説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びサーバ

【課題】プレーヤがアドバイスを認識してから操作に移すまでの時間を考慮してアドバイス・データを出力するゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びサーバを提供すること。
【解決手段】ゲーム装置(1)は、アドバイス・データを、当該アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶する記憶手段(27)と、記憶されたタイミング・データに基づきプレーヤが識別可能にアドバイス・データを出力する出力制御手段(23)と、出力されたアドバイス・データに対応するプレーヤの操作入力を受け付ける操作入力受付手段(21)と、タイミング・データとプレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータとからタイミングを算出する算出手段(22)と、算出したタイミングに基づき記憶されたタイミング・データを更新する更新手段(26)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤのプレーの状況に応じてアドバイス・データを出力するゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレーヤの操作入力のタイミングが重要なゲームが存在する。例えば、カーレースを行うゲームでは、プレーヤには、コースに沿って運転する技量が求められ、カーブの手前では、プレーヤは、ブレーキを踏む操作を行う。もし、プレーヤによるブレーキを踏む操作が遅れると、車はカーブを曲がりきれずに、結果としてコース・アウトしてしまう。この例の場合には、プレーヤがブレーキを踏む操作を開始するタイミングが重要である。そのため、プレーヤがブレーキを踏む操作を行う前段階で、プレーヤにブレーキを踏む操作を行うべきである旨を伝える表示を行う等、プレーヤの操作入力のタイミングを支援するアドバイスを出力することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、プレーヤごとに出力するアドバイスの種類を変えることができる、ゲームシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−141665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のゲームシステムは、アドバイスの種類を変えることができても、プレーヤがアドバイスを認識してから操作に移すまでの時間が考慮されていなかった。そのため、アドバイスが出力されても、そのアドバイスを有効に活用することができない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、プレーヤがアドバイスを認識してから操作に移すまでの時間を考慮してアドバイス・データを出力するゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明は、プレーヤの操作入力を補助するデータであるアドバイス・データを、前記プレーヤによるプレーの状況に応じて出力するゲーム装置(1)であって、前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶する記憶手段(27)と、記憶された前記タイミング・データに基づき、前記プレーヤが識別可能に前記アドバイス・データを出力する出力制御手段(23)と、出力された前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力を受け付ける操作入力受付手段(21)と、前記タイミング・データと、前記プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータと、から前記タイミングを算出する算出手段(22)と、算出した前記タイミングに基づき、記憶された前記タイミング・データを更新する更新手段(26)と、を備えるゲーム装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲーム装置(1)において、前記記憶手段(27)には、前記タイミング・データに関連付けて複数の前記アドバイス・データが記憶されており、前記出力制御手段(23)は、前記プレーデータに応じて、前記アドバイス・データを、記憶した前記複数のアドバイス・データから選択して出力することを特徴とするゲーム装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のゲーム装置(1)において、前記算出手段(22)は、前記アドバイス・データの出力と、前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力と、の間の時間に基づいて算出することを特徴とするゲーム装置である。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のゲーム装置(1)において、前記記憶手段(27)は、前記プレーデータを記憶し、記憶された前記プレーデータを読み出す読出手段(28)を備え、前記算出手段(22)は、記憶された前記タイミング・データと、読み出した前記プレーデータと、から前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置である。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のゲーム装置(1)において、前記プレーヤを認証する認証手段(25)を備え、前記記憶手段(27)には、前記タイミング・データが、認証された前記プレーヤごとに記憶されており、前記算出手段(22)は、前記プレーヤごとに前記タイミング・データに基づいて前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のゲーム装置(1)において、前記プレーヤごとの前記アドバイス・データを前記タイミング・データと関連付けて記憶したサーバ(40)に、ネットワーク(15)を介して接続されており、前記出力制御手段(23)は、認証された前記プレーヤの前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データと共に前記サーバ(40)からダウンロードした前記タイミング・データに基づき出力することを特徴とするゲーム装置である。
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載のゲーム装置(1)において、前記認証手段(25)は、前記プレーヤを認識可能な前記プレーの専用媒体を読み込ませることにより前記プレーヤを認証することを特徴とするゲーム装置である。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載のゲーム装置(1)において、前記操作入力に応じたプレーの結果が成功か否かを判断する判断手段(24)を備え、前記算出手段は、判断された結果が否であることに応じて、前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置である。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかに記載のゲーム装置(1)において、前記算出手段(22)は、前記プレーを所定の回数行ったことに応じて、前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置である。
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかに記載のゲーム装置(1)において、前記出力制御手段(23)は、前記アドバイス・データを、映像を出力する表示手段(33)に画像データとして表示させることを特徴とするゲーム装置である。
請求項11の発明は、請求項10に記載のゲーム装置(1)において、前記出力制御手段(23)は、前記アドバイス・データを、副次的な出力を行う副次的出力手段(34)に出力させることを特徴とするゲーム装置である。
請求項12の発明は、請求項1から11のいずれかに記載のゲーム装置(1)において、前記プレーは、運転シミュレーションに関するものであることを特徴とするゲーム装置である。
【0009】
請求項13の発明は、プレーヤの操作入力を補助するデータであるアドバイス・データを、前記プレーヤによるプレーの状況に応じて出力するゲーム装置(1)の制御方法であって、ゲーム装置(1)において、前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶するステップと、記憶された前記タイミング・データに基づき、前記プレーヤが識別可能に前記アドバイス・データを出力するステップと、出力された前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力を受け付けるステップと、前記タイミング・データと、前記プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータと、から前記タイミングを算出するステップと、算出した前記タイミングに基づき、記憶された前記タイミング・データを更新するステップと、を含むゲーム装置の制御方法である。
【0010】
請求項14の発明は、プレーヤの操作入力を補助するデータであるアドバイス・データを前記プレーヤによるプレーの状況に応じて出力するゲーム装置(1)と、ネットワーク(15)を介して接続されるサーバ(40)であって、前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶する記憶部(42)と、前記ゲーム装置(1)により出力された前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータを、前記アドバイス・データと関連付けられた前記タイミング・データと共に前記ゲーム装置(1)から受信する受信部(41)と、受信した前記プレーデータと、受信した前記タイミング・データとから前記タイミングを算出する算出部(43)と、算出した前記タイミングに基づき、前記記憶部(42)に記憶された前記タイミング・データを更新する更新部(44)と、更新した前記タイミング・データを、前記タイミング・データと関連付けられた前記アドバイス・データと共に前記ゲーム装置(1)に送信する送信部(45)と、を備えるサーバである。
【0011】
請求項15の発明は、請求項14に記載のサーバ(40)において、前記受信部(41)により前記ゲーム装置(1)から受信した認証データに基づき、前記プレーヤを認証する認証部(46)を備え、前記記憶部(42)には、前記タイミング・データが、前記プレーヤごとに記憶されており、前記送信部(45)は、認証された前記プレーヤの前記タイミング・データを、前記タイミング・データと関連付けられた前記アドバイス・データと共に送信することを特徴とするサーバである。
請求項16の発明は、請求項15に記載のサーバ(40)において、前記算出部(43)は、前記プレーヤごとに受信した前記タイミング・データに基づいて前記タイミングを算出することを特徴とするサーバである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、タイミング・データと、プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータとに基づいて、アドバイス・データを出力するタイミングを算出する。そして、算出したタイミングに基づき、タイミング・データを更新する。よって、プレーの状況に即したタイミングを、即時にタイミング・データに反映させることができる。さらに、本発明は、記憶した過去のプレーデータを用いてタイミング・データを作成することができる。よって、プレーデータが蓄積された時等の適当な時に、プレーの状況に即したタイミングを、タイミング・データに反映させることができる。このような処理により、プレーヤの操作入力のタイミングに応じたアドバイス・データを出力することができるので、プレーヤの操作入力に最適なタイミングでアドバイス・データを出力することができる。
【0013】
(2)本発明は、タイミング・データに関連付けて複数のアドバイス・データの記憶を許容しており、プレーヤのプレーの状況に応じて、複数のアドバイス・データから、例えば、一のアドバイス・データを選択して出力することができる。よって、よりプレーヤのプレーの状況に合ったアドバイス・データを出力することができる。
【0014】
(3)本発明は、認証したプレーヤごとにアドバイス・データに対応したタイミング・データを有するので、プレーヤごとに、異なるタイミングでアドバイス・データを出力することができる。よって、アドバイス・データを出力と、出力に対応した操作入力を行うまでの時間とがプレーヤごとに差があっても、プレーヤごとに最適なタイミングで、アドバイス・データを出力することができる。
【0015】
(4)本発明は、ネットワークを介して接続されたサーバから、認証したプレーヤのタイミング・データと共に受信したアドバイス・データを、タイミング・データに基づき出力する。そのため、ゲーム装置は、サーバからタイミング・データを受信することができる。よって、どこに配置したゲーム装置であっても、プレーヤに最適なタイミングでアドバイス・データを出力することができる。
【0016】
(5)本発明は、プレーの専用媒体を読み込ませることにより、プレーヤを認証することができる。よって、どのゲーム装置であっても、専用媒体を携帯するプレーヤがプレーの専用媒体を用いることにより、プレーヤを認証することができる。その結果、サーバから、プレーヤの操作に合ったタイミング・データを受信することができる。ここで、プレーの専用媒体とは、例えば、プレー専用に用いられるカード型やキー型の媒体が該当する。
【0017】
(6)本発明は、操作入力に応じたプレーの結果が成功ではない場合に、タイミングを算出し直す。また、本発明は、プレーを所定の回数行ったことに応じて、タイミングを算出し直す。よって、プレーの結果に応じて最適なタイミングでアドバイス・データを出力することができる。
【0018】
(7)本発明は、画像として表示することができるアドバイス・データを出力する。そのため、プレーを行いながら、プレーヤの視覚に訴える形で、アドバイス・データを表示させることができる。
(8)本発明は、副次的にアドバイス・データを出力することができる。例えば、表示と共に音声としてアドバイス・データを出力する。そのため、プレーヤは、プレーを行いながら、プレーヤの聴覚に訴える出力でアドバイスを聞くことができる。また、例えば、アドバイス・データを表示すると共に、電飾等を発光させることにより、プレーヤは、アドバイス・データが出力されたことを、発光という視覚に訴える形で認識することができる。さらにまた、例えば、アドバイス・データを表示すると共に入力操作に対して振動を起こすことにより、プレーヤは、アドバイス・データが出力されたことを、触覚に訴える形で認識することができる。
【0019】
(9)本発明は、運転シミュレーションに関するものに用いることができる。例えば、カーレースのゲームのような車の運転や、電車の運転等、様々な運転に関するものに用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、プレーヤがアドバイスを認識してから操作に移すまでの時間を考慮してアドバイス・データを出力するゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びサーバを提供するという目的を、ゲーム装置が、アドバイスの出力と、出力したアドバイスに対応するプレーヤの操作入力と、に基づいてタイミングを算出することによって実現した。
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0022】
[ゲーム装置の外観図]
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の外観を示す外観図である。ゲーム装置1が備える筐体2は、プレーヤに臨む面の中央上部に、プレーヤに対面するように画面3が配置されている。画面3には、プレーの内容が表示される。画面3の左右上方には、各々複数の電飾4が均等に配置され、画面3の左右下方には、スピーカ5が配置されている。電飾4は、プレーヤのプレーに応じて発光し、スピーカ5は、プレーヤのプレーに合わせて音声を出力する。
【0023】
また、画面3の下方中央には、プレーヤが操作入力するためのハンドル7が、プレーヤが座した際の胸の高さになるように配置されている。ハンドル7の右方には、上から下に向かって順に、カード入力部9及び赤外線ポート10が配置されている。この、カード入力部9は、カードによるプレーヤの認証を行う際に使用するものであり、また、赤外線ポート10は、赤外線通信によりプレーヤを認証する場合に用いることができる。筐体2の下方には、ペダル6が配置されている。ペダル6は、右から左に向かって順番に、アクセルペダル6B及びブレーキペダル6Aが配置されている。なお、ここでは、カード型の専用媒体を用いるように、ゲーム装置1がカード入力部9を有する記載となっているが、これに限られない。プレーヤを特定できるための媒体であればカード型に限らず、キー型の媒体であってもよい。
【0024】
筐体2の画面3に対面するように、座部8が配置されている。座部8は、プレーヤがプレーを行う際に座るためのものであり、車の運転席をイメージしている。このゲーム装置1は、例えば、ゲームセンタの所定の場所に設置される。そして、プレーヤは、このゲーム装置1を用いることにより、カーレース等の運転シミュレーションに関するゲームを行うことができる。
【0025】
[ゲーム装置の機能ブロック図]
図2は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の機能を示す機能ブロック図である。ゲーム装置1の制御を行う、ゲーム装置1内のCPU20には、主な構成として、操作入力受付手段21、算出手段22、出力制御手段23、判断手段24、認証手段25、更新手段26、及び読出手段28を備えている。また、記憶部として、記憶手段27を備える。
【0026】
主なゲーム装置1の機能として、操作入力受付手段21は、例えば、ハンドル7やペダル6等のプレーヤからの操作入力を受け付ける。また、算出手段22は、プレーヤからの操作入力を受けた際のプレーデータを用いて、アドバイス・データの出力タイミングを算出し、出力制御手段23は、算出されたタイミングでアドバイス・データを出力する。
出力制御手段23は、さらに表示手段33、及び副次的出力手段34を有している。表示手段33は、画面3に画像データを表示する。また、副次的出力手段34は、例えば、スピーカ5による音声出力、電飾4による発光、並びにハンドル7及び座部8による振動等の副次的な出力を行う。
【0027】
判断手段24は、アドバイス・データを出力したタイミングごとのプレーヤによるプレーの結果が成功か否かを判断する。また、認証手段25は、プレーを行うプレーヤを認証する。認証により、プレーヤを特定でき、過去のプレーヤのプレーの履歴であるプレーデータを用いた各種の処理を行うことができる。更新手段26は、算出手段22により算出されたタイミングに基づき、記憶手段27に記憶されたタイミング・データを更新する。また、読出手段28は、記憶手段27からプレーデータを読み出す。算出手段22は、読出手段28により読み出されたプレーデータを用いて、アドバイス・データの出力タイミングを算出する。そして、算出されたタイミングは、更新手段26により、記憶手段27に更新される。
【0028】
[サーバの機能ブロック図]
図3は、本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバ40の機能を示す機能ブロック図である。
サーバ40は、専用線やインターネット回線等のネットワーク15を介して複数のゲーム装置1と接続されている。サーバ40は、複数のゲーム装置1との間でデータの送受信を行う。
【0029】
サーバ40は、受信部41、記憶部42、算出部43、更新部44、送信部45、及び認証部46を有する。サーバ40は、まず、プレーヤのゲーム装置1から受信部41が受信した認証データに基づき、認証部46により認証を行う。また、認証されたプレーヤから送信され、受信部41により受信したデータは、記憶部42に記憶する。記憶部42に記憶したデータに基づき、又は受信したデータに基づき、算出部43がタイミングを算出し、更新部44にて記憶部42のデータを更新する。更新し記憶されたデータは、送信部45により、プレーヤのゲーム装置1に送信される。
【0030】
[画面表示例]
図4は、本発明の好適な実施形態の一例に係る画面表示例を示す図である。この図4の画面表示例では、カーレースのゲームに代表される車の運転に関するゲームでの、アドバイス・データを出力するタイミングを表す。
【0031】
まず、図4の(a)では、画面3に車50と、車50が走るコース51とを含む画像が表示されており、その画像の上に「減速せよ!」とのアドバイス文字52が表示されている。この、「減速せよ!」とのアドバイス文字52を見たプレーヤは、ブレーキペダル6A(図1)を踏み込むことにより、車の減速の操作を行うことができる。そして、その後のコース51の右カーブを曲がることができる。
【0032】
図4の(b)は、図4の(a)と同様に、車50と、コース51とを含む画像が表示されており、その画像上に「減速せよ!」とのアドバイス文字52が表示されている。しかし、図4の(a)と比較して、コース51の右カーブまでの距離が長くなっているため、右にカーブしているコース51が細く表示されている。これは、図4の(a)より早い段階で、アドバイス文字52を出力していることを示している。ブレーキペダル6Aの操作が遅いと、右カーブをコース51内で曲がることができない。そのため、より早めにブレーキをかけさせることにより、コース51を外れることなくゲームをすることができるように、早めにアドバイスを表示している。
【0033】
図4の(c)は、図4の(a)及び(b)と同様に、車50と、コース51とを含む画像が表示されており、その画像の上に「減速せよ!」とのアドバイス文字52が表示されている。しかし、図4の(a)及び(b)と比較して、コース51の右カーブまでの距離が短くなっているため、右にカーブしているコース51が太く表示されている。これは、図4の(a)及び(b)よりも遅い段階で、アドバイス文字52を出力していることを示している。ブレーキペダル6Aの操作が早い場合には、早く減速してしまい、タイムレースであるカーレースのゲームにおいて時間がかかる結果となってしまう。そのため、アドバイス文字52を出力してから早い段階でアドバイス文字52に則った操作を行うことができるプレーヤに対しては、遅い段階でアドバイス文字52を表示することにより、適切なタイミングでアドバイス文字52に則った操作を行うことができる。
【0034】
[出力例]
図5は、本発明の好適な実施形態の一例に係るアドバイス・データの出力方法についての例を示す図である。この図5の例では、特にカーレースのゲームに代表される車の運転に関するゲームにおいての出力方法を表したものである。
【0035】
この図5に示す例では、ゲーム装置1の画面3に、「減速せよ!」とのアドバイス文字52が表示されると共に、スピーカ5から「減速せよ!」との音声データが出力されている。また、電飾4が点滅しており、さらに、プレーヤが操作するハンドル7及びプレーヤが座っている座部8が振動している。このように、画面3上に、画像データとしてアドバイス文字52が出力されるだけでなく、音声、光、及び振動によっても、アドバイス・データが出力されたことを、プレーヤに知らせるようになっている。
【0036】
[実施例1]
図6乃至図9を用いて、本発明の好適な実施形態の一例に係る出力タイミング及び出力内容の前提となるデータについての例を示す。
まず、図6は、カーレースのゲームに代表される車の運転に関するゲームでの、アドバイス・データを出力する位置を含むコース・レイアウト図である。ここでは、地点Sからゲームを開始し、矢印の方向に進むゲームであることを表している。また、地点A、B、及びDは、標準的にアドバイス文字52を出力する場所を示し、範囲Cは、カーブを示している。
【0037】
図7は、アドバイス・テーブル60の例を示したものである。アドバイス・テーブル60は、ゲーム装置1の記憶手段27に格納されているものであり、アドバイス・データであるアドバイス内容64と、タイミング・データである出力タイミングのデータである位置61及び補正範囲62とが関連付けて記憶されている。なお、サーバ40の記憶部42にも格納することができる。
図7のアドバイス・テーブル60では、位置61、補正範囲62、条件63、及びアドバイス内容64の各項目が格納されている。
【0038】
位置61には、アドバイスの内容と関連する位置のデータが格納されている。次に、補正範囲62には、位置61からアドバイス文字52を出力するまでの補正範囲が格納されている。この位置61に基づき、補正範囲62を考慮したタイミングが、アドバイス・データを出力するタイミングに相当する。次に、条件63には、アドバイス・データを出力する際のプレーの状況に応じて、出力するアドバイス内容64を変化させる場合の条件のデータが格納されている。最後に、アドバイス内容64には、アドバイス文字52として画面3(図1参照)に表示し、又はスピーカ5(図1参照)から出力するアドバイスの内容が格納されている。なお、アドバイス文字52は、文字であることはもちろんのこと、図形等も含む概念である。
【0039】
例えば、位置61が図6に示す「A」である場合に、図7によれば、条件63により4種類のアドバイス内容64が存在する。そのうち、上から4番目のレコードは、条件63がない場合、すなわち、条件を考慮しない場合を示す。最上段のレコードは、補正範囲62が「±0s」の場合、すなわち位置「A」のタイミングで出力する場合であり、アドバイス・データを出力する際の条件63として「60km/h〜100km/h」である場合に、「減速せよ!」とのアドバイス内容64のデータを、アドバイス文字52として画面3(図1参照)に出力することを示す。2番目のレコードは、同様に、条件63として「60km/h未満」である場合に、「少し減速せよ!」とのアドバイス内容64のデータを、アドバイス文字52として出力することを示す。
なお、本実施例では、補正範囲62には、位置61からの時間を格納しているが、これに限られない。例えば、位置61からの距離を格納するものとしてもよい。
また、本実施例では、条件63によりアドバイス内容64を変えるものとして説明したが、例えば、条件63を考慮しない場合には、条件63に条件が入力されていない上から4番目のレコードを用いることにより実現してもよい。
【0040】
図8は、プレー結果判定テーブル70の例を示したものである。プレー結果判定テーブル70は、ゲーム装置1の記憶手段27に格納されているものであり、アドバイス内容を表示する基準となる位置71に対して許容する条件である許容条件72が関連付けて記憶されている。なお、サーバ40の記憶部42にも格納することができる。
図8のプレー結果判定テーブル70では、位置71、及び許容条件72の項目が格納されている。
【0041】
位置71には、アドバイスの内容と関連する位置のデータが格納されている。そして、許容条件72には、位置71に示すアドバイスの内容に対応したプレーヤからの入力の条件や、プレーヤの入力によるプレー結果に関して、許容する条件が格納されている。許容とは、結果として成功という判断をすることを示す。
【0042】
例えば、位置71が「A」である場合に、許容条件72として2種類の許容可能な条件が格納されている。最上段のレコードは、位置が「A」の許容条件72として、「結果」が「Cのカーブを曲がることができ」た場合を、許容する条件としていることを示す。2番目のレコードは、同様に、許容条件72として、プレーヤの操作「タイミング」として、位置71(補正範囲を考慮する)によりアドバイス・データの出力前後「0.5S以内にブレーキペダル6Aを踏」む操作を行った場合を、許容する条件としていることを示す。なお、この例に示すように、1つの位置71に複数の許容条件72が存在する場合には、複数の許容条件72の全てを満たして、初めて許容の条件をクリアしたとしてもよいし、いずれか1つでもクリアできれば、許容の条件をクリアしたとしてもよい。
【0043】
図9は、プレー履歴テーブル80の例を示したものである。プレー履歴テーブル80は、記憶手段27に格納されているものであり、アドバイス・データの出力タイミングごとにプレーデータが記憶されている。なお、サーバ40の記憶部42にも格納することができる。
図9のプレー履歴テーブル80では、ユーザID81、プレー回数82、プレー日時83、位置84、操作タイミング85、及びプレー結果86の各項目が格納されている。
【0044】
ユーザID81には、プレーヤを一意に示すコードが格納されている。次に、プレー回数82には、プレーヤのプレーを行った累積回数を示し、1からの連番が格納されている。次に、プレー日時83には、プレーを行った日時が格納されている。次に、位置84には、アドバイスの内容と関連する位置データが格納されている。次に操作タイミング85には、位置84に基づき、補正範囲を考慮してアドバイス・データを出力した場合に、アドバイス・データに対応したプレーヤによる操作入力されたタイミングが格納されている。最後に、プレー結果86は、操作タイミング85に格納したタイミングで操作を行った場合のプレー結果が格納されている。
【0045】
例えば、最上段のレコードは、ユーザID81が「1030501」のプレーヤが行った最初のプレーの履歴であるため、プレー回数82には「1」が格納されている。その初回プレーを行ったプレー日時83が「2007.2.15 16:40」であり、位置84が「A」のアドバイス・データが出力されてから、プレーヤが操作するまでの操作タイミング85が「+0.6s」であることが示されている。そして、その時のプレー結果86が「NG」であることを示している。
【0046】
図10は、算出結果テーブル90の例を示したものである。算出結果テーブル90は、記憶手段27に格納されているものであり、プレーヤを一意に表すユーザIDごと、かつ、アドバイス内容に関連した位置ごとに、アドバイス内容を出力する補正範囲が記憶されている。なお、サーバ40の記憶部42にも格納することができる。
図10の算出結果テーブル90では、ユーザID91、位置92、及び補正範囲93の各項目が格納されている。
【0047】
ユーザID91には、プレーヤを一意に示す番号が格納されている。次に、位置92には、アドバイス・データを出力する標準的な位置のデータが格納されている。最後に、補正範囲93には、位置92に対応した出力を行うタイミングである補正の範囲が格納されている。
【0048】
例えば、最上段のレコードは、ユーザID91が「1030501」のプレーヤのものであり、位置92が「A」の場合に、アドバイス・データを出力するタイミングは、「−0.1s」の補正範囲93であることを示す。よって、ユーザID91が「1030501」のプレーヤには、標準的には「A」の位置にプレーが到達した場合に出力されるアドバイス・データを、0.1秒早く出力することを示している。
【0049】
なお、この図7から図10に示すテーブルの保有項目は、あくまでも例示したものにすぎない。よって他テーブルの保有方法であっても、後述する図11から図15に示す処理を行うことができるものであればよい。
【0050】
[ゲーム装置の処理フロー]
図11及び図12は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の処理を示すフローチャートである。ここで、プレーヤがゲーム装置1にコイン等を入力することにより、例えば、画面3(図1参照)に表示されたデモンストレーションの画像が終了され、プレーを開始可能な状態となっている。
【0051】
まず、ステップS101では、CPU20(認証手段25)は、プレーヤを認証する。具体的には、専用カードをカード入力部(図1参照)により読み込ませることにより、プレーヤの情報をゲーム装置1に入力させ、プレーヤを特定してもよいし、専用キーを用いてもよい。また、例えば携帯電話機や携帯情報端末にプレーヤを特定する情報を予め記憶しておき、赤外線ポート(図1参照)を介して赤外線通信を行うことにより、プレーヤの情報をゲーム装置1に入力させ、プレーヤを特定してもよい。さらに、パスワードをプレーヤが入力することにより認証を行ってもよい。その他、既存の様々な認証手段を用いて認証を行うことができる。その後、CPU20は、処理をステップS102に移す。
【0052】
ステップS102では、CPU20は、プレーヤの過去のプレーデータが存在するか否かを判断する。具体的には、記憶手段27にプレーヤの過去のプレーデータとして、例えば図9に示すプレー履歴テーブル80が存在するか否かにより判断する。過去のプレーデータが存在する場合(ステップS102の処理でYESが判断される場合)には、CPU20は、処理をステップS104に移す。他方、過去のプレーデータが存在しない場合(ステップS102の処理でNOが判断される場合)には、CPU20は、処理をステップS103に移す。
【0053】
ステップS103では、プレーヤの過去のプレーデータが存在しないため、CPU20は、標準のアドバイス・データを読み出す。その後、CPU20は、処理をステップS106に移す。
【0054】
他方、ステップS104では、プレーヤの過去のプレーデータが存在するため、CPU20(読出手段28)は、認証されたプレーヤの過去のプレーデータを、記憶手段27から抽出する。具体的には、例えば、プレー履歴テーブル80から該当のプレーヤのユーザIDのデータを抽出する。その後、CPU20は、処理をステップS105に移す。
【0055】
ステップS105では、CPU20(算出手段22)は、抽出したプレーデータから、タイミングを算出する。具体的には、プレー履歴テーブル80から算出結果テーブル90を作成し、アドバイス・テーブル60を参照して、該当のプレーヤのタイミングを算出する。既に算出結果テーブル90にレコードが存在する場合には、CPU20(更新手段26)は、レコードを更新する。その後、CPU20は、処理をステップS106に移す。
【0056】
ステップS106では、CPU20は、ゲームプログラムを実行することにより、ゲームのプレーを開始させる。具体的には、画面3(図1参照)に、車50を映し出し、背景の景色の映像により、いかにも車50が走行しているかのような画像をプレーに応じて表示する。その後、CPU20は、処理をステップS107に移す。
【0057】
ステップS107では、CPU20は、アドバイスを出すタイミングか否かを判断する。具体的には、標準のアドバイス・データ、又は作成されたアドバイス・データに基づき、アドバイス・データを出力するタイミングか否かを判断する。アドバイスを出すタイミングである場合(ステップS107でYESと判断される場合)には、CPU20は、処理をステップS108に移す。他方、アドバイスを出すタイミングではない場合(ステップS107でNOが判断される場合)には、CPU20は、引続きステップS107に留まり、アドバイスを出すタイミングとなるのを待つ。
【0058】
ステップS108では、CPU20(出力制御手段23)は、後述の図13で説明するアドバイス・データ出力処理を行う。その後、CPU20は、処理を図12のステップS109に移す。
【0059】
図12のステップS109では、CPU20(操作入力受付手段21)は、プレーヤの操作入力を受け付ける。その後、CPU20は、処理をステップS110に移す。
【0060】
ステップS110では、CPU20(判断手段24)は、プレーヤの操作は許容されるものか否かを判断する。具体的には、記憶手段27に記憶されたプレー結果判定テーブル70の、許容条件72に該当するか否かにより判断する。プレーヤの操作が許容されるものであると判断される場合(ステップS110の処理でYESが判断される場合)には、CPU20は、処理をステップS113に移す。他方、プレーヤの操作が許容されるものではないと判断される場合(ステップS110の処理でNOが判断される場合)には、CPU20は、処理をステップS111に移す。
【0061】
ステップS111では、CPU20(算出手段22)は、次にアドバイスを出すタイミングを算出する。具体的には、例えば、アドバイス・データの出力と、アドバイス・データに対応したプレーヤの操作入力を受け付けた時間と、に基づき、タイミングを算出する。その後、CPU20は、処理をステップS112に移す。
【0062】
ステップS112では、CPU20(更新手段26)は、算出したタイミングのデータに基づき、記憶手段27に記憶されたタイミング・データを更新する。その後、CPU20は、処理をステップS113に移す。
【0063】
ステップS113では、CPU20(記憶手段27)は、アドバイス後の操作のデータを記憶する。具体的には、プレー履歴テーブル80のレコードを作成する。その後、CPU20は、処理をステップS114に移す。
【0064】
ステップS114では、CPU20は、ゲームが終了したか否かを判断する。ゲームが終了した場合(ステップS114の処理でYESが判断される場合)には、CPU20は、本処理を終了する。他方、ゲームが終了していない場合(ステップS114の処理でNOが判断される場合)には、CPU20は、図11のステップS107に戻り、引続き処理を行う。
【0065】
以上のように、アドバイス・データの出力と、アドバイス・データに対応したプレーヤの操作入力を受け付けた時間と、により、プレーヤに適切なアドバイス・データを出力するタイミングを算出し、プレーヤに還元することができる。
【0066】
なお、本実施例では、プレーヤが操作入力を行った結果、プレーヤの操作が許容されるものではない場合にアドバイス・データを出力するタイミングを算出している。しかし、これに限られず、例えば、プレーヤが操作入力を行う都度タイミングの算出を行う構成としてもよいし、プレーヤがプレーを所定の回数行ったことを条件としてもよい。1回タイミングをかなりずらしてしまった場合があっても、残りの回数は適度なタイミング操作入力をした場合には、算出したタイミング・データは、あまりずれたものにならずに済む。よって、より精緻なタイミングで、アドバイス・データを出力することができる。
【0067】
また、算出する方法として、プレーヤがプレーを行った場合の、出力タイミングから操作入力までの平均時間を算出し、算出した平均時間により、アドバイス・データを出力するタイミングを算出してもよい。このようにすれば、大きくずれるタイミングで反応したことがあったとしても、他のタイミングは大きくずれることがなければ、平均値を用いることにより、結果としてぶれが少ない結果が算出され、1回のミスでアドバイスの出力タイミングが大きくずれることなく、アドバイス・データを出力することができる。
【0068】
また、本実施例では、プレーヤの過去のプレーデータからタイミング・データを作成しているが、例えば、プレーヤの過去のプレーデータのうち直近の所定回数分のプレーデータを用いてタイミング・データを作成してもよい。例えば、徐々にタイミングを合わせることができれば、タイミングもそれに応じたものとなる。よって、直近のプレーに対するタイミングでアドバイス・データを出力することができる。
【0069】
図13は、図11により呼び出されるアドバイス・データ出力処理を示すフローチャートである。まず、ステップS121では、CPU20は、プレーの状況を把握する。具体的には、カーレースのプレーにおける車の速度等を示す。その後、CPU20は、処理をステップS122に移す。
【0070】
ステップS122では、CPU20(出力制御手段23)は、プレーの状況に応じて、条件に合致したアドバイス・データを抽出する。具体的には、CPU20は、図7に示すアドバイス・テーブル60のうちのどの条件に該当するかを判断した上で、該当の条件に対応するアドバイス・データを抽出する。その後、CPU20は、処理をステップS123に移す。
【0071】
ステップS123では、CPU20(表示手段33)は、アドバイス・データを画像表示する。具体的には、画面3(図1参照)に、画像としてアドバイス・データを表示する。その後、CPU20は、処理をステップS124に移す。
【0072】
ステップS124では、CPU20は、副次的処理を行うか否かを判断する。副次的処理を行うか否かは、出力タイミングやアドバイスの内容により、予め記憶手段27に記憶させておいてもよいし、CPU20が、乱数を発生させることによりランダムに決定してもよい。副次的処理を行う場合(ステップS124の処理でYESが判断される場合)には、CPU20は、処理をステップS125に移す。他方、副次的処理を行わない場合(ステップS124の処理でNOが判断される場合)には、CPU20は、本処理を終了する。
【0073】
ステップS125では、CPU20(副次的出力手段34)は、各種の副次的処理の出力を行う。具体的には、例えば、図5に示すように、音声手段としてスピーカ5からアドバイス内容を音声により出力する。また、発光手段として電飾4を発光出力してもよい。さらに、振動手段により、プレーヤの操作入力手段であるハンドル7や座部8を振動出力してもよい。その後、CPU20は、本処理を終了する。
【0074】
[サーバ40のデータ配布の処理フロー]
図14は、本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバ40のアドバイス・データ配布処理を示すフローチャートである。まず、ステップS201では、サーバ40の制御部(受信部41)は、ゲーム装置1からプレーデータを受信する。その後、制御部は、処理をステップS202に移す。
【0075】
ステップS202では、制御部(記憶部42)は、受信したプレーデータを記憶する。具体的には、図9のプレー履歴テーブル80に示すようなプレーデータのテーブルに、受信したプレーデータを格納する。その後、制御部は、処理をステップS203に移す。
ステップS203では、制御部(算出部43)は、タイミング・データを算出する。具体的には、図9のプレー履歴テーブル80に示すようなプレーデータのテーブルに格納された全プレーヤのプレーデータを用いて、アドバイス・データを出力するタイミングを算出する。その後、制御部は、処理をステップS204に移す。
【0076】
ステップS204では、制御部(更新部44)は、標準のタイミング・データを、算出されたタイミング・データに更新する。その後、制御部は、処理をステップS205に移す。
ステップS205では、制御部(送信部45)は、更新したタイミング・データを、ゲーム装置1に送信する。その後、制御部は、本処理を終了する。
【0077】
本処理により、ゲーム装置1を設置する際に、標準的に記憶したタイミング・データを、実際にプレーをしたプレーヤのプレーデータに基づき算出されたタイミング・データに更新することができる。よって、実際のプレーデータを用いて算出されたタイミング・データにより、万人のプレーヤにプレーを行いやすいタイミングで、アドバイス・データを出力することができる。
【0078】
[サーバ40の認証の処理フロー]
図15は、本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバ40の認証処理を示すフローチャートである。まず、ステップS211では、サーバ40の制御部(受信部41)は、ゲーム装置1から認証データを受信する。その後、制御部は、処理をステップS212に移す。
【0079】
ステップS212では、制御部(認証部46)は、認証データに基づきプレーヤを認証する。その後、制御部は、処理をステップS213に移す。
ステップS213では、制御部(認証部46)は、認証が成功したか否かを判断する。認証が成功した場合(ステップS213の処理でYESが判断される場合)には、制御部は、処理をステップS214に移す。他方、認証が成功しなかった場合(ステップS213の処理でNOが判断される場合)には、制御部は、本処理を終了する。なお、認証が成功しなかった場合とは、プレーヤが初めてゲームを行う場合等、プレーヤの情報がサーバ40に登録されていない場合を示す。
【0080】
ステップS214では、制御部(送信部45)は、記憶部42に記憶した該当のプレーヤのプレーデータを、該当のゲーム装置1に送信する。その後、制御部は、処理をステップS215に移す。
ステップS215では、制御部は、ゲームが終了されたか否かを判断する。具体的には、ゲーム装置1から受信したデータにより判断する。ゲームが終了された場合(ステップS215の処理でYESが判断される場合)には、制御部は、処理をステップS216に移す。他方、ゲームが終了されていない場合(ステップS215の処理でNOが判断される場合)には、引続きステップS215に留まり、ゲームが終了されるのを待つ。
ステップS216では、制御部(受信部41、記憶部42)は、ゲーム装置1に記憶されたプレーデータを受信し、記憶部42に記憶する。その後、制御部は、本処理を終了する。
【0081】
本処理により、サーバ40が、プレーヤごとのプレーデータを記憶することができる。また、ゲーム装置1のプレーヤを認証することができるので、どのゲーム装置1を用いても、過去のプレーデータに基づいてゲーム装置1でタイミングを算出でき、算出されたタイミングで、アドバイス・データを出力することができる。
【0082】
[実施例2]
図16は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1で実施できる他のゲームについての表示例を示す。図16には、電車の運転席から見た画像が、画面3に表示されており、「ブレーキ5」とのアドバイス文字52が表示されている。これを見たプレーヤは、「ブレーキ5」の強さのブレーキの入力を行うことにより、停止位置で電車を停止させることが可能な運転のゲームを行うことができる。
このように、本発明によれば、運転シミュレーション・ゲームのような、アドバイスに則って行うゲームに、本発明の効果を発揮することができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【0084】
本実施例では、アドバイス・データを出力するタイミングを算出する処理を、ゲーム装置の処理として記載したが、サーバにより行ってもよい。その場合、ゲーム装置からサーバに必要なデータを送受信することにより、実現することができる。
【0085】
本実施例では、運転シミュレーションに関するゲームについて記載したが、楽器や歌等の支援システムに用いたり、バッティングマシーン等の各種スポーツの支援システム等に用いてもよい。具体的には、例えば、カラオケ等での歌詞の出力タイミングに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置の外観を示す外観図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバの機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係る画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係る出力方法についての例を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係るコース・レイアウトである。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係るアドバイス・テーブルの例である。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係るプレー結果判定テーブルの例である。
【図9】本発明の好適な実施形態の一例に係るプレー履歴テーブルの例である。
【図10】本発明の好適な実施形態の一例に係る算出結果テーブルの例である。
【図11】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置のアドバイス・データ出力処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバのアドバイス・データ配布処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバの認証処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置で実施できる他のゲームについての表示例である。
【符号の説明】
【0087】
1 ゲーム装置
3 画面
4 電飾
5 スピーカ
7 ハンドル
8 座部
9 カード入力部
10 赤外線ポート
15 ネットワーク
20 CPU
21 操作入力受付手段
22 算出手段
23 出力制御手段
24 判断手段
25 認証手段
26 更新手段
27 記憶手段
28 読出手段
33 表示手段
34 副次的出力手段
40 サーバ
41 受信部
42 記憶部
43 算出部
44 更新部
45 送信部
46 認証部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの操作入力を補助するデータであるアドバイス・データを、前記プレーヤによるプレーの状況に応じて出力するゲーム装置であって、
前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶する記憶手段と、
記憶された前記タイミング・データに基づき、前記プレーヤが識別可能に前記アドバイス・データを出力する出力制御手段と、
出力された前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、
前記タイミング・データと、前記プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータと、から前記タイミングを算出する算出手段と、
算出した前記タイミングに基づき、記憶された前記タイミング・データを更新する更新手段と、を備えるゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記記憶手段には、前記タイミング・データに関連付けて複数の前記アドバイス・データが記憶されており、
前記出力制御手段は、前記プレーデータに応じて、前記アドバイス・データを、記憶した前記複数のアドバイス・データから選択して出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記算出手段は、前記アドバイス・データの出力と、前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力と、の間の時間に基づいて算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記記憶手段は、前記プレーデータを記憶し、
記憶された前記プレーデータを読み出す読出手段を備え、
前記算出手段は、記憶された前記タイミング・データと、読み出した前記プレーデータと、から前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記プレーヤを認証する認証手段を備え、
前記記憶手段には、前記タイミング・データが、認証された前記プレーヤごとに記憶されており、
前記算出手段は、前記プレーヤごとに前記タイミング・データに基づいて前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置において、
前記プレーヤごとの前記アドバイス・データを前記タイミング・データと関連付けて記憶したサーバに、ネットワークを介して接続されており、
前記出力制御手段は、認証された前記プレーヤの前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データと共に前記サーバからダウンロードした前記タイミング・データに基づき出力することを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のゲーム装置において、
前記認証手段は、前記プレーヤを認識可能な前記プレーの専用媒体を読み込ませることにより前記プレーヤを認証することを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作入力に応じたプレーの結果が成功か否かを判断する判断手段を備え、
前記算出手段は、判断された結果が否であることに応じて、前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記算出手段は、前記プレーを所定の回数行ったことに応じて、前記タイミングを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記出力制御手段は、前記アドバイス・データを、映像を出力する表示手段に画像データとして表示させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
請求項10に記載のゲーム装置において、
前記出力制御手段は、前記アドバイス・データを、副次的な出力を行う副次的出力手段に出力させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記プレーは、運転シミュレーションに関するものであることを特徴とするゲーム装置。
【請求項13】
プレーヤの操作入力を補助するデータであるアドバイス・データを、前記プレーヤによるプレーの状況に応じて出力するゲーム装置の制御方法であって、
ゲーム装置において、
前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶するステップと、
記憶された前記タイミング・データに基づき、前記プレーヤが識別可能に前記アドバイス・データを出力するステップと、
出力された前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力を受け付けるステップと、
前記タイミング・データと、前記プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータと、から前記タイミングを算出するステップと、
算出した前記タイミングに基づき、記憶された前記タイミング・データを更新するステップと、を含むゲーム装置の制御方法。
【請求項14】
プレーヤの操作入力を補助するデータであるアドバイス・データを前記プレーヤによるプレーの状況に応じて出力するゲーム装置と、ネットワークを介して接続されるサーバであって、
前記アドバイス・データを、前記アドバイス・データを出力するタイミングを示すタイミング・データと関連付けて記憶する記憶部と、
前記ゲーム装置により出力された前記アドバイス・データに対応する前記プレーヤの操作入力を受け付けた際のプレーの状況を示すプレーデータを、前記アドバイス・データと関連付けられた前記タイミング・データと共に前記ゲーム装置から受信する受信部と、
受信した前記プレーデータと、受信した前記タイミング・データとから前記タイミングを算出する算出部と、
算出した前記タイミングに基づき、前記記憶部に記憶された前記タイミング・データを更新する更新部と、
更新した前記タイミング・データを、前記タイミング・データと関連付けられた前記アドバイス・データと共に前記ゲーム装置に送信する送信部と、を備えるサーバ。
【請求項15】
請求項14に記載のサーバにおいて、
前記受信部により前記ゲーム装置から受信した認証データに基づき、前記プレーヤを認証する認証部を備え、
前記記憶部には、前記タイミング・データが、前記プレーヤごとに記憶されており、
前記送信部は、認証された前記プレーヤの前記タイミング・データを、前記タイミング・データと関連付けられた前記アドバイス・データと共に送信することを特徴とするサーバ。
【請求項16】
請求項15に記載のサーバにおいて、
前記算出部は、前記プレーヤごとに受信した前記タイミング・データに基づいて前記タイミングを算出することを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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