説明

コイン状部材送出装置

【課題】不正操作でメダル通過センサを反応させ続け、メダル払い出し器を作動させてメダルを抜き取る不正を行い、メダル通過センサで検知したカウント数が設定枚数より小さくなって不正と判断する技術がある。しかしメダル通過センサをメダルが通過せず詰った状態でも同じように不正と判断し、メダル詰まりか不正操作か区別できず、メダル詰まりでも不正報知の警報が鳴って顧客としては迷惑である。本発明はメダルが不正操作によって只取りされる状態を的確に検出できるようする。
【解決手段】1回のメダル貸し出し動作ごとにホッパ内のメダルを所定枚数ずつ送出する場合、ホッパ内のメダルの上限値検出部と下限値検出部を設け、貸し出し動作回数が上限状態から下限状態に減少する所定回数より少ない回数であれば不正動作と判定すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1回の貸し出し動作ごとに収容部(ホッパ)内のコイン状部材を送出ロータの回転にて所定枚数ずつ送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、不正操作によって収容部(ホッパ)内のコイン状部材が只取りされる状態を検出する不正検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルホッパに貯留したメダルをメダル払い出し器によって払い出し、払い出されるメダルをメダル通過センサで検知してカウンタでカウントするようにしたものにおいて、不正操作してメダル通過センサを反応させ続けるようにして、何枚通過しても1枚と判断させるようにして、メダル払い出し器を作動させてメダルを抜き取る不正を行った場合、メダルが抜き取られることによって、メダルホッパ内のメダルが減って、メダルがタッチセンサに接触しなくなると、メダル供給ラインから自動的にメダルがメダルホッパへ補給され、メダル通過センサで検知したメダルのカウント数が、メダル払い出し設定枚数よりも非常に小さくなり、これによって不正と判断するようにした技術がある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−102425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1の技術では、メダル通過センサをメダルが通過しないで詰った状態でも同じように不正と判断するようになり、メダルが詰ったのか不正操作されたのかが区別できず、メダル詰まりのときも不正報知の警報が鳴って、顧客としては迷惑なこととなる問題がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、メダルが不正操作によって只取りされる状態を的確に検出できるようにして、上記のような問題を解決すると共に、手動補給方式か自動補給方式のいずれの場合にも、構造の変更なしに適切な対応ができる技術を提供する。また、メダル補給の補給量を記憶する方式またはその補給量に応じた金額換算方式に比して、同様に対応できる技術を提供する。
【0005】
本発明において、コイン状部材とは、円形状硬貨、円形状メダル等を含めた総称であり、以下に示す実施例では、コイン状部材を円形状のメダルとして記載する。また、薄片とは、紙幣を含むことは勿論のこと、プリペイドカードやその他のカードであって、遊技メダルの供給を受けるための有価カードを含めた総称であり、紙幣やカードの材質は問わない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明のコイン状部材送出装置は、コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから送出されるコイン状部材の通過を検出する通過検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態に減少する正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設けたことを特徴とする。
【0007】
第2発明のコイン状部材送出装置は、コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから前記送出部へ送出されるコイン状部材が通る部分に対向壁との間隔がコイン状部材の直径より狭い通路幅を保つようにバネ付勢された可動体と、前記送出ロータから前記送出部へ送出されるコイン状部材が前記可動体を押し退けつつ通過するとき前記可動体の往復作動によってコイン状部材の通過を検出する検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記可動体の往復作動の停止によって、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態に減少する正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設け、この不正検出によって前記送出ロータによる送出動作を停止することを特徴とする。
【0008】
第3発明のコイン状部材送出装置は、コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから送出されるコイン状部材の通過を検出する通過検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態を過ぎてメダル貸し出し動作を停止するまでの正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設けたことを特徴とする。
【0009】
第4発明のコイン状部材送出装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記不正動作の判定に基づき、警報を発することを特徴とする。
【0010】
第5発明のコイン状部材送出装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)へコイン状部材を自動補給する自動補給装置が接続され、前記不正動作の判定に基づき、コイン状部材の補給が行なわれないように前記自動補給装置へ停止信号を出力することを特徴とする。
【0011】
第6発明は、第1発明乃至第3発明のいずれかに記載のコイン状部材送出装置において、前記コイン状部材の貸し出し動作ごとに挿入される紙幣等の真偽を識別する薄片識別装置を備え、前記不正検出装置は、前記貸し出し動作ごとに前記薄片識別装置から出力されるコイン状部材の貸し出し回数信号に基づきコイン状部材の貸し出し回数をカウントし、この貸し出し動作回数が正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1発明では、貸し出し動作ごとに所定枚数のメダル等を送出(払い出し)する場合において、貸し出し動作回数が、貯蔵容器(ホッパ)内のメダル等の収納状態が、上限状態から下限状態に減少するときの正規の所定回数(たとえば10回)よりも少ない回数(たとえば5回)であれば、不正検出装置が不正動作と判定するため、これによって送出ロータを停止させる、警報を発する等の処置によって、不正に対処でき、損害を少なくできる。そして、動作的にも、上限状態から下限状態に減少するまでの貸し出し動作回数のチェックによって行うため、上限状態を超えて貯蔵容器(ホッパ)内にメダル等が補給されても、その補給量を記憶する方式またはその補給量に応じた金額換算方式に比して、手動補給方式か自動補給方式のいずれの場合にも、構造の変更なしに適切な対応ができるものとなる。
【0013】
第2発明では、第1発明の効果に加えて、コイン状部材の通過を検出する通過検出部が、送出ロータから送出部へ送出されるコイン状部材がバネ付勢された可動体を押し退けつつ通過するとき可動体の往復作動によってコイン状部材の通過を検出する検出部によって構成されることにより、可動体の往復作動の停止によって、貸し出し動作回数が所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定し、送出ロータによる送出動作を停止することにより、コイン状部材の送出動作の安定化を維持しつつ、第1発明と同様の効果を奏することができる。
【0014】
第3発明では、第1発明または第2発明のものよりも、メダル貸し出し動作を停止するまでの広い範囲に亘って不正チェックができることとなり、不正監視範囲が広がり、安定度が増す。
【0015】
第4発明では、不正動作の判定に基づき警報を発することにより、遊技施設の管理者が直ちに不正に対応できるものとなり、第1発明乃至第3発明と同様の効果を奏することができる。
【0016】
第5発明では、コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)へコイン状部材を自動補給する自動補給装置が接続された構成において、不正動作の判定に基づきコイン状部材の補給が行なわれないように自動補給装置へ停止信号を出力するため、只取りされるコイン状部材の量を制限できるものとなる。
【0017】
第6発明では、第1発明乃至第3発明の効果に加えて、薄片識別装置から出力されるコイン状部材の貸し出し回数信号に基づきコイン状部材の貸し出し回数をカウントするため、1回の貸し出し動作にも拘わらず1回の貸し出し動作で送出される所定量を超えて多量のコイン状部材が送出されることが的確に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のコイン状部材送出装置は、コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから送出されるコイン状部材の通過を検出する通過検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態に減少する正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設けたものであり、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0019】
次に、薄片をその代表的な紙幣で表し、コイン状部材100を円形状の遊技用メダル100とした本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係るコイン状部材(メダル)貸機の正面図、図2は本発明に係るメダル貸機の前面扉を外した状態の正面図、図3は本発明に係るメダル貸機の内部構成を説明する縦断側面図、図4は本発明に係るコイン状部材送出装置の送出ロータ部とその上方のコイン状部材の収容部(またはホッパと称する)の構成を示す縦断側面図、図5は本発明に係るコイン状部材送出装置の上面斜視図、図6は本発明に係るコイン状部材送出装置のコイン状部材の収容部(またはホッパと称する)から見た平面図、図7は本発明に係るコイン状部材送出装置の送出部のカバーを外した斜視図、図8は本発明に係るコイン状部材通過検出部を示し(イ)はその23W部分の断面図であり(ロ)はその23部分の側面図、図9は本発明に係るコイン状部材の検出部23の構成を断面で示す側面図、図10は本発明に係る検出部をメダルが通過する通過時間とクロックパルスの関係を示す説明図、図11は本発明に係るコイン状部材送出装置の送出部のカバーを外した上面図、図12は本発明に係るコイン状部材送出装置の送出ロータとロータガイドリングの関係を示す断面図、図13は本発明に係る送出ロータの分離孔部分の裏側斜視図、図14は本発明に係るコイン状部材送出装置を備えたメダル貸機と遊技機の併設状態を示す正面図、図15は本発明に係る不正検出装置の構成図、図16は本発明に係る不正検出装置の動作状態を説明するフローチャート、図17は本発明に係るメダル貸機の前面扉を開いた状態の内部構成の説明斜視図である。
である。
【0020】
本発明の実施の形態を図に基づき説明する。コイン状部材としては、貨幣であるコインと遊技機専用のメダルがあるが、実施例では、コイン状部材がメダルである場合について説明する。図14において、1は遊技機であり、スロットマシン、スロットルマシン、或いはパチスロ機と称される遊技機を示す。遊技機1では所定のメダル100が使用されるため、メダル投入口25に遊技に必要な最低1枚のメダル100が投入された状態において、スタートレバー1Aを操作することにより、3個のリール1Cが回転する。この状態でタイミングを見て3個のストップボタン1Bを押すことにより、対応するリール1Cが順次停止し、表面に表示された各リール1Cの図柄や数字の組み合わせに応じて入賞メダルが、払い出し口からメダル受け皿1Dに払い出される仕組みである。
【0021】
遊技機1にはコイン状部材の貸機であるメダルの貸機MKが併設される。メダル貸機MKは、前面に開口を形成した縦長直方体のメダル貸機MKの本体200内に、遊技用メダル100の供給を受けるために前面の挿入口111から挿入された紙幣や有価カード等の薄片の識別機能を有する薄片識別装置110(紙幣のみの場合は紙幣識別装置110という)と、この薄片の挿入によって所定枚数のメダル100を払い出すメダル送出装置2と、電装部60等が収納されている。メダル貸機MKは、単に貸機と称する場合があり、また、遊技機1相互間に配置されるため台間貸機とも称される。各遊技機1にそれぞれ貸機MKが併設配置され、この形態は一つの島を形成する状態であるため、これを遊技装置の島、遊技島と称している。遊技機1と貸機MKは、遊技島の外観形成を整えるために略同一高さに形成されている。
【0022】
薄片識別装置110(実施例では紙幣識別装置110)は、挿入口111から挿入された薄片(実施例では紙幣)の真偽識別を行なうための識別機能部110Aと、そこで識別された真正薄片(実施例では紙幣)をスタックするスタック部110Bとからなる。所定の薄片(実施例では紙幣)を薄片識別装置110(実施例では紙幣識別装置110)に挿入することによって、メダル貸機MKからメダル100の供給を受けることができるものである。
【0023】
メダル貸機MKは、縦長直方体のメダル貸機本体200の前面に開口は、上部から下方へ順に、第1扉205、第2扉206、及び第3扉207で覆われている。第1扉205は、薄片識別装置110と電装部60を前面へ取り出し可能とするために、それらの前面を覆っている。また第3扉207はメダル送出装置2の前面を覆っており、メダル送出装置2から送出されるメダル100をメダル受け皿1Dに導くノズル2Nが取り付けられており、ノズル2Nと共に第3扉207をメダル貸機本体200から取り外すことによって、メダル貸機本体200内の支持部216に載置したメダル送出装置2を、後述の貯蔵容器(第1貯蔵部)5Pと共に、メダル貸機本体200から前方へ引き出しによって取り外すことができる。また、第2扉206は、後述のように、メダル貸機本体200の前面のメダル補給用開口を開いて、メダル送出装置2の上部に設けたメダル収容部(ホッパ)5へメダル100を補給するための補給用前面扉206である。
【0024】
第1扉205は、下端部をメダル貸機本体200に水平軸の軸支持部204にて回動可能に支持され、上部にロック用の施錠装置212を備えている。第2扉206は、下端部をメダル貸機本体200に軸支持部208にて回動可能に支持され、上部にロック用の施錠装置213を備えている。第3扉207は、第2扉206を開いた状態でなければ取り外しできないようになっている。即ち、第3扉207は、第3扉207の下端部207Dがメダル貸機本体200の下部に設けた係止フランジ200Fに係止し、第3扉207の上端部207Uが閉じている第2扉206の下端部206Dに近接している。このため、第2扉206を閉じた状態では、第3扉207を持ち上げても第3扉207の上端部207Uが第2扉206の下端部206Dに当接し、係止フランジ200Fとの係止を外すことができないため、第3扉207を取り外すことができない。第2扉206を開くことによって、第2扉206の下端部206Dが第3扉207の上端部207Uから離れるため、第3扉207を持ち上げれば第3扉207の下端部207Dが係止フランジ200Fの係止から外れ、その状態で第3扉207を取り外すことができる。なお、第3扉207の上部の着脱構成は特開2000−202147号と同様の構成である。
【0025】
メダル貸機MKは、その内部の上部に薄片の一つである紙幣の真偽を識別する紙幣識別装置110が配置され、下部にコイン状部材送出装置であるメダル送出装置2が配置され、そして中間部に電装部60が配置されている。
【0026】
紙幣挿入口111から挿入された紙幣の真偽判別を紙幣識別装置110で行い、識別した真正紙幣はスタック部110Bへ積層収納するが、前記遊技島の裏側に設置した薄片搬送装置(図示せず)によって、前記遊技装置の島の端部に設けた金庫へ搬送される仕組みでもよい。メダル貸機MKに適用可能な紙幣は、例えば、1000円以外に、2000円、5000円、10000円の紙幣の一つ又は複数とすることもできる。以下の実施例では、紙幣挿入口111への1000円紙幣の挿入によって50枚のメダル100が送出される(払い出される)ように設定された場合について説明する。
【0027】
電装部60は、紙幣識別装置110とメダル送出装置2等に電気的に接続されている。このため電装部60は、紙幣挿入口111から挿入され紙幣識別装置110にて識別された真正紙幣の金額データの読み込み制御や、この金額データをメダル貸機MKの前面板等に設けた表示部に表示させる制御や、この真正紙幣の金額に対応してメダル送出装置2から所定数のメダルを払い出す制御(実施例では、最低購入単位として1000円分で50枚のメダルを払い出す)や、このメダル送出装置2から払い出すメダル数をメダル貸機MKの前面に設けたLED等で構成の数字表示部214に表示させる制御や、貯蔵容器(ホッパ)5Pの収納メダルの不足状態を検知する残量検知部ESで検知しLED等の表示部214等で報知する制御や、残量検知部ESが最低残量を検知したとき、それ以降何回まで正規のメダル払い出しを行うかの制御や、後述のように、不正操作によるメダルの只取り防止のための不正検出装置250の制御や信号の授受等を行う制御部61(回路基板61Aを含む)を含む。
【0028】
紙幣識別装置110は、挿入口111から挿入された紙幣の真偽識別を行なう識別機能部110Aと、そこで識別された真正紙幣をスタックするスタック部110Bとからなる。紙幣識別装置110は、後述の第1扉(上扉)205を開いた状態で、本体200の左右壁201、202に設けた左右レール部に前方へ引き出し可能に支持されており、薄片識別装置110への電源供給線と信号線は、この引き出しと挿入によって脱着されるコネクタ112にて、電装部60の電源供給線と接続され、且つ制御部61の信号線と接続される。
【0029】
コイン状部材の送出装置であるメダル送出装置2は以下の構成をなす。即ち、合成樹脂製のベース部材4上に、円形状のコイン状部材であるメダル100を収納する収容部(またはホッパと称する)5を形成し、収容部(ホッパ)5内のメダル100を1枚ずつ送出する送出ロータ7を備えている。送出ロータ7は、収容部(ホッパ)5の下部においてベース部材4上に略水平状態に配置され、複数の分離孔10を形成した合成樹脂製であり、ベース部材4の後側に配置した電動機装置8からベース部材4内に配置した複数歯車を含む伝動機構8Aを介して、ベース部材4の上壁を貫通して延びる回転軸9の先端部に、送出ロータ7が取り付けられている。
【0030】
メダル100の収容部(ホッパ)5は、単一の形態のメダル収容部(ホッパ)であってもよいが、後述のようにメダル送出装置2をメダル貸機MKの前面側へ引き出し可能にするために、上下に分割可能な第1貯蔵部と第2貯蔵部とで構成している。即ち、メダル100の収容部(ホッパ)5は、第1貯蔵部を形成する貯蔵容器5Pと、貯蔵容器(第1貯蔵部)5P上に連続して形成された第2貯蔵部5P2とで構成し、貯蔵容器5Pと共にメダル送出装置2をメダル貸機MKの前面側へ引き出しできる。
【0031】
貯蔵容器5Pは、その後壁5G、左壁5H及び右壁5Mの上端が、縦長直方体のメダル貸機MKの本体200の左右側壁201、202と後壁203に当接状態で沿った大きさの矩形状に形成され、下面開口5Bは送出ロータ7の外周に沿う円形状をなし、上側開口が略矩形状をなすように後述の送出通路部13側の壁とその対面側の壁が前記円形状から外方へ広がり、残りの対面する2つの壁が前記送出ロータの周縁部から略垂直に延びており、下側が円形状であって上側が矩形状をなす容器形状である。この下面開口5Bに対応して送出ロータ7が配置される。
【0032】
貯蔵容器(第1貯蔵部)5Pの矩形状の上側開口5Aに連通して、貯蔵容器(第1貯蔵部)5P上に第2貯蔵部5P2が連続して形成されている。第2貯蔵部5P2は、前面に開口を形成した縦長直方体のメダル貸機MKの本体200の左右側壁201、202と後壁203とで形成した空間によって形成されており、これによって、第2貯蔵部5P2は前面に補給用開口を形成している。施錠装置213をキーによって外した状態で、この補給用開口を開閉する補給用前面扉206を開くことにより、この第2貯蔵部5P2へメダル100を手動によって補給できる。補給用前面扉206は、上部が前方へ回動して開くように、下端部が水平軸の軸支持部208によって支持されている。第2貯蔵部5P2の前面の補給用開口の底部には、補給案内底板209が第2貯蔵部5P2の左右側壁201、202に亘って取り付けられている。また、補給用前面扉206の左右部分には、第2貯蔵部5P2の左右側壁201、202に沿って延びた補給案内左右板210、211が取り付けられている。補給用前面扉206は、前方へ回動して略90度の範囲で開くことができるように制限機構が設けられている。
【0033】
この構成において、メダル100を管理者が手動補給する場合、補給用前面扉206を前方へ回動して略90度の範囲で開く。この状態で、第2貯蔵部5P2の補給用開口の左右部分には、補給案内左右板210、211が露出して、補給されるメダル100が左右両側から零れないように作用し、また、第2貯蔵部5P2の補給用開口の底部に存在する補給案内底板209によって、補給されるメダル100が第2貯蔵部5P2及びその下方の貯蔵容器(第1貯蔵部)5Pへ導入される。
【0034】
貯蔵容器(ホッパ)5P内に収容されるコイン状部材100であるメダル100の荷重が、送出ロータ7に掛かることを減衰するために、貯蔵容器(第1貯蔵部)5Pの前壁5Fから送出ロータ7の中央部上方位置へ向けて低く傾斜した減圧板37を設けている。この補給されるメダル100は、貯蔵容器(第1貯蔵部)5Pの後壁5Gへ直接落下し、その傾斜に沿って送出ロータ7へ向けて移動するものと、減圧板37に衝突して、減圧板37の傾斜に沿って移動するものがある。このようにして、貯蔵容器(第1貯蔵部)5P及び第2貯蔵部5P2内にメダル100が収容される。
【0035】
回転軸9の先端部に取り付けられた送出ロータ7は、図12に示すように、ベース部材4の上面に形成した円形状の窪み4Aに略水平状態に配置され、窪み4Aの表面から若干離れた状態で電動機装置8によって、図11に示すように所定方向(図ではR方向)へ回転する構成である。送出ロータ7の上面周縁部及び周囲面と若干の間隔を存して送出ロータ7の上面周縁部と周囲面を覆うようにロータガイドリング20が設けられている。ロータガイドリング20は、窪み4Aを取り囲むように窪み4Aよりも高い位置に形成した円形状の段部4Bに載置され、ベース部材4に形成した係止爪部21によってベース部材4の所定位置に保持される。ロータガイドリング20は、送出ロータ7の上面周縁部を覆うリング部20Aから外方へ広がるように傾斜したリング部20Bを形成しており、図4に示すように、貯蔵容器(ホッパ)5Pの円形状の下面開口5Bが、リング部20A、20Bに沿うように、貯蔵容器(ホッパ)5Pがベース部材4に取り付けられる。
【0036】
送出ロータ7が回転軸9の先端部に取り付けられて窪み4Aに配置された状態で、ロータガイドリング20の周縁部に複数箇所形成した切り欠き20Cを各係止爪部21に対応させるように、ロータガイドリング20を段部4Bに載置し、この状態で図7及び図11において、ロータガイドリング20を時計方向へ回動させることによって、図7、図11及び図12に示すように、ロータガイドリング20が係止爪部21の下側に潜り込んで係止されると共に、ロータガイドリング20の端部20Dがベース部材4に形成したストッパ段部22に当接して、ロータガイドリング20が所定位置に保持される。
【0037】
送出ロータ7は、図13に示すように、同心円上に複数の分離孔10(図示のものは6個の分離孔を有するが、これに限定されない)を略等間隔に配置した円盤状をなし、各分離孔10は、メダル100の直径よりも若干大きい直径でもって送出ロータ7を上下に円形状に貫通し、上側周縁部には回転方向Rの下流側に下向きの低く傾斜状に広がった案内面11を形成している。また、各分離孔10の下側周縁部には、送出ロータの周縁に臨む開放出口10Aを形成し、この開放出口10Aの回転方向Rの下流側には、送出ロータ7の周縁へ延びる流線型の押し出し壁12を形成している。
【0038】
図12に示すように、ベース部材4の上面の窪み4Aには、送出ロータ7の周縁部に臨むようにメダル100の送出通路13が形成されている。この送出通路13の入口側に対応して、分離孔10の回転軌跡上に、円錐状の送出案内ピン45が設けられ、送出ロータ7の下面には、この送出案内ピン45が衝突しないように、たて形成した円形状の窪み4Aに配置され、回転軸9を中心とした円形の溝45Aが形成されている。この送出案内ピン45と固定側壁15の最小間隔(図では案内面15Bの上端部との間隔)は、図11に示すように、メダル100の直径と等しいか、若干大きい間隔である。
【0039】
この構成によって、送出ロータ7の回転によって、貯蔵容器(ホッパ)5Pのメダル100は、1枚ずつ分離して分離孔10に順次入り込み、分離孔10の底部に入り込んだメダル100は、送出ロータ7の回転に伴ってベース部材4の上面を滑りつつ送出案内ピン45に衝突し、押し出し壁12によって、ベース部材4の上面に形成した送出通路13へ向けて、開放出口10Aから送出ロータ7の外方へ押し出される仕組みである。このようにして、メダル100は、送出ロータ7の回転に伴って各分離孔10から1枚ずつ送出される。
【0040】
このようにして送出ロータ7の外方へ押し出されたコイン状部材100は、図11に示すように、送出案内ピン45と固定側壁15の案内面15Bとの対向部間を通り、通路規制部81へ到達する。通路規制部81は、対向壁を構成する固定側壁15との間隔がメダル100の直径より狭い通路幅を保つようにバネ17で付勢された可動体16を設けている。メダル100がこのバネ付勢に抗して可動体16を押して退避させつつ通過する際、可動体16の復帰力によってメダル100が送出通路13へ弾き飛ばされる構成である。
【0041】
通路規制部81は送出通路13の入口部に位置する。送出通路13の通路幅T1は、案内面15Bと交差する固定側壁15の先端の直線部15Aと、その対面側に固定側壁15と並行に配置した固定側壁26との間隔で形成される。この通路幅T1は、メダル100が円滑に移動できるように、メダル100の直径よりも若干大きい寸法に定めている。このため、通路規制部81は、固定側壁15のコーナ部と可動体16とで、メダル100の半径より大きく直径よりも小さい間隔の狭い通路幅を保つ間隔で形成される。
【0042】
送出ロータ7から外方へ押し出されたコイン状部材100が、スムースに送出通路13へ移動するようにするために、ベース部材4の上面4Aと通路規制部81と送出通路13は、ベース部材4の上面4Aと同一面になるように形成されている。なお、固定側壁15は、耐磨耗性を考慮して金属製とし、実施例ではステンレススチールで構成している。ベース部材4の上面側には、送出ロータ7の分離孔10に侵入したコイン状部材100が接触する位置に静電気を逃がす導電部材30を配置し取り付けている。導電部材30は、送出ロータ7の回転によって分離孔10内のコイン状部材100と摩擦が生じるため、耐摩耗性に優れた材料で構成する必要があり、実施例ではステンレススチールで構成している。
【0043】
可動体16は、固定部15に対して送出ロータ7の回転方向(R)前方側に位置し、通路規制部81を通過するコイン状部材100によって押し圧作動されるように、復帰作用バネ17で付勢された状態に設けられている。可動体16は、略V字状又は略L字状の可動アーム19の中間部がベース部材4の上壁の下側に軸支持部18で回転可能に支持され、図11等に示すように、可動アーム19の一方の腕辺に立設した軸19Aが、ベース部材4の上壁に形成したスリット4Sを貫通し、この貫通した軸19Aに回転可能に取り付けた円筒状のローラ16Aが通路規制部81に突出状態で臨む。可動アーム19の他方の腕辺は、一端がベース部材4に保持されたバネ17の引っ張り力によって引っ張られており、それによって、可動体16のローラ16Aは固定部15との間にコイン状部材100の半径より大きく直径よりも小さい間隔を有する通路規制部81を形成している。可動アーム19の他方の腕辺は、ベース部材4の下側に設けたメダル100の枚数を検知するための検出部23Wを作動する作動部16Bとして作用する。
【0044】
通路規制部81を通過したメダル100の枚数を検知するための検出部23Wは、図8(イ)に示すように、合成樹脂製ホルダの上下辺に発光部23Pと受光部23Qが収納された構成の光スイッチであり、可動アーム19がコイン状部材100によって回動する前の状態(待機状態という)では、可動アーム19の作動部16Bが発光部23Pから受光部23Qへ到達する光通路から離れている。
【0045】
このように、メダル100が通路規制部81を通過するとき、コイン状部材100がローラ16Aに当接してバネ17の引っ張り力に抗して可動アーム19が回動することによって、前記待機状態にあった可動アーム19の作動部16Bが発光部23Pから受光部23Qへ到達する光通路を遮った状態となる。そして、メダル100が通路規制部81を通過したとき、可動アーム19がバネ17によって復帰するため、作動部16Bが発光部23Pから受光部23Qへ到達する光通路を開放する。この受光部23Qの動作によって、図10に示すP25の矩形状パルス(幅TS)が発生し、このパルスP25の数を電装部60に設けた制御部61の計数部(図示せず)によって計数することによって、メダル100の送出枚数がカウントされる仕組みである。この場合、メダル100が検出部23Wを通過する時間は、図10に示す矩形状パルスP25とクロックパルスのANDによるクロックパルス数を制御部61のカウンタで計数することによって判別できる。
【0046】
この弾き飛ばされたメダル100は、送出出口14から送出される。これによって、送出ロータ7は1秒間に2回転し、図示の分離孔10が6個の送出ロータ7では、1秒間に12枚のコイン状部材100を連続して送出するような高速送出が行なえ、検出部23Wでの安定した検出動作ができる。
【0047】
このように、送出ロータ7の回転に伴ってメダル100が1枚ずつ送出されるため、1回の貸し出しに必要な金額(実施例では1000円)紙幣が遊技客によって紙幣挿入口111へ挿入されることに応じて送出されるメダル100の所定枚数(実施例では50枚)を予め設定しておけば、検出部23Wでの検出に基づく計数値がこの所定枚数(実施例では50枚)に達したとき、制御部61によって電動機装置8の回転を停止するように構成すれば、安定した送出動作が得られる。
【0048】
送出ロータ7の外方へ押し出されるメダル100は、この固定側壁15と可動体16との対向部間の通路規制部81に到達した際、図11に一点鎖線で示すように可動体16をバネ17の引っ張り力に抗して16Aの状態に押し退けつつ進み、メダル100の直径部が通過したとき、バネ17の引っ張り力によって復帰する可動体16によって、送出口14方向へ弾き飛ばされる。メダル100の送出枚数を正確に係数するためと、また、メダル詰まりの検出のために、送出通路13にメダル通過の検出部23を設けている。この弾き飛ばされたメダル100は、固定側壁26側から送出通路13に臨むように配置した検出部23をY1方向に通過して、送出口14から送出される。
【0049】
このようにして送出口14から送出されるメダル100は、ノズル2Nを通って遊技機1の前面に設けた受け皿1Dへ供給され、遊技客による次の遊技に使用可能となる。送出通路13の通路幅T1は、固定側壁15の先端の直線部15Aとその対面側に固定側壁15と並行に配置した固定側壁26との間隔で形成される。この通路幅T1は、メダル100が円滑に移動できるように、メダル100の直径よりも若干大きい寸法に定めている。
【0050】
検出部23は、図8(ロ)及び図9に示すように、検出センサとして発光部と受光部からなる光センサ構成である。実施例では、発光部24Aと受光部25A、及び発光部24Bと受光部25Bの二組の光センサで構成されており、メダル100が検出部23を通過するとき、発光部24Aから受光部25Aへ到達する光通路、又は発光部24Bから受光部25Bへ到達する光通路が、メダル100によって遮られることによって、送出されるメダル100を検出する。
【0051】
検出部23における検出位置は、メダル100の直径を外れた部位での検出としている。即ち、送出ロータ7から送出されるメダル100が連なって送出される場合にも、1枚ずつの検出ができるようにするために、発光部24A、24Bから受光部25A、25Bへ至るそれぞれの光通路は、送出されるメダル100の直径部位ではなく、直径部位から外れた位置、即ち、メダル100の直径よりも短い部位での検出としている。即ち、図9に示すように、円形状のメダル100の中心CHを通る直径部位から固定側壁26側に寄った位置AHとBHで検出するように、それぞれ発光部24Aから受光部25Aへ至る光通路と、発光部24Bから受光部25Bへ至る光通路を定めている。
【0052】
また、検出部23は一つの発光部24Aと一つの受光部25Aのみでもよいが、発光部24Aと受光部25A、及び発光部24Bと受光部25Bの二組で構成されるのは、上記のように検出精度を上げると共に、悪戯対策である。即ち、メダル100がY1方向に通った場合の検出パルスを計数信号として制御部61で採用し、悪戯によってY1方向と反対方向にメダル100が押し込まれて通過した場合の検出パルスを不採用とすることによって、悪戯によって誤った計数がされないようにしている。検出部23をこのような受光量の変化によって検知する方式に替えて、メダル100が通過することによって生じる電気量(静電容量、誘起起電力、周波数など)の変化や又は磁気量の変化などを計測するものでもよい。
【0053】
検出部23は、発光部24Aと受光部25Aの組み合わせ位置、及び発光部24Bと受光部25Bの組み合わせ位置を正確にするために、図8(ロ)に示すように、発光部24A、24Bと受光部25A、25Bとを合成樹脂製ホルダ23A内に収めた構成である。合成樹脂製ホルダ23Aは略コ字形をなし、その一方の辺である上辺23A1に発光部24A、24Bが送出通路13に上方から臨むように、上手側(上流側)と下手側(下流側)の配置で内蔵され、上辺23A1に対抗する合成樹脂製ホルダ23Aの他方の辺である下辺23A2には、受光部25A、25Bが送出通路13に下方から臨むように、上手側(上流側)と下手側(下流側)の配置で内蔵されている。そして、合成樹脂製ホルダ23Aの発光部24A、24Bから受光部25A、25Bに至るそれぞれの光通路部分は、透明資材で構成された透明部23Bを形成している。
【0054】
合成樹脂製ホルダ23Aは、発光部24A、24Bと受光部25A、25Bを合成樹脂成形によって埋設する構成の場合と、合成樹脂製ホルダ23Aがケースで構成され、このケースの中に発光部24A、24Bと受光部25A、25Bを収納して密閉する構成の場合とがある。本発明では、合成樹脂成形によって埋設する構成の場合、及びこのケース構成の場合の両方を含めて、合成樹脂製ホルダ23Aと称している。
【0055】
送出通路13と検出部23の部分は、合成樹脂製のカバー32によって覆われている。カバー32は、ベース部材4の上面に形成した係止部33に下側に潜り込んで係止され、他端側はネジ34によってベース部材4にネジ止めされる。このカバー32の下面32Aと送出通路13の上面13Aとの間隔T2が、メダル100の厚さT0よりも若干大きい寸法になっている。これによって、固定側壁15と固定側壁26の間隔T1(メダル100の直径方向の間隔)と、このカバー32の下面32Aと送出通路13の上面13Aとの間隔T2(メダル100の厚さ方向の間隔)との間が、送出通路13のコイン状部材通路の大きさである。そして、この送出通路13のコイン状部材通路の出口が、メダル100の送出口14となる。
【0056】
上記のメダル100の通過枚数の計数方式は、メダル通過検出部23Wをメダルが通過するごとに計数しているが、これに替わる方式として、メダル100の送出枚数を正確に係数するために、上記したメダル通過の検出部23Wで1枚のメダル100が送出されたことを検出した後、続いて通過する検出部23(一方の発光部と受光部の組でよい)でそのメダル100が送出されたことを検出したとき、電装部60に設けた制御部61の計数部(図示せず)に1枚のメダル100が計数される関係とし、この関係によって、順次送出されるメダル100の枚数を計数とするようにすることができる。
【0057】
上記のように、コイン状部材送出装置2は、コイン状部材100の送出出口14が前面に向くようにメダル貸機MK内に設置されるため、メダル貸機MKの前面側から差し込まれた板状部材や金属棒状部材等によって、送出出口14を通して可動体16が押されて回動した状態のままに保持される虞がある。紙幣挿入口111へ真正の1000円紙幣を挿入して、所定枚数である50枚のメダル貸し出しを受ける場合、送出ロータ7の回転によって、1回のメダル貸し出しで送出される所定枚数(50枚)が、送出ロータ7の回転によって送出される。このコイン状部材100の送出動作中、またはこの送出動作前であるメダル貸し出し待機状態において、可動体16が押されて回動した状態のままに保持される(可動体16の往復作動の停止状態となる)と、検出スイッチ部23では、送出されるコイン状部材100の枚数の検出ができない。そのため、前記制御部の計数部による計数値が所定枚数に達せず、いつまでも電動機装置8が送出ロータ7を回転し、コイン状部材100の送出がいつまでも続くこととなり、所謂、不正にコイン状部材100が取り出されることとなる。
【0058】
本発明は、このような不正操作によって、コイン状部材100が取り出される状態になったか否かを検出する不正検出装置を提供する。不正検出装置250は、制御部61の一部または別個に設けられており、図15に示すように、CPU(中央演算装置)251、データの書き込みと読み出し用のメモリであるRAM252、不正検出装置250が所定のプログラムに従って動作するためのプログラムを記憶した読み出し専用メモリであるROM253、インターフェース254、警報制御部255、スピーカ256、警報灯(LED等)257で構成し、メダル収容部(ホッパ)5のメダル切れ検出部であるメダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260A、下限値検出部である下限センサ(または下限電極ともいう)260B、上限値検出部である上限センサ(または上限電極ともいう)260C、薄片識別装置110が、それぞれインターフェース254に接続され、インターフェース254からCPU(中央演算装置)251に接続されている。メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260A、下限センサ(または下限電極ともいう)260B、及び上限センサ(または上限電極ともいう)260Cは、メダル収容部(ホッパ)5内のメダルの収納状態を検出するように配置されている。
【0059】
紙幣挿入口111へ1000円紙幣が挿入されて薄片識別装置110の識別部によって真偽識別され、真正紙幣である場合に、その信号が薄片識別装置110から制御部61へ入力されて、それに基づき1回のメダル貸し出しで送出す(払い出す)べき所定枚数(50枚)のメダルを送出ロータ7の回転によって送出する(払い出す)ように制御する。これと共に、薄片識別装置110からインターフェース254を介してCPU(中央演算装置)251に1回のメダル貸し出し回数信号が入力される。
【0060】
貯蔵容器(第1貯蔵部)5Pの前壁5Fのコーナ部には、先端46Pが回転する送出ロータ7の分離孔10に上方から近接するように延びたコイルバネで構成したメダル残留防止部材46が設けられている。このメダル残留防止部材46は、送出ロータ7の回転に伴って、メダル100が抵抗を受け、横に倒れた水平状態のメダル100が1枚ずつメダル分離孔10に入るように作用するものである。このメダル残留防止部材46は、電気的に通電されたメダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260Aを構成している。
【0061】
下限センサ260Bは、補給センサとも称し、減圧板37の上面に広く露出するように、合成樹脂でこの減圧板37の上面部に一体に埋め込まれた状態であり、複数枚のメダル100が接触できる広い面積(メダル100の直径よりも大きい面積)に形成されている。また、上限センサ260Cは、メダル収容部(ホッパ)5の満杯の上限値を検出するように、複数枚のメダル100が接触できる広い面積(メダル100の直径よりも大きい面積)でもって、メダル収容部(ホッパ)5の上部で左右側面部または後側面部に配置されている。図示のものは、左右両側の一方側(図では左側)に、上部よりも下部が内側に向くように斜め配置している。
【0062】
メダル収容部(ホッパ)5内にメダル100が収容されているときは、メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260Aにメダル100が接触している(メダル切れセンサ260AがON状態)。そしてメダル収容部(ホッパ)5内にメダル100が満杯状態の収容状態では、上限センサ260Cにメダル100が接触している(上限センサ260CがON状態)。この状態で、メダル切れセンサ260Aと上限センサ260C、及びメダル切れセンサ260Aと下限センサ260Bが、それぞれメダル収容部(ホッパ)5内に収容されているメダル100を通して電気的に連通し、その状態がインターフェース25を通してCPU(中央演算装置)251で検出される。この状態で、紙幣挿入口111への真正の1000円紙幣の挿入に基づき、コイン状部材送出装置2の送出ロータ7が回転して、所定枚数(50枚)のメダル100を送出することができる。実施例では、1回のメダル貸し出しのための所定の単位金額が1000円であり、1000円紙幣の挿入によって送出されるメダル100の所定枚数は50枚に設定されている。この50枚の数字はメダル貸機MKの前面の数字表示部214に「50」の表示として表れる。
【0063】
このメダル100の満杯状態において、通常の動作状態では、紙幣挿入口111への真正の1000円紙幣を挿入して、所定枚数である50枚のメダル貸し出しを受ける場合、このメダル貸し出し回数ごとに、コイン状部材送出装置2の送出ロータ7が回転して、所定枚数である50枚のメダル100が送出される。このようにしてメダル100のメダル貸し出し動作が行なわれるごとに、メダル収容部(ホッパ)5内のメダル100が減少し、上限センサ260Cからメダル100が離れ(上限センサ260CがOFF)、更に、所定メダル貸し出し回数(実施例では10回に設定)以上のメダル送出(メダル払い出し)が行なわれて収容メダル100が減少し、下限センサ260Bからメダル100が離れる状態(下限センサ260BがOFF)となる。
【0064】
具体的には、実施例では、1回のメダル貸し出し動作で50枚のメダル100が送出されるように設定されているため、上限センサ260Cからメダル100が離れた状態(上限センサ260CがOFF)から、10回のメダル貸し出し回数によって合計500枚のメダル100が送出されたとき、下限センサ260Bからメダル100が離れる状態(下限センサ260BがOFF)となる。
【0065】
CPU(中央演算装置)251は、薄片識別装置110で1000円紙幣が受領されるごとに薄片識別装置110から出力されるメダル貸し出し回数信号に基づきメダル貸し出し動作回数をカウントする。このため、上限センサ260Cからメダル100が離れて(上限センサ260CがOFF)から下限センサ260Bからメダル100が離れる(下限センサ260BがOFF)までのメダル貸し出し回数が、所定回数(実施例では10回に設定)と同等または以上であることがCPU(中央演算装置)251で判定されたときは、正常状態の判定信号が出力部270から出力され、この出力が制御部61の所要部へ入力される。
【0066】
もし上記のように、不正操作によって、可動体16が押されて回動した状態のままに保持されると、検出スイッチ部23Wでは、送出されるコイン状部材100の枚数の検出ができない。そのため、前記制御部61の計数部による計数値が所定枚数に達せず、いつまでも電動機装置8が送出ロータ7を回転し続けて、コイン状部材100の送出がいつまでも続くこととなり、所謂、不正にコイン状部材100が取り出されることとなる。
【0067】
この不正操作が行なわれると、上限センサ260Cからメダル100が離れて(上限センサ260CがOFF)から、下限センサ260Bからメダル100が離れる(下限センサ260BがOFF)までのメダル貸し出し動作回数が、所定回数(実施例では10回に設定)よりも少ない回数となる。これがCPU(中央演算装置)251で不正動作と判定され、不正動作信号が出力部270から出力され、この出力に基づき制御部61は、コイン状部材送出装置2の送出ロータ7の駆動用電動機装置8を停止させて、メダル100の送出動作を停止させる。これと共に警報制御部255が動作して、メダル貸機MK内等に配置したスピーカ256を発音させ、及びまたはメダル貸機MKの前面の警報灯(LED等)257を点滅、消灯から赤色発光へ切り替え、または強い赤色発光させる等の警報モードにして警報を発する。また、出力部270の動作に基づき、予め定めたエラーコードが数字表示部214に表示され、且つ外部出力を制御部61へ発する。表示部214と警報灯257は、第2扉(またはカバー)206の透孔部を通してメダル貸機MKの前面から視認できる構成である。
【0068】
この外部出力に基づき、挿入口111へ挿入された紙幣を受け付けないように薄片識別装置110を制御し、また、メダル貸機MKのメダル収容部(ホッパ)5へメダル自動補給装置が接続されている構成においては、このような不正動作信号の出力によって、メダル自動補給装置によるメダル100の補給が行なわれないように、メダル自動補給装置へ停止信号を出力する。
【0069】
このように、上限センサ260Cからメダル100が離れた(上限センサ260CがOFF)状態で、最初に行なわれるメダル貸し出し動作からCPU(中央演算装置)251に含まれるメダル監視カウンタが、メダル貸し出し回数のカウントを開始する。メダルの送出によって下限センサ260BがOFFするときまでのメダル貸し出し回数が、所定メダル貸し出し回数(実施例では10回に設定)以上の場合は正常と判定し、この所定メダル貸し出し回数(実施例では10回に設定)未満(9回以下)の場合は、不正と判定し、上記の所要の動作を行なう。この具体的な動作は、図16のフローチャートに示している。
【0070】
上記のような不正操作が行なわれずに、正規のメダル貸し出し回数が重ねられて、メダル収容部(ホッパ)5内のメダル100が減少し、下限センサ260Bからメダル100が離れる状態(下限センサ260BがOFF)に達した状態で、メダル貸機MKの前面の警報灯(LED等)257を点灯させると共に、出力部270の動作に基づき、予め定めたエラーコードが数字表示部214に表示される。この場合、何回目かのメダル貸し出し動作において50枚のメダル100が送出されている途中に、下限センサ260Bからメダル100が離れた(下限センサ260BがOFFした)場合には、その時点でメダル送出を停止するのではなく、所定の貸し出し動作を完了(50枚のメダルを送出)するまで動作するようにしている。この下限センサ260BがOFF状態で、手動補給しない場合、または自動補給されずに、更にメダルの送出(払い出し)が行われても、所定回数(実施例では3回に設定)のメダル貸し出し動作が可能であるように設定されている。これはメダル送出途中にメダル切れとなって顧客に貸し出すメダル数に不足を生じさせないためである。この所定回数(実施例では3回に設定)のメダル貸し出し動作の後、CPU(中央演算装置)251はメダル切れと判定し、メダル切れ信号が出力部270から出力され、この出力に基づき制御部61は、挿入口111へ挿入された紙幣を受け付けないように薄片識別装置110を制御すると共に、メダル貸機MKの前面の警報灯(LED等)257を発光させて、メダル切れを表示すると共に、予め定めたエラーコードが数字表示部214に表示される。
【0071】
このようなメダル切れの表示によって、施設の管理者は補給用前面扉206を開いて前面から、メダル100をメダル収容部(ホッパ)5内に補給する。この補給は、目視で行なうが、メダル100の収納状態が上限センサ260Cによって検出されたとき、警報灯(LED等)257の発光が消灯することにより、満杯状態となったことが視認できる。なお、メダル貸機MKのメダル収容部(ホッパ)5へメダル自動補給装置が接続されている構成においては、このメダル切れ信号の出力によって、メダル自動補給装置が作動してメダル100がメダル収容部(ホッパ)5内に補給され、メダル100の収納状態が上限センサ260Cによって検出されたとき、メダル自動補給装置による補給を停止する。
【0072】
上記において、下限センサ260Bからメダル100が離れた(下限センサ260BがOFFした)場合、所定回数(実施例では3回に設定)のメダル貸し出し動作の後、CPU(中央演算装置)251はメダル切れとするが、この場合のメダル貸し出し動作回数も含めて、不正動作があったか否かの判定を行なう。即ち、上限センサ260Cからメダル100が離れた(上限センサ260CがOFF)状態からメダルが減少して、下限センサ260Bからメダル100が離れる(下限センサ260BがOFFする)下限状態を過ぎて、設定された所定回数(実施例では3回に設定)のメダル貸し出し動作を行なってメダル貸し出し動作を停止するまでの正規の所定回数よりも少ない回数であれば、不正検出装置が不正動作と判定するようにすることもできる。このようにすれば、メダル貸し出し動作を停止するまでの広い範囲に亘って不正チェックができることとなる。
【0073】
なお、上記のように、メダルの送出(払い出し)によってメダル収容部(ホッパ)5内のメダルが減少し、下限センサ(または下限電極ともいう)260Bよりも少なくなった状態で、所定回数(実施例では3回に設定)のメダル貸し出し動作後にメダル切れとする制御に替わる方式がある。その方式は、メダルの送出(払い出し)によってメダル収容部(ホッパ)5内のメダルが減少し、下限センサ(または下限電極ともいう)260Bからメダル100が離れた(下限センサ260BがOFFした)状態で、メダル貸機MKの前面の警報灯(LED等)257を点灯させると共に、出力部270の動作に基づき、予め定めたエラーコードが数字表示部214に表示される。この状態で、手動補給しない場合、または自動補給されずに、更にメダルの送出(払い出し)が行われて、メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260Aからメダルが離れたとき(メダル切れセンサ260AがOFFしたとき)、CPU(中央演算装置)251はメダル切れと判定し、メダル切れ信号が出力部270から出力され、この出力に基づき制御部61は、挿入口111へ挿入された紙幣を受け付けないように薄片識別装置110を制御する。なお、メダル貸機MKの前面の警報灯(LED等)257を点滅させて、メダル切れを表示すると共に、予め定めたエラーコードが数字表示部214に表示されるように構成してもよい。なお、メダル切れセンサ260AがOFFしたとき、そのメダル貸し出し動作途中のメダル送出(払い出し)は中断せずに完了するようにし、且つこのメダル送出(払い出し)終了後も若干のメダル数が残る状態としてある。
【0074】
上記において、メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260A、下限センサ(または下限電極ともいう)260B、上限センサ(または上限電極ともいう)260Cは、いずれもメダル100に接触する電極式で説明したが、電極式の場合は、メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260Aは共通電極であり、メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260Aと上限センサ(または上限電極ともいう)260Cによって満杯を検出する満杯状態検出部(上限値検出部)を構成し、メダル切れセンサ(またはメダル切れ電極ともいう)260Aと下限センサ(または下限電極ともいう)260Bによって、減少した下限値を検出する下限状態検出部(下限値検出部)を構成している。
【0075】
しかし、メダル収容部(ホッパ)5内のメダルの満杯状態と、減少した下限状態を検出するものであれば、センサ260A、260B、260Cは、これに限定されるものではなく、例えば、発光素子と受光素子の間の光路をメダルが遮るか否かでメダル100が存在するか否かの検出を行なう光学式センサであってもよい。このため、光学式センサの場合は、下限値を検出する下限状態検出センサ(下限値検出部)として下限センサ260Bと、満杯状態を検出する満杯状態検出センサ(上限値検出部)として上限センサ260Cがあれば、上記不正操作を検出できるものとなる。
【0076】
上記において、メダル貸し出し回数(上記では10回)、1回のメダル貸し出し動作で払い出すメダル100の所定枚数(上記では50枚)、満杯状態検出から下限状態検出までの正規のメダル貸し出し回数等は、外部から管理者が変更可能とする場合はRAM252、または他のメモリに記憶させればよく、また、これ他の値が外部から変更不可能とする場合はROM253に記憶させてもよい。
【0077】
上記では、メダル通過の検出部23Wが不正操作された状態になった場合を説明したが、上記のようにメダル通過の検出部23、23Wの両方によってメダルの送出枚数を検出して計数する場合には、メダル通過の検出部23が不正操作されて計数不能状態になった場合でも同様に、不正検出装置250が不正と判定する制御を行うようにしてもよい。また、可動体16によるメダルの弾き飛ばし機構は保留しつつメダル通過の検出部23Wを設けず、メダル通過の検出部23のみでメダルの送出枚数を検出して計数する場合にも、上記同様に不正検出装置250が不正と判定する制御を行うようにしてもよい。
【0078】
上記のように、メダル通過の検出部23Wで1枚のメダル100が送出されたことを検出した後、続いて通過する検出部23(一方の発光部と受光部の組でよい)でそのメダル100が送出されたことを検出したとき、電装部60に設けた制御部61の計数部(図示せず)に1枚のメダル100が計数される関係とし、この関係によって、順次送出されるメダル100の枚数を計数とする方式では、検出部23Wで1枚のメダル100が送出されたことを検出したが、正常ならば、所定の短時間(5秒)内に続いて検出部23Wで次のメダル100が検出される筈であるが、その所定の短時間(5秒)経ったとき検出部23Wで次のメダル100が検出されなければ、制御部61に設けた判定部によってメダル詰まりと判定して、制御部61によって、電動機装置8を停止し送出ロータ7の回転を停止させるようにすることができる。
【0079】
また、メダル詰まり検出方式として、検出部23または23Wにおいてメダル詰まり状態となったとき、制御部61によって、電動機装置8を停止し送出ロータ7の回転を停止させることができる。この場合、検出部23Wをメダル100が通過する時間と、検出部23をメダル100が通過する時間は、それぞれ所定時間であり、実施例では略同じ15ミリ秒であるが、もし、この時間を超えた所定時間(例えば100ミリ秒)ON状態(検出部23Wでは可動アーム19の作動部16Bが発光部23Pから受光部23Qへ到達する光通路を遮断したままの状態、また検出部23では発光部24A、24Bから受光部25A、25Bへ至るそれぞれの光通路がメダル100で遮断したままの状態)が継続したときは、制御部61に設けた判定部によってメダル詰まりと判定して、制御部61によって、電動機装置8を停止し送出ロータ7の回転を停止させる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の変更が考えられ、それに係る種種の実施形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係るコイン状部材(メダル)貸機の正面図である。(実施例1)
【図2】本発明に係るメダル貸機の前面扉を外した状態の正面図である。(実施例1)
【図3】本発明に係るメダル貸機の内部構成を説明する縦断側面図である。(実施例1)
【図4】本発明に係るコイン状部材送出装置の送出ロータ部とその上方のコイン状部材の収容部(またはホッパと称する)の構成を示す縦断側面図である。(実施例1)
【図5】本発明に係るコイン状部材送出装置の上面斜視図である。(実施例1)
【図6】本発明に係るコイン状部材送出装置のコイン状部材の収容部(またはホッパと称する)から見た平面図である。(実施例1)
【図7】本発明に係るコイン状部材送出装置の送出部のカバーを外した斜視図である。(実施例1)
【図8】本発明に係るコイン状部材通過検出部を示し(イ)はその23W部分の断面図であり(ロ)はその23部分の側面図である。(実施例1)
【図9】本発明に係るコイン状部材の検出部23の構成を断面で示す側面図である。(実施例1)
【図10】本発明に係る検出部をメダルが通過する通過時間とクロックパルスの関係を示す説明図である。(実施例1)
【図11】本発明に係るコイン状部材送出装置の送出部のカバーを外した上面図である。(実施例1)
【図12】本発明に係るコイン状部材送出装置の送出ロータとロータガイドリングの関係を示す断面図である。(実施例1)
【図13】本発明に係る送出ロータの分離孔部分の裏側斜視図である。(実施例1)
【図14】本発明に係るコイン状部材送出装置を備えたメダル貸機と遊技機の併設状態を示す正面図である。(実施例1)
【図15】本発明に係る不正検出装置の構成図である。(実施例1)
【図16】本発明に係る不正検出装置の動作状態を説明するフローチャートである。(実施例1)
【図17】本発明に係るメダル貸機の前面扉を開いた状態の内部構成の説明斜視図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0082】
1・・・・遊技機
2・・・・コイン状部材送出装置
4・・・・ベース部材
5・・・・コイン状部材の収容部(ホッパ)
5A・・・上側開口
5B・・・下側開口
5F・・・貯蔵容器(ホッパ)の前壁
5G・・・貯蔵容器(ホッパ)の後壁
5H・・・貯蔵容器(ホッパ)の左壁
5M・・・貯蔵容器(ホッパ)の右壁
5P・・・貯蔵容器(第1貯蔵部)
5P2・・第2貯蔵部
7・・・・送出ロータ
8・・・・電動機装置
9・・・・回転軸
10・・・分離孔
13・・・送出通路(送出部)
15・・・固定側壁
16・・・可動体
17・・・バネ
20・・・ロータガイドリング
20C・・切り欠き
21・・・係止爪部
23・・・コイン状部材の通過検出部
23W・・コイン状部材の通過検出部
23P・・発光部
23Q・・受光部
24A、24B・・・発光部
25A、25B・・・受光部
26・・・固定側壁
37・・・コイン状部材用減圧板
37P・・減圧板の弧状先端部
40・・・コイン状部材用制限部材
41・・・基部部材
42・・・先端部材
43・・・コイルバネ
60・・・電装部
61・・・制御部
81・・・通路規制部
100・・コイン状部材
111・・挿入口
200・・メダル貸機MKの本体
201・・本体200の左側壁
202・・本体200の右側壁
203・・本体200の後壁
204・・
205・・第1扉
206・・第2扉(補給用前面扉)
207・・第3扉
209・・補給案内底板
210・・補給案内左板
211・・補給案内右板
212・・施錠装置
213・・施錠装置
214・・数字表示部
250・・不正検出装置
251・・CPU(中央演算装置)
252・・RAM
253・・ROM
254・・インターフェース
255・・警報制御部
256・・スピーカ
257・・警報灯(LED等)
260A・・下限値検出部
260B・・中間値検出部
260C・・上限値検出部
270・・・出力部
MK・・・メダル貸機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから送出されるコイン状部材の通過を検出する通過検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態に減少する正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設けたことを特徴とするコイン状部材送出装置。
【請求項2】
コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから前記送出部へ送出されるコイン状部材が通る部分に対向壁との間隔がコイン状部材の直径より狭い通路幅を保つようにバネ付勢された可動体と、前記送出ロータから前記送出部へ送出されるコイン状部材が前記可動体を押し退けつつ通過するとき前記可動体の往復作動によってコイン状部材の通過を検出する検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記可動体の往復作動の停止によって、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態に減少する正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設け、この不正検出によって前記送出ロータによる送出動作を停止することを特徴とするコイン状部材送出装置。
【請求項3】
コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)を設け、送出ロータの回転によって前記収容部(またはホッパと称する)の下部からコイン状部材が1枚ずつ前記送出ロータの周縁部に臨む送出部へ送出され、前記送出ロータから送出されるコイン状部材の通過を検出する通過検出部を備え、1回のコイン状部材の貸し出し動作ごとに前記送出ロータの回転によって所定枚数のコイン状部材を送出するよう構成したコイン状部材送出装置において、前記収容部(またはホッパと称する)にコイン状部材の収納量の規定の所定容量以上を検出する上限値検出部と、減少した規定の下限状態を検出する下限値検出部を設け、前記貸し出し動作回数が、前記上限状態から前記下限状態を過ぎてメダル貸し出し動作を停止するまでの正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定する不正検出装置を設けたことを特徴とするコイン状部材送出装置。
【請求項4】
前記不正動作の判定に基づき、警報を発することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコイン状部材送出装置。
【請求項5】
前記コイン状部材の収容部(またはホッパと称する)へコイン状部材を自動補給する自動補給装置が接続され、前記不正動作の判定に基づき、コイン状部材の補給が行なわれないように前記自動補給装置へ停止信号を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコイン状部材送出装置。
【請求項6】
前記コイン状部材の貸し出し動作ごとに挿入される紙幣等の真偽を識別する薄片識別装置を備え、前記不正検出装置は、前記貸し出し動作ごとに前記薄片識別装置から出力されるコイン状部材の貸し出し回数信号に基づきコイン状部材の貸し出し動作回数をカウントし、この貸し出し動作回数が正規の所定回数よりも少ない回数であれば不正動作と判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコイン状部材送出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−82208(P2009−82208A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252284(P2007−252284)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000108247)株式会社ジェッター (42)
【出願人】(000128946)マミヤ・オーピー株式会社 (122)
【Fターム(参考)】