。入力部161は、方向キー及び複数の操作ボタンを備え、方向キーの操作により後述するプレイヤキャラクタを移動させ、操作ボタンの操作により後述するプレイヤキャラクタにドアを開かせるなど所定の動作を行わせるものである。方向キーは、カーソルの移動やメッセージなどのためにも用いられ、操作ボタンは、所定の指示を入力するためにも用いられる。
【0050】
インターフェイス部117は、入力部161からの入力データをRAM105に出力し、制御部103がそれを解釈して演算処理を実施する。インターフェイス部117は、また、制御部103からの指示に基づいて、RAM105に記憶されているゲームの進行状況を示すデータをメモリーカード162に保存させ、メモリーカード162に保存されている中断時のゲームのデータを読み出して、RAM105に転送する。
【0051】
ビデオゲーム装置1でゲームを行うためのプログラム及びデータは、最初例えば記録媒体131に記憶されている。このプログラム及びデータは、実行時にDVD/CD−ROMドライブ113により読み出されて、RAM105にロードされる。制御部103は、RAM105にロードされたプログラム及びデータを処理し、描画命令をグラフィック処理部111に出力し、サウンド出力の指示をサウンド処理部109に出力する。制御部103が処理を行っている間の中間的なデータは、RAM105に記憶される。
【0052】
なお、ビデオゲーム装置1における記憶階層を構成するRAM105、HDD107、記録媒体131、メモリカード162のうちで、データの読み出し速度が最も速いのがRAM105であり、次に早いのがHDD107である。制御部103は、進行中のゲームに必要なデータを、読み出し速度が最も速いRAM105から読み出して処理を行うものとなっている。データの読み出し速度が最も速いRAM105は、HDD107や記録媒体131に比べて記憶容量が小さいので、後述するようにゲームの進行状況に応じて必要なデータのみが、記録媒体131などからRAM105に分割してロードされる。
【0053】
この実施の形態にかかるビデオゲームでは、仮想空間にプレイヤキャラクタの移動空間として複数のルーム(ここでは、ルームA〜Dの4個とする)から形成されるマップがあり、プレイヤは、入力部161を操作してプレイヤキャラクタをマップ上で移動させながらゲームを進行させていく。
【0054】
各ルームのマップデータは、記録媒体131に記憶されており、制御部103からの指示に応じてRAM105に読み出され、表示画面122に表示されるものとなる。次に、RAM105の構成と記録媒体131からのデータの読み出しについて説明する。図2は、RAM105の記憶領域の構成と記録媒体131に記憶されているマップデータ300との関係を模式的に示す図である。
【0055】
図示するように記録媒体131には、ルーム毎にマップデータ300が記憶されている。各ルームには、後述するように他のルームへ通じるドアがあるが、各ルームのマップデータ300には、当該ルームに設定されているドアの表示用データも含まれる。
【0056】
RAM105には、マップデータ領域、プレイヤキャラクタ位置領域、ルームデータ領域を含む複数の記憶領域が設けられている。マップデータ領域は、記録媒体131から読み出したプレイヤキャラクタを配置するルームのマップデータを格納する領域である。プレイヤキャラクタ位置領域は、マップ上のプレイヤキャラクタの位置を格納する領域である。ルームデータ領域は、後述するルームテーブルを格納している領域である。
【0057】
ゲームが開始されると、プレイヤキャラクタは、初期値として設定されているルームに配置されるものとなる。中断時の状態からゲームが再開されると、プレイヤキャラクタは、中断時にいたルームに配置されるものとなる。制御部103は、プレイヤキャラクタを配置すべきルームを示すマップデータ300を記録媒体131から読み出し、マップデータ領域に格納する。こうして格納されたルームのマップデータ300に従って、表示画面122に画像を表示する。
【0058】
プレイヤキャラクタは、マップ上の所定の場所に到達したときにプレイヤが入力部161から所定の操作を行うことで、アイテムを取得することができる。この場合には、アイテムは宝箱などに入れられている場合があり、プレイヤキャラクタは、プレイヤが入力部161から所定の操作を行うことで、宝箱を開き、アイテムを取得することができる。また、プレイヤキャラクタは、敵キャラクタとのバトルに勝利することでアイテムを取得したり、店舗からアイテムを購入することができる。
【0059】
なお、この実施例において、プレイヤキャラクタの取得するアイテムとは、プレイヤキャラクタが装備する武器や防具、ドアを開ける鍵などのように継続的に使用できるもの、道具のように1回の使用で消費してしまうもののゲームの進行に有用なものを含み、さらには仮想空間において外形的な形状を有する訳ではないがゲームの進行に有用な情報(例えば、鍵のある場所など)もアイテムに含まれる場合があるものとする。
【0060】
図3は、この実施の形態にかかるビデオゲームで用いられるマップの例を示す図である。図示するように、マップ200上には、4個のルーム(ルームA〜D)が設けられている。マップ200上での位置は、例えば(X,Y)座標で示され、マップ上の位置が一意に定まることにより、いずれのルームかを一意に特定できるものとなる。
【0061】
図3に示すように、プレイヤキャラクタ100は、マップ200上において現時点のルームから、ドア201を通って他のルームへと移動することができるようになっている。ドア201には、施錠、解錠、開放の3つの状態がある。施錠状態と解錠状態では、ドア201は閉鎖状態となっている。ドア201は、通常時において閉鎖状態にあり、入力部161からプレイヤの指示に応じて開放状態とすることができる。ドア201を開放状態とするには、先ず当該ドア201を解錠状態とする必要がある。ドア201を解錠状態とするためには、プレイヤキャラクタ100がゲームの進行において当該ドア201を解錠する条件をクリアする必要がある場合がある。
【0062】
それぞれのルーム(ルームA、B、C、D)は、1以上のドア201(201−ab、201−bc、201−bd)によって他のルームと通じており、ドア付近の所定範囲には、予告エリアが設定されている。各ドア201の両側の部屋にそれぞれ予告エリアが設定されているので、ドア201の2倍の数の予告エリアがある。予告エリアは、各ドア201の位置を基準として定められ、第1エリア202と第2エリア203とからなる。プレイヤキャラクタ100が予告エリアに存在する場合には、その旨を示す予告情報が表示画面122に表示される。
【0063】
なお、図3には、ドア201に対してルーム毎に設定された第1エリア202、第2エリア203を分かり易く示すために表示しているが、予告エリアであるかどうかを示す情報(境界など)は、表示画面122に表示する必要はない。
【0064】
例えば、ルームAは、ドア201−abによってルームBと通じており、ルームAには予告エリアとして第1エリア202−ab、第2エリア203−abが設定されている。なお、ドア201の第1エリア202は、他のドア201の第1エリア202と重複して設定されている範囲があることがあるが、第2エリア203は、他のいずれのドア201の第2エリア203とも重複して設定されることはない。
【0065】
各ルームの予告エリア外にプレイヤキャラクタ100が配置されている場合には、予告情報は表示されない。プレイヤキャラクタ100が第1エリア202に存在する場合には、プレイヤキャラクタ100の頭上に予告情報として「!」が表示される。また、プレイヤキャラクタ100が第2エリア203にある場合には、プレイヤキャラクタ100の頭上に予告情報として「!!」が表示される。
【0066】
プレイヤキャラクタが第2エリア203−abに存在するときおいて、プレイヤが入力部161の○ボタンの操作を行うことによって、ドア201−abを開放状態とし、現時点のルームAから当該ドア201−abによって通じる他のルームBへとプレイヤキャラクタ100を移動させることができる。ここで、ドア201を開放するためには、プレイヤキャラクタ100が当該ドア201の解錠条件をクリアし、当該ドア201が解錠状態となる(或いは、既になっている)必要がある。解錠条件は、後述するルームテーブルに記憶されている。第2エリア203において、プレイヤキャラクタ100の頭上には、予告情報としてドア201が解錠状態であるかどうかを示す情報も表示される。
【0067】
図4に予告情報を表示するために必要なルームテーブルの一例を示す。ルームテーブル400は、前述したルームデータ領域に記憶されている。より具体的には、ルームデータテーブル400は、ゲームの開始時には、記録媒体131からRAM105にロードされ、ゲームの中断時において、RAM105からメモリーカード162にロードされ、ゲームの再開時においては、メモリーカード162からRAM105にロードされる。
【0068】
図示するように、ルームテーブル400には、ルーム、予告、移動先の大きく3つに分類されるデータが対応付けて登録されている。ルームのデータには、IDと、領域情報と、探索フラグとが含まれる。IDは、各ルームを一意に特定する情報を示す。領域情報は、ルームのマップ200上における領域を座標の範囲で示す。探索フラグは、今までにプレイヤキャラクタが該ルームで予告エリア外に移動したことがあるかどうかを示す。探索フラグは、初期状態では「0」であり、プレイヤキャラクタ100が新たなルームに移動し、さらに予告エリアから出たときに設定されて「1」となり、一旦設定されると「0」となることはない。移動先のルームに対して探索フラグが設定されているかどうかによって、後述する予告情報の表示文字色が変化する。
【0069】
予告のデータには、ドア位置情報と、予告エリアと、非表示フラグと、解錠フラグと、解錠条件と、コメントとが含まれる。ドア位置情報は、マップ200上におけるルーム間の移動経路となるドア201の位置を座標で示す。予告エリア(第1、第2)は、マップ200上においてそれぞれ予告情報として「!」、「!!」が表示される領域を座標で示す。非表示フラグは、表示画面122に予告情報の表示が可能な状態かどうかを示すものである。
【0070】
非表示フラグは、プレイヤキャラクタ100が第2エリア203からドア201を通って新たなルームに移動したときに、移動後のルームにおいて該通過したドア201に対応したものが設定され、設定されたドア201の予告エリア(第1、第2を含む)を出たときに、消去される。プレイヤキャラクタが新たなルームに移動したときに、他のルームおよび/または他のドア201のデータの非表示フラグが消去されて「0」になる。また、ゲーム開始時において、全ての非表示フラグの値は「0」となっている。
【0071】
例えば、プレイヤキャラクタ100がルームAの第2エリア203−abからドア201−abを通ってルームBに移動した場合には、移動先のルームBのドア201−abに対応する非表示フラグが設定されるとともに、これ以外の非表示フラグは、全て消去される。その後、プレイヤキャラクタ100がルームBの第1エリア202−baから移動したときに、ルームBのドア201−abに対応する非表示フラグも消去される。
【0072】
解錠フラグは、ドア201が解錠状態となると設定される。解錠条件の定められていないドア201に対する解錠フラグは、初期状態から設定された状態となっている。解錠条件は、ルームからドア201を施錠状態から解錠状態にするために必要となる条件である。解錠条件は、鍵などのアイテムをプレイヤキャラクタ100が所持することや、ドア201を解錠するためにプレイヤキャラクタ100が行うべき動作、ドア201を開けるために必要となるプレイヤキャラクタ100のHP(経験値)などが登録されている。
【0073】
なお、経験値は、プレイヤキャラクタがゲームの進行上設定されたイベント(敵キャラクタとのバトルを含む)をクリアする度に加算されていく値であり、RAMの所定の領域に記憶されている。また、プレイヤが現在所持しているアイテムに関する情報も、RAMの所定の領域に記憶されている。これらが解錠条件として設定されているドアでは、プレイヤがドア201を開くための動作をしたときに未だ解錠フラグが設定されていなければ、RAMに記憶されている情報との比較により解錠条件を満たしていることを条件として解錠フラグが設定される。また、所定の動作が解錠条件となっている場合は、プレイヤキャラクタがその動作をした時点で解錠フラグを設定すればよい。
【0074】
コメントは、プレイヤキャラクタ100がドア201の解錠条件を満たしていない場合に、プレイヤに解錠条件のヒントを与えるものである。コメントは、「*鍵が必要」のように直接的ヒントで簡単なものであってもよいし、「どこかにボタンがあるはず」のように、プレイヤにボタンを探すように促す間接的ヒントであってもよい。また、「*の鍵が必要だ。○○に行って取得しよう」のように、どこでどうするかなどの詳しく指示するものであってもよい。
【0075】
コメントは、プレイヤキャラクタ100がドア201の第2エリア203に存在する場合に、当該ドア201の解錠条件が満たされていなければ(解錠フラグが設定されていれば解錠条件は満たされているものと判断される)、プレイヤが入力部161から所定の操作(○ボタン)を行うことによって、表示画面122に表示される。
【0076】
プレイヤキャラクタ100が第2エリア203に存在する場合には、対応するドア201の解錠条件が満たされているかどうかに関わらず、入力部161の操作方法が示される。つまり、解錠条件が満たされていれば、ドア201を開放して隣接する他のルームに移動することが可能となるので、ドア201を開放するための操作方法(以下、ドア操作方法という)である「○ボタンで開く」が表示される。この場合、移動先のルームに探索フラグが設定されていると、その文字色が通常の黒から赤に変化する。一方、解錠条件が満たされていなければ、ドア201を解錠するためには解錠条件のクリアが先に必要となるので、その解錠条件に対するコメントを表示するための操作方法(以下、コメント操作方法という)である「○ボタンでコメント」が表示される。
【0077】
また、移動先のデータには、ルームIDと、位置情報とが含まれる。ルームIDは、現時点のルームからドア201を通って移動する移動先のルームを示す情報である。位置情報は、ルーム移動後にプレイヤキャラクタ100が配置されるマップ200上の座標情報であり、移動後のルーム内の第2エリア203である。
【0078】
以下、この実施の形態におけるビデオゲームにおいて、ビデオゲームを進行するために実行される処理について説明する。なお、1フレーム期間毎にゲームの進行状況に対応した画像を生成し、表示画面122上に表示するための処理が制御部103及びグラフィック処理部111により行われているが、従来と変わりがないので詳細な説明は省略する。以下の説明で表示画面122に表示する処理として説明しているのは、この1フレーム毎に生成される画像に含ませるものとする処理である。それ以外にも、この実施の形態に特有の処理以外の処理については、説明を省略している場合がある。また、制御部103の処理途中の情報(表示すべき内容を示す情報を含む)は、RAM105のワークエリアに一時格納される。
【0079】
ビデオゲーム装置1の装置本体101の電源を投入すると、ビデオゲームを最初から開始するか、途中から再開するかを選択するための初期画面が表示画面122に表示される。プレイヤは、初期画面に従って入力部161を操作して、最初から開始か、途中から再開かのいずれかを選択する。最初から開始が選択された場合には、記録媒体131から初期データが、途中から再開が選択された場合には、メモリーカード162から中断時の退避データが、RAM105にロードされて、ゲームの処理が開始される。なお、初期データ及び退避データは、ルームテーブル400及びプレイヤキャラクタの位置を含んでいる。初期データまたは退避データに含まれるプレイヤキャラクタの位置に従って、対応するルームのマップデータ300が記録媒体131からRAM105にロードされる。
【0080】
図5は、この実施の形態にかかるビデオゲームにおけるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理においては、制御部103は、入力部161からプレイヤの指示が入力されたかどうかを判定する(ステップS101)。入力部161からプレイヤの指示が入力されるまでは、制御部103は、ステップS101の処理を繰り返し、プレイヤから何らかの指示が入力されるのを待機する。
【0081】
入力部161からプレイヤの指示が入力された場合には、制御部103は、表示画面122上にコメントが表示されているかどうかを判定する(ステップS102)。コメントが表示されている場合は、第2エリア203に存在するプレイヤキャラクタ100がドア201の解錠条件を満たしていない場合であり、制御部103は、新たな指示の入力によって、該コメントの表示を削除し(ステップS103)、ステップS104の処理に進む。コメントが表示されていない場合には、そのままステップS104の処理に進む。
【0082】
ステップS104では、制御部103は、入力された指示がプレイヤキャラクタ100に対する移動指示であるかどうかを判定する。入力された指示がプレイヤキャラクタ100に対する移動指示であれば、制御部103は、プレイヤキャラクタ100をマップ200上で移動させる(ステップS105)。ここで、入力部161から入力された指示の移動方向と、プレイヤキャラクタ100の体の向きが違う場合には、制御部103は、まずプレイヤキャラクタ100の体の向きを変更し、プレイヤキャラクタ100の体の向きと、入力された指示の移動方向とを一致させる。そして、プレイヤキャラクタ100が入力された指示の移動方向を向いてから、制御部103は、該方向にプレイヤキャラクタ100を移動させる。
【0083】
次に、制御部103は、プレイヤキャラクタ100がルームテーブル400に登録されている予告エリア内に移動したかどうかを判定する(ステップS106)。プレイヤキャラクタ100が予告エリア(第1、第2を含む)内に移動した場合には、制御部103は、該予告エリアに対応するドア201の非表示フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS107)。非表示フラグが設定されていれば、プレイヤキャラクタ100は、予告エリア内に存在するが、ドア201を通って現時点のルームに移動してから当該ドア201の予告エリア外に出ていないので、予告情報を表示することなく、ステップS101の処理に戻る。
【0084】
一方、非表示フラグが設定されていなければ、制御部103は、プレイヤキャラクタ100から近い位置に解錠条件をクリアすることで開放可能なドア201がある旨を報知する予告表示処理を行う(ステップS108)。なお、予告表示処理の詳細については、後述する。そして、予告表示処理の終了後、ステップS101の処理に戻る。
【0085】
ステップS106でプレイヤキャラクタ100が予告エリアに移動していないと判定された場合には、制御部103は、当該ルームに対する探索フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS109)。探索フラグが設定されていなければ、当該ルームにおいてプレイヤキャラクタ100が予告エリアの外に出たこととなるので、当該ルームに対する探索フラグを設定して(ステップS110)、ステップS111の処理に進む。探索フラグが既に設定されていれば、そのままステップS111の処理に進む。
【0086】
ステップS111では、制御部103は、当該ルーム、ドア201に対する非表示フラグが設定されているかどうかを判定する。非表示フラグが設定されていれば、制御部103は、非表示フラグを消去する(ステップS112)。ここで、非表示フラグが消去されることで、プレイヤキャラクタ100が、ドア201を通って現時点のルームに移動してから当該ドア201の予告エリア外に出たと判断され、表示画面122において予告情報が表示可能となる。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0087】
一方、非表示フラグが設定されていなければ、制御部103は、表示画面122において「!」、「!!」、ドア操作方法、コメント操作方法、などの予告情報の表示中であるかどうかを判定する(ステップS113)。予告情報が表示中でなければ、ステップS101の処理に戻る。予告情報の表示中であれば、制御部103は、表示画面122から当該予告情報の表示を消去し(ステップS114)、ステップS101の処理に戻る。
【0088】
入力された指示が移動指示でなければ、制御部103は、表示画面122においてドア開放或いはコメント操作方法が表示されており、入力された指示が該表示されている操作に対応する指示、すなわち○ボタンかどうかを判定する(ステップS115)。○ボタンが入力された場合には、制御部103は、表示画面122の予告情報の表示を消去し(ステップS116)、プレイヤキャラクタ100が後述するステップS208で特定されたドア201を通過する解錠条件をクリアしているかどうかを判定する(ステップS117)。ここで、少なくとも解錠フラグが設定されていれば、これで解錠条件をクリアしていると判断される。
【0089】
ドア201を通過する解錠条件をクリアしていない場合には、制御部103は、表示画面122上に当該ルーム、ドア201に対するコメントをルームテーブル400から読み出して表示し(ステップS118)、ステップS101の処理に戻る。ドア201を通過する解錠条件をクリアしている場合には、制御部103は、現時点のルームから該ドア201を通って次ルームに移動する処理を行う(ステップS119)。次ルーム移動処理の詳細については、後述する。そして、次ルーム移動処理の終了後、ステップS101の処理に戻る。
【0090】
一方、入力された指示が表示画面122において表示されている操作に対応する指示でない場合には、制御部103は、当該指示の内容に応じた各種の処理を行う(ステップS120)。プレイヤキャラクタ100の所定の動作が特定のドアの解錠条件となっている場合には、ここでの処理でプレイヤキャラクタ100がその動作を行った場合に当該ドアに対して解錠フラグを設定する処理が含まれるが、それ以外の処理は、本発明とは直接的な関わりがないため、詳細な説明を省略する。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0091】
図6は、ステップS108の予告表示処理を詳細に示すフローチャートである。予告表示処理では、制御部103は、プレイヤキャラクタ100がマップ200上の第1エリア202にあるかどうかを判定する(ステップS201)。プレイヤキャラクタ100が第1エリア202にある場合には、制御部103は、表示画面122においてプレイヤキャラクタ100の頭上に「!!」が表示されているかどうかを判定する(ステップS202)。
【0092】
「!!」が表示されていない場合には、そのままステップS204の処理に進む。「!!」が表示されていれば、制御部103は、「!!」を表示消去し、ドア操作方法或いはコメント操作方法も表示されていればこれも消去し(ステップS203)、ステップS204の処理に進む。
【0093】
ステップS204では、制御部103は、プレイヤキャラクタ100の頭上に「!」を表示して表示画面122に画像を表示する。なお、既に表示画面122に「!」が表示中の場合には、制御部103は、そのまま該表示を継続させる。そして、そのまま予告表示処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。
【0094】
ステップS201において、プレイヤキャラクタ100がマップ200上の第1エリア202にないと判定された場合には、つまり、プレイヤキャラクタ100は、マップ200上の第2エリア203にある。この場合には、制御部103は、表示画面122においてプレイヤキャラクタ100の頭上に「!」が表示されているかどうかを判定する(ステップS205)。「!」が表示されていない場合には、そのままステップS207の処理に進む。「!」が表示されていれば、制御部103は、「!」を表示消去し(ステップS206)、ステップS207の処理に進む。
【0095】
ステップS207では、制御部103は、プレイヤキャラクタ100の頭上に「!!」を表示画面122に表示する。なお、既に表示画面122に「!!」が表示中の場合には、制御部103は、そのまま該表示を継続させる。次に、制御部103は、プレイヤキャラクタ100が存在する第2エリア203に対応したドア201を特定する。そして、制御部103は、特定したドア201を通過する解錠条件を読み出し(ステップS208)、プレイヤキャラクタ100が該解錠条件をクリアしているかどうかを判定する(ステップS209)。なお、プレイヤキャラクタ100が存在する第2エリア203に対応したドア201に解錠フラグが設定されていれば、ステップS208では無条件に解錠条件がクリアしていることとなる。
【0096】
プレイヤキャラクタ100がドア201の解錠条件をクリアしている場合には、制御部103は、ルームテーブル400を参照し、ステップS208で特定したドア201の移動先ルームIDに対応したルームの探索フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS210)。移動先となるルームに探索フラグが設定されていない場合には、制御部103は、文字色として黒色をセットする(ステップS211)。そして、ステップS213の処理に進む。探索フラグが設定されている場合には、制御部103は、文字色として赤色をセットする(ステップS212)。そして、ステップS213の処理に進む。
【0097】
ステップS213では、制御部103は、ステップS211或いはS212で指定された文字色で、ドア操作方法を表示画面122に表示する。そして、そのまま予告表示処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。
【0098】
解錠条件をクリアしていなければ、コメント操作方法を表示画面122に表示する(ステップS214)。そして、そのまま予告表示処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。
【0099】
図7は、ステップS119の次ルーム移動処理を詳細に示すフローチャートである。次ルーム移動処理では、制御部103は入力受付禁止処理を行い、入力部161からのプレイヤの指示の受付を行わない(ステップS301)。次に、制御部103は、ステップS208で特定したドア201に解錠フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS302)。解錠フラグが設定されていなければ、解錠条件は既にクリアしているものも、未だドア201が解錠状態となっていない。制御部103は、解錠フラグを設定して当該ドアを解錠状態とする(ステップS303)。ここで、鍵などのアイテムがドア201の解錠条件として設定されている場合には、プレイヤキャラクタ100が鍵を鍵穴に差し込む動きなどがあってもよい。そして、ステップS304の処理に進む。解錠フラグが設定されていれば、そのままステップS304の処理に進む。
【0100】
ステップS304では、制御部103は、表示画面122にプレイヤキャラクタ100がドア201を開ける姿を表示する。この処理は、プレイヤキャラクタ100がドア201を開ける状態を順に表示していくものであるため、一定の時間を要するものとなる。その後、制御部103は、ルームテーブル400において、ステップS208で特定されたドア201の移動先ルームIDを参照し、該移動先ルームに対応するマップデータ300を記録媒体131からRAM105のマップデータ領域にロードする(ステップS305)。このマップデータ300のロードには、データの読み出し速度が遅い記録媒体131から移動先ルームに対応するマップデータ300全体を読み出し、さらにそれをRAM105に書き込むという処理が必要となるため、相当な時間を要するものとなる。
【0101】
次に、制御部103は、ルームテーブル400において、移動先のルームにおける通過したドア201の非表示フラグを設定し、他のルーム及びドア201の非表示フラグを全てクリアする(ステップS306)。次に、制御部103は、ルームテーブル400において、ステップS208で特定されたドア201の移動先位置情報が示す位置にプレイヤキャラクタ100を配置する(ステップS307)。ここで、通過したドア201は、閉じられた施錠状態となっており、プレイヤキャラクタ100はドア201に背を向けている。
【0102】
ここで、配置されたプレイヤキャラクタ100は、当該通過したドア201の前に配置されることによって、新たな第2エリア203に存在するが、非表示フラグが設定されていることによって予告情報は表示されない。その後、プレイヤキャラクタ100が移動し、予告エリア外に出ることによって、非表示フラグの値は「0」となり、表示画面122において新たに予告情報が表示可能な状態となる。
【0103】
そして、ステップS301で禁止した、入力受付を再開し、入力部161からプレイヤの指示を受付可能な状態とする(ステップS308)。そして、そのまま次ルーム移動処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。
【0104】
次に、図8(a)〜(g)において、ビデオゲームにおいて表示画面に表示される予告情報の詳細を説明する。図8(a)〜(g)のいずれにおいても、プレイヤキャラクタ100はルームA内に存在する。また、ルームAからルームBに移動するドア201−abがあり、ドア201−abの第1エリア202としてL202−abからL203−abまでの範囲が、第2エリア203としてL203−abからドア201−abまでの範囲が設定されているものとする。
【0105】
図8(a)では、ルームAにおいて予告エリア外にプレイヤキャラクタ100が存在する。予告エリア外では、予告情報は表示されない。また、ドア201は、全く表示されていない。次に、プレイヤの入力部161の指示に応じて、プレイヤキャラクタ100を第1エリア202に移動させる。この場合には、図8(b)のように、プレイヤキャラクタ100の頭上に「!」204が表示される。ここでは、ドア201−abの一部のみが表示されている。
【0106】
さらに、プレイヤの入力部161の指示に応じて、プレイヤキャラクタ100を第2エリア203に移動させる。この場合には、プレイヤキャラクタ100が当該ドア201の解錠条件をクリアしているかどうかによって、表示画面122に表示される予告情報が異なるものとなる。
【0107】
解錠条件をクリアしていれば、図8(c)にように、プレイヤキャラクタ100の頭上に「!!」205と、ドア操作方法206とが表示される。ここでは、ドア201−abは、その全体が表示されている。なお、ドア操作方法206の文字は、ドア201によって通じるルームが、プレイヤキャラクタ100が未だ予告エリア外に移動したことのないルームである場合には黒色で、予告エリア外に移動したことのあるルームである場合には赤色で表示される。
【0108】
ここで、ドア操作方法206として表示された○ボタンをプレイヤが操作すると、図8(d)のように、プレイヤキャラクタ100がドア201を開け、ドアの中に入っていく姿を表示する。そして、図8(e)のように、次のルームの施錠して閉じたドア201の前に、ドア201に背を向けた姿のプレイヤキャラクタ100が表示画面122に表示される。なお、図8(d)〜(e)の間は、入力部161からのプレイヤの操作は無効となる。
【0109】
一方、プレイヤキャラクタ100が解錠条件をクリアしていなければ、図8(f)のように、プレイヤキャラクタ100の頭上に「!!」205と、コメント操作方法207とが表示される。ここで、ドア201−abは、完全に表示されている。ここで、コメント操作方法207に従って○ボタンをプレイヤが操作すると、「!!」205と、コメント操作方法207とは消去され、図8(g)のように、ルームテーブル400に記憶されている当該ドア201に対応するコメントを表示するウィンドウ208が表示画面122の下部に表示される。コメントは、プレイヤが入力部161の操作によって新たな指示を入力することで消去される。
【0110】
以上説明したように、この実施の形態にかかるビデオゲームでは、仮想空間にプレイヤキャラクタの移動空間として複数のルームから形成されるマップ200があり、プレイヤキャラクタ100は、現時点のルームから他のルームへとドア201を通って移動することができる。ドアには、施錠、解錠、開放の3つの状態がある。施錠及び解錠の状態でドア201は表示画面122に閉鎖状態で表示される。ドア201は、通常時において閉鎖状態にあり、入力部161からプレイヤの指示に応じて開放状態とすることができる。ドア201を開放状態とするには、先ずプレイヤキャラクタ100が当該ドア201の解錠条件をクリアすることで当該ドア201を解錠状態とする必要がある。
【0111】
ここで、プレイヤキャラクタ100がドア201の解錠条件をクリアしているかどうかが表示画面122に表示されないものとすると、プレイヤがプレイヤキャラクタ100がドア201を通過し他のルームに移動できるかどうかを知るためには、入力部161からドア201を開けるための指示を入力する必要がある。ここで、ドア201が開放状態とならなければ、プレイヤキャラクタ100はドア201の解錠条件をクリアしていないため、当該ドア201が開放となり得ないものとなる。このように、プレイヤがドア201を開ける指示を入力したにも関わらず、当該ドア201が開かない場合には、当該入力は無駄であり、プレイヤにとっては煩雑な操作を強いられたことになる。
【0112】
これに対して、この実施の形態にかかるビデオゲームでは、プレイヤキャラクタ100が各ドア201の位置を基準として定められた第2エリア203に移動した場合には、当該ドア201の解錠条件をクリアしているかどうかが判定され、解錠条件を満たしている場合には、表示画面122においてプレイヤキャラクタ100の頭上にドア操作方法が表示されることとなる。ここでは、プレイヤは、ドア201を開けるための指示を入力しなくても、表示画面に表示されたドア操作方法によって、プレイヤキャラクタ100が当該ドア201の解錠条件を満たし当該ドア201を開放可能な旨を判断することができるので、無駄な操作をしなくても済むことになる。
【0113】
なお、表示画面122においてドア操作方法の文字色は、プレイヤキャラクタ100が移動先となるルームで予告エリア外に移動したことがなければ黒となり、予告エリア外に移動したことがあれば赤となる。このため、プレイヤがプレイヤキャラクタ100を移動先となるルームに既に移動させたことを忘れてしまっているような場合でも、プレイヤキャラクタ100を当該ルームまで無駄に移動させることを防ぐことができ、ゲームを迅速且つ円滑に進めることができるようになる。
【0114】
また、プレイヤキャラクタ100が第2予告エリア203に移動した場合に、ドア201の解錠条件を満たしていない場合には、表示画面122においてプレイヤキャラクタ100の頭上にコメント操作方法が表示されることとなる。ここでは、プレイヤは、ドア201を開けるための指示を入力しなくても、表示画面に表示されたコメント操作方法によって、プレイヤキャラクタ100が当該ドア201の解錠条件を満たしておらず当該ドア201を開放できない旨を判断することができるので、無駄な操作をしなくても済むことになる。
【0115】
また、プレイヤは、ゲームの進行上プレイヤキャラクタ100を他のルームに移動させる必要性がないものの現時点のルームから他のルームに移動できるかどうかを知りたい場合も、実際に開くかどうかを操作して試してみなくても表示画面122に表示されたドア操作方法及びコメント操作方法から知ることができる。このため、プレイヤは、プレイヤキャラクタ100を現時点のルームから他のルームに移動できるかどうかだけを知りたい場合にも、無駄な操作をしなくて済むことになる。このようにプレイヤは、プレイヤキャラクタ100を現時点のルームから他のルームに移動させることに関して無駄な操作を行う必要がなくなるので、ゲームを円滑に進行させることができるようになる。
【0116】
また、予告エリアには、第1エリア202と、第2エリア203との2種類がある。プレイヤキャラクタ100がドア201から比較的遠い第1エリア202に移動した場合には、プレイヤキャラクタ100の頭上に予告情報である「!」が表示され、ドア201から比較的近い第2エリア203に移動した場合には、プレイヤキャラクタ100の頭上に予告情報である「!!」が表示される。つまり、予告エリアにおいて、2段階に分けて予告情報が表示されることとなる。
【0117】
ここでは、プレイヤは、表示画面122においてドア201が十分に表示されていない場合においても、予告情報である「!」及び「!!」の表示によってドア201がある旨を知ることができるようになる。プレイヤキャラクタ100が第1エリア202にいて、ドア201の表示が十分にされてなくても、プレイヤは、ドアの存在を容易に知ることができる。また、例えば、隠し扉のようなドア201であっても、プレイヤは、「!」が表示された後に「!!」が表示されたのであれば、ドア201から離れた、「!!」が表示された後に「!」が表示されたのであれば、ドア201に近づいた旨を把握することができるようになる。このように、予告エリアにおいて予告情報が表示されることによって、プレイヤは、ドア201を見逃さずにゲームを進めることができるようになり、ゲームを十分に堪能することができるようになる。
【0118】
さらに、プレイヤキャラクタ100が移動し、コメント操作方法が表示画面122に表示された場合に、当該操作を行うことによって、ドア201を解錠するためのヒントが表示される。このように、プレイヤは、ドア201が施錠されておりルーム移動ができない場合にも、ルーム移動の条件を所定の操作を行うことによって確認することができるようになるため、ゲームを迅速に進めることができるものとなる。
【0119】
この実施の形態では、プレイヤキャラクタ100が解錠状態になっているドア201の前にいるときに、プレイヤが入力部161の○ボタンを操作すると、プレイヤキャラクタ100は、当該ドア201の反対側にある別のルームに移動することとなる。別のルームに移動するときは、プレイヤキャラクタ100がドア201を開ける動作をするように処理がされ、この処理には、一定の時間が必要となる。また、マップデータ300は、ルーム毎に用意されてRAM105にロードされるものであるため、別のルームに移動するときには、新たな移動先のルームのマップデータ300を記録媒体131からRAM105にロードするための処理が必要となり、この処理には、相当程度の時間が必要とされる。
【0120】
この実施の形態のドア操作方法やコメント操作方法のように、ドア201が解錠状態となっているかどうかを識別できる情報が表示画面122に表示されないものとすると、プレイヤは、ドア201を開けることができるかどうかを知るだけのためにも入力部161の○ボタンを操作しなければならない。ここで、ドア201が解錠状態になっていると、プレイヤの意志として単にドア201を開けることができるかを知りたいだけであったか、それとも別のルームにプレイヤキャラクタ100を移動させたかったかに関わらず、プレイヤキャラクタ100は、ドア201の向こう側のルームに移動させられることとなる。
【0121】
ここで、ゲームの進行のためのプレイヤの次の指示が受け付けられるようになるのは、プレイヤキャラクタ100がドア201を開けるための動作をする期間が過ぎ、さらに移動先のルームのマップデータ300がRAM105にロードされるまでの期間が過ぎた時である。プレイヤがドア201を開けることができるかを知りたいだけであった場合でも、これだけの期間、ゲームの進行を待たなければならない。さらに、やはり元のルームに戻ろうとするなら、もう1回同じ処理が必要となり、プレイヤがゲームの進行を待たなければならない時間は、2倍になる。
【0122】
これに対して、この実施の形態のゲームでは、プレイヤキャラクタ100がドア201の近傍の第2エリア203まで移動すると、ドア操作方法またはコメント操作方法が表示されて、ドア201が解錠状態になっているかどうかを、実際にドア201を開けるための操作(○ボタンの入力)を行わなくても、予め知ることができる。ドア201を開けることができるかを知りたいだけであったなら、プレイヤの知りたい情報は、ここで全て満たされたこととなる。こうしてドア201を開けるための操作もなされなければ、プレイヤキャラクタ100がドア201を開けるための動作の表示や、ドア201の反対側のルームのマップデータ300のロードのために、長期間に亘ってプレイヤがゲームの進行を待たなければならないということがなくなる。これにより、プレイヤは、ゲームを迅速且つ円滑に進められるようになる。
【0123】
なお、この実施の形態のゲームでは、プレイヤキャラクタ100の移動する仮想空間において、異なるルーム間の移動経路となるドア201が複数設置されているが、いずれのドア201を開ける場合でも、プレイヤは、入力部161の○ボタンの操作という同じ操作を行えばよい。さらにドアの数が多い場合でも、全てが同じ操作で開けることができるものだとすると、ドア201を開けるための操作を示すドア操作方法は、プレイヤにとって分かり切った情報であり、プレイヤキャラクタ100が第2エリア203に移動する度にドア操作方法が表示されるのは、プレイヤにとって却って煩わしいことでしかない。さらにコメント操作方法も表示されるが、ドア201を開ける操作としては同じで、ドア201が施錠状態となっていて開かないときに自動的にコメントが表示されるのなら、解錠条件をプレイヤに教えるためのコメント操作方法の表示も、プレイヤにとっては煩わしいものでしかない。
【0124】
一方、仮にドア操作方法もコメント操作方法も表示されずに、プレイヤキャラクタ100の前にあるドア201が開くかどうかをプレイヤが分からないままだと、プレイヤは、これを知るためには実際にドア201を開けるための操作をしなければならない。開かないドア201を開けるための操作をすることだけで考えれば、確かにプレイヤにとって煩わしいものではあるが、ドア201が開かないときに解錠条件のコメントが表示されるとなると、この操作は、プレイヤにとって煩わしいものだけとは言い切れない。これだけを見ると、ドア操作方法もコメント操作方法も表示しない方が、プレイヤにとって煩わしさが少ないものとなるとも考えられる。
【0125】
しかし、ドア201が開くかどうかを知るために○ボタンを操作しただけであっても、プレイヤキャラクタ100がドアを開ける動作をする期間、さらに移動先のルームのマップデータ300をRAM105にロードするまでの期間、プレイヤは、ゲームの進行を待たなければならない。このように長い期間でゲームの進行が待たされることは、ゲームの円滑な進行の妨げになり、プレイヤにとっては最大級に煩わしいものとなる。この実施の形態のゲームでは、一見プレイヤにとって煩わしいことと思えるようなドア操作方法とコメント操作方法の表示敢えて行ってプレイヤに無駄な操作を行わせないようにすることで、ゲームの進行の中断という最も煩わしいことが生じるのを防ぎ、ゲームの迅速且つ円滑な進行を達成するようにするのである。
【0126】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0127】
上記の実施の形態では、プレイヤキャラクタ100が第2エリア203に移動した場合においてのみ解錠条件をクリアしているかどうかに応じて予告情報の表示を変化させていたが、これに限るものではなく、第1エリア202に移動した場合にも解錠条件をクリアしているかどうかに応じて予告情報の表示を変化させるものとしてもよい。例えば、第1エリア202にプレイヤキャラクタ100が移動した場合において、ドア201の解錠条件をクリアしていない場合には「!」とは別の表示をしたり、何も表示しないものとすることができる。この場合には、プレイヤは、ドア201から比較的遠い第1エリア202において「!」が表示されていないのであれば、プレイヤは、わざわざ開放できないドア201にプレイヤキャラクタ100を近づけさせる必要もなく、さらに迅速にゲームを進めることができるようになる。
【0128】
上記の実施の形態では、第2エリア203においてドア201の解錠条件を満たしている場合には、予告情報としてドア操作方法が表示されるものであったが、予告情報として表示される情報は、これに限るものではない。例えば、次のルームの名称などが表示されるものであってもよい。この場合には、仮に黒赤の表示文字の区別がなくともプレイヤは表示された次ルームの名称に応じて移動先のルームを容易に識別でき、ルームを移動するかどうかを判断し易くなる。
【0129】
上記の実施の形態では、解錠条件のヒントとなるコメントは、コメント操作方法が表示された後に、プレイヤが当該操作を行った場合に表示されるものであったが、これに限るものではなく、コメント操作方法のステップがないものであってもよい。この場合には、第2エリア203にプレイヤキャラクタ100が移動したことによって、コメントを表示するウィンドウ208を表示させるものとなる。つまり、ステップS214でコメント操作方法が表示されるのではなく、ウィンドウ208を表示させ、ステップS117、S118の処理は行わないものとすることができる。
【0130】
上記の実施の形態では、予告情報は、プレイヤキャラクタ100が第1エリア202に移動したかどうか、或いは第2エリアに移動したかどうかのプレイヤキャラクタ100のマップ200上における位置条件によって表示されるものであったが、これに限るものではなく、さらに他の条件と併用するものであってもよい。
【0131】
例えば、プレイヤキャラクタ100の体の向きを条件とする場合には、予告エリア内においてプレイヤキャラクタ100がドア201に対して一定の方向を向いている場合には、予告情報が表示されるが、プレイヤキャラクタ100がドア201に対して一定の方向を向いていない場合には、予告情報が表示されないものとしてもよい。予告情報のうちでドア操作方法とコメント操作方法だけが表示されないものとしてもよい。この場合には、プレイヤキャラクタ100が、ドア201に対して一定の方向を向いていなければ、ドア201を開放することができないものとすればよい。このようにプレイヤキャラクタ100がドア201に対して一定の方向を向いていなければルーム移動ができないのであれば、予告情報、特にドア201が施錠状態にあるのかをしめるドア操作方法及びコメント操作方法は、プレイヤにとって不要な情報である。ここでは、このような不要な情報を極力表示画面122に表示させないものとするので、ゲームの進行に不要な情報にプレイヤが煩わされないで済むようになる。
【0132】
また、第1エリア202と第2エリア203とで、予告情報の表示条件が異なるものであってもよい。例えば、プレイヤキャラクタ100が第1エリア202に移動した場合には、プレイヤキャラクタ100の向きに関係なく予告情報が表示され、第2エリア202に移動した場合には、プレイヤキャラクタ100の向きに応じて予告情報が表示されるものとしてもよい。
【0133】
また、プレイヤキャラクタ100とドア201の予め定められた基準位置との間の距離に応じて第1エリア202及び第2エリア203を定めるものとしてもよい。さらに、第1エリア202および/または第2エリア203を定めるプレイヤキャラクタ100とドア201との間の距離を、プレイヤの経験値などの他の要素に応じて変化させるものとしてもよい。
【0134】
上記の実施の形態では、予告エリアは、第1エリア202と第2エリア203とがあったが、第2エリア203のみであってもよい。また、第1エリア202の外側にさらに第0エリアなどを設定し、第0エリアにおいては「?」を表示させるものとしてもよい。この場合には、プレイヤが表示画面122からドア201の表示を認識できていなかったとしても、プレイヤキャラクタ100の頭上の表示が「?」から「!」となれば、ドア201に近づいていることが分かるものとなる。
【0135】
上記の実施の形態では、予告情報の「!」、「!!」は、プレイヤキャラクタ100がドア201の解錠条件を満たしていない場合にも表示されるものであったが、解錠条件を満たしている場合にのみ表示されるものとしてもよい。この場合には、プレイヤキャラクタ100が予告エリアに移動した場合に、制御部103は、ルームテーブル400に登録されている該予告エリアに対応する解錠条件を読み出し、該解錠条件をプレイヤキャラクタ100がクリアしているかどうかを判定する。そして、該解錠条件をクリアしている場合にのみ予告表示処理を行うものとすればよい。また、予告情報の「!」のみ解錠条件を満たしている場合に表示されるものとしてもよい。このように、プレイヤキャラクタ100がそもそもドア201の解錠条件をクリアしていないならば、プレイヤキャラクタ100を当該ドア201まで近づける必要性もない。このようにプレイヤキャラクタ100をドア201に近づける必要性に応じて予告情報を表示することで、ルーム移動できないことになっているルームへ通じるドア201を探すべくプレイヤがゲームを進めるという無駄がなくなり、さらに迅速にゲームを進めることができるようになる。
【0136】
上記の実施の形態では、第1エリア202及び第2エリアにおいてドアの予告を行うものであったが、予告対象となるものはドアに限るものではない。例えば、施錠状態と解錠状態がある宝箱の中に入れられたアイテムのようなものであってもよい。この場合には、プレイヤの入力部161の方向キーからの指示に応じてプレイヤキャラクタ100が移動し、アイテムの入れられた宝箱付近の予告エリアに移動することによって、プレイヤキャラクタ100の頭上に予告情報が表示されるものとなる。この場合には、予告情報として宝箱を開けることができるかどうかを表示する。このようにプレイヤは、プレイヤキャラクタ100アイテムの取得に関しても無駄な操作を行う必要がなくなるので、ゲームを円滑に進行させることができるようになる。
【0137】
上記の実施の形態では、ドア201から通じている移動先ルームは、予めルームテーブル400に登録されているものとしていたが、これに限るものではない。例えば、予告エリアにプレイヤキャラクタ100が移動したときに、移動先ルームを抽選により決定するものとしてもよい。RAM105には、抽選で決定した移動先ルームのマップデータ300をロードすればよい。この場合には、1つのドア201であっても、予告エリアに移動したタイミングによって、異なるルームに移動することができるようになるため、ゲームの遊技性を高めることができる。
【0138】
上記の実施の形態では、プレイヤキャラクタ100が予告エリア外に移動したことのあるルームが移動先ルームである場合に、ドア操作方法の文字が黒から赤になるものとしていたが、これに限るものではなく、移動したことのあるルームである旨を「既に移動したことのあるルームです」などと表示画面122に表示するものであってもよい。また、各ルームに対して探索フラグを設定するための条件を、予告エリアを出たということにするのではなく、単に当該ルームにプレイヤキャラクタ100が入ったこと、当該ルームに設定されたイベント(例えば、敵キャラクタとのバトル)をクリアしたこと、或いは当該ルームに置かれているアイテムの全てをプレイヤキャラクタ100が取得したこと、当該ルームの予告エリアの外側に設置されている所定エリアにプレイヤキャラクタ100が入ったこと、などとしてもよい。
【0139】
上記の実施の形態では、ゲームにおける仮想空間は、平面的な空間に形成された複数のルームによって複数のエリアに分けられるものであったが、これ以外の方法で仮想空間を複数のエリアに分けてもよい。例えば、建物の外側と内側を異なるエリアとして分けたり、建物の異なるフロアを異なるエリアとして分けたりすることができる。さらに、建物の内外、異なるフロア、同一フロアでのルームの区分、を任意に組み合わせてエリアを分けることもできる。建物の内外でエリア分けする場合は、ドアを移動経路としてエリアを区切ることができるが、異なるフロアでエリア分けされる場合は、階段(例えば、通行禁止になることがあるなど)やエレベータ(例えば、停電で動かないことがあるなど)を移動経路としてエリアを区切ることができる。屋外の空間も、例えば、門などにプレイヤキャラクタ100の移動経路が限定されるものとすれば、同様にエリア分けして本発明を適用することができる。
【0140】
上記の実施の形態では、プレイヤキャラクタ100が第2エリア203に入ると、対応するドア201の解錠条件が成立していればドア操作方法が表示され、解錠条件が成立していなければコメント操作方法が表示されるものとなっていた。もっとも、ドア201の解錠条件が成立しているときにドア操作方法を表示するだけとしても、ドア201の解錠条件が成立していないときにコメント操作方法を表示するだけとしてもよい。前者の場合、プレイヤは、ドア操作方法が表示されればドア201を開けることができ、何も表示されていなければドア201を開けることができないと判断することができる。一方、後者の場合、プレイヤは、コメント操作方法が表示されればドア201を開けることができず、何も表示されていなければドア201を開けることができると判断することができる。
【0141】
上記の実施の形態では、ビデオゲームを実行するためのプラットフォームとして専用機である装置本体101を適用していた。これに対して、装置本体101と同様の構成要素を備え、画像を描画する機能を有するものであれば、汎用のパーソナルコンピュータなどを適用してもよい。表示装置121及びサウンド出力装置125を装置本体101と同一の筐体内に納めた構成を有する携帯ゲーム機を適用するものとしてもよい。スタンドアローン型のビデオゲーム装置等で進行するゲームだけではなく、ネットワーク151上のサーバに複数のビデオゲーム装置等が接続して、複数のプレイヤでゲームを進めるネットワークゲームにも本発明を適用することができる。
【0142】
記録媒体131としては、DVD−ROMやCD−ROMの代わりに半導体メモリカードを適用することができる。このメモリカードを挿入するためのカードスロットをDVD/CD−ROMドライブ113の代わりに設けることができる。汎用のパーソナルコンピュータの場合には、本発明に係るプログラム及びデータを記録媒体131に格納して提供するのではなく、HDD107に予め格納して提供してもよい。本発明にかかるプログラム及びデータを格納して提供するための記録媒体は、ハードウェアの物理的形態及び流通形態に応じて任意のものを適用することができる。
【0143】
上記の実施の形態では、ビデオゲーム装置1のプログラム及びデータは、記録媒体131に格納されて配布されるものとしていた。これに対して、これらのプログラム及びデータをネットワーク151上に存在するサーバ装置が有する固定ディスク装置に格納しておき、装置本体101にネットワーク151を介して配信するものとしてもよい。ビデオゲーム装置1において、通信インターフェイス115がサーバ装置から受信したプログラム及びデータは、HDD107に保存し、実行時にRAM105にロードすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施の形態に適用されるビデオゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】RAMの記憶領域の構成と記録媒体に記憶されているマップデータとの関係を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるビデオゲームで用いられるマップの例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるビデオゲームで用いられるルームテーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるビデオゲームにおけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】図5の予告表示処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図5の次ルーム移動処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】予告情報が表示されている際の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0145】
100 プレイヤキャラクタ
101 装置本体
103 制御部
105 RAM
122 表示画面
131 記録媒体
161 入力部
200 マップ
202 第1エリア
203 第2エリア
300 マップデータ
400 ルームテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームを実行し、該実行されているゲームの状態を示す画面を表示装置に表示させるゲーム装置であって、
プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力手段と、
プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力手段と、
前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動させる通常移動手段と、
ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替える移動規制切替手段と、
前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定する越境可否判定手段と、
前記越境可否判定手段の判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を前記表示装置に表示させる越境可否表示手段と、
前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる越境移動手段と、
前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる越境禁止手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記越境可否表示手段は、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されたときに、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能な旨を示す越境可能情報を前記越境可否情報として前記表示装置に表示させる越境可能表示手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記越境可否表示手段は、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されたときに、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが不能な旨を示す越境不能情報を前記越境可否情報として前記表示装置に表示させる越境不能表示手段を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記越境不能表示手段は、前記移動規制切替手段により前記越境不能状態から前記越境可能状態に切り替えるために成立させるべき条件を示す情報を前記越境不能情報として前記表示装置に表示させる越境可能化表示手段を含む
ことを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記移動規制切替手段により前記越境不能状態から前記越境可能状態に切り替えるために成立させるべき条件を示す情報を前記表示装置に表示させる越境可能化表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記通常移動手段は、前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記プレイヤキャラクタの方向を切り替える方向切替手段を含み、
前記ゲーム装置は、前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記特定範囲内に移動したときに、前記プレイヤキャラクタの方向が前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間の移動経路の位置に対して所定の方向を向いているかどうかを判定する方向判定手段をさらに備え、
前記越境可否表示手段は、さらに前記方向判定手段により前記プレイヤキャラクタが所定の方向を向いていると判定されたときに、前記越境可否情報を前記表示装置に表示させ、
前記越境移動手段は、前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記方向判定手段により前記所定の方向を向いていると判定されていることを条件として、前記前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる、
前記越境禁止手段は、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときであっても、前記方向判定手段により前記所定の方向を向いていないと判定されているときには、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として前記特定範囲よりも広い範囲に定められた第2特定範囲内に移動したときに、前記第1フィールドから前記第2フィールドに通じる移動経路の存在を示す移動経路情報を前記表示装置に表示させる移動経路表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第2フィールド内を移動したかどうかを示すフィールド移動情報を記憶する移動情報記憶手段と、
前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記移動情報記憶手段に記憶されているフィールド移動情報が前記第2フィールド内を移動した旨を示すかどうかを判定する移動情報判定手段と、
前記移動情報判定手段の判定結果に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第2フィールド内を移動したかどうかを示す移動履歴情報を前記表示装置に表示させる移動履歴表示手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記仮想空間は、前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間の移動経路に設置され、前記越境可能状態にあるときに前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動可能とする開放状態と該プレイヤキャラクタを越境移動不能とする閉鎖状態との2つの状態を有するとともに、前記越境不能状態にあるときに前記閉鎖状態のみの状態を有する移動規制オブジェクトがさらに形成されており、
前記ゲーム装置は、前記越境移動手段により前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる前に前記越境移動規制オブジェクトを閉鎖状態から開放状態に切り替え、該プレイヤキャラクタが該第2フィールドに移動した後に該越境移動規制オブジェクトを再び閉鎖状態に切り替えるオブジェクト状態切替手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記移動経路を含む前記第1フィールドのグラフィックデータから構成される第1マップデータと、前記移動経路を含む前記第2フィールドのグラフィックデータから構成される第2マップデータとを、それぞれ記憶したマップデータ固定記憶手段と、
前記マップデータ固定記憶手段よりもデータの読み出し速度が速く、前記プレイヤキャラクタのグラフィックデータから構成されるキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ領域と、前記第1、第2マップデータのうちで前記プレイヤキャラクタが移動した位置を含むフィールドに対応したマップデータを記憶するマップデータ領域とを有する高速記憶手段と、
前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドと前記第2フィールドとの間を越境移動するときに、移動先のフィールドに対応したマップデータを前記マップデータ固定記憶手段から読み出し、該読み出したマップデータをこれまで記憶されていた移動元のフィールドに対応したマップデータに代えて前記マップデータ領域に記憶させるマップデータロード手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記仮想空間は、前記第1フィールド及び前記第2フィールを含む3以上のフィールドが形成され、各フィールドは、それぞれ所定の移動経路を介して他の1以上のフィールドに通じており、
前記越境移動入力手段は、移動経路に移動規制オブジェクトが形成された前記第1フィールド以外の任意の1のフィールドから該任意の1のフィールドと該移動規制オブジェクトが形成された移動経路を介して通じている他の1のフィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を、前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力するための操作と同じプレイヤの操作に従って入力する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行するゲームを、
前記プレイヤキャラクタの前記仮想空間における位置を記憶するキャラクタ位置記憶領域を含む記憶装置と、
プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力装置と、
プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力装置と、
進行しているゲームの状態を示すゲーム画像を生成し、該生成したゲーム画像を表示させる表示装置とを備えるコンピュータ装置において実行するゲームの進行方法であって、
前記ゲームの進行方法は、
前記通常移動入力装置から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動して、該移動後の位置を前記キャラクタ位置記憶領域に記憶させ、
ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替え、前記越境不能状態と前記越境可能状態のいずれに切り替えられているかを示す情報を前記記憶装置に含まれる越境可否記憶領域に記憶させ、
前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記越境可否記憶領域を参照して、前記越境可能状態と前記越境不能状態のいずれに切り替えられているかを判定し、
前記越境可能状態と前記越境不能状態のいずれに切り替えられているかの判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を、前記ゲーム画像とともに前記表示装置に表示させ
前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力装置から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動して、該移動後の位置を前記キャラクタ位置記憶領域に記憶させ、
前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力装置から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動せずに、前記キャラクタ位置領域に記憶される位置を前記第1フィールド内の位置にとどめておく
ことを特徴とするゲームの進行方法。
【請求項13】
第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行し、該進行しているゲームの状態を示す画面を表示させる表示装置に接続されたコンピュータ装置において実行されるプログラムであって、
プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力手段、
プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力手段、
前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動させる通常移動手段、
ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替える移動規制切替手段、
前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定する越境可否判定手段、
前記越境可否判定手段の判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を前記表示装置に表示させる越境可否表示手段、
前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる越境移動手段、及び、
前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる越境禁止手段
として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
第1フィールドと、該第1フィールドから所定の移動経路を介して通じている第2フィールドとが形成された仮想空間においてプレイヤキャラクタを移動させることで進行し、該進行しているゲームの状態を示す画面を表示させる表示装置に接続されたコンピュータ装置において実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、
プレイヤの操作に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドを含む仮想空間において前記プレイヤキャラクタを移動させるための指示を入力する通常移動入力手段、
プレイヤの操作に従って、前記移動経路を通って前記第1フィールドから前記第2フィールドに前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示を入力する越境移動入力手段、
前記通常移動入力手段から入力された指示に従って、前記第1フィールド及び前記第2フィールドのうちの前記プレイヤキャラクタが存在するフィールドにおいて該プレイヤキャラクタを移動させる通常移動手段、
ゲームの進行において成立した条件に応じて、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが不能な越境不能状態と、前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドから前記第2フィールドに越境移動することが可能な越境可能状態とを切り替える移動規制切替手段、
前記通常移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記第1フィールドのうちの前記第2フィールドとの間の移動経路の位置を基準として定められた特定範囲内に移動したときに、前記移動規制切替手段により前記越境可能状態に切り替えられているかどうかを判定する越境可否判定手段、
前記越境可否判定手段の判定結果に応じて、前記第1フィールドから前記第2フィールドへ前記プレイヤキャラクタを越境移動させることが可能かどうかを示す越境可否情報を前記表示装置に表示させる越境可否表示手段、
前記越境可否判定手段により前記越境可能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第1フィールドから前記第2フィールドに移動させる越境移動手段、及び、
前記越境可否判定手段により前記越境不能状態に切り替えられていると判定されているときにおいて、前記越境移動入力手段から前記プレイヤキャラクタを越境移動させるための指示が入力されたときに、前記プレイヤキャラクタを前記第2フィールドに移動させずに前記第1フィールドに止まらせる越境禁止手段
として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−195826(P2007−195826A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19830(P2006−19830)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【Fターム(参考)】