説明

コイン形電池

【課題】コイン形電池に収容された電極体の積層ずれを、できるだけ少ない本数の結束テープによって確実に防止できるようにする。
【解決手段】扁平丸形の電池容器2内に、セパレータ9を介して正極7と負極8とを上下に交互に複数段積層してなる電極体3が収容されている。電極体3は、平面視で、互いに対向する一対の円弧部22・23と、これら円弧部22・23の端部どうしを繋ぐ一対の直線部17・18とからなる一部切り欠き円形状に形成されている。各正極リード71aの基端側が前側の直線部17に位置し、各負極リード81aの基端側が後ろ側の直線部18に位置している。一対の各円弧部22・23が、第1の結束テープ14・14によって結束され、一対の各直線部17・18が、第2の結束テープ15・15によって結束されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平丸形の電池容器内に積層構造の電極体を収容したコイン形電池に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電池としては、例えば特許文献1に記載されたようなコイン形二次電池が知られている。特許文献1に記載のコイン形二次電池は、外装缶(電池缶)の開口部にガスケットを介して封口缶(封口板)を装着して当該外装缶の開口部の周縁部をかしめて封口することにより作製される扁平丸形の電池容器内に、積層構造の電極体(電極群)および非水電解液を収容してなる。電極体は、アルミニウム箔製の正極集電体の両面にコバルト酸リチウム等の正極材料を塗着させてなる正極と、銅箔製の負極集電体にコークス焼成品等の負極材料を塗着させてなる負極とを、セパレータを介して交互に複数段積層して形成される。
【0003】
前記電池では、各正極集電体から導出された正極リードが外装缶に電気的に接続され、各負極集電体から導出された負極リードが封口缶に電気的に接続されている。前記電池では、正極リードおよび負極リードをそれぞれ外装缶側および封口缶側へ導くための二つのスペースを確保すべく、前記積層構造の電極体を、平面視で、互いに対向するように形成された一対の円弧部と、これら円弧部の端部どうしを繋ぐ一対の直線部とからなる一部切り欠き円形状に形成している。
【0004】
この種の電極体では、正極や負極が水平方向(面方向)または回転方向にずれ動く、いわゆる積層ずれを防止する必要がある。積層ずれが生じると正極と負極との一部が対向できなくなって、電池容量の低下等を招き、また充放電の繰り返しによって負極にリチウムが析出して正極と負極とが短絡し易くなるからである。このような積層ずれを防止する方策としては、特許文献2のように、電極体の周縁部を結束テープ(ずれ防止用テープ)によって結束することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−310577号公報(図1−2)
【特許文献2】特開2008−091099号公報(段落番号0056、図3−4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電極体の積層ずれを確実に防止するためには、結束テープの配置本数をできるだけ増やす方が好ましい。特許文献2では、平面視で四角形となる電極体の対向する二辺に結束テープをそれぞれ二つずつ配置し、残りの二辺に結束テープをそれぞれ一つずつ配置している。しかし、結束テープの配置本数を増やすと、その分だけ結束テープの接着作業の手間が増えて電池の製造効率の低下を招き、加えて、材料コストの上昇を招く。一方、結束テープの配置本数を過度に少なくすると、結束テープの接着作業の手間は減るが、電極体の積層ずれを確実には防止することが困難となる。
【0007】
本発明は、このような問題に対処するもので、コイン形電池に収容された電極体の積層ずれを、できるだけ少ない本数の結束テープによって確実に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコイン形電池は、図2に示すように、扁平丸形の電池容器2の内部に、セパレータ9を介して正極7と負極8とを上下に交互に複数段積層してなる電極体3が収容されている電池を対象とする。この電池における積層構造の電極体3は、平面視で、互いに対向するように形成された一対の円弧部22・23と、これら円弧部22・23の端部どうしを繋ぐ一対の直線部17・18とからなる一部切り欠き円形状に形成されている。各正極7から導出された正極リード71aの基端側は、一対の直線部17・18のうちの一方の直線部17に位置しており、各負極8から導出された負極リード81aの基端側が、一方の直線部17とは反対側となる他方の直線部18に位置している。電極体3の一対の各円弧部22・23は、電極体3の上端面から当該電極体3の側面に沿って下端面に至るように貼り付けられた第1の結束テープ14・14によってそれぞれ結束されており、一対の直線部17・18のうちの少なくとも一つの直線部が、電極体3の上端面から当該電極体3の側面に沿って下端面に至るように貼り付けられた第2の結束テープ15によって結束されている。本発明の電極体3には、セパレータ9を袋状に形成し、当該袋状のセパレータ9内に正極7または負極8を収容して積層するタイプも含まれる。
【0009】
一対の各直線部17・18は、第2の結束テープ15・15によってそれぞれ結束されているものとすることができる。正極リード71aの基端側は、平面視で、直線部17の中央となる位置に配置されており、負極リード81aの基端側が、他方の直線部18の中央となる位置に配置されている。各第1の結束テープ14は、平面視で円弧部22・23の中央となる位置にそれぞれ配置されており、一対の第2の結束テープ15・15が、平面視で正極リード71aまたは負極リード81aよりも円弧部22・23側に偏った位置であって、且つ、電極体3の中心Oを挟んで互いに対向する位置にそれぞれ配置されているものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコイン形電池においては、電極体3の一対の円弧部22・23を第1の結束テープ14・14によってそれぞれ結束し、電極体3の一対の直線部17・18のうちの少なくとも一方の直線部を第2の結束テープ15によって結束した。これによれば、結束テープ14・15を電極体3の周縁に対して分散して配置することができるので、電極体3の水平方向(面方向)および回転方向の積層ずれを確実に防止することができる。
【0011】
すなわち、例えば一対の円弧部22・23のみを結束テープ14によってそれぞれ結束した場合には、電極体3の水平方向の積層ずれに対してはこれら結束テープ14がセパレータ9、正極7または負極8を受け止めて、当該水平方向の積層ずれを効果的に防止することができるものの、セパレータ9、正極7または負極8は、第1の結束テープ14の表面を滑りながら電極体3の中心Oのまわりに回転することが可能であるため、回転方向の積層ずれが生じる虞がある。これに対して、本発明によれば、直線部にも第2の結束テープ15を配置したため、第2の結束テープ15で電極体3の中心Oのまわりに回転する直線部を受け止めて回転方向の積層ずれを確実に阻止することができる。したがって、本発明によれば、水平方向及び回転方向の積層ずれに起因する電池容量の低下を確実に防ぐことができる。
【0012】
また、特にリチウムイオン二次電池の場合には、積層ずれによって負極8と正極7とが適正に対向できなくなると、充放電の繰り返しによって負極8にリチウムが析出し、結果として正極7と負極8とが短絡する可能性がある。しかし、本発明によれば、上記のように電極体3の積層ずれを防ぐことができるので、リチウムの析出による正極7と負極8との短絡を防止でき、この点でも優れている。
【0013】
本発明によれば、一対の直線部17・18のうちの少なくとも一方の直線部および一対の円弧部22・23に結束テープ14・15を配置したので、結束テープ14・15の配置作業の手間を軽減できるとともに、結束テープの材料コストを抑えることが可能である。
【0014】
一対の各直線部17・18が第2の結束テープ15・15によってそれぞれ結束されていると、一方の直線部にのみ第2の結束テープ15を配置した場合よりも積層ずれをより確実に防止することができる。
【0015】
各第1の結束テープ14が、平面視で円弧部22・23の中央となる位置にそれぞれ配置され、一対の第2の結束テープ15・15が、平面視で、正極リード71aまたは負極リード81aよりも円弧部22・23側に偏った位置であって、且つ、電極体3の中心Oを挟んで互いに対向する位置にそれぞれ配置されていると、第1の結束テープ14・14が円弧部22・23の一方側に偏らず、また第2の結束テープ15・15が直線部17・18の一方側に偏らず、結束テープ14・15を分散配置することができる。したがって、水平方向及び回転方向の積層ずれをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るコイン形電池の電極体の平面図である。
【図2】コイン形電池の全体構造を示す縦断面図である。
【図3】コイン形電池の一部を示す縦断面図である。
【図4】コイン形電池の分解図である。
【図5】電極体の分解斜視図である。
【図6】結束テープの接着状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1ないし図6に、本発明のコイン形電池をリチウムイオン二次電池に適用した一実施形態を示す。このコイン形電池1は、図2および図3に示すように、扁平丸形の電池容器2内に、上下積層構造の電極体3と非水電解液(図示せず)とが収容されている。
【0018】
電池容器2は、外装缶4の開口部にガスケット5を介して封口缶6を装着して当該開口部の周縁部をかしめることにより封口(カシメ封口)されている。すなわち、電池容器2は、周縁部4aを図2中の上向きに曲げた扁平丸皿形状の外装缶4と、周縁部6aを図2中の下向きに曲げた扁平丸皿形状の封口缶6とからなり、これら外装缶4と封口缶6とが、両者の周縁部4a・6a間に配置したガスケット5を介してカシメ封口されている。封口缶6の周縁部6aの下端部は、内外二重のはぜ折りに加工してある。外装缶4および封口缶6はステンレス鋼で構成されている。ガスケット5は絶縁体である合成樹脂で形成されている。非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを混合した溶媒にLiPF6 を溶解させたものを使用することができる。
【0019】
電極体3は、図3および図5に示すように、セパレータ9を介して正極7と負極8とを上下に交互に複数段積層してなるものである。セパレータ9は扁平袋状に形成しており、当該袋状のセパレータ9内に正極7を収容している。各セパレータ9は、絶縁性に優れたポリエチレン製の微多孔性薄膜等で構成されており、リチウムイオンが透過可能になっている。なお、図示例では正極7および負極8の積層段数は、簡略化のため三段しか描いていないが、実際には七段程度の積層段数を採用する。ただし、このような段数に限られないことは勿論である。
【0020】
電極体3の積層方向である上下両端には、負極8のうちの負極8A・8Bがそれぞれ配置されている。上下両端に位置する負極8A・8Bを除いて、負極8には、銅箔製の負極集電体81の上下両面に黒鉛等の負極活物質を含有する負極活物質層82がそれぞれ設けられている。具体的には図3の状態で電極体3の上端に位置する負極8Aにおいては、負極集電体81の下面側にのみ負極活物質層82が設けられており、反対側の上面が露出状態で封口缶6の内面に接触している。電極体3の下端に位置する負極8Bにおいては、負極集電体81の上面側にのみ負極活物質層82が設けられている。電極体3の下端側の負極8Bの負極集電体81と外装缶4の内底面4bとの間には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド等で形成されたテープ等からなる絶縁シール10が配置されている。各正極7は、それぞれアルミニウム箔製の正極集電体71の上下両面に、コバルト酸リチウム等の正極活物質を含有する正極活物質層72をそれぞれ設けて形成される。
【0021】
電極体3は、図1に示す平面視で、互いに対向するように形成された左右一対の円弧部22・23と、これら円弧部22・23の前後端部どうしを繋ぐ前後一対の直線部17・18とからなる一部切り欠き円形状に形成されている。すなわち、電極体3の各負極8(8A・8B)は、当該各負極8(8A・8B)の前側(図1の矢印で示す前側)および後ろ側(図1の矢印で示す後ろ側)の箇所をそれぞれ切り欠いて、直線部17・18としての前後一対の直線部17a・18aを形成している。正極7を収容した電極体3の各セパレータ9は、当該セパレータ9の前側および後ろ側を切り欠いて、直線部17・18としての前後一対の直線部17b・18bをそれぞれ形成している。各正極7も、前側および後ろ側を切り欠いて、直線部17・18としての前後一対の直線部を形成している。
【0022】
電極体3は、正極7と負極8とセパレータ9との二つの直線部17・18がそれぞれ互いに重なるように積層されている。すなわち、電極体3は、各負極8(8A・8B)の前側の直線部17aと各セパレータ9の前側の17b(正極7の前側の直線部を含む)とが平面視で互いに略重なり、且つ、各負極8(8A・8B)の後ろ側の直線部18aとセパレータ9の後ろ側の直線部18b(正極7の後ろ側の直線部を含む)とが平面視で互いに略重なっている。
【0023】
各正極集電体71は、これと一体のアルミニウム箔製の正極リード71aが前側の直線部の左右中央から電極体3の前側に向けて導出されており、該正極リード71aの先端側が袋状のセパレータ9の導出部11から導き出されている。これにより、電極体3の前後一対の直線部17・18のうちの前側の直線部(一方の直線部)17に、各正極7から導出された正極リード71aの基端側が位置する。これら正極リード71aは、図示例のコイン形電池1ではその先端どうしが一まとめにされた状態で、外装缶4の内底面4bに超音波溶接法等で電気的に接続されている(図3参照)。前記導出部11は、セパレータ9の前側の直線部17bの左右中央に形成されている。
【0024】
各負極集電体81は、これと一体の銅箔製の負極リード81aが後ろ側の直線部18aの左右中央から正極リード71aの導出方向とは反対側である電極体3の後ろ側に向けて導出されている。これにより、電極体3の前側の直線部17とは反対側に位置する後ろ側の直線部(他方の直線部)18に、各負極8から導出された負極リード81aの基端側を位置させることができる。これら負極リード81aは、その先端どうしが一まとめにされた状態で超音波溶接法等で互いに接続されている(図2参照)。前述のように電極体3の上端側の負極8Aの負極集電体81は、封口缶6の内面に接触しており、これによって各負極8、8Aおよび8Bは封口缶6に導通している。
【0025】
電極体3の各負極8(8A・8B)の前後一対の直線部17a・18aは互いに平行になっており、各セパレータ9の前後一対の直線部17b・18bが互いに平行になっている。これに合わせて正極7の前後一対の直線部も互いに平行になっている。また、各負極8(8A・8B)の前側の直線部17aの左右中央がセパレータ9の導出部11に臨み、各セパレータ9の後ろ側の直線部18bの左右中央が負極リード81aに臨んでいる。前記の構成により、電極体3の前側の直線部17と電池容器2の内周面との間に正極リード71aを収容するためのスペースが確保され、電極体3の後ろ側の直線部18と電池容器2の内周面との間に負極リード81aを収容するためのスペースが確保される。
【0026】
電極体3の一対の各円弧部22・23は、電極体3の上端面から当該電極体3の側面に沿って下端面に至るように貼り付けられた第1の結束テープ14・14によってそれぞれ結束されている。また、一対の各直線部17・18が、電極体3の上端面から当該電極体3の側面に沿って下端面に至るように貼り付けられた第2の結束テープ15・15によってそれぞれ結束されている。すなわち、各結束テープ14・15は、上側の負極8Aの上面から下側の負極8Bの下面にわたって巻き付けた状態で当該負極8A・8Bの上下面に貼り付けられる。なお、各結束テープ14・15は、電極体3の側面の少なくとも一部にも貼り付けられている(図6参照)。
【0027】
各第1の結束テープ14は、図1に示すように、平面視で円弧部22・23の中央となる位置にそれぞれ配置されている。一対の第2の結束テープ15・15は、平面視で、正極リード71aまたは負極リード81aよりも円弧部22・23側に偏った位置であって、且つ、電極体3の中心Oを挟んで互いに対向する位置(点対称位置)にそれぞれ配置されている。
【0028】
詳しくは、第1の結束テープ14・14は、平面視で電極体3の中心Oに対する点対称位置に配置されており、これら結束テープ14・14の幅方向の中央部が、直線部17・18と平行であって電極体3の中心Oを通る仮想線G上に位置している。一方の第2の結束テープ15は、前側の直線部17の右側寄りとなる箇所に配置され、他方の第2の結束テープ15が、後ろ側の直線部18の左側寄りとなる箇所に配置されている。第2の結束テープ15の幅寸法は、第1の結束テープ14の幅寸法よりも小さくなっている。各結束テープ14・15は、ポリプロピレン製の接着テープ等からなる。
【0029】
このように、結束テープ14・15が、電極体3の各直線部17・18および各円弧部22・23の計四箇所に分散して配置されているので、これら結束テープ14・15によって電極体3の積層ずれを確実に防止することができる。特に直線部17・18に第2の結束テープ15・15をそれぞれ配置したことで、回転方向の積層ずれによってセパレータ9、正極7または負極8のいずれかが電極体3の中心Oのまわりに回転しようとしても、直線部17・18が第2の結束テープ15・15に受け止められることで当該回転が阻止され、これによって回転方向の積層ずれも確実に防止することができる。したがって、積層ずれによって生じる電池容量の低下を確実に防ぐことができる。
【0030】
また、積層ずれによって負極8と正極7とが適正に対向できなくなることで負極8にリチウムが析出し、このリチウムによって正極7と負極8とが短絡することを確実に防止することができる。積層ずれの確実な防止のために少なくとも一対の直線部17・18および一対の円弧部22・23に結束テープ14・15を配置すればよいので、結束テープ14・15の配置作業の手間を軽減できるとともに、結束テープの材料コストを抑えることができる。
【0031】
第2の結束テープ15・15が、正極リード71aおよび負極リード81aを避けた箇所に配置されていると、第2の結束テープ15・15がリード71a・81aごと電極体3に接着された形態では不可避となるリード71a・81aが折れ曲がって破損する不都合を防ぐことができる。各第1の結束テープ14を、平面視で円弧部22・23の中央となる位置にそれぞれ配置し、各第2の結束テープ15を、平面視で電極体3の中心Oを挟んで互いに対向する位置にそれぞれ配置したので、第1の結束テープ14・14が円弧部22・23の一方の端側に偏らず、また第2の結束テープ15・15が直線部17・18の一方の側に偏らず、これによって各結束テープ14・15の分散配置が確保されて、積層ずれをより確実に防止することができる。
【0032】
一対の第1の結束テープ14・14は、下側の負極8B側に位置する遊端部どうしを繋いで一体化したものであってもよい。また、第1の結束テープ14・14は、平面視で円弧部22・23の中央から外れた位置に配置してもよい。第2の結束テープ15は、前後の直線部17・18のいずれか一方にのみ配置してもよい。図示例のコイン形電池1は、外装缶4が正極側で封口缶6が負極側となるものであるが、封口缶6が正極側で外装缶4が負極側となるコイン形電池1にも本発明が適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
1 コイン形電池
2 電池容器
3 電極体
7 正極
8 負極
9 セパレータ
14 第1の結束テープ
15 第2の結束テープ
17・18 直線部
22・23 円弧部
O 電極体の中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平丸形の電池容器の内部に、セパレータを介して正極と負極とを上下に交互に複数段積層してなる電極体が収容されており、
前記積層構造の電極体は、平面視で、互いに対向するように形成された一対の円弧部と、これら円弧部の端部どうしを繋ぐ一対の直線部とからなる一部切り欠き円形状に形成されており、
前記各正極から導出された正極リードの基端側が、前記一対の直線部のうちの一方の直線部に位置しており、
前記各負極から導出された負極リードの基端側が、前記一方の直線部とは反対側となる他方の直線部に位置しており、
前記一対の各円弧部が、前記電極体の上端面から当該電極体の側面に沿って下端面に至るように貼り付けられた第1の結束テープによってそれぞれ結束されており、
前記一対の直線部のうちの少なくとも一つの直線部が、前記電極体の上端面から当該電極体の側面に沿って下端面に至るように貼り付けられた第2の結束テープによって結束されていることを特徴とするコイン形電池。
【請求項2】
前記一対の各直線部が、前記第2の結束テープによってそれぞれ結束されている請求項1記載のコイン形電池。
【請求項3】
前記正極リードの基端側が、平面視で、前記直線部の中央となる位置に配置されており、前記負極リードの基端側が、前記他方の直線部の中央となる位置に配置されており、
前記第1の結束テープが、平面視で前記円弧部の中央となる位置にそれぞれ配置されており、
前記一対の第2の結束テープは、平面視で、前記正極リードまたは前記負極リードよりも前記円弧部側に偏った位置にそれぞれ配置され、且つ、前記電極体の中心を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ配置されている請求項2記載のコイン形電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−81941(P2011−81941A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231403(P2009−231403)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】