説明

コアパケットを製造するコアパケット製造装置

【課題】エンジンブロックやシリンダヘッドの鋳造に特に使用されて最小の可能な必要スペースで完全なコアパケットの自動製造を可能にする、コアパケットを製造するためのカテゴリー設定装置を設計及びさらに改善すること。
【解決手段】この発明は、個々のコアが射出される射出ステーション(1)と、前記射出コアが受け取られ、パケットを形成するために組立ラインに移行される受け取りステーション(2)とを備える、特にエンジンブロック及びシリンダヘッドを鋳造するためのコアパケットを製造するのに使用されるコアパケット製造装置に関する。射出プレート(6)を設けたサンドストア(5)と射出ヘッド(8)とを備えた
射出キャップ(7)が、好適に2部品成形型(4)の射出ステーション(1)に対応付けられている。この発明は、幾つかの成形型(4)が、回転テーブル(9)を回転させることにより、成形型(4)を射出ステーション(1)内に共に搬入し、そして該射出ステーション(1)から射出コアと共に前記受け取りステーション(2)に移行するように、種々のコアを射出するために受け取りテーブル(9)に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、エンジンブロック及びシリンダヘッドを鋳造するために使用されるコアパケットを製造するコアパケット製造装置であって、前記コアパケット製造装置は、個々のコアが射出される射出ステーションと、パケット組立用の組立ラインに移行される取り出しステーションとを備え、サンドストアと射出プレートを備える射出キャップが、射出ヘッドと共に前記射出ステーション内の好適には2つの部品からなる成形型に対応可能である、コアパケットを製造するコアパケット製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この発明は一般にコアパケットを形成するのに完成されているコアの製造について述べる。
コアパケットは鋳造技術で金型として使用される。
成形部品の鋳造の場合、どのタイプの鋳造用コアあるいは鋳造用金型も、合体され、互いに接合される二部品から殆ど製造されて鋳造金型及び/又はコアパケットあるいは金型パケットを形成する。
それから、これらのコアパケットに、例えば、金属成形型(ツール)の製造のために溶融金属が充填され、この連続製造では、溶融金属が充填されるコアパケットが製造ラインを連続的に通過する。
【0003】
数十年の間、互いに接合されるコア同士を製造するコア及びマスク射出機が実際の経験から公知になっている。
ここでは、カテゴリー設定コア及びマスク射出機を開示するDE3148461C1を例としてのみ参照する。
この公知コア及びマスク射出機では、二重の成形型が水平軸の周りを回動可能であり、一方、射出ヘッドと共に射出キャップが垂直軸の周りを回動可能であり、成形型に連結することができる。
取り出しステーションは射出ステーションに対応し、垂直に分割されている成形型が開放され、射出されたコアが他の処理のために取り出される。
【0004】
DE3148461C1から公知のコア及びマスク射出機が2つの異なったコアを射出するためにせいぜい適しており、そのため、エンジンブロックやシリンダヘッドの鋳造のための幾つかのコアからなる完全なコアパケットの製造には適していない。
この公知のコア及びマスク射出機は、1つのコア及び同じコアの製造にせいぜい適しており、製造プロセス停止の必要無しに成形型を交換するために、すなわち使い古しの及び/又は汚れた成形型を水平回動により他の成形型に交換する場合に使用することができる。
いずれにせよ、完全なコアパッケージの自動製造は、公知コア及びマスク射出機を使用して不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、この発明の目的は、エンジンブロックやシリンダヘッドの鋳造に特に使用されて最小の可能な必要スペースで完全なコアパケットの自動製造を可能にする、コアパケット製造用カテゴリー設定装置を設計及び更に改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明によれば、上記目的は、請求項1の特徴によって達成される。
従って、このカテゴリー設定装置は、種々のコアを射出するための幾つかの成形型が、該回転テーブルを回転させることにより、前記成形型を前記射出ステーションに、そして前記射出ステーションから前記射出コアと共に前記取り出しステーションに次々に搬入することができるように、回転テーブル上に配置されていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、種々のコアを射出するための幾つかの成形型を、回転テーブル上に配置することにより最小スペースに集約することができる。
この成形型は種々のコアを射出するための種々の成形型でも、あるいは必要に応じて同じコアを射出する成形型でもよい。
回転テーブルを回転させることで、成形型が、射出ステーションに、そして該射出コアと共に射出ステーションから取り出しステーションに次々に搬送される。
この取り出しステーションでは、コアがマニピュレータを使用して取り出され、コアパケット組立てに送られる。
【0008】
このように、この発明による方法で1つの射出ステーションが設けられている。
回転テーブルには、必要に応じてこの回転テーブルを使用して成形型を射出ステーションに送るように、必要なコアの数に相当する成形型が設けられている。
これにより該射出コアが成形型と共に所定の順序で取り出しステーションに送られ、再度必要に応じて連続してそこでコアが取り出される。
このようにして、コアのコアパケットへの自動コアパケット組立てが可能となる。
【0009】
この時点で必要に応じて回転テーブルのサイズを予め設定できることに注目する必要がある。
そこで、種々の量の成形型を回転テーブル上に好適には互いに等距離に配置することができる。
具体的には、回転テーブルには、回転木馬のように成形型を搬送するアームが備えられ、そのアームは星形に外側に延びている。
最終的には、当該回転テーブルへの6つの成形型の配置が、6つの異なった成形型あるいは複数の同一成形型、少なくとも一部を有する6ステーション星ハンドルである。
【0010】
具体的には、成形型が、成形型キャリヤーと該成形型キャリヤーを保持するフレームと共に回転テーブル上に配置されている。
成形型を開放するために、成形型キャリヤーに好適に対応付けられている特殊なリフティング装置が設けられている。
さらに、コアを突き出すための下部突き出し装置が成形型キャリヤー及び/又はリフティング装置に対応付けることができるが、そのような配置は厳密な要件ではない。
回転テーブル上の成形型に対応付けられたリフティング装置が油圧で又は空気圧で作動する。
いずれにせよ、リフティング装置は、すなわちそれぞれの成形型に対してリフティング設備が固定されて割り当てられているために、成形型と共に移動可能な装置である。
【0011】
射出ステーションにおいて、各コアがそこに配置された各成形型で射出される。
この目的で、射出に必要な射出ヘッドが前記射出ステーションに固定配置されている。
成形型は、射出プロセスが圧縮空気の影響の下で行われるように、個々の射出プレートとサンドストアで射出ヘッドに押し付けられている。
サンドバンカーと射出キャップ及び/又は該キャップに取り付けられた射出プレートは空冷設計で使用することができる。
このため、冷却水入口及び/又は出口が回転テーブル上でまた射出ステーション内で好適に自動的に合体される。
この方法により、感温成形サンド(鋳物砂)を良好な射出状態で、すなわちこのように組み込まれた冷却系で保持することができる。
【0012】
特に夏に長期間に亘り、所謂コールドボックスコアサンドを処理可能にするため、サンドストアには蓋が装備されることになっている。
特殊な装置を使用して、充填プロセス時、射出ステーションで該蓋を取り外し、その後、サンドストアに戻す。
そうすることで達成されることは、成形サンド内の溶剤が該サンドからそれほど早く漏れ出ることができず、サンドが乾燥しないことである。
さらに、成形サンドの思いがけない前反応が防止される。
必要であれば、サンドストア内の中空スペースを不活性ガスで充満させて、反応を必ず防止することができよう。
【0013】
成形型を上げ射出ヘッドに対して成形型を押し付けるリフティング装置と共に回転テーブル上に該成形型を配置することが基本的に可能である。
対応する設計形態において、成形型を開放するために使用されるリフティング装置を、該成形型を射出位置まで搬入させるためにも使用できることが好ましい。
しかし、特に有利な方法では、成形型を上げ射出ヘッドに対して成形型を押し付けるために使用される特殊なリフティング装置が設けられ、前記リフティング装置は、回転テーブルの下に、及び/又はそのアームの下に、従って成形型の下に射出ステーション内に固定して配置されている。
そのため、成形型は回転テーブルを使用して射出位置に搬入され、それにより該固定リフティング装置が成形型の下から作動することができる。
【0014】
前に述べたように、該射出プレートはそれぞれの成形型に適合されたサンドストアと共に成形型に設けられている。
従って、コアサンドが充填され、それぞれの成形型に嵌合し、サンドストアを備えた調整射出プレートから構成されている射出キャップが、合体とそれに続く射出の目的で射出ステーションの前にあるいはその内部で成形型に対応付けられていれば更に有利である。
この対応は、射出プロセスが射出ヘッドの合体直後に行うことができるように、射出ステーションで好適に行われる。
【0015】
それぞれの射出キャップは、射出ステーションに直線的に供給することができよう。
特に、必要な加工スペースの縮小に関して、特に有利な方法では、射出キャップが、他の回転テーブルを使用して、射出ステーションのそれぞれの成形型に送られる。
それにより該成形型を搬送する回転テーブルと、射出キャップを搬送する回転テーブルが、双方の回転テーブルの対応配置において、成形型と射出キャップの搬送方向が射出ステーション内で互いに反対方向に向くように共に回転する。
【0016】
射出キャップを搬送する回転テーブルも、回転木馬のようにアームが該射出キャップを搬送する状態に設計されている。
成形型の数、例えば6つの異なった成形型によれば、対応する数の射出キャップ、従って射出プレートとサンドストアを備えた6つの射出キャップが設けられている。
射出キャップを搬送するアームが星形に外側に延びており、回転テーブルには種々の成形型の数に応じて、対応する数の射出キャップが備えられている。
【0017】
回転テーブルを回転させることによって、射出キャップを充填ステーションにそして該充填ステーションから射出ステーションに次々に搬送可能である。
充填ステーションでは、好適に固定のサンドバンカーが設けられており、そのサンドバンカーを使用して射出キャップのサンドストアには所定量のコアサンドが充填されている。
このように、この固定サンドバンカーはサンド溜めとして使用され、そのサンド溜めからサンドストア及び/又は射出キャップを個々に充填することができる。
【0018】
射出キャップ変更ステーションが、当該装置の更なる自動化の目的で射出ステーションと充填ステーションとの間に設けられている。
その射出キャップ変更ステーションにおいて、交換される前記射出キャップが射出キャップ移載装置に移行される。
交換で採用される射出キャップは、射出キャップを搬送する回転テーブルの位置に対応する射出キャップ移載装置から取り出し可能である。
このように射出キャップを次々にあるいは個々にでも交換可能である。
【0019】
更なる有利な方法では、射出キャップ移載装置が、共に直線コンベアを形成する2つのコンベアベルトを備えている。
少なくとも1つのマニピュレータが該直線コンベアに対応付けられ、該直線コンベアでは、前記マニピュレータが射出キャップの、射出キャップ移載装置から回転テーブルへあるいは該回転テーブルから射出キャップ移載装置への移行を行う。
【0020】
前記の設計が射出キャップの回転テーブルにも関連しており、この回転テーブルが射出ステーションに対応付けられている。
射出ステーションと取り出しステーションとの間には、成形型を搬送する回転テーブルの直ぐ周囲に、少なくとも1つの他の処理ステーションが設けられている。
1つ又は2つ以上のガス発生ステーションが他の処理ステーションとして設けられる。
これらのガス発生ステーションは、既に射出されて閉鎖成形型内にまだあるコアを更に処理するために使用される。
【0021】
どの成形型も、一体化された上部突き出しプレートとの組み合わせガス発生プレートを有することができる。
射出プレートの射出パターンにより、及び/又はコアの形状により、各成形型が個々の組み合わせガス発生及び突き出しプレートを必要とする。
このため、全ての成形型キャリヤーを有する装置が回転テーブル上で同時に回転され、組み合わせガス発生及び突き出しプレートが前記装置に取り付けられている。
射出ステーションの後方で、各組み合わせガス発生及び突き出しプレートが、成形型上で移動され、該成形型キャリヤーをガス発生/パージステーションへ移動させる場合に固定迫持台を使用して成形型の上部に押し付けられる。
【0022】
このように、ガス発生ステーションでは、ガス発生キャップを備えたガス発生装置が設けられ、該ガス発生装置に対して射出コアを備えた閉鎖成形型を押し付けることができる。
このため、それぞれのガス発生ステーションに固定対応されている固定リフティング装置が設けられる。
いずれにせよ、このリフティング装置によって成形型を、ガス発生プロセスを行うことができるように、ガス発生キャップに押し付けることができる。
【0023】
さらに、対応排気接続部を有する排気装置をガス発生ステーションに対応付けることが可能であることが特に重要である。
ガス発生装置は、好適に成形型の上半分からコアを突き出すための非常に特殊な突き出し手段を更に備えることができる。
この突き出し手段は、成形型が開放されたときに加工部材の静かな突き出しを可能にすることができるように突き出しプレートを備えることができる。
ガス発生装置に対応する1つ又は2つ以上のパージステーションを更なる処理ステーションとして設けることができる。
組み合わせガス発生/パージステーションが同様に実現可能である。
このパージステーションも、ガス発生ステーション内の設備に対応する排気接続部を有する排気装置を備えることができる。
【0024】
全自動操作に関して、成形型変更ステーションが好適に射出ステーションと取り出しステーションとの間に設けられていればさらに有利である。
そのような成形型変更ステーションはガス発生/パージステーションと組み合わせることができる。
丁度、射出キャップ及び/又は射出キャップ変更の場合のように、成形型を、他の回転テーブルを使用して、成形型を搬送し回転させる回転テーブルに送り、及び/又はそこから排出することも実施可能である。
【0025】
特に単純な設計の範囲内では、成形型変更ステーションにおいて、交換される成形型を成形型移載装置に移行可能であり、交換で採用される成形型を成形型移載装置から取り出すことができる。
このように、成形型移載装置を、射出キャップの場合のように2つのコンベアベルトと少なくとも1つのマニピュレータから構成される直線コンベアとすることができる。
交換において、廃棄された成形型を別個のクリーニング装置あるいはストア及び/又はストアルームに送ることができる。
また、成形型全ての完全な交換も考慮に入れることができる。
クリーニングされた、及び/又は、新しい成形型が、交換されるように対応ステーションに搬送される。
【0026】
取り出しステーションと射出ステーションとの間に、更なる処理ステーション、すなわち成形型をクリーニングする1つ又は2つ以上のクリーニングステーションを設けることができる。
具体的には、このクリーニングステーションは、開放された成形型に吹き付けるための吹き付け装置と、離型剤で成形型の内面に注入するための注入装置も備えることができる。
必要に応じて幾つかの上記処理ステーションを配置することが可能である。
この成形型と射出キャップの数が、パケット化されるコアパケットに対して、個々のコアの必要性により予め設定される。
【0027】
本発明の教示を有利に設計し改善する種々の代案がある。
このため、先ず請求項1に従属する複数の請求項を、次に図面に基づくこの発明の以下の好ましい実施形態の説明を参照する必要がある。
この教示の一般に好ましい設計と実施形態を、図面に基づくこの発明の好ましい実施形態の説明に関連させて説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1はコアパケットを製造するコアパケット製造装置を示し、このコアパケットはエンジンブロックやシリンダヘッドを鋳造するために使用される。
このコアパケット製造装置は、個々のコアが射出される射出ステーション1を備えている。
更に、このコアパケット製造装置は、該射出されたコアを、取り出し、パケット組立てのためにそこに取り付けられた組立ライン3に移行する取り出しステーション2を備えている。
この射出ステーション1では、サンドストア5と射出プレート6からなる射出キャップ7が射出ヘッド8と共に、この場合では2部品成形型(ツール)である成形型4に対応付けられている。
【0029】
この発明によれば、種々のコアを射出するための幾つかの成形型4を搬送する回転テーブル9が設けられている。
この回転テーブル9を回転させることにより、射出ステーション1に、そして射出されたコアと共に射出ステーション1から取り出しステーション2に、成形型4を次々に搬入させる。
互いに等距離に配置されている6つの成形型4を回転テーブル9が全体的に搬送することが図1でも分かる。
最後に、この回転テーブル9には、回転木馬のように成形型4を搬送するアーム10が備えられており、この回転テーブル9では、アーム10が星形に外側に延びている。
【0030】
射出ステーション1を示す図2には、成形型キャリヤー11と該成形型キャリヤー11を保持するフレーム12と共に成形型4が回転テーブル9上に配置されていることが分かる。
成形型4を開放するために、リフティング装置13が設けられており、該リフティング装置13は成形型4に及び/又は成形型キャリヤー11に直接対応付けられている。
【0031】
図2は、射出ヘッド8が射出ステーション1に固定配置され、該射出ステーション1では射出プレート6とサンドストア5を有する成形型4を射出ヘッド8に押し付けることができることを更に示している。
サンドストア5と射出プレート6は共に射出キャップ7を形成する。
図2はまた、更なるリフティング装置14が回転テーブル9の下に及び/又はそのアーム10の下に、従って射出ステーション1の成形型4の下にも固定配置されていることを示している。
この双方のリフティング装置13,14は油圧で、あるいは空気圧で作動可能である。
【0032】
図1、図2は共に、コアサンドで充填され、それぞれの成形型4に嵌合する射出キャップ7が、合体とその後の射出の目的で射出ステーション1の成形型4に対応付けられていることを示している。
射出キャップ7(サンドストア5と射出プレート6と共に)が別の回転テーブル15を使用して成形型4に送られる。
図1によれば、双方の回転テーブル9,15が、成形型4を搬送する回転テーブル9と射出キャップ7を搬送する回転テーブル15が共に回転するように対応付けられて、成形型4と射出キャップ7の搬送方向が射出ステーション1で互いに反対方向に向いている。
【0033】
射出キャップ7を搬送する回転テーブル15は回転木馬のように射出キャップを搬送するアーム16で設計されており、この回転テーブル15ではアーム16が星形に外側に延びている。
さらに、回転テーブル15には、種々の成形型数によって対応する数の射出キャップ7が備えられていることに注目する必要がある。
回転テーブル15を回転させることで、射出キャップ7が、射出ステーション1の前工程である充填ステーション17に次々に搬入される。
射出キャップ7を回転させてこの充填ステーション17から射出ステーション1に移動させる。
【0034】
図1にのみ示されているこの充填ステーション17が、図1には示されていない固定サンドバンカーを備えている。
図1は更に、射出ステーション1と充填ステーション17の間に−射出キャップ7を搬送する回転テーブル15の配置に関して−射出キャップ変更ステーション18が設けられている。
この射出キャップ変更ステーション18では、交換において、廃棄される射出キャップ7が射出キャップ移載装置19に移行され、交換で採用される射出キャップ7が該射出キャップ移載装置19から取り出され、その後、成形型4に合体する目的でそこから充填ステーション17に、そして最終的に射出ステーション1に達する。
【0035】
射出キャップ移載装置19は2つのコンベアベルト21,22を有する直線コンベア20と、図には示されていないマニピュレータとから構成されている。
コンベアベルト22は新規射出キャップ7の供給に使用され、一方、コンベアベルト21は交換において、廃棄される及び/又はクリーニングされる射出キャップ7を搬出するために使用される。
【0036】
図1は更に、射出ステーション1と取り出しステーション2との間に、更なる処理ステーション、すなわちガス発生ステーション23が設けられていることを示している。
そのようなガス発生ステーション23は図3に模式側面図の範囲内で詳細に示されている。
ガス発生ステーションは、活性剤、触媒などを使用して調整される、すなわちガス発生エア及び/又はパージエア用の調整装置を備えることができる。
具体的には、図1において、ガス発生ステーション23,29及び2つのパージステーション23,28が設けられている。
成形型変更ステーション29も同時にガス発生ステーションとして使用される。
このことは後により詳細に説明する。
【0037】
従って、図3によれば、ガス発生ステーション23は、各成形型キャリヤー用の固定迫持ち台31と可動装置32を備えており、前記可動装置は合体して組み合わされたガス発生及び突き出しプレート25から構成されている。
エジェクターは参照番号33で示されている。
さらに、突き出しシリンダ34及び導体レール35が図3に示されている。
【0038】
成形型に特定の組み合わせガス発生及び突き出しプレート32はガス発生装置25で合体される。
これらのガス発生及び突き出しプレートは射出ステーション後方、成形型上方で移動され、リフティング装置26を使用して完全な成形型キャリヤーを上げることで迫持ち台31及び/又は成形型上部に押し付けられる。
この迫持ち台31には1つ又は2つ以上の接続部が設けられ、この迫持ち台31を使用してガス発生エア又はパージエアが、組み合わせガス発生及び突き出しプレート32に送られる。
【0039】
ガス発生ステーションを備えるガス発生装置24及び/又は成形型変更ステーション29は、突き出し手段27、すなわち成形型に特定の突き出しプレート32及び/又は成形型4の上部からコアを突き出すため及び/又は射出孔をクリーニングするためのエジェクター33を更に有している。
この突き出しプレート32は組み合わせ上部ガス発生及び突き出しプレート31の固定構成部品である。
【0040】
必要なら、射出後、ガス発生前に、そしてコアを突き出すためのコア取り出しステーション2において射出位置を平坦化するために突き出し手段が作動される。
ガス発生ステーションは、対応成形材料を使用すれば、パージステーションとしても使用することができる。
このガス発生ステーションは活性剤あるいは触媒を使用して調整されたガス発生/パージエア用の調整装置を備えている。
【0041】
1つ又は2つ以上のパージステーション28が成形型変更ステーション/ガス発生ステーション29に取り付けられている。
このパージステーション28も、図示されていない対応排気接続部を有する排気装置から構成されている。
【0042】
前に述べたように、組み合わせガス発生及び成形型変更ステーションとしてガス発生ステーション23の1つを設計することも可能である。
このように、成形型変更ステーション29が射出ステーション1と取り出しステーション2との間に設けられている。
前記成形型変更ステーション29は必要な場合にのみ作動される。
それ以外では該成形型変更ステーション29はガス発生ステーション23として作動する。
【0043】
成形型変更ステーション29に関して、交換される成形型4が成形型移載装置30に移行され、それから交換において採用される成形型4が該成形型移載装置30から取り出されることが図1で分かる。
射出キャップ移載装置19の場合のように、成形型載装置30も2つのコンベアベルト32,33を有する直線コンベア31から構成されている。
そこに設けられているマニピュレータは図1に示されていない。
【0044】
図1は最後に更なる処理ステーションを、すなわち取り出しステーション2と射出ステーション1との間に示している。
図1には開放成形型をクリーニングするためにクリーニングステーション34が設けられている。
このクリーニングステーション34は開放成形型に吹き付けるための吹き付け装置と、成形型の内面に注入するための注入装置を備えており、この注入装置により適切な離型剤が供給されてコアの突き出し及び/又は取り出しが容易になる。
最後に、上記実施形態は、請求された教示内容の説明の実施例として、前記実施形態に該教示内容を限定せずに機能していることに注目する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】コアパケットを製造するための本発明に係る、射出ステーションと種々の処理ステーションを備えた装置の1つの実施形態の上面図を概略的に示す。
【図2】固定射出ヘッド及び固定リフティング装置を備えた射出ステーションでの2つの回転テーブルと、成形型及び射出キャップとの相互作用の模式側面図を詳細に説明する。
【図3】特殊な処理ステーションとしてガス発生ステーションの模式側面図を詳細に説明する。
【符号の説明】
【0046】
1 射出ステーション
2 取り出しステーション
3 組立ライン
4 成形型(ツール)
5 サンドストア
6 射出プレート
7 射出キャップ
8 射出ヘッド
9 回転テーブル
10 アーム
11 成形型キャリヤー
12 フレーム
13,14,26 リフティング装置
15 回転テーブル
16 アーム
17 充填ステーション
18 射出キャップ変更ステーション
19 射出キャップ移載装置
20 直線コンベア
21,22 コンベアベルト
23 ガス発生ステーション
24 ガス発生装置
25 ガス発生キャップ、ガス発生装置
27 突き出し手段
28 パージステーション
29 成形型変更ステーション
30 成形型移載装置
31 迫持ち台
32 可動装置、ガス発生及び突き出しプレート
33 エジェクター
34 突き出しシリンダ
35 導体レール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンブロック及びシリンダヘッド等を鋳造するために使用されるコアパケットを製造するコアパケット製造装置であって、前記コアパケット製造装置は、個々のコアが射出される射出ステーション(1)と、前記射出されたコアが取り出され、パケット組立用の組立ラインに移行される取り出しステーション(2)とを備え、サンドストア(5)と射出プレート(6)を備える射出キャップ(7)が、射出ヘッド(8)と共に前記射出ステーション(1)内の好適には2つの部品からなる成形型(4)に対応可能である、コアパケット製造装置において、
種々のコアを射出するための幾つかの成形型(4)が、回転テーブル(9)を回転させることにより、前記成形型(4)を前記射出ステーション(1)に、そして前記射出ステーション(1)から射出されたコアと共に前記取り出しステーション(2)に、次々に搬入することができるように、前記回転テーブル(9)上に配置されていることを特徴とするコアパケット製造装置。
【請求項2】
6つの成形型(4)が、前記回転テーブル(9)上に互いに等距離に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のコアパケット製造装置。
【請求項3】
前記回転テーブル(9)には、回転木馬のように前記成形型(4)を搬送するアーム(10)が備えられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のコアパケット製造装置。
【請求項4】
前記アーム(10)が、星形に外側に延びていることを特徴とする、請求項3に記載のコアパケット製造装置。
【請求項5】
前記成形型(4)が、成形型キャリヤー(11)と該成形型キャリヤー(11)を保持するフレーム(12)と共に前記回転テーブル(9)上に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項6】
前記成形型キャリヤー(11)が、前記成形型(4)を開放するために使用されるリフティング装置(13)を備えていることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項7】
下部突き出し装置が、前記成形型キャリヤー(11)及び/又は前記リフティング装置(13)に対応付けられていることを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のコアパケット製造装置。
【請求項8】
前記リフティング装置(13)が、油圧で又は空気圧で作動することを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載のコアパケット製造装置。
【請求項9】
前記射出ヘッド(8)が前記射出ステーション(1)に固定配置されており、前記射出プレート(6)と前記サンドストア(5)とを備えた前記成形型(4)が前記射出ヘッド(8)に押し付け可能であることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項10】
前記成形型(4)が、該成形型(4)を上昇させ前記射出ヘッド(8)に対し押し付けるためのリフティング装置(13)と共に前記回転テーブル(9)上に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項11】
前記成形型(4)を上昇させ前記射出ヘッド(8)に対し押し付けるために使用されるリフティング装置(14)が、前記回転テーブル(9)の下に及び/又はそのアーム(10)の下に、その結果前記成形型(4)の下に、前記射出ステーション(1)内で固定配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項12】
コアサンドが満たされ各成形型(4)を嵌合する射出キャップ(7)が、合体及び後続の射出のために前記射出ステーション(1)の前あるいは内部で前記成形型(4)に対応付けられることが可能であることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項13】
前記射出キャップ(7)が、回転テーブル(15)を使用して前記成形型(4)に送られることが可能であることを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項14】
前記成形型(4)を搬送する前記回転テーブル(9)と前記射出キャップ(7)を搬送する前記回転テーブル(15)は、前記成形型(4)と前記射出キャップ(7)の搬送方向が前記射出ステーション(1)において互いに反対方向に向いているように、共に回転することを特徴とする、請求項13に記載のコアパケット製造装置。
【請求項15】
前記回転テーブル(15)が、回転木馬のようにアーム(16)が前記射出キャップ(7)を搬送する状態で設計されていることを特徴とする、請求項13又は請求項14に記載のコアパケット製造装置。
【請求項16】
前記アーム(16)が星形に外側に延びていることを特徴とする、請求項15に記載のコアパケット製造装置。
【請求項17】
前記回転テーブル(15)には前記種々の成形型(4)の数に対応する射出キャップ(7)が備えられていることを特徴とする、請求項13ないし請求項16のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項18】
前記回転テーブル(15)を回転させることによって、前記射出キャップ(7)を充填ステーション(17)にそして該充填ステーション(17)から前記射出ステーション(1)に次々に搬入可能であることを特徴とする、請求項17に記載のコアパケット製造装置。
【請求項19】
前記充填ステーション(17)が好適に固定サンドバンカーを備えていることを特徴とする、請求項18に記載のコアパケット製造装置。
【請求項20】
射出キャップ変更ステーション(18)が前記射出ステーション(1)と前記充填ステーション(17)との間に設けられていることを特徴とする、請求項18又は請求項19に記載のコアパケット製造装置。
【請求項21】
前記射出キャップ変更ステーション(18)において、交換時に、廃棄される前記射出キャップ(7)が射出キャップ移載装置(19)に移行可能であり、交換で採用される前記射出キャップ(7)が射出キャップ移載装置(19)から取り出し可能であることを特徴とする、請求項20に記載のコアパケット製造装置。
【請求項22】
前記射出キャップ移載装置(19)が、2つのコンベアベルト(21,22)及び少なくとも1つのマニピュレータから好適に構成される直線コンベア(20)として設計されていることを特徴とする、請求項21に記載のコアパケット製造装置。
【請求項23】
少なくとも1つの更なる処理ステーションが、前記射出ステーション(1)と前記取り出しステーション(2)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項22のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項24】
1つ又は2つ以上のガス発生ステーション(23)が、更なる処理ステーションとして設けられていることを特徴とする、請求項23に記載のコアパケット製造装置。
【請求項25】
前記ガス発生ステーション(23)において、ガス発生キャップ(25)を備えたガス発生装置(24)が設けられ、該ガス発生装置(24)に対して前記射出されたコアを備えた閉鎖成形型(4)が押し付けられることが可能であることを特徴とする、請求項24に記載のコアパケット製造装置。
【請求項26】
前記成形型(4)が、前記ガス発生ステーション(23)に固定配置されているリフティング装置(26)によって、前記ガス発生キャップ(25)に押し付けられることが可能であることを特徴とする、請求項23又は請求項24に記載のコアパケット製造装置。
【請求項27】
前記ガス発生ステーション(23)が、排気接続部を有する排気装置を備えていることを特徴とする、請求項24ないし請求項26のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項28】
前記ガス発生装置(24)が、好適に前記成形型の上半分から前記コアを突き出しするための突き出し手段(27)を備えていることを特徴とする、請求項24ないし請求項27のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項29】
前記突き出し手段(27)が、突き出しプレートを備えていることを特徴とする、請求項28に記載のコアパケット製造装置。
【請求項30】
1つ又は2つ以上のパージステーション(28)が、更なる処理ステーションとして設けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項31】
前記パージステーション(28)が、排気接続部を有する排気装置を備えていることを特徴とする、請求項30に記載のコアパケット製造装置。
【請求項32】
成形型変更ステーション(29)が好適に前記射出ステーション(1)と前記取り出しステーション(2)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項31のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項33】
前記成形型変更ステーション(29)が、ガス発生/パージステーション(23及び/又は28)と組み合わされていることを特徴とする、請求項32に記載のコアパケット製造装置。
【請求項34】
前記成形型変更ステーション(29)において、交換時に、廃棄される前記成形型(4)が成形型移載装置(30)に移行可能であり、交換で採用される前記成形型(4)が成形型移載装置(30)から取り出し可能であることを特徴とする、請求項32又は請求項33に記載のコアパケット製造装置。
【請求項35】
前記成形型移載装置(30)が、少なくとも1つのマニピュレータを備えた2つのコンベアベルト(32,33)から構成される直線コンベア(31)を備えていることを特徴とする、請求項34に記載のコアパケット製造装置。
【請求項36】
少なくとも1つの更なる処理ステーションが、前記取り出しステーション(2)と前記射出ステーション(1)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項35のいずれか1項に記載のコアパケット製造装置。
【請求項37】
1つ又は2つ以上のクリーニングステーション(34)が、更なる処理ステーションとして設けられていることを特徴とする、請求項36に記載のコアパケット製造装置。
【請求項38】
前記クリーニングステーション(34)が、開放された成形型(4)に吹き付けるための吹き付けコアパケット製造装置を備えていることを特徴とする、請求項37に記載のコアパケット製造装置。
【請求項39】
前記クリーニングステーション(34)が、前記成形型(4)の内面に注入するための注入装置を備えていることを特徴とする、請求項37又は請求項38に記載のコアパケット製造装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−501126(P2007−501126A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522204(P2006−522204)
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000599
【国際公開番号】WO2005/014204
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(506040065)ホッティンガー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (1)
【Fターム(参考)】