説明

ゲーム装置及びプログラム

【課題】 競争対象のトレーニング時におけるコントロールできない状況によってその競争対象の特性が変わり、その特性によりその競争対象のレース結果が変わるようにしてゲーム性を向上させる。
【解決手段】 本ゲーム装置では、勝率決定情報記憶手段に記憶された勝率決定情報を用いて競争レースに参加する各競争対象の勝率データを算出し、算出した各勝率データに基づき、その競争レースにおける各競争対象の順位を抽選により決定する。また、プレイヤーが操作受付手段に対して所定の操作を行うと、そのプレイヤーに係るプレイヤー特定情報に関連付けられた勝率決定情報が変更される。このときに変更される勝率決定情報の種類は、決定手段によって抽選により決定される。よって、プレイヤーがある種類の勝率決定情報を変更したいと希望しても、その種類の勝率決定情報が抽選で当選しなければ、その勝率決定情報が変更されることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の競争対象が互いに順位を競い合う競争レースを実行するゲーム装置及びこのゲーム装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のゲーム装置としては、例えば、複数の競争馬キャラクタが互いに順位を競い合う競馬レースを実行する競馬ゲーム装置が広く知られている(例えば特許文献1)。このような競馬ゲーム装置は、一般に、ゲーム進行手段が進行する競馬レースで各競走馬キャラクタが勝つ確率を示す勝率データに基づき、その競馬レースにおける各競走馬キャラクタの順位を着順抽選により決定する。各競走馬キャラクタの勝率データは、各競走馬キャラクタにそれぞれ対応した複数種類の勝率決定情報を用いて算出する。レースに出走(参加)する一の競走馬キャラクタの勝率データは、当該レースに出走する他の競走馬キャラクタの勝率決定情報との比較から相対的に決まる。したがって、同じ競走馬キャラクタであっても、その勝率データはレースに出走する他の競走馬キャラクタによって変わってくる。
【0003】
ここで、上記勝率データの算出方法の一例について説明する。
上記勝率決定情報の種類には、基本情報、コンディション情報、騎手情報、年齢情報などがある。基本情報は、その競走馬キャラクタがもつ基本数値である。勝率データを算出する際には、まず、この基本数値を、当該レース時におけるコンディション情報、騎手情報、年齢情報などの他の勝率決定情報の数値に基づいて変動させ、当該レースにおける勝率データの計算に用いるパラメータ値を算出する。そして、当該レースに出走する全競走馬キャラクタのパラメータ値の合算値に対する、各競走馬キャラクタのパラメータ値の割合をそれぞれ算出し、各算出値を個々の競走馬キャラクタの勝率データとする。この勝率データは、上記着順抽選の抽選確率データとして用いる。
【0004】
一方、上記特許文献1に記載の競馬ゲーム装置のように、プレイヤーの持ち馬に係る競走馬キャラクタを上記競馬レースに出走させることが可能な競馬ゲーム装置もある。このような競馬ゲーム装置においては、上記特許文献1には具体的な記載はないが、プレイヤーの持ち馬に係る競争馬キャラクタの基本情報、コンディション情報などの各種勝率決定情報の数値を変化させるための調教処理(トレーニング処理)を行うことができる。この調教処理により、プレイヤーの持ち馬に係る競争馬キャラクタの勝率決定情報の数値が高まると、その競争馬キャラクタを出走させる競馬レースにおけるその競争馬キャラクタの勝率データの数値が高くなり、上記着順抽選で高い順位に当選する確率が高くなる。よって、プレイヤーは、調教処理により、いまだ十分でない種類の勝率決定情報を指定してその勝率決定情報の数値を高め、その競争馬キャラクタが出走するレースの着順抽選で高い順位に当選する確率が高まるようにする。
【0005】
【特許文献1】特開2002−325960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現実の競馬では、調教(トレーニング)時に馬主等がコントロールできない馬場状態などの状況によってその調教に係る競走馬の特性が変わり、その特性によってその競走馬のレース結果が変わってくることがある。例えば、良馬場ばかりで調教された競走馬は、良馬場のレースは得意となるが、雨天後等の不良な馬場のレースは不得意となり、その結果、良馬場のレースでは勝つ確率が高くなるが、不良な馬場では勝つ確率が低くなるということがある。このように馬主等がコントロールできない調教時の馬場状態などの状況によって調教に係る競走馬の特性が変わり、その特性によりその競走馬のレース結果が変わるというような事象は、従来の競馬ゲーム装置の構成では再現することができないという問題があった。これは、従来のゲーム装置が、調教処理においてその調教処理により変更可能な勝率決定情報の全ての種類についてプレイヤーの指定による変更が可能であったためである。
【0007】
詳しく説明すると、従来の競馬ゲーム装置がもつ上記構成で上記事象を再現しようとすれば、プレイヤーは、調教処理により良馬場の適応度を示す勝率決定情報の数値を高めたいと思ったときには、その勝率決定情報を指定することにより、その勝率決定情報を変更できるということになる。具体的には、プレイヤーは、良馬場の適応度を示す勝率決定情報の数値を高めたいと思ったときには、例えば調教処理時の馬場状態データとして良馬場のデータを指定することにより、その良馬場の適応度を示す勝率決定情報を変更できるということになる。これでは、現実の調教では馬主等がコントロールできない馬場状態を、競馬ゲーム装置の調教処理では馬主等に相当するプレイヤーがコントロールできてしまうということになる。したがって、従来の競馬ゲーム装置がもつ上記構成で上記事象を再現しようとしても、競馬ゲーム装置上の調教処理が現実の調教とはかけ離れたものとなり、従来の競馬ゲーム装置ではその事象を再現することはできない。
【0008】
なお、競馬ゲーム装置に限らず、複数の競争対象が互いに順位を競い合う競争レースを実行するものであって、その競争レース前にその競争レースに参加する競争対象についてトレーニング処理を行うことによりその競争対象が当該競争レースで勝つ確率を高めることが可能なゲーム装置についても、上記と同様の問題が生じ得る。
すなわち、このようなゲーム装置も、従来の構成は、そのトレーニング処理により変更可能な勝率決定情報の全ての種類について、プレイヤーの指定による変更が可能である。したがって、現実には、競争対象のトレーニング時におけるコントロールできない状況によってその競争対象の特性が変わり、その特性によりその競争対象のレース結果が変わってくるのに、このような現実の事象を上述した従来の構成では再現することができない。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、競争レースの参加前にトレーニング処理を行うことで競争対象が当該競争レースで勝つ確率を高め得るゲーム装置において、その競争対象のトレーニング時におけるコントロールできない状況によってそのトレーニングに係る競争対象の特性が変わり、その特性によりその競争対象のレース結果が変わってくるという現実の事象を再現してゲーム性を向上させることが可能なゲーム装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、プレイヤーを特定するためのプレイヤー特定情報に関連付けられた特定競争対象を含む複数の競争対象が互いに順位を競い合う競争レースを進行するゲーム進行手段と、上記競争レースで各競争対象が勝つ確率を示す勝率データに基づき、該競争レースにおける該各競争対象の順位を抽選により決定する順位決定手段と、上記各競争対象ごとに複数種類の勝率決定情報を記憶するものであって、上記特定競争対象に係る勝率決定情報については上記プレイヤー特定情報に関連付けられた状態で記憶する勝率決定情報記憶手段と、該勝率決定情報記憶手段に記憶された勝率決定情報を用いて、上記各競争対象の勝率データを算出する勝率データ算出手段と、プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、該操作受付手段が所定の操作を受け付けたら、該プレイヤーに係るプレイヤー特定情報に関連付けられた勝率決定情報を変更する勝率決定情報変更手段とを有し、上記ゲーム進行手段は、各競争対象が上記順位決定手段によりそれぞれ決定された順位となるように上記競争レースを進行するゲーム装置において、上記勝率決定情報変更手段が変更する勝率決定情報の種類を抽選により決定する決定手段を有し、上記勝率決定情報変更手段は、上記決定手段が決定した種類の勝率決定情報を変更し、上記勝率データ算出手段は、上記決定手段の抽選対象となる種類の勝率決定情報を用いて上記各競争対象の勝率データを算出することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、勝率決定情報記憶手段に記憶された勝率決定情報を用いて競争レースに参加する各競争対象の勝率データを算出し、算出した各勝率データに基づき、その競争レースにおける各競争対象の順位を抽選により決定する。そして、その競走レースでは、各競争対象がそれぞれ決定された順位となるように進行される。更に、本ゲーム装置においては、プレイヤーが操作受付手段に対して所定の操作を行うと、そのプレイヤーに係るプレイヤー特定情報に関連付けられた勝率決定情報が変更される。この勝率決定情報の変更は、上述した競争対象のトレーニング処理における勝率決定情報の変更に相当する。
ここで、このときに変更される勝率決定情報の種類は、決定手段によって抽選により決定される。よって、プレイヤーがある種類の勝率決定情報を変更したいと希望しても、その種類の勝率決定情報が抽選で当選しなければ、その勝率決定情報が変更されることはない。そして、上記勝率データ算出手段は、この抽選の対象となる種類の勝率決定情報を用いて各競争対象の勝率データを算出する。したがって、勝率決定情報変更手段により変更されるかどうかが抽選で決定される種類の勝率決定情報が、上記ゲーム進行手段が進行する競争レースの結果に影響することになる。このような構成により、本ゲーム装置によれば、競争対象のトレーニング時におけるコントロールできない状況によってそのトレーニングに係る競争対象の特性が変わり、その特定によってその競争対象のレース結果が変わってくるという現実の事象を再現することが可能となる。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1のゲーム装置において、上記勝率データ算出手段が勝率データを算出する際に用いる勝率決定情報の種類を、上記決定手段の抽選対象となる勝率決定情報の中から抽選により決定する第2の決定手段を有し、上記勝率データ算出手段は、上記第2の決定手段が決定した種類の勝率決定情報を用いて上記各競争対象の勝率データを算出することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、上記順位決定手段が順位を決定する際に用いる勝率データを算出するとき、その算出に用いる勝率決定情報の種類が、第2の決定手段によって上記決定手段の抽選対象となる勝率決定情報の中から抽選により決定される。よって、ある種類の勝率決定情報を上記勝率決定情報変更手段により変更したとしても、その勝率決定情報が必ずしも勝率データの算出に反映されるとは限らない。したがって、仮に、上記決定手段の抽選で当選した勝率決定情報の数値が上記勝率決定情報変更手段により高められたとしても、その競争レースで勝つ確率が高まるとは限らない。
現実には、トレーニングを行ってもそのトレーニング結果がレース結果に反映されないことがある。しかし、従来のゲーム装置は、トレーニング処理により変更可能な勝率決定情報は、すべてレース結果に反映されるように構成されている。そのため、このような現実の事象を、従来のゲーム装置で再現することはできなかった。
これに対し、本請求項2のゲーム装置では、上述したように、ある種類の勝率決定情報の数値が上記勝率決定情報変更手段により高められたとしても、その競争レースで勝つ確率が高まるとは限らない。したがって、上記のような現実の事象も再現することが可能となる。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1のゲーム装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムであって、上記ゲーム進行手段、上記順位決定手段、上記勝率データ算出手段、上記勝率決定情報変更手段及び上記決定手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
このプログラムは、請求項1のゲーム装置に設けられるコンピュータにより実行されることにより、そのコンピュータを上述した請求項1のゲーム装置の上記ゲーム進行手段、上記順位決定手段、上記勝率データ算出手段、上記勝率決定情報変更手段及び上記決定手段として機能させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、請求項1乃至3の発明によれば、競争レースの参加前にトレーニング処理を行うことで競争対象が当該競争レースで勝つ確率を高め得るゲーム装置において、その競争対象のトレーニング時におけるコントロールできない状況によってそのトレーニングに係る競争対象の特性が変わり、その特性によりその競争対象のレース結果が変わってくるという現実の事象を再現してゲーム性を向上させることが可能となるという優れた効果が奏される。
特に、請求項2の発明によれば、トレーニングを行ってもそのトレーニング結果がレース結果に反映されるとは限らないという現実の事象を再現してゲーム性を向上させることが可能となるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を、複数の競争馬キャラクタ(競争対象)が互いに順位を競い合う競馬レース(競争レース)を実行する業務用のゲーム装置(以下、「アーケードゲーム機」という。)に適用した一実施形態について説明する。
【0015】
図2は、本実施形態に係るアーケードゲーム機1の一例を示す外観図である。
このアーケードゲーム機1は、中央部分に設けられたフィールド2と、このフィールド2を取り囲むように設けられた複数のステーション10とを備えている。フィールド2には、出馬ゲート3を備える競馬場の馬場4が設けられ、この馬場4内で複数の図示しない模型馬が走行することで競馬レースが展開される。また、このフィールド2の周囲には、レースの実況や歓声等を流す複数のスピーカー5が配置されている。また、フィールド2の上方には、ゲーム名称等を表示するための表示部6やフィールド2を照明する照明装置7が配置されている。これら表示部6及び照明装置7は、支持柱8により支持されている。
【0016】
上記ステーション10には、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示するディスプレイ11と、このディスプレイ11の表示面に重ね合わされたタッチパネル12とが設けられている。プレイヤーがゲーム画面の指示に従いディスプレイ11に表示されたゲーム画面の所定位置に触ると、タッチパネル12によりその位置が検出され、アーケードゲーム機1においてプレイヤーの操作内容が認識される。また、ステーション10には、プレイヤーによりゲーム価値であるメダルが投入されるメダル投入部13、プレイヤーに対してメダルが払い出されるメダル払出口14および磁気カードを挿入するための磁気カード差込口15が設けられている。
【0017】
上記アーケードゲーム機1において、プレイヤーは、競争馬キャラクタの馬主としてゲームに参加することができる。具体的には、プレイヤーは、複数用意された競争馬キャラクタの中から好きな競争馬キャラクタを選択し、その競争馬キャラクタを所定枚数のメダルを支払って取得することができる。取得した競争馬キャラクタの名前は、予めアーケードゲーム機本体内に記録された中から選択した名前と、プレイヤーの入力したプレイヤー名(例えばプレイヤーの氏名)とを組み合わせることにより作成するようにしてもよい。そして、プレイヤーは、取得した競争馬キャラクタの能力を高めるべく調教(トレーニング)を行い、その競争馬キャラクタを育成することができる。この調教処理の詳細については後述する。また、調教した競走馬キャラクタを自分の希望するレースに出走させることができる。尚、上記アーケードゲーム機1では、プレイヤーが馬主としてゲームに参加する場合のゲームの継続性を確保するため、プレイヤーに配布される磁気カードを用いることで、別の日にゲームの続きを再開することができる。
【0018】
図3は、上記アーケードゲーム機1の動作を統合的に制御するためのメイン制御部のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
図4は、上記ステーション10ごとに設けられたステーション制御部のハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
フィールド2側に配置されるメイン制御部100は、図3に示すように、メイン制御装置101と、フィールド2における模型馬の走行等を制御するためのフィールド制御装置102と、上記照明装置7を制御する照明制御装置103と、上記スピーカー5で流す歓声や実況等の音を制御する音響制御装置104と、プレイヤーごとの各種データを記録するためのSRAM105およびフラッシュメモリ106と、ゲームに必要なプログラムおよび各種データベースが格納されたROM107とを備える。上記メイン制御装置101は、フィールド制御装置102、照明制御装置103、音響制御装置104、SRAM105、フラッシュメモり106およびROM107に、それぞれ接続されている。ROM107には、馬主としてプレイするプレイヤーにより選択される予め多種類用意された馬名データとその音声データ、各馬に関する各種データ、レースの日程等のデータベースが格納されている。
【0019】
各ステーション10に設けられているステーション制御部200は、図4に示すように、ステーション制御装置201と、メダルの払い出し等を管理するメダル管理装置202と、プレイヤーの各種データを一時的に記録するRAM203と、磁気カード差込口15に差し込まれた磁気カードの磁気情報を読み取る磁気情報読取装置204と、磁気カードにIDコード等の各種情報を書き込むための磁気情報書込装置205とを備える。上記ステーション制御装置201は、メダル管理装置202、RAM203、磁気情報読取装置204及び磁気情報書込装置205に、それぞれ接続されている。また、このステーション制御装置201は、ステーション10に設けられた、図2に示すディスプレイ11及びタッチパネル12、メダル投入部13を介して投入されたメダルを検出する図示しないメダル投入センサ、磁気カード差込口15に差し込まれた磁気カードを駆動するための図示しない磁気カード駆動装置等にも、それぞれ接続されている。
また、各ステーション10側のステーション制御装置201は、図3及び図4に示すように、フィールド2側のメイン制御装置101に接続されており、これらの間で必要な通信が可能となっている。
【0020】
図5(a)は、プレイヤーごとに記録、管理されるプレイヤーデータのデータ構造の一例を示す説明図である。このプレイヤーデータは、プレイヤーごとに割当てられるプレイヤー特定情報としてのIDコード、そのプレイヤーに関する個人情報、そのプレイヤーの持ち馬(特定競争対象)に関する持ち馬情報、そのプレイヤーが最後にゲームを行った日を特定するための最終プレイ日情報、データの更新を記録する書換情報、磁気カードの改窒防止等を目的とするチェックコード等が含まれている。また、このプレイヤーデータには、そのプレイヤーのゲーム履歴情報のほか、ゲーム進行に関係のない画面レイアウト等の情報も含まれている。上記IDコードは、1人のプレイヤーに対して1つだけ割当てられる番号であり、他のプレイヤーデータとIDが重複しないように設定される。尚、上記個人情報、上記持ち馬情報及び上記最終プレイ日情報は、中断されたゲームの継続性を確保するためのゲーム履歴情報として用いられる。このプレイヤーデータは、図3に示したSRAM105又はフラッシュメモリ106に保存される。
【0021】
上記個人情報には、プレイヤー名、総プレイ回数などのプレイヤー個人に関する情報が含まれている。この個人情報は、プレイヤー名を持ち馬の冠名として用いるようにゲーム内容に反映されるデータとして使用されたり、顧客管理データとして利用されたりする。
上記持ち馬情報には、持ち馬ごとに、持ち馬の名前を特定するための馬名コード、成長の仕方の特徴を示す成長力ーブを特定される馬タイプ情報、性別、年齢、出走回数、スピード、スタミナ、コンディション、獲得賞金累積額、過去のレースごとの戦績(例えば1着、2着、3着あるいは着外)等が含まれている。馬名コードは、上記ROM107に格納された馬名データのデータベース内の各馬名データと関連付けられており、この馬名コードに基づき、馬名データを読み出してゲームに使用する。
【0022】
図5(b)は、プレイヤーがプレイを中断するときに、上記磁気カードに書き込まれる書込データのデータ構造の一例を示す説明図である。この書込データには、上記プレイヤーデータの中の一部が記録される。具体的には、上記IDコード及び上記チェックコードと、ゲーム進行に関係のない画面レイアウト等の情報が記録される。
【0023】
馬主としてプレイするプレイヤーは、ゲームを再開しようとする場合、任意のステーション10で上記磁気カードを挿入する。これにより、その磁気カードに記録されたチェックコードを読み込んで、これに書き込まれている情報が正常なものであるか否かを判断した後、その磁気カードに記録されたIDコードを読み込む。そして、このIDコードに対応するプレイヤーデータを、図3に示すSRAM105又はフラッシュメモリ106から読み出す。読み出されたプレイヤーデータは、上記ステーション10における図4に示したRAM203に読み込まれ、所定の処理に利用される。これにより、プレイヤーは、磁気カードを用いることで、何時でもゲームの続きを再開することができ、自分が育成した競走馬キャラクタを継続的に使用してゲームを楽しむことができる。
【0024】
また、上記アーケードゲーム機1においては、所定のサイクルに従って現実の中央競馬と同一名称のレースが順次開催される。1年分のレースとして約60のレースが用意されており、レースごとに、メダルをベットのための時間すなわちゲーム上における投票券(馬券)を購入するための時間、模型馬によりレースが行われる時間、レース結果を表示するための時間が確保される。プレイヤーは、レースごとに勝ち馬を予想し、自由に馬券を購入することができる。この馬券の購入は、メダルをベットすることにより行い、購入した馬券がレースの結果と一致していれば、メダルのベット数とオッズに応じた枚数のメダルが配当として払い出される。上記アーケードゲーム機1では、投票法の種類として、単勝、馬連、馬単、ワイドの4種類が用意されており、プレイヤーは、いずれかの投票法を用いて、勝ち馬となる競争馬キャラクタを予想し、その競争馬キャラクタにベットする。
【0025】
以下、本発明の特徴部分である、プレイヤーの持ち馬に係る競走馬キャラクタの調教処理について説明する。
図1は、本実施形態におけるアーケードゲーム機1の主要部の構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係るアーケードゲーム機1は、ゲーム進行手段、順位決定手段、勝率決定情報記憶手段、勝率データ算出手段、操作受付手段、勝率決定情報変更手段、決定手段、第2の決定手段、ベット決定手段、ゲーム価値受取手段及びゲーム価値払出手段を有している。
【0026】
上記ゲーム進行手段は、出走する複数の競争馬キャラクタが互いに順位を競い合う上述した通常レース及び特別レースを進行し、また、これらのレースで勝つ競争馬キャラクタをプレイヤーが予想する予想ゲームを進行する。このゲーム進行手段は、主に、上記メイン制御部により構成される。
【0027】
上記順位決定手段は、主に、上記メイン制御部により構成される。この順位決定手段は、レースに出走する8つの競走馬キャラクタの各勝率データに基づいて、上記ゲーム進行手段が進行するレースで1位になる競走馬キャラクタを抽選により決定するとともに、残りの競走馬キャラクタの中から、下記の数式(1)から得られる該残りの競走馬キャラクタの修正勝率データX’を用いて、最下位までの競走馬キャラクタを抽選により順次決定する。
X’=X/(1−Y) ・・・(1)
ただし、Xは算出対象となる各競走馬キャラクタの勝率データであり、Yは既に順位が決定した競走馬キャラクタの勝率データの総和である。
【0028】
上記順位決定手段の具体的動作について説明すると、まず、各競走馬キャラクタの勝率データを各競走馬キャラクタの抽選確率データとした抽選テーブルを生成する。この抽選テーブルは、メイン制御装置101で生成可能な全乱数を、各競走馬キャラクタの勝率データの比率に従って按分し、各競走馬キャラクタに対応付けたものである。そして、メイン制御装置101は、1位になる競走馬キャラクタを決定すべく1つの乱数を生成し、その生成した乱数と上記抽選テーブルとを比較し、当該乱数に対応した競走馬キャラクタを特定する。これにより、上記ゲーム進行手段は、この競走馬キャラクタが1位になるようにレースを進行することになる。
次に、メイン制御装置101は、1位に決定された競走馬キャラクタの勝率データと、残りの競走馬キャラクタの各勝率データの各々とを上記数式(1)に代入し、当該残りの競走馬キャラクタの修正勝率データX1’〜X7’をそれぞれ算出する。そして、算出された各修正勝率データX1’〜X7’をそれらの競走馬キャラクタの抽選確率データとした新たな抽選テーブルを生成する。その後、メイン制御装置101は、2位になる競走馬キャラクタを決定すべく1つの乱数を生成し、その生成した乱数と上記新たな抽選テーブルとを比較し、当該乱数に対応した競走馬キャラクタを特定する。これにより、上記ゲーム進行手段は、この競走馬キャラクタが2位になるようにレースを進行することになる。
以下、同様にして、最終順位までの競走馬キャラクタを決定する。
【0029】
上記勝率決定情報記憶手段は、各競走馬キャラクタごとに複数種類の勝率決定情報を記憶するものであって、プレイヤーの持ち馬(特定競争対象)に係る勝率決定情報についてはそのプレイヤーのIDコード(プレイヤー特定情報)に関連付けられた状態で記憶している。この勝率決定情報記憶手段は、主に、上記メイン制御部のSRAM105又はフラッシュメモリ106により構成される。本実施形態における勝率決定情報としては、従来から用いられている基本情報(メダル価値情報)、コンディション情報、騎手情報及び年齢情報のほか、良馬場、やや重の馬場及び不良馬場の各馬場に対する適応度を示す3種類の馬場適応度情報を用いる。メダル価値情報とは、その競走馬キャラクタの総合的な能力を示す数値データであり、おおよそプレイヤーがその競走馬キャラクタに対して後述する調教処理を行うことにより費やしたメダル枚数に相当するものである。コンディション情報、騎手情報及び年齢情報は、後述するように勝率データを算出する際に、上記メダル価値情報の数値をどの程度下げるかを決めるための情報である。なお、勝率決定情報として用いる情報は、これらの情報に限らず、適宜選択される。
【0030】
上記勝率データ算出手段は、上記勝率決定情報記憶手段に記憶された勝率決定情報を用いて、レースに出走する各競走馬キャラクタの勝率データを算出する。この勝率データ算出手段は、主に、上記メイン制御装置101により構成される。勝率データ算出手段は、上記ゲーム進行手段が上記予想レースの進行を開始する前に、メイン制御装置101が当該レースに出走する8つの競走馬キャラクタが決定したら、各競走馬キャラクタに対応した勝率決定情報を用いて、各競走馬キャラクタの勝率データを算出する。具体的には、各競走馬キャラクタのメダル価値情報に係る数値を、その競走馬キャラクタのパラメータ値の最大値とし、その数値から、レース時におけるコンディション情報、騎手情報及び年齢情報から所定の算出式により決定される減算値を減算して、それを当該レース時におけるその競走馬キャラクタのパラメータ値とする。そして、当該レースに出走する全競走馬キャラクタのパラメータ値の合算値に対する、各競走馬キャラクタのパラメータ値の割合をそれぞれ算出し、各算出値を各競走馬キャラクタの勝率データとする。この勝率データは、レースに出走する各競争馬キャラクタごとに、その競争馬キャラクタが当該レースで1位になる確率を示すものである。各競走馬キャラクタの勝率データは、レースに出走する他の競走馬キャラクタの勝率決定情報の数値によって変動するものであり、同じ競争馬キャラクタであってもレースごとに勝率データは異なってくる。
【0031】
上記操作受付手段は、プレイヤーのベット操作や調教指示操作などを受け付けるためのものであり、主に、上記タッチパネル12、ステーション制御装置201及びメイン制御装置101により構成される。プレイヤーがベット操作するに当たり、ステーション10のディスプレイ11には、オッズ表や、プレイヤーがベットする2つの競走馬キャラクタを選択してそのベット対象にベットするメダル枚数を入力するための操作ボタン画像等が表示される。プレイヤーは、そのディスプレイ11の表示内容に従ってタッチパネル12を操作し、ベット操作を行う。また、プレイヤーが調教指示操作するに当たっては、ステーション10のディスプレイ11には、後述する調教画面が表示され、プレイヤーは、その調教画面上の各種調教指示ボタンを操作して、調教指示を行う。
【0032】
上記勝率決定情報変更手段は、上記操作受付手段が所定の調教指示操作を受け付けたら、そのプレイヤーに係るIDコードに関連付けられた勝率決定情報を変更する。この勝率決定情報変更手段は、主に、ステーション制御装置201及びメイン制御装置101から構成される。具体的には、プレイヤーが行った調教指示操作の内容を示す操作データは、ステーション10のタッチパネル12からステーション制御装置201を介してメイン制御装置101に送られる。
【0033】
この勝率決定情報変更手段による処理(調教処理)の具体的内容は、次のとおりである。
プレイヤーが調教を行う旨の操作をタッチパネル12に対して行うと、そのステーション10では調教モードに移行し、ディスプレイ11に図6に示すような調教画面が表示され、プレイヤーは各種調教指示操作を行うことが可能になる。この調教画面には、図6に示すようにプレイヤーの持ち馬の画像が表示される。その調教画面の下部には、「芝」、「ウッドチップ」、「ダート」、「坂路」及び「砂遊び」という5種類の調教方法を選択するためのボタンが表示されている。また、この調教画面の右上部分には、ゲーム内で設定されている当該調教場所の天候及び調教用馬場の状態が表示されており、図6の例では、天候が「晴れ」で調教用馬場状態が「良」である。また、この調教画面の左上部分には、ゲーム内における時刻が表示されており、図6の例では午後2時となっている。プレイヤーは、いずれかの調教方法のボタンをタッチすることで、その調教方法による調教処理を自分の持ち馬に係る競走馬キャラクタに対して行うことができる。具体的には、「芝」、「ウッドチップ」、「ダート」による調教処理では、例えば2枚のメダルを費やすことで、自分の持ち馬に係る競走馬キャラクタのメダル価値情報の数値を変化させることができる。これらの調教処理は、メダル価値情報の変化量がそれぞれ異なっており、例えば、「芝」の調教処理は0〜4のいずれかの数値分だけメダル価値情報の数値が変化し、「ウッドチップ」の調教処理は必ず2だけメダル価値情報の数値が変化し、「ダート」の調教処理は−1〜5のいずれかの数値分だけメダル価値情報の数値が変化する。なお、「芝」と「ダート」の調教処理におけるメダル価値情報の数値変化量は乱数抽選により決定する。一方、「坂路」及び「砂遊び」による調教処理では、例えば2枚のメダルを費やすことで、自分の持ち馬に係る競走馬キャラクタのコンディション情報の数値を変化させることができる。コンディション情報は、0〜100%の数値であり、この数値が100%であれば、レース時における上記パラメータ値の算出に際してコンディション情報によるメダル価値情報の数値減算量は0となり、0%であれば、レース時における上記パラメータ値の算出に際してコンディション情報によるメダル価値情報の数値減算量は、コンディション情報によりメダル価値情報の数値を減算する既定最大値となる。
【0034】
上記決定手段は、上記勝率決定情報変更手段が変更する勝率決定情報の種類を抽選により決定する。この決定手段は、主に、ステーション制御装置201及びメイン制御装置101から構成される。本実施形態では、上述した勝率決定情報のうち3種類の馬場適応度情報の中から、抽選により上記勝率決定情報変更手段が変更する馬場適応度情報を決定する。具体的には、まず、プレイヤーが調教を行う旨の操作をタッチパネル12に対して行い、その操作データがステーション制御装置201からメイン制御装置101に送られると、メイン制御装置101のCPUが調教用馬場状態の抽選処理を行う。この調教用馬場状態の抽選処理では、1つの乱数を生成し、その生成した乱数と調教用馬場状態の抽選テーブルとを比較して、良馬場、やや重の馬場、不良馬場のいずれか1つを決定する。この調教用馬場状態の抽選テーブルは、生成可能な全乱数を良馬場、やや重の馬場、不良馬場の3つに按分して対応付けたものである。この按分比率は、例えば、その時点におけるレースサイクルの季節に応じて適宜変更する。このようにして決定された調教用馬場状態は、図6に示すように調教画面の右上部分に表示される。その後、プレイヤーが「芝」、「ウッドチップ」、「ダート」の調教処理の中からいずれかの調教処理を選択する旨の調教指示操作を行うと、その調教処理において、メダル価値情報の数値が変化することに加え、上記調教用馬場状態の抽選処理で決定した馬場状態に対応する馬場適応度情報の数値が変化する。例えば、上記調教用馬場状態の抽選処理により良馬場が決定された場合、その調教処理では、良馬場の馬場適応度情報の数値に所定の数値を加算する処理を行う。他の馬場状態についても同様である。上記決定手段により抽選で決定された調教用馬場状態は調教画面に表示されるので、プレイヤーは、調教用馬場状態を調教画面で確認して、例えば良馬場の馬場適応度情報を高めたいプレイヤーは調教処理を行い、例えば不良馬場の馬場適応度情報を高めたいプレイヤーは調教処理を行わないようにするなどの選択をすることができる。
【0035】
上記第2の決定手段は、上記勝率データ算出手段が勝率データを算出する際に用いる勝率決定情報の種類を抽選により決定する。この決定手段は、主に、メイン制御装置101から構成される。本実施形態では、上述した勝率決定情報のうち3種類の馬場適応度情報の中から、抽選により上記勝率データ算出手段が勝率データを算出する際に用いる馬場適応度情報を決定する。具体的には、例えばレースの出走登録を受け付ける前に、メイン制御装置101のCPUがレース用馬場状態の抽選処理を行う。このレース用馬場状態の抽選処理では、1つの乱数を生成し、その生成した乱数とレース用馬場状態の抽選テーブルとを比較して、良馬場、やや重の馬場、不良馬場のいずれか1つを決定する。このレース用馬場状態の抽選テーブルは、生成可能な全乱数を良馬場、やや重の馬場、不良馬場の3つに按分して対応付けたものである。この按分比率は、例えば、その時点におけるレースサイクルの季節に応じて適宜変更する。その後、プレイヤーが自分の持ち馬に係る競走馬キャラクタの出走登録を行うと、上記勝率データ算出手段は、勝率データを算出する際に上記レース用馬場状態の抽選処理により決定された馬場状態に対応する馬場適応度情報の数値を用いてその競走馬キャラクタのパラメータ値を算出し、そのパラメータ値からその競走馬キャラクタの勝率データを算出する。例えば、上記レース用馬場状態の抽選処理により良馬場が決定された場合、そのレースにおける各競走馬キャラクタの勝率データの算出は、良馬場の馬場適応度情報の数値を用いて行われる。なお、上記レース用馬場状態の抽選処理により良馬場が決定された場合、そのレースにおける各競走馬キャラクタの勝率データの算出は、良馬場の馬場適応度情報の数値のほか、やや重の馬場及び不良馬場の馬場適応度情報の数値を用いてもよい。他の馬場状態についても同様である。
【0036】
上記ベット決定手段は、上記操作受付手段が受け付けたベット操作に基づき、その投票法に応じた数の競走馬キャラクタを選択し、かつ、その選択した競走馬キャラクタにベットするメダル枚数を決定する。詳しくは、単勝の場合には1つの競走馬キャラクタ単位でベットし、馬連、馬単及びワイドの場合には2つの競走馬キャラクタ単位でベットする。上記ベット決定手段は、主に、ステーション制御装置201及びメイン制御装置101から構成される。具体的には、プレイヤーが行ったベット操作の内容を示す操作データは、ステーション10のタッチパネル12からステーション制御装置201を介してメイン制御装置101に送られる。メイン制御装置101は、その操作データに基づいて競走馬キャラクタを選択し、かつ、その選択した競走馬キャラクタに対してベットするメダル枚数を決定する。このようなプレイヤーのベット内容は、プレイヤーごとにSRAM105およびフラッシュメモリ106に記憶される。
【0037】
上記ゲーム価値受取手段は、上記ベット決定手段が決定したメダル枚数分のメダルを、そのベット操作を行ったプレイヤーから受け取るためのものである。具体的には、プレイヤーは、ステーション10のメダル投入部13に投入されたメダルは、その枚数がカウントされて、メダルデータとして上記メダル管理装置202により管理される。このメダル管理装置202は、プレイヤーとアーケードゲーム機1との間でやりとりされるメダルを管理するものである。プレイヤーからメダルを受け取る場合、メダル管理装置202がその受け取るメダル枚数分だけ、そのプレイヤーのメダルデータのカウント値を減少させる処理を行う。したがって、本実施形態において、上記ゲーム価値受取手段は、主に、ステーション制御装置201、メダル管理装置202により構成される。
【0038】
上記ゲーム価値払出手段は、上記順位決定手段が決定した競走馬キャラクタの順位に基づいて、各投票法における勝ち馬を決定し、その勝ち馬に係る競争キャラクタに対してベットされたメダル枚数に、対応するオッズを乗じて得た枚数のメダルを、そのプレイヤーへ払い出す。具体的には、メダル管理装置202が、その払い出すメダル枚数分だけ、そのプレイヤーのメダルデータのカウント値を増加させる処理を行う。したがって、本実施形態において、上記ゲーム価値払出手段は、主に、ステーション制御装置201、メダル管理装置202により構成される。なお、上記ゲーム価値払出手段が用いるオッズは、そのレースに出走する競走馬キャラクタの勝率データに基づいて算出される。
【0039】
以上の構成を有するアーケードゲーム機1で、プレイヤーが、自分の持ち馬に係る競走馬キャラクタを調教する場合、まず、プレイヤーは、調教を行う旨の操作をタッチパネル12に対して行う。そうすると、ステーション10のディスプレイ11には、図6に示すような調教画面が表示され、プレイヤーはタッチパネル12に対して各種調教指示操作を行う。そうすると、上記勝率決定情報変更手段は、調教用馬場状態の抽選処理を行い、その調教時における馬場状態を決定する。そして、プレイヤーが「芝」、「ウッドチップ」、「ダート」の調教処理の中からいずれかの調教処理を選択する旨の調教指示操作を行うと、その調教処理により、自分の持ち馬に係る競走馬キャラクタのメダル価値情報の数値と、上記調教用馬場状態の抽選処理で決定された馬場状態に対応する馬場適応度情報の数値が変化する。このようにして調教処理を終えたら、プレイヤーは、自分が希望するレースへの出走登録の操作を行う。この出走登録の受付前においては、メイン制御装置101のCPUがレース用馬場状態の抽選処理を行い、そのレースの馬場状態を決定する。そして、そのレースを開始するに当たり、上記勝率データ算出手段は、上記レース用馬場状態の抽選処理により決定された馬場状態に対応する馬場適応度情報の数値を用いて各競走馬キャラクタのパラメータ値を算出し、そのパラメータ値からその競走馬キャラクタの勝率データを算出する。そして、上記順位決定手段は、このようにして算出された各競走馬キャラクタの勝率データを用いて、そのレースにおける各競走馬キャラクタの順位を決定する。その後、レースが開始されると、上記ゲーム進行手段は、各競走馬キャラクタがそれぞれ決定された順位となるようにレースを展開する。
【0040】
以上、本実施形態によれば、上記勝率決定情報変更手段による調教処理で変更される競走馬キャラクタの馬場適応度情報(勝率決定情報)の種類は、上記決定手段によって抽選により決定される。よって、プレイヤーは、例えば良馬場に対応する馬場適応度情報を変更したいと希望しても、その調教処理の馬場状態が上記決定手段による抽選で良馬場に決定されなければ、すなわち、良馬場に対応する馬場適応度情報が抽選で決定されなければ、その良馬場に対応する馬場適応度情報が変更されることはない。加えて、上記順位決定手段が順位を決定する際に用いる勝率データを算出するとき、その算出に用いる馬場適応度情報の種類が、上記第2の決定手段によって抽選により決定される。よって、プレイヤーは、良馬場に対応する馬場適応度情報が上記勝率決定情報変更手段により変更されても、そのレースの馬場状態が上記第2の決定手段による抽選で良馬場に決定されなければ、すなわち、良馬場に対応する馬場適応度情報が抽選で決定されなければ、その馬場適応度情報が勝率データの算出に反映されない。
このように、本実施形態では、馬主等がコントロールできない調教時の馬場状態によってその調教に係る競走馬の特性が変わるという現実の競馬における調教に近い調教処理を、アーケードゲーム機1の競馬ゲーム上で実現することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、上記決定手段により調教用馬場状態を直接抽選して決定しているが、例えば天候(晴れ、くもり、雨)を抽選で決定し、その天候が決定してからゲーム内に設定されている時間で一定時間が経過したら、その天候に応じて調教用馬場状態が変更されるようにしてもよい。この場合、例えば、調教用馬場状態が良馬場であっても、雨が抽選で決定してゲーム内での時間が一定時間経過すると、調教用馬場状態がやや重の馬場になり、更に一定時間が経過すると不良馬場になるというようにすることができる。この場合、より現実の競馬における調教に近い調教処理を、アーケードゲーム機1の競馬ゲーム上で実現することができる。
また、本実施形態では、競馬ゲーム装置を例に挙げて説明したが、レース参加前に上述した調教処理のようなトレーニング処理を行うことで競争対象が当該レースで勝つ確率を高め得るゲーム装置であれば、他のゲーム装置であってもよい。
また、本実施形態では、本発明をアーケードゲーム機1に適用した場合について説明したが、本発明は、家庭用ゲーム機などの他のゲーム装置に対しても適用することが可能である。例えば、家庭用ゲーム機に適用する場合、当該家庭用ゲーム機のコンピュータを、上記ゲーム進行手段、上記順位決定手段、上記勝率データ算出手段、上記勝率決定情報変更手段及び上記決定手段として機能させるプログラム、あるいは、このプログラムに上記第2の決定手段の機能を付加したプログラムを、通信ネットワークを介して配信したり、記録媒体に記録して配布したりするなどして、プレイヤーに提供することができる。なお、この場合、ゲーム価値は、当該ゲームにおいてベットに使用する仮想の通貨に係る電子データとなる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態に係るアーケードゲーム機の主要部の構成を示す機能ブロック図。
【図2】同アーケードゲーム機を示す外観図。
【図3】同アーケードゲーム機のメイン制御部のハードウェア構成を示す制御ブロック図。
【図4】同アーケードゲーム機のステーション制御部のハードウェア構成を示す制御ブロック図。
【図5】(a)はプレイヤーデータのデータ構造を示す説明図。(b)は磁気カードに書き込まれる書込データのデータ構造を示す説明図。
【図6】同アーケードゲーム機における調教処理時にディスプレイに表示される調教画面の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0043】
1 アーケードゲーム機
10 ステーション
11 ディスプレイ
12 タッチパネル
13 メダル投入部
14 メダル払出口
15 磁気カード差込口
100 メイン制御部
101 メイン制御装置
105 SRAM
106 フラッシュメモリ
107 ROM
200 ステーション制御部
201 ステーション制御装置
202 メダル管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーを特定するためのプレイヤー特定情報に関連付けられた特定競争対象を含む複数の競争対象が互いに順位を競い合う競争レースを進行するゲーム進行手段と、
上記競争レースで各競争対象が勝つ確率を示す勝率データに基づき、該競争レースにおける該各競争対象の順位を抽選により決定する順位決定手段と、
上記各競争対象ごとに複数種類の勝率決定情報を記憶するものであって、上記特定競争対象に係る勝率決定情報については上記プレイヤー特定情報に関連付けられた状態で記憶する勝率決定情報記憶手段と、
該勝率決定情報記憶手段に記憶された勝率決定情報を用いて、上記各競争対象の勝率データを算出する勝率データ算出手段と、
プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、
該操作受付手段が所定の操作を受け付けたら、該プレイヤーに係るプレイヤー特定情報に関連付けられた勝率決定情報を変更する勝率決定情報変更手段とを有し、
上記ゲーム進行手段は、各競争対象が上記順位決定手段によりそれぞれ決定された順位となるように上記競争レースを進行するゲーム装置において、
上記勝率決定情報変更手段が変更する勝率決定情報の種類を抽選により決定する決定手段を有し、
上記勝率決定情報変更手段は、上記決定手段が決定した種類の勝率決定情報を変更し、
上記勝率データ算出手段は、上記決定手段の抽選対象となる種類の勝率決定情報を用いて上記各競争対象の勝率データを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム装置において、
上記勝率データ算出手段が勝率データを算出する際に用いる勝率決定情報の種類を、上記決定手段の抽選対象となる勝率決定情報の中から抽選により決定する第2の決定手段を有し、
上記勝率データ算出手段は、上記第2の決定手段が決定した種類の勝率決定情報を用いて上記各競争対象の勝率データを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1のゲーム装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
上記ゲーム進行手段、上記順位決定手段、上記勝率データ算出手段、上記勝率決定情報変更手段及び上記決定手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーを特定するためのプレイヤー特定情報に関連付けられた特定競争対象を含む複数の競争対象が互いに順位を競い合う競争レースを進行するゲーム進行手段と、
上記競争レースで各競争対象が勝つ確率を示す勝率データに基づき、該競争レースにおける該各競争対象の順位を抽選により決定する順位決定手段と、
上記各競争対象ごとに複数種類の勝率決定情報を記憶するものであって、上記特定競争対象に係る勝率決定情報については上記プレイヤー特定情報に関連付けられた状態で記憶する勝率決定情報記憶手段と、
上記競争レースの進行に用いる各競争対象に関連付けられて上記勝率決定情報記憶手段に記憶されている該各競争対象の複数種類の勝率決定情報に基づいて各競争対象の勝率データを算出する勝率データ算出手段と、
プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、
該操作受付手段が所定の操作を受け付けたら、該プレイヤーに係るプレイヤー特定情報に関連付けられた勝率決定情報を変更する勝率決定情報変更手段とを有し、
上記ゲーム進行手段は、各競争対象が上記順位決定手段によりそれぞれ決定された順位となるように上記競争レースを進行するゲーム装置において、
上記複数種類の勝率決定情報のうちの一部の種類を抽選対象として、上記勝率データ算出手段が勝率データを算出する際に用いる勝率決定情報の種類を抽選により決定する決定手段を有し、
上記勝率データ算出手段は、上記決定手段が決定した種類の勝率決定情報と該決定手段の抽選対象ではない種類の勝率決定情報とを用いて上記各競争対象の勝率データを算出することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム装置において、
上記勝率決定情報変更手段が変更する勝率決定情報の種類を抽選により決定する別の決定手段を有し、
上記勝率決定情報変更手段は、上記別の決定手段が決定した種類の勝率決定情報を変更することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1のゲーム装置に設けられるコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
上記ゲーム進行手段、上記順位決定手段、上記勝率データ算出手段、上記勝率決定情報変更手段及び上記決定手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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