ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム
【課題】第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】操作対象制御部76は、複数の動作の各々に操作信号条件を対応づけてなる動作制御情報に基づき、第1ゲームキャラクタに操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる。判定部72は、第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する。動作制御情報変化部74は、判定部72による判定結果に基づいて動作制御情報を変化させる。特に動作制御情報変化部74は、上記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる。
【解決手段】操作対象制御部76は、複数の動作の各々に操作信号条件を対応づけてなる動作制御情報に基づき、第1ゲームキャラクタに操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる。判定部72は、第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する。動作制御情報変化部74は、判定部72による判定結果に基づいて動作制御情報を変化させる。特に動作制御情報変化部74は、上記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作に従って動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置が知られている。例えば、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手キャラクタと、対戦相手チームに属する11体の選手キャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示し、操作対象チームと対戦相手チームとの間のサッカーゲームを提供するゲーム装置が知られている。
【特許文献1】特開2003−210848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実際のサッカーの試合では、例えば、攻撃側チームのA選手が「プルアウェイ」と呼ばれる動き(行動)、すなわち、該A選手をマークしている守備側チームのB選手の視界から消える動き(より正確には、A選手とボールとをB選手が同一の視界に捉えておけないような位置への移動)を行う場合がある。この場合、B選手はA選手を見失ってしまい、例えばA選手に対してパスが行われたようなときにはA選手に対する対応(守備)が遅れることになる。その結果、B選手はA選手に対する対応を十分に行えなくなり、A選手はパスを受けた後の動作をB選手による妨げを受けることなく行えるようになる。上記のような動きをA選手が行い、その結果としてB選手がA選手を見失い、A選手に対する対応を十分に行えなくなる様子を上記ゲーム装置でも好適に演出できるようになると、ユーザに対して新たな面白みを与えることが可能になる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置において、前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段と、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置の制御方法において、前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせるための動作制御ステップと、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定するための判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させるためのステップであって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させるための動作制御情報変化ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置として、例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段、及び、前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置に関するものである。本発明では、操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を上記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、第1ゲームキャラクタに操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる。また本発明では、第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かが判定される。そして、その判定結果に基づいて、第1ゲームキャラクタの動作制御の基礎とされる上記動作制御情報が変化される。特に本発明では、複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件が変化される。なお、「ゲーム空間」には、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間や、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間が含まれる。本発明によれば、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの第1動作に対応づけられる操作信号条件と、前記複数の動作のうちの前記第1動作とは異なる第2動作に対応づけられる操作信号条件と、を入れ替えるようにしてもよい。
【0011】
この態様では、前記第1動作は前記ゲーム空間の第1方向への移動動作であり、前記第2動作は前記ゲーム空間の前記第1方向の逆方向である第2方向への移動動作であってもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を、前記操作手段に含まれる第1操作部材に関する条件から、前記操作手段に含まれる前記第1操作部材とは異なる第2操作部材に関する条件に変化させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0015】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0016】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0017】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0018】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0019】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0020】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0021】
DVD−ROM再生部24はマイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0022】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0023】
コントローラ32は、ユーザが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0024】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図(a)はコントローラ32の斜視図である。同図(b)はコントローラ32の平面図である。同図(c)はコントローラ32の背面図である。コントローラ32は、コントローラケーブル43によって家庭用ゲーム機11に接続される。コントローラ32の表面32aの左側には、方向ボタン群34及び左操作スティック36が設けられている。方向ボタン群34には、上方向ボタン34U、下方向ボタン34D、左方向ボタン34L、右方向ボタン34Rが含まれる。コントローラ32の表面32aの右側には、ボタン38X,38Y,38A,38B及び右操作スティック37が設けられている。また、コントローラ32の背面側側面には、表面32a側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ設けられており、底面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ設けられている。
【0025】
方向ボタン群34は一般的にゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは各種ゲーム操作に用いられる。左操作スティック36及び右操作スティック37はコントローラ32の表面32aに直立したスティック状の操作部材であり、この直立状態から全方位に所定角度だけ傾倒自在となっている。左操作スティック36及び右操作スティック37も例えばゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。
【0026】
上記ゲーム装置10では、例えばDVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムが実行されることによって、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる対戦サッカーゲームが実現される。
【0027】
ゲーム装置10の主記憶26にはゲーム空間(仮想的な3次元空間)が構築される。図3はこのゲーム空間の一例を示す図である。同図に示すように、ゲーム空間50にはサッカー球技場を表すフィールドオブジェクト52と、ゴールを表すゴールオブジェクト54と、が配置され、サッカーの試合の舞台となるフィールドが形成される。フィールドオブジェクト52はWX−WZ平面に平行に配置される。フィールドオブジェクト52上には、サッカー選手を表す選手オブジェクト56と、サッカーボールを表すボールオブジェクト58と、が配置される。同図では1体の選手オブジェクト56のみが表されているが、フィールドオブジェクト52上には、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手オブジェクト56と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト56と、が配置される。
【0028】
2つのゴールオブジェクト54の一方は操作対象チームに関連づけられ、他方は対戦相手チームに関連づけられる。一方のチームに関連づけられたゴールオブジェクト54内にボールオブジェクト58が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0029】
操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのいずれかがユーザの操作対象となる。ユーザの操作対象はボールオブジェクト58の移動やユーザの切替操作に応じて、ユーザの操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちで切り替えられる。
【0030】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56は、ユーザの操作内容(コントローラ32に対する操作内容)に応じて各種動作を行う。ユーザの操作対象の選手オブジェクト56に対する動作制御は、DVD−ROM25から読み出される動作制御テーブル(ユーザの操作内容と、選手オブジェクト56の動作内容と、を対応づけてなるテーブル:図4参照)に基づいて行われる。
【0031】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56(操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56、及び、対戦相手チームに属する選手オブジェクト56)はコンピュータによる操作に従って動作する。各選手オブジェクト56には4つのポジション種類「フォワード(FW)」、「ミッドフィルダー(MF)」、「ディフェンダー(DF)」、「ゴールキーパー(GK)」のいずれかが対応づけられており、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56は、その選手オブジェクト56に対応づけられたポジション種類に従って動作することになる。
【0032】
選手オブジェクト56とボールオブジェクト58との間の距離が所定距離(ボール保持判定基準距離)以内になると、所定条件下、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられる。この状態では、ボールオブジェクト58が選手オブジェクト56に従動する。この様子は、選手オブジェクト56のドリブル動作として表される。操作対象の選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられている状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象の選手オブジェクト56にボールオブジェクト58を蹴らせることができる。すなわち、操作対象の選手オブジェクト56にパス動作やシュート動作等を行わせることができる。また、操作対象の選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられていない状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象の選手オブジェクト56にスライディングタックル動作等を行わせることができる。なお以下では、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられた状態を「選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態」というように記載する。
【0033】
ゲーム空間50には例えばボールオブジェクト58に従動する仮想カメラが設定される。この仮想カメラから見えるゲーム空間50の様子を表すゲーム画面がモニタ18に表示される。すなわち、ゲーム画面には、仮想カメラの位置(視点位置)及び向き(視線方向)に基づいて特定されるゲーム空間50内の領域の様子が表される(図9及び図11参照)。
【0034】
以下、上記サッカーゲームにおいて、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備等)を十分に行えなくなる様子を好適に演出するための技術について説明する。
【0035】
ゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である場合(すなわち、対戦相手チームの選手オブジェクト56のいずれかがボールオブジェクト58を保持している場合)、所定条件下、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御に用いられる動作制御テーブルにおいて、少なくとも1つの動作に関し、該操作に対応づけられる操作を変化させることによって、上記演出が行われるようになっている。
【0036】
ゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である場合に用いられる動作制御テーブルとして2種類の動作制御テーブルが用意されている。図4は、操作対象チームが守備側である場合に用いられる動作制御テーブルの一例を示している。ここで、図4における「A方向」とは、図5に示すように、ゲーム空間50のWZ軸正方向である。「B方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸正方向からWX軸正方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「C方向」とは、ゲーム空間50のWX軸正方向である。「D方向」とは、ゲーム空間50のWX軸正方向からWZ軸負方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「E方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸負方向である。「F方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸負方向からWX軸負方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「G方向」とは、ゲーム空間50のWX軸負方向である。また「H方向」とは、ゲーム空間50のWX軸負方向からWZ軸正方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。
【0037】
図4(a)に示す動作制御テーブル(以下、動作制御テーブルAと記載する。)と、同図(b)に示す動作制御テーブル(以下、動作制御テーブルBと記載する。)とでは、一部の動作に関して、該動作に対応づけられる操作内容が異なっている。より詳しくは、「A方向への移動動作」に対応する操作内容と、「E方向(A方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。また、「B方向への移動動作」に対応する操作内容と、「F方向(B方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。また、「C方向への移動動作」に対応する操作内容と、「G方向(C方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。また、「D方向への移動動作」に対応する操作内容と、「H方向(D方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。すなわち、動作制御テーブルBでは、動作制御テーブルAに比べて、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた選手オブジェクト56の移動方向が逆方向になっている。
【0038】
なお、動作制御テーブルA及びBは、コントローラ32から入力される操作信号(言い換えれば、コントローラ32から入力される操作信号に関する操作信号条件)と、選手オブジェクト56の動作と、を対応づけてなる情報である。例えば動作制御テーブルAには、ユーザによって上方向ボタン34Uの押下操作が行われると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がゲーム空間50においてA方向への移動動作を行うことが示されているが、これは、コントローラ32から上方向ボタン34Uの押下操作を示す操作信号が入力されると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がゲーム空間50においてA方向への移動動作を行うことを示している。
【0039】
操作対象チームが守備側である場合、原則として、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が動作制御テーブルAに基づいて行われる。ただし、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(第1ゲームキャラクタ)が下記条件1−3を満足する場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が動作制御テーブルBに基づいて行われる。
【0040】
[条件1]ポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]位置が操作対象チームのゴール前領域内である。
[条件3]死角領域内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56(第2ゲームキャラクタ)が位置している。
【0041】
図6はゴール前領域について説明するための図である。同図に示すように、操作対象チームのゴール前領域59はコート55内の領域であって、操作対象チームのゴールオブジェクト54側のゴールライン53から距離が所定距離L以内となる領域である。なお、コート55とはタッチライン51及びゴールライン53に囲まれた領域である。
【0042】
図7は死角領域(判定対象領域)について説明するための図である。同図に示すように、選手オブジェクト56の死角領域64は、その選手オブジェクト56の背面方向62(基準方向60の逆方向)と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、の間の角度が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域である。なお、選手オブジェクト56の基準方向60は、例えば選手オブジェクト56の胴体部の正面方向としてもよいし、選手オブジェクト56の頭部の正面方向(選手オブジェクト56の視線方向)としてもよい。以上のように、死角領域64は選手オブジェクト56の位置に基づく領域であり、選手オブジェクト56に従動する。
【0043】
図8は選手オブジェクト56及びボールオブジェクト58の配置状態(位置及び基準方向60)の一例を示している。同図に示す状態では、選手オブジェクト56b−1によってボールオブジェクト58が保持されている。ここで、選手オブジェクト56a−1,56a−2は操作対象チームに属する選手オブジェクト56であり、選手オブジェクト56a−1がユーザの操作対象である。また、選手オブジェクト56a−1のポジション種類はミッドフィルダーであり、選手オブジェクト56a−2のポジション種類はディフェンダーである。また、選手オブジェクト56a−2は操作対象チームのゴール前領域59内に位置している。選手オブジェクト56b−1,56b−2は対戦相手チームに属する選手オブジェクト56である。また、選手オブジェクト56b−1のポジション種類はミッドフィルダーであり、選手オブジェクト56b−2のポジション種類はフォワードである。さらに、選手オブジェクト56b−2は選手オブジェクト56a−2の死角領域64内に位置している。すなわち、選手オブジェクト56a−1は上記条件1−3を満足しておらず、選手オブジェクト56a−2は上記条件1−3を満足している。
【0044】
図9は図8に示す場面を表すゲーム画面の一例を示している。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(選手オブジェクト56a−1)が上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない場合のゲーム画面の一例を示している。この場合、ユーザがコントローラ32を操作すると、選手オブジェクト56a−1は動作制御テーブルAに従って動作する。例えば、ユーザが上方向ボタン34Uを押下すると、選手オブジェクト56a−1がゲーム空間50のA方向(WZ軸正方向)に移動する様子がゲーム画面に表される。
【0045】
また、この場合のゲーム画面では、選手オブジェクト56a−1(ユーザの操作対象の選手オブジェクト56)の頭上に操作対象選手案内マーク57が表示される。この操作対象選手案内マーク57によって、ユーザは選手オブジェクト56a−1が操作対象であることを一見して把握できる。
【0046】
図10は図8に示す状態において選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2にパスが行われた後の状態を示している。この場合、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの、ボールオブジェクト58との間の距離が最も小さい選手オブジェクト56a−2にユーザの操作対象が切り替えられる。
【0047】
図11は図10に示す場面を表すゲーム画面の一例を示している。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(選手オブジェクト56a−2)が上記条件1−3をすべて満足する場合のゲーム画面の一例を示している。この場合、ユーザがコントローラ32を操作すると、選手オブジェクト56a−2は動作制御テーブルBに従って動作する。例えば、ユーザが上方向ボタン34Uを押下すると、選手オブジェクト56a−2がゲーム空間50のE方向(WZ軸負方向)に移動する様子がゲーム画面に表される。この場合、選手オブジェクト56a−2は、方向ボタン群34に対する操作に応じて通常とは逆の方向に移動するため、ユーザは選手オブジェクト56a−2を所望の方向に移動させるための操作を、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた移動方向が通常とは逆の方向になることを考慮して行わなければならなくなる。例えば、選手オブジェクト56a−2をゲーム空間50のH方向に移動させるために、通常時において選手オブジェクト56a−2をゲーム空間50のD方向(H方向の逆方向)に移動させるための操作、すなわち下方向ボタン34D及び右方向ボタン34Rの押下操作を行わなければならなくなる。その結果、ユーザは選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を選手オブジェクト56a−2を操作して行うことが困難になる。
【0048】
また、この場合のゲーム画面では、選手オブジェクト56a−2(ユーザの操作対象の選手オブジェクト56)の頭上に制限選手案内マーク66が操作対象選手案内マーク57に代えて表示される。この制限選手案内マーク66によって、ユーザは、選手オブジェクト56a−2が操作対象であること、及び、選手オブジェクト56a−2が方向ボタン群34に対する操作に応じて通常とは逆の方向に移動する状態であることを一見して把握できる。なお、制限選手案内マーク66を表示する代わりに、選手オブジェクト56a−2の表示態様を通常とは異ならせるようにしてもよい。例えば選手オブジェクト56a−2を点滅させたり、所定色で表示させたりするようにしてもよい。
【0049】
以上のようにして、選手オブジェクト56b−2が選手オブジェクト56a−2の視界から消える動きを行った場合において、選手オブジェクト56a−2が選手オブジェクト56b−2を見失い、選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を十分に行えなくなる様子が好適に演出される。
【0050】
次に、ゲーム装置10で実現される機能について説明する。図12はゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、記憶部70、判定部72、動作制御情報変化部74、操作対象制御部76、表示制御部78、表示部80を機能的に含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムがゲーム装置10で実行されることによって実現される。
【0051】
[1.記憶部]
記憶部70は主記憶26やDVD−ROM25を主として実現される。記憶部70には例えば選手オブジェクト56やボールオブジェクト58等の各種オブジェクトの形状を示すデータ(各種オブジェクトを構成するポリゴンの各頂点の座標を示すデータ)が記憶される。また例えば、選手オブジェクト56の各種動作時の姿勢変化を示すモーションデータが記憶される。また例えば、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56の能力パラメータ(パス能力パラメータ等)が記憶される。各能力パラメータは0から100までの間の数値によって表され、数値が高いほど、その能力が高いことを示す。
【0052】
記憶部70にはゲーム状況情報記憶部70aが含まれる。ゲーム状況情報記憶部70aはゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。ゲーム状況情報には、例えばゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56、ボールオブジェクト58や仮想カメラの状態を示す情報が含まれる。ここで、「選手オブジェクト56の状態を示す情報」には、例えば選手オブジェクト56のゲーム空間50における位置、姿勢、移動方向、移動速度を示す情報、選手オブジェクト56のポジション種類を示す情報、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しているか否かを示す情報や、選手オブジェクト56がユーザの操作対象であるか否かを示す情報が含まれる。「ボールオブジェクト58の状態を示す情報」には、例えばボールオブジェクト58のゲーム空間50における位置、移動方向及び移動速度を示す情報が含まれる。「仮想カメラの状態を示す情報」には、例えば仮想カメラのゲーム空間50における位置(視点位置)、姿勢(視線方向)及び画角等を示す情報が含まれる。また例えば、ゲーム状況情報には両チームの得点や試合の経過時間等の試合の状況を示す情報が含まれる。
【0053】
なお、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報は後述の操作対象制御部76によって更新される。また、ボールオブジェクト58の状態を示す情報は、例えばユーザの操作対象の選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態でドリブル指示操作、パス指示操作やシュート指示操作等が行われた場合、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて更新される。また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56の状態の示す情報は所定のアルゴリズムに従って更新される。また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56によってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われた場合にも、ボールオブジェクト58の状態を示す情報は更新される。
【0054】
本実施の形態の場合、ゲーム状況情報記憶部70aには、両チームの各選手オブジェクト56の状態を示す選手状態テーブルが記憶される。図13は選手状態テーブルの一部を示している。同図に示す選手状態テーブルには、「選手ID」、「ポジション種類」、「位置」、「向き」、「ボール保持フラグ」、「操作対象フラグ」フィールドが含まれている。「選手ID」フィールドには、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56を一意に識別する選手IDが格納される。なお、選手IDの1文字目が「A」である選手オブジェクト56は操作対象チーム(Aチーム)の選手オブジェクト56であり、選手IDの1文字目が「B」である選手オブジェクト56は対戦相手チーム(Bチーム)に属する選手オブジェクト56である。「ポジション種類」フィールドには、選手オブジェクト56のポジション種類が格納される。「位置」フィールドには、選手オブジェクト56の代表点(例えば中心点)のゲーム空間50における位置座標が格納される。「向き」フィールドには、選手オブジェクト56の基準方向60(例えば正面方向又は視線方向)を示す単位ベクトルが格納される。「ボール保持フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しているか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持していない場合には0となり、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している場合には1となる。「操作対象フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56がユーザの操作対象であるか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56がユーザの操作対象でない場合には0となり、選手オブジェクト56がユーザの操作対象である場合には1となる。
【0055】
記憶部70には動作制御情報記憶部70bが含まれる。動作制御情報記憶部70bには、コントローラ32から入力される操作信号に関する操作信号条件と選手オブジェクト56の動作とを対応づけてなる動作制御情報が記憶される。なお、動作制御情報はテーブル形式のデータとして保持されるようにしてもよいし、プログラムの一部として保持されるようにしてもよい。本実施の形態の場合、動作制御情報記憶部70bには動作制御テーブルA(第1動作制御情報)及び動作制御テーブルB(第2動作制御情報)が記憶される(図4)。
【0056】
[2.判定部]
判定部72はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。判定部72は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足するか否かを判定する。
【0057】
[3.動作制御情報変化部]
動作制御情報変化部74はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。動作制御情報変化部74は、操作対象制御部76によるユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御の基礎となる動作制御情報を判定部72による判定結果に基づいて変化させる。特に動作制御情報変化部74は、複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作内容(操作信号条件)を変化させる。
【0058】
本実施の形態の場合、動作制御情報変化部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御を第1操作対象制御部76a又は第2操作対象制御部76bのいずれかに行わせる。動作制御情報変化部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が第1操作対象制御部76aによって行われる状態と、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が第2操作対象制御部76bによって行われる状態と、を判定部72による判定結果に応じて切り替える。本実施の形態における動作制御情報変化部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3のいずれかを満足しない場合、その選手オブジェクト56の動作制御を第1操作対象制御部76aに行わせ、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3のすべてを満足する場合、その選手オブジェクト56の動作制御を第2操作対象制御部76bに行わせる。
【0059】
[4.操作対象制御部]
操作対象制御部76(動作制御手段)はマイクロプロセッサ14を主として実現される。操作対象制御部76は、動作制御情報記憶部70bに記憶される動作制御情報に基づき、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56にコントローラ32から入力される操作信号に応じた動作を行わせる。
【0060】
本実施の形態の場合、操作対象制御部76には第1操作対象制御部76a及び第2操作対象制御部76bが含まれる。第1操作対象制御部76a及び第2操作対象制御部76bは、ユーザの操作内容(すなわち、コントローラ32から入力される操作信号)に従って、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報を更新する。第1操作対象制御部76aは動作制御テーブルAに基づいて上記更新処理を行い、第2操作対象制御部76bは動作制御テーブルBに基づいて上記更新処理を行う。
【0061】
[5.表示制御部及び表示部]
表示制御部78はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現され、表示部80はモニタ18を主として実現される。表示制御部78は、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を生成し、そのゲーム画面を表示部80に表示させる。
【0062】
また本実施の形態の場合、表示制御部78は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のゲーム画面上の表示位置に基づく位置(本実施の形態では頭上の所定位置)に操作対象選手案内マーク57を表示させる。ただし、表示制御部78は、操作対象チームが守備側である場合において、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足するときには、操作対象選手案内マーク57に代えて制限選手案内マーク66を表示させる。
【0063】
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図14は、操作対象チームが守備側である場合にゲーム装置10で所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行される処理のうち、本発明に関連するものを主として示すフロー図である。この処理をマイクロプロセッサ14に実行させるためのゲームプログラムが、ゲーム装置10においてDVD−ROM25から読み出され、マイクロプロセッサ14によって実行されることによって、上記各機能ブロック(図12)が実現される。
【0064】
図14に示すように、まず、コントローラ32の各操作部材の操作状態がコントローラ32から入力される操作信号に基づいて取得される(S101)。
【0065】
次に、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーであるか否かが判定される(S102)。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1を満足するか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。
【0066】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーである場合、その選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内であるか否かが判定される(S103)。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件2を満足するか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。
【0067】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内である場合、その選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置しているか否かが判定される(S104)。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件3を満足するか否かが判定される。
【0068】
より具体的には、対戦相手チームの選手オブジェクト56のうちのポジション種類がフォワードの各選手オブジェクト56について、次のような処理が実行される。すなわち、「ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の背面方向62」と、「ユーザの操作対象の選手オブジェクト56から対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56への方向」と、の間の角度が所定の基準角度(θ)以下であるか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56と、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56と、の間の距離が所定の基準距離(R)以下であるか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。そして、上記角度が基準角度(θ)以下であり、かつ、上記距離が基準距離(R)以下である場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していると判定される。
【0069】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置している場合、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、S101において取得された各操作部材の操作状態と、動作制御テーブルBと、に基づいて更新される(S105)。すなわち、S101において取得された各操作部材の操作状態に対応する動作が動作制御テーブルBによって特定され、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がその動作を行うように、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報が更新される。
【0070】
S105の処理が実行された後、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の各選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、その選手オブジェクト56のポジション種類に基づき所定のアルゴリズムに従って更新される(S106)。なお、S106の処理では、対戦相手チームの選手オブジェクト56によってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われる場合には、ボールオブジェクト58の状態を示す情報が更新される。また、ボールオブジェクト58を保持する選手オブジェクト56が変わった場合にはボール保持フラグ(図13)が更新される。また、例えばユーザによって操作対象の切替操作(本実施の形態ではボタン40Lの押下)が行われた場合等には操作対象フラグ(図13)が更新される。
【0071】
S106の処理が実行された後、ゲーム画面が生成される(S107)。例えば、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表す画像がVRAM上に描画される。その後、VRAM上に描画された画像の、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の頭上の所定位置に制限選手案内マーク66が上書き描画される。さらに、VRAM上に描画された画像上に得点画像や時間経過画像が上書き描画される。こうして、VRAM上にゲーム画面(図11)が形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面は所定のタイミングで表示部80に表示出力される。
【0072】
一方、S102において、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーでないと判定された場合(S102:N)、S103において、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内でないと判定された場合(S103:N)、又はS104において、選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していないと判定された場合(S104:N)には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、S101において取得された各操作部材の操作状態と、動作制御テーブルAと、に基づいて更新される(S108)。すなわち、S101において取得された各操作部材の操作状態に対応する動作が動作制御テーブルAによって特定され、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がその動作を行うように、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報が更新される。
【0073】
S108の処理が実行された後、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の各選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、その選手オブジェクト56のポジション種類に基づき所定のアルゴリズムに従って更新される(S109)。この処理はS106の処理と同様に行われる。
【0074】
S109の処理が実行された後、ゲーム画面が生成される(S110)。例えば、「各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が選手状態テーブル(図13)の内容に基づいて配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表す画像がVRAM上に描画される。その後、VRAM上に描画された画像の、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の頭上の所定位置に操作対象選手案内マーク57が上書き描画される。さらに、VRAM上に描画された画像上に得点画像や時間経過画像が上書き描画される。こうして、VRAM上にゲーム画面(図9)が形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面は所定のタイミングで表示部80に表示出力される。
【0075】
以上説明したゲーム装置10では、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない場合と、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足する場合とで、コントローラ32の操作内容とユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作との関係が変化するようになっている。より具体的には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足する場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない場合に比べて、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた移動方向が逆方向になるようになっている。このため、ユーザは操作対象の選手オブジェクト56の操作を行うことが困難となり、その結果として、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備)を十分に行えなくなる様子が好適に演出されるようになっている。
【0076】
また本実施の形態の場合、ユーザは、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた移動方向が通常とは逆の方向になる場合の操作(すなわち、動作制御テーブルBに対応する操作)を身に付ければ、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56がユーザの操作対象の選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合であっても、該フォワードの選手オブジェクト56に対する対応を十分に行うことができるようになる。すなわち、本実施の形態では、ユーザのゲーム操作の熟練度を向上しようとする意欲が掻き立てられるように図られている。
【0077】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、動作制御テーブルBでは、選手オブジェクト56を各方向(A方向〜H方向)に移動させるための操作として、方向ボタン群34とは異なる操作部材に対する操作(例えば左操作スティック36の傾倒操作)が設定されるようにしてもよい。こうすれば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足する場合、ユーザは操作対象の選手オブジェクト56を移動させるために方向ボタン群34とは異なる操作部材を用いなければならなくなる。こうしても、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備等)を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになる。
【0079】
また例えば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足する場合であって、かつ、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に位置する「対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56」へのパスが行われた場合にのみ、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルAに従って動作する状態から、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態への切り替えが行われるようにしてもよい。
【0080】
言い換えれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが、ボールオブジェクト58を保持しない状態から、ボールオブジェクト58を保持する状態に変化したタイミング(例えば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが他の選手オブジェクト56からのパスを受け取ったタイミング)において、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちに下記条件1,2及び3aを満足する選手オブジェクト56が存在する場合に、上記切り替えが行われるようにしてもよい。
【0081】
[条件1]ポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]位置が操作対象チームのゴール前領域59内である。
[条件3a]死角領域64内に、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している。
【0082】
ここで、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが、ボールオブジェクト58を保持しない状態から、ボールオブジェクト58を保持する状態に変化したか否かの判定は、例えば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかについて、その選手オブジェクト56と、ボールオブジェクト58と、の間の距離がボール保持判定基準距離より大きい状態から、その距離がボール保持判定基準距離以下の状態に変化したか否かを判定(監視)することによって行われる。言い換えれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかのボール保持判定基準領域内にボールオブジェクト58が移動したか否かを判定(監視)することによって行われる。なお、ボール保持判定基準領域とは、選手オブジェクト56の位置からボール保持判定基準距離以下の領域である。
【0083】
このようにして、例えば図8に示す場面において、仮に選手オブジェクト56a−2がユーザの操作対象であったとしても、選手オブジェクト56a−2を動作制御テーブルAに従って動作させ、図10に示す場面になった段階で、選手オブジェクト56a−2を動作制御テーブルBに従って動作させるようにしてもよい。
【0084】
また例えば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足した場合、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態から、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルAに従って動作する状態に戻るまでの間、又は所定時間が経過するまでの間、他の選手オブジェクト56への操作対象の切り替えを制限するようにしてもよい。こうすれば、ユーザが例えば一定期間、動作制御テーブルBに対応する操作を行わなければならないようにすることができる。
【0085】
また例えば、各選手オブジェクト56について、他の選手の視界から消える動きのうまさを示すパラメータ(以下、第1能力パラメータと記載する。)と、他の選手による上記動きを察知する能力の高さを示すパラメータ(以下、第2能力パラメータと記載する。)と、を設定するようにしてもよい。
【0086】
この場合、上記条件1−3に加えて、「ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値が、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に位置している対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値よりも小さい」との条件4が追加されるようにしてもよい。
【0087】
また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64の大きさが、その選手オブジェクト56の第2能力パラメータと、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値が大きくなるにつれて基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。また例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値と、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値と、の差に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値から、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値を差し引いてなる値が大きくなるにつれて基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。
【0088】
また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置から所定距離内の範囲に、操作対象チームのうちの他の選手オブジェクト56が位置しているか否かの判定結果に基づいて補正されるようにしてもよい。この場合、上記条件4が満足されるか否かの判定や死角領域64の大きさの決定は、補正後の第2能力パラメータの値に基づいて行われるようにしてもよい。
【0089】
また例えば、上記条件3を、「死角領域64内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56の移動速度が所定速度以上である」との条件3bとしてもよい。また例えば、選手オブジェクト56の死角領域64は、「その選手オブジェクト56からボールオブジェクト58への方向の逆方向」と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、のなす角が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域としてもよい。
【0090】
また例えば、図14に示す処理では、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56によって上記条件1−3が満足されると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態となり、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56によって上記条件1−3が満足されなくなると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルAに従って動作する状態に戻るようになっているが、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56によって上記条件1−3が満足された場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態が所定期間継続するようにしてもよい。この場合、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態が継続する期間は、死角領域64の大きさ等と同様に、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の上記第2能力パラメータと、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の上記第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。
【0091】
例えば、対戦相手チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。また例えば、操作対象チームや対戦相手チームは複数のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0092】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲームに限られない。例えば、サッカーゲーム以外のスポーツゲーム(ボールやパック等の移動体を用いて行われるバスケットボールやアイスホッケー等のゲーム)であってもよい。また、スポーツゲーム以外のゲーム(アクションゲーム等)であってもよい。本発明は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタが見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応(守備等)が十分に行われなくなる様子を好適に演出する必要があるゲームを提供するゲーム装置10に適用することが可能である。
【0093】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図15は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図4】動作制御テーブルA及びBの一例を示す図である。
【図5】ゲーム空間における第1方向乃至第8方向について示す図である。
【図6】ゴール前領域について示す図である。
【図7】死角領域について示す図である。
【図8】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図10】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図11】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図12】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図13】選手状態テーブルの一例を示す図である。
【図14】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、32a 表面、34 方向ボタン群、34U 上方向ボタン、34D 下方向ボタン、34L 左方向ボタン、34R 右方向ボタン、36 左操作スティック、37 右操作スティック、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、43 コントローラケーブル、50 ゲーム空間、51 タッチライン、52 フィールドオブジェクト、53 ゴールライン、54 ゴールオブジェクト、55 コート、56,56a−1,56a−2,56b−1,56b−2 選手オブジェクト、57 操作対象選手案内マーク、58 ボールオブジェクト、59 ゴール前領域、60 基準方向、62 背面方向、64 死角領域、66 制限選手案内マーク、70 記憶部、70a ゲーム状況情報記憶部、70b 動作制御情報記憶部、72 判定部、74 動作制御情報変化部、76 操作対象制御部、76a 第1操作対象制御部、76b 第2操作対象制御部、78 表示制御部、80 表示部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作に従って動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置が知られている。例えば、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手キャラクタと、対戦相手チームに属する11体の選手キャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示し、操作対象チームと対戦相手チームとの間のサッカーゲームを提供するゲーム装置が知られている。
【特許文献1】特開2003−210848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実際のサッカーの試合では、例えば、攻撃側チームのA選手が「プルアウェイ」と呼ばれる動き(行動)、すなわち、該A選手をマークしている守備側チームのB選手の視界から消える動き(より正確には、A選手とボールとをB選手が同一の視界に捉えておけないような位置への移動)を行う場合がある。この場合、B選手はA選手を見失ってしまい、例えばA選手に対してパスが行われたようなときにはA選手に対する対応(守備)が遅れることになる。その結果、B選手はA選手に対する対応を十分に行えなくなり、A選手はパスを受けた後の動作をB選手による妨げを受けることなく行えるようになる。上記のような動きをA選手が行い、その結果としてB選手がA選手を見失い、A選手に対する対応を十分に行えなくなる様子を上記ゲーム装置でも好適に演出できるようになると、ユーザに対して新たな面白みを与えることが可能になる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置において、前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段と、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置の制御方法において、前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせるための動作制御ステップと、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定するための判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させるためのステップであって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させるための動作制御情報変化ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置として、例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段、及び、前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置に関するものである。本発明では、操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を上記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、第1ゲームキャラクタに操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる。また本発明では、第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かが判定される。そして、その判定結果に基づいて、第1ゲームキャラクタの動作制御の基礎とされる上記動作制御情報が変化される。特に本発明では、複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件が変化される。なお、「ゲーム空間」には、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間や、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間が含まれる。本発明によれば、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの第1動作に対応づけられる操作信号条件と、前記複数の動作のうちの前記第1動作とは異なる第2動作に対応づけられる操作信号条件と、を入れ替えるようにしてもよい。
【0011】
この態様では、前記第1動作は前記ゲーム空間の第1方向への移動動作であり、前記第2動作は前記ゲーム空間の前記第1方向の逆方向である第2方向への移動動作であってもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を、前記操作手段に含まれる第1操作部材に関する条件から、前記操作手段に含まれる前記第1操作部材とは異なる第2操作部材に関する条件に変化させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0015】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0016】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0017】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0018】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0019】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0020】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0021】
DVD−ROM再生部24はマイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0022】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0023】
コントローラ32は、ユーザが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0024】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図(a)はコントローラ32の斜視図である。同図(b)はコントローラ32の平面図である。同図(c)はコントローラ32の背面図である。コントローラ32は、コントローラケーブル43によって家庭用ゲーム機11に接続される。コントローラ32の表面32aの左側には、方向ボタン群34及び左操作スティック36が設けられている。方向ボタン群34には、上方向ボタン34U、下方向ボタン34D、左方向ボタン34L、右方向ボタン34Rが含まれる。コントローラ32の表面32aの右側には、ボタン38X,38Y,38A,38B及び右操作スティック37が設けられている。また、コントローラ32の背面側側面には、表面32a側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ設けられており、底面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ設けられている。
【0025】
方向ボタン群34は一般的にゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは各種ゲーム操作に用いられる。左操作スティック36及び右操作スティック37はコントローラ32の表面32aに直立したスティック状の操作部材であり、この直立状態から全方位に所定角度だけ傾倒自在となっている。左操作スティック36及び右操作スティック37も例えばゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。
【0026】
上記ゲーム装置10では、例えばDVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムが実行されることによって、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる対戦サッカーゲームが実現される。
【0027】
ゲーム装置10の主記憶26にはゲーム空間(仮想的な3次元空間)が構築される。図3はこのゲーム空間の一例を示す図である。同図に示すように、ゲーム空間50にはサッカー球技場を表すフィールドオブジェクト52と、ゴールを表すゴールオブジェクト54と、が配置され、サッカーの試合の舞台となるフィールドが形成される。フィールドオブジェクト52はWX−WZ平面に平行に配置される。フィールドオブジェクト52上には、サッカー選手を表す選手オブジェクト56と、サッカーボールを表すボールオブジェクト58と、が配置される。同図では1体の選手オブジェクト56のみが表されているが、フィールドオブジェクト52上には、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手オブジェクト56と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト56と、が配置される。
【0028】
2つのゴールオブジェクト54の一方は操作対象チームに関連づけられ、他方は対戦相手チームに関連づけられる。一方のチームに関連づけられたゴールオブジェクト54内にボールオブジェクト58が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0029】
操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのいずれかがユーザの操作対象となる。ユーザの操作対象はボールオブジェクト58の移動やユーザの切替操作に応じて、ユーザの操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちで切り替えられる。
【0030】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56は、ユーザの操作内容(コントローラ32に対する操作内容)に応じて各種動作を行う。ユーザの操作対象の選手オブジェクト56に対する動作制御は、DVD−ROM25から読み出される動作制御テーブル(ユーザの操作内容と、選手オブジェクト56の動作内容と、を対応づけてなるテーブル:図4参照)に基づいて行われる。
【0031】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56(操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56、及び、対戦相手チームに属する選手オブジェクト56)はコンピュータによる操作に従って動作する。各選手オブジェクト56には4つのポジション種類「フォワード(FW)」、「ミッドフィルダー(MF)」、「ディフェンダー(DF)」、「ゴールキーパー(GK)」のいずれかが対応づけられており、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56は、その選手オブジェクト56に対応づけられたポジション種類に従って動作することになる。
【0032】
選手オブジェクト56とボールオブジェクト58との間の距離が所定距離(ボール保持判定基準距離)以内になると、所定条件下、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられる。この状態では、ボールオブジェクト58が選手オブジェクト56に従動する。この様子は、選手オブジェクト56のドリブル動作として表される。操作対象の選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられている状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象の選手オブジェクト56にボールオブジェクト58を蹴らせることができる。すなわち、操作対象の選手オブジェクト56にパス動作やシュート動作等を行わせることができる。また、操作対象の選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられていない状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象の選手オブジェクト56にスライディングタックル動作等を行わせることができる。なお以下では、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられた状態を「選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態」というように記載する。
【0033】
ゲーム空間50には例えばボールオブジェクト58に従動する仮想カメラが設定される。この仮想カメラから見えるゲーム空間50の様子を表すゲーム画面がモニタ18に表示される。すなわち、ゲーム画面には、仮想カメラの位置(視点位置)及び向き(視線方向)に基づいて特定されるゲーム空間50内の領域の様子が表される(図9及び図11参照)。
【0034】
以下、上記サッカーゲームにおいて、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備等)を十分に行えなくなる様子を好適に演出するための技術について説明する。
【0035】
ゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である場合(すなわち、対戦相手チームの選手オブジェクト56のいずれかがボールオブジェクト58を保持している場合)、所定条件下、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御に用いられる動作制御テーブルにおいて、少なくとも1つの動作に関し、該操作に対応づけられる操作を変化させることによって、上記演出が行われるようになっている。
【0036】
ゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である場合に用いられる動作制御テーブルとして2種類の動作制御テーブルが用意されている。図4は、操作対象チームが守備側である場合に用いられる動作制御テーブルの一例を示している。ここで、図4における「A方向」とは、図5に示すように、ゲーム空間50のWZ軸正方向である。「B方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸正方向からWX軸正方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「C方向」とは、ゲーム空間50のWX軸正方向である。「D方向」とは、ゲーム空間50のWX軸正方向からWZ軸負方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「E方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸負方向である。「F方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸負方向からWX軸負方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「G方向」とは、ゲーム空間50のWX軸負方向である。また「H方向」とは、ゲーム空間50のWX軸負方向からWZ軸正方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。
【0037】
図4(a)に示す動作制御テーブル(以下、動作制御テーブルAと記載する。)と、同図(b)に示す動作制御テーブル(以下、動作制御テーブルBと記載する。)とでは、一部の動作に関して、該動作に対応づけられる操作内容が異なっている。より詳しくは、「A方向への移動動作」に対応する操作内容と、「E方向(A方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。また、「B方向への移動動作」に対応する操作内容と、「F方向(B方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。また、「C方向への移動動作」に対応する操作内容と、「G方向(C方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。また、「D方向への移動動作」に対応する操作内容と、「H方向(D方向の逆方向)への移動動作」に対応する操作内容と、が入れ替わっている。すなわち、動作制御テーブルBでは、動作制御テーブルAに比べて、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた選手オブジェクト56の移動方向が逆方向になっている。
【0038】
なお、動作制御テーブルA及びBは、コントローラ32から入力される操作信号(言い換えれば、コントローラ32から入力される操作信号に関する操作信号条件)と、選手オブジェクト56の動作と、を対応づけてなる情報である。例えば動作制御テーブルAには、ユーザによって上方向ボタン34Uの押下操作が行われると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がゲーム空間50においてA方向への移動動作を行うことが示されているが、これは、コントローラ32から上方向ボタン34Uの押下操作を示す操作信号が入力されると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がゲーム空間50においてA方向への移動動作を行うことを示している。
【0039】
操作対象チームが守備側である場合、原則として、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が動作制御テーブルAに基づいて行われる。ただし、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(第1ゲームキャラクタ)が下記条件1−3を満足する場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が動作制御テーブルBに基づいて行われる。
【0040】
[条件1]ポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]位置が操作対象チームのゴール前領域内である。
[条件3]死角領域内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56(第2ゲームキャラクタ)が位置している。
【0041】
図6はゴール前領域について説明するための図である。同図に示すように、操作対象チームのゴール前領域59はコート55内の領域であって、操作対象チームのゴールオブジェクト54側のゴールライン53から距離が所定距離L以内となる領域である。なお、コート55とはタッチライン51及びゴールライン53に囲まれた領域である。
【0042】
図7は死角領域(判定対象領域)について説明するための図である。同図に示すように、選手オブジェクト56の死角領域64は、その選手オブジェクト56の背面方向62(基準方向60の逆方向)と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、の間の角度が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域である。なお、選手オブジェクト56の基準方向60は、例えば選手オブジェクト56の胴体部の正面方向としてもよいし、選手オブジェクト56の頭部の正面方向(選手オブジェクト56の視線方向)としてもよい。以上のように、死角領域64は選手オブジェクト56の位置に基づく領域であり、選手オブジェクト56に従動する。
【0043】
図8は選手オブジェクト56及びボールオブジェクト58の配置状態(位置及び基準方向60)の一例を示している。同図に示す状態では、選手オブジェクト56b−1によってボールオブジェクト58が保持されている。ここで、選手オブジェクト56a−1,56a−2は操作対象チームに属する選手オブジェクト56であり、選手オブジェクト56a−1がユーザの操作対象である。また、選手オブジェクト56a−1のポジション種類はミッドフィルダーであり、選手オブジェクト56a−2のポジション種類はディフェンダーである。また、選手オブジェクト56a−2は操作対象チームのゴール前領域59内に位置している。選手オブジェクト56b−1,56b−2は対戦相手チームに属する選手オブジェクト56である。また、選手オブジェクト56b−1のポジション種類はミッドフィルダーであり、選手オブジェクト56b−2のポジション種類はフォワードである。さらに、選手オブジェクト56b−2は選手オブジェクト56a−2の死角領域64内に位置している。すなわち、選手オブジェクト56a−1は上記条件1−3を満足しておらず、選手オブジェクト56a−2は上記条件1−3を満足している。
【0044】
図9は図8に示す場面を表すゲーム画面の一例を示している。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(選手オブジェクト56a−1)が上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない場合のゲーム画面の一例を示している。この場合、ユーザがコントローラ32を操作すると、選手オブジェクト56a−1は動作制御テーブルAに従って動作する。例えば、ユーザが上方向ボタン34Uを押下すると、選手オブジェクト56a−1がゲーム空間50のA方向(WZ軸正方向)に移動する様子がゲーム画面に表される。
【0045】
また、この場合のゲーム画面では、選手オブジェクト56a−1(ユーザの操作対象の選手オブジェクト56)の頭上に操作対象選手案内マーク57が表示される。この操作対象選手案内マーク57によって、ユーザは選手オブジェクト56a−1が操作対象であることを一見して把握できる。
【0046】
図10は図8に示す状態において選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2にパスが行われた後の状態を示している。この場合、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの、ボールオブジェクト58との間の距離が最も小さい選手オブジェクト56a−2にユーザの操作対象が切り替えられる。
【0047】
図11は図10に示す場面を表すゲーム画面の一例を示している。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(選手オブジェクト56a−2)が上記条件1−3をすべて満足する場合のゲーム画面の一例を示している。この場合、ユーザがコントローラ32を操作すると、選手オブジェクト56a−2は動作制御テーブルBに従って動作する。例えば、ユーザが上方向ボタン34Uを押下すると、選手オブジェクト56a−2がゲーム空間50のE方向(WZ軸負方向)に移動する様子がゲーム画面に表される。この場合、選手オブジェクト56a−2は、方向ボタン群34に対する操作に応じて通常とは逆の方向に移動するため、ユーザは選手オブジェクト56a−2を所望の方向に移動させるための操作を、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた移動方向が通常とは逆の方向になることを考慮して行わなければならなくなる。例えば、選手オブジェクト56a−2をゲーム空間50のH方向に移動させるために、通常時において選手オブジェクト56a−2をゲーム空間50のD方向(H方向の逆方向)に移動させるための操作、すなわち下方向ボタン34D及び右方向ボタン34Rの押下操作を行わなければならなくなる。その結果、ユーザは選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を選手オブジェクト56a−2を操作して行うことが困難になる。
【0048】
また、この場合のゲーム画面では、選手オブジェクト56a−2(ユーザの操作対象の選手オブジェクト56)の頭上に制限選手案内マーク66が操作対象選手案内マーク57に代えて表示される。この制限選手案内マーク66によって、ユーザは、選手オブジェクト56a−2が操作対象であること、及び、選手オブジェクト56a−2が方向ボタン群34に対する操作に応じて通常とは逆の方向に移動する状態であることを一見して把握できる。なお、制限選手案内マーク66を表示する代わりに、選手オブジェクト56a−2の表示態様を通常とは異ならせるようにしてもよい。例えば選手オブジェクト56a−2を点滅させたり、所定色で表示させたりするようにしてもよい。
【0049】
以上のようにして、選手オブジェクト56b−2が選手オブジェクト56a−2の視界から消える動きを行った場合において、選手オブジェクト56a−2が選手オブジェクト56b−2を見失い、選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を十分に行えなくなる様子が好適に演出される。
【0050】
次に、ゲーム装置10で実現される機能について説明する。図12はゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、記憶部70、判定部72、動作制御情報変化部74、操作対象制御部76、表示制御部78、表示部80を機能的に含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムがゲーム装置10で実行されることによって実現される。
【0051】
[1.記憶部]
記憶部70は主記憶26やDVD−ROM25を主として実現される。記憶部70には例えば選手オブジェクト56やボールオブジェクト58等の各種オブジェクトの形状を示すデータ(各種オブジェクトを構成するポリゴンの各頂点の座標を示すデータ)が記憶される。また例えば、選手オブジェクト56の各種動作時の姿勢変化を示すモーションデータが記憶される。また例えば、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56の能力パラメータ(パス能力パラメータ等)が記憶される。各能力パラメータは0から100までの間の数値によって表され、数値が高いほど、その能力が高いことを示す。
【0052】
記憶部70にはゲーム状況情報記憶部70aが含まれる。ゲーム状況情報記憶部70aはゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。ゲーム状況情報には、例えばゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56、ボールオブジェクト58や仮想カメラの状態を示す情報が含まれる。ここで、「選手オブジェクト56の状態を示す情報」には、例えば選手オブジェクト56のゲーム空間50における位置、姿勢、移動方向、移動速度を示す情報、選手オブジェクト56のポジション種類を示す情報、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しているか否かを示す情報や、選手オブジェクト56がユーザの操作対象であるか否かを示す情報が含まれる。「ボールオブジェクト58の状態を示す情報」には、例えばボールオブジェクト58のゲーム空間50における位置、移動方向及び移動速度を示す情報が含まれる。「仮想カメラの状態を示す情報」には、例えば仮想カメラのゲーム空間50における位置(視点位置)、姿勢(視線方向)及び画角等を示す情報が含まれる。また例えば、ゲーム状況情報には両チームの得点や試合の経過時間等の試合の状況を示す情報が含まれる。
【0053】
なお、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報は後述の操作対象制御部76によって更新される。また、ボールオブジェクト58の状態を示す情報は、例えばユーザの操作対象の選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態でドリブル指示操作、パス指示操作やシュート指示操作等が行われた場合、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて更新される。また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56の状態の示す情報は所定のアルゴリズムに従って更新される。また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56によってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われた場合にも、ボールオブジェクト58の状態を示す情報は更新される。
【0054】
本実施の形態の場合、ゲーム状況情報記憶部70aには、両チームの各選手オブジェクト56の状態を示す選手状態テーブルが記憶される。図13は選手状態テーブルの一部を示している。同図に示す選手状態テーブルには、「選手ID」、「ポジション種類」、「位置」、「向き」、「ボール保持フラグ」、「操作対象フラグ」フィールドが含まれている。「選手ID」フィールドには、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56を一意に識別する選手IDが格納される。なお、選手IDの1文字目が「A」である選手オブジェクト56は操作対象チーム(Aチーム)の選手オブジェクト56であり、選手IDの1文字目が「B」である選手オブジェクト56は対戦相手チーム(Bチーム)に属する選手オブジェクト56である。「ポジション種類」フィールドには、選手オブジェクト56のポジション種類が格納される。「位置」フィールドには、選手オブジェクト56の代表点(例えば中心点)のゲーム空間50における位置座標が格納される。「向き」フィールドには、選手オブジェクト56の基準方向60(例えば正面方向又は視線方向)を示す単位ベクトルが格納される。「ボール保持フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しているか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持していない場合には0となり、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している場合には1となる。「操作対象フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56がユーザの操作対象であるか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56がユーザの操作対象でない場合には0となり、選手オブジェクト56がユーザの操作対象である場合には1となる。
【0055】
記憶部70には動作制御情報記憶部70bが含まれる。動作制御情報記憶部70bには、コントローラ32から入力される操作信号に関する操作信号条件と選手オブジェクト56の動作とを対応づけてなる動作制御情報が記憶される。なお、動作制御情報はテーブル形式のデータとして保持されるようにしてもよいし、プログラムの一部として保持されるようにしてもよい。本実施の形態の場合、動作制御情報記憶部70bには動作制御テーブルA(第1動作制御情報)及び動作制御テーブルB(第2動作制御情報)が記憶される(図4)。
【0056】
[2.判定部]
判定部72はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。判定部72は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足するか否かを判定する。
【0057】
[3.動作制御情報変化部]
動作制御情報変化部74はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。動作制御情報変化部74は、操作対象制御部76によるユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御の基礎となる動作制御情報を判定部72による判定結果に基づいて変化させる。特に動作制御情報変化部74は、複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作内容(操作信号条件)を変化させる。
【0058】
本実施の形態の場合、動作制御情報変化部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御を第1操作対象制御部76a又は第2操作対象制御部76bのいずれかに行わせる。動作制御情報変化部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が第1操作対象制御部76aによって行われる状態と、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作制御が第2操作対象制御部76bによって行われる状態と、を判定部72による判定結果に応じて切り替える。本実施の形態における動作制御情報変化部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3のいずれかを満足しない場合、その選手オブジェクト56の動作制御を第1操作対象制御部76aに行わせ、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3のすべてを満足する場合、その選手オブジェクト56の動作制御を第2操作対象制御部76bに行わせる。
【0059】
[4.操作対象制御部]
操作対象制御部76(動作制御手段)はマイクロプロセッサ14を主として実現される。操作対象制御部76は、動作制御情報記憶部70bに記憶される動作制御情報に基づき、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56にコントローラ32から入力される操作信号に応じた動作を行わせる。
【0060】
本実施の形態の場合、操作対象制御部76には第1操作対象制御部76a及び第2操作対象制御部76bが含まれる。第1操作対象制御部76a及び第2操作対象制御部76bは、ユーザの操作内容(すなわち、コントローラ32から入力される操作信号)に従って、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報を更新する。第1操作対象制御部76aは動作制御テーブルAに基づいて上記更新処理を行い、第2操作対象制御部76bは動作制御テーブルBに基づいて上記更新処理を行う。
【0061】
[5.表示制御部及び表示部]
表示制御部78はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現され、表示部80はモニタ18を主として実現される。表示制御部78は、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を生成し、そのゲーム画面を表示部80に表示させる。
【0062】
また本実施の形態の場合、表示制御部78は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のゲーム画面上の表示位置に基づく位置(本実施の形態では頭上の所定位置)に操作対象選手案内マーク57を表示させる。ただし、表示制御部78は、操作対象チームが守備側である場合において、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足するときには、操作対象選手案内マーク57に代えて制限選手案内マーク66を表示させる。
【0063】
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図14は、操作対象チームが守備側である場合にゲーム装置10で所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行される処理のうち、本発明に関連するものを主として示すフロー図である。この処理をマイクロプロセッサ14に実行させるためのゲームプログラムが、ゲーム装置10においてDVD−ROM25から読み出され、マイクロプロセッサ14によって実行されることによって、上記各機能ブロック(図12)が実現される。
【0064】
図14に示すように、まず、コントローラ32の各操作部材の操作状態がコントローラ32から入力される操作信号に基づいて取得される(S101)。
【0065】
次に、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーであるか否かが判定される(S102)。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1を満足するか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。
【0066】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーである場合、その選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内であるか否かが判定される(S103)。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件2を満足するか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。
【0067】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内である場合、その選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置しているか否かが判定される(S104)。すなわち、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件3を満足するか否かが判定される。
【0068】
より具体的には、対戦相手チームの選手オブジェクト56のうちのポジション種類がフォワードの各選手オブジェクト56について、次のような処理が実行される。すなわち、「ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の背面方向62」と、「ユーザの操作対象の選手オブジェクト56から対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56への方向」と、の間の角度が所定の基準角度(θ)以下であるか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56と、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56と、の間の距離が所定の基準距離(R)以下であるか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図13)に基づいて行われる。そして、上記角度が基準角度(θ)以下であり、かつ、上記距離が基準距離(R)以下である場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していると判定される。
【0069】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置している場合、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、S101において取得された各操作部材の操作状態と、動作制御テーブルBと、に基づいて更新される(S105)。すなわち、S101において取得された各操作部材の操作状態に対応する動作が動作制御テーブルBによって特定され、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がその動作を行うように、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報が更新される。
【0070】
S105の処理が実行された後、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の各選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、その選手オブジェクト56のポジション種類に基づき所定のアルゴリズムに従って更新される(S106)。なお、S106の処理では、対戦相手チームの選手オブジェクト56によってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われる場合には、ボールオブジェクト58の状態を示す情報が更新される。また、ボールオブジェクト58を保持する選手オブジェクト56が変わった場合にはボール保持フラグ(図13)が更新される。また、例えばユーザによって操作対象の切替操作(本実施の形態ではボタン40Lの押下)が行われた場合等には操作対象フラグ(図13)が更新される。
【0071】
S106の処理が実行された後、ゲーム画面が生成される(S107)。例えば、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表す画像がVRAM上に描画される。その後、VRAM上に描画された画像の、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の頭上の所定位置に制限選手案内マーク66が上書き描画される。さらに、VRAM上に描画された画像上に得点画像や時間経過画像が上書き描画される。こうして、VRAM上にゲーム画面(図11)が形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面は所定のタイミングで表示部80に表示出力される。
【0072】
一方、S102において、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーでないと判定された場合(S102:N)、S103において、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内でないと判定された場合(S103:N)、又はS104において、選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していないと判定された場合(S104:N)には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、S101において取得された各操作部材の操作状態と、動作制御テーブルAと、に基づいて更新される(S108)。すなわち、S101において取得された各操作部材の操作状態に対応する動作が動作制御テーブルAによって特定され、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がその動作を行うように、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の状態を示す情報が更新される。
【0073】
S108の処理が実行された後、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の各選手オブジェクト56の状態を示す情報(選手状態テーブル(図13)等)が、その選手オブジェクト56のポジション種類に基づき所定のアルゴリズムに従って更新される(S109)。この処理はS106の処理と同様に行われる。
【0074】
S109の処理が実行された後、ゲーム画面が生成される(S110)。例えば、「各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が選手状態テーブル(図13)の内容に基づいて配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表す画像がVRAM上に描画される。その後、VRAM上に描画された画像の、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の頭上の所定位置に操作対象選手案内マーク57が上書き描画される。さらに、VRAM上に描画された画像上に得点画像や時間経過画像が上書き描画される。こうして、VRAM上にゲーム画面(図9)が形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面は所定のタイミングで表示部80に表示出力される。
【0075】
以上説明したゲーム装置10では、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない場合と、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足する場合とで、コントローラ32の操作内容とユーザの操作対象の選手オブジェクト56の動作との関係が変化するようになっている。より具体的には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足する場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない場合に比べて、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた移動方向が逆方向になるようになっている。このため、ユーザは操作対象の選手オブジェクト56の操作を行うことが困難となり、その結果として、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備)を十分に行えなくなる様子が好適に演出されるようになっている。
【0076】
また本実施の形態の場合、ユーザは、コントローラ32(方向ボタン群34)に対する操作に応じた移動方向が通常とは逆の方向になる場合の操作(すなわち、動作制御テーブルBに対応する操作)を身に付ければ、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56がユーザの操作対象の選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合であっても、該フォワードの選手オブジェクト56に対する対応を十分に行うことができるようになる。すなわち、本実施の形態では、ユーザのゲーム操作の熟練度を向上しようとする意欲が掻き立てられるように図られている。
【0077】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、動作制御テーブルBでは、選手オブジェクト56を各方向(A方向〜H方向)に移動させるための操作として、方向ボタン群34とは異なる操作部材に対する操作(例えば左操作スティック36の傾倒操作)が設定されるようにしてもよい。こうすれば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足する場合、ユーザは操作対象の選手オブジェクト56を移動させるために方向ボタン群34とは異なる操作部材を用いなければならなくなる。こうしても、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備等)を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになる。
【0079】
また例えば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足する場合であって、かつ、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に位置する「対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56」へのパスが行われた場合にのみ、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルAに従って動作する状態から、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態への切り替えが行われるようにしてもよい。
【0080】
言い換えれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが、ボールオブジェクト58を保持しない状態から、ボールオブジェクト58を保持する状態に変化したタイミング(例えば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが他の選手オブジェクト56からのパスを受け取ったタイミング)において、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちに下記条件1,2及び3aを満足する選手オブジェクト56が存在する場合に、上記切り替えが行われるようにしてもよい。
【0081】
[条件1]ポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]位置が操作対象チームのゴール前領域59内である。
[条件3a]死角領域64内に、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している。
【0082】
ここで、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが、ボールオブジェクト58を保持しない状態から、ボールオブジェクト58を保持する状態に変化したか否かの判定は、例えば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかについて、その選手オブジェクト56と、ボールオブジェクト58と、の間の距離がボール保持判定基準距離より大きい状態から、その距離がボール保持判定基準距離以下の状態に変化したか否かを判定(監視)することによって行われる。言い換えれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかのボール保持判定基準領域内にボールオブジェクト58が移動したか否かを判定(監視)することによって行われる。なお、ボール保持判定基準領域とは、選手オブジェクト56の位置からボール保持判定基準距離以下の領域である。
【0083】
このようにして、例えば図8に示す場面において、仮に選手オブジェクト56a−2がユーザの操作対象であったとしても、選手オブジェクト56a−2を動作制御テーブルAに従って動作させ、図10に示す場面になった段階で、選手オブジェクト56a−2を動作制御テーブルBに従って動作させるようにしてもよい。
【0084】
また例えば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足した場合、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態から、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルAに従って動作する状態に戻るまでの間、又は所定時間が経過するまでの間、他の選手オブジェクト56への操作対象の切り替えを制限するようにしてもよい。こうすれば、ユーザが例えば一定期間、動作制御テーブルBに対応する操作を行わなければならないようにすることができる。
【0085】
また例えば、各選手オブジェクト56について、他の選手の視界から消える動きのうまさを示すパラメータ(以下、第1能力パラメータと記載する。)と、他の選手による上記動きを察知する能力の高さを示すパラメータ(以下、第2能力パラメータと記載する。)と、を設定するようにしてもよい。
【0086】
この場合、上記条件1−3に加えて、「ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値が、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64内に位置している対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値よりも小さい」との条件4が追加されるようにしてもよい。
【0087】
また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の死角領域64の大きさが、その選手オブジェクト56の第2能力パラメータと、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値が大きくなるにつれて基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。また例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値と、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値と、の差に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値から、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値を差し引いてなる値が大きくなるにつれて基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。
【0088】
また、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置から所定距離内の範囲に、操作対象チームのうちの他の選手オブジェクト56が位置しているか否かの判定結果に基づいて補正されるようにしてもよい。この場合、上記条件4が満足されるか否かの判定や死角領域64の大きさの決定は、補正後の第2能力パラメータの値に基づいて行われるようにしてもよい。
【0089】
また例えば、上記条件3を、「死角領域64内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56の移動速度が所定速度以上である」との条件3bとしてもよい。また例えば、選手オブジェクト56の死角領域64は、「その選手オブジェクト56からボールオブジェクト58への方向の逆方向」と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、のなす角が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域としてもよい。
【0090】
また例えば、図14に示す処理では、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56によって上記条件1−3が満足されると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態となり、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56によって上記条件1−3が満足されなくなると、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルAに従って動作する状態に戻るようになっているが、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56によって上記条件1−3が満足された場合には、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態が所定期間継続するようにしてもよい。この場合、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が動作制御テーブルBに従って動作する状態が継続する期間は、死角領域64の大きさ等と同様に、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の上記第2能力パラメータと、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の上記第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。
【0091】
例えば、対戦相手チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。また例えば、操作対象チームや対戦相手チームは複数のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0092】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲームに限られない。例えば、サッカーゲーム以外のスポーツゲーム(ボールやパック等の移動体を用いて行われるバスケットボールやアイスホッケー等のゲーム)であってもよい。また、スポーツゲーム以外のゲーム(アクションゲーム等)であってもよい。本発明は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタが見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応(守備等)が十分に行われなくなる様子を好適に演出する必要があるゲームを提供するゲーム装置10に適用することが可能である。
【0093】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図15は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図4】動作制御テーブルA及びBの一例を示す図である。
【図5】ゲーム空間における第1方向乃至第8方向について示す図である。
【図6】ゴール前領域について示す図である。
【図7】死角領域について示す図である。
【図8】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図10】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図11】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図12】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図13】選手状態テーブルの一例を示す図である。
【図14】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、32a 表面、34 方向ボタン群、34U 上方向ボタン、34D 下方向ボタン、34L 左方向ボタン、34R 右方向ボタン、36 左操作スティック、37 右操作スティック、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、43 コントローラケーブル、50 ゲーム空間、51 タッチライン、52 フィールドオブジェクト、53 ゴールライン、54 ゴールオブジェクト、55 コート、56,56a−1,56a−2,56b−1,56b−2 選手オブジェクト、57 操作対象選手案内マーク、58 ボールオブジェクト、59 ゴール前領域、60 基準方向、62 背面方向、64 死角領域、66 制限選手案内マーク、70 記憶部、70a ゲーム状況情報記憶部、70b 動作制御情報記憶部、72 判定部、74 動作制御情報変化部、76 操作対象制御部、76a 第1操作対象制御部、76b 第2操作対象制御部、78 表示制御部、80 表示部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置において、
前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段と、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの第1動作に対応づけられる操作信号条件と、前記複数の動作のうちの前記第1動作とは異なる第2動作に対応づけられる操作信号条件と、を入れ替えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記第1動作は前記ゲーム空間の第1方向への移動動作であり、
前記第2動作は前記ゲーム空間の前記第1方向の逆方向である第2方向への移動動作である、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を、前記操作手段に含まれる第1操作部材に関する条件から、前記操作手段に含まれる前記第1操作部材とは異なる第2操作部材に関する条件に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置の制御方法において、
前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせるための動作制御ステップと、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定するための判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させるためのステップであって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させるための動作制御情報変化ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項6】
操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置において、
前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段と、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの第1動作に対応づけられる操作信号条件と、前記複数の動作のうちの前記第1動作とは異なる第2動作に対応づけられる操作信号条件と、を入れ替えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記第1動作は前記ゲーム空間の第1方向への移動動作であり、
前記第2動作は前記ゲーム空間の前記第1方向の逆方向である第2方向への移動動作である、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記動作制御情報変化手段は、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を、前記操作手段に含まれる第1操作部材に関する条件から、前記操作手段に含まれる前記第1操作部材とは異なる第2操作部材に関する条件に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置の制御方法において、
前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせるための動作制御ステップと、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定するための判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させるためのステップであって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させるための動作制御情報変化ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項6】
操作手段から入力される操作信号に応じて複数の動作のうちの少なくとも1つを行う第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記操作手段から入力される操作信号に関する操作信号条件を前記複数の動作の各々に対応づけてなる動作制御情報に基づき、前記第1ゲームキャラクタに前記操作手段から入力される操作信号に応じた動作を行わせる動作制御手段、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記動作制御情報を変化させる手段であって、前記複数の動作のうちの少なくとも1つに関し、該動作に対応づけられる操作信号条件を変化させる動作制御情報変化手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−259990(P2007−259990A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86730(P2006−86730)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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