説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】重心が移動された方向を判定するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供する。
【解決手段】ゲーム装置301において、提示部302は、プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する。支持部303は、プレイヤの体重を支える。荷重センサ部304は、支持部303の下面にプレイヤを中心にして配置される複数の荷重センサから構成される。判定部305は、移動すべきタイミングで、移動すべき方向寄りの荷重センサ(以下「順荷重センサ」という)に検知される総荷重が、移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(以下「逆荷重センサ」という)に検知される総荷重より大きい場合、もしくは、順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が増加している場合、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重心移動によるプレイヤが意図した方向を判定するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが体を動かしてプレイするゲームが遊技場等で広く普及している。例えば、特許文献1には、ステップを踏むタイミング等をガイドし、プレイヤが音楽に合わせて踏み台を踏むことで、ダンス感覚を体感できるダンスゲーム装置が開示されている。このゲーム装置は、モニタの前に専用の踏み台が設置されており、踏み台への踏み動作による荷重を検出し、所定の踏み台に、所定のタイミングで、ステップされたか否かを判断する。
【0003】
近年では、上記のようなダンスゲームを家庭でも楽しめるように、プレイヤの重心変動を検出する家庭用ゲーム装置において実現されることが望まれている。重心変動を検出するゲーム装置は、複数の荷重センサを備え、最も大きな荷重(最大荷重)を検出した荷重センサの方向を指示された方向とする方法が用いられている。このような場合、プレイヤが高速に重心を移動させると、プレイヤが重心移動した方向の荷重の値が最大荷重になるとは限らず、プレイヤが意図した方向の判定が難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、重心移動によるプレイヤが意図した方向を判定するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、提示部、支持部、判定部、を備え、以下のように構成する。
【0007】
提示部は、プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する。
【0008】
例えば、ディスプレイ画面に重心を移動すべき方向を、音楽等に合わせてプレイヤに提示する。
【0009】
支持部は、プレイヤの体重を支える。
【0010】
支持部は、例えば、プレイヤがある程度の間隔を開けて両足を乗せることができるボードであり、プレイヤはボードの上に乗った状態で上記ディスプレイを見ながら、重心を移動させる。
【0011】
複数の荷重センサは、支持部の下面にプレイヤを中心にして配置される。
【0012】
例えば、支持部を長方形のボードとし、その下面に4つの荷重センサが配置されるとする。長方形のボードの四隅に荷重センサは配置されており、プレイヤはボードの中央に乗る。
【0013】
判定部は、移動すべきタイミングで荷重センサを、移動すべき方向寄りの荷重センサ(以下「順荷重センサ」という)と、移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(以下「逆荷重センサ」という)に分けて、(a)順荷重センサに検知される総荷重が、逆荷重センサに検知される総荷重より大きい場合、もしくは、(b)順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が増加している場合、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。
【0014】
例えば、ディスプレイに移動すべき方向として“左”が表示されたとすると、上記四隅に配置された荷重センサの左方向寄りの2つの荷重センサ(順荷重センサ)が検出した荷重の和(総荷重)と、右方向寄りの2つの荷重センサ(逆荷重センサ)が検出した総荷重を求める。左方向寄りの2つの荷重センサの総荷重が右方向寄りの2つの荷重センサの総荷重よりも大きい場合、プレイヤによる重心の移動が移動すべき方向に移動したと判定する。また、左方向寄りの2つの荷重センサの総荷重から、右方向寄りの2つの荷重センサの総荷重を減算し、算出した値が増加した場合も、プレイヤの重心の移動が移動すべき方向に移動したと判定する。
【0015】
本発明によれば、荷重センサが検出した荷重の大小関係だけでなく、総荷重の差の増加・減少傾向を考慮して重心が移動した方向を判定するので、プレイヤが意図した方向寄りの荷重センサの荷重が逆方向寄りの荷重センサの荷重よりも小さいとしても、プレイヤの意図した方向を判定することができる。
【0016】
また、判定部は移動すべきタイミングを含む所定の期間における総荷重並びにその増減に基づいてプレイヤによる重心の移動が成功したか否かを判定し、所定の期間の長さは、移動すべきタイミングの間隔に比例するようにしてもよい。
【0017】
すなわち、現在示されている移動すべきタイミングと1つ前に示された移動すべきタイミングとの間隔を検出し、検出した間隔に所定の係数を乗じて所定の期間を求める。この所定の期間には移動すべきタイミングを含み、所定の期間中の総荷重を求める。求められた総荷重に基づいてプレイヤによる重心の移動が成功したか否かを判定する。
【0018】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、移動すべきタイミング間隔に応じて、プレイヤが意図した方向を判定することができる。
【0019】
また、移動すべき方向は、右もしくは左であり、荷重センサは、プレイヤを中心にして、右前、右後ろ、左前、ならびに、左後ろに配置されるようにしてもよい。
【0020】
すなわち、プレイヤは重心を左右に移動させるように指示を受け、荷重センサは、プレイヤから見て、右前、右後ろ、左前、ならびに、左後ろに配置される。
【0021】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、左右のうち、プレイヤが意図した方向に配置された荷重センサの荷重が他方の荷重センサの荷重よりも小さくても、総荷重の変化も判定基準とするので、プレイヤが意図した方向を判定することができる。
【0022】
また、移動すべき方向は、前、後ろ、右もしくは左であり、荷重センサは、プレイヤを中心にして、右前、右後ろ、左前、ならびに、左後ろに配置されるようにしてもよい。
【0023】
すなわち、プレイヤは重心を、前方、後方、左右に移動させるように指示を受け、荷重センサは、プレイヤから見て、右前、右後ろ、左前、ならびに、左後ろに配置される。
【0024】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、前後左右のうち、プレイヤが意図した方向寄りに配置された荷重センサの荷重が逆方向寄りの荷重センサの荷重よりも小さくても、総荷重の変化も判定基準とするので、プレイヤが意図した方向を判定することができる。
【0025】
また、提示部は、移動すべきタイミングに連動して、所定の楽曲を再生し、移動すべきタイミングを表わす図形を画面に表示するようにしてもよい。
【0026】
例えば、所定の楽曲を再生し、ディスプレイに移動すべき方向を示す矢印等の図形を表示させ、図形が所定の位置に達した時を移動すべきタイミングとする。
【0027】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、楽曲に合わせて移動すべきタイミングを表示することで、ダンスゲーム等へ適用することもできる。
【0028】
本発明のその他の観点に係るゲーム制御方法は、提示部、プレイヤの体重を支える支持部、支持部の下面にプレイヤを中心にして配置される複数の荷重センサ、判定部を有するゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、提示工程、判定工程を備え、以下のように構成する。
【0029】
提示工程において、提示部が、プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する。
【0030】
判定工程において、判定部が、移動すべきタイミングで荷重センサを、移動すべき方向寄りの荷重センサ(以下「順荷重センサ」という)と、移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(以下「逆荷重センサ」という)に分けて、(a)順荷重センサに検知される総荷重が、逆荷重センサに検知される総荷重より大きい場合、もしくは、(b)順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が増加している場合、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。
【0031】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記ゲーム装置として機能させ、コンピュータに上記ゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0032】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、重心移動によるプレイヤが意図した方向を判定するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】ボード型コントローラを示す図である。
【図3】ゲーム装置の概要構成を示す説明図である。
【図4】ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図5】実施形態1のゲーム装置の各部が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】移動すべき方向が左方向に示された場合における、荷重センサの組み合わせを示す図である。
【図7】移動すべき方向が前方に示された場合における、荷重センサの組み合わせを示す図である。
【図8】移動すべき方向が右方向に示された場合における、荷重センサの組み合わせを示す図である。
【図9】移動すべき方向が後方に示された場合における、荷重センサの組み合わせを示す図である。
【図10a】左方向に重心を移動した場合の総荷重と移動すべきタイミングとの関係を示す図である。
【図10b】左方向に重心を移動した場合の総荷重と移動すべきタイミングとの関係を示す図である。
【図11】実施形態2のゲーム装置の各部が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】移動すべきタイミングと比例時間の関係を示す図である。
【図13a】移動すべきタイミングにおけるゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図13b】移動すべきタイミングにおけるゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図14a】順荷重センサ及び逆荷重センサの総荷重の変化を示す図である。
【図14b】順荷重センサ及び逆荷重センサの総荷重の変化を示す図である。
【図14c】順荷重センサ及び逆荷重センサの総荷重の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0036】
(実施形態1)
図1はプログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0037】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM 102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラユニット105と、ボード型コントローラ106と、外部メモリ107と、画像処理部108と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ109と、NIC(Network Interface Card)110と、音声処理部111と、モニタ112と、を備える。
【0038】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0039】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0040】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0041】
インターフェース104を介して接続されたコントローラユニット105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。例えば、コントローラ105aを振る操作(手を振る動作)を行うと、コントローラユニット105はその操作情報等を無線通信により受け付ける。
【0042】
インターフェース104を介して接続された、ボード型コントローラ106は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。図2に、床面に設置されたボード型コントローラ106を真上から眺めたときの概略図を示す。ボード型コントローラ106は、略長方形平面状に成形されており、その下面の四隅に4つの荷重センサ201〜204を備える。ボード型コントローラ106の表面には足を置くための領域205、206が設けられており、プレイヤはこの領域内に足を乗せる。プレイヤがボード型コントローラ106の上面に乗ると、荷重センサが荷重を検出する。
なお、本実施形態では、ボード型コントローラ106の形状は略長方形状としたが、これに限らず、プレイヤが両足を乗せることができる大きさであれば、長方形以外の多角形や楕円形等でもよい。
【0043】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ107には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラユニット105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ107に記録することができる。
【0044】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニタ112へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0045】
DVD−ROMドライブ109に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ109は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0046】
また、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0047】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0048】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0049】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0050】
音声処理部111は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0051】
DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、音声処理部111は、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0052】
モニタ112は、画像処理部108に接続され、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、画像情報を表示する。モニタ112は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(organic Electro-Luminescence display)等により構成され、一般的な置き型ディスプレイの形式又は装着型のHMDの形式で用いられる。
【0053】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ107、DVD−ROMドライブ109に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0054】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0055】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラユニット105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0056】
上記情報処理装置100において実現される本実施形態に係るゲーム装置の機能構成について、図3を参照して説明する。 ゲーム用のプログラム及びデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ109に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態に係るゲーム装置が実現される。
【0057】
本実施形態に係るゲーム装置301は、提示部302と、支持部303と、荷重センサ部304と、判定部305と、から構成される。
【0058】
提示部302は、DVD−ROMから読み出したゲームプログラムに基づいて、プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する。
したがって、CPU 101は画像処理部108及びモニタ112と協働し、提示部302として機能する。
【0059】
提示部302に表示されるゲーム画像の例を図4に示す。
このゲーム画像では、複数種類の目標オブジェクトMO1〜MO4が、演奏される楽曲のリズム等に同調して、移動レーンLa(オブジェクトの種類に応じたレーン)に沿って、下方から順次現れてそれぞれ上方まで移動し、消えて行く様子を示している。
目標オブジェクトMO1〜MO4は、異なる向きの矢印シンボルを表している。右向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO1は、プレイヤに右方向に重心を移動するように指示するものである。同様に、下向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO2は後方に、上向きの矢印のシンボルである目標オブジェクトMO3は前方に、左向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO4は左方向に、重心の移動を指示するものである。
【0060】
これら目標オブジェクトMO1〜MO4は、移動レーンLaの下端(起点)から出現して、移動レーンLaを上方向に移動し、そして、移動レーンLaの上端(終点)にて消滅する。そして、プレイヤには、いずれかの目標オブジェクトMO1〜MO4が判定エリアHA(各目標オブジェクトと同じ形状のオブジェクトを固定して配置したエリア)に到達したタイミングで、その目標オブジェクトに対応した動作が要求される。つまり、判定エリアHAにてオブジェクト同士がピッタリ重なった時に、指示方向に重心を移動する動作が求められる。以下、判定エリアHAにてオブジェクト同士がピッタリ重なった時を移動すべきタイミングとする。判定エリアHAにてオブジェクト同士がピッタリ重なった時に、プレイヤが指示方向にステップを踏むと、得点が加算され、例えば、図4の“123400”のように画面に得点が表示される。一方、判定エリアHAにてオブジェクト同士がピッタリ重なった時に、プレイヤによる入力が無かった場合や、指示方向にステップが踏まれなかった場合に、得点を減算する。また、ステップを踏むタイミングと判定エリアHAにてオブジェクト同士がピッタリ重るタイミングとの誤差が小さいほど、高得点を得られるようにしてもよい。
なお、図4のゲーム画像では、目標オブジェクトMO1〜MO4が画面の下方から上方へ移動する場合を示しているが、目標オブジェクトの移動方向はこれに限られず任意である。例えば、画面の上方から下方へ移動させてもよく、他にも、横方向(画面の右側から左側、又は、画面の左側から右側)等へ移動させてもよい。また、判定エリアHAの代わりに、移動レーンLaと直交する判定ラインを表示し、判定のためのエリアとして用いてもよい。また、移動レーンLaは、ゲーム画像において非表示としてもよい。
また、目標オブジェクトの形状は、一例であり、他の形状であってもよい。
【0061】
支持部303は、プレイヤから提示部302が見える位置に配置され、プレイヤの体重を支える。
【0062】
荷重センサ部304は、複数個の荷重センサから構成され、各荷重センサはプレイヤが中心となるように、支持部303の下面に配置される。すなわち、複数の荷重センサは、支持部303の上面にプレイヤが乗ったときに、その周りを囲むように配置される。各荷重センサ201〜204が検出した荷重の値は、判定部305に送られる。
したがって、ボード型コントローラ106は、支持部303及び荷重センサ部304として機能する。
【0063】
判定部305は、荷重センサを、移動すべきタイミングで移動すべき方向寄りの荷重センサ(順荷重センサ)と、移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(逆荷重センサ)に分け、順荷重センサに検知される総荷重と、逆荷重センサに検知される総荷重とを比較する。順荷重センサの総荷重の方が逆荷重センサの総荷重よりも大きい場合、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。また、順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が、所定時間増加している場合、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。この方法によれば、順荷重センサの総荷重及び逆荷重センサの総荷重が減少傾向にあっても、順荷重センサの総荷重の減少量よりも逆荷重センサの総荷重の減少量の方が大きければ、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。この方法は、最も緩い条件を採用したものであり、例えば初心者によるプレイの評価に適している。このほか、中級者向けに、より厳しい条件を採用することもできる。例えば、順荷重センサの総荷重が、移動すべきタイミングから所定時間増加し続け、逆荷重センサの総荷重が移動すべきタイミングから所定時間減少し続けた場合、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する。本実施形態では、以下、より厳しい条件を採用した判定方法について説明する。なお、所定時間はプレイヤがコントローラ105a等により適宜設定することができるようにしてもよい。
したがって、CPU 101は、判定部305として機能する。
【0064】
図5に、ゲーム装置301にて実行される処理のフローチャートを示す。以下、本図を参照して説明する。
【0065】
プレイヤによるゲーム開始の指示により、ゲームプログラムが読み込まれ、提示部302は図4に示すようなゲーム画像を提示する(ステップS501)。また、ゲーム開始に際しプレイヤは支持部303の上に乗り、例えば図6に示すように、領域205、206のそれぞれに左足207、右足208を乗せる。
プレイヤが支持部303に乗ると、荷重センサ部304は、プレイヤの体重による荷重を検出し、検出した値を判定部305に送る(ステップS502)。
【0066】
ゲームが進行し、移動すべきタイミングに達したとすると(ステップS503;Yes)、判定部305は、その際に指示されている移動すべき方向に基づいて、荷重センサ部304の各荷重センサを分類する(ステップS504)。一方、ゲームが進行しても、移動すべきタイミングに達していない場合は(ステップS503;No)、ステップS502に戻り、荷重センサ部304は引き続き荷重を検出し、判定部305に荷重の値を送る(ステップS502)。
【0067】
例えば、提示部302に図4の画像が表示され、目標オブジェクトMO4が判定エリアHAに到達したとすると、判定部305は到達したタイミングにおける移動すべき方向を判断する。そして、判定部305は支持部303の下面の四隅に配置された荷重センサ201〜204を順荷重センサと、逆荷重センサとに分類する。この場合、移動すべき方向を示す目標オブジェクトMO4の方向は左方向なので、図6に示すように、荷重センサ201、202を順荷重センサ、荷重センサ203、204を逆荷重センサと分類する。同様に、判定部305は、前方を示す目標オブジェクトMO3が判定エリアHAに達した場合、荷重センサ201、203を順荷重センサ、荷重センサ202、204を逆荷重センサ(図7)、右方向を示す目標オブジェクトMO1が判定エリアHAに達した場合、荷重センサ203、204を順荷重センサ、荷重センサ201、202を逆荷重センサ(図8)、後方を示す目標オブジェクトMO2が判定エリアHAに達した場合、荷重センサ202、204を順荷重センサ、荷重センサ201、203を逆荷重センサ(図9)、と分類する。
【0068】
次に、判定部305は、分類した荷重センサの組の荷重の総和(総荷重)を求め、順荷重センサの総荷重と、逆荷重センサの総荷重とを比較する(ステップS505)。順荷重センサの総荷重が逆荷重センサの総荷重よりも大きい場合(ステップS505;Yes)、判定部305は、プレイヤによる重心移動が、移動すべきタイミングで移動すべき方向に移動した(移動が成功した)と判定する(ステップS506)。
【0069】
例えば、図6に示すように、移動すべき方向が左方向の場合には、順荷重センサは荷重センサ201、202であり、逆荷重センサは荷重センサ203、204である。判定部305は、それぞれの組の総荷重を求め、両者を比較する。順荷重センサ201、202の総荷重の方が逆荷重センサ203、204の総荷重よりも大きい場合、すなわち、プレイヤが左足207に右足208よりも体重をかけた場合、判定部305は、プレイヤの重心移動は左方向にされたと判定し、かつ移動すべき方向と同じなので、プレイヤによる重心移動が成功したと判定する。同様に、図7では、順荷重センサ201、203の総荷重が逆荷重センサ202、204の総荷重よりも大きい場合、図8では、順荷重センサ203、204の総荷重が逆荷重センサ201、202の総荷重よりも大きい場合、図9では、順荷重センサ202、204の総荷重が逆荷重センサ201、203の総荷重よりも大きい場合、プレイヤによる重心移動が成功したと判定する。
【0070】
ここで、プレイヤの重心移動による総荷重の変化と移動すべきタイミングとの関係を図10a及び10bを例にとり説明する。図10aは、例えば、プレイヤがゆっくりと体重移動している場合の総荷重の変動を示し、左右の総荷重の和はほぼ一定である。図10bは、例えば、プレイヤが屈伸したり手を動かしたりと激しい運動をしている場合の総荷重の変動を示し、左右の総荷重の和は一定ではない。
移動すべき方向として左方向が示され、図10aに示すように、順荷重センサ(左方向寄りの荷重センサ)の総荷重が逆荷重センサ(右方向寄りの荷重センサ)の総荷重よりも大きい場合は、ステップS505の判定方法により、判定部305はプレイヤの意図する移動方向を判定することができる。一方、図10bに示すように、プレイヤが左方向に重心を移動してはいるものの、移動すべきタイミングにおいては、順荷重センサ(左方向寄りの荷重センサ)の総荷重が逆荷重センサ(右方向寄りの荷重センサ)の総荷重以下の場合は、判定部305は、ステップS505の判定方法ではプレイヤの意図する方向は判定できない。
そこで、判定部305は、次に、移動すべきタイミングから所定時間における総荷重の増減の傾向を見ることによってプレイヤの意図する方向を判定する。
【0071】
順荷重センサの総荷重が逆荷重センサの総荷重以下の場合(ステップS505;No)、判定部305は、さらに、移動すべきタイミングから所定時間の間、各組の総荷重を計測し、総荷重の増減の傾向を調べる(ステップS507)。例えば、プレイヤが誤って右足208に体重をかけた場合、又はプレイヤが左足207に重心の移動を試みたが右足208の方にまだ体重が残っていて、右足208の方に体重がかかっている場合は、ステップS507に進むことになる。
【0072】
順荷重センサの総荷重が移動すべきタイミングから所定時間増加し続け、逆荷重センサの総荷重が移動すべきタイミングから所定時間減少し続けた場合(ステップS507;Yes)、判定部305は、プレイヤによる重心移動が成功したと判定する(ステップS506)。
【0073】
したがって、図6では、順荷重センサである荷重センサ201、202の組の総荷重が増加し続け、逆荷重センサである荷重センサ203、204の組の総荷重が減少し続けた場合、判定部305は、プレイヤによる重心移動が成功したと判定する。すなわち、図10bに示すように、所定時間における左方向寄りの荷重センサの総荷重が増加し続け、右方向寄りの荷重センサの総荷重が減少し続けた場合、プレイヤによる重心移動が成功したと判定される。同様に、図7では、順荷重センサ201、203の総荷重が増加し、逆荷重センサ202、204の総荷重が減少した場合、図8では、順荷重センサ203、204の組の総荷重が増加し、逆荷重センサ201、202の総荷重が減少した場合、図9では、順荷重センサ202、204の総荷重が増加し、逆荷重センサ201、203の総荷重が減少した場合、プレイヤによる重心移動が成功したと判定する。
【0074】
一方、順荷重センサの総荷重が移動すべきタイミングから所定時間増加し続けず、又は、逆荷重センサの総荷重が移動すべきタイミングから所定時間減少し続けない場合(ステップS507;No)、判定部305は、プレイヤによる重心移動が、移動すべきタイミングで移動すべき方向に移動しなかった(移動が失敗した)と判定する(ステップS508)。
【0075】
なお、ステップS507において、判定部305は、順荷重センサに検知された総荷重から逆荷重センサに検知された総荷重を減算した値が増加したか否かを判断し、減算した値が増加した場合に、プレイヤによる重心移動が成功したと判定することもできる。また、ステップ507において、所定時間の開始時と終了時の総荷重を求め、順荷重センサの開始時の総荷重が順荷重センサの終了時の総荷重よりも増加し、逆荷重センサの開始時の総荷重が逆荷重センサの終了時の総荷重よりも減少した場合に、プレイヤによる重心移動が成功したと判定することもできる。
【0076】
判定部305が、移動成功(ステップS506)又は移動失敗(ステップS508)と判定した後は、ステップS502に戻り、荷重センサ部304は引き続き荷重を検出し、判定部305に荷重の値を送る(ステップS502)。
【0077】
本実施形態によれば、判定部305は、荷重センサの組の総荷重の大小だけでなく、総荷重の増加・減少傾向を考慮して、重心が移動した方向を判定するので、プレイヤが意図した方向に十分に重心が移動していなかったとしても、プレイヤの意図した方向を判定することができる。
【0078】
(実施形態2)
本実施形態に係るゲーム装置は、上記情報処理装置100において実現される。
本実施形態に係るゲーム装置は、実施形態1と同様の構成要素から構成されるが、実施形態1の判定部305と異なる機能を有する。
【0079】
移動すべきタイミングが所定の間隔で連続して示された場合、プレイヤは次の移動すべきタイミングを予測して、重心の移動を行う。このような場合、移動すべきタイミングが示される前に、プレイヤは少しずつ重心の移動を行うことがあり、移動すべきタイミングに達してからの総荷重のみでは、プレイヤによる重心の移動を正確に判定できないことがある。本実施形態の判定部305は、このような場合に対応するために、移動すべきタイミング間隔に応じて総荷重の大小又は増加・減少傾向を求める機能を有する。
【0080】
本実施形態の判定部305は、移動すべきタイミングの間隔を検出し、その間隔に比例する時間(比例時間)の総荷重の大小又は総荷重の増減の傾向に基づいて、プレイヤによる重心の移動が成功したか否かを判定する。なお、この比例時間には現在示されている移動すべきタイミングを含む。
したがって、CPU 101は、判定部305として機能する。
【0081】
図11に、本実施形態のゲーム装置301にて実行される処理のフローチャートを示す。以下、本図を参照して説明する。
【0082】
プレイヤの指示によりゲームが開始されると、実施形態1のステップS504までの処理が実行される。
移動すべきタイミングに達し(ステップS503;Yes)、判定部305が、荷重センサを分類した(ステップS504)後、判定部305は、移動すべきタイミングの間隔を検出し、検出した間隔に所定の係数を乗じて、比例時間を求める(ステップS1105)。
【0083】
以下、図12を例に取り、比例時間の求め方について説明する。移動すべきタイミングを図12のバー(1)〜(7)、移動すべきタイミングの間隔を両方向矢印A〜F、比例時間を両方向矢印A’〜F’により示す。移動すべきタイミングは(4)からテンポが変化し、移動すべきタイミングの間隔はA、B、CよりもD、E、Fの方が短い。
例えば、図12の移動すべきタイミング(1)は、図13aに示すように、目標オブジェクトMO4が判定エリアHAのオブジェクトとピッタリ重なる時を示し、図12の移動すべきタイミング(2)は、図13bに示すように、目標オブジェクトMO3が判定エリアHAのオブジェクトとピッタリ重なる時を示すとする。ここで、現在達した移動すべきタイミングを図12の(2)とすると、判定部305は、移動すべきタイミングの間隔Aとして、移動すべきタイミング(1)と(2)の間(両方向矢印A)の時間を検出する。すなわち、移動すべきタイミングの間隔Aは、目標オブジェクトMO4が判定エリアHAのオブジェクトにピッタリ重なってから(図13a)、後続する目標オブジェクトMO3が判定エリアHAのオブジェクトにピッタリ重なるまで(図13b)の時間を検出する。次に、判定部305は、検出した移動すべきタイミングの間隔Aの時間に、所定の係数、例えばpを乗じ、比例時間A’=pAを求める。移動すべきタイミングの間隔B〜F、各間隔の比例時間B’〜F’も、上記の方法で求める。移動すべきタイミング(4)と(5)の間のように、移動すべきタイミングの間隔(両方向矢印D)が短くなると、比例時間(D’=pD)も短くなる。
【0084】
次に、判定部305は、比例時間における順荷重センサ及び逆荷重センサの総荷重の和を求め、両者を比較する(ステップS1106)。比例時間における順荷重センサの総荷重の和が比例時間における逆荷重センサの総荷重の和より大きい場合(ステップS1106;Yes)、判定部305はプレイヤによる重心の移動が成功したと判定する(ステップS1107)。
【0085】
例えば、図12の移動すべきタイミング(2)に達すると、判定部305は比例時間A’(=pA)の順荷重センサの総荷重の和を求め、同様に比例時間A’の逆荷重センサの総荷重の和を求める。例えば、逆荷重センサの総荷重が図14aに示す軌跡を描く場合、順荷重センサの総荷重の和の方が逆荷重センサの総荷重の和よりも大きいので、プレイヤによる重心の移動が成功したと判断される。
【0086】
一方、比例時間における順荷重センサの総荷重の和が比例時間における逆荷重センサの総荷重の和以下の場合(ステップS1106;No)、判定部305は、比例時間における順荷重センサの総荷重及び逆荷重センサの総荷重の増減の傾向を調べる(ステップS1108)。順荷重センサの総荷重が比例時間増加し続け、逆荷重センサの総荷重が比例時間減少し続けた場合(ステップS1108;Yes)、プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する(ステップS1107)。一方、順荷重センサの総荷重が比例時間増加し続けず、又は、逆荷重センサの総荷重が比例時間減少し続けない場合(ステップS1108;No)、判定部305は、プレイヤによる重心移動が失敗したと判定する(ステップS1109)。
【0087】
例えば、図12の移動すべきタイミング(2)に達し、逆荷重センサの総荷重が図14bに示す軌跡を描く場合、比例時間A’における順荷重センサの総荷重の和が逆荷重センサの総荷重の和よりも小さいので、判定部305は、比例時間A’における順荷重センサの総荷重及び逆荷重センサの総荷重の増減傾向を調べる。順荷重センサの総荷重は比例時間A’の間増加し続けていないので、プレイヤによる重心移動が失敗したと判定する(ステップS1109)。一方、図12の移動すべきタイミング(3)に達し、逆荷重センサの総荷重が図14cに示す軌跡を描く場合、比例区間B’における順荷重センサの総荷重の和は逆荷重センサの総荷重の和よりも小さいが、順荷重センサの総荷重は比例時間B’の間増加し続け、逆荷重センサの総荷重が比例時間B’の間減少し続けているので、プレイヤによる移動は成功したと判定される(ステップS1107)。
【0088】
なお、ステップS1108において、判定部305は、順荷重センサに検知された総荷重から逆荷重センサに検知された総荷重を減算した値が、比例時間内で増加したか否かを判断し、減算した値が増加した場合に、プレイヤによる重心移動が成功したと判定することもできる。また、ステップS1108において、比例時間の開始時と終了時の総荷重を求め、順荷重センサの開始時の総荷重が順荷重センサの終了時の総荷重よりも増加し、逆荷重センサの開始時の総荷重が逆荷重センサの終了時の総荷重よりも減少した場合に、プレイヤによる重心移動が成功したと判定することもできる。
【0089】
本実施形態によれば、判定部305は、移動すべきタイミング間隔に応じて、移動すべきタイミングを含む時間内の総荷重の大小又は増加・減少傾向を求め、その結果に基づいて重心が移動した方向を判定するので、プレイヤがタイミングを予測して重心を移動させた場合でも、プレイヤが意図した方向を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上説明したように、本発明によれば、重心移動によるプレイヤが意図した方向を判定するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびにこれらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0091】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラユニット
105a コントローラ
106 ボード型コントローラ
107 外部メモリ
108 画像処理部
109 DVD−ROMドライブ
110 NIC
111 音声処理部
112 モニタ
201、202、203、204 荷重センサ
205、206 領域
207 プレイヤの左足
208 プレイヤの右足
301 ゲーム装置
302 提示部
303 支持部
304 荷重センサ部
305 判定部
MO1、MO2、MO3、MO4、MO5 目標オブジェクト
La 移動レーン
HA 判定エリア
601、602、603、604 移動すべき方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する提示部と、
前記プレイヤの体重を支える支持部と、
前記支持部の下面に前記プレイヤを中心にして配置される複数の荷重センサと、
前記移動すべきタイミングで前記荷重センサを、前記移動すべき方向寄りの荷重センサ(以下「順荷重センサ」という)と、前記移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(以下「逆荷重センサ」という)に分けて、
(a)順荷重センサに検知される総荷重が、逆荷重センサに検知される総荷重より大きい場合、もしくは、
(b)順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が増加している場合、
前記プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する判定部と
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、前記判定部は前記移動すべきタイミングを含む所定の期間における総荷重並びにその増減に基づいて前記プレイヤによる重心の移動が成功したか否かを判定し、
前記所定の期間の長さは、前記移動すべきタイミングの間隔に比例する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記移動すべき方向は、右もしくは左であり、前記荷重センサは、前記プレイヤを中心にして、右前、右後ろ、左前、ならびに、左後ろに配置される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記移動すべき方向は、前、後ろ、右もしくは左であり、前記荷重センサは、前記プレイヤを中心にして、右前、右後ろ、左前、ならびに、左後ろに配置される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記提示部は、前記移動すべきタイミングに連動して、所定の楽曲を再生し、前記移動すべきタイミングを表わす図形を画面に表示する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
提示部、プレイヤの体重を支える支持部、前記支持部の下面に前記プレイヤを中心にして配置される複数の荷重センサ、判定部を有するゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記提示部が、プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する提示工程と、
前記判定部が、前記移動すべきタイミングで前記荷重センサを、前記移動すべき方向寄りの荷重センサ(以下「順荷重センサ」という)と、前記移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(以下「逆荷重センサ」という)に分けて、
(a)順荷重センサに検知される総荷重が、逆荷重センサに検知される総荷重より大きい場合、もしくは、
(b)順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が増加している場合、
前記プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する判定工程と
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項7】
プレイヤの体重を支える支持部、前記支持部の下面に前記プレイヤを中心にして配置される複数の荷重センサを有するゲーム装置を、
プレイヤが重心を移動すべき方向ならびに当該移動すべきタイミングを提示する提示部、
前記移動すべきタイミングで前記荷重センサを、前記移動すべき方向寄りの荷重センサ(以下「順荷重センサ」という)と、前記移動すべき方向とは逆方向寄りの荷重センサ(以下「逆荷重センサ」という)に分けて、
(a)順荷重センサに検知される総荷重が、逆荷重センサに検知される総荷重より大きい場合、もしくは、
(b)順荷重センサに検知される総荷重から、逆荷重センサに検知される総荷重を減算した値が増加している場合、
前記プレイヤによる重心の移動が成功したと判定する判定部
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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