説明

ゲーム装置

【課題】より使い勝手良くゲームを楽しむことを可能にする。
【解決手段】囲碁対局サービスサーバ10は、通信回線網14を介して接続されたゲーム装置間で通信対局を実行するサービスを提供している。ゲーム装置22は、入力されたデータを順次記憶し、記憶されているデータの入力された順番が入力されると、入力された順番までに入力されたデータに応じたゲームの状況に戻す。また入力された順番を対戦相手に送信し、対戦相手から送信された順番を受信した場合に、この順番までに入力されたデータに応じたゲームの状況に戻すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、囲碁ゲーム対局などのゲームを行なうゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、パーソナルコンピュータや専用端末等を用いて囲碁ゲームを楽しむことができ、これらには、大別して、パーソナルコンピュータ若しくは端末のみで楽しめるもの、ホストコンピュータ等に接続して通信しながら楽しむものがある。
【0003】
これらの機能としては、現在以下の(1)〜(5)ようなものが既に実現されている。(1)予めROM等に保存されている詰碁等を解いて楽しむもの。(2)自分の過去に対局した時の棋譜や雑誌等から自分自身で入力した棋譜を検討等するもの。(3)コンピュータが囲碁ゲームの着手を求めて対局相手となるもの。(4)通信によって離れた所にいる人同士で対局するもの。(5)通信対局に付随して、文字によるチャットもできるようになっているもの。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来では、前述した機能において以下のような問題点があった。
(1)現在のゲーム端末やゲームソフトでは、棋譜を保存する際に、対局と最後まで打ち終わった対局とを特に区別していない。従って、中断した対局も終了した対局も、同じように並べ返して再現したり、変化することができる。
【0005】
しかし、これは、中断した局面から後日対局を再開するような場合を考えると、問題である。すなわち、実際の碁盤と碁石で対局している場合には、対局を再会するまでの間には中断局面を見ないのが普通であり、自分の記憶によって局面を再現するなら当人の棋力によっているので許されるものの、機械が中断局面を再現してしまうのでは、助言をしているような意味合いにもなり、持ち時間制などの意味も希薄となるため、非常に不都合となっていた。
【0006】
(2)現在のゲーム端末やゲームソフトでは、棋譜や詰碁等の問題図を入力するための入力方法は、通常、雑誌や新聞に掲載されているような棋譜を入力する際に便利が良いように、1手目から黒白交互に入力でき、また一度入力した石は、囲碁のルールを遵守して、動かしたりすることができないように構成されている。
【0007】
しかし、詰碁の問題図等を入力する場合を考えると、必ずしも黒白の順番で入力しなくても良く、また黒白の石数も必ずしも同数とは限らない。従って、黒白交互に入力しなければならない現状の入力方法では却って不便であり、碁盤で実際に碁石を問題図の通りに並べる場合等を考えても、黒白交互に並べていくといったことはむしろまれである。
【0008】
(3)現在のゲーム端末やゲームソフトには、通信対局機能を持つものがある。これら通信対局可能なゲーム端末またはゲームソフトにおいては、対局開始の挨拶や終了後の御礼、感想等の交換のために会話機能を持つものもある。
【0009】
しかし、これらのゲーム端末またはゲームソフトの会話機能は、通信対局機能と特に連動しているといったようなものではなく、単に通信対局機能と会話機能が併存しているに過ぎないものである。そして、従来の通信対局機能において、一旦対局が終了してしまった後の事というのは全く考慮されていなかった。このため、通常の対局において、対局終了後にしばしば行われる、いわゆる「感想戦」や局後の勝敗因検討等にあたっては、会話機能を用いて、あくまで文字により座標等を互いに表示し、あとは互いに頭の中で読む等の方法しかとり得なかった。
【0010】
しかしながら、通常の対局の場合を考えてみると、碁盤上に途中の局面を再現して、実際に石を置いてみたりしながら検討等を行うのが一般的であり、言葉のみによるよりも、はるかに解りやすく便利である。
【0011】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、より使い勝手良くゲームを楽しむことが可能なゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ゲーム装置ゲームの対戦相手に対して、ゲームを進行させるための入力に応じたデータを送信するゲーム装置において、入力されたデータを順次記憶するゲーム内容記憶手段と、前記ゲーム内容記憶手段によって記憶されているデータの入力された順番を入力する順番入力手段と、前記順番入力手段により入力された順番までに入力されたデータに応じたゲームの状況に戻す第1手段と、前記順番入力手段により入力された順番を前記対戦相手に送信する順番送信手段と、対戦相手の前記順番送信手段によって送信された順番を受信した場合に、この順番までに入力されたデータに応じたゲームの状況に戻す第2手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、対戦相手との間で決められた所定の順番によりデータ入力し、入力されたデータを対戦相手に送信してゲームを進行させるゲーム装置において、ゲームの終了を判定する終了判定手段と、前記ゲーム終了判定手段によってゲームが終了したと判定された場合に、連続したデータ入力と対戦相手において入力されたデータの受信を可能な状態に設定する設定手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、対戦相手との間で決められた所定の順番によりデータ入力し、入力されたデータを対戦相手に送信してゲームを進行させるゲーム装置において、ゲーム中に連続したデータ入力とデータ受信をすることの同意を対戦相手に問い合わせる問い合わせ手段と、前記問い合わせ手段による問い合わせに対して対戦相手から同意が得られた場合に、データ入力と対戦相手において入力されたデータの受信を可能な状態に設定する設定手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より使い勝手良くゲームを楽しむことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態における通信手段を介して囲碁などの対局を行なう対局システムの構成を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる囲碁対局サービスサーバ10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】囲碁対局サービスサーバ10のデータベース装置36(あるいは記憶装置33)に格納される会員リスト36a、対局データ36bのデータ構造を示す図。
【図4】本実施形態におけるゲーム装置22の電子回路の構成を示すブロック図。
【図5】ゲーム装置22のSRAM46に格納される各種データの一例を示す図。
【図6】ゲーム装置22の外観構成を示す図。
【図7】ゲーム装置22のLCD22aによって表示される画面の一例を示す図。
【図8】実施形態1における動作を説明するためのフローチャート。
【図9】対局棋譜データに登録される情報の一例を示す図。
【図10】実施形態1の他の応用構成を説明するための図。
【図11】実施形態2における動作を説明するためのフローチャート。
【図12】棋譜入力を行なう場合にゲーム装置22のキー入力部に設けられる着手入力モード指定キーの一例を示す図。
【図13】実施形態3における動作を説明するためのフローチャート。
【図14】棋譜入力された盤面表示の一例を示す図。
【図15】実施形態4におけるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図16】通信対局で着手以外の情報を送受信する場合の盤面表示の一例を示す図。
【図17】実施形態5における動作を説明するためのフローチャート。
【図18】通信対局終了後に端末甲と端末乙において、盤面表示される局面を指定された手数まで戻す場合の表示状態の一例を示す図。
【図19】実施形態6における動作を説明するためのフローチャート。
【図20】通信対局終了後に端末甲と端末乙において盤面表示される局面を盤面表示上で指定された着手位置まで戻す場合の表示状態の一例を示す図。
【図21】実施形態7における動作を説明するためのフローチャート。
【図22】通信対局中に端末甲と端末乙において、両者間で合意確認をした上で盤面表示される局面を指定された手数まで戻す場合の表示状態の一例を示す図。
【図23】実施形態8における動作を説明するためのフローチャート。
【図24】通信対局中に端末甲と端末乙において、両者間で合意確認をした上で盤面表示される局面を指定された着手まで戻す場合の表示状態の一例を示す図。
【図25】実施形態9における動作を説明するためのフローチャート。
【図26】通信対局中に端末甲と端末乙において、両者が合意情報を登録していることを確認をした上で盤面表示される局面を指定された手数まで戻す場合の表示状態の一例を示す図。
【図27】実施形態10における動作を説明するためのフローチャート。
【図28】通信対局中に端末甲と端末乙において、両者が合意情報を登録していることを確認をした上で盤面表示される局面を指定された位置の石が着手された局面まで戻す場合の表示状態の一例を示す図。
【図29】実施形態11における動作を説明するためのフローチャート。
【図30】実施形態12における動作を説明するためのフローチャート。
【図31】実施形態12を実現するためのゲーム装置における盤面表示の一例を示す図。
【図32】実施形態13における動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態における通信手段を介して囲碁などの対局を行なう対局システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態における対局システムは、囲碁対局サービスサーバ10(サーバ装置)を有するサービスプロバイダ12に、通信回線網14を介してパーソナルコンピュータ18の他、ゲーム装置22,23,24が接続することにより通信手段を介した対局を行なうことができる。
【0019】
囲碁対局サービスサーバ10は、インターネットあるいは公衆回線網などを含む通信回線網14を介して外部との通信を行なうサービスプロバイダ12において、囲碁対局サービスを提供するために利用される。すなわち、囲碁対局サービスサーバ10は、囲碁の対局を行なう際には、対局を行なう両者に対して相互にサービスを提供すると共に、両者の間でサービスを相互に提供するための通信を制御する機能を有する。
【0020】
通信回線網14を介して囲碁対局サービスサーバ10に接続される端末としては、パーソナルコンピュータ18の他に、囲碁ゲーム専用端末であるゲーム装置22,23,24などが接続される。なお、以下、ゲーム装置22を対象として説明する。
【0021】
図2は本発明の実施の形態に係わる囲碁対局サービスサーバ10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0022】
囲碁対局サービスサーバ10は、各種の記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成される。
【0023】
囲碁対局サービスサーバ10は、図2に示すように、CPU30、電話通信ユニット31、通信ユニット32、記憶装置33、メモリ35、データベース装置36、及び翻訳装置37を有して構成される。
【0024】
CPU30は、囲碁対局サービスサーバ10全体の制御を司るもので、メモリ35に格納されたプログラム(囲碁対局プログラム等)やデータ等に基づいて動作することにより各種の機能を実現する。
【0025】
電話通信ユニット31は、公衆回線網を介した外部との通信を制御するユニットであり、CPU30によって指示された電話番号に応じて自動的に電話をかける機能を有している。通信ユニット32は、インターネットを介した外部との通信を制御するユニットである。
【0026】
記憶装置33は、各種プログラムやデータを格納するためのものであって、例えば対局の管理のために生成される各種リスト(会員リスト、対局データなど)のデータも必要に応じて格納される。
【0027】
記憶装置33は、プログラム、データ等が予め記録されている記録媒体34を有しており、この記録媒体34は磁気的、光学的記憶媒体、もしくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体34は、記憶装置33に固定的に設けたもの、もしくは着脱自在に装着するものである。また、記録媒体34に記憶されるプログラム、データ等は、通信回線等を介して接続された他の機器から受信して記憶する構成にしても良く、さらに、通信回線等を介して接続された他の機器側に記録媒体を備えた記憶装置を設け、この記録媒体に記憶されているプログラム、データを通信回線を介して使用する構成にしても良い。
【0028】
メモリ35は、CPU30によってアクセスされるためのプログラムやデータが格納されるもので、必要に応じて記憶装置33またはデータベース装置36から読み出されて格納される。
【0029】
データベース装置36は、各種の情報を蓄積しておくための記憶装置であり、例えば会員に関する情報が登録された会員リスト36a、各会員についての過去の対局に関する情報などの対局データ36bを含んでいる。また、データベース装置36には、棋譜や対戦記録、棋士の情報、詰め碁、問題集、会員の勝敗記録等を集めた棋譜情報などが含まれ、会員からの要求に応じて任意に提供される。
【0030】
図3には、囲碁対局サービスサーバ10のデータベース装置36(あるいは記憶装置33)に格納される会員リスト36a、対局データ36bのデータ構造を示している。
【0031】
会員リスト36aは、囲碁対局サービスサーバ10からサービスの提供を受けられる会員に関する情報が予め登録されたもので、図3(a)に示すように、氏名、会員番号、電話番号、段級が、各会員毎に登録されている。
【0032】
対局データ36bは、対局に関する情報が登録されるもので、図3(b)に示すように、対局者の氏名(対局者(1)、対局者(2))と、それぞれの対局者の着手位置を示す対局棋譜データ(ゲームの履歴)、着手入力/受信許可情報(詳細については実施形態11において説明する)などが登録される。
【0033】
なお、対局棋譜データには、対局に関する各種情報(手合い・コミ等)の他、対局が投了まで行われずに中断された場合には中断対局情報が登録され、対局が投了まで行われた場合には非中断対局情報が登録される(詳細は図9に示す)。
【0034】
図4は、本実施形態におけるゲーム装置22の電子回路の構成を示すブロック図である。ゲーム装置22は、各種の記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成することができる。
【0035】
図4に示すように、本実施形態における囲碁ゲーム専用端末22は、CPU41、ROM42、タッチパネル44、SRAM46、LCDドライバ周辺回路48、LCD50、無線通信I/F52、スピーカ53、アンテナ54、及び電池56によって構成されている。
【0036】
CPU41は、ROM42に格納された各種制御プログラムやデータに従って各種機能を実現するもので、囲碁ゲーム制御機能、通信相手との囲碁ゲーム対局のための通信機能などを含んでいる。
【0037】
ROM42は、CPU41によって実行される各種制御プログラムやデータ等が格納されるものであり、囲碁ゲーム制御用プログラム、通信相手との囲碁ゲーム対局通信用プログラムなどを含んでいる。
【0038】
タッチパネル44は、装置に対する動作を規定するためのソフトキーによる指示入力や、囲碁ゲーム実行中の石を置くべき位置を指定をする座標データを入力するために使用される。
【0039】
SRAM46は、CPU41によって各種機能を実行する際の作業領域として使用され、例えば進行中の囲碁ゲームの状況(各石の置かれた位置など)に関するデータなどが格納される。LCDドライバ周辺回路48は、CPU41の制御のもとで、LCD50における表示を制御するもので、LCD50に設けられた本ゲーム表示装置固有のセグメントパターンに対する制御を行なう。
【0040】
LCD50は、囲碁ゲームを行なう上で必要な各種の情報を表示するもので、碁盤の盤面を表す盤面表示、ハマの数を黒石、白石それぞれについて表示するためのハマ表示、黒盤、白盤それぞれの時間を表示するための時間表示、動作を規定する指示を入力するための複数のソフトキー(ボタン)が設けられる。また、LCD50の盤面表示をする領域については、囲碁ゲームのゲームパターン表示(石や碁罫線など)に好適なセグメントパターンが設けられている。無線通信I/F52は、通信相手と囲碁ゲームを対戦する際に、CPU41の制御のもとでアンテナ54を介して無線通信を行なう。スピーカ53は、CPU41の制御のもとで音を発声させるもので、効果音や音声メッセージなどを出力するために用いられる。電池56は、ゲーム表示装置を屋外等に持ち出して携帯することができるように、各構成部に電力を供給するために使用される。図5には、ゲーム装置22のSRAM46に格納される各種データの一例を示している。図5に示す各種データは、ゲーム(囲碁の対局)の開始に伴って状況に応じて更新される。なお、図5に示す各種データが常時格納されるのではなく、囲碁対局サービスサーバ10を介して他の対局者との間でオンラインで対局を実行する場合、ゲーム装置22を単体で使用する場合とに応じて、必要なデータが適宜格納される。
【0041】
図5に示すように、SRAM46には、タイマカウンタ(TM)46a、ハンデデータ(HD)46b、先手/後手フラグ46d、手番フラグ(BW)46e、棋譜データ46f、着手入力モードデータ46g、着手/非着手指定データ46h、合意情報46j、終局後着手合意情報46k、着手入力/受信許可情報46m等が格納される。
【0042】
タイマカウンタ46aは、対局前の対局条件の設定において定められた持ち時間をカウント(計数)するために使用される。タイマカウンタ46aには、自分の持ち時間(自持ち時間46a1)と対局相手の持ち時間(相手持ち時間46a2)のデータがそれぞれ格納され、相手持ち時間46a2については対局相手から送信された持ち時間が格納される。ハンデデータ46bは、対局条件の設定において定められたハンデ(コミ)の値が格納される。先手/後手フラグ46dは、対局条件の設定に応じて決定される先手(黒番)/後手(白番)の何れであるかを示すフラグである。対局相手が複数ある場合には、対局相手毎(例えば、対局相手A46d1、対局相手B46d2…)にセットされる。手番フラグ46eは、現在の打ち手が黒番(B)であるか白番(W)であるかを示すもので、一手毎に“0”−“1”−“0”…と変化される(例えば黒番を“1”によって表す)。対局相手が複数ある場合には、対局相手毎(例えば、対局相手A46e1、対局相手B46e2…)にセットされる。先手/後手フラグ46dと手番フラグ46eの値に応じてタイマカウンタ46aに対する処理が制御される。棋譜データ46fは、対局の盤面を構成する各石に関するデータ(ゲームの履歴)であり、一つの着手毎に生成される「何番目、白/黒、位置」の各情報の組み合わせから成るデータから構成される。着手入力モードデータ46gは、ゲーム装置22を単体で使用して棋譜の入力が行われる場合に、黒石のみ、白石のみ、黒白交互のいずれの着手入力モードによる入力を行なうかを示すデータである(詳細については後述する実施形態2において説明する)。着手/非着手指定データ46hは、盤面表示に対する位置の指定が着手であるのか、非着手であるのかを示すデータである(詳細については後述する実施形態4において説明する)。合意情報46jは、局面を戻して打ち直しをすることに同意することを示す情報である(詳細については実施形態9,10において説明する)。終局後着手合意情報46kは、終局後に対局相手のゲーム装置から連続して黒白交互の着手データを送信することに同意することを示す情報である(詳細については実施形態12,13において説明する)、着手入力/受信許可情報46mは、通信対局終了後に着手入力と、着手入力に伴う着手データの送受信とを許可することを示す情報である(詳細については実施形態11において説明する)。
【0043】
図6は、ゲーム装置22の外観構成を示している。ゲーム装置22は、携帯型に構成されており、筐体上面部にLCD22a(LCD50)(例えば大型モノクロ液晶)及びタッチパネル22b(タッチパネル44)が設けられている。LCD22aの表示面とタッチパネル22bのデータ入力面は、積層一体型に構成されており、LCD22aによって表示された対象物(例えば碁石を示す表示パターン、盤面を表す表示中の交点位置、キーなど)を、ペン22dや指先などによって直接的に指示することで、該当する位置の座標データを入力することができる。また、ゲーム装置22は、アンテナ22cを通じて、例えば図示しないモデムとの間で無線通信をすることができる。この場合、モデムには、ゲーム装置22(囲碁ゲーム専用端末)との間で無線通信を行なうための機能が設けられる。またモジュラージャックを介して公衆回線網(通信回線網14)と接続され、電話機が接続される。これにより、電話線の接続や差し替え等を行なうことなく、場所を選ばずにゲーム装置22を使用できるようになっている。なお、ゲーム装置22にモデムの機能が設けられた構成とすることも勿論可能である。
【0044】
図7には、ゲーム装置22のLCD22aによって表示される画面の一例を示している。図7に示すように、囲碁ゲームを行なう上で必要な情報として、碁盤の盤面を表す盤面表示、ハマの数を黒石、白石それぞれについて表示させるためのハマ表示、黒番、白番それぞれの持ち時間を表示するための時間表示、動作を規定する指示を入力するための複数のソフトキー(画面に表示されるキー)を含むキー入力部が設けられている。
【0045】
キー入力部には、対局中では、例えば上下左右方向のそれぞれを示すカーソルキー、パスを指示するための「パス」キー、投了を指示するための「投了」キー、対局の中断を指示するための「中断」キーなどが設けられる。また、キー入力部には、状況に応じて利用者からの所定の指示を入力するためのキーが設けられる。キー入力部に設定されるキーの詳細については、後述する各実施形態において説明する。キー入力は、ペン22dや指先によってLCD22aの表示画面と一体化されたタッチパネル22bの検出面をタッチすることによって行なわれる。タッチパネル22bによってキーに該当する部分に対してタッチ入力があったことが検出されると、タッチされた位置(キー)に応じた処理が実行される。
【0046】
次に、本発明における対局システムの動作について説明する。以下、実施形態1〜13のそれぞれについて、フローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
(実施形態1)
実施形態1は、通信対局終了後、その対局の棋譜データを保存する時に、対局を中断した棋譜データと終局した棋譜データとを区別する情報を共に保存し、中断した対局の棋譜データについては対局再開時まで盤面表示されないように管理するものである。
【0048】
図8は、実施形態1における動作を説明するためのフローチャートを示している。図8(a)は囲碁対局サービスサーバ10における対局終了(終局あるいは中断)に伴う棋譜保存時の処理を説明するためのフローチャート、図8(b)は棋譜読み込み時の処理を説明するためのフローチャートである。
【0049】
なお、ゲーム装置22は、囲碁対局サービスサーバ10を介して他のゲーム装置などとの間で対局を実行しているものとする。対局を行っているゲーム装置間では、それぞれにおいて対局者の操作によって着手(表示された盤面に対する位置指示)があった場合に、囲碁対局サービスサーバ10に対して着手データを送信する。着手データには、例えば、現在行っている対局を識別するための対局識別データ、手番(黒番、白番)を表す手番データ、手数を示す手数データ、着手した位置を示すX座標データ,Y座標データ、持ち時間に関する時間データ、時間切れとなったことを通知するための時間切れフラグなどが含まれている。これにより、例えば対局相手のゲーム装置に対して、「対局A、黒37手目、14−十六(着手した位置)、36分52秒」といった内容のデータが送信される。
【0050】
囲碁対局サービスサーバ10は、例えばゲーム装置間の対局中に送受信される着手データをもとに、データベース装置36に対局データ36b(対局棋譜データ)として、各着手のデータを順次格納していく。
【0051】
また、囲碁対局サービスサーバ10は、対局終時に図8(a)に示す処理によって、対局棋譜データとして対局に関する情報を格納する。まず、囲碁対局サービスサーバ10は、対局に関する情報、例えば対局日付、他の手順や手合い、コミ、手数等といった情報を対局棋譜データと共に記憶しておく(ステップA1)。また、囲碁対局サービスサーバ10は、その対局棋譜データが終局した対局のものであるか、対局中断をしたものであるかどうかを判定する(ステップA2)。例えば、囲碁対局サービスサーバ10は、ゲーム装置22から対局中断を希望するコマンドが受信していた場合には、対局が中断されたものとして判別し、対局棋譜データに対して終局であるかを否かを判定する終局判定処理を実行して、この処理によって終局と判定された場合には対局が終局したものとして判定する。
【0052】
囲碁対局サービスサーバ10は、対局が中断されたと判定した場合には、対局棋譜データに他の情報と共に対局が中断されたことを示す情報、例えば図9に示すように「中断対局」の情報を格納する(ステップA3)。また、対局が終局したと判定した場合には、対局棋譜データに他の情報と共に対局が中断されたことを示す情報、例えば図9に示すように「非中断対局」の情報を格納する(ステップA4)。
【0053】
一方、中断対局を再開するときや、データベース装置36に登録されている棋譜の鑑賞等が要求されたときには、囲碁対局サービスサーバ10は、図8(b)に示す棋譜読み込み時の処理によって、データベース装置36の対局データ36bから該当する対局棋譜データを読み込む。
【0054】
まず、囲碁対局サービスサーバ10は、対局棋譜データ中の対局に関する情報(対局日付、他の手順や手合い、コミ、手数等)を読み込む(ステップA5)。また、これらの情報と共に格納されている、対局が中断されたのか終局したのかを表す情報(「中断対局」「非中断対局」)を読み込んで、読み込みの対象となっている棋譜が中断された対局のものか、終局した対局のものであるかを判定する(ステップA6)。
【0055】
ここで、対局が終局されていることを表す「非中断対局」が格納されていた場合には、囲碁対局サービスサーバ10は、終局された対局の情報(対局棋譜データ)を読み込んで、棋譜の検討/再現モードへ移行する(ステップA9)。すなわち、ゲーム装置22から棋譜の検討/再現の要求に応じた棋譜の読み込みであった場合には、データベース装置36から読み出した対局棋譜データを要求元のゲーム装置22に送信することで、このゲーム装置22において棋譜が表示される。
【0056】
また、対局中断を表す「中断対局」が格納されていた場合には、囲碁対局サービスサーバ10は、対局の再開の要求であるものと判別し、この対局が再開可能であるかを確認する(ステップA7)。すなわち、対局相手から対局再開の合意がとれるかを確認する。
【0057】
この結果、対局を再開できない場合には、囲碁対局サービスサーバ10は、棋譜読み込み失敗(読み込み拒否)を、棋譜の読み込み(対局再開)の要求をしてきたゲーム装置22に対して通知する。また、対局を再開できる場合には、囲碁対局サービスサーバ10は、中断されている対局の情報(対局棋譜データ)をデータベース装置36から読み込んで、対局を再開する各ゲーム装置22に対して送信する(ステップA8)。その後、囲碁対局サービスサーバ10から中断した対局の対局棋譜データを受信したゲーム装置22において中断時点の棋譜が表示されてから対局が再開される。
【0058】
従来では、記憶している棋譜データが、中断された対局であるか否かの情報が保存されていても、それによって棋譜再現・表示装置の動作を禁止するということはなかった。そのため従来の対局システムでは、その中断した対局を再開する時までに、中断した対局の局面をシステムによって再現して次の手を考えるといった事が可能であり、このため対局の不公平化や、持ち時間制度の形骸化といった問題があった。
【0059】
本発明の実施形態1では、中断された対局については、中断した対局であることを示す情報(「中断対局」)を棋譜と共に記憶し、さらに、その情報によって中断対局の棋譜については通信対局を再開するとき以外は棋譜を読み込ませないようにしたことにより、中断対局についてシステムが対局を再現することにより手助けをして次の手を考えられるといった不公平さを除去することができるようになる。
【0060】
なお、前述した説明では、囲碁対局サービスサーバ10において対局棋譜データを保持し、対局中断を表す「中断対局」が格納されていた場合には、ゲーム装置からの棋譜データの読み出しの要求に対して拒否するものとして説明しているが、各ゲーム装置が記憶している棋譜データの読み出しの際に、各ゲーム装置において同様の処理を実行するようにしても良い。すなわち、ゲーム装置は、囲碁ゲーム制御用プログラムによって、他のゲーム装置との間で行われる対局の棋譜データを記憶しておくと共に、対局が中断された場合には対局中断を表す「中断対局」の情報を棋譜データに付加して登録しておく。ゲーム装置は、「中断対局」の情報が付加された棋譜データについては、対局相手としていたゲーム装置との間で対局再開が可能な状態となった場合にのみ読み出して盤面表示を行なう。
【0061】
さらに、囲碁対局サービスサーバ10に対局棋譜データを記憶しておき、各ゲーム装置には対局が中断されたか終局したかを示す情報を記憶しておくようにしても良い。この場合、ゲーム装置は、対局棋譜データの読み出し要求が入力された場合、その読み出しの対象となっている対局について中断されていることを示す「中断対局」の情報が記憶されていれば、囲碁対局サービスサーバ10に対して対局棋譜データのダウンロードの要求を行わないようにする。
【0062】
また、同様の効果を得るために、棋譜を記憶でき、またその棋譜を適宜表示・再現できれば良いことから、例えば図10に示したように、棋譜を記憶する手段として市販されている碁罫紙と特殊な表示装置によって構成される対局システムを構成することもできる。
【0063】
特殊な表示装置には、中断対局であるかどうかの押しボタン(中断対局ボタン)及び中断対局を再開する場合に押される押しボタン(中断対局再開ボタン)が設けられている。中断した対局の棋譜を保存する場合には、棋譜が記録された碁罫紙を表示装置において、外部より視認できないように筐体上面部と蓋との間に挟み込むと共に中断対局ボタンを押しておく。この場合、表示装置は、碁罫紙に記録された棋譜の表示が通常の操作により指示されても表示を行わず、中断対局再開ボタンが押された場合にのみ棋譜の表示を行なう。中断対局再開ボタンに対する操作について所定の制限を加えることにより、容易に中断された棋譜が表示されないようにする。
【0064】
このようにして、実施形態1では、(1)対局途中の対局についての局面をシステムが再現し、システムの手助けによって次の手を考えられるといった不公平さを除去することができる、(2)持ち時間ルールで対局しているのにもかかわらず、打ち掛け中にシステムが局面を再現してしまって試し打ちや打ち継ぎ等ができてしまうという問題を防ぐことができ、実際の対局ルールに近づけることができるといった効果を得ることができる。
【0065】
(実施形態2)
実施形態2は、棋譜や詰め碁などの検討などをするために、ゲーム装置22による盤面表示において石を並べる(棋譜入力)時に、本来の対局を進行させるための着手の順番である黒白交互(所定の順番による繰り返しの入力)ではなく、黒石のみ若しくは白石のみを続けて入力できるようにし、また黒石と白石のどちらを入力するかについては任意に指定できるようにするものである。
【0066】
図11は、実施形態2における動作を説明するためのフローチャートを示している。図12は、棋譜入力を行なう場合にゲーム装置22のキー入力部に設けられる着手入力モード指定キーの一例を示している。着手入力モード指定キーは、着手入力モードを設定するためのもので、図12に示すように連続して黒石を入力することを指示するための「黒石」キー、連続して白石を入力することを指示するための「白石」キー、白石と黒石とを交互に入力することを指示するための「交互」キーが設けられている。
【0067】
ゲーム装置22は、棋譜入力の処理の実行が指示されると、囲碁ゲーム制御用プログラムにより図11に示す処理を開始する。
【0068】
まず、着手入力モード指定キーが指定されると(ステップB1)、ゲーム装置22は、指定されたキーに応じてSRAM46に着手入力モードデータ46gをセットすることにより着手入力モードを変更する。具体的には、「黒石」キーが指示された場合には、次の着手の石色が黒石となる着手入力モード(黒石連続モード)をセットし(ステップB3)、「白石」キーが指示された場合には、次の着手の石色が白石となる着手入力モード(白石連続モード)をセットし(ステップB4)する。また、「交互」キーが指示された場合には、石色を交互に変える着手入力モード(交互モード)をセットする(ステップB5)。
【0069】
こうして、何れかの着手入力モードが選ばれた状態で盤面表示の一点が指示されると(ステップB7)、ゲーム装置22は、着手入力モードが示す次着手の石色で、指示され位置に石を表示させる。
【0070】
黒石連続モード、あるいは白石連続モードの場合には、石色を固定しているので、次に入力される石の色も今入力された石の色と同じとなるようになり、その結果、黒石あるいは白石のみが連続して入力できるようになる。
【0071】
黒白交互に入力する着手入力モードであった場合には(ステップB9)、次着手石色を反転し(ステップB10)、次の盤面表示に対する指示の際に今入力された石と異なる石、すなわち今入力された石が黒石であれば白石、今入力された石が白石なら黒石となるように次の石の色が反転されるようにしておく。
【0072】
以下、棋譜入力の終了が指示されるまで(ステップB11)、着手入力モード指定キーによって指示された着手入力モードに従う色の石を、盤面表示中において指示された位置に表示させていく。なお、図12に示す盤面表示は、黒石連続モードによる入力例を示しており、連続して黒石を入力することができる。
【0073】
従来の棋譜を入力できるシステムでは、対局中と同様に黒白交互にしか入力できなかった。しかし、例えば詰碁等の問題図を入力する場合には、必ずしも黒白の石数が同数とは限らないため、本実施形態2におけるように着手入力モードを任意に切り換えて、黒石のみまたは白石のみを入力できるようにすることで使い勝手が良くなる。本実施形態2では、着手入力モードの切り換えは、各着手ごとに指定する必要がなく、一度モード指定しておけば、以降は別モードに切り換えたい時(例えば黒石連続モードから白石連続モードヘ)にのみ指定すれば良く、同じモードで連続して入力することができるようになっている。
【0074】
このようにして、実施形態2では、棋譜や詰碁等の問題図を入力する際に、必ずしも黒石と白石を交互に入力する必要が無く、使用者の好みに合わせた入力が可能となるために使い勝手が非常に良くなる。また、感覚的に使えるようになり、「もし仮に、ここに黒があったらこうなる」等の検討が容易にできるようになり、実際の碁盤を使用している場合の使い勝手に近づけることができる。
【0075】
なお、前述した説明では、囲碁ゲームを実行するゲーム装置を対象としているため、黒石連続モード、白石連続モード、交互モードの何れかを設定するものとして説明しているが、交互ではなく、より多くの所定の順番による繰り返しの入力が行われるゲームの場合には、特定の順番による入力を連続して行なう3つ以上のモードを設定できるものとする。
【0076】
(実施形態3)
実施形態3は、例えば実施形態2のようにして盤面表示に対して棋譜を入力する場合に、既に盤面上に置かれている石(ゲームを進行させるための入力に応じたオブジェクト)を任意に移動できるようにするものである。
【0077】
図13は、実施形態3における動作を説明するためのフローチャートを示している。図14は、棋譜入力された盤面表示の一例を示している。
【0078】
囲碁のルールでは、囲碁は互いに一手づつ石を打っていき、一度打った石は動かせないことになっている、このため、従来の囲碁ゲーム装置や対局システムにおいては、盤面表示上で着手されていない空点には石を置くことができるが、盤面上に既に打った石を空点の位置に動かすことはできなかった。
【0079】
しかし、実際の碁盤を使って囲碁をする場合では、対局中には石を動かしたりすることはありえないが、対局終了後や個人で研究するような場合には、既に置かれている石を動かして検討するといった事が頻繁に行われている(何手前でこう打っていたら、という検討は常に行われるものである)。実施形態3のゲーム装置22では、盤面表示上に対して前述したような操作による石を以下のようにして可能にする。
【0080】
まず、盤面表示に対してペン22dにより位置入力があると(ステップC1)、ゲーム装置22は、指示された位置が、空点であるか、あるいは既に白石または黒石が入力済みの点であるかを、現在、盤面表示の対象としている対局棋譜データをもとにして判定する(ステップC2)。
【0081】
ここで、指示された位置が石の置かれていない空点であった場合、ゲーム装置22は、指示された位置の所定の石(白石または黒位置)を表示させる(ステップC8)。例えば、図14(a)に示すように空点がペン22dによって指示された場合には、図14(b)に示すように、指示された位置に石(図中では黒石)を表示させる。
【0082】
一方、当該位置に既に石が置かれている場合、ゲーム装置22は、その位置の石を移動の対象とする石にセットする(ステップC3)。例えば、図14(c)に示すように、ペン22dによって石が指定されると(図中では黒石)、この黒石が移動対象としてセットされる。
【0083】
移動対象とする石を決定すると、ゲーム装置22は、移動先の位置を決定する入力があるまではその石を継続して移動対象としたままとする。そして、移動先を示す入力があると(ステップC4)、ゲーム装置22は、その入力が示す位置に応じて石の表示位置を移動させる(ステップC5)。従って、移動先の位置の入力が連続的に行われる場合には、その入力に追随するようにして移動先の位置決定がされるまで石を移動させる。例えば、石の位置の移動中には、図14(d)に示すようにして石が表示される。
【0084】
具体的な石を移動させるための操作としては、例えば、石の置かれている点をペン22dによって指定(ペン先をタッチパネル44の座標検出面に接触)させて、その状態のままペン22dのペン先位置を移動させることによって移動先の位置を指定する(いわゆるドラッグ操作)。そして、移動先の点に到達した時点でペン先が座標検出面から離されることによって(ステップC6)、そのペン先が離れた時の位置を移動先の位置として決定する(ステップC7)。図14(e)には、移動先の位置に石が移動されて表示されている状態を示している。
【0085】
このようにして、実施形態3では、(1)棋譜をもとに着手が異なった場合の変化の研究等をする場合などにおいて、任意に石を移動させることによって、変化の途中の一手のみを変えた場合等の検討が容易に行える。これにより、囲碁等の先読み(数手先の着手の可能性を検討する)等を検討する場合などに適したゲーム装置を実現することができる、(2)感覚的に使えるようになり、また実際の碁盤を使用した場合の使い勝手に近づけることができるといった効果を得ることができる。
【0086】
なお、移動先の位置の指定方法は、前述に限るものではなく、移動対象とする石を指定するペン22dを移動途中で任意に離して、再度、石を指定して移動させるようにしても良いし、移動先の位置の決定のためのキーを設けて、このキーにより位置確定を指示できるようにしても良い。
【0087】
また、前述した説明では、囲碁ゲームを対象としているため移動対象とするオブジェクトを白石または黒石としているが、ゲームの種類によって、そのゲームで用いられる各種オブジェクトを移動対象とすることができる。
【0088】
(実施形態4)
実施形態4は、囲碁対局サービスサーバ10を介したゲーム装置間での通信対局時や感想戦(対局終了後に対局を再現しながら検討を行なう)時に、ユーザが着手をする前にその着手が着手なのか非着手(例えば指導碁での対局中のアドバイスのための位置の指定)なのかを指定し、着手ならば通常の着手として対局相手のゲーム装置に送信するが、非着手の場合は着手以外であるという情報を送信し、受信した側では盤面表示中に通常の着手とは異なる表示をするものである。
【0089】
図15は、実施形態4におけるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャートを示している。図16は、通信対局で着手以外の情報を送受信する場合の盤面表示の一例を示している。
【0090】
ここでは、囲碁対局サービスサーバ10、通信回線網14を介して接続された2台のゲーム装置(端末甲、端末乙とする)間で通信対局を行う場合について説明する。実施形態4による機能を実現する場合、図16(a)に示すように、着手/非着手指定キーが設けられる。着手/非着手指定キーには、対局者によるペン22dを用いた盤面表示の指定が着手であることを指示するための「着手」キー、盤面表示の指定が着手でないことを指示するための「記号」キーが設けられている。
【0091】
盤面表示に対する位置の指定は、予め着手/非着手指定キーによって着手/非着手の何れであるかを指定した状態で行われるものとする。着手/非着手指定キーによる指定内容は、SRAM46に着手/非着手指定データ46hとしてセットしておくものとする。
【0092】
まず、端末甲において盤面表示上において位置の指定が行われると(ステップD1)、端末甲とするゲーム装置は、着手/非着手指定データ46hを参照して、予め「記号」キーにより非着手指定がされているかを確認する(ステップD2)。
【0093】
ここで、非着手指定がされていなかった場合、すなわち指定された位置が着手の位置を示す場合には、端末甲のゲーム装置は、通常の着手として、通常の通信対局において送受信される情報(例えば実施形態1において説明した着手データ)を送信する(第1送信手段)(ステップD3)。
【0094】
一方、端末乙とするゲーム装置は、対局相手の端末甲のゲーム装置から着手データの受信があると(ステップD5)、これが非着手指定の受信であるかを判別する(ステップD6)。ここで、通常の通信対局において送受信される情報(着手データ)であった場合には、端末乙のゲーム装置は、この情報をもとにして盤面表示を行なう。すなわち、対局相手が指定した位置に相手の石を表示させる(第1表示手段)。
【0095】
以下、同様にして、非着手指定がされていない場合には、互いの着手位置の情報を送受信することを繰り返すことにより対局が進行する。
【0096】
一方、端末甲のゲーム装置において、予め「記号」キーにより非着手指定がされていた場合(ステップD2)、指定された盤面上の位置を示す位置情報、及び、その位置が非着手の指定であることを示す情報を端末乙のゲーム装置に送信する(第2送信手段)(ステップD4)。また、端末甲のゲーム装置の盤面表示では、指定された位置において通常の着手とは異なる形態、すなわち所定の記号を石の代わりに表示する(第2表示手段)。図16(a)に示す例では、ペン22dにより指定された位置に記号「A」が表示された状態の一例を示している。
【0097】
この場合、端末乙のゲーム装置は、端末甲から非着手指定受信があると(ステップD5,D6)、位置情報が示す位置に着手とは異なる所定の記号を石の代わりに表示する(ステップD8)。図16(b)に示す例では、端末甲において非着手指定によって指定された位置に、端末甲における盤面表示と同じ記号「A」が表示されている。これにより、端末乙のゲーム装置を使用している対局者は、記号「A」による位置表示を参考にして対局を検討することができる。
【0098】
なお、図16に示す例では、端末甲側で1箇所のみ非着手指定をしている例を示しているが、「記号」キーにより非着手指定がされている状態で、互いに盤面上での位置の指定がされる場合には、その都度、記号が更新され、例えば「B」「C」…が用いられるようにしても良い。また、記号ではなく、通常の着手により必要される石(白石、黒石)とは異なるパターン、例えば白石と黒石にそれぞれ対応する形状、色など用いられたパターンにより、非着手指定により位置表示を行なうようにしても良い。
【0099】
さらに、特に本実施形態4では必須ではないが、この通信対局を行うゲーム装置に、さらに通話機能(例えば、電話等音声によるものや、画像によるもの、またパーソナルコンピュータ等にみられる文字によるチャットのようなもの)を付加するとによって、非着手指定による位置情報の表示に加えて、対局の感想や対局中の着手についてのアドバイス等がより便利に行えるようになる。
【0100】
なお、前述した説明では、囲碁対局サービスサーバ10を介してゲーム装置間で対局や感想戦を行なうものとしているが、ゲーム装置間で直接、対局や感想戦を実行するために必要な情報の送受信を行なう対局システムとすることで、囲碁対局サービスサーバ10を介さないでも実現することができる。
【0101】
また、着手/非着手指定キーに対する指定を予めした後に、盤面表示中の位置の指定が行われるものとして説明しているが、盤面表示中の位置の指定の後に着手/非着手指定キーにより着手であるのか非着手であるのかを指定するようにしても良い。
【0102】
このようにして、実施形態4では、(1)対局中や感想戦などにおける指導碁での指導コメントとして、盤面表示上の位置を通常の着手とは異なる形態によって示してアドバイスすることができるため、指導者・生徒とも使いやすくなる、(2)感想戦や検討の際に、盤面表示の位置を示しつつ感想を交換できるので、実際の着手についての感想や検討が行いやすくなり使いやすくなるといった効果を得ることができる。
【0103】
(実施形態5)
実施形態5は、通信対局を終局した後に両対局者で感想戦などの検討を行う際や、二者間で棋譜の検討を行なう際に、一方の対局者のゲーム装置において手数を指定すると、両方のゲーム装置において指定された手数の局面まで表示を戻し、その途中局面から着手を入力できるようにして、その途中局面から実戦の進行とは異なった着手をした場合の変化を検討できるようにするものである。
【0104】
図17は、実施形態5における動作を説明するためのフローチャートを示している。図18は、通信対局終了後に端末甲と端末乙において、盤面表示される局面を指定された手数まで戻す場合の表示状態の一例を示している。
【0105】
ここでは、囲碁対局サービスサーバ10、通信回線網14を介して接続された2台のゲーム装置(端末甲、端末乙)間での通信対局が終局した後であっても、それぞれ装置における手数の入力、着手の入力があった場合には、それぞれに応じた動作をするように構成されている。また、対局終了後には、各ゲーム装置において、その対局の棋譜データ46fがSRAM46に記憶されているものとする(ゲーム内容記憶手段)。実施形態5による機能を実現する場合、図18(a1)に示すように、キー入力部に手数入力キーが設けられる(順番入力手段)。手数入力キーには、任意の手数を指定を入力するための手数表示欄と、手数表示欄に表示された手数を1手ごとに変化させるための矢印キー(「←」キー、「→」キー)、手数指定の決定を指示するための「決定」キーが設けられている。
【0106】
まず、対局が終了した後に(ステップE1)、端末甲において手数入力キーにより任意の手数が入力され、「決定」キーが指示された場合(ステップE2)、このゲーム装置は、入力された手数が終局した対局の手数よりも小さいかどうかを、SRAM46に格納している棋譜データ46fをもとに判定する(ステップE3)。すなわち、入力された手数の方が対局の手数より大きい場合には、戻すべき途中局面が存在しないからである。
【0107】
ここで、入力された手数の方が小さかった場合、端末甲のゲーム装置は、その手が打たれた局面まで戻す指示と共に、指定された手数の情報を相手側の端末乙のゲーム装置に送信する(順番送信手段)(ステップE4)。また、端末甲は、自端末の盤面表示を指定された手数までの棋譜データ46fをもとにして表示することで途中局面に戻す(第1手段)(ステップE5)。
【0108】
一方、端末乙のゲーム装置は、端末甲から局面を戻す指示と共に手数の情報を受信すると、盤面表示を指定された手数までの棋譜データ46fをもとにして表示することで途中局面に戻す(第2手段)(ステップE6)。
【0109】
図18に示す例は、当初、端末甲が図18(a1)、端末乙が図18(b1)のようにそれぞれ盤面表示を行っている状態で、端末甲において「18手目」の盤面表示への変更が指定された場合を示している。端末甲は、図18(a2)に示すように18手目の盤面表示に切り換えると同時に、手数を端末乙に送信することで、端末乙においても図18(b2)に示すように18手目の盤面表示に切り換えられている様子を表している。このようにする事によって、対局が終了した後で対局の途中の局面に戻っての感想戦や検討を行なう場合、一方のゲーム装置において手数を指定するだけで、両方のゲーム装置における盤面表示が同時に同じ盤面表示に切り換えられるので、簡単な操作で感想戦や検討に移行することができるようになる。
【0110】
このようして、実施形態5では、(1)通信対局で対局終了後に両端末の局面を一緒に戻し、打ち直し等をすることができるので、通信対局で打ち終わった対局の検討や感想戦を行う時に(チャット等の会話手段の他に)盤面上で検討できる、(2)既に終了した対局の棋譜を書き換えないので、対局は対局として保存し、一方で対局の時とは異なるゲーム進行についての検討を行うことができるといった効果がある。
【0111】
なお、前述した機能は、対局を行った2台のゲーム装置のそれぞれにおいて、終局後の棋譜データ46f(あるいは囲碁対局サービスサーバ10のデータベース装置36からダウンロードした棋譜データ)がSRAM46に格納されていれば、ゲーム装置のみにより実現することができる。また、囲碁対局サービスサーバ10が2台のゲーム装置間を仲介する場合には、囲碁対局サービスサーバ10が各ゲーム装置からの手数を指定する情報を相互に相手のゲーム装置に転送することになる。
【0112】
(実施形態6)
実施形態6は、通信対局の終局した後、両対局者が感想戦などの検討を行う際や、二者間で棋譜の検討を行なう際に、一方の対局者のゲーム装置において盤面表示上のある石(着手位置)を指定すると、両方のゲーム装置において指定された石が着手された直前若しくは直後の局面まで表示を戻し、その途中局面から着手を入力できるようにして、その途中局面から実戦の進行とは異なった着手をした場合の変化を検討できるようにするものである。
【0113】
図19は、実施形態6における動作を説明するためのフローチャートを示している。図20は、通信対局終了後に端末甲と端末乙において盤面表示される局面を盤面表示上で指定された着手位置まで戻す場合の表示状態の一例を示している。
【0114】
ここでは、囲碁対局サービスサーバ10、通信回線網14を介して接続された2台のゲーム装置(端末甲、端末乙)間での通信対局が終局した後であっても、それぞれ装置における盤面表示上での着手位置の指定、着手の入力があった場合には、それぞれに応じた動作をするように構成されている。また、対局終了後には、各ゲーム装置において、その対局の棋譜データ46fがSRAM46に記憶されているものとする。
【0115】
まず、対局が終了した後に(ステップF1)、端末甲において盤面表示上で任意の一点に対して位置入力があった場合(ステップF2)、このゲーム装置は、入力された位置に石があるかどうかを、SRAM46に格納している棋譜データ46fをもとに判定する(ステップF3)。すなわち、入力された位置に石が無い場合、戻すべき局面が不明となってしまうからである、ここで、位置入力された一点に石があった場合、端末甲のゲーム装置は、その石が着手された局面まで戻す指示と共に、指定された位置(もしくはその石の着手の手数でも良い)の情報を相手側の端末乙のゲーム装置に送信する(ステップF4)。また、端末甲は、自端末の盤面表示を指定された位置の石が着手された手数までの棋譜データ46fをもとにして表示することで途中局面に戻す(ステップF5)。
【0116】
一方、端末乙のゲーム装置は、端末甲から局面を戻す指示と共に盤面表示上の位置(もしくはその位置の着手の手数)の情報を受信すると、盤面表示を指定された位置の石が着手された手数までの棋譜データ46fをもとにして表示することで途中局面に戻す(ステップF6)。
【0117】
図20に示す例では、当初、端末甲が図20(a1)、端末乙が図20(b1)のようにそれぞれ盤面表示を行っている状態で、端末甲において盤面表示に対して例えば白石が着手されている位置が指定された場合を示している。端末甲は、図20(a2)に示すように指定された位置の石が着手された局面の盤面表示に切り換えると同時に、入力された石の位置(若しくは手数)を端末乙に送信することで、端末乙においても図20(b2)に示すように、指定された位置の石が着手された局面の盤面表示に切り換えられている様子を表している。このようにする事によって、対局が終了した後で対局の途中の局面に戻っての感想戦や検討を行なう場合、一方のゲーム装置において手数を指定するだけで、両方のゲーム装置における盤面表示が同時に同じ盤面表示に切り換えられるので、簡単な操作で感想戦や検討に移行することができるようになる。また、盤面表示に対する位置の指定により局面を戻すことができるので、着手された石に注目して検討を行なうことができる。
【0118】
このようにして、実施形態6では、(1)通信対局で、対局終了後に両端末の盤面表示される局面を同時に戻し、打ち直し等をすることができるので、通信対局で打ち終わった対局の検討や感想戦を行う時に(チャット等の会話手段の他に)盤面上で検討できる、(2)既に終了した対局の棋譜を書き換えないので、対局は対局として保存し、一方で対局の時とは異なるゲーム進行についての検討を行うことができる、(3)盤上の着手を指定して局面を戻すことができるので、手数が良く解らない場合でも簡単に局面を戻すことができるといった効果を得ることができる。
【0119】
(実施形態7)
実施形態7は、一方の対局者が対局途中から打ち直しを希望することを対局相手に送って同意を求め、それに対して合意が得られた場合には、一方の対局者のゲーム装置において手数を指定すると、両方のゲーム装置において指定された手数の局面まで表示を戻し、その途中局面から着手を入力できるようにするものである。ここでは、通信対局中に打ち直しを対局相手に希望する場合を例にして説明する。なお、実施形態5のように通信対局終了後の感想戦などを行なうような場合に適用することもできる。
【0120】
図21は、実施形態7における動作を説明するためのフローチャートを示している。図22は、通信対局中に端末甲と端末乙において、両者間で合意確認をした上で盤面表示される局面を指定された手数まで戻す場合の表示状態の一例を示している。
【0121】
実施形態7では、実施形態5において説明した手数入力キーの他に、図22(a1)に示すように、さらに両対局者の合意を確認するための「合意確認」キーが設けられる。
【0122】
まず、端末甲において、通信対局中に(ステップG1)、「合意確認」キーが指示された場合(ステップG2)、このゲーム装置は、局面を戻して打ち直しをすることの合意確認の問い合わせを、対局相手の端末乙のゲーム装置に送信する(問い合わせ手段)(ステップG3)。
【0123】
端末乙のゲーム装置では、例えば合意確認の問い合わせがあったことを、メッセージを出力するなどして対局者に通知する(ステップG9)。これに対して、対局者が「合意確認」キーに対する指示により、局面を戻すことに同意した場合には、端末乙のゲーム装置は、端末甲に対して同意することを応答する(ステップG11)。一方、端末乙の対局者が局面を戻すことに同意しない場合には、端末甲に対して同意しないことを応答する(ステップG10)。なお、端末乙のゲーム装置では、「合意確認」キーに対する通常とは異なる所定の操作が行われたり、一定の時間内に「合意確認」キーに対する操作を行わないことにより、対局者が同意しないことを確定する。
【0124】
端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意しない応答があった場合には(ステップG4)、局面が戻せないものとして元の通信対局中の状態に戻る。一方、端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意する応答があった場合には(ステップG4)、対局者から打ち直しを始める局面を示す手数を入力して、この手数に応じた局面に盤面表示を変更すると共に、端末乙に対して入力された手数の情報を送信して局面を戻すことを指示することにより、端末乙においても盤面表示される局面を指定された手数まで戻す(ステップG5〜G12)。なお、図21のフローチャートに示すステップG5〜G12は、実施形態5における図17のフローチャートに示すステップE2〜E6と同様の処理が実行されるものとして詳細な説明を省略する。
【0125】
図22に示す例は、通信対局中に図22(a1)に示す端末甲において「合意確認」キーが指示された場合に合意確認を端末乙に問い合わせ、これに対して図22(b1)に示す端末乙において「合意確認」キーが指示されることにより同意することが応答された様子を表している。この場合、実施形態5と同様にして、端末甲において例えば「18手目」の盤面表示への変更が指定されると、図22(a2)に示すように18手目の盤面表示に切り換えると同時に、手数を端末乙に送信することで、端末乙においても図22(b2)に示すように18手目の盤面表示に切り換えられる。このように構成することによって、通信対局中であっても、例えば指導碁において指導アドバイスを送ったり、気楽な対局において途中で一時中断しての変化の検討等を行える上、必ず両者の合意を確認するようにしているため、気楽な対局では合意、真剣勝負の時は途中中断など一切なしといった具合に使い分けることが可能となる。
【0126】
なお、図21のフローチャートに示す手順では、予め通信対局中の両者間で合意確認するものとしているが、入力された手数の情報を送信する際に、同時に局面を戻すことの同意確認を問い合わせるようにしても良い。この場合、対局相手から同意が得られた場合には、各ゲーム装置における盤面表示における局面を戻し、同意が得られなかった場合には、送信した手数の情報は無視されるものとして局面を戻さないものとする。
【0127】
このようにして、実施形態7では、通信対局で対局終了前においても、合意があれば両端末の局面を一緒に戻して打ち直し等をすることができるので、対局の途中でも局面を戻してコメントを付けたり、指導や手直しをすることができる。
【0128】
(実施形態8)
実施形態8は、一方の対局者が対局途中から打ち直しを希望することを対局相手に送って同意を求め、それに対して合意が得られた場合には、一方の対局者のゲーム装置において盤面表示上のある石(着手位置)を指定すると、両方のゲーム装置において指定された石が着手された直前若しくは直後の局面まで表示を戻し、その途中局面から着手を入力できるようにして、その途中局面から実戦の進行とは異なった着手をした場合の変化を検討できるようにするものである。なお、実施形態6のように通信対局終了後の感想戦などを行なうような場合や二者間で棋譜の検討を行なう場合に適用することもできる。
【0129】
図23は、実施形態8における動作を説明するためのフローチャートを示している。図24は、通信対局中に端末甲と端末乙において、両者間で合意確認をした上で盤面表示される局面を指定された着手まで戻す場合の表示状態の一例を示している。実施形態8では、図24(a1)に示すように、両対局者の合意を確認するための「合意確認」キーが設けられる。
【0130】
まず、端末甲において、通信対局中に(ステップH1)、「合意確認」キーが指示された場合(ステップH2)、このゲーム装置は、局面を戻して打ち直しをすることの合意確認の問い合わせを、対局相手の端末乙のゲーム装置に送信する(ステップH3)。
【0131】
端末乙のゲーム装置では、例えば合意確認の問い合わせがあったことを、メッセージを出力するなどして対局者に通知する(ステップH9)。これに対して、対局者が「合意確認」キーに対する指示により、局面を戻すことに同意した場合には、端末乙のゲーム装置は、端末甲に対して同意することを応答する(ステップH11)。一方、端末乙の対局者が局面を戻すことに同意しない場合には、端末甲に対して同意しないことを応答する(ステップH10)。なお、端末乙のゲーム装置では、「合意確認」キーに対する通常とは異なる所定の操作が行われたり、一定の時間内に「合意確認」キーに対する操作を行わないことにより、対局者が同意しないことを確定する。
【0132】
端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意しない応答があった場合には(ステップH4)、局面が戻せないものとして元の通信対局中の状態に戻る。一方、端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意する応答があった場合には(ステップH4)、対局者から打ち直しを始める局面を示す盤面表示上で任意の一点を示す位置入力をして、この位置入力された一点にある石が着手された局面に盤面表示を変更すると共に、端末乙に対して入力された石の位置(もしくはその石の着手の手数)の情報を送信して局面を戻すことを指示することにより、端末乙においても盤面表示される局面を指定された位置(または着手の手数)まで戻す(ステップH5〜H12)。なお、図21のフローチャートに示すステップH5〜H12は、実施形態6における図19のフローチャートに示すステップF2〜F6と同様の処理が実行されるものとして詳細な説明を省略する。
【0133】
図24に示す例は、通信対局中に図24(a1)に示す端末甲において「合意確認」キーが指示された場合に合意確認を端末乙に問い合わせ、これに対して図24(b1)に示す端末乙において「合意確認」キーが指示されることにより同意することが応答された様子を表している。この場合、実施形態6と同様にして、端末甲において盤面表示に対して例えば白石が着手されている位置が指定された場合、端末甲は、図24(a2)に示すように指定された位置の石が着手された局面の盤面表示に切り換えると同時に、入力された石の位置(若しくは手数)を端末乙に送信することで、端末乙においても図24(b2)に示すように、指定された位置の石が着手された局面の盤面表示に切り換えられる。このように構成することによって、通信対局中であっても、指導碁において指導アドバイスを送ったり、気楽な対局において途中で一時中断しての変化の検討等を行える上、必ず両者の合意を確認するようにしているため、気楽な対局では合意、真剣勝負の時は途中中断など一切なしといった具合に使い分けることが可能となる。
【0134】
このようにして、実施形態8では、(1)通信対局で対局終了前においても、合意があれば両端末の局面を一緒に戻して打ち直し等をすることができるので、対局の途中でも局面を戻してコメントを付けたり、指導や手直しをすることができる、(2)盤上の着手を指定して局面を戻すことができるので、手数が良く解らない場合でも簡単に局面を戻すことができるといった効果を得ることができるといった効果を得ることができる。
【0135】
(実施形態9)
実施形態9は、一方の対局者が打ち直しを希望する場合に、実施形態7,8のように対局相手にその希望する旨を伝えて同意を求める代わりに、対局相手が局面を戻して打ち直しをすることに同意することを示す情報(合意情報)を予め登録しているかを参照することにより判別し、両端末とも合意情報を登録していた場合にのみ、一方の対局者のゲーム装置において手数を指定すると、両方のゲーム装置において指定された手数の局面まで表示を戻し、その途中局面から着手を入力できるようにするものである。ここでは、通信対局中に打ち直しを対局相手に希望する場合を例にして説明する。なお、実施形態5のように通信対局終了後の感想戦などを行なうような場合に適用することもできる。
【0136】
図25は、実施形態9における動作を説明するためのフローチャートを示している。図26は、通信対局中に端末甲と端末乙において、両者が合意情報を登録していることを確認をした上で盤面表示される局面を指定された手数まで戻す場合の表示状態の一例を示している。
【0137】
実施形態9では、実施形態7において説明した「合意確認」キーの代わりに、図26(a1)に示すように、さらに局面を戻して打ち直しをすることに同意することを登録するための「合意登録」キーが設けられる。例えば、対局者が「自分は局面を戻すことには合意しない」場合には、任意のタイミングで「合意登録」キーを指示することにより、SRAM46に合意情報46jが登録されるものとする(登録手段)。また、単に、実施形態7における合意の確認を対局開始前に行って、合意ができた場合に合意情報46jを対局の間、SRAM46に保持しているようなものでも良い。
【0138】
まず、端末甲において通信対局中に(ステップJ1)、局面を戻して打ち直しをしようとする場合、このゲーム装置は、SRAM46に合意情報46jが登録されているかを参照し(ステップJ2)、合意情報46jが登録されていれば(ステップJ3)対局相手の端末乙のゲーム装置に対して、局面を戻して打ち直しをすることに合意する登録がされているか確認する問い合わせを送信する(ステップJ4)。
【0139】
端末乙のゲーム装置は、端末甲からの問い合わせがあると、時装置のSRAM46に合意情報46jが登録されているかを参照する(ステップJ10)。ここで、合意情報46jが登録されており、対局者が予め局面を戻すことに同意している場合には、端末乙のゲーム装置は、端末甲に対して同意することを応答する(ステップJ13)。一方、合意情報46jが登録されておらず、対局者が局面を戻すことに同意していない場合には、端末甲に対して同意しないことを応答する(ステップJ12)。
【0140】
端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意しない応答があった場合には(ステップJ5)、局面が戻せないものとして元の通信対局中の状態に戻る。一方、端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意する応答があった場合には(ステップJ5)、対局者から打ち直しを始める局面を示す手数を入力して、この手数に応じた局面に盤面表示を変更すると共に、端末乙に対して入力された手数の情報を送信して局面を戻すことを指示することにより、端末乙においても盤面表示される局面を指定された手数まで戻す(ステップJ6〜J9,J14)。なお、図25のフローチャートに示すステップJ6〜J9,J14は、実施形態5における図17のフローチャートに示すステップE2〜E6と同様の処理が実行されるものとして詳細な説明を省略する。
【0141】
図26に示す例は、通信対局中に図26(a1)に示す端末甲において「合意登録」キーが指示されて合意情報を登録し、一方、図26(b1)における端末乙においても同様にして「合意登録」キーが指示されて合意情報を登録した様子を表している。この場合、実施形態5と同様にして、端末甲において例えば「18手目」の盤面表示への変更が指定されると、図26(a2)に示すように18手目の盤面表示に切り換えると同時に、手数を端末乙に送信することで、端末乙においても図26(b2)に示すように18手目の盤面表示に切り換えられる。このように構成することによって、通信対局中であっても、例えば指導碁において指導アドバイスを送ったり、気楽な対局において途中で一時中断しての変化の検討等を、その都度、対局者間で所定のキー操作などを行なうことで確認することなく、両者の合意を確認した上で行なうことができる。このため、気楽な対局では合意、真剣勝負の時は途中中断など一切なしといった具合に使い分けることが可能となる。
【0142】
なお、ゲーム装置のSRAM46に記憶されている合意情報は、対局開始前に両対局者が「この対局は練習試合だから検討して良い」等の合意に基づいて登録されても良いし、あるいは、囲碁対局サービスサーバ10が「この試合は大会の試合なので検討は認めない」ということで強制的に対局を行なう各ゲーム装置に登録するようにしても良い。
【0143】
また、前述した説明では、合意情報46jを各ゲーム装置のSRAM46に登録されているものとしているが、囲碁対局サービスサーバ10に登録するようにしても良い。例えば、囲碁対局サービスサーバ10は、ゲーム装置から会員情報の登録要求を受け付けた場合(「合意登録」キーの操作により要求が送信されるものとする)、このゲーム装置の使用者である会員の氏名と対応づけて、データベース装置36に登録された会員リスト36aに登録しておく。
【0144】
ゲーム装置は、対局相手が予め合意情報を登録しているか否かを囲碁対局サービスサーバ10に問い合わせることによって確認する。これにより、対局相手のゲーム装置まで問い合わせを送信する必要がなくなる。
【0145】
なお、図25のフローチャートに示す手順では、予め通信対局中の両者が合意情報を登録しているかを確認するとしているが、入力された手数の情報を送信する際に、同時に局面を戻すことの同意確認を問い合わせるようにしても良い。この場合、対局相手から同意が得られた場合には、各ゲーム装置における盤面表示における局面を戻し、同意が得られなかった場合には、送信した手数の情報は無視されるものとして局面を戻さないものとする。
【0146】
このようにして、実施形態9では、(1)通信対局で対局終了前においても、予め合意がなされていれば両端末の局面を一緒に戻して打ち直し等をすることができるので、対局の途中でも局面を戻してコメントを付けたり、指導や手直しをすることができる、(2)また、最初から対局目的ではなく、研究を主目的として通信で局面を進めたり戻したりしながら変化を検討することができる、(3)さらに、大会試合などの場合には、サーバ等で予め「検討禁止」を指定しておくようにすることにより、練習試合との区別を付けることができるといった効果を得ることができる。
【0147】
(実施形態10)
実施形態10は、一方の対局者が打ち直しを希望する場合に、実施形態7,8のように対局相手にその希望する旨を伝えて同意を求める代わりに、対局相手が局面を戻して打ち直しをすることに同意することを示す情報(合意情報)を予め登録しているかを参照することにより判別し、両端末とも合意情報を登録していた場合にのみ、一方の対局者のゲーム装置において盤面表示上のある石(着手位置)を指定すると、両方のゲーム装置において指定された石が着手された直前若しくは直後の局面まで表示を戻し、その途中局面から着手を入力できるようにして、その途中局面から実戦の進行とは異なった着手をした場合の変化を検討できるようにするものである。なお、実施形態6のように通信対局終了後の感想戦などを行なうような場合や二者間で棋譜の検討を行なう場合に適用することもできる。
【0148】
図27は、実施形態10における動作を説明するためのフローチャートを示している。図28は、通信対局中に端末甲と端末乙において、両者が合意情報を登録していることを確認をした上で盤面表示される局面を指定された位置の石が着手された局面まで戻す場合の表示状態の一例を示している。
【0149】
実施形態10では、実施形態9と同様に図28(a1)に示すように、局面を戻して打ち直しをすることに同意することを登録するための「合意登録」キーが設けられる。例えば、対局者が「自分は局面を戻すことには合意しない」場合には、任意のタイミングで「合意確認」キーを指示することにより、SRAM46に合意情報46jが登録されるものとする。なお、合意情報46jの登録については、実施形態9と同様にして行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0150】
まず、端末甲において通信対局中に(ステップK1)、局面を戻して打ち直しをしようとする場合、このゲーム装置は、SRAM46に合意情報46jが登録されているかを参照し(ステップK2)、合意情報46jが登録されていれば(ステップK3)、対局相手の端末乙のゲーム装置に対して、局面を戻して打ち直しをすることに合意する登録がされているか確認する問い合わせを送信する(ステップK4)。
【0151】
端末乙のゲーム装置は、端末甲からの問い合わせがあると、時装置のSRAM46に合意情報46jが登録されているかを参照する(ステップK10)。ここで、合意情報46jが登録されており、対局者が予め局面を戻すことに同意している場合には、端末乙のゲーム装置は、端末甲に対して同意することを応答する(ステップK13)。一方、合意情報46jが登録されておらず、対局者が局面を戻すことに同意していない場合には、端末甲に対して同意しないことを応答する(ステップK12)。
【0152】
端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意しない応答があった場合には(ステップK5)、局面が戻せないものとして元の通信対局中の状態に戻る。一方、端末甲のゲーム装置は、端末乙より同意する応答があった場合には(ステップK13)、対局者から打ち直しを始める局面を示す盤面表示上で任意の一点を示す位置入力をして、この位置入力された一点にある石が着手された局面に盤面表示を変更すると共に、端末乙に対して入力された石の位置(もしくはその石の着手の手数)の情報を送信して局面を戻すことを指示することにより、端末乙においても盤面表示される局面を指定された位置(または着手の手数)まで戻す(ステップK6〜K9,K14)。なお、図27のフローチャートに示すステップK6〜K9,K14は、実施形態6における図19のフローチャートに示すステップF2〜F6と同様の処理が実行されるものとして詳細な説明を省略する。
【0153】
図26に示す例は、通信対局中に図26(a1)に示す端末甲において「合意登録」キーが指示されて合意情報を登録し、一方、図26(b1)における端末乙においても同様にして「合意確認」キーが指示されて合意情報を登録した様子を表している。この場合、実施形態6と同様にして、端末甲において盤面表示に対して例えば白石が着手されている位置が指定された場合、端末甲は、図28(a2)に示すように指定された位置の石が着手された局面の盤面表示に切り換えると同時に、入力された石の位置(若しくは手数)を端末乙に送信することで、端末乙においても図28(b2)に示すように、指定された位置の石が着手された局面の盤面表示に切り換えられる。このように構成することによって、通信対局中であっても、指導碁において指導アドバイスを送ったり、気楽な対局において途中で一時中断しての変化の検討等を行える上、必ず両者の合意を確認するようにしているため、気楽な対局では合意、真剣勝負の時は途中中断など一切なしといった具合に使い分けることが可能となる。なお、合意情報の登録については、実施形態9と同様の応用例を用いることができる。
【0154】
このようにして、実施形態10では、(1)通信対局で対局終了前においても、合意があれば両端末の局面を一緒に戻して打ち直し等をすることができるので対局の途中でも局面を戻してコメントを付けたり、指導や手直しをすることができる、(2)また、最初から対局目的ではなく、研究を主目的として通信で局面を進めたり戻したりしながら変化を検討することができる、(3)さらに、大会試合などの場合には、サーバ等で予め「検討禁止」を指定しておくようにすることにより、練習試合との区別を付けることができる、(4)盤上の着手を指定して局面を戻すことができるので、手数が良く解らない場合でも簡単に局面を戻すことができるといった効果を得ることができる。
【0155】
(実施形態11)
実施形態11は、通信対局を終局した後、両対局者が感想戦などの検討を行う際に、一方の端末が続けて黒白交互の着手データを送信できるようにし、その着手データによって双方のゲーム装置における盤面表示が連動して変化するようにするものである。
【0156】
図29は、実施形態11における動作を説明するためのフローチャートを示している。従来の通信対局を行うゲーム装置では、一手毎に着手入力の許可/不許可、及び着手受信の許可/不許可を切り替えて交互に着手をし、これによって対局を進行させるように構成されていた。
【0157】
実施形態11の発明では、終局判定をして、対局が終局した後では、両ゲーム装置とも着手入力かつ着手受信が可能な状態にし、一方のゲーム装置が続けて白黒両方の着手を入力して送受信できるようにした。
【0158】
以下、通信対局を行なう端末甲(終局後に着手を行なう側)と端末乙のゲーム装置の動作について図29のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図29では端末甲が着手データを送信する側、端末乙が対局相手からの着手データを受信する側としているが、対局中であれば、現在手番が回ってきている方が端末甲で、相手の手番で待っている方が端末乙というように、1手着手するごとに端末甲と端末乙は入れ替わっている。また、終局後であれば、端末甲と端末乙は、常にともに着手入力も着手受信も許可状態のままであり、その点について等価である(なお、後述する実施形態12,13も同じである)。
【0159】
まず、端末甲のゲーム装置は、着手を入力すると(ステップL1,L2)、着手入力許可されている状態であるかを判別する(ステップL3)。着手入力許可されているか否かは、SRAM46に格納される着手入力/受信許可情報46mを参照することにより行なう。
【0160】
着手入力許可することが設定されていた場合(ステップL3)、端末甲のゲーム装置は、着手入力のあった盤面表示上の位置に着手(石)を表示すると共に、対局相手方のゲーム装置にも対して着手データを送信する(ステップL4)。また、端末甲のゲーム装置は、着手入力に応じて手番を変更する(今の着手が黒番であれば白番、今の着手が白番であれば黒番に変更する)と共に(ステップL5)、それまでの棋譜データをもとに対局が既に終了しているのか(終局)、あるいは現在対局が進行しているのかを判別する(ステップL6)。なお、終局判定については、ゲーム装置において実行するのではなく、囲碁対局サービスサーバ10において各着手入力に対して実行される終局判定処理の結果を受信するようにしても良い。
【0161】
もし、現在対局が進行しているならば、今着手入力した端末甲のゲーム装置は、着手入力を不許可とし(ステップL7)、着手受信許可状態のもとで相手からの着手待ち状態に入る(ステップL9)。
【0162】
一方、端末乙のゲーム装置は、着手受信許可されている状態であるかを、SRAM46に格納される着手入力/受信許可情報46mを参照することにより行ない(ステップL10)、受信許可がされていれば端末甲からの着手データを受信して、着手データに応じた盤面表示上の位置に着手(石)を表示する(ステップL11)。また、端末乙のゲーム装置は、着手入力に応じて手番を変更する(ステップL12)。
【0163】
端末乙のゲーム装置は、着手入力/受信許可情報46mを着手入力許可に設定し(ステップL13)、受信した着手入力とそれまでの棋譜データをもとに対局が既に終了しているのか(終局)、あるいは現在対局が進行しているのかを判別する(ステップL14)。なお、終局判定については、前述のように、囲碁対局サービスサーバ10において実行されても良い。
【0164】
ここで、現在対局が進行しているならば、今着手を受信した端末乙のゲーム装置は、着手入力を不許可とし(ステップL15)、着手の入力待ちの状態に入る(ステップL9)。
【0165】
ところで、端末甲のゲーム装置において、終局判定によって終局したと判定した場合、着手入力/受信許可情報46mを着手入力許可のままの状態にして(ステップL8)、着手受信許可状態となる(ステップL9)。また、端末乙のゲーム装置において、終局判定によって終局したと判定した場合(ステップL14)、着手入力/受信許可情報46mを着手受信許可のままの状態にする(ステップL16)。
【0166】
すなわち、対局が終了した後では、常にどちらのゲーム装置も着手入力許可、着手受信許可の状態を保持することになるため、例えば何れか一方のゲーム装置が続けて何手(黒番と白番の両方の着手)も着手できるようになる。
【0167】
このようにすることにより、通信対局システムにおいて、対局が終了した後で、この手ではこう打では良かった等の感想戦や指導を行うことが可能となり、より良いサービスを提供できる。
【0168】
このようにして、実施形態11では、通信対局で、対局終了後に一方のゲーム装置から黒白両方の着手を送信できるので、一方の対局者のヨミ筋を披露したり、指導者側端末で正しい変化を指導したりすることができる。
【0169】
(実施形態12)
実施形態12は、通信対局中に、一方の対局者が、自分のヨミ筋の披露等をするために続けて着手(連続着手)することを希望すると、他方の対局者にその希望があった旨を知らせて同意を求め、両者の合意がとられた場合には、一方のゲーム装置が、続けて黒白交互の着手データを送信できるようにし、その着手データによって、双方のゲーム装置における盤面表示が連動して変化するようにするものである。
【0170】
図30は、実施形態12における動作を説明するためのフローチャートを示している。図31は、実施形態12を実現するためのゲーム装置における盤面表示の一例を示している。
【0171】
実施形態12では、図31に示すように、両対局者の合意を確認するための「合意確認」キーが設けられる。
【0172】
まず、端末甲において、「合意確認」キーが指示された場合(ステップM1)、このゲーム装置は、連続着手することの合意確認の問い合わせを、対局相手の端末乙のゲーム装置に送信する(ステップM2)。
【0173】
端末乙のゲーム装置では、例えば合意確認の問い合わせがあったことを、メッセージを出力するなどして対局者に通知する(ステップM12)。これに対して、対局者が「合意確認」キーに対する指示により、連続着手に同意した場合には、端末乙のゲーム装置は、端末甲に対して同意することを応答する(ステップM14)。一方、端末乙の対局者が連続着手に同意しない場合には、端末甲に対して同意しないことを応答する(ステップM13)。なお、端末乙のゲーム装置では、「合意確認」キーに対する通常とは異なる所定の操作が行われたり、一定の時間内に「合意確認」キーに対する操作を行わないことにより、対局者が同意しないことを確定する。
【0174】
端末甲のゲーム装置は、着手を入力すると(ステップM3,M4)、着手入力許可されている状態であるかを判別する(ステップM5)。着手入力許可されているか否かは、SRAM46に格納される着手入力/受信許可情報46mを参照することにより行なう。
【0175】
着手入力許可することが設定されていた場合(ステップM5)、端末甲のゲーム装置は、 着手入力のあった盤面表示上の位置に着手(石)を表示すると共に、対局相手方のゲーム装置にも対して着手データを送信する(ステップM6)。また、端末甲のゲーム装置は、着手入力に応じて手番を変更する(今の着手が黒番であれば白番、今の着手が白番であれば黒番に変更する)と共に(ステップM7)、着手受信許可状態に設定する(ステップM8)。
【0176】
ここで、端末甲のゲーム装置は、端末乙より連続着手の同意が得られているかを判別し(ステップM9)、両者合意されている場合には、着手入力許可のままの状態を保持する(ステップM10)。一方、端末乙より連続着手の同意が得られていなかった場合には(ステップM9)、端末甲のゲーム装置は、着手入力不許可を設定する(ステップM11)。
【0177】
一方、端末乙のゲーム装置は、着手受信許可されている状態であるかを、SRAM46に格納される着手入力/受信許可情報46mを参照することにより行ない(ステップM15)、受信許可がされていれば端末甲からの着手データを受信して、着手データに応じた盤面表示上の位置に着手(石)を表示する(ステップM16)。また、端末乙のゲーム装置は、着手入力に応じて手番を変更すると共に(ステップM17)、着手入力許可状態に設定する(ステップM18)。
【0178】
ここで、端末乙のゲーム装置は、端末甲に対して連続着手の同意を送信しているかを判別し(ステップM19)、両者合意されている場合には、着手受信許可のままの状態を保持する(ステップM20)。一方、端末甲に対して同意しないことを送信していた場合には(ステップM19)、端末乙のゲーム装置は、着手受信不許可を設定する(ステップM21)。
【0179】
すなわち、通信対局中に両者の間で連続着手の合意が得られた場合には、常にどちらのゲーム装置も着手入力許可、着手受信許可の状態を保持することになるため、例えば何れか一方のゲーム装置が続けて何手(黒番と白番の両方の着手)も着手できるようになる。
【0180】
このように構成することによって、通信対局中であっても、指導碁において指導アドバイスを送ったり、気楽な対局において途中で一時中断しての変化の検討等を行える上、必ず両者の合意を確認するようにしているため、気楽な対局では合意、真剣勝負の時は途中中断など一切なしといった具合に使い分けることができる。これにより、最初から勝負を度外視した指導対局のサービスであるとか、あるいは、通信対局システムを用いてプロの碁を検討する等のサービスを提供することが可能となる。
【0181】
なお、図30のフローチャートに示す手順では、予め通信対局中の両者間で合意確認するものとしているが、着手データを送信する際に、同時に局面を戻すことの同意確認を問い合わせるようにしても良い。また、合意情報の登録については、実施形態9と同様の応用例を用いることができる。
【0182】
このようにして、実施形態12では、(1)通信対局の対局中であっても、両者の合意があれば一方の端末から黒白両方の着手を送信できるので、通信を介した遠隔地の対局者同士で研究などができる、(2)一方の端末を大画面モニターにすることにより、大盤解説会のような形のサービスを提供でき、また、通信で行えることから、遠隔地に現在進行中のタイトル戦の着手や、その大盤解説会の模様などが実況中継などができるといった効果を得ることができる。
【0183】
(実施形態13)
実施形態13は、通信対局中に、一方の対局者が、自分のヨミ筋の披露等をするために、続けて着手(連続着手)することを希望した場合に、実施形態12のように対局相手にその希望する旨を伝えて同意を求める代わりに、連続着手に同意することを示す情報が予め対局相手によって登録されているかを参照し、両ゲーム装置において連続着手に同意する情報を登録していた場合にのみ、一方のゲーム装置が続けて黒白交互の着手データを送信ができるようにし、その着手データによって双方のゲーム装置における盤面表示が連動して変化するようにするものである。
【0184】
図32は、実施形態13における動作を説明するためのフローチャートを示している。実施形態13においては、図31に示すような、両対局者の合意を確認するための「合意確認」キーに代えて、「合意登録」キーが設けられるものとする。実施形態13では、任意のタイミングで「合意登録」キーを指示することにより、SRAM46に終局後着手合意情報46kが登録されるものとする。
【0185】
終局後着手合意情報46kは、例えば各対局者が予め「自分は局面を戻すことには合意しない」といった情報を記憶させておくようなものでもよいし、あるいは、サーバ側で、対局開始時に、「本対局は、大会の試合であるので、局面を戻して検討等することは認めない」という情報を記憶させておいてもよい。また、単に、実施形態12と同様にして両対局者の合意の確認を対局開始前に行い、その情報を当該対局の間保持しているようなものでも良い。
【0186】
まず、端末甲のゲーム装置は、着手を入力すると(ステップN1,N2)、着手入力許可されている状態であるかを判別する(ステップN3)。着手入力許可されているか否かは、SRAM46に格納される着手入力/受信許可情報46mを参照することにより行なう。
【0187】
着手入力許可することが設定されていた場合(ステップN3)、端末甲のゲーム装置は、着手入力のあった盤面表示上の位置に着手(石)を表示すると共に、対局相手方のゲーム装置にも対して着手データを送信する(ステップN4)。また、端末甲のゲーム装置は、着手入力に応じて手番を変更する(今の着手が黒番であれば白番、今の着手が白番であれば黒番に変更する)と共に(ステップN5)、着手受信許可状態のもとで相手からの着手待ち状態に入る(ステップN6)。
【0188】
ここで、端末甲のゲーム装置は、着手入力とそれまでの棋譜データをもとに対局が既に終了しているのか(終局)、あるいは現在対局が進行しているのかを判別する(ステップN6)。なお、終局判定については、ゲーム装置において実行するのではなく、囲碁対局サービスサーバ10において各着手入力に対して実行される終局判定処理の結果を受信するようにしても良い。
【0189】
もし、現在対局が進行しているならば、今着手入力した端末甲のゲーム装置は、SRAM46に終局後着手合意情報46kが登録されているかを参照し(ステップN8)、終局後着手合意情報46kが登録されている、すなわち両者の合意が取られていれば(ステップN9)、着手入力許可のままの状態を保持し(ステップN11)、合意が取られていなければ着手入力を不許可とする(ステップN10)。また、対局が終局しているならば、端末甲のゲーム装置は、着手入力許可のままの状態を保持する(ステップN11)。
【0190】
一方、端末乙のゲーム装置は、着手受信許可されている状態であるかを、SRAM46に格納される着手入力/受信許可情報46mを参照することにより行ない(ステップN12)、受信許可がされていれば端末甲からの着手データを受信して、着手データに応じた盤面表示上の位置に着手(石)を表示する(ステップN13)。また、端末乙のゲーム装置は、着手入力に応じて手番を変更すると共に(ステップN14)、着手入力/受信許可情報46mを着手入力許可に設定する(ステップL15)。
【0191】
端末乙のゲーム装置は、受信した着手入力とそれまでの棋譜データをもとに対局が既に終了しているのか(終局)、あるいは現在対局が進行しているのかを判別する(ステップN16)。なお、終局判定については、前述のように、囲碁対局サービスサーバ10において実行されても良い。
【0192】
ここで、現在対局が進行しているならば、今着手を受信した端末乙のゲーム装置は、SRAM46に終局後着手合意情報46kが登録されているかを参照し(ステップN17)、終局後着手合意情報46kが登録されている、すなわち両者の合意が取られていれば(ステップN18)、着手受信許可のままの状態を保持し(ステップN20)、合意が取られていなければ着手受信を不許可とする(ステップN19)。また、対局が終局しているならば、端末乙のゲーム装置は、着手受信許可のままの状態を保持する(ステップN20)。
【0193】
すなわち、終局した場合、あるいは対局中であっても通信対局を行なう対局者が予め終局後着手合意情報46kを登録しておくことで両者の間で合意が得られた場合には、例えば何れか一方のゲーム装置による連続着手(黒番と白番の両方の着手)ができるようになる。
【0194】
このように構成することによって、通信対局中であっても、指導碁において指導アドバイスを送ったり、気楽な対局において途中で一時中断しての変化の検討等を行える上、必ず両者の合意を確認するようにしているため、気楽な対局では合意、真剣勝負の時は途中中断など一切なしといった具合に使い分けることが可能となる。
【0195】
なお、図32のフローチャートに示す手順では、予め通信対局中の両者間で合意確認するものとしているが、着手データを送信する際に、同時に局面を戻すことの同意確認を問い合わせるようにしても良い。また、合意情報の登録については、実施形態9と同様の応用例を用いることができる。
【0196】
このようにして、実施形態13では、(1)通信対局の対局中であっても、両者の合意があれば一方の端末から黒白両方の着手を送信できるので、通信を介した遠隔地の人同士で研究などができる、(2)大会試合などの場合には、サーバ等で予め「検討禁止」を指定しておくようにすることにより、練習試合との区別を付けることができる、(3)一方の端末を大画面モニターにすることにより、大盤解説会のような形のサービスを提供でき、また、通信で行えることから、遠隔地に現在進行中のタイトル戦の着手や、その大盤解説会の模様などが実況中継などができるといった効果を得ることができる。
【0197】
以上、前述した実施形態1〜13における説明においては、囲碁対局サービスサーバ10と通信回線網14とを介して接続されたゲーム装置間で囲碁ゲームを行なう場合について説明しているが、例えば将棋・チェス・オセロ・連珠・各種トランプゲーム・麻雀等、ユーザ間で交互にデータを進行させるためのデータを入力させる他のゲームにおいても本発明を適用することが可能である。
【0198】
また、前述した各実施形態において、ゲーム装置に対する指示は、キー入力部に必要に応じて設けられるソフトキーを用いて行われるものとして説明しているが、キー入力部以外において任意に設けられるボタンや、ゲーム装置に設けられている物理的(機械的)なボタンを用いて行われるものでも良い。
【0199】
また、ゲームを行なうための囲碁ゲーム専用端末であるゲーム装置22,23,24を対象として主に説明しているが、パーソナルコンピュータ18に前述したゲーム装置の機能を実現するプログラムを実行させることで、パーソナルコンピュータ18をゲーム装置として使用することも可能である。
【0200】
なお、前述した説明では、囲碁対局サービスサーバ10を介して、ユーザが使用するゲーム装置やパーソナルコンピュータ18などの端末間で対局を行なうものとしているが、直接、端末間で対局を実行する上で必要となる各種情報の送受信を実行できるのであれば、囲碁対局サービスサーバ10を介さないシステム構成とすることもできる。
【0201】
また、囲碁対局サービスサーバ10を介して通信対局を行なうのであれば、本実施形態を実現するために必要な各種情報(合意情報、終局後着手合意情報、着手入力/受信許可情報など)については、囲碁対局サービスサーバ10のデータベース装置36、例えば図3に示す会員リスト36aに対して会員名と対応づけて合意情報、終局後着手合意情報を登録し、対局データ36bに対して着手入力/受信許可情報を登録しておくようにしても良い。
【符号の説明】
【0202】
10…囲碁対局サービスサーバ
12…サービスプロバイダ
14…通信回線網
18…パーソナルコンピュータ
22,23,24…ゲーム装置
22a…LCD(液晶ディスプレイ)
22b…タッチパネル
22c…アンテナ
22d…ペン
30…CPU
31…電話通信ユニット
32…通信ユニット
33…記憶装置
33a…囲碁対局プログラム
34…記録媒体
35…メモリ
36…データベース装置
36a…会員リスト
36b…対局データ
41…CPU
42…ROM
44…タッチパネル
46…SRAM
48…LCDドライバ周辺回路
50…LCD
52…無線通信I/F
53…スピーカ
54…アンテナ
55…タイマ
56…電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの対戦相手に対して、ゲームを進行させるための入力に応じたデータを送信するゲーム装置において、
入力されたデータを順次記憶するゲーム内容記憶手段と、
前記ゲーム内容記憶手段によって記憶されているデータの入力された順番を入力する順番入力手段と、
前記順番入力手段により入力された順番までに入力されたデータに応じたゲームの状況に戻す第1手段と、
前記順番入力手段により入力された順番を前記対戦相手に送信する順番送信手段と、
対戦相手の前記順番送信手段によって送信された順番を受信した場合に、この順番までに入力されたデータに応じたゲームの状況に戻す第2手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記順番入力手段は、ゲームが終了した後に順番を入力することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記順番入力手段は、ゲームの状況が表示された表示画面に対する位置を指定するデータをもとに順番を入力することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記順番送信手段により順番を送信することの同意を対戦相手に問い合わせる問い合わせ手段を具備し、
前記順番送信手段は、前記問い合わせ手段によって対戦相手との同意が得られた場合に、入力された順番を送信することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記順番送信手段により順番を送信することの同意を、ゲーム中に対戦相手に問い合わせる問い合わせ手段と、
前記順番入力手段は、前記問い合わせ手段による問い合わせに対して対戦相手から同意が得られた場合に、入力された順番を送信することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第2手段によってゲームの状況を戻すことの同意を示す合意情報を登録する登録手段と、
対戦相手からゲームの状況を戻すことに同意することの問い合わせを受信した場合に、前記登録手段によって前記合意情報が登録されている場合に同意することを応答する応答手段と
を具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記第2手段によってゲームの状況を戻すことの同意を示す合意情報を登録する登録手段と、
前記順番送信手段により順番を送信することの同意を、ゲーム中に対戦相手に問い合わせる問い合わせ手段と、
対戦相手の前記問い合わせ手段からゲームの状況を戻すことに同意することの問い合わせを受信した場合に、前記登録手段によって前記合意情報が登録されている場合に同意することを応答する応答手段とを具備し、
前記順番入力手段は、ゲームの状況が表示された表示画面に対する位置を指定するデータをもとに順番を入力することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項8】
対戦相手との間で決められた所定の順番によりデータ入力し、入力されたデータを対戦相手に送信してゲームを進行させるゲーム装置において、
ゲームの終了を判定する終了判定手段と、
前記ゲーム終了判定手段によってゲームが終了したと判定された場合に、連続したデータ入力と対戦相手において入力されたデータの受信を可能な状態に設定する設定手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
対戦相手との間で決められた所定の順番によりデータ入力し、入力されたデータを対戦相手に送信してゲームを進行させるゲーム装置において、
ゲーム中に連続したデータ入力とデータ受信をすることの同意を対戦相手に問い合わせる問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせに対して対戦相手から同意が得られた場合に、データ入力と対戦相手において入力されたデータの受信を可能な状態に設定する設定手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
前記設定手段による設定の同意を示す合意情報を登録する登録手段と、
対戦相手の前記問い合わせ手段によって問い合わせを受信した場合に、前記登録手段によって前記合意情報が登録されている場合に同意することを応答する応答手段と
を具備したことを特徴とする請求項9記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−259914(P2010−259914A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191003(P2010−191003)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【分割の表示】特願2008−13847(P2008−13847)の分割
【原出願日】平成12年8月31日(2000.8.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】