説明

ゲーム装置、ゲーム画面表示プログラム

【課題】配列された複数のオブジェクトをオブジェクト毎に特徴をもった動きにより表示させることで、ゲーム特有のおもしろさを付加する。
【解決手段】ゲーム画面中に複数のオブジェクトを配列させて表示し、オブジェクトを配列の順番に基づいて変化させるゲーム装置であって、オブジェクト生成部32は、配列対象とするオブジェクトの種類を複数のオブジェクト種から選択させ、この選択されたオブジェクト種のオブジェクトを生成してゲーム画面中に配列させる。パラメータ設定部33は、オブジェクト生成部32によって生成された複数のオブジェクトのそれぞれの動作を定義するパラメータを設定してオブジェクトパラメータ記憶部35に記憶させる。表示制御部34aは、配列されたオブジェクトの順番に基づいて、ゲーム画面中で動作させるオブジェクトを判別しながら、各オブジェクトに設定されたパラメータに基づいてゲーム画面中で動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のオブジェクトがゲームフィールドに配置されるゲーム装置、同装置において実行されるゲーム画面表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゲーム装置では、ゲームフィールドに複数のオブジェクトを配置し、各オブジェクトを制御することでゲームを実行するものが多い。こうしたゲーム装置は、ゲームフィールドに配置されるオブジェクトに対して所定のパラメータを設定し、このパラメータに基づいてゲームフィールドにおけるオブジェクトを制御する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたゲーム(プログラム)では、ゲームフィールドにプレーヤキャラクや敵キャラクタを配置し、例えばレベルやライフ、攻撃力、回復力、移動速度といった能力値が定義された能力パラメータをもとに、ゲームフィールドにおけるキャラクタを制御してゲームを実行する。
【特許文献1】特開2007−75465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のオブジェクトを配置して、各オブジェクトを動作させるゲームにドミノゲームがある。ドミノゲームをゲーム装置でビデオゲームとして実現する場合、ゲーム画面にドミノ形状の複数のオブジェクトを等間隔で任意に配置できるようにし、配置が完了した後、端に配置されたドミノを倒すことによって、次々に隣接するドミノが倒れていくように表示を制御する。
【0005】
このように、現実のドミノゲームをビデオゲームとして実現することができるが、複数の配列されたドミノを配列順に同じように倒れていくよう表示させるだけであって、現実のドミノゲームにゲーム特有の面白さを加えられることができなかった。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、配列された複数のオブジェクトをオブジェクト毎に特徴をもった動きにより表示させることで、ゲーム特有のおもしろさを付加することが可能なゲーム装置、ゲーム画面表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲーム画面中に複数のオブジェクトを配列させて表示し、前記オブジェクトを配列の順番に基づいて変化させるゲーム装置であって、配列対象とするオブジェクトの種類を複数のオブジェクト種から選択させる選択手段と、前記選択手段によって選択されたオブジェクト種のオブジェクトを生成してゲーム画面中に配列させるオブジェクト生成手段と、前記オブジェクト生成手段によって生成された前記複数のオブジェクトのそれぞれの動作を定義するパラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記オブジェクト生成手段によって配列されたオブジェクトの順番に基づいて、ゲーム画面中で動作させるオブジェクトを判別する判別手段と、前記判別手段によって判別されたオブジェクトを、前記パラメータ設定手段によって設定されたパラメータに基づいてゲーム画面中で動作させるオブジェクト制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配列された複数のオブジェクトをオブジェクト毎に特徴をもった動きにより表示させることで、ゲーム特有のおもしろさを付加することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、インターネットや公衆電話網等を含むネットワーク2を介して、サーバ3,4と電子機器6(6−1,6−1,…,6−n)が相互に接続されている。
【0010】
サーバ3は、ゲームサービスを提供するもので、例えばネットワーク2を介してアクセスしてきた電子機器6に対してゲームプログラムを配信し、また電子機器6においてゲームプログラムを実行することで得られたゲーム内容を登録して他のユーザに配信するサービスを提供する。例えば、ドミノゲームが電子機器6において実行される場合には、ゲームフィールド中に配列された複数のドミノに関するパラメータなどのデータがゲーム内容として登録される。サーバ3は、ドミノに関するパラメータなどのデータをもとに、ゲームの実行中の様子を表す映像をサムネイル表示してWebページに表示することができる。
【0011】
サーバ4は、電子機器6のユーザが利用しているブログを運営するもので、例えばブログ中においてサーバ3に登録したゲーム内容を配信するページ(サイト)とのリンクを設定することができる。なお、ブログにおいて、サーバ3と同様にして、ゲーム内容(パラメータ)をもとに、ゲームの実行中の様子を表す映像をサムネイル表示するようにしても良い。この場合、サーバ4は、例えばサムネイルがページ中でクリックされることにより、この選択されたサムネイルに対応するゲームをアクセスしてきた電子機器6において実行させる
電子機器6(6−1,6−1,…,6−n)は、例えばパーソナルコンピュータにより実現されるもので、ネットワーク2を通じてサーバ3にアクセスしてゲームサービスを利用することができる。電子機器6は、ゲームプログラムをサーバ3からダウンロードし、このゲームプログラムを実行することにより得られたゲーム内容をサーバ3にアップロード(登録)することができる。なお、電子機器6は、パーソナルコンピュータに限らず、その他の情報処理装置、例えば業務用や家庭用のゲーム専用機、携帯型のゲーム専用機、PDA(personal digital assistant)、携帯電話機などにおいて実現することも可能である。
【0012】
図2は、本実施形態における電子機器6の構成を示すブロック図である。図2に示す電子機器6は、例えばパーソナルコンピュータにより実現されるもので、制御部10、メモリ11、ハードディスク装置12、通信インタフェース部13、表示制御部14、音声制御部15、ディスクドライブ装置16、入力インタフェース部17、ディスプレイ18、スピーカ19、キーボード21、マウス22、及びタブレット23等が設けられている。
【0013】
制御部10は、装置全体の制御を司るもので、CPUやROMなどを含んで構成される。本実施形態のゲーム装置(ゲームプログラム)では、複数のオブジェクトがゲーム画面中に表示されるゲームを実行するもので、例えばゲーム画面中に複数のオブジェクトを配列させて表示し、オブジェクトを配列の順番に基づいて変化させるゲームを実行する。具体的には、例えばドミノを表す複数のオブジェクトをゲームフィールド内において任意に配列して倒して遊ぶゲーム(以下、ドミノゲームと称する(第1実施形態)や、人や動物などの各種のキャラクタを配列して表示して、キャラクタの動作を伝達させていくゲーム(以下、伝達ゲームと称する(第2実施形態))などを実行するものとする。詳細については後述する。
【0014】
制御部10は、ネットワーク2を介して、サーバ3からゲームプログラムをダウンロードして実行することができる。また、制御部10は、ゲームプログラムを実行することにより得られたゲーム内容、例えばゲームフィールド中に配列されたオブジェクトのデータ(以下、ゲームデータと称する)をサーバ3にアップロードして、他のユーザに提供するための処理を実行する。
【0015】
メモリ11は、制御部10によりアクセスされるプログラムや各種データが記憶される。メモリ11に記憶されるプログラムには、ドミノゲームなどのゲームを進行させるためのゲームプログラムを含む。
【0016】
ハードディスク装置12は、基本プログラム(OS)やゲームプログラムなどの各種プログラムの他、各種のデータが記憶される。
【0017】
通信インタフェース部13は、制御部10の制御のもとで、外部のネットワークと接続して各種のデータの送受信を制御する。本実施形態では、例えば通信インタフェース部13を介してインターネットに接続し、プログラムダウンロードサービスを提供するサーバ3からゲームプログラムをダウンロードし、またゲームデータをアップロードすることができる。
【0018】
表示制御部14は、制御部10の制御のもとで、ディスプレイ18における画面表示を制御する。ドミノゲームが実行されている場合には、ドミノを表すオブジェクトが表示されたゲーム画面をディスプレイ18において表示させる。
【0019】
音声制御部15は、制御部10の制御のもとで、スピーカ19からの音声出力を制御する。ゲームが実行されている場合には、ゲームの進行状況に応じた効果音(例えばドミノが倒れていることを表す音)やBGM(back ground music)、各種メッセージ音声などを出力する。
【0020】
ディスクドライブ装置16は、DVD−ROMやCD−ROMなどに記録されたプログラムやデータの読み出しを実行する。本実施形態では、ディスクドライブ装置16によってディスクから読み出されたゲームプログラムを実行することができる。
【0021】
入力インタフェース部17は、各種入力装置からの入力制御を行うもので、例えばキーボード21、マウス22、タブレット23などからの入力を制御する。ゲームで使用される入力装置としては、ポインティングデバイスであるマウス22あるいはタブレット23(スタイラスペン24)が使用されるものとする。マウス22あるいはタブレット23によって、ディスプレイ18に表示されたゲームフィールドを表す画像中において任意に位置を指定することができる。
【0022】
図3は、制御部10(CPU)によってゲームプログラムを実行することにより実現されるゲーム制御部30の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
ゲーム制御部30には、入力制御部31、オブジェクト生成部32、パラメータ設定部33、オブジェクト制御部34、オブジェクトパラメータ記憶部35、カメラ設定記憶部36、及びオプション設定記憶部37が設けられる。
【0024】
入力制御部31は、プレイヤによる入力装置に対する操作に応じて、ゲーム進行を制御するための指示を入力する。入力制御部31から入力される指示としては、ゲームフィールドにおいて表示されるポインタを操作するための指示が入力される。ポインタの操作により、ゲームフィールドにオブジェクトを配列される位置を指定することができる。また、ゲーム画面中に表示されるツールアイコンに対する指示によって、オブジェクトの配置、配置されたオブジェクトの取り消し(消去)、ゲームフィールドに配置されたオブジェクトの向きの調整、ゲームの実行などを指示することができる。
【0025】
オブジェクト生成部32は、入力制御部31から入力される指示に応じてゲームフィールドにおいてオブジェクトを生成する。例えば、ドミノゲームでは、ゲームフィールドに対して指定された線上に、所定の間隔をもって複数のドミノを表すオブジェクトを配列する。この際、オブジェクト生成部32は、予めプレイヤからの指示に応じたオブジェクト種のオブジェクトを生成して配列する。
【0026】
パラメータ設定部33は、オブジェクト生成部32によって生成された複数のオブジェクトのそれぞれに対して、オブジェクトをゲームフィールド中で制御するためのパラメータ、すなわち配列されたオブジェクトの動作を定義するパラメータを設定する。パラメータ設定部33には、位置設定部33a、角度設定部33b、オブジェクト種設定部33cが含まれている。
【0027】
位置設定部33aは、ゲームフィールドにおけるオブジェクトの位置を示す位置パラメータを設定する。位置パラメータは、例えば二次元平面上におけるX座標とY座標により位置を示す。
【0028】
角度設定部33bは、ゲームフィールドに配置されたオブジェクトの向きを示す角度パラメータを設定する。角度パラメータは、例えばドミノを表すオブジェクトの所定の面と基準とする方向との角度を示す。なお、オブジェクトを単純に1列に配置する場合には、角度パラメータは不要、あるいは全てのオブジェクトに対して同じ値が設定されるものとする。
【0029】
オブジェクト種設定部33cは、プレイヤからの指示に応じて、配列対象とするオブジェクトの種類を複数のオブジェクト種から選択させ、ゲームフィールドに配列される各オブジェクトに対して、この選択されたオブジェクト種を設定する。ドミノゲームでは、オブジェクトをゲーム画面中で表示する際の色によってオブジェクト種を識別できるようにする。また、伝達ゲームでは、人や動物の種類によってオブジェクト種を識別できるようにする。
【0030】
オブジェクト制御部34は、オブジェクト生成部32によって生成されたオブジェクトを制御するもので、オブジェクトの表示を制御する表示制御部34aと、オブジェクトに関係する音の出力を制御する音声制御部34bが含まれている。
【0031】
表示制御部34aは、パラメータ設定部33によって各オブジェクトに対して設定されたオブジェクトパラメータに応じて、ディスプレイ18のゲーム画面におけるオブジェクトの表示を制御する。オブジェクトパラメータには、オブジェクトの種類を示すオブジェクト種が含まれている。オブジェクト種には、それぞれ固有の動作が決められており、表示制御部34aは、各オブジェクトのオブジェクト種に応じて、各オブジェクトが動く様子を表示させる。また、表示制御部34aは、カメラ設定記憶部36に設定されたカメラアングルデータ(例えば、オブジェクトに対するカメラ位置)に応じて、ゲームフィールド中におけるオブジェクトを撮影する仮想のカメラを制御し、ゲームフィールドにおけるカメラにより撮影されるオブジェクトをゲーム画面中で表示させる。例えば、ドミノゲームでは、オブジェクト生成部32によってゲームフィールドに配置された複数のドミノが、配列の順番に基づいて倒れるなどの動作をする様子が表示される。本実施形態におけるドミノゲームにおいても、実物のドミノ倒しをする場合と同様に、ドミノが配置された間隔や角度が適切でない場合には、倒れていくドミノが連続しないように表示が制御される。また、ドミノの配置によっては、複数列に配置されたドミノを並行して倒していくことができる。
【0032】
音声制御部34bは、各オブジェクトに対して設定された音パラメータに応じて、オブジェクトの状態の変化に応じた音をスピーカ19から出力させる。
【0033】
オブジェクトパラメータ記憶部35は、オブジェクト生成部32によって生成された各オブジェクトに対して、パラメータ設定部33により設定されたオブジェクトパラメータが記憶される(図4参照)。
【0034】
カメラ設定記憶部36は、ゲーム実行時のオブジェクトを表示する際の仮想のカメラを制御するためのデータが設定される。カメラ設定記憶部36には、オブジェクトに対するカメラ位置(ズームを含んでいても良い)を示すカメラアングルデータが設定される(図14参照)。
【0035】
オプション設定記憶部37は、プレイヤにより予め設定されるオプション内容を示すデータが設定される。オプション設定記憶部37に設定されるオプションには、例えばオブジェクト種に応じて決められた固有の動作により表示させるか否かや、ゲーム実行時の音量などが設定される。オブジェクト種に応じた固有の動作により表示させない設定がされた場合には、表示制御部34aにより、全てのオブジェクトが予め決められた同じ動作により表示されるものとする。
【0036】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。第1実施形態では、ドミノを表すオブジェクトをゲームフィールドに配列して、配列順に倒して遊ぶドミノゲームを例にして説明する。
図4は、オブジェクトパラメータ記憶部35に記憶されるオブジェクトパラメータの一例を示す図である。
図4に示すように、オブジェクト生成部32により生成(配列)される各オブジェクトに付されるオブジェクト番号と対応付けて、パラメータ設定部33により設定されたパラメータが設定される。
【0037】
図4における「X座標」「Y座標」は、位置設定部33aにより設定されるオブジェクトの位置を示す位置パラメータである。「角度」は、角度設定部33bにより設定されるオブジェクトの配置角度を示す角度パラメータである。「オブジェクト種」は、オブジェクト種設定部33cによって設定されるオブジェクト種を示すオブジェクト種パラメータである。
【0038】
図5は、第1実施形態におけるドミノゲームで使用される、オブジェクトの動作を定義するパラメータの一例を示す図である。図5に示すように、オブジェクトの動作を定義するパラメータは、オブジェクト種毎に固有の動作を示している。複数のオブジェクト種には、それぞれが異なる色(赤、水色、ピンク、…)が設定されており、オブジェクト種毎に異なる色によってゲームフィールドに表示される。そして、例えば「赤」のオブジェクトについては、動作として「正面に倒れる」が設定されている。すなわち、「赤」のオブジェクトは、一般的なドミノが倒れる場合と同じように動作させる。また、「ピンク」のオブジェクトについては「回転する」の動作が設定されており、配列順に従って「ピンク」のオブジェクトを動作させる順番となった場合に、通常のドミノとは異なり回転するように動作させる。この場合、「ピンク」のオブジェクトの動作に応じて、隣接して配置されたオブジェクトを動作させるか否かが判別される。すなわち、「赤」のオブジェクトが配置されていた場合には、このオブジェクトが動作する(倒れた)ことにより隣接する1つのオブジェクトのみが動作される配置であっても、同じ位置に「ピンク」のオブジェクトが配置されることにより、このオブジェクトが回転することから周囲に配置された複数のオブジェクトを動作させるものと判別する。また、「黄」のオブジェクトについては「飛んでいく」の動作が設定されており、このオブジェクトが配置された位置から所定の距離を飛ぶように表示が制御される。この場合、「黄」のオブジェクトが飛んだ先に配置されたオブジェクトが次に動作させるオブジェクトとして判別される。
【0039】
図6は、第1実施形態における配列設定データの一例を示す図である。配列設定データは、オブジェクト生成部32により配列された複数のオブジェクトの組み合わせに応じて決定されるパラメータを示している。すなわち、配列中に特定のオブジェクト種の並びがある場合に、図5に示すように設定された予め設定された動作とは異なる動作をするように、動作を定義するパラメータを変更する。
【0040】
図6に示す例では、「オレンジ」のオブジェクトの次に「青」のオブジェクトが配列されている場合、「青」のオブジェクトのパラメータを「倒れない」から「前に倒れる」に変更することを示している。
【0041】
なお、他のオブジェクト種についても、特定の複数のオブジェクトの組み合わせ(3個以上であっても良い)がある場合に、オブジェクトの動作を変更するように配列設定データを設定することができる。
【0042】
次に、ゲームフィールドに複数のドミノを配列(オブジェクト生成)するオブジェクト配列処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図8は、ドミノゲームを実行する際のゲーム画面の一例を示している。
ゲーム画面では、画面全体にゲームフィールドエリアが設定されている。ゲームフィールドエリアには、ユーザ操作によって配列された複数のオブジェクト(ドミノ)が表示される。ゲーム画面左側上部には、ズームバーが配置されている。ズームバーは、スライダーをポインティングデバイスなどの操作により上下させることで、拡大縮小率を変更して、ゲームフィールドエリアに表示される範囲を変更することができる。例えば、拡大させることで個々のドミノを確認することができ、また縮小させることで広範囲にドミノが配置された状態を確認することができる。
【0043】
また、ゲーム画面下部には、複数のツールアイコンが配置されている。複数のツールアイコンには、オブジェクトの配置を指示するためのペンアイコンA、配置されたオブジェクトの取り消し(消去)を指示するための消しゴムアイコンB、ゲームの実行(再生)を指示するための再生アイコンC、ゲームフィールドに配置されたオブジェクトの向きの調整を指示するための回転アイコンDが設けられている。なお、他の処理を指示するためのツールアイコンが設けられていても良い。
【0044】
まず、ゲーム画面において、マウス22などのポインティングデバイスの操作によりペンアイコンが選択されると、オブジェクト生成部32は、ライン描画ツールを起動して、ペン形状のカーソル(ペンカーソル)を表示させる。ここで、マウス22を用いてドラッグ操作がされると、オブジェクト生成部32は、ゲームフィールドにおいて、ドラッグが開始された位置からラインを描画する(ステップA3、Yes)。図8は、ペンカーソルがドラッグ操作により移動した軌跡(ライン)を表している。
【0045】
ドラッグ操作が終了されると、オブジェクト生成部32は、描画されたラインに沿ってドミノを表す複数のオブジェクトを生成して配置する(ステップA4)。図9は、ラインに沿って複数のドミノが生成されたゲーム画面の例を示している。
【0046】
例えば、オブジェクト生成部32は、描画されたラインに沿って、予め決められた所定の間隔毎にドミノを配列する位置(X座標、Y座標)を設定していく。次に、オブジェクト生成部32は、設定された各位置におけるドミノを配置する向き(角度)を、例えば描画された線に対してドミノの面が垂直となるように決定する。パラメータ設定部33は、オブジェクト生成部32により生成される各オブジェクトについての位置と向きを、図4に示すように、位置パラメータ、角度パラメータとしてオブジェクトパラメータ記憶部35に記憶させる。
【0047】
なお、ペンアイコンでは、生成対象とするオブジェクトのオブジェクト種を任意に設定することができる。例えば、ペンアイコンの位置にカーソルを移動させることにより、図10に示すように、例えば9種類のオブジェクトアイコンが表示される。9種類のアイコンは、例えば図5に示す「赤」〜「緑」の8つのオブジェクト種と「8色ブロック」のそれぞれを示している(それぞれ異なる色により表示される。「8色ブロック」に対応するアイコンはレインボー表示とする)。なお、「8色ブロック」は、8つのオブジェクト種のオブジェクトが連続して配置されたブロックである。「8色ブロック」を選択することによりブロック単位でオブジェクトを配置することができる。なお、「8色ブロック」に含まれる各ブロックについては、全て同じ動作により表示が制御される(例えば「赤」のオブジェクトと同じ)、あるいは各色のブロックに対して設定された動作を個々に行うように表示が制御されるものとする。。
【0048】
ここで、カーソルを何れかのアイコンの位置に移動させてから、例えば横方向に移動させてアイコン(オブジェクト種)を選択することで、前述したように、ラインを描画することにより生成されるオブジェクトの種類を指定することができる(ステップA1、A2)。なお、ペンカーソルが位置するアイコンの近傍に同アイコンを選択することで生成されるオブジェクトについての説明を表示して、ユーザがオブジェクトを選択する際の参考にできるようにする。
【0049】
オブジェクト生成部32は、ライン描画に応じてオブジェクトを生成することにより、ゲームフィールドに配置したオブジェクトが所定の条件を満たすかを判定する。ここでは、同じ種類のオブジェクトが予め決められた数(例えば10個)に到達しているかを判別する。なお、所定の条件としては、他の個数としても良いし、オブジェクト種類の組み合わせ、オブジェクトが配置された位置など、任意に設定することができる。
【0050】
ここで条件を満たすと判定された場合(ステップA7、Yes)、オブジェクト生成部32は、例えば予め決められた数に到達したオブジェクトと同じ種類のオブジェクトをフリーオブジェクトとしてゲームフィールド中に生成する。フリーオブジェクトは、ペンカーソルによる線の描画により生成されるオブジェクトとは無関係のオブジェクトであり、ゲームフィールド中でランダムに動作させるものとする。
【0051】
図11(a)には、10個以上の同じオブジェクトが配置されたことにより、フリーオブジェクトがゲームフィールドに表れた様子を示している。さらに、オブジェクトを配置していくことで、図11(b)に示すように、複数のフリーオブジェクトがゲームフィールドにおいて表れる。なお、図11は、フリーオブジェクトが風船にぶら下がって降りてくる演出をしている例を示している(他の演出によって表れるようにしても良い)。
【0052】
フリーオブジェクトは、ペンカーソルの操作によって配列中に組み込むことができる。例えば、図12(a)に示すように、ペンカーソルによってフリーオブジェクトがポインティングされ(ステップA9、Yes)、図12(b)に示すように、配列中にまでドラッグされると、オブジェクト生成部32は、フリーオブジェクトを既存の配列中に組み込む。
【0053】
フリーオブジェクトが配列に組み込まれると(ステップA10)、パラメータ設定部33は、フリーオブジェクトのパラメータをオブジェクトパラメータ記憶部35に記録する。この際、パラメータ設定部33は、フリーオブジェクトのパラメータを通常のオブジェクトとは異なる動作により表示されるように設定する。例えば、「赤」のフリーオブジェクトについては、予め設定された「正面に倒れる」動作をした後に、さらに別の動作をするようにパラメータを設定する。なお、通常のオブジェクトと同じパラメータを設定するようにしても良い。
【0054】
このように、第1実施形態におけるドミノゲームでは、複数のドミノをゲームフィールドにおいて配列させる場合、単にゲームフィールド中でラインを描画するだけで良い。また、複数のオブジェクト種のオブジェクトを任意に組み合わせて、描画したラインに沿ってドミノを配列させることができるので、多彩な配列を簡単に試すことができる。
【0055】
次に、ゲームの実行(再生)時の操作について説明する。
前述のように配列された複数のオブジェクトを動作させる場合には、カーソルによって再生アイコンが選択される。カーソルが再生アイコンに移動されると、図13に示すように、複数のカメラアングルアイコンが表示させる。各カメラアングルアイコンは、配列された複数のオブジェクトが倒れていく(動作する)様子を撮影する仮想のカメラ位置にそれぞれ対応している。なお、ペンカーソルが位置するカメラアングルアイコンの近傍に同アイコンを選択することで生成されるカメラアングルについての説明を表示して、ユーザがカメラアングルを選択する際の参考にできるようにする。
【0056】
図14(a)〜(d)には、カメラアングルの一例を示している。図14(a)は、オブジェクトが設置される面(ゲームフィールド面)から見て45°の位置にカメラを設置する例を示している。この場合、ゲーム画面の中心に倒れる(動作する)ドミノがくるようにカメラ位置を移動させていく。図14(b)は、ドミノの真横にカメラを設置する例を示している。例えば、ドミノの高さを2分割した高さにカメラを設置して、倒れる(動作する)ドミノが移動するのに合わせてカメラ位置を移動させていく。図14(c)は、ドミノの真上にカメラを設置する例を示している。この場合、倒れる(動作する)ドミノの真上に常にカメラがあるようにカメラ位置を移動させていく。図14(d)は、ドミノの正面にカメラを設置する例を示している。図14(d)に示す例では、倒れる(動作する)ドミノの正面に位置し(高さは、図14(b)と同じ)、ドミノ側を撮影方向にしてドミノが倒れる方向にカメラを移動させていく。なお、図14(a)〜(d)に示すカメラアングルは一例であって、他のカメラアングルを選択できるようにしても良い。また、前述した説明では、カメラアングルのみについて説明しているが、ズームなどについても任意に設定できるようにしてカメラアングルデータとして設定できるようにしても良い。
【0057】
オブジェクト制御部34は、再生アイコンによって指定されたカメラアングルを示すカメラアングルデータを、カメラ設定記憶部36に設定しておく。表示制御部34aは、以下に説明するオブジェクト表示制御処理において、カメラ設定記憶部36に設定されたカメラアングルデータに応じたカメラアングル(オブジェクトに対する仮想のカメラ位置)によるゲーム画面を作成して表示させる。
【0058】
次に、前述のようにして配列された複数のオブジェクトを動作(再生)させるオブジェクト表示制御処理について、図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0059】
再生アイコン(カメラアングルアイコン)により再生が指示されると、表示制御部34aは、オブジェクトパラメータ記憶部35の先頭(オブジェクト番号0)に記憶されたオブジェクト種を読み出し(ステップB1)、このオブジェクト種に応じた動作を決定する(ステップB2)。表示制御部34aは、この決定された動作によりオブジェクト(ドミノ)を、カメラ設定記憶部36に設定されたカメラアングルデータに応じたゲーム画面中において表示させる(ステップB3)。例えば、「赤」のオブジェクトを示すオブジェクト種が読み出された場合には、該当するオブジェクトを配列位置から正面方向に倒れるように表示させる。
【0060】
表示制御部34aは、オブジェクトの動作によって作用を受ける位置に他のオブジェクトが配列されているかを、オブジェクトパラメータ記憶部35に記憶された位置パラメータをもとに判別する(ステップB4)。例えば、「赤」のオブジェクトが正面に倒れる方向に、所定の距離内で別のオブジェクトが存在する場合には、作用を受けるオブジェクトが存在するものとして判別する。
【0061】
なお、オブジェクト種によって、オブジェクトの動作によって作用を及ぼす範囲が異なるため、オブジェクト種に応じた方向、及び距離に基づいて、作用を受ける他のオブジェクトが存在するかを判別する。例えば「水色」のオブジェクトは「右に倒れる」動作をするため、同オブジェクトの右方向の所定の距離内に他のオブジェクトが存在しているかに基づいて、作用を受けるオブジェクトが存在するか否かを判別する。
【0062】
図16には「ピンク」のオブジェクトの動作例、図17には「黄」のオブジェクトの動作例をそれぞれ示している。「ピンク」のオブジェクトの場合には、図16に示すように回転させるため、同オブジェクトの周辺に配置されている複数のオブジェクトが作用を受けるものと判別する。「黄」のオブジェクトの場合には、図17に示すように、配置位置から所定距離を飛んでいくため、飛んでいく先に配置されたオブジェクトが作用を受けるものと判別する。
【0063】
ここで、他のオブジェクトが存在すると判別された場合(ステップB5、Yes)、表示制御部34aは、配列設定データ(図6)を参照して、動作させたオブジェクトと作用を受ける位置に配列された他のオブジェクトとについて配列設定がされているかを判別する(ステップB6)。すなわち、予め決められた動作とは異なる動作をさせるオブジェクトが存在するかを判別する。
【0064】
配列設定されたオブジェクトがない場合には(ステップB7、No)、表示制御部34aは、前述と同様にして、作用を受けると判別された他のオブジェクトのオブジェクト種をオブジェクトパラメータ記憶部35から読み出し、オブジェクト種に応じて決定された動作によって表示させる(ステップB1〜B3)。
【0065】
一方、配列設定されたオブジェクトがある場合には(ステップB7、Yes)、表示制御部34aは、他のオブジェクトの動作を配列設定データに応じて決定し(ステップB8)、この決定された動作によりオブジェクトを表示させる(ステップB9)。
【0066】
例えば、オブジェクトの配列中において、「オレンジ」のオブジェクトに続いて「青」のオブジェクトが配列されていた場合、図6に示す配列設定データに示す配列に該当するため、「青」のオブジェクトの予め設定されている動作「倒れない」を「正面に倒れる」に変更して、このオブジェクトを表示させる。以下、前述と同様にして、表示制御部34aは、オブジェクトの動作によって作用を受ける位置に他のオブジェクトが配列されているかを、オブジェクトパラメータ記憶部35に記憶された位置パラメータをもとに判別する(ステップB4)。
【0067】
作用を受ける他のオブジェクトがない場合には(ステップB5、No)、表示制御部34aは、オブジェクト表示制御処理を終了する。
【0068】
このようにして、第1実施形態におけるドミノゲームでは、図5に示すように、オブジェクト種毎に異なる動作が設定されているため、実物のドミノのように全てが同じ動きで単純に倒れていくだけでなく、種類毎に特徴をもった動きにより表示させて、ゲーム特有のおもしろさを付加することができる。また、オブジェクトに対して予め設定された動作だけでなく、所定のオブジェクトの組み合わせにより配列させることで、さらに異なる動きにより表示させることもできる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、人や動物などの各種のキャラクタを表すオブジェクトをゲームフィールドに配列して、配列順にキャラクタの動作を伝達させていく伝達ゲームを例にして説明する。第2実施形態は、基本的に第1実施形態と同様にして実行されるものとし、異なる部分について説明する。
【0070】
図18は、オブジェクトパラメータ記憶部35に記憶されるオブジェクトパラメータの一例を示す図である。
図18に示すように、オブジェクト生成部32により生成(配列)される各オブジェクトに付されるオブジェクト番号と対応付けて、パラメータ設定部33により設定されたパラメータが設定される。図18に示す例では、オブジェクトパラメータとしてオブジェクト種が記憶される。第2実施形態では、オブジェクトをゲームフィールドに一列で配列させるものとし、位置パラメータ、角度パラメータを不要としている。なお、第1実施形態(図4)と同様のオブジェクトパラメータを記録するようにしても良い。
【0071】
図19は、第2実施形態における伝達ゲームで使用される、オブジェクトの動作を定義するパラメータの一例を示す図である。図19に示すように、オブジェクトの動作を定義するパラメータは、オブジェクト種毎に固有の動作を示している。例えば、「青年」「おばあさん」「犬」などのキャラクタを表すオブジェクト種のそれぞれに対して、キャラクタ固有の動作が設定されている。また、オブジェクト種のそれぞれに対して、動作による他のオブジェクトに対する作用の大きさを表す勢い値と、他のオブジェクトから動作による作用を受けた場合に、次に配列された他のオブジェクトに対して動作するか否かを判断するための基準値である動作可能値が含まれている。
【0072】
図20は、第2実施形態における配列設定データの一例を示す図である。図20に示す配列設定データでは、3つのオブジェクトの組み合わせの例が含まれている(例えば「子供→お母さん→お父さん」)。また、動作が変更されるオブジェクトを後に配列されたオブジェクトとするだけでなく、前(先)に配置されたオブジェクトの動作を変更する例が含まれている。すなわち、配列「子供→青年」については、「子供」のオブジェクトの動作を「蹴る」から「頭突き」に変更することを示している。さらに、配列設定データでは、各オブジェクトの組み合わせに対して勢い値が設定されている。
【0073】
次に、前述のようにして配列された複数のオブジェクトを動作(再生)させるオブジェクト表示制御処理について、図21に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】
図22は、伝達ゲームを実行する際のゲーム画面の一例を示している。なお、第2実施形態におけるオブジェクト(キャラクタ)の配列は、ゲームフィールドに配置対象とするキャラクタ(オブジェクト種)をユーザにより選択させることにより行われるものとする。オブジェクト生成部32は、ユーザにより指定されたキャラクタを、順番にゲームフィールドに配置していく。なお、図22に示す例では、オブジェクトを単純に一列に配列させているが、第1実施形態と同様にして配列位置とキャラクタの方向を任意に指定させることで、キャラクタを配列するようにしても良い。また、一列に配列させるだけでなく、ドミノゲームのように列を分岐させるようにしても良い。
【0075】
まず、再生アイコンにより再生が指示されると、表示制御部34aは、オブジェクトパラメータ記憶部35の先頭(オブジェクト番号0)に記憶されたオブジェクト種を読み出し(ステップC1)、このオブジェクト種の動作可能値と先のオブジェクトの勢い値とを比較する(ステップC2)。
【0076】
ここで、先のオブジェクトの勢い値が次のオブジェクトの動作可能値以上でない場合には(ステップC3、No)、表示制御部34aは、先のオブジェクトの動作により次のオブジェクトに動作が伝達されないものとしてオブジェクト表示制御処理を終了する。
【0077】
一方、先のオブジェクトの勢い値が次のオブジェクトの動作可能値以上である場合には(ステップC3、Yes)、表示制御部34aは、先のオブジェクトの動作により次のオブジェクトに動作が伝達されるものと判別する。そして、表示制御部34aは、図20に示す配列関係データを参照して、次のオブジェクトに配列設定がされているかを判別する。
【0078】
配列設定がされていない場合には(ステップC4、No)、表示制御部34aは、次のオブジェクトのオブジェクト種に応じた動作を決定し(ステップC5)、この決定された動作によりオブジェクトを表示する。例えば、「青年」のオブジェクトについては、次に配列されたキャラクタを「殴る」ように動作させる。
【0079】
これに対し、配列設定がされている場合には(ステップC4、Yes)、表示制御部34aは、配列設定に応じた各オブジェクトの動きを設定し(ステップC7)、決定された動作により各オブジェクトを表示する(ステップC8)。例えば、次のオブジェクトが「子供」であり、同オブジェクトに続いて「青年」のオブジェクトが配列されていた場合には、配列設定データを参照して、「子供」のオブジェクトの動作を「蹴る」から「頭突き」に変更して表示し、また「青年」のオブジェクトの動作を予め設定された「蹴る」の動作により表示させる。また、「青年」のオブジェクトの勢い値を「5」に変更して、次のオブジェクトに動作を伝達するために必要な値を変更する。
【0080】
オブジェクトパラメータ記憶部35に次のオブジェクトについてのオブジェクトパラメータが記録されていれば(ステップC9、Yes)、表示制御部34aは、前述と同様の処理を繰り返して実行する。
【0081】
この結果、例えば図23に示すように、複数の異なるキャラクタの動作を、配列順に次々に伝達していくことができる。第2実施形態では、各オブジェクト(キャラクタ)に設定された勢い値や動作可能値を考慮しながら適切な種類のオブジェクトを配列しなければ動作が伝達することができない。また、配列関係を利用することで、キャラクタに通常とは異なる動作をさせたり、勢い値を変更させたりすることができ、ゲーム内容に変化を与えることができる。
【0082】
また、前述した説明では、勢い値を次のオブジェクトに動作を伝達できるか否かを判別するために用いているが、例えば所定のオブジェクトを配列することにより、各オブジェクトの勢い値を順次加算していき、大きな値が設定された特別なキャラクタ(敵キャラクタ)に攻撃加えて倒すといったゲーム内容とすることも可能である。
【0083】
このようにして、第2実施形態における伝達ゲームでは、第1実施形態と同様にして、複数の異なる種類のオブジェクト毎に異なる動作をさせて、配列順に動作を伝達させていくことができる。また、配列関係を利用することで、所定のオブジェクトの組み合わせにより、さらに異なる動きにより表示させることもでき、ゲーム特有のおもしろさを付加することができる。
【0084】
なお、前述した説明では、電子機器6においてゲームを実行するものとして説明しているが、オブジェクトパラメータ記憶部35に記録されたオブジェクトパラメータを、他の装置に送信して、他の装置において前述のようにしてオブジェクトを再生(動作)させることもできる。
【0085】
図24は、オブジェクトパラメータをもとに、他の装置においてオブジェクトを再生(動作)させるシステムの一例を示している。
電子機器6では、前述したように、ゲームプログラムを実行することによりオブジェクトパラメータを作成し、これをユーザが作成したカスタムデータとしてサーバ3にアップロードする。サーバ3は、アップロードされたカスタムデータをもとに、Webページを通じてサムネイルとして表示するためのサムネイル画像を生成して、Webページに登録して公開する(サムネイル変換)。このサムネイル表示では、図25に示すように、1つのオブジェクトを1つのドットにより表現し、それぞれに対応するオブジェクトと同じ色によって表示する。
【0086】
また、サーバ3は、電子機器6に対して、他のWebページ(例えばブログ)からサーバ3が公開するサムネイルにリンクを設定するためのタグを発行して送信する。電子機器6のユーザは、サーバ3から受信したタグを、サーバ4において公開している個人ブログに貼り付けて公開する。これにより、ユーザの個人ブログにアクセスした他のユーザは、個人ブログを通じて、サーバ3によりサムネイルが公開されているWebページにアクセスすることができる。
【0087】
サーバ3は、サムネイルを表示する際、電子機器6において実行されるゲームプログラムと同様にして、各ドットを例えば第1実施形態における図25に示すオブジェクト種毎の動作や配列関係データにおいて設定された動作に基づいて表示制御する。例えば、「赤」のオブジェクトに対応するドットについては倒れる方向に合わせて微小距離を移動させ、「緑」のオブジェクトに対応するドットについては左右方向に微小振動させることにより、オブジェクトの動作を表現する。
【0088】
このように、サムネイル表示する際に、オブジェクトが配列された1場面の画像を表示するのではなく、カスタムデータをもとにサムネイル用のオブジェクトをドットで表現した画像を生成し、この画像においてオブジェクトの動作と同様にして各ドットを表示制御することによって、サムネイル表示から全配列によるオブジェクトの動作内容を容易に把握することができる。
【0089】
サーバ3のWebページにアクセスした他のユーザは、サムネイル表示を参照することにより配列の内容を把握し、ダウンロード対象とするカスタムデータをWebページ中から選択することができる。
【0090】
このようにして、電子機器6において作成されたオブジェクトパラメータをもとに、他の機器において同様の表示制御をすることが可能である。
【0091】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0092】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における電子機器6の構成を示すブロック図。
【図3】制御部10(CPU)によってゲームプログラムを実行することにより実現されるゲーム制御部30の機能構成を示すブロック図。
【図4】オブジェクトパラメータ記憶部35に記憶されるオブジェクトパラメータの一例を示す図。
【図5】第1実施形態におけるドミノゲームで使用される、オブジェクトの動作を定義するパラメータの一例を示す図。
【図6】第1実施形態における配列設定データの一例を示す図。
【図7】ゲームフィールドに複数のドミノを配列(オブジェクト生成)するオブジェクト配列処理について示すフローチャート。
【図8】ドミノゲームを実行する際のゲーム画面の一例を示す図。
【図9】ラインに沿って複数のドミノが生成されたゲーム画面の例を示す図。
【図10】オブジェクト種を設定するためのゲーム画面の例を示す図。
【図11】フリーオブジェクトの表示例を示す図。
【図12】フリーオブジェクトに対する操作について示す図。
【図13】複数のカメラアングルアイコンが表示されたゲーム画面の例を示す図。
【図14】カメラアングルについて説明するための図。
【図15】第1実施形態におけるオブジェクトを動作(再生)させるオブジェクト表示制御処理について示すフローチャート。
【図16】「ピンク」のオブジェクトの動作例を示す図。
【図17】「黄」のオブジェクトの動作例を示す図。
【図18】オブジェクトパラメータ記憶部35に記憶されるオブジェクトパラメータの一例を示す図。
【図19】第2実施形態における伝達ゲームで使用されるオブジェクトの動作を定義するパラメータの一例を示す図。
【図20】第2実施形態における配列設定データの一例を示す図。
【図21】第2実施形態におけるオブジェクトを動作(再生)させるオブジェクト表示制御処理について示すフローチャート。
【図22】伝達ゲームを実行する際のゲーム画面の一例を示す図。
【図23】第2実施形態における複数の異なるキャラクタの動作を配列順に伝達していく例を示す図。
【図24】オブジェクトパラメータをもとに他の装置においてオブジェクトを再生(動作)させるシステムの一例を示す図。
【図25】サムネイル表示の一例を示す図。
【符号の説明】
【0094】
10…制御部、11…メモリ、12…ハードディスク装置、13…通信インタフェース部、14…表示制御部、15…音声制御部、16…ディスクドライブ装置、17…入力インタフェース部、18…ディスプレイ、19…スピーカ、20…ディスク、21…キーボード、22…マウス、23…タブレット、24…スタイラスペン、30…ゲーム制御部、31…入力制御部、32…オブジェクト生成部、33…パラメータ設定部、33a…位置設定部、33b…角度設定部、33c…オブジェクト種設定部、34…オブジェクト制御部、34a…表示制御部、34b…音声制御部、35…オブジェクトパラメータ記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面中に複数のオブジェクトを配列させて表示し、前記オブジェクトを配列の順番に基づいて変化させるゲーム装置であって、
配列対象とするオブジェクトの種類を複数のオブジェクト種から選択させる選択手段と、
前記選択手段によって選択されたオブジェクト種のオブジェクトを生成してゲーム画面中に配列させるオブジェクト生成手段と、
前記オブジェクト生成手段によって生成された前記複数のオブジェクトのそれぞれの動作を定義するパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記オブジェクト生成手段によって配列されたオブジェクトの順番に基づいて、ゲーム画面中で動作させるオブジェクトを判別する判別手段と、
前記判別手段によって判別されたオブジェクトを、前記パラメータ設定手段によって設定されたパラメータに基づいてゲーム画面中で動作させるオブジェクト制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記配列中の先のオブジェクトの動作に応じて、ゲーム画面中で動作させるオブジェクトを判別することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記オブジェクト制御手段は、前記配列中の複数のオブジェクトの組み合わせに応じて決定されるパラメータに基づいて、ゲーム画面中でオブジェクトを動作させることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記オブジェクト生成手段によって生成されたオブジェクトが所定の条件を満たす場合に、前記配列に含まれないオブジェクトを生成してゲーム画面中に表示させるオブジェクト追加手段と、
前記オブジェクト追加手段により表示されたオブジェクトを前記オブジェクト生成手段により生成されたオブジェクトの配列中に組み込む組込み手段とをさらに具備し、
前記パラメータ設定手段は、前記組込み手段により組み込まれたオブジェクトを制御するためのパラメータを設定することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
ゲーム画面中に複数のオブジェクトを配列させて表示し、前記オブジェクトを配列の順番に基づいて変化させるコンピュータを、
配列対象とするオブジェクトの種類を複数のオブジェクト種から選択させる選択手段と、
前記選択手段によって選択されたオブジェクト種のオブジェクトを生成してゲーム画面中に配列させるオブジェクト生成手段と、
前記オブジェクト生成手段によって生成された前記複数のオブジェクトのそれぞれを制御するためのパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記オブジェクト生成手段によって配列されたオブジェクトの順番に基づいて、ゲーム画面中で動作させるオブジェクトを判別する判別する判別手段と、
前記判別手段によって判別されたオブジェクトに対して、前記パラメータ設定手段によって設定されたパラメータに基づいて、前記オブジェクトをゲーム画面中で動作させるオブジェクト制御手段として機能させるためのゲーム画面表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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