説明

コネクタ一体型光成端ユニット

【課題】光ケーブルの配線方向を考慮する必要がなく、コネクタ盤の規格統一が可能で、
小型化を可能としたコネクタ一体型光成端ユニット及び接続ユニットを提供すること。
【解決手段】光ファイバ及び電力線のうち少なくとも光ファイバを有する第1の光ケーブ
ルが接続されるコネクタ端子5を有し、外枠パネル2に取り付けられるコネクタ端子ユニ
ット3と、光ファイバ及び電力線のうち少なくとも光ファイバを有する第2の光ケーブル
6の一端が引き留められ、第1及び第2の光ケーブルの対応する光ファイバが接続される
接続ユニット4とが一体に組み付けられているコネクタ一体型光成端ユニットと接続ユニ
ット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ中継用光システム或いは放送スタジオのテレビカメラ用光システム等
で用いられるコネクタ一体型光成端ユニット及び接続ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ中継用の光システム、例えば、野球場,サッカー場,陸上競技場等で使用
される図9に示すテレビ中継用の光システム25は、予め駐車場26にコネクタ盤28を
、観客席30に複数のコネクタ盤32を、それぞれ設置し、コネクタ盤28とコネクタ盤
32とを盤外の光ファイバケーブル或いは光・電力複合ケーブル(本明細書ではこれらの
ケーブルを総称して「光ケーブル」という)62で接続している。
【0003】
そして、光システム25は、駐車場26に駐車した中継車27とコネクタ盤28に設け
たコネクタ端子29並びに観客席30側のテレビカメラ33と競技場内に設けたコネクタ
盤32のコネクタ端子29を、それぞれ光ケーブル63で接続することによって、テレビ
中継を行っている。
【0004】
一方、放送スタジオのテレビカメラ用光システム、例えば、図10に示す光システム4
1は、予め副調整室42にコネクタ盤43を設置すると共に、スタジオ47内に複数のコ
ネクタ盤48を設置し、コネクタ盤43とコネクタ盤48とを光ケーブル62で接続して
いる。光システム41は、各ベースステーション44とコネクタ盤43のコネクタ端子2
9並びにスタジオのテレビカメラ33とコネクタ盤48のコネクタ端子29を、それぞれ
光ケーブル63で接続して、テレビ中継を行うように構成されている。
【0005】
上記各システムにおけるコネクタ盤28,32,43,48は、いずれもコネクタ端子
29と接続ユニット49とを有し、接続ユニット49はコネクタ盤とは別体に製作されて
コネクタ盤の函体内に組み込まれ、接続ユニット49とコネクタ端子29とは函体内で光
ケーブルから分岐させた個々の光ファイバ61によって接続する方式を採用していた。
【0006】
ここで、コネクタ盤、例えば、コネクタ盤28は、一般に、図11に示すように、コネ
クタ盤28の函体28a内に光ケーブル62が導入され、光ケーブル62から分離した個
々の光ファイバを接続ユニット49において対応する光ファイバ61と融着接続しており
、パネル39が扉として開閉自在に構成されている。そして、パネル39を開けると、コ
ネクタ端子29と共に接続ユニット49も多数の光ファイバ61と共に引き出される。こ
のため、コネクタ盤28においては、予めパネル39の開閉を考慮した長さに複数の光フ
ァイバ61の長さが設定されている。ここで、コネクタ盤28は、光ファイバ61及びコ
ネクタ端子29が多数設けられているが、図11においては、コネクタ盤28の概略構成
を示すため2つだけ示している。
【0007】
そして、接続ユニット49は、通常、光成端箱と呼ばれるユニットが使用され(例えば
、特許文献1参照。)、図12に示すように、ユニット内に光ケーブル62を導入し、テ
ンションメンバー62aを固定部49aに固定する。これと共に、光ケーブル62から分
離した光ファイバ62bを融着トレイ49bに設けられた複数のピン49cを利用して数
ターン巻回して余長処理した後、中継ファイバ50の一端と融着接続する。このとき、中
継ファイバ50は、他端にコネクタ50aが取り付けられ、光ファイバ62bとの接続部
はスリーブ51で保護されている。接続ユニット49は、融着トレイ49bが複数積層さ
れて最上部に蓋が被され、コネクタ50aと光ファイバ61の端部に設けたコネクタ61
aとを接続するアダプタ52が多数配列されると共に、光ケーブル62が有する電線を光
ケーブル63が有する電線と接続するためのメタル用コネクタ53が設けられている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−249845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、テレビ中継用やテレビカメラ用の光システムでは、その仕様が決まらないと
接続ユニット49の規模(大きさ等)が決まらず、接続ユニット49の規模が決まらない
と、接続ユニット49を収納するコネクタ盤28の函体の大きさ等が決まらない。従って
、コネクタ盤は、テレビ中継用やテレビカメラ用の光システムの仕様に合わせてその都度
設計しなければならず、コネクタ盤の規格統一の支障となっていた。
【0010】
また、コネクタ盤においては、内部に収納する接続ユニット49の設置方向は、光ケー
ブル62の設置条件によって左右される。例えば、光ケーブル62は、地中配線の場合に
は下から立ち上げられ、架空配線、或いは建屋の天井からの配線では上から垂下され、或
いは建屋の壁を通して横からと、その配線設計によってコネクタ盤、従って接続ユニット
49への入線角度が相違する。しかも、図12に示す接続ユニット49の融着トレイ49
bにおいては、光ファイバを出し入れする出入口が、設計上点線Aで示す四隅の4箇所に
限られている。
【0011】
このため、コネクタ盤や接続ユニット49においては、光ケーブル62がどのような角
度から入線されても対応できるように、光システム全体の設計が完了してから設計してい
た。また、コネクタ盤は、光ケーブルの入線方向を無視し、汎用性のみを考えた設計とす
る場合には、光ケーブルの曲率半径を考慮する必要から、光ケーブルの固定スペースを大
きく設計しなければならず、接続ユニット49の収納スペースが大きくなり、コネクタ盤
全体が大型化してしまうという問題があった。
【0012】
更に、コネクタ盤においては、例えば光システムの点検時にコネクタ端子29を固定し
たパネル39を開けると、コネクタ端子29と共に光ファイバ61も引き出される。この
ため、光ファイバ61が断線する危険性があり、点検作業には細心の注意と熟練を要して
いた。しかも、コネクタ端子29と接続ユニット49とを接続する光ファイバ61は、そ
の接続作業や点検作業時に備えて必要な長さを確保する必要があり、その収納スペースが
要求されるためにコネクタ盤全体が大型化し、コスト高になる欠点もあった。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光ケーブルの配線方向を考慮する必要
がなく、コネクタ盤の規格統一が可能で、小型化を可能としたコネクタ一体型光成端ユニ
ット及び接続ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のコネクタ一体型光成端ユニッ
トは、光ファイバ及び電力線のうち少なくとも光ファイバを有する第1の光ケーブルが接
続されるコネクタ端子を有し、外枠パネルに取り付けられるコネクタ端子ユニットと、光
ファイバ及び電力線のうち少なくとも光ファイバを有する第2の光ケーブルの一端が引き
留められ、前記第1及び第2の光ケーブルの対応する光ファイバが接続される接続ユニッ
トと、が一体に組み付けられていることを特徴とする。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の接続ユニットは、板材
の一方の面に前記光ファイバの余長を収納する余長収納部が設けられ、中央に前記第2の
光ケーブルの光ファイバを挿通する挿通口が形成されると共に、前記挿通孔の周囲には前
記光ケーブルを固定する複数の固定部が周方向に沿って設けられ、前記複数の固定部を適
宜選択することによって前記第2の光ケーブルの導入方向を変更可能としたことを特徴と
する。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかるコネクタ一体型光成端ユニット及び接続ユニットは、光ケーブルの配線
方向を考慮する必要がなく、コネクタ盤の規格統一と小型化ができるという効果を奏する

【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のコネクタ一体型光成端ユニット及び接続ユニットに係る一実施形態を図
面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1−1は、コネクタ盤の外枠パネルに取り付けられる枠体を示す正面図であり、図1
−2は枠体1の側面図である。図2−1は、コネクタ一体型光成端ユニットで用いるコネ
クタ端子ユニット3を示し、コネクタ端子を取りつけたコネクタ端子ユニットの正面図で
あり、図2−2は図2−1に示すコネクタ端子ユニットの側面図である。図3−1は、接
続ユニットの正面図であり、図3−2は図3−1に示す接続ユニットの側面図である。
【0019】
コネクタ一体型光成端ユニットは、図2−1,2−2に示すコネクタ端子ユニット3と
、図3−1,3−2に示す接続ユニット4とを有している。
【0020】
コネクタ端子ユニット3は、図2−1,2−2に示すように、枠体1を介してコネクタ
盤、例えば中継車コネクタ盤等の外枠パネル2に取り付け固定される。コネクタ端子ユニ
ット3は、四角形状の金属板を上下方向中央で直角に折り曲げたもので、枠体1に設けた
ねじ孔22に相当する位置にねじ孔14が設けられている。また、コネクタ端子ユニット
3は、外枠パネル2の内方へ向かって下方へ傾斜する第1面3aにコネクタ端子5が複数
個(図では2個)取り付けられ、外枠パネル2の内方へ向かって上方へ傾斜する第2面3
bの裏面には接続ユニット4を取り付ける取付部10が設けられている。ここで、枠体1
は、ほぼ四角形で、コネクタ盤の外枠パネル2に螺着するねじ孔21と、コネクタ端子ユ
ニット3を接続するねじ孔22が複数個所に設けられている。また、コネクタ端子5は、
電気接続と光接続の2つの機能を1つのコネクタで独立して一括して行うことのできる電
気・光複合一括コネクタであり、中継車やテレビカメラ等との間を繋ぐ第1の光ケーブル
が接続される。
【0021】
接続ユニット4は、第2の光ケーブルである光ケーブル6を引き留め、第1及び第2の
光ケーブルの対応する光ファイバを接続するもので、図3−1,3−2に示すように、光
ケーブル6から引き出された光ファイバ7を挿通する挿通口16が中央に形成され、裏面
には光ファイバ7の余長を収納する余長収納部17が設けられている。また、接続ユニッ
ト4は、挿通口16の周囲に、後述する光ケーブル6用の固定治具を固定する複数のねじ
孔18と、光ケーブル6のテンションメンバー用の固定治具を固定するねじ孔19とがそ
れぞれ複数設けられている。接続ユニット4は、これらのねじ孔18,19を光ケーブル
6の固定部として適宜選択することにより、光ケーブル6を何れの方向からであっても接
続ユニット4に引き込んで固定することができる。
【0022】
即ち、接続ユニット4は、例えば、図3−1に示すように、挿通口16を挟んだ複数の
ねじ孔18,19から光ケーブル6の配線方向に対応したねじ孔18,19を選択する。
そして、接続ユニット4は、選択したねじ孔18,19を利用して固定治具23と固定治
具24とを接続ユニット4の表面にねじ止めすることで、固定治具23によって光ケーブ
ル6を引き留め固定すると共に、固定治具24によって光ケーブル6のテンションメンバ
ー8を引き留め固定する。そして、接続ユニット4においては、引き留めた光ケーブル6
の光ファイバ7を、中央に形成した挿通口16を通せば、表面側から余長収納部17のあ
る裏面側へと引き出すことができる。
【0023】
このとき、挿通口16から余長収納部17側へ引き出された光ファイバ7は、余長収納
部17に形成された複数のピンを利用して数ターン巻かれ、その先端には後述する接続端
子(例えば、フェルール)9が取り付けられる(図4参照)。また、ねじ孔18,19は
、挿通口16の周囲に光ケーブル6を固定する固定治具23に設けたねじ孔と同一間隔で
複数設けられ、或いは固定治具24に設けたねじ孔の間隔と固定治具23に設けたねじ孔
の間隔との双方を考慮した間隔に設けられている。ここで、接続ユニット4は、ねじ孔1
8,19と挿通口16とを設けた部分を別体で構成し、この部分を接続ユニット4に対し
て回動自在に取り付けてもよい。
【0024】
以上のように構成される接続ユニット4は、コネクタ端子ユニット3の取付部10に1
個または複数個取り付けられ、光ファイバ7の端末に設けた接続端子9をコネクタ端子ユ
ニット3に固定されたコネクタ端子5と直接、或いは、図4に示すように、接続コネクタ
31を介してコネクタ端子5と接続する。このとき、接続コネクタ31のコネクタ端子5
側に位置する接続端子9とコネクタ端子5との間は、中継ファイバ11によって接続する

【0025】
図4は、枠体1にコネクタ端子ユニット3と接続ユニット4とを一体に組み付け、接続
ユニット4に直線状態で固定した光ケーブル6の光ファイバ7とコネクタ端子5とを接続
コネクタ31を介して接続したコネクタ一体型光成端ユニットを示す。このように、コネ
クタ一体型光成端ユニットは、枠体1を介してコネクタ盤の外枠パネル2に取り付けるこ
とでコネクタ盤函体内にコンパクトに収納され、コネクタ端子5に第1の光ケーブルを接
続することにより、第1の光ケーブルの光ファイバが第2の光ケーブルである光ケーブル
6の対応する光ファイバ7と接続される。この場合、上述の背景技術において説明したコ
ネクタ盤28に則して説明すると、外枠パネル2がパネル39に対応し、光ケーブル6が
光ケーブル62に、コネクタ端子5に接続する第1の光ケーブルが光ケーブル63に、そ
れぞれ対応している。
【0026】
なお、上記実施例のコネクタ一体型光成端ユニットは、枠体1を介して外枠パネル2に
取り付けたが、コネクタ端子ユニット3を直接外枠パネル2に取り付けることも可能であ
る。また、上記実施形態のコネクタ一体型光成端ユニットは、接続する第1の光ケーブル
と第2の光ケーブルの数に応じた数をコネクタ盤の外枠パネル2に取り付けて使用される
。但し、テレビ中継用やテレビカメラ用の光システムの仕様が決まらないとき等には、予
想される光システムの規模に応じた以上のコネクタ一体型光成端ユニットを設けておけば
、その後の光ケーブルの追加に対して容易に対応することができる。
【0027】
ここで、図5は、右下45度の方向から入線する光ケーブル6を固定した接続ユニット
4を示す。接続ユニット4は、挿通口16を挟んだ複数のねじ孔18,19の中から斜め
の方向から入線してくる光ケーブル6に対応したねじ孔181,182を利用して光ケー
ブル6を引き留める固定治具23を、ねじ孔191,192を利用してテンションメンバ
ー8を引き留める固定治具24を、それぞれねじ止めしている。
【0028】
また、図6は、左横方向から入線してくる光ケーブル6を固定した接続ユニット4を示
す。接続ユニット4は、複数のねじ孔18,19の中から左横方向から入線してくる光ケ
ーブル6に対応したねじ孔183,184を利用して光ケーブル6を引き留める固定治具
23を、ねじ孔193,194を利用してテンションメンバー8を引き留める固定治具2
4を、それぞれねじ止めしている。
【0029】
更に、図7は、右横方向から入線してくる光ケーブル6を固定した接続ユニット4を示
す。このとき、接続ユニット4は、複数のねじ孔18,19が同心円上に二重に設けられ
、内側を固定治具23用のねじ孔18として利用し、外側を固定治具24用のねじ孔19
として利用する。そして、接続ユニット4は、複数のねじ孔18,19の中から右横方向
から入線してくる光ケーブル6に対応したねじ孔185,186を利用して光ケーブル6
を引き留める固定治具23を、ねじ孔195,196を利用してテンションメンバー8を
引き留める固定治具24を、それぞれねじ止めしている。
【0030】
このように、本発明のコネクタ一体型成端ユニットは、コネクタ端子ユニット3と接続
ユニット4とを一体に組み付けて構成されているので、コネクタ端子ユニット3と接続ユ
ニット4、従ってコネクタ盤の規格統一が可能で、コネクタ盤を全体として小型にするこ
とができる。
【0031】
しかも、本発明のコネクタ一体型成端ユニットは、光ケーブル6の光ファイバ7とコネ
クタ端子5とを一体に組み付けたユニット内で接続でき、点検のために外枠パネル2を外
し、コネクタ盤を開けた時もコネクタ端子ユニット3と接続ユニット4とが一体化された
ユニットとして取り出せる。このため、コネクタ一体型成端ユニットは、コネクタ端子5
と接続ユニット4との間を接続する光ファイバを常に一定の長さに保持することができる
うえ、接続ユニット4からは光ファイバではなく曲げや引張り等に対する抗力を有する光
ケーブルが延出しているので、コネクタ盤から取外す際に光ファイバが切断する危険性が
なく、点検作業を容易に行うことが可能となる。
【0032】
一方、接続ユニット4は、中央部に挿通口16を形成すると共に、裏面に余長収納部1
7を、挿通口16周辺には表面に固定治具23,24を固定する複数のねじ孔18,19
を、それぞれ設け、光ケーブル6を何れの方向からでも引き留め、中央に形成した挿通口
16から引き出せるように構成した。このため、光ファイバの出入口が4箇所に限定され
、光ケーブルの配線方向を配慮しなければならなかった従来の接続ユニットと異なり、接
続ユニット4は、大幅に小型化され、しかも汎用品として設計でき、コネクタ盤の規格統
一を可能とする。また、接続ユニット4は、光ケーブル6の配線方向に係わらず光ケーブ
ル6を直線状に装着できるため、施工工事が非常に行い易い。
【実施例2】
【0033】
次に、本発明のコネクタ一体型光成端ユニットに係る第2の実施例について説明する。
実施例1に係るコネクタ一体型光成端ユニットにおいては光ケーブルとして前提としてい
る。このため、実施例2は、高電圧ノイズに対する保護機能を備えたコネクタ一体型光成
端ユニットに関するものである。図8は、本発明のコネクタ一体型光成端ユニットの実施
例2を示すもので、コネクタ一体型光成端ユニットの配線図である。図8においては、実
施例1と同一の構成要素に同一の符号を付している。
【0034】
外枠パネル2に取り付けられる本発明のコネクタ一体型光成端ユニットは、図8に示す
ように、第1の光ケーブル、例えば、光ケーブル63と、第2の光ケーブルである光ケー
ブル6とを接続している。このとき、光ケーブル6は、2本の光ファイバ7の他に、電源
線6aと信号線6bとをそれぞれ2本ずつ有し、1本のシールド線6cを有している。ま
た、光ケーブル63も、2本の光ファイバ64の他に、電源線63aと信号線63bとを
それぞれ2本ずつ有すると共に、1本のシールド線63cを有し、コネクタ端子5に接続
されている。
【0035】
中継線70は、光ケーブル6,63に対応して、電源線70aと信号線70bとをそれ
ぞれ2本ずつ有し、1本のシールド線70cを有し、2箇所にコネクタ71,72が設け
られている。電源線70a及び信号線70bは、それぞれシールド線70cとの間が耐雷
素子73を介して接続されると共に、それぞれにヒューズ74が設けられている。また、
電源線70a,信号線70b及びシールド線70cは、それぞれに一括連動式の手動スイ
ッチ75が設けられている。
【0036】
ここで、一般に、光・電力複合ケーブルを用いた光システムにおいては、雷サージ等の
高電圧ノイズが発生すると、このノイズが屋外に設置された光・電力複合ケーブルのメタ
ル芯線に侵入して端末機器まで伝わってしまう。この場合、端末機器側においても、サー
ジ保護用の回路を設けることで対応はしているが、端末機器それ自体は屋内仕様であるこ
とから雷サージのような高電圧ノイズは想定していない。このため、雷サージが侵入した
場合、端末機器は、損傷等の不測の障害を被り、光システムに悪影響を及ぼす。
【0037】
従って、実施例2に係るコネクタ一体型光成端ユニットにおいては、高電圧ノイズの遮
断手段を設けたのである。この場合、コネクタ一体型光成端ユニットにおいては、先ず、
耐雷素子73によってサージ電圧が低下し、これによって端末機器が不測の障害を被るこ
とを回避することができる。但し、コネクタ一体型光成端ユニットは、端末機器を使用し
ない場合や、雷の発生が予測される等の場合には、手動スイッチ75によって電源線70
a,信号線70b及びシールド線70cを切断しておくことも可能である。また、落雷等
のサージによって耐雷素子73が破損してショートモードになっても、コネクタ一体型光
成端ユニットにおいては、電源線70a及び信号線70bにヒューズ74を設けているの
で、更なるサージが生じてもヒューズ74の溶断によって回路が切断されるので、端末機
器を高電圧ノイズから保護することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明のコネクタ一体型光成端ユニット及び接続ユニットは、コネクタ
盤全体を小型化することができることから、テレビ中継用光システム、放送スタジオのテ
レビカメラ用光システム等が小型化され、特にコネクタ盤が占める面積が縮小できるので
観客席、スタジオ等を広く使用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1−1】本発明のコネクタ一体型光成端ユニット及び接続ユニットの実施例1を示すもので、コネクタ一体型光成端ユニットをコネクタ盤の外枠パネルに取り付けるための枠体を示す正面図である。
【図1−2】図1−1に示す枠体の側面図である。
【図2−1】コネクタ一体型光成端ユニットで用いるコネクタ端子ユニットを示し、コネクタ端子を取りつけたコネクタ端子ユニットの正面図である。
【図2−2】図2−1に示すコネクタ端子ユニットの側面図である。
【図3−1】コネクタ一体型光成端ユニットで用いる接続ユニットの正面図である。
【図3−2】図3−1に示す側面図である。
【図4】コネクタ一体型光成端ユニットをコネクタ盤の外枠パネルに取り付けた状態を示す側面図である。
【図5】光ケーブルを引き留めた接続ユニットの第1の態様を示す正面図である。
【図6】光ケーブルを引き留めた接続ユニットの第2の態様を示す正面図である。
【図7】光ケーブルを引き留めた接続ユニットの第3の態様を示す正面図である。
【図8】本発明のコネクタ一体型光成端ユニットの実施例2を示すもので、コネクタ一体型光成端ユニットの配線図である。
【図9】従来のテレビ中継用光システムを示す概略構成図である。
【図10】従来の放送用テレビカメラの光システムを示す概略構成図である。
【図11】図9のテレビ中継用光システムで用いるコネクタ盤の概略構成図である。
【図12】図11のコネクタ盤で使用される接続ユニットの概略構成図である。
【符号の説明】
【0040】
1 枠体
2 外枠パネル
3 コネクタ端子ユニット
4 接続ユニット
5 コネクタ端子
6 光ケーブル
6a 電源線
6b 信号線
6c シールド線
7 光ファイバ
8 テンションメンバー
10 取付部
11 中継ファイバ
14 ねじ孔
16 挿通口
17 余長収納部
18,19 ねじ孔
21,22 ねじ孔
23,24 固定治具
63 光ケーブル
63a 電源線
63b 信号線
63c シールド線
64 光ファイバ
70 中継線
70a 電源線
70b 信号線
70c シールド線
71,72 コネクタ
73 耐雷素子
74 ヒューズ
75 手動スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ及び電力線のうち少なくとも光ファイバを有する第1の光ケーブルが接続さ
れるコネクタ端子を有し、外枠パネルに取り付けられるコネクタ端子ユニットと、
光ファイバ及び電力線のうち少なくとも光ファイバを有する第2の光ケーブルの一端が
引き留められ、前記第1及び第2の光ケーブルの対応する光ファイバが接続される接続ユ
ニットと、
が一体に組み付けられていることを特徴とするコネクタ一体型光成端ユニット。
【請求項2】
前記コネクタ端子ユニットは、前記外枠パネルの内方へ向かって下方へ傾斜する第1の
面と、前記外枠パネルの内方へ向かって上方へ傾斜する第2の面とを有し、前記第1の面
に前記コネクタ端子が取り付けられ、前記第2の面に前記接続ユニットが取り付けられて
いることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ一体型光成端ユニット。
【請求項3】
前記接続ユニットは、板材の一方の面に前記光ファイバの余長を収納する余長収納部が
設けられ、中央に前記第2の光ケーブルの光ファイバを挿通する挿通口が形成されると共
に、前記挿通孔の周囲には前記光ケーブルを固定する複数の固定部が周方向に沿って設け
られ、前記複数の固定部を適宜選択することによって前記第2の光ケーブルの導入方向を
変更可能としたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ一体型光成端ユニット。
【請求項4】
前記固定部が、ねじ孔であることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ一体型光成端
ユニット。
【請求項5】
前記接続ユニットは、光コネクタが取り付けられ、当該光コネクタと前記コネクタ端子
との間が中継ファイバで接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに
記載のコネクタ一体型光成端ユニット。
【請求項6】
前記接続ユニットは、前記第1及び第2の光ケーブルが電力線を有するときには、前記
接続ユニットと前記コネクタ端子との間が、高電圧ノイズの遮断手段を設けた中継線で接
続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のコネクタ一体型光成端ユ
ニット。
【請求項7】
板材の一方の面に前記光ファイバの余長を収納する余長収納部が設けられ、中央に前記
第2の光ケーブルの光ファイバを挿通する挿通口が形成されると共に、前記挿通孔の周囲
には前記光ケーブルを固定する複数の固定部が周方向に沿って設けられ、前記複数の固定
部を適宜選択することによって前記第2の光ケーブルの導入方向を変更可能としたことを
特徴とする接続ユニット。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−241296(P2007−241296A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62340(P2007−62340)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【分割の表示】特願2003−336221(P2003−336221)の分割
【原出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】