説明

ゲーム装置及び情報記憶媒体

【課題】プレーヤに操作目標値を提示することでプレーヤの上達を助け、ゲームへのチャレンジ意欲を増進させることができるゲーム装置及び情報記憶媒体を提供すること。
【解決手段】プレーヤの操作するプレーヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを行うためのゲーム装置であって、プレーヤがプレーヤキャラクタの操作情報を入力する手段と、所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、前記操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力するための処理を行う動作メッセージ出力手段とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーシングカーやバイクを模した模擬移動体にプレーヤが搭乗して、当該模擬移動体を操縦して所定のコースを走行するレーシングゲームが知られおり、人気が高い。
【0003】
係るレーシングゲーム装置では、模擬移動体の筐体をより現実に近づけたり、操作性能をより複雑、高度にしたり、難易度の高いコースを設定したりして、プレーヤがより面白くリアルな走行感を味わえるゲーム装置の開発が行われている。このようにゲーム装置が複雑、高度化したり、コースの難易度が高くなると、プレーヤにもより綿密な操作が要求されるようになる。
【0004】
ところが従来ゲームにおける操作量はプレーヤの経験によるところが大きかったため、綿密な操作が要求される操作ポイントでは、初心者等は操作が少なすぎたり、多すぎたりするために理想の結果が得られなかった。
【0005】
例えば、所定の速度まで低速に落とさないと曲がれないコーナー等をコース上に設けた場合、初心者等は、適正なコーナー進入速度を把握することが困難である。このため、初心者等は何度ゲームしても当該コーナーをクリアすることができず、適正な操作感覚をつかむまえにゲームオーバーとなってしまい、これがゲームの面白さを低下させる要因となったり、ゲームに再チャレンジする意欲を失わせる要因となるという問題点があった。
【非特許文献1】「プレイステーション 完璧攻略シリーズ(66) 電車でGO! 完全ガイドブック 第2版」株式会社双葉社 1998年9月25日 第2版 p.5、9、20〜27
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、プレーヤに適正操作量を提示することでプレーヤの上達を助け、ゲームへのチャレンジ意欲を増進させることができるゲーム装置及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プレーヤの操作するプレーヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを行うためのゲーム装置であって、プレーヤがプレーヤキャラクタの操作情報を入力する手段と、所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、前記操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力するための処理を行う動作メッセージ出力手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記各手段としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関係する。
【0009】
また本発明は、プレーヤの操作するプレーヤ移動体がゲーム空間内のコース上を移動するゲームを行うためのゲーム装置であって、プレーヤが模擬移動体を操作することにより操作情報を入力する手段と、所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、前記操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力するための処理を行う動作メッセージ出力手段手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記各手段としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関係する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本実施形態のゲーム装置は、プレーヤの操作するプレーヤキャラクタが通過するゲーム空間内に、所定の適正操作が必要とされる操作ポイントを設ける手段と、プレーヤがプレーヤキャラクタの操作情報を入力する手段と、前記操作情報に基づきプレーヤキャラクタの動作演算を行い、プレーヤキャラクタが前記操作ポイント及びその近くの少なくとも一方に来たら、前記所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値を出力するための処理を行う操作目標値出力手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
また本実施形態のゲーム装置は、プレーヤの操作するプレーヤ移動体が移動するゲーム空間内のコース上に、所定の適正操作が必要とされる操作ポイントを設ける手段と、プレーヤが模擬移動体を操作することにより操作情報を入力する手段と、前記操作情報に基づきプレーヤ移動体の移動演算を行い、プレーヤ移動体が前記操作ポイント及びその近くの少なくとも一方に来たら、前記所定の適正操作の目安となる操作目標値を出力するための処理を行う操作目標値出力手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
プレーヤキャラクタとは、プレーヤが操作するゲーム空間内のオブジェクトをさす。
【0014】
プレーヤ移動体とは、例えばプレーヤが搭乗してゲーム空間内を移動する車、バイク、馬、ジェットスキー、ボート等である。模擬移動体とは前記プレーヤ移動体を模したゲーム用の筐体であり、例えばプレーヤはこの模擬移動体に搭乗して、模擬移動体を操作することでゲーム空間内のプレーヤ移動体を動かすための操作情報を入力することができる。
【0015】
操作ポイントを通過するための目安となる操作目標値とは、例えばレースゲームであれば操作ポイントを通過するのに適正なスピードや、適正な走行ライン、等である。また例えばシューティングゲームであれば適正なシューティング操作等である。
【0016】
操作目標値の出力形態は、画面表示でもよいし、音声出力でもよい。
【0017】
本実施形態では、プレーヤキャラクタやプレーヤ移動体が通過するエリアに、所定の適正操作が必要な操作ポイントが設けられており、プレーヤキャラクタやプレーヤ移動体が、この操作ポイント又はその近くに来たら、前記所定の適正操作の目安となる操作目標値が出力される。
【0018】
このため、従来であれば経験によるところが大きかった操作量をプレーヤはプレイ中に情報として得ることができ、初心者でも綿密な操作が要求される操作ポイントでどのように操作したらよいかを把握することができる。
【0019】
従って本実施形態によればプレーヤに操作目標値を提示することでプレーヤの上達を助け、ゲームへのチャレンジ意欲を増進させることができるゲーム装置を提供することができる。また綿密な操作が供給される操作ポイントを含んでいるにも関わらず、初心者でも十分に楽しめるゲーム装置を提供することができる。
【0020】
なお、前記操作ポイントは、適正な操作をしないとプレーヤに与えるダメージが大きい箇所に設けることが好ましい。
【0021】
また、たとえばレースゲーム等においては、前記操作ポイントはコース上の所定のコーナーに設けられ、前記操作目標値は、当該コーナーを通過するための適正なコーナー進入速度であることが好ましい。
【0022】
また本実施形態のゲーム装置は、前記操作目標値出力手段が、プレーヤの入力した操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値を前記操作目標値ともに出力することを特徴とする。
【0023】
例えば、前記操作目標値がスピードである場合にはプレーヤの入力した操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とは、プレーヤ移動体やプレーヤキャラクタの現在のスピードということになる。このように目標値とそれに対応する現在の値とを一緒に出力することにより、プレーヤは、自己の操作結果と目標値の乖離をしることができ、より適正な操作が把握しやすいゲーム装置を提供することができる。
【0024】
また本実施形態のゲーム装置は、プレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力する手段を含むことを特徴とする。
【0025】
本実施形態によれば、綿密な操作等が要求される操作ポイントにおいて必要な操作を指示するメッセージが出力されるため、プレーヤはどのように操作すればよいかを操作内容を瞬時に理解しやすいゲーム装置を提供することができる。
【0026】
また本実施形態のゲーム装置は、前記ゲーム空間内の仮想カメラから見たゲーム画像を生成する画像生成手段を含み、前記操作目標値が操作ポイント付近のゲーム画像に付加して表示されることを特徴とする。
【0027】
本実施形態によればゲーム空間を表示した表示画面に操作目標値が出力されるので、プレーヤは、ゲーム画面から目を離すことなく必要な地点でビジュアルに操作目標値を受け取ることができる。
【0028】
また本実施形態の情報記憶媒体はコンピュータが読みとり可能な情報記憶媒体であって、プレーヤの操作するプレーヤキャラクタが通過するゲーム空間内に、所定の適正操作が必要とされる操作ポイントを設けるために必要な情報と、プレーヤが入力したプレーヤキャラクタの操作情報に基づきプレーヤキャラクタの動作演算を行い、プレーヤキャラクタが前記操作ポイント及びその近くの少なくとも一方に来たら、前記所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値を出力するために必要な情報とを含むことを特徴とする。
【0029】
また本実施形態の情報記憶媒体はコンピュータが読みとり可能な情報記憶媒体であって、プレーヤの操作するプレーヤ移動体が移動するゲーム空間内のコース上に、所定の適正操作が必要とされる操作ポイントを設けるために必要な情報と、プレーヤが模擬移動体を操作することにより入力した操作情報に基づきプレーヤ移動体の移動演算を行い、プレーヤ移動体が前記操作ポイント及びその近くの少なくとも一方に来たら、前記所定の適正操作の目安となる操作目標値を出力するために必要な情報とを含むことを特徴とする。
【0030】
次に、本発明の好適な実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、本発明をバイクゲームに適用する場合を例にとり説明するが、本発明はこれに限らず、これ以外の各種ゲームを行うゲーム装置に適用可能である。
【0031】
図1には、実施例のゲーム装置の外観図が概略的に示されている。
【0032】
実施例のゲーム装置は、実際のレーシングバイクを模した模擬レーシングバイク1090と、その前方に配置された表示部1050とを含む。
【0033】
プレーヤ1092は、画面1050上に映し出されたゲーム画像を見ながら、ハンドル1070や、ハンドル1070に設けられたアクセルやブレーキを操作したり、本物のバイクを模して作った筺体(車体)1090をローリングさせる。
【0034】
そして、プレーヤ1092が、アクセルやブレーキを操作することで、画面1050に映し出される移動体(バイク)1100が加速したり減速したりする。また、プレーヤ1092がハンドル1070を操舵したり筺体1090をローリングさせることで、移動体1100が左右に曲がったりローリングするようになる。
【0035】
模擬レーシングバイク1090は、左右方向に傾動自在に構成されており、このバイク1090へ跨ったプレーヤ1092がその重心を右または左に移動することによりバイク本体を左右に傾け、ゲーム空間内を走行するバイクを操舵するように構成されている。
【0036】
実施例の模擬バイク1090は、左右方向に傾けると、ゲーム空間内を走行するプレーヤバイクの走行速度に応じた復元力が中立位置方向へ向けた反力として与えられるように構成されており、これによりプレーヤは実際のバイクに乗った場合と同様な操作感を得ることができるとともに、実際のレーシングバイクを操縦している場合と同様なバイク操作の難しさをも体感することになる。
【0037】
図2に、本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例を示す。
【0038】
ここで操作部10は、プレーヤが操作情報を入力するためのものであり、その機能は、例えば図1のハンドル1070、ハンドル1070に設けられたアクセルやブレーキ、筺体1090などのハードウェアにより実現できる。
【0039】
処理部100は、装置全体の制御、装置内の各ブロックへの命令の指示、ゲーム演算などの各種の処理を行うものであり、その機能は、CPU(CISC型、RISC型)、DSP、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや所与のプログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0040】
記憶部180は、処理部100の例えばワーク領域となるものであり、その機能は、RAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0041】
情報記憶媒体(コンピュータにより情報の読み取りが可能な記憶媒体)190は、プログラムやデータを記憶するものである。この情報記憶媒体190の機能は、例えば光ディスク(CDROM、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、携帯型情報記憶装置(メモリーカード、PDA、携帯型ゲーム装置、ゲームカセット)、半導体メモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体190に格納されるプログラム、データに基づいて種々の処理を行うことになる。
【0042】
なお、情報記憶媒体190に格納される情報の一部又は全部は、装置への電源投入時等に記憶部180に転送されることになる。
【0043】
処理部100は、ゲーム演算部110と画像生成部150と音生成部160を含む。
【0044】
ここでゲーム演算部110は、コイン(代価)の受け付け処理、ゲームモードの設定処理、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、移動体(バイク、キャラクタ、ロボット、車、戦車、飛行機、宇宙船、船、ボート、スキー板、サーフボード、ボール、弾等)の位置や方向を決める処理、視点位置や視線方向を決める処理、移動体のモーションを再生する処理、オブジェクト空間へオブジェクトを配置する処理、ヒットチェック処理、ゲーム成果(成績)を演算する処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイするための処理、或いはゲームオーバー処理などの種々のゲーム演算処理を、操作部10からの操作情報やゲームプログラムなどに基づいて行う。
【0045】
画像生成部150は、ゲーム演算部110でのゲーム演算にしたがったゲーム画像を生成する。画像生成部150により生成されたゲーム画像は表示部12にて表示される。
【0046】
音生成部160は、ゲーム演算部110でのゲーム演算にしたがったゲーム音を生成する。音生成部160により生成されたゲーム音は音出力部14から出力される。
【0047】
ゲーム演算部110は、操作ポイント設定処理部120、操作目標値出力処理部130、動作メッセージ出力処理部140と含む。
【0048】
ここで操作ポイント設定処理部120は、プレーヤバイクが移動するゲーム空間内のコース上に、所定の適正操作が必要とされる操作ポイントを設定する処理を行う。本実施の形態では図3の210に示すようなカーブのきついコーナーを、所定のコーナー進入速度で走行しなければならない操作ポイントとして設定するように構成されている。
【0049】
また操作目標値出力処理部130は、プレーヤの操作情報に基づきプレーヤバイクの移動演算を行い、プレーヤバイクが操作ポイントの近くに来たら、適正操作の目安となる操作目標値であるコーナー進入速度を表示するために必要な処理を行う。また操作目標値出力処理部130は、プレーヤの入力した操作情報に基づき決定されるプレーヤバイクの現在の速度をコーナー進入速度と対比可能に表示するために必要な処理も行う。
【0050】
動作メッセージ出力処理部140は、プレーヤが前記コーナー進入速度でコーナーに進入できるように、動作指示メッセージを表示するための処理を行う。具体的には、プレーヤバイクの速度が前記コーナー進入速度よりも大きい場合にはブレーキメッセージを表示するための処理を行う。
【0051】
なお、本実施形態のゲーム装置は、1人のプレーヤがプレイするシングルプレーヤモードによるゲームプレイと、複数のプレーヤがプレイするマルチプレーヤモードによるゲームプレイの両方が可能になっている。
【0052】
また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つのゲーム装置を用いて生成してもよいし、伝送ラインや通信回線(インターネット)などで接続された複数のゲーム端末を用いて生成してもよい。
【0053】
次に本実施形態の特徴である操作ポイントにおける操作目標値の表示例について説明する。
【0054】
図3は、本実施の形態において仮想3次元空間に設けられたプレーヤバイクが走行するコース200の概略図である。コース200上に設けられたカーブのきついコーナー210は、所定の速度まで低速に落とさないと曲がることができない。しかし、初心者やゲームに不慣れなプレーヤはなかなか適正なコーナー進入速度を把握することができず、毎回コースアウトしたりクラッシュしたりすることになる。
【0055】
そこで本実施の形態では、210のように適正な操作を行わないと通過が困難な場所を、操作目標値を表示する操作ポイントとしてあらかじめ設定しておき、プレーヤバイクが操作ポイントにきたら操作目標値、プレーヤの入力した操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値、必要な動作指示メッセージ等を画面上に表示するよう構成されている。
【0056】
図4は、操作ポイントにおける画面の表示例を説明するための図である。
【0057】
本実施の形態では、図3の操作ポイント210について図4の310から340の範囲が操作目標値表示領域として設定されている。
【0058】
進入速度表示開始ライン310は、コーナーの手前であって、プレーヤが操作ポイントたるコーナーに適正な速度で進入するための減速を開始するのが好ましい地点に設定されている。プレーヤバイクが進入速度開始ライン310に達すると、表示画面312には、当該操作ポイントの操作目標値として設定されているコーナー進入目標速度314が表示される。プレーヤは当該目標値の表示によりこの先のコーナーの適正な進入速度を把握し、当該速度でコーナーに進入できるように減速を開始することができる。
【0059】
進入速度表示開始ライン310をすぎて、しばらくするとブレーキ表示開始ライン320が設けられている。プレーヤバイクがこの地点を越えると、表示画面324にはコーナー進入目標値324ともに現在のプレーヤの速度326が表示される。また、プレーヤの現在の速度が進入目標速度324を越えている場合、ブレーキメッセージ328が表示される。なおこの場合、コーナー進入目標速度324、現在のプレーヤの速度326、ブレーキメッセージ328は、赤や黄色等の警告色で表示される。
【0060】
その後プレーヤが減速し、例えばコーナー手前の地点330でプレーヤの現在の速度が進入目標速度334を下回った場合、表示画面332に示すようにブレーキメッセージを消し、進入目標速度334、現在のプレーヤの速度336の両速度表示を警告色から通常色に戻る。
【0061】
そしてプレーヤバイクがコーナー内に設けられている表示終了ライン340をこえると、表示画面342に示すように、進入目標速度及び現在の速度表示は消去される。
【0062】
図5は、本実施の形態の具体的な処理例について説明するためのフローチャート図である。
【0063】
本実施の形態では各フレーム毎に以下のような処理を行い操作ポイントにおける操作目標値の表示を行っている。
【0064】
まずプレーヤの操作入力に基づきプレーヤバイクのコース上の位置を演算し、当該位置が操作目標値表示範囲内か否か判断する(ステップS10)。当該位置が操作目標値表示範囲内でない場合には操作目標値の表示は行わない。なお本実施の形態において操作目標値表示範囲内とは、図4における進入速度表示開始ライン310から表示終了ライン340までの範囲を意味する。
【0065】
当該位置が操作目標値表示範囲内である場合には操作目標値を表示する(ステップS20)。
【0066】
次にプレーヤバイクの位置がブレーキ表示ラインを越えたか否か及び現在のプレーヤバイクの速度が操作目標値以下か否かを判断する(ステップS30、S40)。プレーヤバイクの位置がブレーキ表示開始ラインを越えてかつプレーヤバイクの速度が操作目標値以下でない場合には、ブレーキメッセージとプレーヤバイクの現在の速度が表示される(ステップS50)。
【0067】
プレーヤバイクの位置がブレーキ表示開始ラインを越えてかつプレーヤバイクの速度が操作目標値以下である場合には、ブレーキメッセージは表示されず、プレーヤバイクの現在の速度が表示される(ステップS60)。
【0068】
次に、本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例について図6を用いて説明する。同図に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、音生成IC1008、画像生成IC1010、I/Oポート1012、1014が、システムバス1016により相互にデータ送受信可能に接続されている。そして前記画像生成IC1010にはディスプレイ1018が接続され、音生成IC1008にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1024が接続されている。
【0069】
情報記憶媒体1006は、プログラム、表示物を表現するための画像データ、音データ等が主に格納されるものである。例えば家庭用ゲーム装置ではゲームプログラム等を格納する情報記憶媒体としてCD−ROM、ゲームカセット、DVD等が用いられる。また業務用ゲーム装置ではROM等のメモリが用いられ、この場合には情報記憶媒体1006はROM1002になる。
【0070】
コントロール装置1022はゲームコントローラ、操作パネル等に相当するものであり、プレーヤがゲーム進行に応じて行う判断の結果を装置本体に入力するための装置である。
【0071】
情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、CPU1000は装置全体の制御や各種データ処理を行う。RAM1004はこのCPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、あるいはCPU1000の演算結果等が格納される。また本実施形態を実現するための論理的な構成を持つデータ構造は、このRAM又は情報記憶媒体上に構築されることになる。
【0072】
更に、この種の装置には音生成IC1008と画像生成IC1010とが設けられていてゲーム音やゲーム画像の好適な出力が行えるようになっている。音生成IC1008は情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やバックグラウンド音楽等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出力される。また、画像生成IC1010は、RAM1004、ROM1002、情報記憶媒体1006等から送られる画像情報に基づいてディスプレイ1018に出力するための画素情報を生成する集積回路である。なおディスプレイ1018として、いわゆるヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれるものを使用することもできる。
【0073】
また、通信装置1024はゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやりとりするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受したり、通信回線を介してゲームプログラム等の情報を送受することなどに利用される。
【0074】
そして図1〜図4で説明した種々の処理は、図5のフローチャートに示した処理等を行うプログラムを格納した情報記憶媒体1006と、該プログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。なお画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000あるいは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。
【0075】
前述の図1のように本実施形態を業務用ゲーム装置に適用した場合には、装置に内蔵されるシステムボード(サーキットボード)1106には、CPU、画像生成IC、音生成IC等が実装される。そして、プレーヤからの操作情報及びコンピュータからの命令の少なくとも一方に基づいて、オブジェクト空間内で移動体を移動させる演算を行うための情報、操作目標値を操作ポイント付近のゲーム画像に付加して表示するために必要な処理を行う情報、オブジェクト空間内の所与の視点において見える画像を生成するための情報報等は、システムボード1106上の情報記憶媒体である半導体メモリ1108に格納される。以下、これらの情報を格納情報と呼ぶ。これらの格納情報は、本発明の処理を行うためのプログラムコード、画像情報、音情報、表示物の形状情報、テーブルデータ、リストデータ、プレーヤ情報や、本発明の処理を指示するための情報、その指示に従って処理を行うための情報等の少なくとも1つを含むものである。
【0076】
図7(A)に、本実施形態を家庭用のゲーム装置に適用した場合の例を示す。プレーヤはディスプレイ1200に映し出されたゲーム画像を見ながら、ゲームコントローラ1202、1204を操作してゲームを楽しむ。この場合、上記格納情報は、本体装置に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1206、メモリーカード1208、1209等に格納されている。
【0077】
図7(B)に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300と通信回線(LANのような小規模ネットワークや、インターネットのような広域ネットワーク)1302を介して接続される端末1304-1〜1304-nとを含むシステムに本実施形態を適用した場合の例を示す。この場合、上記格納情報は、例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、半導体メモリ等の情報記憶媒体1306に格納されている。端末1304-1〜1304-nが、CPU、画像生成IC、音処理ICを有し、スタンドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1304-1〜1304-nに配送される。一方、スタンドアロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304-1〜1304-nに伝送し端末において出力することになる。
【0078】
なお、図7(B)の構成の場合に、本発明の処理を、ホスト装置と端末とで(サーバを設ける場合にはホスト装置とサーバと端末とで)分散して処理するようにしてもよい。また、本発明を実現するための上記格納情報を、ホスト装置の情報記憶媒体と端末の情報記憶媒体(或いはホスト装置の情報記憶媒体とサーバの情報記憶媒体と端末の情報記憶媒体)に分散して格納するようにしてもよい。
【0079】
また通信回線に接続する端末は、家庭用ゲーム装置であってもよいし業務用ゲーム装置であってもよい。そして、業務用ゲーム装置を通信回線に接続する場合には、業務用ゲーム装置との間で情報のやり取りが可能であると共に家庭用ゲーム装置との間でも情報のやり取りが可能な携帯型情報記憶装置(メモリーカード、PDA、携帯型ゲーム装置)を用いることが望ましい。
【0080】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0081】
例えば、本実施の形態では低速に落とさないと曲がれないコーナーを操作ポイントとして設定した場合を例にとり説明したがこれに限られない。例えば高速で曲がれるのに必要以上に減速してしまうおそれのあるコーナーを操作ポイントとして設定してもよい。
【0082】
また本実施の形態では、操作目標値がコーナー進入速度である場合を例にとり説明したがこれに限られない。たとえば適正な走行ラインを操作目標値としてもよい。
【0083】
また本実施の形態では、バイクゲームを例にとり説明したがこれに限られない。例えば、車、バイク、馬、ジェットスキー、ボート等の種々のゲームに適用できる。
【0084】
また本実施の形態では、操作目標値や動作指示メッセージを画面に表示する場合を例にとり説明したがこれに限られない。例えば、音声等で出力してもよい。
【0085】
また本発明は、家庭用、業務用のゲーム装置のみならず、シミュレータ、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置、パーソナルコンピュータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード等の種々のゲーム装置に適用できる。
【0086】
また本実施形態ではレーシングゲームに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず種々のゲーム(競争ゲーム、スポーツゲーム、対戦ゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム等)に適用できる。
【0087】
例えば、シューティングゲームで、適正なシューティング操作を必要とするステージを操作ポイントとして、操作目標値を適正なシューティング操作等としてもよい。
【0088】
また本発明は、家庭用、業務用のゲーム装置のみならず、シミュレータ、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置、パーソナルコンピュータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステム基板等の種々の画像生成装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施の形態のゲーム装置の外観概略図である。
【図2】本実施の形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例である。
【図3】本実施の形態において仮想3次元空間に設けられたプレーヤバイクが走行するコースの概略図である。
【図4】操作ポイントにおける画面の表示例を説明するための図である。
【図5】本実施の形態の具体的な処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図6】本実施の形態を実現できるハードウエア構成の一例を示す図である。
【図7】同図(A)、(B)は、本実施の形態が適用される種々の形態の装置の例を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
10 操作部
12 表示部
14 音出力部
100 処理部
110 ゲーム演算部
120 操作ポイント設定処理部
130 操作目標値出力処理部
140 動作指示メッセージ出力処理部
150 画像生成部
160 音生成部
180 記憶部
190 情報記憶媒体
1050 画面
1070 ハンドル
1090 筺体
1092 プレーヤ
1100 移動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの操作するプレーヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを行うためのゲーム装置であって、
プレーヤがプレーヤキャラクタの操作情報を入力する手段と、
所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、前記操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力するための処理を行う動作メッセージ出力手段とを含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
プレーヤの操作するプレーヤ移動体がゲーム空間内のコース上を移動するゲームを行うためのゲーム装置であって、
プレーヤが模擬移動体を操作することにより操作情報を入力する手段と、
所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、前記操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力するための処理を行う動作メッセージ出力手段手段とを含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
プレーヤの操作するプレーヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを行うためのプログラムを記憶したコンピュータが読みとり可能な情報記憶媒体であって、
所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、プレーヤが入力したプレーヤキャラクタの操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記憶されていることを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項4】
プレーヤの操作するプレーヤ移動体がゲーム空間内のコース上を移動するゲームを行うためのプログラムを記憶したコンピュータが読みとり可能な情報記憶媒体であって、
所定の適正操作を行うための目安となる操作目標値と、プレーヤが模擬移動体を操作することにより入力した操作情報に基づき決定される現在の操作結果であって前記操作目標値に対応する値とを比較し、比較結果に応じてプレーヤが適正操作を行うために必要な動作指示メッセージを出力する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記憶されていることを特徴とする情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−29754(P2007−29754A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294015(P2006−294015)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【分割の表示】特願平10−347910の分割
【原出願日】平成10年11月20日(1998.11.20)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】