説明

コネクタおよびコネクタユニット

【課題】強度、電磁遮蔽、生産コストの全てを充足させることが可能なコネクタを提供すること。
【解決手段】本発明のコネクタ1は、平面形状が長方形の厚板状のハウジング5と、ハウジング5に保持されたコンタクト3a、3bと、ハウジング5およびコンタクト3a、3bを囲むようにハウジング5の側部に設けられた一対のシェル7a、7bを有し、シェル7a、7bは、板状の連結本体部51と、連結本体部51の一方の端部から連設された短辺本体部55と、連結本体部51の他方の端部から連設され、他方の第1側壁部5bに沿って設けられた長辺本体部53を有しており、短辺本体部55の長さ65が前記長辺本体部53の長さ63より短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタおよびコネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の面同士を接続するコネクタとして、基板コネクタ(基板対基板コネクタ)が用いられてきた。
【0003】
基板コネクタは、レセプタクルコネクタとして、板状のハウジングの上面に、プラグ側コネクタが挿入される溝部を設けて溝部内にコンタクトを配置するとともに、コネクタの補強およびコンタクトの電磁遮蔽のためのシェルで側壁を囲む構造を有するものを用いる場合がある。
【0004】
ここで、コネクタの補強のためのシェルの構造としては、図16に示すコネクタ81のように、ハウジング81aの長手方向両端にコの字形のシェル81bを圧入した構造がある(特許文献1)。
【0005】
一方、特許文献1の構造ではコンタクトの、基板側と接続される端部がハウジング81aの長手方向の側壁から露出しており、この部分の電磁遮蔽が不十分であるため、他の信号源からコンタクトに信号が流れてしまうおそれがある。
【0006】
そのため、図17に示すコネクタ83のように、コンタクト83cの、基板側と接続される端部を囲むようなコの字形のシェル83bをハウジング83aの周囲に設けた構造や(特許文献2)、図18に示すコネクタ85のように、一対のL字形のシェル85bをハウジング85aの周囲を囲むように設けた構造がある(特許文献3)。
【0007】
しかしながら、特許文献2や特許文献3の構造では、ハウジングの短辺方向でシェルが繋がっていないため、相手側コネクタを挿入する際にハウジングが短辺方向に曲げられる、いわゆる「こじれ」に対してハウジングを補強する構造としては不十分である。
【0008】
そこで、図19に示すシェル87のように、板材の中央87aを打ち抜いて、4辺(辺87b、87c、87d、87e)を箱形に折り曲げることにより、1つの部品でハウジング全周を囲むことが可能な形状とし、ハウジングの補強と電磁遮蔽の両立を図った構造が知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−60650号公報
【特許文献2】特開2008−146870号公報
【特許文献3】特開平10−208816号公報
【特許文献4】特開2006−202645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献4のような構造では、1つの部品でハウジング全周を囲ってはいるものの、4辺を折り曲げるために4隅にそれぞれスリットを設けなければならず、スリット4箇所の電磁遮蔽が不十分となるという問題があった。
【0011】
さらに、特許文献4のような構造では、シェルをインサート成形していることや、板材の中央を打ち抜いてシェルを形成しており、打ち抜いた部分の材料が無駄になることなどから、生産コストが悪いという問題があった。
【0012】
このように、従来の基板コネクタは、強度、電磁遮蔽、生産コストがトレードオフの関係になっており、全てを充足させることが可能な構造はないのが現状であった。
【0013】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、強度、電磁遮蔽、生産コストの全てを充足させることが可能なコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様によれば、互いに対向する一対の第1側壁部と、一対の前記第1側壁部の端部間を連結し対向する一対の第2側壁部とを有するハウジングと、前記第1側壁部に沿うようなピッチ方向で前記ハウジングに保持されたコンタクトと、前記ハウジングの前記第1側壁部および前記第2側壁部の内少なくとも一方に保持された一対のシェルと、を有し、一対の前記シェルは、前記第2側壁部に沿って配置される連結本体部と、前記連結本体部の一方の端部から連設され、一方の第1側壁部に沿って配置される短辺本体部と、前記連結本体部の他方の端部から連設され、他方の第1側壁部に沿って配置される長辺本体部と、を有し、前記コンタクトのピッチ方向において、前記短辺本体部の長さが前記長辺本体部の長さより短いことを特徴とするコネクタが得られる。
【0015】
前記短辺本体部は、一方の前記第1側壁部と係合する短辺係止部を端部に有し、前記長辺本体部は、他方の前記第1側壁部と係合する端部係止部を端部に有することが望ましい。
【0016】
また、前記短辺係止部は、前記連結本体部に最も近い前記コンタクトと前記連結本体部の間に設けられ、前記端部係止部は、前記連結本体部から最も遠い前記コンタクトよりも前記連結本体部から遠い位置に設けられていることが望ましい。
【0017】
さらに、前記長辺本体部は、前記短辺係止部と対向する位置に形成された長辺係止部を有することが望ましい。
【0018】
一方、前記連結本体部は、相手側コネクタの接地端子と接続するシェル側接地部を有することが望ましい。
【0019】
また、一対の前記シェルのそれぞれは、同一形状を有していることが望ましい。
【0020】
さらに、前記ハウジングは、平面形状が長方形の板状の形状を有し、前記第1側壁部が前記長方形の長辺に対応し、前記第2側壁部が前記長方形の短辺に対応するのが望ましい。この場合、前記ハウジングは、前記長方形の表面に、前記長辺に沿うように設けられ、相手側コネクタが挿入される一対の溝部を有し、前記コンタクトは、一対の前記溝部にそれぞれ配置され、相手側コネクタのコンタクトを挟み込むようにして接触するU字形のU字接触部と、前記U字接触部の一方の端部から前記第1側壁部側に先端が露出するように延長して設けられた外部接続部を有することが望ましい。
【0021】
一方、本発明の第2の態様によれば、前記コネクタと、前記コネクタに嵌合する相手側コネクタとを有し、前記相手側コネクタは、前記コネクタの前記シェル側接地部に接触する接地端子を有することを特徴とするコネクタユニットが得られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、強度、電磁遮蔽、生産コストの全てを充足させることが可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態に係るコネクタユニット100を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】コネクタ1を示す斜視図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】ハウジング5を示す斜視図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】コンタクト3aを示す斜視図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】シェル7aを示す斜視図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図4でシェル7a、7bのみを図示した場合を示す平面図である。
【図12】図2の状態からコネクタ1と相手側コネクタ3を組み合わせた状態を示す断面図である。
【図13】図1の13−13断面図であって図1の状態からコネクタ1と相手側コネクタ3を組み合わせた状態を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るシェル7cを示す斜視図である。
【図15】図14の平面図である。
【図16】従来技術のコネクタ81の分解斜視図である。
【図17】従来技術のコネクタ83の斜視図である。
【図18】従来技術のコネクタ85の分解斜視図である。
【図19】従来技術のシェル87を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明に好適な実施形態について詳細に説明する。
【0025】
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るコネクタユニット100およびコネクタユニット100を構成する各コネクタの概略について説明する。
【0026】
ここではコネクタユニット100として、基板コネクタのレセプタクルコネクタとプラグコネクタの組み合わせが例示されている。
【0027】
図1および図2に示すように、コネクタユニット100は、図示しない基板上に接続されるレセプタクルコネクタであるコネクタ1と、図示しない他の基板上に接続され、コネクタ1に嵌合されるプラグコネクタである相手側コネクタ3を有している。
【0028】
図1〜図4に示すように、コネクタ1は、平面形状が長方形の厚板状のハウジング5と、ハウジング5に保持されたコンタクト3a、3bと、ハウジング5およびコンタクト3a、3bを囲むようにハウジング5の側壁部に設けられ、図示しない基板に接地される一対のシェル7a、7bを有している。
【0029】
図1および図2に示すように、相手側コネクタ3は長板状の本体9と、本体9の下面から互いに平行に突出した一対の長板状の相手側嵌合部15a、15bと、相手側嵌合部15a、15bの長手方向に所定のピッチで設けられ、コネクタ1のコンタクト3a、3bと接続される複数の相手側コンタクト11a、11bと、相手側嵌合部15a、15bの両端に設けられ、シェル7a、7bと接続される接地用の接地端子12a、12bを有している。
【0030】
次に、コネクタ1を構成する各部材の構造について、より詳細に説明する。
【0031】
最初に、ハウジング5の構造について図5および図6を参照して説明する。
【0032】
図5に示すように、ハウジング5は、コンタクト3a、3bのピッチ方向に長手方向を有し、対向する一対の第1側壁部5a、5bと、一対の第1側壁部5a、5bのそれぞれの端部間を連結し、対向する一対の第2側壁部5c、5dとを有している。なお、図5では、第1側壁部5a、5bは長方形の長辺に相当する部分であり、第2側壁部5c、5dは長方形の短辺に相当する部分である。
【0033】
図6に示すように、ハウジング5の上面には、相手側コネクタ3の相手側嵌合部15a、15bが挿入される溝部33a、33bが、長方形の長辺に沿って設けられており、溝部33a、33bを跨ぐようにして、コンタクト3a、3bが挿入されるコンタクト挿入穴37a、37bが長手方向に所定のピッチで設けられている。
【0034】
なお、溝部33a、33bの端部は長方形の短辺に沿って設けられた連結溝35a、35bによって連結され、全体として平面形状が「口」の字形となっており、中央部分はブロック状の凸部17を形成している。
【0035】
また、ハウジング5の長方形の4つの角部に相当する部分には、シェル7a、7bを保持するための角枠39a、39b、43a、43bが設けられており、長方形の長手方向、即ち第1側壁部5a、5bのコンタクト3a、3bに対応した位置にもシェル7a、7bを保持するための側枠41a、41bがそれぞれ設けられている。
【0036】
角枠39aと側枠41aの間の隙間は圧入部47aを形成しており、側枠41aと角枠43aとの間の隙間は圧入部49aを形成している。
【0037】
同様に、角枠43bと側枠41bの間の隙間は圧入部49bを形成しており、側枠41bと角枠39bとの間の隙間は圧入部47bを形成している。
【0038】
また、角枠43aと角枠43bの間には、挿入部45aが設けられており、角枠39aと角枠39bの間には、挿入部45bが設けられている。
【0039】
圧入部47a、49a、47b、49b、および挿入部45a、45bは、シェル7a、7bをハウジング5に固定する際に、シェル7a、7bと係合する部分であるが、詳細は後述する。
【0040】
さらに、挿入部45a、45bの一部はさらに内側が切り欠かれた切欠部51a、51bを形成しており、シェル7a、7bを組み付けた状態で、後述するシェル7a、7bのシェル側接地部61が配置されるようになっている。
【0041】
次に、コンタクト3aの構造について、図7および図8を参照して説明する。なお、コンタクト3bの構造はコンタクト3aの構造と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
図7および図8に示すように、コンタクト3aは、ハウジング5の溝部33a、33bに配置され、相手側コネクタ3の相手側コンタクト11a、11bを挟み込むようにして接触するU字形のU字接触部41と、U字接触部41の一方の端部から第1側壁部5a側に先端が露出するように延長して設けられたL字形の外部接続部43を有している。
【0043】
次に、シェル7a、7bの構造について、図9〜図11を参照して説明する。なお、第1の実施形態ではシェル7bの形状はシェル7aの形状と同一であるため、ここでは主としてシェル7aの構造について説明する。
【0044】
図9〜図11に示すように、シェル7aは、第2側壁部5cに沿って配置される板状の連結本体部51と、連結本体部51の一方の端部から連設され、一方の第1側壁部5bに沿って配置される板状の短辺本体部55と、連結本体部51の他の端部から連設され、他方の第1側壁部5aに沿って配置される板状の長辺本体部53を有しており、コンタクト3a、3bのピッチ方向において、短辺本体部55の長さ65が長辺本体部53の長さ63より短い「J」字形の平面形状を有している。
【0045】
また、連結本体部51は、屈曲部57を有しており、屈曲部57からは、シェル7aの内側(短辺本体部55と長辺本体部53が連設される側)に向けて突出し、相手側コネクタ3の接地端子12aと接触する接地用のシェル側接地部61が設けられている。
【0046】
一方、短辺本体部55の連結本体部51とは反対側の端部には、シェル7aのハウジング5への係合・固定および図示しない基板の接地端子との接続のための板状の短辺係止部55aが下側に向けて突出して設けられている。
【0047】
同様に、長辺本体部53の連結本体部51とは反対側の端部には、図示しない基板の接地端子との接続のための板状の端部係止部53aが設けられており、さらに、連結本体部51との接続部近傍にも長辺係止部53b、53cが下側に向けて突出して設けられている。なお、長辺係止部53bはシェル7aのハウジング5への係合・固定に、長辺係止部53cは図示しない基板の接地端子との接続のために用いられるが、長辺係止部53bを図示しない基板の接地端子との接続に用いても良い。また、端部係止部53aに係止突起(図示せず)を設けて、シェル7aのハウジング5への係合・固定にも用いるようにしても良い。更に、長辺係止部53bと長辺係止部53cとは隙間を介して形成されているが、隙間を設けずに長辺係止部53bと長辺係止部53cとを一体成形しても良い。
【0048】
なお、長辺本体部53の長さ63は、コンタクト3aをピッチ方向に完全に囲むような長さ、具体的には、第2側壁部5cと、第2側壁部5d側の最端部にあるコンタクト3aの間の長さに対応する長さになっている。
【0049】
一方、短辺本体部55の長さ65は、第2側壁部5cと、第2側壁部5c側の最端部にあるコンタクト3bの間の長さに対応する長さになっている。
【0050】
また、短辺係止部55aは、連結本体部51に最も近いコンタクト3bと連結本体部51の間に設けられており、端部係止部53aは、連結本体部51から最も遠いコンタクト3aよりも連結本体部51から遠い位置に設けられている。
【0051】
このように、シェル7a、7bの形状を、「J」字形の平面形状を有する構造とすることにより、例えば図4に示すように、シェル7a、7b(の長辺本体部53)がコンタクト3a、3bに対向するように配置されるため、電磁遮蔽を確実に行うことができる。
【0052】
また、図11に示すように、シェル7aとシェル7bを組み合わせた状態では、隙間が2か所のみであるため、シェルを分割することにより生じる隙間が原因の電磁遮蔽効果の低下を最小限に抑えることができる。
【0053】
また、シェル7a、7bの形状を、「J」字形の平面形状を有する構造とすることにより、ハウジング5の短辺方向ではシェルが繋がっているため、相手側コネクタ3が挿入される際のハウジング5の短辺方向へのこじれに対しても補強効果を発揮できる。
【0054】
さらに、シェル7a、7bの形状を、「J」字形の平面形状を有する構造とすることにより、シェル7a、7bを板材の折り曲げ加工で製造できるため、製造が容易であり、また、中央部分を打ち抜いてシェルを製造する場合と比べて、製造時に無駄になる材料が少なくなるため、生産コストも低減できる。
【0055】
即ち、シェル7a、7bは電磁遮蔽効果、補強効果、および生産コストの全てを充足させることが可能な構造である。
【0056】
なお、長辺係止部53bと短辺係止部55aは、互いに対向するような位置で、かつ同じ形状を有しており、端部係止部53aと長辺係止部53cも同じ形状を有しており、図11に示すように、シェル7aとシェル7bを組み合わせた状態では、シェル7aの端部係止部53aと、シェル7bの長辺係止部53cが対向するようになっている。
【0057】
また、圧入部47a、49a、47b、49bの位置関係は180°の回転対称になっている。
【0058】
このような配置にすることにより、シェル7a、7bとハウジング5を組み合わせる際に、いずれの回転位置においても取付可能となる。
【0059】
また、このような配置にすることにより、図示しない基板の接地端子の配置を180°の回転対称にしておけば、基板への取り付けの際にも、いずれの回転位置においても接地端子と係止部の接続が可能となる。
以上がコネクタ1を構成する各部材の構造の説明である。
【0060】
次に、コネクタユニット100において、コネクタ1の組み立ての手順、およびコネクタ1に相手側コネクタ3を嵌合する際の手順について簡単に説明する。
【0061】
まず、コネクタ1の組み立ての手順について、図6および図9を参照して説明する。
【0062】
まず、図6に示すハウジング5のコンタクト挿入穴37a、37bに、(下側から)コンタクト3a、3bを圧入する。
【0063】
次に、図9に示すシェル7a、7bの各係止部を、ハウジング5の側壁部の各圧入部(図6参照)に係合させてハウジング5に固定する。
【0064】
具体的には、シェル7aの短辺係止部55aをハウジング5の圧入部47bに、長辺係止部53b、53cを圧入部47aに圧入し、端部係止部53aを圧入部49aに挿入し、屈曲部57を挿入部45bに挿入し、シェル7aの下面をハウジング5の角枠39a、39b、側枠41aに突き当ててハウジング5に固定する。なお、この際、切欠部51bにシェル側接地部61が配置される。
【0065】
同様に、シェル7bの短辺係止部55aをハウジング5の圧入部49aに、長辺係止部53b、53cを圧入部49bに圧入し、端部係止部53aを圧入部47bに挿入し、屈曲部57を挿入部45aに挿入し、シェル7bの下面をハウジング5の角枠43a、43b、側枠41bに突き当ててハウジング5に固定する。なお、この際、切欠部51aにシェル側接地部61が配置される。
このようにして、コネクタ1が組み立てられる。
【0066】
次に、コネクタ1に相手側コネクタ3を嵌合する際の手順について図2、図6、図12、および図13を参照して説明する。
【0067】
まず、図2に示すように、コネクタ1の溝部33a、33bと相手側コネクタ3の相手側嵌合部15a、15bの平面上の位置を合わせ、溝部33a、33b内に相手側嵌合部15a、15bを挿入する。
【0068】
すると、図12に示すように、相手側コネクタ3の相手側コンタクト11a、11bが、コネクタ1のコンタクト3a、3bのU字接触部41に挟み込まれるようにして両者が接続される。
【0069】
一方、図13に示すように、相手側コネクタ3の接地端子12a、12bはコネクタ1の連結溝35a、35b(図6参照)に挿入され、シェル7a、7bのシェル側接地部61と接触して接地される。
このようにして、コネクタ1に相手側コネクタ3が嵌合され、電気的に接続される。
【0070】
このように、第1の実施形態によれば、コネクタユニット100のコネクタ1は、平面形状が長方形の厚板状のハウジング5と、ハウジング5に保持されたコンタクト3a、3bと、ハウジング5およびコンタクト3a、3bを囲むようにハウジング5の側壁部に配置された一対のJ字形のシェル7a、7bを有している。
【0071】
そのため、コネクタ1は強度、電磁遮蔽、および生産コストの全てを充足させることが可能である。
【0072】
次に、第2の実施形態について、図14および図15を参照して説明する。
【0073】
第2の実施形態は、第1の実施形態において、シェル7aのシェル側接地部61を長辺本体部53の内側に設けたものである。
【0074】
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0075】
図14および図15に示すように、第2の実施形態に係るシェル7cは、シェル側接地部61が長辺本体部53の内側(短辺本体部55と対向する側)に設けられている。
【0076】
このように、シェル側接地部61の位置は、必ずしも連結本体部51に限定されるものではなく、シェル7cの任意の位置に設けることができる。この第2の実施形態の場合には、第2側壁部5c、5dに設けた切欠部51a、51bと同様な切欠部を第1側壁部5a、5bに形成し、この切欠部にシェル側接地部を配置し、相手側コネクタの接地用の接地端子12a、12bにおいては、相手側コンタクト11a、11bが配置されている箇所に、配置するようにすれば良い。
【0077】
このように、第2の実施形態によれば、コネクタユニット100のコネクタ1は、平面形状が長方形の厚板状のハウジング5と、ハウジング5に保持されたコンタクト3a、3bと、ハウジング5およびコンタクト3a、3bを囲むようにハウジング5の側壁部に配置された一対のJ字形のシェル7c、7d(7dは図示せず)を有している。
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は当該実施形態に限定されない。
【0079】
当業者であれば、本発明の技術的範囲内において各種の変形例および改良例に想到するのは当然のことであり、これらも本発明の範囲に含まれるものと了解される。
【0080】
例えば、上述した実施形態では、シェル7aの短辺係止部55aをハウジング5の圧入部47bに、長辺係止部53b、53cを圧入部47aに圧入し、端部係止部53aを圧入部49aに挿入し、屈曲部57を挿入部45bに挿入してシェル7aをハウジング5に固定している。しかしながら圧入する係止部と挿入する係止部は上記の組み合わせには限定されず、短辺係止部55aと長辺係止部53bとは、ハウジング5への係合・固定及び図示しない基板の接地端子との接続のための両方に使用できるようになっているが、図示しない基板の接地端子との接続用の端子をシェル7aの他の部分に設けることにより、短辺係止部55aと長辺係止部53bとをハウジング5への係合・固定のみに用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 コネクタ
3 相手側コネクタ
3a コンタクト
3b コンタクト
5 ハウジング
5a 第1側壁部
5b 第1側壁部
5c 第2側壁部
5d 第2側壁部
7a シェル
7b シェル
7c シェル
9 本体
11a 相手側コンタクト
11b 相手側コンタクト
12a 接地端子
12b 接地端子
15a 相手側嵌合部
15b 相手側嵌合部
17 凸部
33a 溝部
33b 溝部
35a 連結溝
35b 連結溝
37a コンタクト挿入穴
37b コンタクト挿入穴
39a 角枠
39b 角枠
41 U字接触部
41a 側枠
41b 側枠
43 外部接続部
43a 角枠
43b 角枠
45a 挿入部
45b 挿入部
47a 圧入部
47b 圧入部
49a 圧入部
49b 圧入部
51 連結本体部
51a 切欠部
51b 切欠部
53 長辺本体部
53a 端部係止部
53b 長辺係止部
53c 長辺係止部
55 短辺本体部
55a 短辺係止部
57 屈曲部
61 シェル側接地部
100 コネクタユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の第1側壁部と、一対の前記第1側壁部の端部間を連結し対向する一対の第2側壁部とを有するハウジングと、
前記第1側壁部に沿うようなピッチ方向で前記ハウジングに保持されたコンタクトと、
前記ハウジングの前記第1側壁部および前記第2側壁部の内少なくとも一方に保持された一対のシェルと、
を有し、
一対の前記シェルは、
前記第2側壁部に沿って配置される連結本体部と、
前記連結本体部の一方の端部から連設され、一方の第1側壁部に沿って配置される短辺本体部と、
前記連結本体部の他方の端部から連設され、他方の第1側壁部に沿って配置される長辺本体部と、
を有し、
前記コンタクトのピッチ方向において、前記短辺本体部の長さが前記長辺本体部の長さより短いことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記短辺本体部は、一方の前記第1側壁部と係合する短辺係止部を端部に有し、
前記長辺本体部は、他方の前記第1側壁部と係合する端部係止部を端部に有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記短辺係止部は、前記連結本体部に最も近い前記コンタクトと前記連結本体部の間に設けられ、
前記端部係止部は、前記連結本体部から最も遠い前記コンタクトよりも前記連結本体部から遠い位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記長辺本体部は、前記短辺係止部と対向する位置に形成された長辺係止部をさらに有することを特徴とする請求項2または3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記連結本体部は、相手側コネクタの接地端子と接続するシェル側接地部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
一対の前記シェルのそれぞれは、同一形状を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ハウジングは、平面形状が長方形の板状の形状を有し、
前記第1側壁部が前記長方形の長辺に対応し、
前記第2側壁部が前記長方形の短辺に対応することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記長方形の表面に、前記長辺に沿うように設けられ、相手側コネクタが挿入される一対の溝部を有し、
前記コンタクトは、一対の前記溝部にそれぞれ配置され、相手側コネクタのコンタクトを挟み込むようにして接触するU字形のU字接触部と、前記U字接触部の一方の端部から前記第1側壁部側に先端が露出するように延長して設けられた外部接続部を有することを特徴とする請求項7記載のコネクタ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のコネクタと、前記コネクタに嵌合する相手側コネクタとを有し、
前記相手側コネクタは、前記コネクタの前記シェル側接地部に接触する接地端子を有することを特徴とするコネクタユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−252785(P2012−252785A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122261(P2011−122261)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】