説明

コイル埋設型インダクタの製造方法

【課題】閉磁路構造であり且つ直流重畳特性が良好なインダクタを提供する。
【解決手段】絶縁被覆層20を備えた略矩形断面の線材からなる円筒コイル10の内部に第1の磁性体31を配置し、その周囲を非磁性体32で取り囲み、さらに全体を第2磁性体33および第3磁性体34で取り囲み、外周部に外部電極層40を形成することによりコイル埋設型インダクタを構成する。コイル素線間を非磁性体32によって塞ぐと共にコイル内部に配置された磁性体31の端部を非磁性体32によって覆うことになり、コイルによって発生される磁束のループが非磁性体32によって完全に遮断されるので、インダクタの直流重畳特性が向上する。また、非磁性体32を磁性体33、34によって取り囲むことになり、インダクタが閉磁路構造となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル埋設型インダクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーインダクタには、直流重畳特性の向上が望まれている。ここで、パワーインダクタには、大まかに、巻線型インダクタと積層型インダクタとの2つのタイプがある。例えば、巻線型インダクタが特許文献1に開示されており、積層型インダクタが特許文献2および特許文献3に開示されている。
【0003】
ところで、巻線型インダクタは、一般的に、開磁路構造になっている。このため、巻線型インダクタでは、磁気飽和が生じづらいことから直流重畳特性は高いが、コイルによって発生される磁束がインダクタの外部に漏れやすい。一方、積層型インダクタは、一般的に、閉磁路構造になっている。このため、積層型インダクタでは、コイルによって発生される磁束はインダクタの外部に漏れづらいが、磁気飽和が生じやすいことから直流重畳特性が低い。
【0004】
また、巻線型インダクタでは、上述したように、磁束がインダクタの外部に漏れやすく、この外部に漏れた磁束がインダクタ周辺に配置される素子に悪影響を及ぼしかねない。そこで、磁束がインダクタの外部に漏れることを防止する方法として、特許文献1に記載されているように、ゲルキャスト法によってコイル周りに磁性体を形成することによってインダクタを閉磁路構造とするという方法がある。しかしながら、この場合、磁気飽和が生じやすくなり、直流重畳特性が低下してしまう。
【0005】
一方、積層型インダクタでは、上述したように、磁気飽和が生じやすいことから直流重畳特性が低い。そこで、直流重畳特性を向上させる方法として、特許文献2および特許文献3に記載されているように、コイルの中心軸線に対して垂直な方向に巻線間を通るように延在する非磁性体層を磁性体部分に形成するという方法がある。すなわち、特許文献2および特許文献3は、インダクタの外部への磁束の漏れを防止することができる閉磁路構造のインダクタにおいて、磁性体部分に非磁性体層を形成すれば、直流重畳特性を向上させることができることを示唆している。
【0006】
したがって、閉磁路構造とされた巻線型インダクタにおいて、上述したような非磁性体層を磁性体部分に形成すれば、インダクタの外部への磁束の漏れを防止しつつ高い直流重畳特性を得ることができると考えられる。
【0007】
しかしながら、特許文献2および特許文献3に記載されている積層型インダクタのように、複数のフェライト(磁性体)シートを積層させることによってインダクタを製造する場合には、上述したような非磁性体層を形成することは比較的容易である。しかしながら、上述したような非磁性体層を巻線型インダクタに形成することは非常に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−121234号公報
【特許文献2】特開2001−44037号公報
【特許文献3】特許4304019号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、閉磁路構造であり且つ直流重畳特性が良好なインダクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の1番目の発明は、導電性を備えた巻線型のコイルを有するコイル埋設型インダクタであって、非磁性体が前記コイルおよび該コイル内部に配置された磁性体を取り囲んでおり、更に該非磁性体を取り囲む磁性体が配置されているコイル埋設型インダクタである。
【0011】
この発明によれば、コイル素線間を非磁性体によって塞ぐと共にコイル内部に配置された磁性体の端部を非磁性体によって覆うことになり、コイルによって発生される磁束のループが非磁性体によって完全に遮断されるので、インダクタの直流重畳特性が向上する。また、非磁性体を磁性体によって取り囲むことになり、インダクタが閉磁路構造となる。
【0012】
本願の2番目の発明では、本願の1番目の発明に係るコイル埋設型インダクタであり、前記コイル素線が5μm〜40μmの厚みを有する非磁性体によって被覆されている。
【0013】
この発明によれば、コイル内部に配置されている磁性体のコイル中心軸線に対して垂直な断面の面積が大きくなり、磁束が増えることから、インダクタンスを大きくすることができる。
【0014】
本願の3番目の発明は、本願の1または2番目の発明に係るコイル埋設型インダクタであり、前記コイル内部に配置されている磁性体の外周面が前記コイル素線間に沿って延在する凸部を有する。
【0015】
この発明によれば、更に、コイル内部に配置されている磁性体のコイル中心軸線に対して垂直な断面の面積がより大きくなり、磁束が増えることから、インダクタンスを大きくすることができる。
【0016】
本願の4番目の発明は、本願の3番目の発明に係るコイル埋設型インダクタであり、前記コイル内部に配置されている磁性体の側面の凸部が前記コイル素線間まで突出している。
【0017】
この発明によれば、更に、コイル内部に配置されている磁性体のコイル中心軸線に対して垂直な断面の面積がさらに大きくなり、磁束が増えることから、インダクタンスを大きくすることができる。
【0018】
本願の5番目の発明は、本願の1〜4番目の発明のいずれか1つに係るコイル埋設型インダクタであり、前記コイルの外周面を覆う非磁性体の外周面が前記コイルの中心軸線を中心とした略平坦な円筒面である。
【0019】
この発明によれば、コイルの外周面近傍の磁性体を磁束が均一に通過するので、インダクタンスおよび直流重畳特性のバラツキが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態のインダクタの斜視図である。
【図2】図1の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態のインダクタのコイルを示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態のインダクタのコイルを示した側面図である。
【図5】本発明の実施形態のインダクタのコイルの素線部分を示した断面図である。
【図6】本発明の実施形態のインダクタのコイルの素線部分およびその周辺を示した拡大図である。
【図7】本発明の別の実施形態のインダクタのコイルの素線部分およびその周辺を示した拡大図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態のインダクタのコイルの素線部分およびその周辺を示した拡大図である。
【図9】(A)は本発明の実施例および比較例1〜3の直流重畳特性とインダクタンスとを示した図であり、(B)は(A)のインダクタンスのレンジを変えて実施例および比較例2、3の直流重畳特性とインダクタンスとを示した図である。
【図10】図9の比較例1のコイル埋設型インダクタの断面図である。
【図11】図9の比較例2の積層型インダクタの断面図である。
【図12】図9の比較例3の積層型インダクタの断面図である。
【図13】本発明の実施形態のインダクタのコイルの素線部分を示した拡大図である。
【図14】本発明の実施形態において、コイルに配置された絶縁被覆層によって画成されるコア空間に第1磁性体用スラリーが配置された様子を示した拡大図である。
【図15】本発明の実施形態において、非磁性体用スラリーを配置する工程を示した図である。
【図16】本発明の実施形態において、非磁性体用スラリーが配設された様子を示した拡大図である。
【図17】本発明の実施形態において、第3磁性体用成形体を作成するために使用される成形型を示した斜視図である。
【図18】本発明の実施形態において、第3磁性体用成形体を作成する工程を示した図である。
【図19】本発明の実施形態において、非磁性体用スラリーが第3磁性体用スラリーに載置された様子を示した図である。
【図20】本発明の実施形態において、第2磁性体用スラリーが配置された様子を示した図である。
【図21】本発明の実施形態において、第3磁性体用成形体によって第2磁性体用スラリーが押圧された様子を示した図である。
【図22】本発明の実施形態において、非磁性体用スラリーおよび第2磁性体用スラリーが硬化せしめられて非磁性体用成形体および第2磁性体用成形体とされた様子を示した図である。
【図23】本発明の実施形態において、第1磁性体用成形体〜第3磁性体用成形体および非磁性体用スラリーが焼成されて第1磁性体〜第3磁性体および非磁性体とされた様子を示した図である。
【図24】本発明の実施形態において、外部電極層が配置された様子を示した図である。
【図25】本発明の実施形態において、コイル埋設型インダクタを製造する工程のフローチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1および図2に、本発明のコイル埋設型インダクタの実施形態が示されている。図1は、コイル埋設型インダクタの斜視図であり、図2は、コイル埋設型インダクタの縦断面図である。図1および図2において、1はコイル埋設型インダクタ、10はコイル、20は絶縁被覆層、31はセラミック焼結体からなる第1磁性体、32はセラミック焼結体からなる非磁性体、33はセラミック焼結体からなる第2磁性体、34はセラミック焼結体からなる第3磁性体、40は外部電極層をそれぞれ示している。
【0022】
図3および図4に示されているように、コイル10は、螺旋状に一定のピッチPで巻かれた(巻回された)線材からなるコイルである。また、図2を参照すると判るように、コイル10の線材の断面形状は、略矩形である。なお、以下、コイル10の線材の両端には、参照符号「10E」を付し、この両端を「コイル端部」と称し、コイル端部10E以外の部分には、参照符号「10W」を付し、この部分10Wを「コイル素線部分」と称することとする。
【0023】
また、図5を参照すると判るように、コイル素線部分10Wの中心軸線(以下この素線部分の中心軸線を「コイル中心軸線」という)Cに対して略垂直な方向のコイル素線部分10Wの幅WTは、コイル中心軸線Cに対して平行な方向のコイル素線部分10Wの幅WLよりも広く、好ましくは、1.2倍以上、より好ましくは、2.0倍以上、さらに好ましくは、6.0倍以上である。また、コイル10は、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、金(Au)などの導電性のある金属からなる線材から形成され、或いは、これら銀、銅、白金、金などの導電性のある金属の少なくとも1つを含む合金からなる線材から形成される。
【0024】
絶縁被覆層20は、図2に示されているように、コイル10の線材を覆うように塗布されており、磁性を有していない。したがって、絶縁被覆層20は、非磁性体であるとも言える。因みに、絶縁被覆層20は、SiO(すなわち、シリカ)の粒子を含む樹脂から形成され、この樹脂は焼成後焼失する。含まれる粒子としては、SiO以外にAlやMgOなどの無機酸化物の粒子でも良い。
【0025】
また、絶縁被覆層20は、絶縁性を有していることから、コイル素線部分10W同士が接触して短絡することを防止する。
【0026】
さらに、詳細は後述するが、第1磁性体31および非磁性体32を形成するために第1磁性体31を構成する第1磁性体用成形体および非磁性体32を構成する非磁性体用成形体が高温環境に晒されると、コイル10も高温環境に晒される。このとき、コイル10が第1磁性体31または非磁性体32に直接接するように構成されていると、コイル10の金属材料が第1磁性体31または非磁性体32の気孔内に拡散して流れ込み、これによって、インダクタ全体としての電気特性が悪化してしまう可能性がある。しかしながら、本実施形態では、コイル10が高温環境に晒されたとしても、絶縁被覆層20(特に、シリカ)は、金属材料が第1磁性体31および非磁性体32の気孔内に拡散して流れ込むことを防止し、インダクタの電気特性の悪化を抑制する。
【0027】
第1磁性体31は、図2に示されているように、コイル10の円筒内面であるコイル内周面(厳密には、絶縁被覆層20の内周面20in)によって画成される空間であって、コイル中心軸線Cを中心とする略円柱形の空間(以下この空間を「コア空間」という)内に配置されている。また、第1磁性体31は、その気孔率が予め定められた気孔率となるように予め定められた粒径のセラミック粉末を主成分とするセラミックスラリーを焼成することによって形成される。
【0028】
非磁性体32は、図2および図6に示されているように、コイル素線部分10W(および、絶縁被覆層20)と第1磁性体31とを取り囲んでいる。また、非磁性体32は、その気孔率が予め定められた気孔率となるように予め定められた粒径のセラミック粉末を主成分とするセラミックスラリーを焼成することによって形成される。
【0029】
また、図6を参照すると判るように、非磁性体32の外周面32outは、平坦な円筒面である。一方、コイル内周面上に配置されている絶縁被覆層20の内周面20inは、隣り合うコイル素線部分10W間に向かってコイル内周面のところまで窪んだ部分を有し、第1磁性体31の外周面は、この窪んだ部分に入りこむように隣り合うコイル素線部分10W間に向かってコイル内周面のところまで突出する凸部を有する。なお、上記窪んだ部分は、コイル素線部分10W間に沿って螺旋状に連続的に延在し、したがって、上記凸部もコイル素線部分10W間に沿って螺旋状に連続的に延在する。
【0030】
また、図7に示されているように、絶縁被覆層20の内周面20inの窪んだ部分が、コイル内周面を越えてコイル素線部分10W間まで窪んでいてもよい。すなわち、第1磁性体31の外周面の凸部が、コイル内周面を越えてコイル素線部分10W間まで突出していてもよい。
【0031】
なお、本実施形態のコイル埋設型インダクタは、8つのコイル素線部分10Wを有する。また、コイル中心軸線Cに平行な方向におけるコイル素線部分10Wの厚みは、例えば、50μmである。また、絶縁被覆層20の厚みは、例えば、5μm〜40μmである。したがって、コイル内周面に配置される絶縁被覆層の厚み(図6〜図8に示されている厚みWN)も、5〜40μmである。また、コイル端面側に配置された非磁性体32の厚みは、例えば、50μm〜60μmである。また、コイル10の線材を覆う際の絶縁被覆層20を構成するSiO粒子の粒径は、例えば、0.5μmであり、その体積%は、例えば、10体積%〜40体積%である(焼成後、樹脂は焼失する)。
【0032】
第2磁性体33は、非磁性体32の外周面32outを包囲するように配置されている。また、第2磁性体33は、その気孔率が予め定められた気孔率となるように予め定められた粒径のセラミック粉末を主成分とするセラミックスラリーを焼成することによって形成される。
【0033】
第3磁性体34は、比較的薄い略矩形のプレートの形状を有し、コイル中心軸線Cに対して平行な方向において非磁性体32および第2磁性体33の両側に、コイル中心軸線Cに対して垂直な方向に非磁性体32と第2磁性体33とを覆うように延在するように配置されている。また、第3磁性体34は、その気孔率が予め定められた気孔率となるように予め定められた粒径のセラミック粉体を主成分とするセラミックスラリーを焼成することによって形成される。
【0034】
また、コイル端部10Eは、コイル中心軸線Cに対して略垂直な方向に延び、コイル中心軸線Cに対して平行に延在する第2磁性体33の外壁面33out1、33out2から突出している。
【0035】
外部電極層40は、コイル端部10Eに接触するように第2磁性体33の外壁面33out1および33out2上に配置されている。また、外部電極層40は、導電性を有し、例えば、銀(Ag)などの金属粉末を含む流動性のある材料(すなわち、ペースト)を固化させることによって形成される。
【0036】
図示されているコイル埋設型インダクタ1では、コイル10を介して一方の外部電極層40と他方の外部電極層40との間で導通がとれる。
【0037】
なお、コイル中心軸線Cに対して垂直な第1磁性体31の断面の面積をできるだけ大きくし、インダクタンスを大きくするという観点では、絶縁被覆層20の内周面20inが上記窪んだ部分を有することによって、第1磁性体31の外周面が上記凸部を有することがより好ましいが、図8に示されているように、絶縁被覆層20の内周面20inが上記窪んだ部分を有していない平坦な円筒面であり、したがって、第1磁性体31の外周面が上記凸部を有していない場合であっても、比較的良好なインダクタンス特性および直流重畳特性が得られる。
【0038】
また、図9(A)に、本発明の考え方を採用して製造された実施例としてのコイル埋設型インダクタ、図10に示されている比較例1としてのコイル埋設型インダクタ、図11に示されている比較例2としての積層型インダクタ、および、図12に示されている比較例3としての積層型インダクタのインダクタンスおよび直流重畳特性が示されている。なお、図9(B)は、図9(A)と同様の図であって、インダクタンスのレンジを変えた図であり、図9(A)の実施例および比較例2、3のインダクタのインダクタンスおよび直流重畳特性を示したものである。
【0039】
また、図9の実施例は、絶縁被覆層20の内周面の形状が図8に示されている形状(すなわち、窪んだ部分を有していない平坦な円筒面の形状)とされ、コイル内周面上に配置された絶縁被覆層20の厚みWNが40μmである場合のコイル埋設型インダクタである。また、直流重畳特性、すなわち、直流重畳電流値は、LCRメーター(アジレントテクノロジー社の4285A)を用い、直流電流を印加したときのインダクタンスの変化が初期値に対して30%減少したときの電流値とした。
【0040】
また、図9の比較例1のインダクタは、図10に示されているように、実施例のコイル素線部分の数と同じ数のコイル素線部分10WXを備えた巻線型のコイル10Xを有するコイル埋設型インダクタ1Xであって、隣り合うコイル素線部分10WX間に絶縁被覆層ではなく磁性体部分61が配置されているインダクタである。なお、図10において、62は外部電極層である。
【0041】
また、図9の比較例2のインダクタは、図11に示されているように、実施例のコイル素線部分の数と同じ数のコイル素線部分10WXを備えたコイル10Xを有する積層型インダクタ1Xであって、隣り合うコイル素線部分10WX間を通るようにコイル中心軸線CXに対して垂直な方向に延在する非磁性体層60が磁性体部分61内に設けられているインダクタである。そして、このインダクタでは、3つの非磁性体層60が設けられており、各非磁性体層60は、隣り合うコイル素線部分10WX間が隙間なく埋まるように設けられている。なお、図11において、62は外部電極層である。
【0042】
また、図9の比較例3のインダクタは、図12に示されているように、実施例のコイル素線部分の数と同じ数のコイル素線部分10WXを備えたコイル10Xを有する積層型インダクタ1Xであって、隣り合うコイル素線部分10WX間を通るようにコイル中心軸線CXに対して垂直な方向に延在する非磁性体層60が磁性体部分61内に設けられているインダクタである。そして、このインダクタでは、3つの非磁性体層60が設けられており、各非磁性体層60は、隣り合うコイル素線部分10WX間の一部領域に延在し且つ各非磁性体層60とそれに隣接するコイル素線部分10WXとの間に磁性体部分61が存在するように設けられている。なお、図12において、62は外部電極層である。
【0043】
図9を参照すると、明らかに、実施例の直流重畳特性(すなわち、直流重畳電流値)は、比較例1〜3の直流重畳特性に比べて高いことが判る。これは、実施例のインダクタが確実な閉磁路構造となっているからである。また、コイル端面側にのみ、或いは、コイル素線部分10W周りのみ非磁性体で覆われている場合、磁束が漏れてしまうが、実施例のように非磁性体が配置されていれば、磁束が漏れることがないので、より良い直流重畳特性およびインダクタンス特性が得られる。
【0044】
また、下の表1に、本発明の考え方を採用して製造されたコイル埋設型インダクタのインダクタンス特性であって、絶縁被覆層20の内周面の形状と同絶縁被覆層20の厚みWNとに応じたインダクタンス特性が示されている。
【0045】
表1の比較例1−1、比較例1−2、および、実施例1〜4は、絶縁被覆層20の内周面の形状が図8に示されている形状(すなわち、窪んだ部分を有していない平坦な円筒面の形状)とされた場合のコイル埋設型インダクタである。また、表1の実施例5は、絶縁被覆層20の内周面の形状が図6に示されている形状(すなわち、コイル内周面と略面一のところまで窪んだ部分を有する形状)とされた場合のコイル埋設型インダクタである。さらに、表1の実施例6は、絶縁被覆層20の内周面の形状が図7に示されている形状(すなわち、コイル内周面を越えてコイル素線部分10W間まで窪んだ部分を有する形状)とされた場合のコイル埋設型インダクタである。
【0046】
また、表1の比較例1−1、比較例1−2、および、実施例1〜6は、それぞれ、絶縁被覆層20の厚みWNが0μm(厳密には、「0」ではなく、極めて「0」に近い値)、50μm、5μm、10μm、20μm、40μm、40μm、および、40μmであるコイル埋設型インダクタである。
【0047】
また、表1において、インダクタンス低下率は、比較例1−1のインダクタンスを基準とした値である。このため、比較例1−1のインダクタンス低下率は、「0」と表示されている。
【表1】

【0048】
表1から判るように、比較例1−2では、比較例1−1のインダクタンスに対するインダクタンスの低下率が20%と比較的大きかった。
【0049】
一方、表1から判るように、実施例1〜6では、比較例1−1のインダクタンスに対するインダクタンスの低下率が1.1%〜7.0%と比較的小さかった。
【0050】
このことから、本発明の考え方を採用してコイル埋設型インダクタを製造する場合、絶縁被覆層20の内周面の形状に係わらず、絶縁被覆層20の厚みWNが5μm〜40μmであれば、比較的高いインダクタンスが得られることが判る。したがって、本発明の考え方を採用してコイル埋設型インダクタを製造する場合、絶縁被覆層20の厚みWNが5μm〜40μmであることが好ましい。
【0051】
次に、上述した本発明の実施形態のコイル埋設型インダクタを製造する方法の一例について説明する。まず、本例の方法では、コイル10を形成するために、横断面矩形の導電性を有する線材が準備される。
【0052】
次いで、斯くして準備された線材の外壁面に樹脂とシリカとからなる絶縁被覆層20が塗布される。
【0053】
次いで、斯くして絶縁被覆層20が塗布された線材が巻回され、図13に示されているように、コイル10が形成される。
【0054】
一方、これとは別に、第1磁性体31〜第3磁性体34を形成するために使用されるセラミックスラリー(以下このセラミックスラリーを「磁性体用スラリー」という)が以下のようにして準備される。
【0055】
本発明では磁性体として、Mn−Zn系、Ni−Zn系、Ni−Cu−Zn系などのフェライト系磁性体が用いられる。特に、Ni−Cu−Zn系フェライトが、コイルの材質が溶融しない温度で焼成することができ好適である。主成分の組成としては、Fe、NiO、CuO、ZnOの合計を100mol%として、Fe:47〜49mol%、ZnO:9〜36mol%、NiO:8〜32mol%、CuO:7〜12mol%、であることが好ましい。この範囲を外れると、焼結体の緻密化度が低下したり、インダクタとしての所望の特性を満たさなかったりする。Ni−Cu−Zn系フェライトには、必要に応じてMn、Co、Cr、Bi等の酸化物が含まれていてもよい。また、Ni−Cu−Zn系フェライト中には、ZrやSi、P、Sなどの不可避的に混入する不純物が含まれていてもよい。
まず始めに、当該磁性体用スラリーの原料粉末であるFe粉末、ZnO粉末、NiO粉末、CuO粉末、および、MnO粉末がそれぞれ所定量だけ秤量される。本例では、Fe粉末が47.5mol%、ZnO粉末が27.3mol%、NiO粉末が16.3mol%、CuO粉末が8.7mol%、そして、MnO粉末が0.2mol%となるように、各原料粉末が秤量される。
【0056】
次いで、これら秤量された原料粉末がジルコニアボールおよびイオン交換水と共にポリポットに入れられ、ボールミル法によって予め定められた時間に亘って湿式混合され、これによって、スラリーが得られる。ここで、予め定められた時間は、例えば、5時間である。
【0057】
次いで、斯くして得られたスラリーが乾燥機によって乾燥され、その後、ふるいにかけられ、これによって、粉末が得られる。
【0058】
次いで、斯くして得られた粉末が予め定められた温度の環境下で予め定められた時間に亘って仮焼される。ここで、予め定められた温度は、例えば、600℃〜800℃(本実施形態では、760℃)である。また、予め定められた時間は、例えば、2時間である。また、粉末を取り巻く環境の温度は、例えば、200℃/hの昇温速度でもって上記予め定められた温度まで上昇せしめられ、例えば、200℃/hの降温速度でもって上記予め定められた温度から下降せしめられる。
【0059】
次いで、斯くして焼成された粉末がジルコニアボールおよびイオン交換水と共にポリポットに入れられ、予め定められた時間に亘って湿式粉砕され、これによって、スラリーが得られる。ここで、予め定められた時間は、例えば、10時間〜80時間(本実施形態では、60時間)である。
【0060】
次いで、斯くして得られたスラリーが乾燥機によって乾燥され、その後、ふるいにかけられ、これによって、フェライト粉末が得られる。
【0061】
次いで、斯くして得られたフェライト粉末に、公知の樹脂、分散媒、分散剤等が加えられ磁性体用スラリーが得られるが、本発明ではゲルキャスト法が好適に用いられる。ゲルキャスト法は、型のキャビティ内にセラミック粉末を主成分とするスラリーを流し込み、このスラリーを型内で固化させつつ架橋させ、セラミック成形体を作製する方法である。このゲルキャスト法によれば、スラリーが固化しつつ架橋せしめられる過程において、硬化収縮や乾燥収縮が殆ど生じないので、コイルがあっても、クラックの無い精密な形状とすることができる。
フェライト粉末と溶剤と分散媒と分散剤とがそれぞれ所定量だけ秤量され、これらとジルコニアボールとがポリポットに入れられ、ボールミル法によって湿式混合が行われ、これによって、フェライトスラリーが得られる。
【0062】
次いで、斯くして得られたフェライトスラリーとゲル化剤と触媒と硬化剤とがそれぞれ所定量だけ秤量され、これらがミキサーによって攪拌され、これによって、磁性体用スラリーが得られる。
【0063】
一方、これとは別に、非磁性体32を形成するために使用されるセラミックスラリー(以下このセラミックスラリーを「非磁性体用スラリー」という)が以下のようにして準備される。
【0064】
非磁性体の組成としては、主成分がFe、CuO、ZnOであり、これらの合計を100mol%として、Fe:47〜50mol%、ZnO:32〜40mol%、CuO:10〜20mol%、であることが好適である。
まず始めに、当該非磁性体用スラリーの原料粉末であるFe粉末、ZnO粉末、CuO粉末、および、MnO粉末がそれぞれ所定量だけ秤量される。本例では、Fe粉末が49.2mol%、ZnO粉末が37.3mol%、CuO粉末が13.2mol%、そして、MnO粉末が0.3mol%となるように、各原料粉末が秤量される。
【0065】
そして、以降、上述した磁性体用スラリーを得る手順と同じ手順によって非磁性体用スラリーが得られる。なお、非磁性体用スラリーを得る場合、上述した磁性体用スラリーを得る手順において、焼成された粉末がジルコニアボールおよびイオン交換水と共にポリポットに入れられ、予め定められた時間に亘って湿式粉砕されるときの予め定められた時間は、例えば、10時間〜80時間であるが、本実施形態では、20時間である。
【0066】
さて、図13に示されているようにコイル10が形成された後、図14に示されているように、絶縁被覆層20の内周面20inによって画成されるコア空間を満たすように、上述したようにして準備された磁性体用スラリーが配置され、磁性体用スラリー31Sが形成される。なお、この磁性体用スラリー31Sは、セラミック成形体を経て、最終的に、第1磁性体31となることから、以下、この磁性体用スラリーを「第1磁性体用スラリー」と称することとする。
【0067】
次いで、第1磁性体用スラリー31Sをコア空間内に備えたコイル10が予め定められた時間に亘って放置されることによって、第1磁性体用スラリー31Sがゲル化し、その後、固化し、これによって、セラミック成形体31Cとなる。ここで、予め定められた時間は、10時間〜30時間(本実施形態では、15時間)である。なお、このセラミック成形体31Cは、最終的に、第1磁性体31となることから、以下、このセラミック成形体を「第1磁性体用成形体」と称することとする。
【0068】
次いで、第1磁性体用成形体31Cを内部に備えたコイル10が、図15に示されているように、上述したようにして準備された非磁性体用スラリー内に含浸される。斯くして、図16に示されているように、コイル素線部分10W(および、絶縁被覆層20)と第1磁性体用成形体31Cとを覆うように、非磁性体用スラリー32Sが配置される。
【0069】
一方、これとは別に、最終的に第3磁性体34となるプレート状の2枚のセラミック成形体が以下のようにして作成される。
【0070】
すなわち、図17に示されているように、直方体のプレート状のステンレス(例えば、ジュラルミン等のアルミニウム合金)製の第1成形型51および第2成形型52が準備される。次いで、互いに対向する第1成形型51の表面51Sおよび第2成形型52の表面52S(以下これら表面を「成形面」という)に離型剤が塗布されることによって、これら成形面51Sおよび52S上に非付着性の被膜が形成される。
【0071】
なお、これら非付着性の被膜は、成形面51Sおよび52S上に成形された第3磁性体用成形体を当該成形面51Sおよび52Sから引き離しやすくするために形成されるものである。また、これら非付着性の被膜には、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フッ素油、シリコン油、めっき、CVD、PVD等による種々の被膜が用いられる。なお、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フッ素油、シリコン油が上記非付着性の被膜の材料として用いられる場合、スプレー、ディッピング等によって上記非付着性の被膜が形成される。
【0072】
次いで、図18(A)に示されているように、第1成形型51と第2成形型52とがこれら成形型間にスペーサ53が挟まれると共に第1成形型51の成形面51Sと第2成形型52の成形面52Sとが互いに向き合うようにセットされる。
【0073】
なお、ここでは、第1成形型51の成形面51Sと第2成形型52の成形面52Sとの間の距離が最終的に形成される第3磁性体34の厚みに相当するようにスペーサ53の寸法が設定されている。また、第1成形型51と第2成形型52とスペーサ53によって画成される空間54は、最終的に得ようとしている第3磁性体34の形状と一致する形状とされる。
【0074】
次いで、図18(B)に示されているように、第1成形型51と第2成形型52とスペーサ53とによって画成された空間54内に、上述したように準備された磁性体用スラリーが充填され、磁性体用スラリー34Sが形成される。なお、この磁性体用スラリー34Sは、セラミック成形体を経て、最終的に、第3磁性体34となることから、以下、この磁性体用スラリーを「第3磁性体用スラリー」と称することとする。
【0075】
次いで、図18(C)に示されているように、空間54内に充填された第3磁性体用スラリー34Sが予め定められた時間に亘って放置されることによって、第3磁性体用スラリー34Sが固化(すなわち、硬化)し、これによって、セラミック成形体34Cが形成される。ここで、予め定められた時間は、10時間〜30時間(本実施形態では、15時間)である。なお、このセラミック成形体34Cは、最終的に、第3磁性体34となることから、以下、このセラミック成形体を「第3磁性体用成形体」と称することとする。
【0076】
次いで、図18(D)に示されているように、斯くして形成された第3磁性体用成形体34Cから第1成形型51、第2成形型52、および、スペーサ53が外される。
【0077】
次いで、図19に示されているように、図16に示されている絶縁被覆層20によって被覆されているコイル10と第1磁性体用成形体31Cとを内包する非磁性体用スラリー32Sが1枚の第3磁性体用成形体34C上に載置される。
【0078】
次いで、図20に示されているように、少なくとも、非磁性体用スラリー32Sの外周面32outを覆うように、上述したようにして準備された磁性体用スラリーが配置され、磁性体用スラリー33Sが形成される。なお、この磁性体用スラリー33Sは、セラミック成形体を経て、最終的に、第2磁性体33となることから、以下、この磁性体用スラリーを「第2磁性体用スラリー」と称することとする。
【0079】
次いで、図21(A)に示されているように、図面において上方から第2磁性体用スラリー33Sがもう一方の第3磁性体用成形体34Cによって押圧される。そして、図21(B)に示されているように、第3磁性体用成形体34Cが第2磁性体用スラリー33Sと非磁性体用スラリー32Sとの上に配置される。
【0080】
次いで、非磁性体用スラリー32Sと第2磁性体用スラリー33Sとが予め定められた時間に亘って放置されることによって、スラリー32Sおよび33Sが固化(すなわち、硬化)し、これによって、図22に示されているように、セラミック成形体32Cおよび33Cが形成される。ここで、予め定められた時間は、10時間〜30時間(本実施形態では、15時間)である。なお、これらセラミック成形体32Cおよび33Cは、最終的に、それぞれ、非磁性体32および第2磁性体33となることから、以下、これらセラミック成形体をそれぞれ「非磁性体用成形体」および「第2磁性体用成形体」と称することとする。
【0081】
次いで、第1磁性体用成形体31C〜第3磁性体用成形体34Cと非磁性体用成形体32Cとが予め定められた温度の環境下で予め定められた時間に亘って焼成され、これによって、図23に示されているように、第1磁性体31〜第3磁性体34、および、非磁性体32が得られる。ここで、予め定められた温度は、40℃/hの昇温速度でもって200℃まで上昇せしめられ、200℃の温度で5時間維持され、次いで、30℃/hの昇温速度でもって500℃まで上昇せしめられ、500℃の温度で5時間保持され、次いで、2000℃/hの昇温速度でもって900℃まで上昇せしめられ、900℃の温度で2時間保持され、290℃の降温速度でもって30℃まで下降せしめられる。
【0082】
最後に、図24に示されているように、外部電極層40がコイル端部10Eに接触するように第2磁性体33の外壁面33out1および33out2上に配置される。斯くして、上述した本発明の実施形態のコイル埋設型インダクタが得られる。
【0083】
以上説明した本実施形態のコイル埋設型インダクタの製造方法のフローを簡単にまとめると、図25に示されているようになる。
【0084】
すなわち、ステップ100に示されているように、磁性体用スラリーが作成される。一方、ステップ112に示されているように、非磁性体用スラリーが作成される。
【0085】
また、ステップ101に示されているように、ステップ100で作成された磁性体用スラリーを使用して第3磁性体用成形体34Cが作成される。
【0086】
また、ステップ102に示されているように、コイル10が作成される。次いで、ステップ103に示されているように、ステップ102で作成されたコイル10の外壁面上に塗布された絶縁被覆層20によって画成されるコア空間内に、ステップ100で作成された磁性体用スラリーが充填されることによって、第1磁性体用スラリー31Sが配置される。次いで、ステップ104に示されているように、ステップ103で配置された第1磁性体用スラリー31Sが硬化せしめられることによって、第1磁性体用成形体31Cが形成される。
【0087】
次いで、ステップ105に示されているように、ステップ104で得られたコイル10と第1磁性体用成形体31Cとの組立体がステップ112で作成された非磁性体用スラリーに含浸されることによって、コイル素線部分10W(および、絶縁被覆層20)と第1磁性体用成形体31Cとを包囲するように、非磁性体用スラリー32Sが配置される。
【0088】
次いで、ステップ106に示されているように、ステップ105で得られたコイル10がステップ101で作成された第3磁性体用成形体34C上に載置される。
【0089】
次いで、ステップ107に示されているように、ステップ106で第3磁性体用成形体34C上に載置された非磁性体用スラリー32Sを包囲するように、ステップ100で作成された磁性体用スラリーが配置されることによって、第2磁性体用スラリー33Sが形成される。
【0090】
次いで、ステップ108に示されているように、ステップ107で形成された第2磁性体用スラリー33Sがステップ101で作成された第3磁性体用成形体34Cによって押圧される。
【0091】
次いで、ステップ109に示されているように、非磁性体用スラリー32Sおよび第2磁性体用スラリー33Sが硬化せしめられることによって、非磁性体用成形体32Cおよび第2磁性体用成形体33Cが形成される。
【0092】
次いで、ステップ110に示されているように、第1磁性体用成形体31C〜第3磁性体用成形体34Cおよび非磁性体用成形体32Cが焼成されることによって、第1磁性体31〜第3磁性体34および非磁性体32が形成される。
【0093】
次いで、ステップ111に示されているように、第2磁性体用成形体33を覆うように外部電極層40が配置されることによって、コイル埋設型インダクタが得られる。
【符号の説明】
【0094】
1…コイル埋設型インダクタ、10…コイル、10W…コイル素線部分、20…絶縁被覆層、31…第1磁性体、32…非磁性体、33…第2磁性体、34…第3磁性体、40…外部電極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を備えた巻線型のコイルを有するコイル埋設型インダクタであって、非磁性体が前記コイルおよび該コイル内部に配置された磁性体を取り囲んでおり、更に該非磁性体を取り囲む磁性体が配置されているコイル埋設型インダクタ。
【請求項2】
前記コイル素線が5μm〜40μmの厚みを有する非磁性体によって被覆されている請求項1に記載のコイル埋設型インダクタ。
【請求項3】
前記コイル内部に配置されている磁性体の外周面が前記コイル素線間に沿って延びる凸部を有する請求項1または2に記載のコイル埋設型インダクタ。
【請求項4】
前記コイル内部に配置されている磁性体の側面の凸部が前記コイル素線間まで突出している請求項3に記載のコイル埋設型インダクタ。
【請求項5】
前記コイルの外周面を覆う非磁性体の外周面が前記コイルの中心軸線を中心とした略平坦な円筒面である請求項1〜4のいずれか1つに記載のインダクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−216866(P2011−216866A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41637(P2011−41637)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】