説明

コイルドチュービングに光ファイバを用いるシステム及び方法

【課題】杭内ツール及びセンサと地表機器との間で情報を伝達するためのコイルドチュービングに配置された光ファイバ・テザーを有している装置及び係る装置を操作するための方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置を用いて実行される坑井操作は、光ファイバ・テザーで地表装置から坑内装置に制御信号を送信し、光ファイバ・テザーで少なくとも一つの坑内センサから集められた情報を地表装置に送信し、又は光ファイバ・テザーで観測された光学特性を測定することによって情報を収集することを含む。光ファイバ・テザーに接続された坑内ツール又はセンサは、直接的に光学信号を操作するか又はそれに応答する装置を含みうるか又は通常の原理により動作するツール又はセンサを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2004年5月28日に出願された米国仮特許出願第60/575,327号に基づき優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に地下井戸操作に関し、より特定的にはコイルドチュービング操作における光ファイバ、及びテザー及びセンサような光ファイバ構成部品の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
油田に掘削されたような地下井戸の寿命中に、例えば、井戸の寿命を延ばし、製品を改良し、地下領域にアクセスし、又は操作中に発生した状態を修復するために井戸にサービスを実行することは、しばしば必要であるか又は望ましい。コイルドチュービングは、係るサービスを実行するために有用であることが知られている。コイルドチュービングを用いることは、井戸にサービスを実行するために接続パイプ及び掘削装置を用いるよりも迅速でかつより経済的であり、かつコイルドチュービングは、非垂直又は多岐坑井への伝達を許容する。
【0004】
コイルドチュービング操作が地下の奥深くの動作を実行する間、地表の要員又は装置は、操作を制御する。しかしながら、坑内コイルドチュービング操作の状況に関して地表において情報の全般的な欠如が存在する。坑内ツールと地表との間でクリアなデータ転送が可能でない場合、坑井状態がどのようなものであるか又はツールがどんな状態にあるのかを知ることが常に可能というわけではない。
【0005】
コイルドチュービングは、コイルドチュービングの中空コアを通して坑井に注入されるか又はコイルドチュービングと坑井との間の環帯の下方に注入される一つ以上の流体を有する、流体を含んでいる井戸処理に対して特に有用である。係る処理は、井戸を循環させること、フィル(fill)を洗浄すること、貯留層(reservoir)を掘り起こすこと、スケールを除去すること、破砕すること、ゾーンを分離させること、等を含む。コイルドチュービングは、坑井の特定の深さにおけるこれらの流動体の配置を許容する。また、コイルドチュービングは、例えば、坑井で損失した装置を探り出すこと又は装置の配置又は操作を許容すべく坑井に介在するように用いてもよい。
【0006】
圧力下のコイルドチュービングを坑井へ配置することにおいて、コイルドチュービングの連続的な長さは、リール・スルー坑口シールから坑井の中へ通り抜ける。また、コイルドチュービングを通る流体の流れは、コイルドチュービングの終端に取付けられたツールストリングに水力を供給するために用いる。典型的なツールストリングは、チュービングが破損したならば、逆止め弁が閉じかつ井戸の流体の漏れを防ぐように一つ以上の逆止め弁を含む。流れ要件のために、典型的に、ツールストリングと地表との間の直接データ通信のためのシステムが存在しない。コイルドチュービングで用いる他の装置は、水力でトリガされる。ランニング・ツールのようなあるデバイスは、ツールストリングを引き押しするシーケンスによってトリガすることができるが、再度、地表オペレータが坑内ツール状況を知ることは難しい。
【0007】
同様に、坑井においてツールストリングの深さを正確に見積ることができることは、重要である。しかしながら、ツールストリングに取付けられかつ坑井に注入されたコイルドチュービングの長さの直接測定は、井戸ケーシングを下方に供給するときにコイルドチュービングが螺旋巻きになりやすいので、ツールストリングの深さを正確には表さない。この螺旋巻き効果は、コイルドチュービングに置かれたツールの推定深度を予測不可能にする。
【0008】
地下深くから地表へ正確なデータを集めかつ運ぶことにおける困難性は、坑内操作に関して決定を行う要員への坑内状態の不正確な説明をしばしば結果としてもたらす。地表に運ばれた坑井操作に関する情報を有することが望ましく、かつ操作を調整させるように情報がリアルタイムで運ばれることが特に望ましい。これは、効率を強化しかつ坑井操作の費用を低減する。例えば、係る情報の利用可能性は、要員に坑井に配置されたツールストリングをさらによく操作させ、ツールストリングの位置をより正確に決定させるか、又は坑井操作の適宜な実行を確認させる。
【0009】
例えば、流体パルス及び有線ケーブルを用いて、坑井作業から地表にデータを転送する既知の方法が存在する。これらの方法のそれぞれは、特異な不利点を有する。マッドパルス(泥水圧力波)遠隔測定法は、地表で変調圧力波を伝送するために流体パルスを用いる。次いで、この波は、伝送されたビットを取り出すために復調される。この遠隔測定方法は、毎秒少ない数のビットでデータを供給することができるが、しかしより高いデータ・レートであり、信号は、流体特性によってかなり減衰される。更に、マッドパルス遠隔測定法がその信号を生成する方法は、流れにおける一時的な妨害を暗に要求する;これは、井戸操作においてしばしば望ましくない。
【0010】
坑井操作中に情報を伝送するためにコイルドチュービングを有する電気又は有線ケーブルを用いることが知られている。米国特許第5,434,395号公報に記載されているように、コイルドチュービングの外側にケーブルが配置されている、コイルドチュービングを有する有線ケーブルを配置することが提案されている。係る外部配置は、操作的に難しくかつ坑井仕上げとの干渉の危険性を冒す。特殊機器及び手順に対する必要性及びケーブルが配置されたときにコイルドチュービングを包み込むという可能性は、係る方法を望ましくないものにする。例えば、米国特許第5,542,471号公報によって教示されているような、別の技法は、コイルドチュービングそれ自体の壁厚内の埋込みケーブル又はデータ・チャネルに依存する。係る構成は、コイルドチュービングの全内径が流体を送り込むために用いることができるという利点を有するが、しかしフィールドの係るコイルドチュービングを修理するための便利な方法が存在しないという重大な欠点も有する。コイルドチュービング操作中にコイルドチュービングが損傷を受けることはめずらしくなく、その場合には損傷したセクションは、コイルから取り除きかつ残りの部分は、互いに溶接し直す必要がある。埋込みケーブル又はデータ・チャネルの存在において、係る溶接操作は、複雑であるか又は単に達成不可能である。
【0011】
コイルドチュービング内に有線ケーブルを配置することが知られている。この方法は、ある機能性を提供するが、欠点も有する。第1に、コイルドチュービング・リールにケーブルを導き入れることは、自明ではない。流体は、有線ケーブルをチュービングの中に移送するために用いられ、かつ大きな、高圧キャプスタンが流体と一緒にケーブルを移動するために必要である。ここに参考文献として採り入れられるBruce W. Boyle, et al.によるMeans For Placing Cable Within Coiled Tubingという発明の名称の米国特許第5,573,225号公報は、電気ケーブルをコイルドチュービングに設置するための一つの係る装置を記述している。
【0012】
コイルドチュービングにケーブルを設置することの困難性を越えて、コイルドチュービングの内径に関するケーブルの相対的な大きさ並びにケーブルの重さ及びコストは、コイルドチュービング内のケーブルの使用を思いとどまらせる。
【0013】
コイルドチュービング操作に用いられる電気ケーブルは、一般的に直径が0.25〜0.3インチ(0.635〜0.762cm)でありコイルドチュービングの内径は、一般的に1〜2.5インチ(2.54〜6.350cm)の範囲である。コイルドチュービングの比較的小さな内径と比較してケーブルの比較的大きな外径は、チューブの流体の流に利用可能な断面領域を望ましくなく低減する。更に、ケーブルの大きな外部表面領域は、コイルドチュービングを通して送り込まれた流体に摩擦抵抗を与える。
【0014】
有線ケーブルの重さは、コイルドチュービングにおけるその使用に対して更に別の欠点を与える。油田コイルドチュービング操作で用いられる既知の電気ケーブルは、20,000ft(6096cm)長の電気ケーブルが更なる7,000lb(3175kg)をコイルドチュービング・ストリングの重みに加えるように0.35lb/ft(2.91kg/m)までの重さがある。比較すると、典型的な1.25インチ(3.175cm)コイルドチュービング・ストリングは、20,000ft(6096cm)ストリングに対して30,000lb(13608kg)の結果として得られた重さを有する約1.5lb/ft(12.5kg/m)の重さがある。その結果、電気ケーブルは、約25%だけシステムの重さを増大する。係る重い機器は、操作することが難しくかつしばしばフィールドにおける有線装備コイルドチュービングの設置を妨げる。更に、ケーブルの重さは、管状の伸びとは異なるレートでその自体の重みの下でケーブルを延ばさせて、ケーブルに緩み(たるみ)の導入を結果としてもたらす。緩みは、コイルドチュービングにおけるケーブルの破損及び絡まり(“バードネスティング”)を回避するために管理されなければならない。十分なケーブルの緩みを与えるためにケーブルをトリムすること又はコイルドチュービング・ストリングをカット・バックすることをある場合には含んでいる、緩みを管理することは、コイルドチュービング操作に操作時間及び費用を追加する。
【0015】
データ伝送に対してコイルドチュービングの内側に有線ケーブルを用いることに別の困難が存在する。例えば、ケーブルの伝送線からデータを取り出すために、リールの外側にあるワイヤ(例えば、表面コンピュータに接続されるそのワイヤ)のその部分に同時に絡まらないと共に、リールで回転することができるデータ・コレクタが必要である。そのような知られた装置は、故障しやすくかつ高価である。更にカーブル自体がコイルドチュービングにおける流体の流れのために損耗及び劣化されやすい。ケーブル外装の外部外装は、同様に操作困難性も生成する。あるウェル操作において、コイルドチュービングは、できるだけ速やかに坑井を密閉すべく剪断される。しかしながら、コイルドチュービングを通り抜けるべく最適化された剪断は、典型的に、外装ケーブルを通り抜けることにおいて効率的ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記から、坑井操作を妨げることなく地表へコイルドチュービングを用いて坑井操作間のやりとりでデータを集めかつ運ぶためのシステム及び方法に対する必要性が存在するということが明らかであろう。適時に、効率的かつ費用効果的な方法でこの情報を集めかつ運ぶためのシステム及び方法が特に望ましい。本発明は、従来技術における欠陥を克服しかつこれらの必要性に取り組む。
【0017】
本発明は、コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、坑井にコイルドチュービングを配置する段階と、及び光ファイバ・テザーを用いて坑井情報を伝達する段階とを具備する、坑井で動作するか又は坑井操作或いは井戸処置を実行するためのシステム、装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
実施形態では、本発明は、坑井によって横切られた地下層を処理する方法であって、光ファイバ・テザーをコイルドチュービングに配置する段階と、コイルドチュービングを坑井に配置する段階と、ウェル処理操作を実行する段階と、坑井の特性を測定する段階と、及び測定した特性を伝達すべく光ファイバ・テザーを用いる段階とを具備することを特徴とする方法を提供する。ウェル処理操作は、少なくとも一つの調整可能なパラメータを具備しかつ方法は、少なくとも一つのパラメータを調整する段階を含んでもよい。方法は、ウェル処理操作が実行されるときに特性が測定される場合、ウェル処理操作のパラメータが調整されている場合又は測定及び測定された特性の伝達がリアルタイムで実行される場合に特に望ましい。しばしばウェル処理操作は、流体をコイルドチュービングの中に、坑井環帯の中に、又はその長方に注入するような、少なくとも一つの流体を坑井に注入する段階を含む。ある操作では、一つ以上の流体が注入されるか又は異なる流体がコイルドチュービング及び環帯の中に注入されてもよい。ウェル処理操作は、炭化水素の流れをスティミュレートするか又は地下層からの水流を妨げるために流体を供給する段階を具備してもよい。ある実施形態では、ウェル処理は、坑井のツールと光ファイバ・テザーを介して通信する段階と、そして特に地表装置から坑井のツールに通信する段階を含んでもよい。測定した特性は、それらに限定されないが、圧力、温度、pH、沈殿物の量、流体温度、深度、ガスの存在、化学ルミネセンス、ガンマ線、抵抗率、塩分、流量、流体の圧縮性、ツール位置、ケーシング・カラー・ロケータの存在、ツール状態及びツール配向を含んでいる、坑内で測定した特性であってもよい。特定の実施形態では、多元ウェルの枝にわたるような坑井の間隔にわたる測定の分布範囲であってもよい。ウェル処理操作のパラメータは、それらに限定されないが、多量の注入流体、一組の注入流体における各流体の相対的比率(組成比)、一組の注入物質における各物質の化学的濃度、コイルドチュービングに注ぎ込まれる流体に対する環帯に注ぎ込まれる流体の相対的比率、放出される触媒の濃度、ポリマーの濃度、プロパントの濃度、及びコイルドチュービングの位置を含んでいる、調整されるパラメータであってもよい。方法は、坑井からコイルドチュービングを撤回すること又は坑井に光ファイバ・テザーをそのまま残しておくことを更に含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施形態では、本発明は、地下坑井における操作を実行する方法であって、コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、坑井にコイルドチュービングを配置する段階と、及び制御システムから光ファイバ・テザーにわたりコイルドチュービングに接続された坑井装置に制御信号を送信する段階と;坑井装置から制御システムに光ファイバ・テザーにわたり情報を送信すること;前記光ファイバ・テザーを介して制御システムへ当該光ファイバ・テザーによって測定した特性を送信することから選択した少なくとも一つの処理を実行する段階とを具備する方法に関する。方法は、ウェルからコイルドチュービングを撤回する段階又はウェルに光ファイバ・テザーをそのまま残しておく段階を更に含んでもよい。典型的に、光ファイバ・テザーは、流体をコイルドチュービングに注ぎ込むことによってコイルドチュービングに配置される。テザーは、それがスプールされるか又はアンスプールされる間にコイルドチュービングに配置されてもよい。また、方法は、特性を測定する段階を更に含んでもよい。ある実施形態では、測定は、リアルタイムで行われてもよい。測定した特性は、それらに限定されないが、坑底圧力、坑底温度、分布温度、流体抵抗率、pH、圧縮/張力、トルク、坑内流量、坑内流体圧縮率、ツール位置、ガンマ線、ツール配向、コンクリート道床高さ、及びケーシング・カラー位置を含んでいる、坑内で測定した特性であってもよい。
【0020】
本発明は、坑井で操作を実行するための装置であって、坑井に配置されるように構成されたコイルドチュービングと、地表制御装置と、前記コイルドチュービングに接続された少なくとも一つの坑井装置と、前記コイルドチュービングに搭載されかつ前記坑井装置及び前記地表制御装置のそれぞれに接続された光ファイバ・テザーと、を備え、前記光ファイバ・テザーは、少なくとも一つの光ファイバを備え、それにより光信号は、(a)少なくとも一つの坑井装置から前記地表制御装置へ、(b)前記地表制御装置から前記少なくとも一つの坑井装置へ、又は(c)前記少なくとも一つの坑井装置から前記地表装置へ及び当該地表制御装置から該少なくとも一つの坑井装置に送信されることを特徴とする装置を提供する。ある好適な実施形態では、光ファイバ・テザーは、その中に配置された少なくとも一つの光ファイバを有する金属管である。地表又は坑内終端又はそれらの両方が設けられてもよい。坑井装置は、特性を測定しかつ出力を生成するための測定装置と、及び測定装置からの出力を光信号に変換するためのインターフェイス装置とを備えていてもよい。特性は、それらに限定されないが、圧力、温度、分布温度、pH、沈殿物の量、流体温度、深度、化学ルミネセンス、ガンマ線、抵抗率、塩分、流量、流体の圧縮性、粘度(粘性)、圧縮、応力(ストレス)、ひずみ(ストレーン)、ツール位置、ツール状態、ツール配向、及びそれらの組合せを含んでいる、坑内で測定することができる特性であってもよい。ある実施形態では、本発明の装置は、多元ウェルの所定の枝に入力するための装置を更に備えていてもよい。特定の実施形態では、坑井は、多元ウェルでありかつ測定した特性は、ツール配向又はツール位置であってもよい。
【0021】
ある実施形態では、装置は、少なくとも一つの坑井装置から地表制御装置によって受信した光信号に応じて操作を調整するための手段を更に備えている。ある実施形態では、光ファイバ・テザーは、一つ以上の光ファイバを備え、光信号は、光ファイバで地表制御装置から少なくとも一つの坑井装置へ送信されてもよいし、かつ光信号は、異なるファイバで少なくとも一つの坑井装置から地表制御装置に送信されてもよい。坑井装置の種類は、カメラ、キャリパー、フィラー(ゲージ)、ケーシング・カラー・ロケータ、センサ、温度センサ、化学センサ、近接センサ、圧力センサ、抵抗センサ、電気センサ、アクチュエータ、流量測定装置、光起動式ツール、化学分析装置、弁アクチュエータ、ファイアリング・ヘッド・アクチュエータ、ツール・アクチュエータ、反転弁、逆止弁、及び流体分析装置を含む。本発明の装置は、マトリクス・スティミュレーション(matrix stimulation)、フィル・クリーンアウト(fill cleanout)、破砕、スケール除去、帯状分離(zonal isolation)、穿孔、坑内流れ制御、坑内完了操作、ウェル・ロッギング、フィッシング、掘削(ドリリング)、フライス削り(ミリング)、物理特性を測定すること、ウェルで装置の一部を探し出すこと、坑井における特定のフューチャを探し出すこと、弁を制御すること、及びツールを制御することのような様々な坑井操作に対して有用である。
【0022】
また、本発明は、坑井により交差される地下層の特性を決定する方法に関し、該方法は、コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、コイルドチュービングの坑井に測定ツールを配置する段階と、測定ツールを用いて特性を測定する段階と、及び測定した特性を伝達すべく光ファイバ・テザーを用いる段階とを具備する。ある実施形態では、また方法は、坑井からコイルドチュービング及び測定ツールを撤回する段階を含んでもよい。好適な実施形態では、特性は、リアルタイム又はウェル処理操作の実行と同時に伝達される。
【0023】
広い意味で、本発明は、坑井で作業する方法であって、コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、ウェルにコイルドチュービングを配置する段階と、及び操作を実行する段階とを具備する方法に関し、操作は、光ファイバ・テザーで送信された信号によって制御されるか、又は操作は、光ファイバ・テザーを介して坑井から地表装置へ又は地表装置から坑井へ情報を送信する段階を含む。
【0024】
本発明の他の形態及び効果は、本発明の原理を例示している、添付した図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【実施例】
【0025】
以下の詳細な説明及び図面のいくつかの図において、同様な構成要素は、同様な参照番号で示される。
【0026】
本発明によれば、例えば、ウェル処理操作のような操作は、その中に配置された光ファイバ・テザーを有しているコイルドチュービングを用いて坑井で実行されるし、光ファイバ・テザーは、坑井から地表へ又は地表から坑井へ信号又は情報を送信するために使用できるように構成されている。係るシステムの機能は、従来技術の伝送方法で係る操作を実行ことに対して多くの利点を提供しかつ坑井操作におけるコイルドチュービングの多くの現在に到るまで利用不可能な使用を可能にする。本発明における光ファイバの使用は、軽量であり、小さな断面を有すること、及び高帯域幅機能を供給することのような利点を提供する。
【0027】
図1を参照すると、地下ウェルで用いているコイルドチュービング・サービス又は操作を提供することに用いられる装置、特に地表装置の概略図が示されている。コイルドチュービング装置は、トラック101、スキッド、又はトレーラを用いて井戸の場所に供給される。トラック101は、その上に巻き込んだ、多数のコイルドチュービング105を保持するタービング・リール103を有する。コイルドチュービング105の一端は、リールを回転されると同時に流体をコイルドチュービング105に注入することができるリール配管装置123のリール103の中心軸で終わる。コイルドチュービング105の他端は、グースネック109を介してインジェクタ・ヘッド107によって坑井121に配置される。インジェクタ・ヘッド107は、例えば、暴噴防止装置(ブロー・アウト・プリベンタ(BOP))スタック111及びマスター制御弁113のような、様々な地表ウェル制御ハードウェアを通して坑井121にコイルドチュービング105を注入する。コイルドチュービング105は、その坑内端に一つ以上のツール又はセンサ117を伝達する。
【0028】
コイルドチュービング・トラック101は、他のモバイル・コイルドチュービング・ユニット又はウェルサイトに取り外せないように設置された構造体である。また、コイルドチュービング・トラック101(又は代替)は、コンピュータを典型的に含む、地表制御装置119を有する。地表制御装置119は、インジェクタ・ヘッド107及びリール103に接続されかつウェル121へのコイルドチュービング105の注入を制御するために用いられる。また、制御装置119は、ツール及びセンサ117の操作を制御するためにそしてびツール及びセンサ117から地表に送信されたデータを収集するために有用である。監視装置118は、制御装置119と一緒に又は別々に設けられる。コイルドチュービング105と監視装置118及び/又は制御装置119との間の接続は、通信回線によるような物理接続であるか、又はそれは、無線伝送又はTCP/IPのような既知の通信プロトコルを通した仮想接続である。本発明で有用な無線通信のための一つの係るシステムは、その全体が参考文献としてここに採り入れられる米国特許出願第10/926,522号に記述されている。このような方法で、監視装置118は、坑井から離れたある距離に位置決めされることが可能である。更に、監視装置118は、例えば、参考文献としてここに採り入れられる、米国特許第6,519,568号公報に記述されたような方法を介してオフサイト位置に受信した信号を送信するために次いで用いられる。
【0029】
図2Aを参照すると、コイルドチュービング・ストリング105、光ファイバ・テザー211(外側保護管203及び一つ以上の光ファイバ201を図示の実施形態において備えている)、地表終端301、坑内終端207、及び地表圧力隔壁213を含む本発明によるコイルドチュービング装置200の断面図が示されている。地表圧力隔壁213は、コイルドチュービング・リール103に取付けられかつコイルドチュービング・ストリング105内の光ファイバ・テザー211を密閉するために用いられ、それにより処理流体及び圧力の解放を防ぐと同時に光ファイバ201へのアクセスを供給する。坑内終端207は、光ファイバ201と一つ以上の光学ツール又はセンサ209との間の物理及び光学接続の両方を供給する。光学ツール又はセンサ209は、コイルドチュービング操作のツール又はセンサ117でありし、その構成部品であるか、又はコイルドチュービング操作を実行するツール及びセンサ117から独立している機能性を供給する。地表終端301及び坑内終端207は、図3及び図4にそれぞれ関連付けてより詳細に記述される。
【0030】
例示的光学ツール及びセンサ209は、坑底の温度又は圧力を決定するための温度センサ及び圧力センサを含む。また、光学ツール又はセンサは、地層圧又は温度の測定も行う。代替実施形態では、光学ツール又はセンサ209は、坑内条件、例えば、プロダクション・チュービング又は坑内装置、例えば、フィッシング(fishing)操作中に取り出される装置の壁に収集された砂床又はスケール、の視覚画像を供給するように動作可能なカメラである。ツール又はセンサ209は、同じ様に、ウェルの物理的に検出可能な条件、例えば、砂床又はスケールを検出又は推測するように動作することができる感触装置(feeler)の形式である。代替的に、ツール又はセンサ209は、例えば、坑内流体におけるオイル及び/又はガスの量を決定するか坑内流体のpHを測定するような、ある種の化学分析を実行するように動作可能な化学分析装置を備えている。ある例では、ツール又はセンサ209は、測定した特性又は条件を地表に送信するために光ファイバ・テザー211に接続される。それゆえに、ツール又はセンサ209が坑井における特性又は条件を測定すべく動作するとこでは、光ファイバ・テザー211は、測定した特性を送信するか又は伝達するために導管を供給する。
【0031】
代替的なツール又はセンサ209は、活性弁又はパーフォレーション・ファイアリング・ヘッドのような光学的に起動されるツールである。パーフォレーション・ファイアリング・ヘッドを備えている実施形態では、ファイアリング・コードは、光ファイバ・テザー211において光ファイバを用いて送信される。コードは、単一のファイバで送信されかつ坑内装置によって復号される。代替的に、光ファイバ・テザー211は、その点火ヘッドに固有な別個のファイバに接続されたファイアリング・ヘッドを有する複数の光ファイバを含む。光ファイバ・テザー211の光ファイバ201でファイアリング信号を送信することは、点火ヘッドに信号を送るために電気回線又は有線又は圧力−パルス遠隔測定法を用いる場合に遭遇するクロス−トーク及び圧力−パルス・インターフェアレンスの欠陥を回避する。係る欠陥は、間違ったガンのファアリング又は間違った時間におけるファイアリングに導く。
【0032】
ここで図2Bを参照すると、光ファイバ・テザー211が保護管203の内側に位置決めされた一つ以上の光ファイバ201を備えている光ファイバ・コイルドチュービング装置200の断面図が示されている。光ファイバは、マルチモード又は単一モードである。ある実施形態では、保護管203は、金属材料を備えており、そして特定の実施形態では、保護管203は、Inconel、ステンレス鋼、Hasetloy、又は適当な引張特性並びに酸及びH2Sの存在における耐腐食性を有している別の金属材料を備えている金属管である。
【0033】
限定ではなく説明として、光ファイバ・テザー211は、約0.071インチから約0.125インチまでの範囲にある外径を有し、一つ以上の光ファイバ201の回りに形成された保護管203を有する。好適な実施形態では、標準光ファイバが用いられかつ保護管203は、0.020インチ厚み以下である。保護管の内径は、光ファイバの最密充填に必要なものよりも大きいものであるということに注目する。代替実施形態では、光ファイバ・テザー211は、裸光ファイバで構成されたケーブル又は複合材料で被覆された光ファイバを備えているケーブルを備えてもよいし、係る複合材被覆光ファイバ・ケーブルの一例は、米国Illinois州Orland ParkのAndrew Corporationによって製造されるRuggedized Microcableである。
【0034】
坑内終端207は、光ファイバ・テザー211に沿って信号が地表制御装置119と坑内ツール又はセンサ117との間で送信される、測定、処理又は介入のような操作を実行するために一つ以上のツール又はセンサ117に更に接続される。これらの信号は、坑内ツール及びセンサ117からの測定を伝達するか又は制御装置からの制御信号を坑内ツール及びセンサ117に伝達する。ある実施形態では、信号は、リアルタイムで伝達する。係る操作の例は、マトリックス刺激(matrix stimulation)、フィル・クリーンアウト(fill cleanout)、破砕(fracturing)、スケール除去(scale removal)、ゾーン分離(zonal isolation)、コイルドチュービング搬送穿孔(coiled tubing conveyed perforation)、坑内流れ制御(downhole flow control)、坑内終了操作(downhole completion manipulation)、フィッシング(fishing)、ミリング(フライス削り)(milling)、及びコイルドチュービング掘削(coiled tubing drilling)を含む。
【0035】
光ファイバ・テザー211は、その一つが特に流体の流れを用いている、適当な手段を用いてコイルドチュービング105に配置される。これを達成するための一つの方法は、コイルドチュービング・リール103に短い(例えば5〜15フィート長)ホースの一端を取付けかつY終端にホースの他端を取付けることによる。光ファイバ・テザー211は、Y終端の一つの脚に導入されかつY終端の他の一つの脚に流体が注入される。次いで、テザーの流体の流体抵抗は、光ファイバ・テザーをホースの下方にそしてコイルドチュービング・リール103の中に推進させる。例として、光ファイバ・テザーの外径が0.125インチ(0.3175cm)よりも小さい(そしてIconelで作られている)場合には、それがリールに巻かれている間でも毎分1〜5バレル(毎分159〜795リットル)程度のポンプ速度がコイルドチュービング105の長さに沿って光ファイバ・テザー211を推進するために十分であることが示されている。この操作の簡便性は、コイルドチュービングに有線を設置するために従来技術で用いられる複雑な方法に対して大きな利益を提供する。
【0036】
実際には、テザーの一端がリールの軸を通って突出する場合に、テザーの他端がコイルドチュービングの外側にまだあるように光ファイバ・テザー211の十分な長さが供給されなければならない。コイルドチュービングがウェル・ボアに巻かれかつウェル・ボアから巻き戻すときに光ファイバ・テザーの更なる10〜20%が緩み管理のために必要になる。一度テザーの所望の長さがリールに注ぎ込まれたならば、テザーをカットしかつホースを切断することができる。リールの軸を通って突出しているテザーは、図3A及び図3Bに示すように終端処理することができる。テザーの坑内端は、図4に示すように終端処理することができる。
【0037】
図3A及び3Bを参照すると、光ファイバ・テザー211の地表終端301及び地表圧力隔壁213の二つの代替実施形態の断面図が示されている。多くのアプリケーションにおいて、光ファイバ・テザー211は、コイルドチュービングにおける流体の流れに関して軸外であるT字管(ティー)又は接続部の90度の曲がりの回りに光ファイバ・テザーを送ることによって終端されることが可能であり、T字管又は接続部は、リール103の車軸でリール・プラミング123に接続されるのが好ましい。高いポンプ速度では、ボール及び研磨流体は、設備に損害を与える機会を増大するし、ある実施形態では地表終端を提供することが望ましい。
【0038】
図3Aは、本発明による光ファイバ・テザー211の地表終端の第1の実施形態の断面図を示す。図示した実施形態では、地表終端301は、コイルドチュービング105に関して軸上にある主脚(main leg)303と、コイルドチュービング105に関して軸外にある側方脚(lateral leg)305とを有している接続部を備えている。流体の流れは、側方脚305によって画定された経路の方へ進み、かつ光ファイバ・テザー211は、主脚303の方へ進む。コイルドチュービング105への流体の導入用の接続機構313は、側方脚305の末端に設けられる。地表終端301は、コイルドチュービング105又はコイルドチュービング・リール・プラミング123でシールを形成するフランジ309でコイルドチュービング105又はコイルドチュービング・リール・プラミング123に接続される。光ファイバ・テザー211は、コイルドチュービング105から主脚303を介して地表終端301を通り抜ける。地表終端301は、コイルドチュービング105の内部の圧力をそのまま維持すると同時に光ファイバ・テザー211を通過させる圧力隔壁213に取付けられたアップホール・フランジ307を有する。表面終端301から光ファイバ・テザーは、制御装置119、又はダウンホール・アセンブリへの光通信を許容する光学部品505に代替的に接続される。
【0039】
本発明の地表終端の別の実施形態の例を図3Bに示す。地表終端301’は、コイルドチュービング105に関して軸上にある主脚303’と、コイルドチュービングに関して軸外にある側方脚305’と有している接合部(junction)を備えている。図示した実施形態では、流体の流れは、主脚303’によって画定された経路の方へ進み、かつ光ファイバ・テザー211は、側方脚305’の方へ進む。地表終端301’は、フランジ309’でコイルドチュービング105又はコイルドチュービング・リール・プラミング123に接続されるし、フランジは、コイルドチュービング105又はコイルドチュービング・リール・プラミング123でシールを形成する。
【0040】
光ファイバ・テザー211は、コイルドチュービング105から主脚303’を介して地表終端301’を通り抜ける。地表終端301’は、コイルドチュービング105の内部の圧力をそのまま維持すると同時に光ファイバ・テザー211を通過させる圧力隔壁213’に取付けられたアップホール・フランジ307’を有する。主脚305’は、コイルドチュービング105への流体の導入用にそこに設けられた接続機構313’を有する。
【0041】
ここで図4を参照すると、終端207へのコイルドチュービング105の制御された浸透を供給する光ファイバ・テザー211用の坑内終端207の一実施形態の断面が示されている。コイルドチュービング105は、坑内終端装置207の内側に取付けられかつ嵌合棚に嵌められる。コイルドチュービング105は、一つ以上の位置決めねじ405及びを用いて坑内終端207に固定されるし、かつ一つ以上のOリング407は、終端207及びコイルドチュービング105を密閉するために用いられる。コイルドチュービング105内に配置された光ファイバ・テザー211は、コイルドチュービング105から抜け出して拡張しかつコネクタ411によって固定される。また、コネクタ411は、ツール又はセンサ209への接続も供給する。コネクタ411によって形成された接続は、光学的又は電気的のいずれかである。例えば、センサ209が光学センサであるならば、接続は、光学的接続である。しかしながら、多くの実施形態ではツール又はセンサ209は、電気デバイスであり、その場合にはまたコネクタ411は、電気と光学信号との間の必要な変換も提供する。ツール又はセンサ209は、例えば、ターミネータ207の坑内端415を二つの同軸突出円筒417と417’との間に間置しかつ一つ以上のOリング419を用いて密閉することによってターミネータに固定される。
【0042】
ここで図5A及び図5Bを参照すると、光学信号を送信するための光ファイバ・テザー211に接続された坑内光学装置501を用いることの概略図が示され、光ファイバ・テザー211は、光学装置505に対する表面で接続されている。この光学装置505は、コイルドチュービング・リール103に取付けることができかつそれで回転させることができる。ある実施形態では、光学装置505は、また、リールで回転する無線送信機を備える。代替的に光学装置505は、コイルドチュービング・リール103が回転している間、静止している部分を有している光捕集器(光コレクタ)を備える。係る装置の一例は、メリーランド州ボルチモアのPrizm Advanced Communications Inc.によって作られた光ファイバ回転継手(ロータリー・ジョイント)である。坑内光学装置501は、一つ以上のツール又はセンサ209を包含する。ツール又はセンサ209は、直接光学信号を生成するカテゴリー及び光ファイバ・テザー211での送信のために光学信号への変換を必要とする電気信号を生成するカテゴリーの、二つの一般的なカテゴリーのものである。
【0043】
いくつかの測定は、既存の光学センサを用いて観察した光学特性に基づき直接行う。係るセンサの例は、D. A. Krohn著、Fiber Optic Sensors and Applications”, 2000,Instrumentation Systems (ISBN No. 1556177143)のような教科書に記述された種類のものを含みかつ強度変調センサ、位相変調センサ、波長変調センサ、デジタル・スイッチ及びカウンタ、変位センサ、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、レベル・センサ、電磁場センサ、化学分析センサ、回転速度センサ、ジャイロスコープ、分散センシング・システム、ジェル(ゲル)、スマートスキン及び構造体を含む。
【0044】
代替的に、ツール又はセンサ209は、測定特性を示す電気信号を生成する。係る電気信号出力ツール又はセンサが用いられる場合、坑内光学装置501は、光学-電気間インターフェイス装置503を更に備えている。光学-電気間装置及び電気-光学間装置は、この産業でよく知られている。光学信号への通常のセンサ・データの変換の例は、知られておりかつ、例えば、2001年にSpringer-Verlagによって出版された、B. Shoop著、“Photonic Analog-To-Digital Conversion (Springer Series in Optical Sciences, 81)”に記述されている。インターフェイス装置503のある実施形態では、光源坑内をオンにするために電気信号が用いられかつその光源の振幅が電気信号の振幅に線形的に比例するような簡単な回路が用いられる。コイルドチュービング操作に対する効率的な坑内光源は、1300nmのInGaAsP(In(インジウム)Ga(ガリウム)As(ヒ素)P(リン))発光ダイオード(LED)である。光は、ファイバの長さに沿って伝搬されかつその振幅は、地表装置505に組み込まれたフォトダイオードを利用して地表で検出される。この振幅値は、制御装置119に次いで移される。別の実施形態では、アナログ−デジタル変換器がセンサ209からの電気信号を分析しかつそれらをデジタル信号に変換するためにインターフェイス装置503で用いられる。次いでデジタル表現は、デジタル形式で光ファイバ・テザー211に沿って地表に送信されるか又は振幅又は周波数を変えることによってアナログ光学信号に戻すように変換される。光ファイバでのデジタル・データの伝送のためのプロトコルは、この技術分野で非常によく知られているのでここでは繰り返して示さない。インターフェイス装置503の別の実施形態は、センサ209からの信号を、例えば、それは光ファイバの終端における反射率の変化、又はキャビティの共鳴の変化である、地表から応答させることができる光学フューチャに変換する。ある実施形態では、光-電気間インターフェイス及び測定装置は、一つの物理的装置に一体化されかつ一つの装置として取り扱われるということに注目すべきである。
【0045】
様々な実施形態において、本発明は、コイルドチュービングの中に光ファイバ・テザーを配置する段階と、コイルドチュービングの坑井の中に測定ツールを配置する段階と、測定ツールを用いて特性を測定する段階と、及び測定した特性を伝達するために光ファイバ・テザーを用いる段階とを具備する坑井特性を決定する方法を提供する。係る特性は、例えば、圧力、温度、ケーシング・カラーの位置、抵抗率、化学成分、流れ、ツール位置、状態又は配向、固体物道床(コンクリート道床)の高さ、降水形成、二酸化炭素及び酸素のようなガス測定、pH、塩分、及び液体の圧縮性を含む。
【0046】
坑底圧の知識は、コイルドチュービングを用いる多くの操作で有用である。ある実施形態では、本発明は、坑井操作の圧力依存性パラメータを最適化するためのオペレータに対する方法を提供する。例えば、ファイバブラッググレーティング(FBG:Fiber Bragg Grating)技法及びファブリー・ペロー(Fabry-Perot)技法を用いるような、適当な光学圧力センサが知られている。ファイバブラッググレーティング技法は、特定の間隔でファイバ・コアそれ自体の屈折率を局所的に変調するファイバの小さなセクションのグレーティングに依存する。セクションは、次いで、圧力、温度又はひずみ(変形)のような物理的刺激に反応すべく拘束される。インタロゲーション・ユニットは、ファイバの他端に配置されかつ広帯域光源をファイバの長さの下方へランチする(launch)。グレーティング周期に対応する波長は、インタロゲーション・ユニットの方向に戻るように反射されかつ検出される。物理的刺激が変化すると、グレーティングの周期が変化する;その結果反射された波長が変化し、観察されている物理的特性に次いで相関され、測定を結果としてもたらす。ファイバブラッググレーティング技法は、単一のファイバに沿って多重測定を許容することの利点を提供する。ファイバブラッググレーティングを利用する本発明の実施形態では、インタロゲーション・ユニットは、地表光学装置505に配置される。
【0047】
ファブリー・ペロー技法を用いるセンサは、圧力、温度、長さ又はひずみ(変形)のような物理的刺激に応答するように拘束された小さな光学キャビティを包含する。キャビティの初めの表面は、部分反射膜を有するファイバ自体であり、対向する表面は、典型的に全反射ミラーである。インタロゲーション・ユニットは、ファイバの一端に配置されかつ広帯域光源をファイバの下方へランチするために用いられる。センサでは、特定のキャビティ長さに固有な干渉パターンが生成されて、地表に後方反射されたピーク強度の波長は、キャビティの長さに対応する。反射された信号は、ピーク強度の波長を決定すべくインタロゲーション・ユニットで分析され、観察される物理的特性に次いで相関されて、測定を結果としてもたらす。ファブリー・ペロー技法の一つの限界は、行われる各測定に対して一つの光ファイバが必要になることである。しかしながら、本発明のある実施形態では、複数の光ファイバが光ファイバ・テザー211内に供給されるし、坑内装置501において複数のファブリー・ペロー・センサの使用を許容する。ファブリー・ペロー技法を用いかつコイルドチュービング・アプリケーションにおける使用に適する一つの係る圧力センサは、カナダ、モントリオールのSt-Jean-Baptiste AvenueにあるFISO Technologiesによって製造されている。
【0048】
また、温度測定は、光ファイバ・テザー211の光ファイバと一緒にファイバブラッググレーティング又はファブリー・ペロー技法によってひずみを測定しかつファイバに取付けられた構成成分の熱膨張によって誘発されたファイバのひずみから温度に変換することにより行われる。ある実施形態では、センサは、局所化測定を行うために用いられるし、そしてまたある実施形態ではテザー211の長さに沿った完全温度分布の測定も行うことができる。温度測定を達成するために、一定波長の光のパルスが地表装置505の光源から光ファイバ回線の下方へ伝送される。回線のあらゆる測定点において、光は、後方散乱されかつ地表装置へ戻る。光の速度及び戻り信号の到着の瞬間を知ることは、ファイバ回線に沿ってその発生点を決定することが可能になる。温度は、ファイバ回線のシリカ分子のエネルギー・レベルを刺激する。後方散乱光は、(後方散乱スペクトルのストークス-ラマン及びアンタイ・ストークス-ラマン部分のような)上昇及び下降波帯を包含し、発生点における温度を決定すべく分析することができる。このようにファイバ回線の応答測定点の各々の温度は、装置によって計算することができ、それによりファイバ回線の長さに沿って完全な温度プロフィールを供給する。この汎用光ファイバ分散温度システム及び技法は、この技術分野でよく知られている。この技術分野で更に知られているように、また光ファイバ回線は、回線全体がU字形を有するように地表回線に戻る。戻り回線を用いることは、終端効果による誤差が問題の領域から遥か遠くに離れて行くので、向上された性能及び増大された空間分解能を供給する。この発明の一実施形態では、坑内装置501は、ファイバの小さなU字形セクションで構成されている。坑内終端207は、U字形の両方の半分へのテザー内の二つの光ファイバの間に二つの結合接続を供給して、組立られた装置は、地表への戻り回線を有する単一の光路になる。この発明の別の実施形態では、坑内装置501は、多側面ウェルの特定ブランチ(枝)を入力すべき装置を包含して、特定ブランチの温度プロフィールを地表に伝送することができる。次いで、係るプロフィールは、多側面ウェルの各レッグ(区間)から水領域又はオイル−ガス・インターフェイスを識別するために用いることができる。坑内ツールを配向しかつ特定の側面を入力する装置は、この技術分野で知られている。
【0049】
あるコイルドチュービング操作は、その全体の開示が参考文献としてここに採用される、米国特許公開第2004/0129418号においてV. Jee, et alによって記述されたように、坑井又は坑井の区間に沿って差温の測定から利益を得る。しかしながら、他の操作に対して、特定の場所における温度、例えば、坑底温度に関心がある。係る操作に対して、光ファイバ回線の長さに沿って完全な温度プロフィールを取得することは、必要ではない。単一点温度センサは、後者がノイズを廃棄するために時間間隔にわたる信号の平均化を必要とするという点で分散温度測定に関して利点を有する。これは、操作に対して小さな遅れを導くことができる。流体遮断装置(fluid breakers)を変更する必要がある場合(又はフォーメーションがもはやプロパントを取らない場合)には、情報の緊急性は、最も重要である。コイルドチュービングの坑底アセンブリに近い単一温度センサ又は圧力センサは、仕事に関する制御決定を許容すべく十分に速く地表にこの重要なデータを送信するための機構を提供する。
【0050】
多くのコイルドチュービング・アプリケーションでは、設置されたケーシングに対して坑井における位置を知ることが望ましい;ケーシング・カラーの存在を表す特性シグネチャを監視するケーシング・カラー・ロケータは、典型的に係る位置決め目的のために用いられる。通常のケーシング・カラー・ロケータは、電圧が変化する電界又は磁界の存在でコイルに生成されるようなツールの回りで軸方向に巻かれたソレノイド・コイルを有する。係る変化は、ケーシングの二つの長さ間の機械継手のような材料特性における変化を有するケーシングの一部にわたり坑内ツールを移動する場合に遭遇する。また、ケーシングにおける穿孔及び摺動スリーブは、ソレノイド・コイルにシグネチャ電圧を生成することもできる。ケーシング・カラー・ロケータは、例えば、ここに参考文献として採用される、米国特許第2,558,427号に記述されるように、積極的に電源投入される必要はない。本発明のある実施形態では、通常のケーシング・カラー・ロケータは、発光ダイオードを用いて電気−光間インターフェイス503を介して光ファイバ・テザー211に接続される。坑井におけるケーシング・カラーの位置を検出するために、ケーシング・カラー・ロケータは、コイルドチュービングに接続されかつ坑井の長さにわたり伝達される。コイルドチュービングが移動されると、ケーシング・カラーで遭遇したような電界又は磁界における変化が検出された場合に信号が生成され、かつその信号は、光ファイバ・テザー211を用いて送信される。深さを決定するための他の方法は、坑井の特性を測定すること、及び前の実行で取得したその同じ特性の測定に対してその特性を相関することを含む。例えば、掘削中に、坑井に沿って各点における層によって放射された自然ガンマ線の測定を行うことは一般的である。光回線を介してガンマ線の測定を供給することによって、コイルドチュービングの深さの位置は、そのガンマ線を前の測定と相関することによって取得することができる。
【0051】
坑井における流れの測定は、コイルドチュービング操作においてしばしば望ましくかつ本発明の実施形態は、この情報を提供するために有用である。コイルドチュービングの外側の坑井における流量の測定は、生産速度又は差生産速度のような坑井へのフォーメション流体の処理速度又は流速のようなフォーメションへの坑井流体の流速を決定するために用いられる。コイルドチュービングにおける流れの測定は、坑井における異なる領域への流体搬送を測定するために又は発泡処理流体におけるフォーム(泡)の品質及び濃度を測定するために有用である。坑井における流れを測定するための既知の方法は、本発明における使用に適応される。ある実施形態では、スピナーのような、流量測定装置は、光ファイバ・テザー211に接続される。流れが装置を通過するときに、流量測定装置は、流速を測定しかつその測定は、光ファイバ・テザー211を介して送信される。電気信号を出力する通常の流量測定装置が用いられるような実施形態では、光ファイバ・テザー211での送信のために電気信号を光信号に変換すべく電気−光間インターフェイス503が設置される。例えば、スピナーが回転するときに光が交互にブロック及びクリアされるように光源とフォト検出器との間にスピナーのブレードを配置することによって、直接光学技法によって、流量スピナーを測定する流量測定装置は、ある実施形態で用いられる。代替的に、間接光学技法を用いる流量測定装置は、本発明のある実施形態で用いられる。その装置の光学特性における変化が観測されるように流速が光学装置に影響を及ぼす方法に依存する、係る間接光学技法は、本発明のある実施形態に用いられる。
【0052】
しばしばコイルドチュービング操作において、坑井におけるツール又は装置の位置又は配向に関する情報を有することが望ましい。更に坑井におけるツール又は装置の状態(例えば、開けられる又は閉じられる、嵌合される又は引き離される)を決定することがコイルドチュービング操作において望まれる。坑井軌跡は、ツール配向のスポット測定から推論されるか又はツールが坑井に沿って移動されるときの配向の連続観測から決定される。各枝がそれに対してツールの配向が比較される既知の方位角(アジマス)又は傾斜角を有しているので、配向は、多元ウェルにおけるツールの位置を決定することにおいて有用である。典型的に、坑井におけるツールの配向は、ジャイロスコープ、慣性センサ、又は加速度計を用いて測定される。例えば、ここに参考文献として採用される、米国特許第6,419,014号を参照のこと。光ファイバ使用可能構成における係る装置は、知られている。例えば、光ファイバ・ジャイロスコープは、スイス、チューリッヒにある、Exalosのような多くの売主から入手可能である。本発明のある実施形態では、センサ209は、ツール位置又は配向を決定するための装置であり、坑井軌跡を決定するために有用である。この位置決め又は配向装置は、光ファイバ・テザー211に接続されるし、取られた測定は、坑井における位置又は配向を示し、かつそれらの測定は、本発明の様々な実施形態において光ファイバ・テザー211で送信される。代替実施形態では、センサ209は、電気−光間インターフェイス503を介して光ファイバ・テザー211に連結された通常の又はMEMSジャイロスコープ装置である。
【0053】
係る位置決め又は配向装置の使用は、多元坑井で特に有用である。本発明のある実施形態では、参考文献としてその全体がここに採用される米国特許第6,349,768号に記述されたような、多元坑井枝の特定の枝に入るための装置は、ツール又は装置が多元坑井の枝の入力地点にあるかどうかをまず決定しそれから枝に入るべく位置決め又は配向装置と共に用いられる。このようにしてコイルドチュービングは、坑井内の所望の位置に位置決めされるか又は坑底アセンブリは、所望の構成に配向される。更に、機械又は光学スイッチは、係る坑底アセンブリの位置又は状態を決定するために用いられる。
【0054】
あるコイルドチュービング操作において、固体物道床の高さ又は沈殿物形成のような、坑井の固体物に関する情報が望ましい。本発明のある実施形態では、センサ209は、ウェル操作中に固体物を測定するか又は沈殿物形成を検出するために有用である。係る測定は、光ファイバ・テザー211を介して送信される。測定は、コイルドチュービング操作を改良又は最適化すべく、流体ポンプ速度又はコイルドチュービングを移動する速度のような、パラメータを調整するために用いられる。本発明のある実施形態では、光学インターフェイス、又はキャリパーを有する通常の近接センサを含んでいる、近接センサは、ウェルにおける固体物道床の位置及び高さを決定するために用いられる。既知の近接センサは、坑底アセンブリとケーシング壁の内側との間の距離を検出するために原子核、超音波又は電磁気方法を用いる。また、係るセンサは、破砕のような坑井操作における差し迫った支持材の目詰まりを警告するためにも用いられる。沈殿物を検出することは、コイルドチュービング操作、例えば、マトリクス・スティミュレーション中に実行されるウェル処理の進行を観測するために坑井操作で有用である。本発明のある実施形態では、センサ209は、反射率及び散乱振幅の直接光学測定のような既知の方法を用いて沈殿物形成を検出するための装置である。
【0055】
一般に坑井操作において、抵抗率のような特性の測定は、形成における炭化水素又は他の流体の存在のインジケータとして用いられる。本発明のある実施形態では、ツール又はセンサ209は、通常の技法を用いて抵抗率を測定するために用いられるしかつ電気−光間インターフェイスを通して光ファイバ・テザー211とインターフェイスされるしそれにより抵抗率測定が光ファイバ・テザーで送信される。代替的に、抵抗率は、光ファイバ・テザー211の表面に次いで送信される抵抗率による光学変化を伴う、光学技法を用いて塩度又は屈折率を測定することによって間接的に測定される。様々な実施形態において、本発明は、形成、構成流体、処理流体、又は流体−固体−ガスの産物又は副産物の抵抗率観測を供給するために有用である。
【0056】
坑井アプリケーションでは、ある程度の化学分析は、ルミネセンス・センサ、蛍光(フロリセンス)センサ又は抵抗率センサとこれらの組合せのような坑内センサによって決定される。ルミネセンス・センサ及び蛍光センサは、それらの出力を分析するための光学技法と同様に知られている。これを達成する一つの方法は、反射率測定である。光ファイバ・プローブを利用して、光は、流体の中に示されかつ光の一部がプローブに反射して戻されかつ流体におけるガスの存在に相関される。蛍光及び反射率測定の組合せは、流体のオイル又はガス・コンテントを決定するために用いられる。本発明のある実施形態では、センサ209は、それからの出力が光ファイバ・テザー211を介して送信されるルミネセンス又は蛍光センサである。一つ以上の光ファイバが光ファイバ・テザー211内に供給されるような特定の実施形態では、一つ以上のセンサ209が光ファイバの個別のもので情報を送信する。
【0057】
また、坑井におけるCO2及びO2のような検出ガスの存在も光学的に検出される。係るガスを測定するように構成されたセンサは、知られている;例えば、ここに参考文献として採用される、O. S. Wolfbeis, L. Weis, M. J. P. Leiner及びW. E. Zieglerによる“Fiber Optic Fluorosensor for Oxygen and Carbon Dioxide”, Anal. Chem. 60, 2028-2030 (1988)を参照のこと。そこに記述されたように、様々な光学信号を同時に送信するための光ファイバ光導波路の機能は、酸素及び二酸化炭素の測定のための光ファイバ・センサを構築するために用いることができる。酸素感応物質(例えば、シリカ・ジェル−吸収型蛍光金属有機複合物)及びCO2感応物質(例えば、緩衝溶液における固定化pHインジケータ)は、光ファイバの遠位端に取付けられたガス透過性ポリマー・マトリクスに配置される。両方のインジケータは、(エネルギー移動を回避するために)同じ励起波長を有するが、それらは、かなり異なる放射最大値を有する。そこで、二つの放射帯は、独立した信号を供給すべく干渉フィルタの助けによって分離される。典型的に、酸素は、±1トル(Torr)の精度を有して0〜200トル範囲で決定されるしかつ二酸化炭素は、±1トルで0〜150トル範囲で決定される。そこで、本発明の様々な実施形態では、センサ209は、それから測定が光ファイバ・テザー211を介して送信されるCO2又はO2を検出する光学装置であってもよい。
【0058】
pHの測定は、処理化学薬品の性質がpHにかなり依存するので多くのコイルドチュービング操作で有用である。また、pH測定の測定は、流体における沈殿物を決定するためにも有用である。pHセンサを測定するための光ファイバセンサが知られている。Journal of Testing and Evaluation, Vol. 21, Issue 5, Sept., 1993にM. H. Maher及びM. R. Shahriariによって記述された一つの係るセンサは、pHインジケータで固定された多孔質ポリマー薄膜で構築され、多孔性プローブに内蔵されたセンサである。このセンサの光学スペクトル特性は、可視光(380〜780nm)で試験したpHレベルにおける変化に対してかなり良好な感度を示した。また、ゾルゲル・プローブは、特定の化学物質含有量並びにpHを測定するために用いることもできる。代替的にセンサは、流体の中に注入されているダイ(染料)の光学スペクトルを測定することによってpHを測定するし、それによりそのスペクトル特性が流体のpHにより変化するようにそのダイが選択される。係るダイは、事実上、リトマス紙に類似し、かつこの産業分野でよく知られている。例えば、コロラド州デンバーのThe Science Companyは、pHにおける狭い変化により色を変化させる多数のダイを販売している。ダイは、地表で側脚305を通して流体に挿入される。本発明の様々な実施形態において、センサ209は、センサからの測定が光ファイバ・テザーを介して送信されるような光ファイバ・テザー211に接続されたpHセンサである。
【0059】
pH変化における変化の検知は、本発明が坑井流体における変化を観測するために用いられる方法の一例であるということに注目する。化学的、生物的又は物理的パラメータにおける変化を測定するために有用なセンサは、光ファイバ・テザー211を介して特性の測定又は特性における変化の測定がそれから送信されるセンサ209として用いられるということは、本発明内で完全に考慮されている。
【0060】
例えば、坑井流体又は注ぎ込まれた流体の塩分は、本発明の実施形態を用いて測定又は観測される。本発明において有用な一つの方法は、光ファイバで光信号を送りかつブラインの塩分による受信端面での光屈折によってもたらされたビーム偏向を検知することである。測定された光信号は、反射されかつ連続的に直線的に配列されたファイバ・アレイを通して送信され、次いで光強度ピーク値及びその異常が電化結合素子によって検出される。係る構成において、センサ・プローブは、本質純粋GaAs単結晶、直角プリズム、分割ウォータ・セル、付属自己焦点レンズを有する放射ファイバ、及び直線配列受信ファイバ・アレイで構成される。塩分変化を測定するための代替方法は、参考文献としここに採用された、“Measurement of the Degree of Salinity of Water with a Fiber-Optic Sensor”, Applied Optics, Volume 38, Issue 25, 5267-5271 September 1999でO. Esteban, M. Cruz-Navarrete, N. lez-Cano及びE. Bernabeuによって提案されている。記述された方法は、屈折率従って水の塩分の程度の決定に対して表面プラズモン共鳴に基づく光ファイバ・センサを用いている。変換素子は、側面研磨単一モード光ファイバに配置された多層構造体で構成されている。ファイバによって送信されたパワーの減衰を測定することは、構造体の外側媒体の屈折率との直線関係が得られることを示す。システムは、水とエチレン・グリコールの混合物で得られた可変屈折率の使用によって特徴付けられる。
【0061】
本発明の実施形態は、流体圧縮性を測定するためにかつ光ファイバ・テザー211を介して送信された測定のために、センサ209が参考文献として全体がここに採用された米国特許第6,474,152号に記述されたような装置である場合に流体圧縮性を測定するために有用である。係る測定は、容積圧縮を測定することの必要性を回避しかつコイルドチュービング・アプリケーションに特に適する。流体圧縮性を測定することにおいて、圧力における変化からもたらされる一定の波長における光吸収における変化は、流体の圧縮性と直接的に相関する。換言すると、炭化水素流体への圧力変化のアプリケーションは、一定の波長における流体によって吸収される光の量を変化し、流体の圧縮性の直接指示として用いることができる。
【0062】
様々な実施形態において、本発明は、コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置すること、坑井にコイルドチュービングを配置すること及び以下の段階の少なくとも一つを実行すること:制御システムから光ファイバ・テザーでコイルドチュービングに接続された坑井装置に制御信号を送信すること;坑井装置から制御システムへ光ファイバ・テザーで情報を送信すること;又は光ファイバ・テザーを介して制御システムへ光ファイバ・テザーによって測定された特性を送信すること、を具備している地下坑井における操作を実行する方法を提供する。ある実施形態では、本発明は、光ファイバ・テザーをコイルドチュービングに配置すること、コイルドチュービングをウェルに配置すること;及び操作を実行すること;操作は、光ファイバ・テザーで送信された信号によって制御される、を具備している坑井で作業する方法を提供する。係る操作は、例えば、弁を起動すること、ツールを設定すること、ファイアリング・ヘッド(firing heads)又はパーフォレーティング・ガン(perforating guns)を起動すること、ツールを起動すること、及び弁を逆転(反転)することを含んでもよい。係る例は、限定するものとしてではなく例として与えられる。
【0063】
本発明のある実施形態では、ツールのような坑内装置は、光ファイバ・テザー211で送信された信号を介して光学的に制御される。同様に、ツール設定のような、坑内装置に関する情報は、光ファイバ・テザー211で送信される。光ファイバ・テザー211が一つ異常の光ファイバを備えているようなある実施形態では、光ファイバの少なくとも一つをツール通信専用にしてもよい。望ましいならば、一つ異常の坑内装置が供給されるしかつ個別の光ファイバを各装置専用にしてもよい。単一の光ファイバが光ファイバ・テザー211に供給されるような他の実施形態では、この通信は、また同じファイバが検知(感知)された情報を伝達するために用いられるように多重化される。複数のツールが存在する場合には、所与の時間におけるパルスの数、一定パルスの長さ、入射光の強度、入射光の波長、及びバイナリ命令のような、多重化スキームは、更なるツールを含むように拡張される。
【0064】
本発明のある実施形態では、弁起動機構のような坑内装置が、光ファイバ使用可能弁を形成すべく光ファイバ・インターフェイスと共に供給される。光ファイバ・インターフェイスは、制御信号が光ファイバ・テザー211を介して装置へ送信されるように光ファイバ・テザー211に接続される。光ファイバ・インターフェイスの一実施形態は、弁を次いで作動させるソレノイドを駆動する小さな電気信号に光信号を変換すべく小さな電池と一緒に光−電気間インターフェイス・ボードで構成される。
【0065】
典型的にコイルドチュービング装置において、坑内ツールは、坑井に配置される前に地表で構成される。しかしながら、ツール坑内のセッティングを設定又は調整することが望ましい場合が存在する。本発明のある実施形態では、坑内ツールは、光信号を受信しかつ光信号を電気又はデジタル信号に変換するための光−電気間インターフェイスを備えている。光−電気間インターフェイスは、ツール又はセンサに対するパラメータをそれにダウンロードしかつ潜在的にメモリに記憶するために坑内ツールのロジックに更に接続される。そこで、光ファイバ・テザー211でツール・パラメータを受信するように構成されるツールによる光ファイバ使用可能コイルドチュービング操作は、リアルタイムで坑内ツール設定(tool settings downhole)を調整するための機能をオペレータに提供する。
【0066】
一例は、光ファイバ・ケーシング・カラー回路の利得の調整である。この場合には、一つの利得設定は、毎分50〜100フィート(0.254〜0.508m/秒)の速さでのトリッピング操作に対して望ましく、別の利得設定は、毎分10フィート(0.0508m/秒)以下の速さでのロギング又はパーフォレーティング操作に対して望ましい。地表装置からの制御信号は、光ファイバ・テザー211を介してケーシング・カラー・ロケータに送信される。係る機能性は、ケーシングの特定の冶金に基づき、望まれる異なる利得設定として有用である。この冶金は、予め知りえないしそしてその結果、ケーシング・カラー・ロケータによって行われかつ光ファイバ・テザー211を介して地表装置へ送信された測定に応じてリアルタイムで利得設定を調整するために光ファイバ・テザー211を介して地表装置からケーシング・カラー・ロケータへ制御信号を送ることが望ましい。
【0067】
一実施形態では、本発明は、地表装置から坑内装置へ制御信号を送信することによってパーフォレーティング・ガン又はファイアリング・ヘッドを坑内で起動する方法を提供する。光ファイバ・インターフェイスは、ファイアリング・ヘッドで用いられるし電気信号を用いて起動されるし、光ファイバ・インターフェイスは、ファイアリング・ヘッドを起動するために光ファイバ・テザー211で送信された光信号を電気信号に変換する。インターフェイスに電源投入するために小さな電池が用いられる。一つ以上のファイアリング・ヘッドが用いられる。光ファイバ・テザー211が一つ以上の光ファイバを備えているような実施形態では、固有のファイバに各ヘッドを割り当てることができる。代替的に、単一の光ファイバが供給される場合、固有のコード化されたシーケンスは、離散信号をファイアリング・ヘッドの様々なものに供給するために用いられる。係る制御信号を送信するための光ファイバの使用は、有線ケーブルで経験されるような電磁気クロス・トークにより間違ったヘッドの偶発性ファイアリングの可能性を最小にするので有利である。代替的に、地表からの光源は、直接、爆発性ファイアリング・ヘッドを起動するために用いられる。一定の実施形態では、ファイアリング・ヘッドは、参考文献としてここに採用された米国特許第4,859,054号に記述されたような光学制御回路を用いて起動される。
【0068】
コイルドチュービング操作において、坑井でツールを起動することがしばしば必要である。ツール起動は、それらに限定されないが、格納されたエネルギーの解放、セーフティ又はロックアウトの移動、クラッチの起動、弁の起動、パーフォレーティング(穿孔)に対するファイアリング・ヘッドの起動を含むような、様々な形式をとることができる。係る起動は、ウェル・インフルエンスの影響を受けやすく、かつしばしば無駄である、圧力、流速、及び押す/引く力で構成されている初歩的遠隔測定を用いて典型的に制御又は確認される。例えば、地表で付勢された押力/引力は、坑井で摩擦によって低減され、摩擦の大きさは未知である。圧力通信を用いる場合には、信号は、コイルドチュービングを通る循環流体及び坑井内の流れに関連付けられた摩擦圧力によってしばしばマスクされる。流速は、典型的に通信のより良い手段である;しかしながら、あるツールは、流速インジケータに影響を及ぼす未知の流体リークオフへ導く構成を必要とする。本発明のある実施形態では、ツール起動信号は、光ファイバ・テザー211でツールへ送信される。ある場合には、ツールは、増幅回路を有するしかつ光信号を受信しかつ、他の場合には、ツールが直接光信号を受信するために適すると同時に、ツール起動回路がそれに応答する電気信号へ光信号を変換するように動作可能である光−電気間インターフェイスを備えている。
【0069】
本発明の一実施形態では、光学的に制御された反転弁は、光ファイバ・テザーに接続される。信号は、例えば、一定の条件下で流体の逆循環(即ち、環帯からコイルドチュービングへ)を許容すべくチェック弁を使用不能にすべく光ファイバ・テザー211を介して地表制御装置119から反転弁へ送られる。この信号に応じて、弁は、チェック弁を起動すべく使用不能位置から移動する。実施形態では、反転弁の光ファイバ起動は、弁の状態を指示すために弁からの信号を地表装置へ更に供給してもよい。
【0070】
様々な実施形態において、本発明は、坑井により交差された地下層を処理する方法を提供し、該方法は、光ファイバ・テザーをコイルドチュービングに配置すること、コイルドチュービングを坑井に配置すること、ウェル処理操作を実行すること、坑井における特性を測定すること、及び測定した特性を伝達するために光ファイバ・テザーを用いることを具備する。光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置200は、ウェル処理、ウェル仲介及びウェル・サービスを実行するために用いられるしかつ通常のコイルドチュービング装置を用いて今まで可能ではなかった操作を許容する。本発明の重要な利点は、光ファイバ・テザー211がウェル処理操作に対してコイルドチュービング・ストリングの使用を妨げないということに注目する。更に、多くのウェル処理操作が、例えばその坑井の内側に沿って酸を“洗う”ために、坑井においてコイルドチュービングを移動することを必要とするが、本発明の利点は、コイルドチュービングが坑井において動いているときの使用に適しているということである。
【0071】
マトリクス・スティミュレーションは、流体、典型的には酸性がポンピング操作を介して地層に注入されるウェル処理操作である。コイルドチュービングは、それが所望の領域への処理の集中的な注入を許容するので、マトリクス・スティミュレーションで有用である。マトリクス・スティミュレーションは、地層への多数の注入流体の注入を含む。多くのアプリケーションにおいて、第1のプリフラッシュ流体は、沈殿物をもたらす物質を除去するために注ぎ込まれ、次いで第2の流体は、一度近坑井領域がクリアされたならば注ぎ込まれる。代替的に、マトリクス・スティミュレーション操作は、流体と固体化学薬品との混合物の注入をもたらす。
【0072】
図6を参照すると、ウェル処理流体がコイルドチュービング601を介して坑井600に導入される本発明による光ファイバ・テザーを備えているコイルドチュービング装置を用いて実行されるマトリクス・スティミュレーションの概略図が示されている。処理流体は、その目的のためにこの技術分野で知られた様々なツールの一つ、例えば、コイルドチュービングに取付けられたノズルを用いて導入される。図6の例では、坑井600に導入される流体は、障壁603及び605によって処理領域から漏れることが防止される。障壁603及び605は、膨張式パッカーのような機械式障壁又はパッド又は発泡障壁のような化学的隔壁であってもよい。
【0073】
坑井600の適当な領域に処理流体を配置することは、マトリクス・スティミュレーション操作において好ましい。好適な実施形態では、深さを決定することができるように構成された光センサ607は、マトリクス・スティミュレーション流体を供給する坑内装置の位置を決定するために用いられる。光センサ607は、オペレータに最適な位置での処理流体の導入を起動させるべく坑井600における位置を地表制御装置に通信するために光ファイバ・テザー211に接続される。
【0074】
本発明は、各々がマトリクス・スティミュレーション操作の成功を観測するために有用である、坑底圧力、坑底温度、坑底pH、処理流体と地層との相互作用によって形成された沈殿物の量、及び流体温度のようなパラメータのリアルタイム観測を許容する。係るパラメータを測定するためのセンサ609(例えば、圧力、温度、又はpHを測定するための又は沈殿物形成を検出するためのセンサ)は、コイルドチュービング601内に配置された光ファイバ・テザー211へ及び光ファイバ・テザー211へ接続される。次いで測定は、光ファイバ・テザー211で地表装置に通信される。
【0075】
例えば、坑底圧力のリアルタイム測定は、地層スキンを観測しかつ評価するために有用であり、それによりスティミュレーション流体の注入速度の最適化を許容するか、又は混合流体の濃度又は相対比率(組成比)又は調整されるべき混合流体と固体化学薬品の相対比率を許容する。コイルドチュービングが動いている場合、リアルタイム坑底圧力の測定は、コイルドチュービングの動きを考慮に入れてスワブ(swab)及びサージ(surge)効果を取り除くことによって調整される。リアルタイム坑底圧力の別の使用は、所望のしきい値レベル以下に流体ポンピングからの坑井圧力を維持することである。例えば、マトリクス・スティミュレーション中に、坑井表面を処理流体に接触させることは重要である。坑井圧力があまりにも高いならば、地層は、破砕しかつ処理流体は、割れ目に望ましくなく流れ込む。リアルタイムで坑底圧力を測定するための機能は、処理流体がフォームされる(泡状になる)場合に特に有用である。非発泡流体を注ぎ込む場合、坑底圧力は、時として、坑井を降下するときの摩擦損に対してある式を想定することによって地表(表面)測定から決定されるが、しかし係る方法は、発泡流体での使用に対してまだ十分に確立されていない。
【0076】
また、圧力以外の坑底パラメータの測定もウェル処理操作で有用である。リアルタイム坑底温度測定は、フォームの質を計算するために用いられ、従って迂回路(diversion)技法の効果的使用(effective employment)の確保に有用である。同様に坑底温度は、スティミュレーション操作の進行を決定することに用いられ、従って混合流体と固体化学薬品の濃度又は相対比率を調整することに有用である。坑底pHの測定は、処理流体の最適濃度又は注ぎ込まれた各流体の相対比率又は混合流体と固体化学薬品の濃度又は相対比率を選択する目的に対して有用である。また、坑井の壁と流体の相互作用によって形成された沈殿物の測定は、処理流体の濃度又は混合物、例えば、混合流体と固体化学薬品の相対濃度又は相対比率を調整するかどうかを分析するために採用される。
【0077】
複数の流体が地層に注入されるコイルドチュービング装置200の代替使用では、一部でコイルドチュービングを通してかつ一部でコイルドチュービング105と坑井121の壁の間に形成された環帯を通して、コイルドチュービング105は、環帯に注入された流体からコイルドチュービング105を通して注入された流体を分離すべく機械式障壁を形成する。リアルタイムで測定されかつ光ファイバ・テザー211で地表に送信された坑底温度及び坑底圧力のような測定は、コイルドチュービング105を通して注入された流体と環帯に注入された流体の相対比率を調整するために用いられる。
【0078】
コイルドチュービング105がコイルドチュービング105の流体と環帯の流体との間の障壁として動作するような一つの代替では、コイルドチュービング105を通して注入された流体は、発泡されるか又は気泡される。コイルドチュービング105の終端でダウンホール(油井の穴)を解放した場合、発泡流体は、コイルドチュービングのベースの回りの環状空間を部分的に充たしそれによりコイルドチュービングの下方に注入された流体と環帯の下方に注入された流体との間の環帯にインターフェイスを生成する。環帯に注入された流体とコイルドチュービングに注入された流体の相対比率、及びコイルドチュービングの位置を含んでいるスティミュレーション操作の様々なパラメータは、そのインターフェイスが貯留層における特定の所望の位置に位置決めされることを確保すべく調整されるか又はインターフェイスの位置を調整するために用いられる。インターフェイスの特定の位置を調整することは、スティミュレーション流体が貯留層からの炭化水素の流れを増進するか又は非炭化水素支持領域からの流れを妨げるために貯留層の興味のある領域に入ることを確保するために有用である。炭化水素の流れを増進しかつ非炭化水素の流れを妨げるために参考文献としてその全体がここに組み入れられた米国特許第6,667,280号に記述されたような迂回流体(diverting fluid)は、コイルドチュービングの下方に注入される。
【0079】
あるマトリクス・スティミュレーション操作では、触媒を坑井における特定の位置に伝達するためにコイルドチュービング105の下方に触媒を注入することが望ましい。測定されかつ光ファイバ・テザー211でリアルタイムに地表に送信される坑底温度、坑底圧力、及び坑底pHのような物理特性は、マトリクス・スティミュレーション処理の進行を観測するための用いられかつその処理に影響を与えるべく触媒の濃度を調整するために結果として用いられる。本発明のある実施形態では、マトリクス・スティミュレーション操作で光ファイバ・テザー211は、米国特許公開第2004/0129418号に記述されるような分散温度プロフィールを供給するために用いられる。
【0080】
別のウェル処理操作では、本発明の光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置200は、破砕操作に採用される。コイルドチュービングを通した破砕は、スラリー又は酸(アシッド)が圧力下で地層に注入されるスティミュレーション処理である。破砕操作は、いつくかの方法でリアルタイムでデータを送信するために光ファイバ・テザー211を用いることで本発明の機能から利益を得る。最初に、坑底圧力及び温度のようなリアルタイム情報は、坑井における処理の進行を観測しかつ破砕流体混合物を最適化するために有用である。しばしば破砕流体、そして特にポリマー破砕流体は、ポリマーを壊すためにブレーカー添加剤(breaker additive)を必要とする。ポリマーを壊すために必要な時間は、温度、露出時間及びブレーカー濃度に関連付けられる。結果として、坑内温度の知識は、流体が地層に入るとき又はその後直ぐに流体を壊すためにブレーカー・スケジュールを最適化させ、それによりポリマートと地層の接触を低減する。ポリマーの含有は、破砕操作で用いられるプロパント(例えば、砂)を運ぶための流体の機能を増進する。
【0081】
更に、圧力センサは、破壊伝搬の特性を許容すべくコイルドチュービングに配置される。ノルティ−スミス(Nolte-Smith)グラフは、処理伝搬を評価するためにこの産業で用いられる圧力対時間の対数−対数グラフである。それ以上の砂を許容しない地層の不能は、対数(圧力)対対数(時間)のスロープにおける上昇によって検出することができる。本発明を用いてリアルタイムでその情報を付与することにより、地表で流体/プロパントの速度及び濃度を調整しかつプロパントをコイルドチュービングから押し出すべく坑内弁機構を起動するようにコイルドチュービングを操作することが可能である。一つの係る坑内弁機構は、参考文献としてその全体がここに組み入れられた米国特許公開第2004/0084190号に記述されている。坑内圧力センサは、坑井処理に関する情報を地表に供給するために圧力測定が地表装置に送信されるように光ファイバ・テザー211に接続される。更に、光ファイバ・テザー211に接続された坑内圧力センサからの測定は、処理下の地下層が処理流体をもはや受け容れない処理スクリーンアウト(支持材の目詰まり)のオンセットを識別するために用いられる。この状態は、ノルティ−スミス(Nolte-Smith)グラフで圧力における漸増(緩やかな増大)によって典型的に先行され、係る緩やかな上昇は、典型的に地表ベースの圧力測定だけを用いて識別可能ではない。その結果、本発明は、圧力における緩やかな上昇を識別するために有用な情報を提供しかつスクリーンアウト状態の影響を回避又は最小化するためにオペレータが速度及び砂濃度のような処理パラメータを調整できるようにする。
【0082】
一般に、特定の地下層における処理流体の適切な配置は、重要である。本発明の一つの代替実施形態では、センサ607は、ウェル600におけるコイルドチュービング装置の位置を決定するように動作可能でありかつ更に光ファイバ・テザー211で位置を示す必要データを送信するように動作可能なセンサである。センサは、例えば、ケーシング・カラー・ロケータ(CCL)であってもよい。コイルドチュービングの深さ、地表装置への伝達された破砕ツールを、地表制御装置119にリアルタイムで送信することによって、破砕深さ(割れ目の深さ)が所望領域又は多孔質区間に対応することを確実にすることが可能である。
【0083】
フィル・クリーンアウト(fill cleanout)は、コイルドチュービングをしばしば採用する別の坑井操作である。本発明は、光ファイバ・テザー211によりリアルタイムで洗浄ノズルにおけるフィル・ベッド高さ及び砂濃度のような情報を供給することによってフィル・クリーンアウトにおいて利点を提供する。本発明の実施形態によれば、操作は、コイルドチュービングの終端がハード・フィルの中に更に押し込むときに圧縮が増大するので、コイルドチュービングの圧縮の坑内測定を供給することにより向上することができる。本発明のある実施形態によれば、坑内センサは、流体特性及び流体特性に影響を及ぼす坑井パラメータを測定しかつ光ファイバ・テザー211でそれらの特性を地表装置に通信するように動作可能である。フィル・クリーンアウト中に測定することが望ましい流体特性及び関連パラメータは、それらに限定されないが、粘度及び温度を含む。これらの特性の観測は、フィル・クリーンアウト操作で用いられる流体の化学反応又は混合を最適化するために用いられる。本発明の更に別の実施形態によれば、光学的に使用可能なコイルドチュービング・システム200は、参考文献としてその全体の内容がここに組み入れられる、Rovovic等による発明の名称が“Apparatus and Methods for Measurement of Solids in a Wellbore”という米国特許出願第11/010,116号に記述されたようなクリーンアウト・パラメータを供給するために用いられる。
【0084】
ここで図7を参照すると、本発明による光ファイバ使用可能コイルドチュービング・ストリングを採用することによって向上されたフィル・アウト操作の概略図が示されている。コイルドチュービング601は、ウェル600の中に洗浄流体を伝達するために用いられかつフィル703に適用される。コイルドチュービングの坑内端は、何らかのノゾル701で供給される。センサ705は、光ファイバ・テザー211に接続される。センサ705は、コイルの圧縮、圧力、温度、粘度、及び密度を含んでいるフィル・クリーンアウト操作で有用である様々な特性のいずれかを測定する。次いで、特性は、クリーンアウト処理の更なる分析及び可能な最適化のために地表装置へ光ファイバ・テザー211により伝達される。
【0085】
代替実施形態では、ノズル701は、複数の制御可能ポートを備えている。クリーン・アウト操作中、ノズルは、詰まるか又は塞がれる。複数の制御可能ポートを選択的に開くことによって、ノゾルは、制御可能ポートを選択的に洗い流すことによってクリーンになる。係る操作に対して、一つ以上の制御可能ポートを選択的に洗い流すようにノゾルに指示すべく地表装置からノゾル701に制御信号を伝達するために光ファイバ・テザーが採用される。光信号は、制御可能ポートを起動し、光信号は、電気アクチュエータを制御するために用いられる。代替的に、アクチュエータは、ファイバを通して送られた光学パワーが、結果の作用をもたらす、特に、一つ以上の制御可能ポートを選択的に開閉すべく弁に電源投入するようなファイア−バイ−ライト(fire-by-light)弁であってもよい。
【0086】
本発明のある実施形態では、光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置200のツール又はセンサ607は、スケール除去に用いられるカメラ又は感触装置を備えていてもよい。スケールは、生産チュービングの内側に配置されそれから制限(restriction)として動作しそれによりウェルの容積を低減し及び/又は採油費(lifting cost)を増大する。光ファイバ・テザー211に接続されたカメラ又は感触装置は、生産チューブにおけるスケールの存在を検出するために用いられる。カメラの場合には、写真画像、又は感触装置の場合には、スケールの存在を示すデータのいずれかが、坑内カメラ又は感触装置からそれが分析される地表へ光ファイバ・テザー211で送信される。
【0087】
別の代替では、ツール又はセンサ607は、光ファイバ制御弁を備えている。光ファイバ制御弁は、光ファイバ・テザー211に接続されかつ地表装置からの制御信号に応じて、弁は、スケール配置を除去又は阻止すべく薬品を混合するか又は解放するために用いられる。
【0088】
例えば、スティミュレーション、水管理、及び試験のような、コイルドチュービング操作では、全ての注入又は生成された流体が興味のある分離された領域(isolated zone)から来ることを確実にするために坑井における特定の開領域(open zone)を分離することがしばしば望ましい。本発明の実施形態では、光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置200は、領域制御装置を始動するために採用される。光ファイバ・テザー211は、地表装置を用いているオペレータに領域分離装置を従来技術のプッシュ−プル及び水力コマンドを用いて可能であるよりもさらに正確に制御させる。また、領域分離操作は、(例えば、CCLから)圧力、温度及び位置のリアルタイム利用可能性の利益を得る。
【0089】
光ファイバ・テザー211と一緒に、光ファイバ通信を採用することにより、領域分離操作及び測定は、通信システムが流体を注入するためにコイルの使用を妨げないので、かなり改善される。更に、必要なポンピングの量を低減することにより、ここに記述したように領域分離に対して光ファイバ通信を用いているオペレータは、費用及び時間の節約を期待することができる。
【0090】
本発明の実施形態は、コイルドチュービングを用いたパーフォレーティング(穿孔作業)において有用である。パーフォレーティングを行う場合、優れた深さ制御を有することは、とても重要である。しかしながら、コイルドチュービング操作における深さ制御は、コイルドチュービングが坑井で取る残留する曲がりくねった経路により困難である。従来技術のコイルドチュービング伝達パーフォレーション操作では、水力始動式ファイアリング・ヘッドがファイアされる深さは、ストレッチ予測プログラム又は個別の測定装置と共に用いられる一連のメモリ・ランによって制御される。メモリ・アプローチは、費用が掛かりかつ時間が浪費され、かつ個別の装置を用いることは、仕事に時間と経費を追加する。
【0091】
図8に示すのは、光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置200がパーフォレーション(穿孔)を実行するように構成された本発明によるコイルドチュービング伝達パーフォレション・システムの概略図である。ケーシング・カラー・ロケータ801は、コイルドチュービング601に取り付けられかつ光ファイバ・テザー211に接続される。また、コイルドチュービングに取り付けられているのは、パーフォレーティング・ツール803、例えば、ファイアリング・ヘッドである。ケーシング・カラー・ロケータ801は、光ファイバ・テザーでケーシング・カラーの位置を示す信号を地表装置に送信する。また、パーフォレーティング・ツール803は、直接的又は間接的のいずれかで、光ファイバ・テザー211にも接続され、それによりケーシング・カラー・ロケータによって所望の深さが測定された場合に光ファイバ・テザー211で地表装置から光信号を送信することによって起動される。
【0092】
図9を参照すると、光ファイバ制御弁901又は901’が坑井及び貯留層流体の流れを制御するために用いられる坑内流れ制御の例示的図面が示されている。例えば、制御弁901がコイルの下方に注入された流体を貯留層へ指向するために用いられるか又は制御弁901’がコイルドチュービング601を取り囲んでいる環帯をフロー・バックアップする流体を指向するために用いられる。この技法は、“スポッティング”としばしば呼ばれかつその流体の適当な容積が貯留層をスティミュレートするような状況に有用であるが、しかし、あまりにも多量なその流体は、事実、地下層から来る生産に損害を与える。ある実施形態では、本発明は、光信号を取りかつ光の検出を電圧又は電流ソースに変えて、制御弁901又は901’のアクチュエータを次いで駆動する、増幅回路903又は903’に結合された光感知検出を含む、流れを制御するための特定の機構を備えている。小さな電源が電気増幅回路903又は903’を駆動するために用いられる。
【0093】
一つの一般的なコイルドチュービング操作は、摺動スリーブのような坑井仕上げ装備(付属)品を操作するための使用である。典型的にこれは、仕上げ構成部品とラッチする特別に設計されたツールを実行することによって達成され、それからコイルドチュービングは、操作されて仕上げ構成部品の操作を結果としてもたらす。本発明は、構成部品の選択的操作を許容するため又は単一トリップで一つ以上の操作を許容するために有用である。例えば、オペレータがウェルがクリーンにされかつ仕上げ構成部品が始動されることを要求したならば、光ファイバ・テザー211は、クリーンアウト構成と操作構成との間を選択的に移動すべく制御システム119に対して制御信号を送るために用いることができる。同様に、本発明は、非関連介入を実行すると同時に、坑井における装置の状況又は位置を確認するために用いられる。
【0094】
コイルドチュービングが採用される別の坑井操作は、坑井でなくした装置をフィッシングすることである。フィッシングは、坑井に残っている最上部の構成部品をラッチするために特別サイズのグラプル又はスピアを典型的に必要とし、その最上部の構成部品は、フィッシュと呼ばれる。ある実施形態では、ツール又はセンサ209は、光ファイバ・テザーに接続されたセンサでありかつフィッシュが探索ツールでラッチされるということを確認すべく動作可能である。センサは、例えば、フィッシュの適切なラッチングを感知する、機械又は電気装置である。センサは、適切にラッチされたフィッシュの検出を光ファイバ・テザー211で地表装置に送信される光信号に変換するために光インターフェイスに接続される。別の実施形態では、ツール又はセンサ209は、光ファイバ・テザーに接続されかつフィッシュの大きさ及び形状を正確に決定するように動作可能な画像形成装置(例えば、カリフォルニア州OxnardのDHV Internationalから入手可能なカメラ)である。画像形成装置で取得した画像は、光ファイバ・テザー211で地表装置に送信される。他の実施形態では、調整可能探索ツールは、探索ツールが光ファイバ・テザー221による光信号の送信により地表装置から制御されるように光ファイバ・テザー211に接続され、それゆえに必要な探索ツールの数をかなり減少させる。この実施形態では、ツール又はセンサ209は、上述した光学起動式弁及びポートに類似する光学起動式装置である。
【0095】
ある実施形態では、本発明は、光ファイバ・テザーをコイルドチュービングに配置すること、コイルドチュービングで測定ツールを坑井の中に配置すること、測定ツールを用いて特性を測定すること、及び測定した特性を伝達するために光ファイバ・テザーを用いることを具備している坑井をロギングするか又は坑井の特性を決定する方法に関する。コイルドチュービング及び測定ツールは、坑井から撤回されかつ測定は、撤回中に行われるか、又は測定は、ウェル処理操作の実行と同時に行われる。測定された特性は、リアルタイムで地表装置に伝達される。
【0096】
有線ロギングでは、一つ以上の電気センサ(例えば、層抵抗率を測定するもの)は、ゾンドとして知られるツールに組合わされる。ゾンデは、電気ケーブルで坑井に降下されかつその後、測定が収集されている間に坑井から引き抜かれる。電気ケーブルは、ゾンドにパワーを供給すること及び収集したデータのデータ遠隔測定の両方のために用いられる。また、ウェル・ロギング測定は、電気ケーブルがコイルドチュービングの中に搭載されたコイルドチュービング装置を用いても行われる。本発明による光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置は、光ファイバ・テザー211が電気回線よりも容易にコイルドチュービングに配置されるという利点を有する。光ファイバ・コイルドチュービング装置のウェル・ロギング・アプリケーションでは、ツール又はセンサ209は、坑井又は貯留層を取り囲んでいる岩盤における物理特性を測定するための測定装置である。ツール又はセンサ209がロギング又は測定のためにパワーを必要とするアプリケーションでは、係るパワーは、バッテリーパック又はタービンを用いて供給される。しかし、あるアプリケーションでは、これは、地表電源の大きさ及び複雑度を低減できることを意味する。
【0097】
本発明の特定の実施形態が記述されかつ説明されたが、本発明は、そのような記述されかつ説明された部分の特定の形又は構成に限定されるものではない。一度上記開示が完全に理解されたならば当業者にとって多くの変形及び変更が明らかであろう。本発明は、全ての係る変形及び変更を包含すべく解釈されるということを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】ウェル処理操作に用いるコイルドチュービング(CT)装置の概略図である。
【図2A】コイルドチュービング操作に関連して光ファイバ・システムを用いている例示的コイルドチュービング装置の坑内軸に沿った断面図である。
【図2B】図2Aの線a−aに沿った光ファイバ・コイルドチュービング装置の断面図である。
【図3A】本発明による光ファイバ・テザーの地表終端の第1の実施形態の断面図である。
【図3B】本発明による光ファイバ・テザーの地表終端の第2の実施形態の断面図である。
【図4】光ファイバ・テザーの坑内終端の断面である。
【図5A】測定された特性を表す光信号を光ファイバ・テザーで伝送するために光ファイバ・テザーに接続された坑内センサの一般的な場合の概略図である。
【図5B】測定された特性を表す光信号を光ファイバ・テザーで伝送するために光ファイバ・テザーに接続された坑内センサの一般的な場合の別の概略図である。
【図6】本発明による光ファイバ・テザーを有しているコイルドチュービングを用いて実行されたウェル処理の概略図である。
【図7】本発明による光ファイバ使用可能コイルドチュービング・ストリングを採用することによって強化されたフィル・クリーン−アウト操作の概略図である。
【図8】光ファイバ使用可能コイルドチュービング装置が、ペーフォレーションを実行するように構成された、本発明によるコイルドチュービング伝達パーフォレーション・システムの概略図である。
【図9】光ファイバ制御弁が坑井及びリザーボア流体の流れを制御するために用いられる坑内流れ制御の例示的な図である。
【符号の説明】
【0099】
105 コイルドチュービング
200 コイルドチュービング装置
201 光ファイバ
203 外側保護管
207 坑内終端
209 光学ツール又はセンサ
211 光ファイバ・テザー
213 地表圧力隔壁
301 地表終端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井によって横切られた地下層を処理する方法であって、
コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、
坑井にコイルドチュービングを配置する段階と、
ウェル処理操作を実行する段階と、
坑井の特性を測定する段階と、及び
測定した特性を伝達すべく前記光ファイバ・テザーを用いる段階と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ウェル処理操作は、少なくとも一つの調整可能なパラメータを具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウェル処理操作の前記少なくとも一つのパラメータを調整する段階を更に具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェル処理操作の実行と同時に前記特性を測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェル処理操作の前記少なくとも一つのパラメータの調整と同時に前記特性を測定することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェル処理操作は、少なくとも一つの流体を前記坑井に注入することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェル処理操作は、少なくとも一つの流体を前記コイルドチュービングに注入することを具備する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェル処理操作は、少なくとも一つの流体を前記コイルドチュービングの外側の坑井環帯に注入することを具備する請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェル処理操作は、少なくとも一つの流体を前記コイルドチュービングにかつ少なくとも一つの流体を該コイルドチュービングの外側の坑井環帯に注入することを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特性を測定する段階及び前記測定した特性を伝達すべく前記光ファイバ・テザーを用いる段階は、リアルタイムで実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記測定した特性は、圧力、温度、pH、沈殿物の量、流体温度、深度、ガスの存在、化学ルミネセンス、ガンマ線、抵抗率、塩分、流量、流体の圧縮性、ツール位置、ケーシング・カラー・ロケータの存在、ツール状態及びツール配向で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記測定した特性は、圧力であり、かつ前記ウェル処理操作は、所定の限度以下に前記圧力を維持する段階を更に具備することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも一つのパラメータは、多量の注入流体、一組の注入流体における各流体の組成比、一組の注入物質における各物質の化学的濃度、コイルドチュービングに注ぎ込まれる流体に対する環帯に注ぎ込まれる流体の相対的比率、放出される触媒の濃度、ポリマーの濃度、プロパントの濃度、及びコイルドチュービングの位置で構成されているグループから選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記測定された特性は、ウェルの間隔にわたる測定の分布範囲で構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェルの間隔は、多元ウェルの枝内にあることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コイルドチュービングは、地下層に流体を供給すべく位置決めされ、かつ前記ウェル処理操作は、該地下層からの炭化水素の流れを促すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記コイルドチュービングは、地下層に流体を供給すべく位置決めされ、かつ前記ウェル処理操作は、該地下層からの水の流れを妨げることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記流体の少なくとも一つは、発泡されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項19】
前記ウェル処理操作は、前記光ファイバ・テザーを介して前記坑井のツールと通信することを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
地下坑井における操作を実行する方法であって、
コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、
坑井にコイルドチュービングを配置する段階と、及び
制御システムから光ファイバ・テザーにわたりコイルドチュービングに接続された坑井装置に制御信号を送信すること;
坑井装置から制御システムに光ファイバ・テザーにわたり情報を送信すること;
前記光ファイバ・テザーを介して制御システムへ当該光ファイバ・テザーによって測定した特性を送信すること、
から選択した少なくとも一つの処理を実行する段階と、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項21】
前記坑井から前記コイルドチュービングを撤回することを更に具備することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記坑井に前記光ファイバ・テザーを置き去りにすることを更に具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光ファイバ・テザーは、流体を前記コイルドチュービングに注ぎ込むことによって該コイルドチュービングに配置されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項24】
特性を測定することを更に具備することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記特性は、リアルタイムで測定されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記測定した特性は、坑底圧力、坑底温度、分布温度、流体抵抗率、pH、圧縮/張力、トルク、坑内流量、坑内流体圧縮率、ツール位置、ガンマ線、ツール配向、コンクリート道床高さ、及びケーシング・カラー位置の組から選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記特性は、分布温度、ツール位置及びツール配向から選択され、かつ前記坑井は、多元ウェルであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
坑井で操作を実行するための装置であって、
坑井に配置されるように構成されたコイルドチュービングと、
地表制御装置と、
前記コイルドチュービングに接続された少なくとも一つの坑井装置と、
前記コイルドチュービングに搭載されかつ前記坑井装置及び前記地表制御装置のそれぞれに接続された光ファイバ・テザーと、
を備え、
前記光ファイバ・テザーは、少なくとも一つの光ファイバを備え、それにより光信号は、(a)少なくとも一つの坑井装置から前記地表制御装置へ、(b)前記地表制御装置から前記少なくとも一つの坑井装置へ、又は(c)前記少なくとも一つの坑井装置から前記地表装置へ及び当該地表制御装置から該少なくとも一つの坑井装置に送信されうることを特徴とする装置。
【請求項29】
前記坑井装置は、特性を測定しかつ出力を生成するための測定装置と、及び前記測定装置からの前記出力を光信号に変換するためのインターフェイス装置とを備えていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記測定した特性は、圧力、温度、分布温度、pH、沈殿物の量、流体温度、深度、化学ルミネセンス、ガンマ線、抵抗率、塩分、流量、流体の圧縮性、粘度、圧縮、応力、ひずみ、ツール位置、ツール状態、ツール配向、及びそれらの組合せで構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
多元ウェルの所定の枝への入力のための装置を更に備えていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも一つの坑井装置から前記地表制御装置によって受信した光信号に応じて前記操作を調整するための手段を更に備えていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記光ファイバ・テザーは、一つ以上の光ファイバを備え、光信号は、光ファイバで前記地表制御装置から前記少なくとも一つの坑井装置へ送信されうるし、かつ前記光信号は、異なるファイバで前記少なくとも一つの坑井装置から前記地表制御装置に送信されうることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記坑井装置は、カメラ、キャリパー、フィラー、ケーシング・カラー・ロケータ、センサ、温度センサ、化学センサ、近接センサ、圧力センサ、抵抗センサ、電気センサ、アクチュエータ、流量測定装置、光起動式ツール、化学分析装置、弁アクチュエータ、ファイアリング・ヘッド・アクチュエータ、ツール・アクチュエータ、反転弁、逆止弁、及び流体分析装置から選択されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項35】
前記光ファイバ・テザーは、少なくとも一つの光ファイバを取り囲んでいる金属管を備えていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項36】
前記光ファイバ・テザーに対して地表終端及び坑内終端の少なくとも一つを更に備えていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項37】
マトリクス・スティミュレーション、フィル・クリーンアウト、破砕、スケール除去、帯状分離、穿孔、坑内流れ制御、坑内完了操作、ウェル・ロッギング、フィッシング、掘削、フライス削り、物理特性を測定すること、ウェルで装置の一部を探し出すこと、坑井における特定のフューチャを探し出すこと、弁を制御すること、及びツールを制御することから選択された坑井操作で請求項28に記載された装置を用いる方法。
【請求項38】
前記光ファイバ・テザーは、一つ以上の光ファイバを備えかつ坑内終端を更に備えそれにより少なくとも二つのファイバが接続されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項39】
坑井の特性を決定する方法であって、
コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、
前記コイルドチュービングの坑井に測定ツールを配置する段階と、
前記測定ツールを用いて特性を測定する段階と、及び
前記測定した特性を伝達すべく前記光ファイバ・テザーを用いる段階と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項40】
前記坑井から前記コイルドチュービング及び測定ツールを撤回する段階を更に具備することを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記坑井から前記コイルドチュービング及び測定ツールを撤回すると同時に特性を測定する段階を更に具備することを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記測定した特性は、リアルタイムで伝達されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記特性は、ウェル処理操作の実行と同時に測定されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記測定ツールの深度及び動作に対して前記測定した特性を調整する段階を更に具備することを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項45】
坑井で作業する方法であって、
コイルドチュービングに光ファイバ・テザーを配置する段階と、
ウェルに前記コイルドチュービングを配置する段階と、及び
操作を実行する段階とを具備し、前記操作は、前記光ファイバ・テザーで送信された信号によって制御されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−501078(P2008−501078A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514294(P2007−514294)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051734
【国際公開番号】WO2005/116388
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(500177204)シュラムバーガー ホールディングス リミテッド (51)
【Fターム(参考)】