ゲーム装置及び、ゲームの実行を制御するプログラム
【課題】ゲームの再開を効率化する制御方法及びこれを適用するゲームシステムを提供する。
【解決手段】仮想空間内にあるキャラクタを、遊戯者による操作対象として対戦ゲームを行わすゲーム装置を有するゲームシステムであって、前記ゲーム装置において、制御手段に、前記対戦ゲームの開始時に遊戯者により入力される所定の条件設定項目に対する入力を確認させ、前記制御手段により、前記所定の条件設定項目の入力を確認した後に、前記対戦ゲームの実行を開始させ、前記対戦ゲームの実行終了後、再度同一の対戦ゲームを継続実行させる場合、前記条件設定項目の設定の内容を前回の対戦ゲーム実行時に設定された内容と同一とし、前記遊戯者による前記条件設定項目に対する新たな入力処理を行わせないで、前記対戦ゲームの実行を開始させる。
【解決手段】仮想空間内にあるキャラクタを、遊戯者による操作対象として対戦ゲームを行わすゲーム装置を有するゲームシステムであって、前記ゲーム装置において、制御手段に、前記対戦ゲームの開始時に遊戯者により入力される所定の条件設定項目に対する入力を確認させ、前記制御手段により、前記所定の条件設定項目の入力を確認した後に、前記対戦ゲームの実行を開始させ、前記対戦ゲームの実行終了後、再度同一の対戦ゲームを継続実行させる場合、前記条件設定項目の設定の内容を前回の対戦ゲーム実行時に設定された内容と同一とし、前記遊戯者による前記条件設定項目に対する新たな入力処理を行わせないで、前記対戦ゲームの実行を開始させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及び、ゲームの実行を制御するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを通して接続された複数のゲーム装置を用いて、複数の遊戯者間で対戦ゲームを行うゲーム装置が普及している。
【0003】
かかる対戦ゲームを行うゲーム装置におけるレース等のゲームでは、それぞれのゲーム装置は、開始時に他のゲーム装置からのエントリーを受付け、前記他のゲーム装置を操作する遊戯者を、ゲームを競う対戦相手として同一のゲームに参加させることができるように構成している(例えば、特許文献1)。
【0004】
かかるゲーム装置にあっては、多くの対戦相手(他のゲーム装置)を対戦ゲームに参加させることが可能である。一方、対戦相手として特定の遊戯者又はゲーム装置を選ぶことができない。
【特許文献1】特開平08−224376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特にゲーム終了時には、同じ対戦相手との再戦を望むことが多いことが想定されるが、ゲームを再開するに当たってゲーム開始時と同じ手順の処理を行うと、先のゲーム時と異なる遊戯者(他のゲーム装置)のエントリーも受け付けることになる。
【0006】
また、他者が参加しない場合にあっても、同じゲームを繰り返す際に,同じゲーム開始の手順を実行することが必要であると、わずらわしさを遊戯者に与えることになる。
【0007】
かかる従来技術に鑑みて、本願発明の目的は、ゲームを終了させる際に、同じ対戦相手との再戦を欲するか否かの選択と、その際のゲーム参加のエントリーの受付手順を含む初期処理の省略を可能とし、且つ速やかなゲーム再開を可能とするゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するゲーム装置は、通信接続された他のゲーム装置からの参加要求信号をゲーム開始時に受け付け、受け付けた他のゲーム装置からの制御信号に基づいて、各ゲーム装置に対応付けられた操作対象キャラクタのそれぞれの挙動を制御する制御手段を備えたゲーム装置において、ゲーム開始時に受け付けた前記参加要求信号に対応する他のゲーム装置を特定する情報を含む参加情報を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、ゲームを終了させる際に、当該ゲームにおいて参加要求を受け付けた他のゲーム装置の参加を再度受け付けて行う再ゲームとするか否かを、遊戯者に選択させる再ゲーム受付手段を有し、当該再ゲーム受付手段にて再ゲームとする選択を受け付けた場合には、再ゲームにおけるゲーム開始時に前記記憶手段に記憶されている参加情報を読み出し、前回のゲームにて参加要求を受け付けた他のゲーム装置のみからの参加要求を受け付けることを特徴とする。
【0009】
前記特徴に加え、前記ゲーム装置には、前記操作対象キャラクタの1つに対応付けられた複数の操作手段が、それぞれ設けられており、前記制御手段は、ゲーム開始時に前記複数の操作手段の何れをメインの操作手段とするかの遊戯者による設定入力を受け付け、前記記憶手段は、前記入力された設定をメイン操作情報として記憶し、前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記メイン操作情報の再設定をさせずに前記記憶手段からメイン操作情報を読み出すように構成しても良い。
【0010】
また、前記特徴に加え、複数の遊戯者が同乗可能で、且つ前記制御手段の制御に従って揺動する筐体を有し、前記制御手段は、ゲームの開始時に、前記同乗者数を前記操作手段から入力させ、前記記憶手段は、前記入力された前記同乗者数を記憶し、前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記同乗者数の再入力をさせずに、前記記憶手段から同乗者数を読み出すように構成することにも適用可能である。
【発明の効果】
【0011】
上記特徴を有することにより、ゲームを終了させる際に同じ対戦相手との再戦を欲するか否かの選択と、その際のゲーム参加のエントリーの受付手順を含む初期処理の省略が可能である。これにより、速やかな再ゲームの開始が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面に従い、本願発明の実施の形態例を説明する。なお、実施の形態例は本願発明の理解のためのものであり、本願発明の技術的範囲が、これに限定されるものではない。
【0013】
特に以下に実施例として、本発明を対戦ゲームとしてカーレースゲームに適用した例を示す。
【0014】
しかし、本願発明の適用は、かかるカーレースゲームに限定されるものではない。例えば、対戦ゲームの他の例としてボートレース等のレースに適用可能であり、モデル装置に複数の遊戯者が座し、レースゲームに登場する一の対象を複数の遊戯者により共通の操作対象とする場合、同様に本願発明の適用が可能である。
【0015】
図1は、本発明の理解のために、実施例としてカーレースを行うゲームシステムの外観正面を示す図である。又、図2は、同様のゲームシステムを上面から見た図である。
【0016】
ゲームシステムは、ゲーム進行に対応して揺動可能な筐体としてレーシングカーのコックピットモデル11〜14をそれぞれに有する複数のゲーム装置(実施例として4台)が並列に備えられている。
【0017】
複数のゲーム装置のコックピットモデル11〜14のそれぞれの前面に、プログラムの進行に従って自車を視点において形成される仮想3次元空間のレーシングコースが表示されるプロジェクタスクリーン21〜24が配置される。さらに、コックピットモデル11〜14のそれぞれにゲームに参加するために必要なコインの投入口31〜34を備えている。
【0018】
システムの仕様に対応して適宜にゲームシステム上部に、パネル表示装置4と、これに隣接して遊戯者像あるいは、ゲーム画像を表示する画像ディスプレイ装置5が配置される。さらに、左右にスピーカ61、62が備えられる。
【0019】
図1、図2において、更にゲームシステム全体を総合制御するコントロール部7が示されている。
【0020】
4つのコックピットモデル11〜14は、それぞれ同じ形態であるので、図3に共通の一つのコックピットモデルの形態を示している。
【0021】
実施例として、二人の遊戯者が組として一つのコックピットモデルに座し、遊戯者に対応して備えられた操作手段としてのハンドル(ステアリング)100A、100B、アクセルペダル101A、101B、ブレーキペダル102A、102Bを操作する。なお、マニュアル車をモデルとする場合にシフトレバー110は、二人の遊戯者に対して共通に操作使用される。オートマ車をモデルとする場合にシフトレバー110に代え他の制御ボタン等を備えることが可能である。
【0022】
このような構成で、所定の条件を満たすときに備えられた上記の操作手段の出力の有効性を遊戯者の交代として切り替えるように制御される。すなわち、交代する側の遊戯者のみの操作手段出力が有効とされる。
【0023】
さらに、図3において、コックピットモデルには、二人の遊戯者を同時に撮像可能な広角度のCCDカメラ120が備えられる。かかるCCDカメラ120により撮像されるビデオ信号が、図1に示す画像ディスプレイ装置5に表示される。
【0024】
また、画像ディスプレイ装置5に隣接して備えられているパネル表示装置4には、ゲームの進行に応じたゲーム情報、例えば、レース中における順位情報等の情報が表示される。さらに、パネル表示装置4には、画像ディスプレイ装置5に表示される画像とゲーム情報とを関係づける表示が同時に示される。
【0025】
図4は、図3に対応して示される一のコックピットモデルの機構を理解容易とするための斜視図である。なお、振動機構を示すために、後部カバーを外した状態を示している。
【0026】
図4において、二人の遊戯者が座すシート103A、103Bに、ゲームの進行に対応して傾斜あるいは振動を与えて遊戯者にカーレースを運転する際の仮想感覚を与えるための2本のシリンダー104A、104Bが備えられている。
【0027】
図5は、本願発明の適用が一つの遊戯施設に備えられるゲーム装置に限定されないことを示す図である。即ち、複数の遊戯施設GS1、GS2・・・GSnがネットワークNWを介して接続されている場合にも適用が可能である。
【0028】
図1に示したゲーム装置が、複数の遊戯施設GS1、GS2・・・GSnのそれぞれに配置される。そして、図1に示した4台のモデル装置に限られず、ネットワーNWで接続された複数のモデル装置間で、仮想の三次元空間におかれるレーシングカー(競争車)によりレースゲームを実行することが可能である。
【0029】
かかる場合、全体を制御するために、遊戯施設GS1〜GSnのいずれか一の遊戯施設におけるゲーム装置がゲームマスター機(サーバ)として機能し、他のクライアントであるゲーム装置が同期制御される。
【0030】
図6は、かかる遊戯施設GS2〜GSnに置かれる一のゲーム装置であって、図1の構成に対応する機能ブロック図である。なお、遊戯施設GS2〜GSn間の接続制御は本願発明における制御と直接関係しないので、図6において、他のゲーム装置との通信接続については図示省略している。
【0031】
コックピットモデル11〜14に対応して、それぞれ同様構成の制御回路機能部201〜204が備えられる。制御回路機能部201〜204は、HUB210によりLAN接続されている。制御回路機能部201〜204のそれぞれは、プログラムを格納し、これを実行するゲームボード212を有している。
【0032】
コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、ハブ210でLAN接続されている。コックピットモデル11〜14における一のゲームボード212がマスターボードとなり、他のコックピットモデルのスレーブボードとなるゲームボード212からゲームデータを収集し、順位計算を行う。そして、計算結果は、スレーブボードとなるコックピットモデルのゲームボードに、マスターボードから計算結果が戻される。
【0033】
したがって、コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、常にゲームシステムにおけるデータを共有することができる。これにより、マスターボードがダウンした場合にも他のスレーブボードであったコックピットモデルのゲームボード212が、マスターボードとなることが容易である。
【0034】
入力I/Oボード213は、アクセルペダル101A、101B、ブレーキペダル102A、102B及びシフトレバー110の動きを検知して、対応する制御信号を受信し、ゲームボード212に送る。
【0035】
さらに、アクチュエータコントロールボード214を有し、コックピットモデル11〜14のそれぞれのゲーム状態をメインコントロールボード200に通知し、メインコントロールボード200と連携して、ゲームの進行に対応して動的に動かし、遊戯者に実車を運転する感覚を与えるアクチュエータ(シリンダー104A、104B:図4)を制御する。
【0036】
メインコントロールボード200は、ビデオスイッチボード205と、パネル表示装置4のI/Oボード504を制御する。これらのメインコントロールボード200及び、ビデオスイッチボード205は、図1に示したコントロール部7に含まれる。
【0037】
ビデオスイッチボード205は、コックピットモデル11〜14のそれぞれに備えられるCCDカメラ120の撮像信号を入力し、メインコントロールボード200により、切り替え制御されて画像ディスプレイ装置5に表示信号を送る。したがって、画像ディスプレイ装置5に、ビデオスイッチボード205で切り替え選択された、コックピットモデル11〜14のいずれかにおけるCCDカメラ120で撮像された遊戯者の映像が表示される。
【0038】
さらに、画像ディスプレイ装置5にゲーム画像が表示される場合は、メインコントロールボード200で、アクチュエータコントロールボード214から送られるビデオ信号を選択してビデオスイッチボード205を通して画像ディスプレイ装置5に送り表示される。
【0039】
また、メインコントロールボード200は、画像ディスプレイ装置5に表示される画像に対する情報信号を表示するためにパネル表示装置4のI/Oボード500に送る。
【0040】
I/Oボード500は、メインコントロールボード200から送られる信号に基づき、対応するパネル表示装置4の光源501に点灯制御信号を送る。これにより、画像ディスプレイ装置5に表示される画像を対応づけた情報表示が、パネル表示装置4で行うことが可能である。
【0041】
図7は、図6におけるゲームボード212の構成例である。プログラム・データ記憶装置221には、プログラム、データ(映像・音声データも含む)が格納されている。これは、外付けのDVD−ROM等で構成してもよい。
【0042】
制御手段としてのCPU222は、プログラムの実行、そして全体システムの制御および画像表示のための座標計算等を行う。
【0043】
システムメモリ223は、CPU222が処理を行うのに必要なプログラムやデータ等を格納する。さらに、仮想三次元空間内を移動する、遊戯者により操縦操作されるレーシングカーのドライバーの情報及び走行距離等のゲーム実行中のデータが生成され、一時的に格納される。
【0044】
ゲームボード212を起動するときに必要なプログラムやデータがブートROM224に格納されている。
【0045】
さらに、ゲームボード212の各ブロックや、I/Oインタフェース220を通して外部に接続される機器(I/Oボード213、アクチュエータコントロールボード201)とのプログラムやデータの流れを制御するバスアービタ225とを備え、これらはバスに接続されている。
【0046】
バスには更にレンダリングプロセッサ226が接続されている。プログラム・データ記憶装置221から読み出した映像(ムービ)データや、遊戯者による操作やゲーム進行に応じて生成すべき画像は、レンダリングプロセッサ226によって生成され、モニター(プロジェクタスクリーン)21、22、23、24に表示される。
【0047】
レンダリングプロセッサ226が画像生成を行うのに必要なグラフィックデータ等はグラフィックメモリ227に格納されている。バスにはサウンドプロセッサ228が接続され、プログラム・データ記憶装置221から読み出した音楽データや、遊戯者の操作やゲーム進行に応じて生成すべき効果音や音声は、サウンドプロセッサ228に生成され、メインコントロールボード200により処理されてスピーカ61、62に音声表示される。
【0048】
サウンドプロセッサ228が効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等はサウンドメモリ229に格納される。
【0049】
図8は、図7に構成例を示したゲームボード212と連携するI/Oボード213と、アクチュエータコントロールボード214の機能を説明する図である。
【0050】
アクセル101A(101B)と、ブレーキ102A(102B)は、それぞれ踏み込み量に対応する操作信号を出力するように構成されている。
【0051】
ハンドル100A(100B)は、その操作角に対応する量の操作信号を出力する様に構成されている。さらに、シフトレバーに相当するシフトキー110は、その切り替えポジションに対応する操作信号を出力する。
【0052】
これらの操作手段に対する遊戯者の操作に基づく操作信号がI/Oボード213に入力される。I/Oボード213は、ゲームボード212からの状態信号即ち、二人の遊戯者のいずれの側が有効とされているかの情報を取得し、有効な側の操作信号をゲームボード212に送る。かかる二人の遊戯者のいずれの側が有効とされているかの情報は、ゲーム実行中にシステムメモリ223に保持されている。
【0053】
さらに、ゲームボード212は、二人の遊戯者のいずれの側が有効とされているかの情報を、ハンドル100A(100B)に付随して備えられるハンドルコントロール切替ボード131と、アクチュエータコントロールボード214に送る。
【0054】
ハンドルコントロール切替ボード131は、ゲームボード212から送られた情報に基づき所定条件の時に、有効とされているハンドル側のモータ駆動ボード130A(130B)に駆動指令を送り、ハンドル100A(100B)にモータ回転駆動力を与え回転させる。これにより、遊戯者にゲーム走行中にハンドルに衝撃を受ける仮想的感覚を与えることができる。
【0055】
一方、アクチュエータコントロールボード214は、ゲームボード212から送られた情報に基づき所定条件の時に、所定のプログラムに従って、右、左のアクチュエータコントロールボード114A(114B)に駆動指令を送り、シリンダー104A(104B)の上下移動を制御する。これにより、図4に示したように、ドライバーシート103A(103B)にピッチングあるいはローリングの動きを与え、ゲーム走行中の車体に対する衝撃を受ける仮想的感覚を与えることができる。
【0056】
ここで、ゲームの実行方法として、上記の説明における図1に示した4台のレーシングカーモデルに座した遊戯者間あるいは、図5のネットワークNWを通して、異なる遊戯施設GS1からGSnにおけるゲーム装置を操作する遊戯者との間でのレーシング競技の場合に限定されない。
【0057】
すなわち、1台のレーシングカーモデル(ゲーム装置)において、CPU222によりプログラムに従って移動が制御され、画像表示されるレーシングカーをレーシング競技の対戦相手としてゲームを進めることも可能である。かかる場合の一人の遊戯者によるゲームの処理を、複数の遊戯者間でゲームを行う場合の対戦フローに対し、本願発明では、シングルフローと呼ぶ。
【0058】
次に、上記のゲーム装置(レーシングカーモデル)の構成を一例として実行される本願発明の、対戦ゲームにおいてゲーム再開時の処理を実行するゲーム装置の動作について、図9乃至図13に基づき以下に説明する。
【0059】
図9乃至図13に示される処理フローの各ステップは、上記の複数のゲーム装置のそれぞれにおけるゲームボード212のCPU222が、制御手段として記憶装置221に格納されるプログラムを実行することにより実現される。
【0060】
先ず対戦参加フローである図9において、制御手段としてCPU222により、複数の遊戯者に対戦ゲームの実行を誘うためのアドバタイズ(宣伝)画面をモニター21に表示させる(ステップS1)。
【0061】
ゲームに参加する場合、遊戯者は、自身の座すゲーム装置のコックピットモデル11〜14の対応するコイン投入口31〜34に所定額のコインを投入し、ゲームスタートボタンを押下する(ステップS2)。なお、所定額は、通常一回のゲーム実行単位に定められるが、複数回のゲームの継続を意図する場合には、所定額以上のコインを投入しておくことによりクレジットとして継続してゲームの実行が可能である。
【0062】
所定額以上のコインの投入があると、CPU222はゲーム装置が対戦可能状態にあるか否かを判断する(ステップS3)。すなわち、対戦ゲームを実行するためには、ゲーム装置がLAN若しくはネットワークに接続されて、他のゲーム装置とデータの交換が可能な状態となっていることが必要であり、CPU222は、この状態を判定する。
【0063】
ゲーム装置が対戦可能状態になければ(ステップS3、No)、後に説明するCPU222により表示及び動きを制御される、自ゲーム装置のモニター上のキャラクタ(レーシングカー)を対戦相手とするゲーム(これをシングルフローゲームと呼ぶ)の実行処理に移行する。
【0064】
ゲーム装置が対戦可能状態であれば(ステップS3、Yes)、対戦待ちうけ画面をモニター21に表示する(ステップS4)。
【0065】
実施例として約25秒の所定時間表示される対戦待ちうけ画面の表示中に、遊戯者が他のゲーム装置の遊戯者との間での対戦ゲームではなくシングルフローゲームを希望する場合は、モニター21の画面或いは、ゲーム装置に付属する所定の指示入力部により選択入力を行い、シングルフローゲームに移行する(ステップS5、Yes)。
【0066】
他のゲーム装置の遊戯者との対戦ゲームを希望する場合(ステップS5、No)は、上記所定時間経過までの期間中に対戦者の参加通知があったか否かをCPU222により判定する(ステップS6)。
【0067】
すなわち、該当のゲーム装置は、他のゲーム装置と伝送路で接続され、他のゲーム装置にも同様の対戦ゲームのアドバタイズ画面が表示されている。したがって、他のゲーム装置の遊戯者が、コイン投入しスタートボタンを押すと(ステップS2)、対戦可能のゲーム装置であるマスターボードに通知される。
【0068】
したがって、対戦ゲームを希望する遊戯者の属するゲーム装置間で対戦者が参加したことの判定(ステップS6、Yes)の同期が取られ、対戦ゲームの参加者が確定する。
【0069】
このように、制御手段であるCPU222は、ゲーム開始時に対戦ゲームの参加者が決まると、ゲーム参加要求に対応する対戦ゲームの参加者である遊戯者を特定する情報含む参加情報を生成する。そして、CPU222により生成される参加情報を記憶手段であるシステムメモリ223に記憶する。
【0070】
次に、それぞれのゲーム装置において実行される図10の対戦フローの処理に移行する。
【0071】
図10において、遊戯者は、メインドライバーを選択する(ステップS7)。先に説明したように、ゲーム装置のコックピットモデルに座す遊戯者が左右の何れの側のハンドル等の操作装置に対する操作を初期状態で有効とするかを選択することが可能であり、選択された側をメインドライバーとする。このメインドライバーの選択入力は、コックピットモデルにおける選択する側のアクセルを入力手段として、アクセルを踏まれた側をメインドライバーとする。入力されたメインドライバーの設定は、メイン操作情報としてシステムメモリ223に記憶される。
【0072】
ついで、CPU222は、ドライバー人数の選択を判定する(ステップS8)。ゲーム装置のコックピットモデルには、先に説明したように2人の遊戯者が座してそれぞれの座位置に対応して操作可能のハンドル等の操縦装置が配置される。そして、ゲーム装置のコックピットに2人の遊戯者が座す場合には、所定条件に合致するときに操作入力を有効とされる側のドライバー(遊戯者)の交代を行って対戦ゲームを継続する処理が可能である。
【0073】
上記ステップS8でのドライバー人数の選択は、かかるドライバー交代の機能を有効とするか否かの選択である。ドライバー人数を二人とする選択が行われたときは、ゲーム実行中に交代処理制御が行われる。
【0074】
ドライバー人数を一人とする場合は、後の安全確認処理のために同乗者の有無を確認する(ステップS9)。なお、ここでは、ゲームの遊び方のアニメーション画像の表示も行われる。
【0075】
ドライバー人数の選択入力、または同乗者の有無の入力は、ゲーム装置の1つのコックピットモデルに座す同乗者数としてシステムメモリ223に記憶される。
【0076】
ドライバー人数選択(ステップS8)に続き、カーセレクト処理が行われる(ステップS10)。ここでは、モニター21に表示される例えば6種類の競争車のうち、遊戯者が操作対象としたい競争車を選択し、CPU222はこれを確認する(ステップS10)。
【0077】
さらに、同様に、遊戯者によりモニター21に表示されるレースを行うレーシングコースの選択を行う。例えば4つのコースから、遊戯者がカーレース競技を行いたいコースを選択し、CPU222はこれを確認する(ステップS11)。
【0078】
なお、コース選択においては、対戦ゲームを行う複数の遊戯者の何れが選択したコースを有効とするかは、直接本願発明と関係しないが、例えば、最先に選択処理を行った遊戯者の選択を有効とするか、対戦者の待ち受け画面(ステップS4)に対し、最初に参加の意思表示をした遊戯者の選択を有効とするか等の態様が可能である。
【0079】
カーセレクト(ステップS10)、コースセレクト(ステップS11)が行われると、安全確認画面をモニター21に表示する(ステップS12)。ここでは、遊戯者にシートベルト等の安全装置の装着を促すと共に、ゲームの遊び方等についてモニター21により遊戯者に情報を与える処理である。
【0080】
ついで、レーシングカーレースを操作対象とする対戦ゲームが実行される(ステップS13)。
【0081】
CPU222は、何れのレーシングカー(競争車)が所定時間内にゴールに到達したか否か、或いは所定時間に達しているかを判定する(ステップS14)。この判定の後に、CPU222は、該当のゲーム装置における遊戯者のレース結果に基づくスコアを計算する。このゲーム結果は、マスターボードとなるゲーム装置に送られる。
【0082】
ここで、ゲーム装置ごとをチームとして、レース結果の順位付けが行われ、その順位情報が各スレーブボードのゲート装置に通知され、CPU222によりモニター21に表示される(ステップS15)。これにより一回目のレースゲームが終了する。
【0083】
ついで、本発明の特徴として、遊戯者のゲーム再開の意思表示をCPU222が判定する(ステップS16)。すなわち、一回目のレースゲームを終了させる際に、モニター21の画面に、図13に示すようなゲームを再開(再ゲーム)するか否かを問う画面を表示させる。
【0084】
なお、再ゲームは、クレジットが残っている場合、或いは新たにコインを投入する場合に可能とされる。
【0085】
図13に示すように、ゲーム再開を問う表示(Try Again?)と、再ゲームを行うか否かの入力ボタンと、必要な場合、以降の再ゲームのためのコインの投入を促すメッセージが表示される。
【0086】
先に2以上のゲーム回数の実行に相当するコインが既に投入されている場合は、コインの投入を促すメッセージは表示されない。
【0087】
図10に戻り、再ゲームを行うか否かの問いに対してNOが選択されると、ゲームオーバーとなり(ステップS17)、アドバタイズ画面表示(ステップS1:図9)に戻る。
【0088】
一方、ステップS16で、再ゲームを行うか否かの問いに対してYESが選択されると、CPU222は、他のゲーム装置においても再ゲームを選択したか否かを判定し、先のゲームと同じゲーム装置であって、少なくとも一つのゲーム装置が再ゲームを選択した場合は(ステップS18、Yes)、再ゲームの条件が整い、カーセレクト処理(ステップS10)に移行して、以降先に説明したゲームの再処理が開始する。
【0089】
ここで、再ゲームにおいて、処理フロー途中のステップS10に移行する理由は次のようである。
【0090】
すなわち、先に説明したように、通常ゲーム開始に先立って、図9において対戦者待ちうけ画面表示(ステップS4)が約25秒行われ、更に、図10において、実施例としてメインドライバーセレクトの処理(ステップS7)に最大10秒、ドライバー人数セレクト処理(ステップS8)に最大25秒、同乗者確認処理(ステップS9)に最大15秒の時間を設定し、この時間内に遊戯者の入力操作を行えるようにしている。
【0091】
しかし、かかるステップS4,S7,8,9の処理により入力される条件は、新たなゲーム装置間でゲームを行う場合には設定が必要であるが、先に行ったゲームに対し、再プレイの場合は、ゲーム装置が同じであり、従って先のゲームにおけるゲーム装置を特定する情報、メイン操作情報、及び同乗者数が記憶されていれば、これらの記憶を読み出すことによって再入力の必要はない。
【0092】
したがって、本発明では、かかる処理を省略してゲームの再プレイを可能としている。これにより、遊戯者にとって再プレイの意欲をそぐことなく短時間でゲームの再プレイを開始することができる。同時に、ゲーム実行処理時間が短縮され、ゲーム装置の効率的な運用が可能になる。
【0093】
ステップS18において、再ゲームの開始を望んでいるにも関わらず、先のゲームにおいて、対戦に参加したゲーム装置のいずれからも再ゲームの要求が示されないとき(ステップS18、No)は、シングルフロー処理に移行する。
【0094】
シングルフロー処理とは、先に説明した様に異なるゲーム装置においてそれぞれ操作とするキャラクタ間の対戦ではなく、一のゲーム装置において操作対象である、一方のキャラクタ(カーレースであればレーシングカー)がプログラムに従ってCPU222により操作されるキャラクタである場合のゲーム処理を意味する。
【0095】
シングルフロー処理の詳細について、以下に説明する。
【0096】
図11は、シングルフロー処理フロー(その1)である。図9の対戦参加フローにおいて、対戦可能の状態でない(ステップS3、No)、対戦拒否する場合(ステップS5、Yes)及び対戦者(他のゲーム装置)の参加がない場合(ステップS6、No)に、図11のシングルフロー処理(その1)に移行する。
【0097】
シングルフロー処理(その1)において、図10のステップS7、S8、S9に対応する処理(ステップS18,S19、S20 )が行われる。ついで、モードセレクト(ステップS21)において、レースアタックかタイムアタックかのモード選択処理がおこなわれる。
【0098】
レースアタックとは、他のゲーム装置の遊戯者の操作するレーシングカーではなく、CPU222によって操作されるレーシングカー(競技車)とカーレースを競う遊び方である。
【0099】
一方、タイムアタックとは、所定のコースを遊戯者の操作する競争車がコースのゴールまでを、いかなる時間で到達できるかを楽しむ遊び方である。
【0100】
図11のモードセレクト(ステップS22)においてレースアタックモードが選択されると、図12のシングルフロー(その2)に移行する。
【0101】
図12のステップS23〜S26において、図10のカーセレクト(ステップS10)、コースセレクト(ステップS11)、安全確認画面表示(ステップS12)及びレース処理(ステップS13)と同じ処理が行われる。
【0102】
ついで、CPU222は遊戯者の操作するレーシングカー(競技車)がコース最終位置にゴールしたかを判定する(ステップS27)。
【0103】
ゴールした場合(ステップS27、Yes)、タイムアップした場合(ステップS27、No)、それぞれに対し、スコアを計算する(ステップS28、S29)。
【0104】
スコア計算(ステップS28)の結果は、マスターボードに収集され、ランクが計算されその結果が該当のゲーム装置に通知される。
【0105】
ランクが所定以内でなければ(ステップS30、No)、再プレイを行うか否かの判定をさせる(ステップS31)。
【0106】
ゲーム装置は通知されたランクが所定以内であれば(ステップS30、Yes)、遊戯者名の入力をさせ、(ステップS32)。モニター21にランキング画面を表示させる(ステップS33)。
【0107】
その後、本発明の特徴としての再プレイを行うか否かの判定をさせる(ステップS34)。この再プレイの処理は、先に説明したステップS16(図10)の処理と同様である。
【0108】
再プレイの場合(ステップS34、Yes)は、カーセレクト(ステップS23)に戻る。
【0109】
再プレイしない場合(ステップS34、No)は、所定のランクにあるとき(ステップS35、Yes)、エンディング表示を行い(ステップS36)、所定のランクにないとき(ステップS35、No)は、そのままゲームオーバー(ステップS17)とする。
【0110】
図12において、ステップS27で、ゴールせずにタイプアップした場合(ステップS27、No)は、スコアを計算して(ステップS29)再プレイするか否かの判定を行う(ステップS31)。再プレイでなければ、ゲームオーバー(ステップS17)とする。
【0111】
図11に戻り、モードセレクト判定(ステップS22)で、タイムアタックであると、タイムアタックモード処理に移行する。
【0112】
このタイムアタックモード処理も、図12のシングルフロー(2)の流れと実質同じであるので、更なる説明は省略する。
【0113】
ここで、図12のシングルフローにおいても本願発明の特徴として、再プレイの処理を可能とし(ステップS31,34)、再プレイのときは(ステップS31、ステップS34、Yes)、カーセレクト処理(ステップS23)から処理が行われ、事前のメインドライバーセレクト(ステップS7)、ドライバー人数セレクト(ステップS8)及び同乗者確認(ステップS9)の処理が省略され、再プレイにおけるゲーム開始時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明を適用したカーレースを行うゲーム装置の外観正面を示す図である。
【図2】図1のゲーム装置を上面から見た図である。
【図3】一つのコックピットモデルの形態を示す図である。
【図4】図3に対応して示される一のコックピットモデルの機構を理解容易とするための斜視図である。
【図5】本発明の適用が一つの遊戯施設に備えられるゲーム装置に限定されないことを示す図である。
【図6】図1の構成に対応する機能ブロック図である。
【図7】図6におけるゲームボードの構成例である。
【図8】図7に構成例を示したゲームボードと連携するI/Oボードと、アクチュエータコントロールボードの機能を説明する図である。
【図9】対戦参加フローを説明する図である。
【図10】対戦フローを説明する図である。
【図11】シングルフローを説明する図(その1)である。
【図12】シングルフローを説明する図(その2)である。
【図13】ゲーム再開(再プレイ)を問う画面の例である。
【符号の説明】
【0115】
11〜14 コックピットモデル
21〜24 スクリーン
4 パネル表示装置
5 画像ディスプレイ装置
7 コントロール部
61、62 スピーカ
31〜34 コインの投入口
100A、100B ハンドル(ステアリング)
101A、101B アクセル
102A、102B ブレーキ
103A、103B シート
104A、104B シリンダー
110 シフトレバー
120 CCDカメラ
200 コントロールボード
212 ゲームボード
213 I/Oボード
214 アクチュエータコントロールボード
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及び、ゲームの実行を制御するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを通して接続された複数のゲーム装置を用いて、複数の遊戯者間で対戦ゲームを行うゲーム装置が普及している。
【0003】
かかる対戦ゲームを行うゲーム装置におけるレース等のゲームでは、それぞれのゲーム装置は、開始時に他のゲーム装置からのエントリーを受付け、前記他のゲーム装置を操作する遊戯者を、ゲームを競う対戦相手として同一のゲームに参加させることができるように構成している(例えば、特許文献1)。
【0004】
かかるゲーム装置にあっては、多くの対戦相手(他のゲーム装置)を対戦ゲームに参加させることが可能である。一方、対戦相手として特定の遊戯者又はゲーム装置を選ぶことができない。
【特許文献1】特開平08−224376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特にゲーム終了時には、同じ対戦相手との再戦を望むことが多いことが想定されるが、ゲームを再開するに当たってゲーム開始時と同じ手順の処理を行うと、先のゲーム時と異なる遊戯者(他のゲーム装置)のエントリーも受け付けることになる。
【0006】
また、他者が参加しない場合にあっても、同じゲームを繰り返す際に,同じゲーム開始の手順を実行することが必要であると、わずらわしさを遊戯者に与えることになる。
【0007】
かかる従来技術に鑑みて、本願発明の目的は、ゲームを終了させる際に、同じ対戦相手との再戦を欲するか否かの選択と、その際のゲーム参加のエントリーの受付手順を含む初期処理の省略を可能とし、且つ速やかなゲーム再開を可能とするゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するゲーム装置は、通信接続された他のゲーム装置からの参加要求信号をゲーム開始時に受け付け、受け付けた他のゲーム装置からの制御信号に基づいて、各ゲーム装置に対応付けられた操作対象キャラクタのそれぞれの挙動を制御する制御手段を備えたゲーム装置において、ゲーム開始時に受け付けた前記参加要求信号に対応する他のゲーム装置を特定する情報を含む参加情報を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、ゲームを終了させる際に、当該ゲームにおいて参加要求を受け付けた他のゲーム装置の参加を再度受け付けて行う再ゲームとするか否かを、遊戯者に選択させる再ゲーム受付手段を有し、当該再ゲーム受付手段にて再ゲームとする選択を受け付けた場合には、再ゲームにおけるゲーム開始時に前記記憶手段に記憶されている参加情報を読み出し、前回のゲームにて参加要求を受け付けた他のゲーム装置のみからの参加要求を受け付けることを特徴とする。
【0009】
前記特徴に加え、前記ゲーム装置には、前記操作対象キャラクタの1つに対応付けられた複数の操作手段が、それぞれ設けられており、前記制御手段は、ゲーム開始時に前記複数の操作手段の何れをメインの操作手段とするかの遊戯者による設定入力を受け付け、前記記憶手段は、前記入力された設定をメイン操作情報として記憶し、前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記メイン操作情報の再設定をさせずに前記記憶手段からメイン操作情報を読み出すように構成しても良い。
【0010】
また、前記特徴に加え、複数の遊戯者が同乗可能で、且つ前記制御手段の制御に従って揺動する筐体を有し、前記制御手段は、ゲームの開始時に、前記同乗者数を前記操作手段から入力させ、前記記憶手段は、前記入力された前記同乗者数を記憶し、前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記同乗者数の再入力をさせずに、前記記憶手段から同乗者数を読み出すように構成することにも適用可能である。
【発明の効果】
【0011】
上記特徴を有することにより、ゲームを終了させる際に同じ対戦相手との再戦を欲するか否かの選択と、その際のゲーム参加のエントリーの受付手順を含む初期処理の省略が可能である。これにより、速やかな再ゲームの開始が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面に従い、本願発明の実施の形態例を説明する。なお、実施の形態例は本願発明の理解のためのものであり、本願発明の技術的範囲が、これに限定されるものではない。
【0013】
特に以下に実施例として、本発明を対戦ゲームとしてカーレースゲームに適用した例を示す。
【0014】
しかし、本願発明の適用は、かかるカーレースゲームに限定されるものではない。例えば、対戦ゲームの他の例としてボートレース等のレースに適用可能であり、モデル装置に複数の遊戯者が座し、レースゲームに登場する一の対象を複数の遊戯者により共通の操作対象とする場合、同様に本願発明の適用が可能である。
【0015】
図1は、本発明の理解のために、実施例としてカーレースを行うゲームシステムの外観正面を示す図である。又、図2は、同様のゲームシステムを上面から見た図である。
【0016】
ゲームシステムは、ゲーム進行に対応して揺動可能な筐体としてレーシングカーのコックピットモデル11〜14をそれぞれに有する複数のゲーム装置(実施例として4台)が並列に備えられている。
【0017】
複数のゲーム装置のコックピットモデル11〜14のそれぞれの前面に、プログラムの進行に従って自車を視点において形成される仮想3次元空間のレーシングコースが表示されるプロジェクタスクリーン21〜24が配置される。さらに、コックピットモデル11〜14のそれぞれにゲームに参加するために必要なコインの投入口31〜34を備えている。
【0018】
システムの仕様に対応して適宜にゲームシステム上部に、パネル表示装置4と、これに隣接して遊戯者像あるいは、ゲーム画像を表示する画像ディスプレイ装置5が配置される。さらに、左右にスピーカ61、62が備えられる。
【0019】
図1、図2において、更にゲームシステム全体を総合制御するコントロール部7が示されている。
【0020】
4つのコックピットモデル11〜14は、それぞれ同じ形態であるので、図3に共通の一つのコックピットモデルの形態を示している。
【0021】
実施例として、二人の遊戯者が組として一つのコックピットモデルに座し、遊戯者に対応して備えられた操作手段としてのハンドル(ステアリング)100A、100B、アクセルペダル101A、101B、ブレーキペダル102A、102Bを操作する。なお、マニュアル車をモデルとする場合にシフトレバー110は、二人の遊戯者に対して共通に操作使用される。オートマ車をモデルとする場合にシフトレバー110に代え他の制御ボタン等を備えることが可能である。
【0022】
このような構成で、所定の条件を満たすときに備えられた上記の操作手段の出力の有効性を遊戯者の交代として切り替えるように制御される。すなわち、交代する側の遊戯者のみの操作手段出力が有効とされる。
【0023】
さらに、図3において、コックピットモデルには、二人の遊戯者を同時に撮像可能な広角度のCCDカメラ120が備えられる。かかるCCDカメラ120により撮像されるビデオ信号が、図1に示す画像ディスプレイ装置5に表示される。
【0024】
また、画像ディスプレイ装置5に隣接して備えられているパネル表示装置4には、ゲームの進行に応じたゲーム情報、例えば、レース中における順位情報等の情報が表示される。さらに、パネル表示装置4には、画像ディスプレイ装置5に表示される画像とゲーム情報とを関係づける表示が同時に示される。
【0025】
図4は、図3に対応して示される一のコックピットモデルの機構を理解容易とするための斜視図である。なお、振動機構を示すために、後部カバーを外した状態を示している。
【0026】
図4において、二人の遊戯者が座すシート103A、103Bに、ゲームの進行に対応して傾斜あるいは振動を与えて遊戯者にカーレースを運転する際の仮想感覚を与えるための2本のシリンダー104A、104Bが備えられている。
【0027】
図5は、本願発明の適用が一つの遊戯施設に備えられるゲーム装置に限定されないことを示す図である。即ち、複数の遊戯施設GS1、GS2・・・GSnがネットワークNWを介して接続されている場合にも適用が可能である。
【0028】
図1に示したゲーム装置が、複数の遊戯施設GS1、GS2・・・GSnのそれぞれに配置される。そして、図1に示した4台のモデル装置に限られず、ネットワーNWで接続された複数のモデル装置間で、仮想の三次元空間におかれるレーシングカー(競争車)によりレースゲームを実行することが可能である。
【0029】
かかる場合、全体を制御するために、遊戯施設GS1〜GSnのいずれか一の遊戯施設におけるゲーム装置がゲームマスター機(サーバ)として機能し、他のクライアントであるゲーム装置が同期制御される。
【0030】
図6は、かかる遊戯施設GS2〜GSnに置かれる一のゲーム装置であって、図1の構成に対応する機能ブロック図である。なお、遊戯施設GS2〜GSn間の接続制御は本願発明における制御と直接関係しないので、図6において、他のゲーム装置との通信接続については図示省略している。
【0031】
コックピットモデル11〜14に対応して、それぞれ同様構成の制御回路機能部201〜204が備えられる。制御回路機能部201〜204は、HUB210によりLAN接続されている。制御回路機能部201〜204のそれぞれは、プログラムを格納し、これを実行するゲームボード212を有している。
【0032】
コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、ハブ210でLAN接続されている。コックピットモデル11〜14における一のゲームボード212がマスターボードとなり、他のコックピットモデルのスレーブボードとなるゲームボード212からゲームデータを収集し、順位計算を行う。そして、計算結果は、スレーブボードとなるコックピットモデルのゲームボードに、マスターボードから計算結果が戻される。
【0033】
したがって、コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、常にゲームシステムにおけるデータを共有することができる。これにより、マスターボードがダウンした場合にも他のスレーブボードであったコックピットモデルのゲームボード212が、マスターボードとなることが容易である。
【0034】
入力I/Oボード213は、アクセルペダル101A、101B、ブレーキペダル102A、102B及びシフトレバー110の動きを検知して、対応する制御信号を受信し、ゲームボード212に送る。
【0035】
さらに、アクチュエータコントロールボード214を有し、コックピットモデル11〜14のそれぞれのゲーム状態をメインコントロールボード200に通知し、メインコントロールボード200と連携して、ゲームの進行に対応して動的に動かし、遊戯者に実車を運転する感覚を与えるアクチュエータ(シリンダー104A、104B:図4)を制御する。
【0036】
メインコントロールボード200は、ビデオスイッチボード205と、パネル表示装置4のI/Oボード504を制御する。これらのメインコントロールボード200及び、ビデオスイッチボード205は、図1に示したコントロール部7に含まれる。
【0037】
ビデオスイッチボード205は、コックピットモデル11〜14のそれぞれに備えられるCCDカメラ120の撮像信号を入力し、メインコントロールボード200により、切り替え制御されて画像ディスプレイ装置5に表示信号を送る。したがって、画像ディスプレイ装置5に、ビデオスイッチボード205で切り替え選択された、コックピットモデル11〜14のいずれかにおけるCCDカメラ120で撮像された遊戯者の映像が表示される。
【0038】
さらに、画像ディスプレイ装置5にゲーム画像が表示される場合は、メインコントロールボード200で、アクチュエータコントロールボード214から送られるビデオ信号を選択してビデオスイッチボード205を通して画像ディスプレイ装置5に送り表示される。
【0039】
また、メインコントロールボード200は、画像ディスプレイ装置5に表示される画像に対する情報信号を表示するためにパネル表示装置4のI/Oボード500に送る。
【0040】
I/Oボード500は、メインコントロールボード200から送られる信号に基づき、対応するパネル表示装置4の光源501に点灯制御信号を送る。これにより、画像ディスプレイ装置5に表示される画像を対応づけた情報表示が、パネル表示装置4で行うことが可能である。
【0041】
図7は、図6におけるゲームボード212の構成例である。プログラム・データ記憶装置221には、プログラム、データ(映像・音声データも含む)が格納されている。これは、外付けのDVD−ROM等で構成してもよい。
【0042】
制御手段としてのCPU222は、プログラムの実行、そして全体システムの制御および画像表示のための座標計算等を行う。
【0043】
システムメモリ223は、CPU222が処理を行うのに必要なプログラムやデータ等を格納する。さらに、仮想三次元空間内を移動する、遊戯者により操縦操作されるレーシングカーのドライバーの情報及び走行距離等のゲーム実行中のデータが生成され、一時的に格納される。
【0044】
ゲームボード212を起動するときに必要なプログラムやデータがブートROM224に格納されている。
【0045】
さらに、ゲームボード212の各ブロックや、I/Oインタフェース220を通して外部に接続される機器(I/Oボード213、アクチュエータコントロールボード201)とのプログラムやデータの流れを制御するバスアービタ225とを備え、これらはバスに接続されている。
【0046】
バスには更にレンダリングプロセッサ226が接続されている。プログラム・データ記憶装置221から読み出した映像(ムービ)データや、遊戯者による操作やゲーム進行に応じて生成すべき画像は、レンダリングプロセッサ226によって生成され、モニター(プロジェクタスクリーン)21、22、23、24に表示される。
【0047】
レンダリングプロセッサ226が画像生成を行うのに必要なグラフィックデータ等はグラフィックメモリ227に格納されている。バスにはサウンドプロセッサ228が接続され、プログラム・データ記憶装置221から読み出した音楽データや、遊戯者の操作やゲーム進行に応じて生成すべき効果音や音声は、サウンドプロセッサ228に生成され、メインコントロールボード200により処理されてスピーカ61、62に音声表示される。
【0048】
サウンドプロセッサ228が効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等はサウンドメモリ229に格納される。
【0049】
図8は、図7に構成例を示したゲームボード212と連携するI/Oボード213と、アクチュエータコントロールボード214の機能を説明する図である。
【0050】
アクセル101A(101B)と、ブレーキ102A(102B)は、それぞれ踏み込み量に対応する操作信号を出力するように構成されている。
【0051】
ハンドル100A(100B)は、その操作角に対応する量の操作信号を出力する様に構成されている。さらに、シフトレバーに相当するシフトキー110は、その切り替えポジションに対応する操作信号を出力する。
【0052】
これらの操作手段に対する遊戯者の操作に基づく操作信号がI/Oボード213に入力される。I/Oボード213は、ゲームボード212からの状態信号即ち、二人の遊戯者のいずれの側が有効とされているかの情報を取得し、有効な側の操作信号をゲームボード212に送る。かかる二人の遊戯者のいずれの側が有効とされているかの情報は、ゲーム実行中にシステムメモリ223に保持されている。
【0053】
さらに、ゲームボード212は、二人の遊戯者のいずれの側が有効とされているかの情報を、ハンドル100A(100B)に付随して備えられるハンドルコントロール切替ボード131と、アクチュエータコントロールボード214に送る。
【0054】
ハンドルコントロール切替ボード131は、ゲームボード212から送られた情報に基づき所定条件の時に、有効とされているハンドル側のモータ駆動ボード130A(130B)に駆動指令を送り、ハンドル100A(100B)にモータ回転駆動力を与え回転させる。これにより、遊戯者にゲーム走行中にハンドルに衝撃を受ける仮想的感覚を与えることができる。
【0055】
一方、アクチュエータコントロールボード214は、ゲームボード212から送られた情報に基づき所定条件の時に、所定のプログラムに従って、右、左のアクチュエータコントロールボード114A(114B)に駆動指令を送り、シリンダー104A(104B)の上下移動を制御する。これにより、図4に示したように、ドライバーシート103A(103B)にピッチングあるいはローリングの動きを与え、ゲーム走行中の車体に対する衝撃を受ける仮想的感覚を与えることができる。
【0056】
ここで、ゲームの実行方法として、上記の説明における図1に示した4台のレーシングカーモデルに座した遊戯者間あるいは、図5のネットワークNWを通して、異なる遊戯施設GS1からGSnにおけるゲーム装置を操作する遊戯者との間でのレーシング競技の場合に限定されない。
【0057】
すなわち、1台のレーシングカーモデル(ゲーム装置)において、CPU222によりプログラムに従って移動が制御され、画像表示されるレーシングカーをレーシング競技の対戦相手としてゲームを進めることも可能である。かかる場合の一人の遊戯者によるゲームの処理を、複数の遊戯者間でゲームを行う場合の対戦フローに対し、本願発明では、シングルフローと呼ぶ。
【0058】
次に、上記のゲーム装置(レーシングカーモデル)の構成を一例として実行される本願発明の、対戦ゲームにおいてゲーム再開時の処理を実行するゲーム装置の動作について、図9乃至図13に基づき以下に説明する。
【0059】
図9乃至図13に示される処理フローの各ステップは、上記の複数のゲーム装置のそれぞれにおけるゲームボード212のCPU222が、制御手段として記憶装置221に格納されるプログラムを実行することにより実現される。
【0060】
先ず対戦参加フローである図9において、制御手段としてCPU222により、複数の遊戯者に対戦ゲームの実行を誘うためのアドバタイズ(宣伝)画面をモニター21に表示させる(ステップS1)。
【0061】
ゲームに参加する場合、遊戯者は、自身の座すゲーム装置のコックピットモデル11〜14の対応するコイン投入口31〜34に所定額のコインを投入し、ゲームスタートボタンを押下する(ステップS2)。なお、所定額は、通常一回のゲーム実行単位に定められるが、複数回のゲームの継続を意図する場合には、所定額以上のコインを投入しておくことによりクレジットとして継続してゲームの実行が可能である。
【0062】
所定額以上のコインの投入があると、CPU222はゲーム装置が対戦可能状態にあるか否かを判断する(ステップS3)。すなわち、対戦ゲームを実行するためには、ゲーム装置がLAN若しくはネットワークに接続されて、他のゲーム装置とデータの交換が可能な状態となっていることが必要であり、CPU222は、この状態を判定する。
【0063】
ゲーム装置が対戦可能状態になければ(ステップS3、No)、後に説明するCPU222により表示及び動きを制御される、自ゲーム装置のモニター上のキャラクタ(レーシングカー)を対戦相手とするゲーム(これをシングルフローゲームと呼ぶ)の実行処理に移行する。
【0064】
ゲーム装置が対戦可能状態であれば(ステップS3、Yes)、対戦待ちうけ画面をモニター21に表示する(ステップS4)。
【0065】
実施例として約25秒の所定時間表示される対戦待ちうけ画面の表示中に、遊戯者が他のゲーム装置の遊戯者との間での対戦ゲームではなくシングルフローゲームを希望する場合は、モニター21の画面或いは、ゲーム装置に付属する所定の指示入力部により選択入力を行い、シングルフローゲームに移行する(ステップS5、Yes)。
【0066】
他のゲーム装置の遊戯者との対戦ゲームを希望する場合(ステップS5、No)は、上記所定時間経過までの期間中に対戦者の参加通知があったか否かをCPU222により判定する(ステップS6)。
【0067】
すなわち、該当のゲーム装置は、他のゲーム装置と伝送路で接続され、他のゲーム装置にも同様の対戦ゲームのアドバタイズ画面が表示されている。したがって、他のゲーム装置の遊戯者が、コイン投入しスタートボタンを押すと(ステップS2)、対戦可能のゲーム装置であるマスターボードに通知される。
【0068】
したがって、対戦ゲームを希望する遊戯者の属するゲーム装置間で対戦者が参加したことの判定(ステップS6、Yes)の同期が取られ、対戦ゲームの参加者が確定する。
【0069】
このように、制御手段であるCPU222は、ゲーム開始時に対戦ゲームの参加者が決まると、ゲーム参加要求に対応する対戦ゲームの参加者である遊戯者を特定する情報含む参加情報を生成する。そして、CPU222により生成される参加情報を記憶手段であるシステムメモリ223に記憶する。
【0070】
次に、それぞれのゲーム装置において実行される図10の対戦フローの処理に移行する。
【0071】
図10において、遊戯者は、メインドライバーを選択する(ステップS7)。先に説明したように、ゲーム装置のコックピットモデルに座す遊戯者が左右の何れの側のハンドル等の操作装置に対する操作を初期状態で有効とするかを選択することが可能であり、選択された側をメインドライバーとする。このメインドライバーの選択入力は、コックピットモデルにおける選択する側のアクセルを入力手段として、アクセルを踏まれた側をメインドライバーとする。入力されたメインドライバーの設定は、メイン操作情報としてシステムメモリ223に記憶される。
【0072】
ついで、CPU222は、ドライバー人数の選択を判定する(ステップS8)。ゲーム装置のコックピットモデルには、先に説明したように2人の遊戯者が座してそれぞれの座位置に対応して操作可能のハンドル等の操縦装置が配置される。そして、ゲーム装置のコックピットに2人の遊戯者が座す場合には、所定条件に合致するときに操作入力を有効とされる側のドライバー(遊戯者)の交代を行って対戦ゲームを継続する処理が可能である。
【0073】
上記ステップS8でのドライバー人数の選択は、かかるドライバー交代の機能を有効とするか否かの選択である。ドライバー人数を二人とする選択が行われたときは、ゲーム実行中に交代処理制御が行われる。
【0074】
ドライバー人数を一人とする場合は、後の安全確認処理のために同乗者の有無を確認する(ステップS9)。なお、ここでは、ゲームの遊び方のアニメーション画像の表示も行われる。
【0075】
ドライバー人数の選択入力、または同乗者の有無の入力は、ゲーム装置の1つのコックピットモデルに座す同乗者数としてシステムメモリ223に記憶される。
【0076】
ドライバー人数選択(ステップS8)に続き、カーセレクト処理が行われる(ステップS10)。ここでは、モニター21に表示される例えば6種類の競争車のうち、遊戯者が操作対象としたい競争車を選択し、CPU222はこれを確認する(ステップS10)。
【0077】
さらに、同様に、遊戯者によりモニター21に表示されるレースを行うレーシングコースの選択を行う。例えば4つのコースから、遊戯者がカーレース競技を行いたいコースを選択し、CPU222はこれを確認する(ステップS11)。
【0078】
なお、コース選択においては、対戦ゲームを行う複数の遊戯者の何れが選択したコースを有効とするかは、直接本願発明と関係しないが、例えば、最先に選択処理を行った遊戯者の選択を有効とするか、対戦者の待ち受け画面(ステップS4)に対し、最初に参加の意思表示をした遊戯者の選択を有効とするか等の態様が可能である。
【0079】
カーセレクト(ステップS10)、コースセレクト(ステップS11)が行われると、安全確認画面をモニター21に表示する(ステップS12)。ここでは、遊戯者にシートベルト等の安全装置の装着を促すと共に、ゲームの遊び方等についてモニター21により遊戯者に情報を与える処理である。
【0080】
ついで、レーシングカーレースを操作対象とする対戦ゲームが実行される(ステップS13)。
【0081】
CPU222は、何れのレーシングカー(競争車)が所定時間内にゴールに到達したか否か、或いは所定時間に達しているかを判定する(ステップS14)。この判定の後に、CPU222は、該当のゲーム装置における遊戯者のレース結果に基づくスコアを計算する。このゲーム結果は、マスターボードとなるゲーム装置に送られる。
【0082】
ここで、ゲーム装置ごとをチームとして、レース結果の順位付けが行われ、その順位情報が各スレーブボードのゲート装置に通知され、CPU222によりモニター21に表示される(ステップS15)。これにより一回目のレースゲームが終了する。
【0083】
ついで、本発明の特徴として、遊戯者のゲーム再開の意思表示をCPU222が判定する(ステップS16)。すなわち、一回目のレースゲームを終了させる際に、モニター21の画面に、図13に示すようなゲームを再開(再ゲーム)するか否かを問う画面を表示させる。
【0084】
なお、再ゲームは、クレジットが残っている場合、或いは新たにコインを投入する場合に可能とされる。
【0085】
図13に示すように、ゲーム再開を問う表示(Try Again?)と、再ゲームを行うか否かの入力ボタンと、必要な場合、以降の再ゲームのためのコインの投入を促すメッセージが表示される。
【0086】
先に2以上のゲーム回数の実行に相当するコインが既に投入されている場合は、コインの投入を促すメッセージは表示されない。
【0087】
図10に戻り、再ゲームを行うか否かの問いに対してNOが選択されると、ゲームオーバーとなり(ステップS17)、アドバタイズ画面表示(ステップS1:図9)に戻る。
【0088】
一方、ステップS16で、再ゲームを行うか否かの問いに対してYESが選択されると、CPU222は、他のゲーム装置においても再ゲームを選択したか否かを判定し、先のゲームと同じゲーム装置であって、少なくとも一つのゲーム装置が再ゲームを選択した場合は(ステップS18、Yes)、再ゲームの条件が整い、カーセレクト処理(ステップS10)に移行して、以降先に説明したゲームの再処理が開始する。
【0089】
ここで、再ゲームにおいて、処理フロー途中のステップS10に移行する理由は次のようである。
【0090】
すなわち、先に説明したように、通常ゲーム開始に先立って、図9において対戦者待ちうけ画面表示(ステップS4)が約25秒行われ、更に、図10において、実施例としてメインドライバーセレクトの処理(ステップS7)に最大10秒、ドライバー人数セレクト処理(ステップS8)に最大25秒、同乗者確認処理(ステップS9)に最大15秒の時間を設定し、この時間内に遊戯者の入力操作を行えるようにしている。
【0091】
しかし、かかるステップS4,S7,8,9の処理により入力される条件は、新たなゲーム装置間でゲームを行う場合には設定が必要であるが、先に行ったゲームに対し、再プレイの場合は、ゲーム装置が同じであり、従って先のゲームにおけるゲーム装置を特定する情報、メイン操作情報、及び同乗者数が記憶されていれば、これらの記憶を読み出すことによって再入力の必要はない。
【0092】
したがって、本発明では、かかる処理を省略してゲームの再プレイを可能としている。これにより、遊戯者にとって再プレイの意欲をそぐことなく短時間でゲームの再プレイを開始することができる。同時に、ゲーム実行処理時間が短縮され、ゲーム装置の効率的な運用が可能になる。
【0093】
ステップS18において、再ゲームの開始を望んでいるにも関わらず、先のゲームにおいて、対戦に参加したゲーム装置のいずれからも再ゲームの要求が示されないとき(ステップS18、No)は、シングルフロー処理に移行する。
【0094】
シングルフロー処理とは、先に説明した様に異なるゲーム装置においてそれぞれ操作とするキャラクタ間の対戦ではなく、一のゲーム装置において操作対象である、一方のキャラクタ(カーレースであればレーシングカー)がプログラムに従ってCPU222により操作されるキャラクタである場合のゲーム処理を意味する。
【0095】
シングルフロー処理の詳細について、以下に説明する。
【0096】
図11は、シングルフロー処理フロー(その1)である。図9の対戦参加フローにおいて、対戦可能の状態でない(ステップS3、No)、対戦拒否する場合(ステップS5、Yes)及び対戦者(他のゲーム装置)の参加がない場合(ステップS6、No)に、図11のシングルフロー処理(その1)に移行する。
【0097】
シングルフロー処理(その1)において、図10のステップS7、S8、S9に対応する処理(ステップS18,S19、S20 )が行われる。ついで、モードセレクト(ステップS21)において、レースアタックかタイムアタックかのモード選択処理がおこなわれる。
【0098】
レースアタックとは、他のゲーム装置の遊戯者の操作するレーシングカーではなく、CPU222によって操作されるレーシングカー(競技車)とカーレースを競う遊び方である。
【0099】
一方、タイムアタックとは、所定のコースを遊戯者の操作する競争車がコースのゴールまでを、いかなる時間で到達できるかを楽しむ遊び方である。
【0100】
図11のモードセレクト(ステップS22)においてレースアタックモードが選択されると、図12のシングルフロー(その2)に移行する。
【0101】
図12のステップS23〜S26において、図10のカーセレクト(ステップS10)、コースセレクト(ステップS11)、安全確認画面表示(ステップS12)及びレース処理(ステップS13)と同じ処理が行われる。
【0102】
ついで、CPU222は遊戯者の操作するレーシングカー(競技車)がコース最終位置にゴールしたかを判定する(ステップS27)。
【0103】
ゴールした場合(ステップS27、Yes)、タイムアップした場合(ステップS27、No)、それぞれに対し、スコアを計算する(ステップS28、S29)。
【0104】
スコア計算(ステップS28)の結果は、マスターボードに収集され、ランクが計算されその結果が該当のゲーム装置に通知される。
【0105】
ランクが所定以内でなければ(ステップS30、No)、再プレイを行うか否かの判定をさせる(ステップS31)。
【0106】
ゲーム装置は通知されたランクが所定以内であれば(ステップS30、Yes)、遊戯者名の入力をさせ、(ステップS32)。モニター21にランキング画面を表示させる(ステップS33)。
【0107】
その後、本発明の特徴としての再プレイを行うか否かの判定をさせる(ステップS34)。この再プレイの処理は、先に説明したステップS16(図10)の処理と同様である。
【0108】
再プレイの場合(ステップS34、Yes)は、カーセレクト(ステップS23)に戻る。
【0109】
再プレイしない場合(ステップS34、No)は、所定のランクにあるとき(ステップS35、Yes)、エンディング表示を行い(ステップS36)、所定のランクにないとき(ステップS35、No)は、そのままゲームオーバー(ステップS17)とする。
【0110】
図12において、ステップS27で、ゴールせずにタイプアップした場合(ステップS27、No)は、スコアを計算して(ステップS29)再プレイするか否かの判定を行う(ステップS31)。再プレイでなければ、ゲームオーバー(ステップS17)とする。
【0111】
図11に戻り、モードセレクト判定(ステップS22)で、タイムアタックであると、タイムアタックモード処理に移行する。
【0112】
このタイムアタックモード処理も、図12のシングルフロー(2)の流れと実質同じであるので、更なる説明は省略する。
【0113】
ここで、図12のシングルフローにおいても本願発明の特徴として、再プレイの処理を可能とし(ステップS31,34)、再プレイのときは(ステップS31、ステップS34、Yes)、カーセレクト処理(ステップS23)から処理が行われ、事前のメインドライバーセレクト(ステップS7)、ドライバー人数セレクト(ステップS8)及び同乗者確認(ステップS9)の処理が省略され、再プレイにおけるゲーム開始時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明を適用したカーレースを行うゲーム装置の外観正面を示す図である。
【図2】図1のゲーム装置を上面から見た図である。
【図3】一つのコックピットモデルの形態を示す図である。
【図4】図3に対応して示される一のコックピットモデルの機構を理解容易とするための斜視図である。
【図5】本発明の適用が一つの遊戯施設に備えられるゲーム装置に限定されないことを示す図である。
【図6】図1の構成に対応する機能ブロック図である。
【図7】図6におけるゲームボードの構成例である。
【図8】図7に構成例を示したゲームボードと連携するI/Oボードと、アクチュエータコントロールボードの機能を説明する図である。
【図9】対戦参加フローを説明する図である。
【図10】対戦フローを説明する図である。
【図11】シングルフローを説明する図(その1)である。
【図12】シングルフローを説明する図(その2)である。
【図13】ゲーム再開(再プレイ)を問う画面の例である。
【符号の説明】
【0115】
11〜14 コックピットモデル
21〜24 スクリーン
4 パネル表示装置
5 画像ディスプレイ装置
7 コントロール部
61、62 スピーカ
31〜34 コインの投入口
100A、100B ハンドル(ステアリング)
101A、101B アクセル
102A、102B ブレーキ
103A、103B シート
104A、104B シリンダー
110 シフトレバー
120 CCDカメラ
200 コントロールボード
212 ゲームボード
213 I/Oボード
214 アクチュエータコントロールボード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信接続された他のゲーム装置からの参加要求信号をゲーム開始時に受け付け、受け付けた他のゲーム装置からの制御信号に基づいて、各ゲーム装置に対応付けられた操作対象キャラクタのそれぞれの挙動を制御する制御手段を備えたゲーム装置において、
ゲーム開始時に受け付けた前記参加要求信号に対応する他のゲーム装置を特定する情報を含む参加情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、ゲームを終了させる際に、当該ゲームにおいて参加要求を受け付けた他のゲーム装置の参加を再度受け付けて行う再ゲームとするか否かを、遊戯者に選択させる再ゲーム受付手段を有し、当該再ゲーム受付手段にて再ゲームとする選択を受け付けた場合には、再ゲームにおけるゲーム開始時に前記記憶手段に記憶されている参加情報を読み出し、前回のゲームにて参加要求を受け付けた他のゲーム装置のみからの参加要求を受け付ける、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ゲーム装置には、前記操作対象キャラクタの1つに対応付けられた複数の操作手段が、それぞれ設けられており、前記制御手段は、ゲーム開始時に前記複数の操作手段の何れをメインの操作手段とするかの遊戯者による設定入力を受け付け、
前記記憶手段は、前記入力された設定をメイン操作情報として記憶し、
前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記メイン操作情報の再設定をさせずに前記記憶手段からメイン操作情報を読み出す、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1において、
複数の遊戯者が同乗可能で、且つ前記制御手段の制御に従って揺動する筐体を有し、
前記制御手段は、ゲームの開始時に、前記同乗者数を前記操作手段から入力させ、
前記記憶手段は、前記入力された前記同乗者数を記憶し、
前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記同乗者数の再入力をさせずに、前記記憶手段から同乗者数を読み出す、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
通信接続された他のゲーム装置からの参加要求信号をゲーム開始時に受け付け、受け付けた他のゲーム装置からの制御信号に基づいて、各ゲーム装置に対応付けられた操作対象キャラクタのそれぞれの挙動を制御する制御手段を備えたゲーム装置において実行されるコンピュータに読取り可能のプログラムであって、
記憶手段に、ゲーム開始時に受け付けた前記参加要求信号に対応する他のゲーム装置を特定する情報を含む参加情報を記憶させ、
前記制御手段に、ゲームを終了させる際に、当該ゲームにおいて参加要求を受け付けた他のゲーム装置の参加を再度受け付けて行う再ゲームとするか否かの遊戯者による選択を受付ける再ゲーム受付手段として機能させ、更に
前記制御手段に、前記再ゲーム受付手段にて再ゲームとする選択を受け付けた場合に、前記再ゲームにおけるゲーム開始時に前記記憶手段に記憶されている参加情報を読み出し、前回のゲームにて参加要求を受け付けた他のゲーム装置のみからの参加要求を受け付けさせる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
通信接続された他のゲーム装置からの参加要求信号をゲーム開始時に受け付け、受け付けた他のゲーム装置からの制御信号に基づいて、各ゲーム装置に対応付けられた操作対象キャラクタのそれぞれの挙動を制御する制御手段を備えたゲーム装置において、
ゲーム開始時に受け付けた前記参加要求信号に対応する他のゲーム装置を特定する情報を含む参加情報を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、ゲームを終了させる際に、当該ゲームにおいて参加要求を受け付けた他のゲーム装置の参加を再度受け付けて行う再ゲームとするか否かを、遊戯者に選択させる再ゲーム受付手段を有し、当該再ゲーム受付手段にて再ゲームとする選択を受け付けた場合には、再ゲームにおけるゲーム開始時に前記記憶手段に記憶されている参加情報を読み出し、前回のゲームにて参加要求を受け付けた他のゲーム装置のみからの参加要求を受け付ける、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ゲーム装置には、前記操作対象キャラクタの1つに対応付けられた複数の操作手段が、それぞれ設けられており、前記制御手段は、ゲーム開始時に前記複数の操作手段の何れをメインの操作手段とするかの遊戯者による設定入力を受け付け、
前記記憶手段は、前記入力された設定をメイン操作情報として記憶し、
前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記メイン操作情報の再設定をさせずに前記記憶手段からメイン操作情報を読み出す、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1において、
複数の遊戯者が同乗可能で、且つ前記制御手段の制御に従って揺動する筐体を有し、
前記制御手段は、ゲームの開始時に、前記同乗者数を前記操作手段から入力させ、
前記記憶手段は、前記入力された前記同乗者数を記憶し、
前記制御手段は、前記再ゲームを実行する際には、前記同乗者数の再入力をさせずに、前記記憶手段から同乗者数を読み出す、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
通信接続された他のゲーム装置からの参加要求信号をゲーム開始時に受け付け、受け付けた他のゲーム装置からの制御信号に基づいて、各ゲーム装置に対応付けられた操作対象キャラクタのそれぞれの挙動を制御する制御手段を備えたゲーム装置において実行されるコンピュータに読取り可能のプログラムであって、
記憶手段に、ゲーム開始時に受け付けた前記参加要求信号に対応する他のゲーム装置を特定する情報を含む参加情報を記憶させ、
前記制御手段に、ゲームを終了させる際に、当該ゲームにおいて参加要求を受け付けた他のゲーム装置の参加を再度受け付けて行う再ゲームとするか否かの遊戯者による選択を受付ける再ゲーム受付手段として機能させ、更に
前記制御手段に、前記再ゲーム受付手段にて再ゲームとする選択を受け付けた場合に、前記再ゲームにおけるゲーム開始時に前記記憶手段に記憶されている参加情報を読み出し、前回のゲームにて参加要求を受け付けた他のゲーム装置のみからの参加要求を受け付けさせる、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−68932(P2010−68932A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238160(P2008−238160)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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